JP2004134698A - 磁石製造方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型8のキャビティー9aに充填された成形工程中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すようにした磁石製造方法に関するものである。
【効果】溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が、その高温状態を維持している状態で、着磁を施すことにより、非常に高いレベルにまで着磁され、従来必要であった成形後の着磁工程を不要とすることができる。
【選択図】図2
【効果】溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が、その高温状態を維持している状態で、着磁を施すことにより、非常に高いレベルにまで着磁され、従来必要であった成形後の着磁工程を不要とすることができる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類系磁石等の磁石に着磁を施して、磁石を製造する磁石製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、電気製品や電子機器に対する小型化ニーズは強く、それに使用されるモーターやセンサ−といった磁石を使用する部品に対しても小型化が強く求められている。このような要求に対して、Sm−Co系やNd−Fe−B系やSm−Fe−N系等に代表される希土類磁石等の高エネルギー積の磁石が広く使用されており、部品の小型化に大きく貢献している。
【0003】
一般に、磁石を製造する工程では、最終工程で磁力を最大限に引き出すために着磁と呼ばれる、磁力を高める工程があり、着磁コイルに電流を流すことによって磁場を発生させる方式の着磁機が広く使用されており、着磁コイルに瞬間的に大電流を流して、非常に短時間に大きな磁場を発生させている。
【0004】
一般的には、磁石本来の磁気特性を充分に引き出すためには、非常に高い磁場で着磁する必要があり、特に、飽和点まで着磁するためには、iHcの3倍以上の磁場が必要ともいわれている。従って、保持力の高い希土類系磁石材料を着磁する場合には、非常に高い磁場を発生させる必要があるために、コイル巻き数を非常に多くする必要があり、フェライト磁石の着磁用のものに比べて着磁コイルが大型になる傾向がある。
【0005】
また、通常の磁石製造方法における着磁工程においては、連続して着磁が行われる。このような状況下では、通電により発生した熱がコイルに蓄積して、コイル温度が上昇するために、コイル抵抗値が高くなり、結果的に、コイルに流れる電流値が低下することになり、従って、発生磁場が低下してしまい、着磁効率が低下するという問題があり、このために、コイル自体に冷却機構を設けてコイルの温度上昇を防止するのが一般的である。従って、着磁に要する時間は、例えば、1秒以下といった非常に短時間であるために、発熱したコイルで温められたとしても、磁石自体の実際の温度は室温程度である。また、磁石自体の発熱も限定されており、実際の温度はそれほど上がらない。
【0006】
異方性ボンド磁石の製造工程において、磁場中で成形を行うことは一般に行われているが、その目的は異方性磁粉を配向させることであり、着磁が目的ではない。また、等方性ボンド磁石では、磁粉を配向させる必要がないため、経済的な理由等から、磁場中でボンド磁石の成形を行うことは行われていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような、一般的な磁石製造方法における着磁工程においては、大量の磁石を連続して着磁すると、瞬間的な発熱や変形による磁場発生用コイルへの負荷が大きく、コイル抵抗値の経年変化や着磁時に発生する瞬間的なひずみにより、ヨークの破壊が起こる場合があるため、磁場発生用コイルの交換等のメンテナンスを頻繁に行う必要があるという問題がある。従って、磁場発生用コイルの寿命をより長くするために、より低磁場で高効率に着時できる方法や装置が求められていた。更には、できれば、磁石の成形工程とは、別工程で行われる着磁工程を省略したいという要求もある。
【0008】
しかしながら、高特性ボンド磁石に最も多く使用されているNd−Fe−B系磁粉は、その磁気特性が等方性であるため、ボンド磁石を成形しただけでは磁石としては機能せず、ボンド磁石としての特性を発揮するためには、必ず、磁石の着磁を行う必要があるため、成形工程とは別に着磁工程が必ず行われる。
【0009】
一方、製品に対する小型化の要求を反映した磁石の小型化に従って、必然的に、磁石の着磁ピッチが狭くなる傾向があるため、今までよりも、より狭い体積中に着磁コイルを設置する必要があり、着磁機に使用されるコイルサイズも、従来よりも非常に厳しい制限を受ける。特に、磁石表面に多数の磁極が配置された、多極着磁された磁石の着磁においては、コイルサイズに対する制限は、更に厳しい。従って、着磁機のコイルの巻き数を多くすることができず、着磁磁場が不足するために、着磁された磁石の発揮する磁力が、磁石本来の飽和値に比べて非常に低いレベルまでしか達せず、磁石本来の磁気特性が引き出されていない状態で使用せざるを得ないのが現状である。このために、所望の磁気特性を達成するためには、必要以上に磁気特性の高い磁石を選択する必要があった。
【0010】
ところで、等方性Nd−Fe−Bボンド磁石の場合には、ボンド磁石の磁気特性は、含有される磁性粉の充填率に比例しているため、より高い磁気特性を達成するためには、磁性粉のより高充填化が必要となる。特に、射出成形ボンド磁石の場合には、磁性粉の充填率を高めると射出成形性が低下し、小型製品や薄肉製品が成形しにくくなるという問題があるため、磁気特性が高くなるほど、成形できる成形品の小型化、薄肉化に限界があり、製品形状が制限される傾向があった。従って、超小型の製品を成形するには、磁性粉のより低充填のボンド磁石を、できるだけ高効率で着磁して、より高特性を実現する磁石製造方法及びその装置が求められていた。また、比較的高価な磁性粉末の含有量が増えることで、ボンド磁石の原材料費が高くなるという経済的な問題もあった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来の磁石の着磁方法及び着磁装置が有する課題を解決することになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、磁石製造方法において、第1には、高温状態で、着磁を施すようにしたものであり、第2には、金型のキャビティーに充填された成形工程中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すようにしたものであり、第3には、ダイ中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すようにしたものである。また、本発明は、上述した目的を達成するために、磁石製造装置において、第1には、加熱部材と磁場発生部材とを有し、前記加熱部材により着磁される磁石が加熱された状態で、前記磁場発生部材により着磁するようにしたものであり、第2には、磁場発生部材を永久磁石としたものである。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0014】
本発明は、高温状態において、磁石、特に、希土類系磁石を着磁することにより、磁石を高効率に着磁する磁石製造方法及びその装置に関するものであり、また、磁石を高効率で着磁させることにより、室温で磁石を着磁する場合に比べて、低磁場で、所望の磁力に着磁することを可能にし、結果的に、着磁コイルの小型化が実現できる。また、本発明は、この効果を利用して、磁石を極狭ピッチで着磁することができるものである。
【0015】
以下にその詳細について説明するが、以下の本発明の説明において使用されている着磁工程における「高温状態」とは、着磁される磁石の温度が、室温より40℃以上高い状態をいう。これは、磁石の着磁効率が向上する現象が、磁石を高温状態とすることにより、磁石が可逆的な減磁を起こし、高温状態にて保持力が低下したために、低磁場で着磁され易くなることに起因していると推測され、温度が高くなるほど、減磁の度合いが大きくなり、より着磁効率が向上する。つまり、より低磁場での高い着磁率が達成されると考えられる。
【0016】
一般的には、従来の技術において説明した通り、磁石の着磁工程では加熱は行われないため、磁石温度は、実質的に、室温と同じ温度であり、この室温で着磁が行われることになる。着磁工程における発熱等で、磁石温度が高くなったとしても、たかだか30℃程度であるため、たとえ、室温が40℃であったとしても、磁石の到達温度が、たかだか80℃を越えることはない。従って、積極的に磁石を加熱しなければ到達しない温度である80℃以上であれば、磁石の加熱状態での着磁工程における着磁率の向上効果が得られることになる。しかし、磁石の加熱状態を高くし、磁石のキュリー点を大きく超えた高温になると、磁石の磁性が消失してしまうため好ましくない。
【0017】
また、本発明において、着磁をボンド磁石の成形工程中に、成形と同時に、着磁を行う場合には、着磁温度は、成形温度又はそれ以下となる。例えば、ポリエチレン等の一般的な熱可塑性樹脂系樹脂複合材料の場合の成形においては、成形工程と同時に着磁を行う場合には、着磁温度は、120℃以上となるため好ましいが、成形後の冷却工程において着磁を行う場合には、できるだけ、高い温度に保たれている間に着磁を行うのが好ましく、磁石温度が、高温状態である80℃以上に保たれている間に着磁を行うことになる。
【0018】
希土類磁石は、水分を嫌うため、吸湿性の低い12ナイロン等が好んで使用されるが、この場合には、押し出し成形であれば、180℃〜230℃程度に加熱されるため、成形工程中で着磁を行うと、更に着磁温度が高くなるため、磁石の着磁効率が高くなり好ましい。また、同様に12ナイロン系樹脂複合材料を使用した射出成形では、成形温度は更に高く、例えば、220℃〜270℃程度であるため更に好ましい。また、樹脂が芳香族ナイロンやPPS等の更に融点又は軟化点の高いスーパーエンプラと一般に呼ばれる樹脂を使用した樹脂複合材料では、成形温度が更にまた高くなるために、成形中に着磁を行うと、着磁温度が更にまた高くなり、より好ましい。
【0019】
熱硬化性バインダーを使用した等方性の希土類系ボンド磁石の製造においては、通常、無磁場で圧縮成形する成形工程と、バインダーを硬化させるために、100℃〜200℃程度の温度において、バインダーの硬化を行うキュアリング工程、その後に、ボンド磁石を着磁する着磁工程を、別々に行う製造方法及びその装置が一般的であるが、ボンド磁石のキュアリング工程において又は直後の磁石温度が高温に保持されている間に着磁を行うと、通常、別工程で行われる圧縮成形ボンド磁石のキュアリング工程と着磁工程の二工程が、一工程で又は二工程を連続的に行うことができるために、製造時間を短縮できる効果がある。更に、キュアリング工程後に、室温程度まで冷却された後に、ボンド磁石の着磁を行う場合に比べて、着磁率も高くなるため好ましい。
【0020】
本発明に使用する希土類磁石は、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−Fe−N系等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、高温状態において、可逆的に保持力が低下する磁石であればよい。また、磁石は、異方性磁石でも等方性磁石でも特に問題はない。
【0021】
本実施例における磁石の形態としては、焼結磁石、ボンド磁石等、特に製造方法に起因する形態等には制限を受けないが、着磁の際に、高温状態において、磁石の品質に悪影響を与えない程度の熱安定性を有していればよい。
【0022】
本発明におけるボンド磁石の成形方法としては、射出成形、押し出し成形、圧縮成形、トランスファー成形、ロール成形等が挙げられるが、特に、これらに限定されるものではなく、成形工程において成形体を加熱し、成形とは別工程で、或いは、成形に引き続き連続して、或いは、成形と同時に磁場を印加できる成形方法であればよい。
【0023】
着磁工程における磁石の加熱方法及び加熱のタイミングは、特に限定されず、着磁のために、磁石へ磁場が印加される時点で、磁石が高温状態に維持されていればよく、着磁工程における磁石の加熱は、必ずしも必要なく、加熱工程と着磁工程を別に行っても良い。
【0024】
ボンド磁石の成形工程の直後に、成形体が高温状態で、或いは、成形後に行う成形体の冷却過程において着磁を行うことにより、成形工程と加熱工程と着磁工程を連続的に行っても良く、更には、磁場を印加した状態で加熱して成形することにより、成形工程と加熱工程と着磁工程を同時に行ってもよい。例えば、磁場中射出成形、磁場中押し出し成形、磁場中圧縮成形、磁場中トランスファー成形等が挙げられる。
【0025】
磁場中成形を行う場合に、印加する磁場の供給方法は、電磁石に限らず、電磁石に比べて発生磁場の小さい永久磁石でもよく、この場合には、金型に永久磁石を埋め込む等の方法が考えられる。また、使用される永久磁石には、熱安定性の観点から、Sm−Co系が好ましいが、使用される温度で、必要な磁場を発生することができれば、これに限定されるものではない。
【0026】
また、着磁工程を、不活性雰囲気中で行うことは、希土類磁性粉の熱により受けるダメージを防止する効果があるため、磁石の品質上好ましい。
【0027】
以下により具体的な実施例について説明する。
【0028】
本発明の実施例として、磁石を加熱しながら着磁する装置の一例としての着磁装置を、図1を用いて説明する。
【0029】
1は、加熱部材としての筒状の加熱用ヒーターであり、2aは、磁場発生部材としての環状の磁場発生用コイルであり、3は、着磁する磁石であり、4は、加熱用ヒーター1の下部開口を閉鎖するとともに、磁石3が載置される磁石載置具であり、5は、磁石3の飛び出しを防ぐための磁石飛び出し蓋具であり、6は、加熱用ヒーター1と磁場発生用コイル2aと間に配置された、加熱用ヒーター1から発生する熱を、磁場発生用コイル2aに伝わるのを防ぐための筒状の断熱部材である。あらかじめ、着磁装置を、加熱ヒーター1で加熱しておき、着磁する磁石3を、磁石載置具4に載置するとともに、磁石飛び出し蓋具5を配設して、着磁装置にセットし、磁石3が、加熱ヒーター1の温度と略同じ温度の高温状態に加熱された状態で、磁場発生用コイル2aに電流を流して、磁場発生用コイル2a内に所定の磁場を発生させ、磁石3の着磁を行う。なお、発生磁場の安定化等の目的で、磁場発生用コイル2aを冷却するための冷却機構を配設しても良い。
【0030】
直径10mm、高さ7mmの円柱状の磁石を試料として作製し、試料を、上述した着磁装置に装着し、所定の高温状態に加熱して、高温状態において、着磁磁場10kOeにて磁石の着磁を行った。本発明実施例2及び比較例2のような異方性ボンド磁石の場合には、着磁の前に磁石を完全に脱磁し、その後、配向方向と同一方向の着磁を行った。
【0031】
上述した着磁装置で、試料を、加熱状態において着磁を行った後に、室温まで冷却して、室温にて、試料のトータルフラックス値を測定した。また、室温にて、50kOeで着磁した試料のトータルフラックス値を測定し、このように、50kOeで着磁した試料のトータルフラックス値を基準トータルフラックス値とし、この基準トータルフラックス値に対する、上記の高温状態の下で着磁された試料の相対値を算出し、この値を、着磁率(%)と定義して、着磁効率の評価をした。
【0032】
各試料を、高温状態まで加熱し、この高温状態で、10kOeの磁場で着磁を行った各試料の着磁率が、表1に示されている。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示されているように、磁石がNd−Fe−B系等方性ボンド磁石の場合、着磁を25℃で行った比較例1では、着磁率が34%であったのに対して、高温状態の120℃に加熱して着磁を行った実施例1では、着磁率が59%にまで向上した。また、磁石がSm−Fe−N系異方性ボンド磁石の場合には、25℃で着磁した比較例2が、たかだか45%であったのに対して、高温状態の120℃で着磁した実施例2では、着磁率が65%にまで向上した。なお、いずれも、バインダーは、12ナイロンである。
【0035】
次に、高温状態であるボンド磁石の成形工程中に、磁場を印加して着磁することにより、ボンド磁石を製造するための装置の一例としての磁場射出成形機を、図2を用いて説明する。
【0036】
7は、公知の射出成形機であり、8Aは、固定金型8aと可動金型8bとにより構成される金型である。可動金型8b内には、成形されるボンド磁石の形状に応じて、キャビティー9aが形成されており、固定金型8a及び可動金型8b内には、加熱部材としての金型加熱用ヒーター10a、10bが、それぞれ装備されている。2bは、可動金型8bの周囲に設置された磁場発生用コイルである。なお、固定金型8aの外周にも、同様の磁場発生用コイルを配設することもできる。
【0037】
溶融された希土類系磁性粉配合樹脂複合材料は、金型8Aに形成されたキャビティー9aへ射出されるが、この射出タイミングに合わせて、金型8Aに配設された磁場発生用コイル2bに電流を流すことにより、キャビティー9aに射出され溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料に磁場を印加するとともに、磁場を印加したままの状態で、射出された希土類系磁性粉配合樹脂複合材料を冷却する。その後、磁場発生用コイル2bへの電流を遮断し、所定時間冷却後に、金型8Aから、成形されたボンド磁石を取り出す。このようにして、成形工程と着磁工程を同時に行うことができる。
【0038】
なお、磁場の印加タイミングは、成形工程の一部でもよく、また、高温状態を維持していれば、射出完了後の冷却工程でもよい。印加する磁場は、磁場発生用コイル2bへ流す電流量で調節することが可能となる。更に、図2では、磁場発生用コイル2bが金型8Aの外周に設置されているが、小型の磁場発生用コイル2bを、金型8Aの内部に、一個或いは複数個設置してもよい。更にまた、金型8Aに冷却機構を設けて、金型の加熱と冷却の併用による温度制御を行うと、着磁温度が安定するため、より好ましい。
【0039】
Nd−Fe−b系等方性希土類磁粉が60体積%配合された12ナイロン系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機により磁場中で射出成形して、直径10mm、高さ7mmの円柱状のボンド磁石を成形した(実施例3)。また、Nd−Fe−B系等方性磁粉が60体積%配合されたPPS系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機により磁場中で射出成形して、直径10mm、高さ7mmの円柱状ボンド磁石を製造した(実施例4)。なお、12ナイロン系樹脂複合材料は、成形温度を260℃とし、PPS系樹脂複合材料では、成形温度300℃とし、金型温度は、どちらも100℃とした。
【0040】
比較のために、Nd−Fe−B系等方性希土類磁粉が60体積%配合された12ナイロン系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機を用いて、磁場無しの状態で、直径10mm、高さ7mmのボンド磁石を成形し、その後、成形したボンド磁石を、再度、磁場射出成形機のキャビティー9aに設置し、室温(25℃)にて磁場を印加して着磁を行い、比較例3とした。
【0041】
着磁磁場を変えて着磁した各試料のトータルフラックス値を、上述したように測定し、このトータルフラックス値と基準トータルフラックス値とから、上述したようにして、着磁率を算出した。着磁磁場に対する着磁率の変化(以下、着磁率曲線という。)が、図3に示されている。
【0042】
図3に示すごとく、着磁温度が、室温(25℃)における着磁率曲線(比較例3)に比較して、上述した磁場中射出成形して作製した12ナイロン系樹脂複合材料のボンド磁石の着磁率曲線(実施例3)の場合には、立ち上がりが低磁場で発現し、5kOe以上の着磁磁場において、着磁率が80%以上に達していた。更に、上述した磁場中射出成形して作製したPPS系樹脂複合材料のボンド磁石の着磁率曲線(実施例4)の場合には、4kOe以上の着磁磁場において、着磁率が80%以上に達していた。これらに比べて、比較例3の場合には、着磁磁場が15kOe以上になって、やっと着磁率が80%以上となった。
【0043】
次に、図4及び図5を用いて、ボンド磁石を製造するための装置の他の例として、永久磁石を内部に設置した金型を使用した磁場射出成形機について説明する。
【0044】
7は、図2に示されている公知の射出成形機であり、8Bは、固定金型8cと可動金型8dとから構成されている金型である。9bは、可動金型8d内に形成された円筒形のキャビティーであり、キャビティー9b内に、円筒状のボンド磁石が成形されることになる。固定金型8cと可動金型8dとには、上述した磁場射出成形機と同様に、それぞれ、加熱部材としての金型加熱用ヒーター10c、10dが装備されている。また、円筒状のキャビティー9dの周囲に位置する金型8Bには、円筒状のキャビティー9dの軸線に対して放射線状に、且つ、キャビティー9dに近接して、磁場発生部材としての磁場発生用永久磁石11が、複数個(本実施例においては、6個の磁場発生用永久磁石11が埋設されている。)埋設されており、これらの磁場発生用永久磁石11は、互いに隣り合う磁石同士の磁極の向きが反対になるように設置されている。これらの磁場発生用永久磁石11の発生する磁場により、キャビティー9bに、S極とN極が交互に発現するような磁場が供給され、キャビティー9b内で成形されたボンド磁石が、複数極(本実施例においては、6極)に着磁されるように構成されている。この磁場発生用永久磁石11は、熱安定性の観点から、Sm−Co系磁石が好ましいが、他の磁石で代用することもできる。
【0045】
Nd−Fe−B系等方性磁粉を60体積%配合した12ナイロン系樹脂複合材料を用いて、上述した永久磁石11が埋設された金型8Bを有する磁場射出成形機により磁場中射出成形を行い、外径8mm、内径6mm、長さ10mmで、外周に6極着磁された円筒状のボンド磁石を作製し、表面磁束の極大点が、切削片の中心となるように、4mm幅で切り出して、4mm×10mmの切削片を作製し、実施例5とした。また、実施例5と同じ材料を使用して、磁場無しの射出成形機で、実施例5と同じサイズの円筒状のボンド磁石を成形し、その後、同様に、4mm幅で切り出して、4mm×10mmの切削片を作製し、この切削片を、公知の着磁機で、室温において10kOeで着磁を行い、比較例4とした。なお、12ナイロン系樹脂複合材料の成形温度を260℃とし、金型温度を100℃とした。
【0046】
上述したようにして作製された円筒状のボンド磁石の表面磁束を測定した。また、切削片を、50kOeで着磁して、再度、切削片の表面磁束を測定して、50kOeで着磁した切削片の表面磁束に対する相対値を算出し、この値を、着磁率(%)と定義して、着磁効率の評価に採用した.この結果が、表2に示されている。
【0047】
【表2】
【0048】
実施例5の場合には、着磁率が、85%であるのに対して、比較例4の場合には、実施例5の場合の略半分である40%であった。従って、高温状態で、着磁を施すことにより、着磁効率が向上する。
【0049】
次に、図5を用いて、ボンド磁石を製造するための装置の更に他の例として、磁場中で押し出し成形を行う磁場押出成形機について説明する。
【0050】
12は、公知の押出機であり、13は、ダイである。ダイ13は、押し出された溶融状態の磁性粉配合樹脂複合材料を冷却しながら、ダイ13のダイ孔の形状に合わせてサイジングする機能を有するものものであり、ダイ13のダイ孔の形状に合った成形品14が成形されることになる。ダイ13の周囲には、磁場発生用コイル2cが配設されている。溶融状態の磁性粉配合樹脂複合材料が、ダイ13を通りながらサイジングされる工程で、磁場発生用コイル2cに、連続的或いは間欠的に、電流を流すことで、成形品14に着磁を行う。ダイ13から連続的に押し出された成形品14は、後工程において、公知の手段により、所望の寸法に切断される。
【0051】
本発明は、上述したように、磁石の製造における着磁工程において、磁石を高温状態に維持した状態で着磁することにより、より低磁場で、所望の高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができる。また、特に、ボンド磁石を各種成形法で製造する場合に、上述したように、高温状態の磁場中で成形を行うことで、より低磁場で、高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができ、しかも、ボンド磁石の製造過程で、従来、別々に行われていた成形工程と着磁工程とを、一工程で行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したように構成しているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0053】
高温状態で、着磁を施すことにより、室温で着磁する場合に比べて、より低磁場で、所望の高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができる。
【0054】
溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が、その高温状態を維持している状態で、着磁を施すことにより、非常に高いレベルにまで着磁され、従来必要であった成形後の着磁工程を不要とすることができる。
【0055】
ボンド磁石を各種成形法で製造する場合に、高温状態を維持したまま、磁場中で成形を行うことにより、より低磁場で、高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができるとともに、ボンド磁石の製造過程で、従来、別々に行われていた成形工程と着磁工程とを、一工程で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図3】図3は、実施例及び比較例の着磁率曲線である。
【図4】図4は、本発明の更に他の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図5】図5は、図4のI−I線に沿った断面図である。
【図6】図6は、本発明のなお更なる磁石製造装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・加熱用ヒーター
2a〜2c・・・・・・磁場発生用コイル
3・・・・・・・・・・磁石
7・・・・・・・・・・射出成形機
8A、8B・・・・・・金型
9・・・・・・・・・・キャビティー
10a〜10d・・・・金型加熱用ヒーター
11・・・・・・・・・磁場発生用永久磁石
12・・・・・・・・・押出機
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類系磁石等の磁石に着磁を施して、磁石を製造する磁石製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、電気製品や電子機器に対する小型化ニーズは強く、それに使用されるモーターやセンサ−といった磁石を使用する部品に対しても小型化が強く求められている。このような要求に対して、Sm−Co系やNd−Fe−B系やSm−Fe−N系等に代表される希土類磁石等の高エネルギー積の磁石が広く使用されており、部品の小型化に大きく貢献している。
【0003】
一般に、磁石を製造する工程では、最終工程で磁力を最大限に引き出すために着磁と呼ばれる、磁力を高める工程があり、着磁コイルに電流を流すことによって磁場を発生させる方式の着磁機が広く使用されており、着磁コイルに瞬間的に大電流を流して、非常に短時間に大きな磁場を発生させている。
【0004】
一般的には、磁石本来の磁気特性を充分に引き出すためには、非常に高い磁場で着磁する必要があり、特に、飽和点まで着磁するためには、iHcの3倍以上の磁場が必要ともいわれている。従って、保持力の高い希土類系磁石材料を着磁する場合には、非常に高い磁場を発生させる必要があるために、コイル巻き数を非常に多くする必要があり、フェライト磁石の着磁用のものに比べて着磁コイルが大型になる傾向がある。
【0005】
また、通常の磁石製造方法における着磁工程においては、連続して着磁が行われる。このような状況下では、通電により発生した熱がコイルに蓄積して、コイル温度が上昇するために、コイル抵抗値が高くなり、結果的に、コイルに流れる電流値が低下することになり、従って、発生磁場が低下してしまい、着磁効率が低下するという問題があり、このために、コイル自体に冷却機構を設けてコイルの温度上昇を防止するのが一般的である。従って、着磁に要する時間は、例えば、1秒以下といった非常に短時間であるために、発熱したコイルで温められたとしても、磁石自体の実際の温度は室温程度である。また、磁石自体の発熱も限定されており、実際の温度はそれほど上がらない。
【0006】
異方性ボンド磁石の製造工程において、磁場中で成形を行うことは一般に行われているが、その目的は異方性磁粉を配向させることであり、着磁が目的ではない。また、等方性ボンド磁石では、磁粉を配向させる必要がないため、経済的な理由等から、磁場中でボンド磁石の成形を行うことは行われていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような、一般的な磁石製造方法における着磁工程においては、大量の磁石を連続して着磁すると、瞬間的な発熱や変形による磁場発生用コイルへの負荷が大きく、コイル抵抗値の経年変化や着磁時に発生する瞬間的なひずみにより、ヨークの破壊が起こる場合があるため、磁場発生用コイルの交換等のメンテナンスを頻繁に行う必要があるという問題がある。従って、磁場発生用コイルの寿命をより長くするために、より低磁場で高効率に着時できる方法や装置が求められていた。更には、できれば、磁石の成形工程とは、別工程で行われる着磁工程を省略したいという要求もある。
【0008】
しかしながら、高特性ボンド磁石に最も多く使用されているNd−Fe−B系磁粉は、その磁気特性が等方性であるため、ボンド磁石を成形しただけでは磁石としては機能せず、ボンド磁石としての特性を発揮するためには、必ず、磁石の着磁を行う必要があるため、成形工程とは別に着磁工程が必ず行われる。
【0009】
一方、製品に対する小型化の要求を反映した磁石の小型化に従って、必然的に、磁石の着磁ピッチが狭くなる傾向があるため、今までよりも、より狭い体積中に着磁コイルを設置する必要があり、着磁機に使用されるコイルサイズも、従来よりも非常に厳しい制限を受ける。特に、磁石表面に多数の磁極が配置された、多極着磁された磁石の着磁においては、コイルサイズに対する制限は、更に厳しい。従って、着磁機のコイルの巻き数を多くすることができず、着磁磁場が不足するために、着磁された磁石の発揮する磁力が、磁石本来の飽和値に比べて非常に低いレベルまでしか達せず、磁石本来の磁気特性が引き出されていない状態で使用せざるを得ないのが現状である。このために、所望の磁気特性を達成するためには、必要以上に磁気特性の高い磁石を選択する必要があった。
【0010】
ところで、等方性Nd−Fe−Bボンド磁石の場合には、ボンド磁石の磁気特性は、含有される磁性粉の充填率に比例しているため、より高い磁気特性を達成するためには、磁性粉のより高充填化が必要となる。特に、射出成形ボンド磁石の場合には、磁性粉の充填率を高めると射出成形性が低下し、小型製品や薄肉製品が成形しにくくなるという問題があるため、磁気特性が高くなるほど、成形できる成形品の小型化、薄肉化に限界があり、製品形状が制限される傾向があった。従って、超小型の製品を成形するには、磁性粉のより低充填のボンド磁石を、できるだけ高効率で着磁して、より高特性を実現する磁石製造方法及びその装置が求められていた。また、比較的高価な磁性粉末の含有量が増えることで、ボンド磁石の原材料費が高くなるという経済的な問題もあった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来の磁石の着磁方法及び着磁装置が有する課題を解決することになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、磁石製造方法において、第1には、高温状態で、着磁を施すようにしたものであり、第2には、金型のキャビティーに充填された成形工程中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すようにしたものであり、第3には、ダイ中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すようにしたものである。また、本発明は、上述した目的を達成するために、磁石製造装置において、第1には、加熱部材と磁場発生部材とを有し、前記加熱部材により着磁される磁石が加熱された状態で、前記磁場発生部材により着磁するようにしたものであり、第2には、磁場発生部材を永久磁石としたものである。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0014】
本発明は、高温状態において、磁石、特に、希土類系磁石を着磁することにより、磁石を高効率に着磁する磁石製造方法及びその装置に関するものであり、また、磁石を高効率で着磁させることにより、室温で磁石を着磁する場合に比べて、低磁場で、所望の磁力に着磁することを可能にし、結果的に、着磁コイルの小型化が実現できる。また、本発明は、この効果を利用して、磁石を極狭ピッチで着磁することができるものである。
【0015】
以下にその詳細について説明するが、以下の本発明の説明において使用されている着磁工程における「高温状態」とは、着磁される磁石の温度が、室温より40℃以上高い状態をいう。これは、磁石の着磁効率が向上する現象が、磁石を高温状態とすることにより、磁石が可逆的な減磁を起こし、高温状態にて保持力が低下したために、低磁場で着磁され易くなることに起因していると推測され、温度が高くなるほど、減磁の度合いが大きくなり、より着磁効率が向上する。つまり、より低磁場での高い着磁率が達成されると考えられる。
【0016】
一般的には、従来の技術において説明した通り、磁石の着磁工程では加熱は行われないため、磁石温度は、実質的に、室温と同じ温度であり、この室温で着磁が行われることになる。着磁工程における発熱等で、磁石温度が高くなったとしても、たかだか30℃程度であるため、たとえ、室温が40℃であったとしても、磁石の到達温度が、たかだか80℃を越えることはない。従って、積極的に磁石を加熱しなければ到達しない温度である80℃以上であれば、磁石の加熱状態での着磁工程における着磁率の向上効果が得られることになる。しかし、磁石の加熱状態を高くし、磁石のキュリー点を大きく超えた高温になると、磁石の磁性が消失してしまうため好ましくない。
【0017】
また、本発明において、着磁をボンド磁石の成形工程中に、成形と同時に、着磁を行う場合には、着磁温度は、成形温度又はそれ以下となる。例えば、ポリエチレン等の一般的な熱可塑性樹脂系樹脂複合材料の場合の成形においては、成形工程と同時に着磁を行う場合には、着磁温度は、120℃以上となるため好ましいが、成形後の冷却工程において着磁を行う場合には、できるだけ、高い温度に保たれている間に着磁を行うのが好ましく、磁石温度が、高温状態である80℃以上に保たれている間に着磁を行うことになる。
【0018】
希土類磁石は、水分を嫌うため、吸湿性の低い12ナイロン等が好んで使用されるが、この場合には、押し出し成形であれば、180℃〜230℃程度に加熱されるため、成形工程中で着磁を行うと、更に着磁温度が高くなるため、磁石の着磁効率が高くなり好ましい。また、同様に12ナイロン系樹脂複合材料を使用した射出成形では、成形温度は更に高く、例えば、220℃〜270℃程度であるため更に好ましい。また、樹脂が芳香族ナイロンやPPS等の更に融点又は軟化点の高いスーパーエンプラと一般に呼ばれる樹脂を使用した樹脂複合材料では、成形温度が更にまた高くなるために、成形中に着磁を行うと、着磁温度が更にまた高くなり、より好ましい。
【0019】
熱硬化性バインダーを使用した等方性の希土類系ボンド磁石の製造においては、通常、無磁場で圧縮成形する成形工程と、バインダーを硬化させるために、100℃〜200℃程度の温度において、バインダーの硬化を行うキュアリング工程、その後に、ボンド磁石を着磁する着磁工程を、別々に行う製造方法及びその装置が一般的であるが、ボンド磁石のキュアリング工程において又は直後の磁石温度が高温に保持されている間に着磁を行うと、通常、別工程で行われる圧縮成形ボンド磁石のキュアリング工程と着磁工程の二工程が、一工程で又は二工程を連続的に行うことができるために、製造時間を短縮できる効果がある。更に、キュアリング工程後に、室温程度まで冷却された後に、ボンド磁石の着磁を行う場合に比べて、着磁率も高くなるため好ましい。
【0020】
本発明に使用する希土類磁石は、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−Fe−N系等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、高温状態において、可逆的に保持力が低下する磁石であればよい。また、磁石は、異方性磁石でも等方性磁石でも特に問題はない。
【0021】
本実施例における磁石の形態としては、焼結磁石、ボンド磁石等、特に製造方法に起因する形態等には制限を受けないが、着磁の際に、高温状態において、磁石の品質に悪影響を与えない程度の熱安定性を有していればよい。
【0022】
本発明におけるボンド磁石の成形方法としては、射出成形、押し出し成形、圧縮成形、トランスファー成形、ロール成形等が挙げられるが、特に、これらに限定されるものではなく、成形工程において成形体を加熱し、成形とは別工程で、或いは、成形に引き続き連続して、或いは、成形と同時に磁場を印加できる成形方法であればよい。
【0023】
着磁工程における磁石の加熱方法及び加熱のタイミングは、特に限定されず、着磁のために、磁石へ磁場が印加される時点で、磁石が高温状態に維持されていればよく、着磁工程における磁石の加熱は、必ずしも必要なく、加熱工程と着磁工程を別に行っても良い。
【0024】
ボンド磁石の成形工程の直後に、成形体が高温状態で、或いは、成形後に行う成形体の冷却過程において着磁を行うことにより、成形工程と加熱工程と着磁工程を連続的に行っても良く、更には、磁場を印加した状態で加熱して成形することにより、成形工程と加熱工程と着磁工程を同時に行ってもよい。例えば、磁場中射出成形、磁場中押し出し成形、磁場中圧縮成形、磁場中トランスファー成形等が挙げられる。
【0025】
磁場中成形を行う場合に、印加する磁場の供給方法は、電磁石に限らず、電磁石に比べて発生磁場の小さい永久磁石でもよく、この場合には、金型に永久磁石を埋め込む等の方法が考えられる。また、使用される永久磁石には、熱安定性の観点から、Sm−Co系が好ましいが、使用される温度で、必要な磁場を発生することができれば、これに限定されるものではない。
【0026】
また、着磁工程を、不活性雰囲気中で行うことは、希土類磁性粉の熱により受けるダメージを防止する効果があるため、磁石の品質上好ましい。
【0027】
以下により具体的な実施例について説明する。
【0028】
本発明の実施例として、磁石を加熱しながら着磁する装置の一例としての着磁装置を、図1を用いて説明する。
【0029】
1は、加熱部材としての筒状の加熱用ヒーターであり、2aは、磁場発生部材としての環状の磁場発生用コイルであり、3は、着磁する磁石であり、4は、加熱用ヒーター1の下部開口を閉鎖するとともに、磁石3が載置される磁石載置具であり、5は、磁石3の飛び出しを防ぐための磁石飛び出し蓋具であり、6は、加熱用ヒーター1と磁場発生用コイル2aと間に配置された、加熱用ヒーター1から発生する熱を、磁場発生用コイル2aに伝わるのを防ぐための筒状の断熱部材である。あらかじめ、着磁装置を、加熱ヒーター1で加熱しておき、着磁する磁石3を、磁石載置具4に載置するとともに、磁石飛び出し蓋具5を配設して、着磁装置にセットし、磁石3が、加熱ヒーター1の温度と略同じ温度の高温状態に加熱された状態で、磁場発生用コイル2aに電流を流して、磁場発生用コイル2a内に所定の磁場を発生させ、磁石3の着磁を行う。なお、発生磁場の安定化等の目的で、磁場発生用コイル2aを冷却するための冷却機構を配設しても良い。
【0030】
直径10mm、高さ7mmの円柱状の磁石を試料として作製し、試料を、上述した着磁装置に装着し、所定の高温状態に加熱して、高温状態において、着磁磁場10kOeにて磁石の着磁を行った。本発明実施例2及び比較例2のような異方性ボンド磁石の場合には、着磁の前に磁石を完全に脱磁し、その後、配向方向と同一方向の着磁を行った。
【0031】
上述した着磁装置で、試料を、加熱状態において着磁を行った後に、室温まで冷却して、室温にて、試料のトータルフラックス値を測定した。また、室温にて、50kOeで着磁した試料のトータルフラックス値を測定し、このように、50kOeで着磁した試料のトータルフラックス値を基準トータルフラックス値とし、この基準トータルフラックス値に対する、上記の高温状態の下で着磁された試料の相対値を算出し、この値を、着磁率(%)と定義して、着磁効率の評価をした。
【0032】
各試料を、高温状態まで加熱し、この高温状態で、10kOeの磁場で着磁を行った各試料の着磁率が、表1に示されている。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示されているように、磁石がNd−Fe−B系等方性ボンド磁石の場合、着磁を25℃で行った比較例1では、着磁率が34%であったのに対して、高温状態の120℃に加熱して着磁を行った実施例1では、着磁率が59%にまで向上した。また、磁石がSm−Fe−N系異方性ボンド磁石の場合には、25℃で着磁した比較例2が、たかだか45%であったのに対して、高温状態の120℃で着磁した実施例2では、着磁率が65%にまで向上した。なお、いずれも、バインダーは、12ナイロンである。
【0035】
次に、高温状態であるボンド磁石の成形工程中に、磁場を印加して着磁することにより、ボンド磁石を製造するための装置の一例としての磁場射出成形機を、図2を用いて説明する。
【0036】
7は、公知の射出成形機であり、8Aは、固定金型8aと可動金型8bとにより構成される金型である。可動金型8b内には、成形されるボンド磁石の形状に応じて、キャビティー9aが形成されており、固定金型8a及び可動金型8b内には、加熱部材としての金型加熱用ヒーター10a、10bが、それぞれ装備されている。2bは、可動金型8bの周囲に設置された磁場発生用コイルである。なお、固定金型8aの外周にも、同様の磁場発生用コイルを配設することもできる。
【0037】
溶融された希土類系磁性粉配合樹脂複合材料は、金型8Aに形成されたキャビティー9aへ射出されるが、この射出タイミングに合わせて、金型8Aに配設された磁場発生用コイル2bに電流を流すことにより、キャビティー9aに射出され溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料に磁場を印加するとともに、磁場を印加したままの状態で、射出された希土類系磁性粉配合樹脂複合材料を冷却する。その後、磁場発生用コイル2bへの電流を遮断し、所定時間冷却後に、金型8Aから、成形されたボンド磁石を取り出す。このようにして、成形工程と着磁工程を同時に行うことができる。
【0038】
なお、磁場の印加タイミングは、成形工程の一部でもよく、また、高温状態を維持していれば、射出完了後の冷却工程でもよい。印加する磁場は、磁場発生用コイル2bへ流す電流量で調節することが可能となる。更に、図2では、磁場発生用コイル2bが金型8Aの外周に設置されているが、小型の磁場発生用コイル2bを、金型8Aの内部に、一個或いは複数個設置してもよい。更にまた、金型8Aに冷却機構を設けて、金型の加熱と冷却の併用による温度制御を行うと、着磁温度が安定するため、より好ましい。
【0039】
Nd−Fe−b系等方性希土類磁粉が60体積%配合された12ナイロン系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機により磁場中で射出成形して、直径10mm、高さ7mmの円柱状のボンド磁石を成形した(実施例3)。また、Nd−Fe−B系等方性磁粉が60体積%配合されたPPS系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機により磁場中で射出成形して、直径10mm、高さ7mmの円柱状ボンド磁石を製造した(実施例4)。なお、12ナイロン系樹脂複合材料は、成形温度を260℃とし、PPS系樹脂複合材料では、成形温度300℃とし、金型温度は、どちらも100℃とした。
【0040】
比較のために、Nd−Fe−B系等方性希土類磁粉が60体積%配合された12ナイロン系樹脂複合材料を使用して、上述した磁場射出成形機を用いて、磁場無しの状態で、直径10mm、高さ7mmのボンド磁石を成形し、その後、成形したボンド磁石を、再度、磁場射出成形機のキャビティー9aに設置し、室温(25℃)にて磁場を印加して着磁を行い、比較例3とした。
【0041】
着磁磁場を変えて着磁した各試料のトータルフラックス値を、上述したように測定し、このトータルフラックス値と基準トータルフラックス値とから、上述したようにして、着磁率を算出した。着磁磁場に対する着磁率の変化(以下、着磁率曲線という。)が、図3に示されている。
【0042】
図3に示すごとく、着磁温度が、室温(25℃)における着磁率曲線(比較例3)に比較して、上述した磁場中射出成形して作製した12ナイロン系樹脂複合材料のボンド磁石の着磁率曲線(実施例3)の場合には、立ち上がりが低磁場で発現し、5kOe以上の着磁磁場において、着磁率が80%以上に達していた。更に、上述した磁場中射出成形して作製したPPS系樹脂複合材料のボンド磁石の着磁率曲線(実施例4)の場合には、4kOe以上の着磁磁場において、着磁率が80%以上に達していた。これらに比べて、比較例3の場合には、着磁磁場が15kOe以上になって、やっと着磁率が80%以上となった。
【0043】
次に、図4及び図5を用いて、ボンド磁石を製造するための装置の他の例として、永久磁石を内部に設置した金型を使用した磁場射出成形機について説明する。
【0044】
7は、図2に示されている公知の射出成形機であり、8Bは、固定金型8cと可動金型8dとから構成されている金型である。9bは、可動金型8d内に形成された円筒形のキャビティーであり、キャビティー9b内に、円筒状のボンド磁石が成形されることになる。固定金型8cと可動金型8dとには、上述した磁場射出成形機と同様に、それぞれ、加熱部材としての金型加熱用ヒーター10c、10dが装備されている。また、円筒状のキャビティー9dの周囲に位置する金型8Bには、円筒状のキャビティー9dの軸線に対して放射線状に、且つ、キャビティー9dに近接して、磁場発生部材としての磁場発生用永久磁石11が、複数個(本実施例においては、6個の磁場発生用永久磁石11が埋設されている。)埋設されており、これらの磁場発生用永久磁石11は、互いに隣り合う磁石同士の磁極の向きが反対になるように設置されている。これらの磁場発生用永久磁石11の発生する磁場により、キャビティー9bに、S極とN極が交互に発現するような磁場が供給され、キャビティー9b内で成形されたボンド磁石が、複数極(本実施例においては、6極)に着磁されるように構成されている。この磁場発生用永久磁石11は、熱安定性の観点から、Sm−Co系磁石が好ましいが、他の磁石で代用することもできる。
【0045】
Nd−Fe−B系等方性磁粉を60体積%配合した12ナイロン系樹脂複合材料を用いて、上述した永久磁石11が埋設された金型8Bを有する磁場射出成形機により磁場中射出成形を行い、外径8mm、内径6mm、長さ10mmで、外周に6極着磁された円筒状のボンド磁石を作製し、表面磁束の極大点が、切削片の中心となるように、4mm幅で切り出して、4mm×10mmの切削片を作製し、実施例5とした。また、実施例5と同じ材料を使用して、磁場無しの射出成形機で、実施例5と同じサイズの円筒状のボンド磁石を成形し、その後、同様に、4mm幅で切り出して、4mm×10mmの切削片を作製し、この切削片を、公知の着磁機で、室温において10kOeで着磁を行い、比較例4とした。なお、12ナイロン系樹脂複合材料の成形温度を260℃とし、金型温度を100℃とした。
【0046】
上述したようにして作製された円筒状のボンド磁石の表面磁束を測定した。また、切削片を、50kOeで着磁して、再度、切削片の表面磁束を測定して、50kOeで着磁した切削片の表面磁束に対する相対値を算出し、この値を、着磁率(%)と定義して、着磁効率の評価に採用した.この結果が、表2に示されている。
【0047】
【表2】
【0048】
実施例5の場合には、着磁率が、85%であるのに対して、比較例4の場合には、実施例5の場合の略半分である40%であった。従って、高温状態で、着磁を施すことにより、着磁効率が向上する。
【0049】
次に、図5を用いて、ボンド磁石を製造するための装置の更に他の例として、磁場中で押し出し成形を行う磁場押出成形機について説明する。
【0050】
12は、公知の押出機であり、13は、ダイである。ダイ13は、押し出された溶融状態の磁性粉配合樹脂複合材料を冷却しながら、ダイ13のダイ孔の形状に合わせてサイジングする機能を有するものものであり、ダイ13のダイ孔の形状に合った成形品14が成形されることになる。ダイ13の周囲には、磁場発生用コイル2cが配設されている。溶融状態の磁性粉配合樹脂複合材料が、ダイ13を通りながらサイジングされる工程で、磁場発生用コイル2cに、連続的或いは間欠的に、電流を流すことで、成形品14に着磁を行う。ダイ13から連続的に押し出された成形品14は、後工程において、公知の手段により、所望の寸法に切断される。
【0051】
本発明は、上述したように、磁石の製造における着磁工程において、磁石を高温状態に維持した状態で着磁することにより、より低磁場で、所望の高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができる。また、特に、ボンド磁石を各種成形法で製造する場合に、上述したように、高温状態の磁場中で成形を行うことで、より低磁場で、高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができ、しかも、ボンド磁石の製造過程で、従来、別々に行われていた成形工程と着磁工程とを、一工程で行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したように構成しているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0053】
高温状態で、着磁を施すことにより、室温で着磁する場合に比べて、より低磁場で、所望の高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができる。
【0054】
溶融状態の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が、その高温状態を維持している状態で、着磁を施すことにより、非常に高いレベルにまで着磁され、従来必要であった成形後の着磁工程を不要とすることができる。
【0055】
ボンド磁石を各種成形法で製造する場合に、高温状態を維持したまま、磁場中で成形を行うことにより、より低磁場で、高いレベルの磁力を有する磁石を製造することができるとともに、ボンド磁石の製造過程で、従来、別々に行われていた成形工程と着磁工程とを、一工程で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図3】図3は、実施例及び比較例の着磁率曲線である。
【図4】図4は、本発明の更に他の磁石製造装置の概略垂直断面図である。
【図5】図5は、図4のI−I線に沿った断面図である。
【図6】図6は、本発明のなお更なる磁石製造装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・加熱用ヒーター
2a〜2c・・・・・・磁場発生用コイル
3・・・・・・・・・・磁石
7・・・・・・・・・・射出成形機
8A、8B・・・・・・金型
9・・・・・・・・・・キャビティー
10a〜10d・・・・金型加熱用ヒーター
11・・・・・・・・・磁場発生用永久磁石
12・・・・・・・・・押出機
Claims (5)
- 高温状態で、着磁を施すことを特徴とする磁石製造方法。
- 金型のキャビティーに充填された成形工程中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すことを特徴とする磁石製造方法。
- ダイ中の等方性の希土類系磁性粉配合樹脂複合材料が高温状態を維持している状態で、着磁を施すことを特徴とする磁石製造方法。
- 加熱部材と磁場発生部材とを有し、前記加熱部材により着磁される磁石が加熱された状態で、前記磁場発生部材により着磁することを特徴とする磁石製造装置。
- 磁場発生部材が永久磁石であることを特徴とする請求項4に記載の磁石製造装置。
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