JP3062766B2 - ブレーキ摩擦材用の結合材樹脂 - Google Patents

ブレーキ摩擦材用の結合材樹脂

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JP3062766B2
JP3062766B2 JP3065946A JP6594691A JP3062766B2 JP 3062766 B2 JP3062766 B2 JP 3062766B2 JP 3065946 A JP3065946 A JP 3065946A JP 6594691 A JP6594691 A JP 6594691A JP 3062766 B2 JP3062766 B2 JP 3062766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材に、潤滑材、充填
材、結合材等を配合して得られるブレーキ摩擦材のため
の結合材として適した樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等のブレーキパッドを構成するた
めのブレーキ摩擦材には、耐摩耗性、剪断強度、鳴き性
能等に優れていることが要求されている。このようなブ
レーキ摩擦材としては既に種々なものが提案されてきて
いるが、例えば特開平1−269732号公報におい
て、「基材に、潤滑材、充填材、結合材等を配合して得
られるブレーキ摩擦材において、前記結合材として、ピ
ッチを原料とした縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂
を用いたことを特徴とするブレーキ摩擦材」が提案され
ている。この公報に示されている「ブレーキ摩擦材」
は、結合材として縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂
を用いて、潤滑材として用いている黒鉛の接着性を良好
にして結果として黒鉛の添加量を増加させたものであ
る。
【0003】しかしながら、本発明者等のその後の検討
によれば、単に縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂と
言っても様々であり、特にブレーキ摩擦材として必要と
される物理的性質を有効に引き出すためには、この縮合
多環芳香族炭化水素からなる樹脂の物理特性に注意しな
ければならないことに気付いたのである。その理由は次
の通りである。
【0004】まず、この種の縮合多環芳香族炭化水素
からなる樹脂は、ブレーキ摩擦材において潤滑材として
使用され黒鉛が原料中に均等に混合される必要があるた
め、少なくとも黒鉛との相溶性が十分なものでなければ
ならない。この相溶性の実用的な尺度としては、ゲル化
温度、ゲル化時間(速度)が最も適しているものであ
る。
【0005】また、ブレーキパッドは、そのブレーキ
ディスクとの接触時に摩擦により場合によっては数百度
にまで達することがあるが、このような高温時における
ブレーキ摩擦材の激しい摩耗を防止するためには、特に
黒鉛を結合させている結合材樹脂がある程度の耐熱性を
有している必要がある。
【0006】さらに、結合材樹脂は、黒鉛をブレーキ
摩擦材側にしっかりと固定させるものとして使用する必
要はなく、むしろブレーキ摩擦材側から離脱した黒鉛を
その後すぐ掴み取ることのできる性質を有したもので十
分である。また、そのような樹脂を採用しないと、これ
に基材(スチールウール)や黒鉛あるいは充填材を混合
してから一体化するに際して、その製造が困難となるも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種ブレ
ーキ摩擦材における以上のような経緯に基づいてなされ
たもので、その解決しようとする課題は、ブレーキ摩擦
材を構成するための結合材として使用される樹脂を、ブ
レーキ摩擦材として要求される諸特性を十分発揮するも
のとすることにある。
【0008】そして、本発明の目的とするところは、ブ
レーキ摩擦材の潤滑材として使用される黒鉛との相溶性
が良くてその混合を十分行うことができ、しかもブレー
キ摩擦材として完成したときには、所定の耐熱性と黒鉛
の十分な保持性をも確保することのできるブレーキ摩擦
材用の結合材樹脂を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、「ブレーキ摩擦材を構成
するための結合材として使用され、ピッチを原料とした
縮合多環芳香族炭化水素からなる樹脂であって、その軟
化点及び流動点がフローテスター試験において50〜1
30℃及び80〜160℃であり、かつそのゲル化時間
が30〜90秒であることを特徴とするブレーキ摩擦材
用の結合材樹脂」である。
【0010】ここで、この結合材樹脂がピッチを原料と
した縮合多環芳香族炭化水素からなるものであることが
必要な理由は、ピッチ系の縮合多環芳香族炭化水素は、
縮合多環構造であって黒鉛の構造と近似しているため、
黒鉛との基本的接着性が期待できるからである。従っ
て、このような結合材樹脂を使用してブレーキ摩擦材を
構成すると、黒鉛の量を増大させることができて、その
摩耗量を低く抑えられかつ鳴き特性の向上が図れるので
ある
【0011】また、ここでいうフローテスター試験と
は、例えば株式会社島津製作所製のフローテスターを使
用して行ったものであり、直径1mmのノズルを下端に
取付けた直径10mmのシリンダー内に1gの被検体を
充填し、これに10kg/cm 2の圧力をかけて、上記
シリンダー外部より6℃/分の速度で昇温することによ
り、被検体が軟化熔融して上記ノズルから吐出される温
度を測定するものである。
【0012】以上のようなフローテスター試験によっ
て、本発明の結合材樹脂の軟化点が50〜130℃であ
ることが必要な理由は、この範囲外の軟化点のものであ
ると、ブレーキ摩擦材を構成する結合材としての十分な
耐熱性を確保することができないからであり、また配合
原料を加熱した際の十分な各材料の十分な結合を行えな
くなるからである。同様な理由によって、この結合材樹
脂の流動点は80〜160℃の範囲である必要がある。
【0013】さらに、ゲル化時間の測定は、JIS−K
6909に規定された方法によるものであり、具体的に
は次の操作によって行うものである。すなわち、鋼板上
にヘラを置き、鋼板に挿入した温度計を見ながら鋼板表
面の温度が150℃±1℃に保持できるまで加熱する。
その後、被検体約0.5gをその鋼板上に載せると同時
に時間を計り、上記ヘラをもって被検体を直径約3cm
の円状にかき広げ、約1秒1回の速度で広がることのな
いように均一に押し付けながら練り合わせる。そして、
被検体とヘラとの間に糸を引かなくなるまでの時間を計
るのである。なお、この操作は3回以上行うものとし、
その平均時間を秒単位で表し、被検体、すなわち本発明
に係る結合材樹脂のゲル化時間とするのである。
【0014】このような方法によって測定した当該結合
材樹脂のゲル化時間は30〜90秒であることが必要で
あるが、その理由は次の通りである。すなわち、この結
合材樹脂のゲル化時間が上記範囲より短いと、黒鉛との
相溶性が必要以上によくなりすぎて、むしろ黒鉛を配合
原料中に均一に分散させることが困難になるからであ
る。また、ゲル化時間が上記範囲よりも長いと、当然黒
鉛の均一分散は望めなくなるのである。
【0015】
【発明の作用】以上のように構成した本発明に係る結合
材樹脂は、これと、スチールウールからなる基材、黒鉛
及び硫酸バリウム等の充填材を所定の割合で配合し、こ
れをミキサにより混合攪拌すると、ブレーキ摩擦材中の
潤滑材となる黒鉛との相溶性が非常に優れたものとなっ
ていることが分かった。つまり、配合材料中における黒
鉛の分散が均一となっているものであり、そのために、
黒鉛の量を増加し得るものとなっていることが確認され
たのである。
【0016】また、この結合材樹脂を配合したブレーキ
摩擦材用原料を加熱して圧縮成形する場合、約200℃
の温度で約3時間程度で十分であり、本発明に係る結合
材樹脂は、ブレーキ摩擦材を構成するための各原料の結
合を比較的容易にかつ確実に行えるものである。
【0017】さらに、この結合材樹脂を使用して構成し
たブレーキ摩擦材によって形成したブレーキパッドの使
用結果を観察してみた結果、このブレーキパッドの表面
が黒鉛で汚れていることが殆んどなく、この結合材樹脂
が必要な耐熱性を備えていることは勿論、黒鉛がブレー
キパッドの使用中においても、本発明に係る結合材樹脂
によって確実に掴み取られていることが確認された。
【0018】
【実施例】出発原料となるピッチを微粉砕し、架橋剤と
してのP−キシレングリコール(PXG)と重量比で
2:1の割合で混合した後、これにP−トルエンスルホ
ン酸(PTS)2wt%をエタノールに溶解して添加し
た。
【0019】これをセパラブルフラスコに入れ、ロータ
リーエバポレータにセットし、190℃のオイルバス内
で回転、攪拌反応を行い、300分にて反応を終了しB
ステージのCOPNA樹脂を得た。
【0020】これを微粉砕し、4wt%のPTSをメタ
ノールに溶解して、添加混合した後、乾燥器にてメタノ
ールを除去し、ブレーキ摩擦材用結合材樹脂とした。
【0021】得られた樹脂の軟化点は90℃、流動点は
120℃で、ゲル化時間は60秒であった。
【0022】触媒となるPTSを後添加する理由は、反
応時の触媒量を少量にして反応時間による軟化点、流動
点のコントロールを行い、安定したBステージ樹脂を得
るため、また後添加の触媒量によりゲル化時間のコント
ロールを行うためである。
【0023】前記実施例と同様の原料組成にて、反応時
間を変化させて攪拌反応を行い、BステージのCOPN
A樹脂を得た。これらを微粉砕し、4wt%のPTSを
メタノールに溶解して添加、混合した後、乾燥器にてメ
タノールを除去し、ブレーキ摩擦材用結合材樹脂とし
た。得られた樹脂の軟化点、流動点、ゲル化時間を測定
した。結果を表1に示した。
【0024】出発原料となるピッチを微粉砕し、架橋剤
としてのPXGと重量比で3:2の割合で混合した。こ
こにPTS2wt%をエタノールに溶解して添加した。
【0025】実施例1と同様の条件にて、攪拌反応とP
TS後添加を行い、ブレーキ用摩擦材樹脂を得た。
【0026】得られた樹脂の軟化点は98℃、流動点1
31℃、ゲル化時間40秒であった。
【0027】次に本発明に係るブレーキ摩擦材を作製し
て、その効果を確認した。表2の配合に従い、各原料を
ミキサにて混合し、金型を用いて加熱しつつ、圧縮形成
した。成形条件は200℃で30分間プレスし、250
℃で10時間アフターキニアした。
【0028】ブレーキダイナモ試験を試験コードJAS
O−C406に従い実施した。COPNA樹脂の物性を
それを用いて作製したブレーキ用摩擦材の摩耗量を表3
に示した。
【0029】実施例〜においては、比較例に比
べ、耐摩耗性が優れている。また、比較例について
は、摩耗材の成形ができなかった。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
「ブレーキ摩擦材を構成するための結合材として使用さ
れ、ピッチを原料とした縮合多環芳香族炭化水素からな
る樹脂であって、その軟化点及び流動点がフローテスタ
ー試験において50〜130℃及び80〜160℃であ
り、かつそのゲル化時間が30〜90秒であること」に
その特徴があり、これにより、ブレーキ摩擦材の潤滑材
として使用される黒鉛との相溶性が良くてその混合を十
分行うことができ、しかもブレーキ摩擦材として完成し
たときには、所定の耐熱性と黒鉛の十分な保持性をも確
保することができるのである。以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F08G 83/00 F08G 61/00 C09K 3/14 F16D 69/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ摩擦材を構成するための結合材と
    して使用され、ピッチを原料とした縮合多環芳香族炭化
    水素からなる樹脂であって、その軟化点及び流動点がフ
    ローテスター試験において50〜130℃及び80〜1
    60℃であり、かつそのゲル化時間が30〜90秒であ
    ることを特徴とするブレーキ摩擦材用の結合材樹脂。
JP3065946A 1991-03-29 1991-03-29 ブレーキ摩擦材用の結合材樹脂 Expired - Lifetime JP3062766B2 (ja)

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