JP2002365675A - 光学部材および表示装置 - Google Patents

光学部材および表示装置

Info

Publication number
JP2002365675A
JP2002365675A JP2001168167A JP2001168167A JP2002365675A JP 2002365675 A JP2002365675 A JP 2002365675A JP 2001168167 A JP2001168167 A JP 2001168167A JP 2001168167 A JP2001168167 A JP 2001168167A JP 2002365675 A JP2002365675 A JP 2002365675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
artificial light
light source
optical element
doe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001168167A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Iwakura
靖 岩倉
Yasuo Toko
康夫 都甲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2001168167A priority Critical patent/JP2002365675A/ja
Publication of JP2002365675A publication Critical patent/JP2002365675A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 人工光源からの出射光の光学的特性を、単機
能の光学素子を1種のみ用いて所望の特性に変換するこ
とは困難な場合が多く、単機能の光学素子を複数種用い
た場合には、変換のための光学系が複雑化する場合が多
い。 【解決手段】 1または複数の人工光源1からの出射光
を回折光学素子7に照射し、この回折光学素子によって
所望の光学的特性に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視領域または非
可視領域の波長の光を出射することができる光学部材、
および、この光学部材を用いた表示装置に関する。
【0002】本明細書においては、可視領域の波長の電
磁波を「光」と呼ぶ他、非可視領域の波長の電磁波も
「光」と呼ぶものとする。
【0003】また、本明細書でいう「光学部材」は、
(i) 可視領域または非可視領域の波長の電磁波を出射す
る人工光源と、光束制御用素子とを有する装置、およ
び、(ii)可視光領域の電磁波を出射して、ヒトの視覚認
識を支援するか、または、ヒトに視覚刺激を与える装置
を意味する。
【0004】
【従来の技術】表示装置の画素、光プリンタヘッド、光
ピックアップ、カメラ用測距センサ、照明装置等の種々
の機器において、発光ダイオード、有機発光ダイオード
(有機エレクトロルミネッセンス素子)、蛍光ランプ、
半導体レーザ等の人工光源が利用されている。
【0005】人工光源から出射される光の光学的特性、
例えば指向性、偏光特性、波長分布、強度分布等は、そ
の人工光源の種類によって、ほぼ決まっている。
【0006】その一方で、人工光源を利用した機器に要
求される出射光の光学的特性は、必ずしも、人工光源か
ら出射される光の光学的特性と一致しない。人工光源か
ら出射された光の光学的特性は、必要に応じて、所望の
光学的特性に変換される。
【0007】光の光学的特性を所望の特性に変換しよう
とする場合には、一般に、光学レンズ、プリズム、ミラ
ー、偏光子、光学フィルタ、波長板等の単機能の光学素
子が1種または複数種用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】例えば、単機能の光学
素子を1個のみ用いて、人工光源から出射された光につ
いての複数の光学的特性を所望の特性に変換すること
は、困難な場合が多い。単機能の光学素子を複数種用い
ることにより、一般に、複数の光学的特性を所望の特性
に変換することが可能である。しかしながら、変換のた
めの光学系が複雑化する場合が多い。
【0009】本発明の目的は、所望の光学的特性を有す
る出射光を得ることが容易な光学部材を提供することで
ある。
【0010】本発明の他の目的は、画素からの出射光の
光学的特性を所望の特性に調節し易い表示装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、可視領域または非可視領域の波長の出射光を発する
1または複数の人工光源と、前記人工光源からの出射光
が照射される回折光学素子とを有する光学部材が提供さ
れる。
【0012】本発明の他の観点によれば、可視領域また
は非可視領域の波長の出射光を発する1または複数の人
工光源と、前記人工光源の1個に1つずつ配置されて、
対応する人工光源からの出射光の照射によって一次回折
光を生成する回折光学素子とを有する光学部材が提供さ
れる。
【0013】本発明の更に他の観点によれば、マトリッ
クス状に配置された多数個の画素であって、各々が、可
視領域の波長の出射光を発する1または複数の人工光源
と、該人工光源からの出射光が照射される回折光学素子
とを含む多数個の画素と、前記画素の各々へ前記人工光
源の動作を制御する信号を供給する駆動回路と、前記駆
動回路の動作を制御する制御部とを有する表示装置が提
供される。
【0014】本発明の更に他の観点によれば、マトリッ
クス状に配置された多数個の画素であって、各々が、可
視領域の波長の出射光を発する1または複数の人工光源
と、前記人工光源の1個に1つずつ配置されて、対応す
る人工光源からの出射光の照射によって一次回折光を生
成する回折光学素子とを含む多数個の画素と、前記画素
の各々へ前記人工光源の動作を制御する信号を供給する
駆動回路と、前記駆動回路の動作を制御する制御部とを
有する表示装置が提供される。
【0015】回折光学素子(以下、「DOE」と略記す
る。)は、入射した光の複数の光学的特性、例えば指向
性、偏光特性、波長分布、強度分布等を一度に変換する
ことが可能な素子である。DOEの機能は、その製作条
件または形状を適宜選定することにより、容易に制御す
ることができる。
【0016】したがって、人工光源と、この人工光源か
らの出射光の光学的特性を所望の特性に変換するDOE
とを用いて光学部材を構成することにより、出射光の光
学的特性が所望の特性に制御された光学部材を容易に得
ることができる。
【0017】また、上記の光学部材を画素として用いる
ことにより、画素からの出射光の光学的特性が所望の特
性に調節された表示装置を容易に得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1(A)は、第1の実施例によ
る光学部材を概略的に示す。同図に示す光学部材10
は、発光主波長が514±10nmの発光ダイオード1
と、この発光ダイオード1における樹脂製封入層1aの
周囲に形成された被覆層5と、被覆層5の一面に固着さ
れたDOE7とを有する。
【0019】被覆層5は、例えば樹脂製封入層1aの屈
折率とほぼ同じ透明材料、例えば透明樹脂によって形成
される。この被覆層5は、発光ダイオード1の前方に、
発光ダイオード1の光軸OAに対して傾いて形成された
1つの平面5aを有する。
【0020】DOE7は、面内方向および/または厚さ
方向で屈折率、誘電率、光透過率もしくは光反射率が変
化した変調構造、または所定の表面形状を有し、回折素
子としての機能を有する。このDOE7は例えばフィル
ム状を呈し、図示を省略した接着剤によって平面5a上
に固着される。
【0021】発光ダイオード1中の発光素子(図示せ
ず。)から出射された光L1 は、樹脂製封入層1aおよ
び被覆層5を透過し、DOE7に入射する。DOE7に
入射した光L1 のうち、所定波長域の光の多くは、DO
E7が有する変調構造または表面形状によって回折し、
一次回折光DL1 となってDOE7から出射する。
【0022】一次回折光DL1 の指向性、波長分布およ
び強度分布は、発光ダイオード1から出射された光L1
の指向性、波長分布または強度分布と異なる。DOE7
は、発光ダイオード1から出射した光L1 の照射を受け
て、所望の光学的特性を有する一次回折光DL1 を生成
する。図示の例では、光L1 は発散光線束であり、一次
回折光DL1 はほぼ平行な光線束である。
【0023】DOE7が面内方向および/または厚さ方
向で屈折率、誘電率、光透過率、もしくは光反射率が変
化した変調構造を有する場合、このようなDOEは、例
えば二光束干渉法によって製作することができる。この
とき、DOEの材料としては、フォトリフラクティブ材
料を用いることができる。
【0024】フォトリフラクティブ材料の具体例として
は、例えば、BaTiO3 やLiNbO3 等の強誘電
体、Bi12SiO20、Bi12GeO20およびBi12Ti
20等の常誘電体、GaAs、InPおよびGaP等の
化合物半導体、ポリビニルカルバゾール等の有機高分子
が挙げられる。
【0025】DOE7が面内方向および/または厚さ方
向で光透過率や光反射率が変化した変調構造を有する場
合、このようなDOEは、例えば、所望の光波の複素振
幅分布を電子計算機で計算し、その結果をコード化して
印刷したものを写真撮影することによっても製作するこ
とができる。
【0026】DOE7が、回折作用を発現させる所定の
表面形状を有する場合、このようなDOEは、例えば二
光束干渉と現像処理とを組み合わせた方法や、金型圧
着、射出成形、切削(例えばダイヤモンドヘッド、レー
ザ、電子ビーム)等の方法によって得ることができる。
また、所定の微細パターンに成形されたマスクを用いて
所望材料をエッチングすることによっても得ることがで
きる。前記のマスクは、例えば、電磁波(ミリ波、マイ
クロ波、可視光、紫外線、X線等)、電子線、もしくは
原子線とマスキングとを用いたリソグラフィによって、
例えば紫外線とレクチルとを用いたリソグラフィによっ
て、レジスト材料を露光し、その後にレジスト材料を現
像することによって作製することができる。
【0027】回折作用を発現させる所定の表面形状を有
するDOEを、二光束干渉と現像処理とを組み合わせた
方法によって製作する場合、DOEの材料としては、互
いに干渉させる二つの光束の波長等に応じて、フォトポ
リマー、銀塩乳剤、サーモプラスチック等を用いること
ができる。
【0028】回折作用を発現させる所定の表面形状を有
するDOEを、金型圧着、射出成形、切削、あるいはエ
ッチングによって製作する場合、このDOEの材料とし
ては、有機もしくは無機高分子、ゲル、ガラス、有機も
しくは無機結晶体、または金属等のバルクもしくは薄膜
(複数の薄膜の積層体を含む。)を用いることができ
る。また、有機材料と無機材料とを組み合わせたハイブ
リッド材料を用いることもできる。
【0029】図1(B)は、回折作用を発現させる所定
の表面形状を有するDOEの一例を概略的に示す。図示
のDOE7aは、二光束干渉と現像処理とを組み合わせ
た方法によって製作されたものであり、その一表面は、
二つの光束の干渉に起因する所定の幾何学形状(波形)
を呈する。
【0030】図1(C)は、回折作用を発現させる所定
の表面形状を有するDOEの他の例を概略的に示す。図
示のDOE7bは、金型圧着、射出成形、切削、あるい
はエッチングによって製作することができ、その一表面
は、所定の幾何学形状(段差形状)を呈する。
【0031】DOEの製作条件または表面形状を適宜選
定することにより、得られるDOEの機能を容易に制御
することができる。
【0032】図2は、図1に示したDOE7を二光束干
渉法によって製作する際の光学系の一例を概略的に示
す。
【0033】同図に示す光学系100では、レーザ発振
器102から発振されたレーザ光LBがビームスプリッ
ター(ハーフミラー)104によって2つの光線束LB
1、LB2に分割される。レーザ光LBは、図1(A)
に示した発光ダイオード1の発光主波長と同一の波長、
または発光ダイオード1の発光主波長近傍(例えば±1
0nm以内の波長差)の波長を有し、その値は例えば5
14nmである。
【0034】光線束LB1は、反射鏡106によって反
射された後に、遮光部材108に形成されている直径1
0μmのピンホール(図示せず。)を通過して発散光線
束LB1aとなり、感光性材料115の1つの主面11
5aに入射する。
【0035】一方、光線束LB2は発散レンズ110に
よって発散光線束LB2aに変換された後、凹面鏡11
2で反射されてほぼ平行な光線束LB2bとなって、感
光性材料115の1つの主面115aに入射する。発散
レンズ110と凹面鏡112とは、ビームエキスパンダ
を構成する。
【0036】感光性材料115は、例えばOmnide
x(デュポン社製のフォトポリマー材料の商品名)によ
って形成された膜厚5〜20μm程度のフィルムであ
る。
【0037】感光材料115としてOmnidexを用
いる場合、レーザ発振器102から発振されるレーザ光
LBの波長は、目的とする光学部材で使用する人工光源
の発光主波長もしくは発振波長、または人工光源から出
射される輝線の波長の例えば±10nmの範囲内とする
ことが好ましい。
【0038】感光性材料115に入射した光線束LB1
aとLB2bとは互いに干渉し、その干渉縞が感光性材
料115に記録される。
【0039】感光性材料115の主面115aへの発散
光線束LB1aの入射条件は、媒質の屈折率を除き、図
1(A)に示した光学部材10での光L1 のDOE7へ
の入射条件と同じにするか、近似させることが好まし
い。主面115aへの光線束LB2bの入射角θが、実
質的に、図1(A)に示したDOE7からの一次回折光
DL1 の出射角となる。主面115a上での光線束LB
1aおよびLB2bの単位面積当たりの光強度比は、概
ね(前者):(後者)=2:1〜10:1の範囲内とす
ることが好ましい。
【0040】この後、感光性材料115に現像処理を施
し、さらに上記の干渉縞を定着させることにより、DO
E7を得ることができる。必要に応じて、DOE7から
の一次回折光の出射方向がDOE7を目視しただけで判
るように、あるいは、光学的に検知できるように、所望
の位置にマークを付すことができる。
【0041】このようにして得られたDOE7では、光
線束LB1aと同じ波長を有する光が、感光材料115
への光線束LB1aの入射条件と同じ入射条件で入射し
たとき、最も強い回折作用が発現する。この回折作用に
より、DOE7製作時の光線束LB2bと同じか、また
は同様の光学的特性を有する一次回折光DL1 が生成さ
れる。
【0042】上記の回折作用は、光線束LB1aの波長
近傍の波長域の光に対しても発現して、一次回折光DL
1 を生成させる。一次回折光DL1 のピーク強度の半値
幅は、光線束LB1aの波長をピーク波長として、概ね
20nmである。ただし、DOE7の回折作用によって
一次回折光DL1 を得るためには、DOE7への光の入
射条件を、DOE7製作時における主面115aへの光
線束LB1aの入射条件と同じにするか、この入射条件
に近い条件とすることが好ましい。
【0043】次に、第2の実施例による光学部材につい
て説明する。
【0044】図3は、第2の実施例による光学部材20
を概略的に示す。同図に示す光学部材20は、複数の発
光主波長を有する超小型蛍光ランプ11と、反射器12
と、遮光部材13と、被覆層15と、DOE17とを有
する。
【0045】反射器12はU字状の断面形状を有し、そ
の全体形状は例えばパラボラ状である。この反射器12
は、超小型蛍光ランプ11の背面側から前方に突出し
て、超小型蛍光ランプ11からの発光を前方へ反射す
る。
【0046】遮光部材13は、その中央部に直径100
μmのピンホール13aを有し、超小型蛍光ランプ11
の前方において反射器12に固着される。
【0047】被覆層15は、超小型蛍光ランプ11の光
軸にほぼ垂直な1つの側面を有し、この側面に遮光部材
13が固着される。被覆層15は、さらに、遮光部材1
3の反対側に超小型蛍光ランプ11の光軸に対して傾い
て形成された1つの側面を有し、ここにDOE17が固
着される。この被覆層15は、例えば図1に示した被覆
層5と同様の透明材料によって形成される。
【0048】DOE17は、図1に示したDOE7と同
様にフィルム状を呈し、DOE7と同様の機能を有す
る。
【0049】超小型蛍光ランプ11から出射して直接、
または反射器12で反射した後にピンホール13aを透
過した光L11は、点光源からの光同様となり、被覆層1
5を透過してDOE17に入射する。反射器12は、ピ
ンホール13aを透過する光量、換言すれば、DOE1
7に入射する光量を増大させる。
【0050】DOE17に入射した光L11のうち、所定
波長域の光の多くは、DOE17が有する変調構造また
は表面形状によって回折し、一次回折光DL11となって
DOE17から出射する。
【0051】次に、第2の実施例による光学部材20の
変形例について説明する。
【0052】図4は、光学部材20の変形例を概略的に
示す。同図に示す光学部材30は、図3に示した光学部
材20における配置と同様に配置された超小型蛍光ラン
プ11、反射器12、ピンホール13aを有する遮光部
材13、一側面に遮光部材13が固着された被覆層、お
よびDOE17を備える。
【0053】ただし、光学部材20において遮光部材1
3が固着されている被覆層の形状は、図3に示した光学
部材20における被覆層15の形状と若干異なる。以
下、遮光部材13が固着されている被覆層を「第1被覆
層15a」という。第1被覆層15aは、直方体状に成
形されている。
【0054】光学部材30は、さらに、遮光部材13と
互いに対向するようにして第1被覆層15aの一面に固
着されたバンドパスフィルタ21と、バンドパスフィル
タ21の外側面に固着された第2被覆層22と、DOE
17の前面に固着された光シャッタ23とを備える。
【0055】バンドパスフィルタ21は例えば液晶素子
によって構成され、ピンホール13aを透過した光L11
のうちの緑色の輝線を選択的に透過させる。
【0056】第2被覆層22は、超小型蛍光ランプ11
の光軸にほぼ垂直な1つの側面を有し、この側面にバン
ドパスフィルタ21が固着される。第2被覆層22は、
さらに、バンドパスフィルタ21の反対側に超小型蛍光
ランプ11の光軸に対して傾いて形成された1つの側面
を有し、ここにDOE17が固着される。この第2被覆
層22は、例えば第1被覆層15と同様の透明材料によ
って形成される。
【0057】光シャッタ23は、例えば液晶素子によっ
て構成される。この光シャッタ23が開のとき、DOE
17から出射した光は光シャッタ23を透過する。光シ
ャッタ23が閉のとき、DOE17から出射した光は、
この光シャッタ23によって遮断される。
【0058】超小型蛍光ランプ11から出射して直接、
または反射器12で反射した後にピンホール13aを透
過した光L11は、第1被覆層15を透過してバンドパス
フィルタ21に入射する。バンドパスフィルタ21に入
射した光L11のうち、緑色の輝線はバンドパスフィルタ
21を透過し、さらに第2被覆層22を透過して、DO
E17に入射する。緑色の輝線以外の光は、バンドパス
フィルタ21によって反射または吸収される。
【0059】DOE17に入射した緑色光は、DOE1
7が有する変調構造または表面形状によって一次回折光
DL11a となり、DOE17から出射して光シャッタ2
3に入射する。
【0060】光シャッタ23が開のとき、一次回折光D
11a は光シャッタ23を透過し、光シャッタ23が閉
のときにはこの光シャッタ23によって遮断される。バ
ンドパスフィルタ21および光シャッタ23を共に液晶
素子で構成した場合には、バンドパスフィルタ21の動
作と光シャッタ23の動作とを時間的に同期させて制御
することにより、所望の時期に光学部材30から一次回
折光DL11a を出射させることができる。
【0061】次に、第3の実施例による光学部材につい
て説明する。
【0062】図5は、第3の実施例による光学部材40
を概略的に示す。同図に示す光学部材40は、発光主波
長が514±10nmの第1発光ダイオード31と、発
光主波長が488±10nmの第2発光ダイオード32
と、これら第1〜第2発光ダイオード31、32におけ
る樹脂製封入層31a、32aの周囲に形成された被覆
層35と、被覆層35の一面に固着された第1DOE3
7と、第1DOE37上に固着された第2DOE38と
を有する。
【0063】第1発光ダイオード31と第2発光ダイオ
ード32とは、互いの光軸が交わるようにして、被覆層
35によって一体化される。
【0064】被覆層35は、図1に示した被覆層5と同
様の透明材料によって形成され、第1〜第2発光ダイオ
ード31、32の前方に1つの平面35aを有する。
【0065】第1DOE37は、図1に示したDOE7
と同様にフィルム状を呈し、DOE7と同様の機能を有
する。この第1DOE37は、被覆層35の1つの側面
35aに固着され、第1発光ダイオード31から出射さ
れた光L31の照射を受けて一次回折光DL31を生成す
る。
【0066】第2DOE38は、図1に示したDOE7
と同様にフィルム状を呈し、第1DOE38と同様に発
散光線束をほぼ平行な光線束に変換する機能を有する。
ただし、第2DOE38の回折作用が最も強く発現する
波長は488nmである。この第2DOE38は、第2
発光ダイオード32から出射された光L32の照射を受け
て、一次回折光DL32を生成する。
【0067】第2DOE38は、例えば、発振波長が4
88nmのレーザ発振器を用いる以外は図2に示した光
学系100と同様の構成の光学系を用いて製作すること
ができる。
【0068】第1DOE37と第2DOE38とは、光
学部材40での第1〜第2発光ダイオード31、32の
配置を勘案して、光L31または光L32の入射条件が所望
の条件となるように、所定の向きで配置される。例え
ば、図2に示した光学系100と同様の構成の光学系を
用いて第1DOE37と第2DOE38とを製作した場
合には、第1DOE37および第2DOE38のいずれ
か一方の向きが、製作時の向きから180°回転させた
向きとなる。DOE37、37からの一次回折光D
31、DL32の出射方向がDOE37、38を目視した
だけで判るように、あるいは機器を用いて光学的に検知
できるように所望の位置にマークを付しておくと、光学
部材40の製造が容易になる。
【0069】第1発光ダイオード31から出射した光L
31は、被覆層35を透過して第1DOE37に入射す
る。光L31が照射された第1DOE37は、一次回折光
DL31を生成する。この一次回折光DL31は、第2DO
E38を透過して光学部材40から出射する。
【0070】第2発光ダイオード32から出射した光L
32は、被覆層35を透過し、さらに第1DOE37も透
過した後に、第2DOE38に入射する。光L32が照射
された第2DOE38は、一次回折光DL32を生成す
る。この一次回折光DL32が光学部材40から出射す
る。
【0071】一次回折光DL31と一次回折光DL32
は、それぞれ所望の空間強度分布特性を有する。例え
ば、一次回折光DL31と一次回折光DL32とは、互いに
異なる方向に出射する。同じ方向に同じ空間強度分布で
出射させることもできる。
【0072】次に、第4の実施例による光学部材につい
て説明する。
【0073】図6は、第4の実施例による光学部材50
を概略的に示す。同図に示す光学部材50は、発光主波
長が514±10nmの第1発光ダイオード41と、発
光主波長が488±10nmの第2発光ダイオード42
と、これら第1〜第2発光ダイオード41、42の前方
に配置されたプリズム(三角プリズム)44と、第1D
OE47と、第1DOE47の一面に固着された第2D
OE48とを有する。
【0074】第1発光ダイオード41と第2発光ダイオ
ード42とは、互いの光軸が平行となるように一体化さ
れている。
【0075】プリズム44は、第1発光ダイオード41
から出射した光L41および第2発光ダイオード42から
出射した光L42が1つの斜面44aに入射し、これらの
光L 41、L42が底面44bから出射するように配置され
る。
【0076】第1DOE47は、プリズム44の底面4
4bにほぼ平行となるように配置され、第2DOE48
は第1DOE47の外側表面に固着される。
【0077】第1発光ダイオード41から出射した光L
41は、プリズム44への入射時およびプリズム44から
の出射時に屈折して、第1DOE47に所定の入射条件
の下に入射する。光L41の照射を受けた第1DOE47
は、一次回折光DL41を生成する。この一次回折光DL
41は第2DOE48を透過して、光学部材50から出射
する。
【0078】第2発光ダイオード42から出射した光L
42は、プリズム44への入射時およびプリズム44から
の出射時に屈折して、第1DOE47に所定の入射条件
の下に入射する。第1DOE47に入射した光L42は、
第1DOE47を透過して第2DOE48に入射する。
光L42の照射を受けた第2DOE48は、一次回折光D
42を生成する。この一次回折光DL42が、光学部材5
0から出射する。
【0079】光L41に対する媒質の屈折率は、光L41
りも短波長の光L42に対する屈折率よりも小さい。この
ため、たとえ第1発光ダイオード41と第2発光ダイオ
ード42とを互いの光軸が平行となるように配置したと
しても、プリズム出射後の光の進行方向を異ならせ、必
要に応じて光束分離を行うことができる。第1DOE4
7への光L41の入射条件(入射角)と第2DOE48へ
の光L42の入射条件(入射角)とを別々に制御すること
が可能である。
【0080】次に、第5の実施例による光学部材60に
ついて説明する。
【0081】図7は、第5の実施例による光学部材60
を概略的に示す。同図に示す光学部材60は、図6に示
したプリズム44に代えて2本の光ファイバ54、56
を用い、第1〜第2DOE47、48とは異なる特性を
有する第1〜第2DOE57、58を用いた光学部材で
ある。図7に示した構成部材のうち、図6に示した構成
部材と共通するものについては図6で用いた参照符号と
同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0082】光ファイバ54、55は形状の自由度が比
較的高い。このため、たとえ第1発光ダイオード41と
第2発光ダイオード42とを互いの光軸が平行となるよ
うに配置したとしても、第1DOE57への光L41の入
射条件(入射角)と第2DOE58への光L42の入射条
件(入射角)とを別々に制御することが可能である。
【0083】第1発光ダイオード41から出射した光L
41は、光ファイバ54によって導かれて、発散しながら
第1DOE57へ所定の入射条件の下に入射する。第2
発光ダイオード42から出射した光L42は、光ファイバ
55によって導かれて、発散しながら第1DOE57へ
所定の入射条件の下に入射する。
【0084】次に、第6の実施例による光学部材につい
て説明する。
【0085】図8は、第6の実施例による光学部材70
を概略的に示す。同図に示す光学部材70は、超小型蛍
光ランプ61と、超小型蛍光ランプ61のガラス管61
aを覆う被覆層65と、被覆層65の一端に固着された
DOE67とを有する。
【0086】被覆層65は、図1に示した被覆層5と同
様の透明材料によって形成され、超小型蛍光ランプ61
の前方に1つの平面65aを有する。この平面65aは
1.5mm角の矩形を呈する。
【0087】所望の光波の複素振幅分布を電子計算機で
計算し、その結果をコード化して印刷したものを写真撮
影することによって製作されたDOE67が、被覆層6
5の平面65a上に固着される。
【0088】超小型蛍光ランプ61から出射された光L
61の一部は、被覆層65を透過してDOE67に入射す
る。DOE7に入射した光L61のうち、所定波長域の光
の多くは、DOE67が有する変調構造によって回折
し、一次回折光DL61となってDOE67から出射す
る。この一次回折光DL61は、50×50のマトリック
ス状に分離された平行光線束群によって構成される。
【0089】図9(A)〜図9(C)は、DOE67を
製作する際の手順の一例を示す。
【0090】まず、図9(A)に示す画像71のデータ
を電子計算機を用いて得る。画像71は、所定の大きさ
の矩形を200×200個に碁盤目状に区画し、そのう
ち、50×50個の区画を白抜きにして均等に配置し、
他の区画を黒塗りにした二次元画像である。ただし、図
9(A)は、白抜きにした区画の数および黒塗りした区
画の数を、便宜上、実際の数よりも減らして描いてい
る。また、同図においては、黒塗りした区画にハッチン
グを付してある。
【0091】次いで、図9(B)に示すように、画像7
1のデータをフーリエ変換して新たな画像73を得、こ
の画像73を印刷する。図9(B)は、画像73を正確
に描画したものではなく、模式的に示したものである。
【0092】次に、画像73を高分解能の135版ポジ
型フィルムを用いて写真撮影し、このフィルムを現像し
て、ポジ型フィルム75に写し込まれたDOE67を得
る。画像73の撮影に際しては、画像73の大きさがフ
ィルム上で1.5mm角となるように撮影倍率を選択す
る。
【0093】次に、第6の実施例による光学部材70の
変形例について説明する。
【0094】図10は、第6の実施例による光学部材7
0の変形例を概略的に示す。同図に示す光学部材90で
は、平面視上の形状を円形に変えた以外は図8に示した
DOE67と同様にして得たDOE67aが、多数の光
ファイバ素線によって構成されたイメージファイバ82
の一端に固着される。
【0095】超小型蛍光ランプ61のガラス管61aを
覆う被覆層85は、超小型蛍光ランプ61の前方に1つ
の円形平面を有し、その上に、イメージファイバ82の
他端が固着される。
【0096】イメージファイバ82の具体例としては、
エドモントサイエンティフィック社製の「イメージコン
ジット(像導伝管)」や「ファイバーテーパマグニファ
イアー」等が挙げられる。
【0097】この光学部材90においても、図8に示し
た光学部材70と同様に、50×50のマトリックス状
に分離された平行光線束群によって構成される一次回折
光DL61がDOE67aから出射する。
【0098】次に、実施例による表示装置について説明
する。
【0099】図11は、実施例による表示装置200を
概略的に示す。同図に示す表示装置200は、マトリッ
クス状に配置された多数個の画素205を有する表示パ
ネル210と、個々の画素205へ、その動作を制御す
る信号を供給する第1〜第2駆動回路220、225
と、第1〜第2駆動回路220、225の動作を制御す
る制御部230とを有する。
【0100】画素205の各々は可視領域の波長の電磁
波を出射し、例えば図1に示した光学部材10と同様の
構成を有する。画素205を構成する人工光源の点灯お
よび消灯が、第1〜第2駆動回路220、225からの
信号により、制御される。
【0101】表示装置200に表示させようとする文字
や図形等のパターンデータ、あるいは、動画または静止
画のデータは、例えばメモリ240に一旦記憶される。
【0102】制御部230は、メモリ240に記憶され
ているデータに基づいて第1〜第2駆動回路220、2
25の動作を制御する。
【0103】第1〜第2駆動回路220、225は、制
御部230による制御に従って所定の制御信号を生成
し、各画素205に制御信号を供給する。これにより、
所定の画素が点灯し、所望の文字や図形等のパターン、
または映像(静止画または動画)等が表示される。
【0104】表示装置200を用いれば、例えば屋内ま
たは屋外で案内表示等に使用する1種類の固定されたパ
ターンの文字もしくは図形を表示することができる。ま
た、複数種の文字パターンまたは複数種の図形パターン
を時分割で表示することができる。さらには、任意パタ
ーンの文字もしくは図形、または、動画もしくは静止画
を表示することができる。
【0105】画素205を構成するDOEの特性を、表
示装置200の用途や設置場所等に応じて適宜選定する
ことにより、表示装置200の表示内容がこの表示装置
200の利用者あるいは通行人や観衆に見やすくなるよ
うに、各画素205からの出射光(一次回折光)の光学
的特性を調節することができる。
【0106】以上、実施例による光学部材および表示装
置について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0107】例えば、光学部材を構成する人工光源は、
可視領域の波長の電磁波を出射するものに限定されるも
のではなく、X線、紫外線、近赤外線、ミリ波、マイク
ロ波等、非可視領域の波長の電磁波を出射するものであ
ってもよい。どのような人工光源を用いるかは、目的と
する光学部材の用途等に応じて適宜選択可能である。
【0108】人工光源の具体例としては、発光ダイオー
ドや超小型蛍光ランプの他に、有機発光ダイオード(有
機エレクトロルミネッセンス素子)、半導体レーザ(面
発光レーザを含む。)、超小型蛍光ランプ以外の熱陰極
もしくは冷陰極蛍光ランプ、ミリ波領域もしくはマイク
ロ波領域の電磁波を発振可能なダイオード(例えばガン
ダイオードやインパットダイオード)、X線レーザ等が
挙げられる。さらには、電界放出型電子源と、この電子
源から放出された電子が照射される蛍光体層とを真空容
器内に配置して人工光源を構成することも可能である。
レーザ以外の人工光源を用いる場合、この人工光源は、
発光波長帯域が狭いか、輝線スペクトル幅の狭い光源で
あることが好ましい。
【0109】上述した人工光源と前述した回折光学素子
とを備えた光学部材は、表示装置の画素以外に、光プリ
ンタヘッド、光ピックアップ、カメラ用測距センサ等に
機器における光源等として使用することができる。ま
た、そのまま、または反射器と組み合わせて、照明装置
として使用することも可能である。
【0110】DOEは、可視光以外の電磁波、例えばミ
リ波、マイクロ波、赤外線、紫外線、X線等を用いた二
光束干渉法によっても製作することができる。二光束干
渉法で互いに干渉させる二つの光束(電磁波)はコヒー
レント性を有していればよい。どのような波長の電磁波
を用いてDOEを製作するかは、目的とする光学部材の
用途等に応じて適宜選択可能である。
【0111】DOEが生成する一次回折光は、当該DO
Eの製作条件または表面形状を適宜選定することによ
り、平行光線束、発散光線束または収束光線束に制御す
ることができる。所望の偏光性を付与された一次回折光
を生成することや、波長分離された一次回折光を生成す
ることも可能である。
【0112】二光束干渉法によって、または、リソグラ
フィ技術で形成されたマスクを用いたエッチングによっ
てDOEを作製する場合には、人工光源用の支持基板ま
たは人工光源自体にDOEの材料をコーティングし、こ
のコーティング膜をDOEに加工することもできる。D
OEの材料のコーティングは、例えば、スピンコート、
ロールコート、ダイコート、スリットコート、印刷等の
方法によって行うことができる。
【0113】DOEの製造方法は上述した方法に限定さ
れるものではなく、種々の方法を適用することが可能で
ある。例えば、回折性を発現させる像データに基づいて
高精細な液晶光変調素子を制御することによってもDO
Eを得ることが可能である。
【0114】1つの光学部材を構成する人工光源の数
は、1または2個に限定されるものではなく、3個以上
の人口光源を用いて1つの光学部材を構成することも可
能である。
【0115】複数個の人工光源を用いて1つの光学部材
を構成する場合、個々の人工光源の発光主波長もしくは
発振波長は同じでも異なっていてもよい。
【0116】1つの光学部材を構成するDOEの数も、
1または2個に限定されるものではない。1つの光学部
材を構成する人工光源の数や種類に応じて、3個以上の
DOEを用いて1つの光学部材を構成することも可能で
ある。
【0117】複数個のDOEを用いて1つの光学部材を
構成する場合、個々のDOEが最も強い回折作用を示す
電磁波の波長は、互いに異なっていることが好ましい。
この場合、1つのDOEに対して、当該DOEが最も強
い回折作用を示す波長の電磁波またはその近傍の波長の
電磁波を発する1個の人工光源を対応させることが好ま
しい。必要に応じて、1つのDOEに対して複数個の人
工光源を対応させることも可能である。
【0118】互いに異なる回折特性を有する複数のDO
Eを1つのDOE材料中に形成することも可能である。
この場合、個々のDOEは、共通のDOE材料中に二次
元的に配置される。例えば、図6に示した光学部材50
では、発光主波長が異なる複数個の人工光源(発光ダイ
オード41、42)それぞれからの出射光が、1つのD
OE47における別々の領域に入射する。したがって、
図6に示したDOE47とDOE48とは、共通のDO
E材料中に二次元的に配置することができる。互いに異
なる回折特性を有する複数の領域を1つのDOEに形成
することにより、使用するDOEの数を低減させること
ができる。
【0119】複数個の人工光源を用いて構成された1つ
の光学部材に、図3または図4に示したような反射器1
2を設ける場合には、1個の人工光源に1個もしくは複
数個ずつ反射器を配置してもよいし、複数個の人工光源
に1個もしくは複数個ずつ反射器を配置してもよい。図
3または図4に示したようなピンホール13a、図4に
示したようなバンドパスフィルタ21、図4に示したよ
うな光シャッタ23、図6に示したようなプリズム4
4、図7に示したような光ファイバ54、55、あるい
は図10に示したイメージファイバ82についても同様
である。
【0120】バンドパスフィルタに代えて他の光学フィ
ルタ、例えばシャープカットフィルタを使用することも
可能である。また、必要に応じて、DOE前方の光路に
色フィルタアレイを配置することもできる。
【0121】図3または図4に示したように遮光部材を
用いて光学部材を構成する場合、この遮光部材として
は、オフアキシス回折光学素子において0次回折光、高
次回折光または散乱光の遮蔽に使用されるマスクを用い
ることもできる。ピンホールに代えてスリットを遮光部
材に形成することも可能である。
【0122】人工光源から出射した光は、図6に示した
プリズム44、図7に示した光ファイバ54、55、あ
るいは図10に示したイメージファイバ82以外の光学
素子、例えばライトパイプを用いてDOEに導くことも
できる。
【0123】複数の波長の輝線を出射する人工光源、ま
たは、発光主波長もしくは発振波長が異なる複数の人工
光源を用いる場合でも、液晶素子によって構成されたバ
ンドパスフィルタと光シャッタとを併用して光学部材を
構成することにより、所望の時期に所望波長もしくは所
望波長域の一次回折光を得ることができる。
【0124】この場合、最も強い回折作用を示す波長が
互いに異なる複数のDOEを二次元配置または三次元は
位置することが好ましい。各々が独立に制御可能な複数
の微小光シャッタを同一平面上に例えば格子状に配置す
ることによって光シャッタを構成すれば、所望の時期に
所望の微小光シャッタから、所望波長もしくは所望波長
域の一次回折光を得ることができる。個々の微小光シャ
ッタ毎に、時間的および空間的に分離された一次回折光
を出射させることが可能である。
【0125】なお、光シャッタは光の透過−遮断を制御
することができればよく、その構成は液晶素子に限定さ
れるものではない。また、DOEの背面側に光シャッタ
を配置することも可能である。発光主波長もしくは発振
波長が異なる複数の人工光源と光シャッタとを組み合わ
せる場合でも、個々の人工光源の点灯−消灯を別個に制
御することが可能であれば、バンドパスフィルタまたは
その代替物を省略することができる。同様に、輝線を1
つのみ含む光を出射する1個の人工光源と光シャッタと
を組み合わせる場合にも、バンドパスフィルタまたはそ
の代替物を省略することができる。
【0126】表示装置を構成する個々の画素の発光波長
(DOEで生成される一次回折光の波長)は、目的とす
る表示装置がモノカラー表示であるか、マルチカラー表
示であるか、またはフルカラー表示であるかに応じて、
適宜選定される。
【0127】フルカラー表示を行うことができる表示装
置を得ようとする場合には、例えば赤色光を発する画
素、青色光を発する画素、および緑色光を発する画素を
所定のパターンで配置する。個々の画素が赤色光、青色
光および緑色光を発するように構成することも可能であ
る。
【0128】表示装置は、X−Yマトリックス駆動方式
の装置であってもよいし、アクティブマトリックス駆動
方式の装置であってもよい。アクティブマトリックス駆
動方式の表示装置では、トランジスタまたはダイオード
によって構成されるスイッチング素子が、個々の画素に
1つずつ、もしくは、複数個ずつ配置されて、対応する
画素の動作を制御する。
【0129】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の光学的特性を有する光を出射する光学部材を提供
することが容易になる。画素からの出射光の光学的特性
が所望の特性に調節された表示装置を提供することが容
易になる。表示装置の画素、光プリンタヘッド、光ピッ
クアップ、カメラ用測距センサ、照明装置等、人工光源
を使用する種々の機器の特性の制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は第1の実施例による光学部材を示
す概略図であり、図1(B)は回折光学素子の表面に形
成されている回折構造の一例を模式的に示す断面図であ
り、図1(C)は回折光学素子の表面に形成されている
回折構造の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】回折光学素子を二光束干渉法によって製作する
際の光学系の一例を示す概略図である。
【図3】第2の実施例による光学部材を示す概略図であ
る。
【図4】第2の実施例による光学部材の変形例を示す概
略図である。
【図5】第3の実施例による光学部材を示す概略図であ
る。
【図6】第4の実施例による光学部材を示す概略図であ
る。
【図7】第5の実施例による光学部材を示す概略図であ
る。
【図8】第6の実施例による光学部材を示す概略図であ
る。
【図9】図9(A)〜図9(C)は、図8に示したDO
Eを製作する際の手順の一例を示す概略図である。
【図10】第6の実施例による光学部材の変形例を示す
概略図である。
【図11】実施例による表示装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1、31、32、41、42…発光ダイオード、 7、
7a、7b、17、37、38、47、48、57、5
8、67、67a…DOE(回折光学素子)、10、2
0、25、40、50、60、70、90…光学部材、
11、61…超小型蛍光ランプ、 12…反射器、
13…遮光部材、 13a…スリット、 21…バンド
パスフィルタ、 23…光シャッタ、 82…イメージ
ファイバ、 200…表示装置、 205…画素、 2
20…第1駆動回路、 225…第2駆動回路、 23
0…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA02 AA33 AA34 AA37 AA39 AA43 AA55 AA60 5F041 AA06 AA11 EE22 EE25 FF06 5F073 AB25 BA09 EA18 EA19 FA30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視領域または非可視領域の波長の出射
    光を発する1または複数の人工光源と、 前記人工光源からの出射光が照射される回折光学素子と
    を有する光学部材。
  2. 【請求項2】 さらに、(i) 前記人工光源からの出射光
    を前記回折光学素子側へ反射する反射器、(ii)前記回折
    光学素子の一部の領域への前記出射光の照射を制限する
    遮光部材、(iii) 前記人工光源と前記回折光学素子との
    間に配置されたバンドパスフィルタ、または(iv)前記回
    折光学素子の前面側もしくは背面側に配置され、光の透
    過−遮断を選択的に制御可能な光シャッタ、を有する請
    求項1に記載の光学部材。
  3. 【請求項3】 さらに、前記人工光源と前記回折光学素
    子との間に配置されて前記出射光を前記回折光学素子へ
    導くプリズム、光ファイバ、イメージファイバ、または
    ライトパイプを有する請求項1または請求項2に記載の
    光学部材。
  4. 【請求項4】 さらに、前記人工光源を被覆する被覆層
    を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光
    学部材。
  5. 【請求項5】 前記人工光源が発光ダイオード、半導体
    レーザ、電界放出素子、または蛍光ランプである請求項
    1〜請求項4のいずれか1項に記載の光学部材。
  6. 【請求項6】 前記人工光源がレンズまたは反射板を備
    える請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光学部
    材。
  7. 【請求項7】 前記回折光学素子が、該回折光学素子に
    入射した光の指向性、偏光特性、波長分布、または強度
    分布を変化させる請求項1〜請求項6のいずれか1項に
    記載の光学部材。
  8. 【請求項8】 前記回折光学素子が、面内方向および/
    または厚さ方向での屈折率変化、誘電率変化、光透過率
    変化、もしくは光反射率変化によって、または、表面形
    状によって回折性を発現する請求項1〜請求項7のいず
    れか1項に記載の光学部材。
  9. 【請求項9】 可視領域または非可視領域の波長の出射
    光を発する1または複数の人工光源と、 前記人工光源の1個に1つずつ配置されて、対応する人
    工光源からの出射光の照射によって一次回折光を生成す
    る回折光学素子とを有する光学部材。
  10. 【請求項10】 マトリックス状に配置された多数個の
    画素であって、各々が、可視領域の波長の出射光を発す
    る1または複数の人工光源と、該人工光源からの出射光
    が照射される回折光学素子とを含む多数個の画素と、 前記画素の各々へ前記人工光源の動作を制御する信号を
    供給する駆動回路と、 前記駆動回路の動作を制御する制御部とを有する表示装
    置。
  11. 【請求項11】 前記制御部が、1つの固定されたパタ
    ーンデータに基づいて、または複数のパターンデータの
    中から選択された1つのパターンデータに基づいて前記
    駆動回路の動作を制御して、前記多数個の画素によって
    所定のパターンを表示することができる請求項10に記
    載の表示装置。
  12. 【請求項12】 前記制御部が、動画データまたは静止
    画データに基づいて前記駆動回路の動作を制御して、前
    記多数個の画素によって所定の動画または静止画を表示
    することができる請求項10または請求項11に記載の
    表示装置。
  13. 【請求項13】 マトリックス状に配置された多数個の
    画素であって、各々が、可視領域の波長の出射光を発す
    る1または複数の人工光源と、前記人工光源の1個に1
    つずつ配置されて、対応する人工光源からの出射光の照
    射によって一次回折光を生成する回折光学素子とを含む
    多数個の画素と、 前記画素の各々へ前記人工光源の動作を制御する信号を
    供給する駆動回路と、 前記駆動回路の動作を制御する制御部とを有する表示装
    置。
JP2001168167A 2001-06-04 2001-06-04 光学部材および表示装置 Pending JP2002365675A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001168167A JP2002365675A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 光学部材および表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001168167A JP2002365675A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 光学部材および表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002365675A true JP2002365675A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19010434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001168167A Pending JP2002365675A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 光学部材および表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002365675A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008041272A1 (fr) 2006-09-29 2008-04-10 Nippon Shokubai Co., Ltd. S-hydroxynitrile lyase modifiÉe et hautement active inÉdite
JP2008166499A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Ushio Inc 光照射ユニット
JP2008282984A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Nichia Corp 半導体発光装置
JPWO2013069227A1 (ja) * 2011-11-09 2015-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 回折光学素子ならびにこれを用いた撮像装置および照明装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5455456A (en) * 1977-10-12 1979-05-02 Canon Inc Method of composing and separating plural beams
JPS6264638A (ja) * 1985-09-10 1987-03-23 サン−ゴバン・ヴイトラ−ジユ フロントガラスを有する乗り物に組み込まれた“ヘッドアップタイプ”の表示装置
JPS62227823A (ja) * 1986-03-31 1987-10-06 Nissan Motor Co Ltd 車両用表示装置
JPH02219002A (ja) * 1989-02-20 1990-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回析格子およびその製造方法
JPH0651239A (ja) * 1992-07-31 1994-02-25 Canon Inc 画像表示装置
JPH06342128A (ja) * 1993-06-01 1994-12-13 Canon Inc 立体画像表示方法及び画像表示装置
JPH0885384A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Nissan Motor Co Ltd 車両用表示灯
JPH10319873A (ja) * 1997-05-15 1998-12-04 Mitsubishi Electric Corp 光源ユニットおよびこれを用いた表示装置、表示器、照明装置
JP2000021209A (ja) * 1998-06-30 2000-01-21 Elna Co Ltd 発光ダイオード集合体ランプ
JP2000035513A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Toppan Printing Co Ltd ホログラフィック・コンバイナおよびそれを用いたヘッドアップディスプレイ
JP2001134972A (ja) * 1999-11-09 2001-05-18 Hitachi Ltd 半導体レーザモジュールおよび、それを用いた光学的情報再生装置
JP2002131689A (ja) * 2000-10-26 2002-05-09 Ricoh Co Ltd 照明光学装置及び照明光学装置を用いたプロジェクタ

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5455456A (en) * 1977-10-12 1979-05-02 Canon Inc Method of composing and separating plural beams
JPS6264638A (ja) * 1985-09-10 1987-03-23 サン−ゴバン・ヴイトラ−ジユ フロントガラスを有する乗り物に組み込まれた“ヘッドアップタイプ”の表示装置
JPS62227823A (ja) * 1986-03-31 1987-10-06 Nissan Motor Co Ltd 車両用表示装置
JPH02219002A (ja) * 1989-02-20 1990-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回析格子およびその製造方法
JPH0651239A (ja) * 1992-07-31 1994-02-25 Canon Inc 画像表示装置
JPH06342128A (ja) * 1993-06-01 1994-12-13 Canon Inc 立体画像表示方法及び画像表示装置
JPH0885384A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Nissan Motor Co Ltd 車両用表示灯
JPH10319873A (ja) * 1997-05-15 1998-12-04 Mitsubishi Electric Corp 光源ユニットおよびこれを用いた表示装置、表示器、照明装置
JP2000021209A (ja) * 1998-06-30 2000-01-21 Elna Co Ltd 発光ダイオード集合体ランプ
JP2000035513A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Toppan Printing Co Ltd ホログラフィック・コンバイナおよびそれを用いたヘッドアップディスプレイ
JP2001134972A (ja) * 1999-11-09 2001-05-18 Hitachi Ltd 半導体レーザモジュールおよび、それを用いた光学的情報再生装置
JP2002131689A (ja) * 2000-10-26 2002-05-09 Ricoh Co Ltd 照明光学装置及び照明光学装置を用いたプロジェクタ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008041272A1 (fr) 2006-09-29 2008-04-10 Nippon Shokubai Co., Ltd. S-hydroxynitrile lyase modifiÉe et hautement active inÉdite
JP2008166499A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Ushio Inc 光照射ユニット
JP2008282984A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Nichia Corp 半導体発光装置
JPWO2013069227A1 (ja) * 2011-11-09 2015-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 回折光学素子ならびにこれを用いた撮像装置および照明装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950006359B1 (ko) 컬러액정 표시장치
US7573546B2 (en) Wire grid polarizer having dual layer structure and method of fabricating the same
US7748853B2 (en) Lighting device and projector
US7713684B2 (en) System and method for absorbance modulation lithography
US11860382B2 (en) Optical lens structure, method for manufacturing the same, and display apparatus
CN2432001Y (zh) 一种激光干涉光刻系统
JP4341763B2 (ja) 反射光学素子および電気光学ディスプレイ装置
JP2009151221A (ja) 照明装置、画像表示装置及び偏光変換拡散部材
US20130065159A1 (en) Color holographic optical element
US20070048628A1 (en) Plasmonic array for maskless lithography
JP7474126B2 (ja) 画像出力装置
US20210405472A1 (en) Liquid crystal spatial light modulator and three-dimensional display device
JP2000155218A (ja) 照明装置
US7006295B2 (en) Illumination system and method for efficiently illuminating a pattern generator
JP2002365675A (ja) 光学部材および表示装置
US11269192B2 (en) Optical element, having holographic material layer, display device, and method for manufacturing optical element
JP2006093487A (ja) 露光装置及びデバイス製造方法
JP2803434B2 (ja) 回折格子プロッター
JP2007156055A (ja) グレイスケールマスク、マイクロレンズの製造方法、マイクロレンズ、空間光変調装置及びプロジェクタ
JP3248371B2 (ja) 立体像表示装置
JP2007333793A (ja) 照明装置及び表示装置
CN111373305A (zh) 偏振分光器、面光源装置以及显示装置
US3623788A (en) Low angle holographic apparatus
JP3233256B2 (ja) 投影型画像表示装置
JP2008275867A (ja) ホログラム光学素子およびその製造方法と、光源ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120306