JP2002371392A - 亜鉛被覆鋼材の保護法 - Google Patents

亜鉛被覆鋼材の保護法

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JP2002371392A
JP2002371392A JP2001184723A JP2001184723A JP2002371392A JP 2002371392 A JP2002371392 A JP 2002371392A JP 2001184723 A JP2001184723 A JP 2001184723A JP 2001184723 A JP2001184723 A JP 2001184723A JP 2002371392 A JP2002371392 A JP 2002371392A
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coated
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Kiyomi Saito
清美 斎藤
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SOFUTEMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造用亜鉛溶融メッキ鋼材或いは亜鉛溶射鋼材
等各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損耗や損傷などによ
る被害を抑制し、取替え,補修にともなう種々の制約条
件や工事作業による経済活動に対する弊害を最小限にし
て、該構造物の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保
護手段を提供する。 【解決手段】亜鉛被覆鋼材の外表面に、導電性粘着剤を
貼布した流電陽極特性を有する亜鉛または亜鉛合金から
なるテ−プで被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、種々の腐食環境に
曝される溶融亜鉛メッキ被覆鋼材或いは溶射亜鉛被覆鋼
材といった各種亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層の損傷或いは
損耗を保護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土木,建築,電力・通信,漁業,鉄道或
いは農業等の分野では、各種の亜鉛被覆鋼材が広く使用
されている。例えば、橋梁,陸橋,ガ−ドレ−ル,フェ
ンス,グレ−テイング,配管用鋼管,送電鉄塔,鉄骨構
造物等には溶融亜鉛メッキ鋼材が広く用いられている。
溶融亜鉛メッキは、基盤の鉄鋼構造材の腐食抑制または
防止のために行われている。これらの多くは、半恒久的
固定鋼構造物であり風雨や大気汚染物質に曝らされ、時
期(季節)・気候・場所によって厳しい腐食環境中に設
置される。時として、該溶融亜鉛メッキ鋼材は、設計寿
命半ばで損傷や腐食損耗のため該構造体の取替え或いは
補修の憂き目にあっている。
【0003】以下、溶融亜鉛メッキ被覆が広く使用され
ているので、他の亜鉛被覆材も類似の特性と傾向を有す
るので、溶融亜鉛メッキ被覆を中心に説明する。
【0004】亜鉛被覆鋼材の耐食性は、大気中で亜鉛の
表面に主として塩基性炭酸塩[2ZnCo3 ・3Zn(
OH) 2 H2 O]の緻密な皮膜を形成し、該皮膜が基盤
鉄鋼材を腐食環境から遮断することにある。このため該
塩基性炭酸塩の生成を妨げる要因,例えば大気汚染物質
や海塩粒子等を含む環境にあっては、溶解性の塩類(塩
化亜鉛,硫酸亜鉛等)が生成され、亜鉛は予想以上に早
い速度で消耗する。
【0005】また、溶融亜鉛メッキ鋼材の耐食性は、該
溶融亜鉛メッキ層の厚さに比例する。通常の構造用溶融
亜鉛メッキの厚さは、500〜600g/m2 (約70
〜85μm)である。実用上、構造用鋼材に800g/
m2 (約110μm)以上の溶融亜鉛メッキ付着量を得
る事は容易ではない。
【0006】溶融亜鉛メッキ層は、大部分が亜鉛−鉄合
金層である。一方、水分の存在下で、亜鉛は電気化学的
に鉄鋼に対して陽極となって鉄鋼の腐食を抑制する効果
があるが、それには、該亜鉛は流電陽極特性を有する高
純度亜鉛または亜鉛合金組成である必要がある。鉄分含
有量が少なくとも0.0015%以下の高純度亜鉛か,
0.1〜0.5%のアルミニウム含有亜鉛合金(Fe
0.01%以下)でなくては有効ではない。特に0.1
%以上の鉄を含有する亜鉛では、電気化学的防食用流電
陽極としての効果は殆ど期待できない。
【0007】溶融亜鉛メッキ層は、大部分が数%以上の
鉄を含有した亜鉛−鉄合金層であり、流電陽極特性を有
する純亜鉛層は数10μm程度である。従って、常時水
中あるいは海水中に浸漬される環境では、溶融亜鉛メッ
キ鋼材自体に長期的に電気防食効果を期待する事は望め
ない。
【0008】また、該溶融亜鉛メッキ被覆の電気防食効
果が及ぶ範囲は精々等価直径で20mm以内である。時
間の経過と共に純亜鉛層は減少し、電気防食有効範囲は
狭くなり、効果は低減する。この現象は、溶射亜鉛や各
種の亜鉛被覆材も類似の傾向がある。大気中での亜鉛被
覆は、素材の大気(腐食環境)との遮蔽効果にある。
【0009】溶融亜鉛メッキ鋼材や各種の亜鉛被覆鋼材
は、大気中或いは雨水等の乾湿繰り返し環境では、不溶
性の塩基性亜鉛例えば塩基性炭酸亜鉛等の緻密な生成物
皮膜を形成し下地基盤の鉄鋼を該腐食環境から遮断する
ことにあり、耐食性構造部材として広く使用されてい
る。かかる環境で亜鉛の消耗速度を支配する要因は、
(1)水分,湿気との接触時間とその頻度(2)表面の
乾燥速度(3)大気中の汚染物質とその量等である。特
に、亜鉛が大気中の汚染物質と接触し、酸性の湿分と作
用する時には、塩基性炭酸亜鉛が生成されず、上記の
(1)の湿気との接触時間とその頻度および(3)の大
気汚染物質とその含有量が最大の要因である。
【0010】例えば、溶融亜鉛メッキを施した鋼構造物
の寿命は、該溶融亜鉛メッキ層の耐食性が大きく影響す
る。該溶融亜鉛メッキの質の向上、すなわち亜鉛溶湯中
にアルミニウム,マグネシウム,マンガン,コバルト,
クロムあるいは/および希土類元素等を添加して合金メ
ッキを施す手段が特許資料に多く見られる。
【0011】また、各種の亜鉛被覆鋼材は、アクリル
系,エポキシ系,ウレタン系,塩化ゴム系あるいはタ−
ルエポキシ系と云った樹脂塗料による塗装保護が盛んに
行われている。更に塗装下地として無機亜鉛末含有塗料
または鉛酸カルシウムプライマ−等を施し,その上に種
々の樹脂系塗料を組合せた重防食塗装が長大橋等にメン
テナンス不要として適用されている。
【0012】しかし、一部の長大橋では、10年前後で
顕著な錆の発生で、補修の必要に迫られているが、多く
の時間と労力の消費に加え危険作業であり、殊に補修・
取替え期間中の経済活動への阻害を考えると二の足を踏
まざるを得ない状況にある。
【0013】この取替え,補修の最大の要因は、該溶融
亜鉛メッキ鋼材或いは各種の亜鉛被覆鋼材の衝撃或いは
腐食による損傷や損耗にある。
【0014】該固定構造物の新設時にあっては、これら
の耐食性付与対策は実施可能であるが、設置後の損傷や
劣化の進み具合では、補修や取替えが実質的に容易でな
い。例えば、橋梁,欄干,フェンス,グレ−テイングあ
るいは各種の配管等は一度設置すると損傷や損耗による
補修工事は、多くの人手と手間を要し、加えて作業環境
は種々の制約条件があり、技術的にも難儀で煩雑であ
る。殊に、橋梁,道路,配管或いは送電等の設備や施設
は、何らかの経済活動への直接或いは間接的弊害を最小
限度にしなくてはならずメンテナンス工事は労苦が絶え
ず、容易な作業ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛メッキ鋼材や
他の亜鉛被覆鋼材の稼働寿命を延ばすには、該鋼材の亜
鉛被覆層の損耗を抑制または防止する事である。特に稼
働中の設備・施設に対して種々の制約を最小限にして該
亜鉛被覆鋼材を保護する手段が必要である。
【0016】本発明の目的は、溶融亜鉛メッキや他の亜
鉛被覆を施した半恒久的な鋼構造物の該亜鉛被覆層の損
耗や損傷等による被害を最小限に食い止め、該鋼構造物
の長寿命化を図るための亜鉛被覆鋼材の保護手段を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本目的を達成させるため
の手段は以下の通りである。 1、溶融亜鉛メッキや他の亜鉛被覆の損耗を抑制または
防止して亜鉛被覆鋼材を保護するにに当たって、図1に
示す如く、該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)
表面に導電性粘着剤(3)を貼付した流電陽極特性を有
する高純度亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)で
被覆する。該テ−プ(2)の被覆は、実質的に亜鉛被覆
層(11)の厚さを補強する事になる。ここで、流電陽極
特性に優れた亜鉛または亜鉛合金は、品位99.99%以上の
純亜鉛あるいは少量のアルミニウム(0.1〜0.5%) を添
加した亜鉛−アルミニウム合金である。
【0018】2、該導電性粘着剤(3)を貼付した亜鉛
または亜鉛合金からなるテ−プ(2)は、図2に示す如
く、等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15m
mの円形(図2−1)或いは多角形[正方形,矩形,六
角形あるいは八角形等](図2−2)の複数の開孔(2
1)を設けた、0.05〜0.5mm厚,好ましくは
0.1〜0.3mm厚の可撓性テ−プ(2)であって、
該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層
(11)表面を被覆する。該テ−プ(2)の幅や長さは、
対象構造物のサイズや大きさに準じて任意の取り扱い易
い寸度にハサミ等の手近な刃物で切断して用いる。
【0019】3、導電性粘着剤(3)は、アクリル系樹
脂を粘着主剤とし、重量比率で40〜90%,好ましく
は70%以上の亜鉛粉末粒を導電材として含有した粘着
剤であって、亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ(2)
の該亜鉛被覆鋼材(1)と対向する面に貼付して、該亜
鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆して
該亜鉛被覆層(11)の損耗を保護する。
【0020】換言すれば、該保護手段は、対象亜鉛被覆
鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)表面に流電陽極特性を有
する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを添加した亜
鉛合金からなる金属テ−プ(2)で被覆することであ
る。すなわち、該テ−プ(2)で該亜鉛被覆鋼材(1)
の全表面或いは損傷・劣化部分を部分的に貼付する事で
簡単・容易に該亜鉛被覆鋼材(1)を保護する事がで
き、該亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)による該亜鉛被
覆層(11)の厚さを補強して,被覆効果を高め且つ流電
陽極による電気防食効果を併用した該亜鉛被覆鋼材
(1)の保護方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】乾・湿腐食環境にある金属体表面
に薄膜或いは不連続で電解質が接する金属体の表面を流
電陽極用テ−プ,帯,またはストリップで、被覆して電
気防食(陰極防食)を施す手段が、特公昭52−168
54号公報に記載されている。
【0022】本願発明技術は、特公昭52−16854
号公報の改良技術である。本願発明は、亜鉛被覆鋼材
(1)の亜鉛被覆層(11)に高純度亜鉛或いは少量のア
ルミニウムを含有した合金からなるテ−プ(2)で被覆
したものである。従来、亜鉛被覆層(11)を亜鉛テ−プ
で被覆して保護するといった技術思想は存在せず、先行
技術の該公報に開示されているテ−プ,帯またはストリ
ップが、該亜鉛被覆鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)の保
護に使用されると示唆する情報は記載されていない。
【0023】亜鉛被覆鋼材(1)の亜鉛被覆層(11)の
損耗や損傷を抑制或いは防止するための、被覆用高純度
亜鉛或いは亜鉛合金テ−プ(2)は、対象構造物の形状
や構造に追従するために可撓性である必要がある。圧延
加工仕上げの0.05〜0.5mm厚のテ−プ状で、実
用上0.1〜0.3mm厚が取扱い或いは施工性の点か
ら適している。
【0024】また流電陽極特性を有するテ−プ(2)で
あるから、該亜鉛被覆鋼材(1)との導通を確保するた
め、該テ−プ(2)の該亜鉛被覆層(11)と対向する面
にアクリル系樹脂を粘着主剤とし、亜鉛粉末粒を重量比
率で好ましくは60〜90%導電材として含有した粘着
剤(3)を全面或いは部分的に貼布する。該粘着剤
(3)を貼布したテ−プ(2)面を該鋼材(1)の該亜
鉛被覆層(11)に貼り付け押圧して、該亜鉛被覆層(1
1)表面に該テ−プ(2)を密着させる。
【0025】加えて、該テ−プ(2)は亜鉛被覆層(1
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2−1)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2−2)
の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の保護効
果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜鉛被覆
層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任意のサイ
ズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
【0026】
【実施例】
【実施例1】海水や海塩粒子を含む大気中に曝らされた
構造材を対象とした例。送電用の電柱に架設される腕木
類は屋外構造物の中で、厳しい腐食環境で使用される部
材の一つである。特に、海辺沿岸に設置される電柱に架
設した腕木類は、海塩粒子や大気汚染物質を含んだ湿気
の付着に加えて強い太陽光線・風雨或いは紫外線等に曝
らされ過酷な腐食条件下に置かれている。溶融亜鉛メッ
キ被覆鋼部材は、損耗が激しく他の表面被覆材も設計寿
命を維持させることは容易でなく、短期間で更新を余儀
無くされている。取換えや補修工事は、技術的にも、経
済活動の点からも難儀で制約条件が多く着手も儘ならな
い状況にある。少なくとも腕木の設計寿命は保持できる
手段を模索しているとの要請にもとずいて、本発明技術
を適用することになった。対象腕木鋼材は、75mmW
×45mmH×1200mmLの溶融亜鉛メッキ(付着
量約350g/m2 以上,約50μm以上)被覆材であ
る。従来、該腕木鋼材は、3〜5年で新材と取換えを必
要とした。少なくとも2倍以上の寿命を持たせたいとの
要望があった。図3に示す如く新腕木鋼材(4)(溶融
亜鉛メッキ鋼材)50本に対して本発明の導電性粘着剤
付亜鉛テ−プ(2)(50mmW×1200mmL×
0.1mmT)を四角4面に被覆した。50本の腕木
(4)の内15組については図2の12mmφの開孔を
設けた該亜鉛テ−プ(2)で被覆した。該亜鉛テ−プ
(2)で被覆した新腕木鋼材(4)は、既に4ヶ年経過
しているが該亜鉛テ−プ(2)の表面は灰色に変色して
いるが、観察の結果殆ど消耗した様子は無く、実測で該
亜鉛テ−プ(2)の消耗は、25μm以下であった。当
然ながら下地の溶融亜鉛メッキ鋼材は、全く異常がな
く、少なくとも従来の4倍以上の寿命延長が期待できる
事が判明した。なお、開孔亜鉛テ−プ(2)被覆した該
鋼材は、開孔部には赤錆の発生は見られず、設計寿命以
上の寿命が期待されることが明白になった。
【0027】
【実施例2】工場道路のガ−ドレ−ルに適用した例。 海辺に近い工場内道路のガ−ドレ−ル(350g/m2
以上の溶融亜鉛メッキ鋼材)は、3年程度で赤錆のため
見苦しくその対応に苦慮していた。塗装で補修していた
が、塗り替え工事期間が短くメンテナンス低減に悩まさ
れていた。本発明の亜鉛テ−プ被覆による溶融亜鉛メッ
キガ−ドレ−ルおよび支柱(円柱鋼材)の保護として全
長450mの約50mについて適用した。図4は、該ガ
−ドレ−ルの一部を示したものである。該ガ−ドレ−ル
(5)[360mmW]の1スパ−ンは、およそ430
0mmLであって、12スパ−ンに対して実施した。支
柱(6)は120mmφの溶融亜鉛メッキ鋼管(450
g/m2 )であり、13本について実施した。図4は1
スパ−ンのガ−ドレ−ル(5)に適用した一例である。
使用した導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は、0.1m
m厚で100mm幅と50mm幅とし、長さは取扱いの
容易さを考慮して2000mm以下とした。ガ−ドレ−
ル(5)12スパ−ンの内10スパ−ンは、新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)であり、残りの2スパ−ンは現
状のガ−ドレ−ル(5)を対象にした。13本の支柱は
すべて新規溶融亜鉛メッキ被覆鋼管である。新規溶融亜
鉛メッキ被覆鋼材(1)からなるガ−ドレ−ル(5)及
び支柱鋼管(6)は、工場作業で表面の汚れを除去,乾
燥後該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼賦して現地
に搬送した。2スパ−ンの現状ガ−ドレ−ル(5)につ
いては、現地でワイヤ−ブラシで表面の錆や汚れを除去
し、拭き取って表面を清浄化した後該導電性粘着剤付亜
鉛テ−プ(2)を貼賦した。なお、支柱鋼管(6)の地
際部(コンクリ−ト地表面との境界部)は、特に過酷な
腐食条件下にあるので該テ−プ(2)を二重巻きにし
た。設置後約3年余になるが、該亜鉛テ−プ(2)を被
覆したガ−ドレ−ル(5)及び支柱(6)は、表面が全
面落着いた曇色を呈している以外は、基盤の溶融亜鉛メ
ッキ層(11)はまったく異常が見られず従来見られた部
分的溶融亜鉛の浸蝕による赤錆や錆汁は皆無であった。
既存のガ−ドレ−ル(5)に適用した2スパ−ンも表面
赤錆や錆汁は無く、少なくとも従来よりも数倍以上も寿
命が延長できることが明白になった。
【0028】
【実施例3】シ−バ−ス(大型桟橋)のグレ−テイング
に適用した例。 港湾荷役施設であるシ−バ−ス(大型桟橋)の歩廊に設
置されているグレ−テイングは、波浪や風雨に曝らされ
厳しい腐食環境下にある。潮風や直射日光を受け塗料に
よる被覆対策は、数年で塗り替えが必要である。塗り替
え補修工事は本来の稼働を停止せずに実施することは容
易ではなく、技術的にも前処理や効果の点からも大きく
期待できない。溶融亜鉛メッキの厚付け(600g/m
2 以上)で対応しているが、それでも設計寿命を確保す
ることは容易でない。補修工事に難がなく寿命を延ばす
手段を模索している状況である。少なくとも数年の寿命
を2倍或いは3倍に延ばす方法を模索している。かかる
状況の中で、本発明の手段である導電性粘着剤付亜鉛テ
−プ(2)を某シ−バ−スのグレ−テイングの一部に採
用した。図5は一組の該グレ−テイングの概要を示した
ものである。該グレ−テイング(7)は、基本的に5m
mT×30mmHの棹状の溶融亜鉛メッキ鋼材(1)を
格子状に組合わせたものである。一組の対象グレ−テイ
ング(7)は、1300mmL×1000mmTの方形
である。腐食損耗の大きい20組のグレ−テイング
(7)を対象に該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)を貼
賦した。該導電性粘着剤付亜鉛テ−プ(2)は0.2m
mT×25mmW×900mmLを使用した。該グレ−
テイング(7)の構造上全面に貼り付ける事ができず、
最も腐食の激しく強度低下の虞のある棹状該鋼材の両側
面部(30mmHの両側)を重点的に保護する事とし
た。一組のグレ−テイング(7)には、30本の棹状該
鋼材があり、該亜鉛テ−プ(2)は60枚用いた。対象
が20組であるから該亜鉛テ−プ(2)は、全部で12
00枚使用した。貼付けには3工数で完了した。適用し
て2年余であるが、赤錆の発生は見られず、該グレ−テ
イング(7)の寿命は、数倍延長可能になることは明白
になった。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、亜鉛溶融メッキ鋼
材或いは亜鉛溶射鋼材等の各種亜鉛被覆層を、流電陽極
特性を有する高純度亜鉛或いは少量のアルミニウムを含
有した亜鉛合金からなるテ−プで被覆することにより、
該亜鉛被覆層の厚さを補強し、該被覆層の損傷や損耗を
抑制あるいは防止し、該亜鉛被覆鋼材を保護し長寿命化
が可能になった。また、該テ−プ被覆作業は、該亜鉛被
覆鋼材を使用した構造物の新設あるいは稼働に関係な
く、該構造物の経済活動を阻害する事なく、簡単容易に
実施できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融亜鉛メッキ鋼材の表面に亜鉛テ−プを張付
けた斜視図
【図2】亜鉛テ−プの表面に円形または多角形の開孔を
設けたテ−プ (図2−1)等価直径10〜15mmの円形開孔を設け
たテ−プ (図2−2)等価直径10〜15mmの六角形開孔を設
けたテ−プ
【図3】溶融亜鉛メッキした軽量腕木に亜鉛テ−プを被
覆した実施概要図(実施例1)
【図4】溶融亜鉛メッキしたガ−ドレ−ルに亜鉛テ−プ
を適用した概要図(実施例2)
【図5】シ−バ−スのグレ−テイングに亜鉛テ−プを適
用した概要図(実施例3)
【符号の説明】
1 溶融亜鉛メッキ鋼材 11 溶融亜鉛メッキ(層) 2 亜鉛または亜鉛合金テ−プ 21 開孔 3 導電性粘着剤(層) 4 腕木 5 ガ−ドレ−ル 6 支柱 7 グレ−テイング
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月18日(2001.7.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛被覆鋼材の亜鉛被覆層表面に導電性粘着剤
付亜鉛テ−プの張付け状況を示す斜視図。
【図2】(a)は円形の開孔を設けた亜鉛テ−プを示す
図であり、(b)は菱形,(c)は正方形からなる多角
形の開孔を設けた亜鉛テ−プを示す図である。
【図3】亜鉛被覆鋼材製の腕木に導電性粘着剤付亜鉛テ
−プを張付けた状況を示す図であって、(a)は平面
図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
【図4】亜鉛被覆鋼材製のガ−ドレ−ルに導電性粘着剤
付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、(a)
は平面図,(b)は正面図及び(c)は側面図を示す。
【図5】亜鉛被覆鋼材製のグレ−テイングに導電性粘着
剤付亜鉛テ−プを張付けた状況を示す図であって、
(a)は正面図,(b)は平面図及び(c)は側面図を
示す。
【符号の説明】1 亜鉛被覆鋼材 11 亜鉛被覆層 2 導電性粘着剤付亜鉛テ−プ 21 開孔3 導電性粘着剤層 4 腕木 5 ガ−ドレ−ル 6 支柱 7 グレ−テイング
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】2、該導電性粘着剤(3)を貼付した亜鉛
または亜鉛からなるテ−プ(2)は、図2に示す如く、
等価直径が5〜20mm,好ましくは10〜15mmの
円形(a)或いは多角形[正方形,矩形,六角形あるい
は八角形等](b,c)の複数の開孔(21)を設け
た、0.05〜0.5mm厚,好ましくは0.1〜0.
3mm厚の可撓性テ−プであって、該テ−プ(2)で該
亜鉛被覆鋼材(1)の該亜鉛被覆層(11)表面を被覆
する。該テ−プ(2)の幅や長さは、対象構造物のサイ
ズや大きさに準じて任意の取り扱い易い寸度にハサミ等
の手近な刃物で切断して用いる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】加えて、該テ−プ(2)は亜鉛被覆層(1
1)自体の電気防食効果が等価直径20mm以下である
ことから、該テ−プに等価直径5〜20mmできれば1
0〜15mmの複数の円形(図2のa)或いは多角形
[正方形,矩形,六角形或いは八角形等](図2のb,
c)の開孔(21)を設ける事で、材料の節約と最良の
保護効果を得る事ができる。該テ−プ(2)は、対象亜
鉛被覆層(11)表面に部分的に貼り付ける場合には任
意のサイズにハサミや刃物で切断して貼賦する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 7/00 H02G 7/00 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融亜鉛メッキ被覆鋼材或いは溶射亜鉛被
    覆鋼材といった各種の亜鉛被覆鋼材の表面に、該表面と
    対向する面に導電性粘着剤を貼賦した流電陽極用高純度
    亜鉛または亜鉛合金からなる薄板条(テ−プとも云う)
    で被覆して該亜鉛被覆層の損傷或いは損耗を抑制または
    防止する亜鉛被覆鋼材の保護方法。
  2. 【請求項2】導電性粘着剤を貼賦した高純度亜鉛または
    亜鉛合金からなるテ−プが、等価直径が、5〜20mm
    の円形或いは多角形の複数の開孔を設けた、0.05〜
    0.5mm厚の可撓性テ−プであって、該テ−プで該亜
    鉛被覆鋼材の表面を被覆して該亜鉛被覆層の損傷或いは
    損耗を抑制または防止する請求項1記載の亜鉛被覆鋼材
    の保護方法。
  3. 【請求項3】導電性粘着剤が、アクリル系樹脂を粘着主
    剤とし、重量比率で40〜90%の亜鉛粉粒を導電材と
    して含有し、高純度亜鉛または亜鉛合金からなるテ−プ
    の該亜鉛被覆層と対向する面に貼付して、該亜鉛被覆鋼
    材の表面を被覆して該亜鉛被覆層の損耗を抑制または防
    止する請求項1及び2記載の亜鉛被覆鋼材の保護方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065509A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Tokyo Seiko Co Ltd 屋外設置金属支柱

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