JP4959433B2 - 鋼製橋梁の部分防食方法及び鋼製橋梁 - Google Patents
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Description
このような鋼製橋梁に用いられる耐候性鋼は、大気中に曝露された環境においては、初期には赤錆が形成されるものの、十数年後には、その表面を、銅、リン、クロム等の有効元素が富化して形成された防食性の高い保護性錆層が覆うこととなる。このため、腐食の進展を、著しく遅らせることが可能な構成となっている。
なお、この地点では、海風が圧倒的に卓越しているため、鋼製主桁に付着して錆が形成される要因となる飛来塩分は、風に運ばれて、鋼製橋梁が存在する地点に到達することなる。また、図2中に示す鋼製橋梁1は、左主桁10と、右主桁20から構成されており、床版30を支持する2主桁橋を構成している。
したがって、左主桁10及び右主桁20のうち、雨がかかりやすく、表面に付着した塩分が降雨によって洗い流される外側の面については、乾湿の繰り返しによる良好な錆、すなわち、防食性の高い保護性錆層の形成が期待できるため、耐候性鋼の特性を引き出し、無塗装で用いることが可能である。
また、鋼製橋梁に付着する飛来塩分は、風によって運ばれてくるため、鋼製橋梁の周囲における風の流れも、鋼製橋梁に形成される錆の厚さに関係する。
図3中に示されているように、左主桁10の下端から剥離した流れは、右主桁20の下方を通過していく流れW1と、剥離後に上方へ巻き上げられて右主桁20の風上側へ移動する流れW2に分かれる。そして、右主桁20の風上側へ移動した流れW2は、左主桁10と右主桁20との間の桁内空間40において、循環流Cを形成する。
これにより、右側ウェブ風上側面241においては、図2中に示されるように、下側に形成される錆の厚さが大きく、上側に行くに従って形成される錆の厚さが小さくなっている。なお、図2中に示される錆の厚さは、上述した風の流れに含まれる飛来塩分だけでなく、降雨や、桁内空間40で生じる結露と、その重力降下による付着塩分の洗い流しの影響も受けている。
このため、腐食度合いが激しい部位に対して集中的に防食塗装を施し、防食塗装を施した部位の腐食を抑制することにより、鋼製橋梁全体に対して腐食の進行を抑制し、腐食度合いが均一化された、健全な鋼製橋梁を建設することが可能となる。
しかしながら、鋼製橋梁に対し、形成された錆の厚さを部位別の分布として示す場合には、上述したように、建設当初から長期間に亘る現地調査が必要となるため、現実的には、作業工程上極めて困難である。
そこで、このような問題を解決するため、例えば、特許文献1に記載されている発明が提案されている。
防食塗装を施す部位と、防食塗装を施さない部位との区分が曖昧となると、防食塗装を施す際に必要となる架設足場等の規模や設置範囲が曖昧となり、防食塗装に係るコストが増加してしまうとともに、防食塗装の作業工程が増加してしまうという問題が生じるおそれがある。
本発明は、上述したような問題点に着目してなされたもので、鋼製橋梁の表面に対し、防食塗装を施す部位と、防食塗装を施さない部位とを明確に区分することが可能な、鋼製橋梁の部分防食方法及び鋼製橋梁を提供することを課題とする。
前記鋼製主桁の表面に、当該表面を、所定腐食度合い以上の腐食が予測される高腐食部分と、前記所定腐食度合い未満の腐食が予測される低腐食部分に区分し、且つ前記鋼製主桁の表面から突出する付加部材を取り付け、
前記高腐食部分のみを防食塗装することを特徴とするものである。
このため、鋼製主桁の表面に対し、防食塗装を施す部位と、防食塗装を施さない部位とを明確に区分することが可能となり、防食塗装に係るコスト及び防食塗装の作業工程を減少させることが可能となる。
なお、上記の「所定腐食度合い」とは、例えば、防食性の高い保護性錆層に該当する厚さの錆が形成されると予測される程度の腐食度合いである。
本発明によると、付加部材の形状を、低腐食部分へ付着すると予測される飛来塩分の付着を抑制するような形状としているため、低腐食部分へ付着すると予測される飛来塩分の付着を抑制することが可能となり、低腐食部分に予測される腐食度合いを減少させることが可能となる。
なお、上記の「付加部材の形状」とは、例えば、付加部材自体の形状、付加部材の鋼製主桁の表面からの突出量、付加部材の鋼製主桁の表面に対する取り付け角度等である。
本発明によると、付加部材を非構造部材としているため、鋼製橋梁の強度に影響を与えずに、付加部材を鋼製主桁に取り付けることが可能となり、付加部材の鋼製主桁への取り付け位置を自由に設定することが可能となる。
本発明によると、付加部材を、付加部材の取り付け対象となる鋼製主桁の表面のうち、雨水によって洗浄されない部分に取り付けることにより、所定腐食度合い以上の腐食が予測される部位及びその付近において、高腐食部分と低腐食部分とを明確に区分することが可能となる。
前記鋼製主桁の表面に取り付けられ、且つ前記鋼製橋梁の表面から突出する付加部材を備え、
前記付加部材は、当該付加部材が取り付けられた表面を、所定腐食度合い以上の腐食が予測される高腐食部分と、前記所定腐食度合い未満の腐食が予測される低腐食部分に区分し、
前記高腐食部分のみが防食塗装されていることを特徴とするものである。
このため、鋼製主桁の表面に対し、防食塗装を施す部位と、防食塗装を施さない部位とを明確に区分して、防食塗装を施す部位にのみ防食塗装を施すことが可能となり、防食塗装に係るコスト及び防食塗装の作業工程を減少させることが可能となる。
さらに、鋼製主桁の表面錆は、毛管現象などにより、その腐食範囲を拡大させることが多いが、付加部材を取り付けることにより、毛管現象(塩分の水分による浸透)の伸展経路を遮断することになり、結果として、高腐食部分の拡大を防ぐことが可能となる。
まず、図1を参照して、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法(以下、「部分防食方法」と記載する)の具体例を説明する。
図1は、本実施形態の部分防食方法を適用した、鋼製橋梁1の構成を示す図である。
図1に示すように、鋼製橋梁1は、左主桁10と、右主桁20から構成されており、床版30を支持する2主桁橋を構成している。なお、本実施形態では、鋼製橋梁1を、左主桁10と右主桁20、すなわち、二本の鋼製主桁から構成された2主桁橋として説明するが、鋼製橋梁1の構成は、これに限定されるものではなく、三本以上の鋼製主桁から構成してもよい。また、本実施形態では、左主桁10及び右主桁20を、それぞれ、海風等の、飛来塩分(図1中では符号「●」で表す)を含んだ風(図1中に「風」と示す)に対して、風上に配置されている鋼製主桁を左主桁10とし、風下に配置されている鋼製主桁を右主桁20とした場合について説明する。
左側上フランジ12及び左側下フランジ16は、軸を水平方向に向けて配置されており、左側ウェブ14は、軸を上下方向に向けて配置されている。すなわち、左側上フランジ12及び左側下フランジ16の軸は、共に、左側ウェブ14の軸に対して直角となっており、左側上フランジ12及び左側下フランジ16の断面方向と左側ウェブ14の断面方向は、互いに直角となっている。
左側ウェブ14の風下側の面(以下、「左側ウェブ風下側面142」と記載する)には、左側付加部材18が、軸を水平方向に向けて、左側ウェブ風下側面142から水平方向へ突出するように取り付けられている。すなわち、左側付加部材18の軸は、共に、左側ウェブ14の軸に対して直角となっており、左側付加部材18の断面方向と左側ウェブ14の断面方向は、互いに直角となっている。なお、図1中及び以下の説明では、左側ウェブ14の風上側の面を、「左側ウェブ風上側面141」と記載する。
また、左側付加部材18は、接着剤を用いて接着されることにより、左側ウェブ風下側面142に取り付けることができる。なお、左側付加部材18を、ボルト等の締結部材を用いることにより、左側ウェブ風下側面142に取り付けてもよい。また、左側付加部材18を、溶接により、左側ウェブ風下側面142に取り付けてもよい。
左側ウェブ風下側面142のうち、左側付加部材18が取り付けられている位置から下方の部位には、防食塗装が施されており、塗装膜Mが形成されている。
左側下フランジ16の左側ウェブ14との結合部位は、左側下フランジ16の中央付近となっており、左側ウェブ14の下端部からは、左側下フランジ16の両端部が、水平方向へ突出している。
なお、左主桁10の各部位において、左側下フランジ16の上面及び下面に、防食塗装が施されており、塗装膜Mが形成されている理由については、後述する。
右側上フランジ22及び右側下フランジ26は、軸を水平方向に向けて配置されており、右側ウェブ24は、軸を上下方向に向けて配置されている。すなわち、右側上フランジ22及び右側下フランジ26の軸は、共に、右側ウェブ24の軸に対して直角となっており、右側上フランジ22及び右側下フランジ26の断面方向と右側ウェブ24の断面方向は、互いに直角となっている。
右側ウェブ24の風上側の面(以下、「右側ウェブ風上側面241」と記載する)には、右側付加部材28が、軸を水平方向に向けて、右側ウェブ風上側面241から水平方向へ突出するように取り付けられている。すなわち、右側付加部材28の軸は、共に、右側ウェブ24の軸に対して直角となっており、右側付加部材28の断面方向と右側ウェブ24の断面方向は、互いに直角となっている。なお、図1中及び以下の説明では、右側ウェブ24の風下側の面を、「右側ウェブ風下側面242」と記載する。
また、右側付加部材28は、接着剤を用いて接着されることにより、右側ウェブ風上側面241に取り付けることができる。なお、右側付加部材28を、ボルト等の締結部材を用いることにより、右側ウェブ風上側面241に取り付けてもよい。また、右側付加部材28を、溶接により、右側ウェブ風上側面241に取り付けてもよい。
なお、右側付加部材28の右側ウェブ風上側面241への取り付け位置を設定する方法については、後述する。
また、右側付加部材28の形状、具体的には、右側付加部材28の右側ウェブ風上側面241からの突出量は、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bへ付着すると予測される飛来塩分の付着を抑制するような突出量となっている。例えば、突出量を、100mm程度に設定することができる。
右側下フランジ26の右側ウェブ24との結合部位は、右側下フランジ26の中央付近となっており、右側ウェブ24の下端部からは、右側下フランジ26の両端部が、水平方向へ突出している。
したがって、右主桁20の各部位は、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aと右側下フランジ26の上面及び下面を除き、無塗装となっている。
床版30は、例えば、コンクリートによって形成されており、軸を水平方向に向けた状態で、左主桁10及び右主桁20によって下方から支持されている。具体的には、床版30の下面が、左側上フランジ12の上面及び右側上フランジ22の上面に接触している。
まず、左主桁10が有する、左側上フランジ12、左側ウェブ14及び左側下フランジ16について、それぞれ、以下に示すような複数の部位を設定する。
右側上フランジ22に対しては、左側上フランジ12と同様、その表面を、右側ウェブ24の上端部から、水平方向へ突出している部分の、それぞれの下面に区分する。右側上フランジ22の区分に関する理由は、左側上フランジ12の区分に関する理由と同様である。
右側下フランジ26に対しては、左側下フランジ16と同様、その表面を、右側ウェブ24の下端部から、水平方向へ突出している部分の、それぞれの上面と、右側下フランジ26の下面とする。右側下フランジ26の区分に関する理由は、左側下フランジ16の区分に関する理由と同様である。
本実施形態では、予測される腐食の腐食度合いを求めるために、一例として、本実施形態の鋼製橋梁1と建設地点の環境が似ている地点に存在する鋼製橋梁に対し、この鋼製橋梁が備える鋼製主桁において、建設当初から約20年に亘って累積して形成された錆の厚さの、部位別の分布例を参照する(図2参照)。
これにより、右側ウェブ風上側面241は、その下部が、所定腐食度合い以上の腐食が予測される右側ウェブ風上側高腐食部分241Aに区分され、その上部及び中部が、所定腐食度合い未満の腐食が予測される右側ウェブ風上側低腐食部分241Bに区分される。
また、図2に示されているように、左主桁10の各部位においては、左側下フランジ16の風下側へ突出している部分の上面と、左側下フランジ16の下面が、その他の部位と比較して、形成される錆の厚さが大きくなっている。
また、図2に示されているように、右主桁20の各部位においては、右側下フランジ26の風上側へ突出している部分の上面と、右側下フランジ26の下面が、その他の部位と比較して、形成される錆の厚さが大きくなっている。
また、上述したように、右側ウェブ風上側面241については、その下部に形成される錆の厚さが、上部及び中部に形成される錆の厚さと比較して、大きくなっている。
したがって、鋼製橋梁1全体に対して、腐食状況を均一化するために、左主桁10及び右主桁20の各部位において、その他の部位と比較して、形成される錆の厚さが大きくなっている部位、すなわち、腐食が激しいと予測される部位に防食塗装を施し、塗装膜Mを形成する。
鋼製橋梁1が建設されている地点において、海風等の、飛来塩分を含んだ風が風上から吹くと、この風は、鋼製橋梁1の上方へ移動する流れと、鋼製橋梁1の下方へ移動する流れに分かれる。
両者のうち、鋼製橋梁1の下方へ移動した流れは、左主桁10の下端に衝突して左主桁10の下端から剥離し、右主桁20の下方を通過していく流れと、剥離後に上方へ巻き上げられて右主桁20の風上側へ移動する流れに分かれる。
このとき、右側ウェブ風上側面241には、右側ウェブ風上側面241から突出する右側付加部材28が取り付けられている。また、右側付加部材28の右側ウェブ風上側面241への取り付け位置は、右側ウェブ風上側面241を、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aと、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bに区分する位置に設定されている。
したがって、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法であれば、右側ウェブ風上側面241に、右側ウェブ風上側面241を、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aと、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bに区分する右側付加部材28が取り付けられている。また、右側ウェブ風上側面241において、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aのみに、防食塗装が施されて、塗装膜Mが形成されている。
その結果、防食塗装に係るコスト及び防食塗装の作業工程を減少させることが可能となる。
また、数十年毎に行う防食塗料の塗り替え作業時において、架設足場等を部分的に省略することが可能となるとともに、塗装面積を減少させることが可能となるため、鋼製橋梁1の製造に係る初期コスト及びライフサイクルコストを低減することが可能となる。
このため、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aに形成される錆の厚さが、塗装膜Mが形成されていない場合と比較して小さくなる。
その結果、鋼製橋梁1全体の腐食状況が均一化され、鋼製橋梁1において、局部的な腐食の進行を抑制することが可能となるため、健全な鋼製橋梁1を提供することが可能となる。
その結果、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bに予測される腐食度合いを減少させることが可能となり、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bに形成される錆の厚さを減少させることが可能となる。
また、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法であれば、右側付加部材28を非構造部材としているため、鋼製橋梁1の強度に影響を与えずに、右側付加部材28を右側ウェブ風上側面241に取り付けることが可能となる。
また、特に図示しないが、飛来塩分を含んだ風の状態に応じて左側付加部材18の取り付け位置を上下させることにより、右側ウェブ風上側高腐食部分241Aへ付着する飛来塩分を増加させるとともに、右側ウェブ風上側低腐食部分241Bへ付着する飛来塩分を減少させてもよい。
このため、飛来塩分を含んだ風の風向きが変化し、右主桁20が風上に配置され、左主桁10が風下に配置されている状況となった場合であっても、左側ウェブ風下側面142が、右側ウェブ風上側面241と同様、所定腐食度合い以上の腐食が予測される左側ウェブ風下側高腐食部分と、所定腐食度合い未満の腐食が予測される左側ウェブ風下側低腐食部分に、明確に区分されることとなる。また、左側ウェブ風上側高腐食部分に形成される錆の厚さが、塗装膜Mが形成されていない場合と比較して小さくなる。
また、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法は、飛来塩分を含んだ風の風向きが、左主桁10及び右主桁20の配列方向に沿った向きである場合に用いることが好適である。
また、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法は、風に含まれる飛来塩分が、耐候性鋼が有する飛来塩分に対する適用の限界値を超えてない場合に用いることが好適である。
なお、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法では、右側ウェブ風上側面241に右側付加部材28を取り付けるとともに、左側ウェブ風下側面142に左側付加部材18を取り付けているが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、鋼製橋梁1が建設される地点において、飛来塩分を含んだ風の風向きが、例えば、図1中に示すように、左から右のみであると断定可能な場合であれば、左側ウェブ風下側面142に左側付加部材18を取り付けなくともよい。右側付加部材28についても同様である。
また、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法では、左側付加部材18及び右側付加部材28を非構造部材としているが、これに限定されるものではない。もっとも、本実施形態の鋼製橋梁の部分防食方法のように、左側付加部材18及び右側付加部材28を非構造部材とすることが、付加部材の鋼製主桁への取り付け位置を自由に設定することが可能となるため、好適である。
10 左主桁
12 左側上フランジ
14 左側ウェブ
142 左側ウェブ風下側面
16 左側下フランジ
18 左側付加部材
20 右主桁
22 右側上フランジ
24 右側ウェブ
241 右側ウェブ風上側面
241A 右側ウェブ風上側高腐食部分
241B 右側ウェブ風上側低腐食部分
26 右側下フランジ
28 右側付加部材
30 床版
40 桁内空間
M 塗装膜
C 循環流
Claims (5)
- 表面の腐食が予測される鋼製主桁を部分的に防食塗装する鋼製橋梁の部分防食方法であって、
前記鋼製主桁の表面に、当該表面を、所定腐食度合い以上の腐食が予測される高腐食部分と、前記所定腐食度合い未満の腐食が予測される低腐食部分に区分し、且つ前記鋼製主桁の表面から突出する付加部材を取り付け、
前記高腐食部分のみを防食塗装することを特徴とする鋼製橋梁の部分防食方法。 - 前記付加部材の形状を、前記低腐食部分へ付着すると予測される飛来塩分の付着を抑制するような形状としたことを特徴とする請求項1に記載した鋼製橋梁の部分防食方法。
- 前記付加部材を、非構造部材としたことを特徴とする請求項1または2に記載した鋼製橋梁の部分防食方法。
- 前記付加部材を、当該付加部材の取り付け対象となる表面のうち、雨水によって洗浄されない部分に取り付けることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した鋼製橋梁の部分防食方法。
- 表面の腐食が予測される鋼製主桁を備えた鋼製橋梁であって、
前記鋼製主桁の表面に取り付けられ、且つ前記鋼製橋梁の表面から突出する付加部材を備え、
前記付加部材は、当該付加部材が取り付けられた表面を、所定腐食度合い以上の腐食が予測される高腐食部分と、前記所定腐食度合い未満の腐食が予測される低腐食部分に区分し、
前記高腐食部分のみが防食塗装されていることを特徴とする鋼製橋梁。
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