JP2002348690A - リング状複合流電陽極 - Google Patents

リング状複合流電陽極

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JP2002348690A
JP2002348690A JP2001153937A JP2001153937A JP2002348690A JP 2002348690 A JP2002348690 A JP 2002348690A JP 2001153937 A JP2001153937 A JP 2001153937A JP 2001153937 A JP2001153937 A JP 2001153937A JP 2002348690 A JP2002348690 A JP 2002348690A
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ring
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steel
anode
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Kiyomi Saito
清美 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリ−ト或いはアスファルト製土木基盤床
面に敷設される施設や設備を支えている鋼製支柱(管)
は、該支柱のコンクリ−ト床面との境界すなわち地際部
の異常腐食により、設計寿命以前に新規に取替えを余儀
無くされている事態がままある。該地際部は、極めて過
酷な腐食環境下にある。定期的に補修されているもの
の、固定構造物であり、多くの場合経済活動への弊害が
避けられず、補修工事は、手間取り非効率的である。電
気防食を適用するには、電解質水分が少なく、乾湿繰返
し環境のため有効な手段になり得ない。かかる条件下で
優れた電気防食効果を維持し、取付け・取替え工事が簡
単容易な電気防食用複合流電陽極を提供する。 【解決手段】流電陽極用亜鉛板を鋼製支柱管の大きさに
合わせてリング状ド−ナツ型(底無し灰皿状)に打抜き
又は/及び張り出し成型加工し、複数の切り込み又は/
および一箇所切断する。或いは半割り加工してリング状
とし、該鋼製支柱管と対向する面に導電性亜鉛ペ−スト
(粘着剤)を貼賦又は充填したリング状複合亜鉛流電陽
極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、コンクリ−トやア
スファルト等の土木基盤床面に敷設された鋼製構造物の
地際部分の腐食抑制又は防止に関する。詳しくは、各種
の道路標識,ガ−ドレ−ル,或いは街路灯等の施設の支
柱は、鋼製の管柱が使用され、コンクリ−−ト或いはア
スファルト製の土木基盤床面に埋め込み固定されてい
る。本発明は、該管柱と該基盤コンクリ−ト或いはアス
ファルト床面との境界部すなわち地際部の鋼材に生ずる
腐食の抑制或いは防止に使用する複合流電陽極に関す
る。
【0002】
【従来の技術】工場建物,工場機械設備,道路標識,ガ
−ドレ−ル,街路灯,橋梁手摺,フェンス或いは各種の
鉄塔等の施設は、コンクリ−トやアスファルト等の土木
基盤床面に埋め込み固定された鋼製支柱管によって支え
られている。
【0003】これらの鋼製支柱管は、外的衝撃に遭って
も破損しないように設計されいる。しかし、年月の経過
によって設計寿命以前に、外的衝撃で破損することが現
実にしばしば起こっている。その最大の理由は、該支柱
管の地際部分の局部腐食による強度の低下にある。該管
の肉厚が5%減少すると強度は半減するといわれる。
【0004】該鋼製支柱管の腐食を抑制或いは防止する
手段として、溶融亜鉛メッキ被覆や各種の塗覆装等が施
されている。これらの対策は、それ自体有効な手段であ
るが、基本的に該鋼製支柱管の腐食環境(水分や大気汚
染物質等)からの遮断にあるので、該被覆や塗覆装が疵
ついたり破損或いは劣化して剥離すると、その部分の防
錆或いは防食機能が喪失し腐食が進行する。
【0005】該鋼製支柱管の腐食は、多くの場合、常時
大気に暴らされている部分に比して該鋼製支柱管と基盤
コンクリ−トやアスファルトとの境界すなわち地際部分
に図1の腐食現象の概念図に示す如く、該支柱管(2)
の地際部(21)外周に沿って局部的に進行するのが特徴
である。
【0006】該地際部分(21)は、いわゆる隅部を形成
し塵埃や水分が溜まりやすく大気汚染物質や海塩粒子が
集積し露点を下げさらに水を呼び、該地際部分(21) の
大気側近傍の鋼材が陽極(23)となり、コンクリ−ト側
の鋼材が陰極(24)となって電池を形成し陽極部(23)
の鋼材が消耗,浸食される。
【0007】加えて、塵埃や水分を保有した地際部分
(21)の鋼材の面積は、コンクリ−ト中の鋼材の面積に
比して小さく該部分の鋼材は局部的に浸食され、さらに
該部分(21)を支点とした繰返し応力が集中し易く鋼製
支柱管の破損に繋がり兼ねない。
【0008】該地際部分(21)は、二重管や肉厚管或い
はより耐食性の材料で補強したり、塗覆装等による腐食
防止対策が取られているが、製作や施工が繁雑でコスト
的に見合わずもっぱら塗覆装で腐食環境との遮断を図っ
ているのが実情である。しかし、この対策は、恒久的で
はなく定期或いは不定期に補修や新支柱(2)との取換
えを余儀無くされている。対象が固定構造物であるた
め、補修や取換え工事は該構造物を使用或いは利用する
経済活動を阻害することにもなり兼ねず簡単,容易では
ない。
【0009】一方,腐食は水分の存在下での電池作用に
よる電気化学反応であるから、電気防食(陰極防食)が
考えられるが、防食電流を供給するに不可欠な電解質水
溶液が薄膜状又は乾湿繰返し状況あるため通常の電気防
食手段では、防食効果は殆ど期待できない。従って、現
状では、該鋼製支柱管の腐食防止は溶融亜鉛メッキ,樹
脂ライニング或いは各種の塗装が主体とならざるを得な
い状況にある。
【0010】溶融亜鉛メッキ被覆や各種の塗覆装は、該
被覆層が健全であれば有効な手段であるが、該被覆層の
厚さは数100μm程度であり、運搬や施工時に何等か
の外的衝撃にあうと疵付き易く、直接強い太陽光線に当
られたり乾湿が繰返される環境にあっては、劣化が避け
られず短期間に素地の鉄鋼素材が外気に暴らされる。特
に、地際部分(21)は、常時外気に暴らされている上部
構造の該鋼管支柱(2)表面よりも過酷な腐食条件下に
あるので該被覆層の劣化が促進され易い。該被覆層の補
修工事は、対象が固定構造物であるため一時的処置はと
もかく,長期的に健全な処理手段や経済活動に弊害のな
い施工手段は実用的に期待薄である。
【0011】金属の腐食は、基本的に電解質水溶液の存
在下での電池作用による電気化学反応であるから、この
腐食反応を逆利用して、腐食電解質水溶液内で対象金属
部分を陰極的に保持することによって該金属の腐食を抑
制或いは防止する方法がある。電気防食方法或いは陰極
防食方法と呼ばれている。
【0012】電気防食方法には、外部の直流電源を利用
する外部電源方式と異種金属の電位の差を利用する流電
陽極方式とがある。電気防食方法は、腐食の原理の逆利
用であり、保守管理が行き届くならば最も有効な防食手
段である。しかし、腐食の直接原因である電気を導く電
解質溶液の存在が不可欠である。
【0013】本発明の対象である鋼製支柱(2)の地際
部分(21)は、局部的溜水箇所であり、加えて季節や気
候に左右される乾湿繰返し環境でもある。外部の直流電
源と不溶性陽極を用いる外部電源方式による電気防食方
法は設備や維持管理の点で効果に見合わず不経済で実用
的でない。一方、鉄鋼の電位よりも卑な電位を有する金
属(例えば、亜鉛,アルミニウム,マグネシウム及びこ
れらの金属を基とした合金等)との電池作用で防食電流
を供給する流電陽極方式は、船体外板,熱交換器,鋼管
杭或いは鋼矢板といった常時海水等の電解質水溶液中に
ある鋼構造物の防食に広く使用され、その効果は良く知
られている。
【0014】しかしながら、本発明の対象である溜水或
いは乾湿繰返し環境中で常用のブロックやスラブ状の流
電陽極方式による防食は、実用に供された例を見聞した
事はない。
【0015】その理由は、水分は存在しても、流電陽極
と鋼製支柱(2)の地際部(21)との接続が薄膜状に近
い溜水を介しての接触であるため、通常のブロック状或
いはスラブ状の流電陽極では効果的に作用しない。しか
も、乾湿繰返環境であるから水分が存在しないか,水滴
状でしか存在しない期間があるので、さらに防食効果は
期待に乏しい。
【0016】電解質溶液が、薄膜或いは不連続で対象防
食金属体と接していても流電陽極と該対象防食金属体表
面との間に、電気防食に必要な電気的接続を保持する手
段として、可撓性薄板(テ−プ,ストリップ,帯板)流
電陽極を用いる技術が特公昭52−16854号公報に
記載されている。
【0017】該公報技術は、該対象防食金属体表面と対
向する薄板流電陽極面に導電性接着剤が塗布してある。
各種の配管外面,タンク,鉄塔,街路灯,屋外設置機器
或いはボックス等の腐食抑制或いは防止に使用する旨記
載されている。
【0018】本発明の主要防食対象物である鋼製支柱
(2)の地際部(21)に特公昭52−16854号公報
の技術を適用した。海岸線を走る高速道路の標識塔の支
柱部(2)および該支柱地際部(21)にテスト的に使用
した。約1年間は異常なかったが、2年を経過後支柱上
部構造は特に問題は見られなかったものの該支柱(2)
の地際部(21)の該薄板流電陽極(テ−プ状亜鉛)は部
分的に浮き上がり,密着が低下していた。該薄板と該支
柱(2)との間に溶解生成物や塵埃等が詰まっていた。
導電性接着剤を介して薄板と支柱が接続されているが、
時間の経過と共に両者間の隙間に水分が浸透し、さらに
塵埃或いは大気汚染物質が溜まり、乾湿繰返しや強い日
射と寒冷が加わって接着剤の接着力が低下し、隙間が徐
々に拡大して両者間の電気抵抗が高くなり防食電流の発
生を阻止する方向に作用したものである。
【0019】3年経過後は、該支柱地際部(21)の薄板
流電陽極は殆ど浮き上がりその下地の管支柱(2)は赤
褐色の錆で覆われ該錆下は抉られたように浸食されてい
た。管支柱(2)上部構造の該薄板陽極も該支柱地際部
(21)周辺から浮き上がりが見られ管支柱(2)と薄板
陽極との密着が低下していることが判明した。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】鋼製支柱構造物(主と
して鋼管支柱)は、公共施設或いは経済活動を安全,円
滑に稼働させるための施設や設備を支える縁の下の力持
である。雨水を始めとして夏場の強い太陽光線,冬場の
寒冷或いは海塩粒子,大気汚染物質に暴らされ極めて厳
しい腐食環境に置かれている。該鋼管支柱のネックであ
る地際部の流電陽極による腐食抑制は、少ない溜水や乾
湿繰返し環境にあっても、長期に亘って防食効果が確実
で補修や取替え施工が容易な手段が望まれる。
【0021】上述の情況を勘案して、恒久的な土木基盤
床面に敷設された鋼製構造物(主として鋼管支柱)の地
際部の腐食を抑制或いは防止するに当たって、長期に亘
って防食効果を保持し且つ該鋼製構造物が支える施設や
設備の経済的活動を阻害することなく取替工事が簡単で
容易な流電陽極を提供するのが本発明の目的である。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段は次の通りである。すなわち、図1のコンクリ
−ト又はアスファルト製土木基盤床(4)に敷設された
鋼製構造物支柱地際部(21)に、図2及び図3に示す該
支柱地際部(21)の形状或いは大きさを内径とした平又
は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽極(11)であっ
て、該流電陽極(11)の該支柱地際部(21)と対向する
面に導電性ペ−スト(3)を貼賦或いは充填した図4の
構造を有するリング状複合流電陽極(1)を取付けるこ
とである。
【0023】鋼製構造物支柱(2)は、多くの場合鋼管
支柱であるが、形状や大きさには制限はない。流電陽極
の加工の容易性から円形が望ましい。
【0024】流電陽極は、亜鉛,アルミニウム或いはこ
れらの金属を基とした合金が考えられるが、鋳造或いは
圧延加工での製作や成型加工の容易性並びに性能の安定
性から、亜鉛又は亜鉛合金が適する。
【0025】平又は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽
極(11)は、鋳造又は圧延加工した流電陽極板を打抜き
及び/又は張出し成型加工で仕上げ、鋼製構造物支柱外
面(2)と対向する内径側から外径側に向かって複数の
切り欠き(12)又は/及び該リングの1箇所を切断(1
3)或いは図3の如く半割りにすることで、新設は勿論
既設の支柱にも容易に取付けることができる。長寿命用
としては、鋳造したド−ナツ型リング(半割り)状流電
陽極が適している。
【0026】平又は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽
極(11)は該鋼製支柱(2)と対向する面に金属亜鉛粉
粒70%(重量)以上を含有し、ブチ−ルゴム系粘着剤
と混合した導電性ペ−スト(3)を貼賦した図4に示す
基本構造を有するリング状複合流電陽極(1)とする
か、或いは図3に示す半割りリング状流電陽極(11)と
して該鋼製支柱(2)との隙間に該導電性ペ−スト
(3)を充填することによって、該鋼製支柱(2)の壁
面の凹凸に追従して隙間なく貼着する。このように導電
性ペ−スト(3)とリング状流電陽極(11)を複合化し
たことで、表面の流電陽極(11)が消耗するまで該導電
性ペ−スト(3)は、該流電陽極(11)と該鋼製支柱
(2)との電子伝導としての導通の役割を果すのみで消
耗に与からず変質もしない。
【0027】さらに、該平又は円錐状のド−ナツ型リン
グ状複合流電陽極(1)をコンクリ−ト又はアスファル
ト製土木基盤床(4)に固定する補助手段としてアンカ
−ボルト[プラグレスボルト](14)で固定することによ
って、該リング状複合流電陽極(1)と該鋼製支柱
(2)との接続固定を一段と補強できる。特にド−ナツ
型リング状の鋳造複合流電陽極(図6)の固定補助手段
として有効である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基ずいて
詳述する。本実施例で本発明の適用は限定されるもので
はなく、地際部を有する鉄鋼構造物の流電陽極による電
気防食に関する本発明の請求範囲の技術範疇に属する手
段が含まれる。
【0029】道路標識,ガ−ドレ−ル,橋梁等の施設や
設備を支えている鋼製支柱は、コンクリ−ト又はアスフ
ァルト製等の土木基盤床に埋め込み固定されている。該
支柱と該基盤床との境界部すなわち地際部は、いわゆる
隅部を形成し塵埃が集積し、雨水は溜水になり、海塩粒
子・大気汚染物質の存在或いは日射・寒冷に暴らされ、
加えて乾湿繰返し環境にあり、極めて厳しい腐食条件下
に置かれている。
【0030】該鋼製支柱の耐久性は、該支柱の地際部の
腐食抑制或いは防止に懸かっていると云っても過言では
ない。
【0031】本発明は、流電陽極による該支柱地際部の
電気防食手段を鋭意検討し、効果的な流電陽極を開発し
たものである。
【0032】前述の
【従来の技術】の項の
【0018】,
【0019】で開示したように海岸線を走る高速道路の
標識塔鋼製支柱管(2)の地際部(21)に対して、特公
昭52−16854号公報記載の導電性接着剤付薄板亜
鉛(テ−プ)流電陽極と本願発明の複合亜鉛流電陽極
(1)[導電性亜鉛ペ−ストと亜鉛板との複合材]との
比較テストを行った。
【0033】該標識塔鋼製支柱管(2)は、外径60m
mで既設支柱管(8年経過)である。建設当時は、溶融
亜鉛メッキの上に塗装が施されていた。塗装は2〜3年
毎に塗り替え補修が行われていた。大気中に露出した部
分は、塗装が部分的に剥離していたが、下地の亜鉛メッ
キは残存していた。しかし、該支柱管(2)の地際部
(21)の塗膜は浮き上がり、部分的に剥離し下地の亜鉛
メッキも大部分がなくなり赤褐色の錆や塵埃で覆われ、
数箇所は抉られたように該支柱管(2)の円周方向にリ
ング状に浸食されていた。
【0034】錆や塵埃で覆われた箇所は、少量の水分を
保有し、PH5.9〜6.5で抵抗率は360〜740
Ωcmと電導性のある腐食性の強い水溶液であった。定
期的に該支柱地際部(21)のコンクリ−ト(4)を削っ
て該鋼管支柱地際部(21)上下20〜30cmを塗装補
修しているが、補修本数が多く交通の少ない時間帯を見
ての作業であるため人手と手間を要し極めて非効率な工
事であった。
【0035】構造的には、15年以上はまだ持ち堪える
と予想されるが、該地際部(21)の浸食を抑制し、少な
くとも該施設の耐用年数近くまでは、保持させたいとの
意向があり、図2及び図3に示すリング状流電陽極(1
1) と導電性ペ−ストからなる本発明のリング状複合亜
鉛流電陽極(1)による防食方法を採用した。
【0036】対象が、既設の支柱(2)であるため、同
心円ド−ナツ型リング状複合流電陽極(1)は、簡単に
は挿入・嵌合できない。
【0037】該鋼製支柱(2)に適用するに当って、製
作・取付け施工或いは寿命を考慮して、リング状亜鉛流
電陽極板(11)を採用した。該リング状亜鉛流電陽極板
(11)は、0.3mmtの圧延加工仕上げの流電陽極
用亜鉛合金(0.2%Al含有)板を用いた。該合金板
は、外径110mm,内径70mmの平円錐台形で複数
の切込み(12)をいれてリング状に打抜き,張出し成型
加工後、該リング (11)の一箇所(13)を内径側から
外径側に向かって切断した。この切込み切断(13)操作
を行う事により該リング状流電陽極(11)は、既設の支
柱(2)に容易に嵌め込む事ができる。該リング状流電
陽極(11)は、対象鋼製支柱(2)の外面と対向する面
に導電性亜鉛ペ−スト[ZAPペ−スト;三井金属製]
(3)を2〜2.5mmt貼賦して図4に示す基本構造
のリング状複合亜鉛流電陽極 (1)として該鋼製支柱
管(2)の地際部(21)の防食に適用した。
【0038】また、該リング状複合亜鉛流電陽極(1)
の寿命を延ばすため、鋳造によって、図3に示す外径1
10mm,内径70mm,厚さ5mmの半割りリングを
製作した。該半割りリング状亜鉛流電陽極(11) は、内
径側にテ−パを設け導電性亜鉛ペ−スト(3)をより多
く充填させ対象鋼製支柱(2)の外面と導通接触を高め
るようにした。更にコンクリ−ト床面との接触固定を確
保するためアンカ−ボルト(プラグレスボルト)取り付
け用固定孔(6)4個を搾孔した。
【0039】該リング状複合亜鉛流電陽極(1)は、対
象鋼製支柱(2)の外面の錆や汚れをワイヤ−ブラシ或
いは手動研掃機で除去し、該支柱の地際部(21)のコン
クリ−ト(4)は削ることなく表面清掃のみで該地際部
(21)に沿って取り付け、次いで該リング状複合陽極
(1)の上層面から押圧してセットを完了した。該リン
グ状複合亜鉛流電陽極(1)のコンクリ−ト床面(4)
と接するひだ部(51)は、導電性亜鉛ペ−スト(3)を
介して密着するが、より安全強固に固定させるために該
床面(4)にアンカ−ボルト[別名;プラグレスボル
ト](14)を用いて4箇所固定した。図5及び図6に本発
明のリング状複合流電陽極(1)を鋼管支柱(2)に取
付けた防食装置の概要図を示す。
【0040】鋼製支柱60本を対象に本発明のリング状
複合流電陽極(1)を取付けた。60本中30本につい
ては、図2に示す0.3mmtの圧延亜鉛板から製作し
た底無し灰皿型のリング状流電陽極(11) を用いた。残
りの内20本は図3の5mmt鋳造半割り型リング状流
電陽極(11) を用いた。更に残りの10本は、比較とし
て前述の特公昭52−16854号公報の導電性接着剤
付薄板亜鉛流電陽極を取付けた。本発明のリング状複合
流電陽極(1)の取付け工事は、特殊な技術や道具・工
具類を必要とせず、2工×2日=4工数ですべての作業
が完了した。比較材は巻き付け方式のためしばしば重ね
皺を生じ巻き直し作業が必要であった。これらの作業
は、昼間交通遮断のトラブルも無く終了できた事は大き
なメリットであった。
【0041】約4箇年近く経過しているが、本発明のリ
ング状複合流電陽極(1)を取付けた鋼製支柱管(2)
の地際部(21)には新たな腐食や異常は見られていな
い。比較材を取付けた鋼製支柱管(2)の地際部(21)
は、2年経過後から陽極の浮き上がりが目立ち始め密着
が低下していた。3年経過時点では、浮き上がりは広が
り隙間に溶解生成物や塵埃等が集積し、海塩粒子を含む
雨水が溜まり錆の発生が見られ防食の効果が低下してい
る事が判明した。異常の見られた比較材は、すべて本発
明の5mmt鋳造半割り型リング状複合流電陽極(1)
に取替えた。
【0042】
【発明の効果】以上、詳述したように、従来、コンクリ
−ト或いはアスファルト等の土木基盤床面に埋設・固定
されている鋼製支柱管の地際部の流電陽極による電気防
食として、薄板亜鉛を直接張り付けた例があるが、期待
される効果が得られていない。該薄板亜鉛陽極と鋼管支
柱との電気導通の不安定さにあった。長期的に該薄板亜
鉛陽極と鋼管支柱との界面に塵埃,溶解生成物,海塩粒
子,各種の大気汚染物質或いは乾湿繰り返しによる溜水
等が隙間に集積し、時間の経過と共に隙間の間隔が拡大
し、電気的導通回路が絶たれることにある。それには、
両者間を電池の接続の如く電子伝導で導通させる必要が
ある。亜鉛流電陽極板の片面(鋼製支柱の外面と対向す
る面)に導電性亜鉛ペ−スト(粘着剤)を貼賦した複合
亜鉛流電陽極とすることで解決できた。さらに亜鉛流電
陽極板をリング状に打ち抜き,張り出し加工し、複数の
切欠きや一箇所切断したり或いは厚みのある圧延又は鋳
造亜鉛板を半割りリング状に加工することで既存の鋼製
支柱(管)の地際部への取付け施工や取替工事が施設の
経済稼働を阻害することなく簡単,容易で確実に実施で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼製支柱管地際部の腐食概念の説明図である。
【図2】各種の形態を有するリング状流電陽極の例を示
す図。
【図3】半割りリング状流電陽極
【図4】リング状複合流電陽極の基本構造を示す図。
【図5】リング状複合流電陽極を鋼製支柱管地際部に取
付けた防食装置の例図。
【図6】半割りリング状複合流電陽極を鋼製支柱管地際
部に取付けた防食装置の例図
【符号の説明】
1 リング状複合流電陽極 11 リング状流電陽極 12 切り欠き部 13 切断箇所 14 プラグレスボルト 2 鋼製支柱管 21 支柱管の地際部 3 導電性粘着剤(導電性亜鉛ペ−スト) 4 コンクリ−ト床面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリ−ト又はアスファルト製土木基盤
    床に敷設された鋼製構造物支柱地際部の電気防食(陰極
    防食)用流電陽極が、該支柱地際部の形状或いは大きさ
    を内径とした平又は円錐状のド−ナツ型リング状であっ
    て、該流電陽極の該支柱地際部と対向する面に導電性ペ
    −ストを貼賦或いは充填したリング状複合流電陽極。
  2. 【請求項2】流電陽極が、亜鉛又は亜鉛合金であって鋳
    造材或いは圧延加工材である請求項1に記載のリング状
    複合流電陽極。
  3. 【請求項3】平又は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽
    極は、鋳造或いは圧延加工で製作した流電陽極板を打抜
    き及び/又は張り出し成型加工で仕上げした請求項1及
    び2に記載のリング状複合流電陽極。
  4. 【請求項4】平又は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽
    極は、該支柱地際部外面と対向する内径側から外径側に
    向かって複数の切り欠き又は/及び該リングの1箇所を
    切断或いは半割りした請求項1〜3に記載のリング状複
    合流電陽極。
  5. 【請求項5】鋼製構造物支柱地際部と対向する流電陽極
    面に貼賦或いは充填する導電性ペ−ストが、金属亜鉛粉
    粒70%(重量)以上を含有し、ブチ−ルゴム系粘着剤
    と混合したものである請求項1〜4に記載のリング状複
    合流電陽極。
  6. 【請求項6】平又は円錐状のド−ナツ型リング状流電陽
    極をコンクリ−ト又はアスファルト製土木基盤床に固定
    する補助手段としてアンカ−ボルト(プラグレスボル
    ト)で固定した請求項1〜5に記載のリング状複合流電
    陽極。
  7. 【請求項7】鋼製構造物支柱が、鋼管柱であり、該鋼管
    柱地際部の電気防食に使用する請求項1に記載のリング
    状複合流電陽極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102677104A (zh) * 2011-03-07 2012-09-19 中山市琪朗灯饰厂有限公司 一种制造灯饰配件的电铸沉积方法及利用该方法制造的灯具的灯臂

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CN102677104A (zh) * 2011-03-07 2012-09-19 中山市琪朗灯饰厂有限公司 一种制造灯饰配件的电铸沉积方法及利用该方法制造的灯具的灯臂

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