JP2002371035A - メタクリル酸メチルの製造方法 - Google Patents
メタクリル酸メチルの製造方法Info
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- JP2002371035A JP2002371035A JP2001175226A JP2001175226A JP2002371035A JP 2002371035 A JP2002371035 A JP 2002371035A JP 2001175226 A JP2001175226 A JP 2001175226A JP 2001175226 A JP2001175226 A JP 2001175226A JP 2002371035 A JP2002371035 A JP 2002371035A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルからメタクリ
ル酸メチルを選択的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルをメタノ
ールと共に結晶性アルミノ珪酸塩に接触させ、次いで得
られた反応生成物をリン酸およびシリカを主成分とし好
ましくはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素およ
び/またはランタニド系元素を更に含む固体触媒に接触
させてメタクリル酸メチルを生成する。
ル酸メチルを選択的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルをメタノ
ールと共に結晶性アルミノ珪酸塩に接触させ、次いで得
られた反応生成物をリン酸およびシリカを主成分とし好
ましくはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素およ
び/またはランタニド系元素を更に含む固体触媒に接触
させてメタクリル酸メチルを生成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ヒドロキシイ
ソ酪酸メチルを原料としてメタクリル酸メチルを効率的
に製造する方法に関する。メタクリル酸メチルは、合成
樹脂の原料として、またメタクリル酸メチルより誘導さ
れる各種のエステルは塗料樹脂の原料として工業的に重
要なものである。特に、メタクリル酸メチルポリマーは
耐候性および、透明性の優れた樹脂として工業的に重要
な用途がある。
ソ酪酸メチルを原料としてメタクリル酸メチルを効率的
に製造する方法に関する。メタクリル酸メチルは、合成
樹脂の原料として、またメタクリル酸メチルより誘導さ
れる各種のエステルは塗料樹脂の原料として工業的に重
要なものである。特に、メタクリル酸メチルポリマーは
耐候性および、透明性の優れた樹脂として工業的に重要
な用途がある。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に特許2727618
において、2−ヒドロキシカルボン酸エステル、および
2−または3−アルコキシカルボン酸エステルの単独ま
たは混合物を原料として用い、結晶性アルミノ珪酸塩を
触媒として反応させることによるα,β不飽和カルボン
酸及び/又はそのエステルの製造法を提供した。しかし
ながら、α,β不飽和カルボン酸エステルのみを製造し
ようとした場合、α,β不飽和カルボン酸の生成は後の
精製の工程で目的のα,β不飽和カルボン酸エステルの
収量を低下させたり、重合による不都合を招くなど、製
造コストの増大を招く要因となる。そこで、さらに経済
的なプロセス、具体的には副生するα,β不飽和カルボ
ン酸の生成量を低下させる方法の開発が必要であった。
さらに、日本国特許2906547で、α−ヒドロキシ
カルボン酸エステルを結晶性アルミノ珪酸塩に接触反応
させ、得られた反応生成物を固体リン酸触媒などに接触
させ、α,β不飽和カルボン酸エステルを得る方法が開
示されている。しかしながら、リン酸を含有する固体酸
触媒は、目的の反応に対し一様にエステル化活性を示す
ものの、詳細な説明および実施例に記載されているリン
酸シリカアルミナは、その高いエステル化活性が、反応
開始から数週間という比較的短い期間で急激に低下する
という欠点があり、長期にわたり高いエステル化活性を
示す触媒の開発が必要であった。
において、2−ヒドロキシカルボン酸エステル、および
2−または3−アルコキシカルボン酸エステルの単独ま
たは混合物を原料として用い、結晶性アルミノ珪酸塩を
触媒として反応させることによるα,β不飽和カルボン
酸及び/又はそのエステルの製造法を提供した。しかし
ながら、α,β不飽和カルボン酸エステルのみを製造し
ようとした場合、α,β不飽和カルボン酸の生成は後の
精製の工程で目的のα,β不飽和カルボン酸エステルの
収量を低下させたり、重合による不都合を招くなど、製
造コストの増大を招く要因となる。そこで、さらに経済
的なプロセス、具体的には副生するα,β不飽和カルボ
ン酸の生成量を低下させる方法の開発が必要であった。
さらに、日本国特許2906547で、α−ヒドロキシ
カルボン酸エステルを結晶性アルミノ珪酸塩に接触反応
させ、得られた反応生成物を固体リン酸触媒などに接触
させ、α,β不飽和カルボン酸エステルを得る方法が開
示されている。しかしながら、リン酸を含有する固体酸
触媒は、目的の反応に対し一様にエステル化活性を示す
ものの、詳細な説明および実施例に記載されているリン
酸シリカアルミナは、その高いエステル化活性が、反応
開始から数週間という比較的短い期間で急激に低下する
という欠点があり、長期にわたり高いエステル化活性を
示す触媒の開発が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記のような課題を解決し、2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチルからメタクリル酸メチルを選択的に製
造する方法を提供することである。
技術における上記のような課題を解決し、2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチルからメタクリル酸メチルを選択的に製
造する方法を提供することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、2−ヒ
ドロキシカルボン酸エステル、とくに2−ヒドロキシイ
ソ酪酸メチルからメタクリル酸メチルを選択的に製造す
る方法について鋭意検討を行った。その結果、2−ヒド
ロキシイソ酪酸メチルを先ず結晶性アルミノ珪酸塩(ゼ
オライト)を触媒とし接触反応させ、つぎに得られた反
応ガスを凝縮させることなくリン酸およびシリカを主成
分とする固体触媒と接触反応させることにより、メタク
リル酸メチルを選択的に、長期間にわたり安定的に高収
率で得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
ドロキシカルボン酸エステル、とくに2−ヒドロキシイ
ソ酪酸メチルからメタクリル酸メチルを選択的に製造す
る方法について鋭意検討を行った。その結果、2−ヒド
ロキシイソ酪酸メチルを先ず結晶性アルミノ珪酸塩(ゼ
オライト)を触媒とし接触反応させ、つぎに得られた反
応ガスを凝縮させることなくリン酸およびシリカを主成
分とする固体触媒と接触反応させることにより、メタク
リル酸メチルを選択的に、長期間にわたり安定的に高収
率で得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、第1の触媒として結晶
性アルミノ珪酸塩を用い、第2の触媒としてリン酸およ
びシリカを主成分とする固体酸を用い気相で接触反応さ
せることにより、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルからメ
タクリル酸メチルを選択的に、高収率で製造する方法で
ある。
性アルミノ珪酸塩を用い、第2の触媒としてリン酸およ
びシリカを主成分とする固体酸を用い気相で接触反応さ
せることにより、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルからメ
タクリル酸メチルを選択的に、高収率で製造する方法で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明におけるメタクリ
ル酸メチルの製造方法について説明する。本発明の方法
における2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの接触反応は、
原料と触媒が接触し得る方法であれば全て採用すること
が可能であるが、特に気相での反応が好ましい。また、
反応方式も固定床反応形式や流動床反応形式など任意の
反応形式が採用可能である。
ル酸メチルの製造方法について説明する。本発明の方法
における2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの接触反応は、
原料と触媒が接触し得る方法であれば全て採用すること
が可能であるが、特に気相での反応が好ましい。また、
反応方式も固定床反応形式や流動床反応形式など任意の
反応形式が採用可能である。
【0007】本反応では、原料の2−ヒドロキシイソ酪
酸メチルと共にメタノールを共存させ反応平衡をメタク
リル酸メチルの側に有利にしておくことが好ましい。ま
た、第1の結晶性アルミノ珪酸塩触媒を通過した反応生
成物は、凝縮させることなく、第2のリン酸およびシリ
カを主成分とする固体触媒と接触させるのが、凝縮、再
蒸発に伴うエネルギーの浪費を避ける上で、また重合等
の不都合を回避する上で好ましく、この方法によって高
品質のメタクリル酸メチルを選択的に、高収率で製造す
ることが出来る。
酸メチルと共にメタノールを共存させ反応平衡をメタク
リル酸メチルの側に有利にしておくことが好ましい。ま
た、第1の結晶性アルミノ珪酸塩触媒を通過した反応生
成物は、凝縮させることなく、第2のリン酸およびシリ
カを主成分とする固体触媒と接触させるのが、凝縮、再
蒸発に伴うエネルギーの浪費を避ける上で、また重合等
の不都合を回避する上で好ましく、この方法によって高
品質のメタクリル酸メチルを選択的に、高収率で製造す
ることが出来る。
【0008】本発明の方法において、メタクリル酸メチ
ルの加水分解生成物であるメタクリル酸の生成を抑制す
ることのみを目的とするなら、大過剰のメタノールを反
応系に共存させることも考えられるが、過剰なメタノー
ルからのメタクリル酸メチルの分離、生成に要するエネ
ルギーコストが増大し、好ましくない。本発明の方法に
おける第1の結晶性アルミノ珪酸塩触媒としては、フォ
ージャサイト型ゼオライトが好ましく、また第2のリン
酸およびシリカを主成分とする固体触媒としては、いか
なる方法で調製されたリン酸−シリカ触媒でも使用可能
であるが、好適なものとしてシリカにリン酸塩を混練し
焼成したもの、またはリン酸をシリカに含浸担持して製
造した固体触媒が挙げられる。さらに詳細に説明する
と、リン酸およびシリカを主成分とする固体触媒は、多
孔質なシリカにリン酸を含浸担持し焼成したものか、ま
たは上記のシリカ源とリン酸アンモニウムなどのリン酸
塩を混練後、焼成したものが本発明の触媒として好まし
い。さらに、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素
および/またはランタニド系元素を、リン酸およびシリ
カを主成分とする固体触媒と共存させることはジメチル
エーテルの副生を抑えるので好ましい。使用しうるアル
カリ金属元素としてはLi,Na,K,RbおよびCs
が、アルカリ土類金属元素としてはMg,CaおよびB
aが、ランタニド元素としてはLa,Ce,Smおよび
Ybが例示される。これらアルカリ金属元素、アルカリ
土類金属元素および/またはランタニド系元素の触媒へ
の添加量は0.01〜5重量%とするのが好ましい。触
媒中のリン酸の含量は1〜50重量%が好ましいが、特
に5〜40重量%が好適である。また、触媒調製時の焼
成温度は含浸操作時の水などの溶媒を除去できる温度
か、リン酸塩をリン酸に分解できる温度であれば特に限
定されない。
ルの加水分解生成物であるメタクリル酸の生成を抑制す
ることのみを目的とするなら、大過剰のメタノールを反
応系に共存させることも考えられるが、過剰なメタノー
ルからのメタクリル酸メチルの分離、生成に要するエネ
ルギーコストが増大し、好ましくない。本発明の方法に
おける第1の結晶性アルミノ珪酸塩触媒としては、フォ
ージャサイト型ゼオライトが好ましく、また第2のリン
酸およびシリカを主成分とする固体触媒としては、いか
なる方法で調製されたリン酸−シリカ触媒でも使用可能
であるが、好適なものとしてシリカにリン酸塩を混練し
焼成したもの、またはリン酸をシリカに含浸担持して製
造した固体触媒が挙げられる。さらに詳細に説明する
と、リン酸およびシリカを主成分とする固体触媒は、多
孔質なシリカにリン酸を含浸担持し焼成したものか、ま
たは上記のシリカ源とリン酸アンモニウムなどのリン酸
塩を混練後、焼成したものが本発明の触媒として好まし
い。さらに、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素
および/またはランタニド系元素を、リン酸およびシリ
カを主成分とする固体触媒と共存させることはジメチル
エーテルの副生を抑えるので好ましい。使用しうるアル
カリ金属元素としてはLi,Na,K,RbおよびCs
が、アルカリ土類金属元素としてはMg,CaおよびB
aが、ランタニド元素としてはLa,Ce,Smおよび
Ybが例示される。これらアルカリ金属元素、アルカリ
土類金属元素および/またはランタニド系元素の触媒へ
の添加量は0.01〜5重量%とするのが好ましい。触
媒中のリン酸の含量は1〜50重量%が好ましいが、特
に5〜40重量%が好適である。また、触媒調製時の焼
成温度は含浸操作時の水などの溶媒を除去できる温度
か、リン酸塩をリン酸に分解できる温度であれば特に限
定されない。
【0009】本発明の方法を実施するに当たっては、反
応器の第1段目に結晶性アルミノ珪酸塩触媒を、第2段
目にリン酸およびシリカを主成分とする固体触媒を充填
し、場合によっては同伴ガスとして不活性ガスを少量流
し、第1段目の反応温度を150〜450℃、好ましく
は200〜350℃の範囲、第2段目の反応温度を70
〜300℃、好ましくは80〜250℃の範囲に選び、
原料である2−ヒドロキシイソ酪酸メチルを単独で、ま
たはメタノールを共存させる場合は供給する2−ヒドロ
キシイソ酪酸メチルに対し、0.1〜20倍モルの範囲
のメタノールと共に反応器に供給して反応させる。
応器の第1段目に結晶性アルミノ珪酸塩触媒を、第2段
目にリン酸およびシリカを主成分とする固体触媒を充填
し、場合によっては同伴ガスとして不活性ガスを少量流
し、第1段目の反応温度を150〜450℃、好ましく
は200〜350℃の範囲、第2段目の反応温度を70
〜300℃、好ましくは80〜250℃の範囲に選び、
原料である2−ヒドロキシイソ酪酸メチルを単独で、ま
たはメタノールを共存させる場合は供給する2−ヒドロ
キシイソ酪酸メチルに対し、0.1〜20倍モルの範囲
のメタノールと共に反応器に供給して反応させる。
【0010】原料の2−ヒドロキシイソ酪酸メチルは単
独で用いても良いし、2−または3−アルコキシイソ酪
酸エステルや、2−ヒドロキシイソ酪酸との混合物でも
良い。このようにして得られた反応生成液は、抽出や蒸
留により容易に高品質なメタクリル酸メチルが得られ
る。また、これらの操作で分離、回収される未反応原料
は、再度反応原料として利用することが出来る。
独で用いても良いし、2−または3−アルコキシイソ酪
酸エステルや、2−ヒドロキシイソ酪酸との混合物でも
良い。このようにして得られた反応生成液は、抽出や蒸
留により容易に高品質なメタクリル酸メチルが得られ
る。また、これらの操作で分離、回収される未反応原料
は、再度反応原料として利用することが出来る。
【0011】
【実施例】以下に、実施例および比較例によって本発明
の方法をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。 実施例
の方法をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。 実施例
【0012】(触媒の調製)触媒1 比表面積300m2 /gのシリカ(3mmφ球状)20
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、水40
gをガラス製ナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポ
レータで減圧下、水を留去することにより、リン酸をシ
リカに含浸担持させた。これをさらに電気炉で500
℃、3時間焼成することにより25%P2O5 /SiO
2 触媒を調製した。
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、水40
gをガラス製ナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポ
レータで減圧下、水を留去することにより、リン酸をシ
リカに含浸担持させた。これをさらに電気炉で500
℃、3時間焼成することにより25%P2O5 /SiO
2 触媒を調製した。
【0013】触媒2 比表面積300m2 /gのシリカ(3mmφ球状)20
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、Na2
CO3 (和光純薬製)を0.1g、水40gを用いた以
外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.16%Na−
25%P2 O5/SiO2 触媒を調製した。
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、Na2
CO3 (和光純薬製)を0.1g、水40gを用いた以
外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.16%Na−
25%P2 O5/SiO2 触媒を調製した。
【0014】触媒3 比表面積300m2 /gのシリカ(3mmφ球状)20
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、酢酸マ
グネシウム4水和物(和光純薬製)を0.9g、水40
gを用いた以外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.
4%Mg−25%P2 O5 /SiO2 触媒を調製した。
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、酢酸マ
グネシウム4水和物(和光純薬製)を0.9g、水40
gを用いた以外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.
4%Mg−25%P2 O5 /SiO2 触媒を調製した。
【0015】触媒4 比表面積300m2 /gのシリカ(3mmφ球状)20
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、炭酸ラ
ンタン(和光純薬製)を0.13g、水40gを用いた
以外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.3%La−
25%P2 O5/SiO2 触媒を調製した。
gと、85%リン酸(和光純薬製)11.0g、炭酸ラ
ンタン(和光純薬製)を0.13g、水40gを用いた
以外は触媒1の調製方法と同様に行い、0.3%La−
25%P2 O5/SiO2 触媒を調製した。
【0016】実施例1 内径15mmφ×450mmのガラス製の反応管に、第
1段目にSi/Al比=1.6のNa型フォージャサイ
トゼオライトを4g、第2段目に25%P2 O 5 /シリ
カ触媒(触媒1)を6g充填し、触媒層の温度を第1段
目250℃、第2段目150℃に保った。メタノールを
溶媒とした濃度50重量%の2−ヒドロキシイソ酪酸メ
チル溶液を5.5g/hで予熱層を通して気化し触媒層
に供給した。反応開始4時間目の生成液を分析した結
果、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.5
%であり、メタクリル酸メチル(MMA)への選択率は
95.0%、メタクリル酸、アセトン、及び2−メトキ
シイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満であった。ま
た、同伴させたメタノールから副生したジメチルエーテ
ル(DME)の2段目の反応での収率は、5.5モル%
であった。反応器出口での2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ルの転化率が99%以上となるよう、1段目の触媒層の
反応温度を上げながら反応を継続した。反応開始から4
0日を経過した時点での、2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ルの転化率は99.2%、メタクリル酸メチルへの選択
率は94.8%であり、メタクリル酸、アセトン、およ
び2−メトキシイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満
であった。
1段目にSi/Al比=1.6のNa型フォージャサイ
トゼオライトを4g、第2段目に25%P2 O 5 /シリ
カ触媒(触媒1)を6g充填し、触媒層の温度を第1段
目250℃、第2段目150℃に保った。メタノールを
溶媒とした濃度50重量%の2−ヒドロキシイソ酪酸メ
チル溶液を5.5g/hで予熱層を通して気化し触媒層
に供給した。反応開始4時間目の生成液を分析した結
果、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.5
%であり、メタクリル酸メチル(MMA)への選択率は
95.0%、メタクリル酸、アセトン、及び2−メトキ
シイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満であった。ま
た、同伴させたメタノールから副生したジメチルエーテ
ル(DME)の2段目の反応での収率は、5.5モル%
であった。反応器出口での2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ルの転化率が99%以上となるよう、1段目の触媒層の
反応温度を上げながら反応を継続した。反応開始から4
0日を経過した時点での、2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ルの転化率は99.2%、メタクリル酸メチルへの選択
率は94.8%であり、メタクリル酸、アセトン、およ
び2−メトキシイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満
であった。
【0017】比較例1 第2段目の触媒として、15%固体リン酸/シリカアル
ミナ触媒を6g用いた以外は実施例1と同様に実験を行
った。反応開始から4時間目の生成液を分析した結果、
2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.5%で
あり、メタクリル酸メチルへの選択率は95.0%、メ
タクリル酸、アセトン、及び2−メトキシイソ酪酸メチ
ルへの選択率は各1%未満であった。反応器出口での2
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率が99%以上とな
るよう、1段目の触媒層の反応温度を上げながら反応を
継続した。反応開始から40日を経過した時点での、2
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.2%であ
ったが、メタクリル酸メチルへの選択率は92.1%で
あり、メタクリル酸の生成量は4.3%と増加し、エス
テル化活性の低下が観察された。アセトン、及び2−メ
トキシイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満であっ
た。
ミナ触媒を6g用いた以外は実施例1と同様に実験を行
った。反応開始から4時間目の生成液を分析した結果、
2−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.5%で
あり、メタクリル酸メチルへの選択率は95.0%、メ
タクリル酸、アセトン、及び2−メトキシイソ酪酸メチ
ルへの選択率は各1%未満であった。反応器出口での2
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率が99%以上とな
るよう、1段目の触媒層の反応温度を上げながら反応を
継続した。反応開始から40日を経過した時点での、2
−ヒドロキシイソ酪酸メチルの転化率は99.2%であ
ったが、メタクリル酸メチルへの選択率は92.1%で
あり、メタクリル酸の生成量は4.3%と増加し、エス
テル化活性の低下が観察された。アセトン、及び2−メ
トキシイソ酪酸メチルへの選択率は各1%未満であっ
た。
【0018】実施例2〜5 各実施例において、表1に示した第2段目の触媒及び反
応温度以外は実施例1と同様の条件にて実施した。各実
施例におけるメタクリル酸メチルおよびジメチルエーテ
ルへの選択率は表1に示す通りであるが、2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチルの転化率は99%以上であった。
応温度以外は実施例1と同様の条件にて実施した。各実
施例におけるメタクリル酸メチルおよびジメチルエーテ
ルへの選択率は表1に示す通りであるが、2−ヒドロキ
シイソ酪酸メチルの転化率は99%以上であった。
【0019】 表1 実施例 触媒 反応温度(℃) MMA収率(%) DME副生収率(%) 4時間後 40日後 4時間後 1 触媒1 150 94.5 94.0 5.5 2 触媒1 130 95.3 94.9 2.5 3 触媒2 150 94.9 94.4 2.3 4 触媒3 150 95.4 94.5 2.4 5 触媒4 150 95.0 94.1 2.6 MMA:メタクリル酸メチル DME:ジメチルエーテル MMA収率(%):2−ヒドロキシイソ酪酸メチルに対するMMAのモル収率 DME副生収率(%): DME生成収量(モル)×2/供給メタノール量(モル)×100
【0020】
【発明の効果】本発明は、2−ヒドロキシイソ酪酸メチ
ルを出発原料とし、触媒として第1段目に結晶性アルミ
ノ珪酸塩を、第2段目にリン酸およびシリカを主成分と
する固体触媒を用いて温和な条件下での接触反応を実施
し、高品質のメタクリル酸メチルを選択的に高収率を以
て製造する方法を提供するものであり、その工業的な意
義は極めて大きいものである。
ルを出発原料とし、触媒として第1段目に結晶性アルミ
ノ珪酸塩を、第2段目にリン酸およびシリカを主成分と
する固体触媒を用いて温和な条件下での接触反応を実施
し、高品質のメタクリル酸メチルを選択的に高収率を以
て製造する方法を提供するものであり、その工業的な意
義は極めて大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 英二 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 竹本 眞規 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 阿部 崇文 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 BA02 BA06 BA08 BA35 BA68 BA71 KA31 4H039 CA21 CG10
Claims (4)
- 【請求項1】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルを結晶性
アルミノ珪酸塩に接触させ、次いで得られた反応生成物
をリン酸およびシリカを主成分とする固体触媒に接触さ
せる事を特徴とするメタクリル酸メチルの製造方法。 - 【請求項2】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルをメタノ
ールと共に結晶性アルミノ珪酸塩に接触させる請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 2−ヒドロキシイソ酪酸メチルを結晶性
アルミノ珪酸塩に接触させて得たメタクリル酸メチル、
メタクリル酸、およびメタノールを含む反応生成ガスを
凝縮させること無く、リン酸およびシリカを主成分とす
る固体触媒に接触させる請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 リン酸およびシリカを主成分とする固体
触媒がアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素および
/またはランタニド系元素を含む請求項1に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001175226A JP2002371035A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | メタクリル酸メチルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001175226A JP2002371035A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | メタクリル酸メチルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002371035A true JP2002371035A (ja) | 2002-12-26 |
Family
ID=19016400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001175226A Pending JP2002371035A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | メタクリル酸メチルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002371035A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017014144A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸、その誘導体の製造法 |
-
2001
- 2001-06-11 JP JP2001175226A patent/JP2002371035A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017014144A (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-19 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸、その誘導体の製造法 |
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