JP2002502906A - 摩擦要素用高分子組成物 - Google Patents

摩擦要素用高分子組成物

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JP2002502906A JP2000530570A JP2000530570A JP2002502906A JP 2002502906 A JP2002502906 A JP 2002502906A JP 2000530570 A JP2000530570 A JP 2000530570A JP 2000530570 A JP2000530570 A JP 2000530570A JP 2002502906 A JP2002502906 A JP 2002502906A
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カネラポラス,ヴァセリオス
ルイ−ジョセフ−ドッグ,イーサベル
ダニエル マクギニス,ヴィンセント
マンギャライ,ドゥリオーダン
知己 中村
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Nisshinbo Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤と、(II)末端にシラノール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂との共重合体を含む摩擦要素用高分子組成物。この場合、フェノール基の少なくとも一部は末端シラノール基で結合されている。前記高分子組成物を製造する方法において、(a)(I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤と、(II)末端にシラノール基を含む樹脂と、(III)エポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリシロキサンを混合する工程と、(b)前記混合物を、前記フェノール基と前記末端のシラノール基の反応が実質的に完結するのに十分な時間、硬化する工程と、(c)前記工程(b)において得られた生成物を後加熱する工程とを含む方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度と水との接触に関して顕著な特性を有する摩擦要素用高分子組
成物に関する。
【0002】 以下の詳細な説明において、本発明の特徴をブレーキパッド又はブレーキライ
ニングを例に挙げて述べるが、本発明は水の存在下において温度が上昇しても摩
擦特性を安定して維持する必要のあるいずれの用途、例えば、車両及び機械工具
のブレーキ、クラッチにも適用されることが了解されるべきである。ブレーキパ
ッドは、熱と水が最も重要な因子になる用途の一例であり、具体的には、ブレー
キが長期間作動して過熱状態になり、更にそのブレーキ作動期間中に水がパッド
に接触する可能性のある条件下で使用される要素である。
【0003】
【従来の技術】
ブレーキパッドなどの用途に用いられる摩擦要素用の配合物又は組成物は公知
である。その一例として、例えばEP−0456490号公報及び特開昭63−
251452号公報に記載されているような、フェノール樹脂と、オルガノポリ
シロキサン又はシリコン樹脂が架橋剤と混合されることによって得られる混合物
が挙げられる。
【0004】 しかし、IR(赤外線)分析によれば、この混合物は基本的に、最初のフェノ
ール樹脂とシリコン樹脂間のホモ反応によって得られる生成物との単純な混合物
である。これは特に、上記の反応がフェノールのヒドロキシ基とシリコンの相互
反応をもたらすことなく、フェノール基の大半はそれ自体、即ち遊離フェノール
基として残存していることを意味している。その結果、生成物は親水性を維持す
ると共に、比較的高い吸水性を有し、その吸水性が製品の摩擦特性に大きな悪影
響を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、フェノール樹脂と、オルガノポリシロキサン又はシ
リコン樹脂間に異なる反応を起こさせ、フェノール基とシリコンのシラノール基
間に、共重合による実質的な共反応又は縮合によって、Si−O−C及びC−O
−C結合をもたらすことにある。この場合、出発原料としてのフェノール樹脂中 の遊離フェノール基の少なくとも一部はこのような結合を生成することによって
使い尽くされ、吸水性の働きがなくなる。従って、反応生成物は親水性を失うこ
とになり、その生成物と接触する水を吸収することがなく、最終的に湿潤条件下
においても摩擦特性の改善された組成物をもたらすことができる。
【0006】 また、本発明の他の目的は、優れた耐熱性を有する組成物を作成することにあ
る。
【0007】 更に、本発明の他の目的は、湿潤条件における性能の改善された組成物を作成
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
即ち、本発明は(I)フェノール基(phenolic group)を含む
樹脂及び架橋化剤(reticulation agent)と、(II)末端
にシラノール基を含み、その末端のシラノール基に前記フェノール基の一部が結
合されるオルガノポリシロキサン樹脂又はシリコンとの共重合体を含む摩擦要素
用高分子組成物に関する。
【0009】 好ましくは、全出発混合物の重量を基準として、フェノール基を含む樹脂の含
量は50〜80重量%であり、末端にシラノール基を含むオルガノポリシロキサ
ン樹脂の含量は8〜25重量%である。
【0010】 フェノール基を含む出発樹脂は、更に末端に非芳香族アルコール基を含み、そ
の末端の非芳香族アルコール基の少なくとも一部は前記末端のシラノール基と結
合するように構成することもできる。
【0011】 架橋化剤は、例えばヘキサミンのようなアミンとすることができる。
【0012】 本発明の好適な一実施態様において、架橋化剤はヘキサミンであり、予めフェ
ノール基を含む樹脂に混合されて存在している。このような出発原料としては、
例えば、三井東圧化学からザイロック(登録商標)の商品名で市販されている。
この市販品において、フェノール基を含む樹脂は、一般式(A)で表され、一般
式(A’)で表される単位を含んでいてもよく、更にヘキサミン(B)を8〜1
2重量%の割合で含んでいる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】 同じ種類の他の出発原料としては、例えばノボラック(登録商標)のような樹
脂を用いることもできる。
【0016】 他の化合物、即ち末端にシラノール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂とし
ては、例えばヒドロキシフェニルアルキルシリコーン樹脂又はメチルフェニルシ
ロキサンが挙げられる。
【0017】 本発明は、同様に、 (a)(I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤と、(II)末端にシラノー
ル基を含む樹脂と、(III)エポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリ
シロキサンを混合する工程と、 (b)前記混合物を、前記フェノール基と前記末端のシラノール基の反応が実質
的に完結するのに十分な時間、硬化する工程と、 (c)前記工程(b)において得られた生成物を後加熱する工程と を含む高分子組成物の製造方法に関する。
【0018】 上記の反応はエポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリシロキサンの存
在下においてなされることに留意すべきである。これは、従来例において説明し
たようなシリコーン樹脂間の単純なホモ反応(homoreaction)では
なく、縮合又は共反応を促進して共重合体をもたらす反応である。
【0019】 エポキシ樹脂を含むこのような反応は以下のように表される。
【化5】
【0020】 シリコーン樹脂は、出発混合物に10〜20重量%、好ましくは約20%含ま
れているとよい。エポキシ樹脂としては、例えば、チバ・ガイギ−(GT707
1)タイプ(登録商標)が挙げられ、出発混合物に20〜40重量%含まれてい
るとよい。エポキシ化されたオルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポリジ
アルキルシロキサンが挙げられ、出発混合物に3〜10%、好ましくは約5%含
まれているとよい。
【0021】 出発樹脂の混合を容易にするため、前記樹脂は、粒子径の分布が400μm以
下の粉体の形態であることが好ましい。上記ザイロック(登録商標)のような化
合物の場合は300μm以下、シリコーンの場合は200μm以下であることが
好ましい。
【0022】 最終製品の形状に成形する工程をも兼ねてもよい混合工程(a)は、型内にお
いて50℃を超えない温度で行うことが好ましい。
【0023】 通常、硬化工程(b)は、少なくとも50気圧の圧力でかつ80〜160℃の
温度の条件下で行われ、反応混合物の脱ガスを行う複数のサイクルに分割される
とよい。この場合、各脱ガスサイクルは圧力と温度を上昇させて次々と行うこと
が最も好ましい。
【0024】 後加熱工程(c)は、大気圧下で少なくとも200℃の温度で行うことが好ま
しい。
【0025】
【実施例】
本発明の種々の目的及び利点は、以下の実施例から明らかになるであろう。但
し、本発明はそれらの実施例に制限されるものではない。
【0026】 〔実施例1〜7〕 エポキシ樹脂GT7071を20%、シリコーン樹脂6−2230を10%、
及びザイロック(登録商標)を70%含む混合物を出発原料として、10×60
mmの各試料(表1)を下記の条件下で製造した。
【0027】 ステップ0:硬化温度において圧力を加えずに少なくとも60秒保持する。 ステップ1:脱ガスサイクルを各硬化温度において146気圧で(6秒継続−
10秒中断)5回行う。硬化温度において183気圧の加圧下でそれぞれ5、1
2、17.5、23又は30分保持する。 ステップ2:脱ガスサイクル(6秒継続−10秒中断)を3回行い、160℃
で10分保持する。
【0028】
【表1】
【0029】 これらの成形物(formulation)の試験片を200℃及び240℃
の異なるポストキュア(後加熱)温度で処理し、通常の付加成分と共にブレーキ
パッドとして加工して、水試験用の成形物を作成した。
【0030】 10μlの水滴を試料の表面に滴下させてその水滴の吸収時間を記録する方法
によって、吸水性を試験した(表2)。参照試料として用いたテフロン(登録商
標)の表面に滴下させた10μlの水滴は60分で蒸発した。
【0031】
【表2】 表2の結果は、水が消失するのに要する時間は、水が蒸発するまでの時間とほ
とんど一致することを示している。このことから、これらの樹脂成形物の吸水性
は非常に緩慢であることがわかる。
【0032】 240℃でポストキュアした成形物を、ブレーキ作動による加熱及び過熱をシ
ミュレーションした熱処理条件である350℃において熱処理して、以下の比較
結果を得た。
【0033】 水試験用に作成された成形物(樹脂と他の従来のブレーキパッド成分を含む)
について、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物を350℃において1時間
及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が(吸収又は蒸発によって)消
失するまでの時間は、それぞれ12秒及び10秒であった。一方、本発明による
成形物を350℃で1時間及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が消
失するまでの時間は、それぞれ407秒及び186秒であった。
【0034】 上記の成形物を構成する異なる化合物間において以下に示す、いくつかの反応
が生じることが想定される。
【0035】 ザイロックの末端OH基とGT7071樹脂のエポキシ基が反応してC−O−
CH2−CHOH結合を生成。 ザイロックの末端OH基とポリジメチルシロキサン6−2230の末端OH基
が反応してSi−C−O結合を生成。
【0036】 これらの基の形成は赤外線スペクトルによって確認することができる。即ち、
1010cm-1の近傍のフェニル−CH2−OH特性帯域が減少すると共に、1 100cm-1近傍(非対称伸縮振動)のSi−C−O結合及び1040cm-1
傍のC−O−CH2結合の代表的な帯域が現れる。
【0037】 硬化(ステップ1)前の暴露の時間と温度はシリコーン−ヒドロキシル基及び
ザイロック(登録商標)−ヒドロキシル基間の反応の程度に重要な影響を与える
。この観点から、ピーク値の変化をプレキュア温度と時間に関して検討した。表
3は出発樹脂の参照帯域を表し、表4は各IRスペクトルに対する特性帯域を示
している。
【0038】
【表3】
【0039】 表4は、ステップ0を80℃で行った成形物をステップ0を80℃で12分行
った試料との比較であり、それぞれ、硬化及びポストキュアを行わないものであ
る(表の第3欄)。
【0040】
【表4】
【0041】 〔実施例8〜14〕 ダウ・コーニング社からアディテブ23の商品名で市販されているエポキシ化
溶液を5%、シリコーン樹脂6−2230を20%、及びザイロック(登録商標
)を75%含む混合物を出発原料として、10×60mmの各試料(表1)を以
下の条件下で製造した。
【0042】 ステップ0:硬化温度において圧力を加えずに少なくとも1.5分保持する。 ステップ1:硬化温度において148気圧の圧力下で脱ガスサイクル(6秒継
続−10秒中断)を5回行う。硬化温度において183気圧の圧力下で12、1
7.5、又は30分保持する。 ステップ2:脱ガスサイクル(6秒継続−10秒中断)を3回行い、160℃
で10分保持する。
【0043】
【表5】
【0044】 これらの成形物からなる試料を200℃及び240℃の異なるポストキュア温
度で処理し、通常の付加成分と共にブレーキパッドとして加工することによって
、水試験用の成形物を作成した。
【0045】 前述の実施例1〜7の成形物に対して行われたのと同じ水滴を用いる方法によ
って、吸水性を試験した。その結果、以下に示すように、これらの成形物は前述
の実施例における成形物と類似の吸水性を示した。
【0046】
【表6】 表6の結果は、水が消失するに要する時間は蒸発するまでの時間とほとんど一
致することを示している。このことから、これらの樹脂成形物の吸水性は非常に
緩慢であることがわかる。
【0047】 240℃でポストキュアした成形物をブレーキ作動による加熱及び過熱をシミ
ュレーションした熱処理条件である350℃に熱処理して、以下の比較結果を得
た。
【0048】 水試験用に作成した成形物(樹脂と他の従来のブレーキパッド成分を含む)に
ついて、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物を350℃において1時間及
び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が(吸収又は蒸発によって)消失
するまでの時間は、それぞれ12秒及び10秒であった。一方、本発明による成
形物を350℃で1時間及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が消失
するまでの時間は、それぞれ1972秒及び1832秒であった。
【0049】 上記の本発明による(350℃で熱処理する前の)成形物の水が(吸収又は蒸
発によって)消失するまでの時間を100%とすると、350℃で1時間加熱し
た後の純ザイロック(登録商標)を用いた成形物、三井の製品(ザイロック(登
録商標)+Si)を用いた成形物、及び本発明による成形物の水が消失するまで
の時間は、それぞれ75%、98%、及び98%であった。
【0050】 しかし、350℃で2時間加熱した後の純ザイロック(登録商標)を用いた成
形物、三井の製品(ザイロック(登録商標)+Si)を用いた成形物、及び本発
明による成形物の水が消失するまでの時間は、それぞれ63%、53%、及び8
7%であった。
【0051】 これらの結果から、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物又は三井の製品
(ザイロック(登録商標)+Si)を用いた成形物と比較して、本発明による樹
脂成形物は長期の熱処理に対して優れた性能と良好な耐性を有していることがわ
かる。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 摩擦要素用高分子組成物
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、温度と水との接触に関して顕著な特性を有する摩擦要素用高分子組
成物に関する。
【0002】 以下の詳細な説明において、本発明の特徴をブレーキパッド又はブレーキライ
ニングを例に挙げて述べるが、本発明は水の存在下において温度が上昇しても摩
擦特性を安定して維持する必要のあるいずれの用途、例えば、車両及び機械工具
のブレーキ、クラッチにも適用されることが了解されるべきである。ブレーキパ
ッドは、熱と水が最も重要な因子になる用途の一例であり、具体的には、ブレー
キが長期間作動して過熱状態になり、更にそのブレーキ作動期間中に水がパッド
に接触する可能性のある条件下で使用される要素である。
【0003】
【従来の技術】 ブレーキパッドなどの用途に用いられる摩擦要素用の配合物又は組成物は公知
である。その一例として、例えばEP−0456490号公報及び特開昭63−
251452号公報に記載されているような、フェノール樹脂と、オルガノポリ
シロキサン又はシリコーン樹脂が架橋剤と混合されることによって得られる混合
物が挙げられる。
【0004】 しかし、IR(赤外線)分析によれば、この混合物は基本的に、最初のフェノ
ール樹脂とシリコーン樹脂間のホモ反応によって得られる生成物との単純な混合
物である。これは特に、上記の反応がフェノールのヒドロキシ基とシリコーンの
相互反応をもたらすことなく、フェノール基の大半はそれ自体、即ち遊離フェノ
ール基として残存していることを意味している。その結果、生成物は親水性を維
持すると共に、比較的高い吸水性を有し、その吸水性が製品の摩擦特性に大きな
悪影響を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 従って、本発明の目的は、フェノール樹脂と、オルガノポリシロキサン又はシ
リコーン樹脂間に異なる反応を起こさせ、フェノール基とシリコーンのシラノー
ル基間に、共重合による実質的な共反応又は縮合によって、Si−O−C及びC
−O−C結合をもたらすことにある。この場合、出発原料としてのフェノール樹
脂中の遊離フェノール基の少なくとも一部はこのような結合を生成することによ
って使い尽くされ、吸水性の働きがなくなる。従って、反応生成物は親水性を失
うことになり、その生成物と接触する水を吸収することがなく、最終的に湿潤条
件下においても摩擦特性の改善された組成物をもたらすことができる。
【0006】 また、本発明の他の目的は、優れた耐熱性を有する組成物を作成することにあ
る。
【0007】 更に、本発明の他の目的は、湿潤条件における性能の改善された組成物を作成
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】 即ち、本発明は(I)フェノール基(phenolic group)を含む
樹脂及び架橋化剤(reticulation agent)と、(II)末端
にシラノール基を含み、その末端のシラノール基に前記フェノール基の一部が結
合されるオルガノポリシロキサン樹脂又はシリコーンとの共重合体を含む摩擦要
素用高分子組成物に関する。
【0009】 好ましくは、全出発混合物の重量を基準として、フェノール基を含む樹脂の含
量は50〜80重量%であり、末端にシラノール基を含むオルガノポリシロキサ
ン樹脂の含量は8〜25重量%である。
【0010】 フェノール基を含む出発樹脂は、更に末端に非芳香族アルコール基を含み、そ
の末端の非芳香族アルコール基の少なくとも一部は前記末端のシラノール基と結
合するように構成することもできる。
【0011】 架橋化剤は、例えばヘキサミンのようなアミンとすることができる。
【0012】 本発明の好適な一実施態様において、架橋化剤はヘキサミンであり、予めフェ
ノール基を含む樹脂に混合されて存在している。このような出発原料としては、
例えば、三井東圧化学からザイロック(登録商標)の商品名で市販されている。
この市販品において、フェノール基を含む樹脂は、一般式(A)で表され、一般
式(A’)で表される単位を含んでいてもよく、更にヘキサミン(B)を8〜1
2重量%の割合で含んでいる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】 同じ種類の他の出発原料としては、例えばノボラック(登録商標)のような樹
脂を用いることもできる。
【0016】 他の化合物、即ち末端にシラノール基を含むオルガノポリシロキサン樹脂とし
ては、例えばヒドロキシフェニルアルキルシリコーン樹脂又はメチルフェニルシ
ロキサンが挙げられる。
【0017】 本発明は、同様に、 (a)(I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤と、(II)末端にシラノー
ル基を含む樹脂と、(III)エポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリ
シロキサンを混合する工程と、 (b)前記混合物を、前記フェノール基と前記末端のシラノール基の反応が実質
的に完結するのに十分な時間、硬化する工程と、 (c)前記工程(b)において得られた生成物を後加熱する工程と を含む高分子組成物の製造方法に関する。
【0018】 上記の反応はエポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリシロキサンの存
在下においてなされることに留意すべきである。これは、従来例において説明し
たようなシリコーン樹脂間の単純なホモ反応(homoreaction)では
なく、縮合又は共反応を促進して共重合体をもたらす反応である。
【0019】 エポキシ樹脂を含むこのような反応は以下のように表される。
【化5】
【0020】 シリコーン樹脂は、出発混合物に10〜20重量%、好ましくは約20重量%
含まれているとよい。エポキシ樹脂としては、例えば、チバ・ガイギ−(GT7
071)タイプ(登録商標)が挙げられ、出発混合物に20〜40重量%含まれ
ているとよい。エポキシ化されたオルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポ
リジアルキルシロキサンが挙げられ、出発混合物に3〜10重量%、好ましくは
約5重量%含まれているとよい。
【0021】 出発樹脂の混合を容易にするため、前記樹脂は、粒子径の分布が400μm以
下の粉体の形態であることが好ましい。上記ザイロック(登録商標)のような化
合物の場合は300μm以下、シリコーンの場合は200μm以下であることが
好ましい。
【0022】 最終製品の形状に成形する工程をも兼ねてもよい混合工程(a)は、型内にお
いて50℃を超えない温度で行うことが好ましい。
【0023】 通常、硬化工程(b)は、少なくとも50気圧の圧力でかつ80〜160℃の
温度の条件下で行われ、反応混合物の脱ガスを行う複数のサイクルに分割される
とよい。この場合、各脱ガスサイクルは圧力と温度を上昇させて次々と行うこと
が最も好ましい。
【0024】 後加熱工程(c)は、大気圧下で少なくとも200℃の温度で行うことが好ま
しい。
【0025】
【実施例】 本発明の種々の目的及び利点は、以下の実施例から明らかになるであろう。但
し、本発明はそれらの実施例に制限されるものではない。
【0026】 〔実施例1〜7〕 エポキシ樹脂GT7071を20重量%、シリコーン樹脂6−2230を10
重量%、及びザイロック(登録商標)を70重量%含む混合物を出発原料として
、10×60mmの各試料(表1)を下記の条件下で製造した。
【0027】 ステップ0:硬化温度において圧力を加えずに少なくとも60秒保持する。 ステップ1:脱ガスサイクルを各硬化温度において146気圧で(6秒継続−
10秒中断)5回行う。硬化温度において183気圧の加圧下でそれぞれ5、1
2、17.5、23又は30分保持する。 ステップ2:脱ガスサイクル(6秒継続−10秒中断)を3回行い、160℃
で10分保持する。
【0028】
【表1】
【0029】 これらの成形物(formulation)の試験片を200℃及び240℃
の異なるポストキュア(後加熱)温度で処理し、通常の付加成分と共にブレーキ
パッドとして加工して、水試験用の成形物を作成した。
【0030】 10μlの水滴を試料の表面に滴下させてその水滴の吸収時間を記録する方法
によって、吸水性を試験した(表2)。参照試料として用いたテフロン(登録商
標)の表面に滴下させた10μlの水滴は60分で蒸発した。
【0031】
【表2】 表2の結果は、水が消失するのに要する時間は、水が蒸発するまでの時間とほ
とんど一致することを示している。このことから、これらの樹脂成形物の吸水性
は非常に緩慢であることがわかる。
【0032】 240℃でポストキュアした成形物を、ブレーキ作動による加熱及び過熱をシ
ミュレーションした熱処理条件である350℃において熱処理して、以下の比較
結果を得た。
【0033】 水試験用に作成された成形物(樹脂と他の従来のブレーキパッド成分を含む)
について、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物を350℃において1時間
及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が(吸収又は蒸発によって)消
失するまでの時間は、それぞれ12秒及び10秒であった。一方、本発明による
成形物を350℃で1時間及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が消
失するまでの時間は、それぞれ407秒及び186秒であった。
【0034】 上記の成形物を構成する異なる化合物間において以下に示す、いくつかの反応
が生じることが想定される。
【0035】 ザイロックの末端OH基とGT7071樹脂のエポキシ基が反応してC−O−
CH2−CHOH結合を生成。 ザイロックの末端OH基とポリジメチルシロキサン6−2230の末端OH基
が反応してSi−C−O結合を生成。
【0036】 これらの基の形成は赤外線スペクトルによって確認することができる。即ち、
1010cm-1近傍のフェニル−CH2−OH特性帯域が減少すると共に、11 00cm-1近傍(非対称伸縮振動)のSi−C−O結合及び1040cm-1近傍
のC−O−CH2結合の代表的な帯域が現れる。
【0037】 硬化(ステップ1)前の暴露の時間と温度はシリコーン−ヒドロキシル基及び
ザイロック(登録商標)−ヒドロキシル基間の反応の程度に重要な影響を与える
。この観点から、ピーク値の変化をプレキュア温度と時間に関して検討した。表
3は出発樹脂の参照帯域を表し、表4は各IRスペクトルに対する特性帯域を示
している。
【0038】
【表3】
【0039】 表4は、ステップ0を80℃で行った成形物をステップ0を80℃で12分行
った試料との比較であり、それぞれ、硬化及びポストキュアを行わないものであ
る(表の第3欄)。
【0040】
【表4】
【0041】 〔実施例8〜14〕 ダウ・コーニング社からアディテブ23の商品名で市販されているエポキシ化
溶液を5重量%、シリコーン樹脂6−2230を20重量%、及びザイロック(
登録商標)を75重量%含む混合物を出発原料として、10×60mmの各試料
(表1)を以下の条件下で製造した。
【0042】 ステップ0:硬化温度において圧力を加えずに少なくとも1.5分保持する。 ステップ1:硬化温度において148気圧の圧力下で脱ガスサイクル(6秒継
続−10秒中断)を5回行う。硬化温度において183気圧の圧力下で12、1
7.5、又は30分保持する。 ステップ2:脱ガスサイクル(6秒継続−10秒中断)を3回行い、160℃
で10分保持する。
【0043】
【表5】
【0044】 これらの成形物からなる試料を200℃及び240℃の異なるポストキュア温
度で処理し、通常の付加成分と共にブレーキパッドとして加工することによって
、水試験用の成形物を作成した。
【0045】 前述の実施例1〜7の成形物に対して行われたのと同じ水滴を用いる方法によ
って、吸水性を試験した。その結果、以下に示すように、これらの成形物は前述
の実施例における成形物と類似の吸水性を示した。
【0046】
【表6】 表6の結果は、水が消失するに要する時間は蒸発するまでの時間とほとんど一
致することを示している。このことから、これらの樹脂成形物の吸水性は非常に
緩慢であることがわかる。
【0047】 240℃でポストキュアした成形物をブレーキ作動による加熱及び過熱をシミ
ュレーションした熱処理条件である350℃に熱処理して、以下の比較結果を得
た。
【0048】 水試験用に作成した成形物(樹脂と他の従来のブレーキパッド成分を含む)に
ついて、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物を350℃において1時間及
び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が(吸収又は蒸発によって)消失
するまでの時間は、それぞれ12秒及び10秒であった。一方、本発明による成
形物を350℃で1時間及び2時間加熱した後、水試験を行った結果、水が消失
するまでの時間は、それぞれ1972秒及び1832秒であった。
【0049】 上記の本発明による(350℃で熱処理する前の)成形物の水が(吸収又は蒸
発によって)消失するまでの時間を100%とすると、350℃で1時間加熱し
た後の純ザイロック(登録商標)を用いた成形物、三井の製品(ザイロック(登
録商標)+Si)を用いた成形物、及び本発明による成形物の水が消失するまで
の時間は、それぞれ75%、98%、及び98%であった。
【0050】 しかし、350℃で2時間加熱した後の純ザイロック(登録商標)を用いた成
形物、三井の製品(ザイロック(登録商標)+Si)を用いた成形物、及び本発
明による成形物の水が消失するまでの時間は、それぞれ63%、53%、及び8
7%であった。
【0051】 これらの結果から、純ザイロック(登録商標)を用いた成形物又は三井の製品
(ザイロック(登録商標)+Si)を用いた成形物と比較して、本発明による樹
脂成形物は長期の熱処理に対して優れた性能と良好な耐性を有していることがわ
かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/10 C08L 83/10 C09K 3/14 530 C09K 3/14 530D F16D 69/02 F16D 69/02 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マンギャライ,ドゥリオーダン アメリカ合衆国,オハイオ州 43017,ダ ブリン,バックジャック コート 7828 (72)発明者 中村 知己 千葉県成田市土屋892−11 Fターム(参考) 3J058 BA32 CA02 CA42 FA01 FA11 FA21 FA31 GA55 GA57 4F071 AA41 AA42 AA67 AA78 AC12 AE02 AF22 DA01 DA18 4J002 CC031 CD003 CP053 CP062 EU186 FD146 GM03 4J035 BA02 CA081 CA111 LB20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤(reticu
    lation agent)と、(II)末端にシラノール基を含み、その末端
    のシラノール基に前記フェノール基の少なくとも一部が結合されるオルガノポリ
    シロキサン樹脂と、(III)エポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリ
    シロキサンとの共重合体を含むことを特徴とする摩擦要素用高分子組成物。
  2. 【請求項2】 前記フェノール基を含む樹脂は更に末端に非芳香族アルコー
    ル基を含み、その末端の非芳香族アルコール基の少なくとも一部は前記末端のシ
    ラノール基と結合される請求項1に記載の高分子組成物。
  3. 【請求項3】 前記(I)のフェノール基を含む樹脂は、一般式(A)で表
    され、そして一般式(A’)で表される単位を含んでいてもよい先行する請求項
    のいずれかに記載の高分子組成物。 【化1】 され、そして一般式(A’)で表される単位を含む請求項3に記載の高分子組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記(II)の末端にシラノール基を含むオルガノポリシロ
    キサン樹脂は、ヒドロキシフェニルアルキルシリコーン樹脂である先行する請求
    項のいずれかに記載の高分子組成物。
  5. 【請求項5】 前記架橋化剤は、一般式(B)で表されるヘキサミンである
    先行する請求項のいずれかに記載の高分子組成物。 【化2】
  6. 【請求項6】 先行する請求項のいずれかに記載の高分子組成物を製造する
    方法において、 (a)(I)フェノール基を含む樹脂及び架橋化剤と、(II)末端にシラノー
    ル基を含む樹脂と、(III)エポキシ樹脂又はエポキシ化されたオルガノポリ
    シロキサンを混合する工程と、 (b)前記混合物を、前記フェノール基と前記末端のシラノール基の反応が実質
    的に完結するのに十分な時間、硬化する工程と、 (c)前記工程(b)において得られた生成物を後加熱する工程と を含むことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 前記の混合工程(a)は50℃を超えない温度で行われる請
    求項7に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記の硬化工程(b)は、少なくとも50気圧の圧力でかつ
    80〜160℃の温度の条件下で行われる請求項8に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記の硬化工程(b)は、反応混合物の脱ガスを可能とする
    複数のサイクルに分割されて行われる請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記複数の脱ガスサイクルは、それぞれ、圧力と温度を上
    昇させて次々に行われる請求項10に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記の後加熱工程(c)は大気圧でかつ少なくとも200
    ℃の条件下で行われる請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】 出発樹脂は、400μm以下の粒子径分布を有する粉体の
    形態である請求項7に記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜6のいずれかに記載の高分子組成物のブレーキ
    パッドの基板としての用途。
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