JP2002359160A - 固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサ内蔵基板ならびに固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサ内蔵基板ならびに固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法

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JP2002359160A JP2002063334A JP2002063334A JP2002359160A JP 2002359160 A JP2002359160 A JP 2002359160A JP 2002063334 A JP2002063334 A JP 2002063334A JP 2002063334 A JP2002063334 A JP 2002063334A JP 2002359160 A JP2002359160 A JP 2002359160A
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foil
electrolytic capacitor
solid electrolytic
hole
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Noriyoshi Nanba
憲良 南波
Masaaki Kobayashi
正明 小林
Yumiko Yokouchi
祐美子 横内
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    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に内蔵したときに、配線の自由度を向上
させることのできる固体電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体2と、箔状の弁金属基体の一
端部近傍領域に、金属間が電気的に接続されるように、
一端部近傍領域が接合された箔状のリード電極金属基体
3、4とを備え、箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶
縁性酸化皮膜9、固体高分子電解質層11および導電体
層12、13が、順次、形成された固体電解コンデンサ
10であって、少なくとも1つの貫通孔50が形成され
たことを特徴とする固体電解コンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サおよび固体電解コンデンサ内蔵基板ならびに固体電解
コンデンサ内蔵基板の製造方法に関するものであり、さ
らに詳細には、基板に内蔵したときに、配線の自由度を
向上させることのできる固体電解コンデンサおよび配線
の自由度が向上した固体電解コンデンサ内蔵基板ならび
に固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、絶縁性酸化皮膜形成
能力を有するアルミニウム、チタン、真鍮、ニッケル、
タンタルなどの金属、いわゆる弁金属を陽極に用い、こ
の弁金属の表面を陽極酸化して、絶縁性酸化皮膜を形成
した後、実質的に陰極として機能する電解質層を形成
し、さらに、グラファイトや銀などの導電層を陰極とし
て設けることによって、形成されている。
【0003】たとえば、アルミニウム電解コンデンサ
は、エッチング処理によって、比表面積を増大させた多
孔質アルミニウム箔を陽極とし、この陽極表面に形成し
た酸化アルミニウム層と陰極箔との間に、電解液を含浸
させた隔離紙を設けて、構成されている。
【0004】一般に、絶縁性酸化皮膜と陰極との間の電
解質層に、電解液を利用する電解コンデンサは、シーリ
ング部分からの液漏れや、電解液の蒸発によって、その
寿命が決定されるという問題を有しているのに対し、金
属酸化物や有機化合物からなる固体電解質を用いた固体
電解コンデンサは、かかる問題を有しておらず、好まし
いものである。
【0005】固体電解コンデンサに用いられる金属酸化
物からなる代表的な固体電解質としては、二酸化マンガ
ンが挙げられ、一方、固体電解コンデンサに用いられる
有機化合物からなる固体電解質としては、たとえば、特
開昭52−79255号公報や特開昭58−19141
4号公報に開示された7,7,8,8−テトラシアノキ
シジメタン(TCNQ)錯塩が挙げられる。
【0006】近年、電子機器の電源回路の高周波化にと
もない、使用されるコンデンサに対しても、それに対応
した性能が求められるようになっているが、二酸化マン
ガンあるいはTCNQ錯塩からなる固体電解質層を用い
た固体電解コンデンサは、以下のような問題を有してい
た。
【0007】二酸化マンガンからなる固体電解質層は、
一般に、硝酸マンガンの熱分解を繰り返すことによって
形成されるが、熱分解の際に加えられる熱によって、あ
るいは、熱分解の際に発生するNOxガスの酸化作用に
よって、誘電体である絶縁性酸化皮膜が損傷し、あるい
は、劣化するため、固体電解質層を二酸化マンガンによ
って形成する場合には,漏れ電流値が大きくなるなど、
最終的に得られる固体電解コンデンサの諸特性が低くな
りやすいという問題があった。また、二酸化マンガンを
固体電解質として用いるときは、高周波領域において、
固体電解コンデンサのインピーダンスが高くなってしま
うという問題もあった。
【0008】一方、TCNQ錯塩は、電導度が、1S/
cm程度以下であるため、現在の電解コンデンサに対す
る低インピーダンス化の要求に対して、十分に応えるこ
とができないという問題を有していた。さらに、TCN
Q錯塩は、絶縁性酸化皮膜との密着性が低く,また、ハ
ンダ固定時の熱的安定性や経時的な熱的安定性が低いな
どの理由から、TCNQ錯塩を固体電解質として用いた
固体電解コンデンサは、十分な信頼性が得られないとい
うことが指摘されている。加えて、TCNQ錯塩は高価
であり、TCNQ錯塩を固体電解質として用いた固体電
解コンデンサはコストが高いという問題も有していた。
【0009】二酸化マンガンあるいはTCNQ錯塩を、
固体電解質として用いる場合のこれらの問題点を解消
し、より優れた特性を有する固体電解コンデンサを得る
ため、製造コストが比較的低く、また、絶縁性酸化皮膜
との付着性が比較的良好で、熱的な安定性にも優れた高
導電性の高分子化合物を固体電解質として利用すること
が提案されている。
【0010】たとえば、特許第2725553号には、
陽極表面の絶縁性酸化皮膜上に、化学酸化重合によっ
て、ポリアニリンを形成した固体電解コンデンサが開示
されている。
【0011】また、特公平8−31400号公報は、化
学酸化重合法のみによっては、陽極表面の絶縁性酸化皮
膜上に、強度の高い導電性高分子膜を形成することは困
難であり、また、陽極表面の絶縁性酸化皮膜が電気導体
であるため、電解重合法により、陽極表面の絶縁性酸化
皮膜上に、直接、電解重合膜を形成することは不可能
か、きわめて困難であるという理由から、絶縁性酸化皮
膜上に、金属あるいは二酸化マンガンの薄膜を形成し、
金属あるいは二酸化マンガンの薄膜上に、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフランなどの
導電性高分子膜を電解重合法によって形成した固体電解
コンデンサを提案している。
【0012】さらに、特公平4−74853号公報に
は、絶縁性酸化皮膜上に、化学酸化重合によって、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン
などの導電性高分子膜を形成した固体電解コンデンサが
開示されている。
【0013】一方、電子機器の小型化、薄型化の要求に
より、電子部品には、より一層の小型化、高性能化が要
求され、回路基板には、薄層化、多層化による高機能化
が要求されている。ことに、ICカードの厚みは、1m
m以下、携帯型パーソナルコンピュータの厚みは、20
mm以下と、きわめて薄くなりつつあるため、これらに
搭載される電子部品や、電子部品を実装した配線基板
は、数mmないし数百ミクロンの厚みで形成することが
要求されるようになっている。
【0014】しかしながら、上述した固体電解コンデン
サは、いずれも、単体の部品として製造され、配線基板
に、ハンダ層を介して、実装されるものであるため、電
子部品を十分に高集積化、高密度化することができない
という問題があった。
【0015】そこで、特開平2−54510号公報およ
び特許第2950587号は、固体電解コンデンサを、
配線基板の抵抗機能や導電パターンと同様に、あらかじ
め、基板と一体的に形成し、複数の固体電解コンデンサ
が1枚の基板上に形成された回路基板によって、電子部
品の高密度化、回路基板の薄型化を図ることを提案して
いる。
【0016】すなわち、特開平2−54510号公報
は、絶縁基板上に、電気導体および絶縁性酸化皮膜形成
能を有するアルミニウム箔などの箔状の弁金属基体のパ
ターンを形成し、この弁金属基体のパターンの表面の1
箇所あるいは数箇所に、絶縁性酸化皮膜層、複素環式化
合物の導電性ポリマー層および導電体層を、順次、形成
して、固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する方法を開
示するとともに、絶縁基板の両面に、電気導体および絶
縁性酸化皮膜形成能を有する弁金属基体のパターンを形
成し、この弁金属基体のパターンの表面の1箇所あるい
は数箇所に、絶縁性酸化皮膜層、複素環式化合物の導電
性ポリマー層および導電体層を、順次、形成して、固体
電解コンデンサ内蔵基板を作製した後、固体電解コンデ
ンサ内蔵基板を積層して、多層構造とした固体電解コン
デンサ内蔵基板を開示している。特開平2−54510
号公報によれば、導電性高分子を用いた固体電解コンデ
ンサを、回路基板の抵抗体層や導電パターンと同様に、
あらかじめ、基板と一体的に形成しておくことによっ
て、個々のコンデンサを回路基板上に実装する必要がな
く、電子部品の高密度化が実現されるとともに、ノイズ
の低減など、電気的特性をも向上させることができると
されている。
【0017】一方、特許第2950587号は、板状の
陽極体、すなわち、板状の弁金属基体の両面に、誘電体
層、電解質層および導電体層を、順次、形成し、各導電
体層を介して、陰極端子を設けて、コンデンサ素子を形
成し、こうして形成したコンデンサ素子の両面に、所望
の配線パターンを備えたプリント基板を、樹脂層を介し
て、接合して、作製した固体電解コンデンサを開示して
いる。特許第2950587号によれば、機械的に脆弱
な固体電解質であっても、両面に配置されるプリント基
板によって保護されるから、信頼性の高い固体電解コン
デンサを得ることが可能になり、また、プリント基板
に、あらかじめ、所望の配線パターンを形成しておくこ
とにより、他の電子部品を、プリント基板に容易に実装
することが可能になるとされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】かかる固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板は、絶縁基板上に、固体電解コン
デンサを固定し、別の絶縁基板を重ねて、樹脂によっ
て、2枚の絶縁基板を接着して、形成されているが、コ
ンデンサの大容量化の要請から、必然的に、固体電解コ
ンデンサが大きな面積を占有することになるため、スル
ーホールを形成できる個所が制限され、その結果、2枚
の絶縁基板の表面に形成された配線パターンを電気的に
接続するための配線の自由度が低いという問題があっ
た。
【0019】したがって、本発明は、基板に内蔵したと
きに、配線の自由度を向上させることのできる固体電解
コンデンサおよび配線の自由度が向上した固体電解コン
デンサ内蔵基板ならびに固体電解コンデンサ内蔵基板の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の
弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域
に、金属間が電気的に接続されるように、一端部近傍領
域が接合された箔状のリード電極金属基体とを備え、前
記箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮膜、
固体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成され
た固体電解コンデンサであって、少なくとも1つの貫通
孔が形成されたことを特徴とする固体電解コンデンサに
よって達成される。
【0021】本発明によれば、固体電解コンデンサ自体
に、少なくとも1つのスルーホールが形成されているか
ら、固体電解コンデンサを基板に内蔵させる際、大容量
化の要請によって、固体電解コンデンサ内蔵基板中に占
める固体電解コンデンサの面積が大きくなっても、大き
な自由度をもって、配線を形成することが可能になる。
【0022】本発明において、貫通孔は、貫通した孔に
加えて、切り欠きをも含むものとして、定義されてい
る。
【0023】本発明の前記目的はまた、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域に、金属間が電
気的に接続されるように、一端部近傍領域が接合された
箔状のリード電極金属基体とを備え、前記箔状の弁金属
基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解
質層および導電体層が、順次、形成され、少なくとも1
つの貫通孔が形成された少なくとも1つの固体電解コン
デンサと、絶縁基板を備え、前記絶縁基板に、前記固体
電解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔に対応し
て、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少
なくとも1つの貫通孔よりも径が小さい少なくとも1つ
の貫通孔が形成され、前記少なくとも1つの固体電解コ
ンデンサが、前記絶縁基板の一方の面に取り付けられ
て、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少
なくとも1つの貫通孔および前記絶縁基板の前記少なく
とも1つの貫通孔によって、少なくとも1つのスールー
ホールが形成されたことを特徴とする固体電解コンデン
サ内蔵基板によって達成される。
【0024】本発明によれば、固体電解コンデンサ自体
に、少なくとも1つの貫通孔が形成され、固体電解コン
デンサの少なくとも1つの貫通孔と、固体電解コンデン
サの少なくとも1つの貫通孔に対応して、絶縁基板に形
成された固体電解コンデンサの少なくとも1つの貫通孔
よりも径が小さい少なくとも1つの貫通孔とによって、
固体電解コンデンサ内蔵基板に少なくとも1つのスール
ーホールが形成されているから、大容量化の要請によっ
て、固体電解コンデンサ内蔵基板中に占める固体電解コ
ンデンサの面積が大きくなっても、大きな自由度をもっ
て、配線を形成することが可能になる。
【0025】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状の弁金属基体を貫通する少なくとも1つの貫通孔
が形成されている。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状の導電性金属基体を貫通する少なくとも1つの貫
通孔が形成されている。
【0027】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つの固体電解コンデンサが、前記箔状の
リード電極基体が、表面が粗面化されていない箔状の弁
金属基体と、箔状の導電性金属基体を含み、表面が粗面
化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金属
基体の一端部近傍領域に、表面が粗面化されていない前
記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域が、弁金属間が電
気的に接続されるように、接合され、表面が粗面化され
ていない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領域に、前
記箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域が、金属間が
電気的に接続されるように、接合された陽極電極を備え
ている。
【0028】本発明の好ましい実施態様によれば、表面
が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された陽極として
機能する箔状の弁金属基体と、回路基板に搭載される他
の電子部品とのコンタクトが設けられる導電性金属基体
との間には、表面が粗面化されていない箔状の弁金属基
体が介在しているから、化成溶液が銅などの導電性金属
基体に達し、銅などの導電性金属基体が腐食されること
をより確実に防止することが可能になり、所望の電気的
特性を有する固体電解コンデンサを作製して、回路基板
に内蔵させることが可能になる。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前
記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化
されていない前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と
が、超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合され、
表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の他端
部近傍領域と、前記箔状の導電性金属基体の一端部近傍
領域とが、超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合
されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様においては、表
面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状
の弁金属基体を貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成
されている。
【0031】本発明の好ましい実施態様においては、表
面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体を貫通す
る少なくとも1つの貫通孔が形成されている。
【0032】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状の導電性金属基体を貫通する少なくとも1つの貫
通孔が形成されている。
【0033】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つのスルーホールが、前記少なくとも1
つの固体電解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔
および前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔に樹
脂が充填され、前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫
通孔にほぼ等しい径を有するように、前記樹脂が除去さ
れて、形成されている。
【0034】本発明の好ましい実施態様によれば、樹脂
を除去して、スルーホールを形成した後も、少なくとも
1つの固体電解コンデンサの少なくとも1つの貫通孔の
内部および少なくとも1つの固体電解コンデンサと絶縁
基板の間には、樹脂が残存するから、少なくとも1つの
固体電解コンデンサと絶縁基板との密着性を向上させる
ことが可能となるとともに、固体電解コンデンサ内蔵基
板の強度を向上させることが可能になる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線
パターンが形成されている。
【0036】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの電子
部品が搭載されている。
【0037】本発明の好ましい実施態様においては、第
一の絶縁基板に加えて、さらに、前記第一の絶縁基板と
対向する第二の絶縁基板を備え、前記第二の絶縁基板
に、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少
なくとも1つの貫通孔に対応して、前記第一の絶縁基板
の前記少なくとも1つの貫通孔と径がほぼ等しい少なく
とも1つの貫通孔が形成され、前記少なくとも1つの固
体電解コンデンサが、前記絶縁基板の一方の面と前記第
二の絶縁基板の一方の面の間に一体的に取り付けられ
て、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少
なくとも1つの貫通孔、前記第一の絶縁基板の前記少な
くとも1つの貫通孔および前記第二の絶縁基板の前記少
なくとも1つの貫通孔によって、少なくとも1つのスー
ルーホールが形成されている。
【0038】本発明の好ましい実施態様によれば、固体
電解コンデンサ自体に、少なくとも1つの貫通孔が形成
され、固体電解コンデンサの少なくとも1つの貫通孔、
固体電解コンデンサの少なくとも1つの貫通孔に対応し
て、第一の絶縁基板に形成された固体電解コンデンサの
少なくとも1つの貫通孔よりも径が小さい少なくとも1
つの貫通孔および第二の絶縁基板に形成された固体電解
コンデンサの少なくとも1つの貫通孔よりも径が小さい
少なくとも1つの貫通孔によって、固体電解コンデンサ
内蔵基板に少なくとも1つのスールーホールが形成され
ているから、大容量化の要請によって、固体電解コンデ
ンサ内蔵基板中に占める固体電解コンデンサの面積が大
きくなっても、大きな自由度をもって、配線を形成する
ことが可能になる。
【0039】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つのスルーホールが、前記少なくとも1
つの固体電解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通
孔、第一の絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔およ
び前記第二の絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔
に、樹脂が充填され、前記第一の絶縁基板の前記少なく
とも1つの貫通孔および前記第二の絶縁基板の前記少な
くとも1つの貫通孔にほぼ等しい径を有するように、前
記樹脂が除去されて、形成されている。
【0040】本発明の好ましい実施態様によれば、樹脂
を除去して、スルーホールを形成した後も、固体電解コ
ンデンサの少なくとも1つの貫通孔の内部、固体電解コ
ンデンサと第一の絶縁基板の間および固体電解コンデン
サと第二の絶縁基板の間には、樹脂が残存するから、固
体電解コンデンサと絶縁基板との密着性を向上させるこ
とが可能となるとともに、固体電解コンデンサ内蔵基板
の強度を向上させることが可能になる。
【0041】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線
パターンが形成されている。
【0042】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの電子
部品が搭載されている。
【0043】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板に、さらに、少なくとも1つのスルー
ホールが形成されている。
【0044】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールが、前記少なく
とも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極の一方
に対応する位置に形成されている。
【0045】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールを介して、前記
少なくとも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極
の一方と、前記第一の絶縁基板の前記少なくとも1つの
固体電解コンデンサが固定された表面の反対側の表面に
形成された前記少なくとも1つの配線パターンとが電気
的に接続されている。
【0046】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板に、さらに、少なくとも1つのスルー
ホールが形成されている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールが、前記少なく
とも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極の一方
に対応する位置に形成されている。
【0048】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールを介して、前記
少なくとも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極
の一方と、前記第二の絶縁基板の前記固体電解コンデン
サとは反対側の表面に形成された前記少なくとも1つの
配線パターンとが電気的に接続されている。
【0049】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つの固体電解コンデンサが、前記第一の
絶縁基板および前記第二の絶縁基板によって形成された
実質的に閉じた空間内に収容されている。
【0050】本発明において、実質的に閉じた空間と
は、スルーホールなどによって、外部と接続されている
点を除き、閉じられている空間を意味している。
【0051】本発明の好ましい実施態様によれば、固体
電解コンデンサ内蔵基板は、互いに対向する第一の絶縁
基板および第二の絶縁基板と、第一の絶縁基板の第二の
絶縁基板に対向する表面上に固定された固体電解コンデ
ンサとを備え、固体電解コンデンサが、第一の絶縁基板
および第二の絶縁基板によって形成された実質的に閉じ
た空間内に収容されているから、固体電解コンデンサ内
蔵基板を作製する際に、固体電解コンデンサに過大な圧
力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面
に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧
力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基
体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、
ショートが発生するおそれがなく、さらには、固体電解
コンデンサ内蔵基板の平面性を向上させることが可能に
なる。
【0052】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基板が、前記絶
縁基板および前記第二の絶縁基板と同一材質の接着剤に
よって、接着されている。
【0053】本発明の好ましい実施態様によれば、第一
の絶縁基板および第二の絶縁基板が、第一の絶縁基板お
よび第二の絶縁基板と同一材質の接着剤によって、接着
されているから、長時間にわたって、使用しても、第一
の絶縁基板と第二の絶縁基板が剥離することがなく、固
体電解コンデンサ内蔵基板の信頼性を向上させることが
可能になる。
【0054】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板が、平板状の基板と、前記少なくとも
1つの固体電解コンデンサの周囲において、前記平板状
の基板に固定された枠状の基板とによって形成されてい
る。
【0055】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板が、平板状の基板と、前記平板
状の基板の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定さ
れた枠状の基板とによって形成されている。
【0056】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一の絶縁基板が、平板状の基板と、平板状の基板
の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定された枠状
の基板とによって形成されており、したがって、固体電
解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コンデ
ンサを、平板状の基板と枠状の基板とにより形成された
実質的に閉じた空間内に収容させることができるから、
固体電解コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、
したがって、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破壊され
て、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分子電解
質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生するお
それがない。
【0057】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠
状の基板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基
板に固定されている。
【0058】本発明の好ましい実施態様によれば、枠状
の基板が、平板状の基板および枠状の基板と同一材質の
接着剤によって、平板状の基板に固定されるから、長時
間にわたって、使用しても、平板状の基板と枠状の基板
が剥離することがなく、固体電解コンデンサ内蔵基板の
信頼性を向上させることが可能になる。
【0059】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記少なくと
も1つの固体電解コンデンサの周囲に位置する枠状の基
板部とを備えている。
【0060】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記平
板状の基板部の周縁部に位置する枠状の基板部とを備え
ている。
【0061】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、第一の絶縁基板が、平板状の基板部と、平板状の基
板部の周縁部に位置する枠状の基板部とを備えており、
したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する際
に、固体電解コンデンサを、平板状の基板部と枠状の基
板部とにより形成された実質的に閉じた空間内に収容さ
せることができるから、固体電解コンデンサに過大な圧
力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面
に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧
力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基
体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、
ショートが発生するおそれがない。
【0062】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状に形成されている。
【0063】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記第一の絶縁
基板の前記枠状の基板と接合可能な位置において、前記
平板状の基板に固定された枠状の基板とを備えている。
【0064】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板と、第一の絶縁基板の枠状
の基板と接合可能な位置において、平板状の基板に固定
された枠状の基板とを備えており、したがって、固体電
解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コンデ
ンサを、第一の絶縁基板の平板状の基板およびこれに固
定された枠状の基板と、第二の絶縁基板の平板状の基板
およびこれに固定された枠状の基板との間に形成した実
質的に閉じた空間内に、収容させることができるから、
固体電解コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、
したがって、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破壊され
て、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分子電解
質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生するお
それがない。
【0065】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記第一
の絶縁基板の前記枠状の基板部と接合可能な位置におい
て、前記平板状の基板に固定された枠状の基板とを備え
ている。
【0066】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板と、第一の絶縁基板の
枠状の基板部と接合可能な位置において、平板状の基板
に固定された枠状の基板とを備えており、したがって、
固体電解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解
コンデンサを、第一の絶縁基板の平板状の基板部および
これと一体的に形成された枠状の基板部と、第二の絶縁
基板の平板状の基板およびこれに固定された枠状の基板
との間に形成した実質的に閉じた空間内に、収容させる
ことができるから、固体電解コンデンサに過大な圧力が
加わることがなく、したがって、弁金属基体の表面に形
成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧力に
よって、破壊されて、陽極として作用する弁金属基体
と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際に、シ
ョートが発生するおそれがない。
【0067】本発明の好ましい実施態様においては、前
記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠状の基
板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基板に固
定されている。
【0068】本発明の好ましい実施態様によれば、枠状
の基板が、平板状の基板および枠状の基板と同一材質の
接着剤によって、平板状の基板に固定されるから、長時
間にわたって、使用しても、平板状の基板と枠状の基板
が剥離することがなく、固体電解コンデンサ内蔵基板の
信頼性を向上させることが可能になる。
【0069】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記第一の絶
縁基板の前記枠状の基板と接合可能な位置に位置する枠
状の基板部を備えている。
【0070】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板部と、第一の絶縁基板の枠
状の基板と接合可能な位置に位置する枠状の基板部を備
えており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を
作製する際に、固体電解コンデンサを、第一の絶縁基板
の平板状の基板およびこれに固定された枠状の基板と、
第二の絶縁基板の平板状の基板部およびこれと一体的に
形成された枠状の基板部との間に形成した実質的に閉じ
た空間内に、収容させることができるから、固体電解コ
ンデンサに過大な圧力が加わることがなく、したがっ
て、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜が、
作製時に加えられる圧力によって、破壊されて、陽極と
して作用する弁金属基体と、固体高分子電解質層とが接
触し、通電した際に、ショートが発生するおそれがな
い。
【0071】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記第
一の絶縁基板の前記枠状の基板部と接合可能な位置に位
置する枠状の基板部を備えている。
【0072】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、第一の絶縁基板
の枠状の基板部と接合可能な位置に位置する枠状の基板
部を備えており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵
基板を作製する際に、固体電解コンデンサを、第一の絶
縁基板の平板状の基板部およびこれと一体的に形成され
た枠状の基板部と、第二の絶縁基板の平板状の基板部お
よびこれと一体的に形成された枠状の基板部との間に形
成した実質的に閉じた空間内に、収容させることができ
るから、固体電解コンデンサに過大な圧力が加わること
がなく、したがって、弁金属基体の表面に形成された絶
縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる圧力によって、破
壊されて、陽極として作用する弁金属基体と、固体高分
子電解質層とが接触し、通電した際に、ショートが発生
するおそれがない。
【0073】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板が、平板状の基板と、前記少なくとも
1つの固体電解コンデンサの周囲において、前記平板状
の基板に固定された枠状の基板とによって形成され、前
記第一の絶縁基板が、平板状に形成されている。
【0074】本発明の好ましい実施態様によれば、第二
の絶縁基板が、平板状の基板と、固体電解コンデンサの
周囲において、平板状の基板に固定された枠状の基板と
によって形成され、第一の絶縁基板が、平板状に形成さ
れており、したがって、固体電解コンデンサ内蔵基板を
作製する際に、固体電解コンデンサを、平板状の第一の
絶縁基板と、第二の絶縁基板の平板状の基板およびこれ
に固定された枠状の基板とによって形成した実質的に閉
じた空間内に、収容させることができるから、固体電解
コンデンサに過大な圧力が加わることがなく、したがっ
て、弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜が、
作製時に加えられる圧力によって、破壊されて、陽極と
して作用する弁金属基体と、固体高分子電解質層とが接
触し、通電した際に、ショートが発生するおそれがな
い。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板の前記枠状の基板が、前記平板
状の基板の周縁部に沿って、前記平板状の基板に固定さ
れている。
【0076】本発明の好ましい実施態様においては、前
記枠状の基板が、前記平板状の基板および前記枠状の基
板と同一材質の接着剤によって、前記平板状の基板に固
定されている。
【0077】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、前記少
なくとも1つの固体電解コンデンサの周囲に位置する枠
状の基板部とを備え、前記第一の絶縁基板が、平板状に
形成されている。
【0078】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
第二の絶縁基板が、平板状の基板部と、固体電解コンデ
ンサの周囲に位置する枠状の基板部とを備え、第一の絶
縁基板が、平板状に形成されており、したがって、固体
電解コンデンサ内蔵基板を作製する際に、固体電解コン
デンサを、平板状の第一の絶縁基板と、第二の絶縁基板
の平板状の基板およびこれと一体的に形成された枠状の
基板とによって形成した実質的に閉じた空間内に、収容
させることができるから、固体電解コンデンサに過大な
圧力が加わることがなく、したがって、弁金属基体の表
面に形成された絶縁性酸化皮膜が、作製時に加えられる
圧力によって、破壊されて、陽極として作用する弁金属
基体と、固体高分子電解質層とが接触し、通電した際
に、ショートが発生するおそれがない。
【0079】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第二の絶縁基板の前記枠状の基板部が、前記平
板状の基板部の周縁部に位置している。
【0080】本発明の前記目的はまた、表面が粗面化さ
れ、絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体と、
前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、絶縁性酸化皮
膜、固体高分子電解質層および導電体層が、順次、形成
された少なくとも1つの固体電解コンデンサを内蔵する
固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法であって、前記
箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、箔状のリード電
極金属基体の一端部近傍領域とを、金属間が電気的に接
続されるように、接合して、接合部を形成し、前記箔状
の弁金属基体と前記箔状のリード電極金属基体の接合体
を形成する工程と、前記接合体に、少なくとも1つの貫
通孔を形成する工程と、前記箔状の弁金属基体と前記箔
状のリード電極金属基体の接合体を構成する前記箔状の
弁金属基体を、化成溶液に浸し、前記接合体に、電圧を
印加して、陽極酸化処理を施し、前記弁金属基体の少な
くともエッジ部分に、絶縁性酸化皮膜を形成する工程
と、陽極酸化処理が施された前記箔状の弁金属基体の全
表面上に、固体高分子電解質層を形成する工程と、前記
固体高分子電解質層上に、導電性ペーストを塗布し、乾
燥して、導電体層を形成し、少なくとも1つの固体電解
コンデンサを生成する工程と、前記少なくとも1つの固
体電解コンデンサを、一方の面に、少なくとも1つの配
線パターンが形成される絶縁基板の他方の面に、取り付
ける工程とを備え、前記絶縁基板に、前記接合体の少な
くとも1つの貫通孔に対応して、前記接合体の少なくと
も1つの貫通孔よりも径の小さい少なくとも一つの貫通
孔を形成し、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサ
を、前記接合体の前記少なくとも1つの貫通孔の中心と
前記絶縁基板前記少なくとも1つの貫通孔の中心とがほ
ぼ一致するように、前記絶縁基板の他方の面に、取り付
けて、少なくとも1つのスルーホールを形成することを
特徴とする固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法によ
って達成される。
【0081】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状の弁金属基体に、少なくとも1つの貫通孔を形成
するように構成されている。
【0082】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状のリード電極金属基体に、少なくとも1つの貫通
孔を形成するように構成されている。
【0083】本発明の好ましい実施態様においては、前
記箔状のリード電極基体が、表面が粗面化されていない
箔状の弁金属基体と、箔状の導電性金属基体を含み、前
記固体電解コンデンサが、表面が粗面化され、絶縁性酸
化皮膜が形成された前記箔状の弁金属基体の一端部近傍
領域に、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
体の一端部近傍領域が、弁金属間が電気的に接続される
ように、接合され、表面が粗面化されていない前記箔状
の弁金属基体の他端部近傍領域に、前記箔状の導電性金
属基体の一端部近傍領域が、金属間が電気的に接続され
るように、接合された陽極電極を備えている。
【0084】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前
記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、表面が粗面化
されていない前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と
が、超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合され、
表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の他端
部近傍領域と、前記箔状の導電性金属基体の一端部近傍
領域とが、超音波溶接あるいは冷間圧接によって、接合
されている。
【0085】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前
記箔状の弁金属基体に、少なくとも1つの貫通孔を形成
するように構成されている。
【0086】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体
に、少なくとも1つの貫通孔を形成するように構成され
ている。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記箔状の導電性金属基体に、少なくとも1つの貫
通孔を形成するように構成されている。
【0088】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つの固体電解コンデンサを、前記絶縁基
板の他方の面に取り付けた後、前記少なくとも1つの固
体電解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔および
前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔に樹脂を注
入し、前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔にほ
ぼ等しい径を有するように、前記樹脂を除去して、前記
少なくとも1つのスルーホールを形成するように構成さ
れている。
【0089】本発明の好ましい実施態様においては、前
記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線パター
ンを形成するように構成されている。
【0090】本発明の好ましい実施態様においては、前
記絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの電子部品を
搭載するように構成されている。
【0091】本発明の好ましい実施態様においては、第
一の絶縁基板に加えて、さらに、前記少なくとも1つの
固体電解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔に対
応して、前記第一の絶縁基板の前記少なくとも1つの貫
通孔と径がほぼ等しい少なくとも1つの貫通孔が形成さ
れ、一方の面に、少なくとも1つの配線パターンが形成
された第二の絶縁基板を用意し、前記第二の絶縁基板の
他方の面が、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサ
に対向するように、前記少なくとも1つの固体電解コン
デンサを、前記第一の絶縁基板および前記第二の絶縁基
板の間に固定し、前記少なくとも1つの固体電解コンデ
ンサの前記少なくとも1つの貫通孔、前記第一の絶縁基
板の前記少なくとも1つの貫通孔および前記第二の絶縁
基板の前記少なくとも1つの貫通孔によって、少なくと
も1つのスールーホールを形成するように構成されてい
る。
【0092】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つの固体電解コンデンサを、前記第一の
絶縁基板および前記第二の絶縁基板に取り付けた後、前
記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少なくと
も1つの貫通孔、前記第一の絶縁基板の前記少なくとも
1つの貫通孔および前記第二の絶縁基板の前記少なくと
も1つの貫通孔に、樹脂を充填し、前記第一の絶縁基板
の前記少なくとも1つの貫通孔および前記第二の絶縁基
板の前記少なくとも1つの貫通孔にほぼ等しい径を有す
るように、前記樹脂を除去して、前記少なくとも1つの
スールーホールを形成するように構成されている。
【0093】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第一の絶縁基板に、さらに、少なくとも1つのスルー
ホールを形成するように構成されている。
【0094】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールを、前記少なく
とも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極の一方
に対応する位置に形成するように構成されている。
【0095】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールを介して、前記
少なくとも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極
の一方と、前記第一の絶縁基板の前記少なくとも1つの
固体電解コンデンサが固定された表面の反対側の表面に
形成された前記少なくとも1つの配線パターンとを電気
的に接続するように構成されている。
【0096】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの配線
パターンを形成するように構成されている。
【0097】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板の他方の面に、少なくとも1つの電子
部品を搭載するように構成されている。
【0098】本発明の好ましい実施態様においては、前
記第二の絶縁基板に、さらに、少なくとも1つのスルー
ホールを形成するように構成されている。
【0099】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つのスルーホールを、前記少なく
とも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極の一方
に対応する位置に形成するように構成されている。
【0100】本発明の好ましい実施態様においては、前
記少なくとも1つのスルーホールを介して、前記少なく
とも1つの固体電解コンデンサの陽極および陰極の一方
と、前記第二の絶縁基板の前記固体電解コンデンサとは
反対側の表面に形成された前記少なくとも1つの配線パ
ターンとを電気的に接続するように構成されている。
【0101】本発明において、弁金属基体は、絶縁酸化
皮膜形成能を有する金属およびその合金よりなる群から
選ばれる金属または合金によって形成される。好ましい
弁金属としては、アルミニウム、タンタル、チタン、ニ
オブおよびジルコニウムよりなる群から選ばれる1種の
金属または2種以上の金属の合金が挙げられ、これらの
中でも、アルミニウムおよびタンタルが、とくに好まし
い。陽極電極は、これらの金属あるいは合金を、箔状に
加工して、形成される。
【0102】本発明において、導電性金属の材料は、導
電性を有する金属または合金であればよく、とくに限定
されるものではないが、好ましくは、ハンダ接続が可能
であり、とくに、銅、真鍮、ニッケル、亜鉛およびクロ
ムよりなる群から選ばれる1種の金属または2種以上の
金属の合金から選択されることが好ましく、これらの中
では、電気的特性、後工程での加工性、コストなどの観
点から、銅が最も好ましく使用される。
【0103】本発明において、固体高分子電解質層は、
導電性高分子化合物を含有し、好ましくは、化学酸化重
合あるいは電解酸化重合によって、表面が粗面化され、
絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、形
成される。
【0104】化学酸化重合によって、固体高分子電解質
層を形成する場合、具体的には、固体高分子電解質層
は、たとえば、以下のようにして、表面が粗面化され、
絶縁性酸化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、形
成される。
【0105】まず、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜
が形成された箔状の弁金属基体上のみに、0.001な
いし2.0モル/リットルの酸化剤を含む溶液、あるい
は、さらに、ドーパント種を与える化合物を添加した溶
液を、塗布、噴霧などの方法によって、均一に付着させ
る。
【0106】次いで、好ましくは、少なくとも0.01
モル/リットルの導電性高分子化合物の原料モノマーを
含む溶液あるいは導電性高分子化合物の原料モノマー自
体を、箔状の弁金属基体の表面に形成された絶縁性酸化
皮膜に、直接接触させる。これによって、原料モノマー
が重合し、導電性高分子化合物が合成され、箔状の弁金
属基体の表面に形成された絶縁性酸化皮膜上に、導電性
高分子化合物よりなる固体高分子電解質層が形成され
る。
【0107】本発明において、固体高分子電解質層に含
まれる導電性高分子化合物としては、置換または非置換
のπ共役系複素環式化合物、共役系芳香族化合物および
ヘテロ原子含有共役系芳香族化合物よりなる群から選ば
れる化合物を、原料モノマーとするものが好ましく、こ
れらのうちでは、置換または非置換のπ共役系複素環式
化合物を、原料モノマーとする導電性高分子化合物が好
ましく、さらに、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリフランおよびこれらの誘導体よりなる群
から選ばれる導電性高分子化合物、とくに、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンが
好ましく使用される。
【0108】本発明において、固体高分子電解質層に好
ましく使用される導電性高分子化合物の原料モノマーの
具体例としては、未置換アニリン、アルキルアニリン
類、アルコキシアニリン類、ハロアニリン類、o−フェ
ニレンジアミン類、2,6−ジアルキルアニリン類、
2,5−ジアルコキシアニリン類、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、ピロール、3−メチルピロール、
3−エチルピロール、3−プロピルピロール、チオフェ
ン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、
3,4−エチレンジオキシチオフェンなどを挙げること
ができる。
【0109】本発明において、化学酸化重合に使用され
る酸化剤は、とくに限定されるものではないが、たとえ
ば、ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素などのハロゲン化物、五
フッ化珪素、五フッ化アンチモン、四フッ化珪素、五塩
化リン、五フッ化リン、塩化アルミニウム、塩化モリブ
デンなどの金属ハロゲン化物、硫酸、硝酸、フルオロ硫
酸、トリフルオロメタン硫酸、クロロ硫酸などのプロト
ン酸、三酸化イオウ、二酸化窒素などの酸素化合物、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、
過酢酸、ジフルオロスルホニルパーオキサイドなどの過
酸化物が、酸化剤として使用される。
【0110】本発明において、必要に応じて、酸化剤に
添加されるドーパント種を与える化合物としては、たと
えば、LiPF、LiAsF、NaPF、KPF
、KAsFなどの陰イオンがヘキサフロロリンアニ
オン、ヘキサフロロ砒素アニオンであり、陽イオンがリ
チウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属カチ
オンである塩、LiBF、NaBF、NH
、(CHNBF 、(n−CNB
などの四フッ過ホウ素塩化合物、p−トルエンスル
ホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、P−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
メチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、βーナフタレンスルホン酸などのスルホン酸ま
たはその誘導体、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、2,6−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、トル
エンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸テトラ
ブチルアンモニウムなどのスルホン酸またはその誘導体
の塩、塩化第二鉄、臭化第二鉄、塩化第二銅、集荷第二
銅などの金属ハロゲン化物、塩酸、臭化水素、ヨウ化水
素、硫酸、リン酸、硝酸あるいはこれらのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩、過塩
素酸、過塩素酸ナトリウムなどの過ハロゲン酸もしくは
その塩などのハロゲン化水素酸、無機酸またはその塩、
酢酸、シュウ酸、蟻酸、酪酸、コハク酸、乳酸、クエン
酸、フタル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、ニ
コチン酸などのモノもしくはジカルボン酸、芳香族複素
環式カルボン酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン化さ
れたカルボン酸およびこれらの塩などのカルボン酸類を
挙げることができる。
【0111】本発明において、これらの酸化剤およびド
ーパント種を与えることのできる化合物は、水や有機溶
媒などに溶解させた適当な溶液の形で使用される。溶媒
は、単独で使用しても、2種以上を混合して、使用して
もよい。混合溶媒は、ドーパント種を与える化合物の溶
解度を高める上でも有効である。混合溶媒としては、溶
媒間に相溶性を有するものおよび酸化剤およびドーパン
ト種を与えることのできる化合物と相溶性を有するもの
が好ましい。溶媒の具体例としては、有機アミド類、含
硫化合物、エステル類、アルコール類が挙げられる。
【0112】一方、電解酸化重合によって、固体高分子
電解質層を、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形成
された箔状の弁金属基体上に形成する場合には、公知の
ように、導電性下地層を作用極として、対向電極ととも
に、導電性高分子化合物の原料モノマーと支持電解質を
含んだ電解液中に浸漬し、電流を供給することによっ
て、固体高分子電解質層が形成される。
【0113】具体的には、表面が粗面化され、絶縁性酸
化皮膜が形成された箔状の弁金属基体上に、好ましく
は、化学酸化重合によって、まず、薄層の導電性下地層
が形成される。導電性下地層の厚さは、一定の重合条件
のもとで、重合回数を制御することによって、制御され
る。重合回数は、原料モノマーの種類によって決定され
る。
【0114】導電性下地層は、金属、導電性を有する金
属酸化物、導電性高分子化合物のいずれから構成しても
よいが、導電性高分子化合物から構成することが好まし
い。導電性下地層を構成するための原料モノマーとして
は、化学酸化重合に用いられる原料モノマーを用いるこ
とができ、導電性下地層に含まれる導電性高分子化合物
は、化学酸化重合によって形成される固体高分子電解質
層に含まれる導電性高分子化合物と同様である。
【0115】導電性下地層を構成するための原料モノマ
ーとして、エチレンジオキシチオフェン、ピロールを用
いる場合は、化学酸化重合のみで高分子固体電解質層を
形成する場合に生成される導電性高分子の全量の10%
〜30%(重量比)程度の導電性高分子が生成する条件
になるように重合回数を換算して、導電性下地層が形成
すればよい。
【0116】その後、導電性下地層を作用極として、対
向電極とともに、導電性高分子化合物の原料モノマーと
支持電解質を含んだ電解液中に浸漬し、電流を供給する
ことによって、導電性下地層上に、固体高分子電解質層
が形成される。
【0117】電解液には、必要に応じて、導電性高分子
化合物の原料モノマーおよび支持電解質に加えて、種々
の添加剤を添加することができる。
【0118】固体高分子電解質層に使用することのでき
る導電性高分子化合物は、導電性下地層に使用される導
電性高分子化合物、したがって、化学酸化重合に用いら
れる導電性高分子化合物と同様であり、置換または非置
換のπ共役系複素環式化合物、共役系芳香族化合物およ
びヘテロ原子含有共役系芳香族化合物よりなる群から選
ばれる化合物を、原料モノマーとする導電性高分子化合
物が好ましく、これらのうちでは、置換または非置換の
π共役系複素環式化合物を、原料モノマーとする導電性
高分子化合物が好ましく、さらに、ポリアニリン、ポリ
ピロール、ポリチオフェン、ポリフランおよびこれらの
誘導体よりなる群から選ばれる導電性高分子化合物、と
くに、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオ
キシチオフェンが好ましく使用される。
【0119】支持電解質は、組み合わせるモノマーおよ
び溶媒に応じて、選択されるが、支持電解質の具体例と
しては、たとえば、塩基性の化合物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが、酸性の化合物
としては、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素、過塩素酸、ト
リフルオロ酢酸、スルホン酸などが、塩としては、塩化
ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カ
リウム、硝酸カリウム、過ヨウ酸ナトリウム、過塩素酸
ナトリウム、過塩素酸リチウム、ヨウ化アンモニウム、
塩化アンモニウム、四フッ化ホウ素塩化合物、テトラメ
チルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウ
ムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルア
ンモニウムパークロライド、テトラブチルアンモニウム
パークロライド、テトラメチルアンモニウム、D−トル
エンスルホン酸クロライド、ポリジサリチル酸トリエチ
ルアミン、10−カンファースルホン酸ナトリウムなど
が、それぞれ、挙げられる。
【0120】本発明において、支持電解質の溶解濃度
は、所望の電流密度が得られるように設定すればよく、
とくに限定されないが、一般的には、0.05ないし
1.0モル/リットルの範囲内に設定される。
【0121】本発明において、電解酸化重合で用いられ
る溶媒は、とくに限定されるものではなく、たとえば、
水、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒またはこれらの
溶媒を2種以上を混合した混合溶媒から、適宜選択する
ことができる。混合溶媒としては、溶媒間に相溶性を有
するものならびにモノマーおよび支持電解質と相溶性を
有するものが好ましく使用できる。
【0122】本発明において使用されるプロトン性溶媒
の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、tert−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、
ジエチルアミン、エチレンジアミンなどを挙げることが
できる。
【0123】また、非プロトン性溶媒の具体例として
は、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、二硫化炭
素、アセトニトリル、アセトン、プロピレンカーボネー
ト、ニトロメタン、ニトロベンゼン、酢酸エチル、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホ
キシドなどが挙げられる。
【0124】本発明において、電解酸化重合によって、
固体高分子電解質層を形成する場合には、定電圧法、定
電流法、電位掃引法のいずれを用いてもよい。また、電
解酸化重合の過程で、定電圧法と定電流法を組み合わせ
て、導電性高分子化合物を重合することもできる。電流
密度は、とくに限定されないが、最大で、500mA/
cm程度である。
【0125】本発明において、化学酸化重合時あるいは
電解酸化重合時に、特開2000−100665号公報
に開示されるように、超音波を照射しつつ、導電性高分
子化合物を重合することもできる。超音波を照射しつ
つ、導電性高分子化合物を重合する場合には、得られる
固体高分子電解質層の膜質を改善することが可能にな
る。
【0126】本発明において、固体高分子電解質層の最
大厚さは、エッチングなどによって形成された陽極電極
表面の凹凸を完全に埋めることができるような厚さであ
ればよく、とくに限定されないが、一般に、5ないし1
00μm程度である。
【0127】本発明において、固体電解コンデンサは、
さらに、固体高分子電解質層上に、陰極として機能する
導電体層を備えており、導電体層としては、グラファイ
トペースト層および銀ペースト層を設けることができ、
グラファイトペースト層および銀ペースト層は、スクリ
ーン印刷法、スプレー塗布法などによって形成すること
ができる。 銀ペースト層のみによって、固体電解コン
デンサの陰極を形成することもできるが、グラファイト
ペースト層を形成する場合には、銀ペースト層のみによ
って、固体電解コンデンサの陰極を形成する場合に比し
て、銀のマイグレーションを防止することができる。
【0128】陰極として、グラファイトペースト層およ
び銀ペースト層を形成するにあたっては、メタルマスク
などによって、粗面化処理が施され、絶縁酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体に対応する部分を除いた部分
がマスクされ、粗面化処理が施され、絶縁酸化皮膜が形
成された箔状の弁金属基体に対応する部分にのみ、グラ
ファイトペースト層および銀ペースト層が形成される。
【0129】本発明において、固体電解コンデンサは、
一方の面に、少なくとも1つの配線パターンが形成され
た1つの絶縁基板の他方の面側に固定され、あるいは、
それぞれ、一方の面に、少なくとも1つの配線パターン
が形成された互いに対向する一対の絶縁基板の他方の面
の間に固定される。
【0130】本発明において、絶縁基板の材料は、とく
に限定されないが、樹脂として、接着性や耐溶剤性など
が良好なフェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂などによって形成することがで
き、さらに、有機材料系に限らず、無機材料によって、
絶縁基板を形成してもよく、アルミナ基板などの金属酸
化物系の基板も、本発明の絶縁基板として、使用するこ
とができる。
【0131】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0132】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る固体電解コンデンサ内蔵基板に内蔵される固体電解コ
ンデンサの陽極電極の略平面図であり、図2は、A−A
線に沿った略断面図である。
【0133】本実施態様においては、絶縁酸化皮膜形成
能を有する弁金属として、アルミニウムが用いられ、図
1および図2に示されるように、本実施態様にかかる固
体電解コンデンサの陽極電極1は、表面が粗面化(拡面
化)され、表面に、絶縁酸化皮膜である酸化アルミニウ
ム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体2と、表面
が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3と、リ
ード電極を構成する金属導体として、箔状の銅基体4を
備えている。
【0134】図1および図2に示されるように、本実施
態様にかかる陽極電極は、表面が粗面化され、表面に、
酸化アルミニウム皮膜が形成された箔状のアルミニウム
基体2の一端部領域には、表面が粗面化されていない箔
状のアルミニウム基体3の一端部領域が、超音波溶接に
よって、弁金属間が電気的に接続されるように、接合さ
れ、さらに、表面が粗面化されていない箔状のアルミニ
ウム基体3の他端部領域には、箔状の銅基体4の一端部
領域が、超音波溶接によって、金属間が電気的に接続さ
れるように、接合されて、形成されている。
【0135】陽極電極の形成にあたっては、まず、所定
寸法に切断されたリード電極を構成すべき箔状の銅基体
4と、アルミニウム箔シートから、所定寸法に切り出さ
れ、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
3が、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに重なり合
うように、重ね合わされる。
【0136】次いで、互いに重ね合わされている箔状の
銅基体4の端部領域と、箔状のアルミニウム基体3の端
部領域とが、超音波溶接によって、接合されて、溶接接
合部5が形成される。箔状のアルミニウム基体3の表面
に、酸化アルミニウム皮膜が形成されている場合でも、
超音波溶接によって、接合することによって、酸化アル
ミニウム皮膜が除去され、金属間が電気的に接続される
ように、箔状の銅基体4の端部領域と、箔状のアルミニ
ウム基体3の端部領域とが接合される。ここに、互いに
重なり合う箔状の銅基体4の端部領域および箔状のアル
ミニウム基体3の端部領域の面積は、接合部が、所定の
強度を有するように決定される。
【0137】その後、表面が粗面化され、表面に酸化ア
ルミニウム皮膜が形成されている所定寸法の箔状のアル
ミニウム基体2が、アルミニウム箔シートから切り出さ
れ、箔状の銅基体4と箔状のアルミニウム基体3の接合
体の表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
3と、それぞれ、所定面積の端部領域が互いに重なり合
うように、重ね合わされる。
【0138】次いで、互いに重ね合わされている表面が
粗面化され、表面に酸化アルミニウム皮膜が形成された
箔状のアルミニウム基体2の端部領域と、表面が粗面化
されていない箔状のアルミニウム基体3の端部領域と
が、超音波溶接によって、接合されて、溶接接合部6が
生成される。ここに、超音波溶接によって、接合するこ
とによって、箔状のアルミニウム基体2の表面に形成さ
れている酸化アルミニウム皮膜が除去され、アルミニウ
ム純金属間が電気的に接続されるように、表面が粗面化
されていない箔状のアルミニウム基体3の端部領域と、
表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2の端
部領域とが接合される。ここに、互いに重なり合う箔状
のアルミニウム基体3の端部領域および箔状のアルミニ
ウム基体2の端部領域の面積は、接合部が、所定の強度
を有するように決定される。
【0139】図1および図2に示されるように、本実施
態様においては、表面が粗面化され、表面に、絶縁酸化
皮膜である酸化アルミニウム皮膜が形成された箔状のア
ルミニウム基体2に、2つの貫通孔50、50が、表面
が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3に、1
つの貫通孔50が、それぞれ、形成されており、これら
の貫通孔50、50、50は等しい径を有している。
【0140】貫通孔50は、溶接接合の前に形成されて
もよいし、溶接接合後に形成されてもよい。
【0141】こうして、形成された陽極電極1は、誘電
体を構成する表面が粗面化され、表面に酸化アルミニウ
ム皮膜が形成された箔状のアルミニウム基体2が、アル
ミニウム箔シートから切り出されたものであるため、そ
のエッジ部には、酸化アルミニウム皮膜が形成されては
おらず、また、貫通孔50の内壁にも、酸化アルミニウ
ム皮膜が形成されてはいないから、固体電解コンデンサ
の陽極電極として用いるためには、表面が粗面化されて
いる箔状のアルミニウム基体2のエッジ部に、陽極酸化
によって、酸化アルミニウム皮膜を形成することが必要
である。
【0142】図3は、表面が粗面化されている箔状のア
ルミニウム基体2のエッジ部および貫通孔50の内壁
に、酸化アルミニウム皮膜を形成する陽極酸化方法を示
す略断面図である。
【0143】図3に示されるように、ステンレスビーカ
ー7中に収容されたアジピン酸アンモニウム水溶液より
なる化成溶液8中に、表面が粗面化された箔状のアルミ
ニウム基体2の全体と、表面が粗面化されていない箔状
のアルミニウム基体3の一部が浸漬されるように、陽極
電極1がセットされ、箔状の銅基体4がプラスに、ステ
ンレスビーカー7がマイナスになるように、電圧が印加
される。
【0144】使用電圧は、形成すべき酸化アルミニウム
皮膜の膜厚に応じて、適宜決定することができ、10n
mないし1μmの膜厚を有する酸化アルミニウム皮膜を
形成するときは、通常、数ボルトないし20ボルト程度
に設定される。
【0145】その結果、陽極酸化が開始され、化成溶液
8は、箔状のアルミニウム基体2の表面が粗面化されて
いるため、毛細管現象によって、上昇するが、箔状のア
ルミニウム基体3の表面は粗面化されていないため、表
面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2と、表
面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体3の接
合部を越えて、上昇することはなく、したがって、リー
ド電極を構成する箔状の銅基体4に化成溶液8が接触す
ることが確実に防止され、エッジ部および貫通孔50の
内壁を含む表面が粗面化されている箔状のアルミニウム
基体2の全表面および表面が粗面化されている箔状のア
ルミニウム基体2に接合された表面が粗面化されていな
い箔状のアルミニウム基体3の領域のみに、酸化アルミ
ニウム皮膜9が形成される。
【0146】こうして、生成された陽極電極1の表面が
粗面化され、酸化アルミニウム皮膜9が形成されている
箔状のアルミニウム基体2の全表面上に、公知の方法
で、陰極電極が形成され、固体電解コンデンサが生成さ
れる。
【0147】図4は、固体電解コンデンサの略断面図で
ある。
【0148】図4に示されるように、固体電解コンデン
サ10は、陽極電極1の表面が粗面化され、酸化アルミ
ニウム皮膜9が形成されている箔状のアルミニウム基体
2の貫通孔50が形成された部分を除く全表面上に、固
体高分子電解質層11、グラファイトペースト層12お
よび銀ペースト層13からなる陰極電極14を備えてい
る。
【0149】導電性高分子化合物を含む固体高分子電解
質層11は、陽極電極1の表面が粗面化され、酸化アル
ミニウム皮膜が形成されている箔状のアルミニウム基体
2の表面上に、化学酸化重合あるいは電解酸化重合によ
って形成される。ただし、貫通孔50が形成されている
箔状のアルミニウム基体2の部分には、固体高分子電解
質層11は形成されない。
【0150】さらに、グラファイトペースト層12およ
び銀ペースト層13は、固体高分子電解質層11の表面
上に、スクリーン印刷法あるいはスプレー塗布法によっ
て形成される。同様に、貫通孔50が形成されている箔
状のアルミニウム基体2の部分には、グラファイトペー
スト層12および銀ペースト層13は形成されない。
【0151】こうして生成された固体電解コンデンサ1
0は、一対の絶縁基板の間に、固定されて、プリント基
板に内蔵され、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板が
作製される。
【0152】図5は、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板の略断面図である。
【0153】図5に示されるように、固体電解コンデン
サ内蔵プリント基板20は、互いに対向する第一の絶縁
基板21と第二の絶縁基板22を備え、第一の絶縁基板
21と第二の絶縁基板22との間に、固体電解コンデン
サ10を備えている。
【0154】第一の絶縁基板21には、互いに対向する
2つの側部に沿って、その高さが、固体電解コンデンサ
10の厚さよりも大きいバンク23が設けられており、
固体電解コンデンサ10は、バンク23によって形成さ
れた凹部空間内の第一の絶縁基板21の一面上の所定の
位置に位置決めされて、接着剤24によって固定され
る。
【0155】本実施態様においては、バンク23は、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質
の基板を、その周縁部に、所定面積の部分が残されるよ
うに打ち抜き加工して、枠状の基板を形成し、第一の絶
縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質の接着
剤を用いて、枠状の基板を第一の絶縁基板に固定するこ
とによって、形成されている。
【0156】第一の絶縁基板21には、固体電解コンデ
ンサ10の箔状のアルミニウム基体2に形成された2つ
の貫通孔50、50および箔状のアルミニウム基体3に
形成された1つの貫通孔50に対応するように、対応す
る固体電解コンデンサ10の貫通孔50よりも径が小さ
い貫通孔25、25、25(図5においては、2つのみ
が図示されている)が形成されており、固体電解コンデ
ンサ10は、箔状のアルミニウム基体2に形成された2
つの貫通孔50、50および箔状のアルミニウム基体3
に形成された1つの貫通孔50の中心が、第一の絶縁基
板21に形成された対応する貫通孔25、25、25の
中心と一致するように、位置決めされて、第一の絶縁基
板21の上面に固定される。
【0157】第一の絶縁基板21の下面には、配線パタ
ーン26が形成されており、第一の絶縁基板21には、
さらに、複数のスルーホール27が形成されている。
【0158】固体電解コンデンサ10が、第一の絶縁基
板21の上面に位置決めされて、接着剤24によって、
第一の絶縁基板21上に固定されると、樹脂26が流し
込まれ、第一の絶縁基板21に形成されたバンク23上
に、第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と同
じ材質の接着剤(図示せず)および平板状の第二の絶縁
基板22が重ね合わされる。
【0159】第一の絶縁基板21と同様に、第二の絶縁
基板22にも、固体電解コンデンサ10の箔状のアルミ
ニウム基体2に形成された2つの貫通孔50、50およ
び箔状のアルミニウム基体3に形成された1つの貫通孔
50に対応するように、対応する固体電解コンデンサ1
0の貫通孔50よりも径が小さく、第一の絶縁基板21
に形成された貫通孔25、25、25と等しい径を有す
る貫通孔28、28、28が形成されており、第二の絶
縁基板22は、箔状のアルミニウム基体2に形成された
2つの貫通孔50、50および箔状のアルミニウム基体
3に形成された1つの貫通孔50の中心が、第二の絶縁
基板22に形成された対応する貫通孔28、28、28
の中心と一致するように、位置決めされて、バンク23
上に、重ね合わされる。
【0160】その結果、第一の絶縁基板21および第二
の絶縁基板22と同じ材質の接着剤によって、接着され
て、固体電解コンデンサ10が、第一の絶縁基板21お
よび第二の絶縁基板22と一体化されて、固体電解コン
デンサ内蔵プリント基板20が生成される。
【0161】第二の絶縁基板22の上面には、配線パタ
ーン29が形成され、第二の絶縁基板22にも、複数の
スルーホール30が形成されている。
【0162】こうして、固体電解コンデンサ10が、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22と一体化さ
れると、第二の絶縁基板22に形成された貫通孔28、
28、28に、エポキシ樹脂などの樹脂31が、注入さ
れ、第二の絶縁基板22に形成された貫通孔28、2
8、28、固体電解コンデンサ10に形成された貫通孔
50、50、50および第一の絶縁基板21に形成され
た貫通孔25、25、25に、エポキシ樹脂などの樹脂
31が充填される。
【0163】第二の絶縁基板22に形成された貫通孔2
8、28、28、固体電解コンデンサに形成された貫通
孔50、50、50および第一の絶縁基板21に形成さ
れた貫通孔25、25、25に充填されたエポキシ樹脂
などの樹脂31の硬化後、第二の絶縁基板22に形成さ
れた貫通孔28、28、28および第一の絶縁基板21
に形成された貫通孔25、25、25の径に等しい径を
有するドリルを用いて、樹脂によって、埋められた第二
の絶縁基板22の貫通孔28、28、28、固体電解コ
ンデンサ10の貫通孔50、50、50および第一の絶
縁基板21の貫通孔25、25、25が穿孔され、樹脂
31が除去される。
【0164】その結果、第一の絶縁基板21に形成され
た貫通孔25、25、25の径および第二の絶縁基板2
2に形成された貫通孔28、28、28の径は、固体電
解コンデンサ10に形成された貫通孔50、50、50
の径よりも小さいため、固体電解コンデンサ10と、第
一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22の間の空間
ならびに固体電解コンデンサ10に形成された貫通孔5
0、50、50の内部には、樹脂31が残存し、第一の
絶縁基板21に形成された貫通孔25、25、25の径
および第二の絶縁基板22に形成された貫通孔28、2
8、28の径に等しいスルーホール32、32が、固体
電解コンデンサ内蔵プリント基板20に形成される。
【0165】このように、固体電解コンデンサ10と、
第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板22の間の空
間ならびに固体電解コンデンサ10に形成された貫通孔
50、50、50の内部に、樹脂31が残存するため、
固体電解コンデンサ10と第一の絶縁基板21および第
二の絶縁基板22との密着強度が向上され、固体電解コ
ンデンサ内蔵プリント基板20の機械的強度を向上させ
ることが可能になる。
【0166】さらに、第一の絶縁基板21の下面および
第二の絶縁基板22の上面には、電子部品33が搭載さ
れ、そのコンタクトが、配線パターン26、29に電気
的に接続される。
【0167】第一の絶縁基板21および第二の絶縁基板
22は、それぞれ、固体電解コンデンサ10の陽極電極
1の箔状の銅基体4に対応する位置および陰極電極14
に対応する位置に、スルーホール27、30を備えてお
り、スルーホール27、30を介して、固体電解コンデ
ンサ10の陽極電極1および陰極電極14を目視によっ
て、確認することができるように構成されている。
【0168】第一の絶縁基板21に形成されたスルーホ
ール27を介して、固体電解コンデンサ10の陽極電極
1が、ハンダ34によって、第一の絶縁基板21に形成
された配線パターン26に電気的に接続され、第一の絶
縁基板21に形成された別のスルーホール27に充填さ
れた導電性樹脂35によって、固体電解コンデンサ10
の陰極電極14が、第一の絶縁基板21に形成された配
線パターン26に電気的に接続される。
【0169】本実施態様によれば、固体電解コンデンサ
10の箔状のアルミニウム基体2自体に、2つの貫通孔
50、50が形成され、箔状のアルミニウム基体3自体
に、1つの貫通孔50が形成されるとともに、固体電解
コンデンサ10の貫通孔50、50、50に対応する位
置に、第一の絶縁基板21が貫通孔25、25、25
を、第二の絶縁基板22が貫通孔28、28、28を、
それぞれ、備え、これらの貫通孔50、50、50、2
5、25、25、28、28、28によって、固体電解
コンデンサ内蔵プリント基板20に、スルーホール3
2、32が形成されているから、大容量化の要請によっ
て、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板20中に占め
る固体電解コンデンサの面積10が大きくなっても、大
きな自由度をもって、配線を形成することが可能にな
る。
【0170】さらに、本実施態様によれば、第一の絶縁
基板22には、バンク23が設けられ、固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板20の作製にあたり、固体電解コ
ンデンサ10は、第一の絶縁基板21、バンク23およ
び第二の絶縁基板22によって形成される実質的に閉じ
た空間内に収容されているから、第二の絶縁基板22
を、固体電解コンデンサ10および第一の絶縁基板21
と一体化させる際に、固体電解コンデンサに過度な圧力
が加わることがなく、したがって、箔状のアルミニウム
基体2の表面に形成された酸化アルミニウム皮膜9が破
壊されて、陽極として作用するアルミニウムと固体高分
子電解質層11とが接触し、通電時に、ショートが発生
することを確実に防止することが可能になるとともに、
平面性に優れた固体電解コンデンサ内蔵プリント基板2
0を作製することが可能になる。
【0171】また、本実施態様によれば、固体電解コン
デンサの陽極電極1は、表面が粗面化され、その表面
に、絶縁酸化皮膜である酸化アルミニウム皮膜9が形成
された箔状のアルミニウム基体2と、表面が粗面化され
ていない箔状のアルミニウム基体3と、金属導体とし
て、箔状の銅基体4を備え、表面が粗面化され、表面
に、酸化アルミニウム皮膜9が形成された箔状のアルミ
ニウム基体2の一端部領域と、表面が粗面化されていな
い箔状のアルミニウム基体3の一端部領域が、超音波溶
接によって、弁金属間が電気的に接続されるように、接
合され、さらに、表面が粗面化されていない箔状のアル
ミニウム基体3の他端部領域と、箔状の銅基体4の一端
部領域が、超音波溶接によって、金属間が電気的に接続
されるように、接合されているから、表面が粗面化され
ている箔状のアルミニウム基体2のエッジ部および貫通
孔50の内壁に、陽極酸化によって、酸化アルミニウム
皮膜を形成するために、化成溶液8内に、表面が粗面化
された箔状のアルミニウム基体2の全体と、表面が粗面
化されていない箔状のアルミニウム基体3の一部を浸漬
させて、陽極酸化処理をおこなうときに、毛細管現象に
よって、表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基
体2に沿って上昇した化成溶液8は、表面が粗面化され
ている箔状のアルミニウム基体2と、表面が粗面化され
ていない箔状のアルミニウム基体3の接合部を越えて、
上昇することはなく、したがって、リード電極を構成す
る箔状の銅基体4に化成溶液8が接触することが確実に
防止され、エッジ部および貫通孔50の内壁を含む表面
が粗面化されている箔状のアルミニウム基体2の全表面
および表面が粗面化されている箔状のアルミニウム基体
2に接合された表面が粗面化されていない箔状のアルミ
ニウム基体3の領域のみに、酸化アルミニウム皮膜9を
形成することが可能になる。
【0172】
【実施例】以下、本発明の効果をより一層明らかなもの
とするため、実施例および比較例を掲げる。
【0173】実施例1 固体高分子電解質層を有する固体電解コンデンサを、以
下のようにして、作製した。
【0174】銅箔シートから、0.5cm×1cmの寸
法で切り出された厚さ60μmの銅箔と、アルミニウム
箔シートから、1cm×1cmの寸法で切り出された粗
面化処理が施されていない厚さ60μmのアルミニウム
箔を、それぞれの一端部領域が3mmだけ重なり合うよ
うに、重ね合わせ、それぞれの一端部領域が重なり合っ
た部分を、日本エマソン株式会社ブランソン事業本部製
の40kHz−超音波溶接機によって、接合するととも
に、電気的に接続して、銅箔と粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔の接合体を形成した。
【0175】次いで、酸化アルミニウム皮膜が形成さ
れ、粗面化処理が施されている厚さ100μmのアルミ
ニウム箔シートから、1cm×1.5cmの寸法で、ア
ルミニウム箔を切り出し、その端部領域が、粗面化処理
が施されていないアルミニウム箔の他端部領域と3mm
だけ重なり合うように、銅箔と粗面化処理が施されてい
ないアルミニウム箔の接合体に重ね合わせ、それぞれの
端部領域が重なり合った部分を、日本エマソン株式会社
ブランソン事業本部製の40kHz−超音波溶接機によ
って、接合するとともに、電気的に接続して、銅箔、粗
面化処理が施されていないアルミニウム箔および粗面化
処理が施されているアルミニウム箔の接合体を形成し
た。
【0176】その後、プリント基板に内蔵された際に、
スルーホールが形成されるべき粗面化処理が施されてい
るアルミニウム箔の個所に、直径3mmの2つの貫通孔
を形成した。
【0177】さらに、7重量%の濃度で、6.0のpH
に調整されたアジピン酸アンモニウム水溶液中に、酸化
アルミニウム皮膜が形成され、粗面化処理が施されてい
るアルミニウム箔が完全に浸漬されるように、こうして
得られた接合体を、アジピン酸アンモニウム水溶液中に
セットした。この際、粗面化処理が施されていないアル
ミニウム箔の一部も、アジピン酸アンモニウム水溶液中
に浸されたが、銅箔は、アジピン酸アンモニウム水溶液
と接触させなかった。
【0178】接合体側を陽極とし、化成電流密度が50
ないし100mA/cm、化成電圧が35ボルトの条
件下で、アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬されて
いるアルミニウム箔の表面を酸化させ、酸化アルミニウ
ム皮膜を形成して、陽極電極を作製した。
【0179】次いで、作製された陽極電極をアジピン酸
アンモニウム水溶液から引き上げ、陽極電極の粗面化処
理が施されているアルミニウム箔の表面上に、化学酸化
重合によって、ポリピロールからなる固体高分子電解質
層を形成した。
【0180】ここに、ポリピロールからなる固体高分子
電解質層は、蒸留精製した0.1モル/リットルのピロ
ールモノマー、0.1モル/リットルのアルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムおよび0.05モル/リット
ルの硫酸鉄(III)を含むエタノール水混合溶液セル中
に、粗面化処理が施され、酸化アルミニウム皮膜が形成
されたアルミニウム箔のみが浸漬されるように、陽極電
極をセットし、30分間にわたって、攪拌し、化学酸化
重合を進行させ、同じ操作を3回にわたって、繰り返し
て、生成した。その結果、最大厚さが、約50μmの固
体高分子電解質層が形成された。
【0181】さらに、こうして得られた固体高分子電解
質層の表面に、カーボンペーストを塗布し、さらに、カ
ーボンペーストの表面に、銀ペーストを塗布して、陰極
電極を形成し、固体電解コンデンサを作製した。
【0182】一方、厚さ18μmの銅箔が、両面に貼り
合わされた厚さ1mmで、2cm×4.5cmのサイズ
を有する2枚のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基
板を、以下のようにして、準備した。
【0183】銅箔面には、電気回路を形成するために、
銅箔の不要部分を化学的にエッチングし、所定の配線パ
ターンを形成した。ただし、固体電解コンデンサが固定
されるべき側の基板面の銅箔はすべて、化学的にエッチ
ングして、除去した。
【0184】さらに、固体電解コンデンサの陽極電極お
よび陰極電極が接続されるべきリードフレームに対応す
るガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の位置に、
それぞれ、スルーホールを形成し、スルーホールと、エ
ッチングされた銅箔パターン上に、無電解メッキによっ
て、3μmのニッケルメッキを施し、さらに、その上
に、0.08μmの金メッキを施した。
【0185】搭載される各種電子部品のためのスルーホ
ールを、さらに、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性
基板に形成した。
【0186】さらに、2枚のガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の固体電解コンデンサに形成した2つの
貫通孔に対応する位置に、それぞれ、直径1.5mmの
貫通孔を形成した。
【0187】一方、絶縁性基板と同じガラスクロス含有
エポキシ樹脂よりなる厚さ50μmのエポキシプリプレ
グを、2cm×4.5cmの寸法に加工し、加工した基
板の周囲に幅3mmの領域を残して、内側部分を、打ち
抜き加工により、除去し、2枚の接着用エポキシプリプ
レグを作製した。
【0188】さらに、絶縁性基板と同じガラスクロス含
有エポキシ樹脂よりなる厚み0.3mmの基板を、2c
m×4.5cmの寸法に加工し、加工した基板の周囲に
幅3mmの領域を残して、内側部分を、打ち抜き加工に
よって、除去して、バンク形成用基板を作製した。
【0189】また、絶縁性基板と同じガラスクロス含有
エポキシ樹脂よりなる厚さ0.1μmのエポキシプリプ
レグを、直径5mmの円形に加工した。
【0190】打ち抜き加工され、内側部分が除去された
バンク形成用基板と、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶
縁性基板の一方の銅箔が除去された表面とを、厚さ50
μmの接着用エポキシプリプレグを介して、密着させ、
真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下にお
いて、40分間にわたって、175℃に保持し、エポキ
シプリプレグを硬化させて、ガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板と、内側部分が除去された基板とを固定
し、凹部空間を備えた絶縁性基板を得た。
【0191】さらに、燐青銅製リードフレームを作製
し、銀系導電性接着剤を用いて、固体電解コンデンサを
リードフレームの所定の位置に固定した。
【0192】次いで、2枚のガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の他方の銅箔が除去された表面に、リー
ドフレームを位置決めした。この際、固体電解コンデン
サの陽極電極および陰極電極が接続されたリードフレー
ムの部分が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
に形成されたスルーホールに対応する位置に位置し、か
つ、固体電解コンデンサの粗面化処理が施されているア
ルミニウム箔に形成された直径3mmの2つの貫通孔の
中心が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板に形
成された直径1.5mmの2つの貫通孔の中心に一致す
るように、位置合わせをおこなうとともに、厚さ0.1
μmで、直径5mmの円形のエポキシプリプレグを、粗
面化処理が施されているアルミニウム箔に形成された直
径3mmの2つの貫通孔を覆うように、固体電解コンデ
ンサとガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の間に
介在させた。
【0193】さらに、一方の面に、凹部空間が形成され
たガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を、厚さ5
0μmの他方の接着用エポキシプリプレグを介して、固
体電解コンデンサが、凹部空間内に収容されるように、
リードフレーム上に、重ね合わせ、密着させた。
【0194】こうして、密着された2枚の絶縁性基板
を、真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下
で、40分間にわたり、175℃に保持し、エポキシプ
リプレグを硬化させて、2枚のガラスクロス含有エポキ
シ樹脂絶縁性基板の間を固定した。
【0195】ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
の冷却後、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、ガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の表面に形成されてい
る配線パターンと、内蔵化された固体電解コンデンサの
陽極電極に接続されたリードフレームの部分および陰極
電極に接続されたリードフレームの部分とを、ハンダに
よって、電気的に接続した。
【0196】さらに、エポキシプリプレグが硬化した結
果、固体電解コンデンサの2つの貫通孔と、固体電解コ
ンデンサに形成された2つの貫通孔に対応して形成され
た2枚の絶縁性基板の貫通孔内には、硬化したエポキシ
プリプレグが充填されているため、直径1.5mmのド
リルを用いて、穿孔して、開口させ、2枚の絶縁性基板
と固体電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールを
形成した。
【0197】こうして形成した2枚の絶縁性基板と固体
電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールと、エッ
チングされた銅箔パターンの上に、無電解メッキによっ
て、3μmのニッケルメッキを施し、さらに、その上
に、0.08μmの金メッキを施して、固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板#1を得た。
【0198】こうして作製された固体電解コンデンサ内
蔵プリント基板#1の電気的特性を、アジレントテクノ
ロジー社製インピーダンスアナライザー4294Aを用
いて、評価した。
【0199】その結果、120Hzでの静電容量は8
0.0μFであり、100kHzでのESRは35mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.09μAであった。
【0200】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#1を、125℃の恒温条件下で、500
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は79.
5μFであり、100kHzでのESRは34.5mΩ
であった。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0201】実施例2 実施例1と全く同様にして、固体電解コンデンサを作製
した。
【0202】さらに、実施例1と全く同様にして、2枚
のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板および2枚
の接着用エポキシプリプレグを作製した。
【0203】実施例1と同様にして、燐青銅製リードフ
レームを作製し、銀系導電性接着剤を用いて、固体電解
コンデンサをリードフレームの所定の位置に固定した。
【0204】次いで、2枚のガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の一方の銅箔が除去された表面に、リー
ドフレームを位置決めした。この際、固体電解コンデン
サの陽極電極および陰極電極が接続されたリードフレー
ムの部分が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
に形成されたスルーホールに対応する位置に位置し、か
つ、固体電解コンデンサの粗面化処理が施されているア
ルミニウム箔に形成された直径3mmの2つの貫通孔の
中心が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板に形
成された直径1.5mmの2つの貫通孔の中心に一致す
るように、位置合わせをおこなった。
【0205】さらに、他方のガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板を、厚さ50μmの他方の接着用エポキ
シプリプレグを介して、固体電解コンデンサが、凹部空
間内に収容されるように、リードフレーム上に、重ね合
わせ、密着させた。
【0206】こうして、密着された2枚の絶縁性基板
を、真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下
で、40分間にわたり、175℃に保持し、エポキシプ
リプレグを硬化させて、2枚のガラスクロス含有エポキ
シ樹脂絶縁性基板の間を固定した。
【0207】ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
の冷却後、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、ガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の表面に形成されてい
る配線パターンと、内蔵化された固体電解コンデンサの
陽極電極に接続されたリードフレームの部分および陰極
電極に接続されたリードフレームの部分とを、ハンダに
よって、電気的に接続した。
【0208】さらに、固体電解コンデンサに形成された
2つの貫通孔に対応する位置に形成されたガラスクロス
含有エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔に、粘度が100
00cpsのエポキシ系樹脂を注入し、固体電解コンデ
ンサに形成された2つの貫通孔およびこれらに対応して
形成された2枚のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性
基板の貫通孔内に、エポキシ系樹脂を充填した。
【0209】エポキシ系樹脂の硬化後、エポキシ系樹脂
が充填された固体電解コンデンサに形成された2つの貫
通孔およびこれらに対応して形成された2枚のガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔を、直径1.
5mmのドリルを用いて、穿孔して、開口させ、2枚の
絶縁性基板と固体電解コンデンサを貫通する2つのスル
ーホールを形成した。
【0210】こうして形成した2枚の絶縁性基板と固体
電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールと、エッ
チングされた銅箔パターンの上に、無電解メッキによっ
て、3μmのニッケルメッキを施し、さらに、その上
に、0.08μmの金メッキを施して、固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板#2を得た。
【0211】こうして作製された固体電解コンデンサ内
蔵プリント基板#2の電気的特性を、アジレントテクノ
ロジー社製インピーダンスアナライザー4294Aを用
いて、評価した。
【0212】その結果、120Hzでの静電容量は8
5.0μFであり、100kHzでのESRは30mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.07μAであった。
【0213】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#2を、125℃の恒温条件下で、500
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は84.
5μFであり、100kHzでのESRは30.5mΩ
であった。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0214】実施例3 実施例1と全く同様にして、固体電解コンデンサを作製
した。
【0215】さらに、実施例2と全く同様にして、ガラ
スクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を接着し、ガラス
クロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板のそれぞれに形成さ
れたスルーホールを介して、ガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の表面に形成されている配線パターン
と、内蔵化された固体電解コンデンサの陽極電極に接続
されたリードフレームの部分および陰極電極に接続され
たリードフレームの部分とを、ハンダによって、電気的
に接続した。
【0216】さらに、固体電解コンデンサに形成された
2つの貫通孔に対応する位置に形成されたガラスクロス
含有エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔に、粘度が500
0cpsのポリフェニレンサルファイド系樹脂を注入
し、固体電解コンデンサに形成された2つの貫通孔およ
びこれらに対応して形成された2枚のガラスクロス含有
エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔内に、ポリフェニレン
サルファイド系樹脂を充填した。
【0217】ポリフェニレンサルファイド系樹脂の硬化
後、ポリフェニレンサルファイド系樹脂が充填された固
体電解コンデンサに形成された2つの貫通孔およびこれ
らに対応して形成された2枚のガラスクロス含有エポキ
シ樹脂絶縁性基板の貫通孔を、直径1.5mmのドリル
を用いて、穿孔して、開口させ、2枚の絶縁性基板と固
体電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールを形成
した。
【0218】こうして形成した2枚の絶縁性基板と固体
電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールと、エッ
チングされた銅箔パターンの上に、無電解メッキによっ
て、3μmのニッケルメッキを施し、さらに、その上
に、0.08μmの金メッキを施して、固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板#3を得た。
【0219】こうして作製された固体電解コンデンサ内
蔵プリント基板#3の電気的特性を、アジレントテクノ
ロジー社製インピーダンスアナライザー4294Aを用
いて、評価した。
【0220】その結果、120Hzでの静電容量は8
3.0μFであり、100kHzでのESRは25mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.07μAであった。
【0221】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#3を、125℃の恒温条件下で、500
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は82.
5μFであり、100kHzでのESRは36.5mΩ
であった。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0222】実施例4 実施例1と全く同様にして、固体電解コンデンサを作製
した。
【0223】さらに、実施例1と全く同様にして、2枚
のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板と、バンク
形成用基板および2枚の接着用エポキシプリプレグを作
製した。
【0224】打ち抜き加工され、内側部分が除去された
バンク形成用基板と、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶
縁性基板の一方の銅箔が除去された表面とを、厚さ50
μmの接着用エポキシプリプレグを介して、密着させ、
真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下にお
いて、40分間にわたって、175℃に保持し、エポキ
シプリプレグを硬化させて、ガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板と、内側部分が除去された基板とを固定
し、凹部空間を備えた絶縁性基板を得た。
【0225】次いで、2枚のガラスクロス含有エポキシ
樹脂絶縁性基板の他方の銅箔が除去された表面に、シリ
コーン系接着剤を用いて、固体電解コンデンサを固定し
た。この際、固体電解コンデンサの陽極電極および陰極
電極が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板に形
成されたスルーホールに対応する位置に位置し、かつ、
固体電解コンデンサの粗面化処理が施されているアルミ
ニウム箔に形成された直径3mmの2つの貫通孔の中心
が、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板に形成さ
れた直径1.5mmの2つの貫通孔の中心に一致するよ
うに、位置合わせをおこなった。
【0226】さらに、一方の面に、凹部空間が形成され
たガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板を、厚さ5
0μmの他方の接着用エポキシプリプレグを介して、固
体電解コンデンサが、凹部空間内に収容されるように、
重ね合わせ、2枚の絶縁性基板を密着させた。
【0227】こうして、密着された2枚の絶縁性基板
を、真空ホットプレス装置を用いて、加圧および減圧下
で、40分間にわたり、175℃に保持し、エポキシプ
リプレグを硬化させて、2枚のガラスクロス含有エポキ
シ樹脂絶縁性基板の間を固定した。
【0228】ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板
の冷却後、ガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の
それぞれに形成されたスルーホールを介して、ガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の表面に形成されてい
る配線パターンと、内蔵化された固体電解コンデンサの
陽極電極に接続されたリードフレームの部分および陰極
電極に接続されたリードフレームの部分とを、ハンダに
よって、電気的に接続した。
【0229】さらに、固体電解コンデンサに形成された
2つの貫通孔に対応する位置に形成されたガラスクロス
含有エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔に、粘度が100
00cpsのエポキシ系樹脂を注入し、固体電解コンデ
ンサに形成された2つの貫通孔およびこれらに対応して
形成された2枚のガラスクロス含有エポキシ樹脂絶縁性
基板の貫通孔内に、エポキシ系樹脂を充填した。
【0230】エポキシ系樹脂の硬化後、エポキシ系樹脂
が充填された固体電解コンデンサに形成された2つの貫
通孔およびこれらに対応して形成された2枚のガラスク
ロス含有エポキシ樹脂絶縁性基板の貫通孔を、直径1.
5mmのドリルを用いて、穿孔して、開口させ、2枚の
絶縁性基板と固体電解コンデンサを貫通する2つのスル
ーホールを形成した。
【0231】こうして形成した2枚の絶縁性基板と固体
電解コンデンサを貫通する2つのスルーホールと、エッ
チングされた銅箔パターンの上に、無電解メッキによっ
て、3μmのニッケルメッキを施し、さらに、その上
に、0.08μmの金メッキを施して、固体電解コンデ
ンサ内蔵プリント基板#4を得た。
【0232】こうして作製された固体電解コンデンサ内
蔵プリント基板#4の電気的特性を、アジレントテクノ
ロジー社製インピーダンスアナライザー4294Aを用
いて、評価した。
【0233】その結果、120Hzでの静電容量は8
5.0μFであり、100kHzでのESRは30mΩ
であった。また、常温で、10ボルトの電圧を印加した
際の漏れ電流(5分値)は、0.07μAであった。
【0234】さらに、固体電解コンデンサ内蔵プリント
基板サンプル#4を、125℃の恒温条件下で、500
0時間にわたって、放置し、全く同様にして、電気的特
性を評価したところ、120Hzでの静電容量は84.
5μFであり、100kHzでのESRは30.5mΩ
であった。さらに、常温で、10ボルトの電圧を印加し
た際の漏れ電流(5分値)は、0.10μAであった。
【0235】実施例1ないし4から、本発明の実施例に
かかる固体電解コンデンサ内蔵プリント基板サンプル#
1ないし4は、固体電解コンデンサ自体に、2つのスル
ーホールを形成したにもかかわらず、静電容量特性、E
SR特性および漏れ電流特性が良好であることが判明し
た。
【0236】本発明は、以上の実施態様および実施例に
限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明
の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の
範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0237】たとえば、前記実施態様においては、弁金
属基体2、3として、アルミニウムが用いられている
が、アルミニウムに代えて、アルミニウム合金、また
は、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムもしくは
これらの合金などによって、弁金属基体2、3を形成す
ることもできる。
【0238】また、前記実施態様においては、リード電
極を構成すべき金属導体として、箔状の銅が用いられて
いるが、銅に代えて、銅合金、または、真鍮、ニッケ
ル、亜鉛、クロムもしくはこれらの合金によって、金属
導体を形成することもできる。
【0239】さらに、前記実施態様においては、表面が
粗面化された箔状のアルミニウム基体2と、表面が粗面
化されていないアルミニウム基体3とを、超音波溶接に
よって、接合するとともに、表面が粗面化されていない
アルミニウム基体3と、箔状の銅基体4とを、超音波溶
接によって、接合しているが、これらの接合部の双方
を、あるいは、一方を、超音波溶接に代えて、コールド
ウェルディング(冷間圧接)によって、接合し、接合部
を形成するようにしてもよい。
【0240】また、前記実施態様においては、表面が粗
面化され、酸化アルミニウム皮膜が形成された箔状のア
ルミニウム基体2と、表面が粗面化されていない箔状の
アルミニウム基体3と、箔状の銅基体4が接合されて、
形成された陽極電極1を備えた固体電解コンデンサ10
を用いているが、酸化アルミニウム皮膜が形成され、表
面が粗面化された箔状のアルミニウム基体2と箔状の導
電体金属基体よりなる陽極電極など、異なる構造の陽極
電極を備えた固体電解コンデンサを用いることもでき
る。
【0241】さらに、前記実施態様においては、第一の
絶縁基板21に、バンク23を形成しているが、第二の
絶縁基板22に、バンク23を形成することもできる。
【0242】また、前記実施態様においては、第一の絶
縁基板21および第二の絶縁基板22と同じ材質の基板
を、その周縁部に、所定面積の部分が残されるように打
ち抜き加工して、枠状の基板を形成し、第一の絶縁基板
21および第二の絶縁基板22と同じ材質の接着剤を用
いて、枠状の基板を第一の絶縁基板に固定することによ
って、バンク23を形成しているが、第一の絶縁基板2
1を切削加工するなどして、第一の絶縁基板21と一体
的にバンクを形成することもできるし、第一の絶縁基板
21および第二の絶縁基板22の双方に、切削加工など
によって、一体的に、バンクを形成することもできる。
【0243】さらに、前記実施態様においては、第一の
絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板22の表面の
双方に、複数の電子部品33が搭載されているが、複数
の電子部品33を搭載することは必ずしも必要でない。
【0244】また、前記実施態様においては、第一の絶
縁基板21の表面および第二の絶縁基板22の表面の双
方に、電子部品33が搭載されているが、第一の絶縁基
板21の表面および第二の絶縁基板22の表面の一方に
のみ、電子部品33が搭載されていてもよい。
【0245】さらに、前記実施態様においては、第一の
絶縁基板21の表面および第二の絶縁基板22の表面
に、それぞれ、複数の配線パターン26、29が形成さ
れているが、第一の絶縁基板21の表面と第二の絶縁基
板22の表面に、複数の配線パターン26、29を形成
することは必ずしも必要でなく、少なくとも1つの配線
パターン26、29が形成されていればよい。
【0246】また、前記実施態様においては、第一の絶
縁基板21および第二の絶縁基板22のそれぞれに、複
数のスルーホール27、30が形成されているが、第一
の絶縁基板21および第二の絶縁基板22のそれぞれ
に、複数のスルーホール27、30を形成することは必
ずしも必要でなく、それぞれ、少なくとも1つのスルー
ホール27、30が形成されていればよい。
【0247】さらに、前記実施態様においては、導電性
接着剤35によって、固体電解コンデンサ10の陰極電
極14が、第一の絶縁基板21の下面に形成された配線
パターン26と電気的に接続されているが、導電性接着
剤35に代えて、ハンダによって、固体電解コンデンサ
10の陰極電極14と、第一の絶縁基板21の下面に形
成された配線パターン26とを電気的に接続するように
してもよい。
【0248】また、前記実施態様においては、固体電解
コンデンサ10の陽極電極1が、ハンダ34によって、
第一の絶縁基板21の下面に形成された配線パターン2
6と電気的に接続されているが、ハンダ34に代えて、
導電性接着剤によって、固体電解コンデンサ10の陽極
電極1と、第一の絶縁基板21の下面に形成された配線
パターン24とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0249】また、前記実施態様においては、固体電解
コンデンサ10の陽極電極1および陰極電極14は、い
ずれも、第一の絶縁基板21の下面に形成された配線パ
ターン26と電気的に接続されているが、第二の絶縁基
板22の表面に形成された配線パターン29と電気的に
接続するようにしてもよい。
【0250】さらに、前記実施態様においては、表面が
粗面化され、酸化アルミニウム皮膜9が形成された箔状
のアルミニウム基体2および表面が粗面化されていない
箔状のアルミニウム基体2に貫通孔50、50、50を
形成しているが、酸化アルミニウム皮膜9が形成された
箔状のアルミニウム基体2および表面が粗面化されてい
ない箔状のアルミニウム基体2に貫通孔50、50、5
0を形成することは必ずしも必要でなく、これらに代え
て、あるいは、これらとともに、箔状の銅基体4に貫通
孔を形成してもよいし、表面が粗面化され、酸化アルミ
ニウム皮膜9が形成された箔状のアルミニウム基体2、
表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体2あ
るいは、箔状の銅基体4のいずれかにのみ、貫通孔50
を形成するようにしてもよい。
【0251】また、前記実施態様においては、表面が粗
面化され、酸化アルミニウム皮膜9が形成された箔状の
アルミニウム基体2に2つの貫通孔50、50を形成
し、表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体
2に1つの貫通孔50を形成しているが、形成する貫通
孔50の数および位置は、配線の態様に応じて、任意に
決定することができる。
【0252】さらに、前記実施態様および実施例におい
ては、いずれも、固体電解コンデンサ10に形成された
貫通孔50、50、50、第一の絶縁基板21に形成さ
れた貫通孔25、25、25および第二の絶縁基板22
に形成された貫通孔28、28、28内に、樹脂を充填
し、樹脂の硬化後に、穿孔して、スルーホール32を形
成しているが、固体電解コンデンサ10に形成された貫
通孔50、50、50、第一の絶縁基板21に形成され
た貫通孔25、25、25および第二の絶縁基板22に
形成された貫通孔28、28、28内に、樹脂を充填
し、樹脂の硬化後に、穿孔して、スルーホール32を形
成することは必ずしも必要ではない。
【0253】また、前記実施態様においては、固体電解
コンデンサ10を、直接、第一の絶縁基板21上に固定
しているが、実施例1ないし3に示されるように、リー
ドフレームに、固体電解コンデンサ10を固定し、リー
ドフレームを、第一の絶縁基板21上に固定するように
してもよい。
【0254】さらに、前記実施態様においては、固体電
解コンデンサ10の表面が粗面化され、酸化アルミニウ
ム皮膜9が形成された箔状のアルミニウム基体2および
箔状のアルミニウム基体3に貫通する貫通孔5を形成し
ているが、たとえば、箔状のアルミニウム基体2や箔状
のアルミニウム基体3の縁部に、切り欠きを設け、第一
の絶縁基板21に形成された貫通孔25および第二の絶
縁基板22に形成された貫通孔28とともに、スルーホ
ールを形成するようにしてもよい。
【0255】
【発明の効果】本発明によれば、プリント基板に内蔵し
たときに、配線の自由度を向上させることのできる固体
電解コンデンサおよび配線の自由度が向上した固体電解
コンデンサ内蔵プリント基板ならびに固体電解コンデン
サ内蔵プリント基板の製造方法を提供することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる固
体電解コンデンサの陽極電極の略平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図3】図3は、表面が粗面化された箔状のアルミニウ
ム基体のエッジ部および貫通孔の内壁に、酸化アルミニ
ウム皮膜を形成する陽極酸化方法を示す略断面図であ
る。
【図4】図4は、固体電解コンデンサの略断面図であ
る。
【図5】図5は、固体電解コンデンサ内蔵プリント基板
の略断面図である。
【符号の説明】
1 陽極電極 2 表面が粗面化され、酸化皮膜が形成された箔状のア
ルミニウム基体 3 表面が粗面化されていない箔状のアルミニウム基体 4 箔状の銅基体 5 溶接接合部 6 溶接接合部 7 ステンレスビーカー 8 化成溶液 9 酸化アルミニウム皮膜 10 固体電解コンデンサ 11 固体高分子電解質層 12 グラファイトペースト層 13 銀ペースト層 14 陰極電極 20 固体電解コンデンサ内蔵プリント基板 21 第一の絶縁基板 22 第二の絶縁基板 23 バンク 24 接着剤 25 貫通孔 26 配線パターン 27 スルーホール 28 貫通孔 29 配線パターン 30 スルーホール 31 樹脂 32 スルーホール 33 電子部品 34 ハンダ 35 導電性接着剤 50 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横内 祐美子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された箔状の弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体の
    一端部近傍領域に、金属間が電気的に接続されるよう
    に、一端部近傍領域が接合された箔状のリード電極金属
    基体とを備え、前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、
    絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層および導電体層
    が、順次、形成された固体電解コンデンサであって、少
    なくとも1つの貫通孔が形成されたことを特徴とする固
    体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記箔状の弁金属基体を貫通する少なく
    とも1つの貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項
    1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記箔状の導電性金属基体を貫通する少
    なくとも1つの貫通孔が形成されたことを特徴とする請
    求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記箔状のリード電極基体が、表面が粗
    面化されていない箔状の弁金属基体と、箔状の導電性金
    属基体を含み、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域に、表
    面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の一端部
    近傍領域が、弁金属間が電気的に接続されるように、接
    合され、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
    体の他端部近傍領域に、前記箔状の導電性金属基体の一
    端部近傍領域が、金属間が電気的に接続されるように、
    接合された陽極電極を備えたことを特徴とする請求項1
    に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された箔状の弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体の
    一端部近傍領域に、金属間が電気的に接続されるよう
    に、一端部近傍領域が接合された箔状のリード電極金属
    基体とを備え、前記箔状の弁金属基体に、少なくとも、
    絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層および導電体層
    が、順次、形成され、少なくとも1つの貫通孔が形成さ
    れた少なくとも1つの固体電解コンデンサと、絶縁基板
    を備え、前記絶縁基板に、前記少なくとも1つの固体電
    解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔に対応し
    て、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前記少
    なくとも1つの貫通孔よりも径が小さい少なくとも1つ
    の貫通孔が形成され、前記少なくとも1つの固体電解コ
    ンデンサが、前記絶縁基板の一方の面に取り付けられる
    とともに、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの
    前記少なくとも1つの貫通孔および前記絶縁基板の前記
    少なくとも1つの貫通孔に樹脂が充填され、前記絶縁基
    板の前記少なくとも1つの貫通孔にほぼ等しい径を有す
    るように、前記樹脂が除去されて、少なくとも1つのス
    ールーホールが形成されたことを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ内蔵基板。
  6. 【請求項6】 前記箔状の弁金属基体を貫通する少なく
    とも1つの貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項
    5に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  7. 【請求項7】 前記箔状の導電性金属基体を貫通する少
    なくとも1つの貫通孔が形成されたことを特徴とする請
    求項5または6に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  8. 【請求項8】 前記箔状のリード電極基体が、表面が粗
    面化されていない箔状の弁金属基体と、箔状の導電性金
    属基体を含み、表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が形
    成された前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域に、表
    面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基体の一端部
    近傍領域が、弁金属間が電気的に接続されるように、接
    合され、表面が粗面化されていない前記箔状の弁金属基
    体の他端部近傍領域に、前記箔状の導電性金属基体の一
    端部近傍領域が、金属間が電気的に接続されるように、
    接合された陽極電極を備えたことを特徴とする請求項5
    に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  9. 【請求項9】 前記絶縁基板の他方の面に、少なくとも
    1つの配線パターンが形成されたことを特徴とする請求
    項5ないし8のいずれか1項に記載の固体電解コンデン
    サ内蔵基板。
  10. 【請求項10】 さらに、前記絶縁基板と対向する第二
    の絶縁基板を備え、前記第二の絶縁基板に、前記少なく
    とも1つの固体電解コンデンサの前記少なくとも1つの
    貫通孔に対応して、前記絶縁基板の前記少なくとも1つ
    の貫通孔と径がほぼ等しい少なくとも1つの貫通孔が形
    成され、前記固体電解コンデンサが、前記絶縁基板の一
    方の面と前記第二の絶縁基板の一方の面の間に一体的に
    取り付けられるとともに、前記少なくとも1つの固体電
    解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔、前記絶縁
    基板の前記少なくとも1つの貫通孔および前記第二の絶
    縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔に、樹脂が充填さ
    れ、前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔および
    前記第二の絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔にほ
    ぼ等しい径を有するように、前記樹脂が除去されて、少
    なくとも1つのスールーホールが形成されたことを特徴
    とする請求項5ないし9に記載の固体電解コンデンサ内
    蔵基板。
  11. 【請求項11】 前記第二の絶縁基板の他方の面に、少
    なくとも1つの配線パターンが形成されたことを特徴と
    する請求項10に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板。
  12. 【請求項12】 表面が粗面化され、絶縁性酸化皮膜が
    形成された箔状の弁金属基体と、前記箔状の弁金属基体
    に、少なくとも、絶縁性酸化皮膜、固体高分子電解質層
    および導電体層が、順次、形成された少なくとも1つの
    固体電解コンデンサを内蔵する固体電解コンデンサ内蔵
    基板の製造方法であって、 前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域と、箔状のリー
    ド電極金属基体の一端部近傍領域とを、金属間が電気的
    に接続されるように、接合して、接合部を形成し、前記
    箔状の弁金属基体と前記箔状のリード電極金属基体の接
    合体を形成する工程と、 前記接合体に、少なくとも1つの貫通孔を形成する工程
    と、 前記箔状の弁金属基体と前記箔状のリード電極金属基体
    の接合体を構成する前記箔状の弁金属基体を、化成溶液
    に浸し、前記接合体に、電圧を印加して、陽極酸化処理
    を施し、前記弁金属基体の少なくともエッジ部分に、絶
    縁性酸化皮膜を形成する工程と、 陽極酸化処理が施された前記箔状の弁金属基体の全表面
    上に、固体高分子電解質層を形成する工程と、 前記固体高分子電解質層上に、導電性ペーストを塗布
    し、乾燥して、導電体層を形成し、少なくとも1つの固
    体電解コンデンサを生成する工程と、 前記少なくとも1つの固体電解コンデンサを、一方の面
    に、少なくとも1つの配線パターンが形成される絶縁基
    板の他方の面に、取り付ける工程とを備え、 前記絶縁基板に、前記接合体の少なくとも1つの貫通孔
    に対応して、前記接合体の少なくとも1つの貫通孔より
    も径の小さい少なくとも一つの貫通孔が形成され、前記
    少なくとも1つの固体電解コンデンサを、前記接合体の
    前記少なくとも1つの貫通孔の中心と前記絶縁基板前記
    少なくとも1つの貫通孔の中心とがほぼ一致するよう
    に、前記絶縁基板の他方の面に、取り付け、前記少なく
    とも1つの固体電解コンデンサの前記少なくとも1つの
    貫通孔および前記絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通
    孔に樹脂を注入し、前記絶縁基板の前記少なくとも1つ
    の貫通孔にほぼ等しい径を有するように、前記樹脂を除
    去して、少なくとも1つのスルーホールを形成すること
    を特徴とする固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記箔状の弁金属基体に、少なくとも
    1つの貫通孔を形成することを特徴とする請求項12に
    記載の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記箔状のリード電極金属基体に、少
    なくとも1つの貫通孔を形成することを特徴とする請求
    項12または13に記載の固体電解コンデンサ内蔵基板
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記箔状のリード電極基体が、表面が
    粗面化されていない箔状の弁金属基体と、箔状の導電性
    金属基体を含み、前記固体電解コンデンサが、表面が粗
    面化され、絶縁性酸化皮膜が形成された前記箔状の弁金
    属基体の一端部近傍領域に、表面が粗面化されていない
    前記箔状の弁金属基体の一端部近傍領域が、弁金属間が
    電気的に接続されるように、接合され、表面が粗面化さ
    れていない前記箔状の弁金属基体の他端部近傍領域に、
    前記箔状の導電性金属基体の一端部近傍領域が、金属間
    が電気的に接続されるように、接合された陽極電極を、
    前記少なくとも1つの固体電解コンデンサが備えたこと
    を特徴とする請求項12に記載の固体電解コンデンサ内
    蔵基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記絶縁基板の他方の面に、少なくと
    も1つの配線パターンを形成することを特徴とする請求
    項12ないし15のいずれか1項に記載の固体電解コン
    デンサ内蔵基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 さらに、前記少なくとも1つの固体電
    解コンデンサの前記少なくとも1つの貫通孔に対応し
    て、前記第一の絶縁基板の前記少なくとも1つの貫通孔
    と径がほぼ等しい少なくとも1つの貫通孔が形成され、
    一方の面に、少なくとも1つの配線パターンが形成され
    た第二の絶縁基板を用意し、前記第二の絶縁基板の他方
    の面が、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサに対
    向するように、前記少なくとも1つの固体電解コンデン
    サを、前記絶縁基板および前記第二の絶縁基板の間に固
    定し、前記絶縁基板および前記第二の絶縁基板に取り付
    けた後、前記少なくとも1つの固体電解コンデンサの前
    記少なくとも1つの貫通孔、前記絶縁基板の前記少なく
    とも1つの貫通孔および前記第二の絶縁基板の前記少な
    くとも1つの貫通孔に、樹脂を充填し、前記絶縁基板の
    前記少なくとも1つの貫通孔および前記第二の絶縁基板
    の前記少なくとも1つの貫通孔にほぼ等しい径を有する
    ように、前記樹脂を除去して、少なくとも1つのスール
    ーホールを形成することを特徴とする請求項16に記載
    の固体電解コンデンサ内蔵基板の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第二の絶縁基板の他方の面に、少
    なくとも1つの配線パターンを形成することを特徴とす
    る請求項16または17に記載の固体電解コンデンサ内
    蔵基板の製造方法。
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