JP2003104908A - 軟骨無形成症治療剤 - Google Patents

軟骨無形成症治療剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、FGFR3の変異に起因する軟骨無形
成症の新しい治療剤を提供することを課題とする。本発
明はまた、FGFR3の変異に起因する軟骨無形成症の新し
い治療方法を提供することをさらに課題とする。 【解決手段】 グアニリルシクラーゼB(GC-B)を活性
化する物質を有効成分として含有する、繊維芽細胞増殖
因子レセプター3(FGFR3)遺伝子の変異による軟骨の
成長抑制に起因する軟骨無形成症治療剤を提供すること
により、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟骨無形成症の治
療剤及び治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟骨無形成症(achondroplasia)は、胴
体に比べて手足が短いという四肢短縮型小人症の原因と
して最も一般的な先天性の疾患である。四肢管状骨の長
径成長障害のほか、頭蓋骨が大きく前頭部に突出する、
鼻が低い顔貌という身体的特徴と、X線写真により診断
される。発症は、1万人〜2万5千人に一人といわれて
いる。この疾患は、常染色体優性遺伝疾患であるが、症
例の80〜90%は散発的に認められる。治療は、股関
節の人工関節置換や脚延長術などの整形外科手術、成長
ホルモンの投与がある。脚延長術は、10歳以降に骨を
切って特殊な機械(脚延長器)により、半年くらいかけ
て徐々に身長を伸ばすが、この手術は患者に大きな苦痛
を与える。また、成長ホルモン療法は幼児期から定期的
な成長ホルモン注射により身長の伸びは改善するが、注
射を止めると伸びは止まってしまう。いずれの治療法も
病気を治すものではなく、患者のQOLの観点からも理想
的ではないと考えられており(American Jounal of Med
ical Genetics 72: 71-76, 1997; European Jounal of
Endocrinology 138: 275-280, 1998)、新しいメカニズ
ムに基づく軟骨無形成症治療薬の開発が望まれている。
【0003】近年になって、軟骨無形成症を患う患者で
は、染色体4p16.3に存在する繊維芽細胞増殖因子レセプ
ター3(FGFR3)に突然変異が認められることが報告さ
れ、現時点で2種類の変異が知られている。これらの突
然変異のうち、97%がG1138A(1138番目のGがAに変
異)、2.5%がG1138C(1138番目のGがCに変異)であ
り、その結果、いずれも380位のアミノ酸がGlyからArg
へ置換(G380R)している(Nature 371: 252-254, 199
4; Cell 78: 335-342, 1994)。この変異と軟骨無形成
症との関連を調べるために、ヒトの軟骨無形成症の動物
モデルとして、G380R型変異FGFR3(以下においてFGFR3
achということもある)のトランスジェニックマウスが
作製され、四肢の短縮と頭蓋顔面骨の低形成が認められ
た(Development. 125: 4977-4988, 1998)。
【0004】一方、ナトリウム利尿ペプチド(NP)類
は、ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)、BNP(脳性
ナトリウム利尿ペプチド)、及びCNP(C型ナトリウム
利尿ペプチド)の3種類からなり、2種類のグアニリル
シクラーゼ共役受容体(ANP及びBNPに対するGC-A受容
体、CNPに対するGC-B受容体)を介して、細胞内cGMP濃
度を上昇させることにより、生物学的活性を示すと考え
られている(Annu. Rev. Biochem. 60:229-255, 199
1)。NP類は、体液の恒常性の制御や血圧の調節に重要
な役割を果たすと報告されているが(J. Clin. Invest.
93:1911-1921, 1987;J. Clin. Invest. 87:1402-1412,
1994)、心臓血管系以外の様々な組織での発現とその
生理活性も知られている(Endocrinology. 129:1104-11
06, 1991; Annu. Rev. Biochem. 60:553-575, 1991)。
その一つに骨の成長因子としての役割がある。マウス胎
仔の脛骨器官培養において、CNPは長骨の成長を著しく
促進させる(J. Biol. Chem. 273:11695-11700, 199
8)。また、CNPは、マウス胎仔の脛骨の器官培養や、軟
骨培養細胞や、骨芽細胞培養細胞で、ANPやBNPよりもcG
MP産生能が高い(J. Biol. Chem. 269:10729-10733, 19
94; Biochem. Biophys. Res.Commun. 223:1-6, 1996; B
iochem. Biophys. Res. Commun. 215: 1104-1110, 199
5)。更に、CNP及びその受容体であるGC-Bは、骨の成長
板で発現している(J.Biol. Chem. 273:11695-11700, 1
998; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95: 2337-2342,
1998)。また、CNPを軟骨特異的に発現するトランスジ
ェニックマウスにより、CNPの成長板軟骨層増大作用が
見出されている(八十田他, 第72回日本内分泌学会学術
総会抄録、1999)。
【0005】また、CNPのノックアウトマウスが小人症
になることから、CNPと小人症との関係が指摘されてい
る(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98: 4016-4021, 2
001)が、FGFR3の変異に起因する軟骨無形成症との関連
については記載されておらず、またCNPがFGFR3の変異に
起因する軟骨無形成症に有効であるとの確証は全く得ら
れていない。即ち、FGFR3の変異が軟骨無形性症に関連
すること、及びCNPが軟骨形成に関与することは知られ
ているが、これら両者の関連、特にFGFR3とCNPのいずれ
が内軟骨骨化の調節経路において上流に位置するのかと
いう点、及びCNPが軟骨無形成症治療効果をもつかどう
かについては現在までに知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、FGFR
3の変異に起因する軟骨無形成症の新しい治療剤及び治
療方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グアニリ
ルシクラーゼB(GC-B)を活性化する物質(例えばCNP)
が軟骨形成に関わる疾患に適応できるのではないかとの
予想のもとに、適当な軟骨不全症モデルを探し、その動
物モデルとCNP-トランスジェニックマウスを交配して得
られるダブルトランスジェニックマウスを作製して、そ
の軟骨不全の症状が回復できるかどうかを検証すること
にした。上述したように、ヒトの軟骨無形成症の動物モ
デルとして、G380R型変異FGFR3(FGFR3ach)のトランス
ジェニックマウスが作製され、四肢の短縮と頭蓋顔面骨
の低形成が認められていた(Development. 125: 4977-4
988, 1998)。そこで、上記FGFR3ach-トランスジェニッ
クマウスを入手して、本発明者らが作製したCNP−トラ
ンスジェニックマウスを交配して、CNP/FGFR3ach-ダブ
ルトランスジェニックマウスを作製したところ、CNPがF
GFR3achによる骨の成長抑制を回復できることを見出
し、CNPによる軟骨無形成症の治療剤及び治療方法に関
する本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、グアニリルシクラーゼB
(GC-B)を活性化する物質を有効成分として含有する、
繊維芽細胞増殖因子レセプター3(FGFR3)遺伝子の変
異による軟骨の成長抑制に起因する軟骨無形成症治療
剤、及びグアニリルシクラーゼB(GC-B)を活性化する
物質を投与することからなる軟骨無形成症の治療方法を
提供する。
【0009】本発明において、「繊維芽細胞増殖因子レ
セプター3(FGFR3)遺伝子の変異による軟骨の成長抑
制に起因する軟骨無形成症」というときは、FGFR3遺伝
子の変異によるFGFR3の機能亢進、機能抑制不全、又はF
GFR3遺伝子の発現亢進などを原因とする軟骨無形成症を
いい、軟骨無形成症(achondroplasia)は軟骨形成不全
症と同義の言葉として使用する。また、本明細書で、FG
FR3achは、FGFRの380位のアミノ酸であるGlyからArgへ
の置換(G380R)変異を持つ繊維芽細胞増殖因子レセプ
ター3(FGFR3)を示し、この変異はFGFR3の機能亢進を
もたらすことが知られている(Development. 125: 4977
-4988, 1998)。
【0010】本発明において、「グアニリルシクラーゼ
Bを活性化する物質」とは、CNP(C型ナトリウム利尿ペ
プチド)の受容体として知られているGC-Bと結合してこ
れを活性化する物質(ペプチド又は低分子化合物)であ
り、好ましいものは、CNP(C型ナトリウム利尿ペプチ
ド)様活性を有する物質(ペプチド又は低分子化合物)
である。例えば、哺乳類由来CNP(CNP-22:Biochem. Bi
ophys. Res. Commun.168, 863-870, 1990、WO91/1634
2、CNP-53(Biochem. Biophys. Res. Commun. 170, 973
-979, 1990、特開平4-74198、特開平4-139199)、鳥類
由来CNP(特開平4-120094)、両生類由来CNP(特開平4-
120095)及びCNP類似体ペプチド(特開平6-9688)等が
挙げられるが、好ましくは哺乳類由来CNP、更に好まし
いのは、CNP-22である。また、「グアニリルシクラーゼ
Bを活性化する物質」を同定する方法としては、例え
ば、COS-7等の培養細胞にGC-B受容体を発現させてお
き、目的の物質(ペプチド又は低分子化合物)を培地に
添加してから一定の温度及び一定の時間後(例えば37
℃、5分後)に、細胞抽出液中のcGMPの濃度を測定する
方法(Science 252, 120-123, 1991)等がある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らが作製したCNP-トラン
スジェニックマウスは、内軟骨性骨化による骨の長軸方
向の過成長に伴い体長が長くなっていた。このCNP-トラ
ンスジェニックマウスの更なる解析の結果、成長板の組
織化学的解析により、1)増殖軟骨細胞層及び肥大軟骨
細胞層の両方の伸長により成長板の厚さが増していた、
2)増殖軟骨細胞層の細胞外マトリクスが増大してい
た、3)成熟肥大軟骨細胞の大きさが増大していた。こ
れらの事実は、CNP-トランスジェニックマウスの成長板
の肥大軟骨細胞層においてBrdUrd染色で示される軟骨細
胞の増殖の明らかな変化が観察されないという事実とあ
いまって、CNPは、成長板の軟骨細胞の分化あるいは増
殖のコミットメントに寄与するというよりは、成長板の
各分化段階における軟骨細胞の分化形質の発現を促進し
ていることを示している。これは、CNP-トランスジェニ
ックマウスの成長板における肥大軟骨細胞のtype Xコラ
ーゲンのmRNAの発現が、野生型同腹マウスの場合に比べ
て、その発現する細胞領域は拡大しているにもかかわら
ず、同程度の濃さであったという事実により支持され
る。因みに、膜性骨化による頭蓋骨の幅は、CNP-トラン
スジェニックマウスで変化していない。これは、CNP
が、頭蓋骨で発現していないか、膜性骨化の過程に関与
していないことを示している。
【0012】Ex vivoの器官培養の実験は、成長板CNPの
作用機作についての更なる情報を提供してくれた。CNP-
トランスジェニックマウスの培養脛骨における、拡張し
た細胞外マトリクスを伴った軟骨原基の伸長の程度と、
肥大軟骨細胞の大きさの拡大の程度は、野生型同腹マウ
スの培養脛骨に10-7Mの濃度でCNPを添加したときと同様
であった。この組織学的変化は、非ペプチド性NP受容体
アンタゴニストであるHS-142-1(Circ. Res. 78: 606-61
4, 1996)を添加したことにより完全に抑制されたが、野
生型同腹マウスの培養脛骨に10-7Mの濃度でCNPを添加し
たときと場合のHS-142-1を添加による抑制と同様であっ
た。これらの結果は、CNP-トランスジェニックマウス由
来の培養脛骨では、CNPの第二次メッセンジャーであるc
GMPの産生が増加するという事実とあいまって、成長板
軟骨のin vivoにおける表現形に変化を及ぼすようにCol
II-CNP導入遺伝子(実施例1に記載するマウスCNP cDN
A断片を、マウスプロコラーゲンa1 type II (Col 2a1)
プロモーター領域DNA断片に挿入した遺伝子)が十分に
機能していることを示している。CNP-トランスジェニッ
クマウスの培養脛骨における35Sの取り込みの増加であ
らわされる細胞外マトリクスの合成の増加は、CNP-トラ
ンスジェニックマウスの成長板の細胞外マトリクスの増
大と矛盾がない。従って、CNP-トランスジェニックマウ
スの成長板の増大の機序を説明できる。CNP-トランスジ
ェニックマウスで観察される骨端の海綿骨の伸長は、軟
骨から石灰化骨への置き換えがスムースに行われている
ことを示している。これらの実験により、CNPの内軟骨
成骨化における重要性が明らかとなった。
【0013】次に、G380R型変異FGFR3(FGFR3ach)のト
ランスジェニックマウスを入手(米国ワシントン大学Da
vid M. Ornitz教授より入手)し、CNP-トランスジェニ
ックマウスを交配して、CNP/FGFR3ach -ダブルトランス
ジェニックマウスを作製した。CNP/FGFR3ach -ダブルト
ランスジェニックマウスでは、CNP-Tg遺伝子もFGFR3 ach
-Tg遺伝子も、成長板の静止軟骨細胞層と増殖軟骨細胞
層で発現しており、FGFR3ach-トランスジェニックマウ
スの小人症の症状が目に見えて回復していた。ちなみ
に、内在性のCNP、GC-B及びFGFR3は増殖軟骨細胞層と前
肥大軟骨細胞層に発現していた。
【0014】本発明の効果は図6に最も端的に示されて
いる。図6Aは、上からそれぞれ、3ヶ月齢の野生型同
腹マウス、CNP-トランスジェニックマウス、FGFR3ach-
トランスジェニックマウス、CNP/FGFR3ach-ダブルトラ
ンスジェニックマウスの全体の外観を示し、また図6D
は、それらの骨格の概観を示す。CNP/FGFR3ach-ダブル
トランスジェニックマウスの鼻−肛門長は、野生型同腹
マウスとほぼ同等であり、FGFR3ach-トランスジェニッ
クマウスで観察される四肢の短縮がCNPの過剰発現によ
り回復できることを示している。
【0015】CNPがFGFR3ach-トランスジェニックマウス
の小人症の症状を回復させていることからCNPは少なく
とも大部分では、内軟骨骨化の調節経路においてFGFR3
よりも上流に位置していることはないと考えている。FG
FR3ach-トランスジェニックマウスの短縮した成長板がC
NPの過剰発現により、増殖軟骨細胞層と肥大軟骨細胞層
の両方が伸長したが、部分的な組織学的特徴は、野生型
同腹マウスのものとは異なっていた。増殖軟骨細胞層と
肥大軟骨細胞層の両方の細胞外マトリクスが増大し、肥
大軟骨細胞の配置構造が乱れたり、肥大軟骨細胞の大き
さが増大していた。過剰発現したCNPがFGFR3ach-トラン
スジェニックマウスの二次骨化中心の形成遅延に影響を
与えていないので、CNPがFGFR3のように、軟骨細胞の分
化のコミットメントに関与しているのではなく、各分化
ステージの軟骨細胞の遺伝子発現を促進している。つま
り、CNPが内軟骨骨化を調節している経路は、FGFR3の経
路とは異なると思われる。
【0016】本発明者らは、上述した特定の理論に拘束
されるものではないが、以上の結果から、CNPとFGFR3の
内軟骨骨化の調節機構は異なるが、FGFR3ach-トランス
ジェニックマウスの成長遅延はCNPの過剰発現によって
回復されることを確認した。従って、軟骨無形成症の患
者の治療を目的としてCNPが長管骨の成長の促進医薬と
して治療効果を持つことが示唆され、本発明に至った。
知られている軟骨無形成症の主たる原因は、FGFR3遺伝
子の変異によるFGFR3の機能亢進であるが、FGFR3の機能
抑制不全やFGFR3遺伝子の発現亢進を原因とする軟骨無
形成症症状の可能性も考えられる。これらの軟骨無形成
症に対して、GC-Bを活性化すること、そのリガンドであ
るCNPの遺伝子発現、蛋白質発現、蛋白質の機能を促進
すれば、新しい治療剤となり得る。また、CNPの遺伝子
発現の促進に関しては、内在性のCNP遺伝子の発現亢進
の場合もあるし、外来性のCNP遺伝子を生体内に導入す
ることによる遺伝子治療も考えられる。
【0017】本発明の軟骨無形成症用治療剤は、GC-Bを
活性化する物質を有効成分として含み、さらに通常の製
剤化の際に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を
用いて調製される。
【0018】製剤用の担体や賦形剤としては、例えば、
乳糖、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、タルク、
ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ
油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコールなどや
その他常用されるものをあげることができる。
【0019】経口投与のための固体組成物としては、錠
剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などが用いられ
る。このような固体組成物においては、少なくともひと
つの有効成分が少なくともひとつの不活性な希釈剤、例
えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ポリ
ビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
などと混合される。組成物は、常法にしたがって不活性
な希釈剤以外の添加物、例えば、ステアリン酸マグネシ
ウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムの
ような崩壊剤、グルタミン酸又はアスパラギン酸のよう
な溶解補助剤を含んでいてもよい。錠剤又は丸剤は、必
要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレートなどの糖衣や胃溶性又は腸溶性物
質のフィルムで被覆してもよいし、2つ以上の層で被覆
してもよい。さらに、ゼラチンのような吸収されうる物
質のカプセルも含まれる。
【0020】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤などを含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールなどを含んでいてもよ
い。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁
剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤な
どを含んでいてもよい。
【0021】非経口投与のための注射剤としては、無菌
の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれ
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば、注射用水
及び注射用生理食塩液が含まれる。非水性の溶液剤、懸
濁剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノ
ールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商
標)などが含まれる。このような組成物は、さらに防腐
剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、乳
糖)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらは、
例えば、精密ろ過膜によるろ過滅菌、高圧蒸気滅菌のよ
うな加熱滅菌、あるいは、殺菌剤の配合などの通常の滅
菌方法によって無菌化することが可能である。注射剤は
溶液製剤であっても、使用前に溶解再構成するために凍
結乾燥したものであってもよい。凍結乾燥のための賦形
剤としては例えばマンニトール、ブドウ糖などの糖アル
コールや糖類を使用することが出来る。
【0022】また、本発明の治療剤を遺伝子治療に用い
る場合にはウイルスベクター、好ましくはレンチウイル
スベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、更に好まし
くはアデノウイルスベクター、又は化学合成リポソー
ム、ウイルスエンベロープ、若しくはウイルスエンベロ
ープと合成リポソームの複合体等公知の遺伝子治療に適
した媒体に、宿主細胞内で機能するようなプロモーター
配列、例えばサイトメガロウイルスプロモーター(CMV p
romoter)等、の下流に、GC-Bを活性化する物質、例えば
CNPに係る核酸を組み込んだものを用いることができ
る。
【0023】本発明の軟骨無形成症用治療剤は、医薬に
一般に使用されている投与方法、例えば、経口投与方
法、又は非経口投与方法によって投与するのが好まし
い。有効成分がGC-Bアゴニスト抗体である場合には通常
非経口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注、筋
注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺などで
投与されるが、経口投与も可能である。
【0024】本発明の製剤中に含まれる有効成分である
GC-Bを活性化する物質の量は、治療すべき疾患の種類、
疾患の重症度、患者の年齢などに応じて決定できるが、
一般に0.005μg/kg〜100mg/kgの範囲で投与することが
できるが、0.025μg/kg〜5mg/kgで投与することが好ま
しい。
【0025】本発明の軟骨無形成症治療剤は、成長ホル
モンなどの従来の治療剤と組み合わせたり、また股関節
の人工関節置換や脚延長術などの整形外科手術と組み合
わせて使用することができる。
【0026】本発明として以下の事項を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。 (1)グアニリルシクラーゼB(GC-B)を活性化する物
質を有効成分として含有する、繊維芽細胞増殖因子レセ
プター3(FGFR3)遺伝子の変異による軟骨の成長抑制
に起因する軟骨無形成症治療剤。 (2)肥大軟骨細胞を肥大化させること及び増殖軟骨細
胞層の細胞外マトリクスを増大させることにより軟骨の
成長抑制を回復する、上記(1)記載の治療剤。 (3)GC-Bを活性化する物質がペプチドである上記
(1)又は(2)記載の治療剤。 (4)ペプチドが、C型ナトリウム利尿性ペプチド(CN
P)である上記(3)記載の治療剤。 (5)CNPが、CNP-22又はCNP-53である上記(4)の治
療剤。 (6)GC-Bを活性化する物質が、低分子化合物であるこ
とを特徴とする上記(1)又は(2)記載の治療剤。 (7)GC-Bを活性化する物質を有効成分とする治療剤
が、GC-Bを活性化する物質の遺伝子発現、蛋白質発現、
蛋白質の機能を促進させる、上記(1)又は(2)記載
の治療剤。 (8)GC-Bを活性化する物質を有効成分とする治療剤
が、CNPの遺伝子発現、CNP蛋白質発現、CNP蛋白質の機
能を促進させる、上記(1)又は(2)記載の治療剤。 (9)グアニリルシクラーゼB(GC-B)を活性化する物
質を投与することを含む、繊維芽細胞増殖因子レセプタ
ー3(FGFR3)遺伝子の変異による軟骨の成長抑制に起
因する軟骨無形成症の治療方法。 (10)肥大軟骨細胞を肥大化させること及び増殖軟骨
細胞層の細胞外マトリクスを増大させることにより軟骨
の成長抑制を回復する、上記(9)記載の治療方法。 (11)GC-Bを活性化する物質がペプチドである上記
(9)又は(10)記載の治療方法。 (12)ペプチドが、C型ナトリウム利尿性ペプチド(C
NP)である上記(11)記載の治療方法。 (13)CNPが、CNP-22又はCNP-53である上記(12)
の治療方法。 (14)GC-Bを活性化する物質がペプチドをコードする
遺伝子(例えばDNA)である上記(9)又は(10)
記載の治療方法。 (15)ペプチドが、C型ナトリウム利尿性ペプチド(C
NP)である上記(14)記載の治療方法。 (16)CNPが、CNP-22又はCNP-53である上記(15)
の治療方法。 (17)ペプチドをコードする遺伝子を直接導入するこ
と又は遺伝子治療に適したベクター(例えば、アデノウ
イルス由来ベクター)若しくはリポソームに組込んで導
入することを含む上記(14)乃至(16)記載の治療
方法。 (18)繊維芽細胞増殖因子レセプター3(FGFR3)遺
伝子の変異による軟骨の成長抑制に起因する軟骨無形成
症治療剤の製造のための上記(3)乃至(6)に記載さ
れている物質の使用。
【0027】以下、実施例によって本発明を更に詳細に
説明する。
【0028】
【実施例】実施例1:CNP-トランスジェニックマウス作
製用組換え遺伝子の調製 図1Aに示すように、1-127アミノ酸をコードするマウス
CNP cDNA断片(489bp;FEBS Lett. 276: 209-213, 199
0)を、マウスプロコラーゲンa1 type II (Col2a1)プロ
モーター領域DNA断片(6.5kb; Dev. Dyn. 204: 202-21
0, 1995)に挿入した。このプロモーター領域DNA断片
は、HustonのAnderson Cancer CenterのB.de Crombrugg
he. M.D.から提供された。また、このプロモーター領域
DNA断片は、プロモーター、exon 1、intron 1、人工的
なスプライス受容部位を含み、下流のCNP cDNA断片に連
結した。さらにこのプロモーター領域DNA断片のexon 1
中の翻訳開始コドンは点突然変異にて不活性化してあ
る。ウシ成長ホルモンのポリアデニレーションシグナル
を含んだDNA断片(0.3kb)が、CNP-cDNAの下流に連結し
てある。図1AのNotI/NotI DNA断片(7.3kb)は、受精
卵に注入するために精製して、col-CNPDNA溶液として用
いた。
【0029】実施例2:CNP-トランスジェニックマウス
の作製 col-CNP DNA溶液(以下、注入用DNA溶液)を注入する受
精卵を得るためのマウス(採卵用マウス)は日本クレア
株式会社からC57BL/6J純系マウスを購入して使用した。
8週齡以上の雌を過排卵処理して8週齡以上の雄と交配
させ、多数の受精卵を採取し、M2培地に移し37℃で5
% 炭酸ガスインキュベータの中で培養した。次に、DNA
注入ピペットを用いて、前記受精卵の雄性前核に2pLの
注入用DNA溶液をマイクロインジェクション法により注
入した。注入用DNA溶液を注入した受精卵をM16培地に移
し、37℃で5% 炭酸ガスインキュベータの中で一夜
培養した。注入用DNA溶液を注入した受精卵を妊娠・出
産・保育させるための雌マウス(仮親マウス)及びそれ
と交配させる雄マウスはICR近交系マウスを日本クレア
株式会社から購入して使用した。精管結紮手術をした8
週齡以上の雄マウスは、8週齡以上の雌マウスと交配さ
せ、膣栓のあるものを仮親として使用した。仮親は、ネ
ンブタール注射液(ダイナボット株式会社製品、ペント
バルビタールナトリウム、50mg/mL)を希釈液(プロピ
レングリコール20mL、エタノール10mL、滅菌水70mLの混
合液)にて12%に希釈した麻酔薬0.01mL/g体重を腹腔内
注射し外科的手術により左右の輸卵管を体外に露出させ
た。一夜培養した受精卵のうち、2細胞期胚に発生した
ものを選び、10〜15個ずづ左右の輸卵管内に挿入し
た後、手術部位を縫合した。仮親は3週間飼育し、出産
した場合仔マウスを5週後に、尾を約1cm切断し、染色
体DNAをEasy-DNA Kit(Invitrogen社製品)を用いて抽
出精製した。この尾DNAを用いて、PCR法により導入遺伝
子の存在を確認した。導入遺伝子の存在を確認したマウ
スは、始祖トランスジェニックマウスとして7週齡に達
した後、7週齡以上の野生型C57BL/6Jと自然交配して子
孫のトランスジェニックマウスを得た。
【0030】遺伝子注入実験により、採卵用マウスC57B
L/6Jの累計336匹から5278個の卵が得られ、そのうち228
0個が受精卵と確認され、注入用DNA溶液を注入した。翌
日、1600個(70%)が2細胞期胚に発生し、このうち14
76個を累計60匹の仮親の輸卵管に移植した。37匹の仮親
が出産し、累計108匹(7%)の仔マウスを出産した。尾
DNAのPCR法による導入遺伝子の検定により、累計4匹(4
%)の始祖トランスジェニックマウス(雄2匹、雌2
匹)が得られた。これらの始祖トランスジェニックマウ
スは、野生型C57BL/6Jと自然交配して子孫を得たが、2
系統(Tg-1055♂, Tg-1077♀)が導入遺伝子を子孫に伝
達した。
【0031】実施例3:CNP-トランスジェニックマウス
の遺伝子解析3-1トランスジェニックマウスのPCRによる遺伝子導入の
確認 導入遺伝子の確認は、抽出精製された尾DNAを用いてサ
ザンハイブリダイゼーション法により行った。尾DNA
を、制限酵素SacIで消化し、32P-標識 CNP cDNA断片
(526bp)を用いてサザンハイブリダイゼーションを行
い、導入遺伝子は2.1kbのバンドを、内在性遺伝子は3.0
kbのバンドを与えた(図1B)。コピー数は、2.1kbのバ
ンドの濃さを、内在性の3.0kbのバンドの濃さと比較し
て行い、10コピーと判定された系統Tg-1055♂系統を
以後の解析に用いた。
【0032】3-2 PCR法によるIskD77N遺伝子の発現解析 導入遺伝子の発現解析はReal Time-PCR法により行っ
た。野生型マウス及びトランスジェニックマウスの新生
仔から、椎骨下部と尾より軟骨、その他臓器をすばやく
切除し、液体窒素中に保存した。Physcotoron homogeni
zer(NITION Medical Supply, Chiba, Japan)にてホモ
ゲナイズした後、ISOGEN試薬を用いてtotal RNAを単離
精製した。Superscript first strand synthesis kit
(GIBCO/BRL,Gaithersburg, MD)を用い、Oligo-dTプラ
イマーによるcDNAを合成した後、図1Cに示すような上
流プライマー(exon 1中)と下流プライマー(cDNA中)
を用いて、PCRを行った。PCR反応は、95℃で30秒、58℃
で30秒、72℃で1分間の3段階反応を45回行った。PCR
反応後、10 μLを分注して1%アガロース電気泳動にて
検定した。450bpの陽性バンドは、軟骨のみに確認さ
れ、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、小腸、筋肉には検出さ
れなかった。野生型同腹マウスでは、軟骨及び他の臓器
で450bpの陽性バンドは検出されなかった。
【0033】実施例4:CNP-トランスジェニックマウス
の成長曲線の測定 鼻と肛門の間の長さ(以下、鼻−肛門長)を1週間毎に
測定し、マウスの成長曲線を作成した。週産期には、CN
P-トランスジェニックマウスは野生型同腹マウスと区別
がつかなかった。出生後1日目には、骨と軟骨をAlizar
in red SとAlcian blue染色すると、CNP-トランスジェ
ニックマウスの四肢の長骨、椎骨、頭蓋骨の骨と軟骨の
長軸方向の過成長が観察された(図2A)。この時期の
四肢の骨端の骨化の遅れは観察されなかった。CNP-トラ
ンスジェニックマウスは野生型同腹マウスと同様に、指
節骨の骨化中心がすでに出現していた。成長するにつ
れ、CNP-トランスジェニックマウスは鼻−肛門長が次第
に顕著に増加していた(図2B)。10週齢のCNP-トラン
スジェニック雌マウスは、野生型同腹雌マウス(n=7)よ
りも19%長くなっていた。CNP-トランスジェニック雄マ
ウスは、野生型同腹雄マウス(n=7)よりも長くなった
が、その程度は雌より小さかった(10%)。ホモのCNP-
トランスジェニック雄マウスは、ヘテロのCNP-トランス
ジェニック雄マウスよりも長かった(雌6%、雄4%、n=
7)。6ヶ月齢のCNP-トランスジェニックマウスは、軟X
線解析によると、野生型同腹マウスよりも四肢の長さ、
椎骨の長さ、頭蓋骨の長軸の長さが非常に増加してい
た。これらの骨はいずれも内軟骨成骨化により形成され
るが、頭蓋骨の幅の長さは増加していなかった(図2
C)。椎骨と、近位の長骨(上膊骨、大腿骨)は特に顕
著で、野生型同腹マウスのそれぞれの長さの28%、25%、
23% (n=6)であった。
【0034】実施例5:CNP-トランスジェニックマウス
の組織学的解析 光学顕微鏡観察のために、脛骨と椎骨を除去し、10% fo
rmalin/PBS (pH7.4)で固定した。石灰化した骨は20% ED
TAを含む10% formalin/PBS (pH7.4)中で脱灰した。パラ
フィンブロックは通常の組織化学的方法により調製し
た。複数の部位で切片(5-6um)を作製し、Alcian blue
(pH2.5)にて染色後、hematoxylin/eosinにて対比染色
した。成長板の各層の長さ、成長肥大軟骨細胞の直径、
増殖軟骨細胞層のBrdUrd標識インデックスは、マッキン
トッシュコンピュータ上で、NIHイメージプログラムを
使用して解析した。BrdUrd染色では、2週齢のマウスに
BrdUrd (100 ug/g体重)を腹腔注射し、1時間後に殺し
た。脛骨の成長板の細胞にBrdUrdを取り込ませた免疫組
織化学的染色は、定法により行った。標本の石灰化の程
度を評価するために、脱灰していない切片を用いてVon
Kossa染色を行った。
【0035】In situ ハイブリダイゼーション解析のた
めに、ジゴキシゲニン標識のセンス及びアンチセンスリ
ボプローブは、ラットのpro-a1(X) collagen cDNA断
片、マウスのpro-a1(II) collagen cDNA断片から、ジゴ
キシゲニンRNA labeling kit(Roche Diagnostics, Ind
ianapolis, IN)を用いて調製した。
【0036】出生前のCNP-トランスジェニックマウスで
は、骨端の軟骨に典型的な組織学的変化は認められなか
ったが、成長に伴い、少なくとも3週齢以降では、CNP-
トランスジェニックマウスの椎骨の長骨の成長板の高さ
の増加が顕著になった(図3A、B)。3週齢のマウスの
脛骨の成長板軟骨層の中で、肥大軟骨細胞層(234±12
μm対207±14 μm、n=4、p<0.05)も、増殖軟骨層(215
±3 μm対193±16 μm、n=4、p<0.05)もCNP-トランス
ジェニックマウスの方が野生型同腹マウスに比べて長く
なっていた。肥大軟骨細胞層、増殖軟骨層は、in situ
ハイブリダイゼーション解析にて、X型コラーゲンある
いはII型コラーゲンを発現している(図3E-H)。強拡
大により、軟骨細胞の大きさ(24.3±1.2μm対21.2±1.
3μm、n=6、p<0.05)が拡大していることがわかる(図
3C,D)。静止軟骨細胞層の長さはCNP-トランスジェニ
ックマウスでも変化なかった。BrdUrd陽性軟骨細胞のバ
ンドは、CNP-トランスジェニックマウスで野生型同腹マ
ウスよりも広くなっていたが、BrdUrd陽性軟骨細胞の数
(13.3±3% 対 12.5±2.9%、n=4)には変化がなかった
(図3K,L)。3週齢のマウスの脛骨の成長板のvon Kos
sa染色から、隣接した肥大軟骨層から形成される骨端の
小柱骨は、CNP-トランスジェニックマウスは野生型同腹
マウスに比べ、明らかに長くなり、小柱骨の体積は大き
くなっていた(図3I, J)。
【0037】実施例6:CNP-トランスジェニックマウス
の胎児脛骨の培養細胞における軟骨特異的CNP発現の効
果 CNP-トランスジェニックマウスあるいは野生型同腹マウ
スの胎児脛骨は、交尾後16.5日目に切除し、人工培地中
で4日間浮遊培養した。内在性のCNPの効果を阻害する
ために、脛骨の培養は、非ペプチド性NP受容体アンタゴ
ニスト、HS-142-1(Komatsu et al., Circ Res. 78: 606
-614, 1996)を50 mg/Lの濃度で培地に添加した。培養期
間の終わりに、培養された脛骨は、その長軸長を測定
し、固定包埋して組織学的解析に用いた。包埋した標本
から5μm厚に切り出した切片は、Alcian blue (pH2.5)
染色、hematoxylin/eosin対比染色した。培養脛骨のcGM
P量は、培養4日後、RIAにて測定した。培養脛骨のグリ
コサミノグリカン合成は、取り込まれた35SO4を測定す
ることにより評価した(Mericq et a., Pediatr Res 4
7: 189-193, 2000)。即ち、CNP-トランスジェニックマ
ウス及び野生型同腹マウスの培養脛骨は、5 μCi/mlのN
a2 35SO4 (Amersham, 比活性は100 mCi/mmol)にて、1時
間標識した。培養脛骨はPack's saline (Sigma Chemica
l Co. St.Louis,MO)にて10分間3回リンスし、0.3%のパ
パインを含む新鮮培地1.5 ml中で、60℃24時間消化し
た。次に、0.5mlの10% cetylpyridinium chloride (Sig
ma ChemiclCo.)-0.2M NaClを添加し、室温にて18時間保
温しグリコサミノグリカンを沈殿させた。沈殿は1 mlの
0.1% cetylpyridinium chloride (Sigma Chemicl Co.)-
0.2MNaClにて3回洗浄し、23Nの蟻酸1 mlに溶かした後
35SO4量を液体シンチレーションカウンターで計測し
た。
【0038】培養前から、CNP-トランスジェニックマウ
スの脛骨の培養臓器片は、野生型同腹マウスよりも顕著
に長かった(図4A)。培養の間、CNP-トランスジェニ
ックマウスの脛骨の培養臓器片はその長軸長が著しく増
加し、培養4日後にはは野生型同腹マウスに比べ、約35
%長くなった(n=6, 図4A)。脛骨の培養臓器片の他の
部分に比べ、軟骨原基の増大が著しかった(40%増
加)。HS-142-1は、軟骨の内在性のCNPの効果を阻害す
るが、野生型同腹マウス由来の脛骨の培養臓器片の自然
な成長を阻害する(図4A)。さらに、CNP-トランスジ
ェニックマウス由来の脛骨の培養臓器片の長さの増加
は、HS-142-1(50 mg/L)により完全に阻害され、HS-14
2-1処理された野生型同腹マウスの脛骨の培養臓器片の
長さと同じになった(図4A)。CNP-トランスジェニッ
クマウスの脛骨の培養臓器片のcGMPの量は、野生型同腹
マウスの場合の約9倍であった(18.7±1.2 fmol/mg蛋
白質 対2.1±0.2 fmol/mg 蛋白質、n=5、図4B)。グ
リコサミノグリカン合成はCNP-トランスジェニックマウ
スで野生型同腹マウスの25%増であった(2300±170 cpm
/脛骨 対 1840±140 cpm/脛骨、n=6、図4C)。組織
学的には、CNP-トランスジェニックマウスの脛骨の培養
臓器片の骨端の軟骨の増殖軟骨層(369±26 μm対287±
14 μm、n=4、p<0.05)も肥大軟骨細胞層(450±29 μm
対294±16 μm、n=4、p<0.05)もその高さが増加してお
り、また、増殖軟骨細胞層の軟骨マトリクスをAlcian b
lueで染色した細胞外領域も増加していた(図5A,B)。
肥大軟骨細胞層も大きくなっていた(17.8±0.8 μm対1
5.4±1.4 μm、n=6、p<0.05、図D)。CNP-トランスジェ
ニックマウスの同濃度でのHS-142-1による培養脛骨の骨
端の軟骨の変化も消失していた。
【0039】実施例7:CNP/FGFR3ach-ダブルトランス
ジェニックマウスの解析 CNP-トランスジェニックマウスの雌とFGFR3ach-トラン
スジェニックマウスの雄(米国ワシントン大学David M.
Ornitz教授より入手)とを掛け合わせた。FGFR3ach-ト
ランスジェニックマウスは、FVB/Nバックグランドなの
で、ダブルトランスジェニックマウスはF1のみを使用
し、対照とするCNP、FGFR3ach、及び野生型マウスは、
同腹の仔マウスを用いた。
【0040】3ヶ月齢では、CNP-トランスジェニックマ
ウスは野生型同腹マウスより体長が長く、FGFR3ach-ト
ランスジェニックマウスは野生型同腹マウスより体長が
短くなっていた(図6A)。CNP/FGFR3ach-トランスジェ
ニックマウスの鼻−肛門長は、野生型同腹マウスとほぼ
同等であった。このとき、CNP/FGFR3ach-トランスジェ
ニックマウスの軟骨におけるCNPの発現量は、CNP-トラ
ンスジェニックマウスの発現量と同等であった(図6
C)。CNP/FGFR3ach-トランスジェニックマウス、FGFR3
ach-トランスジェニックマウス、野生型同腹マウスの鼻
−肛門長による成長曲線は、FGFR3ach-トランスジェニ
ックマウスの成長遅延が、成長板軟骨におけるCNPの過
剰発現によりレスキューされていることがわかった。1
0週齢において、CNP/FGFR3ach-トランスジェニックマ
ウスの鼻−肛門長は94.7±4.0 mmで、FGFR3ach-トラン
スジェニックマウスは87.0±2.6 mmで8%長く、野生型
同腹マウス(97.0±4.2 mm)と同等であった(図6
B)。軟X線解析によると、FGFR3a ch -トランスジェニッ
クマウスで観察された骨の長さの短縮は、頭蓋骨の鼻−
頭頂骨長、上腕骨の長さ、椎骨(L1-7)の長さが、CNP/
FGFR3ach-トランスジェニックマウスでは部分的にレス
キューされた。頭蓋骨の幅は、FGFR3ach-トランスジェ
ニックマウスもCNP/FGFR3ach-トランスジェニックマウ
スも変化はなかった(図6D)。2週齢のCNP/FGFR3ach-
トランスジェニックマウス、FGFR3ach-トランスジェニ
ックマウス、野生型同腹マウス近位の脛骨の成長板軟骨
の顕微鏡解析では、FGFR3ach-トランスジェニックマウ
スの肥大軟骨細胞の高さは、野生型同腹マウスに比べて
減少していた(169±15 μm対220±15 μm)。CNP/FGFR
3ach-トランスジェニックマウスでは回復していた(229
±21μm、図7A-C)。CNP/FGFR3ach-トランスジェニッ
クマウスは、FGFR3ach-トランスジェニックマウスや野
生型同腹マウスに比べて、肥大軟骨細胞のカラムの配置
の異常や、前期肥大軟骨や上部肥大軟骨細胞層の細胞外
マトリクスの拡張が観察された(図7D-F)。CNP/FGFR3
ach-トランスジェニックマウスの肥大軟骨細胞の大きさ
は、FGFR3ach-トランスジェニックマウスや野生型同腹
マウスよりも顕著に大きかった(20.1±1.5 μm、18.4
±1.2 μm、19.0±0.2 μm、n=6、p<0.05、図7D-F)。
10週齢のマウスの近位の脛骨では、二次的骨化中心は、
野生型同腹マウスではよく形成されたが、FGFR3ach-ト
ランスジェニックマウスやCNP/FGFR3ach-トランスジェ
ニックマウスでは形成されなかった(図7A-C)。
【0041】
【発明の効果】本発明によって提供される軟骨無形成症
治療剤は、CNP遺伝子、CNP蛋白質、あるいはGC-Bを活性
化する低分子物質として、成長ホルモンとは異なった作
用点に働くことにより軟骨無形成症を治療することが可
能である。本発明の軟骨無形成症治療剤は、従来の股関
節の人工関節置換や脚延長術などの整形外科手術に比べ
て患者の負担、苦痛が少なく、患者のQOLに配慮した
優れた治療剤となりうる。更に本発明の記載のトランス
ジェニック動物は、FRFR3のG380R 変異以外の変異を原
因とする軟骨無形成症に対して、その有効性を検証する
ために用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軟骨特異的にCNPを過剰発現するトランスジェ
ニックマウスの作製を示す図であり、 A. CNP-トランスジェニックマウス作製用組換え遺伝子
の構造を示す模式図; B. CNP-トランスジェニックマウスの尾DNAを用いたサザ
ンハイブリダイゼーションの結果を示す写真; C. CNP-トランスジェニックマウス由来の各臓器のCol I
I-CNPの発現RT-PCRにて解析した結果を示す写真であ
る。
【図2】CNP-トランスジェニックマウスの概観を示す図
であり、 A. 1日齢の野生型マウス(上)とCNP-トランスジェニ
ックトランスジェニックマウス(下)の骨格を示す写
真; B. CNP-トランスジェニックマウスの雄(左)と雌
(右)の成長曲線を示したグラフであり、黒丸(●)が
ヘテロ、黒四角(■)がホモ、白丸(○)が野生型同腹
マウス; C. 左側は、6ヶ月齢の野生型同腹雌マウス(左)とCNP
-トランスジェニック雌マウス(右)の頭蓋骨(上)と
脚(下)の軟X線写真であり、右側は、野生型同腹雌マ
ウス(白抜き棒)とCNP-トランスジェニック雌マウス
(黒塗り棒)の左側写真から計測したいくつかの骨の長
さの比較を示したグラフである。
【図3】CNP-トランスジェニックマウスの成長板の組織
学的解析を示す図であり、A〜DはAlcian blueとhemat
oxylin/eosin染色(3週齢)を示す写真であり、 A. 野生型同腹マウスの脛骨成長板(x50); B. CNP-トランスジェニックマウスの脛骨成長板(x5
0); C. 野生型同腹マウスの脛骨成長板(x200); D. CNP-トランスジェニックマウスの脛骨成長板(x20
0)であり、E〜HはコラーゲンcDNAプローブによるin
situ ハイブリダイゼーション(2週齢)を示す写真で
あり、 E. 野生型同腹マウスの脛骨成長板(Type II コラーゲ
ン、x200); F. CNP-トランスジェニックマウスの脛骨成長板(Type
II コラーゲン、x200); G. 野生型同腹マウスの脛骨成長板(Type X コラーゲ
ン、x200); H. CNP-トランスジェニックマウスの脛骨成長板(Type
X コラーゲン、x200)であり、I〜JはVon Kossa染色
(3週齢)を示す写真であり、 I. 野生型同腹マウスの骨端の小柱骨(x50); J. CNP-トランスジェニックマウスの骨端の小柱骨(x5
0)であり、K〜LはBrdUrd染色(2週齢)を示す写真
であり、 K. 野生型同腹マウスの脛骨成長板(x50); L. CNP-トランスジェニックマウスの脛骨成長板(x50)
である。
【図4】CNP-トランスジェニックマウスの脛骨の器官培
養を示す図であり、 A. 左側は、16.5日齢のマウス胎児の脛骨の4日間培養
後の外観を示す写真であり、 (左上)野生型同腹マウス; (右上)CNP-トランスジェニックマウス; (左下)野生型同腹マウス(HS-142-1(50 mg/L)を培地
に添加); (右下)CNP-トランスジェニックマウス(HS-142-1(50
mg/L)を培地に添加)であり、右側は、頚骨の器官培養
開始時と、4日間培養後の脛骨の長さのタイムコースを
示すグラフである。白丸は野生型同腹マウス, n=6、白
四角はCNP-トランスジェニックマウス, n=6、黒丸は野
生型同腹マウス(HS-142-1), n=6、黒四角はCNP-トラ
ンスジェニックマウス(HS-142-1), n=6)。*は、P<0.
05 CNP-トランスジェニックマウス対野生型同腹マウ
ス、**は、P<0.05 HS-142-1処理野生型同腹マウス対非
処理野生型同腹マウス、***は、P<0.01 HS-142-1処理CN
P-トランスジェニックマウス対非処理処理CNP-トランス
ジェニックマウス; B. CNP-トランスジェニックマウス胎仔の培養脛骨のcGM
Pの量(n=5)を示すグラフである。*は、P<0.01 CNP-ト
ランスジェニックマウス対野生型同腹マウス; C. CNP-トランスジェニックマウス胎仔の培養脛骨中の
35SO4の取り込み量(n=6)を示すグラフである。*は、P
<0.05 CNP-トランスジェニックマウス対野生型同腹マウ
ス。
【図5】CNP-トランスジェニックマウスの培養脛骨の組
織化学的解析(Alcian blueとhematoxylin/eosin染色)
を示す写真であり、 A. 野生型同腹マウス(x25); B. CNP-トランスジェニックマウス(x25); C. CNP-トランスジェニックマウス(HS-142-1処理)(x2
5); D. 野生型同腹マウス(x200); E. CNP-トランスジェニックマウス(x200); F. CNP-トランスジェニックマウス(HS-142-1処理)(x2
00)。
【図6】CNP-トランスジェニックマウス、FGFR3ach-ト
ランスジェニックマウス、CNP/FGFR3ach-ダブルトラン
スジェニックマウスの全体的な表現型を示す図であり、 A. 上から、3ヶ月齢の野生型同腹マウス、CNP-トラン
スジェニックマウス、FGFR3ach-ダブルトランスジェニ
ックマウス、CNP/FGFR3ach-ダブルトランスジェニック
マウスの全体の外観を示す写真; B. FGFR3ach-トランスジェニック雌マウス(黒三角)、
CNP/FGFR3ach-トランスジェニック雌マウス(白四
角)、野生型同腹マウス(黒丸)の鼻−肛門長の成長曲
線(n=7)を示すグラフ; C. RT-PCRによる、軟骨由来total RNAを用いたCol II-C
NPの発現の検出を示す写真であり、Lane 1, 野生型同腹
マウス;lane 2, CNP-トランスジェニックマウス;lane
3, FGFR3ach-トランスジェニックマウス; D. 左側は上から、3ヶ月齢の野生型同腹マウス、CNP-
トランスジェニックマウス、FGFR3ach-ダブルトランス
ジェニックマウス、CNP/FGFR3ach-ダブルトランスジェ
ニックマウスの骨格の外観を示す写真であり、右側は、
野生型同腹マウス(白抜き)、CNP-トランスジェニック
マウス(黒)、FGFR3ach-トランスジェニックマウス
(斜線)、CNP/FGFR3ach-ダブルトランスジェニックマ
ウス(影)における各骨の長さの比較(n=4)を示すグ
ラフである。*は、p<0.05。頭蓋骨(前後長)、頭蓋骨
(横長)、上腕骨、大腿骨、椎骨を示す。
【図7】2週齢のマウスの成長板脛骨の組織化学的解析
(Alcian blueとhematoxylin/eosin染色)を示す写真で
あり、 A. 野生型同腹マウス(x50); B. FGFR3ach-トランスジェニックマウス(x50); C. CNP/FGFR3ach-トランスジェニックマウス(x50); D. 野生型同腹マウス(x100); E. FGFR3ach-トランスジェニックマウス(x100); F. CNP/FGFR3ach-トランスジェニックマウス(x100)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアニリルシクラーゼB(GC-B)を活性
    化する物質を有効成分として含有する、繊維芽細胞増殖
    因子レセプター3(FGFR3)遺伝子の変異による軟骨の
    成長抑制に起因する軟骨無形成症治療剤。
  2. 【請求項2】 肥大軟骨細胞を肥大化させること及び増
    殖軟骨細胞層の細胞外マトリクスを増大させることによ
    り軟骨の成長抑制を回復する、請求項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 GC-Bを活性化する物質がペプチドである
    請求項1又は2記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 ペプチドが、C型ナトリウム利尿性ペプ
    チド(CNP)である請求項3記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 CNPが、CNP-22又はCNP-53である請求項
    4記載の治療剤。
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