JP2002353464A - 電気光学装置、その製造方法及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、その製造方法及び電子機器

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JP2002353464A
JP2002353464A JP2001160925A JP2001160925A JP2002353464A JP 2002353464 A JP2002353464 A JP 2002353464A JP 2001160925 A JP2001160925 A JP 2001160925A JP 2001160925 A JP2001160925 A JP 2001160925A JP 2002353464 A JP2002353464 A JP 2002353464A
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electro
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pixel
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JP2001160925A
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Atsuto Yasui
淳人 安井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI特有の基板浮遊効果を抑制した画素ト
ランジスタと、これを動作させるための駆動トランジス
タとを有する電気光学装置、特に、サブスレッショルド
領域におけるキンクが問題となる投射型表示装置などの
電子機器に最適な電気光学装置、および、この電気光学
装置を用いた電子機器を提供することにある。 【解決手段】周辺駆動トランジスタのイオン注入工程を
2度行い、不純物濃度プロファイルを膜厚深さ方向に一
定、もしくは絶縁層側を高くすることによって、多数キ
ャリアの引き抜き効果を高めて寄生バイポーラ現象によ
るサブスレッショルド領域でのキンクを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁体層上の半導
体層に形成されたMISトランジスタにおいて、いわゆ
る基板浮遊効果を防止した電気光学装置、その製造方法
及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁体上に単結晶シリコン層からなる半
導体層を形成し、その半導体層にトランジスタ等の半導
体デバイスを形成するSOI(Silicon-On-Insulator)
技術は、素子の高速化や低消費電力化、高集積化等の利
点を有し、液晶装置等の電気光学装置に適用することが
可能である。ところで、一般的なバルク半導体部品にあ
って、MISトランジスタのチャネル領域は、下地基板
を通じて、該チャネル領域を所定の電位に保持すること
ができるので、チャネル部の電位変化に起因する寄生バ
イポーラ効果などによって素子の耐圧などの電気的特性
が劣化することはない。
【0003】しかしながら、SOI構造のMISトラン
ジスタでは、チャネル下部が下地絶縁膜により完全に分
離されているため、チャネル領域を上記のように所定の
電位に固定させることが出来ず、該チャネル領域が電気
的に浮いた状態となる。このとき、ドレイン領域近傍の
電界で加速されたキャリアと結晶格子との衝突によるイ
ンパクトイオン化現象により発生した余剰キャリアがチ
ャネルの下部に蓄積する。この際、チャネル下部に余剰
キャリアが蓄積してチャネル電位が上昇すると、ソース
・チャネル・ドレインのNPN(Nチャネル型の場合)構造
が見掛け上のバイポーラ素子として動作するため、異常
電流により素子のソース・ドレイン間耐圧が劣化するな
ど電気的な特性が悪化する、という問題があった。これ
らのチャネル部が電気的に浮いた状態であることに起因
する一連の現象は、基板浮遊効果と呼ばれる。
【0004】そこで、このような問題を解決するため、
従来にあっては、チャネル領域と所定の経路で電気的に
接続されたボディコンタクト領域を設けるとともに、チ
ャネル領域に蓄積された余剰キャリアを該ボディコンタ
クト領域から引き抜くことにより、基板浮遊効果を抑制
していた。また、メサ分離されたMISトランジスタを
形成したとき、半導体層の側壁部のうち、不純物濃度の
低い部分に寄生MISトランジスタが発生してしまい、
サブスレッショルド領域に頒布が生じる問題があるた
め、側壁部にイオン注入することで不純物濃度を高く
し、寄生MISトランジスタの発生を抑制していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶装
置などの電気光学装置の画素トランジスタを動作させる
ための駆動トランジスタは、高い電源電圧、例えば10
〜15Vが必要になるため、通常の部分空乏型MISト
ランジスタより半導体層を厚くする必要がある。例え
ば、基板(チャネル)濃度が3×1016/cmとす
ると、チャネル空乏層が170nm程度まで拡がってし
まう。そのため、半導体層を200nmより厚くする必
要がある。このような膜厚の半導体層では、通常一度の
ドーピングでは、チャネル下部の不純物濃度が低くなっ
てしまう。そのため、絶縁体層側の半導体層における抵
抗が高くなってしまい、ボディコンタクト領域を設けて
も、中性領域にたまった電荷の引き抜き効果が十分でな
く、サブスレッショルド領域においてキンク(電流値の
異常な立ち上がり)が見られるという問題があった。ま
た、チャネル下部の側壁部には寄生MOSが発生すると
いう問題がある。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、SOI特有の基板浮遊
効果を抑制した画素トランジスタと、これを動作させる
ための駆動トランジスタとを有する電気光学装置、特
に、サブスレッショルド領域におけるキンク(電流値の
異常な立ち上がり)が問題となる投射型表示装置などの
電子機器に最適な電気光学装置、その製造方法及び電子
機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本件第1の発明は、支持基板と、前記支持基板上に
形成された第1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形
成された半導体層とにより構成された基板上に、複数の
走査線と、前記複数の走査線に交差する複数のデータ線
と、前記走査線と前記データ線に接続された画素トラン
ジスタと、前記画素トランジスタに接続された画素電極
と、前記画素トランジスタを動作させるための駆動トラ
ンジスタを含む周辺回路とを有する電気光学装置の製造
方法であって、前記半導体層に形成される単結晶半導体
層から成るチャネル形成領域に膜厚深さ方向に不純物濃
度のピーク位置の異なるイオン注入を2度行う工程を有
する方法を特徴としている。この方法によれば、チャネ
ル形成領域に、膜厚方向に不純物濃度のピーク位置の異
なるイオン注入を2度行う工程により、厚い半導体層に
おいて半導体層の表面側と絶縁膜側との不純物濃度プロ
ファイルを自由に作成することができる。また、チャネ
ル領域における不純物濃度プロファイルが自由に作成で
きることにより、チャネル領域側壁部における寄生MI
Sトランジスタの形成を抑制することもできる。
【0008】同様に上記目的を達成するため、本件第2
の発明は、支持基板と、前記支持基板上に形成された第
1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された半導
体層とにより構成された基板上に、複数の走査線と、前
記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、前記走査
線と前記データ線に接続された画素トランジスタと、前
記画素トランジスタに接続された画素電極と、前記画素
トランジスタを動作させるための駆動トランジスタを含
む周辺回路とを有する電気光学装置であって、前記駆動
トランジスタのチャネル形成領域下部において、多数キ
ャリア引き抜き効果を得るのに十分な不純物濃度を有す
る構成を特徴としている。この構成によれば、駆動トラ
ンジスタにおけるチャネル形成領域下部において、十分
な不純物濃度を有することのよる低抵抗化により、多数
キャリア引き抜き効果の向上を得られ、余剰キャリアの
蓄積を防止して、基板浮遊効果を抑制することができ
る。
【0009】また、上記目的を達成するため、本件第3
の発明は、支持基板と、前記支持基板上に形成された第
1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された半導
体層とにより構成された基板上に、複数の走査線と、前
記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、前記走査
線と前記データ線に接続された画素トランジスタと、前
記画素トランジスタに接続された画素電極と、前記画素
トランジスタを動作させるための駆動トランジスタを含
む周辺回路とを有する電気光学装置であって、前記駆動
トランジスタにおいて、チャネル領域における膜厚深さ
方向の不純物濃度プロファイルを、第1の絶縁体層側に
高く、表面側に低くなるようにした構成を特徴としてい
る。この構成によれば、駆動トランジスタにおいて、チ
ャネル領域における膜厚深さ方向の不純物濃度プロファ
イルを第1の絶縁体層側を高く、表面側を低くすること
によって、第1の絶縁体層上に形成された半導体層が厚
いときにチャネル領域下部における余剰キャリアの蓄積
を防止して、基板浮遊効果を抑制することができる。ま
た、チャネル領域における不純物濃度プロファイルが、
第1の絶縁体層側が高いため、チャネル領域側壁部にお
ける寄生MISトランジスタの形成を抑制することもで
きる。
【0010】一方、上記目的を達成するため、本件第4
の発明は、支持基板と、前記支持基板上に形成された第
1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された半導
体層とにより構成された基板上に、複数の走査線と、前
記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、前記走査
線と前記データ線に接続された画素トランジスタと、前
記画素トランジスタに接続された画素電極と、前記画素
トランジスタを動作させるための駆動トランジスタを含
む周辺回路とを有する電気光学装置であって、前記駆動
トランジスタにおいて、チャネル領域における膜厚深さ
方向の不純物濃度プロファイルが一定である構成を特徴
としている。この構成によれば、駆動トランジスタにお
いて、チャネル領域における膜厚深さ方向の不純物濃度
プロファイルが一定であることによって、第1の絶縁体
層上に形成された半導体層が厚いときにチャネル領域下
部における余剰キャリアの蓄積を防止して、基板浮遊効
果を抑制することができる。また、チャネル領における
不純物濃度プロファイルが一定であるため、チャネル領
域側壁部における寄生MISトランジスタの形成を抑制
できることもできる。
【0011】さて、上記第2、第3または第4の発明に
おいては、前記第1の絶縁体層上に形成された半導体層
のうち、少なくとも画素トランジスタを動作させるため
の駆動トランジスタが形成されている部分の膜厚が20
0nm以上である構成が好ましい。この構成によれば、
電気光学装置のうち、少なくとも駆動トランジスタの形
成されている部分にチャネル形成領域下部に蓄積する余
剰キャリアをボディコンタクトにより引き抜くことがで
きる。
【0012】また、これらの発明のうち、いずれかにお
いては、前記支持基板が石英であり、且つ、第1の絶縁
体層上に形成された半導体層が単結晶シリコンである構
成が好ましい。この構成によれば、支持基板が透明であ
るため、透過型の液晶装置などの電気光学装置に適用可
能である。また、支持基板がガラスでは行えない高温プ
ロセスができるため、良質の絶縁膜などを得ることがで
き、信頼性の高いデバイスを提供できる。さらに、前記
半導体層が単結晶シリコンであるため、駆動周波数を高
めた高品質で高精細な電気光学装置を得ることができ
る。
【0013】同様に、これらの発明のうち、いずれかに
おいては、前記支持基板が石英であり、且つ、第1の絶
縁体層上に形成された半導体層が多結晶シリコンである
構成が好ましい。この構成によれば、支持基板が透明で
あるため、透過型の液晶装置などの電気光学装置に適用
可能である。また、支持基板がガラスでは行えない高温
プロセスができるため、良質の絶縁膜などを得ることが
でき、信頼性の高いデバイスを提供できる。さらに、前
記半導体層が多結晶シリコンであるため、基板上に容易
に成膜する事ができ、高精細な電気光学装置を容易に得
ることができる。
【0014】また、これらの発明のうち、いずれかにお
いては、前記支持基板がガラスである構成が好ましい。
この構成によれば、支持基板が安価な透明基板であるた
め、液晶装置などの透過型の電気光学装置を低コストで
提供できる。
【0015】そして、本発明の電子機器は 光源と、前
記光源から出射される光が入射されて画像情報に対応し
た変調を施す上記電気光学装置と、前記電気光学装置に
より変調された光を投射する投射手段とを具備すること
を特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態に係る
電気光学装置について、図面を参照して説明する。
【0017】(電気光学装置の構成)図1は、本発明の
一実施形態に係る電気光学装置としての液晶パネルの全
体構成を説明するための平面図であり、TFTアレイ基
板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の
側から見た状態を示した平面図である。また、図3は、
図1のA−A’線に沿った断面図であり、図4は、図1
のB−B’線に沿った断面図である。
【0018】さて、図2において、本実施形態に係る液
晶装置の画像表示領域を構成する複数の画素は、マトリ
クス状に複数形成された画素電極9aと、画素電極9a
を制御するための画素トランジスタ30とからなり、画
像信号が供給されるデータ線6aが当該画素トランジス
タ30のソースに電気的に接続されている。データ線6
aに書き込まれる画像信号S1、S2、…、Snは、こ
の順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数
のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するよ
うにしても良い。
【0019】また、画素トランジスタ30のゲートに走
査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミング
で、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、
Gmを、この順に線順次で印加するように構成されてい
る。画素電極9aは、画素トランジスタ30のドレイン
に電気的に接続されており、画素トランジスタ30を一
定期間だけスイッチを閉じることにより、データ線6a
から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定の
タイミングで書き込む。画素電極9aを介して液晶に書
き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Sn
は、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述
する)との間で一定期間保持される。ここで、保持され
た画像信号のリークするのを防ぐために、画素電極9a
および対向電極の間に形成される液晶容量に対して並列
に蓄積容量70が付加されている。この蓄積容量70に
より、保持特性が改善され、コントラスト比の高い液晶
装置が実現できる。
【0020】図1、図3および図4に示す液晶パネル
は、一対の基板間に液晶が封入されたものであり、一方
の基板間をなす薄膜トランジスタ(Thin Film Transist
or、以下TFTと略記する)アレイ基板10と、これに
対向配置された他方の基板をなす対向基板20とを備え
ている。
【0021】図1は、TFTアレイ基板10をその上に
形成された各構成要素とともに対向基板20の側から見
た状態を示している。図1に示すように、TFTアレイ
基板10の上には、シール材51がその縁に沿って設け
られており、その内側には、シール材51に平行して額
縁としての遮光膜53が設けられている。また、図1に
おいて、符号52は、表示領域を示している。表示領域
52は、額縁としての遮光膜53の内側領域であり、液
晶パネルの表示に使用する領域である。また、符号54
は、表示領域の外側の領域である非表示領域を示してい
る。
【0022】非表示領域54には、データ線駆動回路1
01および外部回路接続端子102がTFTアレイ基板
10の一辺に沿って設けられ、走査線駆動回路104が
この一辺に隣接する2辺に沿って設けられ、プリチャー
ジ回路103が残る一辺に沿って設けられている。さら
に、データ線駆動回路101、プリチャージ回路10
3、走査線駆動回路104と外部回路接続端子102と
の間をつなぐための複数の配線105が設けられてい
る。
【0023】また、図3および図4に示すように、TF
Tアレイ基板10は、石英などの光透過性の絶縁基板か
らなる基板本体10Aと、その液晶層50側表面上に形
成され、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電
成膜からなる画素電極9aと、表示領域に設けられた画
素トランジスタ30および非表示領域に設けられた駆動
トランジスタ31と、ポリイミド膜等の有機膜から形成
され、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向
膜16とを主体として構成されている。
【0024】他方、対向基板20は、透明なガラスや石
英などの光透過性基板からなる基板本体20Aと、その
液晶層50側表面上に形成された対向電極21と、配向
膜22と、金属などからなり、各画素部の開口領域以外
の領域に設けられた遮光膜23、および、遮光膜23と
同じかあるいは異なる材料からなる額縁としての遮光膜
53とを主体として構成されている。このように構成さ
れ、画素電極9aと対向電極21とが対向するように配
置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間に
は、液晶層50が形成されている。
【0025】また、図3に示すように、TFTアレイ基
板10の基板本体10Aの液晶層50側表面上におい
て、各画素トランジスタ30に対応する位置には、第1
遮光膜11aが設けられている。また、第1遮光膜11
aと複数の画素トランジスタ30との間には、第1層間
絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、
画素トランジスタ30を構成する半導体層1aを第1遮
光膜11aから電気的に絶縁するために設けられるもの
である。
【0026】図3および図4に示すように、画素トラン
ジスタ30および駆動トランジスタ31は、LDD(Li
ghtly Doped Drain)構造を有しており、走査線3aか
らの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチ
ャネル領域1a’、ゲート電極3cからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
k’、走査線3aおよびゲート電極3cと半導体層1a
とを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層
1aの低濃度ソース領域1b、1g及び低濃度ドレイン
領域1c、1h、半導体層1aの高濃度ソース領域(ソ
ース領域)1d、1i並びに高濃度ドレイン領域1e、
1j(ドレイン領域)を備えている。
【0027】そして、このTFTアレイ基板10では、
画素トランジスタ30の半導体層1aの層厚Aが、非表
示領域に設けられた駆動トランジスタ31の半導体層1
aからなるその他の領域の層厚Bよりも薄くなってい
る。ここで、チャネル領域1a’と低濃度ソース領域1
b、高濃度ソース領域1d及び低濃度ドレイン領域1
c、高濃度ドレイン領域1eとを構成する半導体層1a
の層厚Aは、30〜100nm以上であることが好まし
く、30〜80nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、チャネル領域1a’と低濃度ソース領域1b、高
濃度ソース領域1d及び低濃度ドレイン領域1c、高濃
度ドレイン領域1eとを構成する半導体層1aの層厚A
を30nm未満とした場合、半導体層1aの層厚ばらつ
きが5nm程度あるため、この層厚ばらつきが画素トラ
ンジスタ30の閾値に及ぼす影響が大きくなりすぎるた
め好ましくない。一方、80nmを超える範囲とした場
合、光リーク電流を低減させる効果が十分に得られない
恐れがあるため好ましくない。
【0028】また、駆動トランジスタ31の半導体層1
aの層厚Bは、200〜500nmの範囲とすることが
望ましい。液晶装置などの電気光学装置の画素トランジ
スタを動作させるための駆動トランジスタは、高い電源
電圧、例えば10〜15Vが必要になるため、通常の部
分空乏型MISトランジスタより半導体層を厚くする必
要がある。例えば、基板(チャネル)濃度が3×10
16/cmとすると、チャネル空乏層が170nm程
度まで拡がってしまうので、半導体層を200nmより
厚くする必要がある。このような膜厚の半導体層では、
通常一度のドーピングでは、チャネル下部の不純物濃度
が低くなってしまう。そのため、絶縁体層側の半導体層
における抵抗が高くなってしまい、ボディコンタクト領
域を設けても、中性領域にたまった電荷の引き抜き効果
が十分でなく、サブスレッショルド領域においてキンク
が見られるという問題があった。また、チャネル下部の
側壁部には寄生MOSが発生するという問題がある。ま
た、500nmを超える範囲とした場合、半導体層1a
の層厚Aと膜厚Bとの差が大きくなり、後述する製造方
法で半導体層1aの層厚Aと膜厚Bとを作り出す際、差
が大きすぎるためプロセスに要する時間が長くなるた
め、好ましくない。
【0029】さらに、この液晶パネルにおいては、図3
に示すように、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する
位置から延設して誘電体膜として用い、半導体膜1aを
延設して第1蓄積容量1fとし、更にこれらに対向する
容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることによ
り、蓄積容量70が構成されている。容量線3b及び走
査線3aは、同一のポリシリコン膜からなり、蓄積容量
70の誘電体膜と画素トランジスタ30および駆動トラ
ンジスタ31のゲート絶縁膜2とは、同一の高温酸化膜
なっている。また、画素トランジスタ30のチャネル領
域1a’、ソース領域1d、ドレイン領域1eと、駆動
トランジスタ31のチャネル領域1k’、ソース領域1
i、ドレイン領域1jと、第1蓄積容量電極1fとは、
同一の半導体層1aからなっている。半導体層1aは、
単結晶シリコンによって形成されたものであり、SOI
(Silicon On Insulator)技術が適用されたTFTアレ
イ基板10とされている。
【0030】また、図3に示すように、走査線3a、ゲ
ート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12の上には、画素ト
ランジスタ30の高濃度ソース領域1dへ通じるコンタ
クトホール5及び画素トランジスタ30の高濃度ドレイ
ン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成され
た第2層間絶縁膜4が形成されている。さらに、データ
線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、画素トランジス
タ30の高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール
8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。ま
た、画素電極9aは、このように構成された第3層間絶
縁膜7の上面に設けられている。一方、図4に示すよう
に、駆動トランジスタ31には、画素電極9aは接続さ
れておらず、駆動トランジスタ31のソース領域1iに
は、ソース電極6bが接続され、駆動トランジスタ31
のドレイン領域1jには、ドレイン電極6cが接続され
ている。
【0031】このような液晶パネルを構成するTFTア
レイ基板10は、画素トランジスタ30を構成する半導
体層1aの層厚Aが、駆動トランジスタ31を構成する
半導体層1aの層厚Bよりも薄くなっているので、画素
トランジスタ30の光リーク電流を低減させることがで
きる。さらに、このTFTアレイ基板10においては、
駆動トランジスタ31を構成する半導体層1aの層厚を
厚くすることにより、空乏層が拡がりきらず、チャネル
領域下に中性領域ができ、バルクシリコンに形成された
MISトランジスタと同様になり、駆動トランジスタ3
1の耐圧は低下しない。
【0032】また、このTFTアレイ基板10において
は、画素トランジスタ30は、ソース領域1dとドレイ
ン領域1eとの間の領域がチャネル領域1a’と低濃度
ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cとからなる
LDD構造を有するものとされているので、画素トラン
ジスタ30のチャネル領域1a’と低濃度ソース領域1
b及び低濃度ドレイン1cとの接合部のリーク電流を防
止することや、オフ時の電流を低減することができる安
定した画素トランジスタ30を有する優れたTFTアレ
イ基板10となる。
【0033】一方、このTFTアレイ基板10において
は、画素トランジスタ30を構成する半導体層1aの層
厚Aを、30〜100nmの範囲とすることで、画素ト
ランジスタ30の光リーク電流をよりいっそう効果的に
低減させることができる。さらに、駆動トランジスタ3
1を構成する半導体層1aの層厚Bを、200〜500
nmの範囲とすることで、画素電極9aと画素トランジ
スタ30とを接続するコンタクトホール8を設ける際の
加工が容易なものとなるとともに、高速で駆動すること
のできる駆動回路を形成し得る駆動トランジスタ31を
有するものとなる。
【0034】また、図4に示すように、駆動トランジス
タ31においては半導体層1aの層厚Bが画素トランジ
スタ30の半導体層1aの層厚Aに比べて厚いため、イ
オン注入後の活性化アニールだけでは絶縁体層側の半導
体層の不純物濃度が低くなる。このため、層厚Bのチャ
ネル領域1a’にボディコンタクトをとっても高抵抗の
ため、十分な多数キャリア引き抜き効果を得られず、寄
生バイポーラによるサブスレッショルド領域におけるキ
ンクが生じてしまう。これを抑止するため、厚い半導体
層に形成されたチャネル部の絶縁体層側に余剰キャリア
を引き抜くのに十分で足りる不純物濃度を与えることが
有効な手段となる。また、厚い半導体層に形成されたチ
ャネル部の絶縁体層側に一定、もしくは表面側より高い
不純物濃度を与えることで、寄生MISトランジスタを
抑制することができる。
【0035】なお、本実施形態においては、素子分離は
メサ分離で行っているが、公知のあらゆる素子分離方
法、たとえばLOCOS(Local Oxidation of Silico
n)分離やトレンチなどを用いても構わない。また、本
実施形態によるトランジスタの特性向上の効果は、Nチ
ャネル型に限ったものではなく、Pチャネル型において
もその効果があるため、Pチャネル型を用いても構わな
い。更にはNチャネル型とPチャネル型両方のTFTを形
成しても良い。
【0036】(電気光学装置の製造方法)次に、本発明
に係る電気光学装置の製造方法の一例として、図1、図
3および図4に示した液晶パネルを製造する方法を、図
5〜図13を参照して説明する。まず、図5〜図13に
基づいて、図1、図3および図4に示した液晶パネルの
製造方法におけるTFTアレイ基板10の製造方法につ
いて説明する。なお、図5および図6と、図7から図1
3までとは異なる縮尺で示している。
【0037】はじめに、図5及び図6に基づいて、TF
Tアレイ基板10の基板本体10Aの表面上に、第1遮
光膜11aと第1層間絶縁膜12とを形成する工程につ
いて詳細に説明する。なお、図5及び図6は、各工程に
おけるTFTアレイ基板の一部分を、図3に示した液晶
パネルの断面図に対応させて示す工程図である。まず、
石英基板、ハードガラス等の基板本体10Aを用意す
る。そして、この基板本体10Aを、好ましくはN
(窒素)等の不活性ガス雰囲気下、約850〜130
0℃、より好ましくは1000℃の高温でアニール処理
し、後に実施される高温プロセスにおいて基板本体10
Aに生じる歪みが少なくなるように前処理することが望
ましい。すなわち、製造工程おいて処理される最高温度
に合わせて、基板本体10Aを同じ温度かそれ以上の温
度で熱処理しておくことが望ましい。
【0038】このように処理された基板本体10Aの表
面上の全面に、図5(a)に示すように、Ti、Cr、
W、Ta、Mo及びPbのうち少なくとも一つを含む、
金属単体、合金、金属シリサイド等を、スパッタリング
法、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法などにより、例え
ば150〜200nmの膜厚に堆積することにより、遮
光層11を形成する。次に、基板本体10Aの表面上の
全面にフォトレジストを形成し、最終的に形成する第1
遮光膜11aのパターンを有するフォトマスクを用いて
フォトレジストを露光する。その後、フォトレジストを
現像することにより、図5(b)に示すように、最終的
に形成する第1遮光膜11aのパターンを有するフォト
レジスト207を形成する。次に、フォトレジスト20
7をマスクとして遮光層11のエッチングを行い、その
後、フォトレジスト207を剥離することにより、基板
本体10Aの表面上において、画素トランジスタ30の
形成領域には、図5(c)に示すように、所定のパター
ン(図3参照)を有するよう第1遮光膜11aが形成さ
れる。第1遮光膜11aの膜厚は、例えば150〜20
0nmとなる。
【0039】続いて、図6(a)に示すように、第1遮
光膜11aを形成した基板本体10Aの表面上に、スパ
ッタリング法、CVD法などにより、第1層間絶縁膜1
2を形成する。このとき、第1遮光膜11aが形成され
た領域上に設けられた第1層間絶縁膜12の表面には、
凸部12aが形成される。第1層間絶縁膜12の材料と
しては、酸化シリコンや、NSG(ノンドープトシリケ
ートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BS
G(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリン
シリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を例示する
ことができる。
【0040】次に、第1層間絶縁膜12の表面をCMP
(化学的機械研磨)法などの方法を用いて研磨して、図
6(b)に示すように、第1層間絶縁膜12の表面を平
坦化する。第1層間絶縁膜12の膜厚は、例えば、約4
00〜1000nm、より好ましくは800nm程度と
する。
【0041】続いて、図7〜図14に基づいて、第1層
間絶縁膜12が形成された基板本体10AからTFTア
レイ基板10を製造する方法について説明する。なお、
図7〜図14は、各工程におけるTFTアレイ基板の一
部分を、図3および図4に示した液晶パネルの断面図に
対応させて示す工程図である。また、図7(a)は、図
6(b)の一部分を取り出して拡大して(異なる縮尺)
で示す図である。
【0042】まず、図7(b)に示すように、図7
(a)に示す表面が平坦化された第1層間絶縁膜12が
設けられた基板本体10Aと単結晶シリコン基板206
aとの貼り合わせを行う。ここで、貼り合わせに用いる
単結晶シリコン基板206aの厚さは、例えば600μ
mであり、あらかじめ、単結晶シリコン基板206aの
基板本体10Aと貼り合わせる側の表面には、酸化膜2
06bが形成されていると共に、水素イオン(H
が、例えば加速電圧100keV、ドーズ量10×10
16/cmにて注入されている。酸化膜層206b
は、単結晶シリコン基板206aの表面を0.05〜
0.8μm程度酸化することにより形成される。貼り合
わせ工程は、例えば300℃で2時間熱処理することに
より2枚の基板を直接貼り合わせる方法を採用すること
ができる。
【0043】また、貼り合わせ強度を更に高めるために
は、熱処理温度を上げて450℃程度にする必要がある
が、石英などからなる基板本体10Aの熱膨張係数と単
結晶シリコン基板206aの熱膨張係数とには大きな差
があるため、このまま加熱すると単結晶シリコン層にク
ラックなどの欠陥が発生し、製造されるTFTアレイ基
板10Aの品質が劣化する恐れがある。クラックなどの
欠陥の発生を抑制するためには、一度300℃にて貼り
合わせのための熱処理を行った単結晶シリコン基板20
6aを、ウェットエッチングまたはCMPによって10
0〜150μm程度まで薄くし、その後、更に高温の熱
処理を行うことが望ましい。例えば、80℃のKOH水
溶液を用いて単結晶シリコン基板206aの厚さが15
0μmとなるようにエッチングし、その後、基板本体1
0Aとの貼り合わせを行い、更に450℃にて再び熱処
理することにより貼り合わせ強度を高めることが望まし
い。
【0044】次に、図7(c)に示すように、貼り合わ
せた単結晶シリコン基板206aの貼り合わせ両側の酸
化膜206bと単結晶シリコン層206とを残したま
ま、単結晶シリコン基板206aを基板本体10Aから
剥離(分離)するための熱処理を行う。この基板の剥離
現象は、単結晶シリコン基板206a中に導入された水
素イオンによって、単結晶シリコン基板206aの表面
近傍のある層でシリコンの結合が分断されるために生じ
るものである。ここでの熱処理は、例えば、貼り合わせ
た2枚の基板を毎分20℃の昇温速度にて600℃まで
加熱することにより行うことができる。この熱処理によ
って、貼り合わせた単結晶シリコン基板206aが基板
本体10Aと分離し、基板本体10Aの表面上には約2
00±5nm程度の単結晶シリコン層206が形成され
る。単結晶シリコン基板206の膜厚は、前に述べた単
結晶シリコン基板206aに対して行われる水素イオン
注入の加速電圧を変えることによって50〜3000n
mの範囲で任意の膜厚とすることが可能である。
【0045】なお、薄膜化した単結晶シリコン層206
は、ここに述べた方法以外に、単結晶シリコン基板の表
面を研磨して膜厚を3〜5μmとした後、PACE(Pl
asmaAssisted Chemical Etching)法によってその膜厚
を0.05〜0.8μm程度までエッチングして仕上げ
る方法や、多孔質シリコン上に形成したエピタキシャル
シリコン層を、多孔質シリコン層の選択エッチングによ
って貼り合わせ基板上に転写するELTRAN(登録商
標)(Epitaxial Layer Transfer)法によっても得るこ
とができる。さらに、第1層間絶縁膜12と単結晶シリ
コン層206との密着性を高め、貼り合わせ強度を高め
るためには、基板本体10Aと単結晶シリコン層206
とを貼り合わせた後に、急速熱処理法(RTA)などに
より加熱することが望ましい。加熱温度としては、60
0℃〜1200℃、望ましくは酸化膜の粘度を下げ、原
子的に密着性を高めるため1050℃〜1200℃で加
熱することが望ましい。
【0046】図8(a)は、第1層間絶縁膜12上に形
成された単結晶シリコン層206を半導体層1aとする
場合に、さらにその上面に、フォトリソグラフィ工程や
エッチング工程等を用いてSiN等からなる絶縁膜をマ
スク材401として形成した状態を示す図である。ここ
で、マスク材401が形成される領域は、駆動トランジ
スタ31が形成される領域、すなわち、非表示領域54
である。次に、図8(b)に示すように、エッチング工
程により、層厚Bである駆動トランジスタを形成する非
表示領域54と、層厚Aである画素トランジスタを形成
する表示領域52を異なる膜厚となるように形成する。
【0047】さらに、図8(c)に示すように、フォト
リソグラフィ工程やエッチング工程等によるメサ分離に
より、画素トランジスタ30の半導体層1aの層厚A
と、駆動トランジスタ31の半導体層1aの層厚Bと2
種類の異なる厚さを持つ半導体層を形成する。ここで、
半導体層1aの全体層厚Bは、200〜500nmの範
囲となるように形成されることが好ましい。また、画素
トランジスタ30となる半導体層1aの層厚Aは、30
〜100nmの範囲とすることが好ましく、30〜80
nmの範囲とすることがより好ましい。
【0048】次に、図8(d)に示すように、半導体層
1aを約850〜1300℃の温度、好ましくは約10
00℃の温度で72分程度熱酸化することにより、半導
体層1aの表面に、約60nmの比較的薄い厚さの熱酸
化シリコン膜を形成し、画素トランジスタ30、駆動ト
ランジスタ31のゲート絶縁膜2を形成する。この結
果、ゲート絶縁膜2の厚さは、約60nmの厚さとな
る。
【0049】図9、図11〜図14は、それぞれ非表示
領域54における駆動トランジスタ31の形成工程を示
す図であって、TFTアレイ基板の一部分を、図4に示
した断面図に対応させて示す図である。まず、図9
(a)に示すように、Nチャネルの半導体層1aに対応
する位置にレジスト膜301を形成し、Pチャネルの半
導体層1aにPなどのV族元素のドーパント302を低
濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、2
×1011/cmのドーズ量にて)ドープする。
【0050】次に、図9(b)に示すように、図示を省
略するPチャネルの半導体層1aに対応する位置にレジ
スト膜を形成し、Nチャネルの半導体層1aにBなどのI
II族元素のドーパント303を低濃度で(例えば、Bイ
オンを45keVの加速電圧、1×1012/cm
ドーズ量にて)ドープする。さらに、駆動トランジスタ
31の半導体層1aの絶縁基板側に、BなどのIII族元
素のドーパント303を低濃度で、加速電圧を大きくし
て(例えば、Bイオンを90keVの加速電圧、1×1
13/cmのドーズ量にて)、ドープすることによ
り、図10(a)のような膜厚深さ方向にドーピング量
の等しい不純物濃度プロファイルを与える。なお、図1
0(b)のように半導体層の絶縁基板側に不純物濃度プ
ロファイルを高くしても良い。
【0051】次に、図9(c)に示すように、Pチャネ
ル、Nャネル毎に各半導体層1aのチャネル領域1a’
の端部を除く基板10の表面にレジスト膜305を形成
し、Pチャネルについては図9(a)に示した工程の約
1〜10倍のドーズ量にてPなどのV族元素のドーパン
ト306を、Nチャネルについては図9(b)に示した
工程の約1〜10倍のドーズ量にてBなどのIII族元素
のドーパント306を、ドープする。
【0052】なお、特に図示しないが、第1層間絶縁膜
12に第1遮光膜11aに至るコンタクトホール13を
反応性エッチングや反応性イオンビームエッチング等の
ドライエッチングにより、あるいはウェットエッチング
により形成する。この際、反応性エッチングや反応性イ
オンビームエッチングのような異方性エッチングによっ
てコンタクトホール13等を開孔した方が、開孔形状を
マスク形状とほぼ同じにできるという利点がある。ただ
し、ドライエッチングとウェットエッチングとを組み合
わせて開孔すれば、これらのコンタクトホール13等を
テーパ状にできるので、配線接続時の断線を防止できる
という利点が得られる。
【0053】続いて図11(a)に示すように、減圧C
VD法等によりポリシリコン層3を350nm程度の厚
さで堆積した後、リン(P)を熱拡散し、ポリシリコン
膜3を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3
の成膜と同時に導入したドープトシリコンを用いても良
い。これにより、ポリシリコン層3の導電性を高めるこ
とができる。
【0054】次に、図11(b)に示すように、レジス
ト膜を用いたフォトリソグラフィ工程やエッチング工程
等により、図4に示したように所定パターンの走査線3
cを形成する。尚、この後、基板本体10Aの裏面に残
存するポリシリコンを基板本体10Aの表面をレジスト
膜で覆ってエッチングすることにより除去する。さら
に、半導体層1aに、駆動トランジスタ31のPチャネ
ルLDD領域を形成するため、Nチャネルの半導体層1
aに対応する位置をレジスト膜309で覆い、図11
(c)に示すように、ゲート電極3cを拡散マスクとし
て、BなどのIII族元素のドーパント310を低濃度で
(例えば、BFイオンを90keVの加速電圧、3×
1013/cmのドーズ量にて)ドープし、Pチャネ
ルの低濃度ソース領域1g及び低濃度ドレイン領域1h
を形成する。
【0055】続いて、半導体層1aに画素トランジスタ
30及び駆動トランジスタ31のPチャネルの高濃度ソ
ース領域1d、1i及び高濃度ドレイン領域1e、1j
を形成するために、Nチャネルの半導体層1aに対応す
る位置をレジスト膜309で覆った状態で、かつ、走査
線3aよりも幅の広いマスク(図示省略)でレジスト層
をPチャネルに対応する走査線3a上に形成した状態
で、同じくBなどのIII族元素のドーパント311を高
濃度で(例えば、BFイオンを90keVの加速電
圧、2×1015/cmのドーズ量にて)ドープする
(図11(d)参照)。
【0056】次に、半導体層1aに画素トランジスタ3
0及び駆動トランジスタ31のNチャネルのLDD領域
を形成するために、Pチャネルの半導体層1aに対応す
る位置をレジスト膜(図示省略)で覆い、図12(a)
に示すように、走査線3c(ゲート電極)を拡散マスク
として、PなどのV族元素のドーパント60を低濃度で
(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、6×10
12/cmのドーズ量にて)ドープし、Nチャネルの
低濃度ソース領域1b、1g及び低濃度ドレイン領域1
c、1hを形成する。
【0057】続いて、半導体1aに駆動トランジスタ3
1のNチャネルの高濃度ソース領域1i及び高濃度ドレ
イン領域1jを形成するために、図12(b)に示すよ
うに、走査線3cよりも幅の広いマスクでレジスト62
をNチャネルに対応する走査線3c上に形成した後、同
じくPなどのV族元素のドーパント61を高濃度で(例
えば、Pイオンを70keVの加速電圧、4×1015
/cmのドーズ量にて)ドープする。
【0058】次に、図12(c)に示すように、走査線
3cを覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やT
EOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BP
SGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化
シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を形成する。第
2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜1500nmが好
ましく、更に800nmがより好ましい。この後、高濃
度ソース領域1i及び高濃度ドレイン領域1jを活性化
するために約850℃のアニール処理を20分程度行
う。
【0059】さらに、図12(d)に示すように、デー
タ線に対するコンタクトホール5を、反応性エッチング
や反応性イオンビームエッチング等のドライエッチング
により或いはウェットエッチングにより形成する。ま
た、走査線3cを図示しない配線と接続するためのコン
タクトホールも、コンタクトホール5と同一の工程によ
り第2層間絶縁膜4に開孔する。
【0060】続いて、図13(a)に示すように、第2
層間絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性の
Al等の低抵抗金属や金属シリサイド等を、金属膜6と
して、約100〜700nmの厚さ、好ましくは約35
0nmの厚さに堆積する。さらに、図13(b)に示す
ように、フォトリソグラフィ工程やエッチング工程等に
より、データ線6aを形成する。
【0061】次に、図13(c)に示すように、データ
線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法
やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、
BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や
酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成す
る。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500n
mが好ましく、更に800nmがより好ましい。なお、
特に図示はしないが、画素トランジスタ30において、
画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとを電気的に接
続するためのコンタクトホール8を、反応性エッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グ或いはウェットエッチングにより形成する。
【0062】この後、図14に示すように、第3層間絶
縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO等の透明
導電性薄膜9を、約50〜200nmの厚さに堆積す
る。以降については図示を省略するが、フォトリソグラ
フィ工程やエッチング工程等により、透明導電膜性薄膜
9をパターニングして、画素電極9aを形成する。さら
に、画素電極9aの上にポリイミド系の配向膜の塗布液
を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように、且
つ所定方向にラビング処理を施すこと等により、配向膜
16が形成される。以上のようにして、TFTアレイ基
板(電気光学装置用基板)10が製造される。
【0063】次に、対向基板20の製造方法及びTFT
アレイ基板10と対向基板20とから液晶パネルを製造
する方法について説明する。図2に示した対向基板20
については、基板本体20Aとしてガラス基板等の光透
過性基板を用意し、基板本体20Aの表面上に、遮光膜
23及び周辺見切りとしての遮光膜53を形成する。遮
光膜23及び周辺見切りとしての遮光膜53は、例え
ば、Cr、Ni、Al等の金属材料をスパッタリングし
た後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て
形成される。なお、これらの遮光膜23、53は上記の
金属材料の他、カーボンやTiなどをフォトレジストに
分散させた樹脂ブラックなどの材料から形成しても良
い。
【0064】その後、基板本体20Aの表面上の全面に
スパッタリング法などにより、ITO等の透明導電性薄
膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することによ
り、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の表
面上の全面にポリイミドなどの配向膜の塗布液を塗布し
た後、所定のプレティルト角を持つように、且つ所定方
向にラビング処理を施すこと等により、配向膜22を形
成する。以上のようにして、対向基板20が製造され
る。
【0065】そして、上述のように製造されたTFTア
レイ基板10と対向基板20とを、配向膜16及び22
が互いに対向するようにシール材51により貼り合わ
せ、真空吸引法などの方法により、両基板間の空間に、
例えば複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶
を吸引して、所定の厚みを有する液晶層50を形成する
ことにより、上記構造の液晶パネルが製造される。
【0066】上記の液晶パネルの製造方法は、画素トラ
ンジスタ30となる半導体層1aが形成された基板本体
10Aに、画素トランジスタ30の半導体層厚Aが駆動
トランジスタ31の半導体層厚Bよりも薄くなるように
形成されるので、画素トランジスタ30の光リーク電流
を低減させることのできるTFTアレイ基板10を得る
ことができる。なお、上述したように、本実施形態の液
晶パネルでは、画素トランジスタ30は、LDD構造を
持つものとしたが、低濃度ソース領域1bおよび低濃度
ドレイン領域1cを設けなくてもよいし、低濃度ソース
領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに不純物イオン
の打ち込みを行わないオフセット構造を採ってもよい。
また、ゲート電極をマスクとして高濃度で不純物イオン
を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領
域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよ
い。
【0067】また、本実施形態の液晶パネルでは、画素
トランジスタ30の走査線3aの一部からなるゲート電
極を、ソース・ドレイン領域間に1個のみ配置したシン
グルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲー
ト電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極に
は同一の信号が印加されるようにする。このようにデュ
アルゲート(ダブルゲート)あるいはトリプルゲート以
上でTFTを構成すれば、チャネルとソース・ドレイン
領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低
減することができる。更に、これらのゲート電極の少な
くとも1個をLDD構造あるいはオフセット構造にすれ
ば、よりいっそう、オフ電流を低減でき、安定したトラ
ンジスタを得ることができる。
【0068】一方、本実施形態の液晶パネルでは、画素
トランジスタ30をNチャネル型としたが、Pチャネル型
を用いても良く、更にはNチャネル型とPチャネル型の両
方のTFTを形成してもよい。また、本実施形態の液晶
パネルでは、TFTアレイ基板10は、SOI技術が適
用されたものとしたが、SOI技術を適用したものでな
くてもよく、特に限定されない。また、半導体層を形成
する材料は、単結晶シリコンに限定されるものではな
く、アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどを使用
してもよい。
【0069】なお、本実施形態の液晶パネルにおいて、
半導体層との間で容量を形成するために容量線3bを設
けているが、容量線3bを設ける代わりに、画素電極9
aと前段の走査線3aとの間で容量を形成しても良い。
または、第1蓄積容量電極1fを形成する代わりに、容
量線3bの上に、薄い絶縁膜を介して別の蓄積容量電極
を形成しても良い。
【0070】また、画素電極9aと高濃度ドレイン領域
1eとは、データ線6aと同一のAl膜や走査線3aと
同一のポリシリコン膜を中継して電気的に接続する構成
としてもよい。さらに、第1遮光膜11aはポリシリコ
ン膜3bと接続されているが、データ線に対するコンタ
クトホール5の形成工程と同時にコンタクトホールを形
成し、金属膜6に接続しても良い。また、第1遮光膜1
1aの電位を固定するために、上述したような画素毎に
コンタクトを取らず、画素領域の周辺で一括して接続し
ても良い。
【0071】一方、本実施形態の液晶パネルにおいて
は、TFTアレイ基板10上には、更に、製造途中や出
荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検
査回路等を設けて、データ線駆動回路101および走査
線駆動回路104とともに周辺回路として形成してもよ
い。
【0072】また、データ線駆動回路101および走査
線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける
代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボン
ディング基板)上に実装された駆動用LSIに、TFT
アレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィル
ムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよ
い。
【0073】なお、対向基板20のコーナー部に対応す
る位置には、TFTアレイ基板10と対向基板20との
間で電気的導通をとるための導通材106(図1参照)
が設けられている。そして、シール材51とほぼ同じ輪
郭を持つ対向基板20が当該シール材51によりTFT
アレイ基板10に固着されている。くわえて、対向基板
20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の
出射光が出射する側には、各々、例えば、TN(ツイス
テッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)
モード、D−STN(デュアルスキャン−STN)モー
ド等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノー
マリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位
相差フィルム、偏光手段などが所定の方向で配置され
る。また、実施形態における液晶パネルにあっては、透
過型のほか、反射型にも適用可能である。
【0074】以上説明した実施形態の液晶パネルを、例
えば後述するカラー液晶プロジェクタ(投射型表示装
置)に適用する場合、3枚の液晶パネルがそれぞれRG
B用のライトバルブとして用いられる。この場合、各パ
ネルには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを
介して分解された各色の光が各々入射された後、合成さ
れて投射されることになる。ただし、実施形態における
液晶パネルを、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型
のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置として適用す
る場合には、画素電極9aと対向する領域であって、第
2遮光膜23の形成されていない領域に、RGBのカラ
ーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成
すれば良い。一方、実施形態における液晶パネルを、液
晶プロジェクタのライトバルブに適用する場合、対向基
板20上に1画素に1個対応するようにマイクロレンズ
を形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効
率を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。更
にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する
干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB
色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよ
い。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれ
ば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0075】(電子機器)次に、上記液晶装置を用いた
電子機器の一例として、投射型表示装置の構成につい
て、図15を参照して説明する。図15は、上述した液
晶パネルを3個用意し、各々RGB用の液晶装置962
R、962G及び962Bとして用いた投射型液晶装置
1100の光学系の概略構成を示す図である。本例の投
射型表示装置1100の光学系には、光源装置920
と、均一照明光学系923が採用されている。そして、
投射型表示装置1100は、この均一照明光学系923
から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)
に分離する色分離光学系924と、各色光束R、G、B
をそれぞれ変調するライトバルブ925R、925G、
925Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成
プリズム910と、合成された光束を投射面100の表
面に拡大投射する投射手段としての投射レンズユニット
906を備えている。また、青色光束Bを対応するライ
トバルブ925Bに導く導光系927をも備えている。
【0076】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
【0077】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943とから構成される。まず、
青緑反射ダイクロイックミラー941において、光束W
に含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反
射され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。一方、赤色光束Rは、青緑反射ダイクロイックミラ
ー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に
反射されて、赤色光束Rの出射部944から色合成光学
系の側に出射される。
【0078】次に、青緑反射ダイクロイックミラー94
1により反射された青色光束B、緑色光束Gのうち、緑
色光束Gのみが、緑反射ダイクロイックミラー942に
おいて直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。また、緑反射ダイク
ロイックミラー942を通過した青色光束Bは、青色光
束Bの出射部946から導光系927の側に出射され
る。本例では、均一照明光学素子の光束Wの出射部か
ら、色分離光学系924における各色光束の出射部94
4、945、946までの距離が互いにほぼ等しくなる
ように設定されている。
【0079】色分離光学系924による赤色光束Rの出
射部944の出射側、および、緑色光束Gの出射部94
5の出射側には、それぞれ集光レンズ951、952が
配置されている。したがって、各出射部から出射した赤
色光束R、緑色光束Gは、これらの集光レンズ951、
952にそれぞれ入射して平行化される。このように平
行化された赤色光束R、緑色光束Gは、ライトバルブ9
25R、925Gに入射して変調され、各色光に対応し
た画像情報が付加される。すなわち、これらの液晶装置
は、図示しない駆動手段によって画像情報に応じてスイ
ッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色
光の変調が行われる。
【0080】一方、青色光束Bは、導光系927を介し
て対応するライトバルブ925Bに導かれ、ここにおい
て、同様に画像情報に応じて変調が施される。尚、本例
のライトバルブ925R、925G、925Bは、それ
ぞれ、入射側偏光手段960R、960G、960B
と、出射側偏光手段961R、961G、961Bと、
これらの間に配置された液晶装置962R、962G、
962Bとからなるものである。
【0081】ところで、導光系927は、青色光束Bの
出射部946の出射側に配置された集光レンズ954
と、入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー97
2と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ9
73と、ライトバルブ925Bの手前側に配置した集光
レンズ953とから構成されている。出射部946から
出射された青色光束Bは、導光系927を介して液晶装
置962Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、
すなわち、光束Wの出射部から各液晶装置962R、9
62G、962Bまでの距離は、青色光束Bが最も長く
なり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くな
る。しかし、導光系927を介在させることにより、光
量損失を抑制することができる。
【0082】各ライトバルブ925R、925G、92
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投
射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
【0083】本例では、液晶装置962R、962G、
962Bには、トランジスタの下側に遮光層が設けられ
ているため、当該液晶装置962R、962G、962
Bからの投射光に基づく液晶プロジェクタ内の投射光学
系による反射光や、投射光が通過する際の素子基板の表
面からの反射光、他の液晶装置から出射した後に投射光
学系を突き抜けてくる投射光の一部等が、戻り光として
素子基板の側から入射しても、画素トランジスタのチャ
ネルに対する遮光を十分に行うことができる。このた
め、小型化に適した色合成プリズム910を用いても、
各液晶装置962R、962G、962Bと当該色合成
プリズム910との間において、戻り光防止用のフィル
ムを別途配置したり、偏光手段に戻り光防止処理を施し
たりすることが不要となるので、構成を小型且つ簡易化
する上で大変有利である。
【0084】また、本例では、戻り光によるトランジス
タのチャネル領域への影響を抑えることができるため、
液晶装置に直接戻り光防止処理を施した偏光手段961
R、961G、961Bを貼り付けなくてもよい。そこ
で、図15に示されるように、偏光手段を液晶装置から
離して形成、より具体的には、一方の偏光手段961
R、961G、961Bは色合成プリズム910に貼り
付け、他方の偏光手段960R、960G、960Bは
集光レンズ951、952、953に貼り付けることが
可能である。このように、偏光手段を色合成プリズム9
10あるいは集光レンズ951、952、953に貼り
付けると、偏光手段の熱が、色合成プリズム910ある
いは集光レンズ951、952、953に吸収されるた
め、液晶装置の温度上昇を抑制して、その誤動作を未然
に防止することができる。
【0085】また、図示を省略するが、液晶装置と偏光
手段とを離間形成することにより、液晶装置と偏光手段
との間には空気層ができる。ここに、冷却手段を設け、
液晶装置と偏光手段との間に冷風等の送風を送り込むこ
とにより、液晶装置の温度上昇をさらに抑制して、液晶
装置の温度上昇による誤動作を、より確実に防止するこ
とが可能となる。なお、上述した説明にあっては、電気
光学装置を、液晶装置として説明したが、これに限るも
のではなく、エレクトロルミネッセンスや、プラズマデ
ィスプレイ等の種々の電気光学装置にも本発明は適用可
能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、トランジスタにおいて、チャネルを形成する半導体
層に十分な不純物濃度をあたえることによるボディ引き
抜き効果により、余剰キャリアの蓄積が防止され、基板
浮遊効果を抑制することが可能となる。また、絶縁基板
側に十分な不純物濃度を与えることにより、寄生MOS
トランジスタを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる液晶装置の構成を
示す平面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る液晶装置のうち、画
像形成領域の構成を示す等価回路である。
【図3】 図1のA−A’平面図である。
【図4】 図1のB−B’平面図である。
【図5】 同実施形態の製造方法を示す断面図である。
【図6】 同実施形態の製造方法を示す断面図である。
【図7】 同実施形態の製造方法を示す断面図である。
【図8】 同実施形態の製造方法を示す断面図である。
【図9】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法を
示す断面図である。
【図10】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法
における不純物濃度プロファイル図である。
【図11】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法
を示す断面図である。
【図12】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法
を示す断面図である。
【図13】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法
を示す断面図である。
【図14】 同実施形態の駆動トランジスタの製造方法
を示す断面図である。
【図15】 同液晶装置を用いた電子機器の一例である
投射型表示装置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 2…絶縁膜 3a…ゲート電極 4…第1層間絶縁膜 5…コンタクトホール 6…金属膜 7…第2層間絶縁膜 9…透明導電性薄膜 10…TFTアレイ基板 11a…遮光膜 100…液晶装置 101…データ線駆動回路 102…外部回路接続端子 104…走査線駆動回路 106…上下導通材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 612B Fターム(参考) 2H092 GA59 JA25 JA29 JA38 JA42 JA46 JA47 JB13 JB23 JB32 JB38 KA03 MA05 MA12 MA23 MA27 MA31 MA35 RA05 5C094 AA21 BA03 BA43 CA19 DA14 DA15 DB01 DB04 EA04 EA05 EA07 EB02 5F048 AA07 AC04 BA16 BB05 BC06 BD04 BE01 BF11 5F110 AA15 BB02 BB04 CC02 DD02 DD03 DD12 DD13 DD22 DD24 DD25 EE09 EE28 EE45 FF02 FF23 GG02 GG12 GG13 GG15 GG24 GG25 GG32 GG34 GG37 GG52 HJ01 HJ04 HJ13 HJ23 HL03 HL05 HL23 HM14 HM15 NN04 NN22 NN23 NN24 NN25 NN26 NN35 NN44 NN46 NN53 NN54 NN55 NN62 NN65 NN66 NN73 NN78 QQ11 QQ17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
    た第1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された
    半導体層とにより構成された基板上に、 複数の走査線と、 前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、 前記走査線と前記データ線に接続された画素トランジス
    タと、 前記画素トランジスタに接続された画素電極と、 前記画素トランジスタを動作させるための駆動トランジ
    スタを含む周辺回路とを有する電気光学装置の製造方法
    であって、 前記半導体層に形成される単結晶半導体層から成るチャ
    ネル形成領域に膜厚深さ方向に不純物濃度のピーク位置
    の異なるイオン注入を2度行う工程を有する電気光学装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
    た第1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された
    半導体層とにより構成された基板上に、 複数の走査線と、 前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、 前記走査線と前記データ線に接続された画素トランジス
    タと、 前記画素トランジスタに接続された画素電極と、 前記画素トランジスタを動作させるための駆動トランジ
    スタを含む周辺回路とを有する電気光学装置であって、 前記駆動トランジスタのチャネル形成領域下部におい
    て、多数キャリア引き抜き効果を得るのに十分な不純物
    濃度を有することを特徴とする電気光学装置。
  3. 【請求項3】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
    た第1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された
    半導体層とにより構成された基板上に、 複数の走査線と、 前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、 前記走査線と前記データ線に接続された画素トランジス
    タと、 前記画素トランジスタに接続された画素電極と、 前記画素トランジスタを動作させるための駆動トランジ
    スタを含む周辺回路とを有する電気光学装置であって、 前記駆動トランジスタにおいて、チャネル領域における
    膜厚深さ方向の不純物濃度プロファイルを、第1の絶縁
    体層側に高く、表面側に低くなるようにしたことを特徴
    とする電気光学装置。
  4. 【請求項4】 支持基板と、前記支持基板上に形成され
    た第1の絶縁体層と、該第1の絶縁体層上に形成された
    半導体層とにより構成された基板上に、 複数の走査線と、 前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、 前記走査線と前記データ線に接続された画素トランジス
    タと、 前記画素トランジスタに接続された画素電極と、 前記画素トランジスタを動作させるための駆動トランジ
    スタを含む周辺回路とを有する電気光学装置であって、 前記駆動トランジスタにおいて、チャネル領域における
    膜厚深さ方向の不純物濃度プロファイルが一定であるこ
    とを特徴とする電気光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項2、3、4のいずれかに記載の電
    気光学装置において、 前記第1の絶縁体層上に形成された半導体層のうち、少
    なくとも画素トランジスタを動作させるための駆動トラ
    ンジスタが形成されている部分の膜厚が200nm以上
    であることを特徴とする電気光学装置。
  6. 【請求項6】 請求項2、3、4のいずれかに記載の電
    気光学装置において、 前記支持基板が石英であり、且つ、第1の絶縁体層上に
    形成された半導体層が単結晶シリコンであることを特徴
    とする電気光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項2、3、4のいずれかに記載の電
    気光学装置において、 前記支持基板が石英であり、且つ、第1の絶縁体層上に
    形成された半導体層が多結晶シリコンであることを特徴
    とする電気光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項2、3、4のいずれかに記載の電
    気光学装置において、 前記支持基板がガラスであることを特徴とする電気光学
    装置。
  9. 【請求項9】 光源と、 前記光源から出射される光が入射されて画像情報に対応
    した変調を施す請求項2乃至請求項8のいずれかに記載
    の電気光学装置と、 前記電気光学装置により変調された光を投射する投射手
    段とを具備することを特徴とする電子機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011176039A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Oki Semiconductor Co Ltd 半導体集積装置及び半導体集積装置の製造方法
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WO2019171815A1 (ja) * 2018-03-07 2019-09-12 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置

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