JPH0973665A - 光記録媒体およびその記録方法 - Google Patents

光記録媒体およびその記録方法

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JPH0973665A
JPH0973665A JP8167652A JP16765296A JPH0973665A JP H0973665 A JPH0973665 A JP H0973665A JP 8167652 A JP8167652 A JP 8167652A JP 16765296 A JP16765296 A JP 16765296A JP H0973665 A JPH0973665 A JP H0973665A
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recording
recording medium
optical recording
guide groove
optical
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JP8167652A
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Inventor
Kusato Hirota
草人 廣田
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリフォーマット部、および記録領域からのク
ロストークが小さく、高密度・大容量の光記録媒体を提
供する。 【解決手段】ランド・グルーブ記録の相変化光記録媒体
のフォーマットを各ゾーン内でプリフォーマット部が半
径方向に実質的に整列しているモディファイドCLVま
たはモディファイドCAVとし、かつ溝深さを0.15
(λ/n)〜0.2(λ/n)とした相変化型光記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。
【0002】特に、本発明は、記録情報の消去、書換機
能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能な光
ディスクなどの書換可能相変化型光記録媒体に関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。
【0004】これらの光記録媒体は、テルルなどを主成
分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態の記録層に
集束したレーザー光パルスを短時間照射し、記録層を部
分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷さ
れ、固化し、アモルファス状態の記録マークが形成され
る。この記録マークの光線反射率は、結晶状態より低
く、光学的に記録信号として再生可能である。
【0005】また、消去時には、記録マーク部分にレー
ザー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の
温度に加熱することによって、アモルファス状態の記録
マークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0006】これらの書換型相変化光記録媒体の記録層
の材料としては、Ge2 Sb2 Te5 などの合金(N.Ya
mada et al, Proc.Int.Symp.on Optical Memory 1987 p
61-66 )が知られている。
【0007】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
設け、記録時に記録層に変形、開口が発生することを防
いでいる。さらに、光ビーム入射方向と反対側の誘電体
層に、光反射性のAlなどの金属反射層を設け、光学的
な干渉効果により、再生時の信号コントラストを改善す
ると共に、冷却効果により、非晶状態の記録マークの形
成を容易にし、かつ消去特性、繰り返し特性を改善する
技術が知られている。特に、記録層および記録層と反射
層の間の誘電体層を各々20nm程度に薄く構成した
「急冷構造」では、誘電体層を200nm程度に厚くし
た「徐冷構造」に比べ、書換の繰返しによる記録特性の
劣化が少なく、また消去パワーのパワー・マージンが広
い点で優れている(T.Ohota et al,Japanese Jounal of
Applied Physics, Vol 28(1989) Suppl. 28-3 pp123 -
128)。
【0008】最近では、より高密度記録を目指して、光
記録媒体の案内溝だけでなく隣接する案内溝間にも記録
を行なう記録方法が提案されており、相変化方式を用い
た本方式の書換型光記録媒体の提案も行なわれている
(1992年秋季応用物理学会予稿集 18a−T−
3、特開平5−282705号公報、テレビジョン学会
技術報告P95−100)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら案内溝
(グルーブ)と案内溝間(ランド)の両方に記録する前
述の光記録媒体(以下L/G記録媒体と記述)には以下
のような問題があった。
【0010】応用物理学会予稿集(18a−T−3)で
は、相変化記録方式によりL/G記録媒体を構成した例
が発表されているが、通常の書換型光ディスクと同様に
ユーザーが使用できるようにするには、予め基板の凹凸
ピットによって、少なくともセクタの番地情報を含むプ
リフォーマット領域を設ける必要があった。このための
方法として、特開平5−282705号公報において
は、基板上にプリフォーマットの凹凸ピットを設ける場
合に、案内溝部、案内溝間部とも窪み(凹部)を設ける
ことが提案されている。しかしながら、案内溝部、案内
溝間部とも窪みを設けるように基板を成形すること、基
板成形に用いるスタンパーを作製することは技術的には
かなり困難であり、製造コストも高いという問題があっ
た。
【0011】一方、テレビジョン学会技術報告(P95
−100)では、トラック方向の線記録密度がほぼ一定
であり、プリフォーマット領域がほぼ隣接トラックで半
径方向に整列しており記録容量が大きいモディファイド
CLVフォーマットを用い、かつ案内溝部では凸ピッ
ト、案内溝間部では凹ピットとなるようにプリフォーマ
ットを形成してディスクの成形用のスタンパー作製を容
易にするよう考慮したディスクフォーマットが提案され
ている。しかしながらこのフォーマットにおいても案内
溝部と案内溝間部のプリフォーマット部が隣接している
ため、トラック密度の高いディスク基板の成形は困難で
あるとともに、隣接するプリフォーマット部のクロスト
ークが大きいため正しく再生することが困難であり、ま
た通常の書換型光ディスクに用いられるプッシュプルト
ラッキング法の光ヘッドでは、プリフォーマット部のト
ラッキング状態が悪くなるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、前述の従来の光記録媒体
の課題を解決し、大容量で、かつ記録、再生特性が安定
しており、製造も容易な優れた光記録媒体を提供するこ
とにある。また、本発明の別の目的は、記録の繰り返し
耐久性に優れた光記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディスク形状
の基板上に形成された記録層に光を照射することによっ
て、情報の記録、消去、再生が可能である相変化光記録
媒体であって、かつ前記基板の記録層を設けた面にスパ
イラル状の案内溝が形成されており、該案内溝と案内溝
間の両方の部分の記録トラックに記録を行なう光記録媒
体において、記録媒体の物理的フォーマットが、モディ
ファイドCLVフォーマットもしくはモディファイドC
AVフォーマットであって、プリフォーマット領域が基
板の凹凸ピットによって形成されており、該プリフォー
マット領域が案内溝の延長線上、または案内溝間の延長
線上の少なくとも一方に設けられており、かつ、該案内
溝の平面部の幅Wgと案内溝間の平面部の幅Wlの比が
0.7以上1.3以下であり、案内溝間の平面部を基準
面とする該案内溝の深さおよび該プリフォーマット領域
の凹凸ピットの深さが略同一であり、記録光波長をλ、
基板の屈折率をnとすると、該溝深さDが0.15(λ
/n)以上、0.2(λ/n)以下であることを特徴と
する光記録媒体である。
【0014】また本発明は、記録フォーマットが、モデ
ィファイドCLVフォーマットであって、記録媒体の回
転速度の制御をトラック方向の線速度4m/sec以
上、8m/sec以下の範囲で、略一定速度になるよう
に設定して記録することを特徴とする前記光記録媒体の
記録方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施態様とその作
用を説明する。
【0016】本願発明の光記録媒体は、図1に示すよう
に記録媒体の物理的フォーマットを記録領域1が半径方
向に複数のゾーン2に分割され、内周部と外周部の記録
部に記録される記録マークの最短間隔が実質的に等しく
なるモディファイドCLVフォーマットもしくはモディ
ファイドCAVフォーマットとすることにより、大きい
記録容量を実現する。
【0017】また、記録領域は、円周方向に非記録領域
5によって分割され、非記録領域には、少なくともセク
タ3の番地情報を含むプリフォーマット領域4が基板の
凹凸ピットによって形成されている。
【0018】モディファイドCLVフォーマットもしく
はモディファイドCAVフォーマットとすることによ
り、プリフォーマット領域を含む非記録領域を各ゾーン
内において半径方向に実質的に整列させることができ、
これにより、CLVフォーマット等で問題となるプリフ
ォーマット領域からのクロストークによる隣接する記録
トラックの記録領域の再生信号の劣化の発生を防止して
いる。すなわち、本発明ではプリフォーマット領域を含
む非記録領域が各ゾーン内において半径方向に実質的に
整列することにより、記録領域とプリフォーマット領域
が半径方向に隣接することがなくなり、隣接するトラッ
クのプリフォーマット領域からの再生信号が、記録領域
の再生信号の劣化を引き起こすことを防止できる。これ
により、高いトラック密度を実現できる。
【0019】また、同時に図2に示すように案内溝6の
平面部7の幅Wgと案内溝間8の平面部9の幅Wlの比
を0.7以上1.3以下とすることにより、案内溝6、
案内溝間8の各々に記録した記録マークの再生信号強
度、記録、消去に要するレーザー光のパワー、オーバー
ライト時の消去率などの記録特性をほぼ等しくすること
により、記録媒体の記録、再生を容易にしている。
【0020】ここで、図3に示すように案内溝間の平面
部9を基準面とする該案内溝の深さ11および該プリフ
ォーマット領域の凹凸ピットの深さ12が略同一であ
り、記録光波長をλ、基板の屈折率をnとすると、該溝
深さ(D)11が、0.15(λ/n)以上、0.2
(λ/n)以下とすることにより、隣接トラックとの光
学的な位相差を利用して記録マーク10の再生時の隣接
する記録マークからの光学的なクロストークを減少させ
ることにより高いトラック密度を実現すると同時にトラ
ック・クロス信号を大きくすることによりトラッキング
を容易かつ安定にしている。さらに、案内溝間の平面部
9(ミラー面)を基準面とする案内溝の深さ(D)11
およびプリフォーマット領域の凹凸ピットの深さ12を
略同一とする。深さの差は、5%以下であることが好ま
しい。これにより、実質的に2水準の面のみで、案内溝
部6、案内溝間部8、凹凸ピット部13を構成する。そ
のため記録媒体基板成形用スタンパの原盤作製工程、す
なわち、マスタリング工程を従来の案内溝記録用記録媒
体と同程度に簡素化できると共に、案内溝部6、凹凸ピ
ット部13の構成が簡素化されることにより基板の射出
成形も容易にしている。
【0021】ここで、図4、図5、図6に一例を示すよ
うに、前述のプリフォーマット領域4が案内溝6の延長
線上、または案内溝間8の延長線上の少なくとも一方に
設けられており、該プリフォーマット領域4を含む非記
録領域5(ギャップ、無信号空白部などを含んで良い)
が各ゾーン内において半径方向に実質的に整列するよう
に配置する。
【0022】さらに、隣接するトラックのプリフォーマ
ット相互のクロストークを本質的に避けることができる
ことから、図7、図8に示すようにプリフォーマット領
域4を案内溝6の延長線上、および案内溝間8の延長線
上の両方に設け、かつ、各ゾーン内の非記録領域5にお
いて、隣接するトラックに対応したプリフォーマット領
域4を互いに半径方向に隣接しない位置に設けることが
より好ましい。
【0023】また、図8のように、案内溝6の延長線上
と案内溝間8の延長線上の両方にまたがるようにプリフ
ォーマット領域4を設けた場合には、光ビームが一度の
走査で、隣接する2つのトラックに対応したプリフォー
マット部をそれぞれ再生するため、プリフォーマット部
の読み取りミスを少なくすることができることから、特
に好ましい。
【0024】本発明の光記録媒体の記録に用いる記録方
式としては、マーク長変調、マーク間変調のいずれでも
良い。また、変調方式も特に限定するものではないが、
例をあげれば(2,7)変調、(1,7)変調、EFM
変調などに代表される RunLength Limited符号などを
用いることができる。記録密度が高くできることからプ
リフォーマット部および記録部をマーク長変調により記
録することが好ましい。
【0025】また、相変化光記録媒体では、記録の書換
え(オーバーライト)を多数回繰り返すと記録層の膜厚
が変動するため、記録領域の前端および後端で、記録マ
ークが正しく記録されない場合がある。そこで記録媒体
のセクタのトラック方向の長さの0.1%以上2%以下
に相当する長さのバッファ領域を記録領域の前端および
後端部に設けて、記録開始と終了部分をこの前端および
後端のバッファ領域とするとともに、情報を書き換える
度に記録開始位置をバッファ領域内で前後にシフトさせ
て記録することが、記録層の膜厚変動による特性劣化を
抑制できることから好ましい。さらに記録領域に記録す
るデ−タの前端および終端は、記録した情報が損なわれ
ないように1〜30バイト程度のダミーデータを付加し
ておくことがより好ましい。
【0026】記録媒体回転のトラック方向線速度を一定
にすることにより記録時に要する記録パワーなどの記録
条件、C/N比、ジッタなどの記録特性を記録媒体全面
に渡ってほぼ一定にできることから記録フォーマット
が、モディファイドCLVフォーマットとすることが好
ましく、さらに記録層の非晶状態と結晶状態の光吸収量
差に起因する記録再生波形の歪みを小さくできることか
ら、記録媒体の回転速度の制御をトラック方向の線速度
4m/sec以上、8m/sec以下の範囲で、略一定
速度になるように設定して記録することが好ましい。
【0027】本発明の相変化光記録媒体の層構成は特に
限定はしないが、少なくとも透明基板/第1誘電体層/
記録層/第2誘電体層/反射層の積層体を構成部材とす
ることが良好な記録特性が得られることから好ましい。
ただしこれに限定するものではなく、反射層上に、本発
明の効果を損なわない範囲で紫外線硬化樹脂などの樹脂
層や他の基板と張り合わせるための接着剤層など、他の
層を設けてもよい。
【0028】本発明の相変化光記録媒体の基板の材料と
しては、透明な各種の合成樹脂、透明ガラスなどが使用
できる。ほこり、基板の傷などの影響をさけるために、
透明基板を用い、集束した光ビームで基板側から記録を
行なうことが好ましく、この様な透明基板材料として
は、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチル・メタクリ
レート、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂などがあげられる。 特に、光学的複屈折が小さ
く、吸湿性が小さく、成形が容易であることからポリカ
ーボネート樹脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が
好ましい。
【0029】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビ−ムで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。こ
れらの基板は、記録層などを形成した後、2枚の基板を
用いて、密着張合せ構造、エアーサンドイッチ構造など
にしてもよい。
【0030】また、第1および第2誘電体層は、記録時
に基板、記録層などが熱によって変形し記録特性が劣化
することを防止するなど、基板、記録層を熱から保護す
る効果、光学的な干渉効果により、再生時の信号コント
ラストを改善する効果があることから記録層に積層して
設けることが好ましい。
【0031】この誘電体層としては、ZnS、Si
2 、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機薄膜
がある。特にZnSの薄膜、Si、Ge、Al、Ti、
Zr、Ta、などの金属の酸化物の薄膜、Si、Alな
どの窒化物の薄膜、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄
膜およびこれらの化合物の混合物の膜が、耐熱性が高い
ことから好ましい。また、これらに炭素や、MgF2
どのフッ化物を混合したものも、膜の残留応力が小さい
ことから好ましい。
【0032】特にZnSとSiO2 の混合膜あるいは、
ZnSとSiO2 と炭素の混合膜は、記録、消去の繰り
返しによっても、記録感度、C/N、消去率などの劣化
が起きにくいことから好ましく、特にZnSとSiO2
と炭素の混合膜が好ましい。
【0033】第1および第2誘電体層の厚さは、およそ
10〜500nmである。第1誘電体層は、基板や記録
層から剥離し難く、クラックなどの欠陥が生じ難いこと
から、50〜400nmが好ましい。また第2誘電体層
は、C/N、消去率などの記録特性、安定に多数回の書
換が可能なことから5〜40nmが好ましい。
【0034】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−G
e−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、G
e−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、I
n−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、I
n−Se合金などがある。
【0035】多数回の記録の書換が可能であることから
Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te
合金、Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te
合金が好ましい。
【0036】特にPd−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金は、消去時間が短く、かつ多数回
の記録、消去の繰り返しが可能であり、C/N、消去率
などの記録特性に優れることからことから好ましい。
【0037】本発明の記録層の厚さとしては、特に限定
するものではないが10〜100nmである。特に記
録、消去感度が高く、多数回の記録消去が可能であるこ
とから10nm以上40nm以下とすることが好まし
い。
【0038】また第2誘電体に積層して反射層をを設け
ることが好ましい。材質としては、光反射性を有するA
l、Au、Ag、Cuなどの金属、およびこれらの合
金、および金属と金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物
などの金属化合物の混合物が好ましく、特にAl、A
u、Ag、Cuなどの高反射率の金属、およびこれらを
主成分として80原子%以上含有する合金が好ましい。
【0039】前述の合金の例として、AlにSi、M
g、Cu、Pd、Ti、Hf、Zr、Ta、Cr、N
b、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5原子%
以下、0.5原子%以上加えたもの、あるいは、Auに
Cr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくとも
1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加えた
ものなどがある。特に、材料の価格が安くできることか
ら、Alを主成分とする合金が好ましい。
【0040】とりわけ、Al合金としては、耐腐食性が
良好なことから、AlにTi、Cr、Zr、Hfから選
ばれる少なくとも1種以上の金属を合計で5原子%以下
0.5原子%以上添加し、Pdを0.05原子%以上
0.5原子%以下加えた合金が好ましい。
【0041】反射層の厚さとしては、おおむね30nm
以上300nm以下である。記録感度が高く、かつ記録
の耐久性に優れることからから100nm以上200n
m以下とすることが好ましい。
【0042】特に、記録感度が高く、高速でシングルビ
ーム・オーバーライトが可能であり、かつ消去率が大き
く消去特性が良好であることから、次のごとく、光記録
媒体の主要部を構成することが好ましい。
【0043】すなわち、誘電体層がZnSとSiO2
炭素の混合膜であり、SiO2 の混合比が15〜35モ
ル%、炭素混合比が1〜10モル%であり、記録光波長
での屈折率が2.0〜2.3であり、かつ第1誘電体層
の厚さを150nm〜400nm、第2誘電体層の厚さ
を10nm〜30nmで構成し、かつ記録層の厚さを1
0nm〜30nm、反射層を厚さ50nm〜200nm
のAl合金で構成し、かつ記録層の組成が次式で表され
る範囲にあることが好ましい。
【0044】組成式 Mz (Sbx Te1-x 1-y-z (Ge0.5 Te0.5 y 0.35≦x≦0.5 0.2≦y≦0.5 0.0005≦Z≦0.005 ここで、Mはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバ
ルトから選ばれる少なくとも一種の金属を表す。また
x、y、zおよび数字は、各元素の原子の数(各元素の
モル数)の比を表す。
【0045】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと消費電力が小さいこと、変調が容易であることから
好ましい。
【0046】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射してアモルファスの記録マークを形成して
行う。また、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記録
マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によっ
て、アモルファスの記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークをアモルファス化して行うこ
とができる。
【0047】記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形
が発生しにくいことから記録時はアモルファスの記録マ
ークを形成し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。
【0048】また、記録マーク形成時は光強度を高く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により書換
を行う1ビーム・オーバーライトは、書換の所要時間が
短くなることから好ましい。
【0049】記録層は、実際に記録を行う前に、予めレ
ーザー光、キセノンフラッシュランプなどの光を照射し
予め結晶化させておくことが好ましい。
【0050】
【発明の効果】本発明は、光記録媒体を特定の構造とし
たので、以下の効果が得られた。 (1) 高密度・大容量の光記録媒体が得られる。 (2) プリフォーマット部、および記録領域からのクロス
トークが小さい光記録媒体が得られる。 (3) 記録の繰返し耐久性にすぐれた光記録媒体が得られ
る。 (4) マスタリング、記録媒体の成形が容易な光記録媒体
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光記録媒体の物理フォーマットの模
式図である。
【図2】 本発明の光記録媒体の案内溝部の断面の模式
図である。
【図3】 本発明の光記録媒体の案内溝部、プリフォー
マット領域の立体模式図である。
【図4】 本発明の光記録媒体のプリフォーマット領域
の配置例の模式図である。
【図5】 本発明の光記録媒体のプリフォーマット領域
の配置例の模式図である。
【図6】 本発明の光記録媒体のプリフォーマット領域
の配置例の模式図である。
【図7】 本発明の光記録媒体のプリフォーマット領域
の配置例の模式図である。
【図8】 本発明の光記録媒体のプリフォーマット領域
の配置例の模式図である。
【符号の説明】
1:記録領域 2:ゾーン 3:セクタ 4:プリフォーマット領域 5:非記録領域 6:案内溝 7:案内溝の平面部 8:案内溝間 9:案内溝間の平面部 10:記録マーク 11:案内溝の深さ 12:凹凸ピットの深さ 13:凹凸ピット部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク形状の基板上に形成された記録
    層に光を照射することによって、情報の記録、消去、再
    生が可能である相変化光記録媒体であって、かつ前記基
    板の記録層を設けた面にスパイラル状の案内溝が形成さ
    れており、該案内溝と案内溝間の両方の部分の記録トラ
    ックに記録を行なう光記録媒体において、記録媒体の物
    理的フォーマットが、モディファイドCLVフォーマッ
    トもしくはモディファイドCAVフォーマットであっ
    て、プリフォーマット領域が基板の凹凸ピットによって
    形成されており、該プリフォーマット領域が案内溝の延
    長線上、または案内溝間の延長線上の少なくとも一方に
    設けられており、かつ、該案内溝の平面部の幅Wgと案
    内溝間の平面部の幅Wlの比が0.7以上1.3以下で
    あり、案内溝間の平面部を基準面とする該案内溝の深さ
    および該プリフォーマット領域の凹凸ピットの深さが略
    同一であり、記録光波長をλ、基板の屈折率をnとする
    と、該溝深さDが0.15(λ/n)以上、0.2(λ
    /n)以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 プリフォーマット領域が案内溝の延長線
    上、および案内溝間の延長線上の両方に設けられてお
    り、かつ、各ゾーン内において、隣接するトラックのプ
    リフォーマット領域が互いに半径方向に隣接しない位置
    に設けられたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 案内溝の延長線上と案内溝間の延長線上
    の両方にまたがるようにプリフォーマット領域を設け、
    かつ、隣接するトラックのプリフォーマット領域が互い
    に半径方向に隣接しない位置に設けられたことを特徴と
    する請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 プリフォーマット部および記録部が、マ
    ーク長変調により記録されていることを特徴とする請求
    項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 セクタのトラック方向の長さの0.1%
    以上2%以下に相当する長さのバッファ領域を記録領域
    の前端および後端に設けたことを特徴とする請求項1記
    載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光記録媒体において、記
    録フォーマットが、モディファイドCLVフォーマット
    であって、記録媒体の回転速度の制御をトラック方向の
    線速度4m/sec以上、8m/sec以下の範囲で、
    略一定速度になるように設定して記録することを特徴と
    する光記録媒体の記録方法。
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