JP2002360160A - タンパク質処理法 - Google Patents

タンパク質処理法

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JP2002360160A
JP2002360160A JP2001277577A JP2001277577A JP2002360160A JP 2002360160 A JP2002360160 A JP 2002360160A JP 2001277577 A JP2001277577 A JP 2001277577A JP 2001277577 A JP2001277577 A JP 2001277577A JP 2002360160 A JP2002360160 A JP 2002360160A
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protein
amino acid
food material
fish meat
glutathione
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JP2001277577A
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English (en)
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Kazuyuki Yuguchi
和幸 湯口
Akimasa Hatanaka
晃昌 畑中
Toru Mizuguchi
亨 水口
Ikuo Kimura
郁夫 木村
Nobuo Seki
伸夫 関
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Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍変性による白身魚肉の肉質の低下を防
ぐ、現状より長期間の冷凍保存を可能にすること。代謝
産物である各種アルデヒド類によってすでに変性した魚
肉の低下したゲル形成能を回復させること。 【解決手段】 処理対象タンパク質中に含まれる代謝物
のうち各種アルデヒド類を消去する、および/または、
それと結合する食品素材を添加混合する、および/また
は、その溶液に浸漬するタンパク質処理法。食品素材と
してα-アミノ酸および/またはその塩、α-アミノ酸を
含むエキス類および/またはその塩を含むエキス類、グ
ルタチオンおよび/またはこれを含むエキス類を用い
る。α-アミノ酸はヒスチジンおよび/またはシステイ
ンである。食品素材に加えて糖類および/または重合リ
ン酸塩を添加混合する。処理対象タンパク質がすでに各
種アルデヒド類で変性した状態のタンパク質である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、タンパク質の変性
を抑制する、あるいは変性したタンパク質を回復させる
タンパク質処理法に関する。より詳細には、本発明は、
水産物、特に魚肉のフィレ、フィッシュブロック、落し
身、スリミを代表とする魚肉の冷凍保存中における変性
を抑制し、長期間にわたって安定的に魚肉を保存可能に
する、あるいは変性したタンパク質を回復させる魚肉の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通常の冷凍保存温度で冷凍白身魚
を長期保存したり、保存温度が変動すると、肉質がゴム
状に硬くなり、著しく食感が悪くなることが知られてい
る。この原因としては、筋肉中に生成するホルムアルデ
ヒドにより筋肉タンパク質の架橋による魚肉の硬化筋肉
タンパク質の塩に対する不溶化やゲル形性能の低下など
の変性が著しく促進されるためと考えられている。
【0003】タラ類の場合、トリメチルアミン−N−オ
キサイド(TMAO)含量が非常に高いことが知られて
いる。たとえば、スケトウダラの場合、その筋肉中には
TMAOが約60mMと多量に含まれており、冷凍保存
中のTMAOの分解によって生成するホルムアルデヒド
によって筋肉タンパク質が変性する。TMAOは魚肉中
のTMAO分解酵素(TMAOase)によって酵素的に
分解し、ホルムアルデヒドとジメチルアミンを等量ずつ
生成する。今回明らかになったこととして、冷凍温度下
で、TMAOは魚肉中で非酵素的分解によって生成する
ホルムアルデヒドとジメチルアミンを生成する。上記の
ような反応で生成したホルムアルデヒドが筋肉タンパク
質の変性を著しく促進する原因となっている。
【0004】生成したホルムアルデヒド(FAと略)は
筋肉タンパク質中のLys残基のε−NH基とα−アミ
ノ酸の間で可逆的にhydroxymethyl誘導体を形成し、そ
の後、多くの非特異的反応によって不可逆的に形成され
ると考えられている。また、システインとも反応してS
H基とアミノ基の間で架橋が形成されるとも考えられて
いる。今回新たに、TMAOの非酵素的分解は冷凍中に
も起こっていることが明らかになり、冷凍中にFAと筋
肉タンパク質の反応で、筋肉タンパク質の塩に対する不
溶化やゲル形性能の低下などの変性が著しく促進され
る。
【0005】冷凍変性を抑制する方法としては、スリミ
技術をみると、スリミ製造における水晒し処理によりT
MAOを除去しているといえる。従って、冷凍貯蔵中の
FAの基になる物質量を下げ、FAの生成を抑制する。
しかし、この方法はスリミにしか使用できず、落し身や
フィッシュブロックでは使用できない。
【0006】これ以外の方法では、−40℃以下等の低
温度で冷凍保存する方法が有効である。しかし、この方
法では冷凍保存のためのコストが高くなり、流通に−4
0℃以下を保つことは一般に難しい。そこで、新しい冷
凍保存法の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、1)冷凍変性による白身魚肉の肉質の低下を防ぐ、
2)現状より長期間の冷凍保存を可能にする、の2点を
効果的に、また、味・風味を損なうことなくできる方法
を提供することである。さらにまた、本発明の課題は、
3)代謝産物である各種アルデヒド類によってすでに変
性した魚肉の低下したゲル形成能を回復させる方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、処理対象タン
パク質中に含まれる代謝物のうち各種アルデヒド類を消
去する、および/または、それと結合する食品素材を添
加混合する、および/または、その溶液に浸漬するタン
パク質処理法を要旨としている。
【0009】食品素材としてα-アミノ酸および/また
はその塩を用いており、その場合、本発明は、処理対象
タンパク質中に含まれる代謝物のうち各種アルデヒド類
を消去する、および/または、それと結合するα-アミ
ノ酸および/またはその塩を添加混合する、および/ま
たは、その溶液に浸漬するタンパク質処理法を要旨とし
ている。
【0010】食品素材としてα-アミノ酸を含むエキス
類および/またはその塩を含むエキス類を用いており、
その場合、本発明は、処理対象タンパク質中に含まれる
代謝物のうち各種アルデヒド類を消去する、および/ま
たは、それと結合するα-アミノ酸を含むエキス類およ
び/またはその塩を含むエキス類を添加混合する、およ
び/または、浸漬するタンパク質処理法を要旨としてい
る。
【0011】α-アミノ酸がヒスチジンおよび/または
システインであり、その場合、本発明は、処理対象タン
パク質中に含まれる代謝物のうち各種アルデヒド類を消
去する、および/または、それと結合するヒスチジンお
よび/またはシステインの溶液および/またはその塩、
または、ヒスチジンおよび/またはシステインを含むエ
キス類および/またはその塩を含むエキス類を添加混合
する、および/または、溶液に浸漬するタンパク質処理
法を要旨としている。
【0012】食品素材としてグルタチオンおよび/また
はこれを含むエキス類を用いており、その場合、本発明
は、処理対象タンパク質中に含まれる代謝物のうち各種
アルデヒド類を消去する、および/または、それと結合
するグルタチオンおよび/またはこれを含むエキス類を
添加混合する、および/または、その溶液に浸漬するタ
ンパク質処理法を要旨としている。
【0013】食品素材に加えて糖類および/または重合
リン酸塩を添加混合しており、その場合、本発明は、処
理対象タンパク質中に含まれる代謝物のうち各種アルデ
ヒド類を消去する、および/または、それと結合する食
品素材、糖類および/または重合リン酸塩を添加混合す
る、および/または、その溶液に浸漬するタンパク質処
理法を要旨としている。
【0014】処理対象タンパク質がすでに各種アルデヒ
ド類で変性した状態のタンパク質であり、その場合、本
発明は、すでに各種アルデヒド類で変性した状態の処理
対象タンパク質中に含まれる代謝物のうち各種アルデヒ
ド類を消去する、および/または、それと結合する食品
素材を添加混合する、および/または、その溶液に浸漬
するタンパク質処理法を要旨としている。
【0015】
【発明の実施の形態】処理対象タンパク質は代謝産物と
して各種アルデヒド類が存在するいかなるタンパク質で
もよいが、好ましくは水産物、より好ましくは白身魚肉
であり、すでに各種アルデヒド類で変性した状態のタン
パク質も包含する。
【0016】水産物の冷凍保存中に生成する代謝物のう
ち各種アルデヒド類を消去したり、それと結合したりす
る食品素材は、α-アミノ酸および/またはその塩の溶
液、またはα-アミノ酸および/またはその塩を含むエ
キス類である。あるいは食品素材は、グルタチオンまた
はグルタチオンを含むエキス類である。グルタチオンは
5-L-グルタミル-L-システニィルグリシンであり、動
植物組織、微生物に広く分布しているが、特に酵母は優
れた調製材料である。すなわち、本発明者らは、上記課
題を解決すべく鋭意検討した結果、アミノ酸塩類の中で
L−ヒスチジン、L−システインなどのアミノ酸を用い
ることにより、またグルタチオンを用いることにより、
上記の課題を解決することを見いだした。すなわち、冷
凍前の白身魚フィレ、落し身、スリミに対してL−ヒス
チジン0.1〜50mM溶液を等量、配合させたり、ま
た、これにL−アスパラギン、L−グルタミン、L−グ
ルタミン酸、L−システイン、グルタチオンを配合させ
たりすることによって、本発明を完成させるに至った。
配合させたりするかわりに浸漬することができる。
【0017】また、この代わりに5種のアミノ酸を多く
含む食品素材そのものや、エキス類を配合することがで
きる。さらにまた、この代わりにグルタチオンを多く含
む食品素材そのものや、エキス類を配合することができ
る。ただし、配合量が多くなると味、風味などが変化す
る。必要により糖類および/または重合リン酸塩をさら
に添加することができる。また、通常用いられる各種添
加剤を併用することができる。
【0018】このようにして得られた本発明の白身魚肉
は、長期の冷凍保存後にも食感が官能値、測定値とも遜
色無かった。特に、落し身のように冷凍変性が著しく速
いもの、白身魚フライのように白身魚肉の食感が大きく
影響する加工食品については、効果が大きい。
【0019】
【作用】従来、冷凍保存中、TMAOは魚肉中のTMA
O分解酵素(TMAOase)によって酵素的に分解し、
FAとジメチルアミンを等量ずつ生成し、TMAOの分解に
よって生成するFAによって筋肉タンパク質が変性する
と言われていた。すなわち、生成したFAは筋肉タンパ
ク質中のLys残基のε−NH基とα−アミノ酸の間で
可逆的にhydroxymethyl誘導体を形成し、その後、多く
の非特異的反応によって不可逆的に形成されると考えら
れている。また、Cysとも反応してSHとアミノ基の
間で架橋が形成されるとも考えられている。しかし、今
回新たに、TMAOの非酵素的分解は冷凍中にも起こっ
ていることが明らかになった。FAと筋肉タンパク質の
反応で、筋肉タンパク質の塩に対する不溶化やゲル形性
能の低下などの変性が著しく促進される。すなわち、本
発明者らは、冷凍温度下でTMAOは魚肉中で非酵素的
分解によってFAとジメチルアミンを生成すること、そ
のような反応で生成したFAが筋肉タンパク質の変性を
著しく促進する原因となっているとの知見を得た。
【0020】スリミについては、スリミ製造工程におけ
る水晒し処理によりTMAOを除去しているといえるの
で、冷凍貯蔵中のFAの基になる物質量を下げFAの生
成を抑制し冷凍変性を抑制することになる。しかし、落
し身やフィッシュブロックでは水晒し処理を使用するこ
とはできない。水晒し処理以外の方法では、−40℃以
下等の低温度で冷凍保存する方法が有効であるが、冷凍
保存のためのコストが高くなり、流通に−40℃以下を
保つことは一般に難しい。本発明では、水産物の冷凍保
存中に生成する代謝物のうち各種アルデヒド類を消去す
る、および/または、それと結合する食品素材を添加混
合する、および/または、浸漬することにより、水晒し
処理を使用することはできない魚肉、特に白身魚肉の冷
凍変性による低下を防ぐことができ、味・風味を損なう
ことなく現状より長期間の水産物の冷凍保存を可能とす
ることができる。
【0021】白身魚に対して、アミノ酸であるヒスチジ
ン、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、システ
インの塩または上記アミノ酸およびそれらの塩を含むエ
キス、またはグルタチオンやそのエキス、更には、糖類
や重合リン酸塩を添加、浸漬するにより、TMAOを含
む魚肉の変性を抑制し、味、風味に影響を及ぼすことな
く、白身魚肉の肉質の低下を防ぎ、現状より長期間の冷
凍保存を可能にすることができる。特にCysはFAス
カベンジャー効果が高く、添加することで、冷凍保存中
に生成したFAと反応し、タンパク質の変性を抑制する
機能を有していることが明らかである。また、代謝産物
である各種アルデヒド類によってすでに変性した魚肉の
低下したゲル形成能を回復させることができる。
【0022】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 アミノ酸にホルムアルデヒドスカベンジャーとしての効
果があるか調べるため、アミノ酸溶液とホルマリンを混
合し、インキュベートした後のホルムアルデヒド残存率
を測定した。10mMアミノ酸溶液と2mMホルムアル
デヒド溶液をバイアル瓶に各2mlずつ混合し、25℃
で24時間インキュベートした。24時間後のホルムア
ルデヒド量はNash法によって求めた。混合溶液1m
lとNash試薬(酢酸アンモニウム15%、酢酸0.
3%、アセチル酢酸0.2%)1mlを混合して40℃
で40分間インキュベートし、波長440nmで吸光度
を測定し比色法によってホルムアルデヒド濃度を求め
た。結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】この結果は、ホルムアルデヒドのスカベン
ジャーとしてはシステイン、ヒスチジンがとても強いこ
とを示した。この他に、アスパラギン、グルタミン酸、
グルタミンにホルムアルデヒドスカベンジャー効果が認
められた。
【0026】実施例2 His、Gly、Cys、Lys、Glu、Serの6
種のアミノ酸、およびグルタチオンを用いて、ホルムア
ルデヒドとアミノ酸を同時にコイの筋原繊維(Mf)に
加えてその溶解度変化を調べた。終濃度はアミノ酸:
0.1〜50mM、Mf:10mg/ml、FA:10
mMとなるように反応組成液(5ml)を作成し、0℃
で4時間ゆっくり撹拌し反応を行った。1400×g、
15分間遠心し上清を除去して、沈殿に0.5M Na
Cl−20mM リン酸緩衝液(pH7.0)5mlを
添加した。そしてさらに、0℃で3時間撹拌した後、遠
心分離を行い、上清タンパク質含量から、塩溶解度を測
定した。塩溶解度の測定は、全タンパク質濃度(C)と
NaCl添加後の上清タンパク質濃度(C’)を測定
し、算出した。塩溶解度(%)=C’/C×100タン
パク質の定量はビウレット法により、牛血清アルブミン
画分を標準として定量した。
【0027】表2に示すように、FA処理の段階でアミ
ノ酸を加えた場合、HisとCysに塩溶解度の低下を
抑制する効果が見られたが、他のアミノ酸(Lys、S
er、Glu、Gly)は効果が無かった。特にその効
果はCysが高く、FA無添加のコントロール値と同程
度の高い塩溶解度となった。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 (ホルムアルデヒド処理スリミにアミノ酸を添加した際
の加熱ゲル強度の測定)半解凍した、スケソウダラのス
リミをプラスチック皿に5g秤量し、ミクロスパチュラ
で細切した。これに終濃度がそれぞれ、タンパク質濃
度:90mg/ml、NaCl:0.5M、CaC
:5mM、FA:0〜5mMを添加し、同時に5m
M Hisまたは15mM Cysを添加して0℃で1
時間反応させたものを試料とした。直ちに、試料の貯蔵
弾性率(G’)および、損失弾性率(G’’)を測定し
た。測定は、5℃から始め2℃/minで温度を上昇さ
せ25℃で2時間の坐りをおこなったあと、さらに80
℃まで加熱した。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】5mM FA添加した場合、肉糊を調製し
た時点で(加熱時間0分)ですでにそのG’値はコント
ロール値より低くなっていた。さらに、G’の最終値は
40%も低下した。これらの結果から、スケソウダラス
リミはFA 数mMという低濃度、短時間処理でゲル形
性能は著しく低下することが明らかになった。Hisを
加えたものは坐り中のG’値がコントロール値よりも高
かったが、最終的にはコントロールとほぼ同じ値になっ
た。一方、Cysを加えた方は、加熱中のG’および
G’’の変化がコントロールと非常によく似た経過をた
どり、最終的なG’値も近い値になった。この結果はス
リミ中にこれらのアミノ酸があらかじめ添加されている
と、FAの生成によるスリミのゲル形性能の低下を抑制
できることを示している。
【0033】実施例4 (スリミへのアミノ酸添加による効果)冷凍スリミにア
ミノ酸〔ヒスチジン(His)またはシステイン(Cy
s)〕を添加し、−10℃、2ヶ月虐待保存後のすりみ
性状からその効果を評価検討した。スリミには冷凍スリ
ミ(スケトウダラ)を用いた。His、Cysをそれぞ
れ終濃度20mmol/kgになるように、水溶液で1
0%添加し(コントロールは水のみ)、10分間撹拌し
た。これを−25℃で6時間凍結後、−10℃で虐待保
存した(1ヶ月間)。コントロールはミンチ肉のみで十
分撹拌したものを−25℃で一晩凍結後、−10℃で虐
待保存した(2ヶ月間)。
【0034】
【表5】
【0035】His,Cysがコントロールより高い傾
向が認められ、冷凍変性防止効果が確認できた。
【0036】実施例5 (魚肉へのアミノ酸添加による効果)白身魚肉ミンチに
アミノ酸を添加し、一ヶ月間、−10℃で保存した。そ
の白身魚肉について、遊離アミノ酸含量、ホルムアルデ
ヒド含量を測定した。白身魚肉には冷凍スケソウダラの
フィッシュブロックを用い、これを解凍した後、フード
カッターでミンチにした。ミンチ肉にしたものに、シス
テイン(Cys)を終濃度100mmol/kgになる
ように添加し、十分撹拌したものを−25℃で一晩凍結
後、−10℃で虐待保存した(1ヶ月間)。コントロー
ルはミンチ肉のみで十分撹拌したものを−25℃で一晩
凍結後、−10℃で虐待保存した(1ヶ月間)。保存
後、ミンチ肉のDMA、TMAO、生成FA、遊離アミ
ノ酸濃度(Cys)を測定した。DMA、TMAOは5
%トリクロロ酢酸水溶液で抽出し、比色法で濃度を求め
た。遊離FAは水蒸気蒸留法で抽出し、比色法で濃度を
求めた。遊離アミノ酸は80%エタノールで抽出後、ア
ミノ酸自動分析計を用いて濃度を求めた。
【0037】
【表6】
【0038】上記の結果から、Cysを添加した魚肉の
場合、FAが検出されなかった(検出限界下)。FAが
検出されなかったということは、生成したFAがCys
と反応したと考えられ、Cys は魚肉中でFAスカベ
ンジャーとして機能することが示された。また、コント
ロール(未添加)ではCysが検出されなかったが、こ
れは本来魚肉中に含まれるCysが生成FAとしたため
に検出されなかったと考えられた。
【0039】実施例6 (アルデヒド類で変性したタンパク質へのグルタチオン
添加等による効果)魚介類筋肉組織中に含まれるトリメ
チルアミン−N−オキサイド(TMAO)は、冷凍保存
中に、ジメチルアミン(DMA)とホルムアルデヒド
(FA)に分解される。生成したFAは魚類筋原繊維タ
ンパク質(Mf)中で多くの非特異的反応によって架橋
を形成し、これに伴ってMfが塩に対して不溶化した
り、加熱ゲル形成能が低下したり、またATPase活性
が影響を受け、いわゆる変性してしまう。そこで本実施
例では様々なタンパク質変性の指標のうち、「Mfの塩
に対する溶解度」と、「加熱ゲル形成能の変化」につい
て検討した。また、様々な化合物を添加することによっ
てこれらの変性を防止できるかどうか検討した。
【0040】方法1) 《FAのMfの溶解度に及ぼす影響》試料として、即殺
したコイの背筋肉のフィレを−60℃で凍結貯蔵したも
のから常法に従い筋原繊維を調製した。また溶解度は実
施例2の方法と同様に測定した。図1および図2は、F
AによるMfの溶解度に及ぼす反応時間の影響について
調べた結果である。縦軸に溶解度、横軸にFAとの反応
時間を示し、またFA濃度を変化させた。これによる
と、1または2mMのFAと反応させたMfの溶解度
は、時間とともに次第に低下し、6時間後には40%前
後まで低下した。5mMのFAと反応させると、図1の
リン酸バッファー中では1時間後には最低値である20
%程度まで低下した。さらに10mMのFAと反応させ
るとわずか15分で溶解度は10%程度まで低下した。
図2はリン酸バッファーのかわりにTris−HClバ
ッファーを用いて同様の実験を行った結果であるが、T
ris−HClバッファー中のほうがMfの溶解度低下
は若干遅いことがわかった。
【0041】《化合物の添加》FAによるMfの溶解度
低下を抑制できるかどうか調べるために、10mMのF
Aと同時に様々な化合物を添加した。縦軸に溶解度、横
軸に化合物の添加濃度を示した。その結果を図3に示
す。調べたアミノ酸6種類の中でセリン、リジン、グル
タミン酸、グリシンは全く効果がなかったが、システイ
ンとヒスチジンはFAによるMfの溶解度低下を抑制す
る効果を示した。システインはFAと等量、ヒスチジン
はFAの3倍量添加するとMfの溶解度低下を防止でき
ることがわかった。さらに、生体内でFAの解毒に関わ
っていると考えられているグルタチオンは、FAの2倍
量で溶解度低下を阻止できることがわかった。また一定
量のグルタチオン〔2mMグルタチオン(図4)、4m
Mグルタチオン(図5)〕を種々の濃度のFAに添加し
ていくと、グルタチオンの240nmでの吸光値が急激
に低下したが、グルタチオンのおよそ1/2量のFAを
添加すると反応が遅くなった。この結果からもFAの作
用を止めるためにはFAのおよそ2倍量のグルタチオン
が必要であることがわかった。次に、一度Mfを10m
MのFAと0℃で1時間処理して変性させてからシステ
イン、ヒスチジン、グルタチオンを0〜50mM添加し
た(図6)。これによると、化合物の添加濃度の増加に
伴って、FAによって変性したMfの溶解度は上昇し、
40または50mM添加した時点でかなり高い溶解度に
なることがわかった。以上の結果から、システイン、ヒ
スチジン、グルタチオンをFAと同時に添加するとMf
の溶解度低下を抑制できることがわかった。すなわち、
これらの化合物があらかじめ存在しているとFAの生成
によるMfの溶解度低下を防止できることがわかった。
また一度FAによって変性したMfであってもこれらの
化合物を多量に加えると溶解度を回復させる効果がある
ことが示された。
【0042】《化合物添加の加熱ゲル形成能の変化》半
解凍したすり身に対して5mMのFAと15mMシステ
イン(図7)、5mMヒスチジン(図8)、および10
mMグルタチオン(図9)それぞれを同時に添加してよ
く混ぜ合わせ、0℃で1時間放置した後、タンパク質濃
度90mg/g、0.5M NaCl、5mM CaCl
となるように肉糊を調製し、直ちに加熱を開始して試
料の貯蔵弾性率(G’)を測定した。左の縦軸にG’、
右の縦軸に温度、横軸に時間をとった。測定は5℃から
始め、毎分2℃で昇温して、25℃で2時間の坐りを行
った後、さらに80℃まで加熱した。これによると、5
mMのFAのみの加熱ゲル強度は、FA無添加に比べ大
きく低下した。図7の15mMのCysを共存させたも
のでは、加熱前から終了までFA無添加とほぼ同じ経路
をたどり、強いゲルが形成された。図8の5mMのHi
sを共存させると加熱前からG’は増大しており、80
℃に到達したときにはFA無添加よりやや低いG’値に
なった。図9の10mMのグルタチオンを共存させたも
のでは、G’値はFA無添加ほどではないものの、5m
MのFAのG’よりはかなり高くなった。これらの結果
より、あらかじめすり身中にこれらの化合物を添加して
おくと、少量のFAによるゲル形成能の低下を抑制でき
ることが示された。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、タンパク質中に含まれ
る代謝産物である各種アルデヒド類に基づく変性を抑制
し、長期間にわたって安定的に冷凍保存の可能な処理タ
ンパク質を提供することができる。また、代謝産物であ
る各種アルデヒド類によって変性したタンパク質を回復
させる魚肉の処理方法を提供することができる。より詳
細には、本発明によると、TMAOを含む魚肉の冷凍保
存中における変性を抑制し、長期間にわたって安定的に
魚肉を保存可能にする魚肉、特に白身魚肉のフィレ、フ
ィッシュブロック、落し身、スリミを代表とする魚肉の
処理方法を提供することができる。白身魚に対して、
味、風味に影響を及ぼすことなく、白身魚肉の肉質の低
下を防ぎ、現状より長期間の冷凍保存を可能にする魚肉
の処理方法を提供することができる。また、代謝産物で
ある各種アルデヒド類によって変性した魚肉の低下した
ゲル形成能を回復させる魚肉の処理方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FAによる筋原繊維の塩溶解性に及ぼす反応時
間の影響について調べた結果を示す図面である(リン酸
緩衝液)。
【図2】FAによる筋原繊維の塩溶解性に及ぼす反応時
間の影響について調べた結果を示す図面である(トリス
−HCl緩衝液)。
【図3】セリン、リジン、グルタミン酸、グリシンのF
A(10mM)による筋原繊維の溶解度抑制効果を示す
図面である。
【図4】2mMグルタチオンを種々の濃度のFAに添加
したときのグルタチオンの240nmでの吸光値の変化
を示す図面である。
【図5】4mMグルタチオンを種々の濃度のFAに添加
したときのグルタチオンの240nmでの吸光値の変化
を示す図面である。
【図6】一度10mMのFAと0℃で1時間処理して変
性させた筋原繊維のセリン、リジン、グルタミン酸、グ
リシンによる溶解度回復効果を示す図面である。
【図7】半解凍したすり身に対して5mMのFAと15
mMシステインを添加してよく混ぜ合わせ0℃で1時間
放置した後加熱ゲル形成に及ぼす影響を調べた結果を示
す図面である。
【図8】半解凍したすり身に対して5mMのFAと5m
Mヒスチジンを添加してよく混ぜ合わせ0℃で1時間放
置した後加熱ゲル形成に及ぼす影響を調べた結果を示す
図面である。
【図9】半解凍したすり身に対して5mMのFAと10
mMグルタチオンを添加してよく混ぜ合わせ0℃で1時
間放置した後加熱ゲル形成に及ぼす影響を調べた結果を
示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水口 亨 東京都八王子市北野町559−6 日本水産 株式会社中央研究所内 (72)発明者 木村 郁夫 東京都八王子市北野町559−6 日本水産 株式会社中央研究所内 (72)発明者 関 伸夫 北海道函館市湯川町2−31−14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象タンパク質中に含まれる代謝物
    のうち各種アルデヒド類を消去する、および/または、
    それと結合する食品素材を添加混合する、および/また
    は、その溶液に浸漬するタンパク質処理法。
  2. 【請求項2】 食品素材としてα-アミノ酸および/ま
    たはその塩を用いる請求項1のタンパク質処理法。
  3. 【請求項3】 食品素材としてα-アミノ酸を含むエキ
    ス類および/またはその塩を含むエキス類を用いる請求
    項1のタンパク質処理法。
  4. 【請求項4】 α-アミノ酸がヒスチジンおよび/また
    はシステインである請求項2または3のタンパク質処理
    法。
  5. 【請求項5】 食品素材としてグルタチオンおよび/ま
    たはこれを含むエキス類を用いる請求項1のタンパク質
    処理法。
  6. 【請求項6】 食品素材に加えて糖類および/または重
    合リン酸塩を添加混合する請求項1ないし5のいずれか
    のタンパク質処理法。
  7. 【請求項7】 処理対象タンパク質がすでに各種アルデ
    ヒド類で変性した状態のタンパク質である請求項1ない
    し6のいずれかのタンパク質処理法。
  8. 【請求項8】 処理対象タンパク質が水産物である請求
    項1ないし7のいずれかのタンパク質処理法。
  9. 【請求項9】 水産物が魚肉である請求項8のタンパク
    質処理法。
  10. 【請求項10】 魚肉が白身魚肉である請求項9のタン
    パク質処理法。
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