JP2003207984A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2003207984A
JP2003207984A JP2002004562A JP2002004562A JP2003207984A JP 2003207984 A JP2003207984 A JP 2003207984A JP 2002004562 A JP2002004562 A JP 2002004562A JP 2002004562 A JP2002004562 A JP 2002004562A JP 2003207984 A JP2003207984 A JP 2003207984A
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Masaya Kawada
将也 河田
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーナーレスかつ接触帯電方式の画像形成
において、転写残トナーを均一にかつ不足なく正規化す
ることができ、かつ耐久性に優れる画像形成方法及び画
像形成装置を提供する。 【解決手段】 炭素原子及びケイ素原子を少なくとも含
有する非晶質の表面層を有する感光体を、導電性微粒子
を介して感光体に接触する帯電部材に電圧を印加して帯
電させ、凝集度が35%以上70%以下であって、結着
樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、感光体の帯電極性
と同極性の帯電極性を示すトナー粒子を有する現像剤を
用いて現像し、転写残トナーを次の現像工程にて感光体
から現像剤担持体に回収する画像形成方法で、表面層中
のケイ素原子の含有量(Y)と、感光体表面電位と帯電
部材の電位との差である帯電電位差(ΔV)とから下式
で求められる値(Z)を−20以下とする。 【数1】Z=ln(Y)×ΔV

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、いわゆるクリーナ
ーレスの画像形成方法、具体的には現像手段により転写
残トナーを回収する画像形成方法、特に接触帯電工程を
含むクリーナーレスの画像形成方法及び画像形成装置に
関する。より具体的には上記のような電圧印加方式の帯
電手段を感光体の帯電手段として、現像手段による転写
残トナーの回収性を向上させ、良好な画質を極めて長期
にわたって安定して供給する電子写真方法及び電子写真
装置に適用される画像形成方法及び画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】1.〔電子写真装置の背景〕 電子写真装置は、従来の原稿を複写するいわゆる複写機
のみならず、近年需要の伸びの著しいコンピュータ、ワ
ードプロセッサの出力手段としてのプリンターを加え、
広く利用されている。こうしたプリンターは、従来のオ
フィスユースのみならずパーソナルユースが増大し、低
コスト、メンテナンスフリーといった経済性が重視され
る。さらに、エコロジーの観点から、廃棄物が微量であ
るか、又は廃棄物レスであることが重要視されてきてい
る。また、両面コピー、再生紙利用等、紙の消費低減、
消費電力低減などの省エネルギー性、オゾン量低減等の
環境への対応が、経済性と同様の重要度で求められてい
る。
【0003】2.〔クリーナーレス〕 従来主流であったクリーナーによるクリーニング方式を
採用する電子写真装置では、繊維状の部材等からなるブ
ラシクリーナーや、ウレタンゴム等の弾性体ブレード等
により、感光体表面から転写残の現像剤(トナー)を除
去し廃現像剤(廃トナー)容器に回収してユーザーから
廃トナーを回収したり、廃トナー容器を含んだカートリ
ッジ構成にするなどしてカートリッジごと廃トナーをユ
ーザーから回収するなどの手法がとられていた。しかし
ながら、実情では必ずしも全数のカートリッジが回収さ
れない場合があることや、回収した廃トナーの処分等を
考慮すると、廃トナーレスの電子写真方法であることが
環境の面から望ましい。
【0004】廃トナーレスの手段として、クリーナーレ
スの電子写真方法が挙げられる。クリーナーレスの例と
して、転写残トナーを均して非パターン化し、いわゆる
ゴーストが出ないようにする方法や、転写工程で転写さ
れきらず感光体表面に残留した、いわゆる転写残現像剤
(転写残トナー)を次期の現像工程において現像手段内
に回収し再利用する、いわゆる現像兼回収方式の電子写
真方法がある。このような現像兼回収方式の電子写真方
法では、転写残トナーを帯電工程などで一旦回収し、適
宜な量を感光体上に排出して現像工程で回収する方法が
知られている。
【0005】転写残トナーを帯電工程等で一旦回収し
て、適宜な量を感光体上に排出して現像工程で回収する
電子写真方法においては、接触型の帯電方式が使用され
ることが多い。特に、後述するような注入帯電方式にお
けるクリーナーレスの例としては、特開2000−17
2053号公報に、磁気ブラシやファーブラシなどの注
入帯電方式の帯電部材を使用し、接触帯電部材と感光体
の摩擦帯電極性において、接触帯電部材の摩擦帯電極性
を感光体の帯電極性と同極性とすることで転写残トナー
の回収性を向上することが開示されている。特に磁気ブ
ラシ注入帯電方式の場合には、さらに磁気ブラシを構成
する磁性粒子の保持性のために、磁性粒子の摩擦帯電極
性を感光体の帯電極性と同極性とすること、またそのた
めの磁性粒子の処理方法が開示されている。
【0006】また、一般に現像剤であるトナーは、転写
工程によりトナーの正規極性とは逆の極性の電圧が印加
されるため、転写残トナーには、正規の極性とは逆の極
性の状態になっている、いわゆる反転トナーが混在して
いることが多い。現像兼回収方式は、帯電工程を通過後
の転写残トナーを現像工程中に回収するものであり、転
写残トナーが回収され易い正規の極性にそろっているこ
とが重要である。上記の例としては、特開平05―00
2287号公報に、有機感光体(OPC)と接触現像方
式の現像手段を使用し、現像手段に突入する際の転写残
トナーの帯電量|qt|及び抵抗を規定した、接触現像
方式を採用した例が開示されている。
【0007】また、回収に当たっては、現像スリーブ又
は現像スリーブに付着している現像剤によって形成され
る穂が感光体表面に当接していると、感光体上の転写残
トナーが機械的に摺擦、回収がなされるのに対し、非接
触の現像方式においては電気的な回収のみになるため、
転写残トナーの帯電性、すなわち帯電工程における帯電
などにより転写残トナーを正規帯電にそろえること、が
より重要になる。このような場合では、帯電部材の感光
体に対する電気的接触性に優れていることが好ましく、
粒子状の導電性粒子を介して帯電手段を感光体に接触さ
せる種々の系が知られている。
【0008】非接触の現像方式における現像兼回収の例
としては、特開平10−274884号公報、特開平1
1−052678号公報、特開平11−065281号
公報等に、磁気ブラシからなる帯電部材を使用した帯電
工程を含む系で、帯電部材とトナーの摩擦帯電極性を規
定、又は摩擦帯電極性を制御するために帯電部材を制御
する手法が開示されている。
【0009】また、弾性部材と微粒子からなる帯電部材
を使用した帯電工程を含む系では、特開2000−08
1762号公報、特開2000−081766号公報等
に、微粒子である酸化亜鉛により転写残トナーが負極性
(ネガ)化する傾向にあることが開示されており、また
負極性現像剤(ネガトナー)を使用し、帯電工程におけ
る摺擦により現像剤が正規極性にネガ化され、現像工程
において回収、再利用されることが開示されている。
【0010】3.〔帯電手段〕 オゾン発生防止等の環境的配慮や均一帯電等の観点から
優れている帯電手段としては、直接注入帯電方式の帯電
手段が挙げられる。直接注入帯電は、接触帯電部材から
感光体等の被帯電体に直接に電荷を注入することで被帯
電体表面を帯電させる系である。直接注入帯電は、直接
帯電、あるいは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称
される。
【0011】より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被
帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに被帯電体表
面に直接電荷注入を行うものである。この帯電系はイオ
ンの発生を伴わないため、放電生成物による弊害は生じ
ない。また、これらの帯電部材に印加される電圧はDC
単独であっても、また実質的に放電を伴わない範囲でA
C電圧を重畳してもよい。しかし、直接注入帯電である
ため、接触帯電部材の被帯電体への接触性が帯電性に大
きく効いてくる。そこでより高い頻度で被帯電体に接触
する構成をとるため、接触帯電部材はより密な接触点を
持つ、或いは被帯電体との速度差を多く持つ等の構成が
必要となる。
【0012】直接注入帯電機構に関して、一連の接触帯
電部材のさまざまな改善といった技術的検討がなされる
中で、前述の如く弾性体と導電性微粒子からなる帯電部
材による帯電方式(1)が、また特開昭59−1335
69号公報等に開示されているように、磁気ブラシから
なる接触帯電部材による帯電方式(2)が、また、特開
昭57−046265号公報等のように、ファーブラシ
からなる接触帯電部材による帯電方式などが提案されて
いる。特に帯電方式(1)及び(2)は感光体への接触
性や耐久性の観点から有利である。直接注入帯電方式の
電子写真装置に使用される帯電手段の一例を示す断面図
を図3及び図4に示し、構成を説明する。
【0013】<帯電方式(1)に対応する帯電手段の帯
電部材>図3にその一実施態様を示す。帯電部材301
(a)は芯金301(a)−3と、芯金301(a)−
3上に形成された低乃至中抵抗の導電性の弾性部材30
1(a)−2と、少なくとも感光体との当接部に介在す
るように弾性部材上に塗布される導電性微粒子301
(a)−1とからなる。弾性部材301(a)−2は、
使用する電子写真装置の仕様等に応じて、抵抗や硬度、
また導電性微粒子を介在させるために調整された微小な
凹凸或いはセル等を有する。導電性微粒子は、磁性及び
非磁性のいずれでも使用可能である。また、その抵抗
値、粒径も同様に上記装置の仕様等に応じて調整され
る。
【0014】<帯電方式(2)に対応する帯電手段の帯
電部材>図4にその一実施態様を示す。帯電部材301
(b)は、導電性及び磁性を有する支持部材301
(b)−2と、この支持部材301(b)−2上に支持
され導電性及び磁性を有し磁気ブラシ層を形成する磁性
粒子301(b)−1とからなる。支持部材301
(b)−2は、磁極を内蔵したいわゆるスリーブ状、或
いはマグネットローラ状に構成され、使用する電子写真
装置の仕様等に応じて、磁極の方向や磁束密度が適宜調
整される。磁性粒子301(b)−1は、磁性酸化鉄
(フェライト)粉、マグネタイト粉、樹脂中にフェライ
トやマグネタイト等の磁性材料を分散させたもの、周知
の磁性キャリア材等が一般的に用いられる。
【0015】4.〔感光体〕 電子写真において、周知の如く感光体は導電性基体と、
この導電性基体上に形成される光導電層(感光層)と、
必要に応じて最表面に形成される表面層とから一般に構
成されるが、感光体における感光層を形成する光導電材
料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電
流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性
に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体
に対して無害であること、等の特性が要求される。特
に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内
に組み込まれる電子写真装置用感光体の場合は、大量
に、かつ長期にわたり複写に使用されることを考える
と、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0016】このような点に優れた性質を示す光導電材
料にアモルファスシリコン系感光体(a−Si感光体)
がある。a−Si感光体を注入帯電に使用した例とし
て、前述の特開2000−081766号公報等に、ア
モルファス炭化ケイ素(a−SiC)表面層を有するa
−Si感光体を注入帯電で使用する構成が開示されてい
る。また他に、注入帯電に適した表面層の例として、a
−SiCよりも高硬度であるアモルファスカーボン(a
−C)表面層を使用した例も開示されている。
【0017】これらのa−Si感光体は、表面層に特別
な加工、或いは層を積層しなくても注入帯電性に優れ、
また、上記のようなa−C表面層を有する場合は注入帯
電の電子写真方法に使用した場合でもより一層の長寿命
化が可能であるといった長所を有している。
【0018】5.〔現像方式〕 現像剤は、現像に寄与するトナー粒子とキャリア材と有
する二成分現像剤、キャリア材が含まれない一成分現像
剤とに分類される。また、現像剤は、トナー粒子に磁性
粒子を含有する磁性トナーと、磁性粒子を含有していな
い非磁性トナーとに分類される。現像方式は、現像剤の
種類に応じて分類される。また、現像剤や現像剤担持体
が感光体に接触するか否かで接触現像方式及び非接触現
像方式に分類される。一般に画像再現特性は一成分現像
方式より二成分接触現像方式の方が優れているとされて
いるが、各方式にはそれぞれの特徴がある。
【0019】その内、一成分非接触現像方式では、周知
の如く現像スリーブは、感光体に対して所定の間隔を持
って設置される。そのため感光体の摺擦による現像剤の
劣化が少なく、メンテナンス間隔のさらなる延長化とい
う点から有利である。
【0020】一方、非磁性二成分現像方式においては、
現像剤規制ブレードには現像スリーブに所定の当接圧を
持って当接する弾性部材が通常使用される。ここでキャ
リアとトナーは所定の厚さで現像スリーブ上にコートさ
れ、いわゆる「穂」が形成された状態で感光体に接触す
る。そして現像スリーブと感光体との接触部において、
潜像に応じてトナー粒子が感光体に静電力で付着し、ト
ナー像となるのが一般的である。
【0021】特に、現像兼クリーニングにおいては、機
械的に転写残トナーを回収する効果も得られることか
ら、前記非磁性二成分現像方式などの接触現像方式が回
収性の観点から有効とされているが、上述の如く、長寿
命及びメンテナンスフリーという観点では非接触、特に
一成分非接触現像方式が好ましいとされている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのク
リーナーレスの電子写真方法について、転写残トナーが
現像工程において現像手段で回収されず転写材上の画像
として現れる、いわゆる「かぶり」が発生する場合があ
る。
【0023】特に、感光体の表面層の種類によっては転
写残トナーの正規化が困難な場合があること、例えば、
注入帯電の長寿命システムとしてa−C表面層を有する
負帯電性の感光体とネガトナーを使用した場合、転写残
トナーがネガ化されにくく上記の「かぶり」が発生し易
いこと、が判明した。また、この「かぶり」を改善する
ために現像バイアスの条件などの調整で対応することが
困難である場合があり、或いは回収ができた場合でも画
像濃度が変動するなど、現像性に影響が出る場合があっ
た。また、特に非接触の現像方式において回収が困難な
場合があった。
【0024】上記の如く、注入帯電のクリーナーレス電
子写真方法において、転写残トナーを正規化するため
に、帯電部材と使用される現像剤との帯電系列の順位を
規定するのみでは、必ずしも転写残トナーの回収性への
対応としては十分ではない。
【0025】本発明は、上記のような観点から、クリー
ナーレスかつ接触帯電方式の画像形成において、転写残
トナーを均一にかつ不足なく正規化することができ、か
つ耐久性に優れる画像形成方法及び画像形成装置を提供
することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、感光体、帯電部材、及び現像剤のシステムとし
てクリーナーレスに適した組み合わせ、特に摩擦帯電の
順位のみならず、摩擦帯電のレベルである帯電電位差
(ΔV)が要素として含まれる範囲規定が必要であり、
さらには優れた耐久性を有する電子写真方法が必要であ
る。
【0027】また、主として帯電部材と感光体の当接部
位において、現像剤が摺擦により正規化される際に現像
剤が均一に不足なく正規化されることが重要である。正
規化にむらがあると、正規化されない現像剤は帯電部材
周囲に滞留し、さらに摺擦を受けることとなり、現像剤
の劣化を引き起こし易くなる。すなわち、現像剤の流動
性を制御し、上記の摺擦を受ける際に、均一な摺擦を受
けるようにすることが必要である。
【0028】本発明者らが鋭意研究した結果、クリーナ
ーレスの電子写真方法において、摩擦帯電のレベル、す
なわち帯電電位差(ΔV)によって転写残トナーの正規
化の能力が大きく左右されることが判明した。具体的に
は、感光体表面層の材質や帯電部材、特に感光体と接触
する導電性微粒子等の材質との組み合わせが、転写残ト
ナーを正規化させる能力に、大きく影響していることが
判明した。特に、正規化の効率という観点では、現像剤
の物性、特に流動性に掛かる特性である凝集度に大きく
依存することが判明した。また、現像剤自体の帯電性、
いわゆるトリボ特性を適正な範囲で規定することで、現
像剤の正規化に要する摺擦負荷を低減できること、正規
化の効率を向上できることが判明した。
【0029】本発明の画像形成方法は、上記の点に鑑み
発明されたものであり、感光体に接触して設けられる帯
電部材に電圧を印加して感光体を帯電させる工程と、こ
の工程によって帯電している感光体に静電潜像を形成す
る工程と、現像剤担持体に担持されている現像剤を前記
工程によって静電潜像が形成されている感光体に供給し
て静電潜像を現像する工程と、この工程によって形成さ
れた感光体上の現像剤像を転写材に転写する工程と、転
写後に感光体上に残留する現像剤を、帯電部材と感光体
との接触部位を通過させた後に感光体から現像剤担持体
に回収する工程と、を含む画像形成方法において、帯電
させる工程では、感光体に、炭素原子及びケイ素原子を
少なくとも含有する非晶質の表面層を有する感光体を用
い、帯電部材と感光体とを導電性微粒子を介して接触さ
せ、かつ感光体に対して相対速度差を有して帯電部材を
駆動させ、現像する工程では、現像剤に、凝集度が35
%以上70%以下であって、結着樹脂及び着色剤を少な
くとも含有し、感光体の帯電極性と同極性の帯電極性を
示すトナー粒子を有する現像剤を用い、下式(1)で求
められる感光体表面層中のケイ素原子の含有量をYと
し、下式(2)で求められる帯電電位差をΔVとしたと
きに、下式(3)で求められる値であるZが−20以下
であることを特徴とする。
【数7】 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1)
【数8】ΔV=V2−V1 (2) (ただしV1は帯電部材の電位であり、V2は帯電した
感光体の表面電位である。)
【数9】Z=ln(Y)×ΔV (3)
【0030】また、本発明は、感光体と、この感光体に
接触して設けられ感光体に接触した状態で感光体に対し
て相対的かつ自在に駆動する帯電部材を少なくとも有
し、帯電部材に所定の電圧を印加して感光体を帯電させ
る帯電手段と、帯電した感光体に静電潜像を形成する静
電潜像形成手段と、現像剤を担持する現像剤担持体を少
なくとも有し、現像剤担持体が担持する現像剤を静電潜
像が形成されている感光体に供給して静電潜像を現像す
る現像手段と、現像によって形成された感光体上の現像
剤像を転写材に転写させる転写手段と、を有し、現像手
段は、転写後に感光体上に残留し、帯電部材と感光体と
の接触部位を通過した転写残現像剤を感光体から現像剤
担持体に回収する現像兼回収手段である画像形成装置に
おいて、感光体は、炭素原子及びケイ素原子を少なくと
も含有する非晶質の表面層を有し、帯電部材は、表面に
導電性微粒子を有し、導電性微粒子を介して前記感光体
に接触し、現像剤は、凝集度が35%以上70%以下で
あり、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、感光体
の帯電極性と同極性の帯電極性を示すトナー粒子を有
し、上記式(1)で求められる感光体表面層中のケイ素
原子の含有量をYとし、上記式(2)で求められる帯電
電位差をΔVとしたときに、上記式(3)で求められる
値であるZが−20以下であることを特徴とする画像形
成装置を提供する。
【0031】本発明では、上記画像形成方法や画像形成
装置において、現像剤の形状因子である円形度、帯電部
材の駆動方向、現像剤の帯電特性、現像方式等をさらに
規定することによって、優れた画像を長期にわたり供給
する上でより一層優れたクリーナーレスの画像形成方法
及び画像形成装置を提供することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】〔画像形成方法〕本発明の画像形
成方法の一実施態様を図2に基づき説明する。図2は、
本発明における現像兼回収によるクリーナーレス電子写
真方法を実施する画像形成装置の一実施態様を示す概略
図である。
【0033】本実施形態の画像形成装置の構成を簡単に
説明すると、この画像形成装置は、感光体202と、感
光体202に接触して設けられ感光体202に接触した
状態で感光体202に対して相対的かつ自在に駆動する
帯電部材201と、帯電した感光体202に静電潜像を
形成する静電潜像形成手段と、現像剤を担持する現像剤
担持体を少なくとも有し現像剤担持体上の現像剤を感光
体202に供給して静電潜像を現像する現像手段204
と、感光体上の現像剤像を転写材Pに転写させる転写手
段206(a)と、転写材P上の現像剤像を転写材Pに
定着させる定着手段210と、転写後の感光体202の
残留電位を除く除電手段208とを有する。
【0034】感光体202は、ドラム型の電子写真感光
体であり、矢印Aの時計方向に所定の周速度(プロセス
スピード)にて回転駆動する。
【0035】帯電部材201は、直接注入帯電方式の帯
電部材であり、感光体202に当接し、矢印Bの如く任
意の方向に、感光体202に対して相対速度差をもって
所定の周速で駆動する。帯電部材201は不図示の電圧
印加電源により所定のDC電圧又はDC+AC電圧が印
加されて、回転駆動されている感光体202の外周面が
均一に帯電される。帯電手段201の表面には、例えば
後述する微粒子塗布機構等によって所定量の導電性微粒
子が塗布されており、帯電部材201と感光体202と
の当接部には導電性微粒子が介在している。
【0036】帯電した感光体202には、静電潜像形成
手段によって静電潜像が形成される。静電潜像の画像信
号は、原稿台214上の原稿213へ光源215によっ
て光を照射しその反射光から得られる情報をスキャナ2
16に記憶し、この記憶した画像信号に応じてレーザー
等からなる潜像光源217が走査、必要に応じて照射光
の強度を変調し、ミラー218等により偏向され、画像
信号付与手段203から感光体202へと供される。な
お画像信号は、外部のコンピュータ等から直接入力され
た信号であってもよく、このような画像信号はメモリに
記憶する。
【0037】潜像光源217から照射される光の波長
は、使用する感光体の種類等によっても異なるが、高d
pi化、また使用する感光体の分光感度等から450〜
800nmが好ましく使用される。特にa−Si感光体
を使用する場合には、その電子写真特性を良好に活用す
るために短波長側、具体的には450〜700nmが好
ましく使用される。また、必要に応じて内部電位センサ
209等の電位測定手段を設けてもよい。
【0038】静電潜像が形成された感光体202には、
現像手段204から静電潜像に応じて現像剤が供給さ
れ、静電潜像を現像する。現像手段204は現像剤の種
類や現像剤担持体と感光体との位置関係に応じて選択さ
れる現像方式に対応したものであり、例えば現像剤担持
体、現像剤担持体上の現像剤量を規制する手段、現像剤
担持体に電圧を印加する手段、現像手段中における現像
剤の攪拌手段、現像手段中の現像剤追加手段等が適宜に
選択されたものである。
【0039】さらに転写手段206(a)で感光体20
2表面の顕像が転写材Pに転写され、転写材Pは必要に
応じて設けられる分離手段206(b)等にて感光体表
面から分離される。なお紙などからなる転写材Pは給紙
系219等からなる給紙経路205を通過後、レジスタ
ローラ220等により感光体側へ供給される。
【0040】現像剤像が転写された転写材Pは、搬送系
207を経由して、例えば加熱ローラ211及び加圧ロ
ーラ212を有する加熱加圧定着手段等の定着手段21
0に搬送され、定着手段210によって転写材P上の現
像剤像が定着され、定着画像を有する転写材Pは装置外
に排出される。
【0041】一方、感光体202はその後、必要に応じ
て設けられる除電光源等からなる除電手段208等によ
り残留電位を除電、安定化された後、再び帯電部材20
1による帯電工程へと突入し、繰り返し画像形成に供さ
れる。除電手段208としての除電光源の波長は、画像
信号の波長と同等乃至やや長波長で使用される。具体的
には500〜800nmが好ましく使用される。
【0042】また、転写材Pに転写されず感光体202
上に残留した現像剤(転写残トナー)は、感光体上に付
着した状態で次期の帯電工程に突入し、帯電部材20
1、感光体202との摺擦により正規の帯電極性に戻さ
れた後、次期の工程で現像手段204に回収され、再度
現像に寄与する。なお、転写残トナーには、正規状態と
は逆の極性の現像剤(反転トナー)が混在している場合
があるが、本発明の画像形成方法及び画像形成装置によ
れば、上記次期の帯電工程によって正規化され、現像手
段204に円滑に回収される。
【0043】〔帯電系列〕上記の反転トナーを正規の帯
電極性に戻す為に、帯電特性の評価、及び制御が重要で
ある。帯電系列については、従来から、前述のように帯
電部材と現像剤の帯電系列についての技術として、例え
ば現像剤の方が帯電極性側であることが好ましい、或い
は帯電部材と感光体の帯電系列が逆極性であることが好
ましい等、二つの部材間における摩擦帯電極性について
の技術の開示がなされている。しかしながら、クリーナ
ーレスの電子写真方法においては、後述する如く、帯電
部材、現像剤、感光体等の要素の帯電系列のみならず、
その帯電電位差のレベルが大きく関与する。
【0044】帯電系列について図15〜図18を用いて
説明する。帯電系列は、二つの要素(A、B)のみの場
合は、図15に示すように、A、Bが接触することによ
りAとBの間に電子の授受が発生する。電位的にはA〜
B間に0点が発生し、図15中では右側、すなわち帯電
系列が上位、すなわちポジ性が強い、Bが正(ポジ)に
位置し、逆に左側に位置するAが負(ネガ)に帯電す
る。このように、物質が二つ(A、B)ならば、AとB
の相対関係で帯電系列が決まり、AとBの中間に0点が
形成される。
【0045】一方、図16に示すような二つの要素
(B、C)からなる場合、先ほどはポジだったBに対
し、さらにポジ性が強いCとの接触においては、B〜C
間に0点が発生し、Bはネガに帯電する。すなわち、帯
電においてポジ性、ネガ性というのはあくまでも相対的
なものであり、また0点は固定されるものではなく、接
触する物質の特性に応じて動くものである。
【0046】したがって、図17に示すように三つの要
素(A、B、C)からなる場合、0点はA〜Cの間に発
生し、例えば図17の場合はA、Bがネガ、Cがポジに
帯電している。一方、三つの要素からなる場合において
も、図18に示すように、A、B、及びCの帯電性が変
化した場合、0点はそれらに応じて移動し、例えば、図
18の場合は、Bがポジに帯電する。すなわち、三つ以
上の物質が接触する系では、各物質間の帯電系列の相関
が重要であり、このような系では帯電順位のみならず、
そのレベル(電位差)が重要である。
【0047】本発明の画像形成方法において、感光体表
面をA、転写残トナーをB、帯電部材をCとおけば、転
写残トナーが帯電工程を経て吐き出されたトナーの極性
にはこれらの相関が関与することを理解しやすいと思わ
れる。なお、上記帯電部材には導電性微粒子も含む。
【0048】〔帯電電位差(ΔV)〕以下、感光体と帯
電部材の帯電電位差について説明する。本発明において
帯電電位差ΔVとは、表面に導電性微粒子を有する帯電
部材を所定電位に制御したときの帯電部材の電位(V
1)、及び感光体と帯電部材を相対速度差をもって駆動
させ、感光体駆動方向における帯電部材との接触部位の
下流側で測定される感光体の表面電位(V2)の電位
差、すなわち下式(2)で求められる値である。
【数10】ΔV=V2−V1 (2) (ただしV1は帯電部材の電位であり、V2は帯電した
感光体の表面電位である。)
【0049】V1は、表面電位計による測定の他、帯電
部材に印加する電圧を直接測定することで求めることが
できるし、またV1に供給する電流量と帯電部材の抵抗
から求めることもできる。またV2は表面電位計によっ
て測定することができる。V1及びV2の具体的な測定
方法を以下に示す。
【0050】図1にV1及びV2の測定装置の具体例を
示す。この測定装置は、ドラム状の感光体102及びロ
ール状の帯電部材103を自在に回転駆動できるように
それぞれ支持することができ、かつ帯電部材103を感
光体102に向けて任意の当接圧で接触配置できるもの
である。帯電部材103の芯金部には、電源110が接
続されており、電源110のアース側は感光体102の
導電性基体と共通に接地されている。感光体102の回
転駆動方向(例えば図中の矢印b)における、感光体1
02と帯電部材103との当接部位よりも下流側には、
非接触の表面電位計等からなる電位検出手段107、必
要に応じてさらに同106が設けられている。
【0051】また、微粒子や異物を感光体表面から除去
するために、必要に応じて、周知のクリーニングブレー
ド等の除去部材108や、感光体102表面の微粒子等
の残留量を検知するためにCCDカメラや反射濃度計等
からなる表面観察手段105や、帯電部材との当接直前
の感光体の状態を所定状態に定常的に維持するなどの目
的で除電光104等の帯電安定化手段や、感光体表面温
度測定手段112や、感光体102表面の微粒子や異物
等を除電する除電手段109等を有していてもよい。
【0052】また、芯金と導電性の弾性部材とから構成
され、導電性微粒子を表面に有する帯電部材を用いる場
合では、帯電部材表面における導電性微粒子の担持量を
制御する観点から、導電性微粒子を収容し開口部に帯電
部材103が配置される微粒子容器101と、微粒子容
器101内の導電性微粒子の付着量を制御するためのコ
ート制御手段111とを有する導電性微粒子塗布機構を
設けてもよい。
【0053】感光体102は、矢印bの方向に所定の駆
動速度で回転駆動する。一方、帯電部材103は、矢印
aの如く任意の方向に、感光体102に対し所定の相対
速度差で回転駆動する。帯電部材103と感光体102
の駆動源は別々に有していてもよいし、同一の駆動源か
らギヤ等で相対速度差を有するように駆動を分配しても
よい。
【0054】電源110は、所定の電圧V1を印加す
る。逆の電圧がかかった場合には、逆電圧による電流を
吸い込む形で制御することで、芯金部は常時所定の電位
V1に制御される。なお、電源110には電流測定手段
を有していても良く、その場合には帯電電位差のみなら
ず帯電による電流値の検出も可能である。
【0055】前記導電性微粒子塗布機構を用いる場合で
は、微粒子容器101内で帯電部材103に導電性微粒
子が所定コート量で塗布される。過剰な粒子や異物等
は、適宜なコート制御手段111によって除去される。
或いは、帯電部材103よりも感光体102駆動の上流
側にて、感光体102上に導電性微粒子を塗布する不図
示の機構を設け、感光体102を介して帯電部材103
に導電性微粒子を供給してもよい。
【0056】感光体102の表面電位は、導電性微粒子
の介在、電源110から印加される電圧等により、制御
された帯電部材103の電位に応じて変動する。感光体
102の表面電位は、非接触の電位検出手段107、1
06により検出される。
【0057】電位検出手段107、106は、基本的に
は帯電部材103よりも、感光体駆動の下流側に配置す
ればよいが、感光体102の帯電電位は絶対値で数10
V以下であること、またa−Si感光体、特に除電光1
04等を使用した場合には暗減衰が大きくなるため、可
能な限り帯電部材103直後に近づけて配置することが
好ましい。
【0058】この測定装置を用いる場合では、本発明に
おける帯電電位差ΔVは、電源110により制御される
帯電部材103の電位V1と、電位検出手段107、1
06で測定される感光体102の表面電位V2との差で
表される。
【0059】感光体102の表面電位は、帯電部材直後
の感光体102の表面電位を算出することで求めてもよ
い。具体的には、電位検出手段106、さらに複数の電
位検出手段を配し、暗減衰を検出し、暗減衰値から算出
する等の方法が挙げられる。なお、感光体の表面電位を
測定する都合上、感光体102及び除電光104等は、
少なくとも測定時には暗箱等、暗環境下に保持される。
【0060】また、図2の如き画像形成装置において、
帯電手段201の下流側の適宜な位置で、上述と同様の
手法で感光体表面電位を測定してもよい。電位測定点と
しては、例えば、現像手段204、内部電位センサ20
9、画像信号付与手段203に相当する位置などが挙げ
られる。
【0061】〔帯電電位差ΔVとトナー正規化の相関〕
本発明においては、感光体の表面層材料と、帯電サイ
ド、例えば導電性微粒子の材料により、転写残トナーを
正規化するのに好適な範囲が異なる。
【0062】感光体の表面層のネガ性が強い、すなわち
図15〜図18におけるA(感光体)が左に偏っている
状態の場合では、帯電サイドのポジ性はそれに見合った
強さであることが望ましいことから、それに対応してC
(導電性微粒子)のポジ性が強い、すなわち図15〜図
18中で右に寄っていることが必要である。つまり、|
ΔV|は大きい方が好ましいことがわかる。
【0063】また、感光体表面層のネガ性のレベルを変
化させることで、必要なΔVの範囲を効果的に広げる、
すなわちラチチュードを広げることができる。本発明者
らの研究の結果、a−C:Si:H表面層のSiの含有
量を調整することによって、感光体表面層のネガ性のレ
ベルを制御できることを見出した。
【0064】一方、導電性微粒子のポジ帯電性が弱い、
すなわち図15〜図18中においてC(導電性微粒子)
が比較的左に寄っている状態の場合では、感光体のネガ
性はそれに見合った弱さであることが望ましいことか
ら、それに対応してA(感光体)が右側に寄っているこ
とが必要である。つまり、|ΔV|は小さい方が好まし
い。
【0065】本発明者らの研究の結果、a−C以外の表
面層、具体的にはa−SiC等は、a−Cよりもネガ性
が弱く、図15〜図18においてA(感光体)があまり
左に偏っていないことが判明した。
【0066】また、本発明者らは、導電性微粒子の材料
選択、表面処理により導電性微粒子のポジ性のレベルを
制御できることを見出した。また、本発明者らは、a−
C:Si:H表面層のSiの含有量とΔVを制御する好
適な相関範囲で制御することで、トナーの正規化が効率
よくなされることを見出した。
【0067】すなわちV1、V2は帯電サイド及び感光
体に使用する材料によって制御することができ、帯電電
位差ΔVも帯電サイド及び感光体に使用する材料によっ
て制御することができる。本発明者らは、下式(1)よ
り求められる感光体の表面層におけるシリコン原子の割
合と、上記式(2)より求められる帯電電位差でΔVと
が下式(3)の相関関係においてZが−20以下である
とき、転写残トナーを正規化することができ好ましい。
【0068】
【数11】 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1)
【数12】Z=ln(Y)×ΔV (3)
【0069】また上記Zは、現像手段中の現像剤の摩擦
帯電量を揃える観点から、好ましくは−30以下であ
り、より好ましくは−40以下である。また上記Zは、
長期にわたり高い画質を維持する観点から−300以上
であることが好ましい。このようなZは、前述したよう
に、主に感光体表面層の材料や導電性微粒子等の帯電サ
イドの材料やそれらの使用量によって制御することがで
きる。以下、各工程、部材について詳細に述べる。
【0070】〔帯電手段〕本発明に用いられる帯電手段
は、感光体に接触して設けられる帯電部材を有し、この
帯電部材に電圧を印加する手段である。上記帯電部材と
しては、ベルト状、ファー状、その他或いは回動可能な
帯電ブラシロールなど、駆動可能であり、かつ感光体表
面との当接を維持できる構成であれば特に限定されない
が、図3及び図4に例示される構成(1)及び構成
(2)の帯電部材を本発明では好適に用いることができ
る。
【0071】〔構成(1)の帯電部材〕上記構成(1)
の帯電部材は、芯金部と、この芯金部の周面を覆う導電
性の弾性部材とを有する帯電部材である。本発明におい
てこの帯電部材の表面には、通常、後述する導電性微粒
子が塗布される。
【0072】帯電部材は、感光体に接触して設けられ、
帯電部材に電圧を印加することにより感光体を帯電する
ために、また導電性微粒子を介在させた当接部を設ける
ために弾性を有すること好ましく、その硬度は感光体と
の接触性、及び接触安定性や、帯電部材自身や感光体表
面の損傷を防止し長寿命化するために、アスカーC硬度
で15度から60度が好ましい。帯電部材のアスカーC
硬度は、弾性部材に使用する材料の種類や芯金上におけ
る弾性部材の厚さ等によって調整することができる。
【0073】また、帯電部材のアスカーC硬度は、アス
カーC硬度計によって測定することができる。測定の概
要としては、両端を支持するためにVブロックを用いて
帯電部材を所定位置に設置し、帯電部材の所定の測定箇
所(例えば両端部と中央部)にアスカーC硬度計を所定
の荷重(例えば0.5kgf)で押し付け、そこから所
定時間後の値を測定する。
【0074】また、帯電部材は、感光体を帯電させるこ
とが可能な程度に低い抵抗が、一方で感光体にピンホー
ル等の欠陥部が存在する場合の電圧のリークを防止させ
ることが可能な程度に高い抵抗が必要である。このよう
に十分な帯電性と耐リーク性を得る観点から、帯電部材
の抵抗は103〜108Ωが好ましく、104〜107Ωが
より好ましい。帯電部材の抵抗は、使用する感光体と同
外径の円筒状アルミシリンダーに帯電部材を0.2mm
の侵入量で当接した状態で、芯金とアルミドラムとの間
に100Vを印加して、計測される。
【0075】また、帯電部材は、導電性微粒子を介在さ
せるために、平均セル径が5〜300μmの微少なセル
又は凹凸を表面に有していることが好ましい。窪みを空
隙部とした帯電部材表面の空隙率が15〜90%である
ことが、帯電部材表面において適当量の導電性微粒子を
保持する上で好ましい。
【0076】帯電部材は、芯金上に、可撓性部材として
のゴムあるいは発泡体の中抵抗層等の弾性部材を形成す
ることにより作製される。この弾性部材は、前述の如く
適度な導電性を示すものであればよく、例えば帯電部材
は、ウレタン等の樹脂、カーボンブラック等の導電性粒
子、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にロー
ラ状に支持し、必要に応じて切削、表面研磨して作製す
ることができる。
【0077】帯電部材における弾性部材の材質として
は、弾性発泡体以外にも、弾性体の材料として、エチレ
ン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ウ
レタンゴム、シリコーンゴム等に抵抗調整のためにカー
ボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴ
ム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。ま
た、導電性物質を分散せずに、或いは導電性物質と併用
してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも
可能である。
【0078】帯電部材は、感光体に対して弾性に抗して
所定の押圧力で当接させて配設し、帯電部材と感光体の
当接部を形成する。この当接幅は、特に制限されるもの
ではないが、帯電部材と感光体の安定して密な密着性を
得るため1mm以上、より好ましくは2mm以上がよ
い。一方、当接幅が大きすぎるのは、感光体への摺擦負
荷の増大に伴う感光体の寿命や、装置の小型化の面で好
ましくなく、特に外径80mm以下の小径感光体を使用
する系では、感光体の寿命への影響が大きい。具体的な
当接幅としては、10mm以下が好ましい範囲である。
【0079】以上説明した構成(1)の帯電部材は、磁
性材料を含まなくても構成できることから、磁性現像剤
を使用する画像形成方法への使用に適している。
【0080】〔導電性微粒子〕次に、上記構成(1)の
帯電部材と感光体表面の当接部に介在させる導電性微粒
子について説明する。
【0081】導電性微粒子の好ましい抵抗率は109Ω
・cm以下である。109Ω・cmよりも大きいと良好
な帯電性を得るための帯電促進効果が得られにくい。な
お、導電性微粒子の帯電促進効果を十分に引き出し、良
好な帯電性を安定して得るためには、導電性微粒子の抵
抗が帯電部材の表面部或いは感光体との接触部の抵抗よ
りも小さいことが好ましい。
【0082】さらに、導電性微粒子の抵抗率は106Ω
・cm以下であることが、絶縁性を示す転写残トナーが
帯電部材に付着し、或いは導電性微粒子に混入すること
による帯電阻害に打ち勝って、感光体の帯電をより良好
に行わせる上で好ましくよい。一方で、導電性微粒子の
抵抗率は10-1Ω・cm以上であることが、感光体の欠
陥などによる帯電不良を防止するため等に好ましくよ
い。
【0083】導電性微粒子の抵抗率は、温度23℃、湿
度60%の環境下で、錠剤法により測定し正規化して求
めることができる。測定装置の概略を図6に示す。具体
的には、セルAは、絶縁体からなる保持具8と、ガイド
リング(円筒)3からなる。保持具8にて固定された、
底面積2.26cm2の円筒3内におよそ0.5gの粉
体試料7を入れ、上下電極1及び2に147N(15k
gf)の負荷をかけて加圧を行うと同時に、電源6から
100Vの電圧を印加し、電圧計5と、電流計4とから
抵抗値を計測、その後試料の厚さdを測定し、試料の断
面積とから体積を算出し、上記の抵抗を正規化して抵抗
率を算出する。
【0084】また、導電性微粒子の体積平均粒径は0.
1〜10μmであることが好ましい。導電性微粒子の体
積平均粒径が小さいと、現像性の低下を防ぐために導電
性微粒子の現像剤全体に対する含有量を小さく設定しな
ければならない。導電性微粒子の体積平均粒径が0.1
μm未満では、導電性微粒子の有効量を確保できず、帯
電不良を生じ易くなる。好ましくは0.8μm以上、さ
らに好ましくは1μm以上がよい。なお、導電性微粒子
が凝集体として構成されている場合の粒径は、その凝集
体の粒径を体積平均粒径とする。
【0085】また、導電性微粒子の体積平均粒径が10
μmよりも大きいと、帯電部材から脱落した導電性微粒
子は静電潜像を書き込む露光光を遮光或いは拡散し、静
電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させることがある。
さらに、単位重量当たりの粒子数が減少し帯電性等の不
具合が生じる場合がある。このような観点から、導電性
微粒子の体積平均粒径は好ましくは5μm以下がよい。
【0086】導電性微粒子の粒度及び粒度分布の調整方
法としては、一次粒子の粒度分布自体の製造条件を設定
する他、一次粒子の小さな粒子を凝集させたり、大きな
粒子を粉砕する方法、或いは分級等や公知の方法で調整
することができる。又、これらの方法を組み合わせて粒
度及び粒度分布を調整することも可能である。導電性微
粒子は、帯電部材と感光体との当接部或いはその近傍の
帯電領域に介在し、帯電補助・促進、さらに反転トナー
の正規化の機能が実現できれば、凝集の有無や形態は問
わない。
【0087】また、導電性微粒子は、転写材上に転写さ
れる導電性微粒子がカブリとして目立たない、或いは潜
像工程における露光への影響防止の観点から透明、白色
或いは淡色であることが好ましい。
【0088】本発明における導電性微粒子としては、
銀、アルミニウム、ニッケル等の金属微粉末、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム等の金属酸
化物等の無機酸化物、硫化モリブデン、硫化カドミウム
等の金属化合物やこれらの複合酸化物などが使用でき
る。中でも無機酸化物微粒子が特に好ましい。また、導
電性微粒子の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモ
ン、アルミニウム等の元素をドープした金属酸化物、導
電性材料を表面に有する微粒子等も使用できる。
【0089】さらに、抵抗調整や現像剤に対する帯電極
性を制御する等の目的で、表面を処理してもよい。具体
的には、導電性微粒子又は無機微粒子等の非導電性微粒
子の表面を蒸着膜、樹脂膜、導電性樹脂膜、導電剤を分
散した樹脂膜、カップリング剤等でコートしたもの等が
挙げられる。この表面処理は必ずしも上記粒子を完全に
被覆する必要はなく、本発明の効果が得られる範囲で粒
子表面が露出していてもよい。つまり表面処理領域が不
連続に形成されていてもよい。
【0090】〔構成(2)の帯電部材〕上記構成(2)
の帯電部材は、磁気ブラシ帯電部材である。この帯電部
材の支持部材は、磁石等の磁性体を内包し外周面が駆動
可能なスリーブ状の形態や、ローラ状の多極磁性体、磁
性体が表面に付加されたベルト状など、磁性粒子を表面
に支持し、感光体表面と当接部を維持しながら駆動可能
な構成であればよい。以下、支持部材がスリーブ状の構
成(以下、単に「スリーブ」ともいう)について記載す
るが、構成(2)の帯電部材は、本記載の構成に限定さ
れるものではない。
【0091】スリーブは、磁性粒子を表面に保持した状
態で感光体と相対速度差を持って駆動される。スリーブ
は導電性で、透磁性で、ある程度の強度を有しているこ
とが好ましく、一般の磁性トナー現像器に使用されてい
るスリーブが使用可能であり、材質としてはアルミニウ
ム等が好ましく使用できる。
【0092】スリーブは、磁性粒子を搬送するために適
度な表面粗さを有していることが好ましい。また、磁性
粒子を保持するために磁束密度は大きい方がよい。その
磁力線密度は、その使用するプロセススピード、印加電
圧と非帯電部との電位差による電界、感光体の誘電率や
表面性等、多くの要因により異なり、それらの条件に応
じて適宜選択されるものであるが、スリーブの表面から
1mmの距離において測定される磁極位置における磁力
線密度で5×10-2T(500ガウス)以上が好まし
い。より好ましくは9×10-2T(900G)以上であ
る。なお上記磁力線密度は、例えばベル社のガウスメー
ターモデル640を用いて測定することができる。
【0093】また、感光体表面とスリーブの最近接間隙
は、磁性粒子層(磁気ブラシ)の厚さ(コート厚)によ
り異なる。感光体の回転方向における磁性粒子層の当接
幅を安定に制御する為に、また磁性粒子を拘束する一方
で流動性を確保する為に、適宜な範囲で使用されること
が好ましい。コート厚の調整の方法としては、コート厚
調整用の規制手段を使用できる。スリーブと例えばブレ
ードとの間隔を調整する方法などがある。
【0094】〔磁性粒子〕前露光を有する電子写真装
置、特にアモルファスシリコン系感光体を使用した電子
写真装置においては、帯電部材から感光体に電圧印加中
の電流が、多い場合には数10μA/cm2(全電流で
数100μA)という電流が流れる。その際、磁性粒子
と感光体の接触機会を多く取ることにより、微視的な電
荷の移動がスムーズになり、帯電のむらや磁性粒子等が
電荷を持ったまま移動することが防がれる。
【0095】このように、磁性粒子は帯電均一性の観点
から小さい方が好ましいが、小さすぎると磁気的な拘束
力が低下し、感光体への付着が生じやすく、また磁気ブ
ラシとした時の磁性粒子の搬送性に劣る。したがって磁
性粒子の体積平均粒径は10〜50μmが、さらには1
5〜30μmが好ましい。なお、該磁性粒子の粒径は、
製法や分級等の粒径分離法等により制御される。
【0096】また、磁性粒子は、体積抵抗、いわゆる抵
抗率が1×103Ωcm以上1×109Ωcm以下である
ことが好ましい。1×103Ωcmより低いとピンホー
ルリークを起こす傾向にあり、1×109Ωcmを越え
ると感光体の帯電が不十分となる。磁性粒子漏れという
意味では、磁性粒子の抵抗率は1×106Ωcm以下が
さらに好ましい。なお磁性粒子の抵抗率は導電性微粒子
と同様に測定することができる。
【0097】さらに、磁性粒子の飽和磁化は、15乃至
70Am2/kgであることが好ましい。飽和磁化が7
0Am2/kgを超える場合には磁気拘束力が大きくな
り、磁気ブラシの穂が硬くなり、流動性、さらに感光体
との接触性が低下し、帯電不良が生じたり、穂が硬いた
めに感光体を摩耗する傾向がある。飽和磁化が15Am
2/kg未満の場合には磁気拘束力が小さくなり、磁性
粒子が離脱し、磁性粒子の減少による帯電劣化や、現
像、転写、定着の各工程に悪影響が生じる場合がある。
なお、飽和磁化は、振動磁力計VSM−3S−15(東
英工業製)により、1Kエルステッド下における磁化量
として求められる。
【0098】本発明における磁性粒子には、公知・周知
の導電性及び磁性を有する微粒子が使用できる。また、
磁性粒子は、前述した導電性微粒子同様に表面を処理し
てもよい。
【0099】本発明に用いられる帯電部材は、感光体に
接触して設けられる。本発明に用いられる帯電部材の当
接幅制御の方法としては、コロ(不図示)やスペーサー
等、適宜な方法で設定、制御することが好ましい。具体
的には、帯電部材に対して、直径が規定量小さいコロ等
の規定部材を帯電部材の側面に配し、規定部材を感光体
表面に当接させる方法がある。また、帯電部材を感光体
表面に当接する際の押当て圧を規定する方法、帯電部材
の所定位置から感光体表面への距離を制御する方法等が
ある。
【0100】また、本発明に用いられる帯電部材は、構
成(1)の帯電部材であれば前述した導電性微粒子を、
構成(2)の帯電部材であれば前述した磁性粒子を、そ
れぞれ感光体との接触部位に介在させ、感光体に対して
相対速度差を有して駆動する。これにより、帯電部材と
感光体の当接部において導電性微粒子(又は磁性粒子)
が感光体と接触する機会を格段に増加させ、より高い接
触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させるこ
とができる。
【0101】感光体上の転写残トナーを帯電部材に一時
的に回収し、均すために、帯電部材と感光体とは互いに
逆、すなわちカウンター方向に移動させることが好まし
い。逆方向回転駆動により、感光体上の転写残トナーを
一旦引き離し帯電を行うことにより、直接注入帯電がよ
り一層優位に為される。帯電部材を感光体表面の移動方
向と同じ、いわゆる順方向に移動させて速度差をもたせ
てもよいが、直接注入帯電の帯電性は、感光体の周速と
帯電部材の周速差に依存するため、順方向では帯電部材
の回転数が大きくなるので、その点でカウンター方向の
方が有利である。
【0102】一方、転写残トナーは、帯電部材表面に付
着し、帯電部材とつれまわる物もある。その場合、転写
残トナーのうち少なくとも一部は、帯電部材との摺擦が
不十分になってしまう場合がある。したがって、確実に
摺擦を付与するという観点では、帯電部材を感光体との
当接部で同方向、すなわち順方向に駆動させることも好
ましい。この際感光体との相対速度差を有していること
が好ましい。
【0103】なお、ここで記述した相対速度差(周速差
とも称する)比は、下記式で表される。
【数13】相対速度差比(%)=(感光体周速−帯電部
材周速)/感光体周速×100
【0104】したがって、帯電部材と感光体とが従動の
ときには相対速度差比は0%であり、帯電部材が停止し
ている状態では相対速度差比は100%であり、帯電部
材が感光体に対しカウンターで駆動している場合は10
0%を越す値となる。帯電性確保の観点から、相対速度
差比は130%以上、より好ましくは150%以上、最
適には200%以上がよい。
【0105】前述したような帯電部材を用いて本発明で
は感光体を帯電させるが、帯電部材は感光体に対して複
数用いてもよく、このような場合では、複数用いられる
うちの少なくとも一つの帯電部材を感光体に対して順方
向駆動させることが好ましい。このような帯電によれ
ば、カウンター駆動及び順方向駆動の両方の利点が実現
され、かつ一体の帯電部材のみを用いる場合に比べて、
相対速度差比の上限を上げずに、帯電部材による感光体
の摺擦をより多くすることが可能である。なお複数の帯
電部材を用いる場合では、同じ種類の帯電部材のみを用
いてもよいし、異なる種類の帯電部材(例えば構成
(1)と構成(2)の帯電部材等)を併用してもよい。
【0106】また帯電部材には、直流電圧、交流電圧、
及び直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧、のいず
れの電圧を印加することができ、交流電圧が重畳された
電圧であると、それぞれの電圧印加の利点が得られるの
で好ましい。また、帯電部材からの、正規化された転写
残トナーの吐き出しを促進、又は制御できるので好まし
い。
【0107】また、本発明では、帯電部材と感光体との
接触部位に介在する導電性の粒子(導電性微粒子や磁性
粒子)を帯電部材表面に適量塗布するために、前述した
ように開口部に帯電部材を回動自在に支持し導電性の粒
子を収容する微粒子容器と、この微粒子容器内に配置さ
れ、帯電部材上の粒子の付着量を制御するコート量制御
手段とを有する微粒子塗布機構を用いてもよい。
【0108】〔感光体〕感光体もまた、電子写真装置の
メンテナンス間隔、すなわち耐久性を向上させるべく、
耐磨耗性の高い表面性を有していることが好ましい。本
発明では、炭素原子及びケイ素原子を少なくとも含有す
る非晶質の表面層を有する感光体が用いられる。本発明
に用いられる感光体としては、周知の、導電性基体と、
シリコン原子を母体とする非単結晶材料から成る光導電
層を有する感光層と、上記表面層とを有するa−Si系
感光体を用いることができ、必要に応じて特性を向上さ
せた物が用いられる。なお、本発明では感光体の表面動
が上記のごとき組成を有していればよいことから、光導
電層が上記の組成を有する場合は特に表面層を形成する
必要はない。
【0109】図7〜図12は、本発明にかかる感光体の
層構成を示す模式的構成図である。図7〜図12に示す
感光体600は、感光体用としての基板である導電性基
体601の上に、感光層602が設けられている。感光
層602は、図7に示すように光導電層603のみを有
する単層構造でもよいが、図8に示すように光導電性を
有する光導電層603と、上記組成を有する表面層60
4とを有する積層構造、或いは図9に示すように、下部
電荷注入阻止層605、光導電層603、上部電荷注入
阻止層605’及び表面層604を有する積層構造、或
いは図10に示すように、電荷輸送層608、電荷発生
層607、上部電荷注入阻止層605’、及び表面層6
04を有する積層構造、或いは図11や図12に示すよ
うに、下部電荷注入阻止層605、電荷輸送層608、
電荷発生層607、上部電荷注入阻止層605’、及び
表面層604を有する積層構造であってもよい。
【0110】以下、本発明に好適に用いられる感光体の
一形態として、長寿命であるアモルファスシリコン系感
光体(a−Si感光体)について以下に述べる。
【0111】〔導電性基体〕導電性基体としては、種々
の金属、及びこれらの合金、例えばステンレス等の導電
性基体でも、合成樹脂やセラミック等の電気絶縁性基体
の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した
物であってもよい。また、導電性基体の形状は、円筒状
又は板状無端ベルト状であることができ、その厚さは製
造上及び取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10
μm以上が好ましい。
【0112】また、レーザー光などの可干渉性光による
干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するため
など、必要に応じて、公知の方法で光生成キャリアの減
少が実質的にない範囲で、導電性基体の表面に凹凸、或
いは微小なキズ等を設けてもよい。
【0113】又、感光層602内、或いは感光層602
の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域を設けても
よい。
【0114】〔光導電層〕本発明において、その目的を
効果的に達成するために導電性基体上に、必要に応じて
下引き層(不図示)上に形成され、感光層の一部を構成
する光導電層は、例えばグロー放電法、特にRF帯、μ
W帯又はVHF帯の高周波グロー放電法、スパッタリン
グ法、光や熱CVD法等の、周知の薄膜堆積法によって
形成することができる。
【0115】グロー放電法によって光導電層を形成する
には、基本的には周知のごとくシリコン原子(Si)供
給用の原料ガスと、水素原子(H)供給用の原料ガス、
ハロゲン原子(X)供給用の原料ガス等の、所望の原料
ガスを減圧可能な反応容器内に導入し、グロー放電を生
起させ、導電性基体上にa−Si:H,Xからなる層を
形成すればよい。なお、H又はXの各含有量、又は総含
有量は、SiとH及びXの和に対して10〜30原子
%、より好ましくは15〜25原子%とすることが望ま
しい。上記原子%は赤外分光光度計等によって測定する
ことができる。
【0116】上記原子の他にも、光導電層における導電
性を制御する種々の原子を用いてもよい。前記導電性を
制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる
不純物を挙げることができ、p型導電特性を与える原子
としては硼素(B)、アルミニウム(Al)等の第13
(IIIb)族原子を、又はn型導電特性を与える原子と
しては燐(P)、砒素(As)等の第15(Vb)族原
子を用いることができる。上記制御用原子の光導電層へ
の含有量は、1×10-2〜1×104原子ppm、より
好ましくは5×10-2〜5×103原子ppmである。
【0117】光導電層の層厚は、所望の電子写真特性が
得られること、及び経済的効果等の点から、適宜所望に
したがって決定され、好ましくは20〜50μm、より
好ましくは23〜45μmである。
【0118】〔表面層〕本発明に用いられる感光体の表
面層は、炭素原子及びケイ素原子を少なくとも含有する
非晶質の層であり、感光体表面にあって自由表面(図中
606)を有する。表面層中に含まれるにおけるケイ素
原子の含有量(Y[ppm])は、下式(1)で求められ
る。
【数14】 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1)
【0119】本発明において好適な上記Yの値は、帯電
電位差ΔVに応じて様々であるが、Yの値が1,000
以上であることが転写残トナーを十分に正規化する上で
好ましい。また本発明においてYの値が200,000
以下であることが感光体の優れた耐久性を維持する上で
好ましい。上記Yの値は後述するが、表面層の製造時に
おける原料ガスの供給バランスによって制御することが
できる。
【0120】表面層には、主に耐湿性、連続繰り返し使
用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性、さら
に、帯電部材、転写残トナーとの摺擦により転写残トナ
ーを正規極性化する機能、また注入帯電に対する種々の
適性が必要とされる。表面層としては、前述の如く炭素
原子を含有するa−Si系表面層や、ケイ素原子を含有
するa−C系表面層が好ましく使用できる。
【0121】表面層の抵抗率は、その電荷保持能、帯電
効率等の電気的特性を良好に有し、電圧により表面層が
損傷するいわゆるピンホールリークを防止する為に、1
×1010〜5×1015Ωcmであることが好ましい。よ
り好ましくは1×1012〜1×1014Ωcmである。抵
抗率の測定は HIOKI社製のMΩテスターで250
〜1kVの印加電圧における測定にて行われる。
【0122】炭素原子を含有するa−Si系表面層は、
例えば、H及び/又はX、及び炭素原子(C)を含有
し、さらに酸素原子(O)及び窒素原子(N)の一つ以
上を含有するアモルファスシリコン(a−SiCON:
H,X)等の、周知の優れた表面層がある。含有する炭
素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30%以
上90%以下の範囲が好ましい。また、H含有量を30
原子%以上70%以下に制御することで電気的特性面及
び高硬度を確保し、高速連続使用性の向上を図ることが
可能となる。さらに、必要に応じて導電性を制御する原
子を含有させてもよい。この導電性を制御する原子とし
ては、光導電層と同様に、「第13(IIIb)族原子」
又は「第15(Vb)族原子」を用いることができる。
【0123】また、表面層厚は、通常0.01〜3μ
m、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1.
5μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.0
1μmよりも薄いと、感光体を使用中に、摩耗等の理由
により表面層が失われやすく長寿命化が困難である。一
方、3μmを越えると、残留電位が増加する等、電子写
真特性の低下がみられることがある。
【0124】一方、ケイ素原子を含有するa−C系表面
層は、炭素原子に比べて微量のSiを含有するものであ
り、a−C表面層の高硬度、低摩擦特性や、耐損耗特性
といった長寿命特性を好適に維持しながら、本発明に掛
かる転写残トナーの正規極性化を良好に達成することが
できるものである。このようなa−CSi:H,X系表
面層は、a−Si系表面層と同等以上の高硬度であり、
撥水性に優れ、また、低摩擦であり、直接注入帯電にお
ける、帯電手段や、感光体の損耗を低減できる。
【0125】また、H含有量、又はHとXの総含有量が
35〜55%とすることで、高硬度でかつ注入性をより
向上させることが可能である。また、さらに例えばフッ
素原子等のハロゲン原子を含有させることは撥水性や摩
擦低下などに有効である。また、上記のa−Si系表面
層と同様に導電性制御用の不純物を含有してもよい。
【0126】また、表面層厚は、上記a−Si系表面層
と同等の層厚の範囲でもよいが、耐磨耗性がより優れて
おり、上記a−Si系表面層よりも薄い膜厚で同等以上
の十分な機能を有する。表面層厚としては、通常0.0
1〜2μm、好適には0.05〜0.8μm、最適には
0.1〜0.3μmである。
【0127】上記a−C系表面層は、具体的には、原料
ガスにSi原料ガスを適宜な量を追加すること以外は、
非添加のa−C表面層製造時と同様に作製される。この
ときのa−Si1-y:Cy:H,Xにおいて、含有する炭
素量yは、0.950≦y≦0.999、かつ動的押し
込み硬さが7.85×103〜1.28×104N/mm
2(800〜1300kgf/mm2)であるが好まし
い。
【0128】なお、表面層中における炭素原子含有量y
及びケイ素原始含有量1−yは、SIMSやESCA等
の分析手段で定量することができるものであり、後述す
る実施例においては最表面の組成分析ということもあ
り、ESCAにて分析した結果を使用する。また、動的
押し込み硬度測定には、島津製作所製ダイナミック硬度
計DUH−201が用いられる。
【0129】〔電荷注入阻止層〕本発明に用いられる感
光体には、導電性基体と光導電層との間に下部電荷注入
阻止層や、光導電層と表面層との間に上部電荷注入阻止
層を設けてもよい。
【0130】電荷注入阻止層は、感光層が一定極性の帯
電処理をその自由表面に受けた際、導電性基体側や表面
層側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機
能を有し、逆の極性では前記機能は発揮されない、いわ
ゆる極性依存性を有する層である。このような機能を付
与するために、電荷注入阻止層には導電性を制御する原
子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。電荷注入阻
止層に含有される導電性を制御する原子としては、光導
電層603と同様に「第13(IIIb)族原子」又は
「第15(Vb)族原子」を用いることができる。
【0131】電荷注入阻止層の層厚は、所望の電子写真
特性が得られること、及び経済的効果等の点から、好ま
しくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μ
m、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
【0132】このように本発明に用いられる感光体には
種々の機能を果たす層を形成することができる。これら
の層は、図示したように均一な組成の層を積層したもの
であってもよいし、また、膜厚方向で組成が変化する領
域を有してもよい。
【0133】〔感光体の製造装置及び製造方法〕本発明
に用いられる感光体は、例えば図13や図14に示され
るような周知の装置及び膜形成方法にて製造される。上
記感光体の各層を形成、特性を調整するためには導電性
基体温度、原料ガス圧、放電電力等の各種条件を制御す
ればよい。
【0134】図13はRF帯の高周波プラズマCVD法
(RF−PCVD)による製造装置を示す模式的な構成
図である。この装置は大別すると、堆積装置3100、
原料ガス供給装置3200、反応容器3111内を減圧
にするための排気装置(不図示)から構成されている。
【0135】反応容器3111内には導電性基体311
2、基体加熱用ヒータ3113、原料ガス導入管311
4が設置され、高周波マッチングボックス3115が接
続されている。
【0136】原料ガス供給装置3200は、各種原料ガ
スのボンベ3221〜3226とバルブ3231〜32
36、3241〜3246、3251〜3256、マス
フローコントローラ3211〜3216、及び圧力調整
器3261〜3266からなり、バルブ3160を介し
て原料ガス導入管3114に接続されている。
【0137】次に、VHF帯の高周波プラズマCVD
(VHF−PCVD)法による製造装置は、例えば図1
3の堆積装置3100を図14の堆積装置4100に交
換して、原料ガス供給装置3200、排気装置と接続す
ることにより得ることができる。
【0138】反応容器4111内には導電性基体411
2、基体加熱用ヒータ4113、電極及び原料ガス導入
管4114が設置され、高周波マッチングボックス41
16が接続されている。また、反応容器4111内は排
気管4121を通じて不図示の拡散ポンプに接続されて
いる。なお、図14の装置では電極4114は原料ガス
導入管を兼ねた構成になっている。
【0139】上記装置を用いた感光体の製造を簡単に説
明すると、減圧した反応容器内に所望の原料ガスを所望
の割合で導入し、反応容器内にグロー放電を生成し、導
電性基体上に非晶質の膜を形成する。積層構造の感光体
を作製する場合では、反応容器内に導入した原料ガスを
排出し、再び上記の工程を繰り返す。
【0140】〔静電潜像の形成〕本発明では、帯電した
感光体に静電潜像が形成される。静電潜像の形成では、
例えば半導体レーザー照射装置やLED等、形成すべき
画像の情報を有する光を上記感光体に照射して静電潜像
を形成する公知の静電潜像形成手段を用いることができ
る。本発明では、感光体及び現像剤の帯電極性が同じで
あることから、潜像電荷と同極性の現像剤を付着させる
べく、現像部位に露光を照射するIAE(Image
Area Explosure)方式で静電潜像を形成
することが好ましい。
【0141】〔現像〕本発明では、静電潜像が形成され
た感光体に現像剤を供給して静電潜像を現像する。また
本発明では、転写残トナーを次の現像工程時に感光体か
ら現像剤担持体に回収する。したがって本発明では、現
像手段として現像兼クリーニング手段が用いられる。
【0142】本発明では、現像手段としては、現像剤を
収容する現像容器、現像容器の開口部に回転自在に設け
られる現像剤担持体、現像剤担持体上に現像剤を担持す
るための磁界を形成する磁石ロール等の磁気力発生手
段、現像剤担持体上の現像剤の層厚を規制する層厚規制
部材等を有するものが用いられ、使用する現像剤の種類
や現像剤担持体と感光体との位置関係に応じた現像方式
を実現する現像手段を用いればよく、現像兼クリーニン
グ手段として知られている、公知の適当な現像手段を用
いることができる。
【0143】前述の如く、現像兼クリーニングにおいて
は、機械的に転写残トナーを回収する効果も得られるこ
とから、接触現像方式が有効である。一方、長寿命及び
メンテナンスフリーという観点では非接触現像方式が好
ましい。中でも、一成分非接触現像剤、特に非磁性一成
分非接触現像のジャンピング現像方式が、これらの点か
ら優れた特性を有し、a−Si感光体の高速高耐久の電
子写真に実用化されている。したがって本発明では、上
記のような現像方式に応じた構成を有する現像手段を用
いればよい。
【0144】図5は、現像剤担持体である現像スリー
ブ、及び対向する感光体の概略図である。図5では、上
述のジャンピング現像方式の概略を示している。現像ス
リーブ41は、感光体42に対し適宜な相対速度で駆動
され、現像スリーブ41と感光体42間は適宜な当接状
態、乃至は間隔に維持される。この間隔は、使用する電
子写真におけるプロセススピード、使用する感光体、電
圧条件等にも寄るが、非接触の現像方式の場合には、リ
ークの防止や画質安定化の観点から100〜1000μ
mの範囲が好ましい。
【0145】現像スリーブ41には不図示の高圧印加手
段により、周波数、ピーク間電圧、デューティー比を制
御されたAC電圧と、適宜なDC電圧が重畳されて印加
される。現像スリーブ41上に付着している現像剤は、
感光体42との対向部において対向部の間隔で矢印eの
ように飛翔(ジャンピング)を繰り返し、静電潜像に応
じて、感光体42上にトナー像として現像、顕像化され
る。また同様に、帯電部材によって正規化された転写残
トナーは、感光体42から現像スリーブ41に飛翔し、
現像スリーブ41から現像手段に回収される。
【0146】また、接触現像方式においては、現像スリ
ーブ41自体は感光体42に接触せず、現像スリーブ4
1上のキャリアやトナー等からなる現像剤で形成される
「穂」が感光体42に接触する方式、或いは弾性材等か
らなる、いわゆる弾性スリーブが感光体に当接した状態
で駆動される不図示の方式が含まれる。上記「穂」を形
成又は付着している現像剤は、感光体42との対向部に
おいて感光体42表面を摺擦し、静電潜像に応じて感光
体42に移り、トナー像を形成する。また同様に、帯電
部材によって正規化された転写残トナーは、感光体42
から現像スリーブ41上の「穂」に付着し、現像手段に
回収される。
【0147】なお、現像特性を良好に保つ観点から、現
像剤担持体上における現像剤のコート量は0.6〜1.
3mg/cm2が好ましい範囲である。
【0148】〔転写等〕本発明では、感光体上に形成さ
れた現像剤像を転写材に転写する。この転写は、上記ト
ナー像を転写材に転写できれば特に限定されず、公知の
転写材及び転写手段を用いることができる。また、転写
された画像は公知の定着手段によって転写材に転写さ
れ、定着画像として画像形成装置から排出される。本発
明は、転写工程から帯電工程の間にクリーニング工程を
含まず、また本発明の効果を損なわない範囲で、従来よ
り知られている種々の手段等を用いることができる。
【0149】〔現像剤〕本発明で用いられる現像剤は、
凝集度が35%〜70%であり、結着樹脂及び着色剤を
少なくとも含有するトナー粒子を有し、感光体帯電極性
と同極性を示す反転現像用の現像剤である。本発明で用
いられる現像剤は、上記の条件を満足するものであれば
よく、周知の現像剤としての現像特性、転写特性を満足
するものであることが好ましい。このような観点も含め
て、本発明では現像剤の好ましい特性を幾つか挙げるこ
とができる。なお、現像剤は、外添剤を含む、分級され
たトナー粒子と、キャリアとからなる二成分現像剤であ
っても、左記のキャリアを有さない、一成分現像剤であ
ってもよいし、磁性現像剤であっても非磁性現像剤であ
ってもよい。
【0150】現像剤には、磁性、非磁性を問わず自己凝
集性がある。自己凝集性は、磁気力に関係なく、隣接す
る現像剤同士が凝集する特性であり、自己凝集性も、基
本的には小さい方が好ましいが、現像特性や定着特性等
により下限がある。
【0151】凝集度が大きいと、上述の如く現像装置に
おける流動性・搬送性に影響がでる他、特に帯電部材や
感光体との接触部位において現像剤が摺擦を均一に受け
ることができず、現像剤の正規化が不均一であったり、
不十分であったり、或いは正規化されない現像剤が発生
する場合がある。正規化が不十分の場合には、帯電部材
に取り込まれ、正規化するまで複数回の摺擦を受け、劣
化しやすい。また、帯電部材から吐き出されたとして
も、次期の現像工程で回収されず、カブリとなる傾向に
ある。
【0152】一方、凝集度が低すぎると、現像剤の帯電
性、いわゆるトリボが低くなったり、規制部材による現
像剤担持体上の現像剤量の規制が不安定になったり、特
に高速機において、現像剤担持体からの現像剤の飛散が
生じたりする場合がある。したがって、転写残トナーの
正規化を十分にしつつ、優れた現像特性や定着特性等を
実現する上で、現像剤の凝集度は35%以上70%以
下、より好ましくは35%以上60%以下である。
【0153】なお、本発明において、凝集性・流動性の
評価は、ホソカワミクロン社製 パウダーステーターの
振動篩機を用いて、振動台に400mesh、200m
esh、100meshの順で篩を重ねてセットする。
この、重ねた篩の上に現像剤2gを静かに載せ、次に1
0秒間振動を加える。その後、各篩上に残った現像剤の
重量を測定し、下式(4)により、凝集度を求める。
【0154】
【数15】
【0155】本発明では、前述したように、長寿命及び
メンテナンスフリーという観点では非接触現像方式が好
ましく、中でも、一成分非接触現像剤、特に非磁性一成
分非接触現像のジャンピング現像方式が好ましい。この
ような観点から、本発明に用いられる現像剤としては、
現像剤の着色剤が磁性粉体であること、すなわち磁性現
像剤であることが好ましい。
【0156】また上述の如く、現像剤の凝集極性、及び
流動性は、帯電部材と感光体との当接部において、摺擦
をより均等に、かつ効率的に受ける為に重要な特性であ
る。現像剤、特に磁性現像剤では、現像装置内に磁気力
発生手段を設けることで、磁性現像剤の漏れの防止や、
現像剤の搬送性或いは攪拌性を維持したり、現像剤担持
体上に磁力が作用するように磁気力発生手段を設けるこ
とにより、転写残トナーの回収性を高め、また磁性現像
剤が穂立ちを形成することにより、現像剤の飛散を防止
することが容易となる。
【0157】このような磁性現像剤においては、磁気力
による凝集、いわゆる磁気凝集がある。磁気凝集を適正
な範囲に抑制し、現像性を確保する為に、磁場79.6
kA/mにおける磁化の強さ(飽和磁化)が10〜50
Am2/kgであることが好ましい。50Am2/kgよ
りも大きいと、現像剤に磁力を作用させたときに磁気凝
集が過剰になり、現像剤の流動性が著しく低下し、現像
性が低下し現像剤がダメージを受けやすくなり、トナー
劣化が著しくなることがある。また、現像剤の磁気凝集
により、特に、高温高湿下での耐久性が劣るものとなり
やすい。さらに、転写性の低下に伴う転写残トナーが増
加しやすく好ましくない。
【0158】一方、10Am2/kgよりも小さいと、
上記の磁気力発生手段による効果が十分に得られず、現
像剤担持体上に磁力を作用させると現像剤の穂立ちが不
安定となり、現像剤への帯電付与が均一に行えないこと
によるカブリ、画像濃度ムラ、転写残トナーの回収不良
等の画像不良を生じる易くなる。なお上記現像剤の飽和
磁化は、磁性粉体の種類や添加量によって調整すること
ができ、例えば振動型磁力計VSM P−1−10(東
英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場7
9.6kA/mで測定することができる。
【0159】さらに、本発明に用いられる現像剤は、ト
ナー粒子の形状を制御することによって凝集性を低減
し、流動性を向上させることができる。このような観点
から、本発明では、現像剤の平均円形度が0.950以
上0.995以下であることが好ましい。また現像剤の
モード円形度が0.99以上であることが好ましい。こ
のように現像剤の円形度を高く、球形に近い形状にする
ことで、凝集性を低減し、流動性を向上させることがで
きる。また円形度を高くすることにより、転写効率の向
上や、均一帯電性向上といった効果をも得ることができ
る。
【0160】平均円形度は、現像剤の凹凸の度合いを表
す指標であり、測定された各粒子の円形度(Ci)の総
和を全測定粒子数(m)で除した値であり、現像剤の形
状が完全な球形の場合1.000を示し、現像剤の表面
形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0161】
【数16】
【数17】
【0162】またモード円形度は、円形度を0.40か
ら1.00までを0.01毎に61分割し、測定した粒
子の円形度をそれぞれの円形度に応じて各分割範囲に割
り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となるピ
ークの円形度である。
【0163】平均円形度及びモード円形度は、例えば東
亞医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−10
00」を用いて測定することができる。具体的な測定方
法としては、界面活性剤を約0.1mg溶解している水
10mlに現像剤約5mgを分散させて分散液を調整
し、超音波(20KHz、50W)を分散液に5分間照
射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前
記装置により測定を行い、現像剤の平均円形度及びモー
ド円形度を求める。
【0164】平均円形度やモード円形度は、例えば現像
剤の製造において懸濁重合法等の重合法を採用したり、
あるいは機械的衝撃によって現像剤を球形化処理するこ
とで制御することができる。機械的衝撃法を用いる場合
においては、処理温度を現像剤のガラス転移点Tg付近
の温度(Tg±10℃)を加えることが、凝集防止、生
産性の観点から好ましい。さらに好ましくは、現像剤の
ガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度で行うことが、転
写効率を向上させるのに特に有効である。
【0165】また、本発明では、現像方式において、現
像特性を良好に保つ観点から、現像剤の摩擦帯電量(ト
リボ)が−15〜−3μC/gであることが好ましい。
摩擦帯電量は、トナー粒子に使用する材料の種類、例え
ば結着樹脂の種類や荷電制御剤の使用などによって制御
することができ、また現像手段での摩擦帯電を制御する
ことによっても制御することができる。
【0166】現像剤は、通常、現像手段の現像スリーブ
上で所定の帯電極性及び帯電量に制御され、感光帯表面
に現像される。現像剤は転写工程において、現像剤と逆
極性の電界により転写される。そのため転写残現像剤は
一般に正規の極性のものと逆極性のものが混在した状態
であることが多い。
【0167】このような状態を踏まえて、現像剤の帯電
極性及び帯電量は、感光体表面、現像スリーブ上など
の、測定したい現像剤を有する部材の、さらに測定した
い部位から現像剤を回収し、電荷測定と重量測定、及び
粒径別に個数測定を行い、これらの測定結果から算出さ
れる。例えば、帯電量の個数分布を測定し、分布の最頻
値を持って平均帯電量とする他、測定する現像剤を風力
等で捕集し、総電荷量及び、重量を測定して平均帯電量
を算出する方法などが挙げられる。
【0168】本発明において、現像に係る現像剤につい
ては、現像スリーブ上、或いは現像工程から転写工程の
間の感光体上の現像剤を測定することが好ましい。ま
た、帯電工程後の現像剤については、帯電工程から現像
工程の間の感光体上の現像剤を測定することが好まし
い。
【0169】具体的には、測定したい部位の現像剤を風
力等により捕集し、ホソカワミクロン(株)製のイース
パートアナライザーEST−IIを用いて測定する。ここ
でq/d(電荷/粒径)の個数分布が得られ、現像剤の
比重とからq/m(電荷/重量)の個数分布に換算でき
る。分布の個数分布から平均値を算出し、平均値をもっ
て、帯電量の代表値とする。
【0170】また本発明では、高dpiの高画質に対応
する等のために、現像剤の重量平均粒径が3〜10μm
であることが好ましい。重量平均粒径が3μm未満の現
像剤においては、転写効率の低下から感光体上の転写残
トナーが多くなり、帯電工程での感光体の削れや、トナ
ー融着の抑制が難しくなる。さらに、現像剤全体の表面
積が増えることに加え、粉体としての流動性及び攪拌性
が低下し、個々のトナー粒子を均一に帯電させることが
困難となることからカブリや転写性が悪化傾向となり、
削れや融着以外にも画像の不均一ムラの原因となりやす
いため、好ましくない。
【0171】また、重量平均粒径が10μmを越える場
合には、文字やライン画像に飛び散りが生じやすく、高
解像度が得られにくい。さらに装置が高解像度になって
いくと10μm以上の現像剤は1ドットの再現が悪化す
る傾向にある。現像剤の重量平均粒径は、その製造法や
分級によって制御することができる。
【0172】現像剤の重量平均粒径は、例えばコールタ
ーカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)等種々の装置によって測定す
ることができる。本発明においてはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布
を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナ
ルコンピューターを接続した装置で測定することが好ま
しい。この測定に際しては電解液を用いるが、この電解
液としては、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl
水溶液を調整したものや、例えば、ISOTON R−
II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)
が使用できる。
【0173】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5mlを加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前
記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして
100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー
粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算
出する。それから、体積分布から求めた体積基準の重量
平均粒径を求める。
【0174】本発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を
少なくとも含有するトナー粒子を有する。結着樹脂には
公知のものを用いることができるが、その中でも、スチ
レン、アクリル酸及びそのエステル、及びポリエステル
のうち、少なくとも一種以上を主原料とする樹脂である
ことが、現像特性や転写特性、及び耐久性等に優れた現
像剤を得る上で好ましい。なおスチレンやアクリル酸及
びそのエステルは、樹脂の単量体として含まれるもので
あって、樹脂の製造に係る重合に用いられるものであ
る。このような結着樹脂としては、スチレンやアクリル
酸及びそのエステルを重合性単量体として重合された樹
脂、ポリエステルが混合された樹脂、及びこれらの両方
を含む樹脂等が挙げられる。
【0175】着色剤としては、公知の着色剤を用いるこ
とができる。着色剤は現像剤の種類に応じて適宜選択す
ることが好ましく、例えば非磁性現像剤であれば、公知
の色素や顔料、カーボンブラック等の非磁性の着色剤、
磁性現像剤であれば磁性酸化鉄等の公知の磁性粉体が用
いられる。
【0176】トナー粒子には、上記の材料の他にも種々
の添加剤を添加してもよい。このような添加剤として
は、現像剤の帯電性を制御する荷電制御剤等が挙げられ
る。
【0177】またトナー粒子には、離型剤を添加しても
よい。この離型剤は定着性などに寄与することが知られ
ているが、本発明では現像剤の凝集性制御の目的で用い
ることができる。
【0178】トナー粒子は、結着樹脂に対し1〜30質
量%の離型剤を含有することが好ましい。より好ましく
は3〜25質量%である。離型剤の含有量が1質量%未
満では離型剤の添加効果が十分ではなく、さらに、オフ
セット抑制効果も不十分である。一方、30質量%を超
えてしまうと長期間の保存性が悪化すると共に、離型
剤、磁性体等のトナー粒子材料の分散性が悪くなり、現
像剤の流動性の悪化や画像特性の低下につながる。ま
た、離型剤成分のしみ出しも起こるようになり、高温高
湿下での耐久性が劣るものとなる。さらに、多量の離型
剤としてのワックスを内包するために、トナー粒子の形
状がいびつになりやすくなる。
【0179】内でも、示差熱分析による吸熱ピークが4
0〜110℃のもの、すなわち、示差走査熱量計により
測定されるDSC曲線において昇温時に40〜110℃
の領域に最大吸熱ピークを有するものが好ましく、より
好ましくは45〜90℃である。上記温度領域に最大吸
熱ピークを有することにより、凝集性の低減、さらに離
型性の向上をより一層効果的に発現する。
【0180】最大吸熱ピークが40℃未満であると離型
剤成分の自己凝集力が弱くなりすぎ、定着において耐高
温オフセット性が悪化することがある。また、離型剤の
しみだしが生じ易くなり、現像剤の帯電量が低下すると
共に、高温高湿下での耐久性が低下しやすい。一方、最
大吸熱ピークが110℃を越えると定着温度が高くなり
低温オフセットが発生しやすくなり好ましくない。さら
に、水系媒体中で造粒/重合を行う重合方法により直接
トナー粒子を得る場合、最大吸熱ピーク温度が高いと、
主に造粒中に離型剤成分が析出する等の問題を生じ、離
型剤の分散性が悪化し好ましくない。
【0181】本発明の現像剤は、公知の方法によって製
造することができる。このような方法としては、例えば
懸濁重合法等の重合法や粉砕法が挙げられる。
【0182】また本発明の現像剤は、トナー粒子の他に
通常用いられる外添剤を有していてもよい。このような
外添剤は、主に現像剤の流動性の向上を目的として添加
され、本発明では、このような外添剤の添加によって現
像剤の凝集性を制御することも可能である。
【0183】例えば、流動化剤として個数平均一次粒径
4〜80nmの無機微粉体が添加されることも好ましい
形態である。無機微粉体は、現像剤の流動性改良及びト
ナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉
体を疎水化処理するなどの処理によって現像剤の帯電量
の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好
ましい形態である。
【0184】無機微粉体の個数平均一次粒径が80nm
よりも大きい場合、或いは80nm以下の無機微粉体が
添加されていない場合には、転写残トナーが帯電部材へ
付着した際に帯電部材に固着し易くなり、安定して良好
な帯電特性を得ることが困難にある。また、良好な現像
剤の流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均
一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー
飛散等の問題を避けられない。
【0185】無機微粉体の個数平均一次粒径が4nmよ
りも小さい場合には、無機微粉体の凝集性が強まり、一
次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集
性を持つ、粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、凝
集体の現像、感光体或いは現像剤担持体等を傷つけるな
どによる画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子の帯電分
布をより均一とするためには無機微粉体の個数平均一次
粒径は5〜60nmであることがよりよい。さらに好ま
しい値は6〜50nmである。
【0186】本発明で用いられる無機微粉体としては、
現像剤に良好な流動性を付与させる為にシリカ、アルミ
ナ、酸化チタンが好ましく、その中でも特にシリカであ
ることが好ましい。さらに、窒素吸着によるBET法で
測定したシリカの比表面積が20〜350m2/gのも
のが好ましく、より好ましくは25〜300m2/gで
ある。
【0187】上記、シリカ等の無機微粉体の外部添加
(外添)に際して、凝集度・流動性の制御の為に、外添
時の温度、外添強度、外添時間等を調整することが好ま
しい。一例としてヘンシェルミキサーを用いた場合、外
添時の槽内温度は50℃以下であることが好ましい。こ
れ以上の温度であると、熱により外添剤の埋め込みが急
激に起こると共に粗粒が発生しやすく、好ましくない。
また、ヘンシェルミキサーの羽根の周速としては10〜
80m/secであることが好ましい。さらに好ましく
は60m/sec以下、もっとも好ましい範囲は40m
/sec以下である。
【0188】また、本発明の現像剤は、前記外添剤とし
て導電性微粒子を有するものであってもよい。外添剤と
しての導電性微粒子としては、前述したように金属酸化
物の粒子が好ましい粒子として挙げられる。導電性微粒
子を現像剤が有することにより、現像に伴って帯電部材
と感光体との接触部位に導電性微粒子が供給されること
から、導電性微粒子の安定供給及び装置の小型化等の観
点から好ましい。
【0189】また本発明において二成分現像剤を用いる
場合では、例えば磁性粉体、樹脂コートされた磁性粉
体、樹脂中に磁性粉体が分散された粒子等、通常使用さ
れるキャリアを用いることができる。
【0190】上記のような、感光体、現像剤、直接注入
帯電手段、さらに評価方法において適宜な範囲の構成か
らなる画像形成方法を用いることで、転写残トナーの画
像パターンを均し、一旦帯電工程において回収し、摺擦
することによる転写残トナーの正規極性化が均一に、か
つ有効になされ、現像兼回収が効率良くなされる。
【0191】このような作用は、特に現像剤が感光体表
面ないし感光体表面の転写残トナーを機械的に摺擦する
機構を有さない、非接触の現像方式及び現像剤におい
て、より有効に作用する。
【0192】また、本発明によれば、プロセススピード
や感光体の帯電設定の変更等、画像形成装置の設定変更
に対し、画像安定性、耐久性、及びその他の特定につい
ても広範囲に対応できる。
【0193】
【実施例】以下、実験例により本発明の効果を具体的に
説明する。なお、本発明はこれらの実験例に限定される
ものではない。
【0194】<実験例1>本実験例では、現像剤の凝集
度の制御について検討を行った。本実験例で用いた現像
剤は下記のように作製した。
【0195】(表面処理磁性体の製造例1)硫酸第一鉄
水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛
性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調
製した。さらに、水溶液をpH9前後に維持しながら空
気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を
生成させるスラリー液を調製した。
【0196】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8前後に維持して、空気を吹き込みながら酸
化反応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子
を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプ
ルを少量採取し、含水量を計っておいた。
【0197】次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の
水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に
調製し、十分攪拌しながらシランカップリング剤(n−
1021Si(OCH3)3)を磁性酸化鉄100質量部に
対し2.0質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから
含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリン
グ処理を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法によ
り洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を
解砕処理して、表面処理磁性体1を得た。なお、この磁
性体の疎水化度は85%であった。
【0198】(現像剤1〜22の製造)イオン交換水7
09gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し
60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液6
7.7gを添加してCa3(PO4)2を含む水系媒体を得
た。
【0199】一方、下記のトナー原料を準備した。 スチレン 78質量部 n−ブチルアクリレート 22質量部 ジビニルベンゼン 0.5質量部 飽和ポリエステル樹脂 5質量部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1質量部 表面処理磁性体1 90質量部 上記原料を三井三池化工機(株)製アトライターを用い
て均一に分散混合し、単量体組成物1を得た。
【0200】この単量体組成物1を60℃に加温し、そ
こにエステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極
大値72℃)10質量部を添加混合溶解し、これに重合
開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)[t1/2=140分、60℃条件下]5質量部
を溶解し重合性単量体系1を得た。
【0201】前記水系媒体中に上記重合性単量体系1を
投入し、60℃、窒素雰囲気下において、特殊機化工業
(株)製TK式ホモミキサーにて10,000rpmで
15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌
しつつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80
℃としさらに4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃
でさらに2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、
塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥して質
量平均粒径7.3μmのトナー粒子1を得た。
【0202】一方、個数平均一次粒径9nmのシリカに
ヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイ
ルで処理し、処理後のBET値が200m2/gの疎水
性シリカ微粉体を準備した。先に得られたトナー粒子1
00質量部に対し、疎水性シリカ微粉体1.0部を外添
剤として加え、三井三池化工機(株)製ヘンシェルミキ
サーを用い、攪拌羽根の周速を40m/secとして3
分間混合し、磁性トナーである現像剤1を調製した。
【0203】さらに、ヘンシェルミキサーによる攪拌羽
根の周速と混合時間を変化させて、種々の現像剤(現像
剤2〜22)を作製した。
【0204】これらの現像剤について、凝集度、及びそ
の他の物性の評価を行った。結果を下表1に示す。表1
より、外添の条件により、凝集度を制御できることがわ
かる。
【0205】
【表1】
【0206】なお、D4は質量平均粒径、D1は個数平
均粒径である。D4/D1は1.2〜1.25の範囲で
安定していた。この数値から、微粉が殆どないことがわ
かる。また、現像剤の磁場79.6kA/mにおける磁
化の強さは、いずれも24〜26Am2/kgであっ
た。
【0207】また、結着樹脂を各種振って同様の実験を
行った結果、結着樹脂の材料(重合性単量体や混合され
る樹脂化合物等)としてスチレン、アクリル酸エステ
ル、ポリエステルを使用した時に、外添剤による凝集度
の調整を容易に行う事ができた。詳細な理由は不明だ
が、ガラス転移点Tgなどの物性が、本発明における外
添剤での凝集度調整に適していたのではないか、と考え
られる。
【0208】さらに、疎水性シリカ微粉体の粒径を様々
に振って実験した結果、個数平均一次粒径が8〜12n
mの時に良好な凝集度、流動性を得ることができた。ま
た、シリカとチタニアを併用することによっても、35
〜70%の良好な流動性を得るための外添条件のラチチ
ュードを広くとることができた。
【0209】<実験例2>図13に示すRF−PCVD
法による電子写真装置用感光体の製造装置を用い、直径
80mm(φ80)の鏡面加工を施したアルミニウムシ
リンダー上に、表2に示す条件で、電荷注入阻止層(U
BL)、光導電層、上部電荷注入阻止層(TBL)、及
び表面層からなる感光体を作製し、表3に示す条件で、
電荷注入阻止層(UBL)、光導電層、上部電荷注入阻
止層(TBL)、表面層1、及び表面層2からなる感光
体を作製した。さらに表面層の原料ガスの混合比を調整
し、種々の表面層を有する感光体を作製した。また、上
記シリンダーと同素材の板状基板に、表面層(表面層
1、2がある場合は最表面層である表面層2)を、1.
0μmの厚さで作製した。
【0210】
【表2】
【0211】
【表3】
【0212】一方、上記φ80感光体の評価用の電子写
真装置としては、キヤノン製IR5000改造機を使用
した。具体的には、潜像光源217の解像度を1200
dpiとし、主帯電手段を、弾性部材と微粒子からなる
帯電部材201に変更した。また、転写及び分離帯電器
を、スコロトロン帯電器から、ローラ状の転写手段20
6(a)、及び分離手段206(b)に変更し、各帯電
器及び現像手段をネガ帯電性の感光体とネガ極性のトナ
ーに適した極性にした。なお現像手段には、一成分磁性
トナーを用いる非接触現像方式のものを使用した。ま
た、感光体表面電位測定は、現像手段204相当位置に
表面電位計(TRek社製 344/555P−4)を
セットし、さらに露光後現像前の位置における感光体2
02の表面電位を測定する内部電位センサ209を設置
した。
【0213】さらに、帯電部材201の当接圧及び駆動
速度と、各帯電手段の電圧印加条件、各露光の露光量、
プロセススピードを可変にする等の改造を施した。ま
た、上記評価用電子写真装置には、帯電部材201の弾
性部材へ導電性微粒子を補給する不図示の微粒子補給機
構を設けた。また、クリーニング手段をIR5000に
対して着脱自在に設けた。
【0214】以上のようにキヤノン製IR5000を改
造した評価用電子写真装置を使用して、前述したよう
な、種々の感光体の電気的特性を評価した。結果、表2
及び表3、及びその他の感光体は、共に帯電特性、感度
特性はほぼ同等であった。
【0215】一方、板状基板に作製した表面層サンプル
について、ESCAで組成分析を行った。表3における
表面層2で、CH4に対するSiH4の混合比とESCA
分析によるSi含有量の対応を図22に示す。なお、S
i含有量はSi原子数/(C原子数+Si原子数)であ
る。
【0216】図22より、表面層作製時のSiH4混合
比によって、表面層のSi含有率を制御できることがわ
かる。なお、SiH4混合比とSi含有率の相関は、製
膜する炉の構成や、成膜温度、放電電力等により異なる
と考えられるが、本実験例の条件では、表面層における
Si含有量は、SiH4混合比が40%強まで、SiH4
混合比に対して大略2倍である。すなわち、SiH4
合比で、a−C:Si:H層中のSi量を制御できるこ
とがわかる。
【0217】<実験例3>本実験例では、帯電部材と感
光体との帯電電位差を評価し、使用する材料や装置の駆
動条件等、種々の条件について検討した。評価用装置と
しては図1に示す装置を用いた。
【0218】図13に示すRF−PCVD法による電子
写真装置用感光体の製造装置を用い、直径80mm(φ
80)の鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上
に、表2、表3に示す条件で感光体を作製した。さらに
表面層の原料ガスの種類、混合比、放電電力を調整し、
種々の表面層を有する感光体を作製した。これらの感光
体を感光体102として用いた。
【0219】帯電部材103には、芯金と、この芯金の
周面を覆う、ウレタンを主成分とした導電性の弾性部材
とから構成され、外径が18mm(φ18)のローラ状
帯電部材を作製し、これを用いた。この帯電部材103
の抵抗は4×105Ωであった。またこの帯電部材10
3のアスカーC硬度は30度であった。
【0220】導電性微粒子には、粒径が2〜3μm、抵
抗が8×102Ω・cmの酸化亜鉛を使用した。上記導
電性微粒子は図1の微粒子容器101に収容され、帯電
部材103に適当量が塗布される。
【0221】なお、評価に際しては、図1に示す装置か
ら、除去部材108、除電手段109、及び除電光10
4を取り外した。
【0222】まず帯電部材103を、感光体102表面
に当接させる前に電源110にて0Vに制御した。一
方、感光体102をプロセススピード300mm/se
cで回転駆動させると共に、帯電部材103が接触する
前の電位が0Vであることを確認した。この状態で、帯
電部材103を感光体102に対し所定の相対速度差比
(例えば200%など)になるように駆動させた後、帯
電部材103を、当接幅が7mmになるように感光体1
02に当接させた。
【0223】その時、電位検出手段107、106によ
り検出された感光体表面電位は、当接後、感光体1周目
から変化を始め、数周、乃至数十周で大略飽和する。飽
和時の感光体表面電位を電位検出手段107、106に
より検出し、帯電部材直後を求め、さらに帯電部材10
3と感光体102の帯電電位差を求めた。また、電位計
の測定データから、帯電の安定性を評価した。結果を表
4に示す。
【0224】なお、安定性の評価は、帯電による感光体
表面電位が定常状態に入った後の、感光体表面電位のば
らつきによって以下のように評価した。 ◎:ばらつきが3V未満 ○:ばらつきが3V以上5V未満 ●:ばらつきが5V以上
【0225】また、評価効率は、感光体の回転数を基準
に帯電飽和までの時間で以下のように評価した。 ◎:帯電飽和までの時間が感光体5回転以内 ○:帯電飽和までの時間が感光体5回転超30回転以内 ●:帯電飽和までの時間が感光体30回転超
【0226】結果、相対速度差比が小さい乃至皆無の状
態では、電位自体の安定性については特に問題がなかっ
たが、飽和電位に達するまでの時間がかかる、すなわち
帯電効率が低下する傾向にあった。一方、相対速度差比
が大きすぎると、電位がばらついたり、帯電部材103
や感光体102を損傷したりする場合があった。
【0227】さらに、導電性微粒子として、粒径が2〜
3μm、抵抗が2×102〜8×105Ω・cmの酸化亜
鉛を使用した。また酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニ
ウムを主成分とし、抵抗や粒径が上記の酸化亜鉛と同等
の範囲になるようにした導電性微粒子も使用した。
【0228】感光体は、表3の表面層2の部分でSiH
4とCH4の流量比率を変化させた物を作製し、それぞれ
使用した。
【0229】結果を同様に表4に示す。表4より、感光
体、導電性微粒子により帯電電位を制御できることがわ
かる。
【0230】
【表4】 ※パストラン;SnO2(Sb)+BaSO4;アンチモ
ン添加の酸化スズと硫酸バリウムの混合物
【0231】次に、帯電部材、感光体、導電性微粒子の
種類を振って、上記と同様に帯電電位差を評価した。
【0232】具体的には、上記と同様にEPDMを主成
分としてなる導電性弾性部材や、シリコンゴムを含有す
る導電性弾性部材、ポリエステルを主成分としてなる導
電性弾性部材等、種々の材質からなる導電性弾性部材で
芯金の周面を被覆してなる帯電部材103を作製し、こ
れらを用いた。この帯電部材103の抵抗は3×10 3
〜6×106Ω、アスカーC硬度は25〜45度であっ
た。これらを使用して、上記同様の評価を行った結果、
帯電部材によっても帯電電位を制御できることがわかっ
た。
【0233】なお、感光体表面におけるa−C:Si:
HのSi含有量が0.1%以上では、Si含有量に対応
して帯電電位差ΔVに変化が見られたが、0.1%未満
の表面層の場合には、Si含有の効果が現れず、a−C
表面層と同等の帯電電位差ΔVとなった。
【0234】帯電部材の相対速度差比についての結果を
図21に概略を図示する。効率と精度、部材耐久性の総
合的な観点から、導電性微粒子が介在する系では、相対
速度差比が5%〜400%が好ましい。ただし図中の1
00±5%、すなわち帯電部材と感光体とが相対的に殆
ど停止した状態では、帯電部材が感光体表面に均一に接
触・摺擦されないことや、導電性微粒子が供給されない
こと等のために、帯電電位のばらつきが大きいので、こ
の範囲は避けることが好ましい。
【0235】帯電均一性については、まず転写残トナー
や帯電手段からの吐き出しトナーが混入しない条件、例
えばクリーニング手段を用いた評価機を用いて、現像工
程から転写工程の間における感光体上の現像剤の摩擦帯
電分布1を測定した。さらに、本例の評価において帯電
手段から吐き出されたトナーについても、同様に摩擦帯
電分布2を測定した。両者の摩擦帯電分布を比較した時
に、両者の差の絶対値(Δ摩擦帯電=|摩擦帯電分布1
−摩擦帯電分布2|)が、摩擦帯電分布1に対してどの
程度の比率か、によって、以下の様に評価した。摩擦帯
電量の分布は、前述のEST−IIを使用して測定した。 ◎:Δ摩擦帯電が、摩擦帯電分布1の15%未満 ○:Δ摩擦帯電が、摩擦帯電分布1の15%以上、30
%未満 ●:Δ摩擦帯電が、摩擦帯電分布1の30%以上
【0236】なお、塗布する導電性微粒子には、実際の
画像形成において使用する現像剤を所定量混合してもよ
い。その際、混合する現像剤量は、帯電部材の帯電電位
や、感光体の帯電電位に影響を及ぼす場合があるため、
混合する量を適正な範囲で使用することが重要である。
【0237】図24に、導電性微粒子として酸化亜鉛粒
子を使用し、微粒子にキヤノン製GP405用の現像剤
を混合し、このときの混合比を振った場合の帯電部材の
電位(V1)や感光体の表面電位(V2)、すなわち現
像剤の混入量と帯電手段の帯電効率との相関を表した。
【0238】なお、図24における現像剤の混入量は、
導電性微粒子のみに対しての混入量を示した数値であ
る。また、図24における「電位変動」は、帯電部材に
印加している電圧に対する感光体表面電位の差分、即ち
摩擦帯電により感光体表面電位が変動した「変化量」を
表す。また、図24における「PE」は、図1の除電手
段109による除電光(PreExplosure)を表
し、「PE On」は照射有り、「PE Off」は照
射なしを表す。
【0239】混合する現像剤は、多すぎると、帯電部材
の抵抗が増加したり、感光体・帯電部材の当接部に介在
する粒子種が変わったりすることにより、ΔVの値が本
来の値とは異なってくる。したがって、現像剤の混入量
は導電性微粒子に対して質量比で50%以内、より好ま
しくは20%以内が好ましい。
【0240】なお、導電性微粒子に混入する現像剤の量
を調整するため、転写効率を変化させて試験を行った。
転写効率とは、転写工程前の感光体表面に現像された現
像剤量に対する、転写された現像剤量の比率を指す。具
体的には、転写工程前の感光体表面に現像された現像剤
量と、転写材に転写された現像剤量を各々測定し、比率
を求める。また、転写効率が低い場合には、転写工程後
に感光体表面に残留する現像剤量を測定し、転写工程前
の現像剤量との差分を転写された量として、比率を求め
る。転写効率を変化させることで、帯電部材に混入する
現像剤の量を制御することができる。転写効率を80%
以上にした場合には、帯電部材と感光体の当接部におけ
る現像剤の存在量は、当接部を含む帯電部材全体におい
て付着している粒子の質量比として測定した。
【0241】結果、実用画像として6%Dutyの画像
形成を行った時に、上記現像剤の混入量は、導電性微粒
子に対して質量比で平均的に20%以下であった。ま
た、ベタ黒画像形成を行った場合にも、50%以内で推
移した。
【0242】<実験例4>本実験例では、図1に示す評
価用装置に代えて、図2に示すように改造したIR50
00改造機を用いて実験例3と同様の検討を行った。感
光体、帯電部材、導電性微粒子については実験例3と同
じものを用いた。結果を表5に示す。
【0243】表5より、実験例3と同様に感光体表面層
や帯電部材の材質、また帯電部材の駆動条件等による差
異が見られた。また上述の感光体、帯電部材、及び導電
性微粒子の種類や、プロセススピード、各部材の配置角
度、帯電部材の当接及び駆動条件等を合わせることで、
図1の評価装置、図2の評価機で同等の帯電電位の結果
を得られた。
【0244】なお、帯電部材へ供給される電流を測定す
ること、例えば電源110の電流測定手段、により、帯
電部材と感光体間の電流値を測定して電位評価の代用と
することも可能である。電流値の積分値を求め、別途測
定する感光体の電気的容量から、感光体の帯電部材直後
の表面電位を求め、帯電電位差を算出することもでき
る。上記の各感光体、帯電部材について電流値を測定
し、帯電電位差を求めた結果、表面電位から求めた帯電
電位差と良く一致した。
【0245】なお、実験例3と同様、感光体表面a−
C:Si:HのSi含有量が0.1%以上では、Si含
有量に対応して帯電電位差ΔVに変化が見られたが、
0.1%未満の表面層の場合には、Si含有の効果が現
れず、a−C表面層と同等の帯電電位差ΔVとなった。
【0246】
【表5】
【0247】<実験例5>まず、IR5000改造機
に、感光体、帯電部材、導電性微粒子を帯電部材に塗布
するための機構(図1に示される101及び111)、
及びクリーニング手段を装着し、画像形成を行った。
【0248】感光体には、実験例で作製したのと同様の
表面層を有するφ80mmの物を作製し使用した。帯電
部材にはアスカーC硬度が23度で、抵抗が5×103
Ωの、実験例で使用したウレタン、シリコンゴム等を主
成分としてなる導電性の弾性ローラを使用した。導電性
微粒子には、実験例で使用した粒子の他、燐やタングス
テンをドープした酸化錫や酸化チタン等を使用した。現
像剤には、実験例で使用したトナー粒子1に、9nmの
疎水性シリカ微粉体を外添した、平均粒径が7.3μ
m、凝集度が65%、磁場79.6kA/mにおける磁
化の強さが24Am2/kgの現像剤を使用した。
【0249】帯電部材は、感光体との当接幅が7mmに
なるようにセットした。また、プロセススピードを26
0mm/secとして、プロセススピードに対して相対
速度が40%の面速度で、感光体駆動方向に対し順方向
になるように帯電部材を回転駆動させた。この構成で、
先の実験例に準じて帯電電位差ΔVを測定した。
【0250】さらに、この状態で、潜像露光を照射しな
い時の感光体表面電位、いわゆる暗電位Vdを−450
V、また露光照射時の感光体表面電位、いわゆる明電位
Vlを−50Vになるように、帯電部材への電圧印加条
件や潜像露光強度を調整し、1000枚の画像形成を行
った。さらに、現像手段の、現像剤担持体表面にある現
像剤のトリボ測定を行った。
【0251】また、帯電部材と感光体との当接幅が7m
mとなるようにセットし、感光体に対して相対速度差が
60%、80%の順方向駆動、及び150%、200%
のカウンター駆動を行った。
【0252】次に、クリーニング手段を除去し、IR5
000改造機をいわゆるクリーナーレスに改造した。上
記のクリーナー有りの状態で使用した感光体、帯電部
材、導電性微粒子を使用し、1000枚の画像形成を行
った。結果、クリーナー有りと同様の良好な画像を得ら
れた。
【0253】次に、これらの感光体、帯電部材、また現
像剤は実験例で使用したネガ極性現像剤、さらに上記の
評価機を用いて、500K枚の耐久試験を行った。耐久
試験中の初期、200K、500K終了時において、転
写残現像剤が帯電工程を通過した(吐き出し)後の現像
剤の帯電特性(トリボ)を評価した。また、耐久中の画
質についても、評価した。
【0254】なお、各特性の評価方法及び評価基準は下
記の通りである。画像上のかぶりは、反射濃度計(リフ
レクトメーターTC−6DS、東京電色社製)を用いて
測定した。画像形成前の転写材の反射濃度をDr
(%)、画像形成後の白地部反射濃度の平均値をDs
(%)とすると、Ds−Drが画像上のかぶり量(%)
であり、これを以下のように評価した。 ◎:反射濃度が1%未満 ○:反射濃度が1%以上3%未満 ●:反射濃度が3%以上
【0255】回収性の評価は、A3サイズの原稿で、前
半のうち感光体の長軸方向で約1/3に相当する中央領
域はベタ黒で、それ以外の部分はベタ白、また後半は全
領域においてベタ白の原稿を使用し、前半がベタ黒の領
域における後半ベタ白部分のかぶりと、前半がベタ白の
領域における、後半ベタ白部分のかぶりの差をもって判
定し、以下のように評価した。 ◎:かぶりの差が1%未満 ○:かぶりの差が1%以上3%未満 ●:かぶりの差が3%以上
【0256】均一性の評価は、ハーフトーンチャート
(キヤノン製、FY9−9042−020)のベタ画像
中における、任意の10点の反射濃度を測定し、平均反
射濃度が0.3の時における反射濃度のMax値とMi
n値の差ΔDをもって判定し、以下のように評価した。 ◎:ΔDが0.05未満 ○:ΔDが0.05以上0.1未満 ●:ΔDが0.1以上
【0257】がさつき、掃むらの評価は、複合テストチ
ャート(キヤノン製、FY9−9013−000)を使
用して画像形成し、画像上の細線をもって判定した。1
ライン1スペースの間隔で、1mm幅に10本の線があ
る場合を10.0として、細線の途切れやかすれが発生
する範囲によって以下のように評価した。 ◎:7.0以上 ○:4.5以上7.0未満 ●:4.5未満
【0258】感光体の耐久性評価は、感光体の帯電特
性、感度特性、ゴースト測定、摩耗速度から判定し、以
下のように評価した。 ◎:帯電特性、感度特性、ゴーストの変化率が3%以内
であり、かつ摩耗速度が5Å/10K枚以下 ○:帯電特性、感度特性、ゴーストの変化率が3%以内
であり、かつ摩耗速度が5Å/10K枚超7Å/10K
枚以下 ●:帯電特性、感度特性、ゴーストの変化率が3%超、
又は摩耗速度が7Å/10K枚超
【0259】現像耐久性の評価は、耐久前後におけるベ
タ黒画像及びハーフトーン画像の、反射濃度変化ΔD3
をもって判定し、以下のように評価した。 ◎:ΔD3の大きい方の値が0.05未満 ○:ΔD3の大きい方の値が0.05以上0.1未満 ●:ΔD3の大きい方の値が0.1以上
【0260】画質耐久性の評価は、耐久後のかぶり、均
一性、スリーブゴーストの評価の結果をもって判定し、
以下のように評価した。 ◎:耐久前と同等 ○:1ランクの変動の場合でかつ耐久後評価が●ではな
い場合 ●:上記以外の場合
【0261】帯電耐久性の評価は、所定枚数(本例では
5K枚)毎に、帯電特性として、帯電部材への印加電圧
を振って、感光体の表面電位を測定した。また帯電部材
の抵抗変動の指標として、該帯電部材の電流を測定し、
以下のように評価した。 ◎:非常に良い;帯電特性、及び帯電部材電流の変化率
が5%以内 ○:良い;帯電特性、及び帯電部材電流の変化率が15
%以内 ●:従来並、乃至はそれ以下;上記以外
【0262】プロセススピード、帯電部材と感光体との
相対速度、及び現像剤の種類を固定して、感光体の種
類、導電性微粒子の種類、帯電部材の種類を変えて行っ
た耐久試験の試験条件を表6に、その評価結果を表7に
それぞれ示す。
【0263】
【表6】
【0264】
【表7】
【0265】プロセススピード及び現像剤の条件を固定
し、相対速度、回転駆動方向、感光体の種類、導電性微
粒子の種類、帯電部材の種類、回転駆動方向を含めて相
対速度を変えて行った耐久試験、及び、プロセススピー
ドの条件のみを変えて行った耐久試験の試験条件を表8
に、それらの評価結果を表9にそれぞれ示す。
【0266】
【表8】
【0267】
【表9】
【0268】現像剤の種類(凝集度)の条件のみを変え
て行った耐久試験の試験条件を表10に、その評価結果
を表11にそれぞれ示す。
【0269】
【表10】
【0270】
【表11】
【0271】表6〜表11より、感光体表面層のSi含
有量や帯電電位差が吐き出し現像剤のトリボに影響する
ことがわかる。
【0272】本発明者が帯電電位差と吐き出し現像剤の
トリボの相関について鋭意検討した結果、 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1) ΔV=(V2−V1) (2) Z=ln(Y)×ΔV (3) とした時のZの値が−20以下の時に、吐き出し現像剤
が正規のネガ極性を有していることが判明した。
【0273】Zは、より好ましくは−30以下、最適に
は−40以下である。このとき、現像手段中の現像剤の
トリボに非常に近い値を有する場合に、或いは帯電部材
とプロセススピードの差異が小さい場合にも、吐き出し
後の現像剤のトリボが正規の極性に復帰し、良好な画像
を得ることができた。
【0274】なお、帯電部材の駆動条件としては、カウ
ンター駆動の方が、帯電均一性に優れ、ハーフトーン画
像形成時などのスジ状の画像、いわゆる掃きムラ、が抑
制された、より良好な画像が得られた。これは、図19
に示すように、カウンター駆動した系では転写残現像剤
は、主として帯電部材と感光体の当接部上流側から帯電
部材に引き上げられ、帯電部材の上側を経由して感光体
に吐き出される。このため、カウンター駆動の方が帯電
部材と感光体の当接部の現像剤量が少ないことや、接触
機会が増加することにより、帯電部材による感光体への
帯電付与性、特に帯電均一性に優れるものと考えられ
る。
【0275】一方、吐き出し現像剤のトリボ正規化とい
う観点では順方向駆動の方が良好な結果を得られた。こ
れは、図20に示すように、順方向に駆動した系では転
写残現像剤は、主として感光体と帯電部材の当接部を経
由して吐き出されるため、順方向駆動の方が、現像剤が
当接部にて受ける摺擦が増加し、吐き出し現像剤のトリ
ボがより正規化され、現像手段での回収性について良好
な結果が得られるものと考えられる。
【0276】また、現像剤の粒径、磁化強度はほぼ同等
として、凝集度を振って同様の試験を行ったところ、現
像剤の凝集度が35〜70%の範囲で良好な結果が得ら
れた。また、外添剤としてシリカとチタニアを併用した
場合にも、現像剤の凝集度が35〜70%の範囲で良好
な結果が得られた。
【0277】<実験例6>実験例5と同様、実験例1で
作製したネガ極性現像剤を使用し、感光体にはSi原子
を30原子%含有する、いわゆるa−SiC表面層を有
する物を使用した。帯電部材には、前記弾性部材がウレ
タンのものを使用し、導電性微粒子としては酸化亜鉛
に、さらに正帯電性に処理を施した物を使用した。
【0278】実験例5と同様にクリーナー有りで現像剤
トリボ、及び画質を評価し、さらにクリーナーレスの状
態で500Kの耐久試験を行った。また表面層における
Si含有量が異なる感光体を用いて同様に耐久試験を行
った。耐久試験の試験条件を表12に、その評価結果を
表13にそれぞれ示す。
【0279】
【表12】
【0280】
【表13】
【0281】表12及び表13より、式(3)のZ値は
−300以上であるとき、耐久を通じて良好な画質を維
持することができた。これは、−300以上とすること
で、特に相対速度差が大きい場合に、吐き出し現像剤の
トリボが正規のトリボよりも高くなり過ぎることや、導
電性微粒子が過剰に現像剤に混入したりすること等によ
る、現像剤の帯電性の低下を防止し、吐き出し後の現像
剤が効率よく回収され、また現像剤担持体表面に均一に
コートされ、結果、かぶりや現像剤担持体上への現像剤
の凝着、いわゆるブロッチ等が抑制され、良好な画像を
得ることができるためと考えられる。
【0282】<実験例7>表2や表3の感光体製造処方
例に対し、SiH4とCH4の流量を調整し、Si含有量
が異なる最表面層を有するφ80の感光体を作製した。
また、帯電部材には、前記弾性部材がウレタンを主成分
とし、抵抗が5×103Ωのものを、導電性微粒子には
酸化錫を使用した。
【0283】前述した実験例と同様に、IR5000を
改造した評価機と上記の部材を用いて、表14に記載の
プロセススピードにて耐久試験及びその評価を行い、か
つ帯電電位差を求めた。耐久試験の試験条件を表14
に、その評価結果を表15にそれぞれ示す。
【0284】
【表14】
【0285】
【表15】
【0286】Si含有量(Y)は少なすぎると、実験例
3の結果の如く、帯電電位、及び吐き出し後の現像剤の
トリボに対して有効に働かず、Siを添加した効果が見
られない。一方、多すぎる場合にはa−C表面層特有の
膜の硬度や、耐磨耗性が低下し、耐久性が低下する場合
がある。したがって、Si含有量Yは1000ppm
(0.1%)以上20%以下が好ましい。
【0287】<実験例8>現像剤には、実験例1にて作
製したトナー粒子1に、9nmの疎水性シリカ微粉体を
外添した、平均粒径が7.3μm、凝集度が65%、磁
場79.6kA/mにおける磁化の強さが24Am2
kgの現像剤を使用した。さらに実験例1に準じて凝集
度を調整した。
【0288】また、Si含有量が0.5%の表面層を有
する感光体を作製した。帯電部材には、Siゴムを主体
とする抵抗が8×103Ωの弾性部材を使用し、感光体
との当接幅は7mm、相対速度差比を120%とした。
また、導電性微粒子には酸化錫を使用した。
【0289】これらをφ80用評価機に設置し、プロセ
ススピードが480m/secの状態で、前述した実験
例と同様に帯電電位差の評価及び耐久試験を行った。耐
久試験の試験条件を表16に、その評価結果を表17に
それぞれ示す。
【0290】
【表16】
【0291】
【表17】
【0292】表16及び表17より、特に凝集度が60
%以下のときに、転写残の現像剤がより効率的に現像手
段で回収された。また、同等の帯電電位差の系では、凝
集度が60%を超す現像剤と比較して、吐き出し現像剤
のトリボの絶対値も高い値が得られており、現像剤の凝
集性が転写残現像剤の回収性に影響したものと考えられ
る。
【0293】これは、凝集度が低い現像剤を使用するこ
とで、帯電部材における現像剤の流動性が高く、摺擦が
むらなくなされ、個々の現像剤が正規化されるためと考
えられる。また、帯電均一性、掃きむらも良好な結果が
得られた。これは、帯電部材における現像剤の流動性に
より、局所的な現像剤の滞留を防止し、実質的に帯電不
良域が解消されるためと考えられる。
【0294】<実験例9>先の実験例で使用した評価機
に対して、図23の概略図に示すように、上流側・下流
側に二つの帯電部材を任意の駆動条件で設置可能なよう
に改造した。現像剤、帯電部材、導電性微粒子には先の
実験例で使用したものを使用し、感光体はSi含有量が
5.0%のa−C:Si:H表面層を有する感光体を使
用した。
【0295】帯電部材は上流側・下流側ともに当接幅を
7mmとし、上流側を相対速度差が180%のカウンタ
ー駆動に、下流側を相対速度差が20%の順方向駆動に
して、500Kの耐久試験を行った。また、上流側と下
流側の帯電部材の駆動条件を入れ替えた(上流=順方
向、下流=カウンター)もので同様に耐久試験を行っ
た。耐久試験の試験条件を表18に、その評価結果を表
19にそれぞれ示す。
【0296】
【表18】
【0297】
【表19】
【0298】表18及び表19より、いずれもトナー回
収性、帯電均一性が両立された良好な結果を得られた。
また、感光体の摩耗速度を低減し、総合的な寿命の向上
にも効果が見られた。
【0299】また、上流側・下流側の、各々の帯電部材
の駆動条件(相対速度差比)を振って、同様の耐久評価
を行った。結果、表18及び表19と同様に良好な結果
が得られた。これは、帯電部材が一個の時に比較して、
トナー回収性、帯電均一性の両立できる範囲が広く、相
対速度差の総和を低減することができたことによると考
えられる。
【0300】<実験例10> (現像剤23の製造例)高速撹拌装置TK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業社製)を具備した2リットル用4つ口
フラスコ中に、イオン交換水650gと0.1mol/
リットル−Na 3PO4水溶液500gを投入し、回転数
を12000rpmに調整し、70℃に加温せしめた。
ここに1.0mol/リットル−CaCl2水溶液70
質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(P
4)2を含む水系分散媒体を調製した。
【0301】一方、分散質として スチレン単量体 78質量部 2−エチルヘキシルアクリレート単量体 22質量部 ジビニルベンゼン単量体 0.15質量部 カーボンブラック 6質量部 ポリカーボネート樹脂(ピーク分子量=4500) 4質量部 アゾ系鉄化合物 2質量部 エステル系ワックス成分 6質量部 からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)7質量部を添加し、重合性単量
体組成物を調製した。
【0302】次に、前記水系分散媒体中に重合性単量体
組成物を投入し、内温70℃のN2雰囲気下で高速撹拌
器の回転数を12000rpmに維持しつつ15分間撹
拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、撹拌器
をパドル撹拌羽根に換え、50rpmで撹拌しながら同
温度に5時間保持し、さらに80℃に昇温して10時間
保持して重合を完了した。
【0303】重合終了後、加熱減圧下で残存モノマーを
留去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶性分
散剤を溶解せしめた。さらに水洗浄を数回繰り返した
後、円錐型リボン乾燥機(大川原製作所製)を用い、加
熱減圧下で、螺旋リボン回転翼で撹拌しながら重合性粒
子の球形化処理と乾燥処理を6時間行い、重合体粒子
(A)を得た。
【0304】上記重合体粒子(A)100質量部と、実
験例1で使用した疎水性オイル処理シリカ微粉体2質量
部を、ヘンシェルミキサーで攪拌羽根の周速を40m/
secとして3分間乾式混合してトナー23とした。な
お、混合の際の攪拌羽根周速は30m/secで2.5
分間とした。重合体粒子(A)の円相当個数平均径は
6.4μmで、円形度頻度分布における平均円形度は
0.985、円形度標準偏差は0.031であった。ま
た、トナー23の凝集度は43%、シリカ遊離率は0.
61であった。
【0305】さらに、周知の磁性キャリア剤、本例では
フェライトキャリアと混合して、いわゆる非磁性二成分
の現像剤23とした。なお、混合比は、二成分現像剤全
体に対して、上記トナー23が8%となるように混合し
た。
【0306】一方、評価機としては、実験例2の評価機
に対して、さらに現像剤担持体内の磁極の配置や磁束密
度を変更したり、該現像剤担持体と感光体の間隔を変更
したりするなど、現像手段を二成分現像用にする改造を
追加した。
【0307】現像剤23を前述した上記改造機に適用し
て先の実験例と同様に耐久試験を行った。感光体には、
表面層がa−C:H表面層について、表面層のCH4
SiH4との混合比、流量等を変化させること、また放
電電力や基板温度等を変えることによって、種々の表面
層を有する感光体を作製し、これらを用いた。また、導
電性微粒子には先の実験例と同様に、酸化錫、酸化亜
鉛、パストラン等を使用した。
【0308】上記の現像剤、感光体、及び導電性微粒子
を用いて先の実験例と同様に耐久試験や帯電電位差ΔV
の評価を行った。耐久試験の試験条件を表20に、その
評価結果を表21にそれぞれ示す。
【0309】
【表20】
【0310】
【表21】
【0311】本実験例において、帯電部材の帯電性、感
度特性、画質の確認を行った結果、いずれも良好なレベ
ルであった。また、この正規極性に帯電した現像剤を使
用した場合でも、現像工程において、かぶりや画像特
性、すなわち現像性の劣化は見られなかった。さらに、
プロセススピードを通常の状態の100〜500%まで
変化させて、上記同様の評価を行った結果、上記と同様
の良好な結果が得られた。また、現像剤の凝集度を振っ
て同様に評価を行った結果、凝集度が35〜70%、よ
り好ましくは60%以下の時に良好な結果が得られた。
【0312】これは、現像兼回収が高効率になされ、回
収不良が抑制されたことによるかぶり防止、また吐き出
し現像剤の極性が正規の極性に回復していることによ
り、現像手段中での現像剤の劣化が防止されたことによ
ると考えられる。
【0313】<実験例11>本実験例では、先の実験例
で用いたφ80感光体用評価機(前記の改造機)に代え
てφ30感光体用評価気を用いた。φ30の感光体用評
価機には、キヤノン製GP405を改造した物を使用し
た。φ30感光体用評価機の構成の概略を、図2を用い
て説明すると、潜像光源217からのレーザーの波長を
670nmに変更し、解像度は1200dpiとし、ま
た除電手段208は660nmにピーク波長を有するL
EDに変更した。さらに、帯電部材201を上記IR5
000改造機と同様に、芯金と弾性部材とからなり表面
に導電性微粒子を有する帯電部材に変更した。
【0314】感光体は、φ30のアルミシリンダーを基
板に、先の実験例で使用した物と同様の表面層を有する
a−Si感光体を作製し、これらを用いた。帯電部材、
導電性微粒子とも、先の実験例で用いたのと同じ材料の
ものを使用した。現像剤は実験例1で用いた、平均粒径
7.5、凝集度が65%のものを用いた。
【0315】プロセススピードは改造前のGP405の
通常運転条件の範囲内である210mm/secとし、
ウレタン系導電性弾性部材からなる帯電部材の当接幅は
6mm、帯電部材の駆動速度は感光体に対して相対速度
差比150%とした。この状態で、先の実験例と同様に
帯電電位差ΔV、さらにクリーナーレスの状態で、30
0k枚の耐久試験を行い、各部位での現像剤の帯電量、
及び画像特性を評価した。
【0316】結果、Zの値が−20以下、より好ましく
は−30以下、最適には−40以下の時に、良好な結果
を得られた。また、現像剤の凝集度を振って評価した結
果、先の実験例と同様に、凝集度が35〜70%、より
好ましくは60%以下のときに良好な結果が得られた。
さらにプロセススピードを通常の状態の100〜350
mm/secまで変化させて、上記同様の評価を行った
結果、上記と同様の良好な結果が得られた。
【0317】また、実験例9と同様に帯電部材をTwi
nローラ系にし、上流側を相対速度差が80%のカウン
ター駆動に、下流側を相対速度差が20%の順方向駆動
にして耐久を行ったところ、実験例9と同様に良好な結
果が得られた。これは、現像兼回収が高効率になされ、
回収不良が抑制されたことによるかぶり防止、また吐き
出し現像剤の極性が正規の極性に回復していることによ
り、現像手段中での現像剤の劣化が防止されたことによ
ると考えられる。
【0318】<実験例12>φ80感光体用、及びφ3
0感光体用の評価機について、現像手段を接触現像方式
に改造し、現像剤を接触現像用の現像剤にした。現像剤
は、非磁性トナーと磁性キャリアを有するものとした。
該トナーの平均粒径は7.3μm、平均円形度は0.9
82、モード円形度は1.00、外添微粒子は平均粒径
9nmの疎水性シリカ微粉体を使用し、凝集度が50
%、外添剤遊離率が0.58の物を使用した。φ80感
光体では500K枚、φ30感光体では300K枚の耐
久試験を先の実験例と同様に行った。
【0319】φ80感光体を用いた耐久試験において、
プロセススピードと現像剤の種類の条件を固定し、感光
体の種類、導電性微粒子の種類、帯電部材の種類、相対
速度差比の条件を変えた耐久試験の試験条件を表22
に、その評価結果を表23にそれぞれ示す。
【0320】
【表22】
【0321】
【表23】
【0322】また、φ80感光体を用いた耐久試験にお
いて、現像剤の種類の条件を固定し、感光体の種類、導
電性微粒子の種類、プロセススピード、帯電部材の種
類、相対速度差比の条件を変えた耐久試験の試験条件を
表24に、その評価結果を表25にそれぞれ示す。
【0323】
【表24】
【0324】
【表25】
【0325】結果、φ80、φ30共に、式(3)のZ
が−20以下、より好ましくは−30以下、最適には−
40以下の時に、かぶりや画像特性、すなわち現像性の
劣化がない良好な画質を維持できた。これは、現像兼回
収が高効率になされ、回収不良が抑制されたことによる
かぶり防止、及び、吐き出し現像剤の極性が正規の極性
に回復していることにより現像手段中での現像剤の劣化
が防止されたこと、によると考えられる。
【0326】また、吐き出し現像剤の回収性、すなわち
黒帯後のかぶりが非常に良好であった。これは、現像手
段における現像剤担持体、乃至は現像剤の穂が感光体に
接触している為に、電界により現像剤が飛翔して回収さ
れる非接触現像方式よりも回収性におけるラチチュード
が広いものと考えられる。
【0327】また、現像剤の凝集度を振って評価した結
果、先の実験例と同様に、凝集度が35〜70%、より
好ましくは60%以下のときに良好な結果が得られた。
さらに、先の実験例と同様にプロセススピードを、φ8
0評価機は100〜480mm/secまで、φ30評
価機は100〜350mm/secまで変化させて評価
を行った。なお、ΔVは、帯電部材、駆動速度等の構成
条件ごとに測定した。いずれのプロセススピードにおい
ても、式(3)のZが−20以下、より好ましくは−3
0以下、最適には−40以下の時に、かぶりや画像特
性、すなわち現像性の劣化がない、良好な画質を維持で
きた。
【0328】<実験例13>感光体には、a−C:H表
面層を有するφ80及びφ30のものを作製し、これら
を用いた。なお、表面層中のSi含有量は、数100p
pmから5%までの範囲で振った。導電性微粒子として
は酸化錫をベースに、アンチモン(Sb)や燐(P)、
タングステン(W)等を混入した物を使用した。また、
帯電部材はEPDMや、ウレタンゴム等を主成分とする
様々なものを作製した。上記の感光体、導電性微粒子、
及び帯電部材を様々に組み合わせて、先の実験例と同様
に帯電電位差ΔVを測定した。本実験例のうち、Si含
有量が0.1%以上の感光体を用いた耐久試験の試験条
件を表26に、その評価結果を表27にそれぞれ抜粋し
て示す。
【0329】
【表26】
【0330】
【表27】
【0331】ΔVが−20Vより大となる感光体、帯電
部材、導電性微粒子の組み合わせで先の実験例と同様の
評価を行った結果、帯電部材からの吐き出し現像剤の平
均帯電量は正規の極性に戻っていない、乃至は、極性は
正規側でも帯電量が小、すなわちほぼ中性に近い状態で
あった。
【0332】この状態で、接触現像方式にして耐久を行
った結果、現像器中に極性が反転した現像剤が混入し、
濃度低下など、現像性の低下や、反転現像剤によるかぶ
りなどの画質の劣化が見られた。
【0333】また、IR5000、及びGP405の通
常の現像方式、すなわち非接触の現像方式にして評価を
行った結果、転写残トナーの回収性が低下し、かぶりが
発生した。特に黒帯後のかぶりについては画質低下が顕
著であり、吐き出し現像剤が正規化されていない、乃至
は正規化が不十分な事に起因すると思われる回収性不良
が見られた。
【0334】また、現像手段へのバイアス調整等により
強制的に回収した場合、現像性の低下やかぶりの悪化な
どの現象が見られた。また、現像期中の特定の現像剤が
現像される、いわゆる選択現像が発生し、耐久による画
質低下が生じた。
【0335】<実験例14>本実験例では、現像剤には
実験例1で作製したトナー粒子と、外添剤として実験例
1で使用した疎水性シリカ微粉体、またチタニア等を使
用した。ここでは、トナー粒子100質量部に対し、上
記のごとき外添剤1.0〜2.0部を加え、実験例1の
ように攪拌羽根の周速及び混合時間を振って様々な凝集
度の現像剤を作製し、これらを用いた。導電性微粒子と
しては先の実験例で用いられた酸化亜鉛粒子を使用し
た。
【0336】また、感光体には、a−C:H表面層でS
i含有量を振った物を、φ30、φ80共に作製し、こ
れらを用いた。評価機は、先の実験例で使用したGP4
05改造機、IR5000改造機をそれぞれ使用した。
また、帯電部材と感光体との当接幅はφ30では6m
m、φ80では7mmとし、相対速度差250%で駆動
させた。
【0337】上記の導電性微粒子と感光体を使用し、先
の実験例と同様に帯電電位差ΔVを測定した。この内、
帯電電位差ΔVが−20以下となる感光体、導電性微粒
子、帯電部材等の組み合わせを用いて、先の実験例と同
様に基準のプロセススピードで耐久試験を行い、さらに
プロセススピードを振って耐久試験を行った。結果のう
ち、基準のプロセススピードで、かつSi含有量が5%
のφ80感光体を用いた場合の耐久試験の試験条件を表
28に、その評価結果を表29にそれぞれ示す。
【0338】
【表28】
【0339】
【表29】
【0340】結果、凝集度が70%を超えている物は現
像剤が正規化され難かったり、帯電性の劣化が激しく、
濃度低下などの画質低下が発生した。これは、個々の現
像剤が満遍なく摺擦されないため、正規化されない現像
剤が帯電部材上に残留し、複数回の摺擦を受けるため
に、結果として現像剤自体の劣化が生じた物と考えられ
る。
【0341】また、現像剤担持体上への、現像剤のコー
ト量制御が困難であったり、現像手段中での摩擦機構に
よる帯電付与が不十分であったりするため、現像特性が
低下する場合があった。他にも感光体と現像剤の接着性
や、現像剤同士の接着性が強く、転写性が低下したりす
る場合があった。
【0342】一方、凝集度が30%未満の現像剤を使用
した場合には、回収性・黒帯後のかぶりは良好であった
が、帯電部材と感光体の相対速度差比が大きい時など、
吐き出し現像剤が感光体表面から離れ、いわゆる飛び散
り状のかぶり等が発生する場合があった。また、凝集度
が低く、流動性が過剰な為に、現像剤担持体上への、現
像剤のコート量制御が困難になったり、現像手段中での
摩擦機構による帯電付与が不十分になったりするため、
現像特性が低下する場合があった。凝集度が高すぎる場
合、低すぎる場合ともに、特にプロセススピード高速側
で上記の現象が発生し易い傾向にあった。
【0343】また、この状態で、接触現像方式にして耐
久を行った結果、現像器中に極性が反転した現像剤が混
入し、現像性の低下や反転現像剤によるかぶりなどの画
質の劣化が見られた。
【0344】
【発明の効果】本発明によれば、炭素原子及びケイ素原
子を少なくとも含有する非晶質の表面層を有する感光体
と、この感光体に接触して設けられる帯電部材と、凝集
度が35%以上70%以下であって、結着樹脂及び着色
剤を少なくとも含有し、前記感光体の帯電極性と同極性
の帯電極性を示すトナー粒子を有する現像剤を用いるク
リーナーレスの画像形成であって、表面層中のケイ素原
子含有量と、帯電部材の電位と感光体の表面電位との差
である帯電電位差とから規定される数値(Z)を規定す
ることにより、現像手段での、吐き出し現像剤の回収性
が格段に向上すると共に、元来現像装置内にある現像剤
への悪影響を防止し、高画質な画像を長期にわたり安定
して供給することができた。また、帯電部材への現像剤
の大量混入が抑制された。
【0345】また、本発明によれば、現像剤自体につい
ても、正規の極性に効率よく戻され、現像手段に回収さ
れる為に、感光体や帯電部材等との摺擦を受ける回数が
減少すること等により、現像手段内外での現像剤の劣化
が抑止され、メンテナンスフリーについても同様に効果
が得られた。
【0346】また、本発明によれば、凝集度が制御され
た現像剤とZの値が制御された組み合わせを使用するこ
とにより、帯電工程における現像剤の滞留が抑制され、
帯電工程における現像剤の絶対量が少ないこと、或いは
帯電工程中で現像剤が流動し、現像剤が局所的に存在す
ることが実質的に解消されることにより帯電均一性が向
上し、これにより、特に高速系での帯電不良ムラ、いわ
ゆる「掃きムラ」を抑制することができる。
【0347】また、本発明によれば、吐き出し現像剤が
正規の帯電極性にあり、トリボを持った状態で現像スリ
ーブに供給されることにより、局所的なトリボの変動や
スリーブコート量の変動が抑制され、このことにより、
現像の履歴が現像スリーブ上に残留し、次のスリーブ周
回で画像均一性が低下する、いわゆるスリーブゴースト
が低減できた。
【0348】また本発明では、Zの値が−30以下であ
ると、現像手段中の現像剤と転写残トナーとの摩擦帯電
量の均一化を図る上でより効果的であり、−40以下で
あるとより一層効果的である。また本発明では、Zの値
が−300以上であると、良好な画像を長期にわたり安
定して形成する上でより一層効果的である。
【0349】また、本発明では、Yの値が1,000以
上であると、転写残トナーの正規化を十分に行う上でよ
り一層効果的であり、Yの値が200,000以下であ
ると、感光体の高い耐久性を維持する上でより一層効果
的である。
【0350】また、本発明では、現像剤の着色剤が磁性
粉体であると、現像手段からの現像剤の漏れを防止し、
かつ転写残トナーの回収性を高める上でより一層効果的
である。
【0351】また、本発明では、現像剤の凝集度が60
%以下であると、転写残トナーの正規化を十分にしつ
つ、優れた現像特性や定着特性等を実現する上でより一
層効果的である。
【0352】また、本発明では、現像剤の平均円形度が
0.950以上0.995以下であると、現像剤の凝集
性を低減し、かつ優れた現像特性や帯電特性等を実現す
る上でより効果的であり、現像剤のモード円形度が0.
99以上であると、より一層効果的である。
【0353】また、本発明では、帯電部材は、前記感光
体に対してカウンター駆動すると、感光体の良好な帯電
を実現する上でより一層効果的である。
【0354】また、本発明では、複数の帯電部材を用
い、これらの帯電部材のうち少なくとも一つを感光体に
対して順方向駆動させると、転写残トナーの回収性及び
帯電均一性に優れ、かつ感光体の優れた耐久性を維持す
る上でより一層効果的である。
【0355】また、本発明では、帯電部材に印加される
電圧は、交流電圧が重畳されたものであると、感光体の
良好な帯電を実現する上でより一層効果的である。
【0356】また、本発明では、帯電部材には、芯金
と、この芯金に支持される中抵抗の弾性部材とを有する
帯電部材を用いると、感光体の良好な帯電を実現する上
でより一層効果的である。
【0357】また、本発明では、79.6kA/mにお
ける飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以
下である現像剤を用いると、現像剤の磁気凝集を適正な
範囲に制御し、かつ現像特性を確保する上でより一層効
果的である。
【0358】また、本発明では、現像剤の摩擦帯電量が
−15μC/g以上−3μC/g以下であると、現像特
性を良好に保つ上でより一層効果的である。
【0359】また、本発明では、現像剤のトナー粒子に
おける結着樹脂は、スチレン、アクリル酸及びそのエス
テル、及びポリエステルのうち、少なくとも一種以上を
主原料とする樹脂であると、現像剤の優れた現像特性、
定着特性、及び耐久性を実現する上でより一層効果的で
ある。
【0360】また、本発明では、現像剤のトナー粒子
は、表面に金属酸化物粒子を有すると、感光体と帯電部
材との接触部位に導電性微粒子を安定して供給する上で
より一層効果的である。
【0361】また、本発明では、導電性微粒子の体積抵
抗が109Ωcm以下であると、感光体の帯電を促進す
る上でより一層効果的である。
【0362】また、本発明では、導電性微粒子には、少
なくともその表面に金属酸化物を有する導電性微粒子を
用いると、導電性微粒子の抵抗を調整し、あるいは現像
剤の帯電極性を制御する上でより一層効果的である。
【0363】また、本発明では、現像部位に露光を照射
するIAE(Image AreaExplosur
e)方式で静電潜像を形成すると、反転現像を実現する
上でより一層効果的である。
【0364】また、本発明では、非接触現像で静電潜像
を現像すると、感光体や現像剤の良好な耐久性を実現し
つつ高画質の画像を形成する上でより一層効果的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるV1及びV2を測定する測定装
置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【図3】本発明に用いられる帯電部材の一例を示す概略
図である。
【図4】本発明に用いられる帯電部材の他の例を示す概
略図である。
【図5】本発明に用いられる感光体と現像手段の一例を
示す概略図である。
【図6】本発明に用いられる導電性微粒子の体積抵抗を
測定する測定装置を示す概略図である。
【図7】本発明に用いられる感光体の層構造の一例を示
す図である。
【図8】本発明に用いられる感光体の層構造の他の例を
示す図である。
【図9】本発明に用いられる感光体の層構造の他の例を
示す図である。
【図10】本発明に用いられる感光体の層構造の他の例
を示す図である。
【図11】本発明に用いられる感光体の層構造の他の例
を示す図である。
【図12】本発明に用いられる感光体の層構造の他の例
を示す図である。
【図13】本発明に用いられる感光体を製造する製造装
置の一例を示す概略図である。
【図14】本発明に用いられる感光体を製造する製造装
置の他の例を示す概略図である。
【図15】二つの要素間における帯電系列を説明するた
めの図である。
【図16】別の二つの要素間における帯電系列を説明す
るための図である。
【図17】三つの要素間における帯電系列を説明するた
めの図である。
【図18】特定の要素の帯電性が変化したときの三つの
要素間における帯電系列を説明するための図である。
【図19】帯電部材と感光体とがカウンター駆動すると
きの転写残現像剤の軌跡を示す図である。
【図20】帯電部材と感光体とが順方向駆動するときの
転写残現像剤の軌跡を示す図である。
【図21】帯電部材の駆動条件と評価結果との相関を示
す図である。
【図22】表面層処方におけるSiH4の混合比と表面
層のSi含有量との相関を示す図である。
【図23】二つの帯電部材を有する構成を示す概略図で
ある。
【図24】導電性微粒子に対する現像剤混入量と帯電電
位変動との相関を示す図である。
【符号の説明】
101 微粒子容器 42、102、202、600 感光体 103、201、301(a)、301(b) 帯電部
材 104 除電光 105 表面観察手段 106、107 電位検出手段 108 除去部材 109、208 除電手段 110 電源 111 コート制御手段 112 感光体表面温度測定手段 a 帯電部材の駆動方向 b 感光体の駆動方向 201a 上流側帯電部材 201b 下流側帯電部材 203 画像信号付与手段 204 現像手段 205 給紙経路 206(a) 転写手段 206(b) 分離手段 207 搬送系 209 内部電位センサ 210 定着手段 211 加熱ローラ 212 加圧ローラ 213 原稿 214 原稿台 215 光源 216 スキャナ 217 潜像光源 218 ミラー 219 給紙系 220 レジスタローラ 301(a)−1 導電性微粒子 301(a)−2 弾性部材 301(a)−3 芯金 301(b)−1 磁性粒子 301(b)−2 支持部材 41 現像スリーブ e 現像剤の移動(ジャンピング)方向 A セル d 試料の厚さ 1、2 電極 3 ガイドリング(円筒) 4 電流計 5 電圧計 6 電源 7 粉体試料 8 保持具 601、3112、4112 導電性基体 602 感光層 603 光導電層 604 表面層 605 下部電荷注入阻止層 605’ 上部電荷注入阻止層 606 自由表面 607 電荷発生層 608 電荷輸送層 3100、4100 堆積装置 3111、4111 反応容器 3113、4113 基体加熱用ヒータ 3114 原料ガス導入管 3115 高周波マッチングボックス 3160 バルブ 3200 原料ガス供給装置 3211〜3216 マスフローコントローラ 3221〜3226 原料ガスボンベ 3231〜3236 原料ガスボンベバルブ 3241〜3246 ガス流入バルブ 3251〜3256 ガス流出バルブ 3261〜3266 圧力調整器 4114 電極及び原料ガス導入管 4120 基体回転用モーター 4121 排気管 4130 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/097 G03G 15/08 507B 15/08 507 507L 21/00 9/08 101 21/10 301 346 325 331 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA08 AA15 CA04 CA08 CB07 CB08 CB12 DA02 EA01 EA02 2H068 DA05 2H077 AC16 AD36 BA07 EA16 GA00 GA17 2H134 GA01 GB02 HF13 JA05 JA11 KG01 KG03 KG07 KG08 KH01 KH06 KH16 2H200 FA07 FA12 GA18 GA23 GA35 GA46 GA54 GB14 GB37 HA03 HA21 HA29 HA30 HB12 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 LC02 MA03 MA14 MA20 MB06 MC02 MC06 MC14 MC15 PA03 PB04 PB05

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体に接触して設けられる帯電部材に
    電圧を印加して感光体を帯電させる工程と、 前記工程によって帯電している感光体に静電潜像を形成
    する工程と、 現像剤担持体に担持されている現像剤を前記工程によっ
    て静電潜像が形成されている感光体に供給して静電潜像
    を現像する工程と、 前記工程によって形成された感光体上の現像剤像を転写
    材に転写する工程と、 転写後に感光体上に残留する現像剤を、前記帯電部材と
    感光体との接触部位を通過させた後に感光体から前記現
    像剤担持体に回収する工程と、を含む画像形成方法にお
    いて、 前記帯電させる工程では、前記感光体に、炭素原子及び
    ケイ素原子を少なくとも含有する非晶質の表面層を有す
    る感光体を用い、前記帯電部材と感光体とを導電性微粒
    子を介して接触させ、かつ感光体に対して相対速度差を
    有して帯電部材を駆動させ、 前記現像する工程では、前記現像剤に、凝集度が35%
    以上70%以下であって、結着樹脂及び着色剤を少なく
    とも含有し、前記感光体の帯電極性と同極性の帯電極性
    を示すトナー粒子を有する現像剤を用い、 下式(1)で求められる感光体表面層中のケイ素原子の
    含有量をYとし、下式(2)で求められる帯電電位差を
    ΔVとしたときに、下式(3)で求められる値であるZ
    が−20以下であることを特徴とする画像形成方法。 【数1】 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1) 【数2】ΔV=V2−V1 (2) (ただしV1は帯電部材の電位であり、V2は帯電した
    感光体の表面電位である。) 【数3】Z=ln(Y)×ΔV (3)
  2. 【請求項2】 前記Zの値が−30以下であることを特
    徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記Zの値が−40以下であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記Zの値が−300以上であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形
    成方法。
  5. 【請求項5】 前記Yの値が1,000以上であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
  6. 【請求項6】 前記Yの値が200,000以下である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記現像剤の着色剤が磁性粉体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画
    像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記現像剤の凝集度が60%以下である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記現像剤の平均円形度が0.950以
    上0.995以下であることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記現像剤のモード円形度が0.99
    以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成
    方法。
  11. 【請求項11】 前記帯電部材は、前記感光体に対して
    カウンター駆動することを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 複数の前記帯電部材を用い、これらの
    帯電部材のうち少なくとも一つを前記感光体に対して順
    方向駆動させることを特徴とする請求項1〜11のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記帯電部材に印加される電圧は、交
    流電圧が重畳されたものであることを特徴とする請求項
    1〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記帯電部材には、芯金と、この芯金
    に支持される中抵抗の弾性部材とを有する帯電部材を用
    いることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に
    記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 前記現像剤の79.6kA/mにおけ
    る飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以下
    であることを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記現像剤の摩擦帯電量が−15μC
    /g以上−3μC/g以下であることを特徴とする請求
    項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記現像剤のトナー粒子における結着
    樹脂は、スチレン、アクリル酸及びそのエステル、及び
    ポリエステルのうち、少なくとも一種以上を主原料とす
    る樹脂であることを特徴とする請求項1〜16のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記現像剤のトナー粒子は、表面に金
    属酸化物粒子を有することを特徴とする請求項1〜17
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 前記導電性微粒子の体積抵抗が109
    Ωcm以下であることを特徴とする請求項1〜18のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記導電性微粒子には、少なくともそ
    の表面に金属酸化物を有する導電性微粒子を用いること
    を特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の画
    像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記静電潜像を形成する工程は、現像
    部位に露光を照射するIAE(Image Area
    Explosure)方式であることを特徴とする請求
    項1〜20のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 前記現像する工程は、非接触現像であ
    ることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に
    記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 感光体と、 この感光体に接触して設けられ感光体に接触した状態で
    感光体に対して相対的かつ自在に駆動する帯電部材を少
    なくとも有し、帯電部材に所定の電圧を印加して感光体
    を帯電させる帯電手段と、 帯電した感光体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段
    と、 現像剤を担持する現像剤担持体を少なくとも有し、現像
    剤担持体が担持する現像剤を前記静電潜像が形成されて
    いる感光体に供給して静電潜像を現像する現像手段と、 現像によって形成された感光体上の現像剤像を転写材に
    転写させる転写手段と、を有し、 前記現像手段は、転写後に前記感光体上に残留し、前記
    帯電部材と感光体との接触部位を通過した転写残現像剤
    を感光体から前記現像剤担持体に回収する現像兼回収手
    段である画像形成装置において、 前記感光体は、炭素原子及びケイ素原子を少なくとも含
    有する非晶質の表面層を有し、 前記帯電部材は、表面に導電性微粒子を有し、導電性微
    粒子を介して前記感光体に接触し、 前記現像剤は、凝集度が35%以上70%以下であり、
    結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、前記感光体の
    帯電極性と同極性の帯電極性を示すトナー粒子を有し、 下式(1)で求められる感光体表面層中のケイ素原子の
    含有量をYとし、下式(2)で求められる帯電電位差を
    ΔVとしたときに、下式(3)で求められる値であるZ
    が−20以下であることを特徴とする画像形成装置。 【数4】 Y[ppm]=(Si原子数)/(C原子数+Si原子数)×106 (1) 【数5】ΔV=V2−V1 (2) (ただしV1は帯電部材の電位であり、V2は帯電した
    感光体の表面電位である。) 【数6】Z=ln(Y)×ΔV (3)
  24. 【請求項24】 前記導電性微粒子は、少なくともその
    表面に金属酸化物を有することを特徴とする請求項23
    記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記Zの値が−30以下であることを
    特徴とする請求項23又は24に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記Zの値が−40以下であることを
    特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載の画
    像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記Zの値が−300以上であること
    を特徴とする請求項23〜26のいずれか一項に記載の
    画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記Yの値が1,000以上であるこ
    とを特徴とする請求項23〜27のいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記Yの値が200,000以下であ
    ることを特徴とする請求項23〜28のいずれか一項に
    記載の画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記現像剤の着色剤が磁性粉体である
    ことを特徴とする請求項23〜29のいずれか一項に記
    載の画像形成装置。
  31. 【請求項31】 前記現像剤の凝集度が60%以下であ
    ることを特徴とする請求項23〜30のいずれか一項に
    記載の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 前記現像剤の平均円形度が0.950
    以上0.995以下であることを特徴とする請求項23
    〜31のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  33. 【請求項33】 前記現像剤のモード円形度が0.99
    以上であることを特徴とする請求項32に記載の画像形
    成装置。
  34. 【請求項34】 前記帯電部材は、前記感光体に対して
    カウンタ−駆動することを特徴とする請求項23〜33
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 前記帯電部材は、少なくとも芯金と、
    この芯金上に支持される中抵抗の弾性部材とを有するこ
    とを特徴とする請求項23〜34のいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記帯電部材を複数有し、これらの帯
    電部材のうち少なくとも一つは、前記感光体に対して順
    方向駆動することを特徴とする請求項23〜35のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  37. 【請求項37】 前記帯電部材は、交流電圧を重畳可能
    な電源によって電圧を印加されることを特徴とする請求
    項23〜36のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  38. 【請求項38】 前記現像剤の79.6kA/mにおけ
    る飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以下
    であることを特徴とする請求項30〜37のいずれか一
    項に記載の画像形成装置。
  39. 【請求項39】 前記現像剤の摩擦帯電量が−15μC
    /g以上−3μC/g以下であることを特徴とする請求
    項23〜38のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  40. 【請求項40】 前記現像剤のトナー粒子における結着
    樹脂は、スチレン、アクリル酸及びそのエステル、及び
    ポリエステルのうち、少なくとも一種以上を主原料とす
    る樹脂であることを特徴とする請求項23〜39のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  41. 【請求項41】 前記現像剤のトナー粒子は、表面に金
    属酸化物を有することを特徴とする請求項23〜40の
    いずれか一項に記載の画像形成装置。
  42. 【請求項42】 前記導電性微粒子の体積抵抗が、10
    9Ωcm以下であることを特徴とする請求項23〜41
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  43. 【請求項43】 前記静電潜像形成手段は、現像部位に
    露光を照射する手段であることを特徴とする請求項23
    〜42のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  44. 【請求項44】 前記現像手段は、前記現像剤担持体が
    前記感光体に対して非接触に設けられる非接触現像手段
    であることを特徴とする請求項23〜43のいずれか一
    項に記載の画像形成装置。
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