JP2002360117A - 遺伝子導入動物 - Google Patents

遺伝子導入動物

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JP2002360117A JP2001240948A JP2001240948A JP2002360117A JP 2002360117 A JP2002360117 A JP 2002360117A JP 2001240948 A JP2001240948 A JP 2001240948A JP 2001240948 A JP2001240948 A JP 2001240948A JP 2002360117 A JP2002360117 A JP 2002360117A
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Koji Yoshimura
浩二 吉村
Atsushi Nishimura
篤 西村
Mayumi Nishida
真由美 西田
Kazuhiro Hosono
和裕 細野
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形
性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性
関節症、眼疾患および悪性腫瘍、それらの合併症の予防
薬あるいは治療薬あるいはそれらの合併症などの病態モ
デル動物として利用することができ、これらの病態機序
の解明および疾患の治療方法の検討、ならびに治療薬の
スクリーニングを行うことが可能な遺伝子導入非ヒト哺
乳動物を提供する。 【解決手段】 MMP−19遺伝子が導入された非ヒト
哺乳動物を作出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はMMP−19遺伝子
導入非ヒト哺乳動物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞外マトリックスは、組織の細胞を取
り巻く細胞支持組織であり、コラーゲンやエラスチンな
どの繊維性タンパク質、プロテオグリカン、フィブロネ
クチン、ラミニンなどの糖タンパク質及びヒアルロン酸
などの糖質からなる。細胞外マトリックスは細胞の形態
・代謝・移動・増殖・分化など細胞の活動に重大な影響
を与え、生体の発生・加齢・炎症・創傷治癒・免疫・腫
瘍など多くの生体現象と関連することが知られている。
さらに、慢性関節リウマチ、変形性関節症、骨粗鬆症、
ガンの転移・浸潤、動脈硬化、角膜潰瘍など種々の疾病
においては細胞外マトリックスの異常な分解が起こるこ
とも知られている。この細胞外マトリックスを分解に関
与する酵素として、MMP(matrix metalloproteinas
e)と名付けられた一群の金属プロテアーゼファミリー
が知られている。MMPの活性を調節する化合物はこれ
らの疾患の治療薬となる可能性が示唆されている。MM
Pはヒトにおいては約20種類がクローン化され、その
塩基配列が報告されている。MMPは基質特異性やその
構造上の類似性から、コラゲナーゼ群、ゼラチナーゼ
群、ストロメリシン群およびMT−MMP群などのサブ
ファミリーに分類されている(I. Massova et al., FAS
EB J. 12:1075-1095, 1998)。ヒトMMP−19(MM
P−18やrasi−1とも呼ばれるが同一のタンパク
質である)は508アミノ酸からなるタンパク質でその
構造から上記のサブファミリーに属さない新たなサブフ
ァミリーを形成するMMPとして注目されている(J. C
ossins et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 228:
494-498, 1996,(MMP−18と記載されている)、B
A. M. Pendas et al., J. Biol. Chem. 272:4281-4286,
1997、I. Massova et al., FASEB J. 12:1075-1095, 1
998)。しかし、MMP−19の生理機能については排
卵との関係が指摘されているにすぎない(A. Hagglunde
t al., Endocrinology 140:4351-4358, 1999)。また疾
病との関連では、慢性関節リウマチ患者の26%以上に
MMP−19の自己抗体の上昇が観察され、慢性関節リ
ウマチ患者の炎症を起こした関節滑膜血管において強く
発現していることが知られている(C. Kolb et al., Im
munology Letters 57:83-88, 1997、(rasi−1と
記載されている))。このように、関節疾患等の疾患と
MMP−19の関係が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】新たな遺伝子導入(ト
ランスジェニック)動物は、例えば慢性関節リウマチや
変形性関節症などの関節疾患の予防や治療に役立つ新た
な医薬品の開発を可能にすると考えられてきた。したが
って、本発明の分野では、慢性関節リウマチや変形性関
節症などの関節疾患などで観察される軟骨基質の分解が
認められる遺伝子導入非ヒト動物(以下、トランスジェ
ニック動物と称することもある)を見出し、関節疾患モ
デル動物を大量に生産する方法の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、II型コラ
ーゲンプロモーターの制御下にMMP−19を発現させ
た新規なトランスジェニックラットを作製したところ、
軟骨の細胞外マトリックスが分解され、さらに四肢の短
縮などの表現型を示すことを見出した。本発明者は、こ
れらの知見を基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は(1)外来
性MMP−19遺伝子またはその変異遺伝子を組み込ん
だDNAを有する非ヒト哺乳動物またはその生体の一
部、(2)非ヒト哺乳動物が、ウサギ、イヌ、ネコ、モ
ルモット、ハムスター、マウスまたはラットである上記
(1)記載の動物またはその生体の一部、(3)非ヒト
哺乳動物がラットである上記(1)記載の動物またはそ
の生体の一部、(4)外来性MMP−19遺伝子が配列
番号:12で表される塩基配列を有する上記(1)記載
の動物またはその生体の一部、(5)関節疾患を発症し
ている上記(1)から(4)記載の動物またはその生体
の一部、(6)四肢の短縮と変形、頭蓋の変形、
咬合不全、上顎及び下顎切歯の過長、腰椎の石灰化
不全、尾椎の変形および尾椎椎間板の欠損から選ば
れる症状を発症している上記(1)から(4)記載の動
物またはその生体の一部、(7)外来性MMP−19遺
伝子またはその変異遺伝子を含有し、非ヒト哺乳動物に
おいて該遺伝子を発現し得るベクター、(8)外来性M
MP−19遺伝子が配列番号:12で表される塩基配列
を有する上記(7)記載のベクター、(9)さらにラッ
トII型コラーゲン遺伝子のプロモーター領域およびラ
ットII型コラーゲン遺伝子のエンハンサー領域を含有
する上記(7)記載のベクター、(10)pKS−MM
PBcon−19で表示される上記(7)記載のベクタ
ー、(11)上記(7)記載のベクターで形質転換され
た形質転換体、(12)形質転換体が大腸菌JM109
/pKS−MMPBcon−19(FERM BP−7
647)である上記(11)記載の形質転換体、(1
3)上記(1から6のいずれかに)記載の動物またはそ
の生体の一部に被験物質を適用し、細胞外マトリックス
の異常な分解に起因する疾患の改善効果を検定すること
を特徴とする、細胞外マトリックスの異常な分解に起因
する疾患の予防・治療のために用いられる物質のスクリ
ーニング方法、(14)細胞外マトリックスの異常な分
解がMMP−19の機能異常に起因するものである上記
(13)記載のスクリーニング方法、(15)細胞外マ
トリックスの異常な分解に起因する疾患が、軟骨形成異
常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リ
ウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症、眼疾患および
悪性腫瘍である上記(13)記載のスクリーニング方
法、(16)上記(13)記載の方法により細胞外マト
リックスの異常な分解に起因する疾患の改善効果を有す
ると判定される物質を含有してなる細胞外マトリックス
の異常な分解に起因する疾患の予防・治療用医薬、(1
7)細胞外マトリックスの異常な分解に起因する疾患
が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節
症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節
症、眼疾患および悪性腫瘍である上記(16)記載の医
薬、(18)哺乳動物に対して、上記(13)記載の方
法により細胞外マトリックスの異常な分解に起因する疾
患の改善効果を有すると判定される物質の有効量を投与
することを特徴とする細胞外マトリックスの異常な分解
に起因する疾患の予防・治療法、(19)細胞外マトリ
ックスの異常な分解に起因する疾患が、軟骨形成異常、
骨形成異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマ
チ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症、眼疾患および悪性
腫瘍である上記(18)記載の予防・治療法、(20)
細胞外マトリックスの異常な分解に起因する疾患の予防
・治療のために用いられる物質をスクリーニングするた
めの上記(1)から(6)のいずれかに記載の動物また
はその生体の一部の用途、(21)卵胞刺激ホルモン約
20ないし50IU/個体を投与した後に黄体形成ホル
モン約0ないし10IU/個体を投与した雌ラットを雄
ラットと交配させて得られる受精卵に、外来性MMP−
19遺伝子またはその変異遺伝子を組み込んだDNAを
導入し、該受精卵を雌ラットに着床させることを特徴と
する上記(3)記載のラットまたはその生体の一部の作
製方法、(22)黄体形成ホルモン放出ホルモンまたは
その類縁体を投与した後、雄ラットと交配させた雌の偽
妊娠ラットに、外来性MMP−19遺伝子またはその変
異遺伝子を組み込んだDNAを導入した受精卵を着床さ
せることを特徴とする上記(3)記載のラットまたはそ
の生体の一部の作製方法、(23)外来性MMP−19
遺伝子またはその変異遺伝子を組み込んだDNAを導入
した受精卵などを提供するものである。
【0005】本発明の遺伝子導入非ヒト動物は、未受精
卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞な
どに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生におけ
る胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精
卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)において、リ
ン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション
法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティク
ルガン法、DEAE−デキストラン法などの遺伝子導入
方法によって、目的とする外来性MMP−19遺伝子ま
たはその変異遺伝子を目的とする細胞に導入することに
より作出される。また、該遺伝子導入方法により、体細
胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする遺伝子を導
入し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、
さらに、これらの細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融
合法によって融合させることにより遺伝子導入動物を作
出することもできる。また、このようにして作製された
遺伝子導入動物の生体の一部(例えば、外来性MMP
−19遺伝子またはその変異遺伝子を組み込んだDNA
を有する細胞、組織、臓器など、これらに由来する細
胞または組織を培養し、必要に応じ、継代したものな
ど、該遺伝子導入動物から単離し得る各種タンパク質
またはDNAなど)も、本発明の「外来性MMP−19
遺伝子またはその変異遺伝子を組み込んだDNAを有す
る非ヒト哺乳動物の生体の一部」として、本発明の「外
来性MMP−19遺伝子またはその変異遺伝子を組み込
んだDNAを有する非ヒト哺乳動物」と同様な目的に用
いることが出来る。遺伝子導入動物の生体の一部である
組織としては、関節組織などが好ましい。遺伝子導入動
物の生体の一部である細胞としては、関節組織を構成す
る細胞などが好ましい。
【0006】本発明で対象とし得る「非ヒト哺乳動物」
としては、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、
ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなどが
挙げられる。好ましくは、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモ
ット、ハムスター、マウスまたはラットであり、なかで
も齧歯目(Rodentia)が好ましく、とりわけラ
ット(Wistar、SDなど)、特にWistar系
統のラットが疾患モデル動物として最も好ましい対象動
物である。他に鳥類動物として、ニワトリなども本発明
で対象する「非ヒト哺乳動物」と同様な目的に用いるこ
とが出来る。対象となる非ヒト哺乳動物に導入する外来
性MMP−19遺伝子としては、例えば、ヒト、ブタ、
ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハム
スター、ラット、マウスなどの哺乳動物由来のMMP−
19遺伝子を用いることができる。外来性MMP−19
遺伝子とは、遺伝子導入対象動物が有する内在性の遺伝
子とは異なる遺伝子であり、具体的には前記の哺乳動物
から単離・精製したMMP−19遺伝子または合成した
MMP−19遺伝子などが用いられる。なかでも、外来
性MMP−19遺伝子としては、イントロンを保持しな
いMMP−19遺伝子が好ましい。本発明の外来性MM
P−19遺伝子の変異遺伝子としては、本発明のDNA
に変異(例えば、突然変異、部位特異的突然変異など)
が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩
基への置換などが生じた遺伝子が挙げられる。より具体
的には、該塩基の付加、欠損、他の塩基への置換の結
果、MMP−19を構成するアミノ酸配列において、1
ないし5個(好ましくは1または2個)のアミノ酸に置
換、付加または欠損が生じるように変異させることが好
ましく、MMP−19の機能を失わない変異であれば何
れの変異であってもよい。外来性MMP−19遺伝子と
しては、例えば、配列番号:13で表されるアミノ酸配
列を有するヒトMMP−19をコードする、配列番号:
12で表される塩基配列を有する遺伝子などが用いられ
る。
【0007】本発明における外来性MMP−19遺伝子
またはその変異遺伝子(以下、単にMMP−19遺伝子
と称することもある)は、導入または発現の対象とする
非ヒト哺乳動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物
由来のものであってもよい。該遺伝子を対象動物に導入
させるにあたっては、当該遺伝子を対象となる動物の細
胞で発現させうるプロモーターの下流に連結した遺伝子
コンストラクト(例、ベクターなど)として用いるのが
一般に有利である。具体的には、ヒトのMMP−19遺
伝子を導入させる場合、ヒトMMP−19遺伝子と相同
性が高いMMP−19遺伝子を有する各種哺乳動物(ウ
サギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、
マウスなど(好ましくはラットなど))に由来し、ヒト
のMMP−19遺伝子を発現させうる各種プロモーター
の下流に、該遺伝子を連結したベクターを、対象となる
非ヒト哺乳動物の受精卵(例えばラット受精卵)へマイ
クロインジェクションすることによって、目的とするヒ
トMMP−19遺伝子を高発現する遺伝子導入非ヒト哺
乳動物を作出できる。MMP−19遺伝子の発現ベクタ
ーとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプ
ラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバ
クテリオファージ、モロニー白血病ウイルスなどのレト
ロウイルス、ワクシニアウイルスまたはバキュロウイル
スなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大
腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは
酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられ、特に大
腸菌由来のプラスミドが好ましい。
【0008】MMP−19遺伝子の遺伝子発現調節を行
うプロモーターとしては、例えばウィルス(サイトメガ
ロウィルス、モロニー白血病ウィルス、JCウィルス、
乳癌ウィルスなど)に由来する遺伝子のプロモーター、
各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、ラット、マウスなど)および鳥類(ニ
ワトリなど)に由来する遺伝子(例えば、アルブミン、
エンドセリン、オステオカルシン、筋クレアチンキナー
ゼ、I型およびII型コラーゲン、サイクリックAMP
依存タンパクキナーゼβIサブユニット、心房ナトリウ
ム利尿性因子、ドーパミンβ−水酸化酵素、ニューロフ
ィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メ
タロプロティナーゼ1組織インヒビター、平滑筋αアク
チン、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF1−α)、β
アクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1お
よび2、ミエリン基礎タンパク、血清アミロイドPコン
ポーネント、レニンなど)のプロモーターなどが挙げら
れるが、好ましくは軟骨組織で高発現することが可能な
モロニー白血病ウィルスプロモーター、ヒトおよびニワ
トリβアクチンプロモーターなどを用いることができ
る。MMP−19遺伝子をヒト、ラット、マウスなどで
軟骨特異的に発現させるには、軟骨で発現することの知
られているII型コラーゲン遺伝子のプロモーター領域
などが有効である。
【0009】上記ベクターは、遺伝子導入哺乳動物にお
いて、目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結す
る配列(ポリA、一般にターミネターと呼ばれる)を有
していることが好ましく、例えば、ウィルス由来、各種
哺乳動物および鳥類由来の各遺伝子の配列を用いて遺伝
子発現を操作することが出来る。好ましくは、シミアン
ウィルスのSV40ターミネターなどが用いられる。そ
の他、目的の遺伝子をさらに高発現させる目的で、各遺
伝子のスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真
核遺伝子のイントロンの一部を、プロモーター領域の
5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳
領域の3’下流に連結することも目的により可能であ
る。
【0010】MMP−19の翻訳領域は、ヒトや各種非
ヒト哺乳動物(ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハム
スター、ラット、マウスなど)の肝臓、腎臓、繊維芽細
胞などに由来するDNAおよび市販の各種ゲノムDNA
ライブラリーに由来するゲノムDNAの全てあるいは一
部を原料として用い、あるいはヒトや各種非ヒト哺乳動
物の肝臓、腎臓、繊維芽細胞に由来するRNAから公知の
方法により調製された相補DNAを原料として用いて、
取得することが出来る。また、上記の細胞あるいは組織
などから得られたMMP−19の翻訳領域を用いて、点
突然変異誘発法などにより変異した翻訳領域を作製する
こともできる。これらは何れも遺伝子導入動物に利用可
能な材料である。以上の翻訳領域は、導入動物において
発現しうる遺伝子コンストラクト(例、ベクターなど)
として前記のプロモーターの下流(好ましくは、転写終
結部位の上流)に連結させる通常の遺伝子工学的手法に
より、MMP−19遺伝子を組み込んだDNAを作製す
ることができる。
【0011】受精卵細胞段階におけるMMP−19遺伝
子の導入は、対象非ヒト哺乳動物の胚芽細胞および体細
胞のすべてに存在するように確保される。遺伝子導入後
の作出動物の胚芽細胞において、MMP−19遺伝子が
存在することは、作出動物の後代の動物全てが、その胚
芽細胞および体細胞のすべてにMMP−19遺伝子が存
在することを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動
物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞のすべてにMM
P−19遺伝子を有する。
【0012】導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモ
ザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配するこ
とにより、すべての子孫が該遺伝子を安定に保持し、ま
た、該遺伝子を過剰に有することを確認して、通常の飼
育環境で繁殖継代することができる。外来性のMMP−
19遺伝子を、対象非ヒト哺乳動物(好ましくはラット
など、特に好ましくはWistar系統のラットなど)
またはその先祖の受精卵に導入する際に用いられる受精
卵は、同種の雄非ヒト哺乳動物(好ましくは雄ラットな
ど、特に好ましくはWistar系統の雄ラットなど)
と雌非ヒト哺乳動物(好ましくは雌ラットなど、特に好
ましくはWistar系統の雌ラットなど)を交配させ
ることによって得られる。受精卵は自然交配によっても
得られるが、雌非ヒト哺乳動物(好ましくは雌ラットな
ど、特に好ましくはWistar系統の雌ラットなど)
の性周期を人工的に調節した後、雄非ヒト哺乳動物(好
ましくは雌ラットなど、特に好ましくはWistar系
統の雌ラットなど)と交配させる方法が好ましい。雌非
ヒト哺乳動物の性周期を人工的に調節する方法として
は、例えば初めに卵胞刺激ホルモン(妊馬血清性性腺刺
激ホルモン、一般にPMSGと略する)、次いで黄体形
成ホルモン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、一般にhC
Gと略する)を、例えば腹腔注射などにより投与する方
法が好ましいが、好ましいホルモンの投与量、投与間隔
は非ヒト哺乳動物の種類によりそれぞれ異なる。また、
Wistar系統のラットを用いる場合は、約12時間
明期条件(例えば7:00−19:00)で約1週間飼
育した8週齢以上のものが好ましい。非ヒト哺乳動物が
雌ラット(好ましくはWistar系統の雌ラット)の
場合、通常、卵胞刺激ホルモン投与後、約48時間後に
黄体形成ホルモンを投与し、雄ラットと交配させること
により受精卵を得る方法が好ましく、卵胞刺激ホルモン
の投与量は約20〜約50IU/個体、好ましくは約3
0IU/個体、黄体形成ホルモンの投与量は約0〜約1
0IU/個体、好ましくは約5IU/個体である。得ら
れた受精卵に、前述の方法により外来性MMP−19遺
伝子が導入された後、雌非ヒト哺乳動物に人工的に移植
・着床され、外来性遺伝子を組み込んだDNAを有する
非ヒト哺乳動物が得られる。また、黄体形成ホルモン放
出ホルモン(一般にLHRHと略する)あるいはその類
縁体を投与後、雄ヒト哺乳動物と交配させることによ
り、受精能を誘起された偽妊娠雌非ヒト哺乳動物に、得
られた受精卵を人工的に移植・着床させる方法も好まし
い。LHRHあるいはその類縁体の投与量、ならびにそ
の投与後に雄非ヒト哺乳動物と交配させる時期は、非ヒ
ト哺乳動物の種類によりそれぞれ異なる。非ヒト哺乳動
物が雌ラット(好ましくはWistar系統の雌ラッ
ト)の場合は、通常、LHRHあるいはその類縁体(例
えば[3,5-DiI-Tyr5]-LH-RH、[Gln8]-LH-RH、[D-Ala6]-L
H-RH、[des-Gly10]-LH-RH、[D-His(Bzl)6]-LH-RHおよび
それらのEthylamideなど)を投与した後、約4日目に雄
ラットと交配させることが好ましく、LHRHあるいは
その類縁体の投与量は、通常、約10〜60μg/個
体、好ましくは約40μg/個体である。また、上記し
た雌非ヒト哺乳動物の性周期を人工的に調節して受精卵
を取得するする方法と受精能を誘起された偽妊娠雌非ヒ
ト哺乳動物に、得られた受精卵を人工的に移植・着床さ
せる方法とを組み合わせて用いることが好ましい。本発
明のMMP−19遺伝子が導入された非ヒト哺乳動物
(以下、本発明の非ヒト哺乳動物と略記する場合があ
る)は、軟骨破壊を起こし、関節疾患を発症している。
また、本発明の非ヒト哺乳動物は、細胞外マトリックス
の異常な分解を起こし、細胞外マトリックスの異常な分
解に起因する疾患(例、軟骨形成異常、骨形成異常、骨
粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑
膜炎、代謝性関節症、眼疾患、悪性腫瘍など)を発症し
ている。さらに、本発明の非ヒト哺乳動物は、四肢の
短縮と変形、頭蓋の変形、咬合不全、上顎及び下
顎切歯の過長、腰椎の石灰化不全、尾椎の変形およ
び尾椎椎間板の欠損などから選ばれる症状を発症して
いる。本発明の非ヒト哺乳動物は、上記のような極めて
ユニークな特徴を有しているので、以下に示す有用な用
途を有している。
【0013】以下に、本発明の非ヒト哺乳動物の用途を
概説する。 (1)本発明のヒト哺乳動物は、外来性MMP−19遺
伝子が高発現させられており、このMMP−19の酵素
活性により、軟骨破壊を起こしているので、軟骨破壊を
特徴とする各種の疾患、例えば、軟骨形成異常、骨形成
異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関
節炎、滑膜炎、代謝性関節症、眼疾患、悪性腫瘍などの
細胞外マトリックスの異常な分解に起因する疾患の予防
薬あるいは治療薬の評価のために用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明の非ヒト哺乳動物またはそ
の生体の一部に被験物質を適用し、細胞外マトリックス
の異常な分解に起因する疾患の改善効果を検定すること
を特徴とする、細胞外マトリックスの異常な分解に起因
する疾患の予防・治療のために用いられる物質のスクリ
ーニング方法を提供する。細胞外マトリックスの異常な
分解としては、MMP−19の機能異常に起因するもの
が挙げられる。具体的には、本発明のスクリーニング方
法では、本発明の非ヒト哺乳動物に被検物質を投与す
る。被験物質としては、公知の合成化合物、ペプチド、
タンパク質、DNAライブラリーなどの他に、例えば温
血哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒ
ツジ、サル、ヒトなど)の組織抽出物、細胞培養上清な
どが用いられる。次に尿中・血中ピリジノリン量などを
指標にその薬物評価あるいは治療効果を調べることによ
り軟骨分解抑制薬の評価を行うことができる。指標とし
て、ピリジノリン量のほかに、処理個体の体重、体長、
四肢長測定、X線撮影による骨格の観察、MMP各種、
TIMP(Tissue Inihibitor of Metalloproteinas
e)、プロテオグリカン、コラーゲン、ケラタン硫酸、
ヒアルロン酸、オステオカルシン、カルシウム、リン、
サイトカイン、成長因子などの血中あるいは尿中軟骨、
骨代謝生化学マーカーを指標にその薬物評価あるいは治
療効果を調べることができる。実験の必要に応じて、病
理標本の作製、サフラニンO染色などの方法により軟骨
破壊程度などを調べることも有用である。
【0014】(2)上記各疾患の予防薬あるいは治療薬
の評価のために本発明の非ヒト哺乳動物に各種抗原
(例、II型コラーゲンやアグリカンなどの基質な
ど)、細菌(例、結核菌死菌など)あるいはウイルス
(例、Epstein-Barr virusなど)を全身あるいは関節な
どの局所、一回、複数回または連続投与により上記疾患
の発症促進を行う。これらのものはモデル動物で慢性関
節リウマチを発症させることが知られている。また、M
MPの活性化を行うことが知られている、トリプシンな
どのセリンプロテアーゼ、グルタチオン、活性酸素、N
Oなどの窒素酸化物、水銀化合物(例、4-aminophenylm
ercuric acetateなど)、炎症を惹起しプロテアーゼ活
性を発現させるIL−1やTNFαなどのサイトカイン
を関節に投与することにより発症を促進できる。発症の
促進した非ヒト哺乳動物は遺伝子を導入していない非ヒ
ト哺乳動物はもちろん、発症の促進していない遺伝子導
入非ヒト哺乳動物と比較して上記指標の絶対値大きいた
め、発症促進非ヒト動物を用いて(1)に記載した評価
を行なうことにより、より精度良く評価することができ
る。 (3)また、本発明の非ヒト哺乳動物から採取した軟骨
片または軟骨細胞などを培養し、MMP−19阻害薬の
評価に用いることができる。具体的には、これらの軟骨
片あるいは軟骨細胞をMMP−19酵素の材料として、
基質となる合成ペプチドを加えることで阻害剤が評価で
きる。必要に応じて、水銀化合物やトリプシンなどのセ
リンプロテアーゼで活性化しても良い。MMP−19は
軟骨破壊を促進することから、これらの評価系を用いる
ことにより、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、変
形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝
性関節症、眼疾患および悪性腫瘍などの予防・治療剤の
評価に用いることができる。
【0015】(4)さらに、本発明の非ヒト哺乳動物を
妊娠させ、該妊娠中の動物を、軟骨形成異常、骨形成異
常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節
炎、滑膜炎、代謝性関節症、眼疾患および悪性腫瘍、そ
れらの合併症の予防薬あるいは治療薬の評価のために用
いることができる。具体的には、まず最初、妊娠中の本
発明の非ヒト哺乳動物に被検物質を投与する。次に出産
後の産仔の体重、体長、四肢長測定、X線撮影による形
態計測、MMP各種、TIMP、プロテオグリカン、コ
ラーゲン、ケラタン硫酸、ピリジノリン、ヒアルロン
酸、オステオカルシン、カルシウム、リン、サイトカイ
ン、成長因子などの血中あるいは尿中軟骨、骨代謝生化
学マーカーを指標にその薬物評価あるいは治療効果を調
べる。実験の必要に応じて、病理標本を作製したり、続
いてサフラニンO染色などの方法により軟骨破壊程度な
どを調べることも有用である。 (5)本発明の非ヒト哺乳動物を軟骨コラーゲンを分解
する事が知られているMMPs(例、MMP−1、8、
13等)やアグリカンを分解するaggrecanaseなどの遺
伝子の導入された非ヒト哺乳動物交配し、取得された産
仔はMMP−19のみならずこれらの遺伝子の産物(タ
ンパク質)に起因する疾患(例、軟骨形成異常、骨形成
異常、骨粗鬆症、変形性関節症、慢性関節リウマチ、関
節炎、滑膜炎、代謝性関節症、眼疾患および悪性腫瘍)
を発症することが期待される。したがって、該産仔は上
記(1)から(4)と同様またはそれに準じた方法によ
りかかる疾患の予防・治療剤の評価に用いることができ
る。以上のように、本発明のスクリーニング方法におい
て、被検物質の投与により、細胞外マトリックスの異常
な分解に起因する疾患の改善効果があると判定された場
合、その被検物質は前記した細胞外マトリックスの異常
な分解に起因する疾患の予防・治療用医薬として選択す
ることができる。上記の予防・治療用医薬として選択さ
れた物質は、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、
カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などと
して経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に
許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注
射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、予防・治療
用医薬として選択された物質を生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される
単位用量形態で混和することによって製造することがで
きる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲
の適当な用量が得られるようにするものである。錠剤、
カプセル剤などに混和することができる添加剤として
は、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、
アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのよう
な賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸など
のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤
滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、
ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味
剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場
合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担
体を含有することができる。注射のための無菌組成物は
注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子
油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁さ
せるなどの通常の製剤実施に従って処方することができ
る。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブ
ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソ
ルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)
などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコー
ル(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例え
ば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート
80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが挙げら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。また、予防・治療用医薬として選択された
物質がDNAである場合、当該DNAを単独あるいはレ
トロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデ
ノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適
当なベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトま
たは温血動物に投与することができる。当該DNAは、
そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生
理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃や
ハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投
与できる。このようにして得られる製剤は、安全で低毒
性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、
ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対して
投与することができる。予防・治療用医薬として選択さ
れた物質の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルート
などにより差異はあるが、例えば、関節炎の治療目的で
経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)に
おいては、一日につき当該物質を約0.1mg〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、当該物質の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、関節炎の治療目的で注射剤
の形で成人(体重60kgとして)に投与する場合、一
日につき当該物質を約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を患部に注射することにより投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。 (6)さらに、本発明の非ヒト哺乳動物は、MMP−1
9遺伝子異常患者の遺伝子治療用実験に用いることがで
きる。
【0016】以上の本発明の遺伝子導入哺乳動物を、組
織培養のための細胞源として使用することも可能であ
る。また例えば、本発明の遺伝子導入ラットの組織中の
DNAもしくはRNAを直接分析するか、あるいは遺伝
子により発現されたタンパク組織を分析することによ
り、核内レセプターの複雑な作用の転写因子との関連性
について解析することもできる。あるいは、遺伝子を有
する組織の細胞を、標準組織培養技術により培養し、こ
れらを使用して、例えば軟骨組織を形成する細胞などの
一般に培養が困難な組織に由来する細胞の機能を研究す
ることもできる。さらに、その細胞を用いることによ
り、例えば細胞の機能を高めるような薬剤の選択も可能
である。また、高発現細胞株があれば、そこから、MM
P−19を大量に単離精製すること、ならびにその抗体
を作製することも可能である。
【0017】本発明の配列表の配列番号は、以下の配列
を示す。 〔配列番号:1〕後述の実施例1で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕後述の実施例1で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕後述の実施例1で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕後述の実施例1で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕後述の実施例4で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕後述の実施例4で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕後述の実施例6で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕後述の実施例6で行われたPCR(ポ
リメラーゼチェインリアクション)法に用いられたプラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕後述の実施例1でクローニングしたラ
ットII型コラーゲン遺伝子のプロモーター領域の塩基
配列を示す。 〔配列番号:10〕後述の実施例1でクローニングした
ラットII型コラーゲン遺伝子のエンハンサー領域の塩
基配列を示す。 〔配列番号:11〕後述の実施例2でpKS−MMPB
con−19の構築に用いたpTB399由来のスプラ
イシングサイトを含むDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕ヒトMMP−19遺伝子の塩基配列
を示す。 〔配列番号:13〕ヒトMMP−19のアミノ酸配列を
示す。
【0018】
【発明の実施の形態】本願明細書において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUBCommission
on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該
分野における慣用略号に基づくものであり、その例を次
に挙げる。 DNA :デオキシリボ核酸 RNA :リボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン 後述の実施例2で得られた形質転換体大腸菌JM109
/pKS−MMPBcon−19は、2001年7月2
日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵
便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合
研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM B
P−7647として、2001年6月22日から大阪府
大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532
−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託
番号IFO 16666として寄託されている。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言う
までもない。 実施例1 ラットII型コラーゲン遺伝子のプロモータ
ーおよびエンハンサーのクローニング ラットII型コラーゲン遺伝子のプロモーター領域は、
Kohnoら(J.Biol.Chem. 260:4441,1985)の塩基配列
をもとに設計したプライマー(5'-GTGGTGGTGGACAACTAGG
AAACTCTGG-3':配列番号:1)および(5'-CGAGGCGAATCA
TGGCTCACCGCG-3':配列番号:2)を用いてPCR法に
より得た。得られた約1.2Kbの断片をTOPO TA Clon
ing Kit(Invitrogen社製)を用い、添付のプロトコー
ルに従い、pCRII−TOPOにクローニングした
(pCRII−promoter2と呼ぶ)。挿入され
たDNA断片の塩基配列をABI社製DNAシークエン
サーで常法により確認したところ、前述文献のプロモー
ター領域の塩基配列と一致した(配列番号:9)。pC
RII−promoter2中のpCRIIプラスミド
のマルチプルクローニングサイトのNotIサイト
(5’側)とpCRII−promoter2中のII
型コラーゲン遺伝子プロモーター配列内のSmaIサイ
トからなる断片を以下の実験に用いた。ラットII型エ
ンハンサー領域は、Krebsbachら(J.Biol.Chem. 271:
4298,1996)の塩基配列をもとにMluIサイトが生じ
るように設計したプライマー(5'-TCCACGCGTTTGGGAAACT
TCTTGGCTGCG-3':配列番号:3)および(5'-GCTTCGTCG
CCGCTACGCGTGGGGCCGGA-3':配列番号:4)を用いてP
CR法により得た。得られた0.35KbのMluI断
片に常法によりEcoRIリンカーを付与し、pBluescr
ipt KSII+のEcoRIサイトに挿入した(以下、pK
S−enhancer1−4と呼ぶ)。挿入されたDN
A断片の塩基配列をABI社製DNAシークエンサーで
常法により確認したところ、前述文献のエンハンサー領
域の塩基配列と一致した(配列番号:10)。
【0020】実施例2 トランスジェニックラット作出
用発現ベクターの構築 トランスジェニックラット作出用発現ベクター、pKS
−MMPBcon−19を常法に基づいて構築した。本
プラスミドは下記の1)から5)までの断片がpBlu
escript KSII+のNotIサイトに挿入さ
れたものである(図1)。 1) Col2A1 promoter:ラットII型
コラーゲン遺伝子のプロモーター領域、実施例1に記載
のpCRII−promoter2中のpCRIIのマ
ルチプルクローニングサイト内のNotIサイトからp
CRII−promoter2中のII型コラーゲン遺
伝子プロモーター内にあるSmaIサイトまでの112
0bp断片(常法によるリンカー連結によりSmaIサ
イトをSalIサイトに変換した)。 2) SV40 splicing:pTB399(R.
Sasadaら、Cell Structure and Function 12:205,198
7)由来のスプライシングサイトを含むDNA断片(配
列番号:11)の5’側をSalIサイト、3’側をC
laIサイトに変換したもの。 3) MMP−19:pTB1921(特開平10−0
80283)のMMP−19 cDNA内にあるSac
IサイトからXhoIサイトまでの約1600bpの遺
伝子断片。(リンカー連結によりSacIサイトをCl
aIサイトに、XhoIサイトをBglIIサイトに変
換した)。 4) SV40 polyA:pTB399(R.Sasada
ら、Cell Structure andFunction 12:205,1987)由来
のpolyA付加シグナルを含むBglIIサイトから
HindIIIサイトまでの断片。 5) Col2A1 enhancer:実施例1に記
載したラットII型コラーゲン遺伝子のエンハンサー領
域を含むpKS−enhancer1−4のHindI
IIサイトからNotIサイトまでの断片。pKS−M
MPBcon−19を大腸菌JM109に形質転換して
大腸菌JM109/pKS−MMPBcon−19を得
た。
【0021】実施例3 トランスジェニックラットの作
出 採卵用としてラットSD系統を8週齢で購入し、7:0
0〜19:00 12時間明期条件で1週間飼育し、ま
ず1日目11:00に卵胞刺激ホルモン(妊馬血清性性
腺刺激ホルモン、PMSG)(30IU/個体)を腹腔
内注射し、3日目11:00に黄体形成ホルモン(ヒト
絨毛性性腺刺激ホルモン、hCG)(5IU/個体)を
腹腔内注射して雄ラットSD系統10週齢以降の個体と
15:00に1:1で同居、交配させた。4日目9:0
0に交配させた雌ラットの腟栓確認を行い、13:30
から腟栓確認した個体を屠殺後、採卵を開始した。受精
卵で前核形成卵を選択し、14:30から実施例2で得
られたプラスミドpKS−MMPBcon−19をNo
tIによって切断し、10μg/mlの濃度に調製した
ヒトMMP−19遺伝子を含むDNA断片1〜2μlを
顕微鏡下で観察しながら単細胞期のSD系統ラット受精
卵の雄前核へ注入した。続いて、卵細胞を公知のHER
培地(HAM−F12粉末培地(大日本製薬)3.18
0g、RPMI−1640粉末培地(大日本製薬)1.
040g、MEM Eagle粉末培地(大日本製薬)
0.950g、NaHCO3(和光純薬)0.780
g、Penicillin-G(GIBCO BRL)50000UおよびStr
eptomycin(GIBCO BRL)50000Uを500mlの蒸
留水に溶かしたもの)で培養し、5日目13:30に2
細胞期胚を確認してから、Wagnerら(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 78:5016,1981)により記載された方法に従っ
て、偽妊娠の雌Wistar系統ラットの卵管に移植
し、着床させた。偽妊娠の雌Wistar系統ラット
(11週齢以降)は0日目13:00にLHRHを皮下
注射(40μg/個体)し、4日目15:00に雄Wi
star系統12週齢以降の個体と1:1で同居、交配
させることにより作成した。5日目9:00に交配させ
た雌ラットの腟栓確認を行い使用した。
【0022】実施例4 トランスジェニックラットの遺
伝子解析 4週齢に達した出産仔の尾からB.Hoganら(Manupulatin
g The Mouse Embryo、1986、Cold Spring Harvor Labor
atories)の方法で採取したDNAを用いて、Col2A1 p
romoter(実施例2)の塩基配列を基に設計したプライ
マー(5'-CGCCGCTGGGCTGCCGGGTC-3':配列番号:5)お
よびMMP−19(実施例2)の塩基配列を基に設計し
たプライマー(5'-TTTCTCCAGCGGCCCAGCAAC-3':配列番
号:6)を用いてPCRを行った。合計104個体の産
仔ラットを解析した結果、630bpのPCR断片の検
出できたPCR陽性個体は2個体であった。これら2個
体のPCR陽性個体のゲノムDNAをサザンハイブリダ
イゼーション法により解析した。すなわち、10μgの
DNAをBamHIで完全に切断し、2.0%アガロー
スゲル電気泳動後、ナイロンフィルターへ移した。この
フィルターを、MMP−19(実施例2)のNheIサ
イトからBglIIサイトのDNA断片をDIG RN
Aラベリングキット(ロッシュ・ダイアグノスティック
ス社製)で標識したプローブと一晩ハイブリダイズし、
2xSSC、0.1%SDSにて室温で2回洗浄し、次
に0.1xSSC、0.1%SDSにて68℃で2回洗
浄した。検出にはDIG蛍光検出キット(ロッシュ・ダ
イアグノスティックス社製)を用いた。その結果、これ
ら2個体は、全てMMP−19由来の860bpの断片
が確認され、MMP−19遺伝子の導入が確認された。
また、導入された遺伝子のコピー数はB60F系統が4
0コピー、B61F系統が10コピーであることが確認
された。
【0023】実施例5 ヘテロザイゴートのトランスジ
ェニックラット取得 実施例4で得られたB60F(第1世代(F0))が1
2週齢に達した時、SD系統ラットと交配し、第2世代
(F1)を取得した。第2世代が4週齢に達した時、実
施例4に記載の方法でPCRを行い、ヘテロザイゴート
を選抜し、実施例6に用いた。
【0024】実施例6 トランスジェニックラットの軟
骨でのヒトmRNAの確認 実施例5で得たトランスジェニックラット(F1)から
摘出した肋軟骨、約200mgをISOGEN(ニッポ
ンジーン社製)中でホモジナイズし、常法によりtotal
RNAを抽出した。total RNA 5μgを使用し、Fir
st strand cDNAsynthesis kit(アマシャムファルマシ
アバイオテク社製)を用いてプロトコールに従ってcD
NA合成を行い、RT−PCRのテンプレートとした。
プライマーはヒトとラットのMMP−19に共通する配
列である(5’-CTGGATGATGCCACAAGGG-3’(配列番号:
7))および(5’-GATCCCTGCCACATCATC-3’(配列番
号:8))を用い、ラットとヒトMMP−19のmRN
Aを同時に増幅、検出した。また、陰性コントロールと
して、実施例5で行われたPCRにより野生型と判断さ
れた個体を用いた。RT−PCRにより増幅された53
8bpの断片をヒトの断片中にのみ存在するApaLI
で完全に切断したところ、347bpと191bpの断
片が検出できたことから、トランスジェニックラットの
軟骨にヒトMMP−19のmRNAが発現していること
が確認できた。また、ラット内在性MMP−19のmR
NAは心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、軟骨において確認
された(図2)。
【0025】実施例7 ホモザイゴートのトランスジェ
ニックラット取得 実施例4で選抜したヘテロザイゴート(F1)が12週
齢に達した時、兄妹交配を行い第3世代(F2)を取得
した。第3世代(F2)が4週齢に達した時、これらの
個体の尾から実施例4に記載の方法でゲノムDNAを採
取し、PCRでトランスジェニック個体を選抜した。こ
れらのトランスジェニック個体のDNAについてさらに
実施例4に記載の方法に従いサザンハイブリダイゼーシ
ョン法による解析を行い、検出されたバンドの濃さを比
較することで遺伝子型を判断した。ヘテロザイゴートの
バンドに比較してホモザイゴートのバンドは約二倍の濃
さであった(図3)。以上の実験により、B60F系統
一腹のF2の遺伝子型を野生型、ヘテロザイゴートおよ
びホモザイゴートに分離することができた。
【0026】実施例8 トランスジェニックラット(B
60F系統)の特徴の観察 実施例7で得られた野生型、ヘテロザイゴートおよびホ
モザイゴートのそれぞれの個体(B60F系統、12週
齢、雄)の体重を測定したところ、野生型に比較してヘ
テロザイゴートが、さらにヘテロザイゴートに比較して
ホモザイゴートの体重が小さいことを見いだした。次
に、体重測定に用いた個体をネンブタールにて麻酔後、
前肢、後肢及び頭蓋の長さをノギスにて測定した。ヘテ
ロザイゴートは野生型と比較して、前肢、後肢及び頭蓋
の長さに違いは見られなかった。ホモザイゴートは野生
型及びヘテロザイゴートに比較して前肢および後肢の長
さが短いことが分かった。また頭蓋骨が長軸方向に扁平
化し長軸と垂直方向に拡張していることがわかった。結
果を表1に示す。
【表1】 さらに、軟X線写真測定により全身の骨格を野生型、ヘ
テロザイゴートおよびホモザイゴート間で比較した。動
物をネンブタールにて麻酔後、軟X線発生装置(ソフテ
ックス社)内に入れ、48KVp、3mA、管球からの
距離60cmの条件で軟X線写真を撮影した。写真は富
士レンドールおよびレンフィックスにて使用説明書に従
って現像、定着した。フイルムをドライウェル水溶液に
浸漬後乾燥させ、シャーカステン上にて比較した。その
結果、前肢、後肢及び頭蓋の長さの違いは上記計測結果
と一致し、ホモザイゴートは野生型及びヘテロザイゴー
トに比較して前肢および後肢の長さが短いことが分かっ
た。また頭蓋骨が長軸方向に扁平化し長軸と垂直方向に
拡張していることがわかった。前肢、後肢の長管骨、頭
蓋骨及び尾椎以外の骨格には異常は見られなかった。組
み込んだ遺伝子のプロモーターにはII型コラーゲンの
プロモーターを用いているため、トランスジーン(組み
込まれた遺伝子)による影響はII型コラーゲンの発現
している部位に見られることが予想された。トランスジ
ェニックラット(B60F系統)の右膝関節の病理検索
を行い、野生型、ヘテロザイゴートおよびホモザイゴー
ト間で比較した。動物をエーテル麻酔下で4%パラホル
ムアルデヒドを用いて心臓より潅流固定後、右膝関節部
を取り出した。周辺に付着している筋組織や結合組織を
切除後、ダイヤモンドカッターにて正中方向に関節部分
を二分割した。おのおのの関節部分をさらに4%パラホ
ルムアルデヒド中にて14時間室温にて固定した。固定
終了後、組織片を蒸留水にて洗浄し、20% EDTA
(pH7.4)にて、膝関節を8日間脱灰した。脱灰液
交換は毎日行った。脱灰後、脱イオン水にて膝関節に付
着した20% EDTAを洗浄し、70%エタノール、
80%エタノール、90%エタノール、100%エタノ
ールを4回、キシレン2回の順で各々1時間から2時間
浸漬し、脱水、透徹を行った。次に約60℃のパラフィ
ンに2回、各々2時間浸漬し、組織カセットを土台とし
たパラフィンブロックを作製した。ブロックは一晩以上
冷蔵庫にて急速に冷却し、完全に固めた。薄切はパラフ
ィンブロックを室温に放置し、室温に戻してから、ミク
ロトームにて5μmにて行った。切片はマスコートを施
したスライドグラス上に温浴しながらマウントした。作
製した切片は37℃に加温した乾燥機内で一晩放置し完
全に乾かした。脱パラフィン及び一般染色(ヘマトキシ
リンエオジン二重染色法)は下記文献を参考に行った。
(組織学研究法、佐野豊、南山堂、1985年)。また硫酸
化グリコサミノグリカンの染色は切片を脱パラフィン、
脱水後、ヘマトキシリン2分間、流水にて水洗後、0.
02%ファーストグリーン水溶液5分間、1%酢酸水溶
液に浸洗、0.1%サフラニンO水溶液に10分間行っ
た。切片の脱水は95%エタノール、100%エタノー
ル3回を各ステップで5回出し入れすることにより行
い、最後に100%エタノールに5分間浸漬した。透
徹、封入は下記文献を参考に行った。(組織学研究法、
佐野豊、南山堂、1985年)。光学顕微鏡を用いて明視野
にて染色後の切片を鏡検した。野生型に比較してヘテロ
ザイゴートの大腿骨及び脛骨の関節軟骨及び成長板に異
常は見られなかった。ホモザイゴートの大腿骨及び脛骨
の関節軟骨は野生型に比較して関節軟骨層の菲薄化や肥
厚が見られる部位や表層が繊維性の関節軟骨組織に置換
している部位が存在した。また、成長板についてはホモ
ザイゴートで断裂している部位が見られた。関節軟骨層
の表層が繊維性の関節軟骨組織に置換している部位では
表層部での染色性がないことから、硫酸化グリコサミノ
グリカンの欠失が見られた。ホモザイゴートの成長板が
断裂している部位では本来の軟骨細胞の増殖方向への方
向性が一定しておらず、正常な軟骨分化が起こっていな
いことがわかった。これらのことから、長管骨における
内軟骨性骨化の異常が四肢の短縮を引き起こしているこ
とが示唆された。
【0027】実施例9 胎仔骨格の解析 新規トランスジェニックラット(系統名はMMP−B6
0F)アダルトではワイルドタイプに比較してヘテロザ
イゴートが、ヘテロザイゴートに比較してホモザイゴー
トの体重が小さいこと、ホモザイゴートはワイルドタイ
プ及びヘテロザイゴートに比較して前肢および後肢の長
さが短いこと及び頭蓋骨が長軸方向に扁平化し長軸と垂
直方向に拡張していることから、骨格に異常があること
がわかった。この異常が生後後天的に起こったものなの
か、それとも胎生期に先天的に起こったものなのかを検
証する目的で、胎仔期の骨格形成に異常がないかどうか
を調べた。新規トランスジェニックラット(系統名はM
MP−B60F)のホモザイゴートの雄とホモザイゴー
トの雌を同居させ、交尾させた。交尾確認後、妊娠18
日目に妊娠動物を屠殺し、帝王切開を行い、胎仔を摘出
した。摘出された胎仔はすべてホモザイゴートであるこ
とから、胎仔の骨格異常が全例で見られるか否かを調べ
た。井上法およびKimmel法を用い、下記を参考に、胎仔
に骨軟骨二重染色を施した(組織学研究法、佐野豊、南
山堂、1985年)。新規トランスジェニックラット(系統
名はMMP−B60F)ホモザイゴート、アダルトの検
索で見られた四肢の短縮、頭蓋の変形及び尾椎の変形が
胎生期から起こっていることがわかった。また、体後部
の腰椎から後肢にかけて、石灰化の遅延が見られた。ま
た一腹分の異常発現率はアダルトでは約50%であった
が、胎生期では全例にいずれかの異常が観察された。こ
れらのことから新規トランスジェニックラット(系統名
はMMP−B60F)ホモザイゴートに起きている骨格
異常は胎生期に先天的に起こったものであることが推察
された。
【0028】実施例10 軟骨形成シグナル伝達の解析 新規トランスジェニックラット(系統名はMMP−B6
0F)ホモザイゴート、アダルトでは骨格異常が起きる
ことがわかっている。このラットの関節軟骨では菲薄化
している部位が存在する。この部位で軟骨分化が正常に
起こっているか否かを免疫染色法によって各種転写因子
の発現を調べることで解析した。新規トランスジェニッ
クラット(系統名はMMP−B60F)ホモザイゴー
ト、12週齢雄、大腿骨遠位端の関節軟骨の切片を実施
例8と同様の方法にて作製した。作製した切片について
以下の抗体を用いて免疫染色を行った。FGFR3(Fi
broblast Growth Factor Receptor 3)、IHH(India
n hedgehog)、PTC(Patched)及びSMO(Smoothe
nd)。マウントしたスライドガラスを脱パラフィン後、
免疫染色を行った。免疫染色はベクタステインABCキ
ット(ペルオキシダーゼ法、ベクター社)を用いて行っ
た。発色基質にはAECを用いた。具体的な実験手順は
キット添付のマニュアルに従って行った。ホモザイゴー
トの軟骨層が菲薄化している部位のFGFR3の発現は
増殖軟骨細胞層で見られ、異常はなかった。しかし、I
HHはこの部位の軟骨層全層にわたって発現しており、
その受容体であるPTC及びSMOの発現はこの部位に
見られなかった。正常なIHHの発現が前肥大化軟骨細
胞に見られることから、軟骨層が菲薄化している部位で
は前肥大化軟骨細胞が肥大化軟骨細胞へと分化する段階
に異常が起こっていることが推察された。
【0029】
【発明の効果】本発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物は、
軟骨破壊を特徴とする各種の疾患、例えば、変形性関節
症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代謝性関節症
の予防薬あるいは治療薬の評価、MMP−19遺伝子異
常患者の遺伝子治療用実験などに用いることができ、本
発明の遺伝子導入非ヒト哺乳動物から採取した軟骨片ま
たは軟骨細胞などを培養し、MMP−19阻害薬の評価
に用いることができる。
【0030】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Transgenic Animal <130> P2001-182 <150> JP 2000-241748 <151> 2000-8-9 <160> 13 <210> 1 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 1 GTGGTGGTGG ACAACTAGGA AACTCTGG 28 <210> 2 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 2 CGAGGCGAAT CATGGCTCAC CGCG 24 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 3 TCCACGCGTT TGGGAAACTT CTTGGCTGCG 30 <210> 4 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 GCTTCGTCGC CGCTACGCGT GGGGCCGGA 29 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 5 CGCCGCTGGG CTGCCGGGTC 20 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 6 TTTCTCCAGC GGCCCAGCAA C 21 <210> 7 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 7 CTGGATGATG CCACAAGGG 19 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 8 GATCCCTGCC ACATCATC 18 <210> 9 <211> 1120 <212> DNA <213> Rat <400> 9 gtggtggtgg acaactagga aactctggcg ctttctcctc ccctcacaaa actgagtcca 60 gctggagccg cctccagact ctctggccag ggcctcagag tggtcaacag tccctggcca 120 gcgttgctct ctccaggcta agggcaccca ctcccctgga gattcctgaa cctgggccag 180 gaagagccga attagacaag tgtctccaat ccggctgcgt gcggattttg ttgcggtgtc 240 cctcggttgt ctgcagttcc tttagtccct tccctggcct gccccttaca cctccacaca 300 ggtccccctc tgtgtaggaa tacaccagac cctctcttag ccacacacac ctccagtccc 360 ccgtctacct agattttttt catagctagt tggatggggg atgggttagg gaggctgggt 420 ttgcgagcct ccaggtggga gttcaccgac aggtactccg caaaggagct ggaaggcagg 480 tctggaaaac tgtcccccag atttaggatt ctgggcagct tccatcagct tatactttgg 540 ctcccccgcc cctaaactcc ccatccccac ctcctttctc ccgttacttc gtcctccctc 600 gcctttccag cctcgagtct aaagctccat gcttatgcct ctgcaaacaa ccccctccct 660 tctaacccca gcagaactcc gaggaaaggg gccggaggcc ctcttctcgc ctgtggttag 720 agggggcagt gtggcagtcc caagtggggg cgaccggagg ccgtctcggt gccccgcccg 780 atcaggccac tgggcacatc gggggcggga agcgggctca ccaaaggggc gactggcctt 840 ggcaggtgtg ggctctggtc cgacctgggc aggctccggg ggcggggtct caggttacaa 900 cgccacgggg ggctgggggc ggcccgcggt ttggttggtt tgccagcctt tggagcgacc 960 gggagcatat aaccggagcc tctgctggga gaagcgcagg gcgccgctgg gctgccgggt 1020 ctcctgcctc ctcctcctgc tccgagagcc tcctgcatga gggcgaggta gagacccgga 1080 cccgctccgg tctctgccgc ctcgccgagc ttcgcccggg 1120 <210> 10 <211> 372 <212> DNA <213> Rat <400> 10 gaattctcgc gtttgggaaa cttcttggct gcgaagactt tgacccacat ctgcatttct 60 cagccccagc ttccaaaagt gctgcaggtt cgggagggga gacctcagtc ctcctttgtg 120 aggcttgttt gcgttgaggg attggcagcg atggcttcca gatgggctga aaccctgccc 180 gtatttattt aaactggttc ctcgtggaga gctgtgaatc gggctctgta tgcgctcgag 240 aaaagcccca ttcatgagag gcaaggccca gtgggtcccc ccgactcccc gacccccctc 300 tcccacaatg catcccccct ccctgtgccc gcctgccgcc acctcccggg ctccggcccc 360 acgcgagaat tc 372 <210> 11 <211> 187 <212> DNA <213> Virus <400> 11 gtcgaccagc ttgaactgaa aaaccagaaa gttaactggt aagtttagtc tttttgtctt 60 ttatttcagg tcccggatcc ggtggtggtg caaatcaaag aactgctcct cagtggatgt 120 tgcctttact tctaggcctg tacggaagtg ttacttctgc tctaaaagct gcctagaatt 180 tatcgat 187 <210> 12 <211> 1524 <212> DNA <213> Human <400> 12 atgaactgcc agcagctgtg gctgggcttc ctactcccca tgacagtctc aggccgggtc 60 ctggggcttg cagaggtggc gcccgtggac tacctgtcac aatatgggta cctacagaag 120 cctctagaag gatctaataa cttcaagcca gaagatatca ccgaggctct gagagctttt 180 caggaagcat ctgaacttcc agtctcaggt cagctggatg atgccacaag ggcccgcatg 240 aggcagcctc gttgtggcct agaggatccc ttcaaccaga agacccttaa atacctgttg 300 ctgggccgct ggagaaagaa gcacctgact ttccgcatct tgaacctgcc ctccaccctt 360 ccaccccaca cagcccgggc agccctgcgt caagccttcc aggactggag caatgtggct 420 cccttgacct tccaagaggt gcaggctggt gcggctgaca tccgcctctc cttccatggc 480 cgccaaagct cgtactgttc caatactttt gatgggcctg ggagagttct ggcccatgcc 540 gacatcccag agctgggcag tgtgcacttc gacgaagacg agttctggac tgaggggacc 600 taccgtgggg tgaacctgcg catcattgca gcccatgaag tgggccatgc tctggggctt 660 gggcactccc gatattccca ggccctcatg gccccagtct acgagggcta ccggccccac 720 tttaagctgc acccagatga tgtggcaggg atccaggctc tctatggcaa gaagagtcca 780 gtgataaggg atgaggaaga agaagagaca gagctgccca ctgtgccccc agtgcccaca 840 gaacccagtc ccatgccaga cccttgcagt agtgaactgg atgccatgat gctggggccc 900 cgtgggaaga cctatgcttt caagggggac tatgtgtgga ctgtatcaga ttcaggaccg 960 ggccccttgt tccgagtgtc tgccctttgg gaggggctcc ccggaaacct ggatgctgct 1020 gtctactcgc ctcgaacaca atggattcac ttctttaagg gagacaaggt gtggcgctac 1080 attaatttca agatgtctcc tggcttcccc aagaagctga atagggtaga acctaacctg 1140 gatgcagctc tctattggcc tctcaaccaa aaggtgttcc tctttaaggg ctccgggtac 1200 tggcagtggg acgagctagc ccgaactgac ttcagcagct accccaaacc aatcaagggt 1260 ttgtttacgg gagtgccaaa ccagccctcg gctgctatga gttggcaaga tggccgagtc 1320 tacttcttca agggcaaagt ctactggcgc ctcaaccagc agcttcgagt agagaaaggc 1380 tatcccagaa atatttccca caactggatg cactgtcgtc cccggactat agacactacc 1440 ccatcaggtg ggaataccac tccctcaggt acgggcataa ccttggatac cactctctca 1500 gccacagaaa ccacgtttga atac 1524 <210> 13 <211> 508 <212> PRT <213> Human <400> 13 Met Asn Cys Gln Gln Leu Trp Leu Gly Phe Leu Leu Pro Met Thr Val 1 5 10 15 Ser Gly Arg Val Leu Gly Leu Ala Glu Val Ala Pro Val Asp Tyr Leu 20 25 30 Ser Gln Tyr Gly Tyr Leu Gln Lys Pro Leu Glu Gly Ser Asn Asn Phe 35 40 45 Lys Pro Glu Asp Ile Thr Glu Ala Leu Arg Ala Phe Gln Glu Ala Ser 50 55 60 Glu Leu Pro Val Ser Gly Gln Leu Asp Asp Ala Thr Arg Ala Arg Met 65 70 75 80 Arg Gln Pro Arg Cys Gly Leu Glu Asp Pro Phe Asn Gln Lys Thr Leu 85 90 95 Lys Tyr Leu Leu Leu Gly Arg Trp Arg Lys Lys His Leu Thr Phe Arg 100 105 110 Ile Leu Asn Leu Pro Ser Thr Leu Pro Pro His Thr Ala Arg Ala Ala 115 120 125 Leu Arg Gln Ala Phe Gln Asp Trp Ser Asn Val Ala Pro Leu Thr Phe 130 135 140 Gln Glu Val Gln Ala Gly Ala Ala Asp Ile Arg Leu Ser Phe His Gly 145 150 155 160 Arg Gln Ser Ser Tyr Cys Ser Asn Thr Phe Asp Gly Pro Gly Arg Val 165 170 175 Leu Ala His Ala Asp Ile Pro Glu Leu Gly Ser Val His Phe Asp Glu 180 185 190 Asp Glu Phe Trp Thr Glu Gly Thr Tyr Arg Gly Val Asn Leu Arg Ile 195 200 205 Ile Ala Ala His Glu Val Gly His Ala Leu Gly Leu Gly His Ser Arg 210 215 220 Tyr Ser Gln Ala Leu Met Ala Pro Val Tyr Glu Gly Tyr Arg Pro His 225 230 235 240 Phe Lys Leu His Pro Asp Asp Val Ala Gly Ile Gln Ala Leu Tyr Gly 245 250 255 Lys Lys Ser Pro Val Ile Arg Asp Glu Glu Glu Glu Glu Thr Glu Leu 260 265 270 Pro Thr Val Pro Pro Val Pro Thr Glu Pro Ser Pro Met Pro Asp Pro 275 280 285 Cys Ser Ser Glu Leu Asp Ala Met Met Leu Gly Pro Arg Gly Lys Thr 290 295 300 Tyr Ala Phe Lys Gly Asp Tyr Val Trp Thr Val Ser Asp Ser Gly Pro 305 310 315 320 Gly Pro Leu Phe Arg Val Ser Ala Leu Trp Glu Gly Leu Pro Gly Asn 325 330 335 Leu Asp Ala Ala Val Tyr Ser Pro Arg Thr Gln Trp Ile His Phe Phe 340 345 350 Lys Gly Asp Lys Val Trp Arg Tyr Ile Asn Phe Lys Met Ser Pro Gly 355 360 365 Phe Pro Lys Lys Leu Asn Arg Val Glu Pro Asn Leu Asp Ala Ala Leu 370 375 380 Tyr Trp Pro Leu Asn Gln Lys Val Phe Leu Phe Lys Gly Ser Gly Tyr 385 390 395 400 Trp Gln Trp Asp Glu Leu Ala Arg Thr Asp Phe Ser Ser Tyr Pro Lys 405 410 415 Pro Ile Lys Gly Leu Phe Thr Gly Val Pro Asn Gln Pro Ser Ala Ala 420 425 430 Met Ser Trp Gln Asp Gly Arg Val Tyr Phe Phe Lys Gly Lys Val Tyr 435 440 445 Trp Arg Leu Asn Gln Gln Leu Arg Val Glu Lys Gly Tyr Pro Arg Asn 450 455 460 Ile Ser His Asn Trp Met His Cys Arg Pro Arg Thr Ile Asp Thr Thr 465 470 475 480 Pro Ser Gly Gly Asn Thr Thr Pro Ser Gly Thr Gly Ile Thr Leu Asp 485 490 495 Thr Thr Leu Ser Ala Thr Glu Thr Thr Phe Glu Tyr 500 505
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で構築したプラスミドpKS−MMP
Bcon−19の概略図を示す。
【図2】実施例6で行われたmRNAの検出結果を示
す。レーン1〜6はコントロールとして用いた野生型ラ
ットの、レーン7〜12はトランスジェニックラットの
臓器を示す。また、レーン1および7は心臓を、レーン
2および8は肺を、レーン3および9は肝臓を、レーン
4および10は脾臓を、レーン5および11は腎臓を、
レーン6および12は軟骨をそれぞれ示す。
【図3】実施例7で行われたサザンハイブリダイゼーシ
ョン法による解析結果を示す。レーン1、3〜6、8〜
13はヘテロザイゴート、レーン2および7はホモザイ
ゴートを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/02 A61P 27/02 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12Q 1/02 15/09 ZNA 1/37 C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/37 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 B (72)発明者 細野 和裕 大阪府高槻市安岡寺町5丁目29番7号 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA40 CB17 DA12 DA13 4B024 AA11 BA11 CA04 DA02 DA06 EA04 FA02 FA06 GA11 HA11 4B063 QA18 QA19 QQ08 QR10 QS31 4B065 AA26X AA91X AA99Y AB01 BA02 CA33 CA46 4C084 AA16 ZA33 ZA96 ZA97 ZB15 ZB26

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外来性MMP−19遺伝子またはその変
    異遺伝子を組み込んだDNAを有する非ヒト哺乳動物ま
    たはその生体の一部。
  2. 【請求項2】 非ヒト哺乳動物が、ウサギ、イヌ、ネ
    コ、モルモット、ハムスター、マウスまたはラットであ
    る請求項1記載の動物またはその生体の一部。
  3. 【請求項3】 非ヒト哺乳動物がラットである請求項1
    記載の動物またはその生体の一部。
  4. 【請求項4】 外来性MMP−19遺伝子が配列番号:
    12で表される塩基配列を有する請求項1記載の動物ま
    たはその生体の一部。
  5. 【請求項5】 関節疾患を発症している請求項1から4
    記載の動物またはその生体の一部。
  6. 【請求項6】 四肢の短縮と変形、頭蓋の変形、
    咬合不全、上顎及び下顎切歯の過長、腰椎の石灰化
    不全、尾椎の変形および尾椎椎間板の欠損から選ば
    れる症状を発症している請求項1から4記載の動物また
    はその生体の一部。
  7. 【請求項7】 外来性MMP−19遺伝子またはその変
    異遺伝子を含有し、非ヒト哺乳動物において該遺伝子を
    発現し得るベクター。
  8. 【請求項8】 外来性MMP−19遺伝子が配列番号:
    12で表される塩基配列を有する請求項7記載のベクタ
    ー。
  9. 【請求項9】 さらにラットII型コラーゲン遺伝子の
    プロモーター領域およびラットII型コラーゲン遺伝子
    のエンハンサー領域を含有する請求項7記載のベクタ
    ー。
  10. 【請求項10】 pKS−MMPBcon−19で表示
    される請求項7記載のベクター。
  11. 【請求項11】 請求項7記載のベクターで形質転換さ
    れた形質転換体。
  12. 【請求項12】 形質転換体が大腸菌JM109/pK
    S−MMPBcon−19(FERM BP−764
    7)である請求項11記載の形質転換体。
  13. 【請求項13】 請求項1から6のいずれかに記載の動
    物またはその生体の一部に被験物質を適用し、細胞外マ
    トリックスの異常な分解に起因する疾患の改善効果を検
    定することを特徴とする、細胞外マトリックスの異常な
    分解に起因する疾患の予防・治療のために用いられる物
    質のスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 細胞外マトリックスの異常な分解がM
    MP−19の機能異常に起因するものである請求項13
    記載のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】 細胞外マトリックスの異常な分解に起
    因する疾患が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、
    変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代
    謝性関節症、眼疾患および悪性腫瘍である請求項13記
    載のスクリーニング方法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の方法により細胞外マ
    トリックスの異常な分解に起因する疾患の改善効果を有
    すると判定される物質を含有してなる細胞外マトリック
    スの異常な分解に起因する疾患の予防・治療用医薬。
  17. 【請求項17】 細胞外マトリックスの異常な分解に起
    因する疾患が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、
    変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代
    謝性関節症、眼疾患および悪性腫瘍である請求項16記
    載の医薬。
  18. 【請求項18】 哺乳動物に対して、請求項13記載の
    方法により細胞外マトリックスの異常な分解に起因する
    疾患の改善効果を有すると判定される物質の有効量を投
    与することを特徴とする細胞外マトリックスの異常な分
    解に起因する疾患の予防・治療法。
  19. 【請求項19】 細胞外マトリックスの異常な分解に起
    因する疾患が、軟骨形成異常、骨形成異常、骨粗鬆症、
    変形性関節症、慢性関節リウマチ、関節炎、滑膜炎、代
    謝性関節症、眼疾患および悪性腫瘍である請求項18記
    載の予防・治療法。
  20. 【請求項20】 細胞外マトリックスの異常な分解に起
    因する疾患の予防・治療のために用いられる物質をスク
    リーニングするための請求項1から6のいずれかに記載
    の動物またはその生体の一部の用途。
  21. 【請求項21】 卵胞刺激ホルモン約20ないし50I
    U/個体を投与した後に黄体形成ホルモン約0ないし1
    0IU/個体を投与した雌ラットを雄ラットと交配させ
    て得られる受精卵に、外来性MMP−19遺伝子または
    その変異遺伝子を組み込んだDNAを導入し、該受精卵
    を雌ラットに着床させることを特徴とする請求項3記載
    のラットまたはその生体の一部の作製方法。
  22. 【請求項22】 黄体形成ホルモン放出ホルモンまたは
    その類縁体を投与した後、雄ラットと交配させた雌の偽
    妊娠ラットに、外来性MMP−19遺伝子またはその変
    異遺伝子を組み込んだDNAを導入した受精卵を着床さ
    せることを特徴とする請求項3記載のラットまたはその
    生体の一部の作製方法。
  23. 【請求項23】 外来性MMP−19遺伝子またはその
    変異遺伝子を組み込んだDNAを導入した受精卵。
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