JP2008504100A - ヒアルロン酸とアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドとのヒドロゲル及びその生物医学的及び医薬的使用 - Google Patents

ヒアルロン酸とアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドとのヒドロゲル及びその生物医学的及び医薬的使用 Download PDF

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Abstract

ヒアルロン酸と、タンパク質様構造を持ち、重合鎖に沿ってヒドラジド懸垂基を持つ多官能化ポリマーの化学的架橋に基づく組成物及び製品。該ポリマーは好ましくは生体適合性高分子であるアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドである。架橋により得られる材料、特にヒドロゲルは出発のヒアルロン酸と異なり、化学的及び酵素的分解を受けることが少なく、そしてそれらは生物医学及び医薬の分野に応用するためのシステムを製造するために使用することができる。

Description

本発明は、ヒアルロン酸及びアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドからなる新しいヒドロゲル、並びに生物医学及び医薬分野でのその応用に関する。特に本発明は、ヒアルロン酸と、重合鎖に沿ってヒドラジド側基(hydrazido pendent groups)を持つタンパク質様の構造を有する多官能化生体適合ポリマーとの化学的架橋に基づく製品及び組成物に関する。この架橋により、原料のヒアルロン酸と異なり、化学的及び酵素的分解に対して抵抗性の強いことを特徴とする材料を得ることができ、これは生物医学的及び医薬的適用のためのシステムを作るのに利用できる。
知られているように、ヒドロゲルは天然ポリマー又はその誘導体、合成ポリマー又は天然及び合成ポリマーの組合せからなり、それらの分子は静電力又は化学的結合により相互作用して、親水性架橋ポリマーを形成し、その乾燥重量の10〜20%から数百倍の範囲の量の水を吸収することができる。その親水性と共に潜在的生体適合性のために、ヒドロゲルは医薬品及び生物医学の分野において益々強い関心がもたれている。
特に、ヒドロゲルは、障害を受けた、病気の又は悪化したヒト組織又は臓器を治癒又は新しく再建する目的を持って組織工学マトリックスを製造する際の理想的候補である。組織工学は、ヒトの障害された組織を再生させる、又はそれを完全に再生産させるのに有用な技術の開発を扱う全く新しい科学である。修復組織細胞(例えば、皮膚組織における線維芽細胞、軟骨組織における軟骨細胞、骨組織における骨芽細胞など)の増殖及び分化及び続く細胞外マトリックス(ECM,これは全ての組織の主成分である)の沈着を可能にするためには、3次元構造、特に、細胞が自然環境に可及的に類似していることを感知して、接着、増殖して、新しいECMを沈着する多孔性システムが必要である。このような3次元構造は通常「足場」と呼ばれており、そしてヒドロゲルが組織工学のための類似のマトリックスを構築するのに特に適していることは既に知られており、例えば、疎水性構造に比較していくつかの利点があると考えられている。特に、これらの利点としては、ヒドロゲルマトリックスの中において細胞の接着、成長及び増殖を促進するために、細胞に栄養物を充分に流すことができ細胞の外へ生成物を還流することができるヒドロゲルの能力、恒常的生体適合性及び漸進的生体再吸収及び共有結合又は物理的結合による細胞接着のためのペプチドリガンドを容易に取り込む能力が含まれる。この後者の利点において、ヒドロゲルは、例えば、同じ目的に適用されるPLGA(乳酸−グリコール酸コポリマー)のような疎水性ポリマーとは異なっている。他方では、ヒドロゲルは、機械的耐久性が低く、このため取り扱いが難しい欠点があり、また滅菌が難しいことがある。
組織工学への応用としては、関節軟骨再生のために生分解スポンジ又は生分解フィルムを使用する場合、又は外傷(すなわち、火傷)又は疾患(糖尿病、AIDS)により生じる創傷の予防及び治癒の支援のために使用する場合が含まれる。この場合に、創傷への適用は、線維芽細胞のより速い再生活性を支援することができ、線維芽細胞は、足場へ接着して、新しいECMをより迅速に合成し、創傷を治癒するであろう。その他に、先ず、この足場をインビトロにおいて利用して実際の人工皮膚を作ることができ、その後それを使用して創傷を覆い、それを機能させることができる。同類の皮膚代用物は、創傷からの滲出物の喪失及び感染のリスクを減らすことができる一時的カバーとして働く。また、適切に薬物を搭載させた場合には、この足場は、創傷のタイプに応じて、抗生物質又は増殖因子の持続性放出のような薬物輸送機能を発揮させることもできる。例として、コラーゲンに基づく足場から得られた数種の製品は既に皮膚代用物として市販されている(特に、コラーゲンの足場上に線維芽細胞及びケラチノサイトを増殖させることにより得られる二層細胞層はApligraftTMの商標で市販されている)。
その可能性に関して大きな関心があるヒドロゲルのその他の生物医学的応用は、外科手術後の癒着の予防に使用することである。知られているように、手術後の癒着は、二つの対面する組織表面の間の線維性の縫合fibrous suturesの形成であり、手術により組織が受ける外傷から生じる。このような手術後の癒着は、心臓血管手術のみならず消化器及び婦人科の手術においても、それによる腸閉塞、不妊及び骨盤痛を生じることがあるので著しい問題である。この厄介な問題を予防するために最もよく使用される方法は、組織間の接触に対する物理的障壁として、これらの完全な分離に適し手術後の必要な期間中そこに留まることができる生体適合物質を置くことである。
この用途のために既に市販されているバリアーの中では、心膜の代替物として提案されている延伸したポリテトラフルオロエチレン(PrecludeTM,W.L.Gore,Flagstaff,AZ)を使用して実現したバリアーは臨床的に良好な有効性を示すが、完全に生体再吸収性ではないので、それを除去するために二次的手術が必要である。再生セルロースに基づくバリアー(IntercedeTM,Johnson & Johnson Medical Inc.,Arlington,TX)も使用されているが、血液との接触を避けて使用した場合にのみ良好な有効性が示されている。しかし、現在最も広く販売されている抗癒着バリアーはSeprafilmTM(Genzyme,Cambridge,MA)である;これはカルボキシメチルセルロースで修飾したヒアルロン酸に基づく物質である。その性質は好ましいものではあるが、この物質は取り扱いが容易でなく、脆く、あまり弾力性がなく、そしてヒアルロン酸に化学的修飾が施されているにもかかわらず非常に早い再吸収時間が特徴である。
知られているように、以下に報告されるこれら及び他の生物医学的及び医薬的応用のための優れた候補は、D−グルクロン酸(GlcUA)及びN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNAc)の交互の単位から構成される高分子量の直鎖多糖であるヒアルロン酸であり、その化学構造は次の式により表すことができる:
Figure 2008504100

[式には二つの連続する二糖単位が示されており、式中の反復単位の対の数nは多糖の分子量が50,000から数百万ダルトンの間になるような数である]。
ヒアルロン酸(HA)は、動物組織中に広範囲に分布しており、細胞外マトリックスの基本的成分であり、そこで細胞の増殖及び分化を調節している。それは細胞の移動及び組織治癒のようないくつかの重要な生物学的過程に関与しており;それは炎症反応を調節し、フリーラジカルの「スカベンジャー」として作用する。HAは細胞表面に存在する特異的受容体と相互作用することにより腫瘍の増殖に関与していることが示されている。これは、このポリマーが抗腫瘍活性を持つ新しい高分子プロドラッグの製造において可溶性担体として応用される可能性を生じたことに対する最近の関心を説明すると思われる。
一般的に、ヒアルロン酸は−医薬品としてまた手術補助としても−眼科の分野において粘度補充に応用され、そして様々な性質の変形性関節炎により生じる関節痛を緩和するための粘度補充のために、関節内注射により投与される潤滑剤として広く試験されており、また「薬物送達(ドラッグデリバリー)システム」として、すなわち、薬物の持続的又は調節放出のための担体として応用され、そしてとりわけ化粧品として応用されている。さらに、上記の生物学的機能に照らして、HAは注射により神経再生を促進することが報告されており、創傷の上に適用された場合に組織再生を促進する。さらに、速やかな皮膚透過性(cutaneous permeability)及び表皮保留(epidermic retention)の性質はそれと共に投与された薬物、例えば、経皮投与として適用される医薬デバイスにおいてその半減期を延ばすことができる。
前記から、その生体適合性のために、ヒアルロン酸に基づく生体材料が組織工学のための支持材料として高度に適しており、インビボ及びインビトロのいずれにおいても細胞増殖過程を促進するために有用であると共に、手術後の癒着の予防におけるバリアーとしても有用であることは明らかである。しかし、HAのみの使用は、弾力性に乏しく、そして脆い足場となるという欠点を示す。さらに、このような足場には極めて親水性の表面が提供されているので、接着及び細胞の分化に向いていない。特にこの理由のために、コラーゲン又はゼラチンのような生体適合ポリマーと、又はポリリジンのような合成ポリマーと混合又は架橋することによりHAを修飾すること、又は疎水性基により化学的に修飾したHAが何度か提案された。
側鎖官能基を導入することによりHAの多糖分子を化学的に修飾することは、別の目的として、すなわち、薬物が担体の多糖鎖に化学的に結合して作用部位に運ばれ、その生物学的利用率を増加することができる方法と時間にそれから放出される持続的放出医薬システム(薬物送達システム)を得ることである。
ここで考慮されるように使用されるヒアルロン酸のその他の重要な欠点は、インビボにおける速い化学的及び酵素的分解による短い残存時間である。事実、ヒトの細胞及び血清中にいたるところに分布している酵素であるヒアルロニダーゼ(HAアーゼ)により分解されるだけでなく、酵素活性がなくても化学的加水分解を受ける。この理由により、一方でここに報告した応用の一部の場合に、この材料がその機能を発揮した後に再吸収されることは、必要な好ましい性質であるが、他方では、作用部位における製品の半減期又は持久性を過剰に減少させるほどにはその分解が速くないことは重要である。
したがって、特に上記に報告した生物医学及び医薬への応用に対して、この生体適合材料の有益な性質を利用することができるが、しかし、同時に、より優れた機械的及び弾性的性質及び、とりわけ、インビトロ及びインビボにおける化学的及び酵素的加水分解に対して優れた抵抗性を有して、適用した場所において持続的作用を発揮するようなヒアルロン酸に基づく材料の開発に対して明らかな関心が存在する。さらに、ヒドロゲルでこれまで考慮したように、試験材料は、水性の媒体と接触した際に水を吸収し膨潤する能力を持たなければならない。
この要求を満足させるために、本発明により、HAを、実質的に直線的で、タンパク質様構造を持ち、その生体適合性は既に確認されているポリアミノ酸構造を持つ適当な架橋剤と反応させることによりHAを化学的に修飾することが検討された。特に、本発明により提案された架橋剤はポリヒドラジド構造を有する。なぜならそれはヒアルロン酸の反復二糖単位のカルボキシル基と共有結合するために使用できる可能性がある側ヒドラジド基(−CO−NH−NH)を各反復単位に示すからである。
ビスヒドラジド基を使用する機能化によるヒアルロン酸の化学的修飾は既に記述されており、例えば、いずれもPouyaniら(譲受人、The Research Foundation of State University of New York)の米国特許US 5616568及びUS 5652347及び対応する科学論文(T.Pouyani,G.D.Prestwich,Functionalized Derivatives of Hyaluronic Acid Oligosaccharides: Drug Carriers and Novel Biomaterials,Bioconjugate Chem.,1994,5,339−347)に記述されている。しかし、この場合に、それは架橋ではなく、むしろHAの機能化であり、多糖のカルボキシル基は一般式HN−NH−CO−A−CO−NH−NH(式中のAは一般的なスペーサー基を示す)の二官能性基と反応してヒドラジド側基を持つ機能化ヒアルロン酸:HA−CO−NH−NH−CO−A−CO−NH−NHを生じる。
言及した文献はまた、反応に関して、反応を活性化する試薬として既知のカルボジイミド(一般式R−N=C=N−Rを持つ)の使用を記述している。得られた製品がヒドロゲルを形成できるように機能化したHAのその後の架橋の可能性について、その文献は広範囲の既知架橋剤とさらに反応させることを示唆している。
同じ研究方針の枠内において、Vercruysseらも、2個を超える末端ヒドラジド基を持ち、出発多糖の真の架橋を生じ得る試薬を使用することによりHAを修飾して、ヒドロゲルに類似の材料を作ることを提案した(Vercruysse et al.,Synthesis and in Vitro Degradation of New Polyvalent Hydrazide Cross−Linked Hydrogels of Hyaluronic Acid,Bioconjugate Chem.,1997,8,686−694)。その論文のタイトルは「多価ヒドラジド」と称してはいるが、この研究において考慮されている試薬は2から6個のヒドラジド基を含む合成化合物であり、それは重合鎖ではない。その研究において使用されたビス−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサヒドラジドの生体適合性に関する考慮が全くないことは別としても、第一に、異なる性質を持つほかの直線的ポリマーとの化学的結合によるのではなく、比較的小さな分子サイズの多官能性試薬を使用することにより架橋したHAを得ているので、その文献は本発明において考慮したものとは異なる性質及び構造を持つ材料の製造を記述している。
以上を考慮して、本発明は、HAの架橋剤として反復単位毎に1個のヒドラジド側基を含むポリペプチド骨格を持つポリヒドラジドポリマーを使用することを提案する。特に、記述されたタイプの好ましいポリマーは、水溶性で生体適合性のポリマーの材料であり、本発明を提案した研究グループにより既に合成され研究されたアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジド(PAHy)である(G.Giammona,B.Carlisi,G.Cavallaro,G.Pitarresi,S.Spampinato,A new water−soluble synthetic polymer,α,β−polyaspartylhydrazide,J.Control.Rel.,1994,29,63−72)。言及した文献に報告されているように、この材料はヒドラジンによる高分子量のポリコハク酸イミドのアミノ分解により得られた。特に、ポリコハク酸イミド(PSI)はD,L−アスパラギン酸の重縮合により得られ、次いでそれをヒドラジン(HN−NH)と反応して、次の化学構造式で表されるポリマーを得た:
Figure 2008504100
前記式から明らかなように、出発のポリコハク酸イミドの環状構造のために、ヒドラジンのカップリングは、メチレン基を重合骨格中に残すか或いは側官能基に残すように生じさせることができる。したがって、反復単位(上記式は5個の反復単位を示す)は最初の場合と二番目の場合で構造が若干異なることがあるが、その分子量は同じである。
言及した文献に、PAHyの合成と分析、並びに血漿代替物としてこのタンパク質様ポリマーを使用する提案が報告されている。この目的のために、毒性試験、免疫原性及び血小板凝集試験の結果が報告されており、このポリヒドラジドポリマーの完全な生体適合性が示されている。
したがって、本発明は特にポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋したヒアルロン酸を含む組成物であって、ヒアルロン酸の二糖単位の1又はそれ以上のカルボキシル基がポリヒドラジドポリマーの1又はそれ以上のヒドラジド基とそれぞれ化学的に結合している組成物を提供する。好ましくは、前に指摘したように、該ポリヒドラジドポリマーはアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジド(PAHy)であり、これはその水溶性、生体適合性及び非免疫原性に関して充分に調査されている。しかし、本質的に直鎖であるポリアミノ酸構造を持ち、鎖に沿って側ヒドラジド基を有する他のポリマーは、加工性、機械的耐性及び分解に対する抵抗性に関して適当な性質を持つ組成物及び材料を与えるように、ヒアルロン酸を架橋させるために同様に使用することができる。
特に、本発明の組成物において、ヒアルロン酸は50,000から1,500,000ダルトンの分子量を持ち、ポリヒドラジドポリマーがPAHyである場合には、これは2,000から40,000ダルトンの分子量を持つ。
ある好ましい態様により、本発明は、前に定義したポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋したヒアルロン酸からなるヒドロゲルを提供する。また、この場合に、ポリヒドラジドポリマーはアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドであり、好ましくは、ヒドロゲル製造に使用されるヒアルロン酸は50,000から1,500,000ダルトンの分子量を持ち、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドは2,000から40,000ダルトンの分子量を持ち、最も好ましい範囲は10,000から30,000ダルトンである。
架橋ポリマー材料の製造において、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドの反復単位のモル数とヒアルロン酸の反復単位のモル数の比は好ましくは0.01から5であり、最も好ましくは0.5から3である。
本発明のヒドロゲルを構成する両ポリマーの化学構造の観点から、架橋反応により生じる生成物について、以下の構造を想定することができる:
Figure 2008504100
本発明のある好ましい態様により、提案するヒドロゲルは、活性化剤としてカルボジイミド(一般的構造R−N=C=N−Rを持つ)の存在下にヒアルロン酸とポリヒドラジドポリマーを反応させることにより得ることができる。好ましい活性化剤は、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)であるが、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、シクロヘキシル−β−(N−メチルモルホリン)エチル カルボジイミド p−トルエンスルホン酸塩(CMC)又はN−アリル−N’−(β−ヒドロキシエチル)カルボジイミドのような他の同様な試薬をその代わりに使用することができる。好ましくは、EDCが使用される場合に、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドのモル数とヒアルロン酸の反復単位のモル数の比は0.01から10である。
架橋反応を活性化するために、反応媒体に他の活性化剤、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS),特にN−ヒドロキシスルホコハク酸イミド(NHSS)を加えると有利であることがある。この場合に、NHSSは該N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドと同モル量で存在することが好ましい。
他の特別な態様により、本発明はポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋したヒアルロン酸からなるヒドロゲルの製造方法であって、動物若しくは植物資源から又はバイオテクノロジーによるプロセスにより得られ、上記の分子量を持つヒアルロン酸と、上記の分子量を持つポリヒドラジドポリマー、好ましくはPAHyとを所定のモル比で二重蒸留水(double−distilled water)に溶解し、所定の量のカルボジイミド、好ましくはEDCをそれに加える製造方法を提供する。反応混合物0℃から60℃に1時間から5日間の時間範囲で維持し、次いで生成物をヒドロゲルとして回収する。この場合に、反応の間、特に0.1N HCl溶液又は塩酸ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンを1から500mMの濃度範囲で使用して、pHを3から8の間に維持する。
その他の態様により、本発明の方法は、当該カルボジイミドの他に、反応を活性化する別の試薬として、所定量のN−ヒドロキシコハク酸イミド、好ましくはNHSSを添加してもよい。この場合に、反応中、pHは4から10の間に維持する。
反応時間の後、各生成物は二重蒸留水で数回洗うことにより精製し、次いで(ナノ粒子、ミクロ粒子又はスポンジを得るために)凍結乾燥するか、又はフィルム、膜又は棒(rods)を得るために、適当な鋳型の中で数日間25℃において1気圧の圧力で乾燥する。報告された実験データを参照して後により明らかになるが、製造されたシステムは生物医学及び医薬の分野において広範囲に応用される多様性を有しており、例えば、創傷治癒、手術後の癒着の予防、関節の潤滑、インビトロ及びインビボにおける細胞増殖、薬物送達システムの実現のために適している。
HA及びポリヒドラジドポリマーの溶液はいずれも別々に滅菌することができることも考慮されなければならない。それらの混合後、常に10分を超えているゲル化時間は、数分後に組織上で直接ゲル形成が得られるようにゲル形成溶液をその場(in situ)に適用することを可能にする。この分野において、同じ応用のために提案された市販製品が既に存在し、例えば、混合した後その場で(in situ)架橋することができるPEG(ポリエチレングリコール)誘導体に基づく適当な試薬を充填したダブルシリンジからなる製品がある。この溶液は、手術後の癒着を予防するために組織上にスプレーされる。
したがって、さらに本発明は特にポリヒドラジドポリマー、好ましくはアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドと化学的に架橋したヒアルロン酸からなるヒドロゲルをその場で形成するためのキットであって、第一のヒアルロン酸に基づく成分を入れた容器と、第二のポリヒドラジドポリマーに基づく成分を入れた容器とを含み、この二つの成分が直接適用した部位上において相互に接触した後にヒドロゲルを形成することができる、キットを提供する。
本発明により得られる各製品は、分光光度計技術、並びに20℃から40℃の温度範囲で二重蒸留水及びいくつかの生物学的液(細胞外液、胃液、腸液、滑液、眼房水又は硝子体液)をまねた媒体中における膨潤測定により特徴付けられた。後で報告する膨潤値は、本発明により製造されたヒドロゲルの水性媒体に対する高い親和性を示した。この親和性の程度は、架橋の程度、並びに膨潤媒体の組成及びpH(検討したpH範囲は1から9)に依存する。
本発明の各製品について、いくつかの生物学的液をまねた種々の塩組成及びpH値の媒体(検討したpHの範囲は1から8)を使用して、1から30日のインキュベーション時間で37℃の化学的加水分解試験も行われた。後で一部報告する、得られた結果は、提案された製品が、加水分解媒体(組成及びpH)、インキュベーション時間及びヒドロゲルの架橋の程度に相関して、化学的加水分解に抵抗性であることを示した。
最後に、本発明の製品について、種々の濃度でHAアーゼを含む水溶液(1から1000U/mlの範囲)を使用することにより、37℃で30分から30日の範囲のインキュベーション時間において酵素的加水分解試験を行った。この場合、後で報告するように、得られた結果は、本発明の製品は、酵素濃度、インキュベーション時間及びヒドロゲルの架橋の程度に相関してヒアルロニダーゼによる加水分解にも抵抗性があることを示した。
本発明の特別な態様、並びにその利点及び相当する操作条件と共に本発明に関して行われた実験結果及び先行技術との比較のためのデータは、単に実施例の様式により以下に報告される詳細な説明の中でさらに明らかにされる。一部の実験結果は付属する図においても報告される。
実施例1
ヒアルロン酸を含む水溶液(0.5%w/v)を、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジド(PAHy)の反復単位のモル数とヒアルロン酸の反復単位のモル数の間の比(「X」として示される比)が2となるようにPAHyに加えた。
ヒアルロン酸とPAHyの間の反応を活性化するために、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)のモル数とヒアルロン酸の反復単位のモル数の間の比(「Y」として示される比)が1.8となるような量で、EDCのみを使用した。
反応混合物を37℃で4時間維持した。反応中、300mM濃度の塩酸ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタンの溶液を使用して、pH値を4.75の一定値に維持した。
この反応時間の後、得られた製品を二重蒸留水で数回洗うことにより精製し、次いで凍結乾燥により乾燥してミクロ粒子を得た。
得られた製品を秤量し(収率94%±1.9)、そして分光光度計技術により分析した。
同じ方法を使用することにより、ナノ粒子、フィルム、棒(rods)、スポンジ及びゲルを得ることもできる。
実施例2
活性化剤としてEDCの存在下に、同じモル当量のN−ヒドロキシスルホコハク酸イミド(NHSS)を存在させて、架橋を行った以外は実施例1に報告されたのと同じ方法を繰り返した。この場合に、pH値は7.5に維持した。
実施例1と同様に反応を行うことにより、精製製品として類似の収率が得られ、それを分光光度計技術で分析した。
膨潤試験
ナノ粒子、ミクロ粒子、フィルム、棒、スポンジ及びゲルのような種々の大きさと形状で得られた製品は、二重蒸留水中において高い膨潤度を示す。前に報告したように、この性質は本発明のヒドロゲルに、出発ポリマーの両者の生体適合性によっても確認される潜在的生体適合性を賦与するので、生物医学及び医薬の分野においてこの製品の使用について幅広い可能性を与える。
前に定義したモル比X及びYを変えることにより、前記実施例の方法により得られる一連のHA−PAHyスポンジを使用して、DPBS緩衝液pH7.4及びクエン酸緩衝液pH6.3における膨潤試験を行った。適当な方法を使用することにより、膨潤の状態は膨潤したスポンジの平衡重量と同じスポンジの乾燥重量の間の比(Q)により表される。
これらの実験結果の一部は図1及び2に示されており、水性媒体として二つの異なる緩衝液を使用して実施した。これらの図を吟味することにより、リン酸緩衝液における膨潤値はクエン酸緩衝液における対応する値Qの2倍であることがわかる。さらに、両媒体中において、スポンジ中のPAHyの量(1と2の間のX比)の増加により膨潤能力の若干の増加を生じ、これはY値の値が小さいほど明白になる。
化学的及び酵素的分解試験
前記実施例1及び2の方法により得られた製品について、37℃で10日間リン酸緩衝液pH7.4(細胞外液を想定)及びpH5.5(皮膚のpHを想定)の中での化学的加水分解試験を行った。10日後、製品を取り出し、二重蒸留水で洗って精製し、凍結乾燥して重量を測定して分解のパーセンテージを測定した結果、4%未満であった。
別の実験セットでは、種々のモル比X及びYにより得られた前記の一連のヒドロゲルを充分に洗って、凍結乾燥し、次いでクエン酸緩衝液pH6.3の中にヒアルロニダーゼの存在下又は非存在下に維持した。ヒアルロニダーゼは二つの異なる試験においてそれぞれ、75及び150U/mlの濃度で使用した。37℃で攪拌下に一定時間インキュベーションした後、ヒドロゲルの分解の程度を適当な分析方法を使用して評価した。
化学的分解(HAアーゼの非存在下)及び二つの異なる濃度の各酵素による酵素的分解の試験結果の一部は図3,4及び5にそれぞれ示されている。この場合に、ヒドロゲル製造に使用されたモル比X及びYに関するシリーズとして試験が組み立てられている。これらの図を吟味することにより、この実験のために選ばれた各媒体について、スポンジの分解が進行していることが明らかである。それぞれのシリーズにおいて、同じX値では、Yの値の増加により分解は減少する。これは、予想通り、架橋の効率がEDC及びNHSSの量の増加により増加することを意味する。
さらに、同じY値では、架橋剤(PAHy)の量、すなわちX値の増加により分解パーセンテージの明らかな減少が観察されるので、架橋の程度の減少により分解率が増加することを示している。最後に、分解に対して最良の抵抗性を示すスポンジはX=1及びY=1のときに得られるスポンジであることが観察でき、事実、そのスポンジは2週間後にHAアーゼの非存在下でわずか10%の分解を示す。
上記結果を考慮して、本発明のヒドロゲルは、時間に依存する加水分解又は酵素分解を受ける利点及び本発明の製品の製造条件を変えることにより、適用目的に応じた分解速度を決めることができる利点を有することは明らかである。製造された材料は、優れた緊密さと弾力を持つほかに、数日間は化学的及び酵素的分解に抵抗するが、長時間の後には完全に分解されて吸収される。
これらの利点は、本発明により、製造コスト及び容易さに不利益を生じることなく得られる。逆に、製造は極めて簡単、安価であり、そして高収量で容易に再現することができる。最後に、本発明により提案された生体材料が、ヒアルロン酸の生体適合性による利点及び合成(人工的)ポリマーの化学的多様性、容易な取り扱い及び低コストの製造などの特有の性質の優れた組合せを示すことを述べなければならない。
本発明は、その特別な態様の一部を個別に参照して開示されたが、付属する請求項に定義された本発明の範囲から離れることなく、当業者が修飾及び変更を加えることができることは理解されなければならない。
クエン酸緩衝液pH6.3の水溶液中における、本発明のHA−PAHyヒドロゲルに基づく一連のスポンジの膨潤状態を示す; Dulbeccoリン酸緩衝液(DPBS)pH7.4の水溶液における、図1と同様の一連のスポンジの膨潤状態を示す; HAアーゼの非存在下における、本発明のHA−PAHyヒドロゲルに基づく一連のスポンジの分解試験の結果を示す; 使用したHAアーゼの濃度が75U/mlである場合の、同様の一連のスポンジの酵素加水分解による分解試験の結果を示す;そして 使用したHAアーゼの濃度が150U/mlである場合の、同様の一連のスポンジの酵素加水分解による分解試験の結果を示す。

Claims (23)

  1. ポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋しているヒアルロン酸を含む組成物であって、ヒアルロン酸の二糖単位の1又はそれ以上のカルボキシル基が、それぞれポリヒドラジドポリマーの1又はそれ以上のヒドラジド基と化学的に結合している、組成物。
  2. 前記ポリヒドラジドポリマーが、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドである請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ヒアルロン酸の分子量が、50,000から1,500,000ダルトンである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドの分子量が、2,000から40,000ダルトンである請求項2又は3に記載の組成物。
  5. ポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋しているヒアルロン酸からなるヒドロゲルであって、ヒアルロン酸の二糖単位の1又はそれ以上のカルボキシル基がそれぞれ前記ポリヒドラジドポリマーの1又はそれ以上のヒドラジド基と化学的に結合している、ヒドロゲル。
  6. 前記ポリヒドラジドポリマーが、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドである請求項5に記載のヒドロゲル。
  7. 前記ヒアルロン酸の分子量が50,000から1,500,000ダルトンであり、前記アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドの分子量が2,000から40,000ダルトンである請求項6に記載のヒドロゲル。
  8. アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドの反復単位のモル数と、ヒアルロン酸の反復単位のモル数との比が0.01から5である請求項6又は7に記載のヒドロゲル。
  9. 活性化剤としてカルボジイミドの存在下にヒアルロン酸とポリヒドラジドポリマーを反応させることにより得ることができる請求項5〜8のいずれか一つに記載のヒドロゲル。
  10. 前記カルボジイミドが、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドである請求項9に記載のヒドロゲル。
  11. N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドのモル数とヒアルロン酸の反復単位のモル数との比が0.01から10である請求項10に記載のヒドロゲル。
  12. 追加の活性化剤としてのN−ヒドロキシコハク酸イミドの存在下に得ることができる請求項9〜11のいずれか一つに記載のヒドロゲル。
  13. 前記N−ヒドロキシコハク酸イミドが、N−ヒドロキシスルホコハク酸イミドである請求項12に記載のヒドロゲル。
  14. 前記N−ヒドロキシスルホコハク酸イミドが、前記N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドと同じモル量で存在する請求項13に記載のヒドロゲル。
  15. 前記ヒアルロン酸及び前記ポリヒドラジドポリマーを所定のモル比で二重蒸留水に溶解し、これに所定量のカルボジイミドを加え、得られた反応混合物を0℃〜60℃の温度に1時間から5日間維持し、その後、ヒドロゲルの形態で製品を取り出す請求項5又は6において定義したヒドロゲルを製造するための製造方法。
  16. 前記ポリヒドラジドポリマーがアルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドであり、前記カルボジイミドがN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドである請求項15に記載の方法。
  17. 反応中、pHが3〜8の範囲に維持される請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記カルボジイミドに加えて所定量のN−ヒドロキシコハク酸イミドを加える請求項15又は16に記載の方法。
  19. 前記N−ヒドロキシコハク酸イミドが、N−ヒドロキシスルホコハク酸イミドである請求項18に記載の方法。
  20. 反応中、pHが4〜10の範囲に維持される請求項18又は19に記載の方法。
  21. ナノ粒子、ミクロ粒子、フィルム、膜、棒、スポンジ又はゲルの形態の前記請求項のいずれか一つに記載の組成物及びヒドロゲル。
  22. ポリヒドラジドポリマーと化学的に架橋したヒアルロン酸からなるヒドロゲルをその場(in situ)で調製するためのキットであって、ヒアルロン酸に基づく第一の成分を入れた容器とポリヒドラジドポリマーに基づく第二の成分を入れた容器とを含み、該二つの成分は、直接適用部位の上で相互に接触した後ヒドロゲルを形成することができるキット。
  23. 前記ポリヒドラジドポリマーが、アルファ,ベータ−ポリアスパラギン酸ヒドラジドである請求項22に記載のキット。
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