JP2002359163A - 固体電解コンデンサ内蔵基板およびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ内蔵基板およびその製造方法

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JP2002359163A
JP2002359163A JP2002063339A JP2002063339A JP2002359163A JP 2002359163 A JP2002359163 A JP 2002359163A JP 2002063339 A JP2002063339 A JP 2002063339A JP 2002063339 A JP2002063339 A JP 2002063339A JP 2002359163 A JP2002359163 A JP 2002359163A
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foil
electrolytic capacitor
solid electrolytic
insulating
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Masaaki Kobayashi
正明 小林
Yumiko Yokouchi
祐美子 横内
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TDK Corp
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    • H01G9/022Electrolytes; Absorbents
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成さ
れた箔状の弁金属基体と、箔状の弁金属基体に、絶縁性
酸化皮膜、固体高分子電解質層および導電体層が、順
次、形成された固体電解コンデンサであって、回路基板
に内蔵するのに適した固体電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体2と、箔状の弁金属基体に、
少なくとも、絶縁性酸化皮膜9、固体高分子電解質層1
1および導電体層12、13が、順次、形成された固体
電解コンデンサであって、表面が粗面化され、絶縁性酸
化皮膜が形成された箔状の弁金属基体2の一端部近傍領
域に、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体3の
一端部近傍領域が、弁金属間が電気的に接続されるよう
に、接合され、箔状の弁金属基体3の他端部近傍領域
に、箔状の導電性金属基体4の一端部近傍領域が、金属
が電気的に接続されるように、接合されて、陽極電極1
が構成された固体電解コンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サおよび固体電解コンデンサ内蔵基板ならびにそれらの
製造方法に関するものであり、さらに詳細には、表面が
粗面化され、形成絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁
金属基体と、箔状の弁金属基体に、絶縁性酸化皮膜、固
体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成された
固体電解コンデンサであって、回路基板に内蔵するのに
適した固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサ内
蔵基板ならびにそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、絶縁性酸化皮膜形成
能力を有するアルミニウム、チタン、真鍮、ニッケル、
タンタルなどの金属、いわゆる弁金属を陽極に用い、こ
の弁金属の表面を陽極酸化して、絶縁性酸化皮膜を形成
した後、実質的に陰極として機能する電解質層を形成
し、さらに、グラファイトや銀などの導電層を陰極とし
て設けることによって、形成されている。
【0003】たとえば、アルミニウム電解コンデンサ
は、エッチング処理によって、比表面積を増大させた多
孔質アルミニウム箔を陽極とし、この陽極表面に形成し
た酸化アルミニウム層と陰極箔との間に、電解液を含浸
させた隔離紙を設けて、構成されている。
【0004】一般に、絶縁性酸化皮膜と陰極との間の電
解質層に、電解液を利用する電解コンデンサは、シーリ
ング部分からの液漏れや、電解液の蒸発によって、その
寿命が決定されるという問題を有しているのに対し、金
属酸化物や有機化合物からなる固体電解質を用いた固体
電解コンデンサは、かかる問題を有しておらず、好まし
いものである。
【0005】固体電解コンデンサに用いられる金属酸化
物からなる代表的な固体電解質としては、二酸化マンガ
ンが挙げられ、一方、固体電解コンデンサに用いられる
有機化合物からなる固体電解質としては、たとえば、特
開昭52−79255号公報や特開昭58−19141
4号公報に開示された7,7,8,8−テトラシアノキ
シジメタン(TCNQ)錯塩が挙げられる。
【0006】近年、電子機器の電源回路の高周波化にと
もない、使用されるコンデンサに対しても、それに対応
した性能が求められるようになっているが、二酸化マン
ガンあるいはTCNQ錯塩からなる固体電解質層を用い
た固体電解コンデンサは、以下のような問題を有してい
た。
【0007】二酸化マンガンからなる固体電解質層は、
一般に、硝酸マンガンの熱分解を繰り返すことによって
形成されるが、熱分解の際に加えられる熱によって、あ
るいは、熱分解の際に発生するNOxガスの酸化作用に
よって、誘電体である絶縁性酸化皮膜が損傷し、あるい
は、劣化するため、固体電解質層を二酸化マンガンによ
って形成する場合には,漏れ電流値が大きくなるなど、
最終的に得られる固体電解コンデンサの諸特性が低くな
りやすいという問題があった。また、二酸化マンガンを
固体電解質として用いるときは、高周波領域において、
固体電解コンデンサのインピーダンスが高くなってしま
うという問題もあった。
【0008】一方、TCNQ錯塩は、電導度が、1S/
cm程度以下であるため、現在の電解コンデンサに対す
る低インピーダンス化の要求に対して、十分に応えるこ
とができないという問題を有していた。さらに、TCN
Q錯塩は、絶縁性酸化皮膜との密着性が低く,また、ハ
ンダ固定時の熱的安定性や経時的な熱的安定性が低いな
どの理由から、TCNQ錯塩を固体電解質として用いた
固体電解コンデンサは、十分な信頼性が得られないとい
うことが指摘されている。加えて、TCNQ錯塩は高価
であり、TCNQ錯塩を固体電解質として用いた固体電
解コンデンサはコストが高いという問題も有していた。
【0009】二酸化マンガンあるいはTCNQ錯塩を、
固体電解質として用いる場合のこれらの問題点を解消
し、より優れた特性を有する固体電解コンデンサを得る
ため、製造コストが比較的低く、また、絶縁性酸化皮膜
との付着性が比較的良好で、熱的な安定性にも優れた高
導電性の高分子化合物を固体電解質として利用すること
が提案されている。
【0010】たとえば、特許第2725553号には、
陽極表面の絶縁性酸化皮膜上に、化学酸化重合によっ
て、ポリアニリンを形成した固体電解コンデンサが開示
されている。
【0011】また、特公平8−31400号公報は、化
学酸化重合法のみによっては、陽極表面の絶縁性酸化皮
膜上に、強度の高い導電性高分子膜を形成することは困
難であり、また、陽極表面の絶縁性酸化皮膜が電気導体
であるため、電解重合法により、陽極表面の絶縁性酸化
皮膜上に、直接、電解重合膜を形成することは不可能
か、きわめて困難であるという理由から、絶縁性酸化皮
膜上に、金属あるいは二酸化マンガンの薄膜を形成し、
金属あるいは二酸化マンガンの薄膜上に、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフランなどの
導電性高分子膜を電解重合法によって形成した固体電解
コンデンサを提案している。
【0012】さらに、特公平4−74853号公報に
は、絶縁性酸化皮膜上に、化学酸化重合によって、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン
などの導電性高分子膜を形成した固体電解コンデンサが
開示されている。
【0013】一方、電子機器の小型化、薄型化の要求に
より、電子部品には、より一層の小型化、高性能化が要
求され、回路基板には、薄層化、多層化による高機能化
が要求されている。ことに、ICカードの厚みは、1m
m以下、携帯型パーソナルコンピュータの厚みは、20
mm以下と、きわめて薄くなりつつあるため、これらに
搭載される電子部品や、電子部品を実装した配線基板
は、数mmないし数百ミクロンの厚みで形成することが
要求されるようになっている。
【0014】しかしながら、上述した固体電解コンデン
サは、いずれも、単体の部品として製造され、配線基板
に、ハンダ層を介して、実装されるものであるため、電
子部品を十分に高集積化、高密度化することができない
という問題があった。
【0015】そこで、特開平2−54510号公報およ
び特許第2950587号は、固体電解コンデンサを、
配線基板の抵抗機能や導電パターンと同様に、あらかじ
め、基板と一体的に形成し、複数の固体電解コンデンサ
が1枚の基板上に形成された回路基板によって、電子部
品の高密度化、回路基板の薄型化を図ることを提案して
いる。
【0016】すなわち、特開平2−54510号公報
は、絶縁基板上に、電気導体および絶縁性酸化皮膜形成
能を有するアルミニウム箔などの箔状の弁金属基体のパ
ターンを形成し、この弁金属基体のパターンの表面の1
箇所あるいは数箇所に、絶縁性酸化皮膜層、複素環式化
合物の導電性ポリマー層および導電体層を、順次、形成
して、固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する方法を開
示するとともに、絶縁基板の両面に、電気導体および絶
縁性酸化皮膜形成能を有する弁金属基体のパターンを形
成し、この弁金属基体のパターンの表面の1箇所あるい
は数箇所に、絶縁性酸化皮膜層、複素環式化合物の導電
性ポリマー層および導電体層を、順次、形成して、固体
電解コンデンサ内蔵基板を作製した後、固体電解コンデ
ンサ内蔵基板を積層して、多層構造とした固体電解コン
デンサ内蔵基板を開示している。特開平2−54510
号公報によれば、導電性高分子を用いた固体電解コンデ
ンサを、回路基板の抵抗体層や導電パターンと同様に、
あらかじめ、基板と一体的に形成しておくことによっ
て、個々のコンデンサを回路基板上に実装する必要がな
く、電子部品の高密度化が実現されるとともに、ノイズ
の低減など、電気的特性をも向上させることができると
されている。
【0017】一方、特許第2950587号は、板状の
陽極体、すなわち、板状の弁金属基体の両面に、誘電体
層、電解質層および導電体層を、順次、形成し、各導電
体層を介して、陰極端子を設けて、コンデンサ素子を形
成し、こうして形成したコンデンサ素子の両面に、所望
の配線パターンを備えたプリント基板を、樹脂層を介し
て、接合して、作製した固体電解コンデンサを開示して
いる。特許第2950587号によれば、機械的に脆弱
な固体電解質であっても、両面に配置されるプリント基
板によって保護されるから、信頼性の高い固体電解コン
デンサを得ることが可能になり、また、プリント基板
に、あらかじめ、所望の配線パターンを形成しておくこ
とにより、他の電子部品を、プリント基板に容易に実装
することが可能になるとされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】かかる固体電解コンデ
ンサ内蔵電気配線基板にあっては、固体電解コンデンサ
を、基板に搭載されるべき他の電子部品と接続するため
のリード電極を、陽極となる絶縁性酸化皮膜形成能を有
する箔状の弁金属基体に接続することが必要不可欠であ
るが、箔状の弁金属基体に、単に、銅などの金属導体を
接続して、リード電極を構成する場合には、所望のコン
デンサ特性を得ることができないという問題があった。
【0019】すなわち、固体電解コンデンサは、大容量
の静電容量を得るために、弁金属基体の表面積が大きく
なるように、箔状の弁金属基体を粗面化(拡面化)し、
かつ、酸化アルミニウムなどの絶縁性酸化皮膜を形成し
たアルミニウムなどの弁金属の箔状シートから所望のサ
イズの箔状の弁金属基体を切り出し、粗面化された箔状
の弁金属の絶縁性酸化皮膜上に、陰極となる固体高分子
電解質層を形成し、さらに、陰極となる固体高分子電解
質層上に、カーボンペースト層および銀ペースト層など
導電体層を設け、陰極のリード電極を形成することによ
って構成されており、陽極のリード電極を形成するため
には、粗面化された箔状の弁金属基体の表面に形成され
た絶縁性酸化皮膜を除去して、銅などの金属導体が、弁
金属基体に、金属間が電気的に接続されて、接合される
ように、超音波溶接、コールド・ウェルディング(冷間
圧接)などによって、接続することが必要である。こう
してリード電極を形成し箔状の弁金属基体は、弁金属の
シートから切り出されているため、箔状の弁金属基体の
エッジ部分には、絶縁性酸化皮膜が形成されておらず、
箔状の弁金属基体のエッジ部分に、絶縁性酸化皮膜を形
成しないと、弁金属基体の金属部分が、固体高分子電解
質層と接触し、固体電解コンデンサとして機能しなくな
るので、陽極酸化によって、箔状の弁金属基体のエッジ
部分に絶縁性酸化皮膜を形成することが必要不可欠にな
る。
【0020】しかしながら、表面に粗面化処理を施した
箔状の弁金属基体に、超音波溶接、コールド・ウェルデ
ィング(冷間圧接)などにより、銅などの金属導体を接
合した陽極体を、ステンレスビーカーなどの導電性容器
に収容されたアジピン酸アンモニウムなどの化成溶液に
浸し、銅などの金属導体をプラス極に接続するととも
に、導電性容器をマイナス極に接続して、陽極酸化をす
る際に、銅などの金属導体が化成溶液に接触すると、電
流が流れ続け、その結果として、銅などの金属導体が腐
食され、弁金属基体のエッジ部分に絶縁性酸化皮膜を形
成することができないという問題があり、表面に粗面化
処理を施した箔状の弁金属基体のみを、化成溶液に浸し
て、陽極酸化をする場合にも、箔状の弁金属基体の表面
に粗面化処理が施されているため、毛細管現象によっ
て、化成溶液が銅などの金属導体に達し、同様に、電流
が流れ続け、銅などの金属導体が腐食されて、箔状の弁
金属基体のエッジ部分に、絶縁性酸化皮膜を形成するこ
とができないという問題があった。
【0021】かかる問題は、銅などの金属導体を箔状の
弁金属基体に接合する前に、箔状の弁金属基体の絶縁性
酸化皮膜が形成されていないエッジ部分に電極を設け
て、陽極酸化処理を施し、弁金属基体のエッジ部分に絶
縁性酸化皮膜を形成することによって、理論的には解消
することが可能であるが、一般に、アルミニウムなどの
弁金属基体の箔状シートの厚みは、100ミクロンのオ
ーダーであるため、箔状の弁金属基体の絶縁性酸化皮膜
が形成されていないエッジ部分に電極を設けて、陽極酸
化処理を施すことは、きわめて困難であり、回路基板に
内蔵するのに適した固体電解コンデンサを得ることがで
きないという問題があった。
【0022】したがって、本発明は、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
箔状の弁金属基体に、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解
質層および導電体層が、順次、形成された固体電解コン
デンサであって、回路基板に内蔵するのに適した固体電
解コンデンサおよび固体電解コンデンサが内蔵された基
板ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者は、本発明のか
かる目的を達成するため、鋭意、研究を重ねた結果、表
面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁
金属基体の一端部近傍領域に、表面が粗面化されていな
い箔状の弁金属基体の一端部近傍領域を、弁金属間が電
気的に接続されるように、接合し、表面が粗面化されて
いない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領域に、箔状
の導電性金属基体の一端部近傍領域を、金属間が電気的
に接続されるように、接合して、固体電解コンデンサの
陽極電極を構成することによって、本発明の前記目的を
達成することが可能になることを見出した。
【0024】本発明者の研究によれば、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体の一
端部近傍領域に、表面が粗面化されていない箔状の弁金
属基体の一端部近傍領域を、弁金属間が電気的に接続さ
れるように、接合して、形成した陽極電極は、陽極酸化
により、表面が粗面化された箔状の弁金属基体の絶縁性
酸化皮膜が形成されていないエッジ部分に、絶縁性酸化
皮膜を形成しても、化成溶液は、表面が粗面化された箔
状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化され
ていない箔状の弁金属基体の一端部近傍領域との接合部
を越えて、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体
に達することがなく、したがって、表面が粗面化された
箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化さ
れていない箔状の弁金属基体の一端部近傍領域との接合
部に、絶縁性酸化皮膜が形成された時点で、電流は流れ
なくなって、陽極酸化が完了し、表面が粗面化された箔
状の弁金属基体のエッジ部分に、所望のように、絶縁性
酸化皮膜を形成することが可能になることが認められて
いる。
【0025】しかしながら、こうして、陽極酸化によっ
て、表面が粗面化された箔状の弁金属基体のエッジ部分
に、絶縁性酸化皮膜を形成して得た陽極電極を備えた固
体電解コンデンサを、回路基板に内蔵させた場合、表面
が粗面化されていない箔状の弁金属基体の表面に、経時
的に、絶縁性酸化皮膜が形成されるため、回路基板に搭
載される他の電子部品とのコンタクトを、表面が粗面化
されていない箔状の弁金属基体の表面に設けたときに、
絶縁性酸化皮膜の抵抗が大きく、コンデンサのインピー
ダンス特性が悪化するという問題が発生することが見出
された。
【0026】したがって、表面が粗面化され、絶縁性酸
化皮膜が形成された箔状の弁金属基体の一端部近傍領域
に、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体の一端
部近傍領域を、弁金属間が電気的に接続されるように、
接合し、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
体の他端部近傍領域に、箔状の導電性金属基体の一端部
近傍領域を、金属間が電気的に接続されるように、接合
して、固体電解コンデンサの陽極電極を構成することに
よって、初めて、本発明の前記目的を達成することが可
能になる。
【0027】本発明によれば、表面が粗面化され、絶縁
性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体の一端部近傍
領域に、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体の
一端部近傍領域が、弁金属間が電気的に接続されるよう
に、接合され、表面が粗面化されていない箔状の弁金属
基体の他端部近傍領域に、さらに、箔状の導電性金属基
体の一端部近傍領域が、電気的に接続されるように、接
合されて、陽極電極が構成されているから、陽極酸化に
より、表面が粗面化された箔状の弁金属基体の絶縁性酸
化皮膜が形成されていないエッジ部分に、絶縁性酸化皮
膜を形成しても、化成溶液は、表面が粗面化された箔状
の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化されて
いない箔状の弁金属基体の一端部近傍領域との接合部を
越えて、導電性金属基体に達することがなく、したがっ
て、表面が粗面化された箔状の弁金属基体の一端部近傍
領域と、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体の
一端部近傍領域との接合部に、絶縁性酸化皮膜が形成さ
れた時点で、電流は流れなくなって、陽極酸化が完了
し、表面が粗面化された箔状の弁金属基体のエッジ部分
に、所望のように、絶縁性酸化皮膜を形成することがで
き、固体電解コンデンサを、回路基板に内蔵させた後
に、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基体の表面
に、経時的に、絶縁性酸化皮膜が形成されても、表面が
粗面化されていない箔状の弁金属基体の他端部近傍領域
に、さらに、箔状の導電性金属の一端部近傍領域が、電
気的に接続するように、接合されているから、箔状の導
電性金属に、回路基板に搭載される他の電子部品とのコ
ンタクトを設けることによって、所望のインピーダンス
特性を有する固体電解コンデンサを、回路基板に内蔵さ
せることが可能になる。
【0028】本発明の好ましい実施態様においては、さ
らに、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体
に、絶縁性かつ疎水性の表面領域が形成されている。
【0029】本発明の好ましい実施態様によれば、表面
が粗面化されていない箔状の弁金属基体に、絶縁性かつ
疎水性の表面領域が形成されているから、陽極酸化の際
に、化成溶液が、電子部品とのコンタクトを形成する箔
状の導電性金属基体に達することを、より一層確実に防
止することができ、また、化学酸化重合によって、固体
高分子電解質層を形成する際に、原料モノマー溶液や酸
化剤溶液が、電子部品とのコンタクトを形成する箔状の
導電性金属基体に達することを確実に防止することが可
能になる。
【0030】本発明の前記目的はまた、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮
膜、固体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成
された固体電解コンデンサであって、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体
の一端部近傍領域に、表面が粗面化されていない箔状の
弁金属基体の一端部近傍領域が、弁金属間が電気的に接
続されるように、接合され、表面が粗面化されていない
前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領域に、箔状の導電
性金属基体の一端部近傍領域が、金属間が電気的に接続
されるように、接合されて、陽極電極が構成された少な
くとも1つの固体電解コンデンサが、絶縁基板の一方の
面に取り付けられたことを特徴とする固体電解コンデン
サ内蔵基板によって達成される。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、さ
らに、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの表面
が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体に、絶縁性
かつ疎水性の表面領域が形成されている。
【0032】本発明の好ましい実施態様によれば、少な
くとも1つの固体電解コンデンサの表面が粗面化されて
いない箔状の弁金属基体に、絶縁性かつ疎水性の表面領
域が形成されているから、陽極酸化の際に、化成溶液
が、電子部品とのコンタクトを形成する箔状の導電性金
属基体に達することを、より一層確実に防止することが
でき、また、化学酸化重合によって、固体高分子電解質
層を形成する際に、原料モノマー溶液や酸化剤溶液が、
電子部品とのコンタクトを形成する箔状の導電性金属基
体に達することを確実に防止して、固体電解コンデンサ
を作製することが可能になる。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記絶縁性かつ疎水性の表面領域が、絶縁性かつ疎
水性を有する樹脂によって形成されている。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記絶縁性かつ疎水性の表面領域が、シリコーン樹
脂およびアモルファス系フッ素樹脂からなる群から選ば
れた樹脂によって形成されている。
【0035】本発明の好ましい実施態様においては、前
記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線パター
ンが形成されている。
【0036】本発明の好ましい実施態様においては、前
記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの電子部品が
搭載されている。
【0037】本発明の好ましい実施態様においては、固
体電解コンデンサ内蔵基板は、第一の絶縁基板に加え
て、さらに、前記第一の絶縁基板と対向する第二の絶縁
基板を備え、前記固体電解コンデンサが、前記第一の絶
縁基板の一方の面と前記第二の絶縁基板の一方の面の間
に一体的に取り付けられている。
【0038】本発明の好ましい実施態様によれば、第一
の絶縁基板に加えて、固体電解コンデンサ内蔵基板は、
さらに、第一の絶縁基板と対向する第二の絶縁基板を備
え、固体電解コンデンサが、第一の絶縁基板の一方の面
と第二の絶縁基板の一方の面の間に一体的に取り付けら
れているから、固体電解コンデンサを含む電子部品を、
高い集積度で、かつ、高密度に、固体電解コンデンサ内
蔵基板に実装することが可能になる。
【0039】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線
パターンが形成されている。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の少なくとも一方の前記陽極電極に対応する位置
に、スルーホールが形成されている。
【0041】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一の絶縁基板および第二の絶縁基板の少なくとも
一方の陽極電極に対応する位置に、スルーホールが形成
されているから、スルーホールを介して、固体電解コン
デンサの陽極電極を、容易に、第一の絶縁基板および第
二の絶縁基板の少なくとも一方に形成された配線パター
ンと電気的に接続することが可能になる。
【0042】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の少なくとも一方の前記固体電解コンデンサの陰極
電極に対応する位置に、スルーホールが形成されてい
る。
【0043】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、さらに、第一の絶縁基板および第二の絶縁基板の少
なくとも一方の固体電解コンデンサの陰極電極に対応す
る位置に、スルーホールが形成されているから、スルー
ホールを介して、固体電解コンデンサの陰極電極を、容
易に、第一の絶縁基板および第二の絶縁基板の少なくと
も一方に形成された配線パターンと電気的に接続するこ
とが可能になる。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の他方の面の少なくとも一方に、少なくとも1つの
電子部品が搭載されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板、前記第二の絶縁基板および前
記固体電解コンデンサが、樹脂によって一体化されてい
る。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板の少
なくとも一方に形成された前記スルーホールを介して、
前記固体電解コンデンサの陽極電極に、前記少なくとも
1つの配線パターンが電気的に接続されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記スルーホールに導電性樹脂が充填され、前記導
電性樹脂により、前記固体電解コンデンサの前記陰極電
極と前記少なくとも1つの配線パターンが電気的に接続
されている。
【0048】本発明の好ましい実施態様においては、前
記固体電解コンデンサが、前記第一の絶縁基板および前
記第二の絶縁基板によって形成された実質的に閉じた空
間内に収容されている。
【0049】本発明において、実質的に閉じた空間と
は、スルーホールなどによって、外部と接続されている
点を除き、閉じられている空間を意味している。
【0050】本発明の好ましい実施態様によれば、固体
電解コンデンサ内蔵基板は、互いに対向する第一の絶縁
基板および第二の絶縁基板と、第一の絶縁基板の第二の
絶縁基板に対向する表面上に固定された固体電解コンデ
ンサとを備え、固体電解コンデンサが、第一の絶縁基板
および第二の絶縁基板によって形成された実質的に閉じ
た空間内に収容されているから、固体電解コンデンサ内
蔵基板を作製する際に、固体電解コンデンサに過大な圧
力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面
に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧
力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基
体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、
ショートが発生するおそれがなく、さらには、固体電解
コンデンサ内蔵基板の平面性を向上させることが可能に
なる。
【0051】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板が、前記絶
縁基板および前記第二の絶縁基板と同一材質の接着剤に
よって、接着されている。
【0052】本発明の好ましい実施態様によれば、第一
の絶縁基板および第二の絶縁基板が、第一の絶縁基板お
よび第二の絶縁基板と同一材質の接着剤によって、接着
されているから、長時間にわたって、使用しても、第一
の絶縁基板と第二の絶縁基板が剥離することがなく、固
体電解コンデンサ内蔵基板の信頼性を向上させることが
可能になる。
【0053】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板が、平板状の基板と、前記固体電解コ
ンデンサの周囲において、前記平板状の基板に固定され
た枠状の基板とによって形成されている。
【0054】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板が、平板状の基板と、前記平板
状の基板の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定さ
れた枠状の基板とによって形成されている。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一の絶縁基板が、平板状の基板と、平板状の基板
の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定された枠状
の基板とによって形成されており、したがって、固体電
解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コンデ
ンサを、平板状の基板と枠状の基板とにより形成された
実質的に閉じた空間内に収容させることができるから、
固体電解コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、
したがって、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破壊され
て、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分子電解
質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生するお
それがない。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠
状の基板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基
板に固定されている。
【0057】本発明の好ましい実施態様によれば、枠状
の基板が、平板状の基板および枠状の基板と同一材質の
接着剤によって、平板状の基板に固定されるから、長時
間にわたって、使用しても、平板状の基板と枠状の基板
が剥離することがなく、固体電解コンデンサ内蔵基板の
信頼性を向上させることが可能になる。
【0058】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記固体電解
コンデンサの周囲に位置する枠状の基板部とを備えてい
る。
【0059】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記平
板状の基板部の周縁部に位置する枠状の基板部とを備え
ている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、平板状の基
板部の周縁部に位置する枠状の基板部とを備えており、
したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する際
に、固体電解コンデンサを、平板状の基板部と枠状の基
板部とにより形成された実質的に閉じた空間内に収容さ
せることができるから、固体電解コンデンサに過大な圧
力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面
に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧
力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基
体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、
ショートが発生するおそれがない。
【0061】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状に形成されている。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記第一の絶縁
基板の前記枠状の基板と接合可能な位置において、前記
平板状の基板に固定された枠状の基板とを備えている。
【0063】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板と、第一の絶縁基板の枠状
の基板と接合可能な位置において、平板状の基板に固定
された枠状の基板とを備えており、したがって、固体電
解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コンデ
ンサを、第一の絶縁基板の平板状の基板およびこれに固
定された枠状の基板と、第二の絶縁基板の平板状の基板
およびこれに固定された枠状の基板との間に形成した実
質的に閉じた空間内に、収容させることができるから、
固体電解コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、
したがって、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破壊され
て、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分子電解
質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生するお
それがない。
【0064】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記第一
の絶縁基板の前記枠状の基板部と接合可能な位置におい
て、前記平板状の基板に固定された枠状の基板とを備え
ている。
【0065】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板と、第一の絶縁基板の
枠状の基板部と接合可能な位置において、平板状の基板
に固定された枠状の基板とを備えており、したがって、
固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解
コンデンサを、第一の絶縁基板の平板状の基板部および
これと一体的に形成された枠状の基板部と、第二の絶縁
基板の平板状の基板およびこれに固定された枠状の基板
との間に形成した実質的に閉じた空間内に、収容させる
ことができるから、固体電解コンデンサに過大な圧力が
加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面に形
成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧力に
よって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基体
と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、シ
ョートが発生するおそれがない。
【0066】本発明の好ましい実施態様においては、前
記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠状の基
板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基板に固
定されている。
【0067】本発明の好ましい実施態様によれば、枠状
の基板が、平板状の基板および枠状の基板と同一材質の
接着剤によって、平板状の基板に固定されるから、長時
間にわたって、使用しても、平板状の基板と枠状の基板
が剥離することがなく、固体電解コンデンサ内蔵基板の
信頼性を向上させることが可能になる。
【0068】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記第一の絶
縁基板の前記枠状の基板と接合可能な位置に位置する枠
状の基板部を備えている。
【0069】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板部と、第一の絶縁基板の枠
状の基板と接合可能な位置に位置する枠状の基板部を備
えており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を
作製する際に、固体電解コンデンサを、第一の絶縁基板
の平板状の基板およびこれに固定された枠状の基板と、
第二の絶縁基板の平板状の基板部およびこれと一体的に
形成された枠状の基板部との間に形成した実質的に閉じ
た空間内に、収容させることができるから、固体電解コ
ンデンサに過大な圧力が加わることがなく、したがっ
て、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜が、
作製時に加えられる圧力によって、破壊されて、陽極と
して作用する弁金属基体と、固体高分子電解質層とが接
触し、通電した際に、ショートが発生するおそれがな
い。
【0070】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記第
一の絶縁基板の前記枠状の基板部と接合可能な位置に位
置する枠状の基板部を備えている。
【0071】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、第一の絶縁基板
の枠状の基板部と接合可能な位置に位置する枠状の基板
部を備えており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵
基板を作製する際に、固体電解コンデンサを、第一の絶
縁基板の平板状の基板部およびこれと一体的に形成され
た枠状の基板部と、第二の絶縁基板の平板状の基板部お
よびこれと一体的に形成された枠状の基板部との間に形
成した実質的に閉じた空間内に、収容させることができ
るから、固体電解コンデンサに過大な圧力が加わること
がなく、したがって、弁金属基体の表面に形成された絶
縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破
壊されて、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分
子電解質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生
するおそれがない。
【0072】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記固体電解コ
ンデンサの周囲において、前記平板状の基板に固定され
た枠状の基板とによって形成され、前記第一の絶縁基板
が、平板状に形成されている。
【0073】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板と、固体電解コンデンサの
周囲において、平板状の基板に固定された枠状の基板と
によって形成され、第一の絶縁基板が、平板状に形成さ
れており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を
作製する際に、固体電解コンデンサを、平板状の第一の
絶縁基板と、第二の絶縁基板の平板状の基板およびこれ
に固定された枠状の基板とによって形成した実質的に閉
じた空間内に、収容させることができるから、固体電解
コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、したがっ
て、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜が、
作製時に加えられる圧力によって、破壊されて、陽極と
して作用する弁金属基体と、固体高分子電解質層とが接
触し、通電した際に、ショートが発生するおそれがな
い。
【0074】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板の前記枠状の基板が、前記平板
状の基板の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定さ
れている。
【0075】本発明の好ましい実施態様においては、前
記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠状の基
板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基板に固
定されている。
【0076】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記固
体電解コンデンサの周囲に位置する枠状の基板部とを備
え、前記第一の絶縁基板が、平板状に形成されている。
【0077】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、固体電解コンデ
ンサの周囲に位置する枠状の基板部とを備え、第一の絶
縁基板が、平板状に形成されており、したがって、固体
電解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コン
デンサを、平板状の第一の絶縁基板と、第二の絶縁基板
の平板状の基板およびこれと一体的に形成された枠状の
基板とによって形成した実質的に閉じた空間内に、収容
させることができるから、固体電解コンデンサに過大な
圧力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表
面に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる
圧力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属
基体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際
に、ショートが発生するおそれがない。
【0078】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板の前記枠状の基板部が、前記平
板状の基板部の周縁部に位置している。
【0079】本発明の前記目的はまた、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮
膜、固体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成
された固体電解コンデンサの製造方法であって、表面が
粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁
金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化されていな
い箔状の弁金属基体の一端部近傍領域とを、弁金属間が
電気的に接続されるように、接合する工程と、表面が粗
面化されていない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領
域と、箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域とを、金
属間が電気的に接続されるように、接合して、陽極電極
を形成する工程と、前記陽極電極を、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体
全体と、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
体の一部が化成溶液に浸されるように、前記化成溶液に
浸し、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された
前記箔状の弁金属基体と表面が粗面化されていない前記
箔状の弁金属基体とに、電圧を印加して、陽極酸化処理
を施し、表面が粗面化された前記弁金属基体の少なくと
もエッジ部分に、絶縁性酸化皮膜を形成する工程と、陽
極酸化処理が施された表面が粗面化され、絶縁性酸化皮
膜が形成された前記箔状の弁金属基体の全表面上に、固
体高分子電解質層を形成する工程と、前記固体高分子電
解質層上に、導電性ペーストを塗布し、乾燥して、導電
体層を形成する工程とを備えたことを特徴とする固体電
解コンデンサの製造方法によって達成される。
【0080】本発明の前記目的はまた、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮
膜、固体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成
された少なくとも1つの固体電解コンデンサを内蔵する
固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法であって、表面
が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の
弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化されてい
ない箔状の弁金属基体の一端部近傍領域とを、弁金属間
が電気的に接続されるように、接合する工程と、表面が
粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍
領域と、箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域とを、
金属間が電気的に接続されるように、接合して、陽極電
極を形成する工程と、前記陽極電極を、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体
全体と、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
体の一部が化成溶液に浸されるように、前記化成溶液に
浸し、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された
前記箔状の弁金属基体と表面が粗面化されていない前記
箔状の弁金属基体とに、電圧を印加して、陽極酸化処理
を施し、表面が粗面化された前記弁金属基体の少なくと
もエッジ部分に、絶縁性酸化皮膜を形成する工程と、陽
極酸化処理が施された表面が粗面化され、絶縁性酸化皮
膜が形成された前記箔状の弁金属基体の全表面上に、固
体高分子電解質層を形成する工程と、前記固体高分子電
解質層上に、導電性ペーストを塗布し、乾燥して、導電
体層を形成し、少なくとも1つの固体電解コンデンサを
生成する工程と、前記少なくとも1つの固体電解コンデ
ンサを、絶縁基板の一方の面に、取り付ける工程とを備
えたことを特徴とする固体電解コンデンサ内蔵基板の製
造方法によって達成される。
【0081】本発明の好ましい実施態様においては、さ
らに、前記固体電解コンデンサの前記絶縁性酸化皮膜を
形成する工程に先立って、表面が粗面化されていない前
記箔状の弁金属基体に、絶縁性かつ疎水性の表面領域を
形成する工程を備えている。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、前
記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線パター
ンが形成される。
【0083】本発明の好ましい実施態様においては、第
一の絶縁基板に加えて、さらに、第二の絶縁基板が用い
られ、前記第二の絶縁基板の一方の面が、前記固体電解
コンデンサに対向するように、前記固体電解コンデンサ
を、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板の間
に固定して、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造され
る。
【0084】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線
パターンが形成される。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の少なくとも一方の前記陽極電極に対応する位置
に、スルーホールを形成することによって、固体電解コ
ンデンサ内蔵基板が製造される。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の少なくとも一方の前記固体電解コンデンサの陰極
電極に対応する位置に、スルーホールを形成することに
よって、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造される。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁
基板の他方の面の少なくとも一方に、少なくとも1つの
電子部品を搭載して、固体電解コンデンサ内蔵基板が製
造される。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板、前記第二の絶縁基板および前
記固体電解コンデンサを、樹脂によって一体化すること
によって、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造される。
【0089】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板の少
なくとも一方に形成された前記スルーホールを介して、
前記固体電解コンデンサの陽極電極に、前記少なくとも
1つの配線パターンを電気的に接続するすることによっ
て、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造される。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記スルーホールに導電性樹脂を充填し、前記導電
性樹脂によって、前記固体電解コンデンサの前記陰極電
極と前記少なくとも1つの配線パターンを電気的に接続
することによって、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造
される。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板の一
方に形成された前記スルーホールを介して、前記固体電
解コンデンサの陽極電極に、前記第一の絶縁基板および
前記第二の絶縁基板の一方に搭載された前記電子部品を
接続して、固体電解コンデンサ内蔵基板が製造される。
【0092】本発明において、弁金属基体は、絶縁酸化
皮膜形成能を有する金属およびその合金よりなる群から
選ばれる金属または合金によって形成される。好ましい
弁金属としては、アルミニウム、タンタル、チタン、ニ
オブおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる1種の
金属または2種以上の金属の合金が挙げられ、これらの
中でも、アルミニウムおよびタンタルが、とくに好まし
い。陽極電極は、これらの金属あるいは合金を、箔状に
加工して、形成される。
【0093】本発明において、導電性金属の材料は、導
電性を有する金属または合金であればよく、とくに限定
されるものではないが、好ましくは、ハンダ接続が可能
であり、とくに、銅、真鍮、ニッケル、亜鉛およびクロ
ムよりなる群から選ばれる1種の金属または2種以上の
金属の合金から選択されることが好ましく、これらの中
では、電気的特性、後工程での加工性、コストなどの観
点から、銅が最も好ましく使用される。
【0094】本発明において、固体高分子電解質層は、
導電性高分子化合物を含有し、好ましくは、化学酸化重
合あるいは電解酸化重合によって、表面が粗面化され、
絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、形
成される。
【0095】化学酸化重合によって、固体高分子電解質
層を形成する場合、具体的には、固体高分子電解質層
は、たとえば、以下のようにして、表面が粗面化され、
絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、形
成される。
【0096】まず、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜
が形成された箔状の弁金属基体上のみに、0.001な
いし2.0モル/リットルの酸化剤を含む溶液、あるい
は、さらに、ドーパント種を与える化合物を添加した溶
液を、塗布、噴霧などの方法によって、均一に付着させ
る。
【0097】次いで、好ましくは、少なくとも0.01
モル/リットルの導電性高分子化合物の原料モノマーを
含む溶液あるいは導電性高分子化合物の原料モノマー自
体を、箔状の弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜に、直接接触させる。これによって、原料モノマー
が重合し、導電性高分子化合物が合成され、箔状の弁金
属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜上に、導電性
高分子化合物よりなる固体高分子電解質層が形成され
る。
【0098】本発明において、固体高分子電解質層に含
まれる導電性高分子化合物としては、置換または非置換
のπ共役系複素環式化合物、共役系芳香族化合物および
ヘテロ原子含有共役系芳香族化合物よりなる群から選ば
れる化合物を、原料モノマーとするものが好ましく、こ
れらのうちでは、置換または非置換のπ共役系複素環式
化合物を、原料モノマーとする導電性高分子化合物が好
ましく、さらに、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリフランおよびこれらの誘導体よりなる群
から選ばれる導電性高分子化合物、とくに、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンが
好ましく使用される。
【0099】本発明において、固体高分子電解質層に好
ましく使用される導電性高分子化合物の原料モノマーの
具体例としては、未置換アニリン、アルキルアニリン
類、アルコキシアニリン類、ハロアニリン類、o−フェ
ニレンジアミン類、2,6−ジアルキルアニリン類、
2,5−ジアルコキシアニリン類、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、ピロール、3−メチルピロール、
3−エチルピロール、3−プロピルピロール、チオフェ
ン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、
3,4−エチレンジオキシチオフェンなどを挙げること
ができる。
【0100】本発明において、化学酸化重合に使用され
る酸化剤は、とくに限定されるものではないが、たとえ
ば、ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素などのハロゲン化物、五
フッ化珪素、五フッ化アンチモン、四フッ化珪素、五塩
化リン、五フッ化リン、塩化アルミニウム、塩化モリブ
デンなどの金属ハロゲン化物、硫酸、硝酸、フルオロ硫
酸、トリフルオロメタン硫酸、クロロ硫酸などのプロト
ン酸、三酸化イオウ、二酸化窒素などの酸素化合物、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、
過酢酸、ジフルオロスルホニルパーオキサイドなどの過
酸化物が、酸化剤として使用される。
【0101】本発明において、必要に応じて、酸化剤に
添加されるドーパント種を与える化合物としては、たと
えば、LiPF、LiAsF、NaPF、KPF
、KAsFなどの陰イオンがヘキサフロロリンアニ
オン、ヘキサフロロ砒素アニオンであり、陽イオンがリ
チウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属カチ
オンである塩、LiBF、NaBF、NH
、(CHNBF 、(n−CNB
などの四フッ過ホウ素塩化合物、p−トルエンスル
ホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、P−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
メチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、βーナフタレンスルホン酸などのスルホン酸ま
たはその誘導体、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、2,6−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、トル
エンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸テトラ
ブチルアンモニウムなどのスルホン酸またはその誘導体
の塩、塩化第二鉄、臭化第二鉄、塩化第二銅、集荷第二
銅などの金属ハロゲン化物、塩酸、臭化水素、ヨウ化水
素、硫酸、リン酸、硝酸あるいはこれらのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩、過塩
素酸、過塩素酸ナトリウムなどの過ハロゲン酸もしくは
その塩などのハロゲン化水素酸、無機酸またはその塩、
酢酸、シュウ酸、蟻酸、酪酸、コハク酸、乳酸、クエン
酸、フタル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、ニ
コチン酸などのモノもしくはジカルボン酸、芳香族複素
環式カルボン酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン化さ
れたカルボン酸およびこれらの塩などのカルボン酸類を
挙げることができる。
【0102】本発明において、これらの酸化剤およびド
ーパント種を与えることのできる化合物は、水や有機溶
媒などに溶解させた適当な溶液の形で使用される。溶媒
は、単独で使用しても、2種以上を混合して、使用して
もよい。混合溶媒は、ドーパント種を与える化合物の溶
解度を高める上でも有効である。混合溶媒としては、溶
媒間に相溶性を有するものおよび酸化剤およびドーパン
ト種を与えることのできる化合物と相溶性を有するもの
が好ましい。溶媒の具体例としては、有機アミド類、含
硫化合物、エステル類、アルコール類が挙げられる。
【0103】一方、電解酸化重合によって、固体高分子
電解質層を、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成
された箔状の弁金属基体上に形成する場合には、公知の
ように、導電性下地層を作用極として、対向電極ととも
に、導電性高分子化合物の原料モノマーと支持電解質を
含んだ電解液中に浸漬し、電流を供給することによっ
て、固体高分子電解質層が形成される。
【0104】具体的には、表面が粗面化され、絶縁性酸
化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、好ましく
は、化学酸化重合によって、まず、薄層の導電性下地層
が形成される。導電性下地層の厚さは、一定の重合条件
のもとで、重合回数を制御することによって、制御され
る。重合回数は、原料モノマーの種類によって決定され
る。
【0105】導電性下地層は、金属、導電性を有する金
属酸化物、導電性高分子化合物のいずれから構成しても
よいが、導電性高分子化合物から構成することが好まし
い。導電性下地層を構成するための原料モノマーとして
は、化学酸化重合に用いられる原料モノマーを用いるこ
とができ、導電性下地層に含まれる導電性高分子化合物
は、化学酸化重合によって形成される固体高分子電解質
層に含まれる導電性高分子化合物と同様である。導電性
下地層を構成するための原料モノマーとして、エチレン
ジオキシチオフェン、ピロールを用いる場合は、化学酸
化重合のみで高分子固体電解質層を形成する場合に生成
される導電性高分子の全量の10%〜30%(重量比)
程度の導電性高分子が生成する条件になるように重合回
数を換算して、導電性下地層が形成すればよい。
【0106】その後、導電性下地層を作用極として、対
向電極とともに、導電性高分子化合物の原料モノマーと
支持電解質を含んだ電解液中に浸漬し、電流を供給する
ことによって、導電性下地層上に、固体高分子電解質層
が形成される。
【0107】電解液には、必要に応じて、導電性高分子
化合物の原料モノマーおよび支持電解質に加えて、種々
の添加剤を添加することができる。
【0108】固体高分子電解質層に使用することのでき
る導電性高分子化合物は、導電性下地層に使用される導
電性高分子化合物、したがって、化学酸化重合に用いら
れる導電性高分子化合物と同様であり、置換または非置
換のπ共役系複素環式化合物、共役系芳香族化合物およ
びヘテロ原子含有共役系芳香族化合物よりなる群から選
ばれる化合物を、原料モノマーとする導電性高分子化合
物が好ましく、これらのうちでは、置換または非置換の
π共役系複素環式化合物を、原料モノマーとする導電性
高分子化合物が好ましく、さらに、ポリアニリン、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリフランおよびこれらの
誘導体よりなる群から選ばれる導電性高分子化合物、と
くに、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオ
キシチオフェンが好ましく使用される。
【0109】支持電解質は、組み合わせるモノマーおよ
び溶媒に応じて、選択されるが、支持電解質の具体例と
しては、たとえば、塩基性の化合物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが、酸性の化合物
としては、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素、過塩素酸、ト
リフルオロ酢酸、スルホン酸などが、塩としては、塩化
ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カ
リウム、硝酸カリウム、過ヨウ酸ナトリウム、過塩素酸
ナトリウム、過塩素酸リチウム、ヨウ化アンモニウム、
塩化アンモニウム、四フッ化ホウ素塩化合物、テトラメ
チルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウ
ムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルア
ンモニウムパークロライド、テトラブチルアンモニウム
パークロライド、テトラメチルアンモニウム、D−トル
エンスルホン酸クロライド、ポリジサリチル酸トリエチ
ルアミン、10−カンファースルホン酸ナトリウムなど
が、それぞれ、挙げられる。
【0110】本発明において、支持電解質の溶解濃度
は、所望の電流密度が得られるように設定すればよく、
とくに限定されないが、一般的には、0.05ないし
1.0モル/リットルの範囲内に設定される。
【0111】本発明において、電解酸化重合で用いられ
る溶媒は、とくに限定されるものではなく、たとえば、
水、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒またはこれらの
溶媒を2種以上を混合した混合溶媒から、適宜選択する
ことができる。混合溶媒としては、溶媒間に相溶性を有
するものならびにモノマーおよび支持電解質と相溶性を
有するものが好ましく使用できる。
【0112】本発明において使用されるプロトン性溶媒
の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、tert−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、
ジエチルアミン、エチレンジアミンなどを挙げることが
できる。
【0113】また、非プロトン性溶媒の具体例として
は、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、二硫化炭
素、アセトニトリル、アセトン、プロピレンカーボネー
ト、ニトロメタン、ニトロベンゼン、酢酸エチル、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホ
キシドなどが挙げられる。
【0114】本発明において、電解酸化重合によって、
固体高分子電解質層を形成する場合には、定電圧法、定
電流法、電位掃引法のいずれを用いてもよい。また、電
解酸化重合の過程で、定電圧法と定電流法を組み合わせ
て、導電性高分子化合物を重合することもできる。電流
密度は、とくに限定されないが、最大で、500mA/
cm程度である。
【0115】本発明において、化学酸化重合時あるいは
電解酸化重合時に、特開2000−100665号公報
に開示されるように、超音波を照射しつつ、導電性高分
子化合物を重合することもできる。超音波を照射しつ
つ、導電性高分子化合物を重合する場合には、得られる
固体高分子電解質層の膜質を改善することが可能にな
る。
【0116】本発明において、固体高分子電解質層の最
大厚さは、エッチングなどによって形成された陽極電極
表面の凹凸を完全に埋めることができるような厚さであ
ればよく、とくに限定されないが、一般に、5ないし1
00μm程度である。
【0117】本発明において、固体電解コンデンサは、
さらに、固体高分子電解質層上に、陰極として機能する
導電体層を備えており、導電体層としては、グラファイ
トペースト層および銀ペースト層を設けることができ、
グラファイトペースト層および銀ペースト層は、スクリ
ーン印刷法、スプレー塗布法などによって形成すること
ができる。 銀ペースト層のみによって、固体電解コン
デンサの陰極を形成することもできるが、グラファイト
ペースト層を形成する場合には、銀ペースト層のみによ
って、固体電解コンデンサの陰極を形成する場合に比し
て、銀のマイグレーションを防止することができる。
【0118】陰極として、グラファイトペースト層およ
び銀ペースト層を形成するにあたっては、メタルマスク
などによって、粗面化処理が施され、絶縁酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体に対応する部分を除いた部分
がマスクされ、粗面化処理が施され、絶縁酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体に対応する部分にのみ、グラ
ファイトペースト層および銀ペースト層が形成される。
【0119】本発明において、固体電解コンデンサは、
一方の面に、少なくとも1つの配線パターンが形成され
た1つの絶縁基板の他方の面側に固定され、あるいは、
それぞれ、一方の面に、少なくとも1つの配線パターン
が形成された互いに対向する一対の絶縁基板の他方の面
の間に固定される。
【0120】本発明において、絶縁基板の材料は、とく
に限定されないが、樹脂として、接着性や耐溶剤性など
が良好なフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂などによって形成することがで
き、さらに、有機材料系に限らず、無機材料によって、
絶縁基板を形成してもよく、アルミナ基板などの金属酸
化物系の基板も、本発明の絶縁基板として、使用するこ
とができる。
【0121】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0122】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る固体電解コンデンサの陽極電極の略平面図であり、図
2は、A−A線に沿った略断面図である。
【0123】本実施態様においては、絶縁酸化皮膜形成
能を有する弁金属として、アルミニウムが用いられ、図
1および図2に示されるように、本実施態様にかかる固
体電解コンデンサの陽極電極1は、表面が粗面化(拡面
化)され、表面に、絶縁酸化皮膜である酸化アルミニウ
ム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体2と、表面
が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3と、リ
ード電極を構成する金属導体として、箔状の銅基体4を
備えている。
【0124】図1および図2に示されるように、本実施
態様にかかる陽極電極は、表面が粗面化され、表面に、
酸化アルミニウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム
基体2の一端部領域には、表面が粗面化されていない箔
状のアルミニウム基体3の一端部領域が、超音波溶接に
よって、弁金属間が電気的に接続されるように、接合さ
れ、さらに、表面が粗面化されていない箔状のアルミニ
ウム基体3の他端部領域には、箔状の銅基体4の一端部
領域が、超音波溶接によって、金属間が電気的に接続さ
れるように、接合されて、形成されている。
【0125】陽極電極の形成にあたっては、まず、所定
寸法に切断されたリード電極を構成すべき箔状の銅基体
4と、アルミニウム箔シートから、所定寸法に切り出さ
れ、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
3が、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに重なり合
うように、重ね合わされる。
【0126】次いで、互いに重ね合わされている箔状の
銅基体4の端部領域と、箔状のアルミニウム基体3の端
部領域とが、超音波溶接によって、接合されて、溶接接
合部5が形成される。箔状のアルミニウム基体3の表面
に、酸化アルミニウム皮膜が形成されている場合でも、
超音波溶接によって、接合することによって、酸化アル
ミニウム皮膜が除去され、金属間が電気的に接続される
ように、箔状の銅基体4の端部領域と、箔状のアルミニ
ウム基体3の端部領域とが接合される。ここに、互いに
重なり合う箔状の銅基体4の端部領域および箔状のアル
ミニウム基体3の端部領域の面積は、接合部が、所定の
強度を有するように決定される。
【0127】その後、表面が粗面化され、表面に酸化ア
ルミニウム皮膜が形成されている所定寸法の箔状のアル
ミニウム基体2が、アルミニウム箔シートから切り出さ
れ、箔状の銅基体4と箔状のアルミニウム基体3の接合
体の表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
3と、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに重なり合
うように、重ね合わされる。
【0128】次いで、互いに重ね合わされている表面が
粗面化され、表面に酸化アルミニウム皮膜が形成された
箔状のアルミニウム基体2の端部領域と、表面が粗面化
されていない箔状のアルミニウム基体3の端部領域と
が、超音波溶接によって、接合されて、溶接接合部6が
生成される。ここに、超音波溶接によって、接合するこ
とによって、箔状のアルミニウム基体2の表面に形成さ
れている酸化アルミニウム皮膜が除去され、アルミニウ
ム純金属間が電気的に接続されるように、表面が粗面化
されていない箔状のアルミニウム基体3の端部領域と、
表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2の端
部領域とが接合される。ここに、互いに重なり合う箔状
のアルミニウム基体3の端部領域および箔状のアルミニ
ウム基体2の端部領域の面積は、接合部が、所定の強度
を有するように決定される。
【0129】こうして、形成された陽極電極1は、誘電
体を構成する表面が粗面化され、表面に酸化アルミニウ
ム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体2が、アル
ミニウム箔シートから切り出されたものであるため、そ
のエッジ部には、酸化アルミニウム皮膜が形成されては
おらず、固体電解コンデンサの陽極電極として用いるた
めには、表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基
体2のエッジ部に、陽極酸化によって、酸化アルミニウ
ム皮膜を形成することが必要である。
【0130】図3は、表面が粗面化されている箔状のア
ルミニウム基体2のエッジ部に、酸化アルミニウム皮膜
を形成する陽極酸化方法を示す略断面図である。
【0131】図3に示されるように、ステンレスビーカ
ー7中に収容されたアジピン酸アンモニウム水溶液より
なる化成溶液8中に、表面が粗面化された箔状のアルミ
ニウム基体2の全体と、表面が粗面化されていない箔状
のアルミニウム基体3の一部が浸漬されるように、陽極
電極1がセットされ、箔状の銅基体4がプラスに、ステ
ンレスビーカー7がマイナスになるように、電圧が印加
される。
【0132】使用電圧は、形成すべき酸化アルミニウム
皮膜の膜厚に応じて、適宜決定することができ、10n
mないし1μmの膜厚を有する酸化アルミニウム皮膜を
形成するときは、通常、数ボルトないし20ボルト程度
に設定される。
【0133】その結果、陽極酸化が開始され、化成溶液
8は、箔状のアルミニウム基体2の表面が粗面化されて
いるため、毛細管現象によって、上昇するが、箔状のア
ルミニウム基体3の表面は粗面化されていないため、表
面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2と、表
面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3の接
合部を越えて、上昇することはなく、したがって、リー
ド電極を構成する箔状の銅基体4に化成溶液8が接触す
ることが確実に防止され、エッジ部を含む表面が粗面化
されている箔状のアルミニウム基体2の全表面および表
面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2に接合
された表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基
体3の領域のみに、酸化アルミニウム皮膜が形成され
る。
【0134】こうして、生成された陽極電極1の表面が
粗面化され、酸化アルミニウム皮膜が形成されている箔
状のアルミニウム基体2の全表面上に、公知の方法で、
陰極電極が形成され、固体電解コンデンサが生成され
る。
【0135】図4は、固体電解コンデンサの略断面図で
ある。
【0136】図4に示されるように、固体電解コンデン
サ10は、陽極電極1の表面が粗面化され、酸化アルミ
ニウム皮膜9が形成されている箔状のアルミニウム基体
2の全表面上に、固体高分子電解質層11、グラファイ
トペースト層12および銀ペースト層13からなる陰極
電極14を備えている。
【0137】導電性高分子化合物を含む固体高分子電解
質層11は、陽極電極1の表面が粗面化され、酸化アル
ミニウム皮膜が形成されている箔状のアルミニウム基体
2の全表面上に、化学酸化重合あるいは電解酸化重合に
よって形成され、グラファイトペースト層12および銀
ペースト層13は、固体高分子電解質層11上に、スク
リーン印刷法あるいはスプレー塗布法によって形成され
る。
【0138】こうして生成された固体電解コンデンサ1
0は、一対の絶縁基板の間に、固定されて、基板に内蔵
され、固体電解コンデンサ内蔵基板とされる。
【0139】図5は、固体電解コンデンサ内蔵基板の略
断面図である。
【0140】図5に示されるように、固体電解コンデン
サ内蔵基板20は、互いに対向する第一の絶縁基板21
と第二の絶縁基板22を備え、第一の絶縁基板21と第
二の絶縁基板22との間に、固体電解コンデンサ10を
備えている。
【0141】第一の絶縁基板21には、互いに対向する
2つの側部に沿って、その高さが、固体電解コンデンサ
10の厚さよりも大きいバンク23が形成されており、
固体電解コンデンサ10は、バンク23の間の第一の絶
縁基板21の一面上の所定の位置に位置決めされ、接着
剤29によって固定される。
【0142】本実施態様においては、バンク23は、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質
の基板を、その周縁部に、所定面積の部分が残されるよ
うに打ち抜き加工して、枠状の基板を形成し、第一の絶
縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質の接着
剤を用いて、枠状の基板を第一の絶縁基板に固定するこ
とによって、形成されている。
【0143】第一の絶縁基板21の他面には、配線パタ
ーン24が形成されており、第一の絶縁基板21には、
複数のスルーホール25が形成されている。
【0144】固体電解コンデンサ10が、第一の絶縁基
板21上の所定の位置に位置決めされて、接着剤29に
よって、第一の絶縁基板21上に固定されると、樹脂2
6が流し込まれ、第一の絶縁基板21に形成されたバン
ク23に当接するように、平板状の第二の絶縁基板22
が被せられる。
【0145】第二の絶縁基板22の上面には、配線パタ
ーン27が形成され、第二の絶縁基板22にも、複数の
スルーホール28が形成されている。
【0146】樹脂26は、第一の絶縁基板21に形成さ
れた複数のスルーホール25および第二の絶縁基板22
に形成された複数のスルーホール28を塞ぐことがない
ように、流し込まれ、その結果、固体電解コンデンサ1
0が、第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と
一体化されて、固定され、第一の絶縁基板21および第
二の絶縁基板22と同じ材質の接着剤を用いて、第一の
絶縁基板21と第二の絶縁基板22とが接着されて、固
体電解コンデンサ内蔵基板20が生成される。
【0147】さらに、第一の絶縁基板21の下面および
第二の絶縁基板22の上面には、電子部品30が搭載さ
れ、そのコンタクトが、配線パターン24、27に電気
的に接続される。
【0148】第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板
22は、それぞれ、固体電解コンデンサ10の陽極電極
1の箔状の銅基体4に対応する位置および陰極電極14
に対応する位置に、スルーホール25、28を備えてお
り、スルーホール25、28を介して、固体電解コンデ
ンサ10の陽極電極1および陰極電極14を目視によっ
て、確認することができるように構成されている。
【0149】スルーホール25、28を介して、固体電
解コンデンサ10の陽極電極1が、第一の絶縁基板21
に形成された配線パターン24あるいは第二の絶縁基板
22に形成された配線パターン27と、電気的に接続さ
れ、固体電解コンデンサ10の陰極電極14が、第一の
絶縁基板21に形成された配線パターン24あるいは第
二の絶縁基板22に形成された配線パターン27と、電
気的に接続される。
【0150】図5においては、第一の絶縁基板21に形
成された配線パターン24と、固体電解コンデンサ10
の陽極電極1を構成する箔状の銅基体4とが、スルーホ
ール25を介して、ハンダ31によって、電気的に接続
され、その一方で、第一の絶縁基板21に形成された配
線パターン24と、固体電解コンデンサ10の陰極電極
14が、スルーホール28に充填された導電性樹脂32
によって、電気的に接続された例が示されている。
【0151】本実施態様においては、固体電解コンデン
サの陽極電極1は、表面が粗面化され、表面に、絶縁酸
化皮膜である酸化アルミニウム皮膜が形成された箔状の
アルミニウム基体2と、表面が粗面化されていない箔状
のアルミニウム基体3と、金属導体として、箔状の銅基
体4を備え、表面が粗面化され、表面に、酸化アルミニ
ウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体2の一端
部領域と、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウ
ム基体3の一端部領域が、超音波溶接によって、弁金属
間が電気的に接続されるように、接合され、さらに、表
面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3の他
端部領域と、箔状の銅基体4の一端部領域が、超音波溶
接によって、金属間が電気的に接続されるように、接合
されており、表面が粗面化されている箔状のアルミニウ
ム基体2のエッジ部に、陽極酸化によって、酸化アルミ
ニウム皮膜を形成するときは、化成溶液8内に、表面が
粗面化された箔状のアルミニウム基体2の全体と、表面
が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3の一部
が浸漬されるように、陽極電極1がセットされて、箔状
の銅基体4がプラスに、ステンレスビーカー7がマイナ
スになるように、電圧が印加される。
【0152】その結果、化成溶液8は、箔状のアルミニ
ウム基体2の表面が粗面化されているため、毛細管現象
によって、上昇するが、箔状のアルミニウム基体3の表
面は粗面化されていないため、表面が粗面化されている
箔状のアルミニウム基体2と、表面が粗面化されていな
い箔状のアルミニウム基体3の接合部を越えて、上昇す
ることはなく、したがって、リード電極を構成する箔状
の銅基体4に化成溶液8が接触することが確実に防止さ
れ、エッジ部を含む表面が粗面化されている箔状のアル
ミニウム基体2の全表面および表面が粗面化されている
箔状のアルミニウム基体2に接合された表面が粗面化さ
れていない箔状のアルミニウム基体3の領域のみに、酸
化アルミニウム皮膜が形成される。
【0153】したがって、本実施態様によれば、箔状の
銅基体4よりなるリード電極を備え、表面が粗面化され
た箔状のアルミニウム基体2の表面が酸化アルミニウム
皮膜で覆われた陽極電極1を有する電気的特性に優れた
固体電解コンデンサ10を得ることができ、こうして得
られた固体電解コンデンサ10は、その厚さを十分に薄
くすることができるから、回路基板に内蔵するのに適
し、所望のように、固体電解コンデンサが内蔵された基
板20を作製することが可能になる。
【0154】また、本実施態様によれば、第一の絶縁基
板22には、バンク23が設けられ、固体電解コンデン
サ内蔵基板20の作製にあたり、固体電解コンデンサ1
0は、第一の絶縁基板21、バンク23および第二の絶
縁基板22によって形成される実質的に閉じた空間内に
収容されているから、第二の絶縁基板22を、固体電解
コンデンサ10および第一の絶縁基板21と一体化させ
る際に、固体電解コンデンサに過度な圧力が加わること
がなく、したがって、箔状のアルミニウム基体2の表面
に形成された酸化アルミニウム皮膜が破壊されて、陽極
として作用するアルミニウムと固体高分子電解質層11
とが接触し、通電時に、ショートが発生することを確実
に防止することが可能になる。
【0155】図6は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる固体電解コンデンサの陽極電極の略平面図であ
り、図7は、B−B線に沿った略断面図である。
【0156】本実施態様においては、絶縁酸化皮膜形成
能を有する弁金属として、アルミニウムが用いられ、図
6および図7に示されるように、本実施態様にかかる固
体電解コンデンサの陽極電極41は、表面が粗面化(拡
面化)され、表面に、絶縁酸化皮膜である酸化アルミニ
ウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体42と、
表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体43
と、リード電極を構成する金属導体として、箔状の銅基
体44を備えている。
【0157】図6および図7に示されるように、本実施
態様においては、表面が粗面化され、表面に、酸化アル
ミニウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体42
の一端部領域には、表面が粗面化されていない箔状のア
ルミニウム基体43の一端部領域が、超音波溶接によっ
て、弁金属間が電気的に接続されるように、接合され、
さらに、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム
基体43の他端部領域には、箔状の銅基体44の一端部
領域が、超音波溶接によって、金属間が電気的に接続さ
れるように、接合されて、2つの溶接接合部45、46
が形成されている。
【0158】図6および図7に示されるように、表面が
粗面化されていない箔状のアルミニウム基体43の溶接
接合部46の近傍には、全周にわたって、絶縁性を有
し、疎水性を有する領域47が形成されている。
【0159】本実施態様においては、絶縁性を有し、疎
水性を有する領域47は、表面が粗面化されていない箔
状のアルミニウム基体43に、アモルファス系フッ素樹
脂を塗布して、形成されている。
【0160】絶縁性を有し、疎水性を有する領域47
は、陽極酸化前に、形成されれば、何時、形成されても
よい。
【0161】陽極電極41の形成にあたっては、まず、
所定寸法に切断されたリード電極を構成すべき箔状の銅
基体44と、アルミニウム箔シートから、所定寸法に切
り出され、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウ
ム基体43が、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに
重なり合うように、重ね合わされる。
【0162】次いで、互いに重ね合わされている箔状の
銅基体44の端部領域と、箔状のアルミニウム基体43
の端部領域とが、超音波溶接によって、接合されて、溶
接接合部45が形成される。箔状のアルミニウム基体4
3の表面に、酸化アルミニウム皮膜が形成されている場
合でも、超音波溶接により、接合することによって、酸
化アルミニウム皮膜が除去され、金属間が電気的に接続
されるように、箔状の銅基体44の端部領域と、箔状の
アルミニウム基体43の端部領域とが接合される。ここ
に、互いに重なり合う箔状の銅基体44の端部領域およ
び箔状のアルミニウム基体43の端部領域の面積は、接
合部が、所定の強度を有するように決定される。
【0163】その後、表面が粗面化され、表面に酸化ア
ルミニウム皮膜が形成されている所定寸法の箔状のアル
ミニウム基体42が、アルミニウム箔シートから切り出
され、箔状の銅基体44と箔状のアルミニウム基体43
の接合体の表面が粗面化されていない箔状のアルミニウ
ム基体43と、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに
重なり合うように、重ね合わされる。
【0164】次いで、互いに重ね合わされている表面が
粗面化され、表面に酸化アルミニウム皮膜が形成された
箔状のアルミニウム基体42の端部領域と、表面が粗面
化されていない箔状のアルミニウム基体43の端部領域
とが、超音波溶接によって、接合されて、溶接接合部4
6が生成される。ここに、超音波溶接により、接合する
ことによって、箔状のアルミニウム基体42の表面に形
成されている酸化アルミニウム皮膜が除去され、アルミ
ニウム純金属間が電気的に接続されるように、表面が粗
面化されていない箔状のアルミニウム基体43の端部領
域と、表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体
42の端部領域とが接合される。ここに、互いに重なり
合う箔状のアルミニウム基体43の端部領域および箔状
のアルミニウム基体42の端部領域の面積は、接合部
が、所定の強度を有するように決定される。
【0165】こうして形成された陽極電極41は、誘電
体を構成する表面が粗面化され、表面に酸化アルミニウ
ム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体42が、ア
ルミニウム箔シートから切り出されたものであるため、
そのエッジ部には、酸化アルミニウム皮膜が形成されて
はおらず、固体電解コンデンサの陽極電極として用いる
ためには、表面が粗面化されている箔状のアルミニウム
基体42のエッジ部に、陽極酸化によって、酸化アルミ
ニウム皮膜を形成することが必要である。
【0166】図8は、表面が粗面化されている箔状のア
ルミニウム基体42のエッジ部に、酸化アルミニウム皮
膜を形成する陽極酸化方法を示す略断面図である。
【0167】図8に示されるように、ステンレスビーカ
ー48中に収容されたアジピン酸アンモニウム水溶液よ
りなる化成溶液49中に、絶縁性を有し、疎水性を有す
る領域47の下方の箔状のアルミニウム基体42、43
のみが浸漬されるように、陽極電極41がセットされ、
箔状の銅基体44を陽極とし、ステンレスビーカー48
を陰極として、電圧が印加される。
【0168】使用電圧は、形成すべき酸化アルミニウム
皮膜の膜厚に応じて、適宜決定することができ、10n
mないし1μmの膜厚を有する酸化アルミニウム皮膜を
形成するときは、通常、数ボルトないし20ボルト程度
に設定される。
【0169】その結果、陽極酸化が開始され、化成溶液
49は、箔状のアルミニウム基体42の表面が粗面化さ
れているため、毛細管現象によって、上昇するが、溶接
接合部46の近傍の粗面化されていない箔状のアルミニ
ウム基体42の全周にわたって、絶縁性を有し、疎水性
を有する領域47が形成され、さらに、箔状の銅基体4
4との間に介在する箔状のアルミニウム基体43の表面
は粗面化されていないため、絶縁性を有し、疎水性を有
する領域47を越えて、化成溶液49が上昇することは
なく、したがって、リード電極を構成する箔状の銅基体
44に化成溶液49が接触することが確実に防止され
て、エッジ部を含む表面が粗面化されている箔状のアル
ミニウム基体42の全表面のみに、酸化アルミニウム皮
膜が形成される。
【0170】こうして生成された陽極電極41の表面が
粗面化され、酸化アルミニウム皮膜が形成されている箔
状のアルミニウム基体42の全表面上に、図1ないし図
5に示された実施態様と同様にして、導電性高分子化合
物を含む固体高分子電解質層が、化学酸化重合によって
形成される。
【0171】この際、原料モノマー溶液や酸化剤溶液
が、粗面化された酸化アルミニウム皮膜に沿い、表面が
粗面化されていない箔状のアルミニウム基体43に向け
て、進行するが、溶接接合部46近傍の箔状のアルミニ
ウム基体43には、全周にわたって、絶縁性を有し、疎
水性を有する領域47が形成されているため、原料モノ
マー溶液や酸化剤溶液が、絶縁性を有し、疎水性を有す
る領域47を越えて、進み、箔状の銅箔44に達するこ
とを確実に防止することが可能になる。
【0172】図1ないし図5に示された実施態様と同様
にして、固体高分子電解質層上に、グラファイトペース
ト層および銀ペースト層が、形成されて、固体高分子電
解質層、グラファイトペースト層および銀ペースト層か
らなる陰極電極が形成され、固体電解コンデンサが作製
される。
【0173】得られた固体電解コンデンサは、図1ない
し図5に示された実施態様と同様にして、絶縁基板に固
定され、所定の配線が施されて、固体電解コンデンサ内
蔵基板が作製される。
【0174】本実施態様においては、固体電解コンデン
サの陽極電極41は、表面が粗面化され、表面に、酸化
アルミニウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体
42の一端部領域と、表面が粗面化されていない箔状の
アルミニウム基体43の一端部領域が、超音波溶接によ
って、弁金属間が電気的に接続されるように、接合さ
れ、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
43の他端部領域と、箔状の銅基体44の一端部領域
が、超音波溶接によって、金属間が電気的に接続される
ように、接合されて、形成されるとともに、アルミニウ
ム基体42とアルミニウム基体43との溶接接合部46
の近傍の箔状のアルミニウム基体43には、全周にわた
って、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47が形成さ
れている。
【0175】したがって、箔状のアルミニウム基体42
を、陽極酸化処理する際、箔状のアルミニウム基体42
の表面が粗面化されているため、毛細管現象によって、
化成溶液49は上昇するが、溶接接合部46近傍の箔状
のアルミニウム基体43には、全周にわたって、絶縁性
を有し、疎水性を有する領域47が形成されており、さ
らに、箔状の銅基体44との間に介在する箔状のアルミ
ニウム基体43の表面が粗面化されていないため、化成
溶液49が、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47を
越えて、上昇することはなく、したがって、リード電極
を構成する箔状の銅基体43に化成溶液49が接触する
ことをより一層確実に防止することができ、エッジ部を
含む表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体4
2の全表面のみに、酸化アルミニウム皮膜を形成するこ
とができるから、リード電極を構成する箔状の銅基体4
3に、回路基板に搭載される他の電子部品とのコンタク
トを設けることによって、所望の電気的特性を有する固
体電解コンデンサを、回路基板に内蔵させることが可能
になる。
【0176】加えて、本実施態様によれば、固体高分子
電解質層を、化学酸化結合によって形成する際に、毛細
管現象によって、粗面化された酸化アルミニウム皮膜に
沿って、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム
基体43に向けて、進行する原料モノマー溶液や酸化剤
溶液は、溶接接合部46近傍の箔状のアルミニウム基体
43の全周にわたって形成された絶縁性を有し、疎水性
を有する領域47によって、その進行が妨げられるか
ら、原料モノマー溶液や酸化剤溶液が、絶縁性を有し、
疎水性を有する領域47を越えて、進み、箔状の銅箔4
4に達することを確実に防止することが可能になる。
【0177】
【実施例】以下、本発明の効果をより一層明らかなもの
とするため、実施例および比較例を掲げる。
【0178】実施例1 固体高分子電解質層を有する固体電解コンデンサを、以
下のようにして、作製した。
【0179】銅箔シートから、0.5cm×1cmの寸
法で切り出された厚さ60μmの銅箔と、アルミニウム
箔シートから、1cm×1cmの寸法で切り出された粗
面化処理が施されていない厚さ60μmのアルミニウム
箔を、それぞれの一端部領域が3mmだけ重なり合うよ
うに、重ね合わせ、それぞれの一端部領域が重なり合っ
た部分を、日本エマソン株式会社ブランソン事業本部製
の40kHz−超音波溶接機によって、接合するととも
に、電気的に接続して、銅箔と粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔の接合体を形成した。
【0180】次いで、酸化アルミニウム皮膜が形成さ
れ、粗面化処理が施されている厚さ100μmのアルミ
ニウム箔シートから、1cm×1.5cmの寸法で、ア
ルミニウム箔を切り出し、その端部領域が、粗面化処理
が施されていないアルミニウム箔の他端部領域と3mm
だけ重なり合うように、銅箔と粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔の接合体に重ね合わせ、それぞれの
端部領域が重なり合った部分を、日本エマソン株式会社
ブランソン事業本部製の40kHz−超音波溶接機によ
って、接合するとともに、電気的に接続して、銅箔、粗
面化処理が施されていないアルミニウム箔および粗面化
処理が施されているアルミニウム箔の接合体を形成し
た。
【0181】さらに、7重量%の濃度で、6.0のpH
に調整されたアジピン酸アンモニウム水溶液中に、酸化
アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施されてい
るアルミニウム箔が完全に浸漬されるように、こうして
得られた接合体を、アジピン酸アンモニウム水溶液中に
セットした。この際、粗面化処理が施されていないアル
ミニウム箔の一部も、アジピン酸アンモニウム水溶液中
に浸されたが、銅箔は、アジピン酸アンモニウム水溶液
と接触させなかった。
【0182】接合体側を陽極とし、化成電流密度が50
ないし100mA/cm、化成電圧が35ボルトの条
件下で、アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬されて
いるアルミニウム箔の表面を酸化させ、酸化アルミニウ
ム皮膜を形成して、陽極電極を作製した。
【0183】次いで、作製された陽極電極をアジピン酸
アンモニウム水溶液から引き上げ、陽極電極の粗面化処
理が施されているアルミニウム箔の表面上に、化学酸化
重合によって、ポリピロールからなる固体高分子電解質
層を形成した。
【0184】ここに、ポリピロールからなる固体高分子
電解質層は、蒸留精製した0.1モル/リットルのピロ
ールモノマー、0.1モル/リットルのアルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムおよび0.05モル/リット
ルの硫酸鉄(III)を含むエタノール水混合溶液セル中
に、粗面化処理が施され、酸化アルミニウム皮膜が形成
されたアルミニウム箔のみが浸漬されるように、陽極電
極をセットし、30分間にわたって、攪拌し、化学酸化
重合を進行させ、同じ操作を3回にわたって、繰り返し
て、生成した。その結果、最大厚さが、約50μmの固
体高分子電解質層が形成された。
【0185】さらに、こうして得られた固体高分子電解
質層の表面に、カーボンペーストを塗布し、さらに、カ
ーボンペーストの表面に、銀ペーストを塗布して、陰極
電極を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
【0186】一方、厚さ18μmの銅箔が、両面に貼り
合わされた厚さ1mmで、2cm×4.5cmのサイズ
を有する2枚のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基
板を、以下のようにして、準備した。
【0187】銅箔面には、電気回路を形成するために、
銅箔の不要部分を化学的にエッチングし、所定の配線パ
ターンを形成した。ただし、固体電解コンデンサが固定
されるべき側の基板面の銅箔はすべて、化学的にエッチ
ングして、除去した。
【0188】さらに、内蔵されるべき固体電解コンデン
サの陽極電極および陰極電極に対応するガラスクロス含
有エポキシ樹脂絶縁性基板の位置に、それぞれ、スルー
ホールを形成し、スルーホールと、エッチングされた銅
箔パターン上に、無電解メッキによって、3μmのニッ
ケルメッキを施し、さらに、その上に、0.08μmの
金メッキを施した。
【0189】搭載される各種電子部品のためのスルーホ
ールを、さらに、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性
基板に形成した。
【0190】一方、2枚の基板と同じガラスクロス含有
エポキシ樹脂よりなる厚さ100μmの基板を、2cm
×4.5cmの寸法に加工し、加工した基板の周囲に幅
3mmの領域を残して、内側部分を、打ち抜き加工によ
り、除去して、バンク形成用基板を作製した。
【0191】さらに、2枚の基板と同じガラスクロス含
有エポキシ樹脂よりなる厚み50μmの2枚のエポキシ
プリプレグを、2cm×4.5cmの寸法に加工し、加
工した基板の周囲に幅3mmの領域を残して、内側部分
を、打ち抜き加工によって、除去した。
【0192】打ち抜き加工され、内側部分が除去された
バンク形成用基板と、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶
縁性基板の一方の銅箔が除去された表面とを、上述のよ
うに加工された厚さ50μmのエポキシプリプレグの一
方を介して、密着させ、真空ホットプレス装置を用い
て、加圧および減圧下において、40分間にわたって、
175℃に保持し、エポキシプリプレグを硬化させて、
ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板と、内側部分
が除去された基板とを固定し、凹部空間を備えた絶縁性
基板を得た。
【0193】2枚のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁
性基板の他方の銅箔が除去された表面に、固体電解コン
デンサの陽極電極および陰極電極が、絶縁性基板に形成
されたスルーホールに対応する位置に位置するように、
シリコーン系接着剤を用いて、固体電解コンデンサを固
定した。
【0194】次いで、固体電解コンデンサが固定された
ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板上に、一方の
面に、凹部空間が形成されたガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板を、上述のように加工された厚さ50μ
mの他方のエポキシプリプレグを介して、固体電解コン
デンサが、凹部空間内に収容されるように、重ね合わ
せ、密着させた。
【0195】こうして、密着された2枚の絶縁性基板
を、真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下
で、40分間にわたり、175℃に保持し、エポキシプ
リプレグを硬化させて、2枚のガラスクロス含有エポキ
シ樹脂絶縁性基板の間を固定した。
【0196】ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
の冷却後、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、ガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の表面に形成されてい
る配線パターンと、内蔵化された固体電解コンデンサの
陽極電極の銅箔よりなるリード電極および陰極電極と
を、ハンダによって、電気的に接続して、固体電解コン
デンサ内蔵プリント基板#1を得た。
【0197】こうして作製された固体電解コンデンサ内
蔵プリント基板#1の電気的特性を、アジレントテクノ
ロジー社製インピーダンスアナライザー4294Aを用
いて、評価した。
【0198】その結果、120Hzでの静電容量は8
0.0μFであり、100kHzでのESRは35mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.09μAであった。
【0199】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#1を、125℃の恒温条件下で、100
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は79.
5μFであり、100kHzでのESRは34.5mΩ
であった。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0200】実施例2 銅箔シートから、0.5cm×1cmの寸法で切り出さ
れた厚さ60μmの銅箔と、アルミニウム箔シートか
ら、1cm×1cmの寸法で切り出された粗面化処理が
施されていないアルミニウム箔を、それぞれの一端部領
域が3mmだけ重なり合うように、重ね合わせ、それぞ
れの一端部領域が重なり合った部分を、冷間圧接装置に
よって、接合するとともに、電気的に接続して、銅箔と
粗面化処理が施されていないアルミニウム箔の接合体を
形成した。
【0201】次いで、酸化アルミニウム皮膜が形成さ
れ、粗面化処理が施されている厚さ100μMのアルミ
ニウム箔シートから、1cm×1.5cmの寸法で、ア
ルミニウム箔を切り出し、その端部領域が、粗面化処理
が施されていないアルミニウム箔の他端部領域と3mm
だけ重なり合うように、銅箔と粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔の接合体に重ね合わせ、それぞれの
端部領域が重なり合った部分を、冷間圧接装置によっ
て、接合するとともに、電気的に接続して、銅箔、粗面
化処理が施されていないアルミニウム箔および粗面化処
理が施されているアルミニウム箔の接合体を形成した。
【0202】こうして得られた銅箔、粗面化処理が施さ
れていないアルミニウム箔および粗面化処理が施されて
いるアルミニウム箔の接合体を用いて、実施例1と全く
同様にして、固体電解コンデンサを作製した。
【0203】さらに、実施例1と全く同様にして、2枚
のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を作製し
た。
【0204】一方、基板と同じガラスクロス含有エポキ
シ樹脂よりなる100μmの厚さの2枚の基板を、それ
ぞれ、2cm×4.5cmの寸法に加工し、加工した基
板の周囲に幅3mmの領域を残して、内側部分を、打ち
抜き加工により、除去して、2枚のバンク形成用基板を
作製した。
【0205】次いで、基板と同じガラスクロス含有エポ
キシ樹脂よりなる厚み50μmの3枚のエポキシプリプ
レグを、それぞれ、2cm×4.5cmの寸法に加工
し、加工した基板の周囲に幅3mmの領域を残して、内
側部分を、打ち抜き加工によって、除去して、第一のエ
ポキシプリプレグ、第二のエポキシプリプレグおよび第
三ののエポキシプリプレグを作製した。
【0206】打ち抜き加工され、内側部分が除去された
バンク形成用基板の一方と、ガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の一方の銅箔が除去された表面とを、上
述のように加工された厚さ50μmの第一のエポキシプ
リプレグの一方を介して、密着させ、真空ホットプレス
装置を用いて、加圧および減圧下において、40分間に
わたり、175℃に保持し、エポキシプリプレグを硬化
させて、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板と、
バンク形成用基板の一方とを固定し、凹部空間を備えた
第一の絶縁性基板を得た。
【0207】同様にして、打ち抜き加工され、内側部分
が除去されたバンク形成用基板の他方と、ガラスクロス
含有エポキシ樹脂絶縁性基板の他方の銅箔が除去された
表面とを、上述のように加工された厚さ50μmの第二
のエポキシプリプレグの他方を介して、密着させ、真空
ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下におい
て、40分間にわたり、175℃に保持し、エポキシプ
リプレグを硬化させて、ガラスクロス含有エポキシ樹脂
絶縁性基板と、他方のバンク形成用基板とを固定し、凹
部空間を備えた第二の絶縁性基板を得た。
【0208】こうして得られた第一の絶縁性基板の凹部
空間内に、固体電解コンデンサの陽極電極および陰極電
極が、絶縁性基板に形成されたスルーホールに対応する
位置に位置するように、シリコーン系接着剤を用いて、
固体電解コンデンサを固定した。
【0209】次いで、固体電解コンデンサが固定された
第一の絶縁性基板上に、第二の絶縁性基板を、上述のよ
うに加工された厚さ50μmの第三のエポキシプリプレ
グを介在させ、凹部空間が互いに対向し、固体電解コン
デンサが凹部空間内に収容されるように重ね合わせて、
密着させた。
【0210】こうして、密着された第一の絶縁性基板お
よび第二の絶縁性基板を、真空ホットプレス装置を用い
て、加圧および減圧下で、40分間にわたり、175℃
に保持し、エポキシプリプレグを硬化させて、第一の絶
縁性基板および第二の絶縁性基板の間を固定した。
【0211】第一の絶縁性基板および第二の絶縁性基板
の冷却後、第一の絶縁性基板および第二の絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、基板の表
面に形成されている配線パターンと、内蔵化された固体
電解コンデンサの陽極電極の銅箔よりなるリード電極お
よび陰極電極とを、ハンダによって、電気的に接続し
て、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板#2を得た。
【0212】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#2の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0213】その結果、120Hzでの静電容量は8
2.0μFであり、100kHzでのESRは40mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0214】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#2を、信頼性を評価するため、125℃
の恒温条件下で、1000時間にわたって、放置し、全
く同様にして、電気的特性を評価したところ、120H
zでの静電容量は80.5μFで、100kHzでのE
SRは41mΩであり、また、常温で、10ボルトの電
圧を印加した際の漏れ電流(5分値)は、0.07μA
であった。
【0215】実施例3 実施例1と全く同様にして、陽極電極を作製し、陽極電
極の粗面化処理が施されているアルミニウム箔の表面上
に、化学酸化重合によって、ポリ(3,4−エチレンジ
オキシチオフェン)からなる固体高分子電解質層を形成
した。
【0216】ここに、ポリ(3,4−エチレンジオキシ
チオフェン)からなる固体高分子電解質層は、0.5モ
ル/リットルの3,4−エチレンジオキシチオフェンモ
ノマー、0.1モル/リットルのアルキルナフタレンス
ルホン酸ナトリウムおよび0.05モル/リットルの硫
酸鉄(III)を含むエタノール水混合溶液セル中に、粗
面化処理が施され、酸化アルミニウム皮膜が形成された
アルミニウム箔のみが浸漬されるように、陽極電極をセ
ットし、60分間にわたって、攪拌し、化学酸化重合を
進行させ、同じ操作を10回にわたって、繰り返して、
生成した。その結果、最大厚さが、約50μmの固体高
分子電解質層が形成された。
【0217】さらに、実施例1と全く同様にして、こう
して得られた固体高分子電解質層の表面に、カーボンペ
ーストを塗布し、さらに、カーボンペーストの表面に、
銀ペーストを塗布して、陰極電極を形成し、固体電解コ
ンデンサを作製した。
【0218】さらに、実施例2と全く同様にして、固体
電解コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#3を作製し
た。
【0219】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#3の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0220】その結果、120Hzでの静電容量は8
5.0μFであり、100kHzでのESRは35mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.15μAであった。
【0221】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#3を、信頼性を評価するため、125℃
の恒温条件下で、1000時間にわたって、放置し、全
く同様にして、電気的特性を評価したところ、120H
zでの静電容量は84.5μFで、100kHzでのE
SRは35mΩであり、また、常温で、10ボルトの電
圧を印加した際の漏れ電流(5分値)は、0.09μA
であった。
【0222】実施例4 銅箔に代えて、真鍮箔シートから、0.5cm×1cm
の寸法で切り出された厚さ60μmの真鍮箔を用いた以
外は、実施例1と全く同様にして、固体電解コンデンサ
を作製した。
【0223】さらに、実施例1と全く同様にして、2枚
のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を作製し
た。
【0224】ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
の一方の銅箔が除去された表面を、基板の周囲に幅3m
mの領域を残して、内側部分を、0.3mmの深さに、
切削加工し、基板の周囲に幅3mmの領域以外に、0.
3mmの深さの凹部空間が形成された第一の絶縁性基板
を得た。
【0225】次いで、基板と同じガラスクロス含有エポ
キシ樹脂よりなる厚さ50μmのエポキシプリプレグ
を、それぞれ、2cm×4.5cmの寸法に加工し、加
工した基板の周囲に幅3mmの領域を残して、内側部分
を、打ち抜き加工によって、除去した。
【0226】切削加工を施した第一の絶縁性基板の凹部
空間内に、固体電解コンデンサの陽極電極および陰極電
極が、第一の絶縁性基板に形成されたスルーホールに対
応する位置に位置するように、シリコーン系接着剤を用
いて、固体電解コンデンサを固定した。
【0227】凹部空間内に固体電解コンデンサを固定し
た第一の絶縁性基板上に、打ち抜き加工を施した厚さ5
0μmのエポキシプリプレグを重ね、その上に、第二の
ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を重ねて、密
着させた。
【0228】こうして、密着された第一の絶縁性基板お
よび第二の絶縁性基板を、真空ホットプレス装置を用い
て、加圧および減圧下で、40分間にわたり、175℃
に保持し、エポキシプリプレグを硬化させて、第一の絶
縁性基板および第二の絶縁性基板の間を固定した。
【0229】第一の絶縁性基板および第二の絶縁性基板
の冷却後、第一の絶縁性基板および第二の絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、基板の表
面に形成されている配線パターンと、内蔵化された固体
電解コンデンサの陽極電極の銅箔よりなるリード電極お
よび陰極電極とを、ハンダによって、電気的に接続し
て、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板#4を得た。
【0230】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#4の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0231】その結果、120Hzでの静電容量は7
8.0μFであり、100kHzでのESRは45mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0232】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#4を、信頼性を評価するため、125℃
の恒温条件下で、1000時間にわたって、放置し、全
く同様にして、電気的特性を評価したところ、120H
zでの静電容量は78.5μFで、100kHzでのE
SRは50mΩであり、また、常温で、10ボルトの電
圧を印加した際の漏れ電流(5分値)は、0.10μA
であった。
【0233】実施例5 銅箔とアルミニウム箔の接合体を形成した後、銅箔とア
ルミニウム箔の接合体の接合部近傍のアルミニウム箔の
粗面化された表面に、その全周にわたって、シリコーン
樹脂を塗布し、100℃で、1時間にわたって、熱硬化
させ、膜厚が100μmのシリコーン樹脂皮膜を形成し
た以外は、実施例1と全く同様にして、固体電解コンデ
ンサを作製した。
【0234】こうして得られた固体電解コンデンサを用
いて、実施例1と全く同様にして、固体電解コンデンサ
内蔵プリント基板サンプル#5を作製し、その電気的特
性を、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナ
ライザー4294Aを用いて、評価した。
【0235】その結果、120Hzでの静電容量は8
5.0μFであり、100kHzでのESRは40mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.17μAであった。
【0236】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#5を、125℃の恒温条件下で、100
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は83.
9μFであり、100kHzでのESRは38mΩであ
った。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加した際
の漏れ電流(5分値)は、0.15μAであった。
【0237】実施例6 シリコーン樹脂に代えて、アモルファス系フッ素樹脂
を、アルミニウム箔と銅箔の接合部近傍のアルミニウム
箔の粗面化された表面に、その全周にわたって、塗布
し、100℃で、1時間にわたって、熱硬化させた点を
除いて、実施例5と全く同様にして、固体電解コンデン
サを作製した。ここに、アモルファス系フッ素樹脂の膜
厚は、50μmであった。
【0238】こうして得られた固体電解コンデンサを用
いて、実施例2と全く同様にして、固体電解コンデンサ
内蔵プリント基板サンプル#6を作製し、その電気的特
性を、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナ
ライザー4294Aを用いて、評価した。
【0239】その結果、120Hzでの静電容量は8
3.0μFであり、100kHzでのESRは45mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.15μAであった。
【0240】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#6を、125℃の恒温条件下で、100
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、その電気
的特性を評価したところ、120Hzでの静電容量は8
3.5μFで、100kHzでのESRは43.5mΩ
であり、また、常温で、10ボルトの電圧を印加した際
の漏れ電流(5分値)は、0.17μAであった。
【0241】実施例7 酸化アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施され
ている厚さ100μmのアルミニウム箔シートから、1
cm×1.5cmの寸法で、アルミニウム箔を切り出
し、一端部近傍の粗面化された表面に、全周にわたっ
て、アモルファス系フッ素樹脂を塗布し、100℃で、
1時間にわたって、熱硬化させた。アモルファス系フッ
素樹脂の膜厚は、50μmであった。
【0242】さらに、厚さ60μmの銅箔シートから、
0.5cm×1cmの寸法で、銅箔を切り出し、その一
端部近傍領域と、アルミニウム箔のアモルファス系フッ
素樹脂を塗布した一端部近傍の領域とが、3mmだけ重
なり合い、アモルファス系フッ素樹脂が塗布された部分
が重なり合わないように、重ね合わせ、重ね合わせた部
分を、日本エマソン株式会社ブランソン事業本部製の4
0kHz−超音波溶接機によって、接合して、電気的に
接続し、銅箔とアルミニウム箔の接合体を形成した。
【0243】こうして得られた銅箔とアルミニウム箔の
接合体を用いて、実施例4と全く同様にして、固体電解
コンデンサを作製し、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#7を作製した。
【0244】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#7の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0245】その結果、120Hzでの静電容量は8
3.5μFであり、100kHzでのESRは40mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.25μAであった。
【0246】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#7を、125℃の恒温条件下で、100
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、その電気
的特性を評価したところ、120Hzでの静電容量は8
1.5μFで、100kHzでのESRは43.5mΩ
であり、また、常温で、10ボルトの電圧を印加した際
の漏れ電流(5分値)は、0.20μAであった。
【0247】比較例1 アルミニウム箔シートから、0.5cm×1cmの寸法
で切り出された粗面化処理が施されていない厚さ60μ
mのアルミニウム箔と、アルミニウム箔シートから、1
cm×1.5cmの寸法で切り出された酸化アルミニウ
ム皮膜が形成され、粗面化処理が施されている厚さ10
0μmのアルミニウム箔とを、それぞれの端部領域が3
cmだけ重なり合うように、重ね合わせ、それぞれの端
部領域が重なり合った部分を、日本エマソン株式会社ブ
ランソン事業本部製の40kHz−超音波溶接機によっ
て、接合するとともに、電気的に接続して、粗面化処理
が施されていないアルミニウム箔と酸化アルミニウム皮
膜が形成され、粗面化処理が施されているアルミニウム
箔の接合体を形成した。
【0248】こうして得られた粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔と酸化アルミニウム皮膜が形成さ
れ、粗面化処理が施されているアルミニウム箔の接合体
を、7重量%の濃度で、6.0のpHに調整されたアジ
ピン酸アンモニウム水溶液中に、酸化アルミニウム皮膜
が形成され、粗面化処理が施されているアルミニウム箔
が完全に浸漬され、粗面化処理が施されていないアルミ
ニウム箔の一部が、アジピン酸アンモニウム水溶液中に
浸されるように、アジピン酸アンモニウム水溶液中にセ
ットし、接合体側を陽極とし、化成電流密度が50ない
し100mA/cm、化成電圧が35ボルトの条件下
で、アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬されている
アルミニウム箔の表面を酸化させ、酸化アルミニウム皮
膜を形成した。
【0249】次いで、粗面化処理が施されていないアル
ミニウム箔と酸化アルミニウム皮膜が形成され、粗面化
処理が施されているアルミニウム箔の接合体を、アジピ
ン酸アンモニウム水溶液から引き上げ、接合体の粗面化
処理が施されているアルミニウム箔の表面上に、実施例
1と全く同様にして、ポリピロールからなる固体高分子
電解質層を形成した。
【0250】こうして得られたポリピロールからなる固
体高分子電解質層の表面に、実施例1と全く同様にし
て、カーボンペーストを塗布し、カーボンペーストの表
面に、銀ペーストを塗布して、陰極電極を形成し、固体
電解コンデンサを作製した。
【0251】さらに、実施例1と全く同様にして、固体
電解コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#8を作製し
た。
【0252】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#8の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0253】その結果、120Hzでの静電容量は8
0.0μFであり、100kHzでのESRは750m
Ωであった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.20μAであった。
【0254】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#8を、125℃の恒温条件下で、100
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、その電気
的特性を評価したところ、120Hzでの静電容量は7
6.5μFで、100kHzでのESRは1020mΩ
であり、また、常温で、10ボルトの電圧を印加した際
の漏れ電流(5分値)は、0.25μAであった。
【0255】比較例2 銅箔シートから、0.5cm×1cmの寸法で切り出さ
れた厚さ60μmの銅箔と、アルミニウム箔シートか
ら、1cm×1.5cmの寸法で切り出された酸化アル
ミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施されている厚
さ100μmのアルミニウム箔とを、それぞれの端部領
域が3cmだけ重なり合うように、重ね合わせ、それぞ
れの端部領域が重なり合った部分を、日本エマソン株式
会社ブランソン事業本部製の40kHz−超音波溶接機
によって、接合するとともに、電気的に接続して、銅箔
と酸化アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施さ
れているアルミニウム箔の接合体を形成した。
【0256】こうして得られた銅箔と酸化アルミニウム
皮膜が形成され、粗面化処理が施されているアルミニウ
ム箔の接合体を、7重量%の濃度で、6.0のpHに調
整されたアジピン酸アンモニウム水溶液中に、酸化アル
ミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施されているア
ルミニウム箔のみが完全に浸漬され浸されるように、ア
ジピン酸アンモニウム水溶液中にセットし、銅箔を通電
口として、接合体側を陽極とし、化成電流密度が50な
いし100mA/cm、化成電圧が35ボルトの条件
下で、アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬されてい
るアルミニウム箔の表面を酸化させ、酸化アルミニウム
皮膜を形成した。
【0257】酸化アルミニウム皮膜の形成後、銅箔と酸
化アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施されて
いるアルミニウム箔の接合体を観察したところ、通電口
である銅箔の部分が腐食され、変質していることが認め
られ、とくに、接合部分での変質が著しかった。
【0258】次いで、銅箔と酸化アルミニウム皮膜が形
成され、粗面化処理が施されているアルミニウム箔の接
合体の粗面化処理が施されているアルミニウム箔の表面
上に、実施例1と全く同様にして、ポリピロールからな
る固体高分子電解質層を形成した。
【0259】こうして得られたポリピロールからなる固
体高分子電解質層の表面に、実施例1と全く同様にし
て、カーボンペーストを塗布し、カーボンペーストの表
面に、銀ペーストを塗布して、陰極電極を形成し、固体
電解コンデンサを作製した。
【0260】さらに、実施例1と全く同様にして、固体
電解コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#9を作製し
た。
【0261】こうして得られた固体電解コンデンサ内蔵
プリント基板サンプル#9の電気的特性を、アジレント
テクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294
Aを用いて、評価した。
【0262】その結果、漏れ電流を評価するため、10
ボルトの電圧を印加したところ、ショートが生じ、固体
電解コンデンサが破損した。
【0263】実施例1ないし7ならびに比較例1および
2から、酸化アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理
が施されているアルミニウム箔と、粗面化処理が施され
ていないアルミニウム箔と、銅箔とが接合されて、作製
された固体電解コンデンサを用いた本発明にかかる固体
電解コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#1ないし7
は、箔間の接合方法、電気導体の材質および使用する固
体高分子化合物の種類のいかんにかかわらず、静電容量
特性、ESR特性および漏れ電流特性が良好であり、一
方、比較例1にかかる固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#8にあっては、ESR特性および漏れ電
流特性が著しく悪く、また、比較例2にかかる固体電解
コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#9にあっては、
固体電解コンデンサとして機能しないことが判明した。
【0264】また、本発明にかかる固体電解コンデンサ
内蔵プリント基板サンプル#1ないし4にあっては、信
頼性を評価するため、1000時間にわたって、125
℃の恒温条件下で、耐熱試験をおこなったところ、10
00時間を経過しても、コンデンサ特性変化が無視でき
ることがわかった。
【0265】本発明は、以上の実施態様および実施例に
限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明
の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の
範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0266】たとえば、前記実施態様においては、弁金
属基体2、3として、アルミニウムが用いられている
が、アルミニウムに代えて、アルミニウム合金、また
は、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムもしくは
これらの合金などによって、弁金属基体2、3を形成す
ることもできる。
【0267】また、前記実施態様においては、リード電
極を構成すべき金属導体として、箔状の銅が用いられて
いるが、銅に代えて、銅合金、または、真鍮、ニッケ
ル、亜鉛、クロムもしくはこれらの合金によって、金属
導体を形成することもできる。
【0268】さらに、前記実施態様においては、表面が
粗面化された箔状のアルミニウム基体2、42と、表面
が粗面化されていないアルミニウム基体3、43とを、
超音波溶接によって、接合するとともに、表面が粗面化
されていないアルミニウム基体3、43と、箔状の銅基
体4、44とを、超音波溶接によって、接合している
が、これらの接合部の双方を、あるいは、一方を、超音
波溶接に代えて、コールドウェルディング(冷間圧接)
によって、接合し、接合部を形成するようにしてもよ
い。
【0269】また、図5に示された実施態様において
は、固体電解コンデンサ10を、第一の絶縁基板21と
第二の絶縁基板22によって挟んで、固体電解コンデン
サ内蔵プリント基板20を作製しているが、1つの絶縁
基板上に、固体電解コンデンサ10を固定して、固体電
解コンデンサ内蔵プリント基板20を作製することもで
きる。
【0270】さらに、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板2
2の表面の双方に、複数の電子部品30が搭載されてい
るが、複数の電子部品30を搭載することは必ずしも必
要でない。
【0271】また、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板2
2の表面の双方に、電子部品30が搭載されているが、
第一の絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板22の
表面の一方にのみ、電子部品30が搭載されていてもよ
い。
【0272】さらに、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板2
2の表面に、それぞれ、複数の配線パターン24、27
が形成されているが、第一の絶縁基板21の表面と第二
の絶縁基板22の表面に、複数の配線パターン24、2
7を形成することは必ずしも必要でなく、少なくとも1
つの配線パターンが形成されていればよい。
【0273】また、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22のそ
れぞれに、複数のスルーホール25、28が形成されて
いるが、第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22
のそれぞれに、複数のスルーホール25、28を形成す
ることは必ずしも必要でなく、それぞれ、少なくとも1
つのスルーホール25、28が形成されていればよい。
【0274】さらに、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21に、バンク23を形成している
が、第二の絶縁基板22に、バンク23を形成すること
もできる。
【0275】また、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と同
じ材質の基板を、その周縁部に、所定面積の部分が残さ
れるように打ち抜き加工して、枠状の基板を形成し、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質
の接着剤を用いて、枠状の基板を第一の絶縁基板に固定
することによって、バンク23を形成しているが、第一
の絶縁基板21を切削加工するなどして、第一の絶縁基
板21と一体的にバンクを形成することもできるし、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22の双方に、
切削加工などによって、一体的に、バンクを形成するこ
ともできる。
【0276】さらに、図5に示された実施態様において
は、第一の絶縁基板21に、互いに対向する2つの側部
に沿って、その高さが、固体電解コンデンサ10の厚さ
よりも大きいバンク23が形成されているが、バンク2
3を形成することは必ずしも必要ではなく、スペーサに
よって代用することもできるし、単に、樹脂26によっ
て、第一の絶縁基板21と第二の絶縁基板22とを、固
体電解コンデンサ10を挟んで、互いに離間するよう
に、一体化することもできる。
【0277】また、図6ないし図8に示された実施態様
においては、溶接接合部46の近傍の表面が粗面化され
ていない箔状のアルミニウム基体43の全周にわたっ
て、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47が形成され
ているが、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウ
ム基体43の全周にわたって、絶縁性を有し、疎水性を
有する領域47が形成されれば足り、溶接接合部46の
近傍の粗面化されていない箔状のアルミニウム基体43
に、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47を形成する
ことは必ずしも必要でない。
【0278】さらに、図6ないし図8に示された実施態
様においては、溶接接合部46の近傍の表面が粗面化さ
れていない箔状のアルミニウム基体43の全周にわたっ
て、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47が形成され
ているが、絶縁性を有し、疎水性を有する領域47を形
成することは必ずしも必要でない。
【0279】
【発明の効果】本発明によれば、表面が粗面化され、絶
縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、箔状の
弁金属基体に、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層お
よび導電体層が、順次、形成された固体電解コンデンサ
であって、回路基板に内蔵するのに適した固体電解コン
デンサおよび固体電解コンデンサ内蔵基板ならびにそれ
らの製造方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる固
体電解コンデンサの陽極電極の略平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図3】図3は、表面が粗面化された箔状のアルミニウ
ム基体のエッジ部に、酸化アルミニウム皮膜を形成する
陽極酸化方法を示す略断面図である。
【図4】図4は、固体電解コンデンサの略断面図であ
る。
【図5】図5は、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板
の略断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の好ましい実施態様にかか
る固体電解コンデンサの陽極電極の略平面図である。
【図7】図7は、図1のB−B線に沿った略断面図であ
る。
【図8】図8は、表面が粗面化された箔状のアルミニウ
ム基体のエッジ部に、酸化アルミニウム皮膜を形成する
陽極酸化方法を示す略断面図である。
【符号の説明】 1 陽極電極 2 表面が粗面化され、酸化皮膜が形成された箔状のア
ルミニウム基体 3 表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体 4 箔状の銅基体 5 溶接接合部 6 溶接接合部 7 ステンレスビーカー 8 化成溶液 9 酸化アルミニウム皮膜 10 固体電解コンデンサ 11 固体高分子電解質層 12 グラファイトペースト層 13 銀ペースト層 14 陰極電極 20 固体電解コンデンサ内蔵プリント基板 21 第一の絶縁基板 22 第二の絶縁基板 23 第一の絶縁基板のバンク 24 配線パターン 25 スルーホール 26 樹脂 27 配線パターン 28 スルーホール 29 接着剤 30 電子部品 31 ハンダ 32 導電性樹脂 41 陽極電極 42 表面が粗面化され、酸化皮膜が形成された箔状の
アルミニウム基体 43 表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基
体 44 箔状の銅基体 45 溶接接合部 46 溶接接合部 47 絶縁性を有し、疎水性を有する領域 48 ステンレスビーカー 49 化成溶液

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された箔状の弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体
    に、少なくとも、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層
    および導電体層が、順次、形成された固体電解コンデン
    サであって、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成
    された前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域に、表面
    が粗面化されていない箔状の弁金属基体の一端部近傍領
    域が、弁金属間が電気的に接続されるように、接合さ
    れ、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の
    他端部近傍領域に、箔状の導電性金属基体の一端部近傍
    領域が、金属間が電気的に接続されるように、接合され
    て、陽極電極が構成された少なくとも1つの固体電解コ
    ンデンサが、絶縁基板の一方の面に取り付けられたこと
    を特徴とする固体電解コンデンサ内蔵基板。
  2. 【請求項2】 さらに、前記絶縁基板と対向する第二の
    絶縁基板を備え、前記少なくとも1つの固体電解コンデ
    ンサが、前記絶縁基板の一方の面と前記第二の絶縁基板
    の一方の面の間に一体的に取り付けられたことを特徴と
    する請求項2に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  3. 【請求項3】 前記絶縁基板の他方の面に、少なくとも
    1つの配線パターンが形成されたことを特徴とする請求
    項1または2に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  4. 【請求項4】 前記第二の絶縁基板の他方の面に、少な
    くとも1つの配線パターンが形成されたことを特徴とす
    る請求項2または3に記載の固体電解コンデンサ内蔵基
    板。
  5. 【請求項5】 前記固体電解コンデンサが、前記絶縁基
    板および前記第二の絶縁基板によって形成された実質的
    に閉じた空間内に収容されたことを特徴とする請求項2
    ないし4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ内
    蔵基板。
  6. 【請求項6】 さらに、前記少なくとも1つの固体電解
    コンデンサの表面が粗面化されていない前記箔状の弁金
    属基体に、絶縁性かつ疎水性の表面領域が形成されたこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも1つの固体電解コンデン
    サの表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前
    記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化
    されていない前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と
    が、超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合され、
    前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの表面が粗面
    化されていない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領域
    と、前記箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域とが、
    超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合されたこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    固体電解コンデンサ内蔵基板。
  8. 【請求項8】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された箔状の弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体
    に、少なくとも、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層
    および導電体層が、順次、形成された少なくとも1つの
    固体電解コンデンサを内蔵する固体電解コンデンサ内蔵
    プリント基板の製造方法であって、 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔
    状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化され
    ていない箔状の弁金属基体の一端部近傍領域とを、弁金
    属間が電気的に接続されるように、接合する工程と、 表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の他端
    部近傍領域と、箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域
    とを、金属間が電気的に接続されるように、接合して、
    陽極電極を形成する工程と、 前記陽極電極を、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が
    形成された前記箔状の弁金属基体全体と、表面が粗面化
    されていない前記箔状の弁金属基体の一部が化成溶液に
    浸されるように、前記化成溶液に浸し、表面が粗面化さ
    れ、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体
    と表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体と
    に、電圧を印加して、陽極酸化処理を施し、表面が粗面
    化された前記弁金属基体の少なくともエッジ部分に、絶
    縁性酸化皮膜を形成する工程と、 陽極酸化処理が施された表面が粗面化され、絶縁性酸化
    皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体の全表面上に、
    固体高分子電解質層を形成する工程と、 前記固体高分子電解質層上に、導電性ペーストを塗布
    し、乾燥して、導電体層を形成し、少なくとも1つ固体
    電解コンデンサを生成する工程と、 前記少なくとも1つ固体電解コンデンサを、絶縁基板の
    一方の面に取り付ける工程とを備えたことを特徴とする
    固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 さらに、前記絶縁性酸化皮膜を形成する
    工程に先立って、表面が粗面化されていない前記箔状の
    弁金属基体に、絶縁性かつ疎水性の表面領域を形成する
    工程を備えたことを特徴とする請求項8に記載の固体電
    解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 さらに、第二の絶縁基板が用いられ、
    前記第二の絶縁基板を、その一方の面が、前記少なくと
    も1つの固体電解コンデンサに対向するように配置し、
    前記少なくとも1つ固体電解コンデンサを、前記第一の
    絶縁基板および前記第二の絶縁基板の間に固定すること
    を特徴とする請求項8または9に記載の固体電解コンデ
    ンサ内蔵基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記絶縁基板の他方の面に、
    少なくとも1つの配線パターンを形成する工程を備えた
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に
    記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 さらに、前記第二の絶縁基板の他方の
    面に、少なくとも1つの配線パターンを形成する工程を
    備えたことを特徴とする請求項10または11に記載の
    固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記少なくとも1つの固体電解コンデ
    ンサを、前記絶縁基板および前記第二の絶縁基板によっ
    て形成された閉じた空間内に収容することを特徴とする
    請求項8ないし12のいずれか1項に記載の固体電解コ
    ンデンサ内蔵基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記絶縁基板および前記第二の絶縁基
    板を、前記絶縁基板および前記第二の絶縁基板と同一材
    質の接着剤によって、接着することを特徴とする請求項
    8ないし13のいずれか1項に記載の固体電解コンデン
    サ内蔵基板の製造方法。
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