JP2003116560A - 新規なポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

新規なポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド

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JP2003116560A
JP2003116560A JP2001313754A JP2001313754A JP2003116560A JP 2003116560 A JP2003116560 A JP 2003116560A JP 2001313754 A JP2001313754 A JP 2001313754A JP 2001313754 A JP2001313754 A JP 2001313754A JP 2003116560 A JP2003116560 A JP 2003116560A
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Yasunori Nakayama
保典 中山
Kei Yamana
慶 山名
Yoshiaki Azuma
由明 東
Takashi Kamimura
孝 上村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 骨疾患や歯周疾患の治療に応用できるDMP
1に類似したヒト由来の新たなポリペプチド及びそれを
コードするポリヌクレオチドが提供する。 【解決手段】 ヒトcDNAライブラリーより新たにD
MP1に類似した遺伝子を単離し、そのポリペプチドの
アミノ酸組成およびこれをコードするポリヌクレオチド
配列を明らかにした。骨疾患や歯周疾患用の医薬、抗
体、および関連化合物のスクリーニングキット、診断用
キット等を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト由来の新規な
ポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチドに
関する。更に詳細には、象牙細胞由来のDMP1に類似
した新たなポリペプチド及びそれをコードするポリヌク
レオチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞外マトリックスは、組織の細胞を取
り巻く環境物質であり、主な成分はコラーゲンのような
繊維性タンパク質、プロテオグリカンなどの複合糖質、
細胞接着などに関係のあるフィブロネクチンなどの糖タ
ンパク質である。細胞外マトリックスは、古くは細胞、
組織、臓器を支持する機械的役割のみが考えられていた
が、現在では、それは細胞の環境そのものであり、細胞
の形態、代謝、移動、増殖、分化など細胞の活動に重大
な影響を与え、生体の発生、加齢、炎症、創傷治癒、免
疫、腫瘍など多くの生体現象に極めて大きな関連を有す
ることが認識されている。
【0003】骨は身体の運動器、支持組織としてばかり
ではなく、カルシウム貯蔵場所としてカルシウム代謝、
ホメオスタシスに重要な役割を担っている臓器であり、
3種類の細胞(骨芽細胞、骨細胞および破骨細胞)と細
胞外マトリックスより構成されている。通常、骨組織は
破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を絶えず
繰り返しており、両者の微妙なバランスによって全体と
して骨量はほぼ一定に保たれている。
【0004】破骨細胞にはビトロネクチン、フィブロネ
クチン、オステオポンチンといった細胞外マトリックス
タンパク質と結合しうるインテグリンが高発現してお
り、このインテグリンを介した結合は細胞外マトリック
スタンパク質内に保存されたRGD(Arg・Gly・Asp)と
いうアミノ酸モチーフを介していることが知られている
(Rodan,S.B,and Rodan,G.A,J.Endocrinol.154,S47,199
7)。また、最近、破骨細胞上のインテグリンとRGD
アミノ酸モチーフを介した結合が破骨細胞の機能発現に
重要な働きを持つことが示された(Duong,L.T,etal,Mat
rix.Biol.19,97,2000)。
【0005】骨と歯の象牙質(dentin)における細胞外
マトリックスは類似しており、両組織の細胞外マトリッ
クスは、主にタイプIコラーゲン、酸性タンパク質、プ
ロテオグリカンにより構成されている。両組織における
細胞外マトリックスの産生細胞としては、骨では骨芽細
胞、歯の象牙質では象牙芽細胞が知られている。
【0006】Dentin Matrix Protein 1(DMP1)は
ラットの象牙芽細胞由来cDNAライブラリーより単離
された酸性タンパク質で、RGDアミノ酸モチーフを持
つ。DMP1は、骨芽細胞と象牙芽細胞において発現
し、骨芽細胞と象牙芽細胞の分化・成熟の制御に重要な
働きをしていることが知られている(Narayanan,K,et a
l,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.98,4516,2001)。また、D
MP1内に存在するRGDアミノ酸モチーフがインテグ
リンとの結合に対して機能的に働くことも示されている
(Kulkarni,G.V,et al,Arch.Oral.Biol.45,475,2000)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】DMP1を制御するこ
とは骨疾患や歯周疾患の治療に応用できると期待されて
いる。しかしながら、DMP1の機能については、未だ
詳細に調べられていない点が多く、上記した以外の機能
を持っている可能性がある。従って、DMP1に類似し
た新たなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが
提供できれば、その各種細胞または組織での発現レベル
や構造及び機能を解析でき、またその発現物の解析等に
よりこれらの関与する疾患の病態解明や診断、治療等が
可能となると考えられる。
【0008】従って、本発明は、DMP1に類似した新
たなポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチ
ドを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
より鋭意研究を重ねた結果、ヒトcDNAライブラリー
より新たに、上記目的に合致する遺伝子を単離すること
に成功し、ここに本発明を完成するに至った。本発明
は、骨芽細胞と象牙芽細胞の分化・成熟を調節し、イン
テグリン結合作用を有することが知られているDMP1
とアミノ酸配列に相同性が認められる新規なヒトポリペ
プチド、並びにそれをコードするヒトポリヌクレオチド
に関するものである。
【0010】即ち、本発明は配列番号1で表されるアミ
ノ酸配列を実質的に含むポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドである。上記ポリヌクレオチドとしては、
例えば配列番号2で表される塩基配列が挙げられる。
【0011】また本発明は、(1):配列番号1で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有するポリペプチド、(2):(1)記載のポリペプチ
ドの部分ペプチド、(3):(1)記載のポリペプチドをコー
ドする塩基配列を有するポリヌクレオチドを含有するポ
リヌクレオチド、(4):配列番号2で表される塩基配列
またはそれとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列を有する(3)記載のポリヌクレオチ
ド、(5):(2)記載の部分ペプチドをコードするポリヌク
レオチドを含有するポリヌクレオチド、(6):(3)記載の
ポリヌクレオチドを含む組換えベクター、(7):(6)記載
の組換えベクターを保持する形質転換体、(8):(7)記載
の形質転換体を培養し、(1)記載のポリペプチドを生
成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする(1)
記載のポリペプチドの製造方法、(9):(1)記載のポリペ
プチドまたは(2)記載の部分ペプチドを含有してなる医
薬、(10):(3)記載のポリヌクレオチドまたは(5)記載の
ポリヌクレオチドを含有してなる医薬、(11):(1)記載
のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチドに対する
モノクローナル抗体、(12):(1)記載のポリペプチドま
たは(2)記載の部分ペプチドに対するポリクローナル抗
体、(13):(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分
ペプチドで免疫された抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融
合させることにより得られる(11)記載のモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマ、(14):(1)記載のポリ
ペプチドまたは(2)記載の部分ペプチドを用いることを
特徴とする(1)記載のポリペプチドの作用または発現を
活性化もしくは増強する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、(15):(1)記載のポリペプチドまたは(2)記
載の部分ペプチドを含有してなる(1)記載のポリペプチ
ドの作用または発現を活性化もしくは増強する化合物ま
たはその塩のスクリーニング用キット、(16):(14)記載
のスクリーニング方法または(15)記載のスクリーニング
用キットを用いて得られる(1)記載のポリペプチドの作
用または発現を活性化もしくは増強する化合物またはそ
の塩、(17):(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部
分ペプチドを用いることを特徴とする(1)記載のポリペ
プチドの作用または発現を阻害もしくは減弱する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(18):(1)記載の
ポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチドを含有して
なる(1)記載のポリペプチドの作用または発現を阻害も
しくは減弱する化合物またはその塩のスクリーニング用
キット、(19):(17)記載のスクリーニング方法または(1
8)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる(1)
記載のポリペプチドの作用または発現を阻害もしくは減
弱する化合物またはその塩、(20):(3)または(4)記載の
塩基配列の少なくとも一部とハイブリダイズするオリゴ
ヌクレオチドプローブ、(21):(20)記載のオリゴヌクレ
オチドプローブを含む塩基配列の検出試薬、(22):(1)
記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチド、並
びに(11)記載のモノクローナル抗体および/または(12)
記載のポリクローナル抗体を含む診断用キット、もしく
は(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチド
の測定キット、(23):(11)記載のモノクローナル抗体ま
たは(12)記載のポリクローナル抗体からなる医薬を提供
する。
【0012】また本発明は、(24):(14)記載のスクリー
ニング方法または(15)記載のスクリーニング用キットを
用いて得られる(1)記載のポリペプチドの作用または発
現を活性化もしくは増強する化合物またはその塩を含有
してなる医薬、(25):(17)記載のスクリーニング方法ま
たは(18)記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る(1)記載のポリペプチドの作用または発現を阻害もし
くは減弱する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(26):(11)または(12)記載の抗体と被検液および標識化
された(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプ
チドとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化さ
れた(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチ
ドの割合を測定することを特徴とする被検液中の(1)記
載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチドの定量
法、および(27):被検液と担体上に不溶化した(11)また
は(12)記載の抗体および標識化された(11)または(12)記
載の抗体とを同時にあるいは連続的に反応させたのち、
不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とす
る被検液中の(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部
分ペプチドの定量法を提供する。
【0013】また本発明は、(28):外来性の(3)記載の
ポリヌクレオチドまたはその変異ポリヌクレオチドを有
する非ヒト哺乳動物、(29):非ヒト哺乳動物がげっ歯動
物である(28)記載の非ヒト哺乳動物、(30):げっ歯動物
がマウスである(29)記載の非ヒト哺乳動物、(31):外来
性の(3)記載のポリヌクレオチドまたはその変異ポリヌ
クレオチドを含有し、哺乳動物において発現しうる組換
えベクター、(32):(3)記載のポリヌクレオチドが不活
性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(33):該ポリヌク
レオチドがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ―ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化
された(32)記載の胚幹細胞、(34):ネオマイシン耐性で
ある(32)記載の胚幹細胞、(35):非ヒト哺乳動物がげっ
歯動物である(32)記載の胚幹細胞、(36):げっ歯動物が
マウスである(35)記載の胚幹細胞、(37):(3)記載のポ
リヌクレオチドが不活性化された該ポリヌクレオチド発
現不全非ヒト哺乳動物、(38):該ポリヌクレオチドがレ
ポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ―ガラクトシダー
ゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポ
ーター遺伝子が(3)記載のポリヌクレオチドに対するプ
ロモーターの制御下で発現しうる(37)記載の非ヒト哺乳
動物、(39):非ヒト哺乳動物がげっ歯動物である(37)記
載の非ヒト哺乳動物、(40):げっ歯動物がマウスである
(39)記載の非ヒト哺乳動物を提供する。
【0014】さらに本発明は、(41):(38)記載の非ヒト
哺乳動物に試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発
現を検出することを特徴とする(3)記載のポリヌクレオ
チドに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法、(42):(1)記
載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチド用いる
ことによる(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分
ペプチドと相互作用するレセプターをスクリーニングす
る方法、(43):(42)記載のスクリーニング方法を用いて
得られる(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペ
プチドと相互作用するレセプター、(44):(1)記載のポ
リペプチドまたは(2)記載の部分ペプチド用いることに
よる(43)記載のレセプターと(1)記載のポリペプチドま
たは(2)記載の部分ペプチドの相互作用を阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング方法、(45):(1)記載
のポリペプチドまたは(2)記載の部分ペプチド用いるこ
とによる(43)記載のレセプターと(1)記載のポリペプチ
ドまたは(2)記載の部分ペプチドの相互作用を阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング用キット、および
(46):(44)記載のスクリーニング方法または(45)記載の
スクリーニング用キットを用いて得られる(43)記載のレ
セプターと(1)記載のポリペプチドまたは(2)記載の部分
ペプチドの相互作用を阻害する化合物またはその塩を提
供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本明細書で汎用する「ポリペプチ
ド」とは、ペプチド結合により互いに結合している2個
またはそれ以上のアミノ酸を有してなるペプチドまたは
タンパク質、または修飾されたペプチド結合により互い
に結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を有して
なるペプチドまたはタンパク質、すなわち、ペプチドア
イソスターをいう。「ポリペプチド」は、通常、ペプチ
ド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと称される短鎖、
およびタンパク質と称される長鎖の両方をいう。ポリペ
プチドは遺伝子によりコードされた20種のアミノ酸と
は異なるアミノ酸を含有してもよい。「ポリペプチド」
は、翻訳後プロセッシングなどの自然の工程により、ま
たは当業者に周知の化学修飾技法により修飾されたアミ
ノ酸配列を含有する。このような修飾は基本テキストに
て、およびさらに詳細な研究論文にて、ならびに膨大な
研究文献において詳しく記載されている。修飾は、ペプ
チド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシ
ル末端を含め、ポリペプチドのどこでも起こり得る。ま
た、所定のポリペプチドは多くの型の修飾を含んでいて
もよい。ポリペプチドは、ユビキチネーションの結果と
して分岐していてもよく、分岐した環状、または分岐し
ていない環状であってもよい。環状、分岐および分岐し
た環状ペプチドは翻訳後の天然プロセスにより生じたも
のであってもよく、または合成法により製造されたもの
であってもよい。修飾は、アセチル化、アシル化、AD
P−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム
部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導
体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホス
ホチジルイノシトールの共有結合、交差架橋、環化、ジ
スルフィド結合形成、脱メチル化、交差架橋共有結合形
成、システイン形成、ピログタメート形成、ホルミル
化、ガンマ−カルボキシル化、糖鎖形成、GPIアンカ
ー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリス
トイル化、酸化、タンパク質分解的プロセッシング、リ
ン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸
化、アルギニル化などのトランスファーRNA媒介のタ
ンパク質へのアミノ酸付加、ならびにユビキチネーショ
ンを包含する〈例えば、Proteins-Structure AndMolecu
lar Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freemanand
Company、New York(1993)およびPosttranslational Cov
alent Modification Of Proteins、B.C.Johnson編、Acade
mic Press、New York(1983)のWold、F.、Posttranslationa
l ProteinModifications:Perspectives And Prospects、
1〜12頁;Seifterら、"Analysis For Protein Modificat
ions And Nonproteincofactors"、Meth.Enzymol. 182:62
6-646(1990)およびRattanら、"ProteinSynthesis:Posttr
anslational Modifications And Aging"、Ann.N.Y.Acad.
Sci.663:48-62(1992)>。
【0016】本発明の配列番号1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する
ポリペプチド(以下、「本発明のポリペプチド」と略記
することがある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモ
ット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪
細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞もしくは間質細
胞、またはこれらの細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガ
ン細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる
組織〔例、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基
底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小
脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋など〕または血球系の細胞もしくはその培養
細胞株などに由来するポリペプチドであってもよく、合
成ポリペプチドであってもよい。
【0017】本発明の配列番号1で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する
ポリペプチドは、配列番号1で表されるアミノ酸配列
のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号1で表
されるアミノ酸配列にアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、配列番号1で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸
が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそ
れらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドなども含まれる。好ましくは、配列番号1で表される
アミノ酸配列を含有するポリペプチドと実質的に同質の
作用を有するポリペプチドであることが挙げられる。実
質的に同質とは、それらの作用、活性、または生物学的
活性が性質的に同質であることを示す。本発明のポリペ
プチドが有する作用、活性、生物学的活性とは、類似の
作用、活性、または改良された作用、活性、あるいは望
ましくない副作用の減じた作用、活性を含め、該ポリペ
プチドの代謝的または生理学的機能をいう。また、該ポ
リペプチドの抗原的および免疫原的活性も含まれる。し
たがって、これらの作用、活性、または生物学的活性が
同等であることが望ましいが、活性の程度、ポリペプチ
ドの分子量などの量的要素は異なっていてもよい。さら
に好ましくは、配列番号1で表されるアミノ酸配列と同
一の配列を含有するポリペプチドが挙げられる。
【0018】本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク
質の形態であってもよく、あるいは融合タンパク質など
の大型タンパク質の一部であってもよい。分泌またはリ
ーダー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基のごとき
精製を促進する配列、または組換え操作の間の安定性の
ための付加的な配列を含む付加的なアミノ酸配列を含ん
でいることが有利なことがよくある。
【0019】本発明のポリペプチドの部分ペプチド(以
下、「本発明の部分ポリペプチド」と略記することがあ
る)としては、前記した本発明のポリペプチドの部分ペ
プチドであって、本発明のポリペプチドが有する作用、
活性、生物学的活性を有するものであればいずれのもの
でもよい。例えば、部分ペプチドのアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、アミノ酸が付加したアミノ酸配列、アミ
ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するものも含
まれる。本発明のポリペプチドが有する作用、活性、ま
たは生物学的活性とは、類似の作用、活性、または改良
された作用、活性、あるいは望ましくない副作用の減じ
た作用、活性を含め、該ポリペプチドの代謝的または生
理学的機能をいう。該ポリペプチドの抗原的および免疫
原的活性も含まれる。本発明の部分ポリペプチドは、本
発明のポリペプチドのアミノ酸配列のすべてではなく一
部に対して全く同一であるアミノ酸配列を有するポリペ
プチドである。該部分ポリペプチドは独立していてもよ
く、また本発明の部分ポリペプチドの一部分もしくは一
領域を形成する大型のポリペプチド内に含まれていても
よく、最も好ましくは単一の連続した領域として含まれ
るものがよい。好ましい本発明の部分ポリペプチドは、
アルファーヘリックスおよびアルファーヘリックス形成
領域、ベータシートおよびベータシート形成領域、ター
ンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領
域、親水領域、疎水領域、アルファー両親媒性領域、ベ
ータ両親媒性領域、可変領域、表面形成領域、基質結合
領域および高抗原性指標領域を有する構造的または機能
的属性により特徴付けられるものである。他の好ましい
部分ペプチドは生物学的に活性な部分ペプチドである。
生物学的に活性な部分ペプチドは、類似活性または改良
された活性を有する、あるいは望ましくない活性を減じ
たものを含め、本発明のポリペプチドの活性を媒介す
る、部分ペプチドである。動物、とりわけヒトにおいて
抗原的または免疫原的な部分ペプチドもまた含まれる。
好ましくは、該部分ペプチドはすべて、抗原的活性を含
め、本発明のポリペプチドの生物学的活性を保持してい
る。
【0020】本明細書で汎用する「ポリヌクレオチド」
とは、一般に、修飾されていないRNAもしくはDN
A、または修飾されたRNAもしくはDNAであってよ
い。すなわち、いずれかのポリリボヌクレオチドまたは
ポリデオキシリボヌクレオチドをいう。「ポリヌクレオ
チド」は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二
本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖R
NA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNAを
いう。さらに「ポリヌクレオチド」は、一本鎖もしくは
より典型的には二本鎖、または一本鎖および二本鎖領域
の混合物であるRNAとDNAのハイブリッド分子を含
むが、これに限られたものではない。加えて、「ポリヌ
クレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはRNAと
DNAの両方を含む三本鎖領域の分子を含む。「ポリヌ
クレオチド」なる用語はまた、一つまたはそれ以上の修
飾された塩基を含有するDNAまたはRNA、ならびに
安定性またはその他の理由で修飾された骨格を有するD
NAまたはRNAを包含する。「修飾された塩基」は、
例えば、トリチル化された塩基およびイノシンなどの通
常でない塩基を包含する。すなわち、「ポリヌクレオチ
ド」は、天然において見いだされるような化学的、酵素
的または代謝的に修飾された形態のポリヌクレオチド、
ならびにウイルスおよび細胞に特徴的な化学的形態のR
NAもしくはDNAを包含する。また、「ポリヌクレオ
チド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される比較
的短いポリヌクレオチドも包含する。
【0021】本発明のDMPLポリヌクレオチドは、前
述した本発明のDMPLポリペプチドをコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、前記した細胞・組織由来のcDNA、また、
前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、化学
的に合成されたDNA、PCRによって単離されたDN
A、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー及びそれ
らの組み合わせのいずれでもよい。該ゲノムDNAは標
準的な技法を用いて、本明細書中に開示された本発明の
DMPLポリヌクレオチドに対するハイブリッド形成に
よっても単離することができる。さらにDMPLのDN
Aから転写されたRNAもまた、本発明によって包含さ
れる。配列番号2で示される本発明のポリヌクレオチド
の配列は、これによりコードされる各アミノ酸残基を示
すコドンの一つの組み合わせ例であり、本発明ポリヌク
レオチドはこれに限らず、各アミノ酸残基に対して任意
のコドンの組み合わせを選択した塩基配列を有すること
も勿論可能である。該コドンの選択は常法に従うことが
でき、例えば利用する宿主のコドン使用頻度を考慮する
ことができる(Nucleic Acids Research 9,43,1981)。
【0022】本発明のDMPLポリヌクレオチドの塩基
配列は、後述する実施例で詳細に述べるように、RAC
E(RACE:Rapid amplification of cDNA ends;Frohman,
M.A,et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85,8998,1988)法
により取得することができるが、その概要を述べれば次
のとおりである。
【0023】一般的に、RACE法とは、cDNAの一
部の配列のみが既知である場合、これをもとに完全長c
DNA配列を取得する方法である。既知の配列領域から
3´末端あるいは5´末端それぞれの方向に伸長できる
ようにプライマーを作製し、PCR(PCR:Polymerase c
hain reaction、Science 230,1350,1985)法によりcD
NAを増幅する。PCR法を実施する際は、既知領域で
は特異的にアニールするプライマー、3´末端及び5´
末端ではライゲーション反応等により付加した配列にア
ニールするプライマーを用いる。従って、PCR法によ
り増幅させた領域は配列が未知の領域を含んでいる。次
に、増幅させたDNAの塩基配列を決定することによ
り、完全長cDNAの配列を取得することができる。
尚、増幅させたDNA断片の単離精製は後述の実施例で
も述べる通り、常法に従うことができ、例えばゲル電気
泳動等によればよい。このようにして得られたDNA断
片の塩基配列の決定も、常法に従うことができ、例えば
ジデオキシ法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.74,5463,197
7)やマキサム-ギルバート法(Methods in Enzymology
65,499,1980)等により行うことができる。かかる塩基
配列の決定は、市販のシークエンスキット等を用いても
容易に行い得る。
【0024】より具体的には、本発明における後述の実
施例で詳細に述べるが、概略は以下の通りである。ヒト
DMP1のアミノ酸配列を用いて、日本DNAデータバ
ンク(DDBJ:DNA data bank of Japan)において、ES
Tデータベース(dbEST、EST:Expressed sequence tag)
上でTBLASTNサーチを実施し、ESTファイル、
Genbank accession number
U89012を検出した。U89012は、dbEST
に登録された塩基配列断片であるが、前記TBLAST
Nサーチにより初めてDMP1に類似したアミノ酸配列
を有する新規の遺伝子断片であることが明らかとなっ
た。そこで、このdbESTより得たcDNAの一部の
配列よりプライマーを合成し、RACE法を用いてヒト
DMPLポリヌクレオチドの塩基配列を決定するに至っ
た。
【0025】さらに本発明のポリヌクレオチドには、配
列番号1で表されるアミノ酸配列の一部が置換、欠失、
付加した変異体をコードする塩基配列もまた包含され
る。これらポリペプチドの製造、改変(変異)等は、天
然に生じることもあり、また翻訳後の修飾により、或い
は遺伝子工学的手法により、例えばサイトスペシフィッ
ク・ミュータジェネシス(Methods in Enzymology 154,
350, 367-382, 1987;同100,468,1983;Nucleic Acids Re
search 12,9441,1984;続生化学実験講座1「遺伝子研究
法II」,日本生化学会編,105,1986)等の方法により収
得することができる。
【0026】本発明のポリヌクレオチドの製造は、本発
明によって開示された本発明のポリヌクレオチドについ
ての配列情報に基づいて、一般的遺伝子工学的手法によ
り容易に実施できる(Moleculer Cloning 2nd ED,Cold
Spring Harbor Laboratory Press,1989;続生化学実験講
座「遺伝子研究法 I、II、III」、日本生化学会編,1986
等参照)。
【0027】これは例えばヒトcDNAライブラリー
(本発明のDMPLポリヌクレオチドの発現される適当
な起源細胞より常法に従い調製されたもの)から、本発
明のポリヌクレオチドに特有の適当なプローブや抗体を
用いて所望クローンを選択することにより実施できる
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.78, 6613,1981;Science 22
2,778,1983等)。
【0028】上記方法において、起源細胞としては、本
発明のDMPLポリヌクレオチドを発現する各種の細
胞、組織やこれらに由来する培養細胞等が例示され、こ
れらからの全RNAの分離、mRNAの分離や精製、c
DNAへの変換(合成)とそのクローニング等はいずれ
も常法に従い実施できる。また、cDNAライブラリー
は市販されてもおり、本発明ではそれらcDNAライブ
ラリー、例えばクロンテック社(CLONTECH Lab.Inc.)
より市販の各種cDNAライブラリー等を用いることも
できる。
【0029】cDNAライブラリーからの本発明のポリ
ヌクレオチドのスクリーニングは前記した通常の方法に
従い実施することが出来る。該スクリーニング方法とし
ては、例えばcDNAの産生するポリペプチドに対し
て、本発明のDMPLポリヌクレオチドがコードするポ
リペプチドに対する特異的抗体を使用した免疫的スクリ
ーニングにより、対応するcDNAクローンを選択する
方法、目的の塩基配列に選択的に結合するプローブを用
いたプラークハイブリダイゼーション、コロニーハイブ
リダイゼーション等やこれらの組み合わせを例示でき
る。ここで用いられるプローブとしては、本発明のポリ
ヌクレオチドのDNA配列に関する情報をもとにして化
学合成されたDNA配列、既に取得された本発明のポリ
ヌクレオチドやその断片がかかるプローブとして利用で
きる。
【0030】また、本発明のポリヌクレオチドの取得に
際しては、PCR法によるDNA/RNA増幅法が好適
に利用できる。かかるPCR法の採用に際して使用され
るプライマーは、既に本発明によって明らかにされた本
発明のポリヌクレオチドの配列情報に基づいて適宜設定
することができ、これは常法に従い合成することができ
る。
【0031】本発明によって明らかにされた本発明のポ
リヌクレオチドの配列情報を基にすれば、例えば該ポリ
ヌクレオチドの一部又は全部の塩基配列を利用すること
により、各種ヒト組織における本発明のポリヌクレオチ
ドの発現の検出を行うことができる。これは常法に従っ
て行うことができ、例えばRT−PCR(Reverse trans
cribed-polymerase chain reaction)(Kawasaki,E.S,et
al,Amplification ofRNA.In PCR Protocol,A Guide to
methods and applications,Academic Press,Inc,SanDie
go,21-27,1989)法、ノーザンブロッティング解析(Mol
ecular cloning,Cold Sprong Harbor Laboratory,198
9)、リアルタイムPCR法、等により、いずれも良好
に実施しうる。RT−PCR法、リアルタイムPCR法
のプライマー及びノーザンブロッティング解析、リアル
タイムPCR法のプローブは、本発明のDMPLポリヌ
クレオチドを特異的に検出し得る配列である限り何ら制
限はなく、かかる配列は本発明によって明らかにされた
本発明のポリヌクレオチドの塩基配列より適宜設定する
ことができる。従って、本発明は、本発明のDMPLポ
リヌクレオチドの検出に有用なプライマー及び/又はプ
ローブを提供するものであり、該ポリヌクレオチドの検
出試薬として利用することが可能である。尚、該プロー
ブは、サザンブロッティング解析によるゲノムDNAの
検出にも利用可能である。
【0032】配列番号2で表される塩基配列またはそれ
とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズでき
るポリヌクレオチドとしては、配列番号2で表される塩
基配列と高い相同性を有する塩基配列、すなわち好まし
くは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を
含有するポリヌクレオチドが用いられる。該ヌクレオチ
ドとしては、DNA、RNAが好ましい。ハイブリダイ
ゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法、例えばモレキュラー・クローニング(Molecular Clo
ning)2nd(ColdSpring Harbor Lab.Press,1989)に記載の
方法などに従って行うことができる。また、市販のライ
ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方
法に従って行うことができる。より好ましくは、ハイス
トリンジェントな条件に従って行うことができる。ハイ
ストリンジェントな条件としては、例えば、ナトリウム
濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mM
で、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃
の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温
度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的には、
配列番号1のアミノ酸を含有するポリペプチドをコード
するポリヌクレオチド、配列番号1のアミノ酸を含有す
るポリペプチドの部分ペプチドをコードするポリヌクレ
オチド、配列番号2で表される塩基配列を有するポリヌ
クレオチドが用いられる。より好ましくは、上記のポリ
ヌクレオチドとしてDNAを用いることができる。
【0033】本発明のDMPLポリヌクレオチドの配列
を使用すれば、遺伝子工学的手法により該ポリヌクレオ
チドがコードするポリペプチドを製造することが可能で
ある。本発明のポリヌクレオチドを本発明のDMPLポ
リペプチドの組換え生産に用いる場合、ポリヌクレオチ
ドはそれ自体、成熟ポリペプチドまたはそのフラグメン
トのコーディング配列を含むものであってもよく、読み
枠中に、リーダーまたは分泌配列、プレ、プロ、もしく
はプレプロタンパク質配列をコードするコーディング配
列、または他の融合ポリペプチド部分などの、他のコー
ディング配列を伴った、成熟ポリペプチドまたはそのフ
ラグメントのコーディング配列を含むものであってもよ
い。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進するマーカ
ー配列を用いることもできる。本発明のこの態様の特に
好ましい具体例において、マーカー配列は、pQEベク
ター(QIAGEN社)で得られ、Gentzらにより記載さ
れるような(Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.86,
821,1989)、ヘキサ−ヒスチジンペプチドであるか、ま
たはHAタグである。ポリヌクレオチドはまた、非コー
ディング5’および3’配列、例えば、転写された非翻
訳配列、スプライスおよびポリアデニル化シグナル、リ
ボソーム結合部位およびmRNAを安定化する配列など
を含有していてもよい。
【0034】本発明のDMPLの部分ペプチドをコード
するポリヌクレオチドは、前述した本発明のDMPLポ
リペプチドの部分ペプチドをコードする塩基配列を含有
するものであればいかなるものであってもよい。また前
記した細胞・組織由来のcDNA、cDNAライブラリ
ー、化学的に合成されたDNA、PCRによって単離さ
れたDNA、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー
及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。
【0035】本発明の部分ペプチドをコードするポリヌ
クレオチドとしては、例えば、配列番号2で表される塩
基配列を有するポリヌクレオチドの部分塩基配列、また
は、配列番号2で表される塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配
列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
と同質の作用を有するポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドの部分塩基配列を有するポリヌクレオチドな
どが用いられる。ハイブリダイゼーションの方法および
ハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用い
られる。
【0036】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
(複数でも可)を含むベクター、本発明のベクターで遺
伝子操作する宿主細胞および組換え技法による本発明の
ポリペプチドの製造にも関する。該ポリペプチドの製造
は、本発明のポリヌクレオチドが宿主細胞中で発現でき
る組換え体を作製し、これを宿主細胞に導入して形質転
換し、該形質転換体を培養することにより行われる。
【0037】ここで宿主細胞としては、真核性宿主細胞
及び原核性宿主細胞のいずれを用いることもできる。該
真核性宿主細胞には、脊椎動物、酵母及び昆虫等の細胞
が含まれる。脊椎動物細胞としては例えばCHO細胞、
COS細胞等が挙げられる。
【0038】脊椎動物の発現ベクターとしては、通常発
現しようとする遺伝子の上流に位置するプロモーター、
ポリアデニル化部位及び転写終了配列等を保有するもの
を使用できる。該発現ベクターとしては例えば、SV4
0の初期プロモーターを保有するpSV2dhfr(Mo
l.Cell.Biol.1,854,1981)等を例示できる。
【0039】真核性細胞中で目的ポリペプチドを発現さ
せる手段は、それ自体当該分野では多くの系が周知であ
る。例えば酵母中で発現させる系としては特開昭57−
159489号公報に記載された「酵母中でのポリペプ
チドの発現」が挙げられ、昆虫細胞中で発現させる系と
しては特開昭60−37988号公報に記載された「組
換えバキュロウイルス発現ベクターの製法」が挙げら
れ、哺乳類動物細胞中で発現させる系としては特開平2
―171198号公報に記載された「真核性発現の改
良」が挙げられるが、もちろんこれら以外にも多数存在
する。
【0040】本発明のDMPLポリヌクレオチドは、例
えば、大腸菌、枯草菌およびストレプトマイセス等の原
核性宿主細胞内でも発現し得る。例えば、上記宿主とし
ての大腸菌はEcherichia coli K12株等がよく用いら
れ、ベクターとしてはpBR322及びその改良ベクタ
ーがよく用いられるが、これらに限定されず公知の各種
菌株及びベクターも利用できる。プロモーターとして
は、例えば、大腸菌ラクトース(lac)、大腸菌tr
p等のプロモーターが挙げられるがこれらに限定されな
い。また、上記のプロモーターは、いずれも、既に特性
化されており、当業者が熟知しているものであって、合
成的に、あるいは既知のプラスミドから組み立てること
ができるものである。
【0041】本発明の例示塩基配列、プラスミドおよび
ウイルスには多くの修飾や変更が可能である。例えば、
遺伝暗号の同義性により、ポリペプチドの暗号領域全体
を通して、ヌクレオチドの置換を行うことができる。そ
のような配列は、本発明のDMPLポリヌクレオチドの
塩基配列又はそれがコードするポリペプチドのアミノ酸
配列から推定することができ、下記の従来からの合成法
により、組み立てることができる。そのような合成法
は、実質上、イタクラらの方法(Itakura,et al,Scienc
e 198,1059, 1977)ならびにクレアらの方法(Crea,et
al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.75,5765,1978)に従って行
うことができる。従って、本発明は特に例示した塩基配
列、プラスミドおよびウイルスに限定されるものではな
い。
【0042】かくして得られる所望の本発明の組換え体
ポリヌクレオチドの宿主細胞への導入方法及びこれによ
る形質転換方法としては、一般的な各種方法を採用でき
る。また、得られる形質転換体は、常法に従い培養で
き、該培養により本発明本発明のポリヌクレオチドがコ
ードするポリペプチドが生産される。該培養に用いられ
る培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される
各種のものを適宜選択利用でき、その培養も宿主細胞の
生育に適した条件下で実施できる。
【0043】上記により、形質転換体の細胞内、細胞外
あるいは細胞膜上に該ポリペプチドが生産される。該ポ
リペプチドは、所望によりその物理学的性質、化学的性
質等を利用した各種の分離操作[「生化学データブックI
I」、1175-1259頁、第1版第1刷、1980年6月23日株式会社東
京化学同人発行;Biochemistry 25(25),8274,1986;Eur.
J.Biochem. 63,313,1987等参照]により分離、精製でき
る。該方法としては、具体的には例えば通常の再構成処
理、ポリペプチド沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分
離、浸透圧ショック法、超音波破砕、限外ろ過、ゲルろ
過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラ
フィー、透析法、これらの組合わせ等を例示できる。
【0044】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドに対する抗体(以下、「本発明の抗体」と略記する
ことがある)は、本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチドを認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗
体、モノクローナル抗体のいずれであってもよい。本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドに対する抗体
は、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを抗
原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に
従って作製することができる。また、本発明のポリペプ
チドまたはその部分ペプチドに対する抗体は、本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドを認識し得る抗体
であれば、キメラ抗体、Fabフラグメント、一本鎖抗
体であってもよく、トランスジェニックマウスまたは他
の非ヒト哺乳類動物を用いて製造されたヒト化抗体であ
ってもよい。該一本鎖抗体は、該一本鎖抗体を産生する
のに記述された技術(米国特許第4946778)を適
用して、製造することができる。
【0045】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドは、温血
動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自
体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際
して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバ
ントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2回〜10回
程度行われる。用いられる温血動物としては、例えば、
サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ハ
ムスター、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられるが、マ
ウス、ラットおよびハムスターが好ましく用いられる。
【0046】モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、抗原を免疫された温血動物、例えばマウスから抗
体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に
脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産
生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化
ポリペプチドと抗血清とを反応させた後、抗体に結合し
た標識剤の活性を測定することにより行うことができ
る。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルス
タインの方法(Nature 256,495,1975)に従い実施でき
る。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコ
ール(PEG)やセンダイウイルスなどが挙げられる
が、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞として
は、例えばNS-1、P3U1、SP2/0、AP-1な
どが挙げられるが、P3U1、SP2/0が好ましく用
いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞またはリ
ンパ節細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:
1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1
000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で
添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1
〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞
融合を実施できる。
【0047】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、ポリペプチド抗原を直接あるいは担体とともに吸着
させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ
培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識し
た抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞が
マウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられ
る)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノク
ローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したポリ
ペプチドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を
検出する方法などが挙げられる。モノクローナル抗体の
選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行
うことができる。該ハイブリドーマの選別は、通常HA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添
加した動物細胞用培地で行うことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
であればどのような培地を用いてもよい。例えば、1〜
20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むR
PMI1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むG
IT培地(和光純薬工業社)あるいはハイブリドーマ培
養用無血清培地(SFM-101、日水製薬社)などを
用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、
好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3
週間、好ましくは1〜2週間である。培養は、通常5%
炭酸ガス下で行うことができる。ハイブリドーマ培養上
清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様に
して測定できる。
【0048】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例
えば、免疫グロブリンの分離精製法[例、塩析法、アル
コール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換
体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲル濾
過法、抗原結合固相あるいはプロテインA、プロテイン
Gなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解
離させて抗体を得る特異的精製法]に従って行うことが
できる。
【0049】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫
抗原(本発明のポリペプチドあるいはその部分ペプチ
ド)とキャリアータンパク質との複合体を作製し、上記
のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫
を行い、該免疫動物から本発明のポリペプチドあるいは
その部分ペプチドに対する抗体含有物を採取して、抗体
の分離精製を行うことにより製造できる。温血動物を免
疫するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク
質との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類およ
びキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架
橋させて免疫したハプテン1に対して抗体が効率よくで
きれば、いずれのものをいずれの方法で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブ
リン、ヘモシアニン等を重量比でハプテンに対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカップルさ
せる方法が用いられる。
【0050】また、ハプテンとキャリアーのカップリン
グには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタ
ルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステ
ル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エス
テル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対
して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜
6週毎に1回ずつ、計3回〜10回程度行われる。ポリ
クローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の
血液、腹水などから採取することができるが、好ましく
は血液中から採取できる。抗血清中のポリクローナル抗
体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様に
して測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上
記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブ
リンの分離精製法に従って行うことができる。
【0051】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドをコードするDNAまたはmRNAに実質的に相補
的な塩基配列を有するアンチセンスポリヌクレオチドと
しては、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
をコードするDNAまたはmRNAの塩基配列またはそ
の一部の塩基配列に実質的に相補的な塩基配列を有し、
該ポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現を抑制し
得る作用を有するオリゴヌクレオチドまたはその誘導体
であれば、いずれのアンチセンスポリヌクレオチドであ
ってもよい。好ましくは、該アンチセンスポリヌクレオ
チドとしては、アンチセンスDNAが用いられる。特
に、本発明のDNAまたはmRNAの相補鎖の全塩基配
列のうち、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドのN末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、
開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と相同性を有
するアンチセンスポリヌクレオチドが好適である。これ
らのアンチセンスポリヌクレオチドは、公知のポリヌク
レオチド合成装置などを用いて製造することができる。
以下に、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ド、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド、本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドに対する抗体、もしくはアンチセン
スポリヌクレオチドの用途を説明する。
【0052】(1)本発明のポリペプチドが関与する各
種疾病の予防・治療剤 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに異常が
生じたり、欠損している場合あるいは発現量が減少して
いる場合、生体内において正常な機能が発揮できないた
めに、疾患などの原因になることも考えられる。したが
って、本発明のポリペプチド、その部分ペプチドまたは
ポリヌクレオチドは、例えば、本発明のポリペプチドま
たはポリヌクレオチドの欠損、損傷、発現減少などに起
因する種々の疾病の予防・治療剤などの医薬として使用
することができる。例えば、生体内において本発明のポ
リペプチドが減少あるいは欠損しているために、本発明
のポリペプチドの機能が十分に、あるいは正常に行われ
ない患者がいる場合に、(イ)本発明のポリヌクレオチ
ドを該患者に投与し、生体内で本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドを発現させることによって、
(ロ)細胞に本発明のポリヌクレオチドを挿入し、本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを発現させた
後に、該細胞を該患者に移植することによって、または
(ハ)本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを
該患者に注入することなどによって、該患者における本
発明のポリペプチドの役割を十分に、あるいは正常に発
揮させることができる。本発明のポリヌクレオチドを上
記の予防・治療剤として使用する場合は、該ポリヌクレ
オチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノ
ウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウ
イルスベクターなどの適当なベクター挿入した後、常套
手段に従って実施することができる。本発明のポリヌク
レオチドは、そのままで、あるいは、摂取促進のための
補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルの
ようなカテーテルによって投与できる。
【0053】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドを上記の予防・治療剤として使用する場合は、精製
されたものを使用するのが好ましい。本発明のポリペプ
チド、その部分ペプチドまたはポリヌクレオチドは、例
えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、またはマイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。
【0054】例えば、本発明のポリペプチド、その部分
ペプチドまたはポリヌクレオチドを生理学的に認められ
る担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などと共に一般に認められた製剤実施に要求され
る単位用量形態で混和することによって製造することが
できる。これらの製剤における有効成分量は指示された
範囲の適当な容量が得られるようにするものである。錠
剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤とし
ては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガン
ト、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースの
ような賦形剤、ゼラチン、コーンスターチ、アルギン酸
のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤
滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、
ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味
剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場
合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担
体を含有することができる。注射のための無菌組成物は
注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子
油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁さ
せるなどの通常の製剤実施に従って処方することができ
る。
【0055】注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例、D
-ソルビトール、D-マンニトール、塩化ナトリウムな
ど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコ
ール(例、エタノールなど)、ポリアルコール(例、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、
非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、H
CO-50など)などと併用してもよい。油性液として
は、例えば胡麻油、大豆油などが挙げられ、溶解補助剤
として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併
用してもよい。また緩衝剤(例、リン酸塩緩衝液、酢酸
ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例、塩化ベンザル
コニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例、ヒト血
清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防
止剤などと配合してもよい。調製された注射剤は、通
常、適当なアンプルに充填される。
【0056】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、
ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、チンパ
ンジーなど)に対して投与することができる。該ポリペ
プチド、その部分ペプチドまたはポリヌクレオチドの投
与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差
異はあるが、例えば、経口投与する場合、一般的に成人
(体重60kgとして)においては、一日につき約0.
1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、その1回投与量は、対象疾患、投与対象
などによっても異なるが、例えば、注射剤の形で通常成
人(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき
約0.01〜30mg、好ましくは約0.1〜20m
g、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0057】(2)各種疾病に対する医薬候補化合物の
スクリーニング 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用ま
たは発現を活性化もしくは増強する化合物またはその塩
は、本発明のポリペプチドの発現減少などに起因する疾
病の予防・治療剤などの医薬として使用できる。一方、
本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用ま
たは発現を阻害もしくは減弱する化合物またはその塩
は、本発明のポリペプチドの過剰発現などに起因する疾
病の予防・治療剤などの医薬として使用できる。したが
って、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
は、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作
用または発現を活性化もしくは増強する化合物またはそ
の塩、および本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドの作用または発現を阻害もしくは減弱する化合物ま
たはその塩のスクリーニングのための試薬として有用で
ある。
【0058】すなわち本発明は、(A)本発明のポリペ
プチドまたはその部分ペプチドを用いることを特徴とす
る本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用
または発現を活性化もしくは増強する化合物またはその
塩(以下、活性化剤と略記する場合がある)または該作
用または発現を阻害もしくは減弱する化合物またはその
塩(以下、阻害剤と略記する場合がある)のスクリーニ
ング方法を提供する。
【0059】例えば、(B)(i)本発明のポリペプチド
またはその部分ペプチドを含有する細胞を培養した場合
と、(ii)本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
を含有する細胞を試験化合物の存在下で培養した場合に
おける、細胞の分化または活性化などを観察し、比較す
ることを特徴とする該活性化剤または阻害剤のスクリー
ニング方法を提供する。具体的には、上記スクリーニン
グ方法(B)において、例えば、(i)と(ii)の場合にお
ける、該細胞の分化または活性化過程などを観察して、
比較することを特徴とするものである。
【0060】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドとしては、前記したものと同様のものが用いられ
る。本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを含
有する細胞としては、骨芽細胞、骨芽細胞株、好ましく
はMG-63の他、本発明のポリヌクレオチドを導入せ
しめた株化細胞などが用いられる。本発明のポリヌクレ
オチドを導入せしめた株化細胞は、自体公知の方法を用
いて製造することができる。試験化合物としては、例え
ば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化
合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織
抽出液、血漿などが挙げられ、これらの化合物は新規な
化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよ
い。
【0061】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドの作用とは、本発明のポリペプチドが有する作用、
活性、生物学的活性であり、類似の作用、活性、または
改良された作用、活性、あるいは望ましくない副作用の
減じた作用、活性を含め、該ポリペプチドの代謝的また
は生理学的機能をいい、これをスクリーニングの指標と
することができる。また、本発明のポリペプチドまたは
その部分ペプチドをコードするmRNAの発現量、ある
いは本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの発
現量などを指標とすることができる。本発明のポリペプ
チドまたはその部分ペプチドをコードするmRNAの発
現量は、例えば、ノザンハイブリダイゼーションなどに
より測定することができる。本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドの発現量は、後述する本発明の抗体
を用いる本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
の定量法に従って測定することができる。試験化合物を
添加することにより本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドの作用、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドをコードするmRNAの発現量、あるいは本
発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量が
増加した場合、該試験化合物は本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドの作用または発現を活性化もしく
は増強する化合物またはその塩として選択することがで
きる。一方、試験化合物を添加することにより本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用、本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするmR
NAの発現量、あるいは本発明のポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドの発現量が減少した場合、該試験化合物
は本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用
または発現を阻害もしくは減弱する化合物またはその塩
として選択することができる。
【0062】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを含有するも
のであってもよく、あるいは本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドを含有する細胞、または本発明のポ
リヌクレオチドを導入せしめた細胞を含有するものであ
ってもよい。
【0063】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物から選ばれた化合物またはその
塩であり、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドの作用または発現を活性化もしくは増強する化合物ま
たはその塩、あるいは該作用または該発現を阻害もしく
は減弱する化合物またはその塩である。該化合物は、本
発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの作用を直
接に活性化もしくは増強、または阻害もしくは減弱する
ものであってもよいし、あるいは本発明のポリペプチド
またはその部分ペプチドの転写レベルでの発現を活性化
もしくは増強、あるいは阻害もしくは減弱するものであ
ってもよい。
【0064】該化合物の塩としては、生理学的に許容さ
れる酸(例、無機酸、有機酸)または塩(例、アルカリ
金属)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容
される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例
えば、無機酸(塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0065】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドの作用または発現を活性化もしくは増強する化合物
またはその塩は、例えば、本発明のポリペプチドの発現
減少などに起因する疾病の予防・治療剤などの医薬とし
て有用である。一方、本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチドの作用または発現を阻害もしくは減弱する
化合物またはその塩は、例えば、本発明のポリペプチド
の過剰発現などに起因する疾病の予防・治療剤などの医
薬として有用である。
【0066】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に
従って実施することができる。例えば、前記した本発明
のポリペプチド、その部分ペプチドまたはポリヌクレオ
チドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、
エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁
液剤などとすることができる。得られる製剤は安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、
ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、サル、チンパ
ンジーなど)に対して投与することができる。該化合物
またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ル
ートなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を経口
投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)に
おいては、一日につき該化合物を約0.1〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は、対象疾患、投与対象など
によっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で
通常成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日
につき該化合物を約0.01〜30mg、好ましくは約
0.1〜20mg、より好ましくは約0.1〜10mg
程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の
動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与する
ことができる。
【0067】(3)本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドの定量 本発明の抗体は、本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチドを特異的に認識することができるので、被検液
中の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの定
量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用
することができる。すなわち、本発明は、(i)本発明
の抗体と、被検液および標識化された本発明のポリペプ
チドまたはその部分ペプチドとを競合的に反応させ、該
抗体に結合した標識化された本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドの割合を測定することを特徴とする
被検液中の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドの定量法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した
本発明の抗体および標識化された本発明の抗体とを同時
あるいは連続的に反応させた後、不溶化担体上の標識剤
の活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドの定量法を提供す
る。上記(ii)の定量法においては、一方の抗体が本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドのN末端部を
認識する抗体で、他方の抗体が本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドのC末端部に反応する抗体である
ことが望ましい。
【0068】また、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドに対する抗体、好ましくはモノクローナル抗
体であるが、これを用いて本発明のポリペプチドまたは
その部分ペプチドの定量を行えるほか、組織染色、フロ
ーサイトメトリー等による検出を行うこともできる。こ
れらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、ま
た、抗体分子のF(ab´)2、Fab´、あるいはF
ab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドの定量法は、特
に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量に
対応した抗体、抗原もしくは抗体ー抗原複合体の量を化
学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗
原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する
測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例え
ば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およ
びサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性
の点で、サンドイッチ法を用いるのが好ましい。標識物
質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例え
ば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが
用いられる。放射性同位元素としては、例えば、[125
I]、[131I]、[3H]、[14C]などが用いられ
る。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好
ましく、例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダ
ーゼ、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼな
どが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレ
スカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用
いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ル
ミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用い
られる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合に
ビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0069】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹
脂、あるいはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法に
おいては不溶化した本発明の抗体に被検液を反応させ
(1次反応)、さらに標識化した本発明の抗体を反応さ
せ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を
測定することにより被検液中の本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチド量を定量することができる。1次
反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行
なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化
剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることがで
きる。また、サンドイッチ法による免疫測定法におい
て、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は
必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させ
る等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチ
ドまたはその部分ペプチドの測定法においては、1次反
応と2次反応に用いられる本発明の抗体は本発明のポリ
ペプチドまたはその部分ペプチドの結合する部位が相異
なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応お
よび2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で
用いられる抗体が、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドのC末端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC末端部以外、例えばN末端
部を認識する抗体が用いられる。
【0070】以上のようにして、本発明の抗体を用いる
ことによって、本発明のポリペプチドまたはその部分ペ
プチドを感度よく定量することができる。さらには、本
発明の抗体を用いて本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドの濃度を定量することによって、例えば、本
発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドが関与する
疾病の診断を行うことができる。また、本発明の抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のポリ
ペプチドまたはその部分ペプチドを検出するために使用
することができる。また、本発明のポリペプチドまたは
その部分ペプチドを精製するために使用する抗体カラム
の作製、精製時の各分画中の本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドの検出、被検細胞内における本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドの挙動の分析な
どのために使用することができる。
【0071】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの測定系を構
築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細につい
ては、総説、成書などを参照することができる〔例え
ば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭
和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセ
イ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素
免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治
ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和5
7年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3
版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZ
YMOLOGY」Vol.70(Immunochemical Techniques<Part A
>)、同書Vol.73(Immunochemical Techniques<Part B
>)、同書Vol.74(Immunochemical Techniques<Part C
>)、同書Vol.84(Immunochemical Techniques<PartD:Sel
ected Immunoassays>)、同書Vol.92(Immunochemical Te
chniques<PartE:Monoclonal Antibodies and General I
mmunoassay Methods>)、同書Vol.121(Immunochemical T
echniques<Part I:Hybridoma Technology and Monoclon
al Antibodies>)(以上、アカテ゛ミックフ゜レス社発行)など参
照〕。以上のように、本発明の抗体を用いることによっ
て、本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを感
度良く定量することができる。
【0072】(4)遺伝子診断剤 本発明のポリヌクレオチド、好ましくはDNAである
が、これらは、例えば、プローブとして使用することに
より、ヒトまたは温血動物(例えば、モルモット、ラッ
ト、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、
ウマ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコード
するDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出
することができるので、例えば、該DNAまたはmRN
Aの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまた
はmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤
として有用である。本発明のポリヌクレオチドを用いる
上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノザンハイブ
リダイゼーションやPCR-SSCP法などにより実施
することができる。
【0073】(5)アンチセンスポリヌクレオチドを含
有するポリヌクレオチド 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコード
するポリヌクレオチド、例えばDNAまたはmRNAで
あるが、これらに相補的に結合し、該ポリヌクレオチド
や本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現
を抑制することができるアンチセンスポリヌクレオチド
は、本発明のポリペプチド、その部分ペプチドまたはそ
れらをコードするポリヌクレオチドの異常発現を抑制す
ることができる。該アンチセンスポリヌクレオチドとし
ては、アンチセンスDNAが好ましい。したがって、該
アンチセンスポリヌクレオチドは、例えば、本発明のポ
リペプチド、その部分ペプチドまたはそれらをコードす
るポリヌクレオチドの異常発現に起因する疾病の予防・
治療剤として使用することができる。該アンチセンスポ
リヌクレオチドを上記の治療・予防剤として使用する場
合、前記した本発明のポリヌクレオチドを含有する医薬
と同様にして製造することができる。例えば、該アンチ
センスポリヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルス
ベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスア
ソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクター
挿入した後、常套手段に従ってヒトまたは温血動物に投
与することができる。該アンチセンスポリヌクレオチド
は、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤など
の生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子
銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによっ
て投与できる。さらに、該アンチセンスポリヌクレオチ
ドは、組織や細胞における本発明のポリヌクレオチドの
存在、本発明のポリヌクレオチドの塩基配列、またはそ
の発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプ
ローブあるいは塩基配列の検出試薬として使用すること
もできる。
【0074】(6)ポリヌクレオチド転移動物の作製 本発明は、外来性の本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドをコードするポリヌクレオチド(以下、本発
明の外来性ポリヌクレオチドと略記する場合がある)ま
たはその変異ポリヌクレオチド(本発明の外来性変異ポ
リヌクレオチドと略記する場合がある)を有する非ヒト
哺乳動物を提供する。該ポリヌクレオチドは、好ましく
はDNAであり、該変異ポリヌクレオチドは、好ましく
は変異DNAである。すなわち、本発明は、(i)本発
明の外来性ポリヌクレオチドまたはその変異ポリヌクレ
オチドを有する非ヒト哺乳動物、(ii)非ヒト哺乳動物
がげっ歯動物である第(i)記載の非ヒト哺乳動物、(i
ii)げっ歯動物がマウスである第(ii)記載の非ヒト哺
乳動物、および(iv)本発明の外来性ポリヌクレオチド
またはその変異ポリヌクレオチドを含有し、哺乳動物に
おいて発現しうる組換えベクターを提供するものであ
る。
【0075】本発明の外来性ポリヌクレオチドまたはそ
の変異ポリヌクレオチドを有する非ヒト哺乳動物(以
下、本発明のポリヌクレオチド転移動物と略記すること
がある)は、未受精卵、受精卵、精子、およびその始原
細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト
哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましく
は、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞
期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポ
フェクション法、凝集法、マイクロインジェクション
法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法な
どにより目的とするポリヌクレオチドを転移することに
よって作出することができる。また、該ポリヌクレオチ
ド転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞など
に目的とする本発明の外来性ポリヌクレオチドを転移
し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さ
らに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融
合法により融合させることにより本発明のポリヌクレオ
チド転移動物を作出することもできる。非ヒト哺乳動物
としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサ
ギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラ
ットなどが用いられる。なかでも、動物モデル系の作製
の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、ま
た、繁殖が容易なげっ歯動物、とりわけマウスまたはラ
ットなどが好ましい。哺乳動物において発現しうる組換
えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒ
ト哺乳動物の他にヒトなどが挙げられる。
【0076】本発明の外来性ポリヌクレオチドとは、哺
乳動物が本来有している本発明のポリヌクレオチドでは
なく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明の
ポリヌクレオチドをいう。本発明の変異ポリヌクレオチ
ドとしては、元の本発明のポリヌクレオチドの塩基配列
に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的
には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じ
たポリヌクレオチドなどが用いられ、また、異常ポリヌ
クレオチドも含まれる。該異常ポリヌクレオチドとして
は、異常な本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドを発現させるポリヌクレオチドを意味し、例えば、正
常な本発明のポリペプチドの機能を抑制するポリペプチ
ドを発現させるポリヌクレオチドなどが用いられる。本
発明の外来性ポリヌクレオチドは、対象とする動物と同
種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであって
もよい。本発明のポリヌクレオチドを対象動物に転移さ
せるにあたっては、該ポリヌクレオチドを動物細胞で発
現させうるプロモーターの下流に結合したポリヌクレオ
チドコンストラクトとして用いるのが一般に有利であ
る。例えば、本発明のヒトポリヌクレオチドを転移させ
る場合、これと相同性が高い本発明のポリヌクレオチド
を有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
ポリヌクレオチドを発現させうる各種プロモーターの下
流に、本発明のヒトポリヌクレオチドを結合したポリヌ
クレオチドコンストラクト(例、ベクターなど)を対象
哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロイ
ンジェクションすることによって本発明のポリヌクレオ
チドを高発現するポリヌクレオチド転移哺乳動物を作出
することができる。
【0077】上記の発現ベクターとしては、大腸菌由来
のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプ
ラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロ
ニー白血病ウイルスなどのレトロウイルス、ワクシニア
ウイルスまたはバキュロウイルスなどの動物ウイルスな
どが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、
枯草菌由来のプラスミド、または酵母由来のプラスミド
などが好ましく用いられる。上記のポリヌクレオチド発
現調節を行うプロモーターとしては、例えば、ウイルス
(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロ
ニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポ
リオウイルスなど)に由来するポリヌクレオチドのプロ
モーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
ものとしては、アルブミン、インスリンII、ウロプラ
キンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセ
リン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパ
ク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由
来成長因子β、ケラチンK1、K10およびK14、コ
ラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タ
ンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、
酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウ
ム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般
にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシ
ン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニュー
ロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびII
A、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHC
クラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドー
パミンβ―水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TP
O)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、β
アクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1お
よび2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、T
hy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部、血清アミロイ
ドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平
滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレ
シンなどのプロモーターなどが用いられるが、好ましく
は全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルス
プロモーター、ヒトポリペプチド鎖延長因子1α(EF
−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチ
ンプロモーターなどを用いることができる。
【0078】上記ベクターは、ポリヌクレオチド転移哺
乳動物において目的とするmRNAの転写を終結する配
列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していること
が好ましい。さらに、目的ポリヌクレオチドをさらに高
発現させる目的で各ポリヌクレオチドのスプライシング
シグナル、エンハンサー領域、真核ポリヌクレオチドの
イントロンの一部などをプロモーター領域の5´上流、
プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3´
下流に連結することも目的により可能である。正常な本
発明のポリペプチドの翻訳領域は、各種哺乳動物(例え
ば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラ
ット、マウス、ヒトなど)由来の前立腺、気管、肺、骨
髄、精巣、骨芽細胞株(例、MG−63など)由来ポリ
ヌクレオチドおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリ
ーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または
前立腺、気管、肺、骨髄、精巣、骨芽細胞株(例、MG
−63など)由来RNAより公知の方法により調製され
た相補DNAを原料として取得することができる。ま
た、本発明の外来性異常ポリヌクレオチドは、上記の細
胞または組織より得られた正常なポリペプチドの翻訳領
域を点突然変異誘発法により変異させた翻訳領域を作製
することができる。該翻訳領域は転移動物において発現
しうるポリヌクレオチドコンストラクトとして、前記の
プロモーターの下流および所望により転写終結部位の上
流に連結させる通常の遺伝子工学的手法により作製する
ことができる。受精卵細胞段階における本発明の外来性
ポリヌクレオチドの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞お
よび体細胞のすべてに存在するように確保される。ポリ
ヌクレオチド転移後の作出動物の胚芽細胞において、本
発明の外来性ポリヌクレオチドが存在することは、作出
動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべ
てに本発明の外来性ポリヌクレオチドを保持することを
意味する。本発明の外来性ポリヌクレオチドを受け継い
だこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の
すべてに本発明のポリヌクレオチドを有する。
【0079】本発明の外来性正常ポリヌクレオチドを転
移させた非ヒト哺乳動物は、交配により該ポリヌクレオ
チドを安定に保持することを確認して、該ポリヌクレオ
チド保有動物として通常の飼育環境で継代飼育すること
ができる。受精卵細胞段階における本発明の外来性ポリ
ヌクレオチドの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および
体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。ポリ
ヌクレオチド転移後の作出動物の胚芽細胞および体細胞
において本発明の外来性ポリヌクレオチドが過剰に存在
することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および
体細胞の全てに本発明の外来性ポリヌクレオチドを過剰
に有することを意味する。本発明の外来性ポリヌクレオ
チドを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞
および体細胞の全てに本発明の外来性ポリヌクレオチド
を過剰に有する。導入ポリヌクレオチドを相同染色体の
両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動
物を交配することにより全ての子孫が該ポリヌクレオチ
ドを過剰に有するように繁殖継代することができる。本
発明の正常ポリヌクレオチドを有する非ヒト哺乳動物
は、本発明の正常ポリヌクレオチドが高発現させられて
おり、内在性の正常ポリヌクレオチドの機能を促進する
ことにより最終的に本発明のポリペプチドの機能亢進症
を発症することがあり、その病態モデル動物として利用
することができる。例えば、本発明の正常ポリヌクレオ
チド転移動物を用いて、本発明のポリペプチドの機能亢
進症や、本発明のポリペプチドが関連する疾患の病態機
序の解明、およびこれらの疾患の治療方法の検討を行う
ことが可能である。また、本発明の外来性正常ポリヌク
レオチドを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のポ
リペプチドの増加症状を有することから、本発明のポリ
ペプチドに関連する疾患に対する治療薬のスクリーニン
グ試験にも利用可能である。
【0080】一方、本発明の外来性異常ポリヌクレオチ
ドを有する非ヒト哺乳動物は、交配により該ポリヌクレ
オチドを安定に保持することを確認して、該ポリヌクレ
オチド保有動物として通常の飼育環境で継代飼育するこ
とができる。さらに、目的とする外来性異常ポリヌクレ
オチドを前述のプラスミドに組み込んで原料として用い
ることができる。プロモーターとのポリヌクレオチドコ
ンストラクトは、通常の遺伝子工学的手法により作製す
ることができる。受精卵細胞段階における本発明の外来
性異常ポリヌクレオチドの転移は、対象哺乳動物の胚芽
細胞および体細胞のすべてに存在するように確保され
る。ポリヌクレオチド転移後の作出動物の胚芽細胞およ
び体細胞において、本発明の外来性異常ポリヌクレオチ
ドが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚
芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性異常ポリ
ヌクレオチドを保持することを意味する。本発明の外来
性異常ポリヌクレオチドを受け継いだこの種の動物の子
孫は、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外
来性異常ポリヌクレオチドを有する。導入該ポリヌクレ
オチドを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を
取得し、この雌雄の動物を交配することにより全ての子
孫が該ポリヌクレオチドを過剰に有するように繁殖継代
することができる。本発明の異常ポリヌクレオチドを有
する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常ポリヌクレオチド
が高発現させられており、内在性の正常ポリヌクレオチ
ドの機能を阻害することにより最終的に本発明のポリペ
プチドの機能不活性型不応症となることがあり、その病
態モデル動物として利用することができる。例えば、本
発明の異常ポリヌクレオチド転移動物を用いて、本発明
のポリペプチドの機能不活性型不応症の病態機序の解明
およびこの疾患の治療方法の検討を行うことが可能であ
る。また、本発明の異常ポリヌクレオチド高発現動物
は、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症におけ
る本発明の異常ポリペプチドによる正常ポリペプチドの
機能阻害(ドミナントネガティブ作用)を解明するモデ
ルとなる。また、本発明の外来性異常ポリヌクレオチド
を転移させた哺乳動物は、本発明のポリペプチドの機能
不活性型不応症に対する治療薬のスクリーニング試験に
も利用可能である。
【0081】また、上記2種類の本発明のポリヌクレオ
チド転移動物のその他の利用可能性として、例えば、
組織培養のための細胞源としての使用、本発明のポリ
ヌクレオチド転移動物の組織中のDNAもしくはRNA
を直接分析するか、またはポリヌクレオチドにより発現
した組織中のポリペプチドを分析することによる、本発
明のポリペプチドにより特異的に発現あるいは活性化す
るポリペプチドとの関連性についての解析、ポリヌク
レオチドを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、上記記載の細胞を用いること
による細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニン
グ、および本発明の変異ポリペプチドの単離精製およ
びその抗体作製などが考えられる。
【0082】さらに、本発明のポリヌクレオチド転移動
物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応
症を含む、本発明のポリペプチドに関連する疾患の臨床
症状を調べることができ、また、本発明のポリペプチド
に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理
学的な所見が得られ、新しい治療法の開発、さらには、
該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献するこ
とができる。また、本発明のポリヌクレオチド転移動物
から各臓器を取り出し、細断後、トリプシンなどのタン
パク質分解酵素により、遊離したポリヌクレオチド転移
細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行
うことが可能である。さらに、本発明のポリペプチド産
生細胞の特定化、分化あるいは増殖との関連性、または
それらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常
などを調べることなどができ、本発明のポリペプチドお
よびその作用解明のための有用な研究材料となる。さら
に、本発明のポリヌクレオチド転移動物を用いて、本発
明のポリペプチドの機能不活性型不応症を含む、本発明
のポリペプチドに関連する疾患の治療薬の開発を行うた
めに、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で
迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供すること
が可能となる。また、本発明のポリヌクレオチド転移動
物または本発明の外来性ポリヌクレオチド発現ベクター
を用いて、本発明のポリペプチドが関連する疾患の遺伝
子治療法を検討、開発することが可能である。
【0083】(7)ノックアウト動物の作製 本発明は、本発明のポリヌクレオチドが不活性化された
非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のポリヌクレオチ
ド発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。すなわち、本発
明は、(i)本発明のポリヌクレオチドが不活性化され
た非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(ii)該ポリヌクレオチド
がレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ―ガラクトシ
ダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第
(i)項に記載の胚幹細胞、(iii)ネオマイシン耐性で
ある第(i)項に記載の胚幹細胞、(iv)非ヒト哺乳動
物がげっ歯動物である第(i)項に記載の胚幹細胞、
(v)げっ歯動物がマウスである第(iv)項に記載の胚
幹細胞、(vi)本発明のポリヌクレオチドが不活性化さ
れた該ポリヌクレオチド発現不全非ヒト哺乳動物、(vi
i)該ポリヌクレオチドがレポーター遺伝子(例、大腸
菌由来のβ―ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入すること
により不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のポ
リヌクレオチドに対するプロモーターの制御下で発現し
うる第(vi)項に記載の非ヒト哺乳動物、(viii)非ヒ
ト哺乳動物がげっ歯動物である第(vi)に記載の非ヒト
哺乳動物、(ix)げっ歯動物がマウスである第(viii)
項に記載の非ヒト哺乳動物、および、(x)第(vii)項
に記載の非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、レポー
ター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の
ポリヌクレオチドに対するプロモーター活性を促進また
は阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を
提供する。
【0084】本発明のポリヌクレオチドが不活性化され
た非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有
する本発明のポリヌクレオチドに人為的に変異を加える
ことにより、ポリヌクレオチドの発現能を抑制するか、
もしくは該ポリヌクレオチドがコードしている本発明の
ポリペプチドの活性を実質的に喪失させることにより、
ポリヌクレオチドが実質的に本発明のポリペプチドの発
現能を有さない(以下、本発明のノックアウトポリヌク
レオチドと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細
胞(以下、ES細胞と略記することがある)をいう。非
ヒト哺乳動物としては、前記と同様とのものが用いられ
る。本発明のポリヌクレオチドに人為的に変異を加える
方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該ポリ
ヌクレオチド配列の一部または全部の削除、他のポリヌ
クレオチドを挿入または置換させることによって行うこ
とができる。これらの変異により、例えば、コドンの読
み枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機
能を破壊することにより本発明のノックアウトポリヌク
レオチドを作製すればよい。本発明のポリヌクレオチド
が不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発
明のポリヌクレオチド不活性化ES細胞または本発明の
ノックアウトES細胞と略記することがある)の具体例
としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する
本発明のポリヌクレオチドを単離し、そのエキソン部分
にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝
子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β
―ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とす
るレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの
機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロンの
部分に遺伝子の転写を終結させるポリヌクレオチド配列
(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全な
mRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺
伝子を破壊するように構築したポリヌクレオチド配列を
有するポリヌクレオチド鎖(以下、ターゲッティングベ
クターと略記することがある)を、例えば相同組換え法
により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞につ
いて本発明のポリヌクレオチド上あるいはその近傍のポ
リヌクレオチド配列をプローブとしたサザンハイブリダ
イゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上
のポリヌクレオチド配列とターゲッティングベクター作
製に使用した本発明のポリヌクレオチド以外の近傍領域
のポリヌクレオチド配列をプライマーとしたPCR法に
よる解析で、本発明のノックアウトES細胞を選別する
ことにより得ることができる。
【0085】また、相同組換え法等により本発明のポリ
ヌクレオチドを不活性化させるために用いられる元のE
S細胞としては、例えば、前述のような既に樹立された
ものを用いてもよく、また公知EvansとKaufmaの方法に
準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスの
ES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞
が使用されているが、免疫的背景がはっきりしていない
ので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明ら
かなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57B
L/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDB
A/2との交雑により改善したBDF1マウス(C57
BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立したもの
なども良好に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多
く、かつ卵が丈夫であるという利点に加えて、C57B
L/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られた
ES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57B
L/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景
をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で
有利に用いられる。また、ES細胞を樹立する場合、一
般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以
外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いること
により効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄
のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が
よい。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもでき
るだけ早く雌雄の判別を行うことが望ましい。ES細胞
の雌雄の判定方法として、例えば、PCR法によりY染
色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、
その1例として挙げることができる。この方法を使用す
れば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を
要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数
(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の
第一次セレクションを雌雄の判別で行うことが可能であ
り、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初
期の手間は大幅に削減できる。
【0086】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1〜10000U/ml)存在下に炭酸ガス
培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気、ま
たは5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃
で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、
トリプシン/EDTA溶液(通常0.001〜0.5%
トリプシン/0.1〜5mM EDTA、好ましくは約
0.1%トリプシン/1mMEDTA)処理により単細
胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方
法などがとられる。
【0087】このような継代は、通常1〜3日毎に行う
が、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が
見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望ま
れる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るま
で単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊
培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々
のタイプの細胞に分化させることが可能であり(Evans,
M.J,and Kaufman,M.H,Nature 292,154,1981;Martin,G.
R,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.78,7634,1981;Doetschman,
T.C,et al,J.Embryol.Exp.Morphol.87,27,1985)、本発
明のES細胞を分化させて得られる本発明のポリヌクレ
オチド発現不全細胞は、in vitroにおける本発明のポリ
ペプチドの細胞生物学的検討において有用である。本発
明のポリヌクレオチド発現不全非ヒト哺乳動物は、該動
物のmRNA量を公知の方法を用いて測定して間接的に
その発現量を比較することにより、正常動物と区別する
ことが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、前記と
同様のものが用いられる。
【0088】本発明のポリヌクレオチド発現不全非ヒト
哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲ
ッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細
胞に導入することによりノックアウトさせることができ
る。すなわち、該ターゲッティングベクターを導入する
ことにより、ターゲッティングベクター内の不活性化さ
れた本発明のポリヌクレオチド配列が遺伝子相同組換え
により、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上
の本発明のポリヌクレオチドと入れ換わり、ノックアウ
トさせることができる。本発明のポリヌクレオチドがノ
ックアウトされた細胞は、本発明のポリヌクレオチド上
またはその近傍のポリヌクレオチド配列をプローブとし
たサザンハイブリダイゼーション解析、またはターゲッ
ティングベクター上のポリヌクレオチド配列とターゲッ
ティングベクターに使用したマウス由来の本発明のポリ
ヌクレオチド以外の近傍領域のポリヌクレオチド配列と
をプライマーとしたPCR法による解析で判定すること
ができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺
伝子相同組換えにより、本発明のポリヌクレオチドが不
活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当
な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚
盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた非ヒト
哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本
発明の遺伝子座をもつ細胞と人為的に変異した本発明の
遺伝子座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物
である。該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発
明の遺伝子座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常
個体を交配することにより得られた個体群から、すべて
の組織が人為的に変異を加えた本発明の遺伝子座をもつ
細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定
等により選別することができる。このようにして得られ
た個体は、通常、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不
全個体であり、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全
個体どうしを交配し、それらの産仔から本発明のポリペ
プチドのホモ発現不全個体を得ることができる。卵細胞
を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロイン
ジェクション法でポリヌクレオチド溶液を注入すること
によりターゲッティングベクターが染色体内に導入され
たトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることがで
き、遺伝子相同組換えにより本発明の遺伝子座に変異の
あるものを選択することで得られる。
【0089】このようにして本発明のポリヌクレオチド
がノックアウトされている個体は、交配により得られた
動物個体も該ポリヌクレオチドがノックアウトされてい
ることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行うこと
ができる。さらに、生殖系列の取得および保持について
も常法に従えばよい。すなわち、該不活性化ポリヌクレ
オチドの保有する雌雄の動物を交配することにより、該
不活性化ポリヌクレオチドを相同染色体の両方にもつホ
モザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴー
ト動物は、母親動物に対して、正常個体1、ホモザイゴ
ート複数になるような状態で飼育することにより効率的
に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交
配することにより、該不活性化ポリヌクレオチドを有す
るホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継
代する。本発明のポリヌクレオチドが不活性化された非
ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のポリヌクレオチド発
現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用であ
る。また、本発明のポリペプチド発現不全マウスは、本
発明のポリペプチドにより誘導され得る種々の生物活性
を欠失するため、本発明のポリペプチドの生物活性の不
活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これ
らの疾病の原因究明および治療法の検討に有用である。
【0090】(8a)本発明のポリヌクレオチドの欠損
や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有
する化合物のスクリーニング方法 本発明のポリヌクレオチド発現不全非ヒト哺乳動物は、
前記した本発明のポリヌクレオチドの欠損や損傷などに
起因する疾病に対する治療・予防効果などを有する化合
物またはその塩のスクリーニングに用いることができ
る。すなわち、本発明は、本発明のポリヌクレオチド発
現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該非ヒト
哺乳動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本
発明のポリヌクレオチドの欠損や損傷などに起因する疾
病に対する治療・予防効果などを有する化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法を提供する。該スクリーニン
グ方法において用いられる本発明のポリヌクレオチド発
現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが挙
げられる。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タ
ンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿な
どが挙げられ、これらの化合物は新規な化合物であって
もよいし、公知の化合物であってもよい。具体的には、
本発明のポリヌクレオチド発現不全非ヒト哺乳動物を試
験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物
の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試
験化合物の治療・予防効果を試験することができる。試
験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、
経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、
試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することがで
きる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化
合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0091】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から得
られた化合物またはその塩であり、本発明のポリペプチ
ドの欠損や損傷などによって引き起こされる疾患に対す
る治療・予防効果などを有するので、該疾患に対する安
全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として使用するこ
とができる。さらに、上記スクリーニングで得られた化
合物またはその塩から誘導される化合物またはその塩も
同様に用いることができる。該スクリーニング方法で得
られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩
としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機
酸)または塩(例、アルカリ金属)などとの塩が用いら
れ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有
機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。該スクリーニング方法で
得られた化合物またはその塩を含有する治療・予防剤
は、前記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同
様にして製造することができる。該化合物またはその塩
の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどによ
り差異はあるが、例えば、該化合物またはその塩を経口
投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)に
おいては、一日につき該化合物またはその塩を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物またはその塩の1回投与量は、対
象疾患、投与対象などによっても異なるが、例えば、該
化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人(体重60
kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物また
はその塩を約0.01〜30mg、好ましくは約0.1
〜20mg、より好ましくは約0.1〜10mg程度を
静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の
場合も、60kg当たりに換算した量を投与することが
できる。
【0092】(8b)本発明のポリヌクレオチドに対す
るプロモーターの活性を促進または阻害する化合物のス
クリーニング方法 本発明は、レポーター遺伝子を導入することにより不活
性化された本発明のポリヌクレオチド発現不全非ヒト哺
乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発
現を検出することを特徴とする本発明のポリヌクレオチ
ドに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。試
験化合物としては、前記と同様のものが挙げられる。レ
ポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いら
れ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)が好適で
ある。本発明のポリヌクレオチドをレポーター遺伝子で
不活性化された本発明のポリヌクレオチド発現不全非ヒ
ト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のポリヌク
レオチドに対するプロモーターの支配下に存在するの
で、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレー
スすることにより、プロモーターの活性を検出すること
ができる。
【0093】例えば、本発明のポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチド領域の一部が大腸菌由来のβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子(lacZ)で不活性化されている
場合、本来、本発明のポリペプチドの発現する組織で、
本発明のポリペプチドの代わりにβ−ガラクトシダーゼ
が発現する。従って、例えば、5-ブロモ-4-クロロ-3
-インドリル-β-ガラクトピラノシド(X-gal)のよ
うなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染
色することにより、簡便に本発明のポリペプチドの動物
生体内における発現状態を観察することができる。具体
的には、本発明のポリペプチド欠損マウスまたはその組
織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、ダルベッコ
リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X-gal
を含む染色液で、室温または7℃付近で、約30分ない
し1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/
PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダ
ーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常
法に従い、lacZをコードするmRNAを検出しても
よい。
【0094】上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物またはその塩であり、本発明のポリヌクレオチ
ドに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化
合物またはその塩である。該スクリーニング方法で得ら
れた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩と
しては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機
酸)または塩(例、アルカリ金属)などとの塩が用いら
れ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有
機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、
マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のポリヌクレオチ
ドに対するプロモーターの活性を促進する化合物または
その塩は、本発明のポリペプチドの発現を活性化または
増強し、該ポリペプチドの作用または発現を活性化また
は増強することができるので、例えば、本発明のポリペ
プチドの発現減少などに起因する疾病に対する安全で低
毒性な予防・治療剤などの医薬として有用である。一
方、本発明のポリヌクレオチドに対するプロモーター活
性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のポリペプ
チドの発現を阻害し、該ポリペプチドの作用を減少させ
ることができるので、例えば、本発明のポリペプチドの
過剰発現に起因する疾病に対する安全で低毒性な治療・
予防剤などの医薬として有用である。さらに、上記スク
リーニングで得られた化合物またはその塩から誘導され
る化合物またはその塩も同様に用いることができる。
【0095】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のポリペ
プチドまたはその部分ペプチドを含有する医薬と同様に
して製造し、ヒトまたは哺乳動物に投与することができ
る。このようにして得られる製剤は安全で低毒性である
ので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。該化合物またはその塩の投
与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差
異はあるが、例えば、本発明のポリヌクレオチドに対す
るプロモーター活性を促進する化合物またはその塩を経
口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)
においては、一日につき該化合物またはその塩を約0.
1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物またはその塩の1回投与量は投
与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本
発明のポリヌクレオチドに対するプロモーター活性を促
進する化合物またはその塩を注射剤の形で通常成人(6
0kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物ま
たはその塩を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。一方、例えば、本発明のポリペプチ
ドの過剰発現に起因する疾病の治療目的で本発明のポリ
ヌクレオチドに対するプロモーター活性を阻害する化合
物またはその塩を経口投与する場合、一般的に成人(体
重60kgとして)においては、一日につき該化合物ま
たはその塩を約0.1〜100mg、好ましくは約1.
0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与
する。非経口的に投与する場合は、該化合物またはその
塩の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異
なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を阻害する化合物またはその塩を注射剤の形で通常
成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該
化合物またはその塩を約0.01〜30mg程度、好ま
しくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.
1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合
である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した
量を投与することができる。
【0096】(9)本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドに対するモノクローナル抗体もしくはポリク
ローナル抗体を用いた各種疾病の予防・治療剤 本発明の抗体は、本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチドに特異性を示すことより、本発明のポリペプチ
ドまたはその部分ペプチドの生物学的活性を阻害もしく
は減弱、あるいは本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチドそのものを除去できると考えられる。したがっ
て、本発明の抗体は、本発明のポリペプチドの過剰発現
などに起因する疾病の予防・治療剤などの医薬として使
用できる。すなわち、本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチドの望ましくない効果により発症したヒトも
しくは温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウ
ス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、イ
ヌ、ネコ、サル、チンパンジーなど))に対して投与す
ることができる。
【0097】本発明の抗体を上記の予防・治療剤として
使用する場合は、精製されたものを使用するのが好まし
い。本発明の抗体は、製薬上許容し得る担体、希釈剤ま
たは医薬添加物と組み合された本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドの生物活性を阻害し得る製薬処方
物として提供される。好ましくは、本発明の抗体は非経
口投与に適した処方物、例えば注射剤もしくは静脈内投
与に適した処方物、あるいは有効形態で血流への送達を
確実にするようなその他の方法による非経口投与に適し
た処方物として調製される。このような処方物は、好ま
しくは単位投与量形態であり、各投与量は例えば所望の
免疫グロブリン約0.001〜1000mgを含有して
いる。好ましくは、処方物は本発明の抗体約0.01〜
200mgを含有していることが挙げられる。本発明の
抗体を処方する手段は、当業者に周知である。特に、本
発明の抗体は、製薬上許容し得る担体、希釈剤またはキ
ャリヤーと温和して組合せることができる。適当な担
体、希釈剤あるいは医薬添加物および他のヒト蛋白質、
例えばヒト血清アルブミンを包含する処方物は、例えば
レミントン・ファーマシューティカル・サイエンシズ(R
emington's Pharmaceutical Sciences)、16版、1980年、マッ
ク・ハ゜フ゛リッシンク゛・カンハ゜ニー(Mack Publishing Co.)、オソール(Oso
l)等編に記載されている。典型的な製薬上許容し得る医
薬添加物、希釈剤および担体、殊に好ましい投与経路で
ある非経口投与のためのこれらのものには、例えば、等
張性食塩水、希デキストロース水溶液(例.5%),多
価脂肪族アルコールもしくはその混合物、例えばグリセ
リン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール
等が包含される。非経口溶液はまた防腐剤、例えばフェ
ネチルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベン、
チメロサール等を含有し得る。必要に応じて、約0.0
5〜0.20重量%の抗酸化剤、例えばメタ重亜硫酸ナ
トリウムまたは重亜流酸ナトリウムもまた使用し得る。
【0098】(10)本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチドと相互作用するレセプターおよびの該相互
作用を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング 本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドは、本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドと相互作用す
るレセプターを探索し、または決定するための試薬とし
て有用である。さらに、本発明のポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドは、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドと相互作用するレセプターを探索し、または
決定するためのスクリーニング方法に利用できる。該レ
セプターとしては、公知のレセプターの他に、例えば温
血動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツ
ジ、サル、ヒトなど)の組織抽出物、細胞抽出物などの
構成物などが考えられる。該レセプターの同定法として
は、技術分野において知られる標準的なレセプター結合
方法、例えば、該組織抽出物、細胞抽出物などを本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドとインキュベー
トするリガンド結合および架橋アッセイなどが挙げられ
る。他の方法には、表面プラスモン共鳴および分光学な
どの生物理学方法が含まれる。さらに、該レセプターは
可溶性レセプターもありえる。したがって、該レセプタ
ーの同定法に、細胞上清、体液なども使用することがで
きる。
【0099】具体的には、本発明のレセプター決定方法
は、該組織抽出物、細胞抽出物、細胞上清、体液などを
用いるか、または考えられうる組換え型レセプタータン
パク質(例えば、公知のレセプターなど)の発現系を構
築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用
いることによって、本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドが該レセプターに結合して細胞刺激活性(例
えば、細胞内Ca2+遊離、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性)を有するレセプターを決定する方法であ
る。本発明のレセプター決定方法においては、本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドと該レセプターと
を接触させた場合の、例えば該レセプターに対する本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの結合量、細
胞刺激活性などを測定することを特徴とする。
【0100】より具体的には、本発明は、(A)標識し
た本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを、該
レセプターに接触させた場合における、標識した本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドに対する結合量
を測定することを特徴とする本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドと相互作用するレセプター決定方
法、(B)標識した本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドを、該レセプターを含有する細胞または該細
胞の膜画分もしくは培養細胞上清中に産生された可溶性
レセプターに接触させた場合における、標識した本発明
のポリペプチドまたはその部分ペプチドに対する結合量
を測定することを特徴とする本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドと相互作用するレセプターの決定方
法、(C)標識した本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドを、該レセプターをコードするポリヌクレオ
チドを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現した該レセプターもしくは培養細胞上清中に
産生された可溶性レセプターに接触させた場合におけ
る、標識した本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドのレセプターに対する結合量を測定することを特徴
とする本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドと
相互作用するレセプターの決定方法、(D)本発明のポ
リペプチドまたはその部分ペプチドを、該レセプターを
含有する細胞に接触させた場合における、該レセプター
を介した細胞刺激活性(例えば、細胞内Ca2+遊離、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
ことを特徴とする本発明のポリペプチドまたはその部分
ペプチドと相互作用するレセプターの決定方法、および
(E)本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
を、該レセプターをコードするポリヌクレオチドを含有
する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現
した該レセプターに接触させた場合における、該レセプ
ターを介する細胞刺激活性(例えば、細胞内Ca2+
離、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの
低下などを促進する活性または抑制する活性など)を測
定することを特徴とする本発明のポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドと相互作用するの決定方法を提供する。
【0101】さらに、本発明は、本発明の本発明のポリ
ペプチドまたはその部分ペプチドと相互作用するレセプ
ターの相互作用を阻害する化合物またはその塩は、該レ
セプターの発現系を構築し、本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドを添加する該発現系を用いたレセプ
ター結合アッセイ系を用いることによって、本発明のポ
リペプチドまたはその部分ペプチドと該レセプターとの
結合を阻害する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)また
はその塩をスクリーニングすることができる。このよう
な化合物には、該レセプターを介して細胞刺激活性(例
えば、細胞内Ca2+遊離、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、pHの低下などを抑制する活性など)を
有しない化合物(いわゆるレセプターアンタゴニスト)
などが含まれる。
【0102】すなわち、本発明は、(i)本発明の本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドと該レセプタ
ーを接触させた場合と(ii)本発明の本発明のポリペプ
チドまたはその部分ペプチドおよび試験化合物と該レセ
プターを接触させた場合との比較を行なうことを特徴と
する該レセプターと本発明の本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドとの相互作用を阻害する化合物また
はその塩のスクリーニング方法を提供する。本発明のス
クリーニング方法においては、(i)本発明の本発明の
ポリペプチドまたはその部分ペプチドと該レセプターを
接触させた場合と(ii)本発明の本発明のポリペプチド
またはその部分ペプチドおよび試験化合物と該レセプタ
ーを接触させた場合における、例えばレセプターに対す
る本発明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較するこ
とを特徴とする。
【0103】より具体的には、本発明は、(a)標識し
た本発明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドを、該レセプターに接触させた場合と、標識した本発
明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドおよ
び試験化合物を該レセプターに接触させた場合におけ
る、標識した本発明の本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチドの該レセプターに対する結合量を測定し、
比較することを特徴とする本発明の本発明のポリペプチ
ドまたはその部分ペプチドと該レセプターとの相互作用
を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(b)標識した本発明の本発明のポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドを、該レセプターを含有する細胞または
該細胞の膜画分もしくは培養細胞上清中に産生された可
溶性レセプターに接触させた場合と、標識した本発明の
本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドおよび試
験化合物を該レセプターを含有する該細胞または該細胞
の膜画分もしくは該培養細胞上清中に産生された可溶性
レセプターに接触させた場合における、標識した本発明
の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドの該細
胞または該膜画分もしくは該培養細胞上清中に産生され
た可溶性レセプターに対する結合量を測定し、比較する
ことを特徴とする本発明の本発明のポリペプチドまたは
その部分ペプチドと該レセプターとの相互作用を阻害す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、(c)標
識した本発明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペ
プチドを、該レセプターをコードするポリヌクレオチド
を含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上
に発現した該レセプターもしくは該培養細胞上清中に産
生された可溶性レセプターに接触させた場合と、標識し
た本発明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチ
ドおよび試験化合物を該レセプターをコードするポリヌ
クレオチドを含有する形質転換体を培養することによっ
て細胞膜上に発現した該レセプターもしくは該培養細胞
上清中に産生された可溶性レセプターに接触させた場合
における、標識した本発明の本発明のポリペプチドまた
はその部分ペプチドの該レセプターに対する結合量を測
定し、比較することを特徴とする本発明の本発明のポリ
ペプチドまたはその部分ペプチドと該レセプターとの相
互作用を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
方法、(d)本発明の本発明のポリペプチドまたはその
部分ペプチドを該レセプターを含有する細胞に接触させ
た場合と、本発明の本発明のポリペプチドまたはその部
分ペプチドおよび試験化合物を該レセプターを含有する
細胞に接触させた場合における、該レセプターを介した
細胞刺激活性(例えば、細胞内Ca2+遊離、細胞膜電位
変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下などを抑制
する活性など)を測定し、比較することを特徴とする、
本発明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチド
と該レセプターとの相互作用を阻害する化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、および(e)本発明の本発
明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを該レセプタ
ーをコードするポリヌクレオチドを含有する形質転換体
を培養することによって細胞膜上に発現した該レセプタ
ーに接触させた場合と、本発明の本発明のポリペプチド
またはその部分ペプチドおよび試験化合物を該レセプタ
ーをコードするポリヌクレオチドを含有する形質転換体
を培養することによって細胞膜上に発現した該レセプタ
ーに接触させた場合における、該レセプターを介する細
胞刺激活性(例えば、細胞内Ca2+遊離、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下などを抑制す
る活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発
明の本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドと該
レセプターとの相互作用を阻害する化合物またはその塩
のスクリーニング方法を提供する。
【0104】本発明のDMPLポリヌクレオチドがコー
ドするポリペプチドはアミノ酸配列上、DMP1と相同
性を有する(図1)。DMP1は、グルタミン酸、アス
パラギン酸、セリンが豊富に存在し(図1)、親水度が
非常に高く、RGDアミノ酸モチーフを持つタンパク質
である(図2)。本発明のDMPLポリヌクレオチドが
コードするポリペプチドは、DMP1と同様にグルタミ
ン酸、アスパラギン酸、セリンが豊富に存在し、上述し
たRGDアミノ酸モチーフを持つ(図1)。さらに、図
2に示すように、DMPLポリペプチドも親水度が非常
に高い。さらに、DMP1は骨芽細胞においてmRNA
の発現が観察されることが報告されているが、これと同
様に本発明のDMPL mRNAも骨芽細胞株(MG-
63)において発現が見られる(図3)。従って、DM
P1と本発明のDMPLポリヌクレオチドがコードする
ポリペプチドはその構造・機能に関して密接に関連して
いるものと推測される。
【0105】上述したようにDMP1は、骨芽細胞と象
牙芽細胞の分化・成熟を制御する能力などを有するた
め、その機能から医薬品への応用が期待されている。従
って、DMP1と構造・機能に関して密接に関連してい
ると推測される。このことから、本発明のDMPLポリ
ヌクレオチドがコードするポリペプチドは、骨芽細胞と
象牙芽細胞の分化・成熟、破骨細胞の機能発現誘導作用
などに関与していると考えられる。すなわち、該ポリヌ
クレオチドの異常は、骨粗鬆症や大理石病などの骨代謝
の異常や歯周疾患を惹起する可能性がある。従って、本
発明のポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドがコード
するポリペプチドまたはその部分ペプチド、該ポリペプ
チドまたはその部分ペプチドに結合する抗体、該ポリペ
プチドまたはその部分ペプチドの作用または発現を活性
化もしくは増強する化合物またはその塩、もしくは該ポ
リペプチドまたはその部分ペプチドの作用または発現を
阻害もしくは減弱する化合物またはその塩は、医薬組成
物として臨床的に応用することが可能である。例えば、
本発明のポリヌクレオチドを利用することにより、上記
疾患に対する遺伝子治療またはアンチセンス療法が可能
になる。また、該ポリヌクレオチドがコードするポリペ
プチドまたはその部分ペプチドは、不完全又は不十分な
量の該ポリペプチドによって引き起こされた疾患に対し
て投与することができる。該ポリペプチドまたはその部
分ペプチドに結合する抗体は、過剰な量の該ポリペプチ
ドによって引き起こされた疾患に対する治療薬として臨
床的に応用できると考えられる。
【0106】さらに、上述したようにDMPLポリペプ
チドは、DMP1と同様にRGDアミノ酸モチーフを持
つことから、RGDアミノ酸モチーフを持つタンパク質
が結合するレセプターであるインテグリン(例えば、α
vβ3など)に結合することが予想される。従って、本
発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドを用いるこ
とによって、新たなインテグリンを同定することがで
き、さらには、インテグリンと本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドとの相互作用を阻害する化合物ま
たはその塩をスクリーニングすることができる。
【0107】また、実施例4で示したように、ヒトの組
織において、DMPL mRNAは気管、精巣、肺、骨
髄において強い発現が観察されることから、DMPLは
前立腺、気管、精巣、肺、骨髄において重要な働きをし
ていると思われる。すなわち、上記組織におけるDMP
Lの発現異常によって、様々な疾患が引き起こされるも
のと考えられる。したがって、従って、本発明のポリヌ
クレオチド、該ポリヌクレオチドがコードするポリペプ
チドまたはその部分ペプチド、該ポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドに結合する抗体、該ポリペプチドまたは
その部分ペプチドの作用または発現を活性化もしくは増
強する化合物またはその塩、もしくは該ポリペプチドま
たはその部分ペプチドの作用または発現を阻害もしくは
減弱する化合物またはその塩は、前立腺、気管、精巣、
肺、骨髄などにおける疾患の治療剤として有効である。
【0108】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげ、更に詳細に説
明する。
【0109】[試薬および実験操作に関する説明]他に
断らない限りは、タカラ(Takara)、ファルマシア(Ph
armacia)、ベーリンガー・マンハイム(Boehringer・Ma
nnheim)、キアゲン(QIAGEN)およびクロンテック(CL
ONTECH)から得たDNA修飾酵素(例えば、ExTaq DNA
ポリメラーゼ;タカラ)およびキット類を製造業者によ
る指示の通りに使用する。
【0110】PCR(Polymerase Chain Reaction:ポ
リメラーゼ連鎖反応)は、前述のExTaq DNAポリメラー
ゼを用いてパーキンエルマー(Perkin-Elmer)社製DN
Aサーマルサイクラー(DNA Thermal Cycler)で実施
し、DNAを特異的に増幅することができる。
【0111】大腸菌(E.coli)細胞は、マニアチス(Ma
niatis)ら[モレキュラー・クローニンク゛:ア・ラホ゛ラトリー・マニュアル(Molecul
ar cloning:A laboratory manual)、コールト゛・スフ゜リンク゛・ハーハ゛
ー・ラホ゛ラトリー(Cold spring harbor laboratory)、1982年]
によって記載されている如くに形質転換することができ
る。
【0112】プラスミドは、アンピシリン50μg/m
Lを含有しているLブロス寒天培地(1%ペプトン、1
% NaCl、0.5%酵母エキス、および1.5%寒
天)上の約25cm2においてプラスミドを保持する大
腸菌(E.coli)を37℃で一夜培養し、キアゲン(QIAG
EN)社製キアゲン・プラスミド・キット(QIAGEN Plasm
id Kit)で調製することができる。
【0113】[実施例1]本発明のDMPLポリヌクレ
オチドは以下の手順に従って単離した。
【0114】<ヒトDMPLポリヌクレオチドの単離>
日本DNAデータバンク(DDBJ:DNA data bank of Japa
n)から、ヒトDMP1のアミノ酸配列(Genbank acces
sion number U89012)を用いて、dbESTデータベー
ス上でTBLASTNサーチを実施した。その結果、Ex
pressed sequence tag(EST)ファイル、Genbank ac
cession number AL537798が検出された。
【0115】[RACE法によるヒトDMPLをコード
するcDNA領域の増幅]クロンテック社製Human fetu
s Marathon-ReadyTM cDNAを用いて製品説明書に従い、
RACE法によりcDNAの増幅を行った。プライマー
は上記のdbESTより得られた塩基配列より合成し
た。PCRは、PE Applied Biosystems社製、GeneAmpR
PCR System 9600を用い、反応サイクルは96℃ 5
秒、72℃ 2分30秒を5回、96℃ 5秒、70℃
2分30秒を5回、96℃ 5秒、68℃ 2分30
秒を25回繰り返し、PCR反応液を得た。この反応液
をテンプレートとして1/10量加え、同条件で2度目
のPCR行った。
【0116】[PCR増幅産物の精製]得られたPCR
産物をエチジウムブロマイド入りの1%アガロースゲル
で電気泳動を行い、このゲルを紫外線下で観察すること
によりDNAバンドを調べた。増幅されたフラグメント
をゲルから切り取り、製品説明書に従い、QIAquick Gel
Extraction Kit(QIAGEN社)を用いて精製した。
【0117】[ヒトDMPLポリペプチドをコードする
cDNA領域の塩基配列の決定]精製フラグメントの塩
基配列は製品説明書に従い、PE Applied Biosystems社
製DNAシークエンサー(ABI PRISM310 Genetic Analy
zer)及びABI PRISMTM BigDye Terminator Cycle Seque
ncing Ready Reaction kitを用いて決定した。
【0118】ヒトDMPLポリヌクレオチドの核酸塩基
配列を配列番号2に、アミノ酸配列を配列番号1に示
す。配列番号2で表されるヒトDMPLポリヌクレオチ
ドによりコードされるアミノ酸配列が、ヒトDMP1と
相同性を示すことから、この遺伝子をDMPLポリヌク
レオチド(DMP1 like polynucleotide)と呼ぶこととし
た。
【0119】[ヒトDMPLポリヌクレオチドを含むベ
クターの構築]ヒトDMPL cDNAのcoding sequen
ce(CDS)をPCRにより増幅してpcDNA3.1(+)ベク
ター(Invitrogen社)に組み込んだ。ベクターに組み込
まれたDMPLポリヌクレオチド配列は製品説明書に従
い、PE Applied Biosystems社製DNAシークエンサー
(ABI PRISMTM 310 Genetic Analyzer)及びABI PRISMT
M BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reactio
n kitを用いて決定した。
【0120】[実施例2] <DMPLアミノ酸配列の解析>本発明のDMPLポリ
ヌクレオチドがコードするポリペプチドはアミノ酸配列
上、DMP1と相同性を有する(図1)。DMP1は、
グルタミン酸、アスパラギン酸、セリンが豊富に存在し
(図1)、親水度が非常に高く、RGDアミノ酸モチー
フを持つタンパク質である(図1および図2)。本発明
のDMPLポリヌクレオチドがコードするポリペプチド
は、DMP1と同様にグルタミン酸、アスパラギン酸、
セリンが豊富に存在し、上述したRGDアミノ酸モチー
フを持つ(図1および配列番号1)。更に図2に示すよ
うに、DMPLポリペプチドも親水度が非常に高い。し
たがって、本発明のポリペプチドとDMP1は、同じフ
ァミリーに属している可能性があり、機能的にも類似し
ていることが予想される。
【0121】[実施例3] <骨芽細胞株(MG-63)におけるDMPL mRN
Aの発現解析>骨芽細胞株(MG-63)(大日本製薬
社)を10%ウシ胎児血清(GIBCO BRL社)を含むダル
ベッコ変法MINIMUM ESSENTIAL MEDIUM(以下「DME
M」と言うことがある)培養液(GIBCO BRL社)中で数
日間培養した。培養ディッシュの全面をほぼ被う程度に
細胞が増殖したのを確認した後、細胞から総RNAをI
SOGEN(ニッポンジーン製)を用いて抽出し、Omni
script RT Kit(QIAGEN製)を用いた逆転写反応により
cDNAを合成した。PCRは、センスプライマー、ア
ンチセンスプライマーをそれぞれ0.5μM、5μLの
HotStarTaq PCR Master Mix Kit(QIAGEN製)、2μL
のcDNAを含む総量10μLの反応液により行った。
【0122】用いたプライマーは、DMPL, 5′-A
TGAGGAGAGGCCTCAGCTTTCC-
3′,5′-ACAGGCTGTCCTGGAGTAG
GTGG-3′;DMP1,5′-TAACCCCGAC
CCCACAACTA-3′, 5′-GGCTTTCC
TCGCTCTGACTC-3′;beta−acti
n(β-actin),5′-CCTAAGGCCAACCG
TGAAAAG-3′, 5′-TCTTCATGGTGC
TAGGAGGCA-3′である。
【0123】条件としては、1)変性(94℃で20秒
間)、2)アニーリング(60℃で30秒間)、3)伸
長反応(72℃で30秒間)のサイクルをDMPL遺伝
子の増幅のために34サイクル、DMP1遺伝子の増幅
のために34サイクル,GAPDH遺伝子は28サイク
ル行った。PCR産物の一部を0.5μg/mLのエチ
ジウムブロミド(Sigma製)を含む2%アガロースゲル
(ニッポンジーン製)を用いて電気泳動し、Gel Doc 20
00(Bio-Rad製)により泳動像を検出した。
【0124】その結果、骨芽細胞株(MG-63)にお
いてDMPLおよびDMP1 mRNAの発現が観察さ
れた(図3)。DMPLと相同性の高いDMP1は骨芽
細胞において重要な働きをしていると考えられているこ
とから、DMPLは骨芽細胞においてDMP1と同様の
働き、もしくは重要な働きをしていると思われる。
【0125】[実施例4] <ヒト組織におけるDMPL mRNAの発現解析>ヒ
ト組織におけるDMPL mRNAの発現量の経時的変
化はリアルタイムPCR法によって調べた。ヒト組織
(20組織)由来の総RNA(クロンテック製)より、
Omniscript RT Kit(Qiagen製)を用いた逆転写反応に
よりcDNAを合成した。PCRは、各標的遺伝子に対
するセンスプライマー、アンチセンスプライマーをそれ
ぞれ0.1μM、10μLの2×SYBR Green PCR Master
Mix(PEApplied Biosystems製)、5μLのcDNAを
含む総量20μLの反応液により行った。
【0126】用いたプライマーは、DMPL, 5′-C
AATGGCTGGTCGTGATCC-3′,5′-T
GGAAGCCCTCAAACGTTCT-3′であ
る。また、glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase
(GAPDH)プライマーはPE Applied Biosystems社から購入
した(Pre-Developed Taqman Assay Reagents Endogene
ous Control)。
【0127】PCR反応は、1)変性(95℃で15秒
間)、2)アニーリングおよび伸長反応(60℃で1分
間)の条件で40サイクルまで行った。各標的遺伝子の
発現量の定量は、GeneAmp 5700 SDS software(PE Appli
ed Biosystems製)により行った。すなわち、増幅された
PCR産物(二本鎖DNA)に結合したSYBR Greenの蛍
光シグナル強度をPCRサイクル毎に経時的に測定し、
サイクル数に対するPCR産物の増幅曲線を作成後、こ
の増幅曲線と任意の閾値(通常、増幅曲線の指数増幅領
域の中点付近を選択する)の交わるThreshold cycle(C
t)値を算出することにより行った。内部標準であるGAP
DHに対するDMPL mRNAの相対的な発現量は、下記計算式
により算出した。
【0128】 発現量 = 2―(DMPLCt値―GAPDHCt) 図4は、20種類のヒト組織におけるDMPL mRNAの発現
量の経時的変化をリアルタイムPCR法により調べた結
果である。その結果、前立腺、気管、精巣、肺、骨髄に
おいてDMPL mRNAの強い発現が観察された(図4)。こ
れらのことからDMPLは前立腺、気管、精巣、肺、骨
髄において重要な働きをしていると思われる。すなわ
ち、上記組織におけるDMPLの発現異常によって、様
々な疾患が引き起こされるものと考えられる。
【0129】
【発明の効果】本発明により新たなヒトポリペプチド、
並びにそれをコードするヒト遺伝子(DMPL遺伝子)
が提供される。DMPL遺伝子は、それがコードするポ
リペプチドがDMP1と相同性を有する新規の遺伝子で
ある。
【0130】上述したようにDMP1は、骨芽細胞と象
牙芽細胞の分化・成熟、破骨細胞の機能発現誘導作用な
どを有するため、その機能から医薬品への応用が期待さ
れている。すなわち、DMP1と相同性を有する本発明
のポリペプチド及びそれがコードする遺伝子は、骨芽細
胞と象牙芽細胞の分化・成熟、破骨細胞の機能発現誘導
作用などに関与していると考えられることより、本発明
により、これらの関与する疾患の病態解明や診断、治療
等が可能となると考えられる。また、本発明のポリヌク
レオチド、該ポリヌクレオチドがコードするポリペプチ
ドまたはその部分ペプチド、該ポリペプチドまたはその
部分ペプチドに結合する抗体、該ポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドの作用または発現を活性化もしくは増強
する化合物またはその塩、もしくは該ポリペプチドまた
はその部分ペプチドの作用または発現を阻害もしくは減
弱する化合物またはその塩は、医薬組成物として臨床的
に応用することが可能である。
【0131】
【配列表】 <110> 帝人株式会社 <120> 新規なポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド <130> P35176 <160> 2 <210> 1 <211> 666 <212> PRT <213> Homo Sapiens <400> 1 Met Ala Asp Met Glu Asp Leu Phe Gly Ser Asp Ala Asp Ser Glu 1 5 10 15 Ala Glu Arg Lys Asp Ser Asp Ser Gly Ser Asp Ser Asp Ser Asp 20 25 30 Gln Glu Asn Ala Ala Ser Gly Ser Asn Ala Ser Gly Ser Glu Ser 35 40 45 Asp Gln Asp Glu Arg Gly Asp Ser Gly Gln Pro Ser Asn Lys Glu 50 55 60 Leu Phe Gly Asp Asp Ser Glu Asp Glu Gly Ala Ser His His Ser 65 70 75 Gly Ser Asp Asn His Ser Glu Arg Ser Asp Asn Arg Ser Glu Ala 80 85 90 Ser Glu Arg Ser Asp His Glu Asp Asn Asp Pro Ser Asp Val Asp 95 100 105 Gln His Ser Gly Ser Glu Ala Pro Asn Asp Asp Glu Asp Glu Gly 110 115 120 His Arg Ser Asp Gly Gly Ser His His Ser Glu Ala Glu Gly Ser 125 130 135 Glu Lys Ala His Ser Asp Asp Glu Lys Trp Gly Arg Glu Asp Lys 140 145 150 Ser Asp Gln Ser Asp Asp Glu Lys Ile Gln Asn Ser Asp Asp Glu 155 160 165 Glu Arg Ala Gln Gly Ser Asp Glu Asp Lys Leu Gln Asn Ser Asp 170 175 180 Asp Asp Glu Lys Met Gln Asn Thr Asp Asp Glu Glu Arg Pro Gln 185 190 195 Leu Ser Asp Asp Glu Arg Gln Gln Leu Ser Glu Glu Glu Lys Ala 200 205 210 Asn Ser Asp Asp Glu Arg Pro Val Ala Ser Asp Asn Asp Asp Glu 215 220 225 Lys Gln Asn Ser Asp Asp Glu Glu Gln Pro Gln Leu Ser Asp Glu 230 235 240 Glu Lys Met Gln Asn Ser Asp Asp Glu Arg Pro Gln Ala Ser Asp 245 250 255 Glu Glu His Arg His Ser Asp Asp Glu Glu Glu Gln Asp His Lys 260 265 270 Ser Glu Ser Ala Arg Gly Ser Asp Ser Glu Asp Glu Val Leu Arg 275 280 285 Met Lys Arg Lys Asn Ala Ile Ala Ser Asp Ser Glu Ala Asp Ser 290 295 300 Asp Thr Glu Val Pro Lys Asp Asn Ser Gly Thr Met Asp Leu Phe 305 310 315 Gly Gly Ala Asp Asp Ile Ser Ser Gly Ser Asp Gly Glu Asp Lys 320 325 330 Pro Pro Thr Pro Gly Gln Pro Val Asp Glu Asn Gly Leu Pro Gln 335 340 345 Asp Gln Gln Glu Glu Glu Pro Ile Pro Glu Thr Arg Ile Glu Val 350 355 360 Glu Ile Pro Lys Val Asn Thr Asp Leu Gly Asn Asp Leu Tyr Phe 365 370 375 Val Lys Leu Pro Asn Phe Leu Ser Val Glu Pro Arg Pro Phe Asp 380 385 390 Pro Gln Tyr Tyr Glu Asp Glu Phe Glu Asp Glu Glu Met Leu Asp 395 400 405 Glu Glu Gly Arg Thr Arg Leu Lys Leu Lys Val Glu Asn Thr Ile 410 415 420 Arg Trp Arg Ile Arg Arg Asp Glu Glu Gly Asn Glu Ile Lys Glu 425 430 435 Ser Asn Ala Arg Ile Val Lys Trp Ser Asp Gly Ser Met Ser Leu 440 445 450 His Leu Gly Asn Glu Val Phe Asp Val Tyr Lys Ala Pro Leu Gln 455 460 465 Gly Asp His Asn His Leu Phe Ile Arg Gln Gly Thr Gly Leu Gln 470 475 480 Gly Gln Ala Val Phe Lys Thr Lys Leu Thr Phe Arg Pro His Ser 485 490 495 Thr Asp Ser Ala Thr His Arg Lys Met Thr Leu Ser Leu Ala Asp 500 505 510 Arg Cys Ser Lys Thr Gln Lys Ile Arg Ile Leu Pro Met Ala Gly 515 520 525 Arg Asp Pro Glu Cys Gln Arg Thr Glu Met Ile Lys Lys Glu Glu 530 535 540 Glu Arg Leu Arg Ala Ser Ile Arg Arg Glu Ser Gln Gln Arg Arg 545 550 555 Met Arg Glu Lys Gln His Gln Arg Gly Leu Ser Ala Ser Tyr Leu 560 565 570 Glu Pro Asp Arg Tyr Asp Glu Glu Glu Glu Gly Glu Glu Ser Ile 575 580 585 Ser Leu Ala Ala Ile Lys Asn Arg Tyr Lys Gly Gly Ile Arg Glu 590 595 600 Glu Arg Ala Arg Ile Tyr Ser Ser Asp Ser Asp Glu Gly Ser Glu 605 610 615 Glu Asp Lys Ala Gln Arg Leu Leu Lys Ala Lys Lys Leu Thr Ser 620 625 630 Asp Glu Glu Gly Glu Pro Ser Gly Lys Arg Lys Ala Glu Asp Asp 635 640 645 Asp Lys Ala Asn Lys Lys His Lys Lys Tyr Val Ile Ser Asp Glu 650 655 660 Glu Glu Glu Asp Asp Asp 665 666 <210> 2 <211> 2177 <212> DNA <213> Homo Sapiens <400> 2 gccctaaccg aggcagcagc ggacgtgagc gata 34 atg gcg gat atg gag gat ctc ttc ggg agc gac gcc gac agc gaa 79 Met Ala Asp Met Glu Asp Leu Phe Gly Ser Asp Ala Asp Ser Glu gct gag cgt aaa gat tct gat tct gga tct gac tca gat tct gat 124 Ala Glu Arg Lys Asp Ser Asp Ser Gly Ser Asp Ser Asp Ser Asp caa gag aat gct gcc tct ggc agt aat gcc tct gga agt gaa agt 169 Gln Glu Asn Ala Ala Ser Gly Ser Asn Ala Ser Gly Ser Glu Ser gat cag gat gaa aga ggt gat tca gga caa cca agt aat aag gaa 214 Asp Gln Asp Glu Arg Gly Asp Ser Gly Gln Pro Ser Asn Lys Glu ctg ttt gga gat gac agt gag gac gag gga gct tca cat cat agt 259 Leu Phe Gly Asp Asp Ser Glu Asp Glu Gly Ala Ser His His Ser ggt agt gat aat cac tct gaa aga tca gac aat aga tca gaa gct 304 Gly Ser Asp Asn His Ser Glu Arg Ser Asp Asn Arg Ser Glu Ala tct gag cgt tct gac cat gag gac aat gac ccc tca gat gta gat 349 Ser Glu Arg Ser Asp His Glu Asp Asn Asp Pro Ser Asp Val Asp cag cac agt gga tca gaa gcc cct aat gat gat gaa gac gaa ggt 394 Gln His Ser Gly Ser Glu Ala Pro Asn Asp Asp Glu Asp Glu Gly cat aga tcg gat gga ggg agc cat cat tca gaa gca gaa ggt tct 439 His Arg Ser Asp Gly Gly Ser His His Ser Glu Ala Glu Gly Ser gaa aaa gca cat tca gat gat gaa aaa tgg ggc aga gaa gat aaa 484 Glu Lys Ala His Ser Asp Asp Glu Lys Trp Gly Arg Glu Asp Lys agt gac cag tca gat gat gaa aag ata caa aat tct gat gat gag 529 Ser Asp Gln Ser Asp Asp Glu Lys Ile Gln Asn Ser Asp Asp Glu gag agg gca caa gga tct gat gaa gat aag ctg cag aat tct gac 574 Glu Arg Ala Gln Gly Ser Asp Glu Asp Lys Leu Gln Asn Ser Asp gat gat gag aaa atg cag aac aca gat gat gag gag agg cct cag 619 Asp Asp Glu Lys Met Gln Asn Thr Asp Asp 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Ile Lys Glu agc aat gct cgg ata gtc aag tgg tca gat gga agc atg tcc ctg 1384 Ser Asn Ala Arg Ile Val Lys Trp Ser Asp Gly Ser Met Ser Leu cat tta ggc aat gaa gtg ttt gat gtg tac aaa gcc cca ctg cag 1429 His Leu Gly Asn Glu Val Phe Asp Val Tyr Lys Ala Pro Leu Gln ggc gac cac aat cat ctt ttt ata aga caa ggt act ggt cta cag 1474 Gly Asp His Asn His Leu Phe Ile Arg Gln Gly Thr Gly Leu Gln gga caa gca gtc ttt aaa acg aaa ctc acc ttc aga cct cac tct 1519 Gly Gln Ala Val Phe Lys Thr Lys Leu Thr Phe Arg Pro His Ser acg gac agt gcc aca cat aga aag atg act ctg tca ctt gca gat 1564 Thr Asp Ser Ala Thr His Arg Lys Met Thr Leu Ser Leu Ala Asp agg tgt tca aag aca cag aag att aga atc ttg cca atg gct ggt 1609 Arg Cys Ser Lys Thr Gln Lys Ile Arg Ile Leu Pro Met Ala Gly cgt gat cct gaa tgc caa cgc aca gaa atg att aag aaa gaa gaa 1654 Arg Asp Pro Glu Cys Gln Arg Thr Glu Met Ile Lys Lys Glu Glu gaa cgt ttg agg gct tcc ata cgt agg gaa tct cag cag cgc cga 1699 Glu Arg Leu Arg Ala Ser Ile Arg Arg Glu Ser Gln Gln Arg Arg atg aga gag aaa cag cac cag cgg ggg ctg agc gcc agt tac ctg 1744 Met Arg Glu Lys Gln His Gln Arg Gly Leu Ser Ala Ser Tyr Leu gaa cct gat cga tac gat gag gag gag gaa ggc gag gag tcc atc 1789 Glu Pro Asp Arg Tyr Asp Glu Glu Glu Glu Gly Glu Glu Ser Ile agc ttg gct gcc att aaa aac cga tat aaa ggg ggc att cga gag 1834 Ser Leu Ala Ala Ile Lys Asn Arg Tyr Lys Gly Gly Ile Arg Glu gaa cga gcc aga atc tat tca tca gac agt gat gag gga tca gaa 1879 Glu Arg Ala Arg Ile Tyr Ser Ser Asp Ser Asp Glu Gly Ser Glu gaa gat aaa gct caa aga tta ctc aaa gca aag aaa ctt acc agt 1924 Glu Asp Lys Ala Gln Arg Leu Leu Lys Ala Lys Lys Leu Thr Ser gat gag gaa ggt gaa cct tcc gga aag aga aaa gca gaa gat gat 1969 Asp Glu Glu Gly Glu Pro Ser Gly Lys Arg Lys Ala Glu Asp Asp gat aaa gca aat aaa aag cat aag aag tat gtg atc agc gat gaa 2014 Asp Lys Ala Asn Lys Lys His Lys Lys Tyr Val Ile Ser Asp Glu gag gaa gaa gat gat gat 2032 Glu Glu Glu Asp Asp Asp tgaagtatga aatatgaaaa cattttatat attttattgt acagttataa atatgtaaac 2092 atgagttatt ttgattgaaa tgaatcgatt tgcttttgtg taattttaat tgtaataaaa 2152 caatttaaaa gcaaaaaaaa aaaaa 2177
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトDMPLとヒトDMP1の相同性の比較
図。
【図2】ヒトDMPL及びDMP1の疎水性度を示す
図。
【図3】骨芽細胞株(MG-63)におけるDMPL mR
NA解析結果。
【図4】ヒト組織におけるDMPL mRNAの発現解
析結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 21/04 C07K 16/18 4C057 C07K 14/47 C12N 1/15 4C084 16/18 1/19 4C086 C12N 1/15 1/21 4H045 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z 15/02 33/50 Z C12P 21/02 33/53 D C12Q 1/68 C12P 21/08 G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 B 33/53 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (72)発明者 東 由明 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 上村 孝 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA36 FB03 4B024 AA01 AA11 CA04 CA09 GA05 HA14 HA17 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ43 QR55 QS34 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C057 MM01 MM09 4C084 AA02 BA23 NA14 ZA67 ZA96 4C086 AA01 AA02 EA16 ZA67 ZA96 ZA97 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA09 CA40 DA76 EA27 EA50 FA74

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドの部分ペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のポリペプチドをコード
    する塩基配列を有するポリヌクレオチドを含有するポリ
    ヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2で表される塩基配列またはそ
    れとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    る塩基配列を有する請求項3に記載のポリヌクレオチ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の部分ペプチドをコード
    するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のポリヌクレオチドを含
    む組換えベクター。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の組換えベクターを保持
    する形質転換体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の形質転換体を培養し、
    請求項1に記載のポリペプチドを生成、蓄積せしめ、こ
    れを採取することを特徴とする請求項1に記載のポリペ
    プチドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のポリペプチドまたは請
    求項2に記載の部分ペプチドを含有してなる医薬。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載のポリヌクレオチドま
    たは請求項5に記載のポリヌクレオチドを含有してなる
    医薬。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドに対するモノクローナ
    ル抗体。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドに対するポリクローナ
    ル抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドで免疫された抗体産生
    細胞と骨髄腫細胞とを融合させることにより得られる、
    請求項11記載のモノクローナル抗体を産生するハイブ
    リドーマ。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドを用いることを特徴と
    する請求項1に記載のポリペプチドの作用または発現を
    活性化もしくは増強する化合物またはその塩のスクリー
    ニング方法。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドを含有してなる請求項
    1に記載のポリペプチドの作用または発現を活性化もし
    くは増強する化合物またはその塩のスクリーニング用キ
    ット。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載のスクリーニング方
    法または請求項15に記載のスクリーニング用キットを
    用いて得られる、請求項1に記載のポリペプチドの作用
    または発現を活性化もしくは増強する化合物またはその
    塩。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドを用いることを特徴と
    する請求項1に記載のポリペプチドの作用または発現を
    阻害もしくは減弱する化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチドを含有してなる請求項
    1に記載のポリペプチドの作用または発現を阻害もしく
    は減弱する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
    ト。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載のスクリーニング方
    法または請求項18に記載のスクリーニング用キットを
    用いて得られる、請求項1に記載のポリペプチドの作用
    または発現を阻害もしくは減弱する化合物またはその
    塩。
  20. 【請求項20】 請求項3もしくは請求項4に記載の塩
    基配列の少なくとも一部とハイブリダイズするオリゴヌ
    クレオチドプローブ。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のオリゴヌクレオチ
    ドプローブを含む塩基配列の検出試薬。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載のポリペプチド、また
    は請求項2に記載の部分ペプチド、並びに請求項11に
    記載のモノクローナル抗体および/または請求項12に
    記載のポリクローナル抗体を含む診断用キット、もしく
    は請求項1に記載のポリペプチド、または請求項2に記
    載の部分ペプチドの測定キット。
  23. 【請求項23】 請求項11に記載のモノクローナル抗
    体または請求項12に記載のポリクローナル抗体からな
    る医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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