JP2002351291A - 音声が記録された光回折構造を有する記録媒体、転写シート、および貼付け用シート - Google Patents

音声が記録された光回折構造を有する記録媒体、転写シート、および貼付け用シート

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JP2002351291A
JP2002351291A JP2001158045A JP2001158045A JP2002351291A JP 2002351291 A JP2002351291 A JP 2002351291A JP 2001158045 A JP2001158045 A JP 2001158045A JP 2001158045 A JP2001158045 A JP 2001158045A JP 2002351291 A JP2002351291 A JP 2002351291A
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Japan
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layer
diffraction structure
light
sheet
light diffraction
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JP2001158045A
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English (en)
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Shinichiro Suzuki
慎一郎 鈴木
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Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、記録媒体にホログラム等の光回折構造
を適用しても、製造の困難性の点を除くと、外観を利用
しているに過ぎなかった点を改善し、より高度な安全性
を有する記録媒体を提供することを課題とする。 【解決手段】 基材2上の一部に、上面に微細凹凸を有
する光回折構造形成層、および光反射層が積層した構造
の光回折構造層3が設けられた構造とし、光回折構造形
成層は、視認可能な画像を有すると共に、音声が記録さ
れたものとして、課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音波もしくは超音
波が記録されたホログラム層等の光回折構造層を有する
記録媒体に関するものである。また、本発明は、そのよ
うな光回折構造層を積層構造中に有する転写シートおよ
び貼付け用シートに関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】預貯金用カードやクレジットカード等の
カード類に、それらの真正性を確保する意味で、回折格
子パターンやホログラム等の光回折構造が適用してある
ことが多く、表面や内部に積層されている。なお、回折
格子パターン、およびホログラムの両者は外観が似てい
るため、いずれもホログラム、あるいは封緘機能を持つ
ものとしてホログラムシールと呼ばれていることが多
い。この明細書においても、「ホログラムと回折格子」
のように併記する場合を除き、ホログラムとは、回折格
子、特に回折格子パターンを含むものとする。
【0003】ホログラム等の光回折構造が適用されるの
は、製造の困難性を有しているからと言われており、ま
た、外観的には干渉色を有していて目をひきやすく、ま
た、ホログラムによっては、剥がそうとすると破壊する
ものもある等のメリットを有しているからである。
【0004】しかし、ホログラム等の光回折構造の製造
過程は知られており、全く複製不可能なものとは言えな
いし、自身が真正性を保証する手段を他に持っている訳
でも無い。従って、ホログラム等の光回折構造は、通常
は単に、その外観を利用しているに過ぎないケースが多
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、ホ
ログラム等の光回折構造を適用しても、いわゆる製造の
困難性の点を除くと、実態は、単に外観を利用している
に過ぎなかった点を改善し、偽造や変造に対する、より
高度な安全性を有する記録媒体を提供することを本発明
の課題とする。
【0006】
【課題を解決する手段】上記の課題を解決するため、本
発明においては、ホログラム等の光回折構造中に、音波
もしくは超音波、例えば、音声を記録しておくことによ
り、単に光回折構造を照合するのみでなく、再生される
音声の照合によっても、光回折構造を照合することを可
能にし、また、外観だけではない、意外性のある特性を
付与することができた。
【0007】第1の発明は、光回折構造層が基材の少な
くとも一部に設けられており、前記光回折構造は、視認
可能な画像を有すると共に、音波もしくは超音波が記録
されたものであることを特徴とする、光回折構造を有す
る記録媒体に関するものである。第2の発明は、第1の
発明において、前記光回折構造層は、前記音波もしくは
超音波がコヒーレント光を用いた干渉露光法により記録
されたか、もしくは音波もしくは超音波が前記干渉露光
法により得られた微細凹凸型を用いた複製により記録さ
れたものであることを特徴とする光回折構造を有する記
録媒体に関するものである。第3の発明は、第1または
第2の発明において、前記光回折構造層は、反射層を伴
なっており、前記音波もしくは超音波が前記反射層の光
の反射率の変化により記録されたものであることを特徴
とする光回折構造を有する記録媒体に関するものであ
る。第4の発明は、剥離性基材シートの剥離性面に、第
1〜第3いずれかの発明の光回折構造層が剥離可能に積
層してあることを特徴とする転写シート。第5の発明
は、基材シート上に、第1〜第3いずれかの発明の光回
折構造層が積層してあり、基材シートの下面もしくは前
記光回折構造層上面のいずれかに接着剤層が積層されて
いることを特徴とする貼付け用シートに関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以降に、本発明の記録媒体を、本
発明の代表例である銀行カードやクレジットカードのよ
うなカードに適用した好ましい例を中心に、図を引用し
ながら説明する。なお、本明細書においてカードとは、
工業的ならびに商業的に取り決められた、約54mm×
約86mmの携帯可能なサイズを有し、身分証明(=I
D)等、何らかの証明機能(普通は磁気記録層に情報を
記録して使用する。)を有するものを指す。
【0009】図1に示す記録媒体1は、カードサイズの
基材2の一部に、光回折構造層3、磁気記録層4、およ
び文字5等が設けられたもので、例えば、光回折構造層
3は基材2上の右側に積層され、磁気記録層4は基材2
の一方の長辺に沿って、基材2の表面の内側に埋め込ま
れ、文字5は印刷およびエンボスにより形成されている
ものである。光回折構造層3は、基材2の全面に設けら
れていてもよい。なお、本発明は後に述べるように、カ
ードに限定されるものではない。
【0010】基材2は、剛性があって折れ曲がりにく
く、上記の光回折構造層3、磁気記録層4、および文字
5等を設ける際の加工性が優れたもので構成されている
ことが好ましい。
【0011】具体的な基材2の素材としては、ポリ塩化
ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、ポリスチレン系、アクリル、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなどの樹脂のほか、アルミニウ
ム、銅などの金属、紙、そして、樹脂またはラテックス
等の含浸紙などの単独、或いは複合体シートなどを用い
ることができる。耐熱性が要求される場合、基材の素材
として、非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル
樹脂とポリカーボネート樹脂のブレンド樹脂等のシート
も用いることができる。
【0012】基材2の厚さは、材質によっても異なる
が、通常、10μm〜5mm程度の範囲である。被着体
が磁気カードである場合、基材をISO規格に準拠した
ものとする場合には、その厚さは0.76mmである。
そして、基材をポリ塩化ビニル(以下、PVC)で形成
する場合、通常、厚さ280μmの白色PVCシートを
コアシートとして、これを2枚重ね、その両側にそれぞ
れ厚さ100μmの透明PVCシートをオーバーシート
として重ねて、熱プレスなどにより積層する4層構成の
基材シート(合計厚さ0.76mm)が用いられてい
る。
【0013】磁気記録層4は、通常、5〜10mm幅程
度のストライプ状のものであって、基材2の表面に、
(1)磁性剤粉末を含有する物質を添加し混練して調製
した磁気塗料を用いて直接に塗布して設けたもの、
(2)別の薄いプラスチックシート等の基材に塗布し、
ストライプ状にカットしてカード基材2上に貼って設け
たもの、もしくは(3)別の仮の基材に剥離可能に積層
して準備された磁気記録層転写シートを用い、転写法に
より、基材上に転写して形成されたものである。
【0014】磁気記録層4としては、基材2に対して、
磁性物質の蒸着やスパッタリング等により気相状態で磁
性物質の薄膜として形成されたものや、薄膜の形成を、
磁気記録媒体の基材とは別の基材上に行ない、その後、
ストライプ状にカットして貼るか、転写により適用もの
であってもよい。
【0015】カードを含め、一般的な記録媒体において
は、磁気記録層4を備えていることが普通である。磁気
記録層4は、光学記録層やICモジュール等で置き換え
てもよい。ただし、光学記録層やICモジュールが備わ
っていても、汎用性のある磁気記録層4を備えているこ
とが好ましい。
【0016】文字5は、カード発行会社の名称、カード
の名称、カードの発行番号、有効期限、カードを保持す
る者の氏名、および注意書等を示すためのものである。
これらのうち、カードの発行番号、有効期限、およびカ
ードを保持する者の氏名をエンボス加工による凹凸によ
り形成しておくことが多い。なお、基材2には、文字5
以外に、カードを装飾するための着色や模様の付与が行
なわれていてもよく、着色や模様の付与、およびエンボ
ス加工によらない文字の形成は、通常、印刷により行な
われる。
【0017】光回折構造層3は、通常は、カード等の記
録媒体1の真正性を保証することを目的として、基材の
表面に積層されたものであるが、本発明における光回折
構造層3は、通常の光回折構造に加えて、音波もしくは
超音波が記録されたものである。
【0018】光回折構造層3は、透明な合成樹脂の層か
らなる光回折構造形成用の層の片面に、光回折構造の微
細凹凸(以降、単に凹凸と言うことがある。)3bが形
成された光回折構造形成層3aを有するものである。光
回折構造の代表例であるホログラムとしては、平面ホロ
グラム、体積ホログラムともに使用でき、具体例として
は、レリーフホログラム、リップマンホログラム、フル
ネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レン
ズレスフーリエ変換ホログラム、レーザー再生ホログラ
ム(イメージホログラムなど)、白色光再生ホログラム
(レインボーホログラムなど)、カラーホログラム、コ
ンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マル
チプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグ
ラム、ホログラフィック回折格子などが挙げられる。
【0019】光回折構造形成層3aを構成する透明な合
成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、
PMMA)、ポリスチレン、もしくはポリカーボネート
などの熱可塑性樹脂以外に、熱硬化性樹脂、例えば、不
飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、
メラミン(メタ)アクリレート、もしくはトリアジン系
アクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞ
れ単独、或いは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混
合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不
飽和基を有する熱成形性物質、或いは、これらにラジカ
ル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたも
のなどを使用することができる。このほか、銀塩、重ク
ロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材
料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材
料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラスなどの
感光材料なども使用できる。
【0020】上記の樹脂からなる光回折構造形成用の層
への光回折構造の形成は、上記の材料を用いて、従来既
知の方法によって形成することができる。例えば、回折
格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして
記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録
された原版をプレス型として用い、上記の樹脂からなる
層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段によ
り、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を
複製することができる。また、フォトポリマーを用いる
場合は、前記積層シートの保護層上に、フォトポリマー
を同様にコーティングした後、前記原版を重ねてレーザ
ー光を照射することにより複製することができる。
【0021】このように、表面凹凸のレリーフとして回
折格子やホログラムの干渉縞を光回折構造層の表面に記
録する方法は、量産性があり、コストも低くできる点で
特に好ましい。このような光回折構造形成層3aの膜厚
は、0.1〜6μmの範囲が好ましく、0.1〜4μm
の範囲が更に好ましい。
【0022】本発明においては、光回折構造形成層3a
の微細凹凸3bが、音波もしくは超音波がコヒーレント
光を用いた干渉露光法により記録されたものであるか、
もしくはその複製物である点が特徴であり、レーザー光
を二光束に分割した一方の光束に、音声信号等を重畳さ
せたのち、他方の光束と干渉させて干渉光を得ることに
より、音声等を光回折構造として記録することができ
る。また、干渉光を感光性樹脂を用いて凹凸として記録
したものから、メッキ等により複製用型を作製し、この
複製用型を用いた複製により記録することもできる。
【0023】記録される音声としては、記録媒体1の用
途にもよるが、用途に合せた内容とすることができる。
例えば、カード用途であれば、発行会社名、カード名、
および有効期限等を内容として含む音声が好ましいし、
景品として配布し、くじの当落を伴なうものであれば、
当落に関する内容を含む音声が好ましい。なお音声と
は、狭義では人が発する、通常は言葉であるが、ここで
は、これに限ることなく、人が聞くことが可能な歌声、
楽器等も含めた楽音、動物の声、もしくは信号音等、あ
らゆる音を含むものとする。また、ここで言う音声と
は、人の可聴範囲(20〜20000Hzと言われ
る。)の音波で構成されることが多いが、可聴範囲を超
えたものでもよく、例えば、周波数が高い超音波から構
成されていてもよい。
【0024】また、記録媒体1を適宜な頁数を有する絵
本として構成し、その各々の頁に光回折構造3を適用し
ておけば、適宜なリーダーを用いて音声を再生すること
により、単に眺め、読むことに加えて、音声の聞こえる
絵本とすることができ、音声としては、登場人物の吹出
し中のせりふや、その他、ストーリーの進行に関係のあ
る音を記録しておけばよい。
【0025】図3に示すように、そのような絵本の頁を
構成する基材2の一部に設けられた光回折構造層3に記
録された音声を、ハンディリーダー6を光回折構造層3
に当てることにより、音声を再生することができ、記録
媒体が定まった形であるときは、据え置き型のリーダー
を用いてもよい。リーダーは、基本的には、光回折構造
層3を照明する照明、再生光を読み取る受光素子、受光
素子からの信号を音声信号に変換して増幅する増幅器、
および音声を再生するスピーカーからなっており、据え
置き型のリーダーにおいては、挿入された記録媒体を搬
送する搬送機構を有している。
【0026】上記の光回折構造形成層3aの表面に、凹
凸のレリーフとして回折格子やホログラムの干渉縞を記
録した場合には、その回折効率を高めるために、光反射
層3cをレリーフ面に積層形成することが好ましく、そ
のような光反射層3cとしては、金属光沢を有する不透
明の金属薄膜層、もしくは光回折構造形成層3aとは屈
折率の異なる透明反射層とがある。
【0027】前者の金属光沢を有する不透明の金属薄膜
層を構成する素材としては、Cr、Fe、Co、Ni、
Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、C
d、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の
金属、またはそれらの酸化物、もしくはそれらの窒化物
があり、これらは単独で、もしくは組合わせて使用する
ことができる。
【0028】これらのうちでは、Al、Cr、Ni、A
g、もしくはAu等が特に好ましい。金属薄膜層の形成
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などの薄膜形成法による。金属薄膜層は、厚みが
薄いと、透明性を帯びるため、300nm以上、好まし
くは500nm以上の厚みとするとよい。
【0029】後者の、光回折構造形成層3aとは屈折率
の異なる透明反射層を構成する素材としては、光回折構
造形成層3aより屈折率が大きい、ZnS、TiO2
Al23 、Sb23 、SiO、TiO、もしくはS
iO2 等が挙げられる。また、光回折構造形成層3aよ
り屈折率が小さい、LiF、MgF2 、もしくはAlF
3 等が挙げられる。
【0030】更に、光回折構造形成層3aとは屈折率の
異なる透明な合成樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタ
クリレートの層を光反射層3cを構成する素材として用
いることもできる。
【0031】光回折構造形成層3aとは屈折率の異なる
透明反射層の膜厚は、薄膜を形成する材料の透明領域で
あればよいが、通常は100〜1000Åが好ましい。
透明反射層をレリーフ面に積層形成する方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などの薄膜形成法が挙げられる。透明反射層は、その
屈折率が光回折構造形成層より大きくても小さくてもよ
いが、屈折率の差が0.3以上あることが好ましく、差
が0.5以上、更には1.0以上あることがより好まし
い。
【0032】なお、本発明における光回折構造層が反射
層を伴なう場合、音波もしくは超音波は反射層の光の反
射率の変化により記録されたものでもあり得る。この場
合、音波もしくは超音波は光回折構造により記録するよ
りも、音波もしくは超音波の信号の強弱に応じた光の反
射率の変化により記録する方が望ましく、読み出しが容
易な利点が生じる。
【0033】本発明の記録媒体1は、基材2上に、透明
な合成樹脂の層からなる光回折構造形成用の層を積層
し、その上に、光回折構造の微細凹凸を形成し、形成
後、光反射層を微細凹凸上に積層形成することによって
も製造することができるが、光回折構造を記録媒体1の
基材2とは別の基材シート等の上に設けた中間体を、記
録媒体1の基材2に適用する方が、効率的であることが
多い。
【0034】このような中間体としては、大別して、転
写シートとラベルとがあり得る。図4(a)は、被着体
に光回折構造を転写するのに用いられる光回折構造転写
シート10の断面図を示すもので、基材シート11の下
面に、剥離層12、光回折構造形成層3a、光反射層3
c、および接着剤層(通常は、感熱接着剤層)13がこ
の順に積層した積層構造を有するもので、基材シート1
1と剥離層12との積層体が剥離性基材シートを構成
し、凹凸3bは光回折構造層3aの下面側にある。
【0035】この光回折構造転写シート10を用いて、
被着体上に転写を行なうことにより、被着体側から、接
着剤層13、光反射層3c、光回折構造形成層3a、お
よびプライマー層15の各層が順に積層したものが得ら
れる。なお、この光回折構造転写シート10を用いて転
写すると、最表面に光回折構造層3aが露出するので、
転写後に、さらに透明樹脂層で被覆するか、予め、転写
シートの剥離層12と光回折構造形成層3aとの間に透
明樹脂からなる保護層を形成しておき、転写後の最表面
が保護層となるようにするとよい。
【0036】図4(b)は、被着体に光回折構造を貼付
けるのに用いられる光回折構造ラベル14の断面図を示
すもので、基材シート11の下面に、光回折構造形成層
3a、光反射層3c、および接着剤層13がこの順に積
層した積層構造を有するもので、凹凸3bは光回折構造
層3aの下面側にある。また、接着剤層13は感熱接着
剤もしくは感圧接着剤で構成されている。
【0037】この光回折構造ラベル14を用いて、被着
体上に貼付けを行なうことにより、被着体側から、接着
剤層13、光反射層3c、光回折構造形成層3a、およ
び基材シート11の各層が順に積層したものが得られ
る。必要により、貼付け後に、さらに透明樹脂層で被覆
するか、予め、ラベル14の基材11上に透明樹脂から
なる保護層を形成しておいてもよい。
【0038】図4(c)は、別の構造の光回折構造ラベ
ル14’の断面図を示すもので、基材シート11の上面
に、光回折構造形成層3a、光反射層3cおよび接着剤
層13がこの順に積層した積層構造を有するもので、凹
凸3bは光回折構造層3aの上面側にある。また、接着
剤層13は感熱接着剤もしくは感圧接着剤で構成されて
いる。
【0039】この光回折構造ラベル14’を用いて、被
着体上に貼付けを行なうことにより、被着体側から、接
着剤層13、基材シート11、光回折構造形成層3a、
および光反射層3cの各層が順に積層したものが得られ
る。必要により、貼付け後に、さらに透明樹脂層で被覆
するか、予め、ラベル14’の光反射層3c上に透明樹
脂からなる保護層を形成しておいてもよい。
【0040】光回折構造転写シート10、および上記の
二種類の光回折構造ラベル14および14’に共通な基
材シート11、および接着剤層13、光回折構造転写シ
ート10に特有な剥離層12について説明する。
【0041】本発明の光回折構造転写シートおよび光回
折構造ラベルの基材シート11としては、透明なポリエ
チレンテレフタレート樹脂フィルム等のポリエステル樹
脂フィルム、もしくはポリオレフィン樹脂フィルム等
の、通常、転写フィルムのベースとして使用するものを
使用することができる。
【0042】剥離層3は、光回折構造形成層3a以下の
転写層を、転写の直前まで基材11と接着させ、転写の
際には円滑に剥離する役割を果たすものである。ここで
言う剥離層3は、転写の際には、基材11側に接着した
まま残るもので、転写されない。剥離層3は、基材シー
ト11と接着する樹脂で構成するか、もしくは、さらに
シリコーン樹脂、シリコーンオイル、ワックス等を剥離
性を向上させる目的で添加したものである。通常、1〜
5μm程度の厚みに形成する。
【0043】接着剤層13は、例えば、アクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼ
ラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系
樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビ
ニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、α
−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド
系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール
系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系等の粘着剤で
構成する。
【0044】あるいはまた、接着剤層13は、加熱時に
粘着性を呈するヒートシール剤(=感熱接着剤)であっ
てもよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン
樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹
脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体
樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹
脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹
脂、又はフェノール樹脂が使用できる。あるいは、SB
S(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ
ー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
クコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレンブロックコポリマー)等の熱可塑性エラ
ストマー、又は反応ホットメルト性樹脂等を使用しても
よい。接着剤層13の厚みとしては、3μm〜20μm
とするとよい。
【0045】なお、保護層を伴なう場合は、保護層を適
宜な熱可塑性樹脂で構成するほか、熱硬化性樹脂や電離
放射線硬化性樹脂の硬化物で構成することができる。
【0046】本発明の記録媒体1の基材2の素材につい
ては、前に述べた通りであるが、基材2は、物品として
は、種々のものであり得る。例えば、基材2は、ID
(本人確認)用のカードの基材であってよい。ID用の
カードは、具体的には、銀行等の預貯金カード、クレジ
ットカード、身分証明書等であり得る。必ずしもカード
ではない受験票、パスポート等でもよい。
【0047】また、記録媒体1の基材2は、紙幣、商品
券、株券、証券、預金通帳、乗車券、航空券等の基材で
有り得る。交通機関や公衆電話用のプリペイドカードで
も有り得る。これらの基材には金額等の情報が記録され
ている。
【0048】上記のものとは異なり、自身の価値の高い
高額な物品の真正性の証明用に用いる場合もある。代表
例として、高級腕時計、貴金属、宝飾品等、いわゆるブ
ランド品といわれる世界的に著名な高級商品やそれらの
収納箱やケース、音楽ソフト、映像ソフト、コンピュー
タソフト、もしくはゲームソフト等が記録された磁気的
記録媒体等の記憶媒体やそれらのケース等がある。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、基材の一部に
光回折構造層が設けられており、しかも、その光回折構
造層に、音波もしくは超音波が記録されているので、外
観から音波もしくは超音波を認識することが出来ず、専
用のリーダー無くしては記録された音波もしくは超音波
の確認が困難であるため、単に外観を真似ても、真正性
の判断を容易とする、光回折構造を有する記録媒体を提
供することができる。請求項2の発明によれば、請求項
1の発明の効果に加え、光回折構造層に記録された音波
もしくは超音波が、コヒーレント光を用いた干渉露光法
によってか、もしくは、その方法によって得られた型に
よる複製により記録されたものであるので、通常の光回
折構造層の製造の際に、干渉させる一方の光束に音波も
しくは超音波の信号を重畳させることにより得ることが
可能な、光回折構造を有する記録媒体を提供することが
できる。請求項3の発明によれば、請求項1または請求
項2の発明の効果に加え、音波もしくは超音波の記録
が、光回折構造層が伴なう光反射層に、光の反射率の変
化により記録されているので、記録された音波もしくは
超音波の読み出しが容易な、光回折構造を有する記録媒
体を提供することができる。請求項4の発明によれば、
請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果を有する光回
折構造層を被着体に転写可能な転写シートを提供するこ
とができる。請求項5の発明によれば、請求項1〜請求
項3いずれかの発明の効果を有する光回折構造層を有
し、被着体に貼付け可能な貼付け用シートを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録媒体の平面図である。
【図2】光回折構造層の断面図である。
【図3】音声を再生する様子を示す図である。
【図4】光回折構造層を適用するための転写シート、お
よびラベルの断面図である。
【符号の説明】
1 記録媒体 2 基材 3 光回折構造層 (3a;光回折構造形成層、3b;微細凹凸、3c;光
反射層) 4 磁気記録層 5 文字 6 ハンディリーダー 10 光回折構造転写シート 11 アンカー層 12 剥離層 13 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 1/02 G09F 3/02 W 3/02 3/10 A 3/10 19/12 L 19/12 G11B 7/24 501Z G11B 7/24 501 G06K 19/00 R Fターム(参考) 2C005 HB01 HB09 JA02 JA18 JA30 KA02 KA03 KA38 KA40 KA61 2H049 AA06 AA12 AA25 AA34 AA39 AA43 AA56 AA64 2K008 AA04 AA13 DD13 EE04 FF11 GG05 JJ00 5B035 AA15 BA05 BB02 BB03 BB05 BB09 BB11 BB12 5D029 HA06 VA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光回折構造層が基材の少なくとも一部に
    設けられており、前記光回折構造は、視認可能な画像を
    有すると共に、音波もしくは超音波が記録されたもので
    あることを特徴とする、光回折構造を有する記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光回折構造層は、前記音波もしくは
    超音波がコヒーレント光を用いた干渉露光法により記録
    されたか、もしくは音波もしくは超音波が前記干渉露光
    法により得られた微細凹凸型を用いた複製により記録さ
    れたものであることを特徴とする請求項1記載の光回折
    構造を有する記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光回折構造層は、反射層を伴なって
    おり、前記音波もしくは超音波が前記反射層の光の反射
    率の変化により記録されたものであることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の光回折構造を有する記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 剥離性基材シートの剥離性面に、請求項
    1〜請求項3いずれかに記載された光回折構造層が剥離
    可能に積層してあることを特徴とする転写シート。
  5. 【請求項5】 基材シート上に、請求項1〜請求項3い
    ずれかに記載された光回折構造層が積層してあり、基材
    シートの下面もしくは前記光回折構造層上面のいずれか
    に接着剤層が積層されていることを特徴とする貼付け用
    シート。
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