JP5457868B2 - 車両用緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用緩衝器に関する。
従来、車両用緩衝器にあっては、車両の車体と車輪との間に介装されて使用され、たとえば、シリンダと、シリンダ内に挿通されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともにロッドに連結されるピストンとを備えて構成されている。
このような車両用緩衝器にあっては、圧縮行程時に減衰力を発生させる圧側の減衰弁と、伸長行程時に減衰力を発生させる伸側の減衰弁とを備えており、圧縮行程時の減衰力と伸長行程時の減衰力を別個の減衰弁で発揮するようになっている。
そして、特に、車両走行時において車輪が路面上の段差に乗り上げて通過する場合に、車輪が路面から上方に突き上げられるので、圧側の減衰力を高く設定しすぎると上記路面入力を車両用緩衝器で吸収しきれずに、車体に大きな衝撃(インパクトショック)が加わってしまう。そこで、従来の車両用緩衝器によれば、圧側の減衰力をピストン速度がある程度高くなると減衰力を頭打ちとする飽和特性としてインパクトショックを低減するようになっている。このように圧側の減衰力を飽和特性とすると圧縮行程時における振動減衰率が小さくなるので、これを伸側で補うため伸側減衰力を高めに設定して振動を減衰するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
また、一般的に、インパクトショックにあっては、車両用緩衝器に入力される振動の周波数が高くなる傾向にあるので、高周波数の入力に感応して減衰弁を迂回するバイパスを開閉するスプールを備えた車両用緩衝器の提案もあり、このような車両用緩衝器では、車輪を突き上げる振動の入力に対してバイパスを開放して減衰力を低減してインパクトショックを低減するようになっている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2001−116077号公報 特開平11−94005号公報
上記特開2001−116077号公報に開示されるような車両用緩衝器にあっては、圧側減衰力を飽和特性とした関係で、圧側減衰力より伸側減衰力が相対的に高くなるため、振動が連続して入力されるような場合には、車体が下方へ沈み込んでしまい、場合によっては底付きして乗り心地を損なってしまう可能性がある。
また、特開平11−94005号公報に開示されるような周波数感応型の車両用緩衝器にあっては、インパクトショックを低減することはできるものの、高周波数振動に対しては常に減衰力を低減してしまうことから、旋回時など減衰力の発揮を期待される場面において減衰力不足を招いて車両における乗り心地を損なってしまう可能性がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、インパクトショックのみを効果的に低減でき車両における乗り心地を向上することができる車両用緩衝器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、 シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてロッドに連結されるピストンと、圧縮行程時に減衰力を発生させる減衰弁を迂回する迂回流路と、迂回流路を開閉する開閉弁とを備え、当該開閉弁は車両の前から後へ向かう方向の加速度の作用によって迂回流路を開放する車両用緩衝器において、
上記開閉弁は、車両の前後方向あるいは後上がりの方向に沿って迂回流路に連通される中空部を備えたハウジングと、ハウジングの中空部内に摺動自在に挿入されて迂回流路を開閉するスプールと、スプールを中空部内の後方側へ附勢してスプールを中空部内で迂回流路を遮断する遮断位置に位置決める附勢手段とを備え、
上記スプールは、当該スプールから見て中空部前方側と中空部後方側とを連通するとともに当該中空部前方側から中空部後方側へ流体流れのみを許容する開放側通路と、中空部後方側と中空部前方側とを連通するとともに当該中空部後方側から中空部前方側へ流体流れのみを許容する遮断側通路とを備え、
さらに、遮断側通路の途中に流体流れに抵抗を与える抵抗要素を設け、上記スプールが上記加速度の作用により附勢手段の附勢力に抗して中空部内を前方へ移動すると迂回流路を開放することを特徴とする。
本発明の車両用緩衝器によれば、車両が走行中に路面上の段差に乗り上げて通過するような場合には、減衰弁を迂回する迂回流路が開放されるので、車両用緩衝器が発生する減衰力を低くして、インパクトショックを低減することができる。
そして、圧側減衰力を飽和特性として伸側減衰力を圧側減衰力に対して非常に大きくしなければならない従来の一般的な緩衝器ほど、圧側減衰力を低くする必要が無く、振動が連続して入力される場合にあっても車体の沈み込みを防止でき、車両用緩衝器の底付きを防止して車両における乗り心地を向上することができる。
また、車両用緩衝器に作用する車両前方から後方へ向かう方向の加速度の作用によって開閉弁が迂回流路を開閉するようになっており、車両旋回時等で上下方向に高周波振動が入力されても、迂回流路は遮断状態に維持されるので、車両用緩衝器は、通常通りの減衰力を発揮するので、車両における乗り心地を損なうこともない。
したがって、この車両用緩衝器によれば、路面の段差に乗り上げて通過する際のインパクトショックのみを効果的に低減でき、車両における乗り心地を向上することができる。
特に、スプールが迂回流路を開いてから附勢手段の附勢力によって閉じる方向へ変位する場合には、遮断側通路を介して後方側室から前方側室へ液体が移動することになるが、抵抗要素を液体が通過するので、スプールは、迂回流路を遮断する方向への変位は開放側への変位に比較してゆっくりとなり、迂回流路をゆっくり閉じることになる。
この開放からの遮断時間は、附勢手段と抵抗要素の抵抗によって調節することができ、インパクトショックをより効率的に低減しつつインパクトショック後の車体振動を効果的に減衰でき、車体の沈み込みや浮き上がりを生じさせることも無い。
一実施の形態における車両用緩衝器の縦断面図である。 インパクトショック入力時の車輪に作用する加速度を説明する図である。 車輪と懸架ばねの系の固有周期と迂回流路の開放時間との関係を説明する図である。 一実施の形態の一変形例における車両用緩衝器の概略縦断面図である。 一実施の形態の他の変形例における車両用緩衝器の概略縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態における車両用緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてロッド2に連結されるピストン3と、圧縮行程時に減衰力を発生させる減衰弁としての圧側減衰弁4を迂回する迂回流路5と、迂回流路5を開閉する開閉弁6とを備えて構成され、車両の図示しない車体と車輪との間に介装され、車体の振動を抑制するものである。
以下、各部材について詳細に説明すると、シリンダ1は、有底筒状とされており、図1中上端が環状のロッドガイド7によって閉塞され、図1中下端には車輪或いは車輪へ連結される車輪側部材への取付が可能なようにブラケット10が設けられている。
シリンダ1内は、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたフリーピストン8によって液室Lと気室Gに区画され、また、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン3によって液室Lが二つの圧力室R1,R2に区画されていて、これら圧力室R1,R2内には作動油等の液体が充填されている。
また、ピストン3は、環状とされてシリンダ1内に移動自在に挿通されたロッド2の先端となる図1中下端に取付けられ、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通するポート3a,3bを有している。
このピストン3の図1中上方には、ポート3aを開閉してポート3aを通過する液体の流れに抵抗を与える圧側減衰弁4が設けられ、ピストン3の図1中下方には、ポート3bを開閉してポート3bを通過する液体の流れに抵抗を与える伸側減衰弁9が設けられており、これら圧側減衰弁4および伸側減衰弁9は、この場合、リーフバルブとされている。すなわち、圧側減衰弁4は、ポート3aを図1中の下方の圧力室R2から上方の圧力室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行のポートに設定しており、反対へ向かう液体の流れを阻止するようになっている。伸側減衰弁9も同様に、ポート3bを図1中の上方の圧力室R1から下方の圧力室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行のポートに設定しており、反対へ向かう液体の流れを阻止するようになっている。
それゆえ、この車両用緩衝器Dは、基本的には、圧縮作動を呈する場合、ピストン3が図1中シリンダ1に対して下降し、圧力室R2を圧縮しつつ圧力室R1を拡大させるので、圧力室R2から圧力室R1へポート3aを介して液体が移動し、当該液体の流れに圧側減衰弁4で抵抗を与えて、圧力室R2と圧力室R1の圧力に差を生じせしめて圧側減衰力を発揮する。この圧縮行程時には、ロッド2がシリンダ1内へ侵入するので、フリーピストン8がシリンダ1に対して図1中下降しロッド2がシリンダ1内へ侵入する体積に見合って気室Gの容積が減少することでロッド侵入体積を補償する。
反対に、車両用緩衝器Dは、基本的には、伸長作動を呈する場合、ピストン3が図1中シリンダ1に対して上昇し、圧力室R1を圧縮しつつ圧力室R2を拡大させるので、圧力室R1から圧力室R2へポート3bを介して液体が移動し、当該液体の流れに伸側減衰弁9で抵抗を与えて、圧力室R1と圧力室R2の圧力に差を生じせしめて伸側減衰力を発揮する。この伸長行程時には、ロッド2がシリンダ1内から退出するので、フリーピストン8がシリンダ1に対して図1中上昇しロッド2がシリンダ1内から退出する体積に見合って気室Gの容積が拡大することでロッド退出体積を補償する。
なお、圧力室R1,R2内に充填する流体を気体とする場合には、圧力室R1,R2にてロッド侵入体積およびロッド退出体積を補償することができるので、気室を設けなくともよい。また、液体は、作動油以外の液体とされてもよく、たとえば、水や水溶液といった液体を利用することも可能である。
さらに、ロッド2における図1中上端は、シリンダ1の図1中上端を閉塞する環状のロッドガイド7に挿通されてシリンダ1外へ突出させてあり、ロッド2の図1中上端に設けたブラケット11によって、ロッド2を車両の車体へ連結することが可能とされている。このように、本実施の形態における車両用緩衝器Dにあっては、ロッド2を車両の車体側へシリンダ1を車輪側へ連結する、いわゆる正立型の緩衝器に設定されているが、反対に、ロッド2を車両の車輪側へシリンダ1を車体側へ連結する倒立型に設定されてもよい。なお、ブラケット10,11は、車両に適したものとすればよいので、図示したところに限定されるものではない。
つづいて、迂回流路5は、この実施の形態の場合、ロッド2に設けられており、具体的には、ロッド2の先端となる図1中下端から開口してピストン3より上方側の側部へ通じていて、圧力室R1と圧力室R2とを連通している。
そして、このロッド2の先端には、ピストン3、圧側減衰弁4および伸側減衰弁9を固定するピストンナット12が螺着されており、このピストンナット12に迂回流路5に連通される中空部13aを備えたハウジング13が一体となって設けられている。
このハウジング13の中空部13a内には、スプール14が摺動自在に挿入されるとともに、スプール14を附勢する附勢手段としてのばね15が収容されており、これらハウジング13、スプール14およびばね15で開閉弁6を構成している。
以下、開閉弁6について詳細に説明する。ハウジング13は、筒状とされていて、内部に図1中横方向へ沿う中空部13aを備えるとともに、ピストンナット12内から肉厚を貫いて中空部13aへ通じる透孔13bと、ピストンナット12外から肉厚を貫いて中空部13aへ通じる透孔13cとを備えて構成されている。このように、ハウジング13とピストンナット12とを一体化することで、ハウジング13を容易にシリンダ1内に設置することが可能である。
なお、この場合は、透孔13bと透孔13cは中空部13aの軸を中心として互いに180度対向するように設けられているが、透孔13bと透孔13cは中空部13aの軸に直交する平面上にかかるように設けられていればよい。
また、中空部13aの軸線は、上述したように、図1中横方向へ沿っていて、車両用緩衝器Dを車両における車体と車輪との間に介装した際に、当該軸線が車両を側方から見て車両の前後方向に沿うようになっている。この場合、図1に示した車両用緩衝器Dは、図1中左方を車両の前方に向け、図1中右方を車両の後方へ向けて、車体と車輪との間に介装されている。
そして、このように構成されたハウジング13の中空部13a内には、スプール14が中空部13a内に摺動自在に挿入されており、当該スプール14は、中空部13aの軸線に沿って中空部13a内を車両の前後方向へ移動、すなわち、車両の前後方向に沿ってストロークすることが可能とされている。また、スプール14は、中空部13aを図1中左方側となる前方側室13dと図1中右方側となる後方側室13eとに仕切っている。
このスプール14は、中間部に凹部16を備えており、凹部16を透孔13b,13cに対向させることで、迂回流路5を透孔13b,13cおよび凹部16を介して圧力室R2に連通させ、反対に、凹部16以外の部位を透孔13b,13cに対向させることで透孔13b,13cを閉じて迂回流路5を遮断することができるようになっている。
また、スプール14は、図1中左端となる前端部17と図1中右端となる後端部18とを連通する開放側通路19と、同じく前端部17と後端部18とを連通する遮断側通路20とを備えている。そして、開放側通路19の途中には、前方側室13dから後方側室13eへ向かう液体の流れのみを許容する逆止弁21が設けられていて、開放側通路19は、一方通行の通路に設定されている。反対に、遮断側通路20の途中には、後方側室13eから前方側室13dへ向かう液体の流れのみを許容する逆止弁22が設けられていて、遮断側通路20は、一方通行の通路に設定されるとともに、同じくその途中に設けられた抵抗要素としての絞り弁23によって液体の流れに抵抗を与えるようになっている。
さらに、中空部13aの後方側室13e内には、スプール14の後方側室13e側への移動を規制するクッション24が収容されており、反対の前方側室13d内には、スプール14を後方側室13e側へ附勢する附勢手段としてのばね15が収容されている。なお、クッション24は、スプール14の後端部18とハウジング13との直接的な衝合を防止して衝撃緩和を目的とするものであるが、これを廃することも可能であるし、クッション24に変えて流体圧によるロック機構を設けるようにしてもよい。
ばね15は、スプール14の後端部18がクッション24に衝合してスプール14の移動が規制される位置へスプール14を位置決めしていて、このようにスプール14は、クッション24によってそれ以上の後方側室13e側への移動が規制される位置に位置決められると、透孔13b,13cに凹部16より前方側室13d側の外周を対向させて迂回流路5を遮断するようになっていて、上記位置は遮断位置とされている。また、このようにスプール14が遮断位置に位置決められ、それ以上の後方側室13e方向への移動が阻止される状態にあってもばね15は圧縮状態とされており、ばね15には初期荷重が与えられ、この初期荷重以上の力がスプール14に作用しないと、スプール14は前方側室13d側へ移動することができないようになっている。
そして、このばね15の附勢力に打ち勝つ力がスプール14に作用して、スプール14が前方側室13d側へ移動して凹部16を透孔13b,13cに対向するようになると、透孔13b,13cが開放され迂回流路5にてポート3aに設置した圧側減衰弁4およびポート3bに設置した伸側減衰弁9を迂回して圧力室R1,R2を連通することができるようになっていて、迂回流路5が開放されることになる。
このスプール14に迂回流路5を開放する力が作用するのは、車両用緩衝器Dに車両の前方から後方へ向く加速度が作用する場合であって、車輪からこのような加速度がシリンダ1およびロッド2に作用すると、スプール14は、慣性によって当該加速度と逆向きの慣性力を受けることになり、当該慣性力がばね15の附勢力に打ち勝つと、中空部13a内を前方側室13dを圧縮する方向へ変位して凹部16を透孔13b,13cに対向させて迂回流路5を開放することになる。つまり、開閉弁6は、車両用緩衝器Dへの上記加速度の作用によって迂回流路5を開放するようになっている。
次に、このように構成された車両用緩衝器Dの動作について説明する。上述したように、この車両用緩衝器Dは、車両の図示しない車体と車輪との間に介装されて、車体と車輪との相対移動を抑制して車体振動を減衰するものである。
まず、車両用緩衝器Dにシリンダ1とロッド2の相対移行方向、すなわち、図1中で上下方向の振動が作用する場合、開閉弁6におけるスプール14は、当該振動が入力されてもスプール14には、車両前後方向となる図1中横方向へ移動させるような慣性力が作用しないので、スプール14は遮断位置に位置決めされた状態となり透孔13b,13cを閉塞して迂回流路5は遮断状態に維持される。
したがって、この場合、車両用緩衝器Dは、圧縮作動を呈する場合、迂回流路5が閉じられ圧力室R2から圧力室R1へポート3aのみを介して液体が移動するので、当該液体の流れに圧側減衰弁4で抵抗を与えて、圧側減衰力を発揮する。反対に、車両用緩衝器Dは、伸長作動を呈する場合、迂回流路5が閉じられ圧力室R1から圧力室R2へポート3bのみを介して液体が移動するので、当該液体の流れに伸側減衰弁9で抵抗を与えて、伸側減衰力を発揮する。
つまり、車両用緩衝器Dに上下方向となる振動のみが入力される場合、従来の一般的な緩衝器と同様に、圧側減衰弁4と伸側減衰弁9によって減衰力が発揮されることになる。
これに対して、図2に示すように、車両が走行中に路面上の段差Jに乗り上げて通過するような場合には、車輪Wには、車両側方視で前方から後上方へ向けて押し上げるような力が作用する。つまり、車輪Wには、車両前方から後上方へ押し上げる加速度が作用し、車輪Wに連結される車両用緩衝器Dにも同様に車両前方から後上方へ向く方向への加速度が作用する。
すると、今度は上述したところと異なり、スプール14には、上記加速度には車両の前後方向の成分があるので、ハウジング13に相対して車両の後方から前方へ向かう方向への慣性力が作用し、当該慣性力がばね15の附勢力に打ち勝つと、スプール14がハウジング13に対して前方側室13dを圧縮する方向へ変位して凹部16を透孔13b,13cに対向させて迂回流路5を開放することになる。このスプール14の前方側室13dを圧縮する方向の移動に対しては、開放側通路19における逆止弁21が開放作動して当該開放側通路19を開放することになるので、前方側室13dから後方側室13eへ液体は速やかに移動し、スプール14の変位を妨げることが無く、当該加速度入力に対して応答遅れなく、迂回流路5を開放することができる。
このように、車両が走行中に路面上の段差Jに乗り上げて通過するような場合には、ポート3aに設けた圧側減衰弁4を迂回して圧力室R1と圧力室R2とを連通する迂回流路5が開放されるので、車両用緩衝器Dが発生する減衰力を低くして、インパクトショックを低減することができる。
そして、圧側減衰力を飽和特性として伸側減衰力を圧側減衰力に対して非常に大きくしなければならない従来の一般的な緩衝器ほど、圧側減衰力を低くする必要が無く、振動が連続して入力される場合にあっても車体の沈み込みを防止でき、車両用緩衝器Dの底付きを防止して車両における乗り心地を向上することができる。
また、車両用緩衝器Dに作用する車両前方から後方へ向かう方向の加速度の作用によって開閉弁6が迂回流路5を開閉するようになっており、車両旋回時等で上下方向に高周波振動が入力されても、迂回流路5は遮断状態に維持されるので、車両用緩衝器Dは、通常通りの減衰力を発揮するので、車両における乗り心地を損なうこともない。
したがって、この車両用緩衝器Dによれば、路面の段差に乗り上げて通過する際のインパクトショックのみを効果的に低減でき、車両における乗り心地を向上することができる。
なお、上述したように、車両が走行中に路面上の段差Jに乗り上げて通過するような場合には、車輪Wには、車両側方視で前方から後上方へ向けて押し上げるような力が作用する。したがって、スプール14のストロークする方向を、車両の前方から後上方へ向く方向に一致させるようにしてもよい。
また、この実施の形態にあっては、ばね15に初期荷重を与えてあって、車両用緩衝器Dに作用する車両の前から後方向に作用する加速度が所定値以下ではスプール14に働く慣性力が初期荷重を超えないと迂回流路5を遮断した状態に維持されるようになっており、制動時のようにインパクトショックの入力時よりも小さい加速度が作用する場合には、スプール14を遮断位置に留めて迂回流路5を閉じて、車体のノーズダイブを阻止することができる。このように、制動時程度に作用する加速度とインパクトショック時に作用する加速度との間に所定値を設定することで、ばね15でスプール14の変位を制限してノーズダイブを阻止しつつインパクトショックを低減することができる。
ところで、本実施の形態では、スプール14は、ハウジング13の中空部13a内を車両前方側となる前方側室13dを圧縮する方向へ変位する場合には、開放側通路19の逆止弁21が開いて、速やかに迂回流路5を開放することができることは上述したとおりであるが、反対に、スプール14が迂回流路5を開いてからばね15の附勢力によって閉じる方向、つまり、後方側室13eを圧縮する方向へ変位する場合には、開放側通路19の逆止弁21が閉じるので、遮断側通路20を介して後方側室13eから前方側室13dへ液体が移動することになるが、抵抗要素としての絞り弁23を液体が通過するので、スプール14は、迂回流路5を遮断する方向への変位は開放側への変位に比較してゆっくりとなり、迂回流路5をゆっくり閉じることになる。
この開放からの遮断時間は、ばね15と絞り弁23の抵抗によって調節することができ、この実施の形態の場合、スプール14が迂回流路5を開放してから遮断するまでの時間(開放時間)を、図3に示すように、ばねとして振舞う車輪Wにおけるタイヤと車輪Wを懸架する懸架ばねSの系における固有周期の半周期分の時間あるいは一周期の時間に設定されるのが理想的である。つまり、迂回流路5の開放時間を上記固有周期の半周期に設定する場合、車輪Wが段差Jに乗り上げて上方へ振動してから元の位置に戻ってくる間中、車両用緩衝器Dの発生減衰力は伸圧両側で低くなり、インパクトショックをより効率的に低減しつつインパクトショック後の車体振動を効果的に減衰でき、車体の沈み込みや浮き上がりを生じさせることも無い。同じく、迂回流路5の開放時間を上記固有周期の一周期に設定する場合にあっても、車輪Wの位置が元の位置に戻るので、インパクトショックをより効率的に低減しつつインパクトショック後の車体振動を効果的に減衰でき、車体の沈み込みや浮き上がりを生じさせることも無い。実際には、スプール14は、段差乗り上げ時における上記加速度の大きさによって変位量が異なるので、厳密に、上記開放時間を上記系における固有周期の半周期分の時間あるいは一周期の時間に設定することは難しいが、実際の乗用車では、上記系における固有周波数は、10Hz〜20Hz程度であるので、スプール14が最大限変位しても迂回流路5の開放時間が100ms(ミリ秒)以内となるように設定しておくことで、インパクトショックの低減とインパクトショック後の車体振動の減衰を両立させることができ、車体の沈み込みや浮き上がりを抑制することができる。
また、悪路走行時のように連続的にインパクトショックが入力されるような場合にあっては、開閉弁6は、迂回流路5を抵抗要素としての絞り弁23の作用によって開放状態を維持することになる。そして、この実施の形態では、迂回流路5が圧側減衰弁4のみならず伸側減衰弁9をも迂回しているので、このような状況では、車両用緩衝器Dは、減衰力を低くして連続的にインパクトショックを低減できるのである。
なお、開閉弁6は、上述したように、車輪Wから車両用緩衝器Dに伝播する車両の前から後方向への加速度によって迂回流路5を開放動作することができればよいので、迂回流路5がシリンダ1外で圧側減衰弁4を迂回するようになっていてもよく、その場合、開閉弁6の設置箇所もシリンダ1外に設けてもよく、たとえば、車輪Wを支持するナックルなどに取付けられてもよい。
また、上述した車両用緩衝器Dにあっては、モノチューブ、すなわち、単筒型緩衝器とされていて、迂回流路5が圧力室R1と圧力室R2とを連通するようになっていたが、車両用緩衝器Dが複筒型緩衝器とされる場合には、図4に示すように、リザーバ30と圧側の圧力室31と連通する圧側減衰弁としてのベースバルブ32を迂回するように迂回流路33を設け、当該迂回流路33を上記したところと同様の構成を備えた開閉弁34で開閉するにしてもよく、また、この場合、迂回流路33の他に、ピストン35に設けられる伸側減衰弁36を迂回する迂回流路37を別途設けて、当該迂回流路37を開閉弁34と同様の構成の開閉弁38で開閉すれば、上記したところと同様に、インパクトショック入力時に伸圧両側の減衰力を低減せしめてインパクトショックを効果的に低減することができる。
さらに、車両用緩衝器Dがユニフロー型に設定する場合には、図5に示すように、リザーバ40と伸側室41とを連通する伸圧兼用の減衰弁42を迂回する迂回流路43を設けてこれを上記開閉弁6と同様の構成の開閉弁44で開閉するようにすればよく、この場合にも、上記したところと同様に、インパクトショック入力時に伸圧両側の減衰力を低減せしめてインパクトショックを効果的に低減することができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の車両用緩衝器は、車両の制振用途に利用することができる。
1 シリンダ
2 ロッド
3,35 ピストン
3a,3b ピストンにおけるポート
4 圧側減衰弁
5,33,37,43 迂回流路
6,34,38,44 開閉弁
7 ロッドガイド
8 フリーピストン
9,36 伸側減衰弁
10,11 ブラケット
12 ピストンナット
13 ハウジング
13a 中空部
13b,13c 透孔
13d 前方側室
13e 後方側室
14 スプール
15 ばね
16 凹部
17 スプールの前端部
18 スプールの後端部
19 開放側通路
20 遮断側通路
21,22 逆止弁
23 抵抗要素としての絞り弁
24 クッション
30,40 リザーバ
41 伸側室
42 伸圧兼用の減衰弁
D 緩衝器
G 気室
J 路面上の段差
L 液室
R1,R2,31 圧力室
W 車輪

Claims (7)

  1. シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてロッドに連結されるピストンと、圧縮行程時に減衰力を発生させる減衰弁を迂回する迂回流路と、迂回流路を開閉する開閉弁とを備え、当該開閉弁は車両の前から後へ向かう方向の加速度の作用によって迂回流路を開放する車両用緩衝器において、
    上記開閉弁は、車両の前後方向あるいは後上がりの方向に沿って迂回流路に連通される中空部を備えたハウジングと、ハウジングの中空部内に摺動自在に挿入されて迂回流路を開閉するスプールと、スプールを中空部内の後方側へ附勢してスプールを中空部内で迂回流路を遮断する遮断位置に位置決める附勢手段とを備え、
    上記スプールは、当該スプールから見て中空部前方側と中空部後方側とを連通するとともに当該中空部前方側から中空部後方側へ流体流れのみを許容する開放側通路と、中空部後方側と中空部前方側とを連通するとともに当該中空部後方側から中空部前方側へ流体流れのみを許容する遮断側通路とを備え、
    さらに、遮断側通路の途中に流体流れに抵抗を与える抵抗要素を設け、
    上記スプールが上記加速度の作用により附勢手段の附勢力に抗して中空部内を前方へ移動すると迂回流路を開放することを特徴とする車両用緩衝器。
  2. 上記迂回流路は、伸長行程時に減衰力を発生させる減衰弁を迂回することを特徴とする請求項1に記載の車両用緩衝器。
  3. 上記迂回流路とは、別に、伸長行程時に減衰力を発生させる減衰弁を迂回する迂回流路と開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用緩衝器。
  4. 上記スプールの迂回流路を開放する方向のストロークに対する抵抗より閉じる方向のストロークに対する抵抗を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用緩衝器。
  5. 上記附勢手段は、スプールを遮断位置に位置決めた状態でも初期荷重が与えられて附勢力を発揮し、上記加速度が所定値以下ではスプールは迂回流路を遮断状態に維持することを特徴とする請求項1,2,3、または4に記載の車両用緩衝器。
  6. 上記開閉弁は、迂回流路を開放してから100ms以内に遮断することを特徴とする請求項1、2、3、4、または5に記載の車両用緩衝器。
  7. 上記ハウジングが上記ロッドに上記ピストンを固定するピストンナットに一体化されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の車両用緩衝器。
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