JP2002370687A - 二輪車用フロントフォーク - Google Patents

二輪車用フロントフォーク

Info

Publication number
JP2002370687A
JP2002370687A JP2001182939A JP2001182939A JP2002370687A JP 2002370687 A JP2002370687 A JP 2002370687A JP 2001182939 A JP2001182939 A JP 2001182939A JP 2001182939 A JP2001182939 A JP 2001182939A JP 2002370687 A JP2002370687 A JP 2002370687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
valve
pipe
front fork
throttle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001182939A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Jo
忠 城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2001182939A priority Critical patent/JP2002370687A/ja
Publication of JP2002370687A publication Critical patent/JP2002370687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面入力に連動して圧力レギュレータが容易
に動作しないようにして操縦性の安定化が図れる二輪車
用フロントフォークを提供すること。 【解決手段】 インナチューブ2とアウタチューブ3の
間に介装した懸架スプリング13の端部を油圧駆動式の
押圧部材14で支持し、ブレーキ操作時にブレーキディ
スク17を通してブレーキキヤリパ18に加わる車軸回
りのブレーキ力を圧力レギュレータ21,21aにより
油圧に変換し、この油圧を配管33を介して押圧部材1
4に加え、当該油圧により押圧部材14を通して懸架ス
プリング13を圧縮しつつイニシャル荷重を高めること
でインナチューブ2とアウタチューブ3の圧縮動作を抑
制してノーズダイブ量を抑える二輪車用フロントフォー
クにおいて、上記の配管33の途中に絞り機構34を設
けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オートバイ等の
エンジン付き自動二輪車の前輪を車体に対して弾性的に
支持するフロントフォークに関し、さらに詳しくは、ブ
レーキ操作に伴う慣性によって車体前部の沈み込み現象
即ち車体の前傾姿勢を抑制するアンチノーズダイブ機構
を備えた二輪車用フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】そもそも、二輪車用のフロントフォーク
は、前輪に対して車体を弾性的に支持するために、前輪
からの衝撃や車体に加わる外力を吸収してエネルギーと
して蓄える懸架スプリングと、これら衝撃や外力および
懸架スプリングが蓄えたエネルギーを熱に変換して放出
する減衰機構、並びに、上記懸架スプリングと減衰機構
を用いて伸縮自在のフロントフォークとする構造体とか
らなっている。
【0003】しかし、これだけでは、ブレーキを操作し
たときに前輪の分担荷重増大と路面からの制動力によっ
て懸架スプリングが圧縮され、フロントフォークが収縮
動作して車体の前部が過度に沈み込む所謂ノーズダイブ
現象を引き起こす。
【0004】このノーズダイブは、二輪車としての車体
姿勢に大きな変化をもたらすばかりでなく、サスペンシ
ョンとしてのジオメトリ変化即ちキャスタ等の変化をも
たらし、二輪車としての走行安定性を害することにな
る。
【0005】特に、このようなジオメトリ変化は、、多
くの車両がブレーキを掛けることで路面が荒れているこ
との多いコーナーや交差点前でのブレーキ操作時に大き
く現れ、乗心地と走行安定性の確保に対して著しい悪影
響をもたらす。
【0006】そうかと言って、二輪車としての乗心地を
良好に保つために懸架スプリングの特性をソフトにして
フロントフォークとしてのストロークを増やしてやる
と、圧縮ストロークが大きくなるのにつれて沈み込み傾
向が強まることになり、二輪車としての走行安定性を却
って著しく低下させることにもなりかねない。
【0007】そこで、二輪車用のフロントフォークにあ
っては、ブレーキ操作時のノーズダイブ現象を極力抑制
するために、従来から以下に述べるような各種方式のア
ンチノーズダイブ機構が採用されている。
【0008】すなわち、従来から用いられているアンチ
ノーズダイブ機構は、ブレーキ操作の油圧力に比例して
フロントフォークの圧側減衰力を高めていくブレーキ圧
力感応式のものや、或いは、ブレーキ操作時に発生する
ブレーキ力に伴って生じるブレーキキャリパの車軸回り
のブレーキ力を利用して圧側減衰力を高めるブレーキキ
ャリパ感応式のものなどがある。
【0009】また、その他にも、ブレーキ操作に連動し
て閉じられるブレーキスイッチによりソレノイドスプー
ルを付勢して圧側減衰力を高めるもの、フロントフォー
クの圧縮ストローク位置により圧側減衰力を高めて制御
するブレーキスイッチ感応式や位置依存式など、各種方
式ものが広く一般に知られており、実車にも既に適用さ
れている。
【0010】これらの中で、特に、ブレーキキャリパ感
応式のものは、ブレーキ操作時にブレーキ油圧をブレー
キキャリパへと送り込んで前輪に対し同軸に固定したブ
レーキディスクを挟み付け、当該ブレーキディスクにブ
レーキ力を加えることで制動するようにしている。
【0011】このように、ブレーキキャリパへと送り込
んだブレーキ油圧がこれらブレーキキャリパとブレーキ
ディスクを通して二輪車の前輪に対し直に作用して制動
力を加えることから、この種のアンチノーズダイプ機構
としての制御手段としては好ましいと言える。
【0012】しかし、上記したブレーキキャリパ感応式
のものは勿論のこと、他の何れの方式のものにあって
も、ブレーキ操作時に加わる慣性力で車体が前傾するノ
ーズダイブ現象を当該ブレーキ操作に伴うフロントフォ
ークの圧側減衰力の増大で抑制するという基本的な考え
に基いて全て構成されている。
【0013】そのために、ノーズダイブ現象を抑制する
ことはできたとしても、圧側減衰力の増大が二輪車とし
ての乗心地や走行安定性を低下させる傾向となり、特
に、多くの車両がブレーキを掛けることで荒れた路面と
なっていることの多いコーナーや交差点前での乗心地と
走行安定性の確保が重要であるにも拘らずできないこと
になる。
【0014】そこで、これら乗心地や走行安定性を確保
するためにブレーキ操作時における圧側減衰力の増大率
を小さくすると、今度は車体前部の沈み込み抑制作用が
充分でなくなり、その結果、乗心地と車体姿勢維持の相
反する特性を調整するための減衰力の設定が難しくなる
などの問題点があった。
【0015】この為、本発明者はブレーキ操作時のノー
ズダイブを抑えて車体の姿勢変化を抑制すると共に、緩
衝装置としての本来の作動を確保しつつ車両としての乗
心地や走行安定性の低下を防ぐことのできるアンチノー
ズダイブ機能を有する二輪車用フロントフォークを開発
した(特願平11−351224号)。
【0016】このフロントフォーク1は図8に示すよう
に、インナチューブ2とアウタチューブ3との間に介装
した懸架スプリング13の端部を油圧駆動式の押圧部材
14で支持し、この押圧部材14に対してブレーキ操作
時にブレーキディスクを通してブレーキキヤリパ18に
加わる車軸回りのブレーキ力を圧力レギュレータ21に
より油圧に変換して加え、当該油圧で押圧部材14を通
し懸架スプリング13を圧縮しつつイニシャル荷重を高
めることで、インナチューブ2とアウタチューブ3の圧
縮動作を抑制してノーズダイブ量を抑えるものである。
【0017】このフロントフォーク1によれば、前輪ブ
レーキの操作時に発生するブレーキ油圧をブレーキキャ
リパ18へと送り込んでブレーキディスク17を挟み付
け、当該ブレーキキャリパ18とブレーキディスク17
の摩擦により二輪車の前輪に対して制動力を加える。
【0018】一方、上記ブレーキディスク17との摩擦
により制動力の大きさに応じて生じたブレーキキャリパ
18の車軸回りの回転力は、圧力レギュレータ21を通
してそのときの制動力に応じた油圧に変換され、フロン
トフォーク側に設置された押圧部材14に送られ、前輪
に対するブレーキ力に応じて押圧部材14を押し進めつ
つ懸架スプリング13を圧縮する。
【0019】これにより、前輪ブレーキの操作力に応じ
て懸架スプリング13のイニシャル荷重が増大し、この
イニシャル荷重の増大でフロントフォーク1の伸長力を
強め、前輪のブレーキ操作に伴う車体前部の沈み込み量
(ノーズダイブ量)を補正して車体姿勢の変化を抑制す
る。
【0020】しかも、前輪ブレーキの操作力に応じて懸
架スプリング13のイニシャル荷重が増大するだけで懸
架スプリング本来のスプリング定数には変化を来すこと
がなく、したがって、フロントフォークとしての圧縮動
作を確保しつつ車両としての乗心地や走行安定性の低下
を防ぐことができるのである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
8に示すフロントフォークでは、フロントフォーク1の
下部より車輪を介して路面外部入力が突き上げ力として
懸架スプリング13に作用してこれを圧縮すると、押圧
部材14が上昇し、圧力レギュレータ21が圧縮する。
この為リンク20を介してブレーキキャリパ18が回転
すると逆方向に移動することになり、その結果ブレーキ
の効き度合が変動し、悪くすると過剰な制動となって車
輪をロックする等、操縦性を著しく低下させるおそれが
あるという不具合があることが分った。
【0022】そこで、本発明は上記従来のフロントフォ
ークを改良し、路面入力に連動して圧力レギュレータが
容易に動作しないようにして操縦性の安定化が図れる二
輪車用フロントフォークを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の手段は、インナチューブとアウタチューブ
の間に介装した懸架スプリングの端部を油圧駆動式の押
圧部材で支持し、ブレーキ操作時にブレーキディスクを
通してブレーキキヤリパに加わる車軸回りのブレーキ力
を圧力レギュレータにより油圧に変換し、この油圧を配
管を介して押圧部材に加え、当該油圧により押圧部材を
通して懸架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷重を高
めることでインナチューブとアウタチューブの圧縮動作
を抑制してノーズダイブ量を抑える二輪車用フロントフ
ォークにおいて、上記の配管の途中に絞り機構を設けた
ことを特徴とするものである。
【0024】この場合、絞り機構が単一の絞り弁からな
るものであっても良い。
【0025】同じく、配管の途中に圧力レギュレータか
らの油の流れのみを許容するチェック弁と第1の絞り弁
とを直列設け、更に配管に上記のチェック弁と第1の絞
り弁とを迂回するバイパスを設け、このバイパスの途中
に第2の絞り弁を設け、チォェック弁と第1,第2の絞
り弁で絞り機構を構成しても良い。
【0026】同じく、配管の途中に圧力レギュレータか
らの油の流れのみを許容するチェック弁を設け、更に配
管に上記チェック弁を迂回するバイパスを設け、このバ
イパスの途中に当該バイパスからのパイロット圧で開閉
する遮蔽弁と絞り弁とを直列に設け、上記チェック弁と
遮蔽弁と絞り弁とで絞り機構を構成しても良い。
【0027】同じく、配管の途中に圧力レギュレータか
らの油の流れのみを許容するチェック弁を設け、更に配
管に上記チェック弁を迂回するバイパスを設け、このバ
イパスの途中にブレーキスイッチ信号で開閉する遮蔽弁
と絞り弁とを直列に設け、上記チェック弁と遮蔽弁と絞
り弁とで絞り機構を構成しても良い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるアンチノー
ズダイブ機構を組み込んだ二輪車用フロントフォークの
具体的な構成例である実施の形態について説明する。
【0029】図1に示すように、フロントフォーク1
は、テレスコープ状に挿し込んだインナチューブ2とア
ウタチューブ3とで伸縮自在の支柱4を構成し、かつ、
インナチューブ2でアウタチューブ3の内部に下部油室
5を区画している。
【0030】アウタチューブ3の底面中央部からは、イ
ンナチューブ2の内部に亙りフォークボルト6で下端を
固定したセンタチューブ7が起立して延びており、この
センタチューブ7の上端に形成したピストン8でインナ
チューブ2の内部を貯油室9と上部油室10とに区画し
ている。
【0031】下部油室5は、センタチューブ7に穿った
圧側減衰力発生用の油孔11を通して、同じく上部油室
10は、伸側減衰力発生用の油孔12を通してインナチ
ューブ2内の貯油室9にそれぞれ連通し、結果として上
下部油室10,5は、圧側および伸側減衰力発生用の油
孔11,12を通して相互にも連通している。
【0032】貯油室9の内部には、インナチューブ2と
ピストン8との間に位置して懸架スプリング13が介装
してあり、この懸架スプリング13のスプリング荷重で
インナチューブ2とアウタチューブ3を伸長方向に付勢
している。
【0033】そして、このように構成したフロントフォ
ーク1を二本づつ一組としてインナチューブ2の上方部
分を図示しないブラケットで結び、当該ブラケットに設
けたステアリングシャフトを通して車体に対し操舵自在
に枢着し、また、左右のアウタチューブ3の下端で前輪
の車軸を支持し、前輪に対して伸縮自在の緩衝筒1を通
して車体前部を弾性的に支持する。
【0034】なおフロントフォーク1については、一例
を挙げただけで必ずしも上記構成のものに限らず、その
他の広く一般に用いられている構造のもであってもよ
い。
【0035】この発明にとって特に重要な点は、懸架ス
プリング13の端部を油圧駆動式の押圧部材14で支持
し、前輪のブレーキ操作と並行してこの押圧部材14に
配管33と、配管33の途中に設けた絞り機構31を介
して圧油を供給し、当該押圧部材14で懸架スプリング
13を圧縮しつつイニシャル荷重を高めることで、イン
ナチューブ2とアウタチューブ3の圧縮動作を抑制して
ノーズダイブ量を最小限に抑えることである。
【0036】図1の実施の形態にあっては、押圧部材1
4としてフリーピストン15を用い、このフリーピスト
ン15をインナチューブ2内の貯油室9の上端に油室1
6を形成して配置し、かつ、反対側の面で懸架スプリン
グ13の端部を支持している。
【0037】一方、ブレーキディスク17と共働して前
輪ブレーキを構成するブレーキキャリパ18は、車軸1
9回りに即ち車軸19を中心として一端を回動自在に軸
支したリンク20で支持し、当該リンク20の他端を伸
縮筒からなる圧力レギュレータ21で車軸19の支持部
をもつ伸縮筒1の部分即ちアウタチューブ3の部分に連
結している。
【0038】この実施の形態の場合、上記した圧力レギ
ュレータ21は、図6にみられるように、シリンダ22
とピストン23とからなる伸縮筒として構成されてお
り、シリンダ22の内部をピストン23でヘッド側の作
動油室24とロッド側のエアー室25とに区画すると共
に、後者のエアー室25には、潤滑に必要な量の油をも
封入してある。
【0039】圧力レギュレータ21におけるシリンダ2
2の連結部26は、図1に示すように、連結ピン27で
車軸19の支架部28をもつフロントフォーク1の部分
即ちこの実施の形態ではアウタチューブ3の上方外周部
に、また、ピストン23から外部へと伸びるピストンロ
ッド29の先端の連結部30は、連結ピン31でリンク
20の先端にそれぞれ回動自在に連結されている。
【0040】そして、圧力レギュレータ21に作動油室
24へと通じて設置した油圧ポート32を配管33でフ
ロントフォーク1における上端内部のフリーピストン1
5によって区画された油室16へと連通したのである。
そして配管33の途中には単一の絞り弁35からなる絞
り機構34が設けられている。
【0041】かくして、二輪車の走行中に前輪ブレーキ
を操作すると、ブレーキ油圧によりブレーキキャリパ1
8が前輪と共に回転しているブレーキディスク17を挟
み付け、これらブレーキディスク17とブレーキキャリ
パ18との摩擦によって二輪車の前輪に制動力を加え
る。
【0042】その結果、二輪車は、この前輪ブレーキ操
作によって生じる車体の慣性で前輪に対しフロントフォ
ークを通して弾性的に支持した車体前部が沈み込む所謂
ノーズダイブ現象を引き起こす傾向となる。
【0043】しかし、上記したブレーキディスク17と
ブレーキキャリパ18との間の摩擦力即ちそのときの制
動力は、常に車軸19の回りのリンク20の回転力とし
て圧力レギュレータ21における作動油室24の油圧に
変換され、フロントフォークを構成する左右伸縮筒1,
1における各油室16,16へと送り込まれる。
【0044】これら油室16,16へと送り込まれてき
た油圧は、フロントフォーク1,1のフリーピストン1
5,15を下方へと向って個々に押し下げ、左右の懸架
スプリング13,13を圧縮してトータルとしてのスプ
リング力を増大させる。
【0045】これにより、前輪ブレーキ操作に伴う慣性
力によって生じるフロントフォーク1,1の沈み込み量
を補正し、このようにして、車体姿勢の変化を抑制しつ
つノーズダイブ量を極力小さく抑えることが可能になる
のである。
【0046】しかも、上記のように懸架スプリング13
のイニシャル荷重を変化させてフロントフォークの車体
支持力を増大させるようにしたことは、従来の圧側減衰
力の増大による場合に比べて車体支持力を増大させたと
してもスプリング定数は変らず、フロントフォークとし
ての圧縮動作は確保されることから乗心地や走行安定性
を低下させることはない。
【0047】他方、本発明では配管33中に絞り弁35
を設けているために、圧力レギュレータから押圧部材1
4への油の流れ及び押圧部材14側から圧力レギュレー
タ21への油の流れに抵抗を与えている。この為、特に
路面入力によって押圧部材14が突き上げられたりして
も油室16の油が絞り弁35が絞られている為に当該押
圧部材14の動きが抑制され、結果的に圧力レギュレー
タ21に対する油圧が規制され、この圧力レギュレータ
21の動きが抑制される。この為ブレーキの効き度合が
変動したり、車輪がロックされて操縦性を低下するのが
防止される。
【0048】なお、図7は、前記した図6における圧力
レギュレータ21の他の実施の形態を示すものであっ
て、先の図6で示した圧力レギュレータ21の作動油室
24内に対してシリンダ22とピストン23との間にス
プリング34を介装した点でのみ異なっている。
【0049】この図7に示す圧力レギュレータ21aに
よれば、前輪制動力に応じて発生する圧力レギュレータ
21aの作動油室24の油圧をスプリングSのスプリン
グ力分だけ低く保ち得ることから、その分だけ懸架スプ
リング13のスプリング定数を低くしてフロントフォー
クとしての前輪支持力を柔らかくし、二輪車としての乗
心地と走行安定性とを保ちながら適切なノーズダイブの
抑制効果をも果たすことが可能になる。
【0050】次に絞り機構34の各実施の形態を図2乃
至図5にもとづいて説明する。
【0051】図2は図1で説明したように、絞り機構3
4が単一の絞り弁35からなるものである。この場合、
圧力レギュレータ21から押圧部材14への油の流れも
抑制されるが、例えば図7の圧力レギュレータ21aで
はスプリングSの強さと絞り弁35との組み合せで油の
流量を決めることができ、一つの絞り弁35であっても
使用上問題は無い。
【0052】図3は他の実施の形態に係り、これは配管
33の途中に圧力レギュレータ21又は21aからの油
の流れのみを許容するチェック弁36と第1の絞り弁3
7とを直列設け、更に配管33に上記のチェック弁36
と第1の絞り弁37とを迂回するバイパス41を設け、
このバイパス41の途中に第2の絞り弁38を設け、チ
ォェック弁36と第1,第2の絞り弁37,38で絞り
機構34を構成しているものである。
【0053】この実施の形態では流れ方向別に絞り弁3
7,38を設けるので個々に絞り特性を設定することが
でき、設定の自由度が高くなる。尚、図6,図7の圧力
レギュレータ21,21aを備えたものに適用できる
が、特に図6のばね要素の少ないものと組合せる場合に
有効である。
【0054】図4に示す他の実施の形態は、配管33の
途中に圧力レギュレータ21又は21aからの油の流れ
のみを許容するチェック弁36を設け、更に配管33に
上記チェック弁36を迂回するバイパス41を設け、こ
のバイパス41の途中に当該バイパス41からのパイロ
ット圧で開閉する遮蔽弁42と絞り弁39とを直列に設
け、上記チェック弁36と遮蔽弁42と絞り弁39とで
絞り機構34を構成しているものである。
【0055】この実施の形態では圧力レギュレータ21
又は21aの圧力が予め規定したレベルに達するとパイ
ロット圧で遮蔽弁42が閉じ、押圧部材14から圧力レ
ギュレータ21又は21a方向には油は流れない。この
為ブレーキを作用させ、圧力レギュレータ21又は21
a側の圧力が規定レベル以上になると遮蔽弁42とチェ
ック弁36とで押圧部材14側の油室16が油圧ロック
状態となり、路面入力による突き上げ力があっても押圧
部材14は移動しない。但し、更なるブレーキ加圧操作
があった時は、先に述べたように圧力レギュレータ21
又は21aから油室16に圧油は供給できる。
【0056】又ブレーキを緩めたり、解放するとブレー
キキャリパ18でのブレーキ力が無くなるので圧力レギ
ュレータ21,21aは自由状態となり、パイロット圧
が無くなり、遮蔽弁42はリターンスプリング44で連
通ポジションに戻される。尚絞り弁39は遮蔽弁42が
開いた時押圧部材14側から圧力レギュレータ21,2
1a方向に油が急激に流れるのを規制する。
【0057】図5は他の実施の形態に係り、これは配管
33の途中に圧力レギュレータ21又は21aからの油
の流れのみを許容するチェック弁36を設け、更に配管
33に上記チェック弁36を迂回するバイパス41を設
け、このバイパス41の途中にブレーキスイッチ信号P
で開閉する遮蔽弁43と絞り弁40とを直列に設け、上
記チェック弁36と遮蔽弁43と絞り弁40とで絞り機
構を構成しているものである。作用,効果は図4の場合
と同じである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0059】(1) 各請求項の発明によれば、インナチュ
ーブとアウタチューブ間に介装した懸架スプリングの端
部を油圧駆動式の押圧部材で支持し、この押圧部材に対
してブレーキ操作時にブレーキディスクを通してブレー
キキヤリパに加わる車軸回りのブレーキ力を圧力レギュ
レータにより油圧に変換して加え、当該油圧により押圧
部材を通して懸架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷
重を高めることで、インナチューブとアウタチューブの
圧縮動作を抑制してノーズダイブ量を抑えることができ
る。そして沈み込み抑制力を増大して車体に発生するノ
ーズダイブを抑えたとしても、懸架スプリングのイニシ
ャル荷重が増大するだけでスプリング定数は変らずにフ
ロントフォークとしての圧縮動作が確保されることか
ら、二輪車としての乗心地や走行安定性を低下させるこ
となくノーズダイブの発生を抑えることが可能になる。
【0060】(2) 同じく上記のように、制動力であるブ
レーキキヤリパの摩擦反力を入力としてフロントフォー
クを通し車体のノーズダイブを抑制するようにしたこと
によって、ブレーキの効き始め対するノーズダイブ抑制
作用の時間的な遅れが極めて少なくなり、気候や路面状
況の変化による影響で変わるブレーキの効きに適応して
ノーズダイブの発生による車体姿勢の変化を適正に補正
することができる。
【0061】(3) 同じく、圧力レギュレータと押圧部材
との間の配管中に絞り機構を設けたので、路面入力によ
って押圧部材が突き上げられても押圧部材側から圧力レ
ギュレータ側への油の流れが抑制される。その結果圧力
レギュレータが逆作動せず、その動作が緩慢となってブ
レーキの効き度合が変動したり、車輪がロックされるの
が防止でき、操縦性を損うのが防止でき安定性が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるアンチノーズダイブ機構を備え
た二輪車用のフロントフォークの実施の形態を示す縦断
正面図である。
【図2】一実施の形態に係る絞り機構の回路図である。
【図3】他の実施の形態に係るブレーキ機構の回路図で
ある。
【図4】他の実施の形態に係るブレーキ機構の回路図で
ある。
【図5】他の実施の形態に係るブレーキ機構の回路図で
ある。
【図6】図1におけるアンチノーズダイブ機構に用いら
れる圧力レギュレータの実施の形態を示す縦断正面図で
ある。
【図7】同じく、図におけるアンチノーズダイブ機構に
用いられる圧力レギュレータの他の実施の形態を示す縦
断正面図である。
【図8】従来のフロントフォークの縦断正面図である。
【符号の説明】
1 フロントフォークを構成する左右の緩衝筒 2 インナチューブ 3 アウタチューブ 5 下部油室 7 センタチューブ 8 センタチューブのピストン 9 貯油室 10 上部油室 11 圧側減衰力発生用の油孔 12 伸側減衰力発生用の油孔 13 懸架スプリング 14 押圧部材 15 フリーピストン 16 油室 17 ブレーキディスク 18 ブレーキキャリパ 19 車軸 20 リンク 21,21a 圧力レギュレータ 24 作動油室 25 エアー室 26,30 連結部 32 油圧ポート 33 配管 34 絞り機構 35,37,38,39,40 絞り弁 36 チェック弁 41 バイパス 42,43 遮蔽弁 P ブレーキスイッチ信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナチューブとアウタチューブの間に
    介装した懸架スプリングの端部を油圧駆動式の押圧部材
    で支持し、ブレーキ操作時にブレーキディスクを通して
    ブレーキキヤリパに加わる車軸回りのブレーキ力を圧力
    レギュレータにより油圧に変換し、この油圧を配管を介
    して押圧部材に加え、当該油圧により押圧部材を通して
    懸架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷重を高めるこ
    とでインナチューブとアウタチューブの圧縮動作を抑制
    してノーズダイブ量を抑える二輪車用フロントフォーク
    において、上記の配管の途中に絞り機構を設けたことを
    特徴とする二輪車用フロントフォーク。
  2. 【請求項2】 絞り機構が単一の絞り弁からなる請求項
    1の二輪車用フロントフォーク。
  3. 【請求項3】 配管の途中に圧力レギュレータからの油
    の流れのみを許容するチェック弁と第1の絞り弁とを直
    列設け、更に配管に上記のチェック弁と第1の絞り弁と
    を迂回するバイパスを設け、このバイパスの途中に第2
    の絞り弁を設け、チェック弁と第1,第2の絞り弁で絞
    り機構を構成している請求項1の二輪車用フロントフォ
    ーク。
  4. 【請求項4】 配管の途中に圧力レギュレータからの油
    の流れのみを許容するチェック弁を設け、更に配管に上
    記チェック弁を迂回するバイパスを設け、このバイパス
    の途中に当該バイパスからのパイロット圧で開閉する遮
    蔽弁と絞り弁とを直列に設け、上記チェック弁と遮蔽弁
    と絞り弁とで絞り機構を構成している請求項1の二輪車
    用フロントフォーク。
  5. 【請求項5】 配管の途中に圧力レギュレータからの油
    の流れのみを許容するチェック弁を設け、更に配管に上
    記チェック弁を迂回するバイパスを設け、このバイパス
    の途中にブレーキスイッチ信号で開閉する遮蔽弁と絞り
    弁とを直列に設け、上記チェック弁と遮蔽弁と絞り弁と
    で絞り機構を構成している請求項1の二輪車用フロント
    フォーク。
JP2001182939A 2001-06-18 2001-06-18 二輪車用フロントフォーク Pending JP2002370687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001182939A JP2002370687A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 二輪車用フロントフォーク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001182939A JP2002370687A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 二輪車用フロントフォーク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002370687A true JP2002370687A (ja) 2002-12-24

Family

ID=19022951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001182939A Pending JP2002370687A (ja) 2001-06-18 2001-06-18 二輪車用フロントフォーク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002370687A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100396551C (zh) * 2004-05-18 2008-06-25 黄潭城 避震器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100396551C (zh) * 2004-05-18 2008-06-25 黄潭城 避震器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11660924B2 (en) Method and apparatus for an adjustable damper
US20210039468A1 (en) Method and apparatus for an adjustable damper
US4367882A (en) Suspension apparatus
US6095541A (en) Adjustable gas spring suspension system
JP2823473B2 (ja) 自転車の車輪懸架装置
EP2647560B1 (en) Bicycle with suspension
US6290035B1 (en) Acceleration sensitive damping for automotive dampers
US4721322A (en) Anti-dive braking apparatus
JPS5981290A (ja) 自動二輪車の制動時姿勢制御装置
JPS6132197B2 (ja)
US20080018035A1 (en) Damper Unit For A Vehicle Suspension System
CA2409811A1 (en) Shock absorber with a gas chamber on the rebound side of a piston
US20040145101A1 (en) Coil and air suspension system
JP2002370687A (ja) 二輪車用フロントフォーク
JP2001163283A (ja) 二輪車用フロントフォーク
WO2002079021A2 (en) Coil and air suspension system
JPS6058075B2 (ja) 二輪車用緩衝器
JPS5937263B2 (ja) 車輛流体圧力制動装置
JP2001233271A (ja) 二輪車用フロントフォーク
JPH0418953Y2 (ja)
JP5457868B2 (ja) 車両用緩衝器
JPH0225944Y2 (ja)
JPH0774024B2 (ja) フロントフオ−ク
JP2003222174A (ja) 二輪車用フロントフォーク
JPS5929505A (ja) 車両用のアンチ・ダイブサスペンシヨン装置