JP2003007545A - 有芯コイル及びトランス - Google Patents

有芯コイル及びトランス

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JP2003007545A
JP2003007545A JP2001187915A JP2001187915A JP2003007545A JP 2003007545 A JP2003007545 A JP 2003007545A JP 2001187915 A JP2001187915 A JP 2001187915A JP 2001187915 A JP2001187915 A JP 2001187915A JP 2003007545 A JP2003007545 A JP 2003007545A
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gap
magnetic
winding
core
magnetic flux
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JP2001187915A
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Yoshiaki Ishihara
義昭 石原
Masanori Tsuzuki
正憲 都築
Hitoshi Fukuda
仁志 福田
Tsugunori Sakata
世紀 坂田
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ギャップからの洩れ磁束による渦電流損の少な
い有芯コイル等を提供する 【解決手段】半円環状のフェライト片4a,4bの端部
間にポリエステルフィルム6を狭入して、端部間にギャ
ップ5を形成する。この状態で、フェライト片4a,4
bの表面をコーティング樹脂6でコーティングして固定
する。コア2に、絶縁被覆を有する銅線を所要の回数だ
け巻回して巻線3を形成する。このとき、巻線3におい
て、ギャップ5に対応する位置では、銅線の密度が巻線
3の他の部分よりも疎となるようにする。ギャップ5付
近に発生する洩れ磁束が貫通する銅線の数が少ないた
め、銅線における洩れ磁束により発生する渦電流損も少
なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有芯コイル又はトラ
ンスに係り、詳しくは有芯コイル又はトランスを構成す
る巻線における渦電流損の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コイルにおいては、大きなインダ
クタンスを得るために、また、トランスにおいては、1
次側巻線と2次側巻線との間の良好な磁気結合を得るた
めに、磁性体製のコアが用いられてきた。
【0003】しかし、磁性体は一般に磁気飽和特性を有
するため、コアの周囲に巻回した巻線に流れる電流が大
きくなり、当該巻線に流れる電流により発生する磁界
が、コアをなす磁性体の種類及びコアの形状、大きさ等
によって決まるある一定の値を超えると、コアは磁気飽
和し、コイル、トランスとしての機能が失われてしま
う。
【0004】そのため、一般に、例えば、トロイダルコ
アにおいては、図5に示すように、コア51中の磁束の
経路(磁路)中にギャップ52を設け、コア51の磁気
飽和を防止していた。
【0005】すなわち、ギャップ52を設けることによ
り、当該ギャップ52の透磁率がコア51をなす磁性体
片の透磁率よりも小さくなるため、コア51に発生する
磁束が、当該ギャップ52がない場合に比べて少なくな
り、結果として、コア51の磁気飽和を防止することが
できる。
【0006】そして、当該ギャップ52は、通常、空気
で満たされていたり(何も挿入しない場合)、当該ギャ
ップ52の間隔を、ギャップ52に挿入した部材により
保持する必要がある場合には、ポリエステルフィルムや
紙等が挿入されるのが一般的であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ギャップ5
2に何も挿入しない場合や、ポリエステルフィルム等を
挿入した場合には、ギャップ52の透磁率とギャップ5
2の周囲の空気の透磁率とがほぼ等しいため、コア51
からギャップ52の周囲へ洩れ磁束54が発生する。
【0008】このため、洩れ磁束54がギャップ52の
近傍に位置する導線を貫通して、巻線中に渦電流が発生
し、当該渦電流によって損失が発生していた。このと
き、当該渦電流による磁束と、前記洩れ磁束54とが、
巻線の内部にて打ち消しあうため、見かけ上は、洩れ磁
束54が巻線を貫通していないように見える。
【0009】通常の有芯コイル等においては、図6に示
すように、導線53を均等な密度で巻回して巻線を形成
するので、特に巻回回数の多い場合には、ギャップ52
の近傍にも多くの導線が存在する。従って、係る場合に
は、洩れ磁束54が貫通する導線53が多く、渦電流に
よる損失も大きくなっていた。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は渦電流損を低減すること
のできる有芯コイル及びトランスを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、ギャップを有する磁路を
構成する磁性体製コアと、前記磁路の周囲に巻回した導
線からなる巻線とを有する有芯コイルであって、前記巻
線は、当該巻線の他の部分に比べて導線が疎になってい
る疎部を有し、少なくとも前記疎部の一部が、前記ギャ
ップに対応する位置に位置することをその要旨とした。
【0012】従って、この発明によれば、ギャップから
の洩れ磁束による渦電流損の小さい有芯コイルを提供す
ることができる。請求項2に記載の発明は、請求項1に
記載の発明において、前記磁性体製コアは、2以上の磁
性体片から構成されるとともに、磁路中にギャップが少
なくとも1つ設けられていることをその要旨とした。
【0013】従って、この発明によれば、磁性体製コア
を簡単な形状の磁性体片により構成できるため、有芯コ
イルのコストを低減することができる。請求項3に記載
の発明は、ギャップを有する磁路を構成する磁性体製コ
アと、前記磁路の周囲に巻回した導線からなる複数の巻
線とを有するトランスであって、前記複数の巻線の少な
くとも1つは、当該巻線の他の部分に比べて前記導線が
疎になっている疎部を有し、少なくとも前記疎部の一部
が、前記ギャップに対応する位置に位置することをその
要旨とした。
【0014】従って、この発明によれば、ギャップから
の洩れ磁束による渦電流損の小さいトランスを提供する
ことができる。請求項4に記載の発明は、請求項3に記
載の発明において、前記磁性体製コアは、2以上の磁性
体片から構成されるとともに、磁路中にギャップが少な
くとも1つ設けられていることをその要旨とした。
【0015】従って、この発明によれば、磁性体製コア
を簡単な形状の磁性体片から構成できるため、トランス
のコストを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明をトロイダルコイルに具体化した一実施の形態を図1
及び図2に従って説明する。
【0017】図1に示すように、トロイダルコイル1
は、コア2と、コア2の周囲に導線を巻回して形成した
巻線3とから構成されている。前記コア2は、2個の同
形のフェライト片4a,4bから構成されている。前記
フェライト片4a,4bは、半円環状の形状を有してお
り、両フェライト片4a,4bにより円環を形成する際
に、両フェライト片4a,4bの端部間に、ギャップ5
を形成するための、ギャップ形成部材としてのポリエス
テルフィルム6が狭入されている。
【0018】フェライト片4a,4bの端部間にポリエ
ステルフィルム6を狭入した状態で、コーティング樹脂
7により、フェライト片4a,4bをコーティングす
る。当該コーティング樹脂7は、フェライト片4a,4
bの表面を保護するとともに、フェライト片4a,4b
がポリエステルフィルム6を狭持する状態を保持してい
る。
【0019】前記巻線3は、コア2の周囲、即ち磁路の
周囲に、導線としての絶縁皮膜を有する銅線を所要の回
数だけ巻回して形成されるとともに、巻線の他の部分と
比べて、銅線の密度が疎である疎部8を有する。疎部8
は、コア2の周方向にみて、少なくとも前記ギャップ5
の幅(フェライト片の端部と、対向するフェライト片の
端部との距離)よりも長く形成されている。
【0020】前記疎部8は、巻線3上の互いに対向する
位置に2箇所設けられており、疎部8は、コア2上のギ
ャップ5に対応する位置に配置されている。次に、図2
に基づいて、上記のように構成されたトロイダルコイル
1の作用を説明する。
【0021】巻線3に電流を流すと、巻線3を構成する
銅線の周囲に磁界が発生する。巻線3はコア2に近接し
て巻回されているため、前記銅線の周囲に発生した磁界
により、フェライト片4a,4bには磁束9が発生す
る。フェライトの透磁率は空気の透磁率に比べて十分大
きいため、発生した磁束9は、フェライト片4a,4b
で構成される磁路を通る。
【0022】一方、ポリエステルの透磁率は、フェライ
トの透磁率に比べて十分小さいので、ポリエステルフィ
ルム6によりギャップ5を形成した場合の、巻線3に流
れる電流による磁界によって発生する磁束は、ギャップ
5がない場合に比べて少なくなる。
【0023】従って、巻線3に大きな電流が流れた場合
にも、コア2が磁気飽和することがなくなる。すなわ
ち、ギャップ5を設けることにより、コア2の磁気飽和
を防止することができる。
【0024】ところが、ギャップ5に設置されたポリエ
ステルフィルム6の透磁率は、空気の透磁率とほとんど
等しいので、フェライト片4a,4bを通過した磁束9
の一部が、ギャップ5において、周囲の空気中に漏洩
し、洩れ磁束10が発生する。
【0025】前記洩れ磁束10は、図2に示すように、
ギャップ5の近傍にある銅線を貫通し、当該貫通した磁
束により、銅線内に渦電流が流れる。そして、当該渦電
流と、渦電流の経路の抵抗分により、損失が発生する。
【0026】しかし、巻線3上の銅線の密度は、ギャッ
プ5に対応する部分においては、他の部分に比べて疎と
なっているので、前記洩れ磁束10が貫通する銅線の数
も、銅線を均等に巻回して巻線を構成した場合に比べて
少なくなり、結果として、発生する渦電流損も小さくな
る。
【0027】このとき、当該渦電流による磁束と、前記
洩れ磁束10とが、銅線の内部にて打ち消しあうため、
見かけ上は、洩れ磁束10が銅線を貫通していないよう
に見える。
【0028】以上記述したように、第1の実施の形態に
よれば、以下の効果を奏する。 (1)洩れ磁束の発生するギャップの近傍において、巻
線を構成する銅線が疎となっているため、洩れ磁束が貫
通する銅線の数が少なく、洩れ磁束により発生する渦電
流損も小さくなる。
【0029】(2)同形のフェライト片を2個用いてコ
アを形成したため、フェライト片の形状を簡単にするこ
とができ、ギャップを有し、且つ一体形成されたコアを
用いる場合よりもコストを低減することができる。
【0030】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態を、図3及び図4に基づいて説明する。この実施の
形態では、本発明をトランスに具体化した点で、前記実
施の形態と異なる。
【0031】図3に示すように、トランス21は、コア
22と、導線を巻回するためのボビン23と、前記ボビ
ン23の周囲に導線を巻回して形成される巻線24とか
ら構成されている。
【0032】前記コア22は、2つの同形のE字状のフ
ェライト片25a,25bから構成され、前記両フェラ
イト片25a,25bの中足間にはポリエステルフィル
ム26が狭入されている。
【0033】前記巻線24は、1次側巻線24aと2次
側巻線24bとからなり、1次側巻線24a、2次側巻
線24bともに、導線としての絶縁被覆を有する銅線を
前記ボビン23に巻回して形成されている。ここでは、
1次側巻線24aは30回巻回されており、2次側巻線
24bは3回巻回されている。すなわち、1次側巻線2
4aと2次側巻線24bとの巻線比は10:1である。
【0034】1次側巻線24aは、前記ボビン23の全
体に巻回されており、ボビン23の中央部には、ギャッ
プ幅よりも長い、1次側巻線24aの他の部分に比べて
導線が疎になっている部分(疎部27)を有する。一
方、2次側巻線24bは、ボビン23の一方の端部付近
に巻回されている。
【0035】上記のように巻回された1次側巻線24a
及び2次側巻線24bを有するボビン23の両側から、
前記E字状のフェライト片25a,25bの中足を挿入
するとともに、両中足でポリエステルフィルム26を狭
持して、中足間にギャップ28を設ける。そして、ボビ
ン23にフェライト片25a,25bを挿入し、フェラ
イト片25a,25bの中足でポリエステルフィルム2
6を狭持した状態で、フェライト片25a,25bを両
側から図示しない固定具で固定する。
【0036】次に、図3および図4に基づいて、上記の
ように構成されたトランス21の作用を説明する。1次
側巻線24aの両端に電圧を印加すると、1次側巻線2
4aには電流が流れ、1次側巻線24aを構成する銅線
の周囲に磁界が発生する。1次側巻線24aはフェライ
ト片25a,25bの中足に近接しているため、銅線の
周囲に発生した磁界により、フェライト片25a,25
b内部に磁束29が発生する。フェライトの透磁率は空
気やボビンの透磁率よりも十分に大きいので、磁束29
は、フェライト片25a,25bで構成される磁束を通
る。
【0037】2次側巻線24bも、フェライト片25a
の中足に近接して巻回されているため、1次側巻線24
aに流れる電流により発生した磁束29は、2次側巻線
24bとも鎖交する。従って、2次側巻線24bの両端
に、1次側巻線24aの両端に印加した電圧、及び1次
側巻線24aと2次側巻線24bとの巻線比で決まる電
圧が発生する。ここでは、巻線比が10:1であるの
で、2次側巻線24bの両端には、1次側巻線24aの
両端に印加した電圧のおよそ1/10の電圧が発生す
る。
【0038】また、ポリエステルの透磁率は、フェライ
トの透磁率に比べて十分小さいので、1次側巻線24a
に流れる電流による磁界によって発生する磁束29は、
磁路中にギャップ28がない場合に比べて少なくなる。
【0039】従って、1次側巻線24aに大きな電流が
流れても、コア22が磁気飽和することがなくなる。す
なわち、ギャップ28を設けることにより、コア22の
磁気飽和を防止することができる。
【0040】ところが、ギャップ28に設置されたポリ
エステルフィルムの透磁率は、空気の透磁率とほとんど
等しいので、フェライト片25a,25bを通過した磁
束29の一部が、ギャップ28において、周囲の空気中
に漏洩し、洩れ磁束30が発生する。
【0041】前記洩れ磁束30は、図4に示すように、
ギャップ28の近傍にある、1次側巻線24aを構成す
る銅線を貫通し、当該貫通した磁束により、銅線内に渦
電流が流れる。そして、当該渦電流と、渦電流の経路の
抵抗分により、損失が発生する。
【0042】しかし、1次側巻線24a上の銅線の密度
は、ギャップ28に対応する部分においては、他の部分
に比べて疎となっているので、前記洩れ磁束30が貫通
する銅線の数も、銅線を均等に巻回して1次側巻線を構
成した場合に比べて少なくなり、結果として、発生する
渦電流損も小さくなる。
【0043】このとき、当該渦電流による磁束と、前記
洩れ磁束30とが、銅線の内部にて打ち消しあうため、
見かけ上は、洩れ磁束30が銅線を貫通していないよう
に見える。
【0044】また、2次側巻線24bは、ボビン23の
一方の端部付近に巻回されているため、前記ギャップ2
8から離間されている。従って、ギャップ28において
発生する洩れ磁束30が、2次側巻線24bを構成する
銅線を貫通することはなく、2次側巻線24bにおい
て、洩れ電流による渦電流損が発生することもない。
【0045】以上記述した第2の実施の形態によれば、
前記第1の実施の形態の(1),(2)の効果に加え、
次の効果を奏する。 (3)トランスにおいて、巻回回数の少ない2次側巻線
は、ギャップから離間して設けられているため、2次側
巻線においては、ギャップからの洩れ磁束により、渦電
流損が発生することがない。
【0046】尚、実施の形態は、上記のものに限られる
わけではなく、例えば以下の態様で実施してもよい。 ○第1の実施の形態では、有芯コイルのコアとして、円
環状のコアを用いたが、有芯コイルのコアの形状は円環
状に限られず、EE型、EI型等の閉磁路を形成し、且
つ、ギャップを設けられる形状のものであれば用いるこ
とができる。
【0047】○第2の実施の形態では、トランスのコア
として、EE型コアを用いたが、トランスのコアの形状
はEE型に限られず、EI型、PQ型、円環状等の閉磁
路を形成し、且つ、ギャップを設けられる形状のもので
あれば用いることができる。
【0048】○第2の実施の形態において、トランスの
巻線は、1次側巻線と1の2次側巻線とで構成されてい
たが、これに限られず、多数の2次側巻線を有するもの
であってもよい。
【0049】○第2の実施の形態において、トランスの
1次側巻線の巻回回数を30回、2次側巻線の巻回回数
を3回として、1次側巻線と2次側巻線との巻線比を1
0:1としたが、これに限らず、任意の巻回回数、任意
の巻線比でもよい。この場合において、巻回回数によ
り、ギャップの近傍に巻回する必要がある巻線は、当該
実施の形態における1次側巻線と同様に、ギャップに対
応する部分に、導線が疎となる疎部を設ければよい。
【0050】○第1の実施の形態におけるコア、及び第
2の実施の形態におけるコアの材料をフェライトとした
が、フェライトに限らず、せんダスト、硅素鋼等一般的
な磁性材料であればよい。
【0051】○第1の実施の形態及び第2の実施の形態
において、フェライト片の間にポリエステルフィルムを
狭入してギャップを形成したが、ポリエステルフィルム
に限られず、ギャップには何もなくても(空気のみがあ
っても)よく、紙等を狭入してもよい。
【0052】○空気よりも透磁率が大きく、且つ、コア
を構成する磁性体よりも透磁率が小さい部材(例えば、
ニッケルや鉄等の金属片)を、ギャップに狭入してもよ
い。かかる場合には、ギャップでの洩れ磁束を低減する
ことができ、巻線における渦電流損を低減することがで
きる。
【0053】更に、樹脂、エラストマまたはゴムに、磁
性体を粉状にした磁性体粉を混練してシート状にしたも
のを、ギャップ形成部材としてギャップに設置してもよ
い。かかる場合には、混練する磁性体粉の含有割合を調
整することにより、所要の透磁率を有するシートを得る
ことができ、当該シートをギャップに設置することによ
り、コアの特性の所要の特性への調整、及び洩れ磁束の
低減を両立することが可能となる。
【0054】例えば、エラストマに磁性体粉を混練して
磁性体シートを形成して、当該シートをギャップに設置
する場合において、混練する磁性体粉の含有割合を調整
して、当該シートの透磁率が、空気の透磁率の100倍
以上となり、且つ、コアを構成する磁性体部材の透磁率
の1/100倍以下となるようにすると、コアの磁気飽
和を確実に防止できるとともに、ギャップにおける洩れ
磁束を顕著に低減することができ、巻線における渦電流
損を顕著に低減することができる。
【0055】次に、前記実施の形態から把握できる技術
的思想について、以下に追記する。 (1)前記ギャップに、空気の透磁率よりも大きく、且
つ、前記磁性体製コアの透磁率よりも小さい透磁率を有
するギャップ形成部材を設置した、請求項1又は請求項
2に記載の有芯コイル。
【0056】このような有芯コイルにおいては、ギャッ
プからの洩れ磁束が、ギャップにポリエステルフィルム
を設置した場合に比べて少なくなるため、巻線における
渦電流損を更に低減することができる。
【0057】(2)前記ギャップ形成部材の透磁率が、
空気の透磁率の100倍以上であり、且つ、前記磁性体
製コアの透磁率の1/100倍以下である、請求項1又
は請求項2に記載の有芯コイル。
【0058】(3)前記ギャップに、空気の透磁率より
も大きく、且つ、前記磁性体製コアの透磁率よりも小さ
い透磁率を有するギャップ形成部材を設置した、請求項
3又は請求項4に記載のトランス。
【0059】このようなトランスにおいては、ギャップ
からの洩れ磁束が、ギャップにポリエステルフィルムを
設置した場合に比べて少なくなるため、巻線における渦
電流損を更に低減することができる。
【0060】(4)前記ギャップ形成部材の透磁率が、
空気の透磁率の100倍以上であり、且つ、前記磁性体
製コアの透磁率の1/100倍以下である、請求項3又
は請求項4に記載のトランス。
【0061】(5)前記疎部の磁路方向の長さが、前記
ギャップの磁路方向の長さよりも長いことを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の有芯コイル。(6)前記
疎部の磁路方向の長さが、前記ギャップの磁路方向の長
さよりも長いことを特徴とする請求項3又は請求項4に
記載のトランス。
【0062】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に記載の発明によ
れば、巻線における渦電流損が少ない有芯コイルを得る
ことができる。
【0063】請求項3及び請求項4に記載の発明によれ
ば、巻線における渦電流損が少ないトランスを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のトロイダルコイルの模式
図。
【図2】 そのギャップ付近の模式拡大断面図。
【図3】 第2の実施の形態のトランスの模式図。
【図4】 そのギャップ付近の模式拡大断面図。
【図5】 従来のトロイダルコイルの模式図。
【図6】 そのギャップ付近の模式拡大断面図。
【符号の説明】
2,22…磁性体製コア、3,24a,24b…巻線、
4a,4b,25a,25b…磁性体片としてのフェラ
イト片、5,28…ギャップ、8,27…疎部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 仁志 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 坂田 世紀 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 5E043 AA01 BA01 5E058 BB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギャップを有する磁路を構成する磁性体
    製コアと、 前記磁路の周囲に巻回した導線からなる巻線とを有する
    有芯コイルであって、 前記巻線は、当該巻線の他の部分に比べて前記導線が疎
    になっている疎部を有し、 少なくとも前記疎部の一部が、前記ギャップに対応する
    位置に位置する有芯コイル。
  2. 【請求項2】 前記磁性体製コアは、2以上の磁性体片
    から構成されるとともに、磁路中にギャップが少なくと
    も1つ設けられている請求項1に記載の有芯コイル。
  3. 【請求項3】 ギャップを有する磁路を構成する磁性体
    製コアと、 前記磁路の周囲に巻回した導線からなる複数の巻線とを
    有するトランスであって、 前記複数の巻線の少なくとも1つは、当該巻線の他の部
    分に比べて前記導線が疎になっている疎部を有し、 少なくとも前記疎部の一部が、前記ギャップに対応する
    位置に位置するトランス。
  4. 【請求項4】 前記磁性体製コアは、2以上の磁性体片
    から構成されるとともに、磁路中にギャップが少なくと
    も1つ設けられている請求項3に記載のトランス。
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