JP4076667B2 - 遺伝子欠損マウスとこのマウスを用いた試験方法 - Google Patents

遺伝子欠損マウスとこのマウスを用いた試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遺伝子欠損マウスと、この遺伝子欠損マウスを用いた各種試験方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L−PGDS)をコードする遺伝子がノックアウト(機能破壊)されており、この合成酵素の欠損によって中枢神経系機能、循環器系機能および生殖機能等に、先天性または反応性の障害を呈する遺伝子欠損マウスと、この遺伝子欠損マウスを用いて上記機能障害に対する予防または治療薬剤の有効成分を試験する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
L−PGDS(J.Biol.Chem. 260:12410-12415, 1985; J.Biol.Chem. 264:1041-1045, 1989; Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 88:4020-4024, 1991; Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89:5376-5380,1992; J.Biol.Chem. 267:23202-23208, 1992; J.Lipd Mediators Cell Signaling 12:257-273, 1995; J.Biol.Chem. 270:1422-1428, 1995)は、各種の生理活性の有する体内物質プロスタグランジンD2(PGD2 :Prostaglandins Leukotrienes Essent. Fatty Acids 37:219-234, 1989; FASEB J. 5:2575-2581, 1991; Adv.Neuroimmunol. 5:211-216, 1995; J.Lipd Mediators Cell Signaling 14:71-82, 1996)の産生機能と、細胞分化因子であるビタミンA群の輸送機能(Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 88:4020-4024, 1991; J.Biol.Chem. 272:15789-15795, 1997)を併せ持つ酵素であり、中枢神経系、循環器系および生殖器官で発現し(Arch.Biochem.Biophys. 260:521-531, 1988; Br.J.Ophthalmology 72:461-464, 1988; Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90:9070-9074, 1993; Prostaglandins 51:298, 1996; J.Neurosci. 16:6119-6124, 1996)、体液中に分泌されている(Biochem.Biophys.Res.Commun. 203:1110-1116, 1994; Proc.Japan.Acad. 72:108-111, 1996; Clinical Cheminsry 42:1984-1991, 1996)。そして、これらの各器官でのL−PGDSの発現量の増減が、種々の身体障害や疾患に密接に関係していることも知られている。
【0003】
例えば、PGD2は現在までに明らかにされている内因性睡眠物質のうちで最も強い催眠作用を示すが、その合成酵素であるL−PGDSの阻害物質(Arch. Biochem.Biophys. 289:161-166, 1991)を動物の脳室内に投与すると顕著な睡眠障害が生じる(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9046-9050, 1991)ことから、脳内におけるL−PGDSの合成不全が不眠症の一因であることが示唆されている。また、中枢神経系でのPGD2の増減は、侵害的な刺激(例えば痛覚刺激)に対する感受性の変化(Brain Res. 510:26-32, 1990; J.Pharmacol.Exp.Ther. 278:1146-1152, 1996)および排卵誘発を促す黄体ホルモンの分泌量の変化(Endocrinology 110:2207-2209, 1982)にも関与することも知られている。
【0004】
一方、循環器系でのL−PGDS発現としては、例えば、動脈硬化の病巣においてL−PGDSが特異的に発現することが知られている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94:14689-14694, 1997)。これは、L−PGDSにより合成されるPGD2の血液凝固抑制作用(Prostaglandins 16:373-388, 1978)によって狭窄した血管を閉鎖させないためであると推測されている。従って、血液中のL−PGDSは動脈硬化のマーカーとして有望視されている。また、L−PGDSは腎臓の近尿細管の特定部位に局在して発現しているが、その部位はヒトにおける塩分過多を原因とする腎機能低下に関係する部位であるとされていることから、L−PGDSは腎機能低下症の発症機構に密接に関係するものと考えられてもいる。
【0005】
さらに、生殖器官におけるL−PGDSの発現は、不妊に関係していることも知られている。すなわち、L−PGDSは精巣・副睾丸で産生され、精液中に分泌されるが、男性不妊要因である精液減少症の患者の精液中のL−PGDS濃度は健常人に比べて有意に低い(Biol.Reprod. 58:600-607, 1998)。また、ウシ精液の高受胎率関連蛋白質として報告されたSP26はL−PGDSであることも判明している(Biol.Reprod. 58:826-833, 1998)。ただし、精液中にはPGD2がほとんど検出されないことから(Biol.Reprod. 58:600-607, 1998)、L−PGDSはPGD2合成機能とは別の機能によって生殖機能に関係していると考えられる。
【0006】
またL−PGDは女性の妊娠にも関係している。すなわち、L−PGDSは妊娠後期の胎児中枢神経系で発現し、羊水中に分泌されるが、その量は胎児の成長に伴って増加することがヒトおよび動物で確認されている。このため、L−PGDSは妊娠異常のマーカーとしての利用が期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおり、L−PGDSが生物個体の様々な生理機能に密接に関係しており、その欠損が種々のヒト疾患要因となりうることが示唆されている。
しかしながら、L−PGDS活性の欠損が動物個体に対してどの様に作用するのかについて、統制された条件下での研究を可能とするモデル動物系は確立されていない。
【0008】
また、そのようなモデル動物は、L−PGDS活性の欠損によって生じる各種疾患の予防もしくは治療薬剤の開発等にも極めて有効であろうと期待される。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、遺伝的にL−PGDS活性を欠損しているマウス個体を提供することを目的としている。またこの出願は、このマウス個体を用い、L−PGDS活性の欠損によって生じる各種疾患の予防もしくは治療物質の有効性を試験する方法を提供することを目的としてもいる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願は、上記の課題を解決するための発明として、ゲノムDNAのL−PGDS遺伝子が、そのエクソンIIからエクソンVがネオマイシン耐性遺伝子に置換された変異配列に相同組換えされたマウス胚性幹細胞を導入した初期胚を雌マウス体内で個体へと発生させて産出させたキメラマウスの子孫個体であって、生殖細胞および体細胞ゲノムDNAのL−PGDS遺伝子が変異配列に置換されている遺伝子欠損マウスを提供する。
【0010】
なお、この遺伝子欠損マウスは、L−PGDSの対立遺伝子の両方または片方が変異配列に置換されていることを好ましい態様の一つとしている。
さらにこの出願は、以下の各種試験方法を提供する。
(1) 睡眠調節物質の個体内活性を試験する方法であって、上記の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの睡眠状態を測定することを特徴とする試験方法。
(2) 鎮痛物質の個体内活性を試験する方法であって、上記の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの痛覚刺激に対する反応性を測定することを特徴とする試験方法。
(3) 血液凝固抑制物質の個体内活性を試験する方法であって、上記の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの動脈硬化の程度を測定することを特徴とする試験方法。
(4) 腎機能促進物質の個体内活性を試験する方法であって、上記の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの腎機能を測定することを特徴とする試験方法。
(5) 不妊改善物質の個体内活性を試験する方法であって、上記遺伝子欠損マウスの雄に候補物質を投与し、この雄マウスの精子の成熟の程度または繁殖率の零度を測定することを特徴とする試験方法。
(6) 不妊改善物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスの雌に、妊娠前または妊娠後に候補物質を投与し、この雌マウスの子宮における受精卵の着床状態または胎仔の発育状態を測定することを特徴とする試験方法。
(7) 麻酔物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの麻酔状態および/または麻酔からの覚醒状態を測定することを特徴とする試験方法。
(8) 生理不順改善物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスの雌に候補物質を投与し、この雌マウスの性周期、排卵数および/または各種ホルモン量を測定することを特徴とする試験方法
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の遺伝子欠損マウスは、公知の標的遺伝子組換え法(ジーン・ターゲティング:例えば、Methods in Enzymology 225:803-890, 1993)を用いることにより、例えば以下のとおりに作成することができる。
先ず、単離したL−PGDS遺伝子の配列中のエクソンIIからVをネオマイシン耐性遺伝子(Neor遺伝子)と置換し、またL−PGDS遺伝子の端部にヘルペスウイルスのサイミジンカイネース遺伝子(HSV−tk遺伝子)を付加してターゲティング・ベクターを作成する。このターゲティング・ベクターをマウスの胚性幹細胞(ES細胞)に導入し、細胞ゲノムDNAのL−PGDS遺伝子がターゲティング・ベクター中の変異配列に相同組換えされた細胞を選択する。このような遺伝子組換え細胞の選択は、G418を細胞培地に添加してNeor遺伝子を持たない非組換え細胞を除去し、さらにガンシクロビルを添加してHSV−tk遺伝子が残存するランダムな組換え細胞を除去することによって行うことができる。選択された遺伝子組換え細胞のL−PGDS遺伝子は、そのコード配列中にNeor遺伝子が挿入された変異配列であり、L−PGDSを産生することはできない。
【0012】
次いで、この遺伝子組換えされたES細胞をマウスの初期胚(胚盤胞)に注入し、この初期胚を雌マウスの体内で個体へと発生させ、キメラマウスを産出させる。そして、このキメラマウスと野生型マウスとを交配して子孫マウスを産出させ、これらの子孫マウスの中から、対立遺伝子の両方または片方に変異配列を有するマウス個体を選別することによって、この発明の遺伝子欠損マウスを得ることができる。L−PGDS産生能を持たない、またはL−PGDS産生量が野生型に比べて低い遺伝子欠損マウスを作成することができる。なお、後記する実施例にも示したように、対立遺伝子の両方が変異配列に置換されている遺伝子欠損マウス(ホモ接合体:−/−)は、野生型マウス(+/+)に比べL−PGDS活性は10%以下である。また、対立遺伝子の片方が変異配列に置換されている遺伝子欠損マウス(ヘテロ接合体:+/−)はL−PGDS産生量が野生型マウス(+/+)の約半分である。
【0013】
このようにして作成した遺伝子欠損マウスは、以下のとおりの試験方法に用いることができる。
(1)睡眠調節物質の試験方法
野生型マウス等にL−PGDS活性阻害剤を脳室内投与すると、顕著な睡眠障害が認められるが、この発明の遺伝子欠損マウスは遺伝形質としての睡眠障害を呈する。そこで、催眠薬等の有効成分となる睡眠調節物質の候補物質を遺伝子欠損マウスに投与し、マウスの睡眠状態を測定することによって、例えば副作用の少ない睡眠調節物質の探索、そのような物質を有効成分とする催眠薬の開発が可能となる。また、このような睡眠調節物質の探索等をとおして、哺乳動物における睡眠調節機構の解明も可能となる。なお、マウスの睡眠状態の測定は、例えば脳波、筋電、活動量、摂食・摂水量、体温等を経時的に計測することによって行うことができる。
(2)鎮痛物質の試験方法
ヒトは健康時には接触刺激によって痛みを感じることはないが、例えば帯状疱疹に罹患した場合のような病的状況下では軽い触覚刺激でも激痛を起こす。これはアロディニアと呼ばれる現象であり、熱刺激や機械刺激による痛覚過敏とは区別されている(Textbook of Pain, 3rd Ed, pp165-200, 1994; Pain 68:13-23, 1996)。この発明の遺伝子欠損マウスは、人為的操作によるアロディニアを全く示さず、熱刺激に対する痛覚過敏症状を示すことを特徴としている。
【0014】
従って、この発明の遺伝子欠損マウスは、アロディニアおよび痛覚過敏誘発機構の解明に利用することができる。また、鎮痛物質の候補をマウスに投与し、このマウスの痛覚刺激に対する反応性を測定することによって、痛覚反応に選択的な鎮痛薬を開発することが可能となる。さらに、痛覚誘発機構の解明と新規の鎮痛薬の開発は、例えばモルヒネで抑えることのできないガン末期の激痛メカニズムを解明し、その対処療法を開発するにも有効である。
(3)血液凝固抑制物質の試験方法
従来、動脈硬化モデル動物としては、強制的に動脈硬化を生じさせたラットやウサギが用いられていたが、マウスはヒトによく似た摂食による動脈硬化を発症させることができる(Atheroscleosis 57:65-73, 1985)。また前述のとおり、動脈硬化の病巣には特異的にL−PGDSが発現し、それによって合成されるPGD2によって凝固した血液を溶解して血管閉鎖を防止することが知られている。この発明の遺伝子欠損マウスは、L−PGDSをほとんど、または約半分程度しか産生しないため、より顕著な形で動脈硬化症状を発症させることができる。
【0015】
従って、動脈硬化を生じさせた遺伝子欠損マウスに血液凝固抑制物質の候補を投与し、このマウスの動脈硬化の程度を測定することによって、ヒトの動脈硬化発症機構の解明とともに、新しい血液凝固抑制薬を開発することが可能である。
(4)腎機能促進物質の試験方法
前述のとおり、L−PGDSは腎機能の低下に関係する部位に特異的に発現している。従って、このL−PGDS遺伝子欠損マウスは、例えば塩分摂取量によって容易に腎機能低下症を生じさせることができ、そのようなモデルマウスに候補物質を投与してマウスの腎機能を測定することにより、新規な腎機能促進薬を開発することが可能となる。また、ヒトの腎機能低下症の発症機構の解明にも有効である。
(5)男性要因による不妊改善物質の試験方法
前述のとおり、男性不妊要因である精子減少症患者の精液中L−PGDS濃度は有意に低い。従って、この発明のL−PGDS遺伝子欠損マウスの雄は、精子減少症の有効なモデル動物であり、このマウスに候補物質を投与し、この雄マウスの精子の成熟や繁殖率の程度を測定することによって、不妊治療薬の開発が可能となる。また、男性要因による不妊の解明にも有効である。
(6)女性要因による不妊改善物質の試験方法
野生型の雌マウスでは、妊娠中期の胎盤で特異的かつ一過性にL−PGDSが発現するのに対し、この発明の遺伝子欠損マウスでは、分娩は正常ではあるが、妊娠期間の顕著な延長が認められる。従って、この遺伝子欠損マウスは、受精卵の着床不全や胎児の発育遅滞の優れた動物モデルであり、マウスの妊娠前または妊娠後に候補物質を投与し、この雌マウスの子宮における受精卵の着床状態または胎児の発育状態を測定することによって、女性要因による不妊を改善するための薬剤の開発が可能となる。
(7)麻酔物質の試験方法
外科手術等の際には吸入麻酔物質を用いて全身麻酔を行う場合があるが、理想的な麻酔とは低濃度の吸入麻酔剤による無痛・筋弛緩・軽い睡眠状態をいう。しかし、麻酔状態には、性別・年齢・体格・健康状態等に依存した個体差があり、麻酔のかかりにくい患者では高濃度の吸入麻酔剤の使用により死に至る場合もある。このため、吸入麻酔剤の濃度は慎重に決定される必要があるが、吸入麻酔物質の中枢神経系への作用機序がほとんど解明されていないために、医療現場では熟練医師の経験則に頼らざるを得ないのが現状である。この発明の遺伝子欠損マウスは、吸入麻酔物質による麻酔の深度が浅いため、麻酔下および/または覚醒後の状態を測定することによって、痛覚消失・筋弛緩・睡眠に至るメカニズムを各々分離して解析することが可能である。これにより、現在使用されている吸入麻酔物質のより詳細な薬効評価が可能となるばかりか、新規の吸入麻酔物質の開発も可能となる。なお、マウスの麻酔状態としては、例えば正向反射の消失、無痛、筋弛緩、睡眠状態等をそれぞれ常法に従って測定することができる。また、覚醒状態は、例えば正向反射の回復、痛覚反応、筋力の回復、覚醒を測定することができる。
(8)生理不順改善物質の試験方法
排卵周期と睡眠および活動量が同調することが知られている(Gen.Comp.Endocrinol. 7:10-17, 1996; Physiol.Behav. 49:1079-1084, 1991; Brain Res. 734:275-285, 1996; Brain Res. 811:96-104, 1998)。生活リズムの変調により生理不順が起こるが、ホルモンの分泌異常による生理不順は社会生活に支障をきたすような、例えば過剰睡眠等を引き起こす。この発明の遺伝子欠損マウスは、排卵期前後が延長された性周期を示し、その結果、野生型マウスに比べて性周期が長い。PGD2は排卵誘発を促すホルモンの分泌量を変化させるため、この発明の遺伝子欠損マウスは、排卵の誘発機構および生理不順による過剰睡眠等の誘発機構を解明するために有効であり、新規の生理不順改善物質の開発が可能となる。
【0016】
以上のとおりの各試験方法においては、この発明の遺伝子欠損マウスのホモ接合型(−/−)およびヘテロ接合型(+/−)を適宜に使い分けることによって、L−PGDS産生量に依存した各種症状と、それに対する試験物質の効果を詳細に分析することが可能である。
【0017】
【実施例】
以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細に説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例1(遺伝子欠損マウスの作成)
公知のラットL−PGDS遺伝子cDNA(J.Biol.Chem. 264:1041-1045, 1989)に基づいて調製したプローブを用い、ラット細胞のmRNAから調製したcDNAライブラリーからラットL−PGDS遺伝子のcDNAを単離し、さらにこのcDNAをプローブとして、マウスのゲノムDNAよりL−PGDS遺伝子(約3kb)を含む15kbのDNA断片をクローニングした。そして、このL−PGDS遺伝子のエクソンII(L−PGDSの活性部位コード領域)からエクソンVを含む領域をNeor遺伝子に置換し、さらにL−PGDS遺伝子の約10Kb上流にHSV−tk遺伝子を組み込んで変異配列を調製し、この変異配列をベクターに組み込んでターゲティング・ベクターを作成した(図1参照)。なお、図1にも示した様に、変異配列のL−PGDSコード領域は約3kbとなっている。
【0018】
電気穿孔法により、未分化の培養ES細胞(1.2×107個)にターゲティング・ベクターを48μg/mlの割合で導入して遺伝子導入ES細胞を得た。これらの細胞をプレートに播き、2日目後にG418およびガンシクロビルを培地に添加して更に7日間培養し、G418およびガンシクロビルに耐性を示すコロニーを得た。これらのコロニーを個別に分離し、さらに培養したのち、DNAを抽出してサザンブロッティングにより相同組換えES細胞を選別した。
【0019】
次いで、この相同組換えES細胞を、C57BL/6系マウスの胚盤胞へ常法により注入し、仮親マウスへ移植して個体へと発生させた。
その結果、10匹のキメラマウスを得た。得られたキメラマウスのうち、雄の個体と雌の野生型C57BL/6系マウスとを交配させて初代(F1)マウスを得た。これらのF1マウスから、サザンブロット分析により2倍体染色体の一方に変異配列が確認された個体(♂、♀)を選別し、これらを交配させて第2世代(F2)マウスを得た。
【0020】
最終的に、これらF2マウスから、サザンブロット分析により2倍体染色体の両方に変異配列が確認された個体(ホモ接合体)および片方に変異配列が確認された個体(ヘテロ接合体)を選別し、この発明の遺伝子欠損動物を作成した。
なお、F2マウスの野生型:ヘテロ接合体:ホモ接合体の比は約1:2:1であり、雌雄比は約1:1であった。ホモ接合体およびヘテロ接合体とも胎仔性致死は認められなかった。
【0021】
図2は、各マウスの尾部から抽出したDNAのサザンブロット分析の結果であり、野生型(+/+)は5kb、ホモ欠損型(−/−)は3kb、ヘテロ欠損型(+/−)はその両者の発現が確認された。
図3は、マウスの脳から抽出したmRNAのノーザンブロット分析の結果であり、G3PDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素)のmRNA量には差は見られないが、L−PGDSmRNAは野生型およびヘテロ欠損型でのみ発現が認められた。
【0022】
図4は、各マウスの脳より抽出したL−PGDSの酵素活性の分析結果である。ホモ欠損型マウスのL−PGDS活性は、野生型マウスの10%以下、ヘテロ欠損型では約50%であった。
実施例2(遺伝子欠損マウスの痛覚感受性の計測)
実施例1で得たホモ欠損型マウスの生理的条件下での熱刺激に対する痛覚感受性を調べた。すなわち、サイトカインの一種であるPGE2溶液(1〜100ng/5μl)をマウスの髄腔内に投与し、30分後にホットプレート55℃上に置き、プレートから後肢を離すまでの時間を計測した。その結果、反応時間は、コントロールとして生理食塩水を投与した場合と比べ約35%減であり、野生型マウスと差がなかった。すなわち、この発明の遺伝子欠損マウスは、生理的条件下での痛覚過敏反応を示したが、その程度は野生型マウスと同程度であった。
【0023】
次に、病的条件下での触覚刺激による痛覚過敏反応(アロディニア)について調べた。すなわち、PGE2溶液(1〜100ng/5μl)をマウスの髄腔内に投与し、5分後から50分後まで5分毎に極細のペイントブラシで後肢や横腹に軽く触れ、マウスの回避行動および発声等の痛み反応を点数化し、積算した。
結果は図5Aに示したとおりである。この図では、マウスが全ての痛み反応を示したと仮定した場合の点数積算値を100とし、アロディニア誘発度を%で表示した。この図5Aから明らかなように、野生型マウスは約80%以上のアロディニアを示したが、この発明の遺伝子欠損マウス(ホモ接合型)は全くアロディニアを示さなかった。
【0024】
また、遺伝子欠損マウスにPEG2およびPGD2の混合溶液を髄腔内投与し、アロディニア誘発への影響を調べた。結果は図5Bに示したとおりであり、生理濃度に近いフェントグラム濃度のPGD2により、PEG2誘発アロデイニアが復活した。しかしながら、それより低濃度のPGD2では効果がなく、また、高濃度では再びPEG2誘発アロディニアは消失した。
【0025】
さらに、PEG2/PGD2混合溶液を髄腔内投与してアロデイニアを復活させた遺伝子欠損マウスに、PGD2の10倍量のBW A868C(PGD2受容体アンタゴニスト)をPEG2/PGD2混合溶液と同時に投与した。結果は図5Cに示したとおりであり、PEG2誘発アロデイニアは顕著に減少した。
以上の結果から、この発明の遺伝子欠損マウスは、病的条件下での痛覚過敏反応(アロディニア)の発現機序を解明するためのモデル動物として有用であり、また新規な鎮痛薬成分をスクリーニングする系としても有効であることが確認された。
実施例3(遺伝子欠損マウスの雄の産仔数の計測)
実施例1で得たF2マウスの雄(野生型およびホモ欠損型)を同じくF2マウスの雌(野生型およびホモ欠損型)と交配させ、産仔数を計測した。
【0026】
結果は図6に示したとおりであり、ホモ欠損型マウスの雄の産仔数は、野生型の雄マウスの産仔数より有意(p<0.01)に少なかった。この結果から、この発明の遺伝子欠損マウスの雄が、男性要因による不妊モデルとして有用であることが確認された。
実施例4(遺伝子欠損マウスの雌の妊娠期間におけるL−PGDSmRNAの発現量の計測)
実施例1で得たF2マウスの雌(ホモ欠損型、ヘテロ欠損型および野生型)を妊娠させ、その胎盤、羊膜および子宮から、また胎仔の脳および肝臓から抽出したL−PGDSmRNAを逆転写酵素PCRにより定量した。
【0027】
結果は図7に示したとおりである。野生型マウスの場合には、妊娠中期の胎盤にのみ一過性にL−PGDSmRNAの発現が認められた。また、野生型マウスの胎仔の脳では、妊娠中期以降にその成長に伴いmRNAの発現量が増加したが、肝臓ではmRNAの発現は検出されなかった。さらに、野生型マウスの場合、羊水中のmRNAの発現は妊娠14日目から検出され、その量は胎仔の成長に伴って増加した。
【0028】
一方、ホモ欠損型マウスの場合には、その胎仔も含め、検査したいずれの期間および臓器でもL−PGDSmRNAの発現は検出されなかった。
実施例5(遺伝子欠損マウスの妊娠期間の計測)
実施例1で得たF2マウスの雄雌(ホモ欠損型、ヘテロ欠損型および野生型)をランダムに同居させ、毎朝交配成立のマーカーとなる雌膣口のプラグの有無を調べた。プラグを確認した場合、直ちに雌を分離し、出産までの期間を計測した。
【0029】
結果は図8に示したとおりである。通常の野生型マウスの妊娠期間は18〜20日間であり、これを1日でも過ぎると胎仔の巨大化により胎盤が劣化し死産となる。一方、ホモ欠損型マウスの場合には、雌雄がホモ欠損型の場合には約30日間に延長した。ただし、雌雄がヘテロ欠損型の場合には、このような妊娠期間の延長は認められなかった。また、雄の遺伝子欠損の影響は、ヘテロ欠損型は影響がなく、ホモ欠損型であっても雌が野生型であれば影響がないことも確認された。
【0030】
以上の結果から、この発明の遺伝子欠損マウスの雌が、女性要因による不妊モデルとして有用であることが確認された。
実施例6(遺伝子欠損マウスにおける吸入麻酔の効果の計測)
密閉系の観察ケージ(40cm×60cm×40cm)に吸入麻酔物質セボフランを充満させた。セボフラン濃度は経時的にモニターし、濃度を一定に調節した。この観察ケージに野生型マウスと遺伝子欠損マウスを各1匹同時に入れ、密閉系を維持したまま、5分毎に正向反射の消失(実験者の手に対する行動反応)および痛覚消失(マウスの尾部付け根を軽くクリップした刺激に対する行動反応)までの時間を計測した。この測定を2時間行った後、野生型マウスと遺伝子欠損マウスを同時にケージから取り出し、歩行開始、探索行動およびグルーミング開始までの時間を計測した。
【0031】
結果は表1に示したとおりである。この発明の遺伝子欠損マウスは、麻酔下での正向反射および痛覚反射の消失時間が野生型マウスよりも遅く、また覚醒後の各行動開始時間は、グルーミングを除いて野生型マウスよりも早いことから、麻酔深度が浅いことが判明した。従って、この発明の遺伝子欠損マウスは、吸入麻酔物質に対する低感受性患者のモデルとして有効であることが確認された。
【0032】
【表1】
Figure 0004076667
【0033】
実施例7(遺伝子欠損マウスの性周期の計測)
成熟した雌マウス6匹を1ケージに入れた群飼育と、1匹の単飼育の2種類の飼育条件により、12時間明暗サイクル、室温23〜24℃の環境下で3週間馴化した。その後、毎朝一定時間に、湿らせた綿棒を用いて膣口から粘膜細胞を採取し、その細胞の種類と組み合わせから発情前期(P)、発情期(E)、発情後期−1(M1)、発情後期−2(M2)および発情休止期(D)に分類した。
【0034】
結果は図9に示したとおりである。群飼育および単飼育とも、野生型マウスの性周期は3〜5日であるのに対し、この発明の遺伝子欠損マウスの性周期は5〜9にと有意に長いことが判明した。従って、この発明の遺伝子欠損マウスは、生理不順のモデルとして有効であることが確認された。
【0035】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、L−PGDS遺伝子がノックアウトされており、この合成酵素の欠損によって中枢神経系機能、循環器系機能および生殖機能等に、先天性または反応性の障害を呈する遺伝子欠損マウスが提供される。この遺伝子欠損マウスを用いることによって、上記の機能障害に対する予防または治療薬剤の有効成分を動物個体レベルで試験することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスL−PGDS遺伝子の構造(上段)、ターゲティング・ベクターにおける変異配列の構造(中段)および相同組換え後のマウスゲノムDNA構造(下段)を示す模式図である。
【図2】各マウスの尾部から抽出したDNAのサザンブロット分析の結果である。
【図3】各マウスの脳から抽出したmRNAのノーザンブロット分析の結果である。
【図4】各マウスの脳より抽出したL−PGDSの酵素活性の分析結果である。
【図5】遺伝子欠損マウスの痛覚感受性の分析結果である。
【図6】遺伝子欠損マウスの雄の産仔数の計測結果である。
【図7】野生型マウスの雌の妊娠期間におけるL−PGDSmRNAの発現量の分析結果である。
【図8】遺伝子欠損マウスの妊娠期間の計測である。
【図9】野生型マウスおよび遺伝子欠損マウスの性周期の計測結果である。

Claims (8)

  1. ゲノムDNAのリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素遺伝子が、そのエクソンIIからエクソンVをネオマイシン耐性遺伝子に置換した変異配列に相同組換えされたマウス胚性幹細胞を導入した初期胚を雌マウス体内で個体へと発生させて産出させたキメラマウスの子孫個体であって、生殖細胞および体細胞ゲノムDNAのリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素遺伝子が変異配列に置換されており、リポカリン型プロスタグランジンD合成不全により、
    (a) 痛覚過敏を示すが、アロディニアを示さない;
    (b) 雄マウスにおいて産仔数の減少を示す;
    (c) 雌マウスにおいて妊娠期間の延長を示す;
    (d) 呼吸麻酔物質による麻酔深度が浅い;および
    (e) 雌マウスにおいて排卵周期前後が延長された性周期を示す、
    ことを特徴とする遺伝子欠損マウス。
  2. リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の対立遺伝子の両方が変異配列に置換されている請求項1の遺伝子欠損マウス。
  3. リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の対立遺伝子の片方が変異配列に置換されている請求項1の遺伝子欠損マウス。
  4. 鎮痛物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの痛覚刺激に対する反応性を測定することを特徴とする試験方法。
  5. 不妊改善物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスの雄に候補物質を投与し、この雄マウスの精子の成熟の程度および/またはこの雄マウスの繁殖率の程度を測定することを特徴とする試験方法。
  6. 不妊改善物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスの雌に、妊娠前または妊娠後に候補物質を投与し、この雌マウスの子宮における受精卵の着床状態および/または胎仔の発育状態を測定することを特徴とする試験方法。
  7. 麻酔物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスに候補物質を投与し、このマウスの麻酔状態および/または麻酔からの覚醒状態を測定することを特徴とする試験方法。
  8. 生理不順改善物質の個体内活性を試験する方法であって、請求項1記載の遺伝子欠損マウスの雌に候補物質を投与し、この雌マウスの性周期、排卵数および/または各種ホルモン量を測定することを特徴とする試験方法。
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