JP2002369877A - 神経再建生体材料およびその製造方法 - Google Patents

神経再建生体材料およびその製造方法

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JP2002369877A
JP2002369877A JP2001180789A JP2001180789A JP2002369877A JP 2002369877 A JP2002369877 A JP 2002369877A JP 2001180789 A JP2001180789 A JP 2001180789A JP 2001180789 A JP2001180789 A JP 2001180789A JP 2002369877 A JP2002369877 A JP 2002369877A
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peptide
chitin
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nerve
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Isamu Yamaguchi
勇 山口
Tetsushi Taguchi
哲志 田口
Junzo Tanaka
順三 田中
Kenichi Shinomiya
謙一 四宮
Soichiro Ito
聰一郎 伊藤
Hironobu Fukuzaki
裕延 福崎
Yoichi Oka
洋一 岡
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National Institute for Materials Science
Taki Chemical Co Ltd
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National Institute for Materials Science
Taki Chemical Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
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    • A61L2430/32Materials or treatment for tissue regeneration for nerve reconstruction

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラミニンに匹敵する再生神経の誘導作用を持
つ臨床応用可能な人工神経再建生体材料の開発。 【構成】 キチンまたはキトサン表面にラミニンフラグ
メントを修飾した神経再建生体材料。ラミニンフラグメ
ントはYIGSRまたはIKVAVのアミノ酸配列を含
むもの。例えば、キチンまたはキトサン表面にカルボキ
シル基を導入し、ついで、カルボキシル基活性化試薬水
溶液に浸漬して、導入したカルボキシル基を活性化し、
次いで、チオール基を持つ分子を固定化し、次いで、導
入されたチオール基をチオール基活性化試薬と反応させ
S−S結合を形成させることによりカルボキシル基に固
定化されたチオール基を活性化し、次いで、ペプチドを
含んだリン酸緩衝液中に浸漬してペプチド末端のチオー
ル基と予め形成していたS−S結合とのジスルフィド交
換反応によりペプチドの活性部位を保護した状態形で固
定化することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キチンまたはキト
サン表面にラミニンフラグメントを修飾した神経再建生
体材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1990年にマッキノン(Mackinnon)は
ポリグリコール酸(PGA)生体吸収性チューブを指神
経損傷に管腔移植している。現在、臨床で使用されてい
る人工神経はこのPGAチューブだけであるが、生体適
合性、親和性等に問題があり、いまだ、わが国における
臨床症例は報告されていない。現在の人工神経では、架
橋できる長さが10cmにも満たない。しかし、通常行
われる上下肢神経欠損部への移植であれば、人工神経移
植で機能的再生が得られる。例えば、京大のグループ
は、PGAコラーゲンチューブにラミニンを被覆したコ
ラーゲンファイバーを挿入した人工神経を開発した。
【0003】また、チューブ内壁、あるいはファイバー
にラミニンを被覆したり、ラミニンや神経栄養因子を混
ぜたコラーゲンゲルをチューブに注入する方法などが盛
んに試みられ、特許出願もなされている(例えば、特開
平5−237139号公報、特表平9−501932号
公報、再公表特許WO98/22155号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】糖たんぱく質であるラ
ミニンは、図1に示すように、分子量約90万の柔軟な
十字架状分子構造を有し、上皮細胞を結合組織に接着さ
せる働き、神経細胞の突起伸長促進作用があり、神経再
建に有用と期待される。しかし、上記の従来技術で用い
られるラミニンは、EHS rat由来の腫瘍性産物な
ので、人体には使えない。また、ラミニンの分子量は大
きいので合成することも困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ラミニンに
匹敵する再生神経の誘導作用を持つ臨床応用可能な人工
神経再建生体材料についての研究開発を鋭意行い、キチ
ンまたはキトサン側鎖にラミニンペプチドを結合させる
ことによりその目的が達成できることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、キチンまたはキトサ
ン表面にラミニンフラグメントを修飾した神経再建生体
材料である。また、本発明は、ラミニンフラグメントが
YIGSRまたはIKVAVのアミノ酸配列を含むもの
であることを特徴とする上記の神経再建生体材料であ
る。
【0007】また、本発明は、キチンまたはキトサン表
面にカルボキシル基を導入し、次いで、ペプチドを含ん
だリン酸緩衝液中に浸漬してカルボキシル基の負電荷に
よりキチンまたはキトサン表面にペプチドを静電吸着さ
せることを特徴とする上記の神経再建生体材料の製造方
法である。
【0008】また、本発明は、キチンまたはキトサンあ
るいはカルボキシル基を導入したキチンまたはカルボキ
シル基を導入したキトサン表面にリン酸カルシウムを結
着し、次いで、ペプチドを含んだリン酸緩衝液中に浸漬
してリン酸カルシウムの負電荷によりキチンまたはキト
サン表面にペプチドを静電吸着させることを特徴とする
上記の神経再建生体材料の製造方法である。
【0009】また、本発明は、キチンまたはキトサン表
面にカルボキシル基を導入し、次いで、カルボキシル基
活性化試薬水溶液に浸漬して、導入したカルボキシル基
を活性化し、次いで、ペプチドを含んだリン酸緩衝液中
に浸漬してキチンまたはキトサン表面のカルボキシル基
とペプチドの水酸基およびアミノ基を反応させ共有結合
させることを特徴とする上記の神経再建生体材料の製造
方法である。
【0010】また、本発明は、キチンまたはキトサン表
面にカルボキシル基を導入し、次いで、カルボキシル基
活性化試薬水溶液に浸漬して、導入したカルボキシル基
を活性化し、次いで、チオール基を持つ分子を固定化
し、次いで、導入されたチオール基をチオール基活性化
試薬と反応させS−S結合を形成させることによりカル
ボキシル基に固定化されたチオール基を活性化し、次い
で、ペプチドを含んだリン酸緩衝液中に浸漬してペプチ
ド末端のチオール基と予め形成していたS−S結合との
ジスルフィド交換反応によりペプチドの活性部位を保護
した状態形で固定化することを特徴とする上記の神経再
建生体材料の製造方法である。
【0011】本発明の神経再建生体材料は、神経再建材
料として、神経細胞の突起伸長促進作用や細胞接着作用
を有し、優れた生体親和性と生分解性を有している。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、キチンまたはキトサン
表面にラミニンフラグメント、例えば、YIGSR(チ
ロシン−イソロイシン−グリシン−セリン−アルギニ
ン)、IKVAV(イソロイシン−リシン−バリン−ア
ラニン−バリン)などのアミノ酸配列を有するペプチ
ド、を修飾することによって得られた神経再建生体材料
である。この材料は、神経架橋用キトサンチューブの壁
面に該ペプチドを直接修飾して用いる方法、キトサン繊
維表面に該ペプチドを修飾し、神経架橋用チューブ内に
充填する方法、該ペプチドを修飾したキトサンゲルを充
填する方法などにより使用される。YIGSRは細胞接
着性を有し、IKVAVは細胞接着性と神経細胞突起伸
長促進作用を有するが、コラーゲン充填シリコンチュー
ブ(vivo)では効果がない。
【0013】以下に、本発明の神経再建生体材料の製造
方法を具体的に説明する。 1)キチンまたはキトサン表面にモノクロロ酢酸等を使
用してカルボキシル基を導入する。例えば、キチンまた
はキトサンのフィルムやチューブを水酸化ナトリウム水
溶液に浸漬し、これにモノクロロ酢酸等を滴下する。水
酸化ナトリウム濃度が高すぎる(25M以上)と、反応
が進みすぎるため溶解してしまう。好ましくは5〜20
Mである。カルボキシル基が導入されたキトサン(CM
−キトサン)は水溶性である。反応が進みすぎて水溶性
になるのを防ぐために、ある程度まで(例えば、pH1
0まで)モノクロロ酢酸を滴下し、その後に塩酸などの
酸で中和する方法もある。
【0014】次いで、CM−キトサンをペプチドを含ん
だリン酸緩衝液中に浸漬する。使用ペプチドは、シグマ
C1668 CDPGYUGSRまたはシグマC617
1CSRARKQAASIKVAVSADRのいずれか
である。カルボキシル基の負電荷により、キチンまたは
キトサン表面にペプチドが静電吸着する。リン酸緩衝液
濃度が高いほど吸着量が多くなる。また、浸漬時間は長
いほど吸着量が多くなるが、5時間以上ではあまり変化
が無い。この方法は、修飾されたペプチドの活性が維持
されやすいが、表面への固着力が共有結合よりも弱い。
【0015】2)キチンまたはキトサンあるいはカルボ
キシル基を導入したキチンまたはカルボキシル基を導入
したキトサン表面にリン酸カルシウムを結着する。例え
ば、キチンまたはキトサンのフィルムやチューブを塩化
カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウムなどの水
溶液に浸漬する。浸漬時間が長いほど生成量は大きい。
次いで、これを生理食塩水または蒸留水で洗浄する。次
いで、これをリン酸を含む水溶液、例えば、リン酸水素
ナトリウム水溶液、リン酸二水素ナトリウム水溶液、リ
ン酸水素二アンモニウム水溶液、に浸漬する。次いで、
これを生理食塩水または蒸留水で洗浄する。以上の一連
の操作を数回、例えば5回程度繰り返す。回数が多いほ
ど生成量が大きい。
【0016】この後、ペプチドを含んだリン酸緩衝溶液
中に浸漬する。リン酸カルシウムの負電荷により、キチ
ンまたはキトサン表面に燐酸カルシウムを介してぺプチ
ドが静電吸着する。この方法は、修飾されたペプチドの
活性が維持されやすいが、表面への固着力が共有結合よ
りも弱い。
【0017】3)上記の1)と同様に、キチンまたはキ
トサン表面にモノクロロ酢酸等を使用してカルボキシル
基を導入する。次いで、下記の式、
【0018】
【化1】 に示すカルボキシル基活性化試薬(WSC:Water Soluble
Carbodiimide、N-hydroxysccinimideなど)水溶液に浸漬
して、下記の式に示すように、導入したカルボキシル基
を活性化する。WSC濃度は、例えば、30mM程度と
し、浸漬時間は30分程度とする。WSC濃度が高いほ
ど、修飾量は多くなるが、高すぎると、キトサン内の分
子間架橋が進むため、導入したカルボキシル基が減少し
効果が悪くなる。
【0019】
【化2】
【0020】浸漬時間が長すぎてもキトサンに導入され
たカルボキシル基とキトサン中の水酸基あるいはアミノ
基との分子内架橋が進むため導入したカルボキシル基が
減少し効率が悪くなる。また、浸漬時間が短かすぎると
キトサンに導入されたカルボキシル基が十分に活性化さ
れない可能性がある。そのため、最適な活性化時間の設
定が必要である。また、温度条件はあまり高い温度では
活性が落ちるので50℃程度以下が望ましい。室温程度
であれば問題はなく、4℃程度であればより望ましい。
この後、ペプチドを含んだリン酸緩衝液中に浸漬する。
この処理により、キトサン表面のカルボキシル基とペプ
チドの水酸基およびアミノ基が反応し、共有結合で結合
する。
【0021】この方法は、上記1)、2)の方法より固
着力が強いが、下記の式に示すように、ペプチドの活性
部位にOH、NHがあるため、固定化反応によりペプ
チドの活性がなくなってしまう可能性があり、ペプチド
との結合部位を指定できないことから、活性の低下が起
こる(例えば、CDPGYIGSRのうち、CDPGと
反応したものは活性が維持されるが、YIGSRと反応
したものは失活する)。
【0022】
【化3】
【0023】4)上記の3)と同様に、キチンまたはキ
トサン表面にモノクロロ酢酸等を使用してカルボキシル
基を導入した後、カルボキシル基活性化試薬を用いて導
入したカルボキシル基を活性化する。上記の3)と同様
に、WSC濃度が高いほど、固定化量は多くなるが、高
すぎると、キトサン内の分子間架橋が進むため、導入し
たカルボキシル基が減少し効率が悪くなる。
【0024】また、浸漬時間が長すぎてもキトサンに導
入されたカルボキシル基とキトサン中の水酸基あるいは
アミノ基との分子内架橋が進むためシスティンの固定化
効率が低くなる。また、浸漬時間が短かすぎるとキトサ
ンに導入されたカルボキシル基が十分に活性化されない
可能性がある。そのため、最適な活性化時間の設定が必
要である。
【0025】次いで、システィンのリン酸緩衝液に浸漬
し、カルボキシル基にシスティン等のチオール基を持つ
分子を固定化する。濃度が高いほど吸着量が多くなる。
次いで、下記の式に示すように、システィン固定化CM
−キトサンを予想されるシスティンの固定化量より大過
剰の5,5'-dithiobis-(2-nitrobenzoic acid)(DTNB)等の
リン酸緩衝液に浸漬し、導入されたチオール基をチオー
ル基活性化試薬と反応させS−S結合を形成させること
により、カルボキシル基に固定化されたシスティン等の
分子内に存在するチオール基を活性化する。システィン
とDTNBとの反応は、混合後すぐに終了するが、固定
化表面へのDTNBの拡散を考慮して浸漬時間は30分
程度とする。
【0026】
【化4】
【0027】その後、下記の式に示すように、ペプチド
含有リン酸緩衝液中に浸漬することによってペプチド末
端のチオール基(活性部位以外)と予め形成していたS
−S結合とのジスルフィド交換反応によりペプチドの活
性部位を保護した状態形で固定化する。
【0028】
【化5】
【0029】この方法は、修飾過程が煩雑になるが、上
記1)、2)の方法より固着力が強く、ぺプチドとの結
合部位を指定できる。その結果、活性を維持できる(C
DPGYIGSRのうち、Cと反応するため、YIGS
Rの活性が維持される)。
【0030】
【実施例】実施例1 以下、製造方法を実施例を用いて詳細に説明する。直径
2mm、長さ15mm、厚さ0.1mmのキトサンチュ
ーブを10Mの水酸化ナトリウム水溶液20mlに浸漬
した。これに、2.5Mのモノクロロ酢酸をpHが7に
なるまで滴下した。この操作により、キトサン表面にカ
ルボキシル基が導入された。得られたカルボキシメチル
化キトサン(CM−キトサン)は、よく水洗して副生成
物を除去した。CM化の確認はFT−IR(Spectrum20
00,Perkin-Elmer)による分析において、カルボキシル基
が検出されることにより確認した。
【0031】これを、シグマ1668 CDPGYIG
SR(ラミニンフラグメント)100μg/mlのリン
酸バッファー水溶液に3時間浸漬した。ラミニンフラグ
メントを吸着したCM−キトサンを4Mの塩酸水溶液中
で3時間加水分解した後、4Mの水酸化ナトリウム水溶
液で中和した。この溶液を、市販のBCAプロティンア
ッセイ キット(PIERSE製)で分析したところ、4.7
μg/cm2 のラミニンフラグメントが吸着しているこ
とが確認された。
【0032】実施例2 直径2mm、長さ15mm、厚さ0.1mmのキトサン
チューブを、濃度2.2%の塩化カルシウム水溶液中に
5分間浸漬し、次いで、これを取り出した後、生理食塩
水に30秒間浸漬させ材料表面を洗浄した。次いで、こ
の材料を濃度4.3%のりん酸水素二ナトリウム水溶液
に5分間浸漬し、次いで、これを取り出した後、生理食
塩水に30秒間浸漬させ材料表面を洗浄した。以上の一
連の操作を、5回繰り返して行った。このような操作を
行うことにより、キトサン表面にりん酸カルシウム系化
合物を結着させた。
【0033】これをシグマ1668 CDPGYIGS
R(ラミニンフラグメント)100μg/mlのリン酸
バッファー水溶液に3時間浸漬した。ラミニンフラグメ
ントを吸着したCM−キトサンを4Mの塩酸水溶液中で
3時間加水分解した後、4Mの水酸化ナトリウム水溶液
で中和した。この溶液を、市販のBCAプロティンアッ
セイ キット(PIERSE製)で分析したところ、3.2μ
g/cm2 のラミニンフラグメントが吸着していること
が確認された。
【0034】実施例3 直径2mm、長さ15mm、厚さ0.1mmのキトサン
チューブを10Mの水酸化ナトリウム水溶液20mlに
浸漬した。これに2.5Mのモノクロロ酢酸をpHが7
になるまで滴下した。この操作により、キトサン辰面に
カルボキシル基が導入された。得られたカルボキシメチ
ル化キトサン(CM−キトサン)は、よく水洗して副生
成物を除去した。
【0035】これを、30mMのWSC水溶液に30分
間浸漬し、次いで、これを取り出した後、シグマ166
8 CDPGYIGSR(ラミニンフラグメント)10
0μg/mlのリン酸バッファー水溶液に3時間浸漬し
た。次いで、これを取り出した後、ラミニンフラグメン
トの静電吸着分を除去するため、300mMの食塩水中
で3時間浸漬し洗浄した。吸着分が除去され、共有結合
によりラミニンフラグメントが修飾されたCM−キトサ
ンを4Mの塩酸水溶液中で3時間加水分解した後、4M
の水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この溶液を、市
販のBCAプロティン アッセイ キット(PIERSE製)
で分析したところ、10.1μg/cm2 のラミニンフ
ラグメントが修飾していることが確認された。
【0036】実施例4 直径2mm、長さ15mm、厚さ0.1mmのキトサン
チューブを10Mの水酸化ナトリウム水溶液20mlに
浸漬した。これに2.5Mのモノクロロ酢酸をpHが7
になるまで滴下した。この操作により、キトサン表面に
カルボキシル基が導入された。得られたカルボキシメチ
ル化キトサン(CM−キトサン)は、よく水洗して副生
成物を除去した。
【0037】これを、100mMのWSC水溶液に30
分間浸漬し、次いで、これを取り出した後、システィン
のリン酸緩衝液(pH5.8)水溶液に3時間浸漬し
た。これを取り出した後、システィンの静電吸着分を除
去するため、300mMの食塩水中で3時間浸漬し洗浄
した。吸着分が除去され、共有結合によりシスティンが
固定化されたCM−キトサンを得た。システィン固定化
CM−キトサンを10mMの5,5'-dithiobis-(2-nitrob
enzoic acid)(DTNB)リン酸緩衝液(pH8)に30分間
浸漬し、S−S結合形成反応によってシスティンのチオ
ール基を活性化させた。
【0038】その後、シグマ1668 CDPGYIG
SR(ラミニンフラグメント)100μg/mlのリン
酸緩衝液水溶液(pH7.4)に1〜20時間浸漬する
ことによるジスルフィド交換反応によりラミニンフラグ
メントの末端で固定化した。ラミニンフラグメントの固
定化量は、ジスルフィド交換反応によって遊離してくる
5-thio-(2-nitrobenzoic acid)(TNB)の412nmにお
ける吸光度を測定し、TNBのモル吸光係数(Emol
13,600)を用いて算出した。その結果、19μg/cm
2 のラミニンフラグメントが固定化されていることが確
認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ラミニンの分子構造を示す模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 勇 茨城県つくば市千現2−8−7ヴェルジェ 301号 (72)発明者 田口 哲志 茨城県つくば市稲荷前19−8スプリーム成 城B205 (72)発明者 田中 順三 茨城県つくば市鹿島台3−6 (72)発明者 四宮 謙一 東京都北区田端5−12−13パインマンショ ン502 (72)発明者 伊藤 聰一郎 東京都文京区水道シャンポール小石川901 (72)発明者 福崎 裕延 兵庫県龍野市揖保町揖保上341−1 (72)発明者 岡 洋一 茨城県つくば市稲荷前25−10メルベーユフ レア101号 Fターム(参考) 4C081 AB18 AC03 BA12 CD091 CD112 DA03 DA04 DB07 DC03 EA03 4C097 AA14 AA20 BB01 CC03 DD14 EE16 MM04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キチンまたはキトサン表面にラミニンフ
    ラグメントを修飾した神経再建生体材料。
  2. 【請求項2】 ラミニンフラグメントがYIGSRまた
    はIKVAVのアミノ酸配列を含むものであることを特
    徴とする請求項1記載の神経再建生体材料。
  3. 【請求項3】 キチンまたはキトサン表面にカルボキシ
    ル基を導入し、ついで、ペプチドを含んだリン酸緩衝液
    中に浸漬してカルボキシル基の負電荷によりキチンまた
    はキトサン表面にペプチドを静電吸着させることを特徴
    とする請求項1記載の神経再建生体組織再生材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 キチンまたはキトサンあるいはカルボキ
    シル基を導入したキチンまたはカルボキシル基を導入し
    たキトサン表面にリン酸カルシウムを結着し、ついで、
    ペプチドを含んだリン酸緩衝液中に浸漬してリン酸カル
    シウムの負電荷によりキチンまたはキトサン表面にペプ
    チドを静電吸着させることを特徴とする請求項1記載の
    神経再建生体材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 キチンまたはキトサン表面にカルボキシ
    ル基を導入し、ついで、カルボキシル基活性化試薬水溶
    液に浸漬して、導入したカルボキシル基を活性化し、次
    いで、ペプチドを含んだリン酸緩衝液中に浸漬してキチ
    ンまたはキトサン表面のカルボキシル基とペプチドの水
    酸基およびアミノ基を反応させ共有結合させることを特
    徴とする請求項1記載の神経再建生体材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 キチンまたはキトサン表面にカルボキシ
    ル基を導入し、ついで、カルボキシル基活性化試薬水溶
    液に浸漬して、導入したカルボキシル基を活性化し、次
    いで、チオール基を持つ分子を固定化し、次いで、導入
    されたチオール基をチオール基活性化試薬と反応させS
    −S結合を形成させることによりカルボキシル基に固定
    化されたチオール基を活性化し、次いで、ペプチドを含
    んだリン酸緩衝液中に浸漬してペプチド末端のチオール
    基と予め形成していたS−S結合とのジスルフィド交換
    反応によりペプチドの活性部位を保護した状態形で固定
    化することを特徴とする請求項1記載の神経再建生体材
    料の製造方法。
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