JP2007242750A - コイル装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ギャップ部の幅を変えることなく、インダクタンスの大きさを変化させることが可能なコイル装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るコイル装置において、磁気ギャップ部10を有するC字状のコア1と、該コア1の周囲に巻装されたコイル2とを具え、前記磁気ギャップ部10内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂4が充填されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るコイル装置において、磁気ギャップ部10を有するC字状のコア1と、該コア1の周囲に巻装されたコイル2とを具え、前記磁気ギャップ部10内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂4が充填されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種交流機器における整流回路、雑音防止回路、共振回路等に装備されるコイル装置及びその製造方法に関するものである。
従来より、チョークコイル装置は、図9(c)に示す様に、C字状に形成されたコア(1)にコイル(2)を巻装して構成されている。
コア(1)の磁気ギャップ部(10)内には非磁性の樹脂(40)が充填されており、該磁気ギャップ部(10)を挟むコア(1)の一対の端面の間には、コイル(2)を構成するコイル導線が通過可能な隙間が設けられている。又、コア(1)の前記端面は、コア(1)の半径方向に対して傾斜している。
該チョークコイル装置の製造工程では、コイル(2)となるべき空芯コイル(20)を作製し、図9(a)に示す様に、コア(1)の前記一対の端面の間からコアの中央孔へ前記空芯コイルの側端部を通過させる。そして、コア(1)の端部を空芯コイル(20)の中央孔に挿入した後、図9(b)に示す様に、空芯コイル(20)をコア(1)に沿って押し進め、空芯コイル(20)の全長をコア(1)の周囲に装着してチョークコイルが完成する。
この様な方法では、予め巻回された空心コイル(20)をコア(1)に装着するので、チョークコイル装置の製造工程の自動化が容易である(特許文献1参照)。
ところで、この様なチョークコイル装置では、交流信号に重畳される直流重畳電流に対するインンダクタンス特性が、磁気ギャップ部(10)の幅に依存し、磁気ギャップ部(10)の幅が狭いほど、直流重畳電流が低い領域では大きいインダクタンスを得ることが出来る。
しかしながら、従来のチョークコイル装置では、磁気ギャップ部(10)を挟んで互いに対向するコア(1)の一対の端面の間には、コイル(2)を構成するコイル導線を通過させるための間隔を確保する必要がある。従って、所望のインダクタンスの大きさに対応する磁気ギャップ部(10)の幅がコイル導線の太さよりも狭い場合には、所望の特性を得ることが出来ない問題があった。
特開2000−277337号公報
本発明は、インダクタンスの大きさを変えることなく、磁気ギャップ部の幅を変えることが可能なコイル装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のコイル装置は、磁気ギャップ部(10)を有するC字状のコア(1)と、該コア(1)の周囲に巻装されたコイル(2)とを具えており、前記磁気ギャップ部(10)内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂(4)が充填されている。
本発明のコイル装置では、交流信号に重畳された直流重畳電流に対するインダクタンス特性が磁気ギャップ部(10)の幅により変化し、直流重畳電流が低い領域では、磁気ギャップ部(10)の幅が狭いほどインダクタンスが大きくなる。本発明のコイル装置の磁気ギャップ部(10)内には、磁性材料粉末を含有する複合樹脂(4)が充填されているので、非磁性材料が充填された磁気ギャップ部(10)に比べて磁気ギャップ(10)の実質的な幅が狭くなり、磁気ギャップ部(10)の実際の幅よりも狭い幅に対応する大きさのインダクタンスを得ることが出来る。従って、所望のインダクタンスの大きさを維持したまま、磁気ギャップ部(10)の幅を拡大することが可能である。
具体的構成において、前記磁気ギャップ部(10)を挟んで互いに対向するコア(1)の一対の端面(11)(11)の間には、前記コイル(2)を構成するコイル導線が通過可能な間隔が設けられている。更に具体的には、前記磁気ギャップ部(10)は、コア(1)の円弧状部を貫通して開設され、該円弧状部の中心軸と直交する断面における貫通方向が、該円弧状部の中心軸からずれている。
該具体的構成によれば、コイル(2)となるべき空芯コイルの中央孔にコア(1)の端部を挿入した後、空芯コイルをコア(1)に沿って押し進めることによって、コア(1)にコイル(2)を巻装することが出来、且つ、所望のインダクタンスの大きさを維持したまま、磁気ギャップ部(10)の幅をコイル導線の太さに合わせて拡大することが可能である。
本発明のコイル装置は、磁気ギャップ部(10)を有するC字状のコア(1)と、該コア(1)の周囲に巻装されたコイル(2)とを具え、前記磁気ギャップ部(10)内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂(4)が充填されている。
該コイル装置の製造方法は、磁気ギャップ部(10)に面するコア(1)の端面(11)をコア(1)の半径方向に対して傾斜させて形成すると共に、一対の前記端面(11)(11)の間には、コイル(2)を構成することとなるコイル導線が通過可能な間隔を設けるコア作製工程と、コイル(2)となるべき空芯コイル(20)を用意して、コア(1)の前記一対の端面(11)(11)の間からコアの中央孔へ前記空芯コイル(20)の端部を通過させ、コア(1)の端部を空芯コイル(20)の中央孔に挿入して、コア(1)の周囲にコイル(2)を巻回するコイル巻回工程と、該コイル巻回工程の後、磁気ギャップ部(10)内に前記複合樹脂(4)を充填する樹脂充填工程とを有している。
該コイル装置の製造方法は、磁気ギャップ部(10)に面するコア(1)の端面(11)をコア(1)の半径方向に対して傾斜させて形成すると共に、一対の前記端面(11)(11)の間には、コイル(2)を構成することとなるコイル導線が通過可能な間隔を設けるコア作製工程と、コイル(2)となるべき空芯コイル(20)を用意して、コア(1)の前記一対の端面(11)(11)の間からコアの中央孔へ前記空芯コイル(20)の端部を通過させ、コア(1)の端部を空芯コイル(20)の中央孔に挿入して、コア(1)の周囲にコイル(2)を巻回するコイル巻回工程と、該コイル巻回工程の後、磁気ギャップ部(10)内に前記複合樹脂(4)を充填する樹脂充填工程とを有している。
本発明に係るコイル装置及びその製造方法によれば、インダクタンスの大きさを変えることなく、磁気ギャップ部の幅を変えることが出来る。
以下、本発明をチョークコイル装置に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
チョークコイル装置は、図1に示す様にC字状に形成されたコア体(5)にコイル(2)が巻装されている。コア体(5)は、図2に示すC字状のコア(1)と、該コア(1)を内部に収容する樹脂製のケース(3)から構成されている。
チョークコイル装置は、図1に示す様にC字状に形成されたコア体(5)にコイル(2)が巻装されている。コア体(5)は、図2に示すC字状のコア(1)と、該コア(1)を内部に収容する樹脂製のケース(3)から構成されている。
コア(1)は、鉄板が円形のC字状に巻かれて形成されており、図2に示す様に、該磁気ギャップ部(10)を挟むコア(1)の一対の端面(11)(11)は、互いに平行に形成され、共にコア(1)の半径方向に対して傾斜している。又、コア(1)の一対の端面(11)(11)の間の間隔、即ち磁気ギャップ部(10)の幅Gは、コイル(2)を構成するコイル導線の太さ寸法よりも大きく形成されている。
図1に示すコア体(5)において、コア(1)の表面のほぼ全面がケース(3)の内側面に密着しているが、ケース(3)は、コア(1)の一対の端面(11)(11)を露出させるための開口を有している。ケース(3)の開口周縁の端部はコア(1)の端面(11)と略同一面上に形成されている。従って、コア体(5)には、コア(1)の磁気ギャップ(10)の部分に、磁気ギャップ部(10)の幅Gと同じ幅寸法の隙間(51)が設けられている。
コア(1)の磁気ギャップ部(10)内には、複合樹脂(4)が充填されている。該複合樹脂(4)は、エポキシ樹脂中に磁性材料粉末が混入されたものであり、磁性材料粉末としては、鉄粉、ガラス金属粉、センダスト粉、鉄粒子からなるマイクロパウダー等が挙げられる。
次に、上記実施例のチョークコイル装置の製造方法について説明する。
図3に示す様に、ケース(3)となるべき上半ケース(31)と下半ケース(32)は、共にC字状に形成されている。上半ケース(31)と下半ケース(32)は、それぞれ、コア(1)が嵌入されるべき溝部(35)(36)と、内周面と外周面の間を貫通する切り欠き部(33)(34)を有している。該切り欠き部(33)(34)によって、ケース(3)の前記開口が形成されることとなる。
図3に示す様に、ケース(3)となるべき上半ケース(31)と下半ケース(32)は、共にC字状に形成されている。上半ケース(31)と下半ケース(32)は、それぞれ、コア(1)が嵌入されるべき溝部(35)(36)と、内周面と外周面の間を貫通する切り欠き部(33)(34)を有している。該切り欠き部(33)(34)によって、ケース(3)の前記開口が形成されることとなる。
コア体作製工程では、上半ケース(31)と下半ケース(32)の溝部(35)(36)にコア(1)を嵌入させると共に、上半ケース(31)と下半ケース(32)の切り欠き部(33)(34)をコア(1)の磁気ギャップ部(10)の位置に合わせてコア(1)を上半ケース(31)と下半ケース(32)の内部に収容する。そして、上半ケース(31)と下半ケース(32)を互いに接着し、コア(1)がケース(3)内に収容されたコア体(5)を作製する。
又、コイル(2)となるべき空芯コイル(20)を作製しておき、コア体作製工程後のコイル巻装工程において、図4(a)に示す様に、前記空芯コイル(20)の側端部を、コア体(5)の隙間(51)からコア体(5)の中央孔に向けて通過させる。そして、空芯コイル(20)の中央孔にコア体(5)の端部を挿入した後、空芯コイル(20)をコア体(5)に沿って押し進め、空芯コイル(20)の全長をコア体(5)の周囲に装着する。
該コイル巻装工程では、コア(1)の前記磁気ギャップ部(10)の幅Gがコイル導線の太さ寸法よりも大きく形成されているので、コア体(5)の隙間(51)にコイル導線を通過させることが出来る。
後述の様に、該チョークコイル装置では、交流信号に重畳される直流重畳電流に対するインンダクタンス特性が、図2に示すコア(1)の磁気ギャップ部(10)の幅Gに依存し、直流重畳電流が低い領域では、磁気ギャップ部(10)の幅Gが狭いほど、大きいインダクタンスを得ることが出来る。ここでは、磁気ギャップ部(10)内に磁性材料粉末を含有する複合樹脂(4)が充填されることとなるので、所望のインダクタンスの大きさを維持したまま、磁気ギャップ部(10)の幅Gをコイル導線の太さに合わせて拡大することが可能である。
コイル巻装工程後の複合樹脂充填工程では、図4(b)に示す様に、板状に形成した複合樹脂(4)をコア体(5)の隙間(51)内に嵌入する。複合樹脂(4)が充填されると、コア体(5)に巻装されたコイル(2)が隙間(51)から抜けることがなく、図4(c)に示す様に、コイル(2)を隙間(51)上にも巻装することが可能になる。
次に、上記実施例のチョークコイル装置のインダクタンス特性について説明する。図5乃至図8に、第1乃至第4の実施例について、交流信号(1kHz、1V)に重畳された直流重畳電流に対するインンダクタンス特性を示す。又、何れのグラフも、横軸が直流重畳電流の大きさを示し、縦軸がインダクタンスの大きさを示している。
更に、何れのグラフにも、比較例のチョークコイル装置のインダクタンス特性を実線により示している。比較例のチョークコイル装置は、磁気ギャップ部(10)内に非磁性のエポキシ樹脂のみが充填されているが、それ以外は実施例のチョークコイル装置と同じ構成であり、磁気ギャップ部(10)の幅Gが1.5mmに形成されている。
第1実施例のチョークコイル装置では、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有しており、図5のグラフは、第1実施例のチョークコイル装置について、サンプルA1、B1、C1のインダクタンス特性を示している。
サンプルA1とサンプルB1の磁気ギャップ部(10)の幅は、共に3.0mmに形成されているが、鉄粉のエポキシ樹脂に対する重量比(鉄粉の重量:エポキシ樹脂の重量)が、サンプルA1では5:1であるのに対し、サンプルB1では1:1である。又、サンプルC1は、磁気ギャップ部(10)の幅が2.0mmに形成されており、鉄粉のエポキシ樹脂に対する重量比は、サンプルB1と等しく1:1である。
図5のグラフからわかる様に、何れのサンプルについても、直流重畳電流の大きさが20Aを超える領域において、インダクタンスの大きさが急激に低下している。これは、コア(1)の磁気飽和現象によるものである。
直流重畳電流が20A以下の領域において、複合樹脂(4)に含まれる鉄粉の量が等しいサンプルB1とサンプルC1のインダクタンス特性を比較すると、磁気ギャップ部(10)の幅GがサンプルC1よりも大きいサンプルB1では、サンプルC1に比べてインダクタンスの大きさが低下している。
又、磁気ギャップ部(10)の幅Gが等しいサンプルA1とサンプルB1のインダクタンス特性を比較すると、複合樹脂(4)に含まれる鉄粉の量がサンプルB1よりも多いサンプルA1では、サンプルB1よりも大きいインダクタンスが得られている。
更に、サンプルA1と、サンプルA1よりも磁気ギャップ部(10)の幅Gが狭いサンプルC1を比較すると、サンプルC1よりも複合樹脂(4)に含まれる鉄粉の量が多いサンプルA1では、概ね、サンプルC1と略同じ大きさのインダクタンスが得られている。
ここで、例えば、サンプルC1のインダクタンスの大きさが所望のインダクタンスの大きさに一致しているが、サンプルC1の磁気ギャップ部(10)の幅Gがコイル導線の太さ寸法よりも狭く、一方、サンプルB1の磁気ギャップ部(10)の幅Gがコイル導線の太さ寸法よりも大きい場合を想定する。
このとき、上記結果から、コイル導線の太さに合わせてサンプルC1から磁気ギャップ部(10)の幅Gを拡大したサンプルB1では、インダクタンスの大きさがサンプルC1に比べて低下し、一方、サンプルC1に比べて複合樹脂(4)に含まれる鉄粉の量が多いサンプルA1では、磁気ギャップ部(10)の幅GをサンプルB1と同じ大きさに拡大した場合にも、サンプルC1と略同じインダクタンスの大きさを維持出来ることがわかる。
このとき、上記結果から、コイル導線の太さに合わせてサンプルC1から磁気ギャップ部(10)の幅Gを拡大したサンプルB1では、インダクタンスの大きさがサンプルC1に比べて低下し、一方、サンプルC1に比べて複合樹脂(4)に含まれる鉄粉の量が多いサンプルA1では、磁気ギャップ部(10)の幅GをサンプルB1と同じ大きさに拡大した場合にも、サンプルC1と略同じインダクタンスの大きさを維持出来ることがわかる。
これは、鉄粉を含有する複合樹脂(4)が充填された磁気ギャップ部(10)では、非磁性材料が充填された磁気ギャップ部(10)に比べて磁気ギャップ(10)の実質的な幅が狭くなり、磁気ギャップ部(10)の実際の幅Gよりも狭い幅に対応するインダクタンスの大きさが得られるためと考えられる。
第2実施例のチョークコイル装置では、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてガラス金属粉を含有しており、図6のグラフは、第2実施例のチョークコイル装置について、サンプルA2、B2、C2のインダクタンス特性を示している。
サンプルA2、B2、C2の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
サンプルA2、B2、C2の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
図6のグラフから、直流重畳電流が20A以下の領域において、サンプルC2に比べて磁気ギャップ部(10)の幅Gが大きいサンプルB2では、インダクタンスの大きさがサンプルC2に比べて低下していることがわかる。又、サンプルC2に比べて複合樹脂(4)に含まれるガラス金属粉の量が多いサンプルA2では、磁気ギャップ部(10)の幅GをサンプルB2と同じ大きさに拡大した場合にも、サンプルC2と略同じインダクタンスの大きさを維持出来ることがわかる。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてガラス金属粉を含有する第2実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するガラス金属粉の量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてガラス金属粉を含有する第2実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するガラス金属粉の量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
第3実施例のチョークコイル装置では、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてセンダスト粉を含有しており、図7のグラフは、第3実施例のチョークコイル装置について、サンプルA3、B3、C3のインダクタンス特性を示している。
サンプルA3、B3、C3の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
サンプルA3、B3、C3の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
図7のグラフから、直流重畳電流が20A以下の領域において、サンプルC3に比べて磁気ギャップ部(10)の幅Gが大きいサンプルB3では、インダクタンスの大きさがサンプルC3に比べて低下していることがわかる。又、サンプルC3に比べて複合樹脂(4)に含まれるセンダスト粉の量が多いサンプルA3では、磁気ギャップ部(10)の幅GをサンプルB3と同じ大きさに拡大した場合にも、サンプルC3と略同じインダクタンスの大きさを維持出来ることがわかる。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてセンダスト粉を含有する第3実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するセンダスト粉の量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてセンダスト粉を含有する第3実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するセンダスト粉の量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
第4実施例のチョークコイル装置では、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粒子からなるマイクロパウダーを含有しており、図8のグラフは、第4実施例のチョークコイル装置について、サンプルA4、B4、C4のインダクタンス特性を示している。
サンプルA4、B4、C4の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
サンプルA4、B4、C4の磁気ギャップ部(10)の幅Gと、複合樹脂(4)が含有する磁性材料粉末のエポキシ樹脂に対する重量比は、それぞれ上記サンプルA1、B1、C1と同じである。
図8のグラフから、直流重畳電流が20A以下の領域において、サンプルC4に比べて磁気ギャップ部(10)の幅Gが大きいサンプルB4では、インダクタンスの大きさがサンプルC4に比べて低下していることがわかる。又、サンプルC4に比べて複合樹脂(4)に含まれるマイクロパウダーの量が多いサンプルA4では、磁気ギャップ部(10)の幅GをサンプルB4と同じ大きさに拡大した場合にも、サンプルC4と略同じインダクタンスの大きさを維持出来ることがわかる。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてマイクロパウダーを含有する第4実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するマイクロパウダーの量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
この様に、複合樹脂(4)が磁性材料粉末としてマイクロパウダーを含有する第4実施例においても、複合樹脂(4)が磁性材料粉末として鉄粉を含有する第1実施例と同様に、磁気ギャップ部(10)の幅Gが拡大するとインダクタンスの大きさが低下し、複合樹脂(4)が含有するマイクロパウダーの量の増加によってインダクタンスの大きさが回復する。
上記の様に、本実施の形態のコイル装置では、磁気ギャップ部(10)内に磁性材料粉末を含む複合樹脂(4)が充填されているので、所望のインダクタンスの大きさを維持したまま、複合樹脂(4)に混入する磁性材料粉末の量を調節して磁気ギャップ部(10)の幅Gを拡大することが可能である。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、製造方法の異なるコイル装置であれば、磁気ギャップを挟んで互いに対向するコア(1)の一対の端面(11)(11)の間の間隔がコイル導線の太さ寸法より狭くてもよい。又、コア(1)の形状は円形に限られず、複合樹脂(4)を構成する樹脂はエポキシ樹脂以外でもよい。更に、複合樹脂(4)は、ペースト状の樹脂に磁性材料粉末を分散させ、該樹脂を磁気ギャップ部(10)内に充填して硬化させたものでもよく、複合樹脂(4)に混入される磁性材料粉末は、上記材料に限定されるものではない。
(1) コア
(10) 磁気ギャップ部
(11) 端面
(2) コイル
(3) ケース
(4) 複合樹脂
(5) コア体
(10) 磁気ギャップ部
(11) 端面
(2) コイル
(3) ケース
(4) 複合樹脂
(5) コア体
Claims (4)
- 磁気ギャップ部(10)を有するC字状のコア(1)と、該コア(1)の周囲に巻装されたコイル(2)とを具えたコイル装置において、前記磁気ギャップ部(10)内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂(4)が充填されていることを特徴とするコイル装置。
- 前記磁気ギャップ部(10)を挟んで互いに対向するコア(1)の一対の端面(11)(11)の間には、前記コイル(2)を構成するコイル導線が通過可能な間隔が設けられている請求項1に記載のコイル装置。
- 前記磁気ギャップ部(10)は、コア(1)の円弧状部を貫通して開設され、該円弧状部の中心軸と直交する断面における貫通方向が、該円弧状部の中心軸からずれている請求項2に記載のコイル装置。
- 磁気ギャップ部(10)を有するC字状のコア(1)と、該コア(1)の周囲に巻装されたコイル(2)とを具え、前記磁気ギャップ部(10)内には、合成樹脂に磁性材料粉末を混入させてなる複合樹脂(4)が充填されているコイル装置の製造方法において、
磁気ギャップ部(10)に面するコア(1)の端面(11)をコア(1)の半径方向に対して傾斜させて形成すると共に、一対の前記端面(11)(11)の間には、コイル(2)を構成することとなるコイル導線が通過可能な間隔を設けるコア作製工程と、
コイル(2)となるべき空芯コイル(20)を用意して、コア(1)の前記一対の端面(11)(11)の間からコアの中央孔へ前記空芯コイル(20)の端部を通過させ、コア(1)の端部を空芯コイル(20)の中央孔に挿入して、コア(1)の周囲にコイル(2)を巻回するコイル巻回工程と、
該コイル巻回工程の後、磁気ギャップ部(10)内に前記複合樹脂(4)を充填する樹脂充填工程
とを有することを特徴とするコイル装置の製造方法。
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