JP2002373452A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002373452A
JP2002373452A JP2001179950A JP2001179950A JP2002373452A JP 2002373452 A JP2002373452 A JP 2002373452A JP 2001179950 A JP2001179950 A JP 2001179950A JP 2001179950 A JP2001179950 A JP 2001179950A JP 2002373452 A JP2002373452 A JP 2002373452A
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JP2001179950A
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Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Kazunori Ito
和典 伊藤
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたオーバーライト特性を有する相変化型
光ディスクを得る。 【解決手段】 透明なプラスチック基板1上に第1保護
層2、相変化型記録層3、第2保護層4、反射放熱層5
をこの順に設けた光記録媒体であって、第1保護層2で
は、記録再生光の波長での屈折率を1.8以下とし、か
つ厚さを50nm以上、75nm以下とする。実施例で
は、トラックピッチ0.74μmでグルーブが形成され
ているポリカーボネート基板上に、ZnS−SiO2
第1保護層、Ag1 In10Sb64Te23Ge2 の相変化
型記録層、ZnS−SiO2 の第2保護層、SiCの透
明保護膜、AgにCuを添加した材料からなる反射放熱
層をこの順に積層し、このディスクに紫外線硬化樹脂コ
ートした後、ダミー盤と貼り合せてDVD+RWディス
クとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光記録媒体に関し、
特に、優れたオーバーライト特性を有する相変化型光デ
ィスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板/第1保護層/相変化型記録層/第
2保護層/反射放熱層なる構成の通常の光記録媒体で
は、第1保護層の膜厚を振ると、図4のように反射率が
変化する。また反射率の変化状況は、第1保護層の屈折
率nにより異なる。例えば、屈折率nを2.1から1.
8に変えると、図4中のB点がBa点にシフトする。言
い換えると、例えば、反射率を20%に維持するという
前提条件において、屈折率nを上記のように変化させる
と、第1保護層の膜厚を屈折率変化前に比べて厚くする
必要がある。
【0003】ところで、一般的には図4のA点を用いて
光記録媒体(光記録ディスク)を作製する。図4中のA
点では、グルーブよりもランドのほうが変調度が取れ、
特性が良好である。グルーブで特性を出すには、図4の
BまたはC点を用いることが光学的には好ましい。光記
録ディスクでは、グルーブ記録で大きな変調度が取れる
ことが好ましい。さらにB点ではトラッキングサーボに
関わるプッシュプル信号PPの振幅も大きく取れる。こ
のため同じPPでよければグルーブを浅くすることが出
来、このため、同一の変調度を保ったままで反射率が大
きくなる。また、反射率が大きくなると、プレーヤーで
再生しやすくなる。
【0004】しかし、C点は保護層の厚さがとても厚い
ために材料費が高く、また成膜時の熱の害が大きく、基
板が変形しやすくなり製造が困難である。B点は初回記
録時の特性は上記したように良好であるが、記録時に高
温になる記録層とプラスチック基板の距離が、第1保護
層が薄いために近くなりすぎ、くり返し書き換えで基板
が熱変形し、すぐに記録再生不能になってしまう問題点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、その目的は、グルーブ記録を用い
る、CD−RW,DVD+RWなどの光ディスクにおい
て記録感度、トラッキングサーボ信号、反射率などを大
きくし、もって優れたオーバーライト特性を有する相変
化型光ディスクを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板上に少なくも、第1保護層と相変化型記録層と
第2保護層と反射放熱層とをこの順に設けてなる光記録
媒体において、前記第1保護層は、記録再生光の波長で
の屈折率が1.8以下であり、かつ厚さが50nm以
上、75nm以下であることを特徴とする光記録媒体で
ある。
【0007】請求項2に記載の発明は、基板が透明樹脂
からなり、相変化型記録層がSbとTeを主成分とし、
他にGe,In,Agのいずれか少なくとも一種を含む
材料からなり、前記第2保護層は厚さが19nm以下で
あることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体であ
る。
【0008】請求項3に記載の発明は、基板が透明樹脂
からなり、相変化型記録層はSbとTeを主成分とし、
他にGe,In,Agのいずれか少なくとも一種を含む
材料からなり、前記第2保護層は厚さが19nm以下で
あり、さらに反射放熱層は、熱伝導率がAlよりも高い
反射放熱材料からなることを特徴とする請求項1に記載
の光記録媒体である。
【0009】請求項4に記載の発明は、基板が透明樹脂
からなり、相変化型記録層はSbとTeを主成分とし、
他にGe,In,Agのいずれか少なくとも一種を含む
材料からなり、前記第2保護層は厚さが19nm以下で
あり、さらに反射放熱層は、Agを主成分とする材料か
らなることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体で
ある。
【0010】請求項5に記載の発明は、グルーブに記録
することを特徴とする請求項3または4に記載の光記録
媒体である。
【0011】請求項6に記載の発明は、記録再生光に対
する反射率が18%以上で、変調度が60%以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体である。
【0012】請求項7に記載の発明は、未記録時のプッ
シュプル信号PPが0.28以上、0.56以下である
ことを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体である。
ただし、前記プッシュプル信号PPは、光検出器の受光
素子を半径方向に2分割した場合において、各々の出力
をI1,I2としたとき、(I1−I2)pp/
[{(I1+I2)max+(I1+I2)min}/
2]であり、またppはピーク対ピーク、maxは最大
値、minは最小値をそれぞれ表す。
【0013】請求項8に記載の発明は、Ag合金からな
る反射放熱層と、ZnS−SiO2からなる第2保護層
との間に、ZnS−SiO2 によるAg合金の硫化劣化
防止用の透明保護膜が形成されていることを特徴とする
請求項1に記載の光記録媒体である。
【0014】本発明では、基板/第1保護層/相変化型
記録層/第2保護層/反射放熱層なる構成の光記録媒体
において、記録再生光での第1保護層の屈折率を1.8
以下とし、第1保護層の厚さに対する光記録媒体(相変
化型記録層における結晶部分)の反射率変化の周期を長
するべく、図4におけるB点をBa点とし、かつ、第1
保護層の厚さを50nm以上、75nm以下とする。ま
た、第2保護層の厚さを薄めにし、反射放熱層に熱伝導
率がより良い材料を用いることで、記録消去の熱が基板
に流れる量を減らす。相変化型ディスクの保護層はZn
S−SiO2 が一般的でSiO2 は20at%程度が使
われるが、本発明ではSiO2 を50at%程度として
屈折率を下げる。
【0015】本発明によれば、第1保護層が従来のZn
S−SiO2 の屈折率2.1程度に比べて1.8以下と
低いために、同じ光学膜厚になるための実際の膜厚を厚
くすることができ、これにより基板への熱応力が緩和さ
れる。さらに、第2保護層を薄めにし、反射放熱層の熱
伝導率を高くしたため、記録時の熱が反射放熱層に流れ
ることで、基板への伝熱量が更に減少する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明は、光を基板を透過させて
記録再生する、グルーブ記録タイプ構造の光記録媒体
(光記録ディスク)について、熱による基板変形などの
劣化を防止するのに特に有効である。本発明の光記録デ
ィスクでは、基板として、ポリカーボネートに代表され
る透明プラスチック材料からなるものを用いる。
【0017】例えば、図1に示す本発明の光記録ディス
クは、透明なプラスチック基板1上に、第1保護層2、
相変化型記録層3、第2保護層4、反射放熱層5をこの
順に積層するとともに、この反射放熱層5上に、貼り合
わせ用基板7を樹脂接着層6で接合して構成されてい
る。
【0018】相変化型記録層3に対する第1保護層2
は、ZnS−SiO2 混合膜が一般的である。本発明で
は第1保護層2の屈折率を、ZnS−SiO2 における
のSiO2 比率を大きくすることで下げている。一般的
なディスクではSiO2 比率が20at%であるが、本
発明では50at%付近としている。また、第1保護層
2の膜厚は50nm〜75nmとする。さらに、最適な
変調度や反射率が得られるように、保護層材料の組成を
調整して屈折率でディスク特性を合わせ込む。
【0019】従来の設計法では、保護層材料の組成が固
定され、屈折率が固定されていたため、第1保護層2の
膜厚で光学膜厚を調整していた。このため、図4のB点
のようなところを使いたい場合、実際の物理的な膜厚が
薄くなり、基板が熱ダメージを受ける問題点があった。
【0020】これに対し本発明では、膜厚をある目標範
囲内に設定し、保護層材料の組成を振ることで所望の反
射率などの光学特性を合わせ込む。こうして第1保護層
2の物理的な膜厚を50nm以上に維持する。これによ
り記録消去時の基板の熱ダメージが避けられ、くり返し
書き換えに強く、グルーブでの記録再生特性に優れたデ
ィスクを得ることができる。ただし、膜厚が75nmを
超えると、再び変調度が減少するので好ましくない。ま
た、スパッタ成膜に時間がかかり、タクトタイム短縮に
逆行する。
【0021】相変化型記録層3の構成材料はGeSbT
e,AgInSbTeが一般的であるが、CD−RW,
DVD−RW,DVD+RWのグルーブ記録ディスクで
は、ジッターが低いという特徴から、SbTe基である
AgInSbTeを用いる。相変化型記録層3の膜厚は
14nm〜30nm程度とする。
【0022】第2保護層4の材料としては、ZnS−S
iO2 やGeCrNx(xの値は任意)などを用いる。
この第2保護層4には、保護の役割と共に、記録時は一
旦断熱して相変化型記録層3を融かした後、前記反射放
熱層5で一気に急冷することが求められる。また、光学
的には変調度を大きくするために、屈折率は大きな方が
良い。したがって第1保護層2とは異なり、SiO2
率を例えば20at%と、通常のディスクと同等にす
る。第2保護層4の膜厚は通常は15nm〜35nm程
度であるが、本発明では19nm以下とする。こうする
ことで、反射放熱層5への熱の流れを早くし、基板1の
温度上昇を抑える。
【0023】反射放熱層5には、AlCuやAlTiの
ようなAl合金や、AgCuなどのAg合金を用いる。
第2保護層4の項で述べたように、相変化型記録層3は
これをその融点以上まで加熱して記録するものである
が、記録後はすみやかに冷やすことが求められる。した
がって、反射放熱層5には熱伝導性の良いことが必要で
ある。反射放熱層5の耐蝕性を高めるため、一般的にA
l合金が用いられるが、Al合金を調製するためのAl
への添加材料としては、添加することでAl本来の熱伝
導が落ちないものが良く、具体例としてAlCuが挙げ
られる。
【0024】また、反射放熱層5をAgで形成すれば、
熱伝導性がAlよりもさらに良くなって好ましいうえ、
繰り返し書き換え特性が向上する。なお、Agの場合で
も、添加物が多くなると、熱伝導率がAg合金並みに低
下するので、添加元素の種類と添加量には配慮が必要で
ある。添加元素としてはCu,Auなどが好ましい。反
射放熱層5の膜厚は100nm〜200nm程度とす
る。膜厚が120nmを超えるとオーバーライト特性が
更に良好になる。しかし、逆に厚すぎると生産性が低下
するため、膜厚は120nm以上160nm以下が特に
好ましい。
【0025】なお、反射放熱層5をAg合金で形成した
場合は、これが第2保護層4の材料であるZnS−Si
2 のSによって硫化劣化するおそれがある。これを防
止するには、何らかの透明保護層をZnS−SiO2
(第2保護層4)とAg合金(反射放熱層5)の間に介
在させる必要がある。たとえば、SiCからなる透明保
護層の場合には、この透明保護層の膜厚は3nm〜5n
mあれば良い。
【0026】反射放熱層5の成膜には、マグネトロンス
パッタリング装置を用いるのが一般的である。なお、本
発明の実施例では、すべてバルザース社製のビッグスプ
リンター枚葉スパッタ装置を用いた。CDの場合にあっ
ては、反射放熱層5の成膜後に紫外線硬化樹脂によるオ
ーバーコートを施すことで光記録媒体が完成する。ま
た、DVDでは、ダミー盤と貼り合せることで完成す
る。
【0027】できあがったディスクについてDVD系は
再生信号の反射率が18%以上で、かつ変調度60%以
上であると、再生専用型DVDの信号規格の一部を満足
させることができ、記録型ディスクであるにもかかわら
ず、記録後に再生専用型プレーヤーで再生することがで
きるようになる。
【0028】
【実施例】実施例1 断面構造が図1に示される光ディスクを作製した。トラ
ックピッチ0.74μmでグルーブが形成されているD
VD+RW用0.6mmポリカーボネート基板上にマグ
ネトロンスパッタリングで5層の膜を形成した。基板1
上の第1層(第1保護層2)はZnS−SiO2 で、S
iO2 比率50at%、屈折率1.8、膜厚55nmで
ある。
【0029】第2層(相変化型記録層3)はAg1 In
10Sb64Te23Ge2 (数字はat%を示す。以下同
様)からなり、膜厚は18nmである。第3層(第2保
護層4)はZnS−SiO2 でSiO2 比率は20at
%、屈折率2.1で、膜厚は11nmである。第4層
(透明保護膜:図1では略されている)はSiCで、膜
厚は3nmである。第5層(反射放熱層5)はAgにC
uを2at%添加したもので、膜厚は140nmであ
る。このディスクに紫外線硬化樹脂(大日本インキ製:
SD318)を10μmにコート(図1には略してあ
る)した後、接着剤で厚さ0.6mmのダミー盤と貼り
合せてDVD+RWディスクとした。
【0030】このディスクを日立コンピュータ社製のレ
ーザー初期化装置にて全面結晶化し、パルステック社製
のテスターでグルーブを記録再生して評価した。記録再
生には660nm、NA0.65の光ヘッドを用いた。
記録再生条件は以下のとおりである。
【0031】・記録線速度:8.5m/s ・記録クロック:66MHz ・信号はランダムデータをEFM+変調した ・記録密度:0.267μm/bit ・記録パワーピーク:14mW ・消去パワー:7.5mW ・ボトムパワー:0.1mW ・再生線速度:3.5m/s ・再生パワー:0.7mW
【0032】その結果、オーバーライト1000回後の
ジッターは9%未満、反射率は20%、変調度は68%
であった。トラッキング信号PPも規格内であった。し
たがって、この記録済みディスクはDVD+RW規格を
満足した。
【0033】実施例2 トラックピッチ1.6μmでグルーブが形成されている
CD−RW用1.2mmポリカーボネート基板上にマグ
ネトロンスパッタリングで4層の膜を形成した。第1層
はZnS−SiO2 で、SiO2 比率30at%、屈折
率2.0、膜厚55nmである。第2層は、Ag5 In
6 Sb64Te23Ge2 の相変化型記録層20nmであ
る。第3層はZnS−SiO2 で、SiO2 比率20a
t%、屈折率2.1、膜厚17nmである。第4層は、
AlにCuを2at%添加したもので、膜厚は120n
mである。このディスクに紫外線硬化樹脂(大日本イン
キ製:SD318)を10μmコートした後、CD+R
Wディスクとした。
【0034】このディスクを日立コンピュータ社製レー
ザー初期化装置にて全面結晶化し、パルステック社製の
テスターでグルーブを記録再生して評価した。記録再生
は780nm、NA0.5の光ヘッドを用いた。記録再
生条件は以下のとおりである。
【0035】・記録線速度:2.4m/s ・記録クロック:8.6MHz ・信号はランダムデータをEFM+変調した ・記録密度:0.83μm/bit ・記録パワーピーク:12mW ・消去パワー:6.5mW ・ボトムパワー:0.1mW ・再生線速度:2.4m/s ・再生パワー:1.0mW
【0036】その結果、オーバーライト1000回後の
ジッターは22nsec未満であった。反射率は20
%、変調度は63%であった。トラッキング信号PPも
規格内であった。したがって、このディスクはCD−R
W規格を満足した。
【0037】実施例3 トラックピッチ0.74μmでグルーブが形成されてい
るDVD+RW用0.6mmポリカーボネート基板上に
マグネトロンスパッタリングで5層の膜を形成した。
【0038】第1層はZnS−SiO2 で、SiO2
率50at%、屈折率1.8、膜厚55nmである。第
2層はAg1 In10Sb64Te23Ge2 の相変化型記録
層で、膜厚は18nmである。第3層はZnS−SiO
2 で、SiO2 比率20at%、屈折率2.1、膜厚1
5nmである。第4層はSiCで膜厚3nmである。第
5層はAgにCuを2at%添加したもので、膜厚は1
40nmである。このディスクに紫外線硬化樹脂(大日
本インキ製:SD318)を10μmコートした後、接
着剤で0.6mmのダミー盤と貼り合せてDVD+RW
ディスクとした。
【0039】このディスクを日立コンピュータ社製レー
ザー初期化装置にて全面結晶化し、パルステック社製の
テスターでグルーブを記録再生して評価した。記録再生
は660nm、NA0.65の光ヘッドを用いた。記録
再生条件は以下のとおりである。
【0040】・記録線速度:8.5m/s ・記録クロック:66MHz ・信号はランダムデータをEFM+変調した ・記録密度:0.267μm/bit ・記録パワーピーク:14mW ・消去パワー:7.5mW ・ボトムパワー:0.1mW ・再生線速度:3.5m/s ・再生パワー:0.7mW
【0041】図2に第1保護層の厚さと、ジッター9%
以下を保てるオーバーライト回数の関係を示す。この図
2では第3層を15nmに固定した。図2から第1保護
層が50nm以下になると急激にオーバーライト劣化が
激しくなることがわかる。
【0042】次に図3で、第2保護層の厚さとオーバー
ライト回数の関係を見た。図2と同様にジッター9%以
下を保てる書き換え回数でオーバーライト回数を定義し
た。第1保護層を薄めにした場合、第2保護層も少し薄
くしたほうが、書き換え回数が伸びることが分かる。
【0043】このように反射放熱層側に熱をより多く流
すほうが、第1層が薄いディスクには特に有効である。
したがって、反射放熱層には熱伝導率の大きな材料が好
ましい。この意味でAl合金よりもAg合金のほうが好
ましい。ただし、ZnS−SiO2 によるAgの硫化劣
化の可能性があるので、バリア層を挿入する必要があ
り、製造コストなどを考慮してAl合金を用いるか、A
g合金を用いるかを決定する必要がある。
【0044】CD−RWの場合は記録密度が低く、レー
ザー光のパワー密度も低いためにオーバーライト時の熱
ダメージが小さいので、この場合、Ag反射層は必須で
はなく、Al合金でも実用的な特性が得られる。しか
し、Ag系にしたほうが、オーバーライト特性がより向
上する。
【0045】比較例1 トラックピッチ0.74μmでグルーブが形成されてい
るDVD−RW用0.6mmポリカーボネート基板上に
マグネトロンスパッタリングで4層の膜を形成した。第
1層はZnS−SiO2 で、SiO2 比率20at%、
屈折率2.1、膜厚40nmである。第2層はAg1
10Sb64Te23Ge2 の相変化型記録層で、膜厚は1
8nmである。第3層はZnS−SiO2 で、SiO2
比率20at%、屈折率2.1、膜厚20nmである。
第4層はAgにCuを2at%添加したもので、膜厚は
140nmである。このディスクに紫外線硬化樹脂(大
日本インキ製:SD318)を10μmコートした後、
接着剤で0.6mmのダミー盤と貼り合せてDVD−R
Wディスクとした。
【0046】このディスクを日立コンピュータ社製レー
ザー初期化装置にて全面結晶化し、パルステック社製の
テスターでグルーブを記録再生して評価した。記録再生
は660nm、NA0.65の光ヘッドを用いた。記録
再生条件は以下のとおりである。
【0047】・記録線速度:7.0m/s ・記録クロック:52MHz ・信号はランダムデータをEFM+変調した ・記録密度:0.267μm/bit ・記録パワーピーク:13.5mW ・消去パワー:7.0mW ・ボトムパワー:0.1mW ・再生線速度:3.5m/s ・再生パワー:0.7mW
【0048】その結果、オーバーライト20回後のジッ
ターは9%であった。その後1000回ではPLLがロ
ックできないほど信号が劣化した。また、トッラッキン
グエラー信号の振幅も低下し、基板のグルーブが変形し
たことは明らかであった。なお、このディスクは初期に
は反射率18%、変調度70%で、トラッキング信号も
規格内であった。したがって、オーバーライトの熱ダメ
ージのみが問題である。
【0049】
【発明の効果】(1)以上の説明で明らかなように、請
求項1の発明によれば、従来より薄い第1保護層の厚さ
でCD−RW,DVD+RW,DVD−RWなどのディ
スクにおいて反射率、変調度を規格内に入れたディスク
を得ることができる。 (2)請求項2の発明によれば、第2保護層を薄めにす
ることで基板への熱の流れを小さくしてオーバーライト
特性を向上させることが可能である。 (3)請求項3,4の発明によれば、反射放熱層が従来
のAl合金に比べて熱伝導率の高い材料からなるため、
薄い第1保護層を持つにもかかわらず、良好なオーバー
ライト特性を持つことができる。 (4)請求項5の発明によれば、グルーブ記録のDVD
+RW,DVD−RWに関して光の位相がグルーブに最
適化されることにより、良好な反射率と変調度が得られ
る。
【0050】このように、従来では基板の熱ダメージ発
生のために使うことのできなかった、薄い第1保護層の
膜厚を、図4のB点からBa点近傍にシフトすること
で、初めて実用性のある光記録ディスクを作製すること
ができる。また前記B点は、グルーブ記録に特に有効で
あって、グルーブ記録の光ディスクであるCD−RW,
DVD+RW,DVD−RWには特に有効である。
【0051】(5)請求項6,7の発明によれば、特に
優れた性能を持つグルーブ記録タイプのディスクを提供
できる。また、請求項7の発明に係るディスクでは、未
記録時のプッシュプル信号PPが0.28以上0.56
以下であるため、トラッキングサーボ機構を的確に動作
させることができる。
【0052】(6)請求項8の発明によれば、ZnS−
SiO2 からなる第2保護層による、Ag合金からなる
反射放熱層の硫化劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクの構造を示す断面図で
ある。
【図2】第1保護層の厚さとオーバーライト回数の関係
を示す図である。
【図3】第2保護層の厚さとオーバーライト回数の関係
を示す図である。
【図4】第1保護層の厚さと光ディスクの反射率の関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 プラスチック基板 2 第1保護層 3 相変化型記録層 4 第2保護層 5 反射放熱層 6 樹脂接着層 7 貼り合わせ基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/24 535H 538 538C 538E B41M 5/26 B41M 5/26 X Fターム(参考) 2H111 EA04 EA12 EA23 EA31 FA01 FA12 FA14 FA18 FA23 FA25 FA27 FB05 FB09 FB12 FB17 FB21 5D029 HA04 JA01 JB18 JB35 JC02 JC20 KB03 LA12 LB01 LB02 LB03 LB07 LC06 LC21 MA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくも、第1保護層と相変化
    型記録層と第2保護層と反射放熱層とをこの順に設けて
    なる光記録媒体において、前記第1保護層は、記録再生
    光の波長での屈折率が1.8以下であり、かつ厚さが5
    0nm以上、75nm以下であることを特徴とする光記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 基板が透明樹脂からなり、相変化型記録
    層がSbとTeを主成分とし、他にGe,In,Agの
    いずれか少なくとも一種を含む材料からなり、前記第2
    保護層は厚さが19nm以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板が透明樹脂からなり、相変化型記録
    層はSbとTeを主成分とし、他にGe,In,Agの
    いずれか少なくとも一種を含む材料からなり、前記第2
    保護層は厚さが19nm以下であり、さらに反射放熱層
    は、熱伝導率がAlよりも高い反射放熱材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板が透明樹脂からなり、相変化型記録
    層はSbとTeを主成分とし、他にGe,In,Agの
    いずれか少なくとも一種を含む材料からなり、前記第2
    保護層は厚さが19nm以下であり、さらに反射放熱層
    は、Agを主成分とする材料からなることを特徴とする
    請求項1に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 グルーブに記録することを特徴とする請
    求項3または4に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録再生光に対する反射率が18%以
    上、かつ、変調度が60%以上であることを特徴とする
    請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 未記録時のプッシュプル信号PPが0.
    28以上0.56以下であることを特徴とする請求項6
    に記載の光記録媒体。(ただし、前記プッシュプル信号
    PPは、光検出器の受光素子を半径方向に2分割した場
    合において、各々の出力をI1,I2としたとき、(I
    1−I2)pp/[{(I1+I2)max+(I1+
    I2)min}/2]であり、またppはピーク対ピー
    ク、maxは最大値、minは最小値をそれぞれ表
    す。)
  8. 【請求項8】 Ag合金からなる反射放熱層と、ZnS
    −SiO2 からなる第2保護層との間に、ZnS−Si
    2 によるAg合金の硫化劣化防止用の透明保護膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録
    媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081929A1 (ja) * 2003-03-13 2004-09-23 Mitsubishi Materials Corporation 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット

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