JP2002365869A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002365869A
JP2002365869A JP2001171159A JP2001171159A JP2002365869A JP 2002365869 A JP2002365869 A JP 2002365869A JP 2001171159 A JP2001171159 A JP 2001171159A JP 2001171159 A JP2001171159 A JP 2001171159A JP 2002365869 A JP2002365869 A JP 2002365869A
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image forming
charging
toner
forming unit
particles
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Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Masayuki Hama
雅之 浜
Keiji Kawamoto
恵司 河本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アモルファスシリコン系感光体を用いるタン
デム方式の画像形成装置において、装置の大型化及び高
コスト化を抑制し、長期にわたって安定して良好な画像
を形成する画像形成装置を提供する。 【解決手段】 タンデム式の画像形成装置において、ト
ナー像を形成する複数の画像形成ユニットのうちの少な
くとも一つが黒画像形成ユニットであり、この黒画像形
成ユニットは、アモルファスシリコン系感光体と、体積
固有抵抗値が103〜108Ωcm以下の帯電部材と、抵
抗値が102Ω〜109Ωcm以下であり帯電部材の表面
に担持される導電性粒子とを有し、感光体と帯電部材と
の当接部には導電性粒子が介在し、帯電部材に電圧を印
加することにより感光体を帯電させる帯電手段と、転写
材へのトナー像の転写後に感光体上に残余するトナーを
回収する手段を兼ねる現像手段とを有し、トナー粒子、
無機微粉末、及び導電性粒子を含有する現像剤を用いる
画像形成装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体、前記感光
体を帯電させる帯電手段、前記感光体に静電潜像を形成
する潜像形成手段、前記感光体に近接又は接触して配設
され前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手
段、及び前記感光体から前記トナー像を転写材に転写す
るための転写手段を有する複数の画像形成ユニットを用
い、それぞれの画像形成ユニットで形成されたトナー像
を転写材上に順次重ね合わせて転写することによりカラ
ー画像を得るタンデム式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー画像形成装置における画像形成方
法の一つの方式に、画像形成ユニットを複数個配置した
タンデム方式がある。タンデム方式というのは、画像形
成ユニットによって形成された画像を、搬送されてくる
単一の転写材上に順次重ね合わせて転写することにより
転写材上にフルカラー画像を得る方式である。
【0003】このタンデム方式のカラー画像形成装置
は、使用可能な転写材の種類が豊富であり、フルカラー
画像の品質も高く、高速度でフルカラー画像を得ること
ができる、という優れた特質を備える。
【0004】しかしながら画像形成における用途の大半
はモノクロ画像形成が占めると考えられ、その場合、黒
の画像形成ユニットのみ感光体の削れが増大し、感光体
の摩耗による画像不良が発生しやすい。
【0005】そのため特開平10−333393号公
報、特開平11−24358号公報には黒ユニットの感
光体のみをアモルファスシリコン系感光体として、黒の
画像形ユニットの高耐久化を可能にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらアモルフ
ァスシリコン感光体を用いると、特に高湿環境下での画
像流れが生じやすく、感光体を暖め、湿度を除去するよ
うな装置が必要になったりし、装置の大型化、高コスト
化につながってしまう。
【0007】さらに、黒トナーの消費量も増大すること
から、転写後の感光体上に残ったトナーをクリーニング
により除去し、その転写残トナーを捕集する装置の容量
を大きくしなければならず、そのために装置の大型化や
高コスト化につながってしまう。
【0008】また、タンデム式の画像形成装置の場合、
転写材搬送方向最下流の画像形成ユニットは上流側で転
写材上に形成されたトナー像が再転写しやすく、その再
転写トナーによって帯電部材が汚染され、感光体の帯電
不良が生じ、また現像器に混入する事で画像にかぶりや
色味の変化が生じてしまう問題が生じていた。
【0009】本発明は、アモルファスシリコン系感光体
を用いるタンデム方式の画像形成装置において、装置の
大型化及び高コスト化を抑制し、長期にわたって安定し
て良好な画像を形成する画像形成装置の提供を課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するための手段として、トナー像を形成する複数の画
像形成ユニットを有し、それぞれの画像形成ユニットに
転写材を順に搬送し、それぞれの画像形成ユニットで形
成されたトナー像を転写材上に順次重ね合わせて転写す
ることによりカラー画像を得るタンデム式の画像形成装
置において、画像形成ユニットは、導電性支持体及びこ
の導電性支持体上に感光層を有する感光体と、感光体を
帯電させる帯電手段と、この帯電した感光体に静電潜像
を形成する潜像形成手段と、感光体に近接又は接触して
配設され感光体に形成された静電潜像を現像剤で現像し
てトナー像を形成する現像手段と、このトナー像が形成
された感光体からトナー像を転写材に転写するための転
写手段とを有し、画像形成ユニットの少なくとも一つは
黒画像形成ユニットであり、黒画像形成ユニットの感光
体はアモルファスシリコン系感光体であり、黒画像形成
ユニットの帯電手段は、体積固有抵抗値が103Ωcm
以上108Ωcm以下の帯電部材と、抵抗値が102Ωc
m以上109Ωcm以下であり帯電部材の表面に担持さ
れる導電性粒子とを有し、感光体と帯電部材との当接部
には導電性粒子が介在し、帯電部材に電圧を印加するこ
とにより感光体を帯電させる帯電手段であり、黒画像形
成ユニットの現像手段は、転写材へのトナー像の転写後
に感光体上に残余するトナーを回収する手段を兼ね、黒
画像形成ユニットに使用される現像剤は、トナー粒子
と、無機微粉末と、導電性粒子とを有する画像形成装置
を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の画像形成装置を添
付図面を参照しながら以下に説明する。本発明の画像形
成装置における一実施形態を図6に示す。
【0012】本実施の形態における画像形成装置は、転
写材111を搬送するための転写材搬送部材113と、
転写材搬送部材113の搬送方向に沿って配設され転写
材搬送部材113で搬送される転写材111にそれぞれ
トナー像を転写するように設けられた四つの画像形成ユ
ニットと、転写材搬送部材113が搬送した転写材11
1上の未定着トナー像を転写材111に定着させる定着
装置118とを有している。
【0013】転写材搬送部材113は図5に示されるよ
うに搬送ベルトである。本実施の形態では転写材搬送部
材として搬送ベルトを用いているが、本発明において転
写材搬送部材は、各画像形成ユニットに転写材を順次搬
送できるものであれば特に限定されない。
【0014】定着装置118はローラ式の加熱加圧定着
装置である。本実施の形態では定着装置として加熱加圧
定着装置を用いているが、本発明において定着装置は、
転写材上の未定着トナー像を転写材に定着させることの
できるものであれば特に制限されない。
【0015】四つの画像形成ユニットのうち、図中Aで
示される画像形成ユニットは本発明における黒画像形成
ユニットであり、他の三つの画像形成ユニットは他色の
画像を形成する画像形成ユニットである。これらの画像
形成ユニット(以下、「カラー画像形成ユニット」とも
いう)としては、イエロー、マゼンタ、シアンの三色の
画像を形成する画像形成ユニットを用いることが一般的
である。カラー画像形成ユニットは転写材搬送部材の搬
送方向における上流側から順次配設され、黒画像形成ユ
ニットは、上記カラー画像形成ユニットに対して転写材
搬送部材の搬送方向において最も下流側に配設されてい
る。
【0016】カラー画像形成ユニットは、円筒状の回転
自在な感光体110と、感光体110に接触して配設さ
れる帯電部材を有しこの帯電部材に電圧を印加して感光
体110を帯電させる帯電手段116と、帯電した感光
体110に静電潜像を形成する潜像形成手段(図示せ
ず)と、形成された静電潜像を現像剤で現像してトナー
像を形成する現像手段117と、形成されたトナー像を
感光体110から転写材111に転写する転写手段にお
ける転写部材112と、転写後の感光体110上に残留
する転写残トナーを感光体110から除去するクリーニ
ング装置114と、転写残トナーが除去された感光体1
10表面の残留電荷を除電するための前露光手段(図示
せず)とを有している。
【0017】カラー画像形成ユニットに用いられる感光
体110、帯電手段116、潜像形成手段、現像手段1
17、転写部材112、クリーニング装置114、及び
前露光手段については、本発明ではカラートナーを用い
る画像形成において通常使用される種々の手段等を特段
の制限なく用いることができる。
【0018】上記手段等として一例を挙げると、感光体
110としては有機系感光体やアモルファスシリコン系
感光体等が挙げられる。帯電部材、転写部材としては感
光体に接触して帯電、転写を行うスポンジ、ソリッド、
ファーブラシ、磁気ブラシ状態のローラ型、ブレード
型、プレート型等の部材や、非接触で帯電させるコロナ
帯電器等が挙げられる。潜像形成手段としては所望の画
像情報に対応した光を照射できる手段としてレーザー発
生装置やLED等が挙げられる。
【0019】現像手段としては、採用される現像方式に
よって適切な現像手段を選択すれば良い。本発明で採用
される現像方式としては、トナーのみで現像を行う一成
分現像方法、トナーにキャリアを混合して現像を行う二
成分現像方法、感光体とトナーが接触する接触現像方
法、非接触である非接触現像方法等が挙げられる。現像
方式は用いられるトナーの種類等によって選択すれば良
い。また接触及び非接触現像方式については、感光体と
後述する現像剤担持体とのギャップを調整することでい
ずれかを選択することができる。
【0020】なおカラー画像形成ユニットにはカラー画
像形成において通常使用される現像剤が特段の制限なく
用いられる。なおカラートナーには特に制限はないが、
トナーとしては、円形度の高いトナーを用いることが良
好な転写特性を実現する上で好ましい。また現像方式に
ついては、カラートナーを用いる場合では非磁性トナー
を用いることが一般的であることから、カラー画像形成
ユニットでは二成分現像方式を採用することが好まし
い。
【0021】クリーニング装置114には感光体に当接
するクリーニング部材と廃トナー容器とを有する通常の
装置を用いることができる。クリーニング部材としては
磁気ブラシやブレード等が挙げられる。また転写材とし
ては紙などの他に、例えばゴムベルト上等に画像を形成
させてその画像を紙などに再転写させる場合に用いる中
間転写体等も挙げられる。前露光手段としては、潜像形
成手段で例示した手段の他、前露光ランプ等が挙げられ
る。
【0022】黒画像形成ユニットは、感光体として非晶
質炭素膜で表面層を構成したアモルファスシリコン系感
光体を有し、帯電手段として導電性粒子を表面に担持す
る帯電部材を有する接触式の帯電手段を有し、現像手段
として感光体上の転写残トナーを回収する手段を兼ねる
現像兼クリーニング手段を有することを特徴とし、クリ
ーニング装置は有しておらず、前述の特徴を備える他は
カラー画像形成ユニットと同様に構成されている。また
黒画像形成ユニットで使用される現像剤には、トナー粒
子と無機微粉末と導電性粒子とを有する現像剤が用いら
れている。
【0023】図6に示す黒画像形成ユニットの帯電部材
は、体積固有抵抗値が103Ωcm以上108Ωcm以下
であり、芯金とこの芯金の周面に設けられた導電性弾性
層とを有する回転自在なローラー部材である。このロー
ラー部材はアスカーC硬度が25度以上50度以下であ
り、少なくとも表面には、球形換算での平均セル径が5
μm以上300μm以下である窪みを有しており、かつ
ローラー部材の表面は、前記窪みを空隙部としたときの
空隙率が15%以上90%以下となるように形成されて
いる。
【0024】上記帯電部材の表面には導電性粒子が担持
されている。この導電性粒子は、抵抗値が102Ωcm
以上109Ωcm以下であり、現像剤のトナー粒子の体
積平均粒径よりも小さい体積平均粒径である。帯電部材
表面には、上記の導電性粒子が、帯電部材と感光体との
当接部に103個/mm2以上5×105個/mm2以下と
なるように担持されている。
【0025】黒画像形成ユニットの現像手段は、感光体
に対向して配置され感光体に現像剤を供給する現像剤担
持体を有し、感光体と現像剤担持体とが非接触に配置さ
れた現像手段であり、非接触現像方式で感光体上の静電
潜像を現像する手段である。
【0026】また、この現像手段は、現像時において現
像手段のかぶり取りバイアス、例えば現像剤担持体に直
流電圧を印加し、現像剤担持体と感光体の表面電位間の
電位差であるかぶり取り電位差(Vback)を発生さ
せ、この電位差によって感光体上に残留したトナーを回
収するものである。
【0027】黒画像形成ユニットに使用される現像剤の
トナー粒子は磁性酸化鉄を含有している。すなわち本実
施形態の黒画像形成ユニットでは一成分磁性現像剤が用
いられている。上記トナー粒子は、平均円形度が0.9
50以上であり、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.1%以
上2.0%以下である。なお上記現像剤には前述した導
電性粒子が含まれているが、その含有量は現像剤全体に
対して0.2重量%以上10重量%以下である。
【0028】画像形成時では、カラー画像形成ユニット
においてそれぞれの色に対応した画像のトナー像が形成
される。より詳しくは感光体110は帯電部材116に
よって帯電される。そして、レーザー発生装置により発
生したレーザー光Lを感光体110に照射する事によっ
て感光体110は露光され、その表面に静電潜像が形成
される。感光体110上の静電潜像は現像手段117に
よってトナーで現像され、転写材搬送部材113によっ
て搬送された転写材111を感光体に当接させ、電圧を
印加することによりトナー像を転写材111に転写する
転写部材112により転写材111上へ前記トナー像が
転写され、転写後に残余した転写残トナーはクリーニン
グ部材114により感光体上から除去され、前露光Pに
より感光体上の残留電荷を除電し、再び帯電部材で感光
体は帯電される。
【0029】各カラー画像形成ユニットで形成されたト
ナー像は、転写材111に重ねられた状態で転写され、
カラー画像のトナー像が転写された転写材111は黒画
像形成ユニットに搬送される。黒画像形成ユニットでは
黒色に対応した画像のトナー像が形成される。
【0030】黒画像形成時では、カラー画像形成時と同
様に感光体が帯電し、静電潜像が形成され、トナー像が
形成され、トナー像が転写され、前露光が行われる。転
写後において感光体は、転写残トナーを担持したまま帯
電手段に到達し、帯電手段による帯電を受け、現像手段
による現像位置に転写残トナーを搬送する。現像位置で
は均一に帯電した転写残トナーが、現像剤担持体と感光
体との表面電位差によって感光体から現像剤担持体に回
収される。回収されたトナーは現像剤として再利用され
る。
【0031】イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒のト
ナー像のそれぞれが重ねられた状態のトナー像を有する
転写材111は、転写材搬送部材113によって定着装
置118に搬送される。転写材上のトナーは定着装置1
18によって転写材に融着し、定着カラー画像を転写材
上に形成する。
【0032】なお、本実施の形態では、全ての画像形成
ユニットによってトナー像が形成されるカラー画像の形
成を例に説明したが、本発明では全ての画像形成ユニッ
トが作動しなくてはならないわけではなく、形成しよう
とする画像に応じて一部の画像形成ユニット(例えば白
黒画像に応じて黒画像形成ユニットのみなど)が作動し
て画像を形成しても良い。
【0033】黒画像形成ユニットでの感光体の帯電は、
導電性の粒子を介在させて帯電部材と感光体との接触頻
度を高めた上で感光体に直接に電荷を注入させ、感光体
を帯電させる注入帯電方式になる。そのため帯電部材と
感光体との微小間隙に生じる放電現象により感光体表面
が帯電する機構にくらべて、帯電部材に印加する電圧は
低くすることが可能になり、放電生成物による画像流
れ、放電による電気的な影響によって生じる感光体の削
れ量の抑制につながる。
【0034】また導電性粒子を含有した現像剤を用いる
ことにより、導電性粒子が現像剤から帯電部材に常に供
給されるので安定した帯電電位を得ることが可能にな
る。
【0035】ここで導電性粒子の挙動について説明す
る。現像手段のトナーに混入させた導電性粒子は、現像
手段による感光体側の静電潜像のトナー現像時にトナー
と共に適当量が感光体側に移行する。
【0036】感光体上のトナー画像は転写部において転
写バイアスの影響で記録媒体である転写材側に引かれて
積極的に転移するが、感光体上の導電性粒子は導電性で
あることで転写材側には積極的には転移せず、感光体上
に実質的に付着保持されて残留する。
【0037】黒画像形成ユニットはクリーニング装置を
有さないため、転写後の感光体の表面に残存の転写残ト
ナー及び上記の残存導電性粒子は、感光体と帯電部材の
当接部である帯電部に感光体面の移動でそのまま持ち運
ばれて、帯電部材に付着又は混入する。したがって、感
光体と帯電部材との当接部にこの導電性粒子が存在した
状態で感光体の直接注入帯電が行われる。
【0038】この導電性粒子の存在により、帯電部材に
転写残、あるいは再転写したトナーが付着・混入した場
合でも、帯電部材の感光体への緻密な接触性と接触抵抗
を維持できるため、該帯電部材による感光体の直接注入
帯電を行わせることができる。
【0039】つまり、帯電部材が導電性粒子を介して密
に感光体に接触して、帯電部材と感光体の相互接触面に
存在する導電性粒子が感光体表面を隙間なく摺擦するこ
とで、帯電部材による感光体の帯電は導電性粒子の存在
により放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電
が支配的となり、高い帯電効率が得られ、帯電部材に印
加した電圧とほぼ同等の電位を感光体上に与えることが
できる。
【0040】また、通常タンデム型の画像形成装置の場
合、画像形成部では上流側のトナー像が転写材上に存在
するために、上流側に比べて下流側に位置する画像形成
ユニットにおける転写効率が低下する傾向があるが、ト
ナー中に導電性粒子が存在することで、その粒子が感光
体とトナーとのスペーサー効果を発揮し、転写効率の低
下も抑制することが可能になる。
【0041】さらに上記の構成を用いる事により、独立
したクリーニング手段を設けなくても、現像手段でクリ
ーニング手段を兼ねることが可能になる。
【0042】それは、帯電部材に付着又は混入した転写
残トナーは、上述したように導電性粒子が介在にするこ
とで帯電不良を生じることなく、また帯電部材から徐々
に感光体上に吐き出されるので感光体面の移動と共に現
像部に至り、現像手段において現像兼クリーニング(回
収)することが可能になる。
【0043】したがって転写残トナーは帯電部材で一旦
保持され徐々に吐き出されて現像手段の混入するため
に、大量の転写残トナーが短時間で現像器に混入するこ
とがないので、かぶり等の大きな画像劣化が生じること
なく安定して良好な画像を提供することができる。
【0044】また、独立したクリーニング手段が必要な
いことから、感光体上の汚染物質の除去が積極的に行わ
れないことため、感光体上にトナー等が固着してしまう
融着による画像不良の発生が懸念されるが、上記のよう
に導電性粒子を介在させて帯電部材と感光体を当接させ
帯電を行うことで、その介在する導電性粒子の研磨効果
により感光体上の汚染物質除去する効果も発揮され、融
着による画像不良の発生を抑制できる。
【0045】さらに最下流が黒画像形成ユニットの場
合、上流側で形成された色違いのトナーが再転写し、現
像手段に混入しても画像特性に大きな影響を与えるほど
の色味変化は生じない。
【0046】また、最下流にクリーナー装置が存在する
画像形成ユニットの場合、タンデム型の画像形成装置で
は熱を発する定着器が最下流の画像形成ユニットの近い
ために、クリーナー装置内のトナー粒子が熱的に凝集し
やすくなり、その凝集トナー粒子によりクリーニング不
良や、感光体とクリーナー部材がそのようなトナーを摺
擦する事による感光体上のトナー融着が発生しやすいの
で、最下流に上記のクリーナーレスの黒画像形成ユニッ
トを配置した方が好ましい。
【0047】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像手段のトナーに混入させてある導電性粒子が現像部
で感光体面に移行し該像担持面の移動により転写部を経
て帯電部に持ち運ばれて帯電部に新しい導電性粒子が逐
次供給され続けるため、帯電部において導電性粒子が脱
落等で減少したり、該粉体が劣化するなどしても、帯電
性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定
して維持される。
【0048】以下、本発明に用いられる黒画像形成ユニ
ットの各構成要素について、更に詳しく説明する。
【0049】<感光体>本発明に用いられる黒画像形成
ユニットに使用される感光体は、アモルファスシリコン
系感光体である。アモルファスシリコン系感光体は、感
光体摩耗が少なく高耐久性に優れている。アモルファス
シリコン系感光体は、導電性支持体と、この導電性支持
体上に層形成されるシリコン原子を母体とする非晶質構
造である光導電性の感光層とを有する。感光層にはシリ
コン原子以外の原子を含ませることができ、このような
他の原子には通常知られている原子が用いられる。
【0050】さらに、通紙による感光体の摩耗量を抑制
する観点から、感光体は表面層を有することが好まし
く、この表面層は非晶質炭素膜である構成されている事
がより好ましい。なぜならば、非晶質炭素膜であると硬
い表面層になり、帯電部材や、転写、現像手段との摺擦
による摩耗量が少なくなるからである。
【0051】上記の表面層である非晶質炭素膜とは、含
有されるシリコン原子含有率が0.01%以下の膜であ
る。シリコン原子の含有率は以下の式で定義される
【数1】シリコン原子含有率(%)=[シリコン原子個数
/(シリコン原子個数+炭素原子個数)]×100
【0052】また、表面層のシリコン原子含有量(原子
個数)の測定は、炭素含有量を測定するためのサンプル
として7059ガラス基板上に0.5μm堆積させた表
面層を作製し、この表面層サンプルに対して、SIMS
による炭素原子、ケイ素原子個数を測定する。この測定
結果を上記の式に代入し、表面層におけるシリコン原子
含有率が算出される。
【0053】上記表面層の膜厚としては表面層の磨耗量
と電子写真の寿命との関係から0.01μm以上10μ
m以下、好適には0.1μm以上1μm以下の範囲が望
ましい。表面層の膜厚が0.01μm未満だと機械的強
度が損なわれやすく、10μmを越えると残留電位が高
くなり、好ましくない。以下、図面を参照して上記感光
体を詳細に説明する。
【0054】図1及び図2は本発明に用いられるアモル
ファスシリコン系感光体(以下「a−Si系感光体」と
もいう)の模式的な断面図の一例であり、図1は感光層
が機能分離されていない単一層からなる単層型感光体で
ある。また図2は感光層が電荷発生層と電荷輸送層とに
分離された機能分離型感光体である。
【0055】図1に示すa−Si系感光体は、アルミニ
ウム等の導電性支持体101と、導電性支持体101の
表面に順次積層された電荷注入阻止層102と感光層1
03及び表面層104からなる。ここで、電荷注入阻止
層102は導電性支持体101から感光層103への電
荷の注入を阻止するものであり、必要に応じて設けられ
る。又、感光層103は少なくともシリコン原子を含む
非晶質材料で構成され、光導電性を示すものである。更
に表面層104は炭素原子と水素原子を含むa−C:H
膜からなり、画像形成装置における顕像を保持する能力
をもつものである。
【0056】以下では、電荷注入阻止層102の有無に
より効果が異なる場合を除いては、電荷注入阻止層10
2はあるものとして説明する。
【0057】図2に示すa−Si系感光体は、感光層1
03が少なくともシリコン原子と炭素原子を含む非晶質
材料で構成された電荷輸送層106と、少なくともシリ
コン原子を含む非晶質材料で構成された電荷発生層10
5が順次積層された構成の機能分離型とした感光体であ
る。この感光体に光照射すると、主として電荷発生層1
05で生成されたキャリアーが電荷輸送層106を通過
して導電性支持体101に至る。
【0058】a−Si系感光体における上記各層は、圧
力調整可能な密閉系内に原料ガスを導入し、系内で放電
を発生させて原料ガスを分解し、導電性支持体上に層を
製膜する方法、例えば原料ガスとして常温常圧でガス状
の、又は放電系内でガス化し得るシリコン含有化合物や
炭化水素を用いたプラズマCVD法や、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等によって作製することが
できる。
【0059】尚、表面層104の成膜ガスとしては、C
4、C26、C38、C410等のガス、及びガス化し
得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ
る。又、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に応じて
2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用し
てもよい。
【0060】図3は、高周波電源を用いたRFプラズマ
CVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に示し
た図である。この装置は大別すると、堆積装置2100
と原料ガス供給装置2200とから構成されている。
【0061】堆積装置2100は、反応容器2110、
反応容器2110内に導電性支持体2112をセットす
るための導電性受け台2123、受け台2123にセッ
トされた導電性支持体を加熱するための加熱用ヒーター
2113、反応容器2110内に原料ガスを導入するた
めの原料ガス導入管2114、反応容器2110の側壁
面を構成するカソード電極2111、カソード電極21
11と他の反応容器壁面を電気的に区切るための絶縁部
材2121、反応容器2110内の圧力を検出するため
の真空計2119、反応容器2110内の空間と外部空
間とを自在に連通遮断するためのリークバルブ2117
及びメインバルブ2118を有している。カソード電極
2111には高周波マッチングボックス2115を介し
て高周波電源2120が接続されている。
【0062】原料ガス供給装置2200は、SiH4
2、CH4、NO、B26、CF4等の原料ガスボンベ
2221〜2226、バルブ2231〜2236、圧力
調整器2261〜2266、マスフローコントローラー
2211〜2216、流入バルブ2241〜2246、
流出バルブ2251〜2256、及び補助バルブ226
0を有している。補助バルブ2260はガス配管211
6を介して原料ガス導入管2114に接続されており、
各原料ガスボンベの原料ガスは補助バルブを介して反応
容器2110内に導入されるように構成されている。
【0063】以下、図3の装置を用いたa−Si系感光
体の作製方法の一例について説明する。
【0064】まず反応容器2110内に導電性支持体2
112を設置する。導電性支持体2112は導電性受け
台2123の上に設置されることによってアースに接続
される。
【0065】次に不図示の排気装置(例えば真空ポン
プ)により反応容器2110内を排気する。続いて加熱
用ヒーター2113により導電性支持体2112の温度
を20℃〜500℃の所望の温度に制御する。次いで、
感光体形成用の原料ガスを反応容器2110内に流入さ
せる。原料ガスの流入に際しては、バルブ2231〜2
236、リークバルブ2117が閉じられている事を確
認し、又、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ
2251〜2256、補助バルブ2260が開かれてい
る事を確認し、メインバルブ2118を開いて反応容器
2110及びガス配管2116を排気する。
【0066】その後、真空計2119の読みが0.67
mPaになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ
2251〜2256を閉じる。その後、バルブ2231
〜2236を開いて原料ガスボンベ2221〜2226
より各原料ガスを導入し、圧力調整器2261〜226
6により各ガス圧を2kg/cm2(約2.0×105
a)に調整する。次に流入バルブ2241〜2246を
徐々に開けて各原料ガスをマスフローコントローラー2
211〜2216内に導入する。
【0067】以上の手順によって成膜準備を完了した
後、導電性支持体2112上に、まず感光層の形成を行
う。
【0068】即ち、導電性支持体2112が所望の温度
になったところで、各流出バルブ2251〜2256の
うちの必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開
き、各ガスボンベ2221〜2226から所望の原料ガ
スをガス導入管2114を介して反応容器2110内に
導入する。次に、各マスフローコントローラー2211
〜2216によって、各原料ガスが所望の流量になる様
に調整する。その際、反応容器2110内が133.3
Pa以下の所望の圧力になるように、真空計2119を
見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。内圧
が安定したところで、高周波電源2120を所望の電力
(例えば周波数1MHz〜450MHz、より具体的に
は13.56MHz)に設定して、高周波電力を高周波
マッチングボックス2115を通じてカソード電極21
11に供給し、高周波グロー放電を生起させる。この放
電エネルギーによって反応容器2110内に導入させた
各原料ガスが分解され、導電性支持体2112上にシリ
コン原子を主成分とする所望の感光層が堆積する。所望
の膜厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、
各流出バルブ2251〜2256を閉じて反応容器21
10への各原料ガスの流入を止め、感光層の形成を終え
る。
【0069】感光層の組成や膜厚は公知のものを使用す
ることができる。
【0070】上記感光層に表面層を形成する場合も基本
的には上記の操作を繰り返せば良い。
【0071】図4は、VHF電源を用いたVHFプラズ
マCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に示
した図である。この装置は図3に示した堆積装置210
0を図4の堆積装置3100に置き換えることで構成さ
れる。
【0072】VHFプラズマCVD法によるこの装置で
の堆積膜の形成は、以下のように行うことができる。
【0073】まず、反応容器3111内に導電性支持体
3112を設置し、駆動装置3120によって導電性支
持体3112を回転し、不図示の排気装置(例えば拡散
ポンプ)により反応容器3111内を排気管3121を
介して排気し、反応容器3111内の圧力を1.33×
10-5Pa以下に調整する。続いて、加熱用ヒーター3
113により導電性支持体3112の温度を50℃乃至
500℃の所定の温度に加熱保持する。
【0074】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器311
1に流入させるには、前述したような手順に従い、反応
容器3111から原料ガスボンベまでのガス流路を排気
する。次に真空計(不図示)の読みが約6.65×10
-4Paになった時点で補助バルブ及び流出バルブを閉
じ、その後バルブを開いて原料ガスボンベから各原料ガ
スを圧力調整器に導入し、各原料ガス圧を2×105
aに調整する。次に、流入バルブを徐々に開けて、各原
料ガスをマスフローコントローラー内に導入する。
【0075】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして導電性支持体3112上に堆積膜
の形成を行う。
【0076】導電性支持体3112が所定の温度になっ
たところで流出バルブのうちの必要なもの及び補助バル
ブを徐々に開き、原料ガスボンベから所望のガスをガス
導入管(不図示)を介して反応容器3111内に導入す
る。次にマスフローコントローラーによって各原料ガス
が所定の流量になるように調整する。その際、放電空間
3130内の圧力が133Pa以下の所定の圧力になる
ように真空計(不図示)を見ながらメインバルブ(不図
示)の開口を調整する。
【0077】圧力が安定したところで、50MHz〜4
50MHz、例えば周波数105MHzのVHF電源
(不図示)を所望の電力に設定して、マッチングボック
ス3116を通じて放電空間3130にVHF電力を導
入し、グロー放電を生起させる。かくして導電性支持体
3112により取り囲まれた放電空間3130におい
て、導入された原料ガスは放電エネルギーにより励起さ
れて解離し、導電性支持体3112上に所望の堆積膜が
形成される。このときVHF電力導入と同時に加熱用ヒ
ーター3113の出力を調整し、導電性支持体の温度を
所定の値で変化させる。また層形成時では、層形成の均
一化を図るため駆動装置3120によって導電性支持体
3112を所望の回転速度で回転させる。
【0078】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガス
の流入を止め、堆積膜の形成を終える。
【0079】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の感光体が形成される。
【0080】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器3111
内、流出バルブから反応容器3111に至る配管内に残
留することを避けるために、流出バルブを閉じ、補助バ
ルブを開き、さらにメインバルブを全開にして系内を一
旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0081】上述のガス種及びバルブ操作は各々の層の
作製条件にしたがって変更が加えられることは言うまで
もない。
【0082】<帯電手段>黒画像形成ユニットに用いら
れる帯電手段には、感光体に接触して帯電させる接触式
の帯電手段が用いられる。この帯電手段は、体積固有抵
抗値が103Ωcm以上108Ωcm以下の帯電部材と、
抵抗値が102Ωcm以上109Ωcm以下であり前記帯
電部材の表面に担持される導電性粒子とを有する。
【0083】上記帯電部材としては、感光体に接触して
感光体に電圧を印可するために通常用いられる形態の帯
電部材、例えば帯電ローラー(ローラー部材)、帯電ブ
レード、導電性ブラシ等を用いることができる。
【0084】上記帯電部材は、感光体との十分な接触状
態を得ると同時に、移動する感光体を充電するに十分低
い抵抗を有する電極として機能することが重要である。
また接触帯電方式においては、感光体にピンホールなど
の欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必
要がある。感光体として前述したa−Si系感光体を用
いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには、帯電部
材の体積固有抵抗値が103以上108Ωcm以下の抵抗
値でなければならず、より好ましくは104以上107Ω
cm以下の抵抗値であることが良い。体積固有抵抗値が
103Ωcmよりも小さいと感光体に欠陥が存在した場
合に、そこに電荷が集中してしまいリーク画像が発生し
やすい傾向にあり、体積固有抵抗値が108Ωcmより
も大きいと一次帯電電位の低下が生じる傾向にあり好ま
しくない。
【0085】帯電部材の体積固有抵抗値は、まず帯電部
材を準備し、室温23度、湿度60%環境下で、アース
に接続した金属製のドラムを使用し、この金属ドラムに
帯電部材を両端部分にそれぞれ両側で総圧15.69
N、片側7.8Nの圧力を持って押し当て、金属ドラム
を100mm/sの速度で回転させ(ローラー形状の帯
電部材は従動で回転させ)、帯電部材の芯金の部分に、
アースに接続した高圧電源から−30Vの電圧を印加
し、その系に流れた電流量を測定し、金属製ドラムと帯
電部材のニップの面積と弾性層の膜厚から体積固有抵抗
値を算出することにより求められる。
【0086】また帯電部材は、帯電部材と感光体との当
接部に103個/mm2以上5×10 5個/mm2以下の導
電性粒子が介在することが好ましく、104個/mm2
10 5個/mm2がより好ましい。103個/mm2より低
いと十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が得られず帯
電性能の低下が生じる傾向にある。
【0087】ここで導電性粒子の上記介在量の検討につ
いて説明する。導電性粒子の介在量については、形成し
ようとする画像の解像度よりは均一な接触性が帯電時に
求められることから、導電性粒子がどれくらいの密度で
感光体に接触するかが重要な検討事項である。
【0088】一方で、人間の目の視覚特性に関して、空
間周波数が10cycles/mm以上では、画像上の
識別諧調数が限りなく1に近づき、濃度ムラを識別でき
なくなる。この特性を積極的に利用すると、感光体上に
導電性粒子を付着させた場合、少なくとも感光体上で1
0cycles/mm以上の密度で導電性粒子を存在さ
せ、直接注入帯電を行えば良いことになる。たとえ導電
性粒子の存在しないところにミクロな帯電不良が発生し
たとしても、その帯電不良によって発生する画像上の濃
度ムラは、人間の視覚特性を越えた空間周波数領域に発
生するため、画像上では問題はないことになる。
【0089】導電性粒子の密度が変化したときに、画像
上に濃度ムラとしての帯電不良が認知されるかどうかに
ついては、導電性粒子がわずかにでも介在すれば(例え
ば10個/mm2)、帯電ムラ発生の抑制に効果が認め
られるが、画像上の濃度ムラが人間にとって許容可能か
どうかという点においてはまだ不十分である。
【0090】ところがその介在量を102個/mm2以上
にすると、画像の客観評価において急激に好ましい結果
が得られるようになる。更に、介在量を103個/mm2
以上増加させていくことにより、帯電不良に起因する画
像上の問題点は皆無となる。
【0091】直接注入帯電方式による帯電では、放電帯
電方式とは根本的に異なり、帯電部材が感光体に確実に
接触する事で帯電が行われている訳であるが、たとえ導
電性粒子を感光体上に過剰に介在させたとしても、接触
できない部分は必ず存在する。ところが本発明の人間の
視覚特性を積極的に利用した導電性粒子の介在を行うこ
とで、実用上この問題点を解決する。
【0092】しかしながら、直接注入帯電方式を現像兼
クリーニング画像形成における感光体の一様帯電として
適用する場合には、転写残トナーの帯電部材への付着又
は混入による帯電特性の低下が生ずる。転写残トナーの
帯電部材への付着及び混入を抑制し、又は転写残トナー
の帯電部材への付着又は混入による帯電特性への悪影響
に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行うには、感光体
と帯電部材との当接部における導電性粒子の介在量が1
4個/mm2以上であることが好ましく良い。
【0093】また、導電性粒子の介在量の上限値は、導
電性粒子が感光体上に1層均一に塗布されるまであり、
それ以上介在しても効果が向上するわけではなく逆に、
露光光源を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる
傾向にある。したがって、導電性粒子の介在量における
上限値は、導電性粒子の粒径によっても変わってくるた
めに、一概にはいえないが、導電性粒子が感光体上に1
層均一に塗布される量が上限といえる。
【0094】導電性粒子の介在量が5×105個/mm2
を超えると、導電性粒子の感光体への脱落が著しく増加
し、粒子自体の光透過性を問わず、感光体への露光量不
足が生じる傾向にある。また、感光体上に導電性粒子が
多数付着し、画像流れの画像不良が発生しやすいので好
ましくない。5×105個/mm2以下では脱落する粒子
量も低く抑えられ露光の阻害を改善できる。導電性粒子
の介在量を104以下5×105個/mm2以下として画
像形成を行い、感光体上に脱落した粒子の存在量を測定
したところ、102以上105個/mm2以下であり、作
像上の弊害はなかった。したがって、導電性粒子の好ま
しい介在量の範囲は104以上5×105個/mm2以下
である。
【0095】上記導電性粒子の介在量は、感光体と帯電
部材との接触面における導電性粒子の介在量を直接測定
することが好ましいが、帯電部材と感光体との表面に速
度差を設けている場合、帯電部材に接触する前に感光体
上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触す
る帯電部材に剥ぎ取られることから、本発明では接触面
部に到達する直前の帯電部材表面における粒子量をもっ
て上記介在量とすることができる。
【0096】上記接触面部直前の帯電部材表面における
導電性粒子量を測定する方法としては、具体的には、帯
電バイアスを印加しない状態で感光体及び導電性粒子を
担持している帯電部材を稼働させた後に停止し、帯電部
材を感光体に当接させるのと同じ条件でスライドガラス
に当接させ、スライドガラスの背面からビデオマイクロ
スコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及びデ
ジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−310
0)にて接触面を1000倍の対物レンズで10箇所以
上撮影し、得られたデジタル画像から個々の粒子を領域
分離するため、ある閾値を持って2値化処理し、粒子の
存在する領域の数を所望の画像処理によって(例えばIm
age Analyzer V10(東洋紡績株式会社製等)を用いて)計
測する方法を用いることができる。
【0097】なお上記測定方法において、帯電部材の代
わりに感光体で同様の操作を行って測定すると、感光体
上における導電性粒子の存在量が測定できる。感光体上
における導電性粒子の存在量を測定することにより、潜
像形成時における導電性粒子の影響を把握、検討するこ
とができる。
【0098】また帯電部材の表面には離型性被膜を設け
てもよい。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PV
dF(ポリフッ化ビニリデン)、PVdC(ポリ塩化ビ
ニリデン)、フッ素アクリル樹脂等、離型性に優れた材
質で構成された膜を用いることができる。
【0099】帯電部材として上記ローラー部材を用いる
場合では、ローラー部材はアスカーC硬度で25度以上
50度以下が好ましい。ローラー部材の硬度が低すぎる
と形状が安定しないために感光体との接触性が悪くな
り、更に、帯電部材と感光体との当接部に導電性粒子を
介在させることでローラー部材表面を削り、あるいは傷
つけ、安定した帯電性が得られにくい。また、硬度が高
すぎると感光体との間に帯電当接部を確保できないだけ
でなく、感光体表面へのミクロな接触性が悪くなる傾向
にある。
【0100】ローラー部材のアスカーC硬度は、アスカ
ーC硬度計を用いて測定することができる。測定の概要
としては、 両端を支持するためにVブロックを用いて
ローラー部材を所定位置に設置し、ローラー部材の所定
の測定個所にアスカーC硬度計を所定の荷重で押し付
け、そこから所定時間後の値を測定個所のアスカーC硬
度とする。
【0101】測定上の注意点としては、荷重、押し付け
てから値を読み取るまでの時間、更には押し付ける速度
等によって硬度が変わってくるので、後述する実施例に
おいては、荷重は1kgf(硬度計自体の自重と外部か
ら加える重りとを加えたものが1kgの重さになるよう
に調整)、押し付ける速度を50mm/secとした。
測定箇所は、両端部(端部から30mm以内の任意の場
所)及び中央部の合計3ヶ所であり、これらの単純(算
術)平均をもってローラ部材のアスカーC硬度とした。
【0102】上記ローラー部材や帯電ブレードの材質と
しては、公知の弾性発泡体を用いることができるが、弾
性発泡体に限定するものではなく、エチレン−プロピレ
ン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウレタン、ブタ
ジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴ
ムや、イソプレンゴム等の弾性を有する材料に、抵抗調
整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物
質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが
あげられる。また、導電性物質を分散せずに、又は導電
性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整
をすることも可能である。
【0103】上記ローラー部材は、例えば、芯金上に可
撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の導電性の中抵抗
層を形成することにより作製される。中抵抗層は樹脂
(例えばウレタン)、導電性粉末(例えばカーボンブラ
ック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上に
ローラー状に形成される。その後必要に応じて切削、表
面を研磨して形状を整えローラー部材を作製することが
できる。
【0104】また、該ローラ表面は導電性粒子を介在さ
せるために微小なセル又は凹凸を有していることが好ま
しい。
【0105】つまり、ローラー部材は、球形換算での平
均セル径が5以上300μm以下である窪みを少なくと
も表面に有しており、該窪みを空隙部としたローラー部
材表面の空隙率は15以上90%以下であることが好ま
しい。
【0106】セル径が5μm未満又は空隙率90%を越
えると、ローラ表面に導電性粒子を保持させる能力が減
少し、当接部への導電性粒子の介在量が減少することで
一次帯電性が悪化する傾向にあり、さらに感光体との摩
擦力が大きくなり、感光体の削れが増大するので好まし
くなく、セル径が300μmを越え、又は空隙率が15
%未満になると、帯電部材と感光体との接触均一性が減
少し、一次帯電における帯電均一性や帯電電位が低下
し、ハーフトーン画像などに帯電ムラの画像不良を生じ
やすくなるので好ましくない。
【0107】上記窪みは、上記空隙率の範囲となるよう
に設けられればその形成方法は特に限定されないが、例
えばローラを成形する際の金型の表面に凹凸を設け、ロ
ーラを成形することにより、好適な窪みをローラー部材
表面に形成することができる。なお上記セル径は、例え
ば電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてローラー部材表
面を観察することで測定でき、上記空隙率は、単位面積
当たりの窪み数を測定することにより測定することがで
きる。
【0108】上記ローラー部材は、弾性に抗して所定の
押圧力で感光体に圧接させて配設し、ローラー部材と感
光体の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電
当接部幅は特に制限されるものではないが、ローラー部
材と感光体の安定して密な密着性を得るため1mm以
上、より好ましくは2mm以上が良い。
【0109】本発明では、前述したように帯電部材とし
て導電性を有するブラシ部材(導電性ブラシ)を用いる
ことができる。導電性ブラシには、一般に用いられてい
る繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたものが用い
られる。繊維としては、一般に知られている繊維が使用
可能であり、例えばナイロン、アクリル、レーヨン、ポ
リカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。導電材
としては、一般に知られている導電材が使用可能であ
り、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の
導電性金属、あるいは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸
化アンチモン、酸化チタン等の導電性金属の酸化物、さ
らにはカーボンブラック等の導電粉が挙げられる。なお
これら導電材は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表
面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊維と
の分散性や生産性を考慮して選択して用いる。
【0110】帯電部材として導電性ブラシを用いる場合
には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロー
ル状導電性ブラシとしては、例えば導電性繊維をパイル
地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付
けてロールブラシとしたものを用いることができる。導
電性繊維は、繊維の太さが1以上20デニール以下(繊
維径10以上500μm以下程度)、ブラシの繊維の長
さは1以上15mm以下、ブラシ密度は1平方インチ当
たり1万以上30万本以下(1平方メートル当たり1.
5×107以上4.5×108以下本程度)のものが好ま
しく用いられる。
【0111】導電性ブラシは、一次帯電均一性の観点か
ら、よりブラシ密度の高い物を使用することが好まし
く、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作るこ
とも好ましく良い。例えば、300デニール/50フィ
ラメントのように300デニールの微細な繊維を50本
束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
【0112】しかしながら、本発明においては、直接注
入帯電の帯電ポイントが主には帯電部材と感光体との帯
電当接部及びその近傍の導電性粒子の介在密度に依存し
ているため、帯電部材の選択の範囲は広められており、
導電性ブラシを単独で用いる場合よりブラシ密度は低く
ても構わない。
【0113】導電性ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボ
ウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レー
ヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製
のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−B、
REC−C、REC−M1、REC−M10が特に好ま
しく良い。
【0114】また、感光体の帯電時では、帯電部に持ち
運ばれる感光体上の転写残トナーを帯電部材に一時的に
回収し均すために、帯電部材と感光体は当接部において
互いに逆方向に移動させることが好ましい。例えば、帯
電部材を回転駆動し、さらに、その回転方向は感光体表
面の移動方向とは逆方向に回転するように構成すること
が望ましい。即ち、逆方向回転で感光体上の転写残トナ
ーを一旦引き離し帯電を行うことにより優位に直接注入
帯電を行うことが可能だからである。
【0115】さらに、感光体との当接部において感光体
の移動方向とは逆方向に帯電部材を移動させると、当接
部における両者の速度差が大きくなり、例えば回転させ
る場合では帯電部材自体の回転速度も順方向に比べて低
速でも速度比を大きくすることが可能になり、帯電部材
を回転させる負荷も少なくて済むからである。
【0116】帯電部材を感光体表面の移動方向と同じ方
向に移動させて速度差をもたせることも可能であるが、
直接注入帯電の帯電性は感光体の周速と帯電部材の周速
の比に依存するため、逆方向と同じ相対速度比を得るに
は順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大
きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回転
数の点で有利である。さらに、感光体との摺擦も低減
し、感光体の摩耗の低減にもつながるので、その点から
も好ましい。
【0117】黒画像形成ユニットに使用される導電性粒
子は、抵抗値が102Ωcm以上109Ωcm以下でなけ
ればならない。109Ωcmを越えてしまうと、帯電部
材と感光体の当接部に介在して感光体を注入帯電させる
能力が低下し、帯電不良を生じやすいので好ましくな
い。102Ωcm未満であると、感光体にピンホールが
存在した場合に、電荷がその部分に集中し、部材の破壊
が生じたり、画像が横方向に抜けてしまう、いわゆるリ
ーク画像が生じてしまう傾向にある。
【0118】導電性粒子の抵抗値は、図5に示す測定装
置によって測定することができる。より具体的には、セ
ルBに導電性粒子を0.5gを充填し、粉体に接するよ
う電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加し、
その時ながれる電流を測定する。より詳しくは、23
℃、65%の環境で、粉体と電極との接触面積は2.2
6cm2、上部電極に15kgの荷重で圧力をかけ、セ
ルの高さをノギスで測定し、印加電圧50Vで電流を測
定し、電流の測定値及び面積、高さから導電性粒子の抵
抗値を算出することができる。
【0119】また、導電性粒子には、黒画像形成ユニッ
トに使用される現像剤のトナー粒子の体積平均粒径より
も小さい体積平均粒径のもので非磁性のものを用いるこ
とが好ましく、体積平均粒子径が0.05μm以上のも
のを用いることがより好ましく良い。
【0120】導電性粒子の体積平均粒径が小さいと、現
像性の低下を防ぐために導電性粒子の現像剤全体に対す
る含有量を小さく設定しなければならない。導電性粒子
の平均粒子径が0.05μm未満では、導電性粒子の有
効量を確保できず、帯電工程において、絶縁性である転
写残トナーの帯電部材への付着・混入による帯電阻害に
打ち勝って感光体の帯電を良好に行わせるのに十分な量
の導電性粒子を帯電部材と感光体との当接部又はその近
傍の帯電領域に介在させることができず、帯電不良を生
じ易くなる。この観点から、導電性粒子の体積平均粒径
は好ましくは0.1μm以上が好ましい。
【0121】また、導電性粒子の体積平均粒径がトナー
粒子の体積平均粒径よりも大きいと、現像剤と混合した
際に導電性粒子がトナー粒子から遊離しやすく、現像工
程において現像容器から感光体への供給量が不足し、十
分な帯電性が得られにくい。また、帯電部材から脱落し
た導電性粒子は静電潜像を書き込む露光光を遮光あるい
は拡散し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させ
る。
【0122】更に、導電性粒子の体積平均粒径が大きい
と、単位重量当たりの粒子数が減少するため、帯電部材
からの導電性粒子の脱落等による減少、劣化を考慮して
導電性粒子を帯電部材と感光体との当接部又はその近傍
の帯電領域に逐次導電性粒子が供給され続け、かつ介在
させるために、また、帯電部材が導電性粒子を介して感
光体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性を安定して
得るためには、導電性粒子の現像剤全体に対する含有量
を大きくしなければならない。しかし、導電性粒子の含
有量を大きくしすぎると、特に高湿環境下での現像剤全
体としての帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下や
トナー飛散を生ずる。このような観点から、導電性粒子
の体積平均粒径は好ましくは5μm以下が良い。
【0123】導電性粒子の体積平均粒径及び粒度分布の
測定には、コールター社製、LS−230型レーザー回
折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取り付け
て0.04〜2000μmの測定範囲で測定することが
できる。測定法としてより具体的には、純水10mlに
微量の界面活性剤を添加し、これに導電性粒子の試料1
0mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー)
にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回数1
回で測定する。
【0124】導電性粒子の粒度及び粒度分布の調整方法
としては、導電性粒子の一次粒子が製造時において所望
の粒度及び粒度分布が得られるように製造法、製造条件
を設定する方法以外にも、一次粒子の小さな粒子を凝集
させる方法、一次粒子の大きな粒子を粉砕する方法ある
いは分級による方法等が可能であり、さらには、所望の
粒度及び粒度分布を示す基材粒子の表面の一部若しくは
全部に導電性粒子を付着あるいは固定化する方法、所望
の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が分散された形
態を有する導電性粒子を用いる方法等も可能であり、こ
れらの方法を組み合わせて導電性粒子の粒度及び粒度分
布を調整することも可能である。
【0125】導電性粒子の粒子が凝集体として構成され
ている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径とし
て定義される。導電性粒子は、一次粒子の状態で存在す
るばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在すること
も問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体とし
て帯電部材と感光体との当接部又はその近傍の帯電領域
に介在し、帯電補助あるいは促進の機能が実現できれば
その形態は問わない。
【0126】また、導電性粒子は、透明、白色あるいは
淡色の導電性粒子であることが、転写材上に転写される
導電性粒子がカブリとして目立たないため好ましく良
い。潜像形成工程における露光光の妨げとならない意味
でも導電性粒子は、透明、白色あるいは淡色の導電性粒
子であることがよく、より好ましくは、導電性粒子の露
光光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0127】導電性粒子の光透過性については以下の手
順で測定することができる。片面に接着層を有する透明
のフィルムに導電性粒子を一層分固定した状態で透過率
を測定する。光はシートの鉛直方向から照射し、フィル
ム背面に透過した光を集光し光量を測定する。フィルム
のみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として
粒子の透過率を算出する。実際にはX−Rite社製3
10T透過型濃度計を用いて測定することが好ましい。
【0128】導電性粒子としては、例えばカーボンブラ
ック、グラファイトなどの炭素微粉末;銅、金、銀、ア
ルミニウム、ニッケルなどの金属微粉末;酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化すず、酸化アルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸
化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンなどの金属酸
化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリ
ウムなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化物な
どが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使
用できる。これらの中でも感光体上の汚染物質を除去す
る効果が高い、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の金
属酸化物を少なくとも表面に有する微粒子が特に好まし
い。
【0129】また、導電性粒子の抵抗値を制御する等の
目的で、前記金属酸化物の主金属元素と異なるアンチモ
ン、アルミニウムなどの元素を0.1〜5重量%含有し
た金属酸化物や、導電性材料を表面に有する微粒子など
も使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表面処理
された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープされた酸
化第二スズ微粒子、あるいは酸化第二スズ微粒子などで
ある。
【0130】ここで、「金属酸化物の主金属元素」と
は、金属酸化物が例えば酸化チタン、酸化すずの場合、
それぞれチタン、すずのように、酸素と結合している主
な金属元素を意味する。
【0131】また、導電性粒子としては、酸素欠損型の
金属酸化物、すなわち金属酸化物としての通常の元素組
成から酸素原子が欠落した元素組成を有する金属化合物
も好ましく用いられる。
【0132】酸化スズ・アンチモン処理された導電性酸
化チタン微粒子の市販品としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)などが挙げられる。
【0133】アンチモンドープの導電性酸化スズの市販
品としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)
やSN−100P(石原産業株式会社)などが、また市
販の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株
式会社)などが挙げられる。特に好ましいのは、現像性
の観点からアルミニウムを含有する金属酸化物や、酸素
欠損型の金属酸化物である。
【0134】なお導電性粒子は、初起動前に帯電部材に
所望量を担持させておくことが好ましい。
【0135】<現像手段>黒画像形成ユニットに使用さ
れる現像手段は、転写残トナーを感光体から回収する現
像兼クリーニング手段である。この現像手段は、感光体
と非接触である一成分現像方式の現像手段が好ましい。
二成分現像方式や接触現像方式であると、キャリアや感
光体とトナー粒子との摺擦によってトナー粒子表面の導
電性粒子、無機微粉末がトナー粒子に埋め込まれたり、
キャリアや感光体、現像剤担持体にトナー粒子が固着し
やすく、またトナー粒子がつぶされるように変形するよ
うなトナー劣化が生じやすく、画像濃度低下やかぶり画
像の悪化を生じる傾向にあるので好ましくない。
【0136】<現像剤>黒画像形成ユニットに使用され
る現像剤は、トナー粒子と、無機微粉末と、前述した導
電性粒子とを有する。
【0137】上記トナー粒子は磁性酸化鉄を有すること
が好ましい。トナー粒子自身が磁気力を持っていると、
現像剤担持体内に内包させたマグネットにより現像手段
内でのトナー飛散を抑制させることができ、現像兼クリ
ーニングの回収時において、磁気力によって回収性も向
上するので好ましい。また、磁性酸化鉄には黒色の着色
剤としての効果もあるのでより好ましい。このほかにも
トナー粒子には、結着樹脂や荷電制御剤等の通常用いら
れる材料が特に制限なく使用される。
【0138】上記無機微粉末は、現像剤の流動性を向上
させるための材料であり、このような機能を発現する無
機物の粉末であれば特に制限されず、通常使用される種
々の粉末を適当量用いることができる。無機微粉末を含
有していないと現像剤の流動性が低く、現像剤の帯電量
が高く維持されないので画像濃度の低下などを招きやす
く好ましくない。
【0139】上記導電性粒子は、帯電手段で説明した導
電性粒子である。現像剤に導電性粒子が含まれていない
と、帯電部材と感光体との当接部に供給させる導電性粒
子がなくなってしまうので良好な注入帯電性の維持が困
難である。
【0140】現像剤中の導電性粒子の配合量は、現像剤
全体に対し0.2重量%以上10重量%以下有したトナ
ーであることが好ましい。上記配合量が0.2重量%よ
りも少ないと、転写残トナーの帯電部材への付着・混入
による帯電阻害に打ち勝って感光体の帯電を良好に行わ
せるのに十分な量の導電性粒子を、帯電部材と感光体と
の当接部あるいはその近傍の帯電領域に介在させること
ができず、帯電性が低下し帯電不良を生じることがあ
る。また上記配合量が10重量%よりも多い場合では、
現像兼クリーニングによって回収される導電性粒子が多
くなりすぎることによる現像部での現像剤の帯電能や現
像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずるこ
とがある。さらに、導電性粒子の現像剤全体に対する配
合量は、1.5重量%以上5重量%以下であることが好
ましく良い。
【0141】本発明で用いられるトナー粒子は、平均円
形度が0.950以上であることが好ましい。
【0142】トナー粒子の平均円形度が球形に近くなる
(値が0.950から1に近くなる)ほど転写特性が向
上し、転写残トナーが減少するために、転写残トナーに
よる帯電部材の汚染が抑制され一次帯電不良による地か
ぶりを原因とする不良画像の発生が防止される。したが
ってトナー粒子の平均円形度は0.950以上であるこ
とが好ましく、それ以下であると転写残トナーが増し、
帯電部材への汚染が促進されてしまう傾向にある。より
好ましくは0.970以上である。
【0143】トナー粒子の平均円形度とは、トナー粒子
の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な
球形の場合は1.000を示し、トナー粒子の表面形状
が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる、粒子の
形状を定量的に表現する簡便な方法を用いて表されるも
のであり、トナー粒子の平均円形度は、トナー粒子の円
形度を下記式(1)によって求め、さらに下記式(2)
で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒
子数(m)で除した値として求められる。
【0144】
【数2】
【数3】
【0145】トナー粒子の平均円形度は、東亜医用電子
製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて
測定することができる。測定に際しては、3μm以上の
円相当径の粒子群について測定することが好ましい。3
μm以上の円相当径の粒子群についてのみ平均円形度を
測定する理由としては、3μm未満の円相当径の粒子群
にはトナー粒子とは独立して存在する無機微粉末や導電
性粒子等の外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、そ
の影響によりトナー粒子群についての平均円形度が正確
に見積もれないからである。
【0146】平均円形度の具体的な測定方法を以下に示
す。界面活性剤を約0.1mg溶解している水10ml
に現像剤約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波
(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散
液濃度を5000〜2万個/μLとして、前記装置によ
り測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円
形度を求める。
【0147】上記トナー粒子は、鉄及び鉄化合物の遊離
率が0.05%以上2.00%以下であることが好まし
い。本発明者らが検討を行ったところ、鉄及び鉄化合物
の遊離率とトナー粒子表面に露出する磁性酸化物等の磁
性体の露出量には深い関連があり、遊離の磁性体量が
2.00%以下であれば、おおむね磁性体のトナー粒子
表面への露出が抑制されると共に、高い帯電量を有する
事が判明した。鉄及び鉄化合物の遊離率が低い程、トナ
ー粒子の帯電量は高い傾向を示す。
【0148】一方、遊離率が上記範囲より大きいと、チ
ャージのリーク点が多くなりすぎてしまい、トナー粒子
の帯電量が低下してしまう。この傾向は高温高湿下で特
に顕著なものとなる。すなわち、2%を越える鉄及び鉄
化合物の遊離が存在すると、トナー粒子の摩擦帯電量が
低下しやすく、感光体と帯電部材との摺擦によって転写
残トナーの帯電量を制御する場合に、トナー粒子の帯電
量の立ち上がりが遅いために、特に高湿環境下で転写残
トナーの極性を、帯電部材と感光体の速度比を小さくし
た場合に揃えにくく、かぶりによる不良画像が発生し、
また帯電量の低下に伴う転写特性の悪化も生じ、転写残
トナーによる帯電部材の汚染が促進されてやすくなる。
【0149】一方、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05
%より少ないと、実質的に磁性体はトナー粒子から遊離
していない事を意味する。このように鉄及び鉄化合物の
遊離率が低いトナー粒子は高い帯電量を有するものの、
多数枚画出し、特に低温低湿下における多数枚画出しに
おいて、トナー粒子のチャージアップに起因する画像濃
度の低下、及び画像のがさつきが生じてしまう傾向にあ
る。これは、次のような理由によると考えられる。
【0150】一般的に、現像剤担持体上のトナー粒子は
感光体上へ全て現像される事はなく、現像直後において
も現像剤担持体上にはトナー粒子は存在する。特に磁性
トナー粒子を用いたジャンピング現像においてはその傾
向が強く、現像効率はさほど高くない。従って現像剤担
持体近傍のトナー粒子はなかなか現像されないものと考
えられる。そのため現像剤担持体近傍のトナー粒子は帯
電部材による摩擦帯電を繰り返し受け、チャージアップ
してしまい、さらに現像されにくくなるという悪循環に
陥りやすい。また、このような状態では、トナー粒子の
帯電均一性は損なわれ、画像のがさつきを生じてしまい
やすい。また摩擦帯電量が高くなりすぎ、特に低湿環境
下で感光体とトナー粒子との鏡映力が強くなるので現像
部での回収が困難になり、かぶり画像が発生してしまい
やすい。
【0151】ここで、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.0
5%以上のトナー粒子を用いた場合、遊離の磁性体ある
いはトナー粒子表面にわずかに存在している磁性体によ
りトナー粒子のチャージアップが抑制されると共に、ト
ナー粒子の帯電量の均一性が促され、がさつき、現像で
の回収不足は抑制される。
【0152】これらの理由により、高い帯電量を安定し
て得る為には、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05以上
2.00%以下であることが好ましい。より好ましくは
0.1%以上0.7%以下である。
【0153】トナー粒子の鉄及び鉄化合物の遊離率は、
トナー粒子に含まれる炭素原子と鉄及び鉄化合物におけ
る鉄原子との個数の和に対する、トナー粒子に含まれな
い鉄及び鉄化合物における鉄原子の個数の比によって表
される。上記遊離率は、Japan Hardcopy
97論文集の65〜68ページに記載の原理で測定する
ことができ、具体的には、トナー粒子を一個ずつプラズ
マへ導入し、得られる発光スペクトルからトナー粒子中
の元素、トナー粒子数、トナー粒子の粒径を知る事がで
き、この発光スペクトルから上記遊離率を測定すること
ができる。
【0154】上記の測定方法によれば、鉄及び鉄化合物
の遊離率は、トナー粒子に含まれる結着樹脂の構成元素
である炭素原子の発光と、鉄原子の発光から次式により
求められる。
【数4】
【0155】上記式において「同時に発光した」とは、
鉄原子の発光であって炭素原子の発光から2.6mse
c以内の発光をいい、それ以降の鉄原子の発光は鉄原子
のみの発光とする。磁性酸化鉄を含むトナー粒子では、
炭素原子と鉄原子が同時発光するという事はトナー粒子
が磁性体を含有している事を意味し、鉄原子のみの発光
は、磁性体がトナー粒子から遊離している事を意味す
る。
【0156】又、荷電制御剤であるアゾ系の鉄化合物等
といった、鉄原子を含有する無機化合物以外の材料もト
ナー粒子中に含まれている場合があるが、こういった化
合物は鉄原子と同時に有機化合物中の炭素も発光するた
め、遊離の鉄原子としてはカウントされない。
【0157】発光スペクトルを利用する上記遊離率の測
定には、パーティクルアナライザー(PT1000:横
河電機(株)製)を好ましくは使用することができる。
【0158】具体的な測定方法は以下の通りである。ま
ず0.1%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿
度60%の環境にて測定を行い、トナーサンプルを同環
境下にて1晩放置し、調湿する。測定に際しては、チャ
ンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm、K
ファクターは推奨値を使用)、チャンネル2で鉄原子
(測定波長239.56nm、Kファクターは3.37
64を使用)を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発
光回数が1000〜1400回となるようにサンプリン
グを行い、炭素原子の発光回数が総数で10000回以
上となるまでスキャンを繰り返し、発光回数を積算す
る。この時、炭素原子の発光回数を縦軸に、炭素原子の
三乗根電圧を横軸にとった分布において、該分布が極大
を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサ
ンプリングし、測定を行う。そして、このデータを元
に、全原子のノイズカットレベルを1.50Vとし、上
記計算式を用い、鉄及び鉄化合物の遊離率を算出する。
なお、後述の実施例においても同様に測定した。
【0159】また上記トナー粒子は、より微小な潜像ド
ットを忠実に現像し、より高画質の画像を形成する上
で、体積平均粒径が3μm〜10μmであることが好ま
しい。体積平均粒径が3μm未満では、現像剤の転写効
率の低下から感光体上の転写残トナーが多くなり、本発
明の如き接触帯電工程に用いると帯電部材を汚染しやす
くなるため、微粒子による帯電促進効果が低下してしま
う傾向にある。さらに、現像剤全体の表面積が増えるこ
とに加え、粉体としての流動性及び攪拌性が低下し、個
々のトナー粒子を均一に摩擦帯電させることが困難とな
ることからカブリや転写性が悪化傾向となり、帯電性以
外の要因による画像欠陥の原因となりやすいため、本発
明で使用する現像剤としては好ましくない。また体積平
均粒径が10μmを越える場合には、文字やライン画像
に飛び散りが生じやすく、高解像度が得られにくい。さ
らに装置が高解像度になっていくと1ドットの再現が悪
化する傾向にもなる。
【0160】上記トナー粒子の体積平均粒径は、コール
ターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であ
る。具体的には下記のように測定することができる。
【0161】測定装置としては、コールターマルチサイ
ザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を
出力するインターフェイス(日科機製)及びPC980
1パーソナルコンピュータ(NEC製)を接続し、電解
液には1級塩化ナトリウムを用いて調製されたNaCl
水溶液を用いる。なお電解液には、例えばISOTON
R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社
製)を用いることができる。
【0162】測定方法としては、前記電解水溶液を10
0〜150ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で1〜3
分間分散処理を行い、アパーチャーを用いて、前記コー
ルターマルチサイザーにより2μm以上のトナー粒子の
体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出し、そ
れから本発明に係わる体積平均粒径を求める。
【0163】上記トナー粒子は、従来より知られている
種々の製造方法で製造することができる。トナー粒子の
製造方法としては、一般に重合性単量体中に磁性体、離
型剤、可塑剤、荷電制御剤、架橋剤、場合によって着色
剤等、トナー粒子として通常用いられる成分及びその他
の添加剤、例えば重合反応で生成する重合体の粘度を低
下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体、分散剤
等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイ
ドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解又
は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水系
媒体中に懸濁し、必要に応じて重合開始剤を用い、懸濁
した状態で上記単量体系を重合させる重合法(懸濁重合
法)を好ましくは用いることができる。重合法は、円形
度の高いトナー粒子を製造する上で好ましい方法であ
る。
【0164】上記重合法において、単量体系の懸濁時に
は、高速撹拌機若しくは超音波分散機のような高速分散
機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとする方
が、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合
開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加
剤を添加する時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁す
る直前に混合しても良い。又、造粒直後、重合反応を開
始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開
始剤を加える事もできる。
【0165】重合法によってトナー粒子を製造する場合
には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機・無機
分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が有害な超微粉を
生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ている
ので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も
容易でトナー粒子に悪影響を与え難いので、好ましく使
用できる。
【0166】重合工程においては、重合温度は40℃以
上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行
う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべ
き離型剤やワックスの類が、相分離により析出して内包
化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費する
ために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜150
℃にまで上げる事は可能である。
【0167】さらにトナー粒子は、単量体には可溶で得
られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒
子を生成する分散重合方法、水溶性極性重合開始剤存在
下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合
方法に代表される乳化重合方法等を用いトナー粒子を製
造する方法、乳化重合で得られたポリマー粒子等を会合
凝集させる方法でも製造が可能である。
【0168】生成したトナー粒子は重合終了後、公知の
方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉末や導
電性粒子等の外添剤を混合し表面に付着させることで、
現像剤となる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉
や微粉をカットすることも、好適なトナー粒子を製造す
る上で望ましい形態の一つである。
【0169】また前述した範囲内の鉄及び鉄化合物の遊
離率を示すトナー粒子を重合法で製造する場合では、シ
ランカップリング剤の処理剤で表面を疎水化処理した磁
性酸化鉄の使用、結着樹脂に比べて極性の高い樹脂(例
えばポリエステル樹脂等)の単量体系への配合、及びこ
れらの両方を行うことが好ましい。
【0170】また、上記トナー粒子は粉砕法により製造
することもできる。トナー粒子を粉砕法で製造する場合
では公知の方法が用いられるが、例えば、結着樹脂、磁
性体、離型剤、荷電制御剤、場合によって着色剤等、ト
ナー粒子として通常用いられる成分及びその他の添加剤
等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器によ
り十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストル
ーダーの如き熱混練機を用いて熔融混練して樹脂類をお
互いに相熔せしめ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応
じて表面処理を行うことによりトナー粒子を得ることが
できる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよ
い。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用
いることが好ましい。なお、トナー粒子の構成材料は冷
却固化前に均一に溶融混練された状態になっていれば良
く、それ以前の構成材料の投入順序や時期は特に制限さ
れない。例えば溶融組成物中に、磁性体等の分散成分を
投入しても良い。
【0171】粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式等の
公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。
前述した平均円形度を有するトナー粒子を得るために
は、さらに熱をかけて粉砕したり、あるいは補助的に機
械的衝撃を加える処理をすることが好ましい。また、微
粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に
分散させる湯欲法、熱気流中を通過させる方法などを用
いても良い。
【0172】機械的衝撃力を加える手段としては、例え
ば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社
製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる手段、ま
た、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム
や奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム
等の装置のように、高速回転する羽根によりトナーをケ
ーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力、摩擦
力等の力によりトナー粒子に機械的衝撃力を加える手段
を用いることができる。
【0173】機械的衝撃力を加える場合においては、処
理温度をトナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度(T
g±10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、生産
性の観点から好ましい。さらに好ましくは、トナー粒子
のガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度で行うことが、
転写効率を向上させるのに特に有効である。
【0174】粉砕法によって製造したトナー粒子も、重
合法で製造されたトナー粒子と同様に、無機微粉末及び
導電性粒子等の外添剤と混合し、トナー粒子表面に外添
剤を付着させることによって現像剤となる。
【0175】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に示すが、本
発明はこれらに限られるものではない。まず、黒画像形
成ユニット以外に画像形成ユニットで使用される現像剤
及び感光体について説明する。
【0176】<現像剤の製造例> (1)シアントナー ポリエステル樹脂100質量部、ジターシャリーブチル
サリチル酸のクロム化合物4質量部、銅フタロシアニン
系顔料(C.l.ピグメントブルー15:3)4質量部
を乾式で予備混合し、二軸混練押出機にて混練した。空
冷後、気流式粉砕機により微粉砕し、風力分級により粒
度分布を調製した。このトナー分級品100質量部に疎
水化処理した酸化チタン及びシリカをそれぞれ1質量部
添加して、体積平均粒径6.5μmのシアントナーを作
製した。
【0177】(2)マゼンタトナー 上記シアントナーの作製において、銅フタロシアニン系
顔料をキナクリドン系顔料(C.l.ピグメントレッド
122)5質量部に変更した以外は、同様な方法で体積
平均粒径6.9μmのマゼンタトナーを作製した。
【0178】(3)イエロートナー 上記シアントナーの作製において、銅フタロシアニン系
顔料をジアリード系イエロー顔料(C.l.ピグメント
イエロー17)4質量部に変更した以外は、同様な方法
で体積平均粒径7.1μmのイエロートナーを作製し
た。
【0179】上記のそれぞれのトナー7質量部を、平均
径50μmのニッケル亜鉛フェライトにシリコーン樹脂
をコートした現像キャリア100質量部に混合して各現
像剤を作製した。
【0180】<感光体製造例>直径30mmのアルミニ
ウムシリンダー上に感光層を積層しOPC感光体を作製
した。積層した層は、アルミニウムシリンダーから順に
第1、2、3、そして4層とする。
【0181】第1層は下引き層である。アルミニウムシ
リンダーの欠陥等を均し、またレーザー露光の反射によ
るモアレ発生を防止するために、膜厚が20μmの導電
性膜を設けた。
【0182】第2層は正電荷注入防止層である。アルミ
ニウムシリンダー側から注入された正電荷が感光体表面
に帯電された負電荷を打ち消すことを防止する目的で、
6×106Ωcmに調整したアミラン樹脂とメトキシメ
チル化ナイロンから成る層を約1μm形成した。
【0183】第3層は電荷発生層である。レーザー露光
により正負の電荷対を発生させるためにジスアゾ系顔料
を分散した樹脂層を約0.5μm形成した。
【0184】第4層は電荷輸送層である。ポリカーボネ
ート樹脂にヒドラジンを分散しP型半導体層を約20μ
m形成した。この層は、電荷発生層で発生した正電荷を
感光体表面に輸送する機能を有し、感光体表面に帯電さ
れた負電荷は、この層を移動することはできない。これ
を感光体4とする。
【0185】<帯電部材>カラー画像形成ユニットに使
用される帯電部材として、抵抗値が6×106Ωcmの
ソリッド上のゴムローラである帯電部材を作製した。
【0186】<カラー画像形成ユニット>上記の現像
剤、感光体、及び帯電部材を用いて、帯電手段として上
記帯電部材が感光体に接触して感光体の回転と従動で回
転する帯電装置、潜像形成手段として波長780nmの
レーザー光を用い、現像手段として感光体と接触する二
成分現像方法を採用する現像手段、転写手段として感光
体に転写材を当接させるブレード型の転写装置、クリー
ニング手段として感光体の回転方向に対してカウンター
方向に当接するウレタンブレードのクリーニング部材を
備えた画像形成ユニットを作製した。
【0187】次に黒画像形成ユニットに使用される感光
体、帯電部材、及び現像剤について示す。
【0188】<感光体製造例1〜3>図3に記載のプラ
ズマCVD装置を用いて、以下の条件により円筒状の導
電性支持体としてアルミニウムを用い、このアルミ基体
上に下部阻止層(電荷注入阻止層)、感光層を積層した
後、下記条件1〜3に示す条件での表面層を0.5μm
堆積し、感光体1〜3を製造した。更に表面層のシリコ
ン原子含有量、水素含有量を測定するためのサンプルと
してガラス基板上、シリコンウエハー上にも下記条件1
〜3に示す条件での表面層サンプルを作製した。感光体
1〜3の表面層におけるシリコン原子含有量を表1に示
す。
【0189】 (感光体の製造条件) 下部阻止層‥‥ SiH4 100ml/min(normal) H2 300ml/min(normal) PH3 800ppm(SiH4に対して) NO 5ml/min(normal) パワー 150W (13.56MHz) 内圧 80Pa 基体温度 280℃ 膜厚 3μm 感光層‥‥‥ SiH4 350ml/min(normal) H2 600ml/min(normal) B26 0.5ppm(SiH4に対して) パワー 400W (13.56MHz) 内圧 73Pa 基体温度 280℃ 膜厚 20μm
【0190】 条件1:(感光体1) CH4 500ml/min(normal) パワー 1000W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 200℃
【0191】 条件2:(感光体2) 表面層 SiH4/CH4/H2 0.9ml/min(normal)/100ml /min(normal)/200ml/min(normal) パワー 500W(13.56MHz) 内圧 40.0Pa 基板温度 250℃
【0192】 条件3:(感光体3) 表面層 SiH4/CH4/H2 104ml/min(normal)/100ml /min(normal)/200ml/min(normal) パワー 500W(13.56MHz) 内圧 40.0Pa 基板温度 250℃
【0193】
【表1】
【0194】<帯電部材製造例1>直径6mm、長さ3
20mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタン
樹脂、導電性粉末としてのカーボンブラック、硫化剤、
発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状
に形成し、さらに切削研磨し、形状及び表面性を整え、
直径12mm、長さ320mmのローラー部材である帯
電部材1を作製した。
【0195】<帯電部材製造例2>カーボンブラックの
添加量を製造例1の10倍にした以外は製造例1と同様
の帯電部材2を作製した。
【0196】<帯電部材製造例3>カーボンブラックの
無添加とした以外は製造例1と同様の帯電部材3を作製
した。
【0197】<帯電部材製造例4>直径6mm、長さ3
20mmのSUSローラを芯金とし、芯金上に導電性ナ
イロン繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にス
パイラル状に巻き付けて導電性ブラシである帯電部材4
を作製した。ナイロン繊維にカーボンブラックを分散さ
せて抵抗調整された繊維の太さが6デニール(300デ
ニール/50フィラメント)、ブラシの繊維の長さは3
mm、ブラシ密度は1平方インチあたり10万本で植毛
されたものを用いた。
【0198】上記帯電部材1〜4の物性を表2に示す。
【0199】
【表2】
【0200】<現像剤製造例1>イオン交換水709g
に0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃
に加温した後、10M−CaCl2水溶液67.7gを
徐々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得
た。
【0201】 スチレン 80部 n−ブチルアクリレート 20部 不飽和ポリエステル樹脂 2部 飽和ポリエステル樹脂 3部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1.5部 表面処理疎水化磁性体 90部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0202】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス
(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添
加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=140
分、60℃条件下]5gを溶解した。
【0203】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更
に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を
加えてCa3(PO4 2を溶解し、濾過、水洗、乾燥し
て体積平均粒径6.9μmのトナー粒子を得た。
【0204】このトナー粒子100部と、一次粒径8n
mのシリカにヘキサメチルジシラザンで表面を処理し処
理後のBET値が250m2/gの疎水性シリカ粒子1
0部と、抵抗値が4×104Ωcmであり一次粒径が
0.2μmであるアルミドーピングをした酸化亜鉛粒子
1.5部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、現像剤1を調整した。
【0205】<現像剤製造例2>製造例1で得られたト
ナー粒子を二軸押し出し機にて130℃で溶融混練を行
った。この溶融混練物をハンマーミルにて粗砕し、1m
mメッシュパスのトナー粗砕物を得た。さらにこの粗砕
物をジェット気流を利用した衝突式粉砕機で微粉砕した
後、風力分級し、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子
に、ハイブリダイゼーションシステム装置によりトナー
に機械的衝撃力を加えて表面処理を施し、製造例1と同
様の疎水性シリカと酸化亜鉛粒子を添加し混合して、現
像剤2を調整した。
【0206】<現像剤製造例3>製造例2で、ハイブリ
ダイゼーションシステム装置で表面処理を行わなかった
以外は製造例2と同様の現像剤3を調整した。
【0207】<現像剤製造例4>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子を体積固有抵抗値が6×101Ωcm、一次
粒径が2.4μmである炭化チタン粒子とした以外は製
造例1と同様の現像剤4を調整した。
【0208】<現像剤製造例5>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子を体積固有抵抗値が5×109Ωcm、一次
粒径が1.5μmである表面カップリング剤処理を施し
たフェライト粒子とした以外は製造例1と同様の現像剤
5を調整した。
【0209】<現像剤製造例6>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子の添加量を11.5重量部とした以外は製造
例1と同様の現像剤6を調整した。
【0210】<現像剤製造例7>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子の添加量を0.12重量部とした以外は製造
例1と同様の現像剤7を調整した。
【0211】<現像剤製造例8>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子を体積固有抵抗値が5×103Ωcm、一次
粒径が0.02μmである酸化スズ粒子とした以外は製
造例1と同様の現像剤8を調整した。
【0212】<現像剤製造例9>現像剤1で使用した酸
化亜鉛粒子を分級操作により一次粒径が8.5μm、体
積固有抵抗値が8×103Ωcmの酸化亜鉛粒子とした
以外は製造例1と同様の現像剤9を調整した。
【0213】<現像剤製造例10>現像剤1で使用した
表面処理磁性体の表面処理量を1/5.5にした以外は
製造例1と同様の現像剤10を得た。
【0214】<現像剤製造例11>現像剤1で使用した
表面処理磁性体の表面処理量を4.5倍にした以外は製
造例1と同様の現像剤11を得た。
【0215】 <現像剤製造例12> (合成例) スチレン 170g 2−エチルヘキシルアクリレート 30g カーボンブラック 15g ジターシャリブチルサリチル酸Cr化合物 3g 飽和ポリエステル(酸価10mgKOH/g、ピーク分子量9,100) 10g エステルワックス(Mw:500、Mn:400、Mw/Mn:1.25、融 点:70℃、粘度:6.5mPa・s、ビッカース硬度:1.1、SP値:8. 6) 40g 上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊
機化工業製)を用い、10,000rpmにて均一に溶
解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、
重合性単量体組成物を調製した。
【0216】別途イオン交換水710gに、0.1M−
Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した
後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、
1,300rpmにて撹拌した。これに10M−CaC
2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO42を含
む水系媒体を得た。
【0217】この水系媒体中に上記重合性単量体組成物
を投入し、更にポリエチレンを2g添加し、60℃、N
2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,0
00rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造
粒した。その後、水系媒体をパドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で昇温し、8時間の重合反応を行った。
【0218】重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン
酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をし
て、体積平均粒径7.2μmのトナー粒子を作製し、製
造例1と同様の添加剤を添加し混合して現像剤12を調
整した。
【0219】<現像剤製造例13>製造例1で酸化亜鉛
粒子の添加を行わなかった以外は製造例1と同様の現像
剤13を調整した。
【0220】上記現像剤1〜13の物性を表3に示す。
【0221】
【表3】
【0222】<実施例1>本発明の画像形成装置として
図6に示すようなレーザービームを用いた画像形成装置
を用意した。該装置の概略は、プロセススピードは15
0mm/sであり、最下流に黒画像形成ユニットを配置
し、上流側にイエロー、マゼンタ、シアンの順に画像形
成ユニットを配置したカラー画像形成装置である。また
像露光、前露光の中心波長を780nmにした。一次帯
電電位は−600Vになるように、帯電ローラに−60
0Vの直流にサイン交流波電圧(1.8kVpp/1.
8kHz)を重畳した電圧を印加し、明電位が−200
Vになるように光量の強度を調整し、現像バイアスは直
流電圧−400Vに矩形波電圧(1.8kVpp、8k
Hz)を重畳した電圧を印加した。
【0223】黒画像形成ユニットは感光体1、現像剤1
及び帯電部材1を用い、潜像形成手段には波長660n
mのレーザー光を用い、現像手段には感光体と非接触の
一成分現像方法の現像手段を用い、転写手段には転写材
を介して感光体に接触するブレード型の転写部材を用い
た。
【0224】帯電部材1の表面には、使用する現像剤に
含まれる導電性粒子を3×104個/mm2で均一になる
ように塗布した。一方で、帯電手段については、装着し
た帯電部材を回転させるために、外部から回転モータを
帯電部材の芯金部分に取り付けられるように改造し、さ
らに帯電部材の回転を感光体の回転と同期をとれるよう
に制御し、さらに帯電部材を感光体との当接部分で互い
に逆方向になるように、周速差80%で回転方向を制御
するように改造を行った。
【0225】さらにレーザー、前露光の中心波長を66
0nmにし、上記製造例で作製した感光体1を装着し、
クリーニングブレードを除去してクリーナーレスシステ
ムの黒画像形成ユニットを作製した。
【0226】なお黒画像形成ユニットでは、帯電部材に
印加する帯電電圧は−500Vとし、現像電圧は−22
0Vの直流成分に800Vpp/1.8kHzの矩形波
を重畳した重畳電圧とした。また転写電圧は、上記の画
像形成ユニット全てにおいて、転写時に+20μAにな
るように電圧を制御した定電流制御によって制御した。
【0227】カラー画像形成ユニットには、前述した感
光体4、カラートナー、抵抗値が6×106Ωcmのソ
リッド上のゴムローラーである帯電ローラー、転写装置
として感光体に転写材を介して当接するブレード型の転
写装置、クリーニング手段として感光体の回転方向に対
してカウンター方向に当接するウレタンブレードのクリ
ーニング手段、及び感光体と同方向に回転し、かつ感光
体の回転速度の1.5倍程度の周速差で、表面に担持し
たカラートナーを感光体に接触させて現像する現像剤担
持体を有する現像装置を適用した。
【0228】なお、以下の実施例及び比較例では、前述
した構成のカラー画像形成ユニットを用いた。カラー画
像形成ユニットの配列は特に制限されないが、上流側か
らイエロー、マゼンタ、シアンの順に配置することが好
ましく、以下の実施例及び比較例ではカラー画像形成ユ
ニットの配列を上記の順に配置し、評価を行った。
【0229】上記の画像形成装置を用いて、以下に示す
評価方法に従い評価を行った。 (1)感光体の帯電電位評価 評価環境23℃/5%で各色10%の画像比率でA4横
通紙5万枚耐久を行い、通紙前と通紙後の黒画像形成ユ
ニットの感光体における暗電位を、感光体の長手方向に
おける中心位置の現像部で測定(Model344 表
面電位計 トレック社)し、以下の評価項目に従い評価
を行った。 ◎:帯電電位が−350以上 ○:帯電量が−300以上−350未満 △:帯電量が−250以上−300未満 ×:帯電量が−250未満
【0230】(2)転写効率 評価環境23℃/5%で各色10%の画像比率でA4横
通紙5万枚耐久を行い、通紙後に各色画像比率100%
の画出しを行い、黒画像形成ユニットのベタ黒画像形成
中の転写工程部を紙が通紙中に感光体、帯電部材を停止
させ、感光体の転写−帯電間、現像−転写間をマイラー
テープでテーピングしてはぎ取り、評価紙に貼付し、ま
たマイラーテープのみも同じ評価紙に貼付し、マクベス
反射濃度計を用いて、それぞれの区間におけるテープの
反射濃度平均値をDtr、現像−転写間の反射濃度をDde
v、テープのみの反射濃度をDtpとし、以下の式に代入
して転写効率を測定し、下記の評価項目に従い評価を行
った。
【0231】
【数5】転写効率(%)=((Ddev−Dtp)−(Dtr−Dt
p))/(Ddev−Dtp)×100 ◎:転写効率が95%以上 ○:転写効率が90%以上95%未満 △:転写効率が85%以上90%未満 ×:転写効率が85%未満
【0232】(3)帯電部材リーク性評価 感光層を1mm2の大きさ程度で導電性支持体まで剥が
し、この感光体を用いてベタ白画像の画出しを行い、以
下の評価項目に従い評価を行った。 ○:画像不良が感光体の欠陥部分にとどまっている。 △:画像不良が感光体の欠陥部分を中心に1cmの幅に
とどまっている。 ×:画像不良が画像全体に拡がっている。
【0233】(4)流れ画像不良の評価 30℃/80%環境下で黒画像形成ユニットのみで画像
比率6%画像をA4で5万枚通紙後、24時間放置し、
大きさが5mm2程度の文字画像の画出しを行い、以下
の評価項目に従い評価を行った。 ○:流れの発生が全くなく文字画像が鮮明にみえる。 △:流れが僅かに発生し、文字の線がややにじんでいる
程度で文字が読める。 ×:流れが発生し文字が読めない。
【0234】(5)帯電吐き出しトナーの現像回収性評
価 評価環境30℃/80%で各色10%の画像比率でA4
横通紙5万枚耐久を行い、通紙後に各色画像比率100
%の画出しを行い、通紙後にA3サイズの紙で、ベタ白
画像、及び画像先端から20cmはベタ黒でそれ以降は
ベタ白画像の画出しを行い、ベタ白画像、また黒−白画
像の後半のベタ白部のかぶりを反射濃度計(TOKYO
DENSHOKU(株)製、REFLECTOMET
ER MODEL TC−6DS)を用いて測定し、画
出し後の白地部反射濃度平均値を、ベタ白の反射濃度を
Dw、後半ベタ白の反射濃度をDs、画出し前の用紙の反
射濃度平均値をDrとし、(Ds−Dr)と(Dw−Dr)
をそれぞれのベタ白のかぶり量とし、そのかぶり量の差
((Dw−Dr)−(Ds−Dr))を以下の評価項目に従
い評価を行った。 ◎:かぶりの差が1.5%未満 ○:かぶりの差が1.5%以上3%未満 △:かぶりの差が3%以上5%未満 ×:かぶりの差が5%以上
【0235】(6)融着画像評価 評価環境30℃/80%で各色10%の画像比率でA4
横通紙5万枚耐久を行い、通紙後に黒画像形成ユニット
でハーフトーンの画出しを行い、融着画像について以下
の評価項目に従い評価を行った。 ○:融着の発生なく、良好なハーフトーン画像が得られ
た。 △:軽微に融着の発生がみられるが、実用上問題ないレ
ベル。 ×:雨降り状の融着画像の発生がみられた。
【0236】(7)感光体の摩耗評価 23℃/5%環境下で黒画像形成ユニットのみ画像比率
10%でA4通紙を10万枚の耐久を行い、通紙前後の
表面層の膜厚を反射分光式干渉計(大塚電子(株)製M
CPD2000)により干渉度合いによって測定し、こ
の値と既知の屈折率から膜厚を算出し、以下の評価項目
に従い評価を行った。 ◎:測定誤差内で磨耗量は検出されず、非常に良好。 ○:磨耗しているが、軽微であり、画像に摩耗による画
像不良の発生はなし。 △:僅かに摩耗し、一次電位の低下が見られ、画像にか
ぶりがわずかに生じた。 ×:磨耗量が多く、一次電位の低下が見られ、画像にか
ぶりが生じた。
【0237】(8)機内飛散評価 30℃/80%環境下で黒画像形成ユニットのみ画像比
率10%でA4通紙を10万枚の耐久を行い、下記の評
価項目に従いトナーの飛散程度の評価を行った。 ○:現像ブレードなどに飛散みられず良好 △:現像ブレードに僅かに飛散がみられる程度。
【0238】画像形成条件及び評価結果を表4及び表5
に示す。
【0239】<実施例2、3>感光体1に代えて感光体
2又は感光体3を用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。画像形成条件及び評価結果を表4及び表5に示す。
【0240】<実施例4>感光体1に代えて感光体2を
用い、現像剤1に代えて現像剤2を用いた以外は、実施
例1と同様に行った。画像形成条件及び評価結果を表4
及び表5に示す。
【0241】<実施例5〜12>現像剤2に代えて現像
剤3、6〜12のそれぞれを用いた以外は、実施例4と
同様に行った。画像形成条件及び評価結果を表4及び表
5に示す。
【0242】<実施例13>現像剤2に代えて現像剤1
を用い、帯電部材1に代えて帯電部材4を用いた以外
は、実施例4と同様に行った。画像形成条件及び評価結
果を表4及び表5に示す。
【0243】<実施例14>帯電部材4に代えて帯電部
材1を用い、帯電部材の回転方向を感光体と帯電部材と
の当接部で互いに順方向で周速差が80%となるように
制御を行った以外は、実施例13と同様に行った。画像
形成条件及び評価結果を表4及び表5に示す。
【0244】<実施例15>帯電部材の回転方向を感光
体と帯電部材との当接部で互いに逆方向で周速差が80
%となるように制御し、現像手段として、現像剤担持体
と感光体が接触して現像を行う一成分接触現像方法の現
像手段を用いた以外は、実施例14と同様に行った。画
像形成条件及び評価結果を表4及び表5に示す。
【0245】<実施例16、17>初期導電性粒子塗布
量を代えた以外は実施例2と同様に行った。画像形成条
件及び評価結果を表4及び表5に示す。
【0246】<比較例1〜3>現像剤1に代えて、それ
ぞれ現像剤4、5、13を用いた以外は実施例2と同様
に行った。画像形成条件及び評価結果を表4及び表5に
示す。
【0247】<比較例4、5>帯電部材1に代えて、帯
電部材2、3をそれぞれ用いた以外は実施例2と同様に
行った。画像形成条件及び評価結果を表4及び表5に示
す。
【0248】<比較例6>感光体2に代えて感光体4を
用いた以外は実施例2と同様に行った。画像形成条件及
び評価結果を表4及び表5に示す。
【0249】<比較例7>帯電部材1に代えてカラー画
像形成ユニットで使用される帯電部材を用い、この帯電
部材を感光体に従動して、かつ感光体に対して順方向に
回転させ、さらにカラー画像形成ユニットで使用される
クリーニング手段を適用し、帯電部材への印加電圧の条
件もカラー画像形成ユニットと同様とした以外は実施例
2と同様に行った。画像形成条件及び評価結果を表4及
び表5に示す。
【0250】<比較例8>現像剤1に代えて現像剤13
を用い、帯電部材1に代えてカラー画像形成ユニットで
使用される帯電部材を用い、この帯電部材を感光体に従
動して、かつ感光体に対して順方向に回転させ、さらに
カラー画像形成ユニットで使用されるクリーニング手段
を適用し、帯電部材への印加電圧の条件もカラー画像形
成ユニットと同様とした以外は実施例2と同様に行っ
た。画像形成条件及び評価結果を表4及び表5に示す。
【0251】
【表4】
【0252】
【表5】
【0253】また、黒画像形成ユニットを転写材最下流
に配置せず、図7、図8のような位置に配置しても、上
記実施例と同様の結果が得られた。
【0254】
【発明の効果】以上説明したことからわかるように、本
発明の画像形成装置は、トナー像を形成する複数の画像
形成ユニットを有し、それぞれの画像形成ユニットに転
写材を順に搬送し、それぞれの画像形成ユニットで形成
されたトナー像を転写材上に順次重ね合わせて転写する
ことによりカラー画像を得るタンデム式の画像形成装置
において、画像形成ユニットは、導電性支持体及びこの
導電性支持体上に感光層を有する感光体と、感光体を帯
電させる帯電手段と、この帯電した感光体に静電潜像を
形成する潜像形成手段と、感光体に近接又は接触して配
設され感光体に形成された静電潜像を現像剤で現像して
トナー像を形成する現像手段と、このトナー像が形成さ
れた感光体からトナー像を転写材に転写するための転写
手段とを有し、画像形成ユニットの少なくとも一つは黒
画像形成ユニットであり、黒画像形成ユニットの感光体
はアモルファスシリコン系感光体であり、黒画像形成ユ
ニットの帯電手段は、体積固有抵抗値が103Ωcm以
上108Ωcm以下の帯電部材と、抵抗値が102Ωcm
以上109Ωcm以下であり帯電部材の表面に担持され
る導電性粒子とを有し、感光体と帯電部材との当接部に
は導電性粒子が介在し、帯電部材に電圧を印加すること
により感光体を帯電させる帯電手段であり、黒画像形成
ユニットの現像手段は、転写材へのトナー像の転写後に
感光体上に残余するトナーを回収する手段を兼ね、黒画
像形成ユニットに使用される現像剤は、トナー粒子と、
無機微粉末と、導電性粒子とを有することから、黒画像
形成ユニットには独立したクリーニング装置を用いる必
要がなく、現像手段でクリーニング手段を兼ねることが
可能になるので装置の小型化が達成され、また独立した
クリーニング手段が必要なく、アモルファスシリコン感
光体を用い、電荷注入方式が可能になるので感光体の摩
耗量が低減され、また放電生成物による画像流れなどの
画像不良が、感光体を加熱し、感光体上の水分を除去し
なくても発生せず、長期に渡って安定的に良好な画像を
提供することが可能になる。
【0255】また本発明では、黒画像形成ユニットが転
写材搬送方向最下流に配置されると、色違いトナーの現
像手段への混入による画像特性の変化が生じにくく、安
定して良好な画像を形成する上でより効果的である。
【0256】また本発明では、黒画像形成ユニットの感
光体が非晶質炭素膜で表面層を構成したアモルファスシ
リコン系感光体であると、感光体の摩耗を防止する上で
より一層効果的である。
【0257】また本発明では、黒画像形成ユニットに使
用される現像剤のトナー粒子は、磁性酸化鉄を含有して
いると、現像兼クリーニング時において現像剤の回収性
を向上させ、またトナー飛散を防止する上でより一層効
果的である。
【0258】また本発明では、黒画像形成ユニットに使
用される現像剤のトナー粒子の平均円形度が0.950
以上、より好ましくは0.970以上であると、安定し
て良好な画像を形成する上でより一層好ましい。
【0259】また本発明では、黒画像形成ユニットに使
用される現像剤のトナー粒子における鉄及び鉄化合物の
遊離率が0.1%以上2.0%以下、より好ましくは
0.1%以上0.9%以下であると、トナー粒子を均一
に帯電させる上でより一層効果的である。
【0260】また本発明では、黒画像形成ユニットに使
用される現像剤のトナー粒子は、トナー粒子の体積平均
粒径よりも小さい体積平均粒径、より好ましくはトナー
粒子の体積平均粒径よりも小さく体積平均粒径が0.0
5μm以上の非磁性導電性粒子を現像剤全体に対し0.
2以上10重量%以下有すると、感光体と帯電部材との
接触性を維持し、かつ安定して良好な画像を形成する上
でより一層効果的である。
【0261】また本発明では、黒画像形成ユニットに使
用される現像剤が有する導電性粒子は、少なくとも表面
が金属酸化物であり、該金属酸化物の主金属に対し0.
1以上5原子%以下の異原子を含有する金属酸化物であ
るか、又は、酸素欠損型の金属酸化物であることが、前
述した導電性粒子の物性を実現し、安定して良好な画像
を形成する上でより一層効果的である。
【0262】また本発明では、黒画像形成ユニットの帯
電手段は、帯電部材と感光体との当接部に103個/m
2以上5×105個/mm2以下の導電性粒子が介在し
た状態で感光体を帯電させる手段であると、帯電部材と
感光体との良好な接触状態を維持し、かつ静電潜像の形
成を阻害せず、安定して良好な画像を形成する上でより
一層効果的である。
【0263】また本発明では、黒画像形成ユニットの帯
電手段は、ローラー部材を帯電部材として有し、このロ
ーラー部材に電圧を印加することにより感光体を帯電さ
せる手段であり、ローラー部材は、球形換算での平均セ
ル径が5μm以上300μm以下である窪みを少なくと
も表面に有しており、窪みを空隙部としたローラー部材
表面の空隙率が15%以上90%以下であると、上記の
介在量を維持する上でより一層効果的である。
【0264】また本発明では、現像手段は、感光体に対
向して配置され感光体に現像剤を供給する現像剤担持体
を有し、感光体と現像剤担持体とが非接触に配置された
状態で静電潜像を現像する手段であると、トナー粒子の
劣化を抑制する上でより効果的である。
【0265】また本発明では、帯電手段は、帯電部材と
感光体が当接部において互いに逆方向に移動しつつ感光
体を帯電させる手段であると、帯電部材上及び感光体上
でのトナー粒子の固着を防止する上でより一層効果的で
ある。
【0266】また本発明では、帯電手段は、アスカーC
硬度が25以上50度以下のローラー部材を帯電部材と
して有し、このローラー部材に電圧を印加することによ
り感光体を帯電させる手段であると、帯電部材と感光体
との良好な接触性を維持する上でより効果的である。
【0267】また本発明では、帯電手段は、導電性を有
するブラシ部材を帯電部材として有し、このブラシ部材
に電圧を印加することにより感光体を帯電させる手段で
あっても、前述したローラー部材と同様に感光体を良好
に帯電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒画像形成ユニットに用いられる感光体の一例
を示す模式的断面図である。
【図2】黒画像形成ユニットに用いられる感光体の他の
一例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明に用いられるa−Si系感光体の製造に
適用可能な高周波電源を用いたRFプラズマCVD法に
よる感光体の堆積装置の一例を示す模式的構成図であ
る。
【図4】本発明に用いられるa−Si系感光体の製造に
適用可能なVHF電源を用いたVHFプラズマCVD法
による感光体の堆積装置の一例を示す模式的構成図であ
る。
【図5】導電性粒子の抵抗値を測定する装置概略図であ
る。
【図6】本発明の画像形成装置における一実施の形態を
示す概略図である。
【図7】本発明の画像形成装置における他の実施の形態
を示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置における他の実施の形態
を示す概略図である。
【符号の説明】
21、22 電極 23 ガイドリング 24 電流計 25 電圧計 26 定電圧装置 27 測定サンプル 28 絶縁物 101 導電性支持体 102 電荷注入阻止層 103 感光層 104 表面層 105 電荷発生層 106 電荷輸送層 110 感光体 111 転写材 112 転写部材 113 転写材搬送部材 114 クリーニング装置 116 帯電手段 117 現像手段 118 定着装置 2100、3100 堆積装置 2110、3111 反応容器 2111、3115 カソード電極 2112、3112 導電性支持体 2113、3113 加熱用ヒーター 2114 原料ガス導入管 2115、3116 高周波マッチングボックス 2116 ガス配管 2117 リークバルブ 2118 メインバルブ 2119 真空計 2120 高周波電源 2121 絶縁部材 2123 導電性受け台 2200 原料ガス供給装置 2211〜2216 マスフローコントローラー 2221〜2226 原料ガスボンベ 2231〜2236 バルブ 2241〜2246 流入バルブ 2251〜2256 流出バルブ 2260 補助バルブ 2261〜2266 圧力調整器 3120 駆動装置 3121 排気管 3130 放電空間 A 黒画像形成ユニット B セル L レーザー光 P 前露光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 G03G 9/08 2H077 374 374 2H134 9/083 15/02 101 2H200 15/02 101 21/00 15/08 507 350 21/00 15/00 556 350 15/08 507B 21/18 9/08 101 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA08 AA15 CB03 CB07 EA05 2H030 AA06 AB02 AD01 AD02 AD03 AD07 BB02 BB23 BB44 BB46 BB63 2H035 CA07 CB01 2H068 CA03 DA12 2H071 BA05 DA02 DA06 DA08 DA09 DA15 EA18 2H077 AA37 AC16 AD06 AD31 AD35 EA01 EA13 EA15 EA16 GA01 GA13 GA15 2H134 GA01 GB02 HC00 HD00 HF13 JB01 KG01 KG03 KG07 KG08 KH01 KH03 KH10 2H200 FA02 FA13 FA17 GA12 GA18 GA23 GA34 GA45 GA46 GA47 GA49 GA53 GA54 GB11 GB37 GB41 HA03 HA21 HB07 HB12 HB17 HB21 HB46 HB47 JA02 JB06 JB26 MB01 MB06 MC01 MC02 MC06 MC15 MC16

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を形成する複数の画像形成ユニ
    ットを有し、それぞれの画像形成ユニットに転写材を順
    に搬送し、それぞれの画像形成ユニットで形成されたト
    ナー像を転写材上に順次重ね合わせて転写することによ
    りカラー画像を得るタンデム式の画像形成装置におい
    て、 前記画像形成ユニットは、導電性支持体及びこの導電性
    支持体上に感光層を有する感光体と、前記感光体を帯電
    させる帯電手段と、この帯電した前記感光体に静電潜像
    を形成する潜像形成手段と、前記感光体に近接又は接触
    して配設され感光体に形成された前記静電潜像を現像剤
    で現像してトナー像を形成する現像手段と、このトナー
    像が形成された前記感光体から前記トナー像を転写材に
    転写するための転写手段とを有し、 前記画像形成ユニットの少なくとも一つは黒画像形成ユ
    ニットであり、 前記黒画像形成ユニットの感光体はアモルファスシリコ
    ン系感光体であり、 前記黒画像形成ユニットの帯電手段は、体積固有抵抗値
    が103Ωcm以上108Ωcm以下の帯電部材と、抵抗
    値が102Ωcm以上109Ωcm以下であり前記帯電部
    材の表面に担持される導電性粒子とを有し、感光体と帯
    電部材との当接部には導電性粒子が介在し、帯電部材に
    電圧を印加することにより感光体を帯電させる帯電手段
    であり、 前記黒画像形成ユニットの現像手段は、前記転写材への
    トナー像の転写後に感光体上に残余するトナーを回収す
    る手段を兼ね、 前記黒画像形成ユニットに使用される現像剤は、トナー
    粒子と、無機微粉末と、前記導電性粒子とを有すること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記黒画像形成ユニットが転写材搬送方
    向最下流に配置されることを特徴とする請求項1項に記
    載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記黒画像形成ユニットの感光体が非晶
    質炭素膜で表面層を構成したアモルファスシリコン系感
    光体である事を特徴とする請求項1又は2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子は、磁性酸化鉄を含有している事を特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子の平均円形度が0.950以上である
    事を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子の平均円形度が0.970以上である
    事を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子における鉄及び鉄化合物の遊離率が
    0.1%以上2.0%以下である事を特徴とする請求項
    1〜6記載のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子における鉄及び鉄化合物の遊離率が
    0.1%以上0.9%以下である事を特徴とする請求項
    1〜7記載のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記黒画像形成ユニットに使用される現
    像剤のトナー粒子は、トナー粒子の体積平均粒径よりも
    小さい体積平均粒径の非磁性導電性粒子を現像剤全体に
    対し0.2以上10重量%以下有することを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記黒画像形成ユニットに使用される
    現像剤のトナー粒子は、トナー粒子の体積平均粒径より
    も小さく、体積平均粒径が0.05μm以上の非磁性導
    電性粒子をトナー全体に対し0.2重量%以上10重量
    %以下有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記黒画像形成ユニットに使用される
    現像剤が有する導電性粒子は、少なくとも表面が金属酸
    化物であり、該金属酸化物の主金属に対し0.1以上5
    原子%以下の異原子を含有する金属酸化物であるか、又
    は、酸素欠損型の金属酸化物であることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記黒画像形成ユニットの帯電手段
    は、前記帯電部材と前記感光体との当接部に103個/
    mm2以上5×105個/mm2以下の導電性粒子が介在
    した状態で感光体を帯電させる手段であることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 前記黒画像形成ユニットの帯電手段
    は、ローラー部材を前記帯電部材として有し、このロー
    ラー部材に電圧を印加することにより感光体を帯電させ
    る手段であり、前記ローラー部材は、球形換算での平均
    セル径が5μm以上300μm以下である窪みを少なく
    とも表面に有しており、前記窪みを空隙部としたローラ
    ー部材表面の空隙率が15%以上90%以下であること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記現像手段は、前記感光体に対向し
    て配置され感光体に現像剤を供給する現像剤担持体を有
    し、感光体と現像剤担持体とが非接触に配置された状態
    で前記静電潜像を現像する手段である事を特徴とする請
    求項1〜13記載のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  15. 【請求項15】 前記帯電手段は、前記帯電部材と前記
    感光体が当接部において互いに逆方向に移動しつつ感光
    体を帯電させる手段であること特徴とする請求項1〜1
    4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記帯電手段は、アスカーC硬度が2
    5以上50度以下のローラー部材を前記帯電部材として
    有し、このローラー部材に電圧を印加することにより感
    光体を帯電させる手段であることを特徴とする請求項1
    〜15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記帯電手段は、導電性を有するブラ
    シ部材を前記帯電部材として有し、このブラシ部材に電
    圧を印加することにより感光体を帯電させる手段である
    ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070474A1 (ja) * 2003-02-07 2004-08-19 Sharp Kabushiki Kaisha 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置
JP2005099775A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Ricoh Co Ltd カラー画像形成方法

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