JP2002361833A

JP2002361833A - ハイブリッド印刷装置

Info

Publication number: JP2002361833A
Application number: JP2001177010A
Authority: JP
Inventors: Hisao Oishi; 尚生大石; Mitsuru Sawano; 充沢野
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 2001-06-12
Filing date: 2001-06-12
Publication date: 2002-12-18

Abstract

(57)【要約】【課題】印刷領域に共通情報の画像領域と個別情報の
画像領域、或いは単色情報の画像領域とカラー情報の画
像領域とが混在する印刷物において、それぞれの領域に
適した印刷方式を採用しても印刷速度を低下させること
がなく、かつ互いの領域の見当合わせを容易に行うこと
ができ、高画質化を図る。【解決手段】モノクロ画像の一部にカラー画像を印刷
する場合において、モノクロ専用の印刷機２６を用い、
印刷物の大部分の領域４２を印刷し、大面積かつ大量の
印刷物１４を迅速に処理する。一方、一部のカラー画像
を印字する領域４４は小面積であるため、インクジェッ
トプリンタ２８によって印字する。また、このインクジ
ェットプリンタ２８は、前記オフセット印刷機２６の搬
送経路と同一の搬送経路にシリアルに配設されているた
め、領域４２、４４の見当合わせが容易である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、所定の印刷物に画
像を印刷するためのハイブリッド印刷装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
印刷物には、部分的にカラー画像を採用し、他の大部分
は単色画像を採用したり、或いは、部分的に個別の情報
を含み、他の大部分は共通の情報を印刷することがビジ
ネスフォーム、系列小売店毎の共通カタログ等で多用さ
れている。

【０００３】例えば、ビジネスフォームでは、強調した
い部分をカラー画像とすることで、プレゼンテーション
等のアピール性を向上させるため、一部をカラー画像と
する。また、通信販売等のカタログでは、顧客毎のニー
ズに合わせて、顧客毎に部分的に個別の商品画像、にお
い等の情報を印刷する。

【０００４】さらに、生命保険やビジネスフォームで
は、全体のフォーマットは共通の情報が印刷されてお
り、部分的に顧客毎に提案したい内容（価格、商品構成
等）を記載する。また、系列小売店毎の共通カタログで
は、商品掲載部分が共通であり、連絡先の各小売店の案
内情報を個別に印刷する。

【０００５】現在、このようなニーズに対する印刷物を
提供する手段としては、全情報をバリアブル印刷装置で
印刷する手段（第１の手段）と、共通情報（大部分がモ
ノクロ画像の場合は、この大部分の情報を含む）のみを
事前にオフセット印刷等で大量印刷しておき、個別情報
（一部がカラー画像の場合は、この一部の情報を含む）
を個別に電子写真方式やインクジェットプリンタ等で印
字する手段（第２の手段）とがある。

【０００６】なお、上記一部のカラー画像や共通画像
は、他の領域と完全に独立している場合もあるし、重複
している場合もあり得る。

【０００７】第１の手段に適用されるバリアブル印刷装
置としては、電子写真方式やインクジェット方式等が考
えられるが、電子写真方式では、オフセット印刷のよう
な高画質化が困難である。また、インクジェット方式で
は、被印刷物が限定されるほか、印刷領域を全幅をカバ
ーするためのライン上ヘッドは装置が大型になり、かつ
高価である。このため、ヘッドをスキャン（走査）させ
る方式では印字速度が遅くなり、生産性が極めて悪化す
る。

【０００８】一方、第２の手段では、印刷工程が煩雑で
あり、オフラインによる印刷となるため、共通情報（モ
ノクロ画像情報）と個別情報（カラー画像情報）との見
当精度が合わせ難く高画質化が困難となる。

【０００９】本発明は上記事実を考慮し、印刷領域に共
通情報の画像領域と個別情報の画像領域、或いは単色情
報の画像領域とカラー情報の画像領域とが混在する印刷
物において、それぞれの領域に適した印刷方式を採用し
ても印刷速度を低下させることがなく、かつ互いの領域
の見当合わせを容易に行うことができ、高画質化を図る
ことができるハイブリッド印刷装置を得ることが目的で
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
所定の搬送経路上に、所定の印刷物へ画像を記録するた
めの有版印刷機構と、無版印刷機構とを一体に組み合わ
せて配設し、前記印刷物の画像形成領域の範囲内で、そ
れぞれ有版印刷領域と、無版印刷領域との２つの領域を
設定し、それぞれの領域を前記有版印刷機構又は無版印
刷機構によって印刷することを特徴としている。

【００１１】請求項２記載の発明は、前記請求項１記載
の発明において、前記有版印刷領域と、無版印刷領域と
が重複して設定されることを特徴としている。

【００１２】請求項３記載の発明は、前記請求項１記載
の発明において、前記有版印刷領域と、無版印刷領域と
が、互いに独立した領域として設定されることを特徴と
している。

【００１３】請求項１記載の発明によれば、一般的に有
版印刷機構は大量印刷に適しており、無版印刷機構は少
量印刷機構に適している。これを、１枚の印刷物の印刷
領域の中で使い分ける際、所定の搬送経路上に有版印刷
機構と無版印刷機構とを一体的に組み合わせることで、
互いの領域の見当合わせが容易となり、かつ印刷能力を
低下させることなく、共通情報と個別情報、或いは単色
画像情報とカラー画像情報等、複合印刷のニーズにあっ
た印刷が可能となる。

【００１４】また、請求項２に記載のように、有版印刷
領域と、無版印刷領域とを重複して設定することもでき
るし、請求項３に記載のように、有版印刷領域と、無版
印刷領域とを互いに独立した領域として設定することも
できる。

【００１５】請求項４記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項３の何れか１項記載の発明において、前記２つの
領域が、前記印刷物の画像形成領域の大部分を占め共通
画像が形成される主領域と、前記主領域に対して僅かな
部分であり個別画像が形成される副領域と、で構成さ
れ、前記主領域が前記有版印刷機構によって印刷され、
前記副領域が前記無版印刷機構によって印刷されること
を特徴としている。

【００１６】請求項４に記載の発明によれば、有版印刷
機構によって印刷する領域は、所定の印刷物の大部分を
占める共通画像を形成するための主領域であり、無版印
刷機構によって印刷する領域は、この主領域に対して僅
かな部分である個別画像を形成するための副領域であ
る。すなわち、主領域のように大きな領域には有版印刷
機構が画質の点でも有利であり、副領域のように僅かな
領域には無版印刷機構が顧客のニーズに合わせ易く有利
となる。

【００１７】請求項５記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項３の何れか１項記載の発明において、前記２つの
領域が、前記印刷物の画像形成領域の大部分を占め単色
画像が形成される主領域と、前記主領域に対して僅かな
部分でありカラー画像が形成される副領域と、で構成さ
れ、前記主領域が前記有版印刷機構によって印刷され、
前記副領域が前記無版印刷機構によって印刷されること
を特徴としている。

【００１８】請求項５に記載の発明によれば、一部がカ
ラー画像であるために、全ての領域を対象として印刷版
を準備しなければならず（ＣＭＹＫの各版）、特に単色
用印刷版では、不可能となる。また、カラー画像印刷用
の有版印刷機構の場合には、無駄な処理が多く、作業効
率が悪い。そこで、カラー画像が形成される領域を副領
域として、無版印刷機構によって画像を形成すること
で、単色専用の有版印刷版においても、一部がカラー画
像とすることが可能となる。

【００１９】請求項６記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項５の何れか１項記載の発明において、前記有版印
刷機構と無版印刷機構とが、前記搬送経路に沿ってシリ
アルに配設されていることを特徴としている。

【００２０】請求項６に記載の発明によれば、有版印刷
機構と無版印刷機構とを、前記搬送経路に沿ってシリア
ルに配設することで、搬送速度に基づいて見当合わせが
可能となる。

【００２１】請求項７記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項５の何れか１項記載の発明において、前記有版印
刷機構と無版印刷機構とが、ほぼ同一の搬送経路上に配
設されていることを特徴としている。

【００２２】請求項７に記載の発明によれば、有版印刷
機構と無版印刷機構とによる印刷をほぼ同時期に実行す
るため、印刷効率を低下させることなく、一部が異なる
印刷を行うことができる。

【００２３】請求項８記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項７の何れか１項記載の発明において、前記有版印
刷機構が、予め印刷版に設けられたインキ受容層に画像
データに応じて、不要なインキ受容層を排除した後イン
キを供給することで所定の印刷物に画像を記録する印刷
機構であり、オフセット印刷機構、グラビア版印刷機
構、ダイレクト印刷機構の少なくとも１つを含むことを
特徴としている。

【００２４】請求項８に記載の発明によれば、複合印刷
の際に、有版印刷機構として、高画質対応の印刷機構
（オフセット印刷機構、グラビア版印刷機構、ダイレク
ト印刷機構の少なくとも１つ）が適用可能となる。

【００２５】請求項９記載の発明は、前記請求項１乃至
請求項８の何れか１項記載の発明において、前記無版印
刷機構が、画像データに基づいて走査記録するプリンタ
であり、インクジェットプリンタ、電子写真プリンタの
少なくとも１つを含むことを特徴としている。

【００２６】請求項９に記載の発明によれば、複合印刷
の際に、無版印刷機構として、比較的簡単な装置構成で
ある印刷機構（インクジェットプリンタ、電子写真プリ
ンタの少なくとも１つ）が適用可能となる。

【００２７】

【発明の実施の形態】（第１の実施の形態）図１には、
第１の実施の形態に係るハイブリッド印刷装置１０が示
されている。このハイブリッド印刷装置１０では、印刷
物ストッカー１２に積層されたシート状の印刷物１４を
吸盤１６が設けられた枚葉装置１８によって最上層から
１枚ずつ取り出して、印刷部２０によって印刷し、図示
しない排出トレイへ排出するようになっている。

【００２８】前記印刷物ストッカー１２の下部には、前
記印刷物を支持する支持台２２が設けられている。支持
台２２は、図示しない昇降機が設けられており、積層さ
れる印刷物１４の枚数に応じて昇降するようになってい
る。この昇降機は、積層された印刷物１４の最上層を常
に同一の高さ位置となるように昇降する。

【００２９】印刷物ストッカー１２の上部には、前記枚
葉装置１８が配設されており、常に同一高さ位置に配置
されている最上層の印刷物１４と対向している。このた
め、枚葉装置１８が所定量下降することで、吸盤１６が
印刷物１４と密着し、吸着することができる。

【００３０】枚葉装置１８の吸盤１６によって吸着され
た印刷物１４は、枚葉装置１８が上昇することで、印刷
物ストッカー１２から取り出され、印刷部２０へ案内す
るためのスロープ２４へ移動される。これにより、印刷
物１４は、印刷部２０へ送り込まれるようになってい
る。

【００３１】印刷部２０は、有版印刷機構としてのオフ
セット印刷機２６と、無版印刷機構としてのライン状イ
ンクジェットプリンタ２８とで構成されている。

【００３２】オフセット印刷機２６は、版胴３０が設け
られている。この版胴３０には、別工程によって画像が
記録され、かつ現像された印刷版巻き付けられている。
この印刷版には、前記現像処理後に残ったインキ受容層
に画像を形成されている。

【００３３】また、この印刷版には、水タンク３２から
複数のローラ群３４を介して水が供給されるようになっ
ている。この水は、後述するインキ受容層へのインキの
保持力を強化するためのものである。

【００３４】また、この版胴３０に巻き付けられた印刷
版のインキ受容層には、インキを供給するための複数の
ローラ群３６が設けられ、所定量のインキを適宜供給す
るようになっている。

【００３５】版胴３０は、ブランケット胴３８が接触さ
れている。また、ブランケット胴３８は圧胴４０に接触
され、図示しない駆動手段の駆動力で回転することで、
印刷版上のインキ受容層に保持されたインキがブランケ
ット胴３８へ移行するようになっている。

【００３６】この圧胴４０とブランケット胴３８との間
には、前記スロープ２４によって案内搬送された印刷物
１４が挟持搬送されるようになっている。これにより、
印刷物１４に画像が印刷される。

【００３７】印刷の形態には、大きく分けて、重複印刷
と独立印刷との２種類ある。

【００３８】重複印刷は、図２（Ａ）に示される如く、
印刷物１４は、オフセット印刷機２６によってほぼ全域
に亘り、モノクロ画像が印刷されている（領域４１参
照）。これに対して、インクジェットプリンタ２８で
は、領域４１に重なるようにカラー画像が印刷されてい
る（領域４３参照）。

【００３９】一方、独立印刷は、図２（Ｂ）に示される
如く、オフセット印刷機２６によって印刷された印刷物
１４は、大部分を占める領域４２の大部分にモノクロ画
像が印刷されているが、一部の領域４４において空欄部
分が存在している。この空欄の領域４４には、前記イン
クジェットプリンタ２８によってカラー画像が印刷され
る。

【００４０】すなわち、上記重複印刷及び独立印刷に拘
らず、前記オフセット印刷機２６によって印刷された印
刷物１４は、送出しローラ４６に巻き掛けられた後、イ
ンクジェットプリンタ２８の一部を構成する回転ドラム
４８に巻き付けられているようになっている。この回転
ドラム４８の周面の一部には、ライン状印字ヘッド５０
が対向配置されている。ライン状印字ヘッド５０は、回
転ドラム４８の軸線方向、すなわち印刷物１４の搬送方
向と直交する方向（幅方向）の全域に亘って配設されて
いる。また、このライン状印字ヘッド５０には、Ｒ（レ
ッド）、Ｇ（グリーン）、Ｂ（ブルー）及びＫ（ブラッ
ク）の４色に対応するヘッドが配設されている。この各
色のヘッドには、信号処理制御部５２から画像データに
応じた信号が入力され、前記重複印刷では、領域４１に
重なる領域４３（図２（Ａ）参照）を対象に、或いは独
立印刷では、空欄とされた一部の領域４４（図２（Ｃ）
参照）を対象にフルカラー画像を印字することができる
可能となっている。

【００４１】インクジェットプリンタ２８によって印字
された画像は、一対の排出ベルト５４、５６（それぞれ
一対のローラ５８、６０に巻き掛けられ、所定の搬送経
路を構成している）により、排出トレイへと送り出され
るようになっている。

【００４２】以下に第１の実施の形態の作用を説明す
る。

【００４３】印刷版には、印刷物１４の大部分の領域４
１（図２（Ａ）参照）、或いは領域４２（図２（Ｂ）参
照）を対象とした画像がインキ受容層となって形成され
た印刷版が版胴３０へセットされる。この状態で、水タ
ンク３２からは水が供給された後、インキが供給され
る。この場合、インキは黒色である。

【００４４】インキは、印刷版のインキ受容層のみに保
持されるため、駆動手段の駆動力で版胴３０及びブラン
ケット胴３８が回転することで、画像がブランケット胴
３８へ転写される。

【００４５】一方、印刷物ストッカー１２からは、枚葉
装置１８の吸盤１６によって最上層の印刷物１４が取り
出され、スロープ２４を介して圧胴４０とブランケット
胴３８との間に挟持されながら搬送される。これによ
り、ブランケット胴３８に転写されたインキが、印刷物
１４へ移行し印刷される。

【００４６】この印刷では、図２（Ａ）又は図２（Ｂ）
に示される如く、印刷物１４の大部分の領域４１又は領
域４２にモノクロ画像が印刷される。なお、図２（Ａ）
に示される如く、重複印刷の際の領域４１は印刷物１４
の全域であり、独立印刷の際の領域４２は後述するカラ
ー画像を印刷する領域４４を除く領域である。

【００４７】このモノクロ画像が印刷された印刷物１４
は、送出しローラ４６によってインクジェットプリンタ
２８の回転ドラム４８へ送られ、その周面に巻き付けら
れる。回転ドラム４８は、定速度で回転し、この回転に
応じてライン状印字ヘッド５０の各色のヘッドからＲＧ
ＢＫのインキが吐出され、印刷物１４の一部の領域４３
（図２（Ａ）参照）又は領域４４（図２（Ｃ）参照）に
カラー画像が印字される。

【００４８】これにより、図２（Ａ）又は図２（Ｃ）に
示される如く、大部分の領域４１又は領域４２にモノク
ロ画像が印刷され、一部の領域４３又は領域４４にカラ
ー画像が印刷される。

【００４９】全ての領域領域４１、４３或いは４２、４
４に印刷された印刷物１４は、排出ベルト５４、５６に
搬送され、排出トレイへ排出される。

【００５０】上記第１の実施の形態によれば、モノクロ
画像の一部にカラー画像を印刷する場合において、モノ
クロ専用の印刷機２６を用いることで、印刷物の大部分
の領域４１又は領域４２を印刷し、大面積かつ大量の印
刷物１４を迅速に処理することができる。一方、一部の
カラー画像を印字する領域４３又は領域４４は小面積で
あるため、インクジェットプリンタ２８によって印字す
る。また、このインクジェットプリンタ２８は、前記オ
フセット印刷機２６の搬送経路と同一の搬送経路にシリ
アルに配設されているため、領域４１、４３或いは領域
４２、４４の見当合わせが搬送速度のみ精度よく制御す
ればよく、印刷作業効率を低下させることはない。（第２の実施の形態）以下に本発明の第２の実施の形態
について説明する。なお、第２の実施の形態において、
第１の実施の形態と同一構成部分については、同一の符
号を付して構成の説明を省略する。

【００５１】図３に示される如く、第２の実施の形態を
構成するハイブリッド印刷装置７０では、前記第１の実
施の形態で説明したオフセット印刷機２６が４連配設さ
れている。各オフセット印刷機２６は、Ｃ（シアン）、
Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）、Ｋ（ブラック）の各
色に対応した印刷版がそれぞれの版胴３０に巻き付けら
れ、対応する色のインキが印刷物１４に順次印刷される
ようになっている。

【００５２】この４連のオフセット印刷機２６における
最終段の下流側には、インクジェットプリンタ２８が配
設されている。

【００５３】上記第２の実施の形態におけるハイブリッ
ド印刷装置７０では、領域４１、４３或いは領域４２、
４４（図２参照）が共にカラー印刷されることになる
が、大部分の領域４１又は領域４２に印刷されるカラー
画像は、全ての印刷物１４に対して共通の画像であり、
一部の領域４３又は領域４４に印刷されるカラー画像
は、分類された複数種類の印刷物１４毎に異なる画像で
ある。

【００５４】すなわち、共通の画像である大面積の画像
は大量印刷に適したオフセット印刷機２６によって印刷
し、個別の画像である小面積の画像は小量印刷に適した
インクジェットプリンタ２８によって印刷することで、
効率よく多目的な印刷が可能となる。このような多目的
な印刷物１４は、系列小売店の共通カタログに、連絡先
の各小売店の案内情報を印刷するとき等に有利となる。

【００５５】また、生命保険の顧客別提案書やビジネス
フォームでは、部分的に顧客毎に提案したい内容（価
格、商品構成例等）を印刷することができる。

【００５６】なお、インクジェットプリンタ２８では、
通常は、水性インキが用いられることが多いが、オフセ
ット印刷に適した印刷物１４の場合、必ずしもインクジ
ェットプリンタ２８に適しているとは限らない。そこ
で、図４に示される如く、オフセット印刷機２６（最終
段）とインクジェットプリンタ２８との間にオフセット
印刷機２６とほぼ同一構成のインクジェット受容剤塗布
機７２を配設するようにしてもよい。

【００５７】このインクジェット受容剤塗布機７２で
は、ローラ群７４がインクジェット受容剤を版胴３０へ
送り込み、これをブランケット胴３８へ受け渡し、圧胴
４０との間に挟持されて搬送される印刷物１４の表面に
インクジェット受容剤を塗布するようになっている。な
お、オフセット印刷機２６に存在する水タンク３２とロ
ーラ群３４は不要である。

【００５８】また、インクジェットプリンタ２８のイン
キとして油剤系インキを利用してもよい。油性インキと
しては、特開平５−２６９９５８号（オリンパス光
学）、特開平６−９９５８７号（大日本インキ）、特開
平６−１７１０７６号（セイコーエプソン）、特開平８
−３０２２２４号（山本化成）、特開平１１−２８６１
６７号（三菱製紙）等に記載されているものが適用可能
である。

【００５９】さらに、インクジェットプリンタ２８によ
る印刷では、経時的な劣化が予想される。このため、図
５に示される如く、インクジェットプリンタ２８の下流
側に前記オフセット印刷機２６と同一構成の紫外線（Ｕ
Ｖ）カット層塗布機７６を配設するようにしてもよい。

【００６０】このＵＶカット層塗布機７６では、ローラ
群７８がＵＶカット剤を版胴３０へ送り込み、これをブ
ランケット胴３８へ受け渡し、圧胴４０との間に挟持さ
れて搬送される印刷物１４の表面にＵＶカット剤を塗布
するようになっている。なお、オフセット印刷機２６に
存在する水タンク３２とローラ群３４は不要である。

【００６１】これにより、印刷物１４の表面が紫外線に
よって劣化することが防止され、長期の高画質状態を維
持することができる。

【００６２】また、オフセット印刷機２６の処理速度
と、インクジェットプリンタ２８の処理速度と、が必ず
しも一致するとは限らない。そこで、図６に示される如
く、オフセット印刷機２６とインクジェットプリンタ２
８との間に印刷物１４に弛みを持たせるためのバッファ
部８０を設けてもよい。

【００６３】このバッファ部８０は、２組の搬送ローラ
対８２、８４とこの搬送ローラ対８２、８４の間に設け
られ、軸直角方向（図６の破線矢印方向）に移動可能な
ダンサーローラ８６とで構成され、印刷物１４の弛み量
に応じてダンサーローラ８６を移動させることで、印刷
物１４に所定の緊張力を持たせつつ、かつオフセット印
刷機２６による処理速度とインクジェットプリンタ２８
による処理速度との速度差を吸収する。

【００６４】なお、このようなオフセット印刷機２６と
インクジェットプリンタ２８とが１対１で対応している
ハイブリッド印刷装置１０においても、前記第２の実施
の形態で適用したインクジェット受容剤塗布機７２やＵ
Ｖカット層塗布機７６を適用してもよい。（第３の実施の形態）以下に本発明の第３の実施の形態
を説明する。この第３の実施の形態において、前記第２
の実施の径庭と同一構成部分については、同一の符号を
付して構成の説明を省略する。

【００６５】図７に示される如く、この第３の実施の形
態では、インクジェットプリンタ２８を構成する信号処
理制御部５２とライン状印字ヘッド５０を、各色毎のオ
フセット印刷機２６のそれぞれのブランケット胴３８に
対応して配置されている。この場合、ライン状印字ヘッ
ド５０は、単色印字タイプであり、各色毎のオフセット
印刷機２６で印刷する色と同色である。これにより、大
部分の領域４１又は領域４２と、一部の領域４３又は領
域４４との見当合わせが容易となる。（第４の実施の形態）以下に本発明の第４の実施の形態
を説明する。この第４の実施の形態において、前記第２
の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を
付して構成の説明を省略する。

【００６６】この第４の実施の形態では、第２の実施の
形態のインクジェットプリンタ２８に代わり、図８に示
される如く、電子写真式プリンタ９０が適用されてい
る。

【００６７】電子写真式プリンタ９０には、感光体ドラ
ム９２が設けられている。感光体ドラム９２の周面に
は、感光体ドラム９２を所定の電圧で帯電させる帯電部
９４、現像トナーを感光体ドラム９２へ供給する現像部
９６を備えている。感光体ドラム９２は、図８の時計回
り方向へ回転しており、この回転方向における前記帯電
部９４の下流側は走査ユニット９８によって走査される
光ビームの照射部となっている。

【００６８】走査ユニット９８は、光源としてのレー
ザ、レーザからの光を偏向するためのポリゴンミラー又
はレゾナンドミラー等の偏向器、偏向器によって偏向さ
れた光ビームを前記感光体ドラム９２へ案内するための
光学部材等で構成されている。この光ビームによって、
均一に帯電された感光体ドラム９２上に潜像を形成す
る。

【００６９】また、感光体ドラム９２には、除電部９９
が設けられ、潜像された画像を取り除くことができるよ
うになっている。

【００７０】感光体ドラム９２には、挟持ローラ９７が
接触しており、前記オフセット印刷機２６（最終段）に
よって印刷された印刷物１４が、送出しローラ４６を介
してこの感光体ドラム９２と挟持ローラ９７との間に挟
持されるようになっている。この挟持によって感光体ド
ラム９２に付着したトナーが印刷物１４に転写され、画
像が形成される。

【００７１】この第３の実施の形態によれば、インクジ
ェットプリンタ２８に比べて印字速度の高速化を図るこ
とができる。すなわち、言い換えれば、高速化を図るこ
とができるということは、前段のオフセット印刷機２６
の処理速度に柔軟に対応することができる。

【００７２】このような、電子写真式プリンタ９０は、
前記第１の実施の形態で説明した有版印刷機構と無版印
刷機構とが１対１で対応しているハイブリッド印刷装置
１０の無版印刷機構としても適用可能である。

【００７３】なお、上記第１の実施の形態乃至第４の実
施の形態において、有版印刷機構としてオフセット印刷
機２６を適用したが、グラビア版印刷機構、繰り返し使
用可能な印刷版を用いたダイレクト印刷機構等、他の有
版印刷機構であってもよい。

【００７４】上記第１の実施の形態乃至第４の実施の形
態を系統的に示すと、図９に示される如く、有版印刷機
構としては、単色有版印刷機構１００とカラー有版印刷
機構１００とに分類され、それぞれが無版印刷機構１０
４と組み合わせ可能である。また、無版印刷機構１０４
には、インクジェット受容層塗布機１０６、ＵＶカット
層塗布機１０６の何れか一方、或いは両方の適用が可能
である。もちろん、適用しない場合もある。

【００７５】さらに、有版印刷機構１００、１０２と無
版印刷機構１０４とは、シリアル配列型１１０、一体配
置型１１２とに分類可能である。また、有版印刷機構１
００、１０２と無版印刷機構１０４との間にはバッファ
有１１４、バッファ無１１６の選択が可能である。

【００７６】なお、上記実施の形態では、有版印刷の後
に無版印刷を行っているが、順序はこれに限定されるも
のではない。すなわち、無版印刷の後に有版印刷でもよ
いし、有版印刷の複数工程の途中に無版印刷を挿入して
もよい。

【００７７】また、上記実施の形態で挙げた有版印刷
は、オフセット印刷、グラビア印刷、ダイレクト印刷機
構としたが、その他、凸版印刷（金属版、樹脂版）、ス
クリーン印刷等の一般に行われている全ての有版印刷機
構も適用できる。

【００７８】

【発明の効果】以上説明した如く本発明では、印刷領域
に共通情報の画像領域と個別情報の画像領域、或いは単
色情報の画像領域とカラー情報の画像領域とが混在する
印刷物において、それぞれの領域に適した印刷方式を採
用しても印刷速度を低下させることがなく、かつ互いの
領域の見当合わせを容易に行うことができ、高画質化を
図ることができるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態に係るハイブリッド印刷装置
の概略構成図である。

【図２】印刷物の正面図であり、（Ａ）は重複印刷時の
有版印刷機構及び無版印刷機構による処理後、（Ｂ）は
独立印刷時の有版印刷機構による処理後、（Ｃ）は独立
印刷時の無版印刷機構による処理後である。

【図３】第２の実施の形態に係るハイブリッド印刷装置
の概略構成図である。

【図４】第２の実施の形態の変形例（インキ受容剤塗
布）に係るハイブリッド印刷装置の概略構成図である。

【図５】第２の実施の形態の変形例（ＵＶカット層塗
布）に係るハイブリッド印刷装置の概略構成図である。

【図６】第２の実施の形態の変形例（有版、無版一体配
置）に係るハイブリッド印刷装置の概略構成図である。

【図７】第３の実施の形態に係るハイブリッド印刷装置
の概略構成図である。

【図８】第４の実施の形態に係るハイブリッド印刷装置
の概略構成図である。

【図９】有版印刷機構と無版印刷機構との組み合わせを
示す系統図である。

【符号の説明】

１０ハイブリッド印刷装置１２印刷物ストッカー１４印刷物２０印刷部２６オフセット印刷機（有版印刷機構）２８インクジェットプリンタ（無版印刷機構）３０版胴３８ブランケット胴４０圧胴４１領域（主領域）４２領域（主領域）４３領域（副領域）４４領域（副領域）４８回転ドラム５０ライン状印字ヘッド５２信号処理制御部７０ハイブリッド印刷装置（有版印刷機構）７２インクジェット受容剤塗布機７６ＵＶカット層塗布機８０バッファ部９０電子写真式プリンタ（無版印刷機構）９２感光体ドラム９４帯電部９６現像部９７挟持ローラ９８走査ユニット９９除電部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ４１Ｊ 2/475 Ｇ０３Ｇ 15/22 １０３Ｚ 3/54 Ｂ４１Ｊ 3/04 １０１ＺＧ０３Ｇ 15/22 １０３ 3/00 ＥＦターム(参考） 2C034 AA12 AA21 AA42 AA48 2C055 KK00 KK05 KK06 2C056 EA11 EA30 FA13 FA14 HA42 HA44 2H078 BB01 BB12 EE21 FF60

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の搬送経路上に、所定の印刷物へ画
像を記録するための有版印刷機構と、無版印刷機構とを
一体に組み合わせて配設し、前記印刷物の画像形成領域の範囲内で、それぞれ有版印
刷領域と、無版印刷領域との２つの領域を設定し、それ
ぞれの領域を前記有版印刷機構又は無版印刷機構によっ
て印刷することを特徴とするハイブリッド印刷装置。
【請求項２】前記有版印刷領域と、無版印刷領域とが
重複して設定されることを特徴とする請求項１記載のハ
イブリッド印刷装置。
【請求項３】前記有版印刷領域と、無版印刷領域と
が、互いに独立した領域として設定されることを特徴と
する請求項１記載のハイブリッド印刷装置。
【請求項４】前記２つの領域が、前記印刷物の画像形
成領域の大部分を占め共通画像が形成される主領域と、
前記主領域に対して僅かな部分であり個別画像が形成さ
れる副領域と、で構成され、前記主領域が前記有版印刷
機構によって印刷され、前記副領域が前記無版印刷機構
によって印刷されることを特徴とする請求項1乃至請求
項３の何れか１項記載のハイブリッド印刷装置。
【請求項５】前記２つの領域が、前記印刷物の画像形
成領域の大部分を占め単色画像が形成される主領域と、
前記主領域に対して僅かな部分でありカラー画像が形成
される副領域と、で構成され、前記主領域が前記有版印
刷機構によって印刷され、前記副領域が前記無版印刷機
構によって印刷されることを特徴とする請求項1乃至請
求項３の何れか１項記載のハイブリッド印刷装置。
【請求項６】前記有版印刷機構と無版印刷機構とが、
前記搬送経路に沿ってシリアルに配設されていることを
特徴とする請求項１乃至請求項５の何れか１項記載のハ
イブリッド印刷装置。
【請求項７】前記有版印刷機構と無版印刷機構とが、
ほぼ同一の搬送経路上に配設されていることを特徴とす
る請求項１乃至請求項６の何れか１項記載のハイブリッ
ド印刷装置。
【請求項８】前記有版印刷機構が、予め印刷版に設け
られたインキ受容層に画像データに応じて、不要なイン
キ受容層を排除した後インキを供給することで所定の印
刷物に画像を記録する印刷機構であり、オフセット印刷
機構、グラビア版印刷機構、ダイレクト印刷機構の少な
くとも１つを含むことを特徴とする請求項１乃至請求項
７の何れか１項記載のハイブリッド印刷装置構。
【請求項９】前記無版印刷機構が、画像データに基づ
いて走査記録するプリンタであり、インクジェットプリ
ンタ、電子写真プリンタの少なくとも１つを含むことを
特徴とする請求項１乃至請求項８の何れか１項記載のハ
イブリッド印刷装置。