JP2002362427A - 後部車体構造 - Google Patents

後部車体構造

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 左右のダンパ取付部41,42を、左右
のガセット44,45にてダンパ取付部41,42の近
傍のリヤフロアアッパクロスメンバ43に各々結合する
ことでダンパ取付部41,42を補強する。 【効果】 従来のような補強用バーを用いるのに比べ
て、本発明では、ガセットの取付ピッチを短くすること
ができ、取付ピッチの誤差を小さくことができて、ガセ
ットの取付穴を長穴にする必要がなくなり、ナットを受
けるガセット側の座面の面積を大きく設定することがで
き、ナットによる締付トルクを大きくしてもダンパの取
付ボルトの軸力の低下を抑えることができる。また、ガ
セットの一端をフロアクロスメンバに取付けた状態でダ
ンパとガセットとを共締めすることができ、作業性を向
上させることができて、量産性を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、後輪用ダンパの取
付ボルトの軸力の低下を防止するとともに、また、ダン
パ取付部にダンパとダンパ取付部補強用部材とを共締め
する際の作業性を高めるための後部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の後部車体の斜視図であり、
リヤフロアパネル100の左右に後輪を収納するホイー
ルハウス101,102を設け、これらのホイールハウ
ス101,102の付け根部に、後輪からの衝撃緩和及
び後輪支持のためのダンパを取付けるダンパ取付部10
3,104を設け、これらのダンパ取付部103,10
4の剛性を高めるためにダンパ取付部103,104に
ダンパ取付部補強部材としての補強用バー105を掛け
渡した状態を示す。なお、107はスペアタイヤを収納
するスペアタイヤ収納凹部である。
【0003】補強用バー105は、ダンパ取付部10
3,104に取付ける端部金具111,112と、これ
らの端部金具111,112に一体的に取付けたバー1
13とからなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図10は従来の補強用
バーの平面図である。補強用バー105は、両端をダン
パ取付部103,104にダンパと共締めする。詳しく
は、補強用バー105の端部金具111,112のそれ
ぞれにボルト挿入穴114,114、ボルト挿入穴11
5,115を開け、ダンパの上端に設けたボルト116
・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)をダンパ取付部
103,104に設けた取付穴(不図示)に下方から挿
入するとともに、ボルト116・・・を端部金具111の
ボルト挿入穴114,114及び端部金具112のボル
ト挿入穴115,115にそれぞれ通し、ボルト116
・・・にナット(不図示)をねじ込む。
【0005】補強用バー105の取付ピッチP1,P2
(即ち、左右のダンパのボルト116,116の間隔で
ある。)はほぼ左右の後輪間隔に等しいため、ボルト挿
入穴114とボルト挿入穴115との間隔の製造誤差が
大きくなり、この製造誤差を吸収するために一方のボル
ト挿入穴114,114は長穴とする。
【0006】このように、ボルト挿入穴114を長穴に
すれば、ボルト116にねじ結合するナットを受ける座
面の面積が小さくなり、ナットを回して所定の締付トル
クで締めつけた際の座面に作用する面圧が高くなる。座
面の面圧が過度に高くなれば、座面が変形してボルトの
軸力が低下することが考えられる。
【0007】また、ダンパ取付部103,104にダン
パと補強用バー105とを共締めする場合、初めは、補
強用バー105の端部金具112を片側のダンパ取付部
104に単に載せた不安定な状態で、補強用バー105
の端部金具111をダンパとともに取付ける作業を行わ
なければならず、作業中に端部金具112側が移動して
端部金具111側の取付けに手間取ることがあり、作業
性が悪い。
【0008】そこで、本発明の目的は、後部車体構造を
改良することで、後輪用ダンパの取付ボルトの軸力の低
下を防止し、また、ダンパ取付部にダンパとダンパ取付
部補強用部材とを共締めする際の作業性を高めることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、後輪から伝わる衝撃を緩和する左右のダ
ンパを各々車体側に取付けるためのダンパ取付部を車体
後部に設け、これらのダンパ取付部を補強する後部車体
構造であって、左右のダンパ取付部を、左右のガセット
にてダンパ取付部近傍のフロアクロスメンバに各々結合
することでダンパ取付部を補強することを特徴とする。
【0010】左右のダンパ取付部を、左右のガセットに
てダンパ取付部近傍のフロアクロスメンバに各々結合す
ることにより、左右のダンパ取付部の剛性を高めつつ、
従来のような補強用バーを用いるのに比べて本発明では
ガセットの取付ピッチを短くすることができ、取付ピッ
チの誤差を小さくことができる。
【0011】従って、例えば、ダンパ取付部にダンパと
ガセットとを共締めする場合に、ダンパ上部に設けた取
付ボルトを通すためにガセットに開けた穴をダンパの取
付ボルトの外径に対して大きくする必要がないので、取
付ボルトにねじ込むナットを受けるガセット側の座面の
面積を大きく設定することができる。従って、上記ナッ
トによる締付トルクを大きくしてもダンパの取付ボルト
の軸力の低下を抑えることができる。
【0012】また、ガセットをフロアクロスメンバに取
付けた状態でダンパ取付部にてダンパとガセットとを共
締めすることができ、作業性を向上させることができ、
量産性を向上させることができる。
【0013】請求項2は、左右のガセットをロッドで連
結したことを特徴とする。左右のガセットをロッドで連
結したことで、左右のダンパ取付部の剛性をより一層高
めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る後部車体構造を備えた
車体の斜視図であり、車体10は、エンジン室を形成す
ることでエンジンを支持するとともにフロントサスペン
ションからの入力を支えるフロントボデー11と、この
フロントボデー11の後方に乗員室及び荷物室の床面を
形成するとともに燃料タンク、スペアタイヤ等を格納
し、更にリヤサスペンションからの入力を支えるアンダ
ボデー12と、このアンダボデー12の両側部から立上
げることで乗員室の側面を形成するサイドボデー13,
14と、これらのサイドボデー13,14の上部に渡す
ことで乗員室の屋根を形成するルーフ15と、アンダボ
デー12の後部に荷物室を形成するリヤボデー16とか
らなる骨格構造とした部材である。
【0015】アンダボデー12は、乗員室の床面になる
フロントフロアパネル21と、後席シートを支持すると
ともに荷物室の床面になる車体後部としてのリヤフロア
パネル22と、これらのフロントフロアパネル21及び
リヤフロアパネル22のそれぞれの結合部近傍に取付け
たミドルフロアクロスメンバ23とからなる。
【0016】サイドボデー13は、ドアを取付けるフロ
ントピラー26と、ボデー剛性を高めるためにアンダボ
デー12の側部に取付けたシル27と、ドア後端の保持
とドアロックのための部品を取付けるセンタピラー28
とを備える。サイドボデー14は、サイドボデー13と
同様なシル31及びセンタピラー32を備える。
【0017】図2は本発明に係る後部車体構造を示す斜
視図であり、リヤフロアパネル22の前部に後席用シー
トを取付けるシート取付部35を形成し、リヤフロアパ
ネル22の中央部から後部に亘ってスペアタイヤを収納
するスペアタイヤ収納凹部36を形成し、リヤフロアパ
ネル22の左右に後輪を収納するホイールハウス37,
38を設け、これらのホイールハウス37,38の付け
根部に対応するリヤフロアパネル22に、後輪用の、例
えばストラット型ダンパを取付けるダンパ取付部41,
42を設け、これらのダンパ取付部41,42の近傍の
リヤフロアパネル22に車幅方向に延びるフロアクロス
メンバとしてのリヤフロアアッパクロスメンバ43を取
付け、このリヤフロアアッパクロスメンバ43と各ダン
パ取付部41,42とにダンパ取付部41,42の剛性
を高めるためのガセット44,45をそれぞれ取付けた
ことを示す。
【0018】ダンパ取付部41,42は、リヤサスペン
ションからの入力、例えば、ダンパからの突き上げ力、
前後方向の力、車幅方向の力を支える部分である。リヤ
フロアアッパクロスメンバ43は、リヤフロアパネル2
2とで閉断面を形成する部材であり、リヤフロアパネル
22の曲げ剛性及びねじり剛性を高める。
【0019】図3は本発明に係るガセットの斜視図であ
り、ガセット44は、ダンパ取付部41(図2参照)に
取付けるためのU字状端部51と、このU字状端部51
に開けたボルト挿入穴52,52と、リヤフロアアッパ
クロスメンバ43(図2参照)に取付けるための側方起
立部53と、この側方起立部53に開けたボルト挿入穴
54と、このボルト挿入穴54の近傍に設けたナット5
5及び起立片56(これらのナット55及び起立片56
については後で詳述する。)とを備える。なお、ガセッ
ト45(図2参照)はガセット44と左右対称な形状の
部材であり、以降のガセット45の説明は取付状態も含
め、省略する。
【0020】図4は本発明に係るガセットの平面図であ
り、図中の符号Pは、U字状端部51のボルト挿入穴5
2,52と側方起立部53のボルト挿入穴54との距
離、即ち、ガセット44のダンパ取付部41,42への
取付ピッチを表す。この取付ピッチPは、従来の取付ピ
ッチP1,P2(図10参照)に比較して小さくしたも
のであり、これによって、取付ピッチPのばらつきを小
さくできるため、ボルト挿入穴52,52及びボルト挿
入穴54を長穴とせずに丸穴とした。(この丸穴の径は
従来の長穴の長径よりも小さい。)
【0021】図5は図2の5−5線断面図であり、リヤ
フロアパネル22にリヤフロアアッパクロスメンバ43
を取付け、このリヤフロアアッパクロスメンバ43の内
側に取付けた補強プレート57付きナット58とボルト
61とでリヤフロアアッパクロスメンバ43にガセット
44を取付けたことを示す。なお、ダンパ取付部41
(図2参照)とガセット44との取付状態については後
述する。補強プレート57は、リヤフロアアッパクロス
メンバ43におけるガセット44取付部を補強するため
の部材である。
【0022】以上の図2、図4及び図5で説明したよう
に、本発明は第1に、後輪から伝わる衝撃を緩和する左
右のダンパを各々車体側に取付けるためのダンパ取付部
41,42をリヤフロアパネル22に設け、これらのダ
ンパ取付部41,42を補強する後部車体構造であっ
て、左右のダンパ取付部41,42を、左右のガセット
44,45にてダンパ取付部41,42の近傍のリヤフ
ロアアッパクロスメンバ43に各々結合することでダン
パ取付部41,42を補強することを特徴とする。
【0023】左右のダンパ取付部41,42を、左右の
ガセット44,45にてダンパ取付部41,42の近傍
のリヤフロアアッパクロスメンバ43、即ちリヤフロア
パネル22の高剛性部に各々結合することにより、左右
のダンパ取付部41,42の剛性を高めつつ、従来のよ
うな補強用バーを用いるのに比べて本発明ではガセット
44,45の取付ピッチPを短くすることができ、取付
ピッチ6の誤差を小さくことができる。
【0024】従って、例えば、ダンパ取付部41,42
にダンパとガセット44,45とを共締めする場合に、
ダンパ上部に設けた取付ボルト76(後で詳細に述べ
る。)を通すためにガセット44,45に開けたボルト
挿入穴52,52を取付ボルト76の外径に対して大き
くする必要がないので、取付ボルト76にねじ込むナッ
ト77(後で詳細に述べる。)を受けるガセット44,
45側の座面の面積を大きく設定することができる。従
って、上記ナット77による締付トルクを大きくして
も、座面の面圧が過度におおきくならず、座面の締付け
時の変形、締付け後のへたりを防止することができ、ダ
ンパの取付ボルト76の軸力の低下を抑えることができ
る。
【0025】また、ガセット44,45をリヤフロアア
ッパクロスメンバ43に取付けた状態でダンパとガセッ
ト44,45とをそれぞれ共締めすることができ、作業
性を向上させることができて、量産性を高めることがで
きる。
【0026】更に、ガセット44,45でダンパ取付部
41,42を補強するのに、既存のリヤフロアアッパク
ロスメンバ43を利用するため、リヤフロアパネル22
に特別にガセット44,45を取付けるための部材を設
ける必要がなく、車体10(図1参照)の製造コストの
上昇を抑えることができる。
【0027】図6は本発明に係るダンパ取付部補強用部
材の別の実施の形態を示す斜視図であり、図2に示した
実施の形態のガセット44,45をロッドとしてのクロ
スビーム63で連結したことを示す。
【0028】このように、ガセット44,45をリヤフ
ロアアッパクロスメンバ43と各ダンパ取付部41,4
2とにそれぞれ渡すとともに、ガセット44,45をク
ロスビーム63で連結することで、ダンパ取付部41,
42、ひいては後部車体の剛性をより一層高めることが
できる。
【0029】図7は本発明に係るダンパ取付部補強用部
材の別の実施の形態のクロスビームを示す斜視図であ
り、クロスビーム63は、例えば、鋼管の両端部にそれ
ぞれ平面部65及びこの平面部65の縁部を立上げた起
立部66,66を形成し、一方の平面部65に長穴とし
たボルト挿入穴67と長穴とした位置決め穴68とを開
け、他方の平面部65に丸穴としたボルト挿入穴71と
丸穴とした位置決め穴72とを開けた部材である。
【0030】図8は図6の8−8線断面図であり、クロ
スビーム63の位置決め穴68をガセット44の起立片
56に嵌め、クロスビーム63のボルト挿入穴67にボ
ルト74を通し、このボルト74をガセット44のナッ
ト55にねじ込み、同様にして、ガセット45(図2参
照)にクロスビーム63の他端を取付けることで、ガセ
ット44,45をクロスビーム63で連結する。なお、
76,77はガセット44のU字状端部51をダンパ取
付部41に共締めするためのダンパの取付ボルト及びナ
ット、78はダンパ取付部41にプロジェクション溶接
されたスペーサーである。
【0031】以上の図6及び図8で説明したように、本
発明は第2に、左右のガセット44,45をクロスビー
ム63で連結したことを特徴とする。左右のガセット4
4,45をクロスビーム63で連結したことで、左右の
ダンパ取付部41,42の剛性をより一層高めることが
でき、ひいては後部車体の剛性を高めることができる。
【0032】尚、図6で説明した実施の形態では、左右
のガセットをクロスビームで連結したが、このクロスビ
ームの中間部を更にリヤフロアアッパクロスメンバに取
付けてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の後部車体構造は、後輪から伝わる衝撃
を緩和する左右のダンパを各々車体側に取付けるための
ダンパ取付部を車体後部に設け、これらのダンパ取付部
を補強する後部車体構造であって、左右のダンパ取付部
を、左右のガセットにてダンパ取付部近傍のフロアクロ
スメンバに各々結合したので、左右のダンパ取付部の剛
性を高めつつ、従来のような補強用バーを用いるのに比
べて、本発明では、ガセットの取付ピッチを短くするこ
とができ、取付ピッチの誤差を小さくことができる。
【0034】従って、例えば、ダンパ取付部にダンパと
ガセットとを共締めする場合に、ダンパ上部に設けた取
付ボルトを通すためにガセットに開けた穴をダンパの取
付ボルトの外径に対して大きくする必要がないので、取
付ボルトにねじ込むナットを受けるガセット側の座面の
面積を大きく設定することができる。従って、上記ナッ
トによる締付トルクを大きくしてもダンパの取付ボルト
の軸力の低下を抑えることができる。
【0035】また、ガセットをフロアクロスメンバに取
付けた状態でダンパ取付部にてダンパとガセットとを共
締めすることができ、作業性を向上させることができ、
量産性を向上させることができる。
【0036】請求項2の後部車体構造は、左右のガセッ
トをロッドで連結したので、左右のダンパ取付部の剛性
をより一層高めることができ、更には、後部車体の剛性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後部車体構造を備えた車体の斜視
【図2】本発明に係る後部車体構造を示す斜視図
【図3】本発明に係るガセットの斜視図
【図4】本発明に係るガセットの平面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】本発明に係るダンパ取付部補強用部材の別の実
施の形態を示す斜視図
【図7】本発明に係るダンパ取付部補強用部材の別の実
施の形態のクロスビームを示す斜視図
【図8】図6の8−8線断面図
【図9】従来の後部車体の斜視図
【図10】従来の補強用バーの平面図
【符号の説明】 10…車体、22…車体後部(リヤフロアパネル)、4
1,42…ダンパ取付部、43…フロアクロスメンバ
(リヤフロアアッパクロスメンバ)、44,45…ガセ
ット、63…ロッド(クロスビーム)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪から伝わる衝撃を緩和する左右のダ
    ンパを各々車体側に取付けるためのダンパ取付部を車体
    後部に設け、これらのダンパ取付部を補強する後部車体
    構造であって、 前記左右のダンパ取付部を、左右のガセットにてダンパ
    取付部近傍のフロアクロスメンバに各々結合することで
    ダンパ取付部を補強することを特徴とする後部車体構
    造。
  2. 【請求項2】 前記左右のガセットをロッドで連結した
    ことを特徴とする請求項1記載の後部車体構造。
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