JP2002371392A - 亜鉛被覆鋼材の保護法 - Google Patents
亜鉛被覆鋼材の保護法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】構造用亜鉛溶融メッキ鋼材或いは亜鉛溶射鋼材
等各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損耗や損傷などによ
る被害を抑制し、取替え,補修にともなう種々の制約条
件や工事作業による経済活動に対する弊害を最小限にし
て、該構造物の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保
護手段を提供する。 【解決手段】亜鉛被覆鋼材の外表面に、導電性粘着剤を
貼布した流電陽極特性を有する亜鉛または亜鉛合金から
なるテ−プで被覆する。
等各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損耗や損傷などによ
る被害を抑制し、取替え,補修にともなう種々の制約条
件や工事作業による経済活動に対する弊害を最小限にし
て、該構造物の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保
護手段を提供する。 【解決手段】亜鉛被覆鋼材の外表面に、導電性粘着剤を
貼布した流電陽極特性を有する亜鉛または亜鉛合金から
なるテ−プで被覆する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、種々の腐食環境に
曝される溶融亜鉛メッキ被覆鋼材或いは溶射亜鉛被覆鋼
材といった各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損傷或いは
損耗を保護する方法に関する。
曝される溶融亜鉛メッキ被覆鋼材或いは溶射亜鉛被覆鋼
材といった各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損傷或いは
損耗を保護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土木,建築,電力・通信,漁業,鉄道或
いは農業等の分野では、各種の亜鉛被覆鋼材が広く使用
されている。例えば、橋梁,陸橋,ガ−ドレ−ル,フェ
ンス,グレ−テイング,配管用鋼管,送電鉄塔,鉄骨構
造物等には溶融亜鉛メッキ鋼材が広く用いられている。
溶融亜鉛メッキは、基盤の鉄鋼構造材の腐食抑制または
防止のために行われている。これらの多くは、半恒久的
固定鋼構造物であり風雨や大気汚染物質に曝らされ、時
期(季節)・気候・場所によって厳しい腐食環境中に設
置される。時として、該溶融亜鉛メッキ鋼材は、設計寿
命半ばで損傷や腐食損耗のため該構造体の取替え或いは
補修の憂き目にあっている。
いは農業等の分野では、各種の亜鉛被覆鋼材が広く使用
されている。例えば、橋梁,陸橋,ガ−ドレ−ル,フェ
ンス,グレ−テイング,配管用鋼管,送電鉄塔,鉄骨構
造物等には溶融亜鉛メッキ鋼材が広く用いられている。
溶融亜鉛メッキは、基盤の鉄鋼構造材の腐食抑制または
防止のために行われている。これらの多くは、半恒久的
固定鋼構造物であり風雨や大気汚染物質に曝らされ、時
期(季節)・気候・場所によって厳しい腐食環境中に設
置される。時として、該溶融亜鉛メッキ鋼材は、設計寿
命半ばで損傷や腐食損耗のため該構造体の取替え或いは
補修の憂き目にあっている。
【0003】以下、溶融亜鉛メッキ被覆が広く使用され
ているので、他の亜鉛被覆材も類似の特性と傾向を有す
るので、溶融亜鉛メッキ被覆を中心に説明する。
ているので、他の亜鉛被覆材も類似の特性と傾向を有す
るので、溶融亜鉛メッキ被覆を中心に説明する。
【0004】亜鉛被覆鋼材の耐食性は、大気中で亜鉛の
表面に主として塩基性炭酸塩[2ZnCo3 ・3Zn(
OH) 2 H2 O]の緻密な皮膜を形成し、該皮膜が基盤
鉄鋼材を腐食環境から遮断することにある。このため該
塩基性炭酸塩の生成を妨げる要因,例えば大気汚染物質
や海塩粒子等を含む環境にあっては、溶解性の塩類(塩
化亜鉛,硫酸亜鉛等)が生成され、亜鉛は予想以上に早
い速度で消耗する。
表面に主として塩基性炭酸塩[2ZnCo3 ・3Zn(
OH) 2 H2 O]の緻密な皮膜を形成し、該皮膜が基盤
鉄鋼材を腐食環境から遮断することにある。このため該
塩基性炭酸塩の生成を妨げる要因,例えば大気汚染物質
や海塩粒子等を含む環境にあっては、溶解性の塩類(塩
化亜鉛,硫酸亜鉛等)が生成され、亜鉛は予想以上に早
い速度で消耗する。
【0005】また、溶融亜鉛メッキ鋼材の耐食性は、該
溶融亜鉛メッキ層の厚さに比例する。通常の構造用溶融
亜鉛メッキの厚さは、500〜600g/m2 (約70
〜85μm)である。実用上、構造用鋼材に800g/
m2 (約110μm)以上の溶融亜鉛メッキ付着量を得
る事は容易ではない。
溶融亜鉛メッキ層の厚さに比例する。通常の構造用溶融
亜鉛メッキの厚さは、500〜600g/m2 (約70
〜85μm)である。実用上、構造用鋼材に800g/
m2 (約110μm)以上の溶融亜鉛メッキ付着量を得
る事は容易ではない。
【0006】溶融亜鉛メッキ層は、大部分が亜鉛−鉄合
金層である。一方、水分の存在下で、亜鉛は電気化学的
に鉄鋼に対して陽極となって鉄鋼の腐食を抑制する効果
があるが、それには、該亜鉛は流電陽極特性を有する高
純度亜鉛または亜鉛合金組成である必要がある。鉄分含
有量が少なくとも0.0015%以下の高純度亜鉛か,
0.1〜0.5%のアルミニウム含有亜鉛合金(Fe
0.01%以下)でなくては有効ではない。特に0.1
%以上の鉄を含有する亜鉛では、電気化学的防食用流電
陽極としての効果は殆ど期待できない。
金層である。一方、水分の存在下で、亜鉛は電気化学的
に鉄鋼に対して陽極となって鉄鋼の腐食を抑制する効果
があるが、それには、該亜鉛は流電陽極特性を有する高
純度亜鉛または亜鉛合金組成である必要がある。鉄分含
有量が少なくとも0.0015%以下の高純度亜鉛か,
0.1〜0.5%のアルミニウム含有亜鉛合金(Fe
0.01%以下)でなくては有効ではない。特に0.1
%以上の鉄を含有する亜鉛では、電気化学的防食用流電
陽極としての効果は殆ど期待できない。
【0007】溶融亜鉛メッキ層は、大部分が数%以上の
鉄を含有した亜鉛−鉄合金層であり、流電陽極特性を有
する純亜鉛層は数10μm程度である。従って、常時水
中あるいは海水中に浸漬される環境では、溶融亜鉛メッ
キ鋼材自体に長期的に電気防食効果を期待する事は望め
ない。
鉄を含有した亜鉛−鉄合金層であり、流電陽極特性を有
する純亜鉛層は数10μm程度である。従って、常時水
中あるいは海水中に浸漬される環境では、溶融亜鉛メッ
キ鋼材自体に長期的に電気防食効果を期待する事は望め
ない。
【0008】また、該溶融亜鉛メッキ被覆の電気防食効
果が及ぶ範囲は精々等価直径で20mm以内である。時
間の経過と共に純亜鉛層は減少し、電気防食有効範囲は
狭くなり、効果は低減する。この現象は、溶射亜鉛や各
種の亜鉛被覆材も類似の傾向がある。大気中での亜鉛被
覆は、素材の大気(腐食環境)との遮蔽効果にある。
果が及ぶ範囲は精々等価直径で20mm以内である。時
間の経過と共に純亜鉛層は減少し、電気防食有効範囲は
狭くなり、効果は低減する。この現象は、溶射亜鉛や各
種の亜鉛被覆材も類似の傾向がある。大気中での亜鉛被
覆は、素材の大気(腐食環境)との遮蔽効果にある。
【0009】溶融亜鉛メッキ鋼材や各種の亜鉛被覆鋼材
は、大気中或いは雨水等の乾湿繰り返し環境では、不溶
性の塩基性亜鉛例えば塩基性炭酸亜鉛等の緻密な生成物
皮膜を形成し下地基盤の鉄鋼を該腐食環境から遮断する
ことにあり、耐食性構造部材として広く使用されてい
る。かかる環境で亜鉛の消耗速度を支配する要因は、
(1)水分,湿気との接触時間とその頻度(2)表面の
乾燥速度(3)大気中の汚染物質とその量等である。特
に、亜鉛が大気中の汚染物質と接触し、酸性の湿分と作
用する時には、塩基性炭酸亜鉛が生成されず、上記の
(1)の湿気との接触時間とその頻度および(3)の大
気汚染物質とその含有量が最大の要因である。
は、大気中或いは雨水等の乾湿繰り返し環境では、不溶
性の塩基性亜鉛例えば塩基性炭酸亜鉛等の緻密な生成物
皮膜を形成し下地基盤の鉄鋼を該腐食環境から遮断する
ことにあり、耐食性構造部材として広く使用されてい
る。かかる環境で亜鉛の消耗速度を支配する要因は、
(1)水分,湿気との接触時間とその頻度(2)表面の
乾燥速度(3)大気中の汚染物質とその量等である。特
に、亜鉛が大気中の汚染物質と接触し、酸性の湿分と作
用する時には、塩基性炭酸亜鉛が生成されず、上記の
(1)の湿気との接触時間とその頻度および(3)の大
気汚染物質とその含有量が最大の要因である。
【0010】例えば、溶融亜鉛メッキを施した鋼構造物
の寿命は、該溶融亜鉛メッキ層の耐食性が大きく影響す
る。該溶融亜鉛メッキの質の向上、すなわち亜鉛溶湯中
にアルミニウム,マグネシウム,マンガン,コバルト,
クロムあるいは/および希土類元素等を添加して合金メ
ッキを施す手段が特許資料に多く見られる。
の寿命は、該溶融亜鉛メッキ層の耐食性が大きく影響す
る。該溶融亜鉛メッキの質の向上、すなわち亜鉛溶湯中
にアルミニウム,マグネシウム,マンガン,コバルト,
クロムあるいは/および希土類元素等を添加して合金メ
ッキを施す手段が特許資料に多く見られる。
【0011】また、各種の亜鉛被覆鋼材は、アクリル
系,エポキシ系,ウレタン系,塩化ゴム系あるいはタ−
ルエポキシ系と云った樹脂塗料による塗装保護が盛んに
行われている。更に塗装下地として無機亜鉛末含有塗料
または鉛酸カルシウムプライマ−等を施し,その上に種
々の樹脂系塗料を組合せた重防食塗装が長大橋等にメン
テナンス不要として適用されている。
系,エポキシ系,ウレタン系,塩化ゴム系あるいはタ−
ルエポキシ系と云った樹脂塗料による塗装保護が盛んに
行われている。更に塗装下地として無機亜鉛末含有塗料
または鉛酸カルシウムプライマ−等を施し,その上に種
々の樹脂系塗料を組合せた重防食塗装が長大橋等にメン
テナンス不要として適用されている。
【0012】しかし、一部の長大橋では、10年前後で
顕著な錆の発生で、補修の必要に迫られているが、多く
の時間と労力の消費に加え危険作業であり、殊に補修・
取替え期間中の経済活動への阻害を考えると二の足を踏
まざるを得ない状況にある。
顕著な錆の発生で、補修の必要に迫られているが、多く
の時間と労力の消費に加え危険作業であり、殊に補修・
取替え期間中の経済活動への阻害を考えると二の足を踏
まざるを得ない状況にある。
【0013】この取替え,補修の最大の要因は、該溶融
亜鉛メッキ鋼材或いは各種の亜鉛被覆鋼材の衝撃或いは
腐食による損傷や損耗にある。
亜鉛メッキ鋼材或いは各種の亜鉛被覆鋼材の衝撃或いは
腐食による損傷や損耗にある。
【0014】該固定構造物の新設時にあっては、これら
の耐食性付与対策は実施可能であるが、設置後の損傷や
劣化の進み具合では、補修や取替えが実質的に容易でな
い。例えば、橋梁,欄干,フェンス,グレ−テイングあ
るいは各種の配管等は一度設置すると損傷や損耗による
補修工事は、多くの人手と手間を要し、加えて作業環境
は種々の制約条件があり、技術的にも難儀で煩雑であ
る。殊に、橋梁,道路,配管或いは送電等の設備や施設
は、何らかの経済活動への直接或いは間接的弊害を最小
限度にしなくてはならずメンテナンス工事は労苦が絶え
ず、容易な作業ではない。
の耐食性付与対策は実施可能であるが、設置後の損傷や
劣化の進み具合では、補修や取替えが実質的に容易でな
い。例えば、橋梁,欄干,フェンス,グレ−テイングあ
るいは各種の配管等は一度設置すると損傷や損耗による
補修工事は、多くの人手と手間を要し、加えて作業環境
は種々の制約条件があり、技術的にも難儀で煩雑であ
る。殊に、橋梁,道路,配管或いは送電等の設備や施設
は、何らかの経済活動への直接或いは間接的弊害を最小
限度にしなくてはならずメンテナンス工事は労苦が絶え
ず、容易な作業ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛メッキ鋼材や
他の亜鉛被覆鋼材の稼働寿命を延ばすには、該鋼材の亜
鉛被覆層の損耗を抑制または防止する事である。特に稼
働中の設備・施設に対して種々の制約を最小限にして該
亜鉛被覆鋼材を保護する手段が必要である。
他の亜鉛被覆鋼材の稼働寿命を延ばすには、該鋼材の亜
鉛被覆層の損耗を抑制または防止する事である。特に稼
働中の設備・施設に対して種々の制約を最小限にして該
亜鉛被覆鋼材を保護する手段が必要である。
【0016】本発明の目的は、溶融亜鉛メッキや他の亜
鉛被覆を施した半恒久的な鋼構造物の該亜鉛被覆層の損
耗や損傷等による被害を最小限に食い止め、該鋼構造物
の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保護手段を提供
することにある。
鉛被覆を施した半恒久的な鋼構造物の該亜鉛被覆層の損
耗や損傷等による被害を最小限に食い止め、該鋼構造物
の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保護手段を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本目的を達成させるため
の手段は以下の通りである。 1、溶融亜鉛メッキや他の亜鉛被覆の損耗を抑制または
防止して亜鉛被覆鋼材を保護するにに当たって、図1に
示す如く、該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)
表面に導電性粘着剤(3)を貼付した流電陽極特性を有
する高純度亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)で
被覆する。該テ−プ(2)の被覆は、実質的に亜鉛被覆
層(11)の厚さを補強する事になる。ここで、流電陽極
特性に優れた亜鉛または亜鉛合金は、品位99.99%以上の
純亜鉛あるいは少量のアルミニウム(0.1〜0.5%) を添
加した亜鉛−アルミニウム合金である。
の手段は以下の通りである。 1、溶融亜鉛メッキや他の亜鉛被覆の損耗を抑制または
防止して亜鉛被覆鋼材を保護するにに当たって、図1に
示す如く、該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)
表面に導電性粘着剤(3)を貼付した流電陽極特性を有
する高純度亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)で
被覆する。該テ−プ(2)の被覆は、実質的に亜鉛被覆
層(11)の厚さを補強する事になる。ここで、流電陽極
特性に優れた亜鉛または亜鉛合金は、品位99.99%以上の
純亜鉛あるいは少量のアルミニウム(0.1〜0.5%) を添
加した亜鉛−アルミニウム合金である。
【0018】2、該導電性粘着剤(3)を貼付した亜鉛
または亜鉛合金からなるテ−プ(2)は、図2に示す如
く、等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15m
mの円形(図2−1)或いは多角形[正方形,矩形,六
角形あるいは八角形等](図2−2)の複数の開孔(2
1)を設けた、0.05〜0.5mm厚,好ましくは
0.1〜0.3mm厚の可撓性テ−プ(2)であって、
該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層
(11)表面を被覆する。該テ−プ(2)の幅や長さは、
対象構造物のサイズや大きさに準じて任意の取り扱い易
い寸度にハサミ等の手近な刃物で切断して用いる。
または亜鉛合金からなるテ−プ(2)は、図2に示す如
く、等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15m
mの円形(図2−1)或いは多角形[正方形,矩形,六
角形あるいは八角形等](図2−2)の複数の開孔(2
1)を設けた、0.05〜0.5mm厚,好ましくは
0.1〜0.3mm厚の可撓性テ−プ(2)であって、
該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層
(11)表面を被覆する。該テ−プ(2)の幅や長さは、
対象構造物のサイズや大きさに準じて任意の取り扱い易
い寸度にハサミ等の手近な刃物で切断して用いる。
【0019】3、導電性粘着剤(3)は、アクリル系樹
脂を粘着主剤とし、重量比率で40〜90%,好ましく
は70%以上の亜鉛粉末粒を導電材として含有した粘着
剤であって、亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)
の該亜鉛被覆鋼材(1)と対向する面に貼付して、該亜
鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆して
該亜鉛被覆層(11)の損耗を保護する。
脂を粘着主剤とし、重量比率で40〜90%,好ましく
は70%以上の亜鉛粉末粒を導電材として含有した粘着
剤であって、亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)
の該亜鉛被覆鋼材(1)と対向する面に貼付して、該亜
鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆して
該亜鉛被覆層(11)の損耗を保護する。
【0020】換言すれば、該保護手段は、対象亜鉛被覆
鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)表面に流電陽極特性を有
する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを添加した亜
鉛合金からなる金属テ−プ(2)で被覆することであ
る。すなわち、該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)
の全表面或いは損傷・劣化部分を部分的に貼付する事で
簡単・容易に該亜鉛被覆鋼材(1)を保護する事がで
き、該亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)による該亜鉛被
覆層(11)の厚さを補強して,被覆効果を高め且つ流電
陽極による電気防食効果を併用した該亜鉛被覆鋼材
(1)の保護方法である。
鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)表面に流電陽極特性を有
する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを添加した亜
鉛合金からなる金属テ−プ(2)で被覆することであ
る。すなわち、該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)
の全表面或いは損傷・劣化部分を部分的に貼付する事で
簡単・容易に該亜鉛被覆鋼材(1)を保護する事がで
き、該亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)による該亜鉛被
覆層(11)の厚さを補強して,被覆効果を高め且つ流電
陽極による電気防食効果を併用した該亜鉛被覆鋼材
(1)の保護方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】乾・湿腐食環境にある金属体表面
に薄膜或いは不連続で電解質が接する金属体の表面を流
電陽極用テ−プ,帯,またはストリップで、被覆して電
気防食(陰極防食)を施す手段が、特公昭52−168
54号公報に記載されている。
に薄膜或いは不連続で電解質が接する金属体の表面を流
電陽極用テ−プ,帯,またはストリップで、被覆して電
気防食(陰極防食)を施す手段が、特公昭52−168
54号公報に記載されている。
【0022】本願発明技術は、特公昭52−16854
号公報の改良技術である。本願発明は、亜鉛被覆鋼材
(1)の亜鉛被覆層(11)に高純度亜鉛或いは少量のア
ルミニウムを含有した合金からなるテ−プ(2)で被覆
したものである。従来、亜鉛被覆層(11)を亜鉛テ−プ
で被覆して保護するといった技術思想は存在せず、先行
技術の該公報に開示されているテ−プ,帯またはストリ
ップが、該亜鉛被覆鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)の保
護に使用されると示唆する情報は記載されていない。
号公報の改良技術である。本願発明は、亜鉛被覆鋼材
(1)の亜鉛被覆層(11)に高純度亜鉛或いは少量のア
ルミニウムを含有した合金からなるテ−プ(2)で被覆
したものである。従来、亜鉛被覆層(11)を亜鉛テ−プ
で被覆して保護するといった技術思想は存在せず、先行
技術の該公報に開示されているテ−プ,帯またはストリ
ップが、該亜鉛被覆鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)の保
護に使用されると示唆する情報は記載されていない。
【0023】亜鉛被覆鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)の
損耗や損傷を抑制或いは防止するための、被覆用高純度
亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)は、対象構造物の形状
や構造に追従するために可撓性である必要がある。圧延
加工仕上げの0.05〜0.5mm厚のテ−プ状で、実
用上0.1〜0.3mm厚が取扱い或いは施工性の点か
ら適している。
損耗や損傷を抑制或いは防止するための、被覆用高純度
亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)は、対象構造物の形状
や構造に追従するために可撓性である必要がある。圧延
加工仕上げの0.05〜0.5mm厚のテ−プ状で、実
用上0.1〜0.3mm厚が取扱い或いは施工性の点か
ら適している。
【0024】また流電陽極特性を有するテ−プ(2)で
あるから、該亜鉛被覆鋼材(1)との導通を確保するた
め、該テ−プ(2)の該亜鉛被覆層(11)と対向する面
にアクリル系樹脂を粘着主剤とし、亜鉛粉末粒を重量比
率で好ましくは60〜90%導電材として含有した粘着
剤(3)を全面或いは部分的に貼布する。該粘着剤
(3)を貼布したテ−プ(2)面を該鋼材(1)の該亜
鉛被覆層(11)に貼り付け押圧して、該亜鉛被覆層(1
1)表面に該テ−プ(2)を密着させる。
あるから、該亜鉛被覆鋼材(1)との導通を確保するた
め、該テ−プ(2)の該亜鉛被覆層(11)と対向する面
にアクリル系樹脂を粘着主剤とし、亜鉛粉末粒を重量比
率で好ましくは60〜90%導電材として含有した粘着
剤(3)を全面或いは部分的に貼布する。該粘着剤
(3)を貼布したテ−プ(2)面を該鋼材(1)の該亜
鉛被覆層(11)に貼り付け押圧して、該亜鉛被覆層(1
1)表面に該テ−プ(2)を密着させる。
【0025】加えて、該テ−プ(2)は亜鉛被覆層(1
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2−1)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2−2)
の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の保護効
果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜鉛被覆
層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任意のサイ
ズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2−1)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2−2)
の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の保護効
果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜鉛被覆
層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任意のサイ
ズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
【0026】
【実施例1】海水や海塩粒子を含む大気中に曝らされた
構造材を対象とした例。送電用の電柱に架設される腕木
類は屋外構造物の中で、厳しい腐食環境で使用される部
材の一つである。特に、海辺沿岸に設置される電柱に架
設した腕木類は、海塩粒子や大気汚染物質を含んだ湿気
の付着に加えて強い太陽光線・風雨或いは紫外線等に曝
らされ過酷な腐食条件下に置かれている。溶融亜鉛メッ
キ被覆鋼部材は、損耗が激しく他の表面被覆材も設計寿
命を維持させることは容易でなく、短期間で更新を余儀
無くされている。取換えや補修工事は、技術的にも、経
済活動の点からも難儀で制約条件が多く着手も儘ならな
い状況にある。少なくとも腕木の設計寿命は保持できる
手段を模索しているとの要請にもとずいて、本発明技術
を適用することになった。対象腕木鋼材は、75mmW
×45mmH×1200mmLの溶融亜鉛メッキ(付着
量約350g/m2 以上,約50μm以上)被覆材であ
る。従来、該腕木鋼材は、3〜5年で新材と取換えを必
要とした。少なくとも2倍以上の寿命を持たせたいとの
要望があった。図3に示す如く新腕木鋼材(4)(溶融
亜鉛メッキ鋼材)50本に対して本発明の導電性粘着剤
付亜鉛テ−プ(2)(50mmW×1200mmL×
0.1mmT)を四角4面に被覆した。50本の腕木
(4)の内15組については図2の12mmφの開孔を
設けた該亜鉛テ−プ(2)で被覆した。該亜鉛テ−プ
(2)で被覆した新腕木鋼材(4)は、既に4ヶ年経過
しているが該亜鉛テ−プ(2)の表面は灰色に変色して
いるが、観察の結果殆ど消耗した様子は無く、実測で該
亜鉛テ−プ(2)の消耗は、25μm以下であった。当
然ながら下地の溶融亜鉛メッキ鋼材は、全く異常がな
く、少なくとも従来の4倍以上の寿命延長が期待できる
事が判明した。なお、開孔亜鉛テ−プ(2)被覆した該
鋼材は、開孔部には赤錆の発生は見られず、設計寿命以
上の寿命が期待されることが明白になった。
構造材を対象とした例。送電用の電柱に架設される腕木
類は屋外構造物の中で、厳しい腐食環境で使用される部
材の一つである。特に、海辺沿岸に設置される電柱に架
設した腕木類は、海塩粒子や大気汚染物質を含んだ湿気
の付着に加えて強い太陽光線・風雨或いは紫外線等に曝
らされ過酷な腐食条件下に置かれている。溶融亜鉛メッ
キ被覆鋼部材は、損耗が激しく他の表面被覆材も設計寿
命を維持させることは容易でなく、短期間で更新を余儀
無くされている。取換えや補修工事は、技術的にも、経
済活動の点からも難儀で制約条件が多く着手も儘ならな
い状況にある。少なくとも腕木の設計寿命は保持できる
手段を模索しているとの要請にもとずいて、本発明技術
を適用することになった。対象腕木鋼材は、75mmW
×45mmH×1200mmLの溶融亜鉛メッキ(付着
量約350g/m2 以上,約50μm以上)被覆材であ
る。従来、該腕木鋼材は、3〜5年で新材と取換えを必
要とした。少なくとも2倍以上の寿命を持たせたいとの
要望があった。図3に示す如く新腕木鋼材(4)(溶融
亜鉛メッキ鋼材)50本に対して本発明の導電性粘着剤
付亜鉛テ−プ(2)(50mmW×1200mmL×
0.1mmT)を四角4面に被覆した。50本の腕木
(4)の内15組については図2の12mmφの開孔を
設けた該亜鉛テ−プ(2)で被覆した。該亜鉛テ−プ
(2)で被覆した新腕木鋼材(4)は、既に4ヶ年経過
しているが該亜鉛テ−プ(2)の表面は灰色に変色して
いるが、観察の結果殆ど消耗した様子は無く、実測で該
亜鉛テ−プ(2)の消耗は、25μm以下であった。当
然ながら下地の溶融亜鉛メッキ鋼材は、全く異常がな
く、少なくとも従来の4倍以上の寿命延長が期待できる
事が判明した。なお、開孔亜鉛テ−プ(2)被覆した該
鋼材は、開孔部には赤錆の発生は見られず、設計寿命以
上の寿命が期待されることが明白になった。
【0027】
【実施例2】工場道路のガ−ドレ−ルに適用した例。 海辺に近い工場内道路のガ−ドレ−ル(350g/m2
以上の溶融亜鉛メッキ鋼材)は、3年程度で赤錆のため
見苦しくその対応に苦慮していた。塗装で補修していた
が、塗り替え工事期間が短くメンテナンス低減に悩まさ
れていた。本発明の亜鉛テ−プ被覆による溶融亜鉛メッ
キガ−ドレ−ルおよび支柱(円柱鋼材)の保護として全
長450mの約50mについて適用した。図4は、該ガ
−ドレ−ルの一部を示したものである。該ガ−ドレ−ル
(5)[360mmW]の1スパ−ンは、およそ430
0mmLであって、12スパ−ンに対して実施した。支
柱(6)は120mmφの溶融亜鉛メッキ鋼管(450
g/m2 )であり、13本について実施した。図4は1
スパ−ンのガ−ドレ−ル(5)に適用した一例である。
使用した導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は、0.1m
m厚で100mm幅と50mm幅とし、長さは取扱いの
容易さを考慮して2000mm以下とした。ガ−ドレ−
ル(5)12スパ−ンの内10スパ−ンは、新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)であり、残りの2スパ−ンは現
状のガ−ドレ−ル(5)を対象にした。13本の支柱は
すべて新規溶融亜鉛メッキ被覆鋼管である。新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)からなるガ−ドレ−ル(5)及
び支柱鋼管(6)は、工場作業で表面の汚れを除去,乾
燥後該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼賦して現地
に搬送した。2スパ−ンの現状ガ−ドレ−ル(5)につ
いては、現地でワイヤ−ブラシで表面の錆や汚れを除去
し、拭き取って表面を清浄化した後該導電性粘着剤付亜
鉛テ−プ(2)を貼賦した。なお、支柱鋼管(6)の地
際部(コンクリ−ト地表面との境界部)は、特に過酷な
腐食条件下にあるので該テ−プ(2)を二重巻きにし
た。設置後約3年余になるが、該亜鉛テ−プ(2)を被
覆したガ−ドレ−ル(5)及び支柱(6)は、表面が全
面落着いた曇色を呈している以外は、基盤の溶融亜鉛メ
ッキ層(11)はまったく異常が見られず従来見られた部
分的溶融亜鉛の浸蝕による赤錆や錆汁は皆無であった。
既存のガ−ドレ−ル(5)に適用した2スパ−ンも表面
赤錆や錆汁は無く、少なくとも従来よりも数倍以上も寿
命が延長できることが明白になった。
以上の溶融亜鉛メッキ鋼材)は、3年程度で赤錆のため
見苦しくその対応に苦慮していた。塗装で補修していた
が、塗り替え工事期間が短くメンテナンス低減に悩まさ
れていた。本発明の亜鉛テ−プ被覆による溶融亜鉛メッ
キガ−ドレ−ルおよび支柱(円柱鋼材)の保護として全
長450mの約50mについて適用した。図4は、該ガ
−ドレ−ルの一部を示したものである。該ガ−ドレ−ル
(5)[360mmW]の1スパ−ンは、およそ430
0mmLであって、12スパ−ンに対して実施した。支
柱(6)は120mmφの溶融亜鉛メッキ鋼管(450
g/m2 )であり、13本について実施した。図4は1
スパ−ンのガ−ドレ−ル(5)に適用した一例である。
使用した導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は、0.1m
m厚で100mm幅と50mm幅とし、長さは取扱いの
容易さを考慮して2000mm以下とした。ガ−ドレ−
ル(5)12スパ−ンの内10スパ−ンは、新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)であり、残りの2スパ−ンは現
状のガ−ドレ−ル(5)を対象にした。13本の支柱は
すべて新規溶融亜鉛メッキ被覆鋼管である。新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)からなるガ−ドレ−ル(5)及
び支柱鋼管(6)は、工場作業で表面の汚れを除去,乾
燥後該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼賦して現地
に搬送した。2スパ−ンの現状ガ−ドレ−ル(5)につ
いては、現地でワイヤ−ブラシで表面の錆や汚れを除去
し、拭き取って表面を清浄化した後該導電性粘着剤付亜
鉛テ−プ(2)を貼賦した。なお、支柱鋼管(6)の地
際部(コンクリ−ト地表面との境界部)は、特に過酷な
腐食条件下にあるので該テ−プ(2)を二重巻きにし
た。設置後約3年余になるが、該亜鉛テ−プ(2)を被
覆したガ−ドレ−ル(5)及び支柱(6)は、表面が全
面落着いた曇色を呈している以外は、基盤の溶融亜鉛メ
ッキ層(11)はまったく異常が見られず従来見られた部
分的溶融亜鉛の浸蝕による赤錆や錆汁は皆無であった。
既存のガ−ドレ−ル(5)に適用した2スパ−ンも表面
赤錆や錆汁は無く、少なくとも従来よりも数倍以上も寿
命が延長できることが明白になった。
【0028】
【実施例3】シ−バ−ス(大型桟橋)のグレ−テイング
に適用した例。 港湾荷役施設であるシ−バ−ス(大型桟橋)の歩廊に設
置されているグレ−テイングは、波浪や風雨に曝らされ
厳しい腐食環境下にある。潮風や直射日光を受け塗料に
よる被覆対策は、数年で塗り替えが必要である。塗り替
え補修工事は本来の稼働を停止せずに実施することは容
易ではなく、技術的にも前処理や効果の点からも大きく
期待できない。溶融亜鉛メッキの厚付け(600g/m
2 以上)で対応しているが、それでも設計寿命を確保す
ることは容易でない。補修工事に難がなく寿命を延ばす
手段を模索している状況である。少なくとも数年の寿命
を2倍或いは3倍に延ばす方法を模索している。かかる
状況の中で、本発明の手段である導電性粘着剤付亜鉛テ
−プ(2)を某シ−バ−スのグレ−テイングの一部に採
用した。図5は一組の該グレ−テイングの概要を示した
ものである。該グレ−テイング(7)は、基本的に5m
mT×30mmHの棹状の溶融亜鉛メッキ鋼材(1)を
格子状に組合わせたものである。一組の対象グレ−テイ
ング(7)は、1300mmL×1000mmTの方形
である。腐食損耗の大きい20組のグレ−テイング
(7)を対象に該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼
賦した。該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は0.2m
mT×25mmW×900mmLを使用した。該グレ−
テイング(7)の構造上全面に貼り付ける事ができず、
最も腐食の激しく強度低下の虞のある棹状該鋼材の両側
面部(30mmHの両側)を重点的に保護する事とし
た。一組のグレ−テイング(7)には、30本の棹状該
鋼材があり、該亜鉛テ−プ(2)は60枚用いた。対象
が20組であるから該亜鉛テ−プ(2)は、全部で12
00枚使用した。貼付けには3工数で完了した。適用し
て2年余であるが、赤錆の発生は見られず、該グレ−テ
イング(7)の寿命は、数倍延長可能になることは明白
になった。
に適用した例。 港湾荷役施設であるシ−バ−ス(大型桟橋)の歩廊に設
置されているグレ−テイングは、波浪や風雨に曝らされ
厳しい腐食環境下にある。潮風や直射日光を受け塗料に
よる被覆対策は、数年で塗り替えが必要である。塗り替
え補修工事は本来の稼働を停止せずに実施することは容
易ではなく、技術的にも前処理や効果の点からも大きく
期待できない。溶融亜鉛メッキの厚付け(600g/m
2 以上)で対応しているが、それでも設計寿命を確保す
ることは容易でない。補修工事に難がなく寿命を延ばす
手段を模索している状況である。少なくとも数年の寿命
を2倍或いは3倍に延ばす方法を模索している。かかる
状況の中で、本発明の手段である導電性粘着剤付亜鉛テ
−プ(2)を某シ−バ−スのグレ−テイングの一部に採
用した。図5は一組の該グレ−テイングの概要を示した
ものである。該グレ−テイング(7)は、基本的に5m
mT×30mmHの棹状の溶融亜鉛メッキ鋼材(1)を
格子状に組合わせたものである。一組の対象グレ−テイ
ング(7)は、1300mmL×1000mmTの方形
である。腐食損耗の大きい20組のグレ−テイング
(7)を対象に該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼
賦した。該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は0.2m
mT×25mmW×900mmLを使用した。該グレ−
テイング(7)の構造上全面に貼り付ける事ができず、
最も腐食の激しく強度低下の虞のある棹状該鋼材の両側
面部(30mmHの両側)を重点的に保護する事とし
た。一組のグレ−テイング(7)には、30本の棹状該
鋼材があり、該亜鉛テ−プ(2)は60枚用いた。対象
が20組であるから該亜鉛テ−プ(2)は、全部で12
00枚使用した。貼付けには3工数で完了した。適用し
て2年余であるが、赤錆の発生は見られず、該グレ−テ
イング(7)の寿命は、数倍延長可能になることは明白
になった。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、亜鉛溶融メッキ鋼
材或いは亜鉛溶射鋼材等の各種亜鉛被覆層を、流電陽極
特性を有する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを含
有した亜鉛合金からなるテ−プで被覆することにより、
該亜鉛被覆層の厚さを補強し、該被覆層の損傷や損耗を
抑制あるいは防止し、該亜鉛被覆鋼材を保護し長寿命化
が可能になった。また、該テ−プ被覆作業は、該亜鉛被
覆鋼材を使用した構造物の新設あるいは稼働に関係な
く、該構造物の経済活動を阻害する事なく、簡単容易に
実施できる利点がある。
材或いは亜鉛溶射鋼材等の各種亜鉛被覆層を、流電陽極
特性を有する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを含
有した亜鉛合金からなるテ−プで被覆することにより、
該亜鉛被覆層の厚さを補強し、該被覆層の損傷や損耗を
抑制あるいは防止し、該亜鉛被覆鋼材を保護し長寿命化
が可能になった。また、該テ−プ被覆作業は、該亜鉛被
覆鋼材を使用した構造物の新設あるいは稼働に関係な
く、該構造物の経済活動を阻害する事なく、簡単容易に
実施できる利点がある。
【図1】溶融亜鉛メッキ鋼材の表面に亜鉛テ−プを張付
けた斜視図
けた斜視図
【図2】亜鉛テ−プの表面に円形または多角形の開孔を
設けたテ−プ (図2−1)等価直径10〜15mmの円形開孔を設け
たテ−プ (図2−2)等価直径10〜15mmの六角形開孔を設
けたテ−プ
設けたテ−プ (図2−1)等価直径10〜15mmの円形開孔を設け
たテ−プ (図2−2)等価直径10〜15mmの六角形開孔を設
けたテ−プ
【図3】溶融亜鉛メッキした軽量腕木に亜鉛テ−プを被
覆した実施概要図(実施例1)
覆した実施概要図(実施例1)
【図4】溶融亜鉛メッキしたガ−ドレ−ルに亜鉛テ−プ
を適用した概要図(実施例2)
を適用した概要図(実施例2)
【図5】シ−バ−スのグレ−テイングに亜鉛テ−プを適
用した概要図(実施例3)
用した概要図(実施例3)
1 溶融亜鉛メッキ鋼材 11 溶融亜鉛メッキ(層) 2 亜鉛または亜鉛合金テ−プ 21 開孔 3 導電性粘着剤(層) 4 腕木 5 ガ−ドレ−ル 6 支柱 7 グレ−テイング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月18日(2001.7.1
8)
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層表面に導電性粘着剤
付亜鉛テ−プの張付け状況を示す斜視図。
付亜鉛テ−プの張付け状況を示す斜視図。
【図2】(a)は円形の開孔を設けた亜鉛テ−プを示す
図であり、(b)は菱形,(c)は正方形からなる多角
形の開孔を設けた亜鉛テ−プを示す図である。
図であり、(b)は菱形,(c)は正方形からなる多角
形の開孔を設けた亜鉛テ−プを示す図である。
【図3】亜鉛被覆鋼材製の腕木に導電性粘着剤付亜鉛テ
−プを張付けた状況を示す図であって、(a)は平面
図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
−プを張付けた状況を示す図であって、(a)は平面
図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
【図4】亜鉛被覆鋼材製のガ−ドレ−ルに導電性粘着剤
付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、(a)
は平面図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、(a)
は平面図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
【図5】亜鉛被覆鋼材製のグレ−テイングに導電性粘着
剤付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、
(a)は正面図,(b)は平面図及び(c)は側面図を
示す。
剤付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、
(a)は正面図,(b)は平面図及び(c)は側面図を
示す。
【符号の説明】1 亜鉛被覆鋼材 11 亜鉛被覆層 2 導電性粘着剤付亜鉛テ−プ 21 開孔3 導電性粘着剤層 4 腕木 5 ガ−ドレ−ル 6 支柱 7 グレ−テイング
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】2、該導電性粘着剤(3)を貼付した亜鉛
または亜鉛からなるテ−プ(2)は、図2に示す如く、
等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15mmの
円形(a)或いは多角形[正方形,矩形,六角形あるい
は八角形等](b,c)の複数の開孔(21)を設け
た、0.05〜0.5mm厚,好ましくは0.1〜0.
3mm厚の可撓性テ−プであって、該テ−プ(2)で該
亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆
する。該テ−プ(2)の幅や長さは、対象構造物のサイ
ズや大きさに準じて任意の取り扱い易い寸度にハサミ等
の手近な刃物で切断して用いる。
または亜鉛からなるテ−プ(2)は、図2に示す如く、
等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15mmの
円形(a)或いは多角形[正方形,矩形,六角形あるい
は八角形等](b,c)の複数の開孔(21)を設け
た、0.05〜0.5mm厚,好ましくは0.1〜0.
3mm厚の可撓性テ−プであって、該テ−プ(2)で該
亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆
する。該テ−プ(2)の幅や長さは、対象構造物のサイ
ズや大きさに準じて任意の取り扱い易い寸度にハサミ等
の手近な刃物で切断して用いる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】加えて、該テ−プ(2)は亜鉛被覆層(1
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2のa)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2のb,
c)の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の
保護効果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜
鉛被覆層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任
意のサイズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2のa)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2のb,
c)の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の
保護効果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜
鉛被覆層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任
意のサイズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 7/00 H02G 7/00 C
Claims (3)
- 【請求項1】溶融亜鉛メッキ被覆鋼材或いは溶射亜鉛被
覆鋼材といった各種の亜鉛被覆鋼材の表面に、該表面と
対向する面に導電性粘着剤を貼賦した流電陽極用高純度
亜鉛または亜鉛合金からなる薄板条(テ−プとも云う)
で被覆して該亜鉛被覆層の損傷或いは損耗を抑制または
防止する亜鉛被覆鋼材の保護方法。 - 【請求項2】導電性粘着剤を貼賦した高純度亜鉛または
亜鉛合金からなるテ−プが、等価直径が、5〜20mm
の円形或いは多角形の複数の開孔を設けた、0.05〜
0.5mm厚の可撓性テ−プであって、該テ−プで該亜
鉛被覆鋼材の表面を被覆して該亜鉛被覆層の損傷或いは
損耗を抑制または防止する請求項1記載の亜鉛被覆鋼材
の保護方法。 - 【請求項3】導電性粘着剤が、アクリル系樹脂を粘着主
剤とし、重量比率で40〜90%の亜鉛粉粒を導電材と
して含有し、高純度亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ
の該亜鉛被覆層と対向する面に貼付して、該亜鉛被覆鋼
材の表面を被覆して該亜鉛被覆層の損耗を抑制または防
止する請求項1及び2記載の亜鉛被覆鋼材の保護方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184723A JP2002371392A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 亜鉛被覆鋼材の保護法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184723A JP2002371392A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 亜鉛被覆鋼材の保護法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002371392A true JP2002371392A (ja) | 2002-12-26 |
Family
ID=19024436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001184723A Pending JP2002371392A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 亜鉛被覆鋼材の保護法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002371392A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065509A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Tokyo Seiko Co Ltd | 屋外設置金属支柱 |
-
2001
- 2001-06-19 JP JP2001184723A patent/JP2002371392A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010065509A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Tokyo Seiko Co Ltd | 屋外設置金属支柱 |
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