JP2001233271A - 二輪車用フロントフォーク - Google Patents

二輪車用フロントフォーク

Info

Publication number
JP2001233271A
JP2001233271A JP2000048415A JP2000048415A JP2001233271A JP 2001233271 A JP2001233271 A JP 2001233271A JP 2000048415 A JP2000048415 A JP 2000048415A JP 2000048415 A JP2000048415 A JP 2000048415A JP 2001233271 A JP2001233271 A JP 2001233271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
pressing member
nose dive
oil
front fork
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000048415A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Jo
忠 城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2000048415A priority Critical patent/JP2001233271A/ja
Publication of JP2001233271A publication Critical patent/JP2001233271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ操作時のノーズダイブを抑えて車体
の姿勢変化を抑制すると共に、緩衝装置としての本来の
作動を確保しつつ車両としての乗心地や走行安定性が低
下するのを防ぐ。 【解決手段】 インナチューブ2とアウタチューブ3と
の間に介装した懸架スプリング13の端部を油圧駆動式
の押圧部材14で支持し、ブレーキレバー17の操作と
並行して当該押圧部材14に前輪のブレーキ操作圧力に
応じた圧油を供給し、この押圧部材14で懸架スプリン
グ13を圧縮しつつイニシャル荷重を高めることで、イ
ンナチューブ2とアウタチューブ3の圧縮動作を抑えて
ノーズダイブ量を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オートバイ等の
エンジン付き自動二輪車の前輪を車体に対して弾性的に
支持するフロントフォークに関し、さらに詳しくは、ブ
レーキ操作に伴う慣性によって車体前部の沈み込み現象
即ち車体の前傾姿勢を抑制するアンチノーズダイブ機構
を備えた二輪車用フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】そもそも、二輪車用のフロントフォーク
は、前輪に対して車体を弾性的に支持するために、前輪
からの衝撃や車体に加わる外力を吸収してエネルギーと
して蓄える懸架スプリングと、これら衝撃や外力および
懸架スプリングが蓄えたエネルギーを熱に変換して放出
する減衰機構、並びに、上記懸架スプリングと減衰機構
を用いて伸縮自在のフロントフォークとする構造体とか
らなっている。
【0003】しかし、これだけでは、ブレーキを掛けて
前輪に制動力を加えたときに、路面からの制動力と慣性
による前輪分担荷重の増大とによって懸架スプリングが
圧縮され、フロントフォークが収縮動作して車体の前部
が過度に沈み込む所謂ノーズダイブ現象を引き起こす。
【0004】このノーズダイブ現象は、二輪車としての
車体姿勢に大きな変化をもたらすばかりでなく、サスペ
ンションとしてのジオメトリ変化即ちキャスタ等の変化
をもたらし、二輪車としての走行安定性を害することに
なる。
【0005】特に、このようなジオメトリ変化は、多く
の車がブレーキを掛けることによって路面が荒れている
ことの多いコーナーや交差点前でのブレーキ操作時に大
きく現れ、乗心地と走行安定性の確保に対して著しい悪
影響をもたらす。
【0006】そうかと言って、二輪車としての乗心地を
良好に保つために懸架スプリングの特性をソフトにして
フロントフォークとしてのストロークを増してやると、
圧縮ストロークが大きくするのに連れて沈み込み傾向が
強まることになり、二輪車としての走行安定性を却って
著しく低下させることにもなり兼ねない。
【0007】そこで、或る種の二輪車用フロントフォー
クにあっては、ブレーキ操作を行ったときのノーズダイ
ブ現象を極力抑制するために、従来から以下に述べるよ
うな各種方式のアンチノーズダイブ機構が採用されてい
る。
【0008】すなわち、従来から用いられてきたアンチ
ノーズダイブ機構としては、ブレーキ操作の油圧力に比
例してフロントフォークの圧側減衰力を高めていくブレ
ーキ圧力感応式のものや、或いは、ブレーキ操作時に発
生するブレーキ力に伴って生じるブレーキキャリパの車
軸回りの回転力を利用して圧側減衰力を高めるブレーキ
キャリパ感応式のものなどがある。
【0009】また、その他にも、ブレーキ操作に連動し
て閉じられるブレーキスイッチによりソレノイドスプー
ルを付勢して圧側減衰力を高めるもの、フロントフォー
クの圧縮ストローク位置により圧側減衰力を高めて制御
するブレーキスイッチ感応式や位置依存式など、各種方
式ものが広く一般に知られており、実車にも既に適用さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したこれ
らの方式のものは、何れにしても、ブレーキ操作時に加
わる慣性力で車体が前傾するノーズダイブ現象を当該ブ
レーキ操作に伴うフロントフォークの圧側減衰力の増大
で抑制するという基本的な考えに基いて全て構成されて
いる。
【0011】このように、従前のものでは、圧側減衰力
を増大させてブレーキ操作時の慣性力に抗し車体前部が
沈み込もうとするのを制御してノーズダイブ現象を抑制
するようにしている。
【0012】そのために、ノーズダイブ現象は抑制でき
たとしても、圧側減衰力の増大が二輪車としての乗心地
や走行安定性を低下させる傾向となり、特に、先にも述
べたように、多くの車がブレーキを掛けることで荒れた
路面となっていることの多いコーナーや交差点前での乗
心地と走行安定性の確保が重要であるにも拘らずできな
いことになる。
【0013】そこで、これらの乗心地や走行安定性を確
保するためにブレーキ操作時における圧側減衰力の増加
率を小さくすると、今度は、車体前部の沈み込み抑制作
用が充分でなくなり、その結果、乗心地と車体姿勢維持
の相反する特性を調整するための減衰力の設定が難しく
なるなどの問題点があった。
【0014】したがって、この発明の目的は、ブレーキ
操作時のノーズダイブを抑えて車体の姿勢変化を抑制す
ると共に、緩衝装置としての本来の作動を確保しつつ車
両としての乗心地や走行安定性の低下を防ぐことのでき
るアンチノーズダイブ機能を有する二輪車用フロントフ
ォークを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、インナチューブとアウタチューブとの間に介装した
懸架スプリングの端部を油圧駆動式の押圧部材で支持
し、ブレーキ操作と並行して当該押圧部材に前輪のブレ
ーキ操作圧力に応じた圧油を供給し、この押圧部材で懸
架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷重を高めること
で、インナチューブとアウタチューブの圧縮動作を抑制
してノーズダイブ現象を抑えることにより達成される。
【0016】すなわち、上記のように構成することで、
前輪に対するブレーキ操作に伴いそれと並行してフロン
トフォークに設置した押圧部材にも圧油が供給され、こ
の圧油の油圧力即ち前輪ブレーキの操作力に応じて押圧
部材を押し進めつつ懸架スプリングを圧縮する。
【0017】これにより、前輪ブレーキの操作力に応じ
て懸架スプリングのイニシャル荷重が増大し、このイニ
シャル荷重の増大でフロントフォークの伸長力を強め、
前輪のブレーキ操作に伴う車体前部の沈み込み量(ノー
ズダイブ量)を補正して車体姿勢の変化を抑制する。
【0018】しかも、上記にあっては、前輪ブレーキの
操作力に応じて懸架スプリングのイニシャル荷重が増大
するだけで懸架スプリング本来のスプリング定数には変
化を来すことがなく、したがって、フロントフォークと
しての圧縮動作を確保しつつ車両としての乗心地や走行
安定性の低下を防ぐことができるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるアンチノー
ズダイブ機構を組み込んだ二輪車用フロントフォークの
具体的な構成例である実施の形態について説明する。
【0020】図1に示すように、フロントフォークを構
成する緩衝筒1は、テレスコープ状に挿し込んだインナ
チューブ2とアウタチューブ3とで伸縮自在の支柱4を
構成し、かつ、インナチューブ2でアウタチューブ3の
内部に下部油室5を区画している。
【0021】アウタチューブ3の底面中央部からは、イ
ンナチューブ2の内部に亙りフォークボルト6で下端を
固定したセンタチューブ7が起立して延びており、この
センタチューブ7の上端に形成したピストン8でインナ
チューブ2の内部を貯油室9と上部油室10とに区画し
ている。
【0022】下部油室5は、センタチューブ7に穿った
圧側減衰力発生用の油孔11を通して、同じく上部油室
10は、伸側減衰力発生用の油孔12を通してインナチ
ューブ2内の貯油室9にそれぞれ連通し、結果として上
下部油室10,5は、圧側および伸側減衰力発生用の油
孔11,12を通して相互にも連通している。
【0023】貯油室9の内部には、インナチューブ2と
ピストン8との間に位置して懸架スプリング13が介装
してあり、この懸架スプリング13のイニシャル荷重即
ちスプリング力でインナチューブ2とアウタチューブ3
を伸長方向に向って付勢している。
【0024】そして、以上のように構成した緩衝筒1を
二本づつ一組としてインナチューブ2の上方部分を図示
しないブラケットで結び、当該ブラケットに設けたステ
アリングシャフトを通して車体に対し操舵自在に枢着
し、また、左右のアウタチューブ3の下端で前輪車軸を
支持し、前輪に対して伸縮自在の緩衝筒1を通して車体
前部を弾性的に支持する。
【0025】なお、フロントフォークを構成する緩衝筒
1については、一例を挙げただけで必ずしも上記構成の
ものに限られることはなく、その他、一般に用いられて
いるフロントフォークで使われているものであればどの
ような構造のものであってもよい。
【0026】それよりも、この発明にとって特に重要な
点は、懸架スプリング13の端部を油圧駆動式の押圧部
材14で支持し、前輪のブレーキ操作と並行してこの押
圧部材14に圧油を供給し、当該押圧部材14で懸架ス
プリング13を圧縮しつつイニシャル荷重を高めること
で、インナチューブ2とアウタチューブ3の圧縮動作を
抑制してノーズダイブ量を最小限に抑えることである。
【0027】そこで、上記図1に示す実施の形態のフロ
ントフォークにあっては、押圧部材14としてフリーピ
ストン15を用い、このフリーピストン15をインナチ
ューブ2内の貯油室9の上端に油室16を形成して配置
し、かつ、反対側の面で懸架スプリング13の端部を支
持する。
【0028】一方、ブレーキレバー17に連動するブレ
ーキ操作用のマスターシリンダ18と独立に、同じく、
当該ブレーキレバー17に連動するノーズダイブ制御用
のマスターシリンダ19を並設し、このノーズダイブ制
御用のマスターシリンダ19をブレーキ操作用のマスタ
ーシリンダ18のブレーキ配管20とは別に、独立した
配管21によってフリーピストン15の油室16へと連
通したのである。
【0029】かくして、二輪車の走行中にブレーキレバ
ー17を操作したとすると、ブレーキ操作用のマスター
シリンダ18から押し出された圧油が前輪側のブレーキ
機構に送り込まれて前輪ブレーキが作用し、このブレー
キ操作によって生じる車体の慣性で二輪車は、前輪に対
しフロントフォークを通して弾性的に支持した車体前部
が沈み込む所謂ノーズダイブ現象を起す傾向になる。
【0030】しかし、このとき、上記した前輪ブレーキ
操作と連動してノーズダイブ制御用のマスターシリンダ
19からは、配管21を通してブレーキ油圧に応じた圧
油がフロントフォークの左右緩衝筒1,1における各油
室16,16に対しても送り込まれる。
【0031】なお、このブレーキ油圧に応じた圧油につ
いては、前輪ブレーキ操作に伴ってブレーキ操作用のマ
スターシリンダ18により発生したブレーキ油圧そのも
のであってもよい。
【0032】これら油室16,16へと送り込まれてき
た圧油は、フロントフォークを構成する左右緩衝筒1,
1のフリーピストン15,15を下方へと向って個々に
押し下げ、左右の懸架スプリング13,13を圧縮して
トータルとしてのスプリング力を増大させる。
【0033】これにより、前輪ブレーキ操作に伴う慣性
力によって生じたフロントフォークの左右緩衝筒1,1
の沈み込み量を補正し、このようにして、車体姿勢の変
化を抑制しつつノーズダイブ量を極力小さく抑えること
が可能になるのである。
【0034】しかも、上記のように、懸架スプリング1
3のイニシャル荷重を変化させてフロントフォークの車
体支持力を増大させるようにしたことは、従来の圧側減
衰力の増大による場合に比べて車体支持力を増大させた
としてもスプリング定数は変らず、フロントフォークと
しての圧縮動作は確保されることから乗心地や走行安定
性を低下させることはない。
【0035】なお、上記において、ノーズダイブを抑制
するためにブレーキレバー17に連動するノーズダイブ
制御用のマスターシリンダ19を用い、かつ、ブレーキ
系統から独立して別の配管21により油室16へと連通
するようにしたのは、当該油室16への操作系統に生じ
た作動油漏れでブレーキ系統に支障を来すのを防ぐため
である。
【0036】したがって、上記の対策がその他の手段に
よっても可能であるならば、必ずしも、ノーズダイブ制
御用のマスターシリンダ19を用いて油室16へと独立
して圧油を供給してやる必要はなく、ブレーキ操作用の
マスターシリンダ18によりブレーキ操作と連動して油
室16へと圧油を供給するようにしてもよい。
【0037】すなわち、図2は、そのような場合に用い
られるノーズダイブ制御用の油圧源機構を示すもので、
図1のように、ブレーキ系統から油圧回路的に切り離さ
れた別のマスターシリンダ19を用いてやることなく、
その代わりに、内部をフリーピストン25で二つの油室
26,27に区画しノーズダイブ制御用のメータリング
シリンダ28を使用する。
【0038】そして、前輪ブレーキを制御するブレーキ
配管20から枝分れした配管29でメータリングシリン
ダ28の一方の油室26をブレーキ操作用のマスターシ
リンダ18に連通し、かつ、メータリングシリンダ28
の他方の油室27を独立した別の配管30でフロントフ
ォークにおけるノーズダイブ制御用の油室16へと連通
してやる。
【0039】これにより、前輪ブレーキ操作に伴いブレ
ーキ油がメータリングシリンダ28の一方の油室26に
も圧送され、先の図1の実施の形態と同様にフリーピス
トン25を押し進めつつ他方の油室27側に封入されて
いる作動油を、配管30により圧油としてフロントフォ
ーク側におけるノーズダイブ制御用の油室16に押し込
み、フロントフォークの懸架スプリング13を圧縮して
ノーズダイブ量を極力小さく抑え、車体姿勢の変化を抑
制することが可能になるのである。
【0040】しかも、ブレーキ操作用の圧油とノーズダ
イブ制御用の圧油とがメータリングシリンダ28のフリ
ーピストン25で隔絶されることから、先の図1の実施
の形態と同様に、それぞれの系統に適した異質のオイル
を使用することができるばかりでなく、操作系統で生じ
た作動油漏れでブレーキ系統に支障を来すのをも防ぐこ
とができる。
【0041】また、図2の実施の形態のブレーキ操作用
のマスターシリンダ18は、前輪ブレーキとメータリン
グシリンダ28の両方に圧油を供給しなければならない
ために、図1の実施の形態におけるブレーキ操作用のマ
スターシリンダ18に比べると大きくはなるが、その反
面、ノーズダイブ制御用のメータリングシリンダ28
は、その設置位置を或る程度任意に選べることからハン
ドル周りの占有スペース体積が少なくなり、装備性が向
上して経済的となる。
【0042】加えて、メータリングシリンダ28の油室
27の内部にスプリング31を介装してフリーピストン
25を押圧してやることにより、当該スプリング31で
ノーズダイブ制御用の圧油に減圧効果を与えることがで
き、したがって、ノーズダイブ制御に適した油圧力を設
定することができると共に、ノーズダイブ制御側で作動
油漏れ等の不具合が生じたとしても、フリーピストン2
5が少なくともスプリング31で抑えられていることか
ら、その分だけ前輪ブレーキ操作時のフィーリングの変
化を少なくすることができる。
【0043】さらに、メータリングシリンダ28の油室
27内のスプリング31によってフリーピストン25が
押圧係止されているために、ブレーキ操作用のマスター
シリンダ18からブレーキ配管20へと押し出されたブ
レーキ油は、枝分れした配管29でメータリングシリン
ダ28の油室26に送り込まれる前にブレーキ側へと送
られ、その結果、ブレーキの効きに遅れの生じることは
ない。
【0044】一方、これまで述べてきた図1および図2
の実施の形態では、フリーピストン15を用いてノーズ
ダイブ制御用の油室16を形成するようにしたが、この
ようにする代わりに図3のように、懸架スプリング13
の端部を支持する油圧駆動式の押圧部材をシリンダ22
とピストン23からなる油圧アクチュエータ24で構成
し、当該油圧アクチュエータ24におけるシリンダ22
をインナチューブ2の内部上端側に嵌挿して固定すると
共に、ピストン23の下端で懸架スプリング13の端部
を支持するようにしてもよい。
【0045】なお、この図3の実施の形態にあっては、
ノーズダイブ制御用の油圧源として図1と同様に、ブレ
ーキレバー17に連動するノーズダイブ制御用のマスタ
ーシリンダ19を用いた場合について図示したが、その
代わりに図2におけるメータリングシリンダ28を用い
るようにしてもよいことは言うまでもない。
【0046】そして、この図3の実施の形態のものによ
れば、ノーズダイブを抑制する油圧アクチュエータ24
をブレーキ操作用のマスターシリンダ18と同一サイズ
のものとしたとき、懸架スプリング13の押付力を油圧
アクチュエータ24のサイズ変更で調整できることや、
ノーズダイブ制御用のマスターシリンダ19から油圧ア
クチュエータ24に亙る部分のモジュール化によって組
立や装着が容易になる等の利点をも付与することが可能
になるのである。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、インナチューブとアウタチューブとの間に介装し
た懸架スプリングの端部を油圧駆動式の押圧部材で支持
し、ブレーキ操作と並行して当該押圧部材に前輪のブレ
ーキ操作圧力に応じた圧油を供給し、この押圧部材で懸
架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷重を高めること
で、インナチューブとアウタチューブの圧縮動作を抑制
してノーズダイブ量を抑えるようにしたことにより、従
来の増大する圧側減衰力による沈み込み抑制力の発生と
内容が異なり、沈み込み抑制力を増大して車体に発生す
るノーズダイブを抑えたとしても、懸架スプリングのイ
ニシャル荷重が増大するだけでスプリング定数は変らず
にフロントフォークとしての圧縮動作が確保されること
から、二輪車としての乗心地や走行安定性を低下させる
ことなくノーズダイブの発生を抑えることが可能にな
る。
【0048】また、請求項2の発明のように、前輪のブ
レーキ操作時に押圧部材へと圧油を供給する油圧源を、
ブレーキレバーによりブレーキ操作用のマスターシリン
ダと連動して共に操作される独立したノーズダイブ制御
用のマスターシリンダで構成してやることにより、ブレ
ーキ操作用のマスターシリンダに関係なくノーズダイブ
制御用のマスターシリンダを設定して、ブレーキ操作時
における懸架スプリングのスプリング荷重や変位を任意
に設定することができる。
【0049】それに対して請求項3の発明によれば、ノ
ーズダイブ制御用の油圧源であるマスターシリンダに代
えてブレーキ配管から枝分れしたフリーピストンをもつ
メータリングシリンダを用いたことにより、当該ノーズ
ダイブ制御用の油圧源の設置に自由度が増すことから装
備性が向上して経済的となるばかりでなく、ノーズダイ
ブ制御側での作動油漏れに対するブレーキフィーリング
の変化を少なくすることがで、しかも、ブレーキの効き
に遅れの生じることもなくなる。
【0050】さらに、請求項4の発明によれば、懸架ス
プリングの端部を支持する油圧駆動式の押圧部材をシリ
ンダとピストンとからなる油圧アクチュエータで構成
し、当該油圧アクチュエータのシリンダをフロントフォ
ーク側に固定すると共に、ピストンで懸架スプリングの
端部を支持するようにしたことにより、ノーズダイブ抑
制用の油圧アクチュエータをブレーキ操作用のマスター
シリンダと同一サイズのものとしたとき、懸架スプリン
グの押付力を油圧アクチュエータのサイズ変更で調整で
きるばかりでなく、ノーズダイブ制御用のマスターシリ
ンダから油圧アクチュエータに亙る部分のモジュール化
によって組立や装着が容易になる等の利点をも付与する
ことが可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるアンチノーズダイブ機構を備え
た二輪車用のフロントフォークの実施の形態を示す縦断
正面図である。
【図2】この発明によるアンチノーズダイブ機構を備え
た二輪車用のフロントフォークの他の実施の形態を示す
縦断正面図である。
【図3】同じく、この発明によるアンチノーズダイブ機
構を備えた二輪車用のフロントフォークのさらに別の実
施の形態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 フロントフォークを構成する左右の緩衝筒 2 インナチューブ 3 アウタチューブ 5 下部油室 7 センタチューブ 8 センタチューブのピストン 9 貯油室 10 上部油室 11 圧側減衰力発生用の油孔 12 伸側減衰力発生用の油孔 13 懸架スプリング 14 押圧部材 16 油室 17 ブレーキレバー 18 ブレーキ操作用のマスターシリンダ 19 ノーズダイブ制御用のマスターシリンダ 20 ブレーキ用の配管 21 ノーズダイブ制御用の配管 22 油圧アクチュエータのシリンダ 23 油圧アクチュエータのピストン 24 油圧アクチュエータ 25 フリーピストン 26,27 油室 28 メータリングシリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナチューブとアウタチューブとの間
    に介装した懸架スプリングの端部を油圧駆動式の押圧部
    材で支持し、ブレーキ操作と並行して当該押圧部材に前
    輪のブレーキ操作圧力に応じた圧油を供給し、この押圧
    部材で懸架スプリングを圧縮しつつイニシャル荷重を高
    めることで、インナチューブとアウタチューブの圧縮動
    作を抑制してノーズダイブ現象を抑えることを特徴とす
    る二輪車用フロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前輪のブレーキ操作時に押圧部材へと圧
    油を供給する油圧源を、ブレーキレバーによりブレーキ
    操作用のマスターシリンダと連動して共に操作される独
    立したノーズダイブ制御用のマスターシリンダで構成し
    た請求項1の二輪車用フロントフォーク。
  3. 【請求項3】 前輪のブレーキ操作時に押圧部材へと圧
    油を供給する油圧源を、フリーピストンで内部を二つの
    油室に区画したノーズダイブ制御用のメータリングシリ
    ンダで構成し、このメータリングシリンダの一方の油室
    をブレーキ配管に対して、また、他方の油室をノーズダ
    イブ制御用の押圧部材の動きを制御する油室へとそれぞ
    れ各別に連通した請求項1の二輪車用フロントフォー
    ク。
  4. 【請求項4】 懸架スプリングの端部を支持する油圧駆
    動式の押圧部材をシリンダとピストンからなる油圧アク
    チュエータで構成し、当該油圧アクチュエータのシリン
    ダをフロントフォーク側に固定すると共に、ピストンで
    懸架スプリングの端部を支持した請求項1,2または3
    の二輪車用フロントフォーク。
JP2000048415A 1999-12-14 2000-02-25 二輪車用フロントフォーク Pending JP2001233271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000048415A JP2001233271A (ja) 1999-12-14 2000-02-25 二輪車用フロントフォーク

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35407199 1999-12-14
JP11-354071 1999-12-14
JP2000048415A JP2001233271A (ja) 1999-12-14 2000-02-25 二輪車用フロントフォーク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001233271A true JP2001233271A (ja) 2001-08-28

Family

ID=26579978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000048415A Pending JP2001233271A (ja) 1999-12-14 2000-02-25 二輪車用フロントフォーク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001233271A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003072661A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Kayaba Ind Co Ltd 二輪自動車の車体姿勢調整装置
CN113525579A (zh) * 2020-03-29 2021-10-22 Tvs电机股份有限公司 用于两轮车辆的悬架组件

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003072661A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Kayaba Ind Co Ltd 二輪自動車の車体姿勢調整装置
CN113525579A (zh) * 2020-03-29 2021-10-22 Tvs电机股份有限公司 用于两轮车辆的悬架组件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20140030194A (ko) 감쇄기 튜브 강화 슬리브
JP2009544509A (ja) 三輪または四輪のオートバイのトリムを制御するシステム
JPS6264603A (ja) 車輪懸架装置用油圧緩衝器における底突き防止装置
EP1989072A1 (en) Hydraulic system for a vehicle suspension
JP6361414B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JP2001233271A (ja) 二輪車用フロントフォーク
JP5438484B2 (ja) 油圧緩衝器
JPS5937263B2 (ja) 車輛流体圧力制動装置
JP2001163283A (ja) 二輪車用フロントフォーク
JP2002370515A (ja) サスペンション装置
KR100423297B1 (ko) 로어아암의 저더 저감장치
JP2009056856A (ja) 車両の姿勢制御装置
JP2002370687A (ja) 二輪車用フロントフォーク
CN1275499A (zh) 车辆液压制动装置用减振器
JPS6138042B2 (ja)
TWI838329B (zh) 改良式懸架
JP2003222174A (ja) 二輪車用フロントフォーク
KR100405543B1 (ko) 로어아암의 저더 저감장치
JP4680802B2 (ja) 車両におけるブレーキ装置
KR100527706B1 (ko) 댐퍼 겸용 액티브 앤티롤 장치
JPH07257129A (ja) フロントサスペンションのワインドアップ抑制装置
JP2008143492A (ja) 自動車のショックアブソーバ制御装置
JPS6246924Y2 (ja)
KR940006027Y1 (ko) 차량용 현가장치
JPH08169222A (ja) 車両用サスペンション装置