JP2002359133A - 希土類系異方性リング磁石の製造方法とボンド磁石加熱磁場配向装置 - Google Patents

希土類系異方性リング磁石の製造方法とボンド磁石加熱磁場配向装置

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Seiji Kojima
清司 小嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータなどに使用される射出成形の希土類系
異方性リング状磁石では磁気特性の不均一が発生してい
たがこの不均一を無くするまたは小さくする方法および
その製造装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 リング状磁石1を、ボンド磁石加熱磁場
配向装置のリング形状隙間2の中に押し込み、ヒータ5
で樹脂の溶ける温度になっている装置中央部に移動させ
て、リング状磁石1の樹脂を溶かし、電磁石コイル6か
ら発生する磁場によって回転自在の磁石粉末を磁場方向
に回転配向させ、次いで下方に移動させて冷却固化して
磁石粉末の配向を固定し、異方性を有した希土類系リン
グ状磁石とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータなどに使わ
れている希土類系のリング磁石の製造方法とその製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで磁石といえば、BaまたはSr
フェライトで代表される焼結磁石であったが、最近では
磁石粉末をナイロン樹脂やエポキシ樹脂で結着したボン
ド磁石が多く使われるようになっている。特にリング形
状のモータ用磁石は形状や寸法精度から焼結磁石では作
りにくいため、ほとんどボンド磁石が使われる。
【0003】このようなボンド磁石の製法の一つに射出
成形法がある。射出成形は樹脂の成形方法として著名な
もので大量の樹脂製品がこの方法で製造されている。磁
石製造へのこの射出成形方法の適用はフェライトボンド
磁石で既に行われている。射出成形では、樹脂を溶かし
て液体状態にし、その液体状態の樹脂に圧力をかけて小
さな吐出口から樹脂の凝固温度以下の金型内に吐出し
て、金型内の空間部(キャビティ)に送り込み、そのキ
ャビティの形状に固化して樹脂製品とする方法である。
【0004】磁石への適用では、樹脂の中に磁石粉末を
混ぜて成形し、磁石特性を有した樹脂製品とするもの
で、その磁気特性を実用磁石材料とするために磁石粉末
の充填量をできるだけ多くしたい、一方流れ性や成形性
を確保するため樹脂量もできるだけ多くしたいというこ
の双方の攻め合いで組成が決められている。
【0005】樹脂と磁石粉末の混合体はコンパウンドと
称されており、前もって準備される。即ち、コンパウン
ドは、磁石粉末と樹脂と必要に応じて添加物とを混合し
樹脂の融点以上の温度で樹脂を溶かして混練し、糸状に
押し出して冷却固化し、その後小さく切ってチップ状に
している。このコンパウンドは射出成形機の自動供給装
置から射出成形機のシリンダー内に投入され、昇温され
て溶融状態にされ、スクリューで圧をかけられて金型内
に吐出され金型内のキャビティに圧入されてその形状に
なって固化する。その後金型が開けられて固形化したボ
ンド磁石は排出される。この射出成形は複雑形状の磁石
が成形可能である、寸法精度が良く後加工を必要としな
い、など利点が多く、これからの磁石の製法として期待
されている。
【0006】磁石粉末としては、従来はフェライトの磁
石粉末が多く用いられてきたが、ボンド磁石の高特性化
への要望から高性能な希土類系磁石粉末も使われ出して
いる。即ちSm−Co系、Nd−Fe−B系及びSm−
Fe−N系などである。これら希土類系磁石粉末は高価
格であるというマイナス面があるが、磁気特性が従来の
フェライト磁石粉末の10倍ほども良く、これで得られ
るボンド磁石は焼結フェライト磁石と焼結希土類磁石の
中間の磁気特性を有するもので、特に保磁力iHcが6
〜16kOeまたはそれ以上と極めて大きく、フェライ
ト磁石では対応できない大きな減磁界のかかる機器に使
用できるなど多くの利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、射出成
形は利点が多いが、欠点もある。その欠点の一つが磁気
特性の不均一である。特にモータ用では、磁気特性の不
均一はコギングトルクを大きくし、最近のようにHD
D、CD−ROMやDVDでは高密度記録が一般的にな
ってきているので、このコギングトルクによる回転ムラ
は致命傷である。
【0008】磁気特性が不均一となる原因は、吐出口
(ゲート部)付近とコンパウンド溶湯の先端部がぶつか
り合って固化する部分付近で生じる磁気的配向性の乱れ
である。これを無くするためにいろいろ対策が考えられ
提案されているが、現状では不十分である。
【0009】本発明は、射出成形ボンド磁石の磁気特性
の不均一を無くするまたは小さくする製造方法とその製
造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、射出成形によるリング状磁石を磁場中にて
再溶融して磁石粉末を磁場方向に配向し、冷却固化する
ことを特徴とする方法である。
【0011】また本発明の製造装置は、ボンド磁石を磁
場中で再溶融して固化する装置において、前記装置がリ
ング形状の貫通した隙間を有し、前記装置の軸方向の中
央部がボンド磁石の融点以上の温度領域となり両端部が
ボンド磁石の凝固点以下の温度領域となる温度分布を有
し、リング形状隙間の中央部を含む部分に配向用磁場を
有することを特徴とするボンド磁石加熱磁場配向装置で
ある。
【0012】また本発明は、射出成形によるリング状磁
石を外側ヨークの内側に入れ、前記リング状磁石と外側
ヨークとの組合せを、内部にリング状磁石の融点以上の
温度領域を有し配向用磁場が発生しているボンド磁石加
熱磁場配向装置のリング形状隙間に入れて押し込み、上
下ポンチで挟んで内部に移動し、樹脂を溶かして配向磁
場で磁石粉末を配向し、次いでさらに下端部に移動させ
て冷却固化し装置外に出して外側ヨーク付きリング磁石
を得る希土類系異方性リング磁石の製造方法である。
【0013】また本発明は、射出成形によるリング状磁
石を内側ヨークの外側に置き、前記リング状磁石と内側
ヨークとの組合せの軸面に離型用板リングをおいた状態
をヨーク付きリング状磁石一単位として、内部がリング
状磁石の融点以上の温度領域を有しており配向用磁場が
発生しているボンド磁石加熱磁場配向装置のリング形状
隙間に入れて押し込み、次いで次のヨーク付きリング状
磁石一単位を押し込み、この操作をくり返して加熱磁場
配向装置のもう一方の端部から冷却固化したヨーク付き
リング磁石一単位を取り出して離型用板リングを外して
ヨーク付きリング磁石を連続的に得る希土類系異方性リ
ング磁石の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。ボンド磁石の射出成形では、用いられる磁石
粉末がほとんど異方性粉末である。この異方性粉末は、
粉末のある特定の一方向に磁化容易軸が集中しているも
ので、このため必要とされる方向にこの磁石粉末の異方
性方向を配向させることが必要で、このためには磁場が
用いられ、磁場中射出成形と言われる。
【0015】モータ用のリング状磁石では、リング磁石
の内径側に多極着磁して用いる場合と、外径側に多極着
磁して用いる場合とがある。共にリング状磁石の軸面内
に磁気特性が良いことが必要で、その典型的な場合がラ
ジアル配向磁石である。この場合はリング状磁石の直径
方向に異方性方向が配向している。このような配向構造
を有したボンド磁石にするには、リング状のキャビティ
に磁場を内径側から外径側に流す必要がある。市販の磁
場中射出成形機では、横型の場合、金型の前後のスペー
スに電磁石コイルを設けて、そこで磁場を発生させて磁
気ヨークで集めて金型の軸方向に向けて前後から流して
金型内で衝突させてリング状のキャビティの内径側から
外径側に向けて磁場を流し、その磁場は金型を支える支
柱を通って元の電磁石コイルに戻る方法が取られてい
る。
【0016】このような磁場中射出成形機は磁場発生用
の電磁石コイルと電源が必要で、また効率良く磁場を通
すために成形機の支柱を太くすることなどから、装置は
磁場配向装置の無い一般的な射出成形機よりも大幅に高
価なものとなっている。
【0017】またラジアル配向磁石以外に、理想的な着
磁ができる極配向磁石がある。これは多極着磁した際の
磁場の流れに沿って磁石粉末の異方性方向を向けた構造
のもので、最も効率の良い配向構造である。この配向を
付けるにはキャビティに着磁磁場と同じ磁場構造を形成
する必要がある。外径側を使う場合は、キャビティの外
側のスペースに磁場発生コイルを設けて、着磁と同構造
の磁場を発生させる。この場合は磁場発生コイルを配置
するスペースが広く取れるので楽であるが、内径側に配
向させる場合はコイルを配置するスペースが少ないた
め、極めて難しい。磁石を埋め込んで磁石磁場を用いる
方法が提案されている。
【0018】上述のように、磁場中射出成形では、コン
パウンドの溶湯が吐出口から、キャビティ内に圧入され
るが、そのキャビティには配向用の磁場がかかってい
る。コンパウンドの溶湯がキャビティに充満するとすぐ
に冷えて固化するように金型の温度は樹脂の凝固温度よ
り低い温度に設定されている。このため、溶湯の先端は
キャビティ内に入ると冷えた壁にぶつかって固化を始め
ながら動き、最終的には逆側から回ってきた溶湯先端と
ぶつかって固定され完全に固化する。この間それぞれの
場所で磁場を受けており、圧入初期は溶けているので磁
石粉末は自在に回転できるために磁場方向を向くが、徐
々に冷やされながらキャビティ内を最終地点まで動いて
いくため、最終地点では磁石粉末は冷えた樹脂で動けな
くなって最終地点の磁場方向を向いていない場合が起こ
る。これが磁気特性の不均一となる。
【0019】また吐出口付近(ゲート部)は溶湯が最後
に圧入されて固化するところで、磁場配向が最も良くな
るところである。しかし固化による収縮分を見込んで圧
をかけて押し込むので、最も圧力が良くかかるために磁
石粉末が回転しにくくなって配向性を劣化させる場合が
ある。また時には溶湯先端がゲート部まで戻ってくる場
合もあり、このような場合には配向性が大きく乱れる。
【0020】このように、磁場中射出成形方法では、磁
気特性は均一には成りにくい。一般的には成形条件を検
討し、求められる磁気特性が確保できる厳しい製造条件
を決めて製造が行われている。このため磁気特性の不均
一は小さくなっているが、無くなってはいない。
【0021】そこで、本発明は、射出成形時には磁場中
でなくて、磁場無しの射出成形を行い、形状寸法がほぼ
同等の成形品をまず作成し、そのボンド磁石を次の工程
で、磁場中で再溶融して配向性を付けることを特徴とす
る。
【0022】本発明を、ボンド磁石加熱磁場配向装置の
概略を示す図1を使って説明する。まず磁場無しで射出
成形されたリング状磁石1を作成し、そのリング状磁石
1を外径、内径を所定の寸法にしたリング形状隙間2に
はめ込み、上下の軸面を非磁性の上ポンチ3と下ポンチ
4ではさみこんで、装置の中央部に移動させる。装置中
央部ではヒータ5によりリング状磁石の樹脂が溶ける温
度に昇温しており、リング状磁石の樹脂は中央部に近づ
くに従って徐々に軟化し中央部に達すると樹脂は完全に
溶けた状態となる。その中央部では装置の上下に配置さ
れた電磁石コイル6で発生した磁場(点線で示す)がリ
ングの内径側から外径側に向かって流れており、磁石粉
末はその磁場の流れに沿って回転して異方性方向を磁場
方向、即ちリング状磁石の直径方向に向ける。その状態
でさらにリング状磁石を下に進めて中央部から外れると
温度は低くなって樹脂は固化する。この時磁石粉末は磁
場方向に配向したままで固化した樹脂で固定される。さ
らに下に進んで装置の端部に達して装置外に排出され
る。この処理では磁石の異方性軸は直径方向に配向し
た、いわゆるラジアル配向磁石となる。
【0023】上述の説明ではリング磁石1個についてで
あったが、リング状磁石軸面に離型用の板をつけてその
状態のリング状磁石を次々にはめ込むことで連続してリ
ング状磁石を装置内に送り込んで移動させ連続的に配向
処理を行うことができる。
【0024】上述で説明したこのボンド磁石加熱磁場配
向装置は、基本的には磁場中射出成形装置に取りつけら
れているラジアル配向装置と同じ原理であるが、射出成
形機では小さなスペースに嵌め込むために無理がある
が、分離され別置出されたこのボンド磁石加熱磁場配向
装置ではスペースに余裕があるので配向用の磁場を大き
くすることなどができる。装置内に温度分布をつけてリ
ング形状の隙間を通すだけで樹脂の再溶融と磁場配向と
樹脂の冷却固化ができて、連続処理も可能で生産性の高
いものである。
【0025】次にさらに磁気ヨークと一体にしてリング
状磁石を配向する方法に関し、より具体的に説明する。
【0026】(実施の形態1)磁場無しの普通の射出成
形機でSm−Fe−N系のコンパウンドを用いて、外径
30mm、内径28mm、高さ3mmのリング磁石を成
形した。この場合は磁場配向は無く、形状ができていれ
ば良いので、生産性を最大にした条件で作成した。リン
グ状磁石をモータの外側ロータに使用する場合には、リ
ング状磁石は内径側に多極着磁して、外側リングヨーク
の内側に嵌め込んで使われる。このためリング状磁石、
特に薄肉のリング状磁石の場合は外側リングヨークと一
体で極配向磁石とするのが望ましい。そこで、上述の射
出成形のリング状磁石を用いて、内径側に12極の多極
着磁をして用いる外側ロータ用リング状磁石を試作検討
した。
【0027】今回用いるボンド磁石加熱磁場配向装置
は、装置の外周部にヒータを内蔵しており装置の内部、
即ちほぼ中央部を、リング状磁石の融点以上で磁石粉末
が回転配向しやすい温度領域(200℃〜250℃)に
してあり、上下部分は樹脂が固化する低い温度領域(1
00℃以下)にしてある。このヒータ内蔵円筒の内側は
そのまま装置のリング状隙間に面している。配向磁場は
リング状隙間の内側部から出るようにしなければならな
い。内側部分の外径は28mmと小さい。このため配向
磁場発生用のコイルを埋め込むのは難しく、磁石を埋め
込んで12極の磁場が出るようにした。用いた磁石はN
d−Fe−B系の耐熱性の焼結磁石である。これで定常
的に配向磁場がリング形状隙間に発生している。
【0028】射出成形によるリング状磁石を外側リング
ヨークの内側に嵌め合わせ、このリング状磁石と外側リ
ングヨークとの組合せを、前記のボンド磁石加熱磁場配
向装置のリング形状隙間に押し込んだ。それを上下ポン
チで挟んで装置の内部に移動し、樹脂を溶かして配向磁
場で磁石粉末を配向し、次いでさらに下端部に移動させ
て冷却固化して装置外に出して外側ヨーク付きリング磁
石を得た。
【0029】配向温度領域は200〜250℃で、この
温度領域ではSm−Fe−N系磁石粉末の保磁力は常温
に比べると大幅に低下しているのでリング状磁石内の磁
石粉末は装置内のやや低い磁石磁場で十分飽和にまで着
磁され、その定常の配向磁場で回転配向された。
【0030】得られた外側ヨーク付きリング状磁石につ
いて、12極のパルス着磁を行い、内径表面の磁束密度
分布を測定したところ、磁束密度のピーク強度は230
0Gあって揃っており、その形状も三角関数のコサイン
波形であった。またモータに実装してコギングトルクを
測定したところ平均2.8gcmで良好であった。
【0031】(実施の形態2)ここでは、上述の実施の
形態1で得られたリング状磁石をモータの内側ロータに
使用することを考え試作検討した。この場合、リング状
磁石は外径側に多極着磁、即ち12極着磁して内側ヨー
クの外側に嵌め込んで使う。このためリング状磁石を内
側ヨークと共に極配向磁石とするのが望ましい。ボンド
磁石加熱磁場配向装置で処理する際に内側ヨークと一体
で処理することで多極着磁の際と同様の磁場を配向磁場
として磁石粉末を配向させ、内側ヨークを含めての磁気
配向構造とする。このようにすることで極配向の最も良
い配向構造となると考えられる。
【0032】そこでまずリング状磁石を内側ヨークと組
合せ、この組合せの軸面上に離型用板リングをおいた状
態をヨーク付きリング状磁石一単位とした。また今回用
いるボンド磁石加熱磁場配向装置は、装置の外周部にヒ
ータを内蔵しており装置の内部、即ちほぼ中央部を、リ
ング状磁石の融点以上で磁石粉末が回転配向しやすい温
度領域(200℃〜250℃)にしてあり、上下部分は
樹脂が固化する低い温度領域(100℃以下)にしてあ
る。またヒータ内蔵円筒の内側でリング状隙間に面する
円筒部分には、多極着磁コイルとほぼ同じ構造で12極
の磁気ヨークとその溝に埋め込まれた磁場発生コイルと
が設けてあり、処理時には定常的に配向磁場を発生して
いる。
【0033】上記のヨーク付きリング状磁石一単位をボ
ンド磁石加熱磁場配向装置のリング形状隙間に入れて下
ポンチで支えて上ポンチで押し込んだ。次いで次のヨー
ク付きリング状磁石一単位を押し込んだ。この操作をく
り返してヨーク付きリング状磁石を次々と押し込んで、
はじめに入れたリング磁石を徐々に装置内部に移動させ
た。リング状磁石の温度は徐々に上がり、遂には樹脂が
溶けて磁石粉末が自在に回転できる状態となり、リング
状磁石の外径部側からの12極の極配向磁場により磁石
粉末は回転配向し、次いでさらに上部から押し込まれた
ヨーク付きリング状磁石によって装置下部に移動させら
れ温度が低下すると共に冷却固化し、その後さらに下方
に移動して装置外に出した。完全に装置外に出てから離
型用板リングを外して内側ヨーク付きリング磁石を得
た。
【0034】得られた内側ヨーク付きリング状磁石は着
磁は十分されており、着磁操作は不要であった。外径表
面の磁束密度分布を測定したところ、磁束密度のピーク
強度は2400Gあって揃っており、その形状も三角関
数のコサイン波形であった。またモータに実装してコギ
ングトルクを測定したところ2.5gcmで良好であっ
た。
【0035】着磁は、普通モータのロータ軸にリング状
磁石を実装してから行われる。しかしこれでは着磁操作
が必要となる。今回は配向磁場で着磁されたままを検討
したが、脱磁して実装後着磁の場合とほぼ同等であっ
た。これは、Sm−Fe−N系磁石の場合、常温では保
磁力が大きいので着磁には大きな磁場が必要であるが、
今回の場合、配向温度の200℃〜250℃では、保磁
力は大幅に低下しており、磁化は比較的弱い磁場で十分
飽和し、そのまま常温まで冷却されているのでほぼ飽和
に着磁されていると考えられる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、射出成
形で得られたリング状磁石を配向磁場中で再度溶かして
磁石粉末を回転配向させて固化する方法であり、射出成
形時のようなコンパウンド溶湯の急速な吐出流れが無
く、静的な磁石粉末の磁場方向への回転の動きがあるだ
けなので、吐出口(ゲート部)付近やコンパウンド溶湯
が衝突して固化する部分において生じる磁気特性の不均
一は無くなり、このため本発明によるリング状磁石を用
いると、磁石モータで課題のコギングトルクが小さくな
り、回転ムラの少ない磁石モータを作ることができる。
【0037】また磁気ヨークと一体で磁場配向処理をす
ると、特に極配向では着磁の時の磁気ヨークを含めての
最適の磁束の流れ構造にできるので、より大きい磁束密
度を引き出すことができ、効率良い磁石の使い方にする
ことができる。
【0038】また本発明のボンド磁石加熱磁場配向処理
装置は、連続的に処理を行うことができるもので、生産
性の高い装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるボンド磁石加熱磁場配向処理装
置の一実施例を示す模式的断面図
【符号の説明】
1 リング状磁石 2 リング形状隙間 3 上ポンチ 4 下ポンチ 5 ヒータ 6 電磁石コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形によるリング状磁石を磁場中に
    て再溶融して磁石粉末を磁場方向に配向し、冷却固化す
    ることを特徴とする希土類系異方性リング磁石の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ボンド磁石を磁場中で再溶融して固化す
    る装置において、前記装置がリング形状の貫通した隙間
    を有し、前記装置の軸方向の中央部がボンド磁石の融点
    以上の温度領域となり両端部がボンド磁石の凝固点以下
    の温度領域となる温度分布を有し、リング形状隙間の中
    央部を含む部分に配向用磁場を有することを特徴とする
    ボンド磁石加熱磁場配向装置。
  3. 【請求項3】 射出成形によるリング状磁石を外側ヨー
    クの内側に入れ、前記リング状磁石と外側ヨークとの組
    合せを、内部にリング状磁石の融点以上の温度領域を有
    し配向用磁場が発生しているボンド磁石加熱磁場配向装
    置のリング形状隙間に入れて押し込み、上下ポンチで挟
    んで内部に移動し、樹脂を溶かして配向磁場で磁石粉末
    を配向し、次いでさらに下端部に移動させて冷却固化し
    装置外に出して外側ヨーク付きリング磁石を得る希土類
    系異方性リング磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 射出成形によるリング状磁石を内側ヨー
    クの外側に置き、前記リング状磁石と内側ヨークとの組
    合せの軸面に離型用板リングをおいた状態をヨーク付き
    リング状磁石一単位として、内部がリング状磁石の融点
    以上の温度領域を有しており配向用磁場が発生している
    ボンド磁石加熱磁場配向装置のリング形状隙間に入れて
    押し込み、次いで次のヨーク付きリング状磁石一単位を
    押し込み、この操作をくり返して加熱磁場配向装置のも
    う一方の端部から冷却固化したヨーク付きリング磁石一
    単位を取り出して離型用板リングを外してヨーク付きリ
    ング磁石を連続的に得る希土類系異方性リング磁石の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1296947C (zh) * 2004-09-29 2007-01-24 钢铁研究总院 铁铬钴永磁辐射环的制备方法及辐向取向装置
CN107617740A (zh) * 2016-07-15 2018-01-23 日立金属株式会社 烧结体、其制造方法、冲压装置和树脂模制环

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