JPH0874904A - 摩擦材用樹脂組成物 - Google Patents

摩擦材用樹脂組成物

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JPH0874904A
JPH0874904A JP21029294A JP21029294A JPH0874904A JP H0874904 A JPH0874904 A JP H0874904A JP 21029294 A JP21029294 A JP 21029294A JP 21029294 A JP21029294 A JP 21029294A JP H0874904 A JPH0874904 A JP H0874904A
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JP
Japan
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resin
parts
thermosetting resin
partially cured
modified
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JP21029294A
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English (en)
Inventor
Takashi Kobayashi
小林  孝
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Sumitomo Durez Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Durez Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒ある
いはアルカリ触媒下で反応して得られるフェノール系樹
脂(A)100重量部に対して、下記式(1)で表され
る部分硬化率Cが5〜90%である熱硬化性樹脂(B)
を2〜1000重量部配合することを特徴とする摩擦材
用樹脂組成物。 C(%)=(E1/E0)×100 (1) (式中、E0 は未硬化の熱硬化性樹脂の示差走査熱量計
で測定して得られた反応熱量(cal) を示し、E1 は部分
硬化した熱硬化性樹脂の示差走査熱量計で測定して得ら
れた反応熱量(cal) を示す。) 【効果】 成形性の良い摩擦材が製造でき、且つ機械的
特性が良好で制動安定性,耐摩耗性,耐熱性に優れ,さ
らには鳴きが低減され自動車、鉄道車両、航空機、産業
機械等の制動部品に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性が良く、且つ制
動安定性、耐摩耗性、耐熱性及び鳴き特性に優れた摩擦
材用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、産業機械には動力の制動または
伝達のためブレーキライニング、ディスクパッド、クラ
ッチフェーシング等の摩擦材が使用されている。これら
の摩擦材は、一般にガラス繊維、アラミド繊維、金属繊
維等の基材とカシューダスト、メラミンダスト、ゴムダ
スト等の有機添加剤及び硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、ウォラストナイト、銅粉などの無機添加剤をフェノ
ール系樹脂で結合して製造される。
【0003】また、これら摩擦材の評価は低温から高温
における摩擦係数、摩耗量、鳴き(制動時に発生する異
音)などの摩擦性能、並びに曲げ強度・せん断強度等の
機械的特性などに基づいて行われている。一方、昨今の
急速な交通機関の高速化に伴い、これらの摩擦材に対し
て、過酷な条件下での制動安定性,耐摩耗性,耐熱性と
鳴きの低減によるフィーリング性の向上が強く要求され
ており、摩擦材料のこれら特性に影響する要因は、結合
剤の選択によるところが大きいとされている。
【0004】摩擦材用結合剤としては、耐熱性,耐摩耗
性,機械的強度などの面から一般にフェノール樹脂が使
用されている。このフェノール樹脂としては、従来より
耐熱性を考慮して未変性フェノール樹脂が実用に供され
ているが架橋密度が高くマトリックスが硬い為、局所当
りによるフェードが発生し制動安定性が悪く鳴きが発生
するという難点があった。これら局所当りを改善するた
めに変性フェノール樹脂の研究が盛んに行われており、
柔軟性に優れる油変性フェノール樹脂、カシュー変性フ
ェノール樹脂、ゴム変性フェノール樹脂、エポキシ変性
フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂などが検
討され、実用に供されている。しかし、これらの変性フ
ェノール樹脂では、柔軟性が付与され局所当りが改善さ
れ、鳴き特性は向上するものの、耐熱性が劣るため制動
時に分解ガスの発生を来し悪臭を発生するとともに過酷
な条件下での制動安定性が得られず、摩耗特性,機械的
特性の低下を招くので、摩擦材用として不十分であっ
た。
【0005】また、これらの変性フェノール樹脂の制動
安定性,摩耗特性,機械的特性を向上させる為に芳香族
炭化水素変性(例えば特開平4−132716号公報で
提案された芳香族炭化水素変性ポリイミド樹脂)や変性
マレイミド樹脂(例えば特開平3−93824号で提案
されたフェノール類と芳香族アミンと不飽和ジカルボン
酸無水物による反応生成物)及びフェノールアラルキル
樹脂等の耐熱性樹脂が検討されているが、制動安定性,
摩擦特性は改善されるものの、低温時の柔軟性がなく振
動吸収性に欠ける為に鳴きが発生し、摩擦材用として不
充分であった。またこれらの耐熱性樹脂は、未変性フェ
ノール樹脂と比べて硬化が遅くなり、成形時の成形性・
作業性が悪くなる為に、高温長時間成形が必要となり多
大のエネルギーを使用することになるために経済性の面
でも難点があった。
【0006】また、耐熱性と柔軟性の両特性を向上させ
る為に、シリコーン変性フェノール樹脂(例えば特開平
2−173026号公報で提案されたノボラックとオル
ガノシロキサン系化合物との反応生成物であるシリコン
変性ノボラック)で機械的強度,可とう性の向上をはか
っているが、コスト高となる問題が残されている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の摩
擦材のこのような問題点を解決するため種々検討の結果
成されたものであり、その目的とするところは、摩擦材
とした場合の制動安定性、特に高負荷時の耐摩耗性、耐
熱性、鳴き特性に優れ、且つ硬化が速く成形性が良い摩
擦材用樹脂組成物を提供することにある。即ち、部分硬
化した熱硬化性樹脂を未硬化のフェノール系樹脂中に混
合させることにより、摩擦性能、機械的特性を向上させ
ることができるという知見を得、さらにこの知見に基づ
き種々研究を進め本発明を完成するに至ったものであ
る。
【課題を解決するための手段】本発明は、摩擦材用樹脂
組成物において、フェノール類とアルデヒド類とを酸触
媒あるいはアルカリ触媒下で反応して得られるフェノー
ル系樹脂(A)100重量部に対して、下記式(1)で
表される部分硬化率Cが5〜90%である熱硬化性樹脂
(B)を2〜1000重量部配合することを特徴とする
摩擦材用樹脂組成物に関するものである。 C(%)=(E1/E0)×100 (1) (式中、E0 は未硬化の熱硬化性樹脂の示差走査熱量計
で測定して得られた反応熱量(cal) を示し、E1 は部分
硬化した熱硬化性樹脂の示差走査熱量計で測定して得ら
れた反応熱量(cal) を示す。)
【0009】以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における部分硬化率とは、具体的には次のように
して求めた値である。即ち、未硬化の熱硬化性樹脂粉末
試料の一定量(具体例としては10mg)を精秤し、示
差走査熱量計(DSC)(例えば、セイコー電子製DS
C−210型)にセットし、昇温速度5℃/分で、30
℃から200℃まで測定し、硬化時の反応熱量E0 を測
定する。次に、同量の部分硬化した該熱硬化性樹脂粉末
試料を精秤し、同様にして硬化時の反応熱量E1 を測定
する。しかる後に、部分硬化率Cは次式(1)により計
算される。 C(%)=(E1/E0)×100 (1) 熱硬化性樹脂は3次元架橋すると硬化時に発生する反応
熱量が減少する。即ち、ここで言う部分硬化率0%とは
完全硬化を意味し、部分硬化率100%とは硬化が全く
起きていない未硬化の状態を意味する。
【0010】本発明において、フェノール類としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、
カテコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、テルペンフェノール、シクロヘキシルフ
ェノール、パラターシャリブチルフェノール、パラフェ
ニルフェノール、パラオクチルフェノール、パラノニル
フェノール、ビフェノール、1−ナフトール、2−ナフ
トール、ヒドロキシナフタレンなどを単独又は併用して
使用する事ができる。またアルデヒド類としては、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、
アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールな
どを単独又は併用して使用する事ができる。
【0011】本発明において、フェノール樹脂(A)の
反応触媒として用いられる酸としては、酢酸、蟻酸、蓚
酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機
酸、及び硝酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸であ
り、これらを単独又は併用して使用する事ができる。ま
た、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
リチウム、水酸化バリウム、アンモニア水などであり、
これらを単独又は併用して使用する事ができる。
【0012】本発明のフェノール系樹脂(A)は、これ
らのフェノール類、ホルムアルデヒド類、及び酸触媒あ
るいはアルカリ触媒を反応釜に仕込んだ後、加熱し付加
縮合させた後脱水反応する公知の製造方法により得られ
るものであり、酸を触媒としたノボラック型,またはア
ルカリを触媒としたレゾール型を単独又は併用したもの
であってもよい。
【0013】本発明の熱硬化性樹脂(B)において、エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリン等を必須成分として縮合させて得られる公知の製
造方法により得られるものである。また、マレイミド樹
脂としては、ジフェニルメタンビスマレイミドとジアミ
ノジフェニルメタン等を必須成分として付加反応させる
公知の製造方法により得られるものである。また、メラ
ミン樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒド等を必
須成分として縮合させる公知の製造方法により得られる
ものである。また、シリコン樹脂としては、オルガノポ
リシロキサン等を必須成分として重縮合させる公知の製
造方法により得られるものである。これらの熱硬化性樹
脂は単独又は併用して使用する事ができる。
【0014】また、これらの熱硬化性樹脂で変性したフ
ェノール系樹脂としては、エポキシ変性フェノール樹
脂,マレイミド変性フェノール樹脂,メラミン変性フェ
ノール樹脂,シリコン変性フェノール樹脂であり、それ
ぞれの熱硬化性樹脂がフェノール樹脂に対して化学的に
結合したものであっても、混合物であっても良い。ま
た、これら変性剤を2種以上併用しても良い。
【0015】更に、熱硬化性樹脂(B)において、合成
ゴム変性フェノール樹脂としては、スチレンブタジエン
ゴム,アクリロニトリルゴム,アクリルゴム,エチレン
アクリルゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,シリコ
ンゴム,フッ素ゴム,ポリウレタンゴム,ポリオレフィ
ンゴム等を単独又は併用してフェノール系樹脂に化学結
合もしくは混合して使用する事ができる。
【0016】また、本発明に用いられる部分硬化した熱
硬化性樹脂(B)は、部分硬化率が5〜90%である。
部分硬化率が90%より大きい部分硬化した熱硬化性樹
脂をフェノール系樹脂に混合した場合、あるいは部分硬
化率が5〜90%で示される部分硬化したフェノール系
樹脂をフェノール系樹脂100重量部に対して2重量部
より少なく混合した場合、架橋密度が高くマトリックス
が硬いため局所当りによるフェードが発生し、制動安定
性が悪く鳴きが発生しやすくなる。また、部分硬化率が
5%より小さい部分硬化した熱硬化性樹脂をフェノール
系樹脂に混合した場合、機械的強度が低下し摩耗量が増
加する。更に、フェノール系樹脂100重量部に対して
部分硬化率が5〜90%である部分硬化した熱硬化性樹
脂を1000重量部より多く混合すると、成形時に流れ
不良をまねき、且つ架橋密度の不足により機械的強度が
低下し摩耗量を増加させ、摩擦材用には適さないものと
なる。また、部分硬化した熱硬化性樹脂の粒度が5μm
より細かいと、振動吸収効果が低下し鳴きが悪くなる。
また50μmより粗いと、フェノール系樹脂との分散性
が悪く不均一になり、機械的強度が低下し摩耗量が増加
する。
【0017】本発明に示すように、フェノール系樹脂に
対して、適当量の部分硬化した熱硬化性樹脂を混合する
ことにより、摩擦材とした場合のマトリックス樹脂に架
橋度の異なる異質な樹脂の分布が生じ、この異質部分が
応力を分散させ緩衝作用を起こすために、振動吸収性が
付与され鳴きが低減する。また、部分硬化した熱硬化性
樹脂は、加熱処理時に硬化剤から発生する分解ガス(た
とえばアンモニアガス)や樹脂中に内含している水ある
いは縮合水を既に放出している為に、これをフェノール
系樹脂に混合して成形する際の発生ガス量が少なくな
る。このために成形性の良い摩擦材が得られ、各種摩擦
特性が向上する。
【0018】部分硬化した熱硬化性樹脂の製造方法は、
おおよそ次の様な方法である。即ち、熱硬化性樹脂
(B)のうち、エポキシ樹脂,マレイミド樹脂,メラミ
ン樹脂,シリコン樹脂は、そのまま加熱硬化するか、あ
るいは硬化促進剤と併用して加熱硬化することにより得
られる。また、これらの熱硬化性樹脂で変性したフェノ
ール系樹脂、または合成ゴムで変性したフェノール系樹
脂は、フェノール樹脂部がノボラックの場合は硬化剤と
してヘキサメチレンテトラミン、トリオキサン、アルデ
ヒド類等の3次元架橋可能なものを混合し加熱硬化し、
レゾールの場合はそのまま加熱硬化することにより得ら
れる。硬化条件については、おおよそ80〜250℃で
数分〜数時間熱処理を行うことができるが、これらの硬
化条件に限定されるものではない。
【0019】また、フェノール系樹脂への部分硬化した
熱硬化性樹脂の混合方法は、フェノール系樹脂合成過程
で、部分硬化した熱硬化性樹脂を溶融混合しても良い
し、フェノール系樹脂と部分硬化した熱硬化性樹脂を粉
砕混合あるいは混練混合してもよく、また摩擦材の配合
時に混合してもよい。フェノール系樹脂と部分硬化した
熱硬化性樹脂は、それぞれ単独又は複数種を併用しても
何等さしつかえない。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。しか
し本発明はこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」
及び「%」は、すべて「重量部」及び「重量%」を示
す。
【0021】《実施例1》冷却器と撹拌機付きの反応容
器に、フェノール1000部、37%ホルマリン693
部、蓚酸10部仕込んだ。徐々に昇温して温度95℃に
達してから180分還流反応を行った。次いで脱水反応
を行い、温度が150℃に到達した時より、60Tor
rの減圧下で脱水反応を行い、温度が180℃に到達し
た後、反応容器より取出して常温で固形のノボラック型
フェノール樹脂1000部を得た。このフェノール樹脂
1000部にヘキサメチレンテトラミンを100部添加
後粉砕混合し、粉末フェノール樹脂(A1)1090部
を得た。次に、市販のマレイミド樹脂(ローヌプーラン
社製:ケルイミド601)500部を、110℃,2時
間の条件下で加熱硬化し、部分硬化したマレイミド樹脂
490部を得た。この部分硬化したマレイミド樹脂49
0部を粉砕し、平均粒径30μmの粉末(B1)480
部を得た。この樹脂(B1)の部分硬化率は30%であ
った。次に、粉末フェノール樹脂(A1)80部と部分
硬化したマレイミド樹脂粉末(B1)20部とを混合
し、粉末の樹脂組成物(C1)99部を得た。
【0022】《実施例2》市販のエポキシ樹脂(油化シ
ェル社製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂DX−5
5)500部に硬化剤としてベンゾフェノンテトラカル
ボン酸無水物50部を混合し、110℃,1時間の条件
下で加熱硬化し、部分硬化したエポキシ樹脂545部を
得た。この部分硬化したエポキシ樹脂545部を粉砕
し、平均粒径30μmの粉末(B2)530部を得た。
この樹脂(B2)の部分硬化率は30%であった。次
に、実施例1で得られた粉末フェノール樹脂(A1)6
0部と部分硬化したエポキシ樹脂粉末(B2)40部と
を混合し、粉末の樹脂組成物(C2)99部を得た。
【0023】《実施例3》冷却器と撹拌機付きの反応容
器に、フェノール1000部、37%ホルマリン787
部、アンモニア水40部仕込んだ。徐々に昇温して温度
95℃に達してから60分還流反応を行った。次いで、
70Torrの減圧下で脱水反応を行い、温度が120
℃に到達した後、反応容器より排出して常温で固形のレ
ゾール型フェノール樹脂(A2)1050部を得た。次
に、実施例1で得られた粉末フェノール樹脂(A1)5
00部にエチレンアクリルゴム(昭和電工デュポン社
製:ベイマック)100部を溶融混練し、塊状のエチレ
ンアクリルゴム変性フェノール樹脂595部を得た。こ
のエチレンアクリルゴム変性フェノール樹脂595部
を、110℃,1時間20分の条件下で加熱硬化し、部
分硬化したエチレンアクリルゴム変性フェノール樹脂5
80部を得た。この部分硬化したエチレンアクリルゴム
変性フェノール樹脂580部を粉砕し、平均粒径20μ
mの粉末(B3)560部を得た。この樹脂(B3)の
部分硬化率は30%であった。次に、レゾール型フェノ
ール樹脂(A2)80部と部分硬化したエチレンアクリ
ルゴム変性フェノール樹脂粉末(B3)20部とを混合
し、粉末の樹脂組成物(C3)99部を得た。
【0024】《実施例4》冷却器と撹拌機付きの反応容
器に、フェノール1000部、カシュー油300部、3
7%ホルマリン693部、硫酸1部を仕込んだ。徐々に
昇温して温度95℃に達してから180分還流反応を行
った。次いで脱水反応を行い、温度が150℃に到達し
た時より、70Torrの減圧下で脱水反応を行い、温
度が180℃に到達した後、反応容器より取出して常温
で固形のカシュー変性フェノール樹脂1300部を得
た。このカシュー変性フェノール樹脂1300部にヘキ
サメチレンテトラミンを130部添加後粉砕混合し、粉
末のカシュー変性フェノール樹脂(A3)1410部を
得た。次に、冷却器と撹拌機付きの反応容器に、フェノ
ール1000部、シリコンゴム(東レダウコーニング社
製:トレフィルE−601)200部、37%ホルマリ
ン693部、蓚酸10部を仕込んだ。徐々に昇温して温
度95℃に達してから180分還流反応を行った。次い
で脱水反応を行い、温度が150℃に到達した時より、
70Torrの減圧下で脱水反応を行い、温度が180
℃に到達した後、反応容器より取出して常温で固形のシ
リコンゴム変性フェノール樹脂1200部を得た。この
シリコンゴム変性フェノール樹脂1200部にヘキサメ
チレンテトラミンを120部添加後粉砕混合し、粉末の
シリコンゴム変性フェノール樹脂(A4)1310部を
得た。次に、この粉末のシリコンゴム変性フェノール樹
脂(A4)500部を、120℃,1時間の条件下で加
熱硬化し、部分硬化したシリコンゴム変性フェノール樹
脂485部を得た。この部分硬化したシリコンゴム変性
フェノール樹脂485部を粉砕し、平均粒径30μmの
粉末(B4)480部を得た。この樹脂(B4)の部分
硬化率は30%であった。次に、粉末のカシュー変性フ
ェノール樹脂(A3)80部と部分硬化したシリコンゴ
ム変性フェノール樹脂(B4)20部とを混合し、粉末
の樹脂組成物(C4)99部を得た。
【0025】《比較例1》実施例1と同様にして得られ
た粉末フェノール樹脂(A1)99部と部分硬化したマ
レイミド樹脂粉末(B1)1部とを混合し、粉末の樹脂
組成物(C5)99部を得た。
【0026】《比較例2》実施例1と同様にして得られ
た粉末フェノール樹脂(A1)5部と部分硬化したマレ
イミド樹脂粉末(B1)95部とを混合し、粉末の樹脂
組成物(C6)99部を得た。
【0027】《比較例3》実施例4と同様にして得られ
た粉末のシリコンゴム変性フェノール樹脂(A4)50
0部を、110℃,15分の条件下で加熱硬化し、部分
硬化したシリコンゴム変性フェノール樹脂490部を得
た。この部分硬化したシリコンゴム変性フェノール樹脂
490部を粉砕し、平均粒径20μmの粉末(B5)4
85部を得た。この樹脂(B5)の部分硬化率は95%
であった。次に、粉末フェノール樹脂(A1)80部と
部分硬化したシリコンゴム変性フェノール樹脂粉末(B
5)20部とを混合し、粉末の樹脂組成物(C7)99
部を得た。
【0028】《比較例4》比較例3と同様にして得られ
た部分硬化したシリコンゴム変性フェノール樹脂490
部を粉砕し、平均粒度65μmの粉末(B6)を得た。
この樹脂(B6)の部分硬化率は30%であった。実施
例1と同様にして得られた粉末フェノール樹脂(A1)
80部と部分硬化したシリコンゴム変性フェノール樹脂
粉末(B6)20部とを混合し、粉末の樹脂組成物(C
8)99部を得た。
【0029】《比較例5》実施例4と同様にして、ヘキ
サメチレンテトラミンを含有する粉末のカシュー変性フ
ェノール樹脂(A3)1410部を得た。
【0030】《比較例6》冷却器と撹拌機付きの反応容
器に、フェノール1000部、37%ホルマリン693
部、蓚酸10部を仕込んだ。徐々に昇温して温度95℃
に達してから180分還流反応を行った。次いで脱水反
応を行い、温度が150℃に到達した時より、70To
rrの減圧下で脱水反応を行い、温度が150℃に到達
した後100℃まで冷却し、反応容器にエタノール10
00部、オルガノシロキサン200部(平均重合度10
0のジメチルシロキサン、官能基はγ−グリシドキシプ
ロピル基を側鎖に5個、官能基当量1610)を仕込み
溶解し、温度80℃で300分還流反応を行った。次い
で70Torrの減圧下で脱アルコールを行い、温度が
150℃に到達した後、反応容器より取出して常温で固
形のシリコン変性フェノール樹脂1200部を得た。こ
のシリコン変性フェノール樹脂1200部にヘキサメチ
レンテトラミンを120部添加後粉砕混合し、粉末のシ
リコン変性フェノール樹脂(A6)1310部を得た。
【0031】得られた粉末の樹脂組成物の配合比と硬化
性、及び部分硬化した熱硬化性樹脂粉末の部分硬化率と
平均粒径の結果を表1に示す。
【表1】 注1.樹脂タイプ:Nov=ノボラック、 Res=レ
ゾール EAR=エチレンアクリルゴム、 SIR=シリコンゴ
ム 注2.平均粒径:電気抵抗式粒度分布測定装置(パナフ
ァコムC15型コールターカウンター)により、電解液
中の粒子を電気抵抗値変化により検出し粒度分布を測定
した。 注3 成形時の硬化時間:160℃下での加熱・加圧成
形に必要な時間を表したもので、短い程よい。
【0032】表1より、実施例1、2、3、4は比較例
1、3、5、6よりも成形時の硬化時間が短く硬化性が
良好であることがわかる。
【0033】次に、以下に示す配合割合で仕込み混合し
た。 配合物 配合量(重量%) アラミド繊維 5 硫酸バリウム 65 樹 脂 10 銅 粉 10 グラファイト 10
【0034】この配合物を温度160℃、圧力200k
g/cm2 で10分間成形した後に200℃で5時間焼
成して摩擦材テストピースを作成した。これらの機械的
強度(常温曲げ強度)、耐熱強度(熱履歴後の曲げ強
度)及び振動加速度(振動試験)の結果を表2に示す。
【0035】
【表2】 注4.耐熱温度:350℃下で4時間の熱処理を行い、
冷却後常温下で曲げ強度試験を行った。 注5.振動加速度:動電型振動試験機で測定した。振動
加速度は、振動を受けた試験片が、共振する周波数領域
において発生する加速度で、数値が小さい方が振動が増
幅されにくく、摩擦材の振動吸収性が高く鳴き難い。
【0036】表2より、実施例1、2、3、4は、比較
例2、4、と比べて機械的強度が高く、且つ比較例1、
2、3、4、5、6より耐熱強度も高く、密着性と耐熱
性が良好であることがわかる。また、振動加速度におい
ても、実施例1、2、3、4は、比較例1、2、3、
4、5、6よりも小さく振動吸収性が良好であることが
わかる。
【0037】次に、作製した摩擦材テストピースのJI
S D 4411に準じて摩擦試験を行った結果を、表4
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、実施例1、2、3、4は、比較
例1、2、3、4、5、6と比べて高温時における摩擦
係数μの低下が小さく、且つ摩耗量wが少なく、制動安
定性に優れていることがわかる。以上の成形性・機械的
強度・耐熱強度・振動加速度・摩擦試験の結果より、本
発明の実施例1、2、3、4は、全特性を満足するもの
であることが明らかである。
【0040】
【発明による効果】本発明による摩擦材用樹脂組成物を
使用することにより、成形性の良い摩擦材が製造でき、
且つ機械的特性が良好で制動安定性,耐摩耗性,耐熱性
に優れ,さらには鳴きが低減され自動車、鉄道車両、航
空機、産業機械等の制動部品に好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒
    あるいはアルカリ触媒下で反応して得られるフェノール
    系樹脂(A)100重量部に対して、下記式(1)で表
    される部分硬化率Cが5〜90%である熱硬化性樹脂
    (B)を2〜1000重量部配合することを特徴とする
    摩擦材用樹脂組成物。 C(%)=(E1/E0)×100 (1) (式中、E0 は未硬化の熱硬化性樹脂の示差走査熱量計
    で測定して得られた反応熱量(cal) を示し、E1 は部分
    硬化した熱硬化性樹脂の示差走査熱量計で測定して得ら
    れた反応熱量(cal) を示す。)
  2. 【請求項2】 部分硬化した熱硬化性樹脂が、エポキシ
    樹脂,マレイミド樹脂,メラミン樹脂,シリコン樹脂,
    及び少なくとも1種の該熱硬化性樹脂で変性したフェノ
    ール系樹脂である請求項1記載の摩擦材用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 部分硬化した熱硬化性樹脂が、合成ゴム
    で変性したフェノール系樹脂である請求項1記載の摩擦
    材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 部分硬化した熱硬化性樹脂の平均粒径が
    2〜50μmである請求項1記載の摩擦材用樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002002697A1 (en) * 2000-07-03 2002-01-10 Cluster Technology Co., Ltd. Molding resin composition and method of molding
JP2017172607A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 大豊工業株式会社 ワッシャ
JPWO2021246213A1 (ja) * 2020-06-02 2021-12-09

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