JP2002373811A - コア、有芯コイル及びトランス - Google Patents

コア、有芯コイル及びトランス

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JP2002373811A JP2001181876A JP2001181876A JP2002373811A JP 2002373811 A JP2002373811 A JP 2002373811A JP 2001181876 A JP2001181876 A JP 2001181876A JP 2001181876 A JP2001181876 A JP 2001181876A JP 2002373811 A JP2002373811 A JP 2002373811A
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core
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gap
permeability
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Yoshiaki Ishihara
義昭 石原
Masanori Tsuzuki
正憲 都築
Hitoshi Fukuda
仁志 福田
Tsugunori Sakata
世紀 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、洩磁束の少ない有芯コイル等を
提供する。 【解決手段】コア2の半円環状のフェライト片4a、4
bの端部間に、前記フェライト片の透磁率の1/100
倍程度の透磁率を有するフェライトシート5を狭入して
ギャップ7を設ける。前記フェライト片4a,4b及び
前記フェライトシート5の周囲をコーティング樹脂6で
コーティングする。前記フェライトシート5の透磁率は
空気の透磁率に比べて十分大きいので、前記ギャップ7
からの洩れ磁束は少なくなる。また、前記フェライトシ
ート5の透磁率は前記フェライト片4a,4bの透磁率
よりも十分小さいので、磁気飽和を確実に防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコア等に係り、詳し
くは磁路中のギャップからの洩れ磁束の低減を図るコ
ア、有芯コイル及びトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コイルにおいては、大きなインダ
クタンスを得るために、また、トランスにおいては、1
次側巻線と2次側巻線との間の良好な磁気結合を得るた
めに、磁性体製のコアが用いられてきた。
【0003】しかし、磁性体は一般に磁気飽和特性を有
するため、コアの周囲に巻回した巻線に流れる電流が大
きくなり、当該巻線に流れる電流により発生する磁界
が、コアをなす磁性体の種類及びコアの形状、大きさ等
によって決まるある一定の値を超えると、コアは磁気飽
和し、コイル、トランスとしての機能が失われてしま
う。
【0004】そのため、一般に、図3に示すように、コ
ア31中の磁束の経路(磁路)中にギャップ32を設け
てコア31の磁気飽和を防止していた。すなわち、ギャ
ップ32を設けることにより、当該ギャップ32の透磁
率が磁芯33の透磁率よりも小さくなるため、コア31
全体に発生する磁束34が、ギャップがない場合に比べ
て少なくなり、結果として、コア31の磁気飽和が防止
できる。
【0005】ギャップ32は、通常、空気で満たされて
いる場合(何も挿入しない場合)や、当該ギャップ32
の間隔をギャップに挿入した部材により保持する必要が
ある場合には、紙等が挿入されるのが一般的であった。
【0006】ところが、ギャップに何も挿入しない場合
や、紙等を挿入した場合には、ギャップ32の透磁率と
ギャップ32の周囲の透磁率(空気の透磁率)がほぼ等
しいので、コア31からギャップ32の周囲に洩れ磁束
35が発生する。
【0007】そして、図3に示すように、洩れ磁束35
がギャップの近傍の巻線36を貫通すると、洩れ磁束3
5により、巻線36中に渦電流が発生し、当該渦電流に
よって損失が発生する。
【0008】このとき、当該渦電流による磁束と、前記
洩れ磁束とが、巻線36の内部にて打ち消しあうため、
見かけ上は、磁束が巻線36を貫通していないように見
える。
【0009】また、洩れ磁束35が周辺の電子素子等に
も影響を与え、電子回路の誤動作等の原因ともなる。更
に、洩れ磁束35自体がノイズの原因ともなる。コア中
のギャップから発生する洩れ磁束を低減する方策とし
て、特開平5−114520号公報には、磁芯(特開平
5−114520号公報中の「磁芯」は、本明細書中の
「コア」に相当する。)の中心部の透磁率を周囲部の透
磁率よりも大きくし、且つ、磁芯の中心部のギャップを
周囲部のギャップよりも大きくしてなる磁芯を有するト
ランスが開示されている。
【0010】当該磁芯によれば、当該磁芯中を通過する
磁束のうち多くが、透磁率の大きい中心部を通過し、透
磁率の小さい周囲部を通過する磁束は少ない。そして、
多くの磁束が通過する当該磁芯の中心部のギャップが大
きいため、確実に当該磁芯の飽和を防止できる。
【0011】また、当該磁芯の周囲部においては、通過
する磁束が少ない上、ギャップも小さいため、当該磁芯
の外部に洩れる洩れ磁束も少なくできる。一方、特開2
000−277337号公報には、ギャップを有するC
字状のコア片の隙間にスペーサが装着されているコイル
装置が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平5−1
14520号公報に開示された発明に係る磁芯は、異な
る透磁率を有する2種類の磁性体から形成されており、
ギャップの大きさも、当該磁芯の中心部と周囲部とでは
異なるため、構造が複雑で、コストが高くなるのを避け
られない。
【0013】また、特開2000−277337号公報
によって開示されているコイル装置に係る発明の目的
は、簡便なトロイダルコイルの製造方法の提供にあり、
洩れ磁束対策ではない。実際、当該公報中には、洩れ磁
束対策に関する記載はない。
【0014】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、簡単な構造で、磁路中
のギャップからの洩れ磁束の少ないコア、及び当該コア
を用いたコイル及びトランスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、磁路中に設けられたギャ
ップと、磁路の一部を構成する磁芯と、前記磁芯の透磁
率よりも小さい透磁率を有し、且つ、空気の透磁率より
も大きい透磁率を有するスペーサ部材とからなることを
その要旨とした。
【0016】従って、この発明によれば、スペーサ部材
の透磁率が空気の透磁率よりも大きいので、簡単な構造
で、磁路中のギャップからの洩れ磁束の少ないコアを提
供することができる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記磁芯は複数の磁性体片から構成さ
れるとともに、磁路中に1又は2以上ギャップを有する
ことをその要旨とした。
【0018】従って、この発明では、コアを簡単な形状
にできるため、コストを低減することができる。請求項
3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明
において、スペーサ部材の透磁率が、空気の透磁率の1
00倍以上であり、且つ、前記磁芯の透磁率の1/10
0倍以下であることをその要旨とした。
【0019】従って、この発明では、磁路中のギャップ
からの洩れ磁束を顕著に低減でき、しかも、コアの磁気
飽和を確実に防止することができる。請求項4に記載の
発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のコアを
用いることをその要旨とした。
【0020】従って、この発明によれば、磁路中のギャ
ップからの洩れ磁束が少ないため、巻線における渦電流
損が小さい有芯コイルを提供することができる。請求項
5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記
載のコアを用いることをその要旨とした。
【0021】従って、この発明によれば、磁路中のギャ
ップからの洩れ磁束が少ないため、巻線における渦電流
損が小さいトランスを提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明をトロイダルコイル
に具体化した一実施形態を図1及び図2に基づいて説明
する。
【0023】図1に示すように、トロイダルコイル1
は、コア2と、コア2の周囲に導線を巻回して形成した
巻線3とから構成されている。前記コア2は、磁芯4、
スペーサ部材としてのフェライトシート5及びコーティ
ング樹脂6から構成されている。また、磁芯4は、2個
の同形の磁性体片としてのフェライト片4a,4bから
なる。そして、フェライト片4a,4bにより閉磁路を
形成する。
【0024】前記フェライト片4a,4bは、半円環状
の形状を有しており、両フェライト片4a,4bにより
円環状のコアを形成する際に、両フェライト片4a,4
bの端部間に、前記フェライトシート5を狭入して、磁
路中のギャップ7を設けている。
【0025】前記フェライトシート5は、エラストマに
フェライト粉を混練したものであり、混練するフェライ
ト粉の含有割合を調整することにより、所要の透磁率に
設定されている。ここでは、フェライトシート5の透磁
率が、フェライト片4a,4bの透磁率の1/100倍
程度となるように、フェライト粉の含有割合を調整して
ある。
【0026】なお、コア2の磁気飽和を防止し、且つ、
ギャップ7からの洩れ磁束を低減するためには、フェラ
イトシート5の透磁率を、空気の透磁率よりも大きく、
且つ、フェライト片4a,4bの透磁率よりも小さい範
囲で設定する必要があるが、より望ましいフェライトシ
ート5の透磁率の範囲は、空気の透磁率の100倍より
も大きく、且つ、フェライト片4a,4bの透磁率の1
/100倍よりも小さい範囲である。
【0027】フェライト片4a,4bの端部間にフェラ
イトシート5を狭入した状態で、コーティング樹脂6に
より、フェライト片4a,4bをコーティングする。当
該コーティング樹脂6は、フェライト片4a,4bの表
面を保護するとともに、フェライト片4a,4bがフェ
ライトシート5を狭持する状態を保持している。
【0028】前記巻線3は、コア2の周囲に、導線とし
ての絶縁被覆を有する銅線を所要の回数だけ巻回して形
成されている。次に、上記のように構成されたトロイダ
ルコイル1の作用を図2に従って説明する。
【0029】巻線3に電流を流すと、巻線3を構成する
銅線の周囲に磁界が発生する。巻線3はコア2に近接し
て巻回されているため、前記銅線の周囲に発生した磁界
により、フェライト片4a,4bには磁束8が発生す
る。フェライトの透磁率は空気の透磁率に比べて十分大
きいため、磁束8は、フェライト片4a,4bで構成さ
れる磁路を通る。
【0030】ギャップ7に設置されたフェライトシート
5の透磁率は、フェライト片4a,4bの透磁率の1/
100倍程度であるが、空気の透磁率と比べると十分に
大きいので、ギャップ7においても、フェライト片4
a,4b中を通過した磁束8のほとんどがフェライトシ
ート5を通過する。
【0031】従って、ギャップ7においても、前記磁束
8のうち周囲の空気中に漏洩する磁束はわずかであり、
その結果、ギャップ7に近接する巻線を洩れ磁束が貫通
することにより発生する渦電流損もわずかなものとな
る。
【0032】また、洩れ磁束による電子回路の誤動作や
ノイズの発生も抑制される。一方、フェライトシート5
の透磁率はフェライト片4a,4bの透磁率の1/10
0倍程度であり、フェライトシート5の透磁率はフェラ
イト片4a,4bの透磁率よりも十分小さいため、前記
銅線に流れる電流による磁界によって発生する磁束8
は、磁路中にギャップがない場合に比べて少なくなる。
【0033】従って、巻線3に大きな電流が流れても、
フェライト片4a,4bが磁気飽和することがなくな
り、コア2の磁気飽和を防止することができる。以上記
述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏
する。
【0034】(1)ギャップ7にフェライトシート5を
設置し、フェライトシート5の透磁率をフェライト片4
a,4bの透磁率の1/100倍程度としたため、フェ
ライトシート5の透磁率が、空気の透磁率よりも大き
く、且つ、フェライト片4a,4bの透磁率よりも小さ
くなり、簡単な構造により、コア2の飽和を確実に防止
するとともに、ギャップ7における洩れ磁束を少なくで
きる。
【0035】(2)ギャップ7における洩れ磁束が少な
いため、ギャップ7に近接する巻線を貫通する磁束が少
なく、洩れ磁束により発生する渦電流損を小さくするこ
とができる。また、洩れ磁束による電子回路の誤動作を
防止でき、発生するノイズを低減することができる。
【0036】(3)同形のフェライト片を2個用いてコ
アを形成するため、ギャップを有し、且つ一体形成され
た、いわゆるC型コアよりもコストを低減することがで
きる。
【0037】(4)フェライトシート5の透磁率を、フ
ェライト片の透磁率の1/100倍程度としたため、洩
れ磁束抑制の効果が顕著に現れると同時に、コア2の磁
気飽和も確実に防止できる。
【0038】(5)フェライト粉をエラストマに混練し
てフェライトシート5を形成したため、フェライトシー
ト5の透磁率を簡単に所要の値に設定することができ
る。尚、実施の形態は前記に限らず、例えば以下の態様
で実施してもよい。
【0039】○前記実施形態においては、コア2を構成
する磁芯4の材料をフェライトとしたが、フェライトに
限らず、せんダスト、硅素鋼等一般的な磁性材料も用い
ることができる。
【0040】○前記実施形態では、円環状のコアを用い
たが、コアの形状は円環状に限らず、EE型、EI型等
の閉磁路を形成する形状のものであれば用いることがで
きる。
【0041】○前記実施形態はトロイダルコイルであっ
たが、本発明はトロイダルコイルにのみ具体化されるも
のではなく、ギャップ付きの閉磁路コアを用いたトラン
スにも適用することもできる。
【0042】○前記実施形態では、スペーサ部材とし
て、エラストマにフェライト粉を混練したフェライトシ
ート5を用いたが、フェライト粉をゴムや樹脂等に混練
したものでも使用することができる。また、エラストマ
等に混練するのはフェライト粉に限られず、一般的な磁
性体を粉状にした磁性体粉であれば用いることができ
る。更に、スペーサ部材は、フェライトシートに限ら
ず、例えば、ニッケルや鉄等の金属片でもよい。
【0043】○前記実施形態においては、スペーサ部材
としてのフェライトシートの透磁率をフェライト片の透
磁率の1/100倍程度としたが、前記値に限られる訳
ではなく、所要の性能が得られるように調整する。この
時、スペーサ部材の透磁率の上限は、コアを構成する磁
性体の透磁率により決まる。
【0044】○前記実施形態では、フェライト片4a,
4bとフェライトシート5とを固定するためにコーティ
ング樹脂6を用いたが、これに限られるものではなく、
例えば、ケース等に入れて固定してもよい。
【0045】次に、前記実施の形態から把握できる技術
的思想について、以下に追記する。 (1)前記スペーサ部材として、樹脂、エラストマ又は
ゴムに磁性体粉を混練したものを用いる、請求項1から
3のいずれか一項に記載のコア。
【0046】このようなコアでは、スペーサ部材の透磁
率を簡単に所要の値に調節することができるので、安価
で、良好な特性を有するコアを得ることができる。 (2)技術的思想の(1)に記載のスペーサ部材を用い
た有芯コイル。
【0047】(3)技術的思想の(1)に記載のスペー
サ部材を用いたトランス。
【0048】
【発明の効果】請求項1から3に記載の発明によれば、
簡単な構成で、磁路中のギャップからの洩れ磁束の少な
いコアを得ることができる。
【0049】請求項4に記載の発明によれば、簡単な構
成で、磁路中のギャップからの洩れ磁束の少ない有芯コ
イルを得ることができる。請求項5に記載の発明によれ
ば、簡単な構成で、磁路中のギャップからの洩れ磁束の
少ないトランスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をトロイダルコイルに具体化した一実
施形態の全体図。
【図2】 同じくギャップの模式拡大断面図。
【図3】 従来技術におけるコイルのギャップの模式拡
大断面図。
【符号の説明】
2…コア、3…巻線、4…磁芯、4a,4b…磁性体片
としてのフェライト片、5…スペーサ部材としてのフェ
ライトシート、7…ギャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 仁志 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 坂田 世紀 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 5E070 BA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁路中に設けられたギャップと、 前記磁路の一部を構成する磁芯と、 前記ギャップに設置され、前記磁芯の透磁率よりも小さ
    い透磁率を有し、且つ、空気の透磁率よりも大きい透磁
    率を有するスペーサ部材とからなるコア。
  2. 【請求項2】 前記磁芯は複数の磁性体片から構成され
    るとともに、前記磁路中に1又は2以上ギャップを有す
    る請求項1に記載のコア。
  3. 【請求項3】 前記スペーサ部材の透磁率は、空気の透
    磁率の100倍以上であり、且つ、前記磁芯の透磁率の
    1/100倍以下である請求項1又は請求項2に記載の
    コア。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    コアを用いた有芯コイル。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    コアを用いたトランス。
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