JP2002360676A - 湿熱滅菌処理のための医療用具用栓体およびこれを具える医療用具 - Google Patents
湿熱滅菌処理のための医療用具用栓体およびこれを具える医療用具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 滅菌時には十分な膨張作用が発揮されて内部
充填液体の漏洩や容器の破損あるいは変形をほぼ完全に
回避できると共に、非滅菌時に外部との接触により密封
性が破れることなく安全な栓体、および該栓体を具備し
た湿熱滅菌用医療用具を提供する。 【解決手段】 栓体10は、内部の体積膨張に応じて膨
張できる一方が封止された筒状の膨張部30、液体ノズ
ル開口部41に接合する筒状の接合部11、および栓体
を脱着するためのつまみ部20を有しており、非滅菌時
にはつまみ部20が膨張部30の外表面を実質的に保護
し、滅菌時には膨張部30の外部への膨張を可能にす
る。
充填液体の漏洩や容器の破損あるいは変形をほぼ完全に
回避できると共に、非滅菌時に外部との接触により密封
性が破れることなく安全な栓体、および該栓体を具備し
た湿熱滅菌用医療用具を提供する。 【解決手段】 栓体10は、内部の体積膨張に応じて膨
張できる一方が封止された筒状の膨張部30、液体ノズ
ル開口部41に接合する筒状の接合部11、および栓体
を脱着するためのつまみ部20を有しており、非滅菌時
にはつまみ部20が膨張部30の外表面を実質的に保護
し、滅菌時には膨張部30の外部への膨張を可能にす
る。
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、湿熱滅菌される医
療用具に用いるのに好適な栓体およびこれを具備した医
療用具に関する。
療用具に用いるのに好適な栓体およびこれを具備した医
療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】水または水溶液を充填してなる医療用
具、例えば、白血球除去器、血液成分吸着器、プラズマ
セパレータ等の体液処理装置は、無菌状態で保存され使
用に供されなければならない。そのため医療用具には各
種の滅菌法が適用され、ホルマリンやエチレンオキサイ
ドガス等の滅菌剤を用いる方法やγ線、電子線等の放射
線を用いる方法が行われている。これらのうち滅菌剤を
用いる方法では、少量ではあるが残留する滅菌剤を完全
に除去するため、使用前に煩雑な洗浄操作を要し、使用
者にかなりの労力と時間を消費させるという欠点があ
る。また放射線を用いる方法では膜や容器素材の変質の
問題が大きく、かつ放射線を扱う点からその装置は大が
かりとなり設備費も大きいという問題がある。
具、例えば、白血球除去器、血液成分吸着器、プラズマ
セパレータ等の体液処理装置は、無菌状態で保存され使
用に供されなければならない。そのため医療用具には各
種の滅菌法が適用され、ホルマリンやエチレンオキサイ
ドガス等の滅菌剤を用いる方法やγ線、電子線等の放射
線を用いる方法が行われている。これらのうち滅菌剤を
用いる方法では、少量ではあるが残留する滅菌剤を完全
に除去するため、使用前に煩雑な洗浄操作を要し、使用
者にかなりの労力と時間を消費させるという欠点があ
る。また放射線を用いる方法では膜や容器素材の変質の
問題が大きく、かつ放射線を扱う点からその装置は大が
かりとなり設備費も大きいという問題がある。
【0003】上記の問題を解決する方法として医療用具
を湿潤した状態で80〜130℃で熱滅菌する方法が提
案されている。該滅菌法は薬剤を使用しないことから、
薬剤残留の心配がなく、また膜や容器素材の変質も予想
外に少ないことからより好ましい滅菌方法として認めら
れている。しかしながら、この場合医療用具内に充填さ
れた液体が熱膨張により漏洩したり、容器が破損あるい
は変形することがあり問題であった。
を湿潤した状態で80〜130℃で熱滅菌する方法が提
案されている。該滅菌法は薬剤を使用しないことから、
薬剤残留の心配がなく、また膜や容器素材の変質も予想
外に少ないことからより好ましい滅菌方法として認めら
れている。しかしながら、この場合医療用具内に充填さ
れた液体が熱膨張により漏洩したり、容器が破損あるい
は変形することがあり問題であった。
【0004】この問題を解決する有力な方法の一つとし
て、液体の熱膨張を吸収し得る膨張部を具備した栓体を
医療用具の液体ノズル開口部に装着させる方法が提案さ
れ、このための栓体は種々開発されている。図4はその
一例であり、この栓体50は、医療用具1に形成された
円筒状の液体ノズル(ノズル)2の環状陥没部3に係合
する肉厚となった環状リブ51を下端に備え、その上方
には比較して肉薄である先端が閉塞した弾性筒状体52
が一体成型されている。全体がJIS規格スプリング式
硬さ試験A型による硬度が20〜50のゴム材料により
構成されており、湿熱滅菌時に医療用具内に充填された
液体が膨張した場合に、栓体50の弾性筒状体52が仮
想線に示すように膨張することによって、液体の漏洩や
容器の破損あるいは変形を防止している(特公平2−1
6147公報参照)。
て、液体の熱膨張を吸収し得る膨張部を具備した栓体を
医療用具の液体ノズル開口部に装着させる方法が提案さ
れ、このための栓体は種々開発されている。図4はその
一例であり、この栓体50は、医療用具1に形成された
円筒状の液体ノズル(ノズル)2の環状陥没部3に係合
する肉厚となった環状リブ51を下端に備え、その上方
には比較して肉薄である先端が閉塞した弾性筒状体52
が一体成型されている。全体がJIS規格スプリング式
硬さ試験A型による硬度が20〜50のゴム材料により
構成されており、湿熱滅菌時に医療用具内に充填された
液体が膨張した場合に、栓体50の弾性筒状体52が仮
想線に示すように膨張することによって、液体の漏洩や
容器の破損あるいは変形を防止している(特公平2−1
6147公報参照)。
【0005】しかしながら、前記栓体の膨張部は膨張作
用を確保するために肉薄の形状を必要とするが、肉薄で
非常にデリケートな部分が栓体の先端部に位置している
ために、外部例えば包装材との接触により該膨張部が破
れ、充填液が漏洩する可能性を含んでいた。さらに、前
記栓体は膨張性を確保するために、低い硬度のゴム材料
で構成されているが、該硬度の構成材料では樹脂が柔ら
かすぎ、液体ノズルとの気密性が十分でなく容易に脱栓
してしまう問題があった。つまり、医療用具の湿熱滅菌
に使用される栓体についてこれまでに十分なものはなか
った。
用を確保するために肉薄の形状を必要とするが、肉薄で
非常にデリケートな部分が栓体の先端部に位置している
ために、外部例えば包装材との接触により該膨張部が破
れ、充填液が漏洩する可能性を含んでいた。さらに、前
記栓体は膨張性を確保するために、低い硬度のゴム材料
で構成されているが、該硬度の構成材料では樹脂が柔ら
かすぎ、液体ノズルとの気密性が十分でなく容易に脱栓
してしまう問題があった。つまり、医療用具の湿熱滅菌
に使用される栓体についてこれまでに十分なものはなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情に鑑みてなされたものであり、医療用具の液体ノ
ズル開口部に装着される栓体において、湿熱滅菌時には
十分な膨張作用が発揮されて、内部充填液体の漏洩や容
器の破損あるいは変形をほぼ完全に回避できると共に、
非滅菌時例えば梱包および輸送時には、外部との接触に
より気密性が破れることなく安全な医療用具用栓体を提
供することを目的とする。本発明はまた、上記の栓体を
具備した医療用具を提供することを目的とする。
な事情に鑑みてなされたものであり、医療用具の液体ノ
ズル開口部に装着される栓体において、湿熱滅菌時には
十分な膨張作用が発揮されて、内部充填液体の漏洩や容
器の破損あるいは変形をほぼ完全に回避できると共に、
非滅菌時例えば梱包および輸送時には、外部との接触に
より気密性が破れることなく安全な医療用具用栓体を提
供することを目的とする。本発明はまた、上記の栓体を
具備した医療用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する為に鋭意検討した結果、下記の特徴を有する
医療用具用栓体が、前記課題を解決することを見出し
た。即ち、本発明は、湿熱滅菌処理のための医療用具用
栓体として特に好適な栓体であって、医療用具の液体ノ
ズル開口部に装着されるゴム弾性体であり、内部の体積
膨張に応じて膨張できる一方が封止された筒状の膨張
部、前記液体ノズル開口部に接合する筒状の接合部、お
よび該栓体を脱着するためのつまみ部を有する栓体であ
って、非滅菌時には前記つまみ部が前記膨張部を実質的
に保護し、かつ滅菌時には前記膨張部の外部への膨張を
可能にする先端開口部を有することを特徴とする。ま
た、本発明は、上記湿熱滅菌処理に適した栓体を具備し
た医療用具に関する。
を解決する為に鋭意検討した結果、下記の特徴を有する
医療用具用栓体が、前記課題を解決することを見出し
た。即ち、本発明は、湿熱滅菌処理のための医療用具用
栓体として特に好適な栓体であって、医療用具の液体ノ
ズル開口部に装着されるゴム弾性体であり、内部の体積
膨張に応じて膨張できる一方が封止された筒状の膨張
部、前記液体ノズル開口部に接合する筒状の接合部、お
よび該栓体を脱着するためのつまみ部を有する栓体であ
って、非滅菌時には前記つまみ部が前記膨張部を実質的
に保護し、かつ滅菌時には前記膨張部の外部への膨張を
可能にする先端開口部を有することを特徴とする。ま
た、本発明は、上記湿熱滅菌処理に適した栓体を具備し
た医療用具に関する。
【0008】上記の本発明における医療用具用栓体は、
膨張部、接合部、つまみ部を有し、前記つまみ部が非滅
菌時において前記膨張部を実質的に保護し、かつ先端開
口部を有していることを特徴とする。本明細書における
「実質的に保護する」とは、前記膨張部の周囲に位置
し、膨張部を内包することにより外部障害から膨張部へ
の直接的な接触を防ぐことを言う。また、本発明でいう
先端開口部とは、前記膨張部が外側へと膨張するために
前記つまみ部に設けられた孔状の空間を言う。これらの
構成により、滅菌時には十分な膨張作用が発揮されて、
内部充填液体の漏洩や容器の破損あるいは変形を回避で
きると共に、非滅菌時には、十分な保護作用が発揮され
て、梱包や輸送時にデリケートな肉薄の膨張部が破れる
問題をほぼ完全に回避できる。
膨張部、接合部、つまみ部を有し、前記つまみ部が非滅
菌時において前記膨張部を実質的に保護し、かつ先端開
口部を有していることを特徴とする。本明細書における
「実質的に保護する」とは、前記膨張部の周囲に位置
し、膨張部を内包することにより外部障害から膨張部へ
の直接的な接触を防ぐことを言う。また、本発明でいう
先端開口部とは、前記膨張部が外側へと膨張するために
前記つまみ部に設けられた孔状の空間を言う。これらの
構成により、滅菌時には十分な膨張作用が発揮されて、
内部充填液体の漏洩や容器の破損あるいは変形を回避で
きると共に、非滅菌時には、十分な保護作用が発揮され
て、梱包や輸送時にデリケートな肉薄の膨張部が破れる
問題をほぼ完全に回避できる。
【0009】本発明の医療用具用栓体におけるつまみ部
は、指で該栓体を脱着、保持する機能、熱滅菌時に膨張
部の体積膨張を先端開口部を通じて外側に逃がす機能、
更に非滅菌時に膨張部を保護する機能を有する。
は、指で該栓体を脱着、保持する機能、熱滅菌時に膨張
部の体積膨張を先端開口部を通じて外側に逃がす機能、
更に非滅菌時に膨張部を保護する機能を有する。
【0010】好ましくは、該先端開口部は、適切な膨張
作用および保護作用を発揮するために面積が規定され
る。すなわち、該開口面積が20mm2未満である場合
には、開口部が狭く膨張部が開口部外側に膨張し難くな
る傾向になるので好ましくない。また、該開口面積が1
500mm2以上である場合には、膨張部が外部と容易
に接触でき、密封性が破れる危険性が高くなる傾向にな
るので好ましくない。より好ましくは30mm2以上1
000mm2未満、さらに好ましくは40mm2以上50
0mm2未満である。なお、先端開口部の状態は、該つ
まみ部が硬度の小さいゴム弾性体の場合、熱滅菌時に膨
張部が膨張することによってやや押し広げられた状態
と、非滅菌時に力のかからない定常状態とがあるが、本
明細書における開口面積は、定常状態における面積を言
う。
作用および保護作用を発揮するために面積が規定され
る。すなわち、該開口面積が20mm2未満である場合
には、開口部が狭く膨張部が開口部外側に膨張し難くな
る傾向になるので好ましくない。また、該開口面積が1
500mm2以上である場合には、膨張部が外部と容易
に接触でき、密封性が破れる危険性が高くなる傾向にな
るので好ましくない。より好ましくは30mm2以上1
000mm2未満、さらに好ましくは40mm2以上50
0mm2未満である。なお、先端開口部の状態は、該つ
まみ部が硬度の小さいゴム弾性体の場合、熱滅菌時に膨
張部が膨張することによってやや押し広げられた状態
と、非滅菌時に力のかからない定常状態とがあるが、本
明細書における開口面積は、定常状態における面積を言
う。
【0011】該先端開口部の形状は、円形、楕円形、多
角形、星型等があげられるが、上記開口面積範囲を満足
するものであれば適切な膨張作用および保護作用を発揮
することが出来るため、いずれの形状でも良い。また開
口部の数は、該つまみ部に1個以上あれば良いが、数が
多すぎるとつまみ部において空間部が占める割合が高く
なり、強度不足によって保持操作性が悪くなるため、1
個以上3個以下が好ましい。また、該つまみ部の材質
は、以下に述べる膨張部、接合部の材質と同じでも良い
し、異なっていても良く、栓体の成型性の観点より任意
に選択できる。
角形、星型等があげられるが、上記開口面積範囲を満足
するものであれば適切な膨張作用および保護作用を発揮
することが出来るため、いずれの形状でも良い。また開
口部の数は、該つまみ部に1個以上あれば良いが、数が
多すぎるとつまみ部において空間部が占める割合が高く
なり、強度不足によって保持操作性が悪くなるため、1
個以上3個以下が好ましい。また、該つまみ部の材質
は、以下に述べる膨張部、接合部の材質と同じでも良い
し、異なっていても良く、栓体の成型性の観点より任意
に選択できる。
【0012】該栓体の脱着、保持操作において、該つま
み部に望まれる機能としては、適度な強度があり保持し
やすいこと、抜栓時に指先が開口ノズル周壁部に触れな
いことがあげられる。つまみ部に良好な強度を付与でき
る点で、膨張部を内包するつまみ部の厚みは0.5mm
以上10mm以下が好ましく、1mm以上7mm以下と
することがより好ましい。また、つまみ部の外観形状は
任意であるが、液体ノズル開口部の周壁部の最大対角長
あるいは外径より大きい円柱、楕円柱または多角柱形状
であることは、栓体の脱着操作の点で好適である。
み部に望まれる機能としては、適度な強度があり保持し
やすいこと、抜栓時に指先が開口ノズル周壁部に触れな
いことがあげられる。つまみ部に良好な強度を付与でき
る点で、膨張部を内包するつまみ部の厚みは0.5mm
以上10mm以下が好ましく、1mm以上7mm以下と
することがより好ましい。また、つまみ部の外観形状は
任意であるが、液体ノズル開口部の周壁部の最大対角長
あるいは外径より大きい円柱、楕円柱または多角柱形状
であることは、栓体の脱着操作の点で好適である。
【0013】また、つまみ部の長さは、5mm以上50
mm未満が望ましい。5mm未満であると、短すぎて抜
栓時に指先が開口ノズル周壁部に触れるリスクがあるこ
とや、内包する膨張部が小さくなり十分な膨張作用が得
られ難くなる傾向があるので好ましくない。一方、長さ
が50mm以上であると、必要以上に樹脂を使用する傾
向になるので実用的ではない。上記の観点より、より好
ましいつまみ部の長さは0.8mm以上45mm未満、
最も好ましくは10mm以上40mm未満である。
mm未満が望ましい。5mm未満であると、短すぎて抜
栓時に指先が開口ノズル周壁部に触れるリスクがあるこ
とや、内包する膨張部が小さくなり十分な膨張作用が得
られ難くなる傾向があるので好ましくない。一方、長さ
が50mm以上であると、必要以上に樹脂を使用する傾
向になるので実用的ではない。上記の観点より、より好
ましいつまみ部の長さは0.8mm以上45mm未満、
最も好ましくは10mm以上40mm未満である。
【0014】本発明における医療用具用栓体の膨張部と
接合部において、2種の異なる構成材料を用いることは
より好ましい態様である。すなわち本発明における医療
用具用栓体の前記膨張部の構成材料がJIS規格スプリ
ング式硬さ試験A型による硬度が15〜50のゴム材料
であり、かつ前記接合部の構成材料がJIS規格スプリ
ング式硬さ試験A型による硬度が60〜100のゴム材
料であることが望ましい。この構成により、接合部の高
い密着性と熱滅菌時の十分な膨張性の双方を同時に達成
することができる。
接合部において、2種の異なる構成材料を用いることは
より好ましい態様である。すなわち本発明における医療
用具用栓体の前記膨張部の構成材料がJIS規格スプリ
ング式硬さ試験A型による硬度が15〜50のゴム材料
であり、かつ前記接合部の構成材料がJIS規格スプリ
ング式硬さ試験A型による硬度が60〜100のゴム材
料であることが望ましい。この構成により、接合部の高
い密着性と熱滅菌時の十分な膨張性の双方を同時に達成
することができる。
【0015】該膨張部の硬度が15未満である場合に
は、材料が柔らかすぎるため、成型性が悪く、均一な形
状が得られないことが起こり得るので好ましくない。一
方、該硬度が50以上の場合、材料の伸び性が低く、熱
滅菌時の膨張性が十分得られない恐れがある。好ましく
は、該硬度が18以上45未満、最も好ましくは20以
上40未満である。
は、材料が柔らかすぎるため、成型性が悪く、均一な形
状が得られないことが起こり得るので好ましくない。一
方、該硬度が50以上の場合、材料の伸び性が低く、熱
滅菌時の膨張性が十分得られない恐れがある。好ましく
は、該硬度が18以上45未満、最も好ましくは20以
上40未満である。
【0016】また、該接合部の硬度が60未満である場
合には、柔らかすぎるため、力がかかった場合にゆがみ
が生じ、十分な密着性が得られないことが起こり得るの
で好ましくない。さらに、打栓する際にねじりが多すぎ
ると回りすぎたり、あるいは栓体の破損等が生じる傾向
にあるので好ましくない。一方、該硬度が100以上の
場合、硬度上昇に伴いルアー形ノズル側との密着性が十
分得られない恐れがあり、気密性が失われる傾向にある
ので好ましくない。好ましくは、該硬度が65以上90
未満、最も好ましくは70以上90未満のときに、最も
良好な密着性を達成できる。
合には、柔らかすぎるため、力がかかった場合にゆがみ
が生じ、十分な密着性が得られないことが起こり得るの
で好ましくない。さらに、打栓する際にねじりが多すぎ
ると回りすぎたり、あるいは栓体の破損等が生じる傾向
にあるので好ましくない。一方、該硬度が100以上の
場合、硬度上昇に伴いルアー形ノズル側との密着性が十
分得られない恐れがあり、気密性が失われる傾向にある
ので好ましくない。好ましくは、該硬度が65以上90
未満、最も好ましくは70以上90未満のときに、最も
良好な密着性を達成できる。
【0017】本発明の医療用具用栓体の材質としては、
上記の硬度を満たすゴム弾性体であれば特に限定される
ものではない。例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ク
ロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、
ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、フルオ
ロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム等があげられる。好ましくは、滅菌安
定性、及び医用安全性の点で、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムが推
奨される。またこれらの材質を単独で用いても良く、2
種類以上を混合して用いても良い。
上記の硬度を満たすゴム弾性体であれば特に限定される
ものではない。例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ク
ロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、
ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、フルオ
ロシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム等があげられる。好ましくは、滅菌安
定性、及び医用安全性の点で、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムが推
奨される。またこれらの材質を単独で用いても良く、2
種類以上を混合して用いても良い。
【0018】本発明の医療用具用栓体における膨張部
は、医療用具のノズル内側と外部とを遮断するものであ
り、熱滅菌時に充填液の体積膨張に応じて外側に膨張
し、滅菌終了後、温度の冷却に伴い収縮する機能を有す
るものである。より高い膨張、収縮作用を発揮するため
には材料を上記に述べた硬度範囲に規定すると共に、該
膨張部の厚みを肉薄の構造とするのが望ましい。該膨張
部の厚みとしては、0.05mm以上2.0mm以下、
更に0.1mm以上1.5mm以下のものが好ましく用
いられる。また、その形状としては従来公知の形状、す
なわち、袋状、風船状、蛇腹状、チューブ状等種々の形
状が使用可能である。
は、医療用具のノズル内側と外部とを遮断するものであ
り、熱滅菌時に充填液の体積膨張に応じて外側に膨張
し、滅菌終了後、温度の冷却に伴い収縮する機能を有す
るものである。より高い膨張、収縮作用を発揮するため
には材料を上記に述べた硬度範囲に規定すると共に、該
膨張部の厚みを肉薄の構造とするのが望ましい。該膨張
部の厚みとしては、0.05mm以上2.0mm以下、
更に0.1mm以上1.5mm以下のものが好ましく用
いられる。また、その形状としては従来公知の形状、す
なわち、袋状、風船状、蛇腹状、チューブ状等種々の形
状が使用可能である。
【0019】本発明の医療用具用栓体における接合部
は、ねじり式、かぶせ式、差込み式等の方式によって液
体ノズル開口部に被冠することができる。特に該液体ノ
ズル開口部が、ノズル本体と該ノズル本体を同軸状に囲
む内面に凹ねじを形成した周壁部とから構成される、従
来公知のいわゆるルアー形ノズルである場合、高い密着
性と構造的安定性の双方が同時に達成される点で、ねじ
り式が好ましい。
は、ねじり式、かぶせ式、差込み式等の方式によって液
体ノズル開口部に被冠することができる。特に該液体ノ
ズル開口部が、ノズル本体と該ノズル本体を同軸状に囲
む内面に凹ねじを形成した周壁部とから構成される、従
来公知のいわゆるルアー形ノズルである場合、高い密着
性と構造的安定性の双方が同時に達成される点で、ねじ
り式が好ましい。
【0020】該接合部の構造としては、特に限定されな
いが、前記ルアー形ノズル外周面に前記ルアー形ノズル
の周壁部の凹ねじに係合する凸条を備えたものが推奨さ
れる。栓体の先端キャップ部外周面に形成される凸条の
構造は、ルアー形ノズルの周壁部内面に形成された凹ね
じに係合することができ、かつ、栓体を回動することに
より、両者の係合によって、栓体が下方に誘導されるこ
とを条件に任意であるが、好ましい構造としては、周方
向に断続的に形成した2つ以上の羽根状の傾斜片であっ
てもよく、1巻き程度の螺旋状のネジ構造であってもよ
い。断続的に形成した羽根状の傾斜片が2つ以上存在す
ると、ルアー栓体に圧力が生じた場合、均等に圧力を分
散することができ、栓体のゆがみ等を回避できるため好
ましく用いられる。特に、ネジ状の構造では、摩擦の方
向が回転軸方向に変換され、ノズルとの密着面が多くな
る利点がある。この構成により、接合部の高い密着性と
構造的安定性の双方が同時に達成される。
いが、前記ルアー形ノズル外周面に前記ルアー形ノズル
の周壁部の凹ねじに係合する凸条を備えたものが推奨さ
れる。栓体の先端キャップ部外周面に形成される凸条の
構造は、ルアー形ノズルの周壁部内面に形成された凹ね
じに係合することができ、かつ、栓体を回動することに
より、両者の係合によって、栓体が下方に誘導されるこ
とを条件に任意であるが、好ましい構造としては、周方
向に断続的に形成した2つ以上の羽根状の傾斜片であっ
てもよく、1巻き程度の螺旋状のネジ構造であってもよ
い。断続的に形成した羽根状の傾斜片が2つ以上存在す
ると、ルアー栓体に圧力が生じた場合、均等に圧力を分
散することができ、栓体のゆがみ等を回避できるため好
ましく用いられる。特に、ネジ状の構造では、摩擦の方
向が回転軸方向に変換され、ノズルとの密着面が多くな
る利点がある。この構成により、接合部の高い密着性と
構造的安定性の双方が同時に達成される。
【0021】本発明の熱滅菌用栓体の数は、1つの医療
用具について1個以上あれば良く、その範囲は医療用具
に具備されている液体ノズルの数により任意に選択でき
る。また、本発明の医療用具における前記栓体の装着位
置は特に限定されないが、熱滅菌時に膨張部が外側に容
易に膨張できる空間がある点で、滅菌時、設置した医療
用具の上部および/または側面部に前記栓体を装着する
のが望ましい。
用具について1個以上あれば良く、その範囲は医療用具
に具備されている液体ノズルの数により任意に選択でき
る。また、本発明の医療用具における前記栓体の装着位
置は特に限定されないが、熱滅菌時に膨張部が外側に容
易に膨張できる空間がある点で、滅菌時、設置した医療
用具の上部および/または側面部に前記栓体を装着する
のが望ましい。
【0022】本発明の医療用具の液体ノズルの内径は、
処理しようとする液体に応じて適宜設定される。例え
ば、血液を流すことを目的とする医療用具の場合には、
血液流の流速の観点から、好ましく用いられるノズル内
径は、0.1mm以上20mm未満であり、最も好まし
くは1mm以上15mm未満である。最も好ましく用い
られる液体ノズルの例として、ISO8637:198
9(E)規格に規定された血液コネクターを挙げること
ができる。
処理しようとする液体に応じて適宜設定される。例え
ば、血液を流すことを目的とする医療用具の場合には、
血液流の流速の観点から、好ましく用いられるノズル内
径は、0.1mm以上20mm未満であり、最も好まし
くは1mm以上15mm未満である。最も好ましく用い
られる液体ノズルの例として、ISO8637:198
9(E)規格に規定された血液コネクターを挙げること
ができる。
【0023】本発明が適用される医療用具は、内部に注
射用蒸留水、イオン交換水、限外濾過水等の水、生理食
塩水、緩衝液、輸液、透析液等の塩を含有する水溶液、
グリセリン水溶液、エタノール水溶液等の有機物を含有
する水溶液に例示される液体が充填されるとともに、湿
熱滅菌することを必要とされるものである。例として、
前記したように、白血球除去器、血液成分吸着器、プラ
ズマセパレータ等の体液処理装置をあげることができ
る。
射用蒸留水、イオン交換水、限外濾過水等の水、生理食
塩水、緩衝液、輸液、透析液等の塩を含有する水溶液、
グリセリン水溶液、エタノール水溶液等の有機物を含有
する水溶液に例示される液体が充填されるとともに、湿
熱滅菌することを必要とされるものである。例として、
前記したように、白血球除去器、血液成分吸着器、プラ
ズマセパレータ等の体液処理装置をあげることができ
る。
【0024】さらに、本発明によるルアー栓体を具備し
た医療用具は、好ましくは、いわゆる真空包装による包
装が施される。真空包装にすることで、包装材により栓
体が固定されることで、栓体のゆがみあるいは緩み等の
リスクを低減することができ、かつ、高い耐抜栓性が確
保される。
た医療用具は、好ましくは、いわゆる真空包装による包
装が施される。真空包装にすることで、包装材により栓
体が固定されることで、栓体のゆがみあるいは緩み等の
リスクを低減することができ、かつ、高い耐抜栓性が確
保される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明による医療用具用栓体及び該栓体を具備した医療用具
の好ましい実施の形態を説明する。図1は、本発明によ
る医療用具用栓体10の一実施の形態を示す斜視図であ
り、図2は、図1に示す栓体10を従来知られたルアー
形ノズル40に被冠した後の状態を示す断面図である。
明による医療用具用栓体及び該栓体を具備した医療用具
の好ましい実施の形態を説明する。図1は、本発明によ
る医療用具用栓体10の一実施の形態を示す斜視図であ
り、図2は、図1に示す栓体10を従来知られたルアー
形ノズル40に被冠した後の状態を示す断面図である。
【0026】図1に示すように、医療用具用栓体10
は、円筒形である接合部11と、該接合部11の上に一
体成型された円柱状のつまみ部20と、つまみ部の内側
に内包される一方が封止された膨張部30とから形成さ
れる。この栓体10は、図2に40で示すルアー形ノズ
ルに密封状態に被冠され得る寸法と形状を持つ。図2に
示すルアー形ノズル40は医療用具の液体ノズルとして
従来知られたものであり、医療用具1の周壁部に、ノズ
ル本体41と、該ノズル本体41を同軸状に囲む内面に
凹ねじ42を形成した周壁部43とから構成されてい
る。
は、円筒形である接合部11と、該接合部11の上に一
体成型された円柱状のつまみ部20と、つまみ部の内側
に内包される一方が封止された膨張部30とから形成さ
れる。この栓体10は、図2に40で示すルアー形ノズ
ルに密封状態に被冠され得る寸法と形状を持つ。図2に
示すルアー形ノズル40は医療用具の液体ノズルとして
従来知られたものであり、医療用具1の周壁部に、ノズ
ル本体41と、該ノズル本体41を同軸状に囲む内面に
凹ねじ42を形成した周壁部43とから構成されてい
る。
【0027】上記ルアー形ノズル40に被冠される前記
栓体10において、接合部11の外径は、ルアー形ノズ
ル40の周壁部43の内径と同じかわずかに小さく、そ
の下端近傍における外周面には、ルアー形ノズル40の
周壁部43の内面に形成した凹ねじ42に係合すること
のできる2個の凸条12、13が、軸対称の位置に一体
成型されている。接合部11の内径は、ノズル本体41
の外径よりわずかに大きく、ノズル本体の外縁44は全
体に下広がりとなるテーパが付けられているのが望まし
い。この形状により、打栓時には図2に示すように、ノ
ズル本体の外縁44と接合部11の内縁14と気密的に
接触して密封性を確保することができる。
栓体10において、接合部11の外径は、ルアー形ノズ
ル40の周壁部43の内径と同じかわずかに小さく、そ
の下端近傍における外周面には、ルアー形ノズル40の
周壁部43の内面に形成した凹ねじ42に係合すること
のできる2個の凸条12、13が、軸対称の位置に一体
成型されている。接合部11の内径は、ノズル本体41
の外径よりわずかに大きく、ノズル本体の外縁44は全
体に下広がりとなるテーパが付けられているのが望まし
い。この形状により、打栓時には図2に示すように、ノ
ズル本体の外縁44と接合部11の内縁14と気密的に
接触して密封性を確保することができる。
【0028】円柱状のつまみ部20は、ルアー形ノズル
40の周壁部43の外径より大きい径を有しており、か
つ内部に膨張部30を有している。圧力のかからない定
常状態では、膨張部30はつまみ部20に保護され、滅
菌袋等の外部障害物と接触できない構造となっている。
つまみ部20の先端には、先端開口部21が設けてあ
り、湿熱滅菌時には膨張部30が仮想線に示すように膨
張し、充填液の漏洩や、容器の破損及び変形を防ぐこと
ができる。
40の周壁部43の外径より大きい径を有しており、か
つ内部に膨張部30を有している。圧力のかからない定
常状態では、膨張部30はつまみ部20に保護され、滅
菌袋等の外部障害物と接触できない構造となっている。
つまみ部20の先端には、先端開口部21が設けてあ
り、湿熱滅菌時には膨張部30が仮想線に示すように膨
張し、充填液の漏洩や、容器の破損及び変形を防ぐこと
ができる。
【0029】本発明の栓付医療用具の湿熱滅菌処理は、
80〜140℃、より好ましくは105〜135℃、更
に好ましくは110〜130℃にて行うことが推奨でき
る。この条件の内で日本薬局方に記載される条件をとっ
て行うのが好ましい。湿熱滅菌時の体積膨張量は、滅菌
温度条件、および医療用具の充填状態により異なるが、
滅菌温度121℃、充填液量が400ml、残存空気が
0〜20ml、の場合には、20〜70mlが見込まれ
る。この膨張分を吸収できるよう膨張部30は肉薄の構
造とする。また、図2において、膨張部30とつまみ部
20との間の空間部22は、ほぼ直線的な構造である
が、膨張部30とつまみ部20との間の空間部22に所
要のテーパーをつけ、成型時金型から外し易くすること
も可能である。
80〜140℃、より好ましくは105〜135℃、更
に好ましくは110〜130℃にて行うことが推奨でき
る。この条件の内で日本薬局方に記載される条件をとっ
て行うのが好ましい。湿熱滅菌時の体積膨張量は、滅菌
温度条件、および医療用具の充填状態により異なるが、
滅菌温度121℃、充填液量が400ml、残存空気が
0〜20ml、の場合には、20〜70mlが見込まれ
る。この膨張分を吸収できるよう膨張部30は肉薄の構
造とする。また、図2において、膨張部30とつまみ部
20との間の空間部22は、ほぼ直線的な構造である
が、膨張部30とつまみ部20との間の空間部22に所
要のテーパーをつけ、成型時金型から外し易くすること
も可能である。
【0030】本発明による医療用具用栓体10では、接
合部11がJIS規格スプリング式硬さ試験A型による
硬度が60以上100未満の材料で作られ、かつ、膨張
部30がJIS規格スプリング式硬さ試験A型による硬
度が15以上50未満の材料で作られていることが好ま
しい。このように2種類以上の構成材料を有する栓体の
成型方法としては、各部分を分割して成型し接着剤で接
着する方法、各部分を一つの金型で同時に成型する一体
成型法等があり、いずれの方法でも成型可能であるが、
接着工程を必要としない点及び、金型コストの点で一体
成型法が好ましい。
合部11がJIS規格スプリング式硬さ試験A型による
硬度が60以上100未満の材料で作られ、かつ、膨張
部30がJIS規格スプリング式硬さ試験A型による硬
度が15以上50未満の材料で作られていることが好ま
しい。このように2種類以上の構成材料を有する栓体の
成型方法としては、各部分を分割して成型し接着剤で接
着する方法、各部分を一つの金型で同時に成型する一体
成型法等があり、いずれの方法でも成型可能であるが、
接着工程を必要としない点及び、金型コストの点で一体
成型法が好ましい。
【0031】以上述べてきたように、本発明による湿熱
滅菌用栓体及びこれを具備した医療用具によれば、滅菌
時には十分な膨張作用が発揮されて内部充填液体の漏洩
や容器の破損あるいは変形をほぼ完全に回避できると共
に、非滅菌時には外部との接触により密封性が破れるこ
となく安全な医療用具を提供することができる。また、
本発明による湿熱滅菌用栓体及びこれを具備した医療用
具は、栓体の装着が容易で、かつ滅菌後の煩雑な取り外
し操作が不要なことから、生産性、無菌性に優れた医療
用具として有効に用いることができる。
滅菌用栓体及びこれを具備した医療用具によれば、滅菌
時には十分な膨張作用が発揮されて内部充填液体の漏洩
や容器の破損あるいは変形をほぼ完全に回避できると共
に、非滅菌時には外部との接触により密封性が破れるこ
となく安全な医療用具を提供することができる。また、
本発明による湿熱滅菌用栓体及びこれを具備した医療用
具は、栓体の装着が容易で、かつ滅菌後の煩雑な取り外
し操作が不要なことから、生産性、無菌性に優れた医療
用具として有効に用いることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】
【実施例1】図3に示す形状及び寸法で、膨張部30の
硬度が28度(伸び率940%)、かつ、接合部11の
硬度が70度(伸び率120%)のシリコーンゴム製栓
体を成型し、該栓体に先端開口部の開口面積が154m
m2である円筒状のつまみ部を接着した栓体サンプルを
作成した。前記栓体をISO8637:1989(E)
規格の寸法(規格の図1)で作成したルアー形ノズルに
装着し、水を注入したときの脱栓及び水漏れについて調
べた。水の注入量及び時間については、一般に医療用具
の湿熱滅菌で使用される条件(滅菌温度121℃、時間
20分、充填液量が400ml、残存空気が0〜20m
l、推定膨張量20〜70ml)を仮想し、更に過酷な
条件として注入量90ml、保持時間は40分とした。
結果を表1に示す。
硬度が28度(伸び率940%)、かつ、接合部11の
硬度が70度(伸び率120%)のシリコーンゴム製栓
体を成型し、該栓体に先端開口部の開口面積が154m
m2である円筒状のつまみ部を接着した栓体サンプルを
作成した。前記栓体をISO8637:1989(E)
規格の寸法(規格の図1)で作成したルアー形ノズルに
装着し、水を注入したときの脱栓及び水漏れについて調
べた。水の注入量及び時間については、一般に医療用具
の湿熱滅菌で使用される条件(滅菌温度121℃、時間
20分、充填液量が400ml、残存空気が0〜20m
l、推定膨張量20〜70ml)を仮想し、更に過酷な
条件として注入量90ml、保持時間は40分とした。
結果を表1に示す。
【0034】
【実施例2〜3】開口面積を実施例2では50mm2、
実施例3では254mm2とした以外は実施例1と同様
な評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例3では254mm2とした以外は実施例1と同様
な評価を実施した。結果を表1に示す。
【0035】
【比較例1】図4に示す寸法の栓を人工腎臓の透析液ノ
ズルの一方に装着した以外は実施例1と同様な評価を実
施した。結果を表1に示す。
ズルの一方に装着した以外は実施例1と同様な評価を実
施した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1の試験結果から明らかなように、本発
明の実施例においては、先端開口部の開口面積が50、
154、254mm2の栓体では、十分な膨張が可能で
あり、脱栓及び水漏れなく安全であった。また、従来栓
は、膨張時に接合部の形状の歪みにより脱栓する現象が
認められ、湿熱滅菌時に液漏れが発生するリスクが高い
と考えられた。
明の実施例においては、先端開口部の開口面積が50、
154、254mm2の栓体では、十分な膨張が可能で
あり、脱栓及び水漏れなく安全であった。また、従来栓
は、膨張時に接合部の形状の歪みにより脱栓する現象が
認められ、湿熱滅菌時に液漏れが発生するリスクが高い
と考えられた。
【0038】
【実施例4】実施例1で用いた栓体を従来知られた白血
球除去器(容器外径:45mm、容器長さ:225m
m、血液ノズル:ルアー形ノズル)の血液ノズルに装着
し、ポリエステル製包装材にて真空包装操作を10回繰
り返し、膨張部と包装材との接触回数を調べた。また、
前記白血球除去器より前記栓体を指で抜栓する操作を1
0回繰り返し、ノズル周壁部への接触回数を調べた。結
果を表2に示す。
球除去器(容器外径:45mm、容器長さ:225m
m、血液ノズル:ルアー形ノズル)の血液ノズルに装着
し、ポリエステル製包装材にて真空包装操作を10回繰
り返し、膨張部と包装材との接触回数を調べた。また、
前記白血球除去器より前記栓体を指で抜栓する操作を1
0回繰り返し、ノズル周壁部への接触回数を調べた。結
果を表2に示す。
【0039】
【実施例5〜6】開口面積を実施例5では50mm2、
実施例6では254mm2とした以外は実施例4と同様
な評価を実施した。結果を表2に示す。
実施例6では254mm2とした以外は実施例4と同様
な評価を実施した。結果を表2に示す。
【0040】
【比較例2】図4に示す寸法の栓を従来知られた人工腎
臓の透析液ノズルの一方に装着した以外は実施例4と同
様な評価を実施した。結果を表2に示す。
臓の透析液ノズルの一方に装着した以外は実施例4と同
様な評価を実施した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2の試験結果から明らかなように、本発
明の実施例においては、先端開口部の開口面積が50、
154、254mm2の栓体では、膨張部が包装材と接
触することなく安全であった。一方、従来栓は、真空包
装時に膨張部が滅菌袋と接触することがあり、破れなど
の発生するリスクが高いと考えられた。また、本発明の
栓体は抜栓時に指先がノズル周壁部に触れてしまうこと
がなく、取扱い性に優れた栓体であることが確認され
た。
明の実施例においては、先端開口部の開口面積が50、
154、254mm2の栓体では、膨張部が包装材と接
触することなく安全であった。一方、従来栓は、真空包
装時に膨張部が滅菌袋と接触することがあり、破れなど
の発生するリスクが高いと考えられた。また、本発明の
栓体は抜栓時に指先がノズル周壁部に触れてしまうこと
がなく、取扱い性に優れた栓体であることが確認され
た。
【0043】
【発明の効果】本発明による湿熱滅菌用栓体及びこれを
具備した医療用具によれば、滅菌時には十分な膨張作用
が発揮されて内部充填液体の漏洩や容器の破損あるいは
変形をほぼ完全に回避できると共に、非滅菌時に外部と
の接触により密封性が破れることなく安全な医療用具を
提供することができる。また、本発明による湿熱滅菌用
栓体及びこれを具備した医療用具は、栓体の脱着が容易
で、かつ滅菌後の煩雑な取り外し操作が不要なことか
ら、生産性、無菌性に優れた医療用具として有効に用い
ることができる。
具備した医療用具によれば、滅菌時には十分な膨張作用
が発揮されて内部充填液体の漏洩や容器の破損あるいは
変形をほぼ完全に回避できると共に、非滅菌時に外部と
の接触により密封性が破れることなく安全な医療用具を
提供することができる。また、本発明による湿熱滅菌用
栓体及びこれを具備した医療用具は、栓体の脱着が容易
で、かつ滅菌後の煩雑な取り外し操作が不要なことか
ら、生産性、無菌性に優れた医療用具として有効に用い
ることができる。
【図1】本発明による医療用具用栓体の一実施の形態を
示す斜視図。
示す斜視図。
【図2】図1に示す栓体を従来知られたルアー形ノズル
に被冠した後の状態を示す断面図。
に被冠した後の状態を示す断面図。
【図3】実施例に用いた栓体の寸法を示す図。
【図4】医療用具の液体ノズルから内部液体が漏出する
のを防止するための栓体の従来例を説明する図。
のを防止するための栓体の従来例を説明する図。
1…医療用具、10…栓体、11…接合部、12,13
…凸条、14…接合部の内縁、20…つまみ部、21…
先端開口部、22…空間部、30…膨張部、40…ルア
ー形ノズル、41…ノズル本体、42…凹ねじ、43…
ノズルの周壁部、44…ルアー形ノズルの外縁
…凸条、14…接合部の内縁、20…つまみ部、21…
先端開口部、22…空間部、30…膨張部、40…ルア
ー形ノズル、41…ノズル本体、42…凹ねじ、43…
ノズルの周壁部、44…ルアー形ノズルの外縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AB05 BA01 CA01 CB04 CB10 CC10 EA04 EB03 EC10 FB03 GA04 GB04 4C058 AA16 BB04 CC02 DD06 EE14
Claims (5)
- 【請求項1】 医療用具の液体ノズル開口部に装着され
るゴム弾性体であり、内部の体積膨張に応じて膨張でき
る一方が封止された筒状の膨張部、前記液体ノズル開口
部に接合する筒状の接合部、および該栓体を脱着するた
めのつまみ部を有する栓体であって、非滅菌時には前記
つまみ部が前記膨張部を実質的に保護し、かつ滅菌時に
は前記膨張部の外部への膨張を可能にする先端開口部を
有することを特徴とする湿熱滅菌処理のための医療用具
用栓体。 - 【請求項2】 前記膨張部の構成材料がJIS規格スプ
リング式硬さ試験A型による硬度15〜50のゴム材料
であり、かつ前記接合部の構成材料がJIS規格スプリ
ング式硬さ試験A型による硬度60〜100のゴム材料
であることを特徴とする請求項1記載の医療用具用栓
体。 - 【請求項3】 前記つまみ部の先端開口部の面積が20
mm2以上1500mm2以下であることを特徴とする請
求項1または2記載の医療用具用栓体。 - 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の医療用
具用栓体を具備した医療用具。 - 【請求項5】 前記医療用具が白血球除去器である請求
項4記載の医療用具用栓体を具備した医療用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001175088A JP2002360676A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 湿熱滅菌処理のための医療用具用栓体およびこれを具える医療用具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001175088A JP2002360676A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 湿熱滅菌処理のための医療用具用栓体およびこれを具える医療用具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002360676A true JP2002360676A (ja) | 2002-12-17 |
Family
ID=19016281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001175088A Pending JP2002360676A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 湿熱滅菌処理のための医療用具用栓体およびこれを具える医療用具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002360676A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194237A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Toray Ind Inc | 栓体およびこれを具備する医療用具 |
-
2001
- 2001-06-11 JP JP2001175088A patent/JP2002360676A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194237A (ja) * | 2009-02-27 | 2010-09-09 | Toray Ind Inc | 栓体およびこれを具備する医療用具 |
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