JPH10108683A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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JPH10108683A
JPH10108683A JP9216885A JP21688597A JPH10108683A JP H10108683 A JPH10108683 A JP H10108683A JP 9216885 A JP9216885 A JP 9216885A JP 21688597 A JP21688597 A JP 21688597A JP H10108683 A JPH10108683 A JP H10108683A
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dna
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seq
leu
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一紀 西
Yukiko Hikichi
由紀子 引地
Yasushi Shintani
靖 新谷
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】新規グルタミン:フルクトース−6−リン
酸 アミドトランスフェラーゼ、その部分ペプチド又は
それらの塩、該タンパク質をコードするDNA、組換え
ベクター、形質転換体、該タンパク質の製造方法、該タ
ンパク質又はDNAを含有してなる医薬、該タンパク質
に対する抗体、該タンパク質のGFAT活性を阻害する
化合物又はその塩のスクリーニング方法及びスクリーニ
ング用キット。 【効果】該タンパク質、その部分ペプチド又はそれらの
塩は、GFAT活性等の作用を有している。上記タンパ
ク質等、及び該DNAは、例えば、低血糖症等の疾患の
治療・予防剤等の医薬として有用である。更に、該DN
Aは、その発現異常を検出することができるので、低血
糖症、糖尿病等の疾患の遺伝子診断剤として有用であ
る。該抗体は、上記タンパク質等を特異的に認識するこ
とができるので、被検液中の上記タンパク質等の定量等
に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルタミン:フル
クトース−6−リン酸 アミドトランスフェラーゼ(Gl
utamine:fructose-6-phosphate amidotransferase、以
下、GFATと略記)等の活性を示す新規タンパク質お
よびそれをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は近年その患者数が増加してお
り、成人病のひとつとして注目されている。インスリン
非依存性糖尿病(NIDDM)は我が国に多い糖尿病の
タイプであり、早期発見、早期治療がその予後の点から
も重要である。しかし、NIDDMはその成因が多様で
あり、予想されうる原因についての知見は乏しい。NI
DDMにおけるインスリン作用不足の原因として、イン
スリン感受性機構の異常とインスリン分泌の低下が挙げ
られる。欧米では多くは前者、すなわちインスリン抵抗
性を主徴とするが、我が国ではインスリン分泌不全を主
徴とする場合も少なくない。最近、分子生物学の急速な
進展によりインスリン感受性機構の知見が集積されてき
た。インスリン受容体構造の解明にはじまり、受容体以
降のシグナル伝達機構も次第に明らかとなってきた。ま
た、この10年の間に糖輸送担体遺伝子がクローニング
され、これらの遺伝子の変異と糖尿病発症との関連が検
討されている。ただし、現在までに明らかになっている
インスリン、グルコキナーゼ、ミトコンドリア遺伝子異
常を合わせてもNIDDMの1%に満たず、将来さらに
他の遺伝子異常が明らかにされる必要がある。近年、従
来の経口血糖低下薬とは作用メカニズムの全く異なる糖
尿病治療薬(α−グリコシダーゼ阻害薬:Acarbose, Vo
glibose〔ダイアビティース・フロンティア(Diabetes
Frontier), 3, 557-564 (1992); ドラッグス(Drug
s), 46,1025-1054 (1994); 医学のあゆみ, 149, 591-6
18 (1989); 臨床と研究,67, 219-233 (1990); 臨床と
研究, 69, 919-932 (1992); 臨床医21(増刊), 578-58
7(1995)〕、インスリン抵抗性改善薬:Troglitazone, P
ioglitazone〔ダイアビティース(Diabetes), 37, 154
9-1558 (1998); 臨床医薬9(Suppl 3), 127-150 (199
3); ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディ
シン(New Engl. J.Med.), 331, 1188-1193 (1994);
「新しい糖尿病治療薬」(後藤由夫編), 医薬ジャーナ
ル社, 大阪, (1994)〕)が登場し、発売されようとして
いる。一方、アメリカでは1996年、18年ぶりにBi
guanide薬〔ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ
・メディシン(New Engl. J. Med.), 333, 541-549(19
95); ダイアビティース・スペクトラム(Diabetes Spec
trum), 8, 194-197(1995)〕が糖尿病治療薬として認め
られ、日常診療での治療が可能となり注目を集めてい
る。これらの薬剤はいずれも、日常診療において古くか
ら汎用されているスルフォニル尿素(SU)薬とは異な
り、膵β細胞からのインスリン分泌を促進することなく
血糖を下げる働きをもっている。
【0003】現在、インスリン抵抗を改善する働きをも
った糖尿病治療薬の作用メカニズムとしては、以下の9
項目が考えられている。インスリン受容体キナーゼの
活性化,糖輸送担体の細胞膜への移行促進,糖代謝
の律速酵素の働き、糖代謝異常の是正,肝糖新生の抑
制,肝による糖取り込み促進,肝グリコーゲン生成
の亢進,血中脂質の低下,血中脂質の低下に伴う肝
糖新生の減少,血中脂質の低下に伴うインスリン感受
性の亢進等である。GFATはヘキソサミン生合成経路
において、律速段階であるフルクトース−6−リン酸か
らグルコサミン−6−リン酸への反応を触媒する重要な
酵素である。GFATの活性を阻害する薬剤は細胞内へ
のグルコースの取り込みを促進し、血糖値を低下させる
ことができると考えられており、そのため糖尿病治療薬
としての開発が期待される。作用メカニズムとしては、
上記のうちあるいは等に関与するものと考えている
が、以下のように説明できると思われる。ヘキソサミン
生合成経路はその代謝過程において、UDP-N-アセチ
ルグルコサミン,CMP-N-アセチルノイラミン酸等を
産生するが、これらはタンパク質の糖化修飾やプロテオ
グリカンあるいはガングリオシド等への粗原料として流
れていくものと考えられている。一方、インスリンが細
胞表面のレセプターに結合することにより細胞内シグナ
ルが活性化され、細胞内にプールされていた糖輸送担体
(GLUT4など)が膜表層に移行し、グルコースの取
り込みが促進される。取り込まれたグルコースは解糖系
により代謝されエネルギー源としてのATPを蓄積する
が、過剰に取り込まれた場合はグルコース代謝物である
フルクトース−6−リン酸がヘキソサミン生合成経路へ
流れることになる。流れたフルクトース−6−リン酸は
GFATによりグルコサミン−6−リン酸に変換され
る。詳細な機構は不明であるが、いろいろな状況証拠か
ら、グルコサミン−6−リン酸代謝産物が糖輸送担体の
膜移行を抑制し、それによって細胞内へのグルコースの
取り込みが抑制されることが判明している〔ファセブ・
ジャーナル(FASEB J.),5, 3031-3036 (1991); ダイア
ビィトロジア(Diabetologia), 38, 518-524 (1995);
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.
Biol. Chem.), 266, 10155-10161 (1991); ジャーナ
ル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. C
hem.), 266, 4706-4712 (1991); エンドクリノロジー
(Endocrinology), 136, 2809-2816 (1995)〕。
【0004】このことから、ヘキソサミン生合成経路
は、その一つの役割として、グルコースの過剰取り込み
に対するフィードバック機構として機能するものと考え
られる。GFATはその経路における律速酵素として重
要である。また糖尿病患者においてはこのGFAT活性
が一般的に高いことが知られており、高血糖値を示す一
つの原因であると考えられる〔ダイアビティース(Diab
etes), 45, 302-307 (1996)〕。GFATのように主作
用を膵外に求めた血糖低下薬は、いずれも標的組織にお
けるインスリン抵抗を解除する働きがある。これらの薬
剤は単なる血糖降下作用以外にも種々の臨床的メリット
があり、さらに二次的効果が期待できる。また、他薬と
の併用療法での効果が期待される。ヒト由来のGFAT
遺伝子は現在1種のみ知られており〔ジャーナル・オブ
・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),
267, 25208-25212 (1992)〕、681アミノ酸からなる
77kDaのタンパク質であることが報告されている。ま
た、他の動物種からもGFAT遺伝子がクローニングさ
れており、例えばマウス由来のGFATはヒト由来GF
ATと塩基レベルで91%、アミノ酸レベルで98.6
%と高い相同性を示す〔ジーン(Gene), 140, 289-290
(1994)〕。他に酵母由来GFAT〔ジャーナル・オブ
・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),
264, 8753-8758 (1989)〕や大腸菌由来GFAT〔バイ
オケミカル・ジャーナル(Biochem. J.), 224, 779-81
5 (1984)〕も報告されているが、いずれもヒトGFAT
に高い相同性を示し、新規なGFATの存在については
全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】GFAT活性を示す新
たなタンパク質の単離は、ヘキソサミン生合成経路にお
けるGFATによる調節機能の解明、また臓器特異的に
発現していれば臓器別の糖代謝系機構の解明について一
層詳細な究明を可能にし、また該GFATタンパク質に
対して阻害活性を有する特異的な薬剤が見い出されれ
ば、副作用の少ない糖尿病疾患の予防や治療に役立つ新
たな作用メカニズムを有する血糖低下薬の開発が期待で
きる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒト脳由来
cDNAライブラリーから、新規な塩基配列を有するc
DNAをクローニングすることに成功し、それにコード
されるタンパク質がGFAT活性を示すことを見いだし
た。本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに検討
を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を有するタンパク質またはその塩、
(2)配列番号:2もしくは配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列またはそれらと実質的に同一のアミノ酸配
列を有する第(1)項記載のタンパク質、(3)グルタ
ミン:フルクトース−6−リン酸 アミドトランスフェ
ラーゼ活性を有する第(1)項または第(2)項記載の
タンパク質、(4)第(1)項記載のタンパク質の部分
ペプチドまたはその塩、(5)第(1)項記載のタンパ
ク質または第(4)項記載の部分ペプチドをコードする
塩基配列を有するDNAを含有するDNA、(6)配列
番号:4で表わされる塩基配列を有する第(5)項記載
のDNA、(7)配列番号:5または配列番号:6で表
わされる塩基配列を有する第(5)項記載のDNA、
(8)第(5)項記載のDNAを含有する組換えベクタ
ー、(9)第(8)項記載の組換えベクターで形質転換
された形質転換体、(10)第(9)項記載の形質転換
体を培養し、第(1)項記載のタンパク質またはその塩
を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする
第(1)項記載のタンパク質またはその塩の製造方法、
(11)第(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載
の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医薬、
(12)低血糖症の治療・予防剤である第(11)項記
載の医薬、(13)第(5)項記載のDNAを含有して
なる医薬、(14)低血糖症の治療・予防剤である第
(13)項記載の医薬、
【0008】(15)第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体、(16)第(1)項記載のタンパク質、第(4)
項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを
特徴とする第(1)項記載のタンパク質またはその塩の
酵素活性(例、GFAT活性)を阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、(17)第(1)項記載
のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそ
れらの塩を含有する第(1)項記載のタンパク質または
その塩の酵素活性(例、GFAT活性)を阻害する化合
物またはその塩のスクリーニング用キット、(18)第
(16)項記載のスクリーニング方法または第(17)
項記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、第
(1)項記載のタンパク質またはその塩の酵素活性
(例、GFAT活性)を阻害する化合物またはその塩、
(19)第(16)項記載のスクリーニング方法または
第(17)項記載のスクリーニング用キットを用いて得
られる、第(1)項記載のタンパク質またはその塩の酵
素活性(例、GFAT活性)を阻害する化合物またはそ
の塩を含有してなる医薬、および(20)糖尿病の治療
・予防剤である第(19)項記載の医薬を提供する。
【0009】さらに、本発明は、(21)配列番号:
7、配列番号:8または配列番号:9で表わされるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
有する第(4)項記載の部分ペプチド、(22)配列番
号:5または配列番号:6で表わされる塩基配列とハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列を有するDNAを含有するDNA、(23)第(2
2)項記載のDNAを含有する組換えベクター、(2
4)第(23)項記載の組換えベクターで形質転換され
た形質転換体、(25)第(24)項記載の形質転換体
を培養し、第(22)項記載のDNAにコードされるタ
ンパク質を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特
徴とする第(22)項記載のDNAにコードされるタン
パク質またはその塩の製造方法、(26)第(25)項
記載の製造法で製造される、第(22)項記載のDNA
にコードされるタンパク質またはその塩、(27)第
(15)項記載の抗体と、被検液および標識化された第
(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩とを競合的に反応させ、該抗体に
結合した標識化された第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の割合を
測定することを特徴とする被検液中の第(1)項記載の
タンパク質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれ
らの塩の定量法、(28)被検液と担体上に不溶化した
第(15)項記載の抗体および標識化された別の第(1
5)項記載の抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
徴とする被検液中の第(1)項記載のタンパク質、第
(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩の定量
法、
【0010】(29)第(15)項記載の抗体(好まし
くは、第(1)項記載のタンパク質の活性を中和する活
性を有する第(15)項記載の抗体)を含有してなる医
薬、(30)糖尿病の治療・予防剤である第(33)項
記載の医薬、(31)(i)第(1)項記載のタンパク
質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩に
基質を接触させた場合と(ii)第(1)項記載のタンパ
ク質、第(4)項記載の部分ペプチドまたはそれらの塩
に基質および試験化合物を接触させた場合における、第
(1)項記載のタンパク質、第(4)項記載の部分ペプ
チドまたはそれらの塩の酵素活性を測定して、比較する
ことを特徴とする第(1)項記載のタンパク質またはそ
の塩の酵素活性(例、GFAT活性)を阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、(32)第(5)
項または第(22)項記載のDNAに相補的または実質
的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し
得る作用を有するアンチセンスDNA、(33)第
(5)項または第(22)項記載のDNAに実質的に相
補的な塩基配列が、該DNAに相補的な塩基配列の全塩
基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上(好ましく
は約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上)の相同性を有する塩基配列であ
る第(32)項記載のアンチセンスDNA、(34)第
(32)項記載のアンチセンスDNAを含有してなる医
薬、および(35)糖尿病の治療・予防剤である第(3
4)項記載の医薬を提供する。
【0011】本発明のタンパク質は、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列(配列番号:2もしくは図1で示
されるアミノ酸配列の第1番目〜425番目のアミノ酸
配列、または、配列番号:3もしくは図2で示されるア
ミノ酸配列の第1番目〜425番目のアミノ酸配列)ま
たはそれらと実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質である。本発明のタンパク質は、例えば、ヒト
や温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニ
ワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあ
らゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、
膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハ
ンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細
胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マク
ロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、
肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核
球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら
細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)、また
はそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、
脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底核、海馬、視
床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭
葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂
体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立
腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに
由来するタンパク質であってもよく、また合成タンパク
質であってもよい。
【0012】配列番号:1と実質的に同一のアミノ酸配
列としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と約80%以上、好ましくは約85%以上、より
好ましくは約90%以上、もっとも好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号:1と実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質としては、前記した配列番号:1と
実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に
同質の活性を有するタンパク質などが用いられる。実質
的に同質の活性としては、例えば、GFAT活性などが
挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的
に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質である
ことを示す。したがって、GFAT活性などの活性が同
様(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5倍
〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子
量などの量的要素は異なっていてもよい。GFAT活性
の測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができ
る。例えば、後述する医薬候補化合物のスクリーニング
方法に従って測定することができる。また、本発明のタ
ンパク質としては、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは1〜30個程
度、より好ましくは1〜20個程度、さらに好ましくは
1〜10個程度、最も好ましくは数個(例、1〜5
個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは1〜30個程度、より好ましくは1〜20
個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、最も好まし
くは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中
の1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、より
好ましくは1〜20個程度、さらに好ましくは1〜10
個程度、最も好ましくは数個(例、1〜5個))のアミ
ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸を含有するタンパク質
なども用いられる。
【0013】本発明の配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク
質のより好ましいものとしては、例えば、配列番号:2
で表わされるアミノ酸配列(図1のアミノ酸配列)と実
質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質、または
配列番号:3(図2のアミノ酸配列)で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質などが用いられる。配列番号:2と表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例え
ば、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と約80%
以上、好ましくは約85%以上、より好ましくは約90
%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などが用いられ、特に、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列を有し、かつ、配列番号:2で表
わされるアミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約8
5%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましく
は約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが好
ましい。本発明の配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
としては、前記した配列番号:2で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:
2で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実
質的に同質の活性を有するタンパク質などが用いられ
る。実質的に同質の活性としては、例えば、GFAT活
性などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性
が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同
質であることを示す。したがって、GFAT活性などの
活性が同様(例、約0.01〜100倍、好ましくは約
0.5倍〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)で
あることが好ましいが、これらの活性の程度やタンパク
質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。GF
AT活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なうこと
ができる。例えば、後述する医薬候補化合物のスクリー
ニング方法に従って測定することができる。
【0014】また、本発明のタンパク質としては、配
列番号:2で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは1〜30個程度、より好ましくは1〜
20個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、最も好
ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、よ
り好ましくは1〜20個程度、さらに好ましくは1〜1
0個程度、最も好ましくは数個(例、1〜5個))のア
ミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:2で表わ
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは
1〜30個程度、より好ましくは1〜20個程度、さら
に好ましくは1〜10個程度、最も好ましくは数個
(例、1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミ
ノ酸を含有するタンパク質なども用いられる。
【0015】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列と約80%以上、好ま
しくは約85%以上、より好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配
列などが用いられ、特に、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列を有し、かつ、配列番号:3で表わされるア
ミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約85%以上、
より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などが好ましい。本
発明の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、
前記した配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:2で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質
の活性を有するタンパク質などが用いられる。実質的に
同質の活性としては、例えば、GFAT活性などが挙げ
られる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に
(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であるこ
とを示す。したがって、GFAT活性などの活性が同様
(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5倍〜
20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが
好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。GFAT活性の
測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができる。
例えば、後述する医薬候補化合物のスクリーニング方法
に従って測定することができる。
【0016】また、本発明のタンパク質としては、配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは1〜30個程度、より好ましくは1〜
20個程度、さらに好ましくは1〜10個程度、最も好
ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは1〜30個程度、よ
り好ましくは1〜20個程度、さらに好ましくは1〜1
0個程度、最も好ましくは数個(例、1〜5個))のア
ミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:3で表わ
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは
1〜30個程度、より好ましくは1〜20個程度、さら
に好ましくは1〜10個程度、最も好ましくは数個
(例、1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミ
ノ酸を含有するタンパク質なども用いられる。上記のよ
うにアミノ酸配列が欠失、付加または置換されている場
合、その欠失、付加または置換の位置としては、特に限
定されないが、例えば、配列番号:2または配列番号:
3で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜425番目の
アミノ酸配列(すなわち、配列番号:1で表わされるア
ミノ酸配列)以外の位置などが挙げられる。
【0017】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端が通常カルボキ
シル基(−COOH)またはカルボキシレート(−CO
-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)であってもよい。ここでエステ
ルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などが用いられる。本発明のタンパク質がC末端以外に
カルボキシル基(またはカルボキシレート)を有してい
る場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化さ
れているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明のタンパク質に
は、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のア
ミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基など
のC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護
されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグ
ルタミル基がピログルタミル化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミ
ノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で
保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる
糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。本
発明のタンパク質の具体例としては、例えば、配列番
号:2で表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来タン
パク質TGC028−3(図1)または配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列を有するヒト由来タンパク質T
GC028−4(図2)などが用いられる。
【0018】本発明のタンパク質の部分ペプチドとして
は、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであれ
ば何れのものであってもよいが、例えば、本発明のタン
パク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも10個以
上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以
上のアミノ酸配列を有するペプチドであって、好ましく
は、GFAT活性を有するものなどが用いられる。本発
明の部分ペプチドの具体例としては、例えば、配列番
号:7(配列番号:2または配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列の第1番目〜第149番目のアミノ酸配
列)、配列番号:8(配列番号:2または配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列の第150番目〜第270番
目のアミノ酸配列)または(および)配列番号:9(配
列番号:2または配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列の第271番目〜第425番目のアミノ酸配列)で表
わされるアミノ酸配列を有する部分ペプチドなどが用い
られる。より具体的には、本発明の部分ペプチドとして
は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目
〜270番目のアミノ酸配列(すなわち配列番号:7で
表わされるアミノ酸配列および配列番号:8で表わされ
るアミノ酸配列を有するアミノ酸配列)、または配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列の第150番目〜42
5番目のアミノ酸配列などを有する部分ペプチドなどが
用いられる。
【0019】また、本発明の部分ペプチドとしては、
配列番号:7、配列番号:8または配列番号:9で表わ
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜
20個、好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(例、1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、配列番号:7、配列番号:8または配列番号:
9で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(例え
ば1〜20個、好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:7、配列番号:8または配列
番号:9で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以
上(例えば1〜20個、好ましくは1〜10個程度、さ
らに好ましくは数個(例、1〜5個))のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれら
を組み合わせたアミノ酸を含有する部分ペプチドなども
用いられる。また、本発明の部分ペプチドは、C末端が
通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレ
ート(−COO-)であるが、前記した本発明のタンパク
質のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)であってもよい。さらに、本発明
の部分ペプチドには、前記した本発明のタンパク質と同
様に、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)の
アミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体
内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミル化
したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な
保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合した
いわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれ
る。本発明の部分ペプチドは抗体作成のための抗原とし
て用いることができるので、必ずしもGFAT活性を有
する必要はない。
【0020】本発明のタンパク質または部分ペプチドの
塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有
機酸)や塩基(例、アルカリ金属)などとの塩が用いら
れ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。本発明のタンパク質、部
分ペプチドまたはそれらの塩は、前述したヒトや温血動
物の細胞または組織から自体公知のタンパク質またはペ
プチドの精製方法によって製造することもできるし、後
述するタンパク質または部分ペプチドをコードするDN
Aを含有する形質転換体を培養することによっても製造
することができる。また、後述のペプチド合成法または
これに準じる方法に従って製造することもできる。本発
明のタンパク質、部分ペプチドまたはそれらの塩をヒト
や温血動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや
温血動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸な
どで抽出を行ない、該抽出液を、塩析や溶媒沈澱法など
の溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ
過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交
換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、
アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性
を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなど
の疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの
等電点の差を利用する方法などを組み合わせることによ
り精製単離することができる。本発明のタンパク質、部
分ペプチドもしくはそれらの塩、またはそれらのアミド
体の合成には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用い
ることができる。そのような樹脂としては、例えばクロ
ロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリル
アミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベ
ンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミ
ン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニ
ルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、
4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)
フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fm
ocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることがで
きる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質
または部分ペプチドの配列通りに、自体公知の各種縮合
方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂か
らタンパク質または部分ペプチドを切り出すと同時に各
種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスル
フィド結合形成反応を実施し、目的のタンパク質、部分
ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。
【0021】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボ
ジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)
カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化
にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)ととも
に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称
酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルと
してあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に、
樹脂に添加することができる。保護アミノ酸の活性化や
樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮
合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選
択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,
N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
などの酸アミド、塩化メチレン,クロロホルムなどのハ
ロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのア
ルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類、DMF、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリ
ルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエ
ステル類、あるいはこれらの適宜の混合物などが用いら
れる。反応温度はタンパク質結合形成反応に使用され得
ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−
20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化され
たアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられ
る。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不
十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を
繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。
反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、
無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応ア
ミノ酸をアセチル化して、後の反応に影響を及ぼさない
ようにすることができる。
【0022】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えばアルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−ア
ダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル
エステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジ
ルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキ
シベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベ
ンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベ
ンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカ
ルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによ
って保護することができる。セリンの水酸基は、例え
ば、エステル化またはエーテル化によって保護すること
ができる。このエステル化に適する基としては、例えば
アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基な
どのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用い
られる。また、エーテル化に適する基としては、例え
ば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基
などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護基と
しては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、
Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミ
ダゾールの保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-
トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシ
メチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0023】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd黒あるいはPd-炭素など
の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、
無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合
液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、
トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる
塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元
なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般
に約−20℃〜40℃の温度で行われるが、酸処理にお
いてはアニソール、フェノール、チオアニソール、メタ
クレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,
4-ブタンジチオール、1,2-エタンジチオールのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェ
ニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプト
ファンのインドール保護基として用いられるホルミル基
は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオール
などの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナ
トリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理に
よっても除去される。
【0024】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手
段から適宜選択しうる。本発明のタンパク質またはその
部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、ま
ず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をア
ミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド鎖(タン
パク質鎖)を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖
のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク
質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したタ
ンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記したよう
な混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については
上記と同様である。縮合により得られた保護タンパク質
を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去
し、所望の粗タンパク質を得ることができる。この粗タ
ンパク質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要
画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質またはその
部分ペプチドのアミド体を得ることができる。本発明の
タンパク質またはその部分ペプチドのエステル体を得る
には、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を
所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした
後、タンパク質または部分ペプチドのアミド体と同様に
して、所望のタンパク質またはその部分ペプチドのエス
テル体を得ることができる。
【0025】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、自
体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明の
タンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによっ
て製造することができる。ペプチドの合成法としては、
例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良
い。すなわち、目的とするペプチドを構成し得る部分ペ
プチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成
物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより
目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方
法や保護基の脱離としては、例えば、以下の〜に記
載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて、目的のペプチドを精製単
離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊
離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩
で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって遊離体または他の塩に変換することができ
る。
【0026】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、前述した本発明のタンパク質をコードする塩基
配列を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、
前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組
織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれで
もよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より
totalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用い
て直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain React
ion(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅す
ることもできる。具体的には、本発明の配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードす
るDNAとしては、例えば、配列番号:4で表わされ
る塩基配列を有するDNAまたは配列番号:4で表わ
される塩基配列にハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
を有するタンパク質と実質的に同質の活性(例、GFA
T活性など)を有するタンパク質をコードする塩基配列
を含有するDNAであれば何れのものでもよい。配列番
号:4で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例え
ば、配列番号:4で表わされる塩基配列と約80%以
上、好ましくは約85%以上、より好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0027】本発明の配列番号:2で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:5で表わされる塩基配列を有
するDNA、または配列番号:5で表わされる塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
し、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質と実質的に同質の活性(例、GFAT活性な
ど)を有するタンパク質をコードする塩基配列を含有す
るDNAであれば何れのものでもよい。配列番号:5で
表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番
号:5で表わされる塩基配列と約80%以上、好ましく
は約85%以上、より好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。本発明の配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードす
るDNAとしては、例えば、配列番号:6で表わされ
る塩基配列を有するDNA、または配列番号:6で表
わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズし、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列を有するタンパク質と実質的に同質の活性(例、GF
AT活性など)を有するタンパク質をコードする塩基配
列を含有するDNAであれば何れのものでもよい。配列
番号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例え
ば、配列番号:6で表わされる塩基配列と約80%以
上、好ましくは約85%以上、より好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0028】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook
etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行なうことができる。また、市販
のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記
載の方法に従って行なうことができる。より好ましく
は、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが
できる。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナ
トリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜
20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60
〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19
mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体
的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するタンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:4で表わされる塩基配列を有するDNAを含有する
DNAなどが用いられる。配列番号:2で表わされるア
ミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAと
しては、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するD
NAを含有するDNAなどが用いられる。配列番号:3
で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコー
ドするDNAとしては、配列番号:6で表わされる塩基
配列を有するDNAなどが用いられる。
【0029】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを
用いて直接RT-PCR法によって増幅することもでき
る。具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:5または配列番
号:6で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基
配列を有するDNA、または配列番号:5または配列
番号:6で表わされる塩基配列とハイストリンジェント
な条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明
のタンパク質と実質的に同質の活性(例、GFAT活性
など)を有する部分ペプチドをコードするDNAの部分
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。 配列番
号:5または配列番号:6で表わされる塩基配列とハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
5または配列番号:6で表わされる塩基配列と約80%
以上、好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95
%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなど
が用いられる。
【0030】より具体的には、本発明の配列番号:7で
表わされるアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコード
するDNAとしては、例えば、配列番号:10で表わ
される塩基配列を有するDNA、または配列番号:1
0で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAなどが
用いられる。配列番号:10で表わされる塩基配列とハ
イストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるD
NAとしては、例えば、配列番号:10で表わされる塩
基配列と約80%以上、好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含
有するDNAなどが用いられる。本発明の配列番号:8
で表わされるアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコー
ドするDNAとしては、例えば、配列番号:11で表
わされる塩基配列を有するDNA、または配列番号:
11で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAなど
が用いられる。配列番号:11で表わされる塩基配列と
ハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番
号:11で表わされる塩基配列と約80%以上、好まし
くは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同
性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。
【0031】本発明の配列番号:9で表わされるアミノ
酸配列を有する部分ペプチドをコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:12で表わされる塩基配列を
有するDNA、または配列番号:12で表わされる塩
基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズする塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列
番号:12で表わされる塩基配列とハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例
えば、配列番号:12で表わされる塩基配列と約80%
以上、好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95
%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなど
が用いられる。ハイブリダイゼーションの方法およびハ
イストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いら
れる。上記のなかでも、本発明の配列番号:7で表わさ
れるアミノ酸配列を有する部分ペプチドをコードするD
NAとしては、例えば、配列番号:10で表わされる塩
基配列を有するDNAなどが用いられる。本発明の配列
番号:8で表わされるアミノ酸配列を有する部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:1
1で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。本発明の配列番号:9で表わされるアミノ酸配列を
有する部分ペプチドをコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:12で表わされる塩基配列を有するDN
Aなどが用いられる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のタンパク質またはその部
分ペプチド(以下、本発明のタンパク質と略記する場合
がある)をコードするDNAのクローニングの手段とし
ては、(1)本発明のタンパク質をコードするDNAの
部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて、
PCR法によって前記DNAライブラリー等から目的と
するDNAを増幅するか、または(2)適当なベクター
に組み込んだDNAと、本発明のタンパク質の一部ある
いは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNA
を標識したものとのハイブリダイゼーションによって選
別すること、などが挙げられる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab.Press, 1989)に記載の方法などに従
って行われる。また、市販のライブラリーを使用する場
合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうこと
ができる。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
は、自体公知のオリゴヌクレオチドの合成法に従って製
造することもできる。DNAの塩基配列の変換(欠失・
付加・置換)は、公知のキット、例えば、MutanTM-G
(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))などを
用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの自体公知の
方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことが
できる。クローン化された本発明のタンパク質をコード
するDNAは、目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。本発明のタンパク質をコードするDNA
の発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のタンパク質
をコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出
し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロ
モーターの下流に連結することにより製造することがで
きる。
【0033】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プ
ロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げられ
る。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモータ
ー、AOX1プロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫
細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10
プロモーターなどが好ましい。
【0034】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニー
ズハムスター細胞CHOを用いてdhfr遺伝子を選択
マーカーとして使用する場合、目的遺伝子で形質転換さ
れた細胞をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、タンパク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、アルカリフォスファターゼ・シ
グナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、例えばイ
ンシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シ
グナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利
用できる。このようにして構築された本発明のタンパク
質をコードするDNAを含有するベクターを細胞に導入
することによって形質転換体を製造することができる。
【0035】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12 DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)〕,120
巻,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.),
41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティッ
クス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが
用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス
・サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン
(Gene),24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0036】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(in Viv
o),13巻, 213−217(1977))などが用いら
れる。昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用い
られる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,5
92(1985)〕。動物細胞としては、例えば、サル細
胞COS−7,Vero細胞,チャイニーズハムスター
細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝
子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CH
O(dhfr-)細胞と略記),マウスL細胞,マウス
AtT−20細胞,マウスミエローマ細胞,ラットGH
3細胞,ヒトFL細胞,293細胞,C127細胞,B
ALB/3T3細胞,Sp−2細胞などが用いられる。
これらの中でも、CHO細胞、CHO(dhfr-)細
胞、293細胞などが好ましい。
【0037】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929(1978)などに記載
の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆
虫を形質転換するには、例えばバイオ/テクノロジー
(Bio/Technology),6, 47-55(1988)などに記載の方
法に従って行なわれる。動物細胞を形質転換するには、
例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコー
ル.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィ
ロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記
載の方法に従って行なうことができる。発現ベクターの
細胞への導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム
法〔Graham, F. L. and van der Eb, A. J.ヴィロロジ
ー(Virology) 52, 456-467(1973)〕、電気穿孔法
〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO J.)
1,841-845(1982)〕等が挙げられる。このようにし
て、本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する
発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
【0038】なお、動物細胞を用いて、本発明のタンパ
ク質を安定に発現させる方法としては、上記の動物細胞
に導入された発現ベクターが染色体に組み込まれた細胞
をクローン選択によって選択する方法がある。具体的に
は、上記の選択マーカーを指標にして形質転換体を選択
する。さらに、このように選択マーカーを用いて得られ
た動物細胞に対して、繰り返しクローン選択を行なうこ
とにより本発明のタンパク質の高発現能を有する安定な
動物細胞株を得ることができる。また、dhfr遺伝子
を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を徐々に
上げて培養し、耐性株を選択することにより、dhfr
遺伝子とともに、本発明のタンパク質をコードするDN
Aを細胞内で増幅させて、さらに高発現の動物細胞株を
得ることもできる。上記の形質転換体を本発明のタンパ
ク質をコードするDNAが発現可能な条件下で培養し、
本発明のタンパク質を生成、蓄積せしめることによっ
て、本発明のタンパク質またはその塩を製造することが
できる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である
形質転換体を培養する際、培養に使用される培地として
は液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生
育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめ
られる。炭素源としては、例えばグルコース、デキスト
リン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例え
ばアンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカ
ー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイシ
ョ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては例
えば塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マ
グネシウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、ビタ
ミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のp
Hは約5〜8が望ましい。
【0039】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば3β−インドリル ア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行い、必要により通気や撹拌を加えること
もできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約3
0〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や
撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質転換
体を培養する際、培地としては、例えば、バークホール
ダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プ
ロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(1
980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bi
tter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・
ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),8
1巻,5330(1984)〕が挙げられる。培地のp
Hは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約2
0℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて
通気や撹拌を加える。
【0040】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、例えば、Grace's Inse
ct Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,
788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を
適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.
2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27
℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加
える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、
培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含
むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,5
01(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Viro
logy),8巻,396(1959)〕,RPMI 164
0培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカ
ル・アソシエーション(J. Amer. Med. Ass.)199
巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング
・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカ
ル・メディスン(Proc. Soc. Biol. Med.),73巻,
1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であ
るのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15
〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
特に、CHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺伝子
を選択マーカーとして用いる場合、チミジンをほとんど
含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地を用いる
のが好ましい。以上のようにして、形質転換体に本発明
のタンパク質を生成せしることができる。
【0041】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば下記の方法により行なうことがで
きる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から
抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるい
は細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、
リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あ
るいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により本発
明のタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用い得
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク
質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が
含まれていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌され
る場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あ
るいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このよう
にして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる
本発明のタンパク質の精製は、自体公知の分離・精製法
を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公
知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶
解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過
法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換
クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、ア
フィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を
利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの
疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等
電点の差を利用する方法などが用いられる。かくして得
られる本発明のタンパク質が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって
塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自
体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体
または他の塩に変換することができる。なお、組換え体
が産生する本発明のタンパク質を、精製前または精製後
に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に
修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去すること
もできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシ
ン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、
プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられ
る。かくして生成する本発明のタンパク質の存在または
活性は、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイな
どにより検出または測定することができる。
【0042】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質等と略記す
る)に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分ペ
プチドまたはそれらの塩を認識し得る抗体であれば、ポ
リクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであって
もよい。さらには、本発明のタンパク質等に対する抗体
は、本発明のタンパク質等の活性を中和する活性を有す
るものであってもよい。本発明のタンパク質等に対する
抗体は、本発明のタンパク質等を抗原として用い、自体
公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造すること
ができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質等は、温血動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる
温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モル
モット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙
げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられ
る。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗
原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の
認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓ま
たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血
清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化タンパク
質等と抗血清とを反応させた後、抗体に結合した標識剤
の活性を測定することにより行なうことができる。融合
操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの
方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い
実施することができる。融合促進剤としては、例えば、
ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルス
などが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、S
P2/0、AP−1などの温血動物の骨髄腫細胞などが
挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いら
れる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好
ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好
ましくは、PEG1000〜PEG6000)が約10
〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ま
しくは約30〜37℃で1〜10分間インキュベートす
ることにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0043】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、タンパク質等の抗原を直接あるいは担体とともに吸
着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドー
マ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識
した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞
がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いら
れる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノ
クローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体
またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ
培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタ
ンパク質等を加え、固相に結合したモノクローナル抗体
を検出する方法などが挙げられる。モノクローナル抗体
の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って
行なうことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用
培地で行なうことができる。選別および育種用培地とし
ては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのよう
な培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましく
は10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI1640培
地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純
薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培
地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いるこ
とができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましく
は約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好
ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸
ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清
の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にし
て測定できる。
【0044】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は通常のポリクローナル
抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロ
テインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により
抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的
精製法〕に従って行なうことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(タンパク質等の抗原)とキャリアー蛋白質との
複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と
同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明
のタンパク質等に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造できる。温血動物を免
疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質と
の複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリ
アーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて
免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、ど
の様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例え
ば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカップルさせる方法が
用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタル
アルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステ
ル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エス
テル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対
して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、
希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を
高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロ
イントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約
2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれ
る。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温
血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取する
ことができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定
は、上記ハイブリドーマ培養上清の抗体価の測定と同様
にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、
上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロ
ブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0046】本発明のタンパク質またはその部分ペプチ
ドをコードする塩基配列を含有するDNAまたはmRN
A(以下、本発明のDNAまたはmRNAと略記する)
に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有する
アンチセンスDNAとしては、本発明のDNAまたはm
RNAに相補的、または実質的に相補的な塩基配列を有
し、本発明のタンパク質等の発現を抑制し得る作用を有
するオリゴヌクレオチドまたはその誘導体であれば、い
ずれのアンチセンスDNAであってもよい。本発明のD
NAまたはmRNAに実質的に相補的な塩基配列とは、
例えば、本発明のDNAまたはmRNAに相補的な塩基
配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配
列あるいは部分塩基配列と約80%以上、好ましくは約
85%以上、より好ましくは約90%以上、最も好まし
くは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが挙げ
られる。特に、本発明のDNAまたはmRNAの相補鎖
の全塩基配列うち、本発明のタンパク質等のN末端部位
をコードする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近
の塩基配列など)の相補鎖と約80%以上、好ましくは
約85%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアンチセンスDN
Aが好適である。これらのアンチセンスDNAは、公知
のDNA合成装置などを用いて製造することができる。
【0047】本発明のタンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩は、例えば、ヘキソサミン生合成経路に
おいてフルクトース−6−リン酸とグルコサミン−6リ
ン酸との変換反応を触媒するGFAT活性などの作用を
有しており、特に、フルクトース−6−リン酸をグルコ
サミン−6−リン酸に変換するGFAT活性が相対的に
強いタンパク質である。したがって、本発明のタンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩はさまざまな用
途に用いることができる。以下に、本発明のタンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、本発明
のタンパク質等と略記する)、本発明のタンパク質等を
コードするDNA(以下、本発明のDNAと略記す
る)、本発明のタンパク質等に対する抗体(以下、本発
明の抗体と略記する)およびアンチセンスDNAの用途
を説明する。
【0048】(1)医薬 本発明のタンパク質等または本発明のDNAは、例え
ば、GFATをコードする遺伝子の欠損やそれに起因す
る疾病あるいはGFATの機能の低下やそれに起因する
疾病(例、低血糖症など)などの治療・予防剤などの医
薬として有用である。例えば、生体内においてGFAT
が減少あるいは欠損しているために、細胞における、G
FAT活性が十分に、あるいは正常に発揮されない患者
がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与
し、生体内で本発明のタンパク質等を発現させることに
よって、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明
のタンパク質等を発現させた後に、該細胞を患者に移植
することによって、(ハ)本発明のタンパク質等を該患
者に投与することなどによって、該患者における本発明
のタンパク質等の役割を十分に、あるいは正常に発揮さ
せることができる。本発明のタンパク質等を上記の医薬
として使用する場合は、例えば、必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
本発明のタンパク質等を生理学的に認められる担体、香
味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤など
とともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用
量形態で混和することによって製造することができる。
これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当
な容量が得られるようにするものである。本発明のDN
Aを用いる場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイ
ルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイル
スアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベク
ターに挿入した後、常套手段に従って実施することがで
きる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促
進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とと
もに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよ
うなカテーテルによって投与できる。本発明のタンパク
質等を上記の治療・予防剤として使用する場合は、少な
くとも90%、好ましくは95%以上、より好ましく9
8%以上、さらに好ましくは99%以上に精製されたも
のを使用するのが好ましい。
【0049】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は、注射用水のようなベヒクル中の活
性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油な
どを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従っ
て処方することができる。注射用の水性液としては、例
えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等
張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、
塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液
としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶
解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール
などと併用してもよい。また、上記の治療・予防剤に
は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存
剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、
酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液な
どの医薬組成物は、通常、適当なアンプルに充填され
る。本発明のDNAが挿入されたベクターも上記と同様
に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
【0050】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。本発明のタンパク質等の投与量は、対象疾
患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例
えば、低血糖症の治療目的で本発明のタンパク質等を経
口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)にお
いては、一日につき該タンパク質等を約0.1mg〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する
場合は、該タンパク質等の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、低血糖症の治療
目的で本発明のタンパク質等を注射剤の形で成人(体重
60kgとして)に投与する場合、一日につき該タンパ
ク質等を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.
1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg
程度を患部に注射することにより投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。本発明のDNAも上記と同様
にして使用することができる。
【0051】(2)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモ
ット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)における本発明のタンパク質等をコード
するDNAまたはmRNA(以下、本発明のDNAまた
はmRNAと略記)の異常(遺伝子異常)を検出するこ
とができるので、例えば、本発明のDNAまたはmRN
Aの損傷、欠損、突然変異あるいは発現低下や、該DN
AまたはmRNAの増加あるいは発現過多などを検出す
るための遺伝子診断剤として有用である。本発明のDN
Aを用いて上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノ
ーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法
(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874−879
(1989)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエ
スエー(Proc. Natl. Acad.Sci. USA),第86巻,2
766−2770(1989))などにより実施するこ
とができる。例えば、ノーザンハイブリダイゼーション
により該mRNAの発現過多が検出された場合は、例え
ば、糖尿病などの疾病であるか、または将来罹患する可
能性が高いと診断することができる。一方、ノーザンハ
イブリダイゼーションにより該mRNAの発現低下が検
出された場合は、例えば、低血糖症などの疾病である
か、または将来罹患する可能性が高いと診断することが
できる。また、PCR−SSCP法によりDNAの突然
変異が検出された場合は、例えば、低血糖症、糖尿病な
どの疾病であるか、または将来罹患する可能性が高いと
診断することができる。
【0052】(3)本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩の定量 本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩に対する抗体は、本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩(以下、本発明のタンパク質等と
略記する)を特異的に認識することができるので、被検
液中の本発明のタンパク質等の定量、特にサンドイッチ
免疫測定法による定量などに使用することができる。す
なわち、本発明は、(i)本発明のタンパク質等に対す
る抗体と、被検液および標識化された本発明のタンパク
質等とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化さ
れた本発明のタンパク質等の割合を測定することを特徴
とする被検液中の本発明のタンパク質等の定量法、およ
び(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体およ
び標識化された別の本発明の抗体とを同時あるいは連続
的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測
定することを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質
等の定量法を提供する。上記(ii)の定量法において
は、一方の抗体が本発明のタンパク質等のN端部を認識
する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質等のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0053】また、本発明のタンパク質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、抗タンパク質抗体と称する場合
がある)を用いて本発明のタンパク質等の定量を行なえ
るほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。
これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、
また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいはFa
b画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発明の
タンパク質等の定量法は、 特に制限されるべきもので
はなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質量)
に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を
化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の
抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出す
る測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例
えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法お
よびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異
性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤と
しては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発
光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例
えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕など
が用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大き
なものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β
−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオ
キシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍
光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレ
ッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質
としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ル
シフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗
体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン
系を用いることもできる。
【0054】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロー
ス、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹
脂、あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法に
おいては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検
液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発
明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)た後、
不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検
液中の本発明のタンパク質量等を定量することができ
る。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、
同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよ
い。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じ
ることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定
法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられ
る抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を
向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用い
てもよい。本発明のサンドイッチ法による本発明のタン
パク質等の測定法においては、1次反応と2次反応に用
いられるモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質等
の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。
すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体
は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタ
ンパク質等のC端部を認識する場合、1次反応で用いら
れる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認
識する抗体が用いられる。
【0055】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させた後、未反応の標識抗原
(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定することに
より、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗
体として可溶性抗体を用い、B/F分離にはポリエチレ
ングリコールを用いるが、これ以外に前記抗体に対する
第2抗体などを用いる液相法、さらに、第1抗体として
固相化抗体を用いる固相化法、あるいは第1抗体に可溶
性抗体を用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化
法などがある。イムノメトリック法では、被検液中の抗
原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反
応させた後、固相と液相を分離するか、あるいは、被検
液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固
相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させた
後、固相と液相を分離し、いずれかの相の標識量を測定
し被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリー
では、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じ
た不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が
僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレー
ザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好
適に用いられる。
【0056】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質等の測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in Enzymology」 Vol. 70(Immunoche
mical Techniques(Part A))、 同書Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。以
上のようにして、本発明のタンパク質抗体を用いること
によって、本発明のタンパク質等を感度良く定量するこ
とができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発明の
タンパク質等の濃度を定量することによって、本発明の
タンパク質等が関与する種々の疾病の診断をすることが
できる。具体的には、本発明のタンパク質等の濃度の減
少が検出された場合は、例えば、低血糖症などの疾病の
可能性が高いと診断することができる。一方、本発明の
タンパク質等の濃度の増加が検出された場合は、例え
ば、糖尿病などの疾病の可能性が高いと診断することが
できる。このように、本発明の抗体は、上記疾患の診断
剤として有用である。さらに、本発明の抗体は、体液や
組織などの被検体中に存在する本発明のタンパク質等を
検出するために使用することができる。また、本発明の
タンパク質等を精製するために使用する抗体カラムの作
製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質等を検出す
るために使用することができる。
【0057】(4)本発明の抗体を含有する医薬 本発明の抗体のうち、本発明のタンパク質等に結合して
本発明のタンパク質等のGFAT活性を中和することが
できる抗体は、本発明のタンパク質等のGFAT活性を
阻害することができるので、例えば、糖尿病などの疾病
の治療・予防剤などの医薬として使用することができ
る。本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤
は、そのまま液剤として、または適当な剤形の医薬組成
物として、哺乳動物(例、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口
的または非経口的に投与することができる。投与量は、
投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても
異なるが、例えば、成人の糖尿病の治療・予防のために
使用する場合には、本発明のタンパク質等のGFAT活
性を中和する抗体を1回量として、通常0.01〜20
mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/k
g体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体
重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回
程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の
非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投
与することができる。症状が特に重い場合には、その症
状に応じて増量してもよい。本発明のタンパク質等のG
FAT活性を中和する本発明の抗体は、それ自体または
適当な医薬組成物として投与することができる。上記投
与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理
学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含
むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与
に適する剤形として提供される。すなわち、例えば、経
口投与のための組成物としては、固体または液体の剤
形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠
を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカ
プセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあ
げられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造
され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤も
しくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の
担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステア
リン酸マグネシウムなどが用いられる。
【0058】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方
法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射
剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁
または乳化することによって調製する。注射用の水性液
としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補
助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、
例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコー
ル(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお、前記した各組成物は、上記抗体との配合により好
ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有
してもよい。
【0059】(5)各種疾病に対する医薬候補化合物の
スクリーニング 本発明のタンパク質の酵素活性(例、GFAT活性)を
促進する化合物またはその塩は、例えば、低血糖症など
の各種疾病の治療・予防剤などの医薬として使用でき
る。一方、本発明のタンパク質の酵素活性を阻害する化
合物またはその塩は、例えば、糖尿病などの各種疾病の
治療・予防剤などの医薬として使用できる。したがっ
て、本発明のタンパク質等は、本発明のタンパク質の酵
素活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
リーニングのための試薬として有用である。すなわち、
本発明は、 (1)本発明のタンパク質等を用いることを特徴とする
本発明のタンパク質等の酵素活性(例、GFAT活性)
を促進または阻害する化合物またはその塩(以下、GF
AT促進剤またはGFAT阻害剤と略記する場合があ
る)のスクリーニング方法を提供し、より具体的には、
例えば、 (2)(i)本発明のタンパク質等に基質を接触させた
場合と(ii)本発明のタンパク質等に基質および試験化
合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とす
るGFAT促進剤またはGFAT阻害剤のスクリーニン
グ方法を提供する。具体的には、上記スクリーニング方
法においては、例えば、(i)と(ii)の場合におけ
る、本発明のタンパク質等のGFAT活性などを測定し
て、比較することを特徴とするものである。
【0060】基質としては、本発明のタンパク質等の基
質となり得るものであれば何れのものでもよく、通常、
フルクトース−6−リン酸およびグルタミンが用いられ
る。フルクトース−6−リン酸としては、放射線標識
(例、14C、3Hなど)したフルクトース−6−リン酸
などを用いるのが好適である。試験化合物としては、例
えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成
化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組
織抽出液、血漿などが挙げられ、これら化合物は新規な
化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよ
い。上記のスクリーニング方法を実施するには、本発明
のタンパク質等を、スクリーニングに適したバッファー
に懸濁することにより本発明のタンパク質等の標品を調
製する。バッファーには、pH約4〜10(望ましく
は、pH約6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸
バッファーなどの、本発明のタンパク質等と基質との結
合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。本
発明のタンパク質等のGFAT活性は公知の方法、例え
ば、Smithらの方法〔アナリティカル・バイオケミスト
リー(Analytical Biochemistry), 98, 478-480(197
9)〕に従って測定することができる。例えば、12μM
フルクトース−6−リン酸、5μM グルタミン、0.
2M リン酸バッファー(pH8.0)からなる混合液に
本発明のタンパク質等を添加した溶液を25℃で30分
間保温する。同溶液に0.5M塩酸を加え、98℃で2
時間反応させた後、2.5% NaNO2と12.5% N
43SNH2を添加し、さらに0.25% 2−メチル
−2−ベンゾチアゾロンを添加する。次に、0.5% Fe
Cl3を加えて、その溶液を650nmで吸光度を測定
し、生成されるグルコサミン−6−リン酸を定量する。
例えば、上記(ii)の場合におけるGFAT活性が上記
(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは約3
0%以上、より好ましくは約50%以上促進している場
合、該試験化合物を本発明のタンパク質等のGFAT活
性を促進する化合物として選択することができる。一
方、例えば、上記(ii)の場合におけるGFAT活性が
上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは
約30%以上、より好ましくは約50%以上阻害されて
いる場合、該試験化合物を本発明のタンパク質等のGF
AT活性を阻害する化合物として選択することができ
る。
【0061】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質等を含有するものである。本発明のスク
リーニング用キットの例としては、次のものが挙げられ
る。 〔スクリーニング用試薬〕 測定用緩衝液 0.2M リン酸バッファー(pH8.0) タンパク質標品 本発明のタンパク質またはその塩 基質 12μM フルクトース−6−リン酸、5μM グルタミ
ン 検出 650nmでの吸光度を測定する。 〔測定法〕12μM フルクトース−6−リン酸、5μ
M グルタミン、本発明のタンパク質またはその塩およ
び0.2M リン酸バッファー(pH8.0)からなる反
応液に試験化合物を添加した後、25℃で30分間保温
する。これに0.5M塩酸を加え、98℃で2時間加水
分解する。2.5%NaNO2と12.5%NH43SN
2を添加し、次いで0.25% 2−メチル−2−ベン
ゾチアゾロンを添加する。次に、0.5% FeCl3
添加した後、650nmで吸光度を測定する。
【0062】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物(例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液など)から選ば
れた化合物であり、本発明のタンパク質等の酵素活性
(例、GFAT活性)を促進または阻害する化合物であ
る。該化合物は、新規化合物であってもよいし、公知化
合物であってもよい。該化合物の塩としては、生理学的
に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、ア
ルカリ金属)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的
に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩として
は、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素
酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いら
れる。本発明のタンパク質等の酵素活性を促進する化合
物またはその塩は、例えば、低血糖症などの各種疾病に
対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として有
用である。本発明のタンパク質等の酵素活性を阻害する
化合物またはその塩は、例えば、糖尿病などの各種疾病
に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として
有用である。
【0063】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の医薬
として使用する場合、常套手段に従って実施することが
できる。例えば、前記した本発明のタンパク質等を含有
する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル
剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などと
することができる。このようにして得られる製剤は安全
で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒ
ト、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異は
あるが、例えば、低血糖症治療の目的で本発明のタンパ
ク質の酵素活性を促進する化合物を経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)においては、一日
につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回
投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、
例えば、低血糖症治療の目的で本発明のタンパク質の酵
素活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60
kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。一方、糖尿病治療の目的で本発明のタンパク質の酵
素活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)においては、一日につき該
化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、糖尿病治療の目的で本発明のタンパク質の酵素活性
を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgと
して)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0064】(6)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のタンパク質をコードするDNAまたはmRNA
に相補的な、本発明のタンパク質等の発現を抑制するこ
とができるアンチセンスDNAは、生体内において上記
の作用を発揮する本発明のタンパク質等の機能を抑制す
ることができる。したがって、該アンチセンスDNA
は、例えば糖尿病などの疾病の治療・予防剤などの医薬
として使用することができる。該アンチセンスDNAを
上記の医薬として使用する場合、前記した本発明のDN
Aを含有する各種疾病の治療・予防剤と同様にして製造
し、哺乳動物に投与することができる。例えば、該アン
チセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを
単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルス
ベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベ
クターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に
従って実施することができる。該アンチセンスDNA
は、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤など
の生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子
銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによっ
て投与できる。さらに、該アンチセンスDNAは、組織
や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を
調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして
使用することもできる。
【0065】(7)DNA転移動物 本発明は、外来性の本発明のタンパク質等をコードする
DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)また
はその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記す
る場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。す
なわち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたは
その変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト
哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)
ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の
動物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変
異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換え
ベクターを提供するものである。本発明の外来性DNA
またはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、
本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受
精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対
して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発
生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞
の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウ
ム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マ
イクロインジェクション法、パーティクルガン法、DE
AE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転
移することによって作出することができる。また、該D
NA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞な
どに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培
養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これ
ら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により
融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出す
ることもできる。
【0066】非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、
ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。な
かでも、病態動物モデル系の作成の面から個体発生およ
び生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ
歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57
BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6
C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BAL
B/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、
Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動物に
おいて発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」
としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどが挙げ
られる。本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が
本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳
動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。本発
明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配
列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体
的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生
じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれ
る。該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパク質
を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明の
タンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させるD
NAなどが用いられる。本発明の外来性DNAは、対象
とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来
のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に転
移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させ
うるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラク
トとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明
のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高い本
発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、
イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス
など)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの
下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンスト
ラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、
例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションする
ことによって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺
乳動物を作出することができる。
【0067】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)および
鳥類(ニワトリなど)由来のプロモーター、例えば、ア
ルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラス
ターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチ
ンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク質、グルタチオ
ンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケ
ラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およ
びII型、サイクリックAMP依存タンパク質キナーゼ
βIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アル
カリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内
皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略さ
れる)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素
(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽
鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティ
ナーゼ組織インヒビター1、MHCクラスI抗原(H−
2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵
素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ポリペプチド
鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよび
βミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基
礎タンパク質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロ
ブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコン
ポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αア
クチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなど
のプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高
発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモータ
ー、ヒトポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)の
プロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモー
ターなどが好適である。
【0068】上記ベクターは、DNA転移哺乳動物にお
いて目的とするmRNAの転写を終結する配列(一般に
ターミネーターと呼ばれる)を有していることが好まし
く、例えば、ウィルス由来、各種哺乳動物および鳥類由
来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、
シミアンウィルスのSV40ターミネーターなどが用い
られる。その他、目的とする外来性DNAをさらに高発
現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エ
ンハンサー領域、真核生物由来DNAのイントロンの一
部などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領
域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3´下流 に連結す
ることも目的により可能である。正常な本発明のタンパ
ク質の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、
ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラッ
ト、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維
芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブ
ラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、ま
たは肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来mRNA
より公知の方法により調製された相補DNAを原料とし
て取得することが出来る。また、外来性の異常DNA
は、上記の細胞または組織より得られた正常なタンパク
質の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領
域を作製することができる。該翻訳領域は転移動物にお
いて発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプ
ロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流
に連結させる通常の遺伝子工学的手法により作製するこ
とができる。受精卵細胞段階における本発明の外来性D
NAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の
すべてに本発明の外来性DNAが存在するように確保さ
れる。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本
発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代
がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明
の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外
来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽
細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有
する。
【0069】本発明の外来性正常DNAを転移させた非
ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持
することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。受精卵細胞段階に
おける本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の
胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に本発明の外来性D
NAが存在するように確保される。DNA転移後の作出
動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に
存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞お
よび体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有す
ることを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだ
この種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全て
に本発明の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを
相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、
この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該
DNAを過剰に有するように繁殖継代することができ
る。本発明の外来性正常DNAを有する非ヒト哺乳動物
は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在
性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に本
発明のタンパク質の機能亢進症を発症することがあり、
その病態モデル動物として利用することができる。例え
ば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明のタ
ンパク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関連す
る疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法
の検討を行なうことが可能である。また、本発明の外来
性正常DNAを転移した哺乳動物は、遊離した本発明の
タンパク質の増加症状を有することから、本発明のタン
パク質に関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング
試験にも利用可能である。
【0070】一方、本発明の外来性異常DNAを有する
非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保
持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とす
る外来性DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科と
して用いることができる。プロモーターとのDNAコン
ストラク卜は、通常の遺伝子工学的手法によって作製す
ることができる。受精卵細胞段階における本発明の異常
DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞
の全てに本発明の異常DNAが存在するように確保され
る。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明
の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全て
その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNA
を有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け
継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを
相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、
この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該
DNAを有するように繁殖継代することができる。本発
明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発
明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常
DNAの機能を阻害することにより最終的に本発明のタ
ンパク質の機能不活性型不応症となることがあり、その
病態モデル動物として利用することができる。例えば、
本発明の異常DNA転移動物を用いて、本発明のタンパ
ク質の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの
疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。ま
た、具体的な利用可能性としては、本発明の外来性異常
DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不活性
型不応症における本発明の異常タンパク質による正常タ
ンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を解明
するモデルとなる。また、本発明の外来性異常DNAを
転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のタンパク質の
増加症状を有することから、本発明のタンパク質の機能
不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも
利用可能である。
【0071】また、上記2種類の本発明のDNA転移動
物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての利用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、または組織中のタンパク質を分
析することによる、本発明のタンパク質により特異的に
発現あるいは活性化するタンパク質との関連性について
の解析、 本発明のDNAを有する組織からの細胞が、標準的な
組織培養技術により培養しうることがある場合の、これ
らの細胞を使用することによる、一般に培養困難な組織
からの細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質の単離精製およびその抗体の
作製などが考えられる。 さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のタ
ンパク質の機能不活性型不応症などを含む、本発明のタ
ンパク質に関連する疾患の臨床症状を調べることがで
き、また、本発明のタンパク質に関連する疾患モデルの
各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新し
い治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患
の研究および治療に貢献することができる。また、本発
明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、ト
リプシンなどのタンパク質分解酵素により、遊離したD
NA転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞を株
化することが可能である。さらに、本発明のタンパク質
産生細胞の特定化、糖代謝調節機能を調べ、それらの異
常を調べることなどができ、本発明のタンパク質および
その作用解明のための有効な研究材料となる。さらに、
本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のタンパク質
の機能不活性型不応症を含む、本発明のタンパク質に関
連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査
法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療
薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。ま
た、本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DN
A発現ベクターを用いて、本発明のタンパク質が関連す
る疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能であ
る。
【0072】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(i)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(i
i)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活
性化された第(i)項記載の胚幹細胞、(iii)ネオマ
イシン耐性である第(i)項記載の胚幹細胞、(iv)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(i)項記載の胚幹
細胞、(v)ゲッ歯動物がマウスである第(ii)項記載
の胚幹細胞、(vi)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(vii)該DNAがレ
ポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダー
ゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポ
ーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの
制御下で発現しうる第(vi)項記載の非ヒト哺乳動物、
(viii)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(vi)項
記載の非ヒト哺乳動物、(ix)ゲッ歯動物がマウスであ
る第(viii)項記載の非ヒト哺乳動物、および(x)第
(vii)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポー
ター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の
DNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0073】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させること
により、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能
を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称す
ることがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES
細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前
記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに人為的
に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手
法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNA
を挿入または置換させることによって行なうことができ
る。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠
をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を
破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製
すればよい。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表例とする
レポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機
能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分
に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、poly
A付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成
できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊する
ように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、タ
ーゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組
換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細
胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列と
ターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDN
A以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPC
R法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選
別することにより得ることができる。
【0074】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述
のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知
のEvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したもので
もよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般
的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学
的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で
免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するな
どの目的で、例えばC57BL/6マウスやC57BL
/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善
したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2との
F1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。B
DF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫である
という利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持
つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマ
ウスを作出したとき、C57BL/6マウスと戻し交配
することでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代
えることが可能である点で有利に用い得る。また、ES
細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤
胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞
まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を
取得することができる。また、雌雄いずれのES細胞を
用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメ
ラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間
を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なう
ことが望ましい。ES細胞の雌雄の判定方法としては、
例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝
子を増幅、検出する方法が、その1例として挙げること
ができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をす
るのに約106個の細胞数を要していたのに対して、1
コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培
養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の
判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を
可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減でき
る。
【0075】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養
器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気、または
5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培
養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリ
プシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリプ
シン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1%
トリプシン/1mM EDTA)処理により単一な細胞
とし、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法
などがとられる。このような継代は、通常1−3日毎に
行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な
細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄すること
が望まれる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に
至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するま
で浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋など
の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり
〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Natur
e)第292巻、154(1981);G. R. Martin
プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad.
Sci. USA)第78巻、7634(1981);T. C. Do
etschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・
アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー(Journa
l of Embryology and Experimental Morphology)、第
87巻、27(1985)〕、本発明のES細胞を分化
させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビ
トロにおける重要性を検討する上で有用である。本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA
量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比
較することにより、正常動物と区別することが可能であ
る。該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用
いられる。
【0076】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクター中の本発明の
DNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換え
により、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上
の本発明のDNAと入れ換わることにより、本発明のD
NAをノックアウトさせることができる。本発明のDN
Aがノックアウトされた細胞は、本発明のDNA上また
はその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブ
リダイゼーション解析またはターゲッティングベクター
上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用し
たマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA
配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定す
ることができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合
は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性
化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時
期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞
に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺
乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発
明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のD
NA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物で
ある。該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明
のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個
体を交配することにより得られた個体群より、全ての組
織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞
で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等に
より選別することにより得られる。このようにして得ら
れた個体は、通常、本発明のタンパク質のヘテロ発現不
全個体であり、本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個
体同志を交配し、それらの産仔から本発明のタンパク質
のホモ発現不全個体を得ることができる。卵細胞を使用
する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェク
ション法でDNA溶液を注入することによりターゲッテ
ィングベクターを染色体内に導入したトランスジェニッ
ク非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランス
ジェニック非ヒト哺乳動物は、遺伝子相同組換えにより
本発明のDNA座に変異のあるものを選択することによ
り得られる。
【0077】このようにして本発明のDNAがノックア
ウトされている個体は、交配により得られた動物個体の
該DNAがノックアウトされていることを確認して通常
の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。さらに、
生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよ
い。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を
交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両
方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホ
モザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,
ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することに
より効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物
の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有する
ホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代
する。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物
胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を
作出する上で、非常に有用である。また、本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のタンパク質によ
り誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明
のタンパク質の生物活性の不活性化を原因とする疾病の
モデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治
療法の検討に有用である。
【0078】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病(例、低血糖症な
ど)に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリー
ニングに用いることができる。すなわち、本発明は、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投
与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とす
る、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に
対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。該スクリーニング方法に
おいて用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物としては、前記と同様のものが挙げられる。試験化合
物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド
性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物
抽出液、動物組織抽出液、血漿などが挙げられ、これら
化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物
であってもよい。具体的には、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照
動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状など
の変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験
することができる。試験動物を試験化合物で処理する方
法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いら
れ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて
適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量
は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選
択することができる。例えば、低血糖症に対して治療・
予防効果を有する化合物をスクリーニングする場合、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に糖負荷処置を行
ない、糖負荷処置前または処置後に試験化合物を投与
し、該動物の血糖値および体重変化などを経時的に測定
する。該スクリーニング方法において、試験動物に試験
化合物を投与した場合、該試験動物の血糖値が約10%
以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50
%以上上昇した場合、該試験化合物を低血糖症に対して
治療・予防効果を有する化合物として選択することがで
きる。
【0079】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物
であり、本発明のタンパク質等の欠損や損傷などによっ
て引き起こされる疾患(例、低血糖症など)に対して治
療・予防効果を有するので、該疾患に対する安全で低毒
性な治療・予防剤などの医薬として使用することができ
る。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から
誘導される化合物も同様に用いることができる。該スク
リーニング方法で得られた化合物は塩を形成していても
よく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸
(例、無機酸、有機酸)や塩基(例アルカリ金属)など
との塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付
加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬
は、前記した本発明のタンパク質を含有する医薬と同様
にして製造することができる。このようにして得られる
製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物
(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、低血糖症治療の目的で該
化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60k
gとして)においては、一日につき該化合物を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、低血糖症治療の目
的で該化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0080】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものが挙げられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)が好適である。本発明のDNAがレポータ
ー遺伝子で置換された本発明のDNA発現不全非ヒト哺
乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のDNAに対す
るプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺
伝子がコードするタンパク質の発現をトレースすること
により、プロモーターの活性を検出することができる。
【0081】例えば、本発明のタンパク質をコードする
DNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明
のタンパク質の発現する組織で、本発明のタンパク質の
代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例
えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラク
トシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することによ
り、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内における発
現状態を観察することができる。具体的には、本発明の
タンパク質欠損マウスまたはその組織切片をグルタルア
ルデヒドなどで固定し、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩
液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室
温または7℃付近で、約30分ないし1時間反応させた
後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄す
ることによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止さ
せ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lac
ZをコードするmRNAを検出してもよい。
【0082】上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進または阻害する化合物である。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属)などとの
塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のDNAに
対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩
は、本発明のタンパク質の発現を促進し、該タンパク質
の機能を促進することができるので、例えば、低血糖症
などの疾病に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの
医薬として有用である。一方、本発明のDNAに対する
プロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、本
発明のタンパク質の発現を阻害し、該タンパク質の機能
を阻害することができるので、例えば、糖尿病などの疾
病に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬とし
て有用である。さらに、上記スクリーニングで得られた
化合物から誘導される化合物も同様に用いることができ
る。
【0083】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のタンパ
ク質またはその塩を含有する医薬と同様にして製造する
ことができる。このようにして得られる製剤は、安全で
低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、
ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与する
ことができる。該化合物またはその塩の投与量は、対象
疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、
例えば、低血糖症治療の目的で本発明のDNAに対する
プロモーター活性を促進する化合物を経口投与する場
合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、
一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましく
は約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20
mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の
1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、低血糖症治療の目的で本発明のDNAに対
するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で
通常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につ
き該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。一方、例えば、糖尿病治療の目的で
本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化
合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg
として)においては、一日につき該化合物を約0.1〜
100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ま
しくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与す
る場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患
などによっても異なるが、例えば、糖尿病治療の目的で
本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化
合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投与
する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg
程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好まし
くは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与する
のが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たり
に換算した量を投与することができる。このように、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDN
Aに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化
合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用
であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の
原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献するこ
とができる。
【0084】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ
【0085】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0086】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
【0087】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のタンパク質TGC028−3
および−4が共通して有する部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のタンパク質TGC028−3
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のタンパク質TGC028−4
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕配列番号:1で表わされるアミノ酸配
列をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕配列番号:2で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のタンパク質TGC028−3をコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列を有する本発明のタンパク質TGC028−4をコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕本発明のタンパク質TGC028−3
および−4が共通して有する部分アミノ酸配列であり、
配列番号:1の第1番目〜第149番目のアミノ酸配列
を示す。 〔配列番号:8〕本発明のタンパク質TGC028−3
および−4が共通して有する部分アミノ酸配列であり、
配列番号:1の第150番目〜第270番目のアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明のタンパク質TGC028−3
および−4が共通して有する部分アミノ酸配列であり、
配列番号:1の第271番目〜第425番目のアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:10〕配列番号:7で表わされる部分アミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕配列番号:8で表わされる部分アミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕配列番号:9で表わされる部分アミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列を示す。
【0088】〔配列番号:13〕参考例1においてタン
パク質TGC028−2をコードするDNAをクローニ
ングするために使用したプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕参考例1においてタンパク質TGC
028−2をコードするDNAをクローニングするため
に、また実施例1において本発明のタンパク質TGC0
28−3をコードするDNAをクローニングするために
使用したプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕参考例1においてタンパク質TGC
028−2をコードするDNAをクローニングするため
に、また実施例1において本発明のタンパク質TGC0
28−3をコードするDNAをクローニングするために
使用したプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例1において本発明のタンパク
質TGC028−3をコードするDNAをクローニング
するために使用したプローブの塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕本発明のタンパク質TGC028−
3をコードするDNAに対するノーザンブロティングを
行なうために、実施例3において使用したプローブの塩
基配列を示す。
【0089】〔配列番号:18〕タンパク質TGC02
8−2のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:19〕配列番号:18で表わされるアミノ
酸配列をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−3の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−3の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−3の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:23〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−3の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−4の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。 〔配列番号:25〕実施例4において本発明のタンパク
質TGC028−4の発現ベクターの構築に使用した合
成オリゴヌクレオチドの塩基配列を示す。
【0090】後述の参考例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH10B/pT
B1942は、平成8年8月9日から通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号F
ERM BP−5621として、平成8年8月8日から
財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO16
003として寄託されている。後述の実施例1で得られ
た形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)
DH10B/pTB1943は、平成8年8月9日から
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−5622として、平成
8年8月8日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄
託番号IFO16004として寄託されている。後述の
実施例2で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Es
cherichia coli)DH10B/pTB1944は、平成
8年8月9日から通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−56
23として、平成8年8月8日から財団法人・発酵研究
所(IFO)に寄託番号IFO16005として寄託さ
れている。
【0091】
【実施例】以下に、参考例および実施例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法
はモレキュラー・クローニング(Molecular cloning)
2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor La
b. Press, 1989)に記載されている方法に従った。
【0092】
【参考例1】新規GFAT・TGC028−2タンパク
質をコードする遺伝子のクローニング 新規GFAT・TGC028−2タンパク質をコードす
るcDNAのクローニングは、ジーントラッパーcDN
Aポジティブ選択システム(ギブコ・ビーアールエル
社)を用いて行なった。ヒト脳由来のcDNAライブラ
リー(ギブコ・ビーアールエル社)の大腸菌DH12S
株をTerrific Broth(12g/l Bacto−Tryptone(ディ
フコ社),24g/l Bacto−Yeast Extract(ディフコ
社),2.3g/l リン酸一カリウム,12.5g/l リン酸
二カリウム)で30℃で16時間培養し、キアジェン・
プラスミドキット(キアジェン社)を用いて、プラスミ
ドcDNAライブラリーを精製抽出した。精製したプラ
スミドcDNAライブラリーをGeneII,ExoIII
(いずれもギブコ・ビーアールエル社)によって消化
し、一本鎖cDNAライブラリーを作成した。一方、プ
ローブとして、合成オリゴヌクレオチド(配列番号:1
3)をcDNAライブラリーのスクリーニングに用い
た。プローブは、TdT,ビオチン−14−dCTP
(ギブコ・ビーアールエル社)を用いて、3'末端をビ
オチン化することで標識した。一本鎖cDNAライブラ
リーを95℃で1分間処理した後、氷中で急冷し、ビオ
チン化したプローブを加えて37℃で1時間、ハイブリ
ダイゼーションを行なった。ハイブリダイゼーション
後、MPGR−ストレプトアビジンマグネットビーズ
(ギブコ・ビーアールエル社)を加えて、室温で2分ご
とに撹拌しながら30分間放置した。その後、ジーント
ラッパーポジティブ選択システム・マグネットラック
(ギブコ・ビーアールエル社)中に入れ、2分間放置し
た。上清を捨て、マグネットビーズをジーントラッパー
ポジティブ選択システム・ウオッシュバッファーで洗浄
した。このウオッシュバッファーによる洗浄を3回行な
った。その後、マグネットラックに入れて放置し、上清
を捨て、ジーントラッパーポジティブ選択システム・溶
出バッファーを加え、5分間室温で放置した。マグネッ
トラックに入れて5分間放置した後、その上清のDNA
溶液を回収した。
【0093】取得したDNA溶液にプライマーとして合
成オリゴヌクレオチド(配列番号:13)を入れ、95
℃で1分間放置した。ジーントラッパーポジティブ選択
システム・修復酵素を加え、70℃で15分間放置して
二本鎖DNAを合成した。合成した二本鎖DNAをエレ
クトロポレーション装置(バイオ・ラッド社)により、
大腸菌DH10B株に導入した。得られた形質転換株を
用いて2本の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:1
4、配列番号:15)をプライマーとしてコロニーPC
Rによるスクリーニングを行なった。PCRにより61
2bpの増幅断片が形成されたコロニーを陽性クローン
として1株選択した。選択した大腸菌を培養後、DNA
を抽出し、Taqダイデオキシターミネーター・サイク
ルシーケンシングキット(パーキンエルマー社)を用い
て反応を行い、373A DNAシーケンサー(パーキ
ンエルマー社)により、cDNA断片の塩基配列を決定
した。取得したクローンは、poly(A)+鎖を含んでお
り、配列番号:19で表される1458個の塩基配列を
有していた〔図3〕。このDNA断片には、配列番号:
18で表される486個のアミノ酸からなる新規タンパ
ク質TGC028−2がコードされており、予想される
遺伝子産物はヒトGFATとはアミノ酸レベルで68%
の相同性を有していた。タンパク質TGC028−2を
コードするDNAを保持するプラスミドpTB1942
を大腸菌(Escherichia coli)DH10Bに導入して、
形質転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH10B/
pTB1942を得た。
【0094】
【実施例1】新規GFAT・TGC028−3タンパク
質をコードする遺伝子のクローニング 新規GFAT・TGC028−3タンパク質をコードす
るcDNAのクローニングは、ジーントラッパーcDN
Aポジティブ選択システム(ギブコ・ビーアールエル
社)を用いて行なった。ヒト脳由来のcDNAライブラ
リー(ギブコ・ビーアールエル社)の大腸菌DH12S
株をTerrific Broth(12g/l Bacto−Tryptone(ディ
フコ社),24g/l Bacto−Yeast Extract(ディフコ
社),2.3g/l リン酸一カリウム,12.5g/l リン酸
二カリウム)で30℃で16時間培養し、キアジェン・
プラスミドキット(キアジェン社)を用いて、プラスミ
ドcDNAライブラリーを精製抽出した。精製したプラ
スミドcDNAライブラリーをGeneII,ExoIII
(いずれもギブコ・ビーアールエル社)によって消化
し、一本鎖cDNAライブラリーを作成した。一方、プ
ローブとして、合成オリゴヌクレオチド(配列番号:1
6)をcDNAライブラリーのスクリーニングに用い
た。プローブは、TdT,ビオチン−14−dCTP
(ギブコ・ビーアールエル社)を用いて、3'末端をビ
オチン化することで標識した。一本鎖cDNAライブラ
リーを95℃で1分間処理した後、氷中で急冷し、ビオ
チン化したプローブを加えて37℃で1時間、ハイブリ
ダイゼーションを行なった。ハイブリダイゼーション
後、ジーントラッパーポジティブ選択システム・マグネ
ットビーズ(ギブコ・ビーアールエル社)を加えて、室
温で2分ごとに撹拌しながら30分間放置した。その
後、ジーントラッパーポジティブ選択システム・マグネ
ットラック(ギブコ・ビーアールエル社)中に入れ、2
分間放置した。上清を捨て、マグネットビーズをジーン
トラッパーポジティブ選択システム・ウオッシュバッフ
ァーで洗浄した。このウオッシュバッファーによる洗浄
を3回行なった。その後、マグネットラックに入れて放
置し、上清を捨て、ジーントラッパーポジティブ選択シ
ステム・溶出バッファーを加え、5分間室温で放置し
た。マグネットラックに入れて5分間放置した後、その
上清のDNA溶液を回収した。
【0095】取得したDNA溶液にプライマーとして合
成オリゴヌクレオチド(配列番号:16)を入れ、95
℃で1分間放置した。ジーントラッパーポジティブ選択
システム・修復酵素を加え、70℃で15分間放置して
二本鎖DNAを合成した。合成した二本鎖DNAをエレ
クトロポレーション装置(バイオ・ラッド社)により、
大腸菌DH10B株に導入した。得られた形質転換株を
用いて2本の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:1
4、配列番号:15)をプライマーとしてコロニーPC
Rによるスクリーニングを行なった。PCRにより61
2bpの増幅断片が形成されたコロニーを陽性クローン
として1株選択した。選択した大腸菌を培養後、DNA
を抽出し、Taqダイオキシターミネーター・サイクル
シーケンシングキット(パーキンエルマー社)を用いて
反応を行い、373A DNAシーケンサー(パーキン
エルマー社)により、cDNA断片の塩基配列を決定し
た。取得したクローンは、poly(A)+鎖を含んでおり、
配列番号:5で表される1845個の塩基配列を含む2
773個の塩基配列を有していた〔図1〕。このcDN
A断片は、配列番号:2で表される615個のアミノ酸
からなる新規GFATタンパク質TGC028−3がコ
ードされており、予想される遺伝子産物はヒトGFAT
とはアミノ酸レベルで74%、TGC028−2とは8
8%の相同性を有していた。本発明のタンパク質TGC
028−3をコードするDNAを保持するプラスミドp
TB1943を大腸菌(Escherichia coli)DH10B
に導入して、形質転換体:大腸菌(Escherichia coli)
DH10B/pTB1943を得た。
【0096】
【実施例2】新規GFAT・TGC028−4タンパク
質をコードする遺伝子の構築 新規GFAT・TGC028−3タンパク質をコードす
るcDNAを保持するプラスミドpTB1943より、
制限酵素EcoRVおよびBamHIで切り出される1
788個の塩基配列を有する遺伝子断片を得た。一方、
GFAT様遺伝子断片を保持するプラスミドから、制限
酵素BamHIおよびSalIで切り出されるDNA断
片を回収した。各々の遺伝子断片を制限酵素EcoRV
およびSalIで処理したプラスミドベクターpET3
2a(+)(ノバジェン社)に挿入し、プラスミドpT
B1944を構築した〔図4〕。このプラスミドベクタ
ーは、TGC028−3には含まれない65個のアミノ
酸配列をC末端に含み、配列番号:6で表わされる20
46個の塩基配列からなるオープンリーディング領域を
保持しており、配列番号:3で表わされる682アミノ
酸残基からなる遺伝子産物をコードしていることとなる
〔図2〕。本発明のタンパク質TGC028−4をコー
ドするDNAを保持するプラスミドpTB1944を大
腸菌(Escherichia coli)DH10Bに導入して、形質
転換体:大腸菌(Escherichia coli)DH10B/pT
B1944を得た。
【0097】
【実施例3】ノーザンブロット解析による遺伝子発現の
組織特異性の解析 ノーザンブロッティングによる遺伝子の発現臓器の特異
性の解析は、ヒューマンマルチプルティシュ・ノーザン
ブロット(クロンテック社)およびヒューマンマルチプ
ルティシュ・ノーザンブロットII(クロンテック社)の
メンブレンを用いて行なった。まず、このメンブレンを
ハイブリダイゼーションバックに入れた後、5mlのハ
イブリダイゼーション用緩衝液(50%脱イオン化ホル
ムアミド,5×SSPE,2×Denhardt's液,2% S
DS,100μg/ml 熱変性ニシン精子DNA)を添加
した後、50℃で3時間保温し、プレハイブリダイゼー
ションを行なった。一方、プローブとしては、1796
個からなる配列番号:17で表わされる本発明のタンパ
ク質TGP028−3の部分配列をコードするDNA断
片を(α−32P)dCTP(アマシャム社)とBcaベ
ストラベリングキット(宝酒造)を用いて標識した。該
標識プローブを上記ハイブリダイゼーションバックに添
加した後、50℃で2時間保温した。保温後、メンブラ
ンをバックより取り出し、2×SSC,0.05% SD
Sからなる洗浄液で、室温で2回洗浄し、さらに、0.
1×SSC,0.1% SDSからなる洗浄液で、50℃
で2回洗浄した。その後、該フィルターに対するオート
ラジオグラムをとってプローブが結合したバンドを調べ
た。その結果、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、平滑筋、腎
臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸およ
び大腸のすべての臓器でバンドが検出され、RNAの大
きさは、いずれも約4.0kbであった〔図5〕。ま
た、このメンブランを沸騰させた0.5%SDS溶液中
で10分間処理することで、結合したプローブをフィル
ターから除き、コントロールとしてヒトβ−アクチンプ
ローブ(和光純薬工業(株))を用いてβ−アクチンに
対するハイブリダイゼーションを行なった結果、β−ア
クチンも全臓器で検出された〔図6〕。
【0098】
【実施例4】大腸菌を用いた組換えTGC028−3お
よびTGC028−4タンパク質の発現 本発明のタンパク質TGC028−3の発現ベクターの
構築については以下のように行なった。まず、TGC0
28−3タンパク質をコードするDNAを保持するプラ
スミドpTB1943を鋳型にし、2本の合成オリゴヌ
クレオチド(配列番号:20、配列番号:21)をプラ
イマーとし、TaKaRa Ex TaqTM(宝酒造(株))を用い
てサーマルサイクラーGeneAmpR PCR System 2400(パー
キンエルマー社)にて、94℃・1分を1サイクル、9
4℃,1分→60℃,1分→72℃,2分を30サイク
ル繰り返すPCR反応を行ない、該TGC028−3タ
ンパク質をコードするDNA断片を増幅した。得られた
該DNA断片を、1%アガロースゲルを用いて電気泳動
し、目的とするDNA断片を確認した後、キアクイック
ゲル抽出キット(キアジェン社)にて回収・精製した。
該DNA断片をpT7ブルー T-ベクター(ノバジェン
社)のTクローニング部位にDNAライゲーションキッ
トバージョン2(宝酒造(株))を用いて連結後、大腸
菌JM109に導入して得られたアンピシリン耐性株よ
り目的のプラスミドDNAを選択・単離した。クローン
化されたDNA断片の塩基配列については、種々の合成
オリゴDNAをプライマーとし、ダイターミネーターサ
イクルシークエンシングFSレディリアクションキット
(パーキンエルマー社)を用いたサイクルシークエンス
反応を、添付資料の条件にしたがってGeneAmp PCRR Sys
tem 2400で行なった後、該試料をDNAシーケンサー37
3A(パーキンエルマー社)で分析した。得られた塩基配
列は遺伝子解析ソフトレーザージーン(Lasergene、デ
ィーエヌエースター(DNASTAR)社)で解析した。この
ようにして得られたプラスミドDNAのうち、塩基配列
の相違が無かったクローンを選択し、そのDNA断片の
5'末端および3'末端を制限酵素EcoRVとSalI
を用いて消化した後、アガロースゲル電気泳動とキアク
イックゲル抽出キットを用いてTGC028−3をコー
ドするDNA断片を回収・精製した。一方、pET32
a(+)ベクター(ノバジェン社)を、制限酵素Eco
RVとSalIを用いて消化した後、回収・精製した。
このpET32a(+)ベクターに、先に取得したTG
C028−3タンパク質をコードするDNA断片をDN
Aライゲーションキットバージョン2(宝酒造(株))
を用いて連結し、大腸菌JM109に導入して、得られ
たアンピシリン耐性株より目的のプラスミドDNAを選
択・単離した。このようにして構築したプラスミドDN
AをpET32a(+)/TGC028−3とした。
【0099】次に、TGC028−3タンパク質を発現
させるため、プラスミドpET32a(+)/TGC0
28−3よりタンパク質をコードするDNA断片を単離
し、pET32b(+)ベクター(ノバジェン社)への
導入を行なった。すなわち、TGC028−3タンパク
質をコードするDNA断片の、5'側に制限酵素Nde
Iにより認識される部位を、3'側に制限酵素SalI
により認識される部位を付加するため、pET32a
(+)/TGC028−3を鋳型に、2本の合成オリゴ
ヌクレオチド(配列番号:22、配列番号:23)をプ
ライマーとし、TaKaRa Ex TaqTM(宝酒造(株))を用
いてサーマルサイクラーGeneAmpR PCR System 9600(パ
ーキンエルマー社)にて、94℃・1分を1サイクル、
98℃,10秒→55℃,1分→72℃,2分を35サ
イクル繰り返すPCR反応を行ない増幅した。得られた
該DNA断片を、1%アガロースゲルを用いて電気泳動
し、目的とするDNA断片を確認した後、キアクイック
ゲル抽出キット(キアジェン社)にて回収・精製した。
該DNA断片をpT7ブルー T-ベクター(ノバジェン
社)にDNAライゲーションキットバージョン2(宝酒
造(株))を用いて連結した後、大腸菌JM109に導
入して得られるアンピシリン耐性株より目的のプラスミ
ドDNAを選択・単離した。クローン化されたDNA断
片の塩基配列については、前述と同様な方法でDNAシ
ークエンスを行なって確認した。このようにして得られ
たプラスミドDNAのうち、塩基配列の相違が無かった
クローンのDNAを調製し、5'末端および3'末端を制
限酵素NdeIとSalIを用いて消化した後、前述と
同様な方法で回収・精製した。一方、制限酵素NdeI
とXhoIを用いて消化後、前述と同様な方法で回収・
精製したpET32b(+)ベクター(ノバジェン社)
に、TGC028−3タンパク質をコードするDNA断
片をDNAライゲーションキットバージョン2(宝酒造
(株))を用いて連結し、大腸菌BL21(DE3)p
LysSに導入して得られるアンピシリン耐性株より目
的のプラスミドDNAを選択・単離した。このようにし
て得られたプラスミドDNAは、pET32b(+)/
TGC028−3−2とした。この結果、TGC028
−3は、C末端側にVal,Glu,His,His,
His,His,His,Hisの8アミノ酸が付加さ
れた融合タンパク質として発現することになる。
【0100】一方、本発明のTGC028−4タンパク
質の発現ベクターの構築については以下のように行なっ
た。まず、TGC028−4タンパク質をコードするD
NAを保持するプラスミドpTB1944を鋳型にし、
TGC028−4タンパク質をコードするDNA断片の
5'側に制限酵素NdeIにより認識される部位を、3'
側に制限酵素SalIにより認識される部位を付加する
ため、2本の合成オリゴヌクレオチド(配列番号:2
4、配列番号:25)をプライマーとし、TaKaRa Ex Ta
qTM(宝酒造(株))を用いてサーマルサイクラーGeneA
mpR PCR System9600(パーキンエルマー社)にて、94
℃・1分を1サイクル、98℃,10秒→55℃,1分
→72℃,2分を35回サイクル繰り返すPCR反応を
行ない、本発明のタンパク質をコードするDNA断片を
増幅した。得られた該DNA断片を、1%アガロースゲ
ルを用いて電気泳動し、目的とするDNA断片を確認し
た後、キアクイックゲル抽出キット(キアジェン社)に
て回収・精製し、pT7ブルー T-ベクター(ノバジェ
ン社)にDNAライゲーションキットバージョン2(宝
酒造(株))を用いて連結後、大腸菌JM109に導入
して、得られたアンピシリン耐性株より目的のプラスミ
ドDNAを選択・単離した。クローン化されたDNA断
片の塩基配列については、前述と同様な方法でDNAシ
ークエンスを行なって確認した。このようにして得られ
たプラスミドDNAのうち、塩基配列の相違が無かった
クローンを選択し、そのDNA断片の5'末端および3'
末端を制限酵素NdeIとSalIを用いて消化した
後、前述したのと同様な方法でTGC028−4をコー
ドするDNA断片を回収・精製した。一方、制限酵素N
deIとXhoIを用いて消化後、前述したのと同様な
方法で回収・精製したpET32b(+)ベクター(ノ
バジェン社)に、先に取得したTGC028−4タンパ
ク質をコードするDNA断片をDNAライゲーションキ
ットバージョン2(宝酒造(株))を用いて連結し、大
腸菌BL21(DE3)pLysSに導入して得られる
アンピシリン耐性株より目的のプラスミドDNAを選択
・単離した。このようにして得られたプラスミドDNA
は、pET32b(+)/TGC028−4−2とし
た。この結果、TGC028−4は、C末端側にVa
l,Glu,His,His,His,His,Hi
s,Hisの8アミノ酸が付加された融合タンパク質と
して発現することになる。
【0101】大腸菌を用いて組換えTGC028−3お
よびTGC028−4タンパク質を発現させるために
は、pET32b(+)/TGC028−3−2を保持
する大腸菌またはpET32b(+)/TGC028−
4−2を保持する大腸菌を、Lブロス培地500mlで3
7℃、3時間培養した後、イソプロピル−β−Dチオガ
ラクトピラノサイド(IPTG)を0.1mMとなるよう
に添加し、発現誘導をかけた後、23℃で15時間培養
した。培養終了後、4,800×g、10分間、4℃の
遠心操作により菌体を回収後、1M 尿素、0.25%
ザルコシル、0.5% NP−40および1mM フェニル
メチルサルフォニルフルオライド(PMSF)を含むP
BS10mlに懸濁した後、菌体を超音波破砕した。該菌
体破砕液を4,800×g、10分間、4℃で遠心して
得た上清に、40%飽和となるよう硫酸アンモニウムを
添加した。さらに、該破砕液を4,800×g、10分
間、4℃で遠心し、得られた上清に54%飽和となるよ
う硫酸アンモニウムを添加した。これを再度4,800
×g、10分間、4℃で遠心して得た沈殿は、PBS1
0mlで溶解した後、大量のPBSに対して透析を行なっ
た。このようにして得られた組換えTGC028−3ま
たはTGC028−4タンパク質の粗抽出液は、2.5m
l容量His bindカラム(ノバジェン社)に通した
後、同カラムを25mlのバインディングバッファー(5
mMイミダゾール、0.5M NaCl、20mMトリス
塩酸、pH7.9)で洗浄、ついで15mlの20mM イミ
ダゾールを含有する同バインディングバッファーで洗浄
した後、組換えTGC028−3またはTGC028−
4タンパク質を15mlの60mM イミダゾールを含有す
る同バインディングバッファーで溶出した。
【0102】
【実施例5】TGC028−3およびTGC028−4
タンパク質の有するGFAT活性の測定 TGC028−3およびTGC028−4タンパク質の
有するGFAT活性は以下の方法により測定した。すな
わち、pH7.5の次の組成からなる溶液(0.1M K2
HPO4、50mM KCl、50mM HEPES、1mM E
DTA、5mMDTT)に、反応基質であるグルタミンお
よびフルクトース−6リン酸をそれぞれ終濃度が6mMお
よび10mMになるように添加した反応液100μlに、
TGC028−3またはTGC028−4タンパク質を
1μl添加し、室温で5時間反応させた。反応後、該反
応液を遠心濾過器ウルトラフリーC3GC(分子量1万
カット、ミリポア社)に供し、遠心して得た濾液にメタ
ノール:水:トリエチルアミン(2:2:1)の混合液
を等量加えた。該溶液を真空乾燥した後、メタノール:
水:トリエチルアミン:フェニルイソチオシアネート
(PITC)(7:1:1:1)の混合液20μlで溶
解し、室温で20分反応した。該溶液を真空乾燥させた
後、5mM NaH2PO4、5% アセトニトリルからなる
混合液100μlに溶解させ、HPLC(日立 L-4200
UV-VIS ディテクター,L-6200 インテリジェントポン
プ)を用いて、PITC結合グルコサミン−6リン酸の
生成率を調べた。コントロールには、PITC結合グル
コサミン−6リン酸を用いた。カラムにはTOSOH TSK-GE
L ODS-80TM(東ソー社)を用い、232mM 酢酸ナトリ
ウム、0.1% トリエチルアミン、5% アセトニトリ
ル(pH6.0)からなる移動相を1ml/分の流速で流
して分離を行ない、PITC結合グルコサミン−6リン
酸はUV254nmで検出した。その結果、反応液にTG
C028−3またはTGC028−4タンパク質をフル
クトース−6リン酸とともに加えた場合にのみ、PIT
C結合グルコサミン−6リン酸に相当する位置にピーク
が確認された。
【0103】
【発明の効果】本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩は、例えば、GFAT活性などの作用
を有している。本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩、および本発明のタンパク質またはそ
の部分をコードするDNAは、例えば、低血糖症などの
疾患の治療・予防剤などの医薬として有用である。さら
に、本発明のDNAは、本発明のDNAの発現異常を検
出することができるので、低血糖症や糖尿病などの疾患
の遺伝子診断剤として有用である。本発明のタンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体
は、本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはそれ
らの塩を特異的に認識することができるので、被検液中
の本発明のタンパク質等の定量などに使用することがで
きる。さらに、本発明のタンパク質、その部分ペプチド
またはそれらの塩は、本発明のタンパク質のGFAT活
性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリー
ニングするための試薬として有用である。
【0104】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:425 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Cys Gly Ile Phe Ala Tyr Met Asn Tyr Arg Val Pro Arg Thr Arg 1 5 10 15 Lys Glu Ile Phe Glu Thr Leu Ile Lys Gly Leu Gln Arg Leu Glu Tyr 20 25 30 Arg Gly Tyr Asp Ser Ala Gly Val Ala Ile Asp Gly Asn Asn His Glu 35 40 45 Val Lys Glu Arg His Ile Gln Leu Val Lys Lys Arg Gly Lys Val Lys 50 55 60 Ala Leu Asp Glu Glu Leu Tyr Lys Gln Asp Ser Met Asp Leu Lys Val 65 70 75 80 Glu Phe Glu Thr His Phe Gly Ile Ala His Thr Arg Trp Ala Thr His 85 90 95 Gly Val Pro Ser Ala Val Asn Ser His Pro Gln Arg Ser Asp Lys Gly 100 105 110 Asn Glu Phe Val Val Ile His Asn Gly Ile Ile Thr Asn Tyr Lys Asp 115 120 125 Leu Arg Lys Phe Leu Glu Ser Lys Gly Tyr Glu Phe Glu Ser Glu Thr 130 135 140 Asp Thr Glu Thr Ile Ala Lys Leu Ile Lys Tyr Val Phe Asp Asn Arg 145 150 155 160 Glu Thr Glu Asp Ile Thr Phe Ser Thr Leu Val Glu Arg Val Ile Gln 165 170 175 Gln Leu Glu Gly Ala Phe Ala Leu Val Phe Lys Ser Val His Tyr Pro 180 185 190 Gly Glu Ala Val Ala Thr Arg Arg Gly Ser Pro Leu Leu Ile Gly Val 195 200 205 Arg Ser Lys Tyr Lys Leu Ser Thr Glu Gln Ile Pro Ile Leu Tyr Arg 210 215 220 Thr Cys Thr Leu Glu Asn Val Lys Asn Ile Cys Lys Thr Arg Met Lys 225 230 235 240 Arg Leu Asp Ser Ser Ala Cys Leu His Ala Val Gly Asp Lys Ala Val 245 250 255 Glu Phe Phe Phe Ala Ser Asp Ala Ser Ala Ile Ile Glu His Thr Asn 260 265 270 Arg Val Ile Phe Leu Glu Asp Asp Asp Ile Ala Ala Val Ala Asp Gly 275 280 285 Lys Leu Ser Ile His Arg Val Lys Arg Ser Ala Ser Asp Asp Pro Ser 290 295 300 Arg Ala Ile Gln Thr Leu Gln Met Glu Leu Gln Gln Ile Met Lys Gly 305 310 315 320 Asn Phe Ser Ala Phe Met Gln Lys Glu Ile Phe Glu Gln Pro Glu Ser 325 330 335 Val Phe Asn Thr Met Arg Gly Arg Val Asn Phe Glu Thr Asn Thr Val 340 345 350 Leu Leu Gly Gly Leu Lys Asp His Leu Lys Glu Ile Arg Arg Cys Arg 355 360 365 Arg Leu Ile Val Ile Gly Cys Gly Thr Ser Tyr His Ala Ala Val Ala 370 375 380 Thr Arg Gln Val Leu Glu Glu Leu Thr Glu Leu Pro Val Met Val Glu 385 390 395 400 Leu Ala Ser Asp Phe Leu Asp Arg Asn Thr Pro Val Phe Arg Asp Asp 405 410 415 Val Cys Phe Phe Ile Ser Gln Ser Gly 420 425
【0105】
【配列番号:2】 配列の長さ:615 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Cys Gly Ile Phe Ala Tyr Met Asn Tyr Arg Val Pro Arg Thr Arg 1 5 10 15 Lys Glu Ile Phe Glu Thr Leu Ile Lys Gly Leu Gln Arg Leu Glu Tyr 20 25 30 Arg Gly Tyr Asp Ser Ala Gly Val Ala Ile Asp Gly Asn Asn His Glu 35 40 45 Val Lys Glu Arg His Ile Gln Leu Val Lys Lys Arg Gly Lys Val Lys 50 55 60 Ala Leu Asp Glu Glu Leu Tyr Lys Gln Asp Ser Met Asp Leu Lys Val 65 70 75 80 Glu Phe Glu Thr His Phe Gly Ile Ala His Thr Arg Trp Ala Thr His 85 90 95 Gly Val Pro Ser Ala Val Asn Ser His Pro Gln Arg Ser Asp Lys Gly 100 105 110 Asn Glu Phe Val Val Ile His Asn Gly Ile Ile Thr Asn Tyr Lys Asp 115 120 125 Leu Arg Lys Phe Leu Glu Ser Lys Gly Tyr Glu Phe Glu Ser Glu Thr 130 135 140 Asp Thr Glu Thr Ile Ala Lys Leu Ile Lys Tyr Val Phe Asp Asn Arg 145 150 155 160 Glu Thr Glu Asp Ile Thr Phe Ser Thr Leu Val Glu Arg Val Ile Gln 165 170 175 Gln Leu Glu Gly Ala Phe Ala Leu Val Phe Lys Ser Val His Tyr Pro 180 185 190 Gly Glu Ala Val Ala Thr Arg Arg Gly Ser Pro Leu Leu Ile Gly Val 195 200 205 Arg Ser Lys Tyr Lys Leu Ser Thr Glu Gln Ile Pro Ile Leu Tyr Arg 210 215 220 Thr Cys Thr Leu Glu Asn Val Lys Asn Ile Cys Lys Thr Arg Met Lys 225 230 235 240 Arg Leu Asp Ser Ser Ala Cys Leu His Ala Val Gly Asp Lys Ala Val 245 250 255 Glu Phe Phe Phe Ala Ser Asp Ala Ser Ala Ile Ile Glu His Thr Asn 260 265 270 Arg Val Ile Phe Leu Glu Asp Asp Asp Ile Ala Ala Val Ala Asp Gly 275 280 285 Lys Leu Ser Ile His Arg Val Lys Arg Ser Ala Ser Asp Asp Pro Ser 290 295 300 Arg Ala Ile Gln Thr Leu Gln Met Glu Leu Gln Gln Ile Met Lys Gly 305 310 315 320 Asn Phe Ser Ala Phe Met Gln Lys Glu Ile Phe Glu Gln Pro Glu Ser 325 330 335 Val Phe Asn Thr Met Arg Gly Arg Val Asn Phe Glu Thr Asn Thr Val 340 345 350 Leu Leu Gly Gly Leu Lys Asp His Leu Lys Glu Ile Arg Arg Cys Arg 355 360 365 Arg Leu Ile Val Ile Gly Cys Gly Thr Ser Tyr His Ala Ala Val Ala 370 375 380 Thr Arg Gln Val Leu Glu Glu Leu Thr Glu Leu Pro Val Met Val Glu 385 390 395 400 Leu Ala Ser Asp Phe Leu Asp Arg Asn Thr Pro Val Phe Arg Asp Asp 405 410 415 Val Cys Phe Phe Ile Ser Gln Ser Gly Glu Thr Ala Asp Thr Leu Leu 420 425 430 Ala Leu Arg Tyr Cys Lys Asp Arg Gly Ala Leu Thr Val Gly Val Thr 435 440 445 Asn Thr Val Gly Ser Ser Ile Ser Arg Glu Thr Asp Cys Gly Val His 450 455 460 Ile Asn Ala Gly Pro Glu Ile Gly Val Ala Ser Thr Lys Ala Tyr Thr 465 470 475 480 Ser Gln Phe Ile Ser Leu Val Met Phe Gly Leu Met Met Ser Glu Asp 485 490 495 Arg Ile Ser Leu Gln Asn Arg Arg Gln Glu Ile Ile Arg Gly Leu Arg 500 505 510 Ser Leu Pro Glu Leu Ile Lys Glu Val Leu Ser Leu Glu Glu Lys Ile 515 520 525 His Asp Leu Ala Leu Glu Leu Tyr Thr Gln Arg Ser Leu Leu Val Met 530 535 540 Gly Arg Gly Tyr Asn Tyr Ala Thr Cys Leu Glu Gly Ala Leu Lys Ile 545 550 555 560 Lys Glu Ile Thr Tyr Met His Ser Glu Gly Ile Leu Ala Gly Glu Leu 565 570 575 Lys His Gly Pro Leu Ala Leu Ile Asp Lys Gln Met Pro Val Ile Met 580 585 590 Val Ile Met Lys Asp Pro Cys Phe Ala Lys Cys Gln Asn Ala Leu Gln 595 600 605 Gln Val Thr Ala Arg Gln Val 610 615
【0106】
【配列番号:3】 配列の長さ:682 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Cys Gly Ile Phe Ala Tyr Met Asn Tyr Arg Val Pro Arg Thr Arg 1 5 10 15 Lys Glu Ile Phe Glu Thr Leu Ile Lys Gly Leu Gln Arg Leu Glu Tyr 20 25 30 Arg Gly Tyr Asp Ser Ala Gly Val Ala Ile Asp Gly Asn Asn His Glu 35 40 45 Val Lys Glu Arg His Ile Gln Leu Val Lys Lys Arg Gly Lys Val Lys 50 55 60 Ala Leu Asp Glu Glu Leu Tyr Lys Gln Asp Ser Met Asp Leu Lys Val 65 70 75 80 Glu Phe Glu Thr His Phe Gly Ile Ala His Thr Arg Trp Ala Thr His 85 90 95 Gly Val Pro Ser Ala Val Asn Ser His Pro Gln Arg Ser Asp Lys Gly 100 105 110 Asn Glu Phe Val Val Ile His Asn Gly Ile Ile Thr Asn Tyr Lys Asp 115 120 125 Leu Arg Lys Phe Leu Glu Ser Lys Gly Tyr Glu Phe Glu Ser Glu Thr 130 135 140 Asp Thr Glu Thr Ile Ala Lys Leu Ile Lys Tyr Val Phe Asp Asn Arg 145 150 155 160 Glu Thr Glu Asp Ile Thr Phe Ser Thr Leu Val Glu Arg Val Ile Gln 165 170 175 Gln Leu Glu Gly Ala Phe Ala Leu Val Phe Lys Ser Val His Tyr Pro 180 185 190 Gly Glu Ala Val Ala Thr Arg Arg Gly Ser Pro Leu Leu Ile Gly Val 195 200 205 Arg Ser Lys Tyr Lys Leu Ser Thr Glu Gln Ile Pro Ile Leu Tyr Arg 210 215 220 Thr Cys Thr Leu Glu Asn Val Lys Asn Ile Cys Lys Thr Arg Met Lys 225 230 235 240 Arg Leu Asp Ser Ser Ala Cys Leu His Ala Val Gly Asp Lys Ala Val 245 250 255 Glu Phe Phe Phe Ala Ser Asp Ala Ser Ala Ile Ile Glu His Thr Asn 260 265 270 Arg Val Ile Phe Leu Glu Asp Asp Asp Ile Ala Ala Val Ala Asp Gly 275 280 285 Lys Leu Ser Ile His Arg Val Lys Arg Ser Ala Ser Asp Asp Pro Ser 290 295 300 Arg Ala Ile Gln Thr Leu Gln Met Glu Leu Gln Gln Ile Met Lys Gly 305 310 315 320 Asn Phe Ser Ala Phe Met Gln Lys Glu Ile Phe Glu Gln Pro Glu Ser 325 330 335 Val Phe Asn Thr Met Arg Gly Arg Val Asn Phe Glu Thr Asn Thr Val 340 345 350 Leu Leu Gly Gly Leu Lys Asp His Leu Lys Glu Ile Arg Arg Cys Arg 355 360 365 Arg Leu Ile Val Ile Gly Cys Gly Thr Ser Tyr His Ala Ala Val Ala 370 375 380 Thr Arg Gln Val Leu Glu Glu Leu Thr Glu Leu Pro Val Met Val Glu 385 390 395 400 Leu Ala Ser Asp Phe Leu Asp Arg Asn Thr Pro Val Phe Arg Asp Asp 405 410 415 Val Cys Phe Phe Ile Ser Gln Ser Gly Glu Thr Ala Asp Thr Leu Leu 420 425 430 Ala Leu Arg Tyr Cys Lys Asp Arg Gly Ala Leu Thr Val Gly Val Thr 435 440 445 Asn Thr Val Gly Ser Ser Ile Ser Arg Glu Thr Asp Cys Gly Val His 450 455 460 Ile Asn Ala Gly Pro Glu Ile Gly Val Ala Ser Thr Lys Ala Tyr Thr 465 470 475 480 Ser Gln Phe Ile Ser Leu Val Met Phe Gly Leu Met Met Ser Glu Asp 485 490 495 Arg Ile Ser Leu Gln Asn Arg Arg Gln Glu Ile Ile Arg Gly Leu Arg 500 505 510 Ser Leu Pro Glu Leu Ile Lys Glu Val Leu Ser Leu Glu Glu Lys Ile 515 520 525 His Asp Leu Ala Leu Glu Leu Tyr Thr Gln Arg Ser Leu Leu Val Met 530 535 540 Gly Arg Gly Tyr Asn Tyr Ala Thr Cys Leu Glu Gly Ala Leu Lys Ile 545 550 555 560 Lys Glu Ile Thr Tyr Met His Ser Glu Gly Ile Leu Ala Gly Glu Leu 565 570 575 Lys His Gly Pro Leu Ala Leu Ile Asp Lys Gln Met Pro Val Ile Met 580 585 590 Val Ile Met Lys Asp Pro Cys Phe Ala Lys Cys Gln Asn Ala Leu Gln 595 600 605 Gln Val Thr Ala Arg Gln Gly Arg Pro Ile Ile Leu Cys Ser Lys Asp 610 615 620 Asp Thr Glu Ser Ser Lys Phe Ala Tyr Lys Thr Ile Glu Leu Pro His 625 630 635 640 Thr Val Asp Cys Leu Gln Gly Ile Leu Ser Val Ile Pro Leu Gln Leu 645 650 655 Leu Ser Phe His Leu Ala Val Leu Arg Gly Tyr Asp Val Asp Phe Pro 660 665 670 Arg Asn Leu Ala Lys Ser Val Thr Val Glu 675 680
【0107】
【配列番号:4】 配列の長さ:1275 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGTGCGGAA TCTTTGCCTA CATGAACTAC AGAGTCCCCC GGACGAGGAA GGAGATCTTC 60 GAAACCCTCA TCAAGGGCCT GCAGCGGCTG GAGTACAGAG GCTACGACTC GGCAGGTGTG 120 GCGATCGATG GGAATAATCA CGAAGTCAAA GAAAGACACA TTCAGCTGGT CAAGAAAAGG 180 GGGAAAGTCA AGGCTCTCGA TGAAGAACTT TACAAACAAG ACAGCATGGA CTTAAAAGTG 240 GAGTTTGAGA CACACTTCGG CATTGCCCAC ACGCGCTGGG CCACCCACGG GGTCCCCAGT 300 GCTGTCAACA GCCACCCTCA GCGCTCAGAC AAAGGCAACG AATTTGTTGT CATCCACAAT 360 GGGATCATCA CAAATTACAA AGATCTGAGG AAATTTCTGG AAAGCAAAGG CTACGAGTTT 420 GAGTCAGAAA CAGATACAGA GACCATCGCC AAGCTGATTA AATATGTGTT CGACAACAGA 480 GAAACTGAGG ACATTACGTT TTCAACGTTG GTCGAGAGAG TCATTCAGCA GTTGGAAGGT 540 GCATTCGCGC TGGTTTTCAA GAGTGTCCAC TACCCAGGAG AAGCCGTTGC CACACGGAGA 600 GGCAGCCCCC TGCTCATCGG AGTCCGGAGC AAATACAAGC TCTCCACAGA ACAGATCCCT 660 ATCTTATACA GGACGTGCAC TCTGGAGAAT GTGAAGAATA TCTGTAAGAC ACGGATGAAG 720 AGGCTGGACA GCTCCGCCTG CCTGCATGCT GTGGGCGACA AGGCCGTGGA ATTCTTCTTT 780 GCTTCTGATG CAAGCGCTAT CATAGAGCAC ACCAACCGGG TCATCTTCCT GGAGGACGAT 840 GACATCGCCG CAGTGGCTGA TGGGAAACTC TCCATTCACC GGGTCAAGCG CTCGGCCAGT 900 GATGACCCAT CTCGAGCCAT CCAGACCTTG CAGATGGAAC TGCAGCAAAT CATGAAAGGT 960 AACTTCAGTG CGTTTATGCA GAAGGAGATC TTCGAACAGC CAGAATCAGT TTTCAATACT 1020 ATGAGAGGTC GGGTGAATTT TGAAACCAAC ACAGTGCTCC TGGGTGGCTT GAAGGACCAC 1080 TTGAAGGAGA TTCGACGATG CCGACGGCTC ATCGTGATTG GCTGTGGAAC CAGCTACCAC 1140 GCTGCCGTGG CTACGCGGCA AGTTTTGGAG GAACTGACTG AGCTTCCTGT GATGGTTGAA 1200 CTTGCTAGTG ATTTTCTGGA CAGGAACACA CCTGTGTTCA GGGATGACGT TTGCTTTTTC 1260 ATCAGCCAGT CAGGC 1275
【0108】
【配列番号:5】 配列の長さ:1845 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGTGCGGAA TCTTTGCCTA CATGAACTAC AGAGTCCCCC GGACGAGGAA GGAGATCTTC 60 GAAACCCTCA TCAAGGGCCT GCAGCGGCTG GAGTACAGAG GCTACGACTC GGCAGGTGTG 120 GCGATCGATG GGAATAATCA CGAAGTCAAA GAAAGACACA TTCAGCTGGT CAAGAAAAGG 180 GGGAAAGTCA AGGCTCTCGA TGAAGAACTT TACAAACAAG ACAGCATGGA CTTAAAAGTG 240 GAGTTTGAGA CACACTTCGG CATTGCCCAC ACGCGCTGGG CCACCCACGG GGTCCCCAGT 300 GCTGTCAACA GCCACCCTCA GCGCTCAGAC AAAGGCAACG AATTTGTTGT CATCCACAAT 360 GGGATCATCA CAAATTACAA AGATCTGAGG AAATTTCTGG AAAGCAAAGG CTACGAGTTT 420 GAGTCAGAAA CAGATACAGA GACCATCGCC AAGCTGATTA AATATGTGTT CGACAACAGA 480 GAAACTGAGG ACATTACGTT TTCAACGTTG GTCGAGAGAG TCATTCAGCA GTTGGAAGGT 540 GCATTCGCGC TGGTTTTCAA GAGTGTCCAC TACCCAGGAG AAGCCGTTGC CACACGGAGA 600 GGCAGCCCCC TGCTCATCGG AGTCCGGAGC AAATACAAGC TCTCCACAGA ACAGATCCCT 660 ATCTTATACA GGACGTGCAC TCTGGAGAAT GTGAAGAATA TCTGTAAGAC ACGGATGAAG 720 AGGCTGGACA GCTCCGCCTG CCTGCATGCT GTGGGCGACA AGGCCGTGGA ATTCTTCTTT 780 GCTTCTGATG CAAGCGCTAT CATAGAGCAC ACCAACCGGG TCATCTTCCT GGAGGACGAT 840 GACATCGCCG CAGTGGCTGA TGGGAAACTC TCCATTCACC GGGTCAAGCG CTCGGCCAGT 900 GATGACCCAT CTCGAGCCAT CCAGACCTTG CAGATGGAAC TGCAGCAAAT CATGAAAGGT 960 AACTTCAGTG CGTTTATGCA GAAGGAGATC TTCGAACAGC CAGAATCAGT TTTCAATACT 1020 ATGAGAGGTC GGGTGAATTT TGAAACCAAC ACAGTGCTCC TGGGTGGCTT GAAGGACCAC 1080 TTGAAGGAGA TTCGACGATG CCGACGGCTC ATCGTGATTG GCTGTGGAAC CAGCTACCAC 1140 GCTGCCGTGG CTACGCGGCA AGTTTTGGAG GAACTGACTG AGCTTCCTGT GATGGTTGAA 1200 CTTGCTAGTG ATTTTCTGGA CAGGAACACA CCTGTGTTCA GGGATGACGT TTGCTTTTTC 1260 ATCAGCCAGT CAGGCGAGAC CGCGGACACC CTCCTGGCGC TGCGCTACTG TAAGGACCGC 1320 GGCGCTCTCA CCGTGGGCGT CACCAACACC GTGGGCAGCT CCATCTCTCG CGAGACCGAC 1380 TGCGGCGTCC ACATCAACGC AGGGCCGGAG ATCGGCGTGG CCAGCACCAA GGCTTATACC 1440 AGTCAGTTCA TCTCTCTGGT GATGTTTGGT TTGATGATGT CTGAAGACCG AATTTCACTA 1500 CAAAACAGGA GGCAAGAGAT CATCCGTGGC TTGAGATCTT TACCTGAGCT GATCAAGGAA 1560 GTGCTGTCTC TGGAGGAGAA GATCCACGAC TTGGCCCTGG AGCTCTACAC GCAGAGATCG 1620 CTGCTGGTGA TGGGGCGGGG CTACAACTAT GCCACCTGCC TGGAAGGAGC CCTGAAAATT 1680 AAAGAGATAA CCTACATGCA CTCAGAAGGC ATCCTGGCTG GGGAGCTGAA GCACGGGCCC 1740 CTGGCACTGA TTGACAAGCA GATGCCCGTC ATCATGGTCA TTATGAAGGA TCCTTGCTTC 1800 GCCAAATGCC AGAACGCCCT GCAGCAAGTC ACGGCCCGCC AGGTT 1845
【0109】
【配列番号:6】 配列の長さ:2046 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGTGCGGAA TCTTTGCCTA CATGAACTAC AGAGTCCCCC GGACGAGGAA GGAGATCTTC 60 GAAACCCTCA TCAAGGGCCT GCAGCGGCTG GAGTACAGAG GCTACGACTC GGCAGGTGTG 120 GCGATCGATG GGAATAATCA CGAAGTCAAA GAAAGACACA TTCAGCTGGT CAAGAAAAGG 180 GGGAAAGTCA AGGCTCTCGA TGAAGAACTT TACAAACAAG ACAGCATGGA CTTAAAAGTG 240 GAGTTTGAGA CACACTTCGG CATTGCCCAC ACGCGCTGGG CCACCCACGG GGTCCCCAGT 300 GCTGTCAACA GCCACCCTCA GCGCTCAGAC AAAGGCAACG AATTTGTTGT CATCCACAAT 360 GGGATCATCA CAAATTACAA AGATCTGAGG AAATTTCTGG AAAGCAAAGG CTACGAGTTT 420 GAGTCAGAAA CAGATACAGA GACCATCGCC AAGCTGATTA AATATGTGTT CGACAACAGA 480 GAAACTGAGG ACATTACGTT TTCAACGTTG GTCGAGAGAG TCATTCAGCA GTTGGAAGGT 540 GCATTCGCGC TGGTTTTCAA GAGTGTCCAC TACCCAGGAG AAGCCGTTGC CACACGGAGA 600 GGCAGCCCCC TGCTCATCGG AGTCCGGAGC AAATACAAGC TCTCCACAGA ACAGATCCCT 660 ATCTTATACA GGACGTGCAC TCTGGAGAAT GTGAAGAATA TCTGTAAGAC ACGGATGAAG 720 AGGCTGGACA GCTCCGCCTG CCTGCATGCT GTGGGCGACA AGGCCGTGGA ATTCTTCTTT 780 GCTTCTGATG CAAGCGCTAT CATAGAGCAC ACCAACCGGG TCATCTTCCT GGAGGACGAT 840 GACATCGCCG CAGTGGCTGA TGGGAAACTC TCCATTCACC GGGTCAAGCG CTCGGCCAGT 900 GATGACCCAT CTCGAGCCAT CCAGACCTTG CAGATGGAAC TGCAGCAAAT CATGAAAGGT 960 AACTTCAGTG CGTTTATGCA GAAGGAGATC TTCGAACAGC CAGAATCAGT TTTCAATACT 1020 ATGAGAGGTC GGGTGAATTT TGAAACCAAC ACAGTGCTCC TGGGTGGCTT GAAGGACCAC 1080 TTGAAGGAGA TTCGACGATG CCGACGGCTC ATCGTGATTG GCTGTGGAAC CAGCTACCAC 1140 GCTGCCGTGG CTACGCGGCA AGTTTTGGAG GAACTGACTG AGCTTCCTGT GATGGTTGAA 1200 CTTGCTAGTG ATTTTCTGGA CAGGAACACA CCTGTGTTCA GGGATGACGT TTGCTTTTTC 1260 ATCAGCCAGT CAGGCGAGAC CGCGGACACC CTCCTGGCGC TGCGCTACTG TAAGGACCGC 1320 GGCGCTCTCA CCGTGGGCGT CACCAACACC GTGGGCAGCT CCATCTCTCG CGAGACCGAC 1380 TGCGGCGTCC ACATCAACGC AGGGCCGGAG ATCGGCGTGG CCAGCACCAA GGCTTATACC 1440 AGTCAGTTCA TCTCTCTGGT GATGTTTGGT TTGATGATGT CTGAAGACCG AATTTCACTA 1500 CAAAACAGGA GGCAAGAGAT CATCCGTGGC TTGAGATCTT TACCTGAGCT GATCAAGGAA 1560 GTGCTGTCTC TGGAGGAGAA GATCCACGAC TTGGCCCTGG AGCTCTACAC GCAGAGATCG 1620 CTGCTGGTGA TGGGGCGGGG CTACAACTAT GCCACCTGCC TGGAAGGAGC CCTGAAAATT 1680 AAAGAGATAA CCTACATGCA CTCAGAAGGC ATCCTGGCTG GGGAGCTGAA GCACGGGCCC 1740 CTGGCACTGA TTGACAAGCA GATGCCCGTC ATCATGGTCA TTATGAAGGA TCCTTGCTTC 1800 GCCAAATGCC AGAACGCCCT GCAGCAAGTC ACGGCCCGCC AGGGTCGCCC CATTATACTG 1860 TGCTCCAAGG ACGATACTGA AAGTTCCAAG TTTGCGTATA AGACAATTGA GCTGCCCCAC 1920 ACTGTGGACT GCCTCCAGGG CATCCTGAGC GTGATTCCGC TGCAGCTGCT GTCCTTCCAC 1980 CTGGCTGTTC TCCGAGGATA TGACGTTGAC TTCCCCAGAA ATCTGGCCAA GTCTGTAACT 2040 GTGGAA 2046
【0110】
【配列番号:7】 配列の長さ:149 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Cys Gly Ile Phe Ala Tyr Met Asn Tyr Arg Val Pro Arg Thr Arg 1 5 10 15 Lys Glu Ile Phe Glu Thr Leu Ile Lys Gly Leu Gln Arg Leu Glu Tyr 20 25 30 Arg Gly Tyr Asp Ser Ala Gly Val Ala Ile Asp Gly Asn Asn His Glu 35 40 45 Val Lys Glu Arg His Ile Gln Leu Val Lys Lys Arg Gly Lys Val Lys 50 55 60 Ala Leu Asp Glu Glu Leu Tyr Lys Gln Asp Ser Met Asp Leu Lys Val 65 70 75 80 Glu Phe Glu Thr His Phe Gly Ile Ala His Thr Arg Trp Ala Thr His 85 90 95 Gly Val Pro Ser Ala Val Asn Ser His Pro Gln Arg Ser Asp Lys Gly 100 105 110 Asn Glu Phe Val Val Ile His Asn Gly Ile Ile Thr Asn Tyr Lys Asp 115 120 125 Leu Arg Lys Phe Leu Glu Ser Lys Gly Tyr Glu Phe Glu Ser Glu Thr 130 135 140 Asp Thr Glu Thr Ile 145
【0111】
【配列番号:8】 配列の長さ:121 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Lys Leu Ile Lys Tyr Val Phe Asp Asn Arg Glu Thr Glu Asp Ile 1 5 10 15 Thr Phe Ser Thr Leu Val Glu Arg Val Ile Gln Gln Leu Glu Gly Ala 20 25 30 Phe Ala Leu Val Phe Lys Ser Val His Tyr Pro Gly Glu Ala Val Ala 35 40 45 Thr Arg Arg Gly Ser Pro Leu Leu Ile Gly Val Arg Ser Lys Tyr Lys 50 55 60 Leu Ser Thr Glu Gln Ile Pro Ile Leu Tyr Arg Thr Cys Thr Leu Glu 65 70 75 80 Asn Val Lys Asn Ile Cys Lys Thr Arg Met Lys Arg Leu Asp Ser Ser 85 90 95 Ala Cys Leu His Ala Val Gly Asp Lys Ala Val Glu Phe Phe Phe Ala 100 105 110 Ser Asp Ala Ser Ala Ile Ile Glu His 115 120
【0112】
【配列番号:9】 配列の長さ:155 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Asn Arg Val Ile Phe Leu Glu Asp Asp Asp Ile Ala Ala Val Ala 1 5 10 15 Asp Gly Lys Leu Ser Ile His Arg Val Lys Arg Ser Ala Ser Asp Asp 20 25 30 Pro Ser Arg Ala Ile Gln Thr Leu Gln Met Glu Leu Gln Gln Ile Met 35 40 45 Lys Gly Asn Phe Ser Ala Phe Met Gln Lys Glu Ile Phe Glu Gln Pro 50 55 60 Glu Ser Val Phe Asn Thr Met Arg Gly Arg Val Asn Phe Glu Thr Asn 65 70 75 80 Thr Val Leu Leu Gly Gly Leu Lys Asp His Leu Lys Glu Ile Arg Arg 85 90 95 Cys Arg Arg Leu Ile Val Ile Gly Cys Gly Thr Ser Tyr His Ala Ala 100 105 110 Val Ala Thr Arg Gln Val Leu Glu Glu Leu Thr Glu Leu Pro Val Met 115 120 125 Val Glu Leu Ala Ser Asp Phe Leu Asp Arg Asn Thr Pro Val Phe Arg 130 135 140 Asp Asp Val Cys Phe Phe Ile Ser Gln Ser Gly 145 150 155
【0113】
【配列番号:10】 配列の長さ:447 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGTGCGGAA TCTTTGCCTA CATGAACTAC AGAGTCCCCC GGACGAGGAA GGAGATCTTC 60 GAAACCCTCA TCAAGGGCCT GCAGCGGCTG GAGTACAGAG GCTACGACTC GGCAGGTGTG 120 GCGATCGATG GGAATAATCA CGAAGTCAAA GAAAGACACA TTCAGCTGGT CAAGAAAAGG 180 GGGAAAGTCA AGGCTCTCGA TGAAGAACTT TACAAACAAG ACAGCATGGA CTTAAAAGTG 240 GAGTTTGAGA CACACTTCGG CATTGCCCAC ACGCGCTGGG CCACCCACGG GGTCCCCAGT 300 GCTGTCAACA GCCACCCTCA GCGCTCAGAC AAAGGCAACG AATTTGTTGT CATCCACAAT 360 GGGATCATCA CAAATTACAA AGATCTGAGG AAATTTCTGG AAAGCAAAGG CTACGAGTTT 420 GAGTCAGAAA CAGATACAGA GACCATC 447
【0114】
【配列番号:11】 配列の長さ:363 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCCAAGCTGA TTAAATATGT GTTCGACAAC AGAGAAACTG AGGACATTAC GTTTTCAACG 60 TTGGTCGAGA GAGTCATTCA GCAGTTGGAA GGTGCATTCG CGCTGGTTTT CAAGAGTGTC 120 CACTACCCAG GAGAAGCCGT TGCCACACGG AGAGGCAGCC CCCTGCTCAT CGGAGTCCGG 180 AGCAAATACA AGCTCTCCAC AGAACAGATC CCTATCTTAT ACAGGACGTG CACTCTGGAG 240 AATGTGAAGA ATATCTGTAA GACACGGATG AAGAGGCTGG ACAGCTCCGC CTGCCTGCAT 300 GCTGTGGGCG ACAAGGCCGT GGAATTCTTC TTTGCTTCTG ATGCAAGCGC TATCATAGAG 360 CAC 363
【0115】
【配列番号:12】 配列の長さ:465 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ACCAACCGGG TCATCTTCCT GGAGGACGAT GACATCGCCG CAGTGGCTGA TGGGAAACTC 60 TCCATTCACC GGGTCAAGCG CTCGGCCAGT GATGACCCAT CTCGAGCCAT CCAGACCTTG 120 CAGATGGAAC TGCAGCAAAT CATGAAAGGT AACTTCAGTG CGTTTATGCA GAAGGAGATC 180 TTCGAACAGC CAGAATCAGT TTTCAATACT ATGAGAGGTC GGGTGAATTT TGAAACCAAC 240 ACAGTGCTCC TGGGTGGCTT GAAGGACCAC TTGAAGGAGA TTCGACGATG CCGACGGCTC 300 ATCGTGATTG GCTGTGGAAC CAGCTACCAC GCTGCCGTGG CTACGCGGCA AGTTTTGGAG 360 GAACTGACTG AGCTTCCTGT GATGGTTGAA CTTGCTAGTG ATTTTCTGGA CAGGAACACA 420 CCTGTGTTCA GGGATGACGT TTGCTTTTTC ATCAGCCAGT CAGGT 465
【0116】
【配列番号:13】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AAGGAGCCCG AGAAGCAGCC ACGAT 25
【0117】
【配列番号:14】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CACTTCGGCA TTGCCCACAC GC 22
【0118】
【配列番号:15】 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTGAATGGAG AGTTTTCCAT
【0119】
【配列番号:16】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CGACAACAGA GAAACTGAGG AC
【0120】
【配列番号:17】 配列の長さ:1796 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GATCCACGAT GTGCGGAATC TTTGCCTACA TGAACTACAG AGTCCCCCGG ACGAGGAAGG 60 AGATCTTCGA AACCCTCATC AAGGGCCTGC AGCGGCTGGA GTACAGAGGC TACGACTCGG 120 CAGGTGTGGC GATCGATGGG AATAATCACG AAGTCAAAGA AAGACACATT CAGCTGGTCA 180 AGAAAAGGGG GAAAGTCAAG GCTCTCGATG AAGAACTTTA CAAACAAGAC AGCATGGACT 240 TAAAAGTGGA GTTTGAGACA CACTTCGGCA TTGCCCACAC GCGCTGGGCC ACCCACGGGG 300 TCCCCAGTGC TGTCAACAGC CACCCTCAGC GCTCAGACAA AGGCAACGAA TTTGTTGTCA 360 TCCACAATGG GATCATCACA AATTACAAAG ATCTGAGGAA ATTTCTGGAA AGCAAAGGCT 420 ACGAGTTTGA GTCAGAAACA GATACAGAGA CCATCGCCAA GCTGATTAAA TATGTGTTCG 480 ACAACAGAGA AACTGAGGAC ATTACGTTTT CAACGTTGGT CGAGAGAGTC ATTCAGCAGT 540 TGGAAGGTGC ATTCGCGCTG GTTTTCAAGA GTGTCCACTA CCCAGGAGAA GCCGTTGCCA 600 CACGGAGAGG CAGCCCCCTG CTCATCGGAG TCCGGAGCAA ATACAAGCTC TCCACAGAAC 660 AGATCCCTAT CTTATACAGG ACGTGCACTC TGGAGAATGT GAAGAATATC TGTAAGACAC 720 GGATGAAGAG GCTGGACAGC TCCGCCTGCC TGCATGCTGT GGGCGACAAG GCCGTGGAAT 780 TCTTCTTTGC TTCTGATGCA AGCGCTATCA TAGAGCACAC CAACCGGGTC ATCTTCCTGG 840 AGGACGATGA CATCGCCGCA GTGGCTGATG GGAAACTCTC CATTCACCGG GTCAAGCGCT 900 CGGCCAGTGA TGACCCATCT CGAGCCATCC AGACCTTGCA GATGGAACTG CAGCAAATCA 960 TGAAAGGTAA CTTCAGTGCG TTTATGCAGA AGGAGATCTT CGAACAGCCA GAATCAGTTT 1020 TCAATACTAT GAGAGGTCGG GTGAATTTTG AAACCAACAC AGTGCTCCTG GGTGGCTTGA 1080 AGGACCACTT GAAGGAGATT CGACGATGCC GACGGCTCAT CGTGATTGGC TGTGGAACCA 1140 GCTACCACGC TGCCGTGGCT ACGCGGCAAG TTTTGGAGGA ACTGACTGAG CTTCCTGTGA 1200 TGGTTGAACT TGCTAGTGAT TTTCTGGACA GGAACACACC TGTGTTCAGG GATGACGTTT 1260 GCTTTTTCAT CAGCCAGTCA GGCGAGACCG CGGACACCCT CCTGGCGCTG CGCTACTGTA 1320 AGGACCGCGG CGCTCTCACC GTGGGCGTCA CCAACACCGT GGGCAGCTCC ATCTCTCGCG 1380 AGACCGACTG CGGCGTCCAC ATCAACGCAG GGCCGGAGAT CGGCGTGGCC AGCACCAAGG 1440 CTTATACCAG TCAGTTCATC TCTCTGGTGA TGTTTGGTTT GATGATGTCT GAAGACCGAA 1500 TTTCACTACA AAACAGGAGG CAAGAGATCA TCCGTGGCTT GAGATCTTTA CCTGAGCTGA 1560 TCAAGGAAGT GCTGTCTCTG GAGGAGAAGA TCCACGACTT GGCCCTGGAG CTCTACACGC 1620 AGAGATCGCT GCTGGTGATG GGGCGGGGCT ACAACTATGC CACCTGCCTG GAAGGAGCCC 1680 TGAAAATTAA AGAGATAACC TACATGCACT CAGAAGGCAT CCTGGCTGGG GAGCTGAAGC 1740 ACGGGCCCCT GGCACTGATT GACAAGCAGA TGCCCGTCAT CATGGTCATT ATGAAG 1796
【0121】
【配列番号:18】 配列の長さ:486 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Cys Gly Ile Phe Ala Tyr Met Asn Tyr Arg Val Pro Arg Thr Arg 1 5 10 15 Lys Glu Ile Phe Glu Thr Leu Ile Lys Gly Leu Gln Arg Leu Glu Tyr 20 25 30 Arg Gly Tyr Asp Ser Ala Gly Val Ala Ile Asp Gly Asn Asn His Glu 35 40 45 Val Lys Glu Arg His Ile Gln Leu Val Lys Lys Arg Gly Lys Val Lys 50 55 60 Ala Leu Asp Glu Glu Leu Tyr Lys Gln Asp Ser Met Asp Leu Lys Val 65 70 75 80 Glu Phe Glu Thr His Phe Gly Ile Ala His Thr Arg Trp Ala Thr His 85 90 95 Gly Val Pro Ser Ala Val Asn Ser His Pro Gln Arg Ser Asp Lys Gly 100 105 110 Asn Glu Phe Val Val Ile His Asn Gly Ile Ile Thr Asn Tyr Lys Asp 115 120 125 Leu Arg Lys Phe Leu Glu Ser Lys Gly Tyr Glu Phe Glu Ser Glu Thr 130 135 140 Asp Thr Glu Thr Ile Ala Lys Leu Ile Lys Tyr Val Phe Asp Asn Arg 145 150 155 160 Glu Thr Glu Asp Ile Thr Phe Ser Thr Leu Val Glu Arg Val Ile Gln 165 170 175 Gln Leu Glu Gly Ala Phe Ala Leu Val Phe Lys Ser Val His Tyr Pro 180 185 190 Gly Glu Ala Val Ala Thr Arg Arg Gly Ser Pro Leu Leu Ile Gly Val 195 200 205 Arg Ser Lys Tyr Lys Leu Ser Thr Glu Gln Ile Pro Ile Leu Tyr Arg 210 215 220 Thr Cys Thr Leu Glu Asn Val Lys Asn Ile Cys Lys Thr Arg Met Lys 225 230 235 240 Arg Leu Asp Ser Ser Ala Cys Leu His Ala Val Gly Asp Lys Val Val 245 250 255 Glu Phe Phe Phe Ala Ser Asp Ala Ser Ala Ile Ile Glu His Thr Asn 260 265 270 Arg Val Ile Phe Leu Glu Asp Asp Asp Ile Ala Ala Val Ala Asp Gly 275 280 285 Lys Leu Ser Ile His Arg Val Lys Arg Ser Ala Ser Asp Asp Pro Ser 290 295 300 Arg Ala Ile Gln Thr Leu Gln Met Glu Leu Gln Gln Ile Met Lys Gly 305 310 315 320 Asn Phe Ser Ala Phe Met Gln Lys Glu Ile Phe Glu Gln Pro Glu Ser 325 330 335 Val Phe Asn Thr Met Arg Gly Arg Val Asn Phe Glu Thr Asn Thr Val 340 345 350 Leu Leu Gly Gly Leu Lys Asp His Leu Lys Glu Ile Arg Arg Cys Arg 355 360 365 Arg Leu Ile Val Ile Gly Cys Gly Thr Ser Tyr His Ala Ala Val Ala 370 375 380 Thr Arg Gln Val Leu Glu Glu Leu Thr Glu Leu Pro Val Met Val Glu 385 390 395 400 Leu Ala Ser Asp Phe Leu Asp Arg Asn Thr Pro Val Phe Arg Asp Asp 405 410 415 Val Cys Phe Phe Ile Ser Gln Ser Gly Lys Gly His Arg His Cys Gly 420 425 430 Gln Pro Cys Ile Arg Ser Ala Leu Gly Ser Leu Leu Phe Ser Phe Ile 435 440 445 Gln Leu Ser Pro Leu His Gly Tyr Pro Val Leu Arg Thr Leu Ser Cys 450 455 460 Ser Gly His Leu Thr Arg Arg Ala Met Asp Tyr Cys Arg His Cys Thr 465 470 475 480 Gly Arg Ala Arg Asp Val 485
【0122】
【配列番号:19】 配列の長さ:1458 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATGTGCGGAA TCTTTGCCTA CATGAACTAC AGAGTCCCCC GGACGAGGAA GGAGATCTTC 60 GAAACCCTCA TCAAGGGCCT GCAGCGGCTG GAGTACAGAG GCTACGACTC GGCAGGTGTG 120 GCGATCGATG GGAATAATCA CGAAGTCAAA GAAAGACACA TTCAGCTGGT CAAGAAAAGG 180 GGGAAAGTCA AGGCTCTCGA TGAAGAACTT TACAAACAAG ACAGCATGGA CTTAAAAGTG 240 GAGTTTGAGA CACACTTCGG CATTGCCCAC ACGCGCTGGG CCACCCACGG GGTCCCCAGT 300 GCTGTCAACA GCCACCCTCA GCGCTCAGAC AAAGGCAACG AATTTGTTGT CATCCACAAT 360 GGGATCATCA CAAATTACAA AGATCTGAGG AAATTTCTGG AAAGCAAAGG CTACGAGTTT 420 GAGTCAGAAA CAGATACAGA GACCATCGCC AAGCTGATTA AATATGTGTT CGACAACAGA 480 GAAACTGAGG ACATTACGTT TTCAACGTTG GTCGAGAGAG TCATTCAGCA GTTGGAAGGT 540 GCATTCGCGC TGGTTTTCAA GAGTGTCCAC TACCCAGGAG AAGCCGTTGC CACACGGAGA 600 GGCAGCCCCC TGCTCATCGG AGTCCGGAGC AAATACAAGC TCTCCACAGA ACAGATCCCT 660 ATCTTATACA GGACGTGCAC TCTGGAGAAT GTGAAGAATA TCTGTAAGAC ACGGATGAAG 720 AGGCTGGACA GCTCCGCCTG CCTGCATGCT GTGGGCGACA AGGTCGTGGA ATTCTTCTTT 780 GCTTCTGATG CAAGCGCTAT CATAGAGCAC ACCAACCGGG TCATCTTCCT GGAGGACGAT 840 GACATCGCCG CAGTGGCTGA TGGGAAACTC TCCATTCACC GGGTCAAGCG CTCGGCCAGT 900 GATGACCCAT CTCGAGCCAT CCAGACCTTG CAGATGGAAC TGCAGCAAAT CATGAAAGGT 960 AACTTCAGTG CGTTTATGCA GAAGGAGATC TTCGAACAGC CAGAATCAGT TTTCAATACT 1020 ATGAGAGGTC GGGTGAATTT TGAAACCAAC ACAGTGCTCC TGGGTGGCTT GAAGGACCAC 1080 TTGAAGGAGA TTCGACGATG CCGACGGCTC ATCGTGATTG GCTGTGGAAC CAGCTACCAC 1140 GCTGCCGTGG CTACGCGGCA AGTTTTGGAG GAACTGACTG AGCTTCCTGT GATGGTTGAA 1200 CTTGCTAGTG ATTTTCTGGA CAGGAACACA CCTGTGTTCA GGGATGACGT TTGCTTTTTC 1260 ATCAGCCAGT CAGGTAAGGG ACACAGGCAT TGTGGCCAGC CTTGCATCAG GTCAGCTCTG 1320 GGCTCTCTCC TCTTCTCCTT CATTCAGTTA AGTCCTCTGC ATGGCTACCC TGTGCTGCGA 1380 ACCCTCTCTT GCAGCGGTCA TTTAACCCGT AGAGCCATGG ATTACTGTCG CCATTGTACG 1440 GGGAGGGCAA GAGATGTC 1458
【0123】
【配列番号:20】 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GATATCACGA TGTGCGGAAT CTTTGCCTAC AT 32
【0124】
【配列番号:21】 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTCGACTTCT GGGGAAGTCA AACCTGGCGG G 31
【0125】
【配列番号:22】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCCATATGTG CGGAATCTTT GC 22
【0126】
【配列番号:23】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCGTCGACAA CCTGGCGGGC CG 22
【0127】
【配列番号:24】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCCATATGTG CGGAATCTTT GC 22
【0128】
【配列番号:25】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCGTCGACTT CCACAGTTAC AG 22
【0129】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のタンパク質TGC
028−3をコードするDNAの塩基配列およびそれに
コードされるアミノ酸配列を示す。
【図2】実施例2で得られた本発明のタンパク質TGC
028−4をコードするDNAの塩基配列およびそれに
コードされるアミノ酸配列を示す。
【図3】参考例1で得られたタンパク質TGC028−
2をコードするDNAの塩基配列およびそれにコードさ
れるアミノ酸配列を示す。
【図4】本発明のタンパク質TGC028−4をコード
するDNAを含有するプラスミドpTB1944の構築
図を示す。
【図5】本発明のタンパク質TGC028−3をコード
するDNAをプローブとして用いて、本発明のタンパク
質TGC028−3をコードするmRNAのヒトの各組
織における発現量をノザンハイブリダイゼーションで調
べた結果を示す(電気泳動写真図)。(1)は心臓を、
(2)は脳を、(3)は胎盤を、(4)は肺を、(5)
は肝臓を、(6)は平滑筋を、(7)は腎臓を、(8)
は膵臓を、(9)は脾臓を、(10)は胸腺を、(1
1)は前立腺を、(12)は精巣を、(13)は卵巣、
(14)は小腸を、(15)は大腸を示す。縦軸のcm
は泳動距離を示す。
【図6】ヒトβ−アクチンプローブをプローブとして用
いて、ヒトβ−アクチンをコードするmRNAのヒトの
各組織における発現量をノザンハイブリダイゼーション
で調べた結果を示す(電気泳動写真図)。(1)は心臓
を、(2)は脳を、(3)は胎盤を、(4)は肺を、
(5)は肝臓を、(6)は平滑筋を、(7)は腎臓を、
(8)は膵臓を、(9)は脾臓を、(10)は胸腺を、
(11)は前立腺を、(12)は精巣を、(13)は卵
巣、(14)は小腸を、(15)は大腸を示す。縦軸の
cmは泳動距離を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 1/21 C12N 1/21 9/12 9/12 C12Q 1/48 Z C12Q 1/48 G01N 33/53 D G01N 33/53 C12P 21/08 // C12P 21/08 A61K 37/52 ADP (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:19)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
    パク質またはその塩。
  2. 【請求項2】配列番号:2もしくは配列番号:3で表わ
    されるアミノ酸配列またはそれらと実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を有する請求項1記載のタンパク質。
  3. 【請求項3】グルタミン:フルクトース−6−リン酸
    アミドトランスフェラーゼ活性を有する請求項1または
    2記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】請求項1記載のタンパク質の部分ペプチド
    またはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のタンパク質または請求項4
    記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDN
    Aを含有するDNA。
  6. 【請求項6】配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
    る請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】配列番号:5または配列番号:6で表わさ
    れる塩基配列を有する請求項5記載のDNA。
  8. 【請求項8】請求項5記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  9. 【請求項9】請求項8記載の組換えベクターで形質転換
    された形質転換体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のタンパク質またはその塩を生成、蓄積せし
    め、これを採取することを特徴とする請求項1記載のタ
    ンパク質またはその塩の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】低血糖症の治療・予防剤である請求項1
    1記載の医薬。
  13. 【請求項13】請求項5記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  14. 【請求項14】低血糖症の治療・予防剤である請求項1
    3記載の医薬。
  15. 【請求項15】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体。
  16. 【請求項16】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を用いることを特徴
    とする請求項1記載のタンパク質またはその塩の酵素活
    性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
    法。
  17. 【請求項17】請求項1記載のタンパク質、請求項4記
    載の部分ペプチドまたはそれらの塩を含有する請求項1
    記載のタンパク質またはその塩の酵素活性を阻害する化
    合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  18. 【請求項18】請求項16記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項17記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のタンパク質またはその塩の酵
    素活性を阻害する化合物またはその塩。
  19. 【請求項19】請求項16記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項17記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のタンパク質またはその塩の酵
    素活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなる医
    薬。
  20. 【請求項20】糖尿病の治療・予防剤である請求項19
    記載の医薬。
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