JP2002363119A - 高純度9.9−ビス−(ヒドロキシフェニル)−フルオレンならびにその調製および精製方法 - Google Patents

高純度9.9−ビス−(ヒドロキシフェニル)−フルオレンならびにその調製および精製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも226.00℃の融解曲線最大および、
1.30℃以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)フルオレン化合物を得ること。 【解決手段】(a) 有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下
で、フェノール化合物と9-フルオレノンを反応させる工
程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンを分離する工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フルオレンを精製する工程を包含する方法
であって、該精製方法がアセトニトリル溶媒を使用する
第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化
水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水
素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を
使用する第2精製工程を包含することを特徴とする方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高純度9,9-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンならびにその調
製および精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現代の高分子製造業では、ビスフェノー
ルは、大規模な重縮合反応で、特に高耐熱性および良好
な光学的性質を有する、エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリカーボネート、ポリエーテルおよびポリエステルの
調製のモノマーとして使用されている。
【0003】9,9-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)フルオ
レン化合物およびその置換誘導体(一般にBHPFまた
はビスフェノールFとして知られている)は、上記のポ
リマーの合成、特にポリエステルの合成、とりわけポリ
アリーレート(すなわちBHPFとハロゲン化ジアシル
(diacylic halides)の共重合から得られるポリマー)の
調製に有用なモノマーである。これらのハロゲン化ジア
シル化合物は、非常に高い耐熱性およびひときわ優れた
光学的性質を示す("高性能ポリエステル")。
【0004】高性能ポリエステル、特に芳香族ポリエス
テル("ポリアリーレート"として知られている)は、下記
などのいくつかの重要な用途がある: 1. 多数の応力-ひずみサイクルに対する抵抗性が必要
とされる機械構成要素(例えば自動車用構成要素)で使用
される、標準的なポリマー類より機械的特性が高い重合
性フィルム; 2. 全可視波長に対して良好な透明性、低い黄色度指数
の、非常に良好な光学的性質を有するフィルムを使用す
るガラス代替品(例えば液晶ディスプレイ、眼用レン
ズ、ゴーグルレンズなどの構成要素); 3. 特に高温(100℃以上)で良好な電気絶縁性を有する
薄膜(10μm以下)(例えば高性能電気コンデンサ用な
ど); 4. 金属層の沈積に適したフィルム(例えばプリントフ
レキシブル回路の製造用の銅)または透明な伝導性層(例
えばITO、インジウムスズオキシド(Indium Tin Oxid
e))。
【0005】これらの用途では、非常に高いガラス転移
温度(Tg)(例えば300℃以上)、非常に高い軟化温度およ
び非常に高い溶融温度を有する重合性材料が必要とされ
る。非常に高い平均分子量(AMW)(例えば500,000ダル
トンを超えるもの)、狭い分子量分布(MWD)および未
反応モノマーまたは低分子量オリゴマーの含有量が低い
ことは、高性能ポリエステルで望ましい別の基本的な要
件である。これらのパラメーターは上記材料の熱的およ
び光学的性質において非常に重要である。
【0006】以前、これらの結果は、重縮合反応("ステ
ップ重合"としても知られている)でよく知られた問題に
起因して、重合プロセスで高純度反応物を使用すること
によってのみ達成されていた。この問題の記述はG. Odi
an, Principles of Polymerization, 第2章, "ステップ
重合", 41頁, 第3版, John Wiley & Sons, Inc. NewYor
k, 1991でみられる。
【0007】高分子量重縮合ポリマーの成功合成は、非
常に高い変換率(一般に99%以上、さらには99.5%以上)に
よってのみ達成でき、そしてこれには、反応条件につい
ていくつかの厳しい要件(有意な平衡であることおよび
副反応のないことなど)がかかる。
【0008】この最後の要件は、重合反応に関与する反
応物の上記高純度と厳密に関連する。そしてこの反応に
使用されるビスフェノール(類)の純度は副反応の方向お
よび存在を制御することが主な発表の1つである。合成
に使用される反応物もしくは触媒の存在、または反応副
生成物の存在は、たとえ微量であっても、重合の最終結
果に強い影響を与え、しばしばポリマーの分子量が減少
するからである。主生成物からこれらの副生成物を分離
することは基本的に重要である。これらの副生成物の異
なる反応性または機能性は重合反応にかなりの悪影響を
与え、反応物のポリマーへの変換度が低下し、平均分子
量が低くなるか、または最終ポリマーの構造の内部に鎖
の枝分かれを導入するからである。この分離プロセスで
反応生成物中に存在し得るわずかな反応物も除去できな
ければならない。これらの多く(フェノール、酸触媒)
は、例えばハロゲン化ジアシルと反応し、その単官能性
またはその異なる反応性によって重合反応を中断させ得
るからである。
【0009】BHPFの精製方法の幾つかが当分野で説
明されている。この知られた方法はかなり複雑であるか
または、生成物から残留触媒(酸)または合成反応に使用
した過剰フェノールを取除くのに、大量の水または水/
有機溶媒(例えばアルコール、アセトンまたは他のカル
ボニル化合物)などの混合物を伴ってしまう。文献中の
多数の実施例に、精製段階でハロゲン化溶媒(ジクロロ
メタン、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエチレンおよ
びテトラクロロエタンなど)を使用することが記載され
ているが、環境および安全の点で深刻な問題がある。
【0010】米国特許第3,546,165号は、可溶性で、高
融点の、熱的に安定な線状ポリエステルの合成を記載し
ている。実施例2は、溶けたフェノール中の反応物の反
応、水での析出およびトルエンを用いた精製による、9,
9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンの調製を記載
している。最終生成物は融点224℃である。
【0011】米国特許第4,024,194号は、9-(4-ヒドロキ
シフェニル)-9-(2-ヒドロキシフェニル)フルオレン(B
HPFのオルト-、パラ-異性体)と同定された副生成物
を、結晶化溶媒としてニトロメタン(CH3NO2)を使用
して除去する、BHPFの精製方法を記載している。最
終生成物は融点224.8〜225.4℃であり、前記の不純物は
0.5%未満である。
【0012】米国特許第4,049,721号は、不純物として
フェノールを含むBHPFの、メタノールおよび水およ
び/またはそれらの混合物を使用する精製方法を記載し
ている。
【0013】米国特許第4,387,209号、同第4,401,803
号、同第4,430,493号、同第4,446,195号、および国際特
許公開WO 92/03493は、228℃〜230℃の溶融範囲を有す
るBHPFの使用による、芳香族ポリエステルの調製方
法を記載している。これらの特許全てが、ガス状ハロゲ
ン化水素および触媒量の2価、3価または4価金属ハラ
イド(但し金属はCa、Fe、Ti、SnおよびAlか
ら選択される)の存在下での、溶けたフェノール中のフ
ルオレノンの反応によるBHPFの調製について、米国
特許第4,467,122号を引用している。この精製方法は水
と1,2-ジクロロエタンを用いる洗浄を含んでおり、純度
99.8%(HPLCで測定)が得られる。
【0014】米国特許第4,675,458号は、フルオレノン
とフェノールを、縮合剤として75%以上の濃度を有する
硫酸とメルカプタンの存在下で反応させる、BHPFの
調製方法を記載している。メタノールとイソプロパノー
ルを精製に使用し、単離した生成物は融点223℃を示し
た。
【0015】米国特許第4,931,594号は、フェノールと
フルオレノンを、縮合触媒として不溶性の強酸性イオン
陽イオン交換樹脂の存在下で、20℃〜150℃の温度で反
応させる、BHPFの合成を記載している。生成物を、
アセトン、水およびイソプロパノールで洗浄し、融点22
1℃〜224℃を示す最終生成物を得た。
【0016】米国特許第5,110,994号は、フルオレノン
を、過剰のフェノール、触媒として塩酸および三塩化ア
ルミニウムの存在下で反応させ、この触媒を無水有機溶
媒に溶かす、BHPFの調製方法を記載している。未処
理生成物を、沸騰水、アセトンおよび1,2-ジクロロエタ
ンで処理する。最終生成物は示差走査熱量測定溶融温度
225.5℃を有する。米国特許第5,149,886号は、フルオレ
ノンとフェノールを、1:4〜1:8のモル比、30〜90℃、ガ
ス状塩化水素およびp-メルカプトプロピオン酸触媒の存
在下で縮合し、改良として、完了した反応混合物から反
応水と溶かした酸塩酸塩(hydrochloridric acid)を蒸留
し、蒸留残渣をニトリルに溶解し、結晶化したニトリル
とBHPFとの付加体をニトリルから分離し、そして付
加体を解離させてBHPFに戻すことを含む、BHPF
の合成方法を記載する。アセトニトリル、プロピオニト
リル、アジピン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル、グ
ルタル酸ジニトリルおよびオクタン酸ジニトリルがニト
リルとして開示されている。
【0017】米国特許第5,169,990号は、BHPFの合
成であって、フルオレノンとフェノールを、モル比1:4
〜1:8で、触媒としてガス状塩化水素およびβ-メルカプ
トプロピオン酸存在下で縮合し、そして完了した反応混
合物をポリアルキレングリコールと混合し、それから過
剰量のフェノールを混合物から蒸留することを開示して
いる。トルエン/イソプロパノールまたはアセトニトリ
ルでの再結晶で純度99.8%(HPLC法)が得られる。
【0018】米国特許第5,248,838号は、反応物を有機
溶媒(炭化水素溶媒)に溶かすBHPFの合成方法である
が、BHPFが室温ではこの溶媒に可溶性でないものを
記載している。
【0019】米国特許第5,304,688号は、メルカプタン
助触媒および、金属硫酸化物(metalsulfates)、硫酸化
金属酸化物(sulfated metal oxide)、硫酸化金属オキシ
水酸化物(sulfated metal oxyhydroxides)、硫酸化金属
オキシケイ酸塩(sulfated metal oxysilicates)、超酸
金属酸化物(superacid metal oxides)およびそれらの混
合物からなる群から選択される固体超酸触媒の存在下で
の、BHPFの合成を記載している。
【0020】日本特許出願公開第62/230741号は、高純
度BHPF製造物の精製方法を開示している。反応媒体
中に存在する過剰のフェノールを取り除き、そして粗生
成物を、BHPFと不溶性付加体を形成することができ
る溶媒(ジエチルエーテル、アセトン、エタノール、プ
ロパノール、ジオキサンまたは酢酸)に溶かす。それか
ら、この付加体を分離し(純度99%以上)、そして上記の
溶媒または芳香族炭化水素から再結晶化し、さらに精製
されたBHPF(純度99.6%以上)を得ている。
【0021】日本特許出願公開第04/041450号は、フェ
ノールとフルオレノンを、金属塩化物およびHClまた
はメルカプトプロピオン酸およびHClの存在下で反応
させる、BHPF(またはアルキル誘導体)の合成方法を
開示している。脂肪族アルコールを反応混合物に添加し
て、均一な溶液を調製する。それから水を加えてBHP
Fを沈殿させている。
【0022】日本特許出願公開第04/041451号は、着色
したビスフェノール(例えば、BHPFおよびそのアル
キル置換誘導体)の精製方法を開示している。粗生成物
を脂肪族ケトン(類)に溶かし、それからその析出物を、
低級脂肪族アルコール(類)(例えばメタノール、エタノ
ール、n-プロパノールおよびイソプロパノール)と芳香
族炭化水素(類)(例えばベンゼン、トルエンおよびキシ
レン)の混合溶媒で再結晶する。この方法は、着色した
ビスフェノールを効果的に精製し、無色の生成物が得ら
れる。
【0023】日本特許出願公開第63/021836号は、BH
PFの精製方法であって、粗生成物をまず室温でアセト
ンに溶かし、それから炭化水素ベースの溶媒(例えばヘ
キサン)を加えて、結晶を分離する方法を開示してい
る。必要であればこの処理を繰り返すことができ、そし
て生成物を最終的に100-150℃で乾燥させる。
【0024】日本特許出願公開第08/217713号は、BH
PFの合成用の溶剤として、炭化水素ベースの溶媒(ヒ
ドロキシ官能基を有さず沸点がフェノールより高いも
の)を使用することを開示している。未反応のフェノー
ルを蒸留で取り除く。それから蒸留残渣物を、OH基を
含まない有機溶媒に溶かし、加熱しそして冷却してBH
PFを析出させている。
【0025】日本特許出願公開第09/124530号は、9-フ
ルオレノンの合成方法ならびに、酸およびメルカプトカ
ルボン酸の存在下で不活性溶媒(芳香族炭化水素)中フェ
ノールとの縮合方法を開示している。得られたBHPF
は、ポリエステル、ポリカーボネートまたはエポキシ樹
脂の調製に適している。
【0026】米国特許第4,618,699号、同第4,810,771
号、同第4,904,755号は、BHPFと芳香族酸からのポ
リエステルの調製方法を記載している。BHPFの調製
および精製についての具体的な言及はなされていない。
【0027】先行技術は、BHPFの純度が優れた性質
を有するポリエステルを得るのに不可欠な条件であるこ
とを明らかにしている。しかしながら、文献に記載され
た精製方法では、光学用途に適したポリエステルを得る
ための、大規模な重縮合反応の使用に適した"高純度B
HPF"を得ることができない。上記列挙の広範囲にわ
たる先行技術に関わらず、優れた光学的および機械的特
性を有するポリエステルの調製用の、極めて純粋なBH
PFを得るための改良技術が未だ必要とされている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】少なくとも226.00℃の
融解曲線最大および、1.30℃以下の融解曲線5%値幅を
示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合
物である。
【0029】
【課題を解決するための手段】9,9-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)フルオレン化合物の調製のための合成方法
は、(a) 有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノ
ール化合物と9-フルオレノンを反応させる工程、(b)
粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを分離す
る工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを精製する工程を包含する方法であっ
て、該精製方法がアセトニトリル溶媒を使用する第1精
製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と
脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニ
トリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用す
る第2精製工程を包含することを特徴とする方法であ
る。
【0030】9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン化合物の調製のための精製方法は、アセトニトリルを
使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳
香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香
族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択され
る溶媒を使用する第2精製工程を包含する。
【0031】図1は、本発明の範囲内の、9,9-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)フルオレンのDSCパラメーター
の決定を図解説明する、示差走査熱量測定法(DSC)融
解曲線のグラフ図である。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の方法で精製されるBHP
F化合物は、先行技術に記載された任意の方法で合成す
ることができる。BHPF化合物の合成は、好ましく
は、米国特許第5,248,838号(参照して本明細書に導入)
に記載の方法により、有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下
で、フェノール化合物と9-フルオレノン化合物とを反応
させて実施される。
【0033】有用なフェノール化合物として、非置換フ
ェノールおよび置換フェノールが含まれるが、置換基ま
たは置換基類が縮合プロセスの妨げとならないことを条
件とする。有用な置換基には、非限定的な例として、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカリール(a
lkaryl)基、アルコキシ基、アシル基およびハロゲン原
子が含まれる。好ましい置換基として、ハロゲン原子、
好ましくはクロライドおよびブロミド、および炭素数1
〜約10を含むアルキル基、より好ましくは低級アルキル
基(炭素数1〜約5を含むものなど)、最も好ましくは炭素
数1〜3のもの、が含まれる。置換基または置換基類は、
ヒドロキシル部分に対してオルトおよび/またはメタ位
に適切に位置される。ヒドロキシル部分に対してパラ位
はフリーのままでなければならない。この位置は縮合プ
ロセスで関係する場所だからである。好ましくは、一方
または両方のオルト位が置換されており、より好ましく
は両方のオルト位が置換されている。適した置換フェノ
ールの非限定的な例として、o-クレゾール、m-クレゾー
ル、o-またはm-クメノール(cumenol)、2,6-ジメチルフ
ェノール、2-メチル-6-エチルフェノール、2-クロロフ
ェノール、2-ブロモフェノール、2,6-ジブロモフェノー
ル、2,6-ジクロロフェノール、2-メチル-6-ブロモフェ
ノール、2-メチル-6-クロロフェノール、2,3,6-トリメ
チルフェノール、2,3,5,6-テトラメチルフェノール、2,
6-ジ-t-ブチルフェノール、o-フェニルフェノール、2,6
-ジフェニルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、3,5
-ジエチルフェノールおよびo-ベンジルフェノールが含
まれる。
【0034】好ましくは、フェノール化合物は、非置換
フェノールまたは、一方もしくは両方のオルト位がハロ
ゲン原子および/または炭素数1〜約5のアルキル部分で
置換されたフェノールである。より好ましくは、フェノ
ール化合物は、両方のオルト位がハロゲン原子で置換さ
れている。
【0035】BHPF化合物の合成に適した9-フルオレ
ノン化合物として非置換9-フルオレノンおよび置換9-フ
ルオレノンが含まれるが、但し置換基または置換基類が
縮合プロセスの妨げとならないことを条件とする。有用
な置換基には、非限定的な例として、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基、アルカリール基、アルコキシ
基、アシル基およびハロゲン原子が含まれる。アルキル
基およびハロゲン原子が、9-フルオレノンに好ましい置
換基である。9-フルオレノンのアリール環の任意の位置
が置換され得るが、好ましくは2位および7位である。好
ましい9-フルオレノン誘導体は、2,7-ジブロモ-9-フル
オレノン、2,7-ジメチル-9-フルオレノン、2-ブロモ-7-
メチル-9-フルオレノンである。しかし、好ましい化合
物は非置換の9-フルオレノンである。
【0036】従って、本発明のBHPF化合物として、
非置換9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンおよ
びその置換誘導体が含まれ、そして好ましくは下記の一
般式で表わすことができる:
【化1】 式中、RlおよびR2が、独立して、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカ
リール基、アルコキシ基、およびアシル基を表わし;R
3、R4、R5およびR6が、独立して、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
カリール基、アルコキシ基、およびアシル基を表わす。
好ましくは、R1およびR2が、独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、より好ましくはクロライドおよびブロミ
ド、および炭素数1〜約10、より好ましくは炭素数1〜5
を含むアルキル基を表わす。好ましくは、R3、R4、R
5およびR6は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、よ
り好ましくはクロライドおよびブロミド、および炭素数
1〜約10、より好ましくは炭素数1〜5を含むアルキル基
を表わす。
【0037】9-フルオレノンに対するフェノールの任意
のモル比が許容されるが、但しビス-ヒドロキシ芳香族
化合物が本発明のプロセスで優勢な生成物として形成さ
れることを条件とする。一般的に、9-フルオレノンに対
するフェノールのモル比は、2〜6、より好ましくは2〜
4、最も好ましくは2〜2.5の範囲である。最も低い代表
的な比2を下まわると、副生成物構造が増加し得る。例
えば、生成物ビス-ヒドロキシ芳香族化合物は、フリー
のオルト位で過剰のケトンと反応し、高度な縮合生成物
となり得る。最も高い代表的な比6を上まわると、過剰
量のフェノールの分離および処理に費用がかかり、問題
となる。
【0038】BHPF化合物の合成に有用な有機溶媒
は、幅広い温度において、フルオレノンおよびフェノー
ル化合物に対して良溶媒または良分散剤であるものであ
る。つまり、有機溶媒が、少なくともフルオレノンとフ
ェノール化合物が反応する温度と同じくらいの高さの温
度で、フルオレノンおよびフェノール化合物の溶液また
は分散状態を維持し得、そして少なくとも反応混合物が
冷却される温度と同じくらいの低さの温度で、BHPF
化合物の析出または結晶化を促進する。この有機溶媒
は、また、フルオレノン、フェノール化合物、酸性縮合
剤またはBHPF化合物と反応してはならない。代表的
な有機溶媒として、無極性炭化水素溶媒(ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタ
ンなど)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素類(例えば
トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメ
タンおよびsym-テトラクロロエタン)およびそれらの混
合物が含まれる。経済的、毒性および使用性の理由か
ら、特にトルエンが有機溶媒として有用である。
【0039】BHPF化合物の合成に使用される酸性縮
合剤は、例えば、塩化水素、スルホン酸(米国特許第5,2
48,838号に記載)、硫酸、2価、3価もしくは4価ハラ
イド(米国特許第4,467,122号に記載)、メルカプタン類
およびメルカプトカルボン酸(米国特許第4,675,458号に
記載)、スルホン酸型イオン交換樹脂、またはそれらの
混合物である。酸性縮合剤と反応混合物の組合せの任意
の既知方法を使用することができる。例えば、反応中、
ガス状塩化水素を反応混合物にバブルしてもよい。ある
いは、酸性縮合剤または試薬を、反応のはじめに反応混
合物に加えてもよい。また、反応混合物を、イオン交換
樹脂で満たしたリアクターに通すこともできる。1種以
上の縮合剤を使用した場合、1の縮合剤を反応の最初に
反応混合物に加え、そして他方の縮合剤を反応中にゆっ
くり加えてもよい。良好な混合と完全な反応を促進する
ため、一旦酸性縮合剤を加えたら反応混合物を連続的に
撹拌するのがよい。
【0040】BHPF生成物の合成は、バッチまたは連
続型操作で達成され得る。例えば、バッチ型操作を使用
する場合、9-フルオレノン、フェノール化合物および有
機溶媒を、撹拌機構と振動部を備えたジャケット付反応
ケトルなどの適した装置中に入れる。酸性縮合剤を加え
た後、この混合物を所望の反応温度まで加熱し、反応中
その温度を保つ。好ましくは、反応温度は80℃以下、よ
り好ましくは20〜70℃、最も好ましくは40〜60℃であ
る。反応混合物を、反応の通じて難なく撹拌できる状態
に保つため、より有効に冷却してもよい。これは重要な
ことであり、なぜなら反応混合物を冷却できないと、反
応混合物の温度が上昇し得るからである。温度上昇(例
えば80℃以上の温度)の結果、より多くの異性体、ダイ
マーおよび他の不純物が反応混合物中で形成され得る。
反応の終わりに、反応混合物を十分に低い温度まで冷却
して、粗BHPF化合物の析出または結晶化を達成させ
る。常温(すなわち25℃)と同じくらい低い温度が、析出
を引き起こすのに効果的であるが、好ましくはより低い
温度(例えば20℃以下、または10℃以下、0℃など)を使
用する。それから、粗BHPF化合物を残りの反応混合
物から濾過または遠心分離で回収し、そして本発明の精
製方法に供する。
【0041】本発明の精製方法は、アセトニトリルを使
用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香
族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族
炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される
溶媒を使用する第2精製工程を包含する。
【0042】第1精製工程で、粗BHPFを、スターラ
ー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた容
器中で、アセトニトリル中に分散させる。この容器は、
所要の製造物スケールによる任意の寸法および収容量を
有し得る。分散を、室温で、粗BHPF1kgに対してア
セトニトリル1〜5リットルを使用して作成する。分散の
温度を、撹拌しながらアセトニトリル溶液の還流温度
(約80℃以上、特に約81℃以上)まで上げて、澄んだ溶液
を得る。それからこの溶液を10℃以下(0〜10℃、好まし
くは0〜5℃など)の温度まで冷却し、この温度に少なく
とも1時間(好ましくは少なくとも2時間)保って、結晶
化混合物を形成する。
【0043】それから結晶化混合物を濾過し、分離した
固体を新鮮な溶媒で洗浄し、それから室温で少なくとも
1時間(好ましくは少なくとも2時間)乾燥させる。得ら
れた固体を、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪
族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリ
ルの混合物からなる群から選択される溶媒を用いる第2
精製工程に供する。
【0044】本発明のプロセスに有用な脂肪族アルコー
ルには、少なくとも、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1
〜4を有する脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノールおよびt-ブタノールなど)が含まれ
る。
【0045】本発明のプロセスに有用な芳香族炭化水素
には、少なくとも、ベンゼンまたは置換ベンゼンが含ま
れる。有用な置換基は、炭素数1〜5を有するアルキルま
たはアルケニル基である。好ましい溶媒は、ベンゼン、
トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチ
ルベンゼン、またはスチレンである。
【0046】本発明のプロセスに有用なニトリルには、
少なくとも、脂肪族ニトリルおよびジニトリル(アセト
ニトリル、プロピオニトリル(proprionitrile)、3-メト
キシ-プロピオニトリル、ブチロニトリル、マロノニト
リル(malonodinitrile)、アジポニトリル(adipodinitri
le)およびバレロニトリルなど)、または芳香族ニトリル
およびジニトリル(ベンゾニトリル、ナフトニトリル、
フタロジニトリルなど)が含まれる。
【0047】第1精製工程から得られたBHPFを、ス
ターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備
えた容器中で、選択された溶媒または溶媒混合物に再分
散させる。分散を、室温で、BHPF1kgに対して溶媒
/溶媒混合物1〜5リットルを使用して作成する。分散
を、室温に保つか、あるいは撹拌しながら溶媒/溶媒混
合溶液の還流温度に温めて、澄んだ溶液を得る。それか
らこの溶液を約10℃未満(例えば0〜10℃、好ましくは0
〜5℃)の温度まで冷却し、この温度に少なくとも1時間
(好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なく
とも4時間)保つ。
【0048】得られたBHPFを、常套の方法を使用し
て分離して、乾燥させる。本発明のBHPFは、当分野
に記載された常套の精製方法ではかつて達し得なかった
ほどの、極めて高い純度を特徴とする。示差走査熱量分
析(DSC)に供する場合、本発明の精製方法で得られた
BHPFは、少なくとも226.00℃の融解曲線最大と、1.
30℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅(melting
curve width at 5%)を有する。当分野の記載の何れの方
法によっても、このような値を得ることができない。
【0049】図1に関して、本発明の特徴のDSCパラ
メーターは、T最大(摂氏℃で示す):検討中のサンプル
の融解曲線最大に対応する温度を表わす、および融解曲
線5%値幅(摂氏℃で示す):曲線ピークの5%高さでの融
解曲線の幅(B)を表わす;曲線の最大と交差するベース
ライン(A)に垂直なライン(C)と曲線最大より低い温度
の同じ融解曲線のサイドとの間を測定、である。
【0050】本発明のBHPFは、すばらしい機械的、
熱的および光学的性質を有する、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテル、およびポリエステルの製造
のための重縮合反応に有用である。本発明のBHPF
は、特に、ポリエステルの調製に、さらにはBHPFと
ジカルボン酸またはハロゲン化ジアシルとの反応で得ら
れるポリアリーレートの調製に有用である。このような
ポリアリーレートは、当業者に知られた方法を使用して
調製することができる:例として、Ind. Eng. Chem. 5
1, 147, 1959に記載の溶液重合方法、二官能性カルボン
酸ジハライドを有機溶液中で二官能性フェノール(すな
わちBHPF)と反応させるもの;"溶融"重合方法、二
官能性カルボン酸と二官能性フェノール(すなわちBH
PF)を無水酢酸またはジアリルカーボネートの存在下
で加熱するもの(日本特許出願第38-26299号に記載);ま
たは界面重合方法、水に相溶しない有機溶媒中に溶かし
た二官能性カルボン酸ジハライドを、アルカリ水溶液中
に溶かした二官能性フェノール(すなわちBHPF)と混
合するもの(J. Polymer Science, XL399, 1959、および
欧州特許出願第943,640号、同第396,418号に記載)が使
用できる。
【0051】本発明のBHPFから得られるポリアリー
レートは、高度な平均分子量、そして優れた機械的、熱
的および光学的性質を示す。
【0052】本発明を以下の実施例で例示説明するが、
これらは限定するものと理解されてはならない。
【0053】
【実施例】示差走査熱量測定法(DSC)の説明 DSC分析を、PERKIN ELMER DSC-4示差走査熱量計で、
走査速度1.0℃/分で、アルミニウムパン PERKIN ELMER
n°0219-0041およびサンプル重量2.00mg〜3.99mgを用
いて行なう。パージ供給ガスは窒素であり、分析温度範
囲は215℃〜230℃であった。機器の校正は標準試料イン
ジウム(原子量114.82a.u.)を使用して、オンセット溶融
温度 156.60℃、DH溶融 28.45 J/g(同じ操走査速度1.0
℃/分)で行なった。
【0054】図1に関して、本発明の特徴のDSCパラ
メーターは、T最大(摂氏℃で示す):検討中のサンプル
の融解曲線最大に対応する温度を表わす、および融解曲
線5%値幅(摂氏℃で示す):曲線ピークの5%高さでの融
解曲線の幅(B)を表わす;曲線の最大と交差するベース
ライン(A)に垂直なライン(C)と曲線最大より低い温度
の同じ融解曲線のサイドとの間を測定、である。
【0055】"粗BHPF"の調製 本実施例で、"粗BHPF"を、米国特許第5,248,838号
の実施例5に従って合成した。スターラー、リフラック
スコンデンサーおよび温度計を備えた500ml4口フラス
コに、9-フルオレノン45.0g(0.25モル)を、溶けたフェ
ノール57.0g(0.6モル)と一緒に入れた。トルエン 115ml
を加え、それから混合物を撹拌して、反応物全てを溶か
した。それから3-メルカプトプロピオン酸0.22ml(0.002
5モル)とメタンスルホン酸18.0ml(0.28モル)をフラスコ
中に入れた。メタンスルホン酸を、1時間かけて反応溶
液に滴下した。滴下中、温度は30分で40-42℃に上昇し
た(内部温度をこの値に制限するのに、外部冷却が必要
であった)。
【0056】この発熱工程の終わりに外部加熱を行な
い、反応器中の温度を40℃に維持した。90-120分後にB
HPFの析出が起こった。この反応は18時間後に完了し
た。室温で1-2時間冷却した後、生成物を濾過し、新鮮
なトルエン(それぞれ50mlで2度洗浄)で洗浄した。生成
物は黒みをおびた赤茶色の小さい球形(直径1-3 mm)様で
あり、90℃で減量10%であった。
【0057】実施例1(比較例) 粗BHPFを、アセトニトリル溶媒を使用する単一工程
精製方法に供した。
【0058】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散
させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を
得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少な
くとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗
上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で
2時間保ち、それから減圧オーブン(120℃)中で少なく
とも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分
析した。結果を表1に示す。
【0059】実施例2(本発明) 粗BHPFを、アセトニトリル溶媒とトルエン:イソプ
ロパノール(9:1 v/v)混合物を使用する、2重工程精製
方法に供した。
【0060】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散
させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を
得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少な
くとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗
上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で
2時間保った。得られた固体を、トルエン:イソプロパ
ノール(9:1 v/v)混合物(4リットル/生成物1kg)に室温
で再分散させ、溶媒混合物の還流温度に温めて、澄ん
だ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0〜-5℃まで冷
却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結
晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄
し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オー
ブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。乾燥が
完了した後、生成物を上記のDSC方法で分析した。得
られた結果を表1に示す。
【0061】実施例3(本発明) 粗BHPFを、アセトニトリルとトルエン:アセトニト
リルを使用する2重工程精製方法に供した。
【0062】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散
させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を
得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少な
くとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗
上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で
2時間保った。得られた固体を、トルエン:アセトニト
リル(9.3:0.7 v/v)の混合物(5.5リットル/生成物1kg)
に室温で再分散させて、溶媒混合物の還流温度に温め
て、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0〜-5
℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。そ
れから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒
で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減
圧オーブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。
生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を
表1に示す。
【0063】実施例4(本発明) 粗BHPFを、アセトニトリルとイソプロパノールを使
用する、2重工程精製方法に供した。
【0064】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散
させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を
得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少な
くとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗
上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で
2時間保った。得られた固体を、イソプロパノール(3.0
リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも
2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少
なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏
斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温
で2時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なく
とも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分
析した。得られた結果を表1に示す。
【0065】実施例5(比較例) 粗BHPFを、アセトンを使用する単一工程精製方法に
供した。
【0066】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、
溶媒の還流温度にまで温め、澄んだ、濃褐色溶液を得
た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なく
とも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上
で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2
時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なくとも
16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析し
た。得られた結果を表1に示す。
【0067】実施例6(比較例) 粗BHPFを、アセトンとトルエン:イソプロパノール
(9:1 v/v)の混合物を使用する、2重工程精製方法に供
した。
【0068】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ
て、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得
た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なく
とも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上
で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2
時間保った。得られた固体を、トルエン:イソプロパノ
ール(9:1 v/v)の混合物(4.3リットル/生成物1kg)に室
温で再分散させ、溶媒混合物の還流温度に温めて、澄ん
だ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却
し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶
化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、
減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン
(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上
記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示
す。
【0069】実施例7(比較例) 粗BHPFを、アセトンとジオキサンを使用する、2重
工程精製方法に供した。
【0070】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、
溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。
それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
った。得られた固体を、ジオキサン(3.15リットル/生成
物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌
し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時
間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し, 減圧漏斗中、室温で2時間保
ち、それから減圧オーブン(90℃)で少なくとも16時間乾
燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0071】実施例8(比較例) 粗BHPFを、アセトンとイソプロパノールを使用す
る、2重工程精製方法に供した。
【0072】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、
溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。
それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
った。得られた固体を、イソプロパノール(2.0リットル
/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹
拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させ
た。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結
果を表1に示す。
【0073】実施例9(比較例) 粗BHPFを、アセトンとエタノールを使用する、2重
工程精製方法に供した。
【0074】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、
溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。
それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
った。得られた固体を、エタノール(3.0リットル/生成
物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温め
て、澄んだ、黄色溶液を得た。それから0℃まで冷却
し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶
化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、
減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中
で少なくとも16時間間損させた。生成物を上記のDSC
方法で分析した。得られた結果を表1に示す。
【0075】実施例10(比較例) 粗BHPFを、アセトンとメタノールを使用する、2重
工程精製方法に供した。
【0076】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、
溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。
それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
った。得られた固体を、メタノール(1.65リットル/生成
物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌
し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時
間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させ
た。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結
果を表1に示す。
【0077】実施例11(比較例) 粗BHPFを、エタノールを使用する単一工程精製方法
に供した。
【0078】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
エタノール(2.7リットル/生成物1kg)に室温で分散さ
せ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得
た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なく
とも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上
で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2
時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なくとも
16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析し
た。得られた結果を表1に示す。
【0079】実施例12(比較例) 粗BHPFを、エタノールとアセトンを使用する、2重
工程精製方法に供した。
【0080】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
エタノール(2.7リットル/生成物1kg)に室温で分散させ
て、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得
た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なく
とも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上
で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2
時間保った。得られた固体を、アセトン(3.4リットル/
生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温
めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0℃
まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それ
から結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で
洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン
(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記
のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。
【0081】実施例13(比較例) 粗BHPFを、イソプロパノールを2度使用する2重工
程精製方法に供した。
【0082】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
イソプロパノール(2.25リットル/生成物1kg)に室温で
分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶
液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で
少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧
漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室
温で2時間保った。得られた固体を、イソプロパノール
(2.5リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なく
とも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度
で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減
圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、
室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも
16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析し
た。得られた結果を表1に示す。
【0083】実施例14(比較例) 粗BHPFを、イソプロパノールとアセトンを使用す
る、2重工程精製方法に供した。
【0084】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
イソプロパノール(2.25リットル/生成物1kg)に室温で
分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶
液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で
少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧
漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室
温で2時間保った。得られた固体を、アセトン(3.0リッ
トル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度
に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを
0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。そ
れから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒
で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブ
ン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上
記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示
す。
【0085】実施例15(比較例) 粗BHPFを、トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)
混合物を2度使用する、2重工程精製方法に供した。
【0086】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)の混合物(3.8リ
ットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度
に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを
0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。そ
れから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトル
エンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得ら
れた固体を、トルエン:イソプロパノール(9:1v/v)混合
物(1.5リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒
の還流温度 まで温め、澄んだ、黄色溶液を得た。それ
からこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間
保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、
新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保
ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させ
た。劣化(degradation)のため、生成物をDSC方法で
分析しなかった。
【0087】実施例16(比較例) 粗BHPFを、トルエン:アセトニトリル(9.3:0.7 v/
v)混合物を2度使用する2重工程精製方法に供した。
【0088】粗BHPFを、スターラー、リフラックス
コンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、
トルエン:アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)混合物(5.5リ
ットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度
に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを
0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。そ
れから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトル
エンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得ら
れた固体を、トルエン: アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)
混合物(3.7リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、
溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、淡褐色溶液を得た。
それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2
時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過
し、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時
間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥
させた。劣化(degradation)のため、生成物をDSC方
法で分析しなかった。
【表1】
【0089】ポリアリーレートフィルムの調製 実施例1の精製したBHPF化合物を用い、欧州特許第
396,418号記載のような界面重縮合方法で、50モル%テ
レフタル酸とイソフタル酸の混合物を使用して重合し
て、ポリマー1を得た。ポリマー1の10重量%ジクロロ
メタン溶液を使用する溶液流延法により、フィルム1を
得た。フィルム1を温度25℃で3時間乾燥させ、徐々に
温度を最大160℃まで上げた。
【0090】ポリマー2〜16およびフィルム2〜16を、同
じ手順によるが、それぞれ実施例2〜16の精製したB
HPF化合物を使用して得た。
【0091】ポリマー1〜16に関するゲル浸透クロマト
グラフィー(GPC)データを表2に記載する。表2のデ
ータは、高分子量を有するポリマーが本発明の精製した
BHPF化合物を使用することにより得られることを、
はっきりと示している。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン
のDSCパラメーターの決定を図解説明する、示差走査
熱量測定法(DSC)融解曲線のグラフ図
【符号の説明】
A:ベースライン B:曲線ピークの5%高さでの融解曲線の幅 C:曲線の最大と交差するベースラインに垂直なライン T:温度 T最大:検討中のサンプルの融解曲線最大に対応する温
度(摂氏℃で示す)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 612 B01D 9/02 612 615 615A 617 617 C07C 39/17 C07C 39/17 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 シモネ・アンジョリーニ イタリア、イ−17014カイロ・モンテノッ テ/フェラーニア(サヴォーナ)、フェラ ーニア・ソシエタ・ペル・アチオニ、イン テレクチュアル・プロパティ・デパートメ ント内 (72)発明者 マウロ・アヴィダーノ イタリア、イ−17014カイロ・モンテノッ テ/フェラーニア(サヴォーナ)、フェラ ーニア・ソシエタ・ペル・アチオニ、イン テレクチュアル・プロパティ・デパートメ ント内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AC25 AD15 BA28 BA36 BA37 BA72 BB11 BB14 BB21 BD60 FC52 FC56 FE13 4H039 CA41 CL25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオ
    レン化合物の調製のための精製方法であって、該方法
    が、不純な9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン
    化合物を、少なくとも2種の精製工程; 1.アセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程、およ
    び 2.脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコ
    ールの混合物および芳香族炭化水素とニトリルの混合物
    からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工
    程、によって精製することを包含する方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族アルコールが、メタノール、
    エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
    ール、イソブタノール、t-ブタノールおよびn-ペンタノ
    ールからなる群から選択されることを特徴とする、請求
    項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トル
    エン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベ
    ンゼンおよびスチレンからなる群から選択されることを
    特徴とする、請求項1記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 前記ニトリルが、アセトニトリル、プロ
    ピオニトリル、3-メトキシ-プロピオニトリル、ブチロ
    ニトリル、マロノニトリル、アジポニトリル、バレロニ
    トリル、ベンゾニトリル、ナフトニトリルおよびフタロ
    ジニトリルからなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項1記載の精製方法。
  5. 【請求項5】 下記工程;(a) 有機溶媒中、酸性縮合
    剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノン化合
    物とを反応させる工程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシ
    フェニル)フルオレン化合物を分離する工程、および(c)
    粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物
    を精製する工程、を包含し、該精製方法が、アセトニト
    リル溶媒を使用する第1精製工程ならびに、a)脂肪族ア
    ルコール、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合
    物およびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる
    群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含す
    る、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物
    の調製のための合成方法。
  6. 【請求項6】 前記脂肪族アルコールが、メタノール、
    エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
    ール、イソブタノール、t-ブタノールおよびn-ペンタノ
    ールからなる群から選択されることを特徴とする、請求
    項5記載の合成方法。
  7. 【請求項7】 前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トル
    エン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベ
    ンゼンおよびスチレンからなる群から選択されることを
    特徴とする、請求項5記載の合成方法。
  8. 【請求項8】 前記ニトリルが、アセトニトリル、プロ
    ピオニトリル、3-メトキシ-プロピオニトリル、ブチロ
    ニトリルおよびバレロニトリル、およびベンゾニトリル
    からなる群から選択されることを特徴とする、請求項5
    記載の合成方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも226.00℃の融解曲線最大と、
    1.30℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅を示
    す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合
    物。
  10. 【請求項10】 少なくとも226.00℃の融解曲線最大
    と、1.10℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅を
    示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合
    物。
  11. 【請求項11】 第1精製工程がアセトニトリル溶媒か
    らの再結晶化を包含する、請求項1記載の精製方法。
  12. 【請求項12】 第2精製工程が、a)脂肪族アルコー
    ル、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、お
    よびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群か
    ら選択される溶媒系を含む溶媒系からの再結晶化を包含
    する、請求項1記載の調製方法。
  13. 【請求項13】 第2精製工程が、a)脂肪族アルコー
    ル、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、お
    よびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群か
    ら選択される溶媒系を含む溶媒系からの再結晶化を包含
    する、請求項11記載の精製方法。
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