JP2002501118A - 光機能性コーティング材料用接着強化コーティング - Google Patents

光機能性コーティング材料用接着強化コーティング

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JP2002501118A JP2000528886A JP2000528886A JP2002501118A JP 2002501118 A JP2002501118 A JP 2002501118A JP 2000528886 A JP2000528886 A JP 2000528886A JP 2000528886 A JP2000528886 A JP 2000528886A JP 2002501118 A JP2002501118 A JP 2002501118A
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ビルカディ,ゼイン
エル. エリクソン,ピーター
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 分散した無機酸化物粒子を含有する有機母材を含む接着強化コーティングを提供する。コーティングは、セラマー組成物を含む前駆体組成物から形成される。セラマー組成物は、少なくとも1種類のエチレン系不飽和モノマー、任意の有機官能性シランモノマーカップリング剤、およびシリカを少なくとも含む無機コロイド粒子を含むことができる。別のセラマー組成物は、有機官能性シランモノマーカップリング剤およびシリカを少なくとも含む無機コロイド粒子を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 光機能性コーティングは、その主要な機能がプラスチックおよびガラス基材を
含む透明な基材の表面の光反射率を増大させるか、または減少させることのいず
れかであるコーティングである。光機能性コーティングが、プラスチックまたは
ガラス基材により反射される光の量を減少する場合、それは「非反射性」と呼ば
れる。一方、光機能性コーティングが、基材により反射される光の量を増大する
場合、それは「反射性」と呼ばれる。光機能性コーティングは、広範囲の様々な
従来の材料から形成することができる。
【0002】 James D.Rancourt著のOptical Thin Film User’s Handbook,MacMillan Publishin
g Co.,に記述のとおり、適切に付着させた銀、金、アルミニウム、パラジ
ウム、およびパラジウム−金などの金属(メタロイドを含む)またはその合金の
薄膜から光機能性コーティングを形成することができる。しかしながら、光機能
性コーティングの付着に用いられる最も応用のきく種類の材料の一つは金属酸化
物である。ここで「金属酸化物」には単一金属(メタロイドを含む)の酸化物な
らびにその合金の酸化物が含まれる。光学的コーティングに用いられてきた具体
的な金属酸化物の例には、Al2 3 、SiO2 、SnO2 、TiO2 、Nb2 5 、ZnO、ZrO2 、Ta2 5 、Y2 3 、CeO2 、WO3 、Bi2 5 、In2 3 、およびITO(インジウム−スズオキシド)などのアルミニウ
ム、ケイ素、スズ、チタン、ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、タンタル、イットリ
ウム、セリウム、タングステン、ビスマス、インジウム、およびその混合物の酸
化物がある。SiOX (ただし、xは2を超えない)などの酸素が不足状態(す
なわち、酸化物中の酸素の量が化学量論量に満たない)の金属酸化物もまた用い
られる。このような酸素の足りない酸化物を合成する一方法は、反応性スパッタ
リングと呼ばれる改変型スパッタリング技術によるものである。光機能性コーテ
ィングにおける金属酸化物の用途が広い一つの理由は、他の材料と違ってこれら
が、酸化物コーティングのコンフィグレーションおよびその化学組成次第で、反
射性コーティングあるいは非反射性コーティングのどちらを付着させるためにも
用いることができるという事実である。したがって、国際公開第WO96/31
343号(Bright)で論じられているように、約50から約3000オン
グストロームの厚さを有するITOなどの金属酸化物の単一の薄い層を、ポリエ
ステルまたはポリカーボネートなどの透明なプラスチックのフィルム上に付着さ
せた場合、ポリエステルまたはポリカーボネートにより反射される光の量は実質
的に増加する。この場合、ITOフィルムは「反射性」コーティングとして働く
。一方、約50から約3000オングストロームの合計厚さのITOおよびSi
2 、またはITOおよびSiOX の交互する層を、ポリエステルまたはポリカ
ーボネートの基材上に付着させた場合、ポリエステルまたはポリカーボネートに
より反射される光の量は実質的に減少する。この場合、交互するITO/SiO X の堆積物は「非反射性」コーティングとして働く。金属酸化物のコーティング
、特にITOの用途が広い別の理由は、これらがスズ、アルミニウム、バリウム
、ホウ素、およびアンチモンなどの導電性の元素をドーピングすることにより導
電性にすることができるという点である。導電性にした場合、金属酸化物はまた
静電荷および電磁放射の減少に役立つ。
【0003】 光機能性コーティングが「反射性」であるか、「非反射性」であるかは、下に
横たわる基材の屈折率と関係した全屈折率に左右される。最も単純な反射性コー
ティングは、下に横たわる基材の屈折率よりも高い屈折率を有する金属または金
属酸化物などの透明な材料の単一の薄い層である。したがって、基材がポリエス
テルまたはポリカーボネートなどの透明な有機ポリマー材料の場合、最も単純な
「反射性」コーティングは、一般に、屈折率が約1.6から約2.7の金属また
は金属酸化物などの材料の単一の薄い層になるように選択される。これは、ほと
んどの有機ポリマー材料の屈折率が約1.3(フッ化ポリマー)から約1.7(
芳香族ポリマー)であるためである。TEFLON(1.35)などのフッ化熱
可塑性ポリマーは有機ポリマーの中で最も低い屈折率を有し、一方、ポリスチレ
ン(1.60)などの芳香族熱可塑性ポリマーには最も高い屈折率のものが幾つ
かある。
【0004】 最も単純な非反射性コーティングは、付着される基材よりも低い屈折率を有す
る透明材料の単一層である。多層の非反射性コーティングは基材上に2層以上の
誘電材料を含み、そこでは少なくとも1層が基材の屈折率より高い屈折率を有す
る。一般に多層コーティングは、熱蒸発およびスパッタリングの技術、ならびに
その他の真空蒸着技術により付着される。このような多層コーティングは、例え
ば、国際公開第WO96/31343号(Southwall Technol
ogies Inc.)、米国特許第5,091,244号(Bjornard
)、第5,105,310号(Dickey)、第5,147,125号(Au
stin)、第5,270,858号(Dickey)、第5,372,874
号(Dickey他)、第5,407,733号(Dickey)、および第5
,450,238号(Bjornard他)に開示されている。
【0005】 特に、非反射性(AR)コーティングは、民生用の用途において益々重要にな
りつつある。ドア、窓、レンズ、フィルタ、電子機器のディスプレイ装置(例え
ばディスプレイ・パネル)などの形態におけるプラスチックまたはガラスの透明
度は、光のグレアまたは反射により損なわれる可能性がある。プラスチックまた
はガラス上のグレアの量を減らすために、一般に表面には金属酸化物(二酸化ケ
イ素など)の単一層、あるいはITO/SiO2 などの適切に交互する多層の金
属酸化物の層が含まれる。例えば、ガラス表面は約4%の表面反射を有するが、
スパッタ蒸着した多層のITO/SiO2 などの特殊なコーティングの助けによ
り、この表面反射はスペクトルの可視領域(400〜700nm)において約0
.5%未満まで減ずることができる。有機ポリマー基材、特にポリカーボネート
、アクリル、ポリスチレン、およびポリエステルなどの屈曲性プラスチック基材
から作製された基材上に、金属酸化物の薄膜を真空スパッタリングすることによ
り調製される非反射性(AR)膜の積層体は、例えば、米国特許第5,579,
162号(Bjornard他)および国際公開第WO96/31343号(S
outhwall Technologies Inc.)に開示されている。
【0006】 スパッタ蒸着させた金属酸化物の薄膜は、一般にガラスおよびその他の無機表
面にはきわめてよく接着するが、ポリマー有機表面に直接付着させた場合は、ポ
リマーの有機表面に対するそれらの接着性、および特にそれらの耐久性と引っか
き抵抗が往々にして劣る。主としてこれは透明なポリエステルまたはアクリルフ
ィルム表面などの有機ポリマー表面がきわめて柔らかく、日常使用中に遭遇する
引っかきまたはその他の形態の摩耗に対する抵抗に必要な凝集強度が欠けている
という事実による。
【0007】 適用されたコーティングの接着性を向上させるために有機ポリマー基材を処理
する方法は当業界では公知である。例えば、化学的エッチング、電子線照射、コ
ロナ処理、プラズマエッチング、および接着促進層同時押出などの方法が知られ
ており、例えばD.E.Packham編のHandbook of Adhe
sion,John Wiley & Sons,New York(1992
)の中で論じられている。しかしながら、これらの方法はいずれも有機ポリマー
表面の硬さあるいは引っかき抵抗の顕著な増加をもたらさない。米国特許第5,
639,546号(Bilkadi)に開示された一つの方法には、有機ポリマ
ー基材に対する有機材料の接着性を向上させるための、ポリエチレン系不飽和性
のモノマーを硬化させた生成物および無機酸化物のゾルを含有するプライマーの
使用がある。しかしながら、依然として有機ポリマー基材、特に屈曲性の有機ポ
リマー基材に対する光機能性コーティング、特に非反射性コーティングの接着性
を向上させることが求められている。
【0008】 (発明の概要) したがって、本発明は、光機能性コーティングを適用するための接着性表面を
提供しながら十分な引っかき抵抗を有する、有機ポリマー基材に使用される接着
強化コーティングを提供する。本発明は、有機ポリマー基材、特に光学用途に有
用な熱可塑性の透明な基材に用いる接着強化コーティングへと硬化することがで
きる前駆体組成物を提供する。前駆体組成物は、いったんポリマー基材に塗布さ
れると、すぐれた硬さ、引っかき抵抗、および続いてこれに塗布される非反射性
コーティング(例えば、インジウム−スズオキシド)などの光機能性コーティン
グに対するすぐれた接着特性を付与するガラス状の材料にまで硬化(あるいは少
なくとも部分的に硬化)される。有利なことには、前駆体組成物から形成された
有機ポリマー基材上に接着強化コーティングを組み込むことによって、コーティ
ングされた基材は、CRTスクリーン、テレビジョンスクリーン、矯正用レンズ
、プリズム、鏡、エネルギー制御用の窓、および風防ガラスなどに使用される、
より耐久性のあるものになる。
【0009】 接着強化コーティングは、無機酸化物粒子を分散させた有機母材を含む。接着
強化用の前駆体組成物は、セラマー組成物を含み、そして、1または複数種の溶
剤を含んでよい。セラマー組成物は、コロイド無機酸化物粒子を分散させた有機
母材へと硬化させることができる有機ポリマーのバインダー材料を含む。一実施
形態において本発明によるセラマー組成物は、少なくとも1種類のエチレン系不
飽和性モノマー、任意に含まれてよい有機官能性シランモノマーカップリング剤
、およびシリカを少なくとも含む無機のコロイド粒子を含む。本発明による別の
セラマー組成物は、有機官能性シランモノマーカップリング剤、およびシリカを
少なくとも含む無機のコロイド粒子を含む。 本発明に関して本明細書中で用いる場合には下記が適用される。すなわち、 「セラマー組成物」とは、硬化性の有機バインダー組成物に分散させた、実質
的に非凝集性の、コロイド無機酸化物粒子を含むコーティング可能な分散物を指
し、ここでバインダーの硬化とは、広義には融解した熱可塑性材料の冷却、溶剤
を含有する組成物の乾燥、熱硬化性組成物の化学的架橋、放射線硬化性組成物の
放射線硬化などの適切な方法によりもたらされるバインダーの凝固(硬化)方法
を意味すると解される。 「セラマーコーティング」とは、硬化性組成物が硬化されて固体の、実質的に
非流動性の材料を形成するセラマー組成物のコーティングを指す。 「硬化性」とは、コーティング可能な材料を、冷却(固体のホットメルトの場
合)、加熱(溶剤中の材料を乾燥し、硬化させる場合)、化学的架橋、放射線硬
化などにより固体の、実質的に非流動性の材料に転化することができることを意
味する。
【0010】 コーティングされた有機ポリマー基材の製造の間に、前駆体組成物が有機ポリ
マー基材の少なくとも一部に塗布される。この前駆体組成物は有機ポリマー基材
に直接的に塗布されるのが好ましく、かつ有利である。または、前駆体組成物は
、下塗りした有機ポリマー基材、例えばアクリルラテックスなどの従来のプライ
マーで処理した基材に塗布することもできる。
【0011】 接着強化セラマー組成物は流動状態であり、続いてこれをある条件、好ましく
は組成物を硬化させ、そして接着強化コーティングを形成するエネルギー源に暴
露する。硬化を行なう条件には、熱エネルギー、電子線、紫外線、または可視光
線が含まれる。
【0012】 本発明は、第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と、前記第一表
面上にある、無機酸化物の粒子を分散させた有機母材を含む接着強化コーティン
グと、前記接着強化コーティング上にある光機能性コーティングとを含む複合構
造であって、前記有機母材が少なくとも1種類の重合したエチレン系不飽和モノ
マーを含み、かつ前記無機酸化物粒子がシリカ粒子を含む、複合構造を提供する
。好ましくは、接着強化コーティングは、少なくとも1種類のエチレン系不飽和
モノマーと、シリカ粒子を少なくとも含むコロイド無機酸化物粒子と、必要に応
じて有機官能性シランモノマーカップリング剤とを含むセラマー組成物から調製
される。
【0013】 エチレン系不飽和モノマーは、単官能性のエチレン系不飽和モノマー、多官能
性のエチレン系不飽和モノマー、およびその組み合わせの群から選択される。好
ましくは、単官能性のエチレン系不飽和モノマーは、単官能性(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリルアミド、α−オレフィン、ビニルエーテル、ビニ
ルエステル、およびその組み合わせの群から選択される。好ましくは、多官能性
のエチレン系不飽和モノマーは、下記の式で表される(メタ)アクリル酸の多官
能性不飽和エステルである。
【0014】
【化1】
【0015】 上式で、R4 は、水素、ハロゲン、または(C1 〜C4 )アルキル基であり;R 5 は、炭素、水素、窒素、非過酸化物酸素、イオウ、またはリンの原子を備えた
環状、分枝、直鎖の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ環式部分の群から選択され
た多価の有機の基であり;Yは、水素、(C1 〜C4 )アルキル、または−OH
、−COOH、−SH、−PO(OH)2 、−SO3 Hおよび−SO(OH)2 からなる群から選択されたプロトン性官能基であり;mは少なくとも2の整数で
あり;nは1から3の値をもつ整数である。
【0016】 別の実施形態において本発明は、第一表面および第二表面を有する有機ポリマ
ー基材と、前記第一表面上にある、有機母材と、有機母材中に分散させた無機酸
化物の粒子を含む接着強化コーティングと、前記接着強化コーティング上にある
非反射性コーティングとを含む非反射性複合構造を提供する。非反射性コーティ
ングは、好ましくは実質的に炭化水素を含まない。より好ましくは、非反射性コ
ーティングは、アルミニウム、ケイ素、スズ、チタン、ニオブ、亜鉛、ジルコニ
ウム、タンタル、イットリウム、アルミニウム、セリウム、タングステン、ビス
マス、インジウム、およびその混合物の酸化物の群から選択された材料を含む少
なくとも1層の膜を含む。
【0017】 また、本発明は、第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と、前記
第一表面上にある、有機母材、および有機母材中に分散させたシリカを少なくと
も含む無機コロイド粒子を含む接着強化コーティングと、前記接着強化コーティ
ング上にある実質的に炭素を含まない光機能性コーティングとを含む光機能性構
造であって、前記有機母材が有機官能性シランモノマーカップリング剤と、シリ
カを少なくとも含むコロイド無機酸化物粒子を含むセラマー組成物とを含む接着
強化用の前駆体組成物から形成される光機能性構造を提供する。また、このよう
な構造を形成する方法を提供する。
【0018】 (好ましい実施例の詳細な説明) 好ましくは、本発明による透明な物品は、透明な(すなわち光透過性の)有機
ポリマー基材上に付着された少なくとも1種類の光機能性材料の、1または複数
層のコーティングを含む。本発明による接着強化コーティングは、有機ポリマー
基材に対する光機能性の層または積層体の接着性を向上させるために用いられる
。これに加えて、そして有利には、本発明の有機ポリマー基材用の接着強化コー
ティングは、引っかき抵抗などガラス状の特性をも基材に付与する。このように
接着強化コーティングは、有機ポリマー基材を有意に劣化させることがなく、あ
るいは物性に悪影響を与えることもないはずである。また、接着強化コーティン
グは、有機ポリマー基材、特に熱可塑性材料によく接着することになる。
【0019】 光機能性材料は、上記で論じたとおり透明な基材上に付着またはコーティング
した場合、基材の反射特性を変える。すなわち、光機能性材料は基材に反射ある
いは鏡のような特性を与え、または非反射特性を与えることができる。
【0020】 光機能性コーティングは、上記で論じたとおり広範囲の様々な従来材料から形
成することができる。本発明の幾つかの実施形態に対して、光機能性材料は好ま
しくは実質的に炭化水素を含まない。本明細書で用いる「炭化水素」は、通常、
炭素と水素のみを含有する基または部分を指し、一般に脂肪族の基、環式の基、
または脂肪族および環式の基の組み合わせ(例えば、アルカリールおよびアラル
キル基)として分類される。この用語は、ダイヤモンド様炭素コーティングなど
の炭素コーティングは指さない。しかしながら、本発明の幾つかの実施形態に対
しては、光機能性材料は好ましくは実質的に炭素を含まない。
【0021】 本発明で用いる光機能性コーティングは、広範囲の様々な従来材料から形成す
ることができる。これらには、銀、金、アルミニウム、パラジウム、およびパラ
ジウム−金などの金属または金属合金;アルミニウム、ケイ素、スズ、チタン、
ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、タンタル、イットリウム、アルミニウム、セリウ
ム、タングステン、ビスマス、インジウム、およびその混合物の酸化物などの金
属酸化物(例えば、Al2 3 、SiOX 、特にSiO2 、SnO2 、TiO2 、Nb2 5 、ZnO、ZrO2 、Ta2 5 、Y2 3 、Al2 3 、CeO 2 、WO3 、Bi2 5 、In2 3 、およびITO(インジウム−スズオキシ
ド));またはダイヤモンド様炭素コーティングとしての炭素を含めることがで
きる。本明細書で用いる「金属」、「金属合金」、および「金属酸化物」には金
属とメタロイドの両方が含まれる。
【0022】 好ましくは、光機能性コーティングは非反射性コーティングであり、基材上の
単層の透明材料、または2層以上の誘電材料の層の形で存在することができる。
より好ましくは、非反射性コーティングは1層以上の層の中に1種以上の金属酸
化物を含む。最も好ましくは、金属酸化物は真空蒸着、具体的にはスパッタ・コ
ーティングされる。特に好ましい非反射性コーティングには、ITOとSiOX (一般にはSiO2 )の交互層、あるいは最外層としてのSiOX と、接着強化
コーティングと直接接する層としてITOとを備えた交互層がある。
【0023】 代表的な有機ポリマー基材には、ポリ(エチレンテレフタレート)「PET」
などの透明なポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リ(フェニレンオキシド)、酢酸セルロースおよびセルロースアセテート−ブチ
レートコポリマー「CAB」などのセルロースエステル、ポリスチレン、および
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーおよびアクリロニトリル−
スチレンコポリマーなどのスチレンコポリマー、ポリプロピレンおよびポリエチ
レンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなどがある。屈折率が
非反射性コーティングの屈折率より低い他のポリマー(コポリマー、ターポリマ
ー等を含む)を用いてもよい。用語「ポリ(メタ)アクリレート」には、普通、
キャストアクリルシート、延伸アクリル、ポリ(メタクリル酸メチル)「PMM
A」、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリル酸エチル)、およびポリ(メタ
クリル酸メチル−コ−アクリル酸エチル)などと呼ばれるアクリレート類および
メタクリレート類が含まれる。本発明のコーティングが最も効果的に接着する熱
可塑性基材は、好ましくはポリエチレンテレフタレート「PET」、ポリメタク
リル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、および酢酸セルロースなどの
光透過性の熱可塑性材料(すなわち、顕著な吸収または反射のピークを伴わずに
可視波長にわたって少なくとも25%から約90%の範囲の積分透過率を有する
プラスチックシート、フィルム、またはボディー)から作製される。しかしなが
ら、基材の厚さは、一般には約0.1mmから約1000mm、より一般的には
約10mmから約200mmの範囲で変えることができる。しかしながら、屈曲
性の有機フィルムの基材は、一般に厚さ約1mmを超えない。これに加えて、有
機ポリマー基材は、一緒に接着させた2種以上の異なる熱可塑性材料のラミネー
トであってもよく、その間に接着剤層があってもなくてもよい。有機ポリマー基
材は様々な異なる方法により作製することができる。例えば、熱可塑性材料を押
出し、ついで所望の寸法に裁断してもよい。それは成形して所望の形状および寸
法を形成することができる。また、それはセル・キャスティングを行い、続いて
加熱、延伸して有機ポリマー基材を形成することもできる。
【0024】 光機能性コーティングが塗布される有機ポリマー基材は、下塗りされた表面を
含んでもよく、それは化学的プライマー層により、または化学的エッチング、電
子線照射、コロナ処理、プラズマエッチング、あるいは接着促進層の同時押出な
ど他の方法により与えることができる。下塗りされた表面を含む屈曲性の有機ポ
リマー基材は市販されている。このような材料の例には、水性のアクリルラテッ
クスで下塗りされたポリエチレンテレフタレートフィルムがあり、これはICI
617の商品名でImperial Chemical Industries
,Hopewell,VAから入手できる。基材に対する接着強化コーティング
の接着性を向上させるために、好ましくは、有機ポリマー基材は下塗りされる。
【0025】 製造の間に、接着強化用の前駆体組成物は、有機ポリマー基材の少なくとも一
方の表面に塗布され、少なくとも部分的に硬化されて接着強化コーティングを形
成する。硬化のプロセスは、例えばUVまたは電子線放射により室温(一般に約
20℃から約25℃)で行われ、これはコーティングの熱硬化の間にゆがむ基材
にとっては特に有利である。接着強化コーティングは、有機ポリマー基材の外側
表面に液状の流動性セラマー組成物として塗布される。硬化、すなわち重合およ
び/または架橋の間にセラマー組成物は凝固し、しばしば「ハードコート」と呼
ばれるコーティングを形成する。
【0026】 接着強化前駆体組成物には、セラマー組成物が含まれ、そして必要に応じて1
または複数種の溶剤が含まれる。セラマー組成物には、硬化性の有機バインダー
組成物中に分散した実質的に非凝集性のコロイド無機酸化物粒子が含まれる。好
ましくはセラマー組成物は、ASTM D1747−94(「粘性材料の屈折率
の標準試験法」)などの従来の測定手順を用いて従来の屈折計により測定したと
き、屈折率が約1.40から約1.65である。好ましくは、セラマー組成物の
硬化可能な有機バインダーの屈折率は約1.40から約1.60である。好まし
くは、硬化した接着強化コーティングの屈折率は約1.45から約1.70、よ
り好ましくは、約1.50から約1.65である。
【0027】 セラマー組成物の硬化性の有機バインダーには、無機酸化物粒子のための硬化
した母材を形成することができる様々なモノマー、オリゴマー、および/または
ポリマーが含まれてよい。好ましくは、本発明によるセラマー組成物には、エチ
レン系不飽和モノマー、任意の有機官能性シランモノマーカップリング剤、およ
びシリカを少なくとも含む無機のコロイド粒子が含まれる。本発明による別のセ
ラマー組成物は、有機官能性シランモノマーカップリング剤、およびシリカを少
なくとも含む無機のコロイド性粒子から作製される。
【0028】 エチレン系不飽和モノマー: 好ましくは、エチレン系不飽和モノマーは、単
官能性のエチレン系不飽和モノマー、または多官能性のエチレン系不飽和モノマ
ー、またはその組み合わせである。好ましくは、各モノマーの屈折率は約1.4
0から約1.65である。
【0029】 多官能性のエチレン系不飽和モノマーは、好ましくは(メタ)アクリル酸エス
テルである。それは、より好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸の二官能
性のエチレン系不飽和エステル、アクリル酸またはメタクリル酸の三官能性のエ
チレン系不飽和エステル、アクリル酸またはメタクリル酸の四官能性のエチレン
系不飽和エステル、およびその組み合わせからなる群から選択される。これらの
中で(メタ)アクリル酸の三官能性および四官能性のエチレン系不飽和エステル
が、より好ましい。
【0030】 好ましい(メタ)アクリル酸の多官能性のエチレン系不飽和エステルの屈折率
は約1.40から約1.65であり、下記の式で表すことができる。
【0031】
【化2】 上式で、R4 は、水素、ハロゲン、または(C1 〜C4 )アルキル基であり(好
ましくは、R4 は水素またはメチル基);R5 は、炭素、水素、窒素、非過酸化
物酸素、イオウ、またはリンの原子を有する環状、分枝、または直鎖の脂肪族、
芳香族、またはヘテロ環式の多価の有機の基であり;Yは、水素、(C1 〜C4 )アルキル、またはプロトン性官能基であり;mは、エステル中のアクリル酸ま
たはメタクリル酸の基の数を表す整数であり、少なくとも2の値を有し;nは、
5 −mの価数の値を有する。上式を参照すると、好ましくはR5 は約14〜1
00の分子量をもち、mは2〜6の値をもち(より好ましくはmは2〜5の値、
最も好ましくは3〜4の値であり、あるいは多官能性アクリル酸エステルおよび
/またはメタクリル酸エステルの混合物が用いられる場合、mは約2.05〜5
の平均値をもつ)、そしてnは1〜3の値の整数である。好ましいプロトン性官
能基は、−OH、−COOH、−SH、−PO(OH)2 、−SO3 H、および
−SO(OH)2 からなる群から選択される。
【0032】 好適な(メタ)アクリル酸の多官能性のエチレン系不飽和エステルの例は、例
えばエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1−エトキシ−2,3
−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、1,2−シクロヘキサン
ジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールのジアク
リル酸およびジメチルアクリル酸エステル;グリセリン、1,2,3−プロパン
トリメタノール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオ
ール、1,3,6−ヘキサントリオール、および1,5,10−デカントリオー
ルなどの脂肪族トリオールのトリアクリル酸およびトリメタクリル酸エステル;
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリル酸およびトリメタ
クリル酸エステル;1,2,3,4−ブタンテトロール、1,1,2,2−テト
ラメチロールエタン、1,1,3,3−テトラメチロールプロパン、およびテト
ラアクリル酸ペンタエリトリトールなどの脂肪族トリオールのテトラアクリル酸
およびテトラメタクリル酸エステル;アドニトールなどの脂肪族ペントールのペ
ンタアクリル酸およびペンタメタクリル酸エステル;ソルビトールおよびジペン
タエリトリトールなどのヘキサノールのヘキサアクリル酸およびヘキサメタクリ
ル酸エステル;レゾルシノール、ピロカテコール、ビスフェノールA、およびビ
ス(2−ヒドロキシエチル)フタレートなどの芳香族ジオールのジアクリル酸お
よびジメタクリル酸エステル;ピロガロール、フロログルシノール、および2−
フェニル−2,2−メチロールエタノールなどの芳香族トリオールのトリメタク
リル酸エステル;ジヒドロキシエチルヒダントインのヘキサアクリル酸およびヘ
キサメタクリル酸エステル;およびその混合物;を含む多価アルコールのポリア
クリル酸またはポリメタクリル酸エステルである。
【0033】 好ましくは、(メタ)アクリル酸の多官能性のエチレン系不飽和エステルは、
非ポリエーテル性の(メタ)アクリル酸の多官能性エチレン系不飽和エステルで
ある。より好ましくは、(メタ)アクリル酸の多官能性エチレン系不飽和エステ
ルは、トリアクリル酸ペンタエリトリトール(PETA)、トリメタクリル酸ペ
ンタエリトリトール、およびその組み合わせからなる群から選択される。最も好
ましくは、(メタ)アクリル酸の多官能性のエチレン系不飽和エステルは、トリ
アクリル酸ペンタエリトリトールである。
【0034】 アクリル酸の多官能性のエチレン系不飽和エステルに加えて、セラマー組成物
は、(メタ)アクリル酸の単官能性のエチレン系不飽和エステル(すなわち、ア
クリル酸またはメタアクリル酸アルキルおよび/またはアリール)を含んでもよ
い。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基は、炭素原子を約4
から約14個(平均)有する。アルキル基は、鎖中に酸素原子を含んでもよく、
例えばそれによりエーテルを形成する。好ましくは、(メタ)アクリル酸エーテ
ルのアリール基は、炭素原子を約6から約20個(平均)有する。
【0035】 例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシメ
チル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル
酸第二ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−デシル、アクリル
酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、およびアクリル酸イソノニルがあるが
これには限定されない。その他の例には、ポリエトキシル化またはポリプロポキ
シル化メトキシ(メタ)アクリレート(すなわちポリ(エチレン/プロピレンオ
キシド)モノ(メタ)アクリレート)のマクロマー(すなわち巨大分子モノマー
)、ポリメチルビニルエーテルモノ(メタ)アクリレートのマクロマー、および
エトキシル化またはプロポキシル化アクリル酸ノニル−フェノールのマクロマー
があるがこれには限定されない。このようなマクロマー(すなわち巨大分子モノ
マー)の分子量は、一般には約100グラム/モルから約600グラム/モル、
好ましくは約300グラム/モルから約600グラム/モルである。用いること
ができる好ましい単官能性(メタ)アクリル酸エステルには、アクリル酸2−メ
チルブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウリル、およびメトキシで
キャップしたポリ(エチレングリコール)モノ−メタクリレートがある。
【0036】 また、単官能性のエチレン系不飽和モノマーは、(メタ)アクリルアミド、α
−オレフィン、ビニルエーテル、ビニルエステル、およびその組み合わせの群か
ら選択することができる。例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−ヒドロキシユチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N
,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル
−N−アミノエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル
アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルア
ミド、N−オクチルアクリルアミド(直鎖および分枝)、および1,1,3,3
−テトラメチルブチルアクリルアミドなどのアクリルアミドがあるがこれには限
定されない。その他の例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸2,2’−(エトキシエトキシ)エチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル
、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルまたはメタクリル酸3−ヒドロキシプロ
ピル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソボルニ
ル、アクリル酸2−(フェノキシ)エチルまたはメタクリル酸2−(フェノキシ
)エチル、ビフェニルイルアクリレート、アクリル酸t−ブチルフェニル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸2−ナフ
チル、アクリル酸フェニル、N−ビニルピロリドン、およびN−ビニルカプロラ
クタムがある。好ましい補強性の単官能性アクリルモノマーには、アクリル酸t
−ブチル、N,N−ジエチルアクリルアミド、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、アクリル酸2−(フェノキ
シ)エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸イソボルニル、およびアクリル酸2−(フェノキシ)エチル
がある。
【0037】 一般に、アクリルアミド化合物は下記の式を有する。
【0038】
【化3】 上式で、R1 およびR2 は、各々独立に、水素であるか、ヒドロキシ、ハロゲン
化物、カルボニル、およびアミド官能基を有してよい(C1 〜C8 )アルキル基
、カルボニルおよびアミド官能基を有してよい(C1 〜C8 )アルキレン基、(
1 〜C4 )アルコキシメチル基、(C4 〜C18)アリール基、(C1 〜C3
アルク(C4 〜C18)アリール基、(C4 〜C18)ヘテロアリール基であり但し
、;R1 およびR2 の一つだけが水素であり、R3 は、水素、ハロゲン、または
メチル基である。好ましくは、R1 は(C1 〜C4 )アルキル基であり、R2
(C1 〜C4 )アルキル基であり、R3 は水素、ハロゲン、またはメチル基であ
る。R1 およびR2 は同一でも異なるものでもよい。より好ましくは、R1 およ
びR2 は各々CH3 であり、R3 は水素である。
【0039】 好適なアクリルアミドの例には、N−(3−ブロモプロピオンアミドメチル)
アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(5,5−ジメチルヘキシ
ル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルア
ミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)
アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド
、N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−(
フルオレン−2−イル)アクリルアミド、N−(2−フルオレニル)−2−メチ
ルアクリルアミド、2,3−ビス(2−フリル)アクリルアミド、N,N’−メ
チレン−ビスアクリルアミドがある。特に好ましいアクリルアミドはN,N−ジ
メチルアクリルアミドである。
【0040】 任意の有機官能性シランモノマーカップリング剤: 本発明の実施に当たって
は広範囲の様々な有機官能性シランモノマーを用いることができる。好ましい有
機官能性シランは、当業界で有機材料にシリカ粒子を結合させるための「カップ
リング剤」として知られる加水分解性の有機官能性シランである。代表的な例に
は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシランなどの(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン類、(
メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシ
ラン、プロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリクロロ
シラン、ペルフルオロアルキルトリメトキシシラン、ペルフルオロアルキルトリ
エトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルト
リメトキシシランなどのペルフルオロメチルアルキルトリメトキシシラン類、ペ
ルフルオロアルキルトリクロロシラン類、トリフルオロメチルプロピルトリメト
キシシラン、トリフルオロメチルプロピルトリクロロシラン、および過フッ素化
スルホンイミドエチルトリメトキシシラン(Minnesota Mining and Manufacturing Company,St.Paul,M
N からFC405の商品名で入手できる)とこれらの組み合わせなどがある。
所望により、コロイド無機粒子をシランカップリング剤で表面処理してもよく、
このような実施形態においてカップリング剤はセラマー組成物の有機バインダー
塊を形成するために用いたシランモノマーと同一でも異なるものでもよい。
【0041】 コロイド無機粒子: 本発明において、セラマー組成物は、シリカを少なくと
も含むコロイド無機粒子を含有する。セラマー組成物を調製するのに有用なシリ
カゾルは、当業界でよく知られた方法により調製することができる。本明細書で
用いられる「ゾル」とは、液状媒体中に実質的に非凝集性の無機酸化物粒子を分
散させたコロイド分散体を意味する。水溶液中にゾルとして分散させたコロイド
シリカもまたLUDOX(E.I.DuPont de Nemours an
d Co., Wilmington,DE)、NYACOL(Nyacol
Co.,Ashland,MA)、およびNALCO(Nalco Chemi
cal Co.,Oak Brook,IL)などの商品名で市販されている。
非水系のシリカゾル(シリカ有機ゾルとも呼ばれる)もまたNALCO1057
(2−プロポキシエタノール中に分散させたシリカゾル、Nalco Chem
ical Co.)およびMA−ST、IP−ST、およびEG−ST(Nis
san Chemical Ind.,Tokyo,Japan)の商品名で市
販されている。シリカ粒子は、好ましくは平均粒径が約5nmから約1000n
m、より好ましくは約10nmから約50nmである。平均粒度は、透過型電子
顕微鏡を用いて所定の径の粒子数を数えて測定することができる。好適なコロイ
ドシリカのその他の例が、米国特許第5,126,394号(Bilkadi)
に記述されている。
【0042】 好ましくは、シリカ粒子はカップリング剤により官能化される。より好ましく
は、シリカ粒子は(メタ)アクリル酸エステル官能化される。ここで「(メタ)
アクリル酸エステル官能化」とは、シリカ粒子が(メタ)アクリル酸エステル末
端の有機官能性シランで官能化されることを意味する。官能化された粒子は、有
機母材と密接かつ等方的に結合する。一般には、シリカ粒子は、(メタ)アクリ
ル酸エステル官能化シランを水性のコロイドシリカに添加することにより官能化
される。(メタ)アクリル酸エステル官能化コロイドシリカの例は、米国特許第
4,491,508号(Olsen他)、第4,455,205号(Olsen
他)、第4,478,876号(Chung)、第4,486,504号(Ch
ung)、および第5,258,225号(Katsamberis)に記述さ
れている。
【0043】 シリカに加えて、さらにコロイド無機粒子には、シリカより高い屈折率のコロ
イド粒子を含めることができる。このようなより高い屈折率のコロイド粒子には
、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、および酸化アンチモンゾルを含め
ることができるが、これらには限定されない。これらは全てNyacol Co
.,Ashland,MA、およびNalco ChemicalCo.,Oa
k Brook,ILなどの供給元から市販されている。
【0044】 コーティングのコロイド無機粒子は、水性ゾルとしてのコーティングに適さな
い、加工しにくい塊をもたらす可能性のある粉末よりはむしろゾルから得られる
ことがきわめて望ましい。高分子量のポリマーなどの添加剤の添加は、コロイド
粉末由来の組成物を無機のポリマー基板上にキャスティングすることを可能にす
ることができる。しかしながら、コロイド粉末を含有する組成物の使用は、相対
的に低い光学的透明度、および塗布のためには不十分な流動特性を有するコーテ
ィングをもたらすと考えられる。したがって、コロイド粉末の使用は、本発明の
コーティングにおいては好ましくない。コロイドシリカ粒子は、コーティングの
中に10から50重量%、より好ましくは25から40重量%、最も好ましくは
30から33重量%で使用される。
【0045】 本発明のセラマー組成物は、好ましくは有機母材、およびシリカを少なくとも
含むコロイド無機粒子を含む。好ましくは、有機母材は、(メタ)アクリル酸の
多官能性のエチレン系不飽和エステル、単官能性のエチレン系不飽和モノマー(
例えば、エステルまたはアミド)、およびその組み合わせの群から選択されたエ
チレン系不飽和モノマーと、所望により、有機官能性シランカップリング剤とを
含む、硬化性の有機バインダーから調製される。
【0046】 セラマー組成物は、好ましくは、セラマー組成物の総重量を基準にして約80
重量%以下の少なくとも1種類のエチレン系不飽和モノマーと、少なくとも約2
0重量%のコロイド無機酸化物粒子を含む。好ましくは、これは少なくとも40
重量%の少なくとも1種類のエチレン系不飽和モノマーと、約60重量%以下の
コロイド無機酸化物粒子を含む。
【0047】 用いられるエチレン系不飽和モノマーが多官能性および単官能性のエチレン系
不飽和モノマーの混合物を含む場合は、好ましくは、多官能性モノマーは少なく
とも約20重量%の量で用いられ、また好ましくは、単官能性モノマーは少なく
とも約5重量%の量で用いられる。好ましくは、多官能性モノマーは約60重量
%以下の量で用いられ、また単官能性モノマーは約20重量%以下の量で用いら
れる。
【0048】 もし使用する場合は、有機官能性シランカップリング剤は、セラマー組成物の
総重量を基準にして好ましくは約80重量%以下の量、より好ましくは約70重
量%以下の量、最も好ましくは約60重量%以下の量で用いられる。これは、セ
ラマー組成物の総重量を基準にして好ましくは少なくとも約5重量%、より好ま
しくは少なくとも約10重量%、最も好ましくは少なくとも約20重量%の量で
用いられる。
【0049】 有機母材と、シリカを少なくとも含むコロイド無機酸化物粒子との組み合わせ
(カップリング剤の有無にかかわらず)は、接着強化コーティングとして予期せ
ざる、改良された特性をもたらす。(メタ)アクリル酸の多官能性のエチレン系
不飽和エステルは、コーティングの硬さを増加させる傾向があり、一方単官能性
のエチレン系不飽和モノマーは、摩耗抵抗を著しく低下させることなくコーティ
ングを「強靭にする」傾向がある。この強靭特性は、またコーティングの曲げが
可能になるという結果をもたらす。
【0050】 多くの場合、接着強化コーティングは、追加のプライマーまたは接着促進剤を
必要とせずに有機ポリマー基材に直接接着することができ、これは少なくとも労
力および材料の節約になるので有利である。
【0051】 開始剤および光増感剤: 摩耗抵抗性コーティングの製造の間に、セラマー組
成物は、セラマー組成物の硬化プロセスを開始させるエネルギー源、例えば熱ま
たはUVまたは電子線照射にさらされる。この硬化プロセスは、一般にフリーラ
ジカルのメカニズムを介して起き、それはフリーラジカル開始剤(本明細書では
簡単に開始剤、例えば光開始剤あるいは熱開始剤と呼ぶ)の使用を必要とするこ
とがある。エネルギー源が電子線の場合、電子線はフリーラジカルを発生させ、
開始剤を必要としない。エネルギー源が熱、紫外線、または可視光線の場合、開
始剤が必要となる。開始剤がこれらエネルギー源の一つにさらされると、開始剤
はフリーラジカルを発生させ、ついで重合および架橋を開始させる。
【0052】 好適なフリーラジカル熱開始剤の例には、過酸化ベンゾイル、アゾ化合物、ベ
ンゾフェノン類、およびキノン類などの過酸化物があるがこれには限定されない
。可視光線の照射にさらされたとき、フリーラジカル源を発生させる光開始剤の
例にはベンゾフェノン類があるがこれには限定されない。紫外線にさらされたと
き、フリーラジカル源を発生させる光開始剤の例には、有機過酸化物、アゾ化合
物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、アクリルのハロゲン化物、ヒド
ロゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、トリアクリルイミダゾール、ビ
スイミダゾール、クロロアルキトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテルおよびメチルベンゾイン、ベンジルおよびジアセチルなど
のジケトン類、アセトフェノンなどのフェノン類、2,2,2−トリ−ブロモ−
1−フェニルエタノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、2,2,2−トリブロモ−1(2−ニトロフ
ェニル)エタノン、ベンゾフェノン、および4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノンがあるがこれには限定されない。市販の紫外線光開始剤の例には、
Ciba−Geigy,Hawthorn,NYから商品名IRGACURE1
84(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、IRGACURE36
1、およびDAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ル−プロパン−1−オン)で入手できるものがある。一般に、もし使用する場合
は、所望の硬化レベルおよび速度をもたらすような開始剤の量が前駆体組成物中
に含まれる。好ましくは、開始剤の量は、溶剤なしのセラマー組成物の総重量を
基準にして約0.1から約10重量%、より好ましくは約2から約4重量%で用
いられる。もし望むならば、異なる開始剤の組み合わせも用いることができるこ
とは理解されるはずである。
【0053】 開始剤に加えて、本発明のセラマー組成物は、光増感剤を含有することができ
る。光増感剤は、前駆体組成物の硬化を、特に大気中で開始させるフリーラジカ
ルの形成に役立つ。好適な光増感剤には、芳香族ケトンおよび第三アミンがある
がこれには限定されない。好適な芳香族ケトンには、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド、およびo−クロロベンズアルデヒド、キ
サントン、チオキサントン、9,10−アントラキノン、および多くの他の芳香
族ケトンがあるがこれには限定されない。好適な第三アミンには、メチルジエタ
ノールアミン、エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニルメ
チル−エタノールアミン、安息香酸ジメチルアミノエチルなどがあるがこれには
限定されない。一般に、もし使用する場合は、所望の硬化レベルおよび速度をも
たらすような開始剤の量が前駆体組成物中に含まれる。好ましくは、本発明の組
成物中に用いられる光増感剤の量は、セラマー組成物の総重量(すなわち、溶剤
なしの接着コーティングの前駆体組成物)を基準にして約0.01から約10重
量%、より好ましくは約0.05から約5重量%、最も好ましくは約0.25か
ら約3重量%で用いられる。もし望むならば、異なる光増感剤の組み合わせも用
いることができることは理解されるはずである。
【0054】 その他の任意の添加剤: また、セラマー組成物は、好ましくは透明な熱可塑
性の基材上のセラマー組成物の流れあるいは濡れを改良するためにレベリング剤
を含有してもよい。もしセラマー組成物が熱可塑性の基材を適正に濡らさない場
合は、それはコーティング中の外観上の欠陥(例えば、ピンホールおよび/また
は隆起)につながる可能性がある。レベリング剤の例には、Dow Corni
ng,Midland,MIから商品名DOW57(ジメチル、メチル、および
(ポリエチレンオキシドアセテート)でキャップしたシロキサンの混合物)で入
手できるものなどのアルコキシ末端ポリシリコーン、およびMinnesota
Mining and Manufacturing Company,St
.Paul,MN から商品名FC430、FC431、およびFX313で入
手できるものなどのフッ素化学系界面活性剤があるがこれには限定されない。セ
ラマー組成物は、所望する結果を与えるレベリング剤の量を含有することができ
る。好ましくは、レベリング剤は、セラマー組成物の総重量を基準にして約3重
量%まで、より好ましくは約0.5から約1重量%の量で含まれる。もし望むな
らば、異なるレベリング剤の組み合わせも用いることができることは理解される
はずである。
【0055】 これに加えて、もし有機官能性シランモノマーを用いる場合は、場合によって
は有機官能性シランの加水分解用触媒として約1から約3重量%の氷酢酸または
同様のカルボン酸を加えることが望ましいことがある。
【0056】 ポリマー材料は様々なメカニズムにより劣化することが知られている。これを
相殺することができる通常の添加剤は、安定剤、吸収剤、酸化防止剤等として知
られている。本発明のセラマー組成物は、下記の添加剤、すなわち紫外線安定剤
、紫外線吸収剤、オゾン安定剤、および熱安定剤/酸化防止剤の1または複数種
を含有してもよい。
【0057】 紫外線安定剤および/または紫外線吸収剤は、耐候性を改良し、接着性強化用
コーティングの経時的な「黄変」を減少させる。紫外線安定剤の例には、商品名
TINUVIN292(セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジニル))で入手可能のものがあり、紫外線吸収剤の例には、商品名
TINUVIN1130(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)で入手可能
のものがあり、これらは両者ともCiba−Geigyから入手できる。セラマ
ー組成物は、所望する結果を与える量の紫外線安定剤および/または紫外線吸収
剤を含有することができる。好ましくは、紫外線安定剤または紫外線吸収剤は、
セラマー組成物の総重量を基準にして約10重量%まで、より好ましくは約1か
ら約5重量%の量で含まれる。もし望むならば、異なる紫外線安定剤および吸収
剤の組み合わせも用いることができることは理解されるはずである。
【0058】 オゾン安定剤は、オゾンとの反応により生じる劣化に対して保護する。オゾン
安定剤の例には、Ciba−Geigyから入手できる商品名IRGANOX1
010などのヒンダード・アミン、およびAldrich Chemical
Company,Inc.,Milwaukee,WIから市販されているフェ
ノールトリアジンがあるがこれには限定されない。セラマー組成物は、所望する
結果を与えるオゾン安定剤の量を含有することができる。好ましくは、オゾン安
定剤は、セラマー組成物の総重量を基準にして約1重量%まで、より好ましくは
約0.1から約1.0重量%、最も好ましくは約0.3から約0.5重量%の量
で含まれる。
【0059】 接着強化コーティングの調製方法: セラマー組成物は一般に有機溶剤を用い
てコーティングされる。すなわち、接着強化コーティング組成物は、組成物の粘
度を下げ、固形分パーセントを調整し、それにより流れ特性を向上させるために
、一般に1または複数種の有機溶剤を伴うセラマー組成物を含有する。望ましい
粘度は、コーティングの厚さ、塗布技術、および基材の種類などの様々な条件に
左右される。通常、セラマー組成物の25℃における粘度は、約1〜200セン
チポアズ、好ましくは約3〜75センチポアズ、より好ましくは約4〜50セン
チポアズ、最も好ましくは約5〜20センチポアズである。通常、セラマー組成
物の固形分は約5〜99%、好ましくは約10〜70%、より好ましくは約15
〜30%、最も好ましくは約17〜26%である。
【0060】 有機溶剤は、セラマー組成物中の成分と相溶性のあるようなものが選択される
べきである。この意味合いで用いられる「相溶性」とは、溶剤とセラマー組成物
の硬化性有機バインダーとの間の相分離が最小限であることを意味する。これに
加えて、溶剤は、硬化した接着強化コーティングの特性に悪影響を及ぼさない、
または熱可塑性材料を侵さないようなものが選択されるべきである。さらに、溶
剤は、妥当な乾燥速度をもつようなものが選択されるべきである。すなわち、溶
剤の乾燥は、コーティングされた有機ポリマー基材の製造工程を遅らせることに
なるのであまり遅くてはならず、またコーティング中のピンホールあるいはクレ
ーターなどの欠陥を生じる可能性があるのであまり速過ぎてもよくない。好適な
溶剤の例には、アルコール、好ましくはイソプロピルアルコール、n−ブタノー
ル、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどのケトン類、グリコール
、およびこれらの組み合わせなどの低級アルコールがある。
【0061】 本発明の接着強化セラマー組成物を製造するには、コロイド無機粒子および任
意に含まれてよい有機官能性カップリング剤を含む全ての成分が一緒に混合され
る。ついで混合物を約55℃まで加熱し、溶剤(水を含む)を弱い真空下(約9
0mmHg)で除去してセラマーを得る。さらに、ゲル粒子あるいはその他の凝
集した材料を除去するために、基材に塗布する前にセラマー組成物を濾過するの
が好ましい。これは、溶剤または組成物のいずれの成分とも反応しない材料で作
られる10,5、または1ミクロンのフィルターを通してセラマー組成物を濾過
することにより行うことができる。
【0062】 コーティングは、スプレイ塗布、ナイフコーティング、浸漬塗布、フローコー
ティング、ロールコーティングなどの任意の技術により塗布することができる。
スプレイ塗布においては、セラマーが霧状にされ、ついで基材の外面に塗布され
る。浸漬塗布においては、基材がセラマー中に浸漬され、ついで過剰のコーティ
ングを基材から滴り落す。フローコーティングにおいては、熱可塑性の基材を垂
直な位置に保持し、セラマーが基材の上端に塗布される。ついでセラマーは基材
を流れ落ちる。ロールコーティングにおいては、セラマーがロールコーターによ
り基材に塗布される。
【0063】 特に好ましいコーティング方法には連続プロセスがある。このプロセスには、
コンベアベルト上に外側表面を上にして有機ポリマー基材を置くステップが含ま
れる。この基材は、セラマー組成物をその外側の表面に塗布するコーティング・
ステーションに運ばれる。つぎに、もし使用される場合は、溶剤をフラッシュ装
置中で、用いられた溶剤に適した温度で急速気化させる。これは一般に温度約1
5〜75℃、好ましくは温度約40〜65℃で達成される。強制エアオーブンあ
るいは赤外線の熱源であることができるフラッシュ装置が示されているが、溶剤
は、例えば周囲条件の下での単なる蒸発により除去することができる。溶剤が使
用される場合に、いったん溶剤が除去されたセラマー組成物の層は、セラマー組
成物の硬化を開始させるためのエネルギー源にさらされて有機ポリマー基材上に
接着強化コーティングを形成する。これは本発明の一方法を例示することを意図
し、それは、この方法に関して多くの変形形態を有することが本発明の範囲内に
あることが理解されるはずである。
【0064】 セラマー組成物は、いかなる光学的不完全もなくし、あるいは最少にするよう
な方法で有機ポリマー基材に塗布されるべきである。もしコーティングが塵の粒
子あるいは隆起などの欠陥を含む場合には、これは透明性の光学的明瞭度を損な
い、あるいは透明性に歪みを生ずる可能性がある。幾つかの欠陥がフラッシュの
段階で生ずる可能性がある。これらの欠陥は一般には不均一な乾燥により引き起
こされたピンホールまたは表面の粗さのいずれかである。これらの欠陥の形成を
できるだけ少なくするためにはクリーンルーム中あるいはコーティング・ステー
ションにおける温度および湿度がしばしば制御される。実際の温度および湿度条
件はセラマー組成物の化学的性質に左右される。好ましくは、セラマー組成物は
、温度約15〜35℃、より好ましくは約20〜25℃で塗布される。湿度は、
好ましくは相対湿度約30〜50%である。
【0065】 溶剤が使用される場合には、溶剤を急速気化させた後に、セラマー組成物をエ
ネルギー源にさらして組成物を硬化し、接着強化(またはハード)コーティング
を形成する。このエネルギー源は、熱エネルギー、電子線、紫外線、または可視
光線であってもよい。必要なエネルギー量は、主に前駆体組成物の化学的性質な
らびにその厚さおよび密度に左右される。熱エネルギーの場合、オーブンの温度
は一般に約50℃から約250℃(好ましくは約90℃から約110℃)で、約
15分から約16時間の範囲にあるはずである。熱可塑性材料を劣化させないよ
うに熱硬化の間に注意を払うべきであることに留意すべきである。電子線照射は
、約0.1から約10メガラド(Mrad)のエネルギーレベル、好ましくは約
1から約10Mradのエネルギーレベルで用いることができる。紫外線は、約
200から約400ナノメートルの範囲内、好ましくは約250から約400ナ
ノメートルの範囲内の波長を有する非粒子線を指す。UV光は、少なくとも30
0ワット/インチ(120ワット/cm)、好ましくは少なくと600ワット/
インチ(240ワット/cm)のエネルギーレベルを有することが好ましい。可
視光線は、約400から約800ナノメートル(nm)の範囲内、好ましくは約
400から約550nmの範囲内の波長を有する非粒子線を指す。通常、窒素雰
囲気などの不活性雰囲気中(すなわち、最小限の酸素の存在)で硬化させること
が好ましい。UVおよび可視光線硬化は、それが組成物硬化用のエネルギー源と
して用いられる場合、熱可塑性材料の損傷が、あったとしてもきわめて少ない傾
向があるので好ましい。熱エネルギーに関しては、もし熱可塑性プラスチックが
あまり長時間および/またはあまり高温のいずれかにさらされる場合、この過度
の熱に対する暴露が熱可塑性プラスチック材料の劣化を引き起こす懸念がある。
【0066】 セラマー組成物は、基材の全表面にわたって、あるいはその一部に塗布するこ
とができる。セラマー組成物のコーティング厚は、配合および溶剤の量に左右さ
れるはずである。一般に、硬化したコーティングの厚さは、少なくとも約1ミク
ロン、好ましくは少なくとも約2ミクロンである。一般に、硬化したコーティン
グの厚さは、約50ミクロン以下、好ましくは約25ミクロン以下、より好まし
くは約10ミクロン以下、最も好ましくは約4ミクロン以下である。基材に塗布
されるセラマー組成物の量は、このコーティング厚が与えられるように調整され
る。
【0067】 いったん、セラマー組成物が、有機ポリマー基材上に接着強化コーティングを
形成したならば、接着強化コーティングの少なくとも一部の上に光機能性コーテ
ィングを形成することができる。前述のように、好ましい光機能性コーティング
は、実質的に炭化水素を含まない、1または複数層の金属または金属酸化物の薄
膜から形成される。より好ましくは、光機能性コーティングは、アルミニウム、
ケイ素、スズ、チタン、ニオブ、亜鉛、ジルコニウム、タンタル、イットリウム
、アルミニウム、セリウム、タングステン、ビスマス、インジウム、およびその
混合物の酸化物の群から選択された材料から形成される。
【0068】 つぎに、本発明の目的および利点を、下記の実施例により例示することにする
が、これらの実施例に引用された特定の材料およびその量、ならびにその他の条
件および詳細は、本発明を必要以上に限定するものと解釈すべきではない。
【0069】 (実験例) 本発明の利点は、下記の実施例により例示される。しかしながら、これらの実
施例に引用された特定の材料およびその量、ならびにその他の条件および詳細は
、当業技術に広く応用するように解釈されるべきであり、本発明を必要以上に限
定するものと解釈すべきではない。
【0070】 試験手順1−乾燥接着: この試験は、ASTM試験手順D3359−95(
テープ試験による接着性測定の標準試験法)に従って行われた。この接着性試験
は、スパッタ蒸着した金属酸化物の非反射性コーティングが、下に横たわる基材
にいかによく接着するかを判定するために用いられた。試験は、BYK/Gar
dner,Inc.,Silver Spring,MDから市販されているマ
ルチブレード・カッターを用いて行われた。カッタ−は、1.5mm(0.06
インチ)間隔で離して配置された6枚の平行なブレードを有していた。試験片は
、ASTMD3359−95の図1に従ってクロスハッチ・パターンに切断され
た。切片が作成された後、表面を軽くブラシをかけて表面の破片を取り除いた。
【0071】 コーティングの接着性は、碁盤目上に幅2.5cmの接着テープ(Minne
sota Mining and Manufacturing Compan
y,St.Paul,MN から市販されているSCOTCHブランドの透明テ
ープNo.850)の中央部を静かに置き、重さ5ポンド(2.3kg)のゴム
ローラーを一度テープ上を通過させて碁盤目にテープを押し付け、ついで角度1
80度で速い速度でテープを除去することにより試験された。碁盤目は、照光式
拡大鏡を用いて試験され、ASTMD3359−93で設定された分類に従って
格付けされた。特定の基材用の効果的な非反射性の膜を提供するためには、本発
明のスパッタ蒸着した金属酸化物の非反射性コーティングは、少しの層状剥離も
示さないガードナー等級で5Bの接着値を示さなければならない。すなわち、切
片の縁は、どの碁盤目の正方形も離れないで、完全に滑らかである。5Bの値は
この試験に合格するために必要である。
【0072】 試験手順2−ヌープ押込み硬さ: この試験は、ASTM試験手順D1474
−85(有機コーティングの押込み硬さの試験法)に従って行われた。この方法
(ASTMD1474−85の方法A)は、規定のすくい角を有するピラミッド
形のダイヤモンドにより、25グラムの荷重をコーティングの表面に加え、得ら
れる永久圧痕の測定値をKHN(ヌープ硬さ数)として表わされる硬さの数値に
変換することからなる。KHNの全ての測定は、Micromet−4Micr
ohardness Tester(Buehler LTD,Lake Bl
uff,IL製)により行われた。試験の前に全ての試料は、微細な圧痕領域と
残りの平坦な膜の間の明暗を際立たせるために、パラジウム/金のきわめて薄い
層によりコーティングされた。パラジウム/金の薄膜は、Denton Vac
uum Model Desk II Cold Sputter/Etch
Unit(Denton Vacuum、Moorestown,NJ製)のバ
キュームチャンバ中で、下記の操作条件の下でスパッタリングすることにより蒸
着された。すなわち、真空圧50mTorr、スパッタリング電流30〜40ミ
リアンペア、およびスパッタリング時間45秒である。全ての事例においてスパ
ッタ蒸着されたパラジウム/金のフィルム厚は、20〜30ナノメートルの範囲
にあり、したがって下に横たわる試料の押込み硬さへの影響は無視できることが
分かった。
【0073】 試験手順3−鉛筆硬さ: この試験は、ASTM試験手順D3363−92a
(鉛筆試験による膜硬さの標準試験法)に従って行われた。この試験方法は、既
知の硬さの鉛または鉛筆の芯で描くことにより、基材上の有機コーティング膜の
硬さを迅速に判定するための手順に適用される。この試験方法においては、全て
の試料を1/8インチ(0.3cm)の水平なガラスシート上に置き、規定の硬
さの鉛筆の芯の注意深く平坦化した先端(第6.1節参照)を膜に対して45度
の角度でしっかり保持し、1/4インチ(6.5mm)の移動量で作業者から離
れるように押出した。このプロセスは、最も硬い鉛筆から始め、膜を切らない、
あるいは彫らない鉛筆まで硬さの等級を下げ続けた。Uni Hardness Pencils(Mitsubishi,Japan製)がこの試験を通して
用いられた。
【0074】 試験手順4−光学的明瞭度の決定: 下記の実施例において全ての試料の相対
的な光学的明瞭度は、ASTM規格D−1003−95「透明なプラスチックの
曇りおよび視感透過率の標準試験法」の手順に従って曇りを測定することにより
判定された。この手順においては、段落X2「曇りの代替手順(近道)」で推奨
された方法に従った。この近道の手順においては、観察された試料の曇り(すな
わち、その方向が入射光の方向から規定の角度以上にそれるために散乱する透過
光のパーセント)は、積分球を備えたPacific Instruments
Model XL211 Hazemeter(Gardner Neote
c Instrument Division,Silver Springs
,MD製)を用いて、23℃で判定された。パーセント曇り値が低いほど、考察
中の試料の光学透明度が高い。
【0075】 セラマー組成物(A)の調製: 丸底フラスコ中で,1195gのNALCO
2327シリカゾル(pH9.3および平均粒径20ナノメートルを有するコロ
イドシリカ粒子のアンモニウムイオン安定化分散体(固形分40%)で、Nal
co Chemical Co.,Chicago,ILから入手できる)、1
18gのN,N,−ジメチルアクリルアミド(Aldrich Chemica
l Company,Inc.)、120gのメタクリル酸3−(トリメトキシ
シリル)プロピルのカップリング剤(Aldrich Chemical Co
mpany,Inc.)、および761gのトリアクリル酸ペンタエリトリトー
ル(Aldrich Chemical Company,Inc.)を混合し
た。
【0076】 ついで、丸底フラスコを55℃に設定した浴を備えたBuchi R152
Rotavapor(Buchi Laboratory AG,Franil
,Switzerland製)のバキュームラインに据え付けた。脱イオン水5
0%/不凍液(Texaco)50%の冷却混合物を、冷却コイルを通して再循
環させた。揮発成分を25mmHgの減圧下で、蒸留速度が毎分5滴未満になる
まで除去した(約2時間)。得られた材料(1464g)は、N,N,−ジメチ
ルアクリルアミドおよびアクリル酸ペンタエリトリトールモノマーの混合物中に
分散させた、アクリル化されたシリカ粒子の透明な液状分散物(セラマー)であ
った。この分散物の屈折率は1.5024であった。
【0077】 セラマー組成物(B)の調製: ガラス製の丸底フラスコ中で,67.15g
のNALCO1042シリカゾル(pH=2.8および平均粒径20ナノメート
ルを有する酸性のシリカゾル(固形分34%)で、Nalco Chemica
l Co.,Chicago,ILから入手できる)、11.2gのアクリル酸
2−ヒドロキシエチル、5.6gのメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プ
ロピルのカップリング剤、および7.9gのトリアクリル酸ペンタエリトリトー
ルを混合した。水を、Buchi 121 Rotavaporを用いて、調製
物(A)と全く同様に抽出した。得られた無水分散体は無色明澄で、ほとんど水
を含まない。
【0078】 セラマー組成物(C)の調製: 500mlの丸底フラスコ中で、100gの
NALCO1042シリカゾル(固形分34%、pH3.2、平均粒径20ナノ
メートル)、2gの氷酢酸の触媒、21gのメチルトリエトキシシラン(Ald
rich Chemical Company,Inc.)、および65gの試
薬グレードのエタノールを混合した。混合物を、室温で24時間、はげしく撹拌
し、その後丸底フラスコをロートバップに取りつけ、水/アルコールの混合物を
Buchi 121 Rotavaporを用いて42℃で蒸発させた。ついで
、丸底フラスコ中の粘稠で、透明な残さを、65gのエタノールに完全に再分散
させて透明な懸濁液を得た。
【0079】 セラマー組成物(D)の調製: 500mlの丸底フラスコ中で、100gの
NALCO1042シリカゾル、3gの氷酢酸、および35gのNyacol5
0/20ジルコニアゾル(硝酸塩で安定化され、ZrO2 固形分20%で、Ny
acol Corporation,Philadelphia,PAから得ら
れる)を混合した。この混合された酸化物の懸濁液に、65gのエタノールに溶
かした25gのフェニルトリエトキシシラン(Aldrich Chemica
l Company,Inc.)をはげしく混合しながら滴下して加えた。室温
で2時間混合した後、丸底フラスコをロートエバポレータに取りつけ、水アルコ
ール希釈剤を真空下に35℃で除去した。ついで、丸底フラスコ中の粘稠な残さ
を、85gのエタノールに再分散させて安定で、青みがかった色の懸濁液を得た
【0080】 セラマー組成物(E)の調製: セラマー組成物(E)は、カップリング剤で
あるメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルを少しも用いないことを
除いて、セラマー組成物(B)と全く同じ方法で得られる。
【0081】 (比較例A) 上述のように、基材の硬さおよび光学特性は下記のとおり決定された。 A.押込み硬さ: 25mm×75mmの基材試料(商品名ICI617また
はICI505PでImperial Chemical Industrie
s,Hopewell,VAから市販されているアクリレートベースのプライマ
ー層を含む、厚さ約4〜7mils(0.10〜0.18mm)を有するポリエ
ステルフィルム)を、25×75×2mmのガラス製顕微鏡用スライド(VWR
Scientific)に、3M Scotch Double Stick
Tapeの2枚の薄い断片により,ポリエステルフィルムの少なくとも95%
が硬いガラス表面に直接接触して載るようにして付着させた。ついで、顕微鏡グ
ラスを、Denton Vacuum Model Desk II Cold
Sputter/Etch Unit(Denton Vacuum、Moo
restown,NJ08057製)のバキュームチャンバ中に置き、ポリエス
テルの面を、試験手順2に従ってパラジウム/金の薄い層でコーティングした。
周囲条件(相対湿度27%、23℃)において試験手順2に従ってヌープ硬さを
測定した。3回続けた判定により観察された平均の押込み硬さは19.1KHN
であった。この結果を表1に記録する。
【0082】 B.鉛筆硬さ: 基材試料を、厚さ1/8インチ(0.3cm)ガラス板上に
置き、それらの鉛筆硬さを、試験手順3に従って測定した。表1に記録したよう
に、ポリエステルフィルムの平均鉛筆硬さは2Hであることが分かった。
【0083】 C.光学的透明度: コーティングされていない基材シートを上述の試験手順
4に供した。表1に見られるように、これらのフィルム試料の曇りパーセントは
、0.6であり、すぐれた光学的透明度を示すことが分かった。
【0084】 (比較例B) 上述のように、厚さ130ナノメ−トルのITOの薄膜を、In2 3 /Sn
2 =90%/10%の標的を装備したDCマグネトロンスパッタリング装置を
用いて基材上に真空蒸着した。蒸着工程を通じて1.6SCCM(標準状態下立
方センチメートル毎分)の酸素ガス流および30SCCMのアルゴンガス流とと
もに真空圧は8.0mTorrに保たれた。装置は、285ワット電力設定値、
349ボルトの電圧、および0.8アンペアの電流で操作した。ポリエステル基
材は毎分4インチ(10.2cm/分)の一定速度で移動するコーティング・ウ
ェブ上に支持された。
【0085】 ITOでコーティングされた基材試料は、周囲環境(相対湿度53%および2
3℃)で24時間コンディショニングされ、ついで上記の試験手順1,2,3、
および4に供された。表1から、スパッタ蒸着したITOの薄膜は、クロスハッ
チ接着試験に完全に不合格であったので、下に横たわるポリエステル基材に接着
しなかったことが分かる。一方、ITOでコーティングされたポリエステルの押
込み硬さ、鉛筆硬さ、および光学透明度は、比較例Aにおいて観察された裸のポ
リエステルのそれと区別がつかなかった。
【0086】 (実施例1) 上記のように、基材にセラマー組成物を上塗りすることにより得られる改良さ
れた基材は下記のように調製された。すなわち、セラマー組成物(A)4部を、
イソプロパノール21部およびIRGACURE184の光開始剤0.14部に
加えて、イソプロパノール中16重量%の透明で、架橋性のセラマー分散体を形
成した。この16重量%の分散体を、#21ワイヤで結合した・バー(RD S
pecialties,Rochester,NYから入手できる)を用いてポ
リエステル基材(比較例Aに記述されたもの)にコーティングした。コーティン
グ後、直ちにコーティングされたシートを強制空気対流式オーブン中に置いて6
7℃で2.5分間イソプロパノールを急速気化により除去した。つぎに、コーテ
ィングされたシートを、Fusion「H」ランプを備え、ベルト速度30フィ
ート/分(9m/分)で動くUV硬化ステーション(Model MC−6RQ
N,Fusion UV curing Inc.,Rockville,MD
)のコンベアベルトに載せた。得られる硬化した基材上のコーティングは目で見
て完全に透明であった。これらは厚さ約3.0〜3.5ミクロンであった。試験
手順4に従って測定されたコーティングされたシートの平均の曇りパーセントは
0.7%であった。
【0087】 さらに、硬化させたコーティング試料は、試験手順2および3に供された。表
1からは、セラマーのヌープ硬さは、比較例Aにおいて観察された裸のポリエス
テルの値の少なくとも2倍であることが分かる。同様に、セラマーの鉛筆硬さは
、比較例Aの裸のポリエステルのそれより5倍大きい。
【0088】 (実施例2) 実施例1で調製したセラマーでコーティングした基材のシート試料(7.5c
m×7.5cm)をスパッタ蒸着装置のバキュームチャンバ中に導入し、比較例
Bで記述したものと全く同一の条件で厚さ130ナノメートルのITOの薄膜を
セラマー表面に蒸着させた。
【0089】 得られるITOでコーティングされた試料は、周囲環境(相対湿度53%およ
び23℃)で24時間コンディショニングされ、ついで上記の試験手順1,2,
3、および4に供された。表1からは、スパッタ蒸着したITOの薄膜は、実施
例2でポリエステルに直接蒸着させたITO膜の場合とは異なり、セラマーでコ
ーティングしたポリエステルに対して100%のクロスハッチ接着を示すことが
分かる。さらに表1からは、ヌープ押込み硬さと鉛筆硬さの両者とも実施例2よ
り数倍高く、ポリエステルフィルム基材とITOの薄膜の間の組成物(A)から
得られたセラマー中間層は、スパッタ蒸着した金属酸化物の薄膜の耐久性に重大
な影響をもつことが分かる。
【0090】 (比較例C) 非反射性フィルム構造の有機基材として用いられる一般的なアクリル基材の硬
さおよび光学特性は下記のとおり決定された。 A.押込み硬さ: 厚さ3mmの下塗りされていないアクリル基材(商品名A
CRYLITEでCyro Industries,Woodcliff La
ke,NJから市販されている)の正方形の試料を、パラジウム/金でコーティ
ングし、ヌープ押込み硬さを試験手順2に従って決定した。3枚の試料で観察さ
れた平均ヌープ硬さは、表1に示すとおり19.0であることが分かった。 B.鉛筆硬さ: 上記のアクリルシートの試料の鉛筆硬さを、試験手順3に従
って試験した。表1に記録したようにアクリルシートの平均鉛筆硬さは1Hであ
ることが分かった。 C.光学透明度: 上記のアクリルシートの試料を上記試験手順4に供した。
表1に見られるとおり、これらシートの曇りパーセントは0.6であり、すぐれ
た光学透明度を示すことが分かった。
【0091】 (比較例D) 厚さ130ナノメートルのITOの薄膜を、比較例Bと全く同一の条件を用い
て、比較例Cのアクリルシートに真空蒸着した。
【0092】 ITOでコーティングしたアクリルシートは、周囲環境で24時間コンディシ
ョニングされ、ついで上記の試験手順1,2,3および4に供された。結果を表
1に記録する。表1からは、スパッタ蒸着した薄膜はアクリル基材に対して0%
の接着を示すことが分かる。ITOでコーティングしたアクリルシートのヌープ
押込み硬さ、鉛筆硬さ、および光学透明度は、比較例Aの裸のポリエステルシー
トのそれと区別できなかった。
【0093】 (実施例3) 比較例Cの下塗りされていないアクリルシート(ACRYLITE、Cyro
Industries,Woodcliff Lake,NJから得られる)
を、調製したセラマーコーティングで上塗りし、実施例1と全く同様に硬化させ
た。ついで、セラマーコーティングしたアクリルシートの表面および光学特性を
、試験手順2、3、および4に従って決定した。結果を表1に記録する。この表
からは、セラマーコーティングしたアクリルのヌープ押込み硬さ(50)は、実
施例5の裸のアクリル基材のヌープ押込み硬さ(19.0)の2倍を超す大きさ
であることが分かる。さらに、セラマーコーティングしたアクリルの鉛筆硬さは
、比較例Cの裸のアクリルの鉛筆硬さの5倍を超す大きさであり、一方、セラマ
ーコーティングしたアクリルと、裸のアクリルシートの両者に対する光学透明度
はほとんど同じである。
【0094】 (実施例4) 実施例3で調製したセラマーでコーティングしたアクリルシートの正方形の試
料(7.5cm×7.5cm)をスパッタ蒸着装置のバキュームチャンバ中に導
入し、比較例Bで記述したものと全く同一の条件で厚さ130ナノメートルのI
TOの薄膜をセラマー表面に蒸着させた。
【0095】 ITOでコーティングされたアクリル基材は、周囲環境(相対湿度53%およ
び23℃)で24時間コンディショニングされ、ついで上記の試験手順1,2,
3、および4に供された。表1からは、スパッタ蒸着したITOの薄膜は、比較
例Dでアクリルに直接蒸着させたITO膜の場合とは異なり、セラマーでコーテ
ィングしたアクリルに対して100%のクロスハッチ接着を示すことが分かる。
さらに表1からは、ヌープ押込み硬さと鉛筆硬さの両者とも比較例Dより数倍高
く、アクリルフィルム基材とITOの薄膜の間のセラマー中間層は、スパッタ蒸
着した金属酸化物の薄膜の耐久性に重大な影響をもつことが分かる。
【0096】 (比較例E) ポリエステルフィルムの代わりにポリカーボネートフィルム(厚さ175ミク
ロンで、Tekra Corporation,New Berlin,WIか
ら得られる)を有機基材として用いたことを除いて比較例Aを繰り返した。この
ポリカーボネートの観察されたヌープ硬さは17.1であった。鉛筆硬さは1H
であり、曇りパーセントは0.9であった。
【0097】 (比較例F) 厚さ130ナノメートルのITOの薄膜を、比較例Bと全く同一の条件を用い
て、比較例Eのポリカーボネートフィルムに真空蒸着した。
【0098】 ITOでコーティングされたポリカーボネートフィルム試料は、周囲環境で2
4時間コンディショニングされ、ついで上記の試験手順1,2,3、および4に
供された。スパッタ蒸着したITOの薄膜は、クロスハッチ接着試験に完全に不
合格であったので、下に横たわるポリカーボネート基材に接着しなかったことが
分かる(表1参照)。一方、ITOでコーティングされたポリカーボネートの押
込み硬さ、鉛筆硬さ、および光学透明度は、比較例Eにおいて観察された裸のポ
リカーボネートのそれと区別がつかない。
【0099】 (実施例5) セラマーコーティングで比較例Eのポリカーボネート基材を上塗りすることに
より得られる改良された基材は下記のように調製された。すなわち、セラマー組
成物(A)4部を、イソプロパノール21部およびIRGACURE184の光
開始剤0.14部に加えて、イソプロパノール中16重量%の透明で、架橋性の
セラマー分散体を形成した。この16重量%の分散体を、実施例1に記述したも
のと全く同じ方法で、比較例Eのポリカーボネートフィルム試料にコーティング
し、乾燥し、硬化させた。得られるポリカーボネート基材上の硬化したコーティ
ングは、目で見て完全に透明であった。試験手順4に従って測定したコーティン
グされたシートの平均の曇りパーセントは1.1であり、すぐれた光学透明度を
示した。
【0100】 さらに、硬化したセラマーコーティングを有するポリカーボネートフィルムの
面が、試験手順2および3に供された。表1から、セラマーのヌープ硬さは、比
較例Eで観察された裸のポリカーボネートの値の2倍を超すことが分かる。同様
に、セラマーの鉛筆硬さは、比較例Eの裸のポリカーボネートのそれより5倍大
きいことが分かる。
【0101】 (実施例6) 厚さ130ナノメートルのITOの薄膜を、比較例Bと全く同一の条件を用い
て、実施例5のポリカーボネートフィルムに真空蒸着した。
【0102】 ITOでコーティングされたポリカーボネートフィルムは、周囲環境(相対湿
度53%および23℃)で24時間コンディショニングされ、ついで上記の試験
手順1,2,3、および4に供された。表1に表示された結果は、スパッタ蒸着
したITOの薄膜は、比較例Fでポリカーボネートに直接蒸着させたITOの膜
の場合とは異なり、セラマーでコーティングしたポリカーボネートに対して10
0%のクロスハッチ接着を示すことを現している。さらに表1からは、ヌープ押
込み硬さと鉛筆硬さの両者とも比較例Fより数倍高く、ポリカーボネートフィル
ム基材とITOの薄膜の間のセラマー中間層は、スパッタ蒸着した金属酸化物の
薄膜の耐久性に重大な影響をもつことが分かる。
【0103】 (実施例7) 比較例Aのポリエステルフィルムをセラマーコーティングで上塗りすることに
より得られる改良された基材は下記のように調製された。すなわち、セラマー組
成物(B)4gを、イソプロピルアルコール21gおよびIRGACURE18
4の光開始剤0.14gに加えて、溶剤中16重量%の分散体を得る。この16
重量%の分散体を、比較例Aのポリエステル基材にコーティングし、続いて実施
例1と全く同じ方法で硬化した。得られるポリエステルシート上の硬化したコー
ティングは肉眼で視覚的に透明であった。平均の曇りパーセントは0.7であっ
た。
【0104】 さらに、硬化させたコーティングの試料は、試験手順2および3に供された。
表1から、セラマーのヌープ押込み硬さは、比較例Aにおいて観察された裸のポ
リエステルの値の少なくとも2倍であることが分かる。同様に、セラマーの鉛筆
硬さは、比較例Aの裸のポリエステルのそれより5倍大きい。
【0105】 (実施例8) 実施例7で調製したセラマーコーティングしたポリエステルフィルムのシート
試料(7.5cm×7.5cm)をスパッタ蒸着装置のバキュームチャンバ中に
導入し、比較例Bで記述したものと全く同一の条件で厚さ130ナノメートルの
ITOの薄膜をセラマー表面に蒸着させた。得られるITOでコーティングされ
た試料は、周囲環境で24時間コンディショニングされ、ついで試験手順1,2
,3、および4に供された。スパッタ蒸着したITOの薄膜は、比較例Bでポリ
エステルに直接蒸着させたITO膜の場合とは異なり、セラマーでコーティング
したポリエステルに対して100%のクロスハッチ接着を示した。さらに表1か
らは、ヌープ押込み硬さと鉛筆硬さの両者とも比較例Bより数倍大きく、ポリエ
ステルフィルム基材とITOの薄膜の間にある組成物(B)から得られたセラマ
ー中間層は、スパッタ蒸着した金属酸化物の薄膜の耐久性に重大な影響をもつこ
とが分かる。
【0106】 (比較例G) この例は、カップリング剤で表面処理したコロイドシリカ粉末(ヒュームドシ
リカ)を充填した架橋した有機ポリマーを評価する。 ヒュームドシリカ粉末(DeGussa Corp.,Teterboro,
NJから入手できるAEROSIL R972)50部、メタクリル酸3−(ト
リメトキシシリル)プロピルのカップリング剤(Aldrich Chemic
al Company,Inc.,Milwaukee,WI)2.5部、脱イ
オン水7.5部、およびトリアクリル酸ペンタエリトリトール50部を含む混合
物を高せん断型ミキサーで30分間均一化した。この均一化した組成物4gを、
イソプロピルアルコール21gおよびIRGACURE184の光開始剤0.1
4gに加え、水/アルコール混合物中16重量%の分散体を得る。この16重量
%の分散体を、比較例Aのポリエステル基材にコーティングし、続いて実施例1
と全く同じ方法で硬化させた。得られるポリエステルシート上の硬化したコーテ
ィングは光学的に透明でなかった。コーティングされたシートの平均の曇りパー
セントは40であり、このコーティングを非反射性構造の基材として不適切なも
のにする。
【0107】 (実施例9) 組成物(C)から得られたセラマーコーティングを用いる改良された非反射性
構造は下記により得られた。すなわち、第一ステップにおいて、比較例Cのよう
なアクリルシートの正方形の試料が、Gelman Acrodisc使い捨て
フィルター(公称多孔度0.45ミクロン)にフィットした使い捨てポリエチレ
ン製シリンジを用いて、セラマー組成物(C)をフローコートされた。コーティ
ングされたシートを室温で12分間放置し、ついで95℃で2時間焼付け、セラ
マーコーティングの硬化を行った。得られたコーティングは無色明澄であった。
【0108】 第二ステップにおいて、比較例Bと全く同一の条件を用いて厚さ130ナノメ
ートルのITOの薄膜を、セラマーでコーティングしたアクリルシートに蒸着さ
せた。ITOでコーティングされたアクリル試料は、周囲環境(相対湿度53%
および23℃)で24時間コンディショニングされ、ついで上記の試験手順1,
2,3、および4に供された。
【0109】 表1から、スパッタ蒸着したITOの薄膜は、比較例Dでアクリルに直接蒸着
させたITO膜の場合とは異なり、セラマーでコーティングしたアクリルに対し
て100%のクロスハッチ接着を示すことが分かった。さらに表1からは、ヌー
プ硬さと鉛筆硬さの両者とも比較例Dより数倍大きく、アクリル基材とITOの
薄膜の間のセラマー中間層は、スパッタ蒸着した金属酸化物の薄膜の耐久性に重
大な影響をもつことが分かる。
【0110】 (実施例10) 組成物(D)から得られたセラマーのハードコートを用いる改良された非反射
性構造は下記により得られた。すなわち、第一ステップにおいてアクリルシート
を、組成物(C)の代わりに組成物(D)でコーティングすることを除いて、実
施例9の二つのステップの手順が繰り返された。ここで再び、表1から、スパッ
タ蒸着したITOの薄膜は、比較例Dでアクリルに直接蒸着させたITO膜の場
合とは異なり、セラマーでコーティングしたアクリルに対して100%のクロス
ハッチ接着を示すことが分かった。さらに表1からは、ヌープ硬さと鉛筆硬さの
両者とも比較例Dより数倍大きく、アクリル基材とITOの薄膜の間にあるSi
2 とZrO2 の両者を含むセラマー中間層は、引っかき抵抗およびスパッタ蒸
着した金属酸化物の薄膜の全体的な耐久性の数倍の向上を示すことが分かる。
【0111】 (実施例11) 比較例Aのポリエステルフィルムをセラマーコーティングで上塗りすることに
より得られる改良された基材は下記のように調製された。すなわち、セラマー組
成物(E)4gを、イソプロピルアルコール21gおよびIRGACURE18
4の光開始剤0.14gに加えて、溶剤中16重量%の分散体を得る。この16
重量%の分散体を、比較例Aのポリエステル基材にコーティングし、続いて実施
例1と全く同じ方法で硬化した。得られたポリエステルシート上の硬化したコー
ティングは肉眼で視覚的に透明であった。平均の曇りパーセントは0.7であっ
た。
【0112】 さらに、硬化させたコーティングの試料は、試験手順2および3に供された。
表1から、セラマーのヌープ硬さは、比較例Aにおいて観察された裸のポリエス
テルの値の少なくとも2倍であることが分かる。同様に、セラマーの鉛筆硬さは
、比較例Aの裸のポリエステルのそれより5倍大きい。
【0113】 (実施例12) 実施例11で調製したセラマーコーティングしたポリエステルフィルムのシー
ト試料(7.5cm×7.5cm)をスパッタ蒸着装置のバキュームチャンバに
導入し、比較例Bで記述したものと全く同一の条件で厚さ130ナノメートルの
ITOの薄膜をセラマー表面に蒸着させた。 得られたITOでコーティングされた試料は、周囲環境で24時間コンディシ
ョニングされ、ついで試験手順1,2,3、および4に供された。スパッタ蒸着
したITOの薄膜は、比較例Bでポリエステルに直接蒸着させたITO膜の場合
とは異なり、セラマーでコーティングしたポリエステルに対して100%のクロ
スハッチ接着を示した。さらに表1からは、ヌープ押込み硬さと鉛筆硬さの両者
とも比較例Bより数倍大きく、ポリエステルフィルム基材とITOの薄膜の間に
ある組成物(E)から得られたセラマー中間層は、スパッタ蒸着した金属酸化物
の薄膜の耐久性に重大な影響をもつことが分かる。
【0114】
【表1】
【0115】 上述の詳細な記述および実施例は、単に理解しやすくするためのものである。
必要以上の制限を加えられるべきでないことは、ここから理解されるはずである
。本発明は、ここに示され、また記述された正確な詳細には限定されず、当業技
術者にとって明白な変形形態は、特許請求の範囲により規定される本発明の中に
含まれることになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 G02B 1/10 G02B 1/10 Z 1/11 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW Fターム(参考) 2K009 AA04 AA15 BB11 BB14 BB24 CC03 CC09 DD02 DD04 DD05 DD06 EE03 4F006 AA02 AA12 AA15 AA17 AA22 AA31 AA35 AA36 AA39 AB01 AB13 AB20 AB23 AB24 AB74 AB76 BA01 4F100 AA17C AA19C AA20B AA20C AA21C AA25C AA27C AA28C AA33C AH00B AJ06A AK01A AK03A AK04B AK12A AK15A AK25A AK41A AK45A AK49A AK54A AL05A BA03 BA07 BA10A BA10C CC00B CC00C DE01B EJ08 JL11B JN06 JN06C JN18C JN30C YY00C 4J038 FA031 FA091 FA111 HA216 HA446 JC32 KA20 PA07 PA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と; 第一表面上の接着強化コーティングであって、前記コーティングが、分散した
    無機酸化物の粒子を有する有機母材を含み、前記有機母材が少なくとも1種類の
    重合したエチレン不飽和性モノマーを含み、かつ前記無機酸化物の粒子がシリカ
    粒子を含む、接着強化コーティングと; 接着強化コーティング上の光機能性コーティングとを含む、複合構造。
  2. 【請求項2】 第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と; 第一表面上の、有機母材、および有機母材中に分散したシリカを少なくとも含
    む無機コロイド粒子を含有する接着強化コーティングと; 接着強化コーティング上の、アルミニウム、ケイ素、スズ、チタン、ニオブ、
    亜鉛、ジルコニウム、タンタル、イットリウム、アルミニウム、セリウム、タン
    グステン、ビスマス、インジウム、およびその混合物の酸化物の群から選択され
    た材料を含む少なくとも1層の膜を含有する非反射性コーティングとを含む、非
    反射性複合構造。
  3. 【請求項3】 第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と; 有機母材、および有機母材中に分散したシリカを少なくとも含む無機コロイド
    粒子を含有する、第一表面上の接着強化コーティングと; 接着強化コーティング上の、実質的に炭化水素を含有しない非反射性コーティ
    ングとを含む、非反射性の複合構造。
  4. 【請求項4】 第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材と; 第一表面上の接着強化コーティングであって、前記コーティングが、有機母材
    、および有機母材中に分散したシリカを少なくとも含む無機コロイド粒子を含み
    、前記有機母材が有機官能性シランモノマーカップリング剤、およびシリカを少
    なくとも含むコロイド無機酸化物粒子を含有するセラマー組成物を含む接着強化
    前駆体組成物から形成される、接着強化コーティングと; 接着強化コーティング上の、実質的に炭素を含有しない光機能性コーティング
    とを含む、光機能性構造。
  5. 【請求項5】 非反射性コーティングが約1.45から約1.70の屈折率
    を有する、請求項2に記載の複合構造。
  6. 【請求項6】 接着強化コーティングが、少なくとも1種類のエチレン系不
    飽和性モノマーと、シリカ粒子を少なくとも含むコロイド無機酸化物粒子とを含
    有するセラマー組成物から調製される、請求項1に記載の複合構造。
  7. 【請求項7】 接着強化コーティングが、少なくとも1種類のエチレン系不
    飽和性モノマーと、有機官能性シランモノマーカップリング剤と、シリカ粒子を
    少なくとも含むコロイド無機酸化物粒子とを含有するセラマー組成物を含む接着
    強化前駆体組成物から調製される、請求項2に記載の非反射性の複合構造。
  8. 【請求項8】 セラマー組成物が約1.40から約1.65の屈折率を有す
    る、請求項6または7のいずれか一項に記載の複合構造。
  9. 【請求項9】 セラマー組成物が約1.40から約1.65の屈折率を有す
    る、請求項4に記載の光機能性構造。
  10. 【請求項10】 光機能性材料が接着強化コーティング上に直接的にインジ
    ウム−スズオキシドの層を備える、請求項1に記載の複合構造。
  11. 【請求項11】 有機ポリマー基材が、ポリエステル、ポリカーボネート、
    ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、スチレンコポリマー、ポリフェニレ
    ンオキシド、セルロースエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリ塩化ビニ
    ル、およびその混合物の群から選択されたポリマーから形成される、請求項1,
    2,3,4,5,6,7,9、または10のいずれか一項に記載の複合構造。
  12. 【請求項12】 第一表面および第二表面を有する有機ポリマー基材を準備
    することと; 前記基材の第一表面に、少なくとも1種類のエチレン系不飽和性モノマーおよ
    びコロイド無機シリカ粒子を含有するセラマー組成物を含む接着強化前駆体組成
    物をコーティングすせることと; 接着強化前駆体組成物を少なくとも部分的に硬化させて接着強化コーティング
    を形成させることと; 接着強化コーティング上に光機能性コーティングを形成させることを含む、複
    合構造の形成方法。
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