JP2002351099A - 感光体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

感光体及びそれを用いた画像形成装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成において、感光体端部に帯状濃淡縞
や微細なスジの発生しない感光体及びそれを用いた画像
形成装置を提供する。 【解決手段】 本発明によれば、基体上に少なくとも感
光層を設けた感光体において、感光体の少なくとも一方
の端部から10〜80mmの範囲における感光層の基体
側界面の変動が、感光体の中央部における感光層の基体
側界面の変動よりも大きいことを特徴とする感光体が提
供される。特に、この変動を制御するには、感光層の基
体側界面の表面粗さを反映するデータ群を離散的なFo
urier変換し、パワースペクトルを得、その各波数
成分の総和を規格化した値I(S)を用いると有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体や
電子写真装置、画像形成装置に用いられる感光体に関す
るものであり、特にレーザー光のような可干渉光を用い
る電子写真装置に用いる感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報の高精度な再現性の要求
のため、より高精細でより高解像度の画像形成が強く求
められている。高解像度で画像形成が行われる場合、本
来の画像情報以外に感光体そのものの情報が形成する画
像に出やすい。特に、書込み光にレーザー等の可干渉光
を用いた画像形成プロセスは、複写機、プリンター、F
AX等のデジタル画像を形成する電子写真の分野で広く
用いられているが、このような電子写真プロセスでは感
光体層中での各層の屈折率の違いにより層の界面で可干
渉光の多重反射が起こり、画像に濃淡縞が生じてしまう
問題が生じている。この濃淡縞は、感光体が2nd=m
λ(n:電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、
λ:書込み光の波長、m:整数)の関係を満たすときに
書込み光が強められて発生することが知られている。す
なわち、例えばλ=780nmでn=2.0であれば、
電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一組の
濃淡縞が発生することになる。濃淡縞を完全になくすた
めには、電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全体につい
て0.195μm以下とする必要があるが、そのような
感光体を作製することは製造コストの観点から大変困難
であるため、濃淡縞の抑制について種々の方法が提案さ
れている。
【0003】例えば、特開昭57−165845号で
は、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、ア
ルミ基体上に光吸収層を設けて、アルミ基体での鏡面反
射をなくすことにより、濃淡縞の発生を防ぐ感光体が開
示されている。a−Siを用いることは、感光体の層構
成がアルミ/電荷輸送層/電荷発生層のような感光体に
は大変有効であるが、多くの有機感光体で見られるよう
なアルミ/電荷発生層/電荷輸送層の構成の感光体では
効果は少なかった。特開平7−295269号では、ア
ルミ/下引層/電荷発生層/電荷輸送層の層構成の感光
体において、アルミ表面に光吸収層を設けて濃淡縞を防
止する感光体が開示されているが、完全には濃淡縞を抑
えることができなかった。特公平7−27262号に
は、円筒状支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断
面形状が主ピークに副ピークを重畳された凸状形状であ
る支持体を用いた感光体と、主ピークの1周期の大きさ
より小さい径で可干渉光を露光するための光学系を備え
た電子写真装置が開示されている。この電子写真装置
は、より限定された一部の感光体については濃淡縞がか
なり抑制される場合があるものの、上記のような支持体
を用いた感光体であっても濃淡縞の発生するものは数多
くあった。
【0004】また、感光体基体の表面全体を表面粗さの
パラメータ(最大高さ、十点平均粗さ、中心線平均粗さ
等)で規定した感光体(例えば特開平10−30131
1号、特開平10−301311号、特開平5−883
92号)が開示されている。これらの感光体は、電子写
真装置の解像度が低い場合には、濃淡縞を抑えられる場
合もあるが、電子写真装置の解像度が高くなると、従来
用いられている表面粗さのパラメータで基体の表面粗さ
を規定しても濃淡縞を完全になくすための条件を定める
ことができなかった。特に感光体の端部近くで画像形成
された画像には、帯状の濃淡縞が発生することが多かっ
た。
【0005】また、多くの感光体は、生産性の点から、
湿式法、特に浸漬塗工法により作製される。浸漬塗工法
は、基体を塗工液中に浸漬し、基体を引き上げることに
より、基体上に塗膜を積層する方法であり、量産性の面
で大変有利であるが、本質的に重力により塗膜が下方に
ずり落ちていくため、基体の上部で塗膜が薄くなること
は避けられない。そのため、基体の上部における画像形
成で、濃淡縞の数が多くなり、異常画像として認識され
やすくなる。また、基体上端部の塗膜の厚さの変化は、
一般に感光体の周方向に対してはほぼ同じである。した
がって、画像形成を行うと、濃淡縞が画像縦方向に途切
れることなく帯状に形成されるため、異常画像として目
立ちやすくなる。この問題を解決するには、基体の上部
の塗膜の薄い領域が画像領域に入らないよう、感光体を
十分長くすればよいのであるが、画像形成装置の小型化
のためには、感光体の長さには限界がある。また、書込
み光を走査して潜像を形成する電子写真装置では、感光
体の端部近くの書込み光の入射角がどうしても大きくな
り、異常画像が出やすい傾向にあった。
【0006】そこで、浸漬塗工法における塗工開始側の
膜厚を均一にするため、例えば、特開昭57−5048
号には、塗工開始時に基体の引き上げ速度を早くし、塗
工終了側では引き上げ速度を遅くして、膜厚を均一にす
る方法が開示されている。しかしながら、膜厚が数μm
程度であれば比較的均一な膜を作製可能であるが、膜厚
が10μm以上では、塗工された塗工液の重量が重いた
め、どうしても塗工開始側が薄くなってしまう。また、
近年の環境問題から、塗工液のハロゲン系溶剤の使用量
を減少あるいは全廃させる方向にあるが、感光層を形成
する材料を溶解させる代用の溶剤の多くは、沸点が比較
的高いため、塗膜の乾燥が遅い。そのため、塗工後も塗
膜が流動性を持つので塗工開始側の膜厚が薄くなる傾向
が強くなる。特開昭59−80364には、塗工開始側
塗布面を重複して塗布することにより、塗膜の膜厚を均
一にする方法が開示されている。この方法により、塗工
開始側の急激な膜厚変化は抑えられるものの、重複して
塗布した部分とそうでない部分での境界に段差が生じて
しまったり、塗工開始側に向かって逆に膜厚が増加した
りして、膜厚変動を完全に抑えることができず、濃淡縞
はどうしても発生してしまっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、感光体の端部付近に発生する帯状の濃淡
縞画像を発生させない感光体及びそれを用いた高品質の
画像形成が可能な画像形成装置を提供することにある。
本発明の今一つの目的は、感光体の端部付近に発生する
帯状の濃淡縞画像を発生させない感光体を用いた電子写
真方法、電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリ
ッジを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述のように、感光体の
感光体層中での各層の屈折率の違いにより各層の界面で
書込み光の多重反射が起こり、感光体が2nd=mλの
関係を満たすときに書込み光が強められて濃淡縞が発生
するため、感光層の膜厚変動がある領域では濃淡縞が発
生してしまう。本発明者は、感光層の基体側界面に適切
な凹凸を設けることで、微細な濃淡縞が発生しても、そ
の濃淡縞の間隔が十分狭ければ結果として濃淡縞の発生
を肉眼で確認できなくなることに注目した。この考えに
基づき、感光体の基体側界面をどのように制御すれば濃
淡縞のない画像を得られるかについて鋭意検討を重ね
た。その結果、本発明者は、感光層の膜厚変動の大きな
領域では感光層の基体側界面の変動をある程度大きくな
るよう制御することが好ましいが、膜厚変動のほとんど
ない領域では感光層の基体側界面の変動が大きくなりす
ぎると、感光層の基体側界面の変動に対応して微細なス
ジ画像が肉眼で観測されやすくなる傾向にあることを見
出した。すなわち、感光層の膜厚変動が大きい基体の上
端部付近と、膜厚変動の小さい基体の中央領域とでは、
感光層の基体側界面の変動の大きさを変化させること
で、全体として、均一な画像を形成することが可能な感
光体を提供できることを見出した。
【0009】本発明の第一の態様によれば、基体上に少
なくとも感光層を設けた感光体において、感光体の少な
くとも一方の端部から10〜80mmの範囲における感
光層の基体側界面の変動が、感光体の中央部における感
光層の基体側界面の変動よりも大きいことを特徴とする
感光体が提供される。
【0010】ここで、感光層の基体側界面の変動の大き
さを特定するには、従来用いられている表面粗さのパラ
メータ(最大高さ、十点平均粗さ、算術平均粗さ等)で
は好ましい範囲を特定することが難しく、後述するI
(S)を用いる方法が感光層の基体側界面の変動の大き
さを的確に表現することができ、好ましい。すなわち、
本発明は、基体上に少なくとも感光層を設けた感光体に
おいて、感光体の少なくとも一方の端部から10〜80
mmの範囲における感光層の基体側界面の断面曲線を水
平方向にΔtμmの間隔でN個サンプリングし、得られ
た断面曲線の高さx(t)μmのデータ群を下式にした
がって離散的なFourier変換し、
【数7】 (ここで、n、mは整数。N =2、pは整数。) 該離散的なFourier変換の結果を用いて下式によ
り導出したパワースペクトル
【数8】 から、下式により計算したI(S)
【数9】 が、感光体の中央部における感光層の基体側界面の断面
曲線のI(S)よりも10%以上大きいことを特徴とす
る。ここで、I(S)が大きいことは、測定した界面の
変動が大きいことを意味する。
【0011】まず、感光層の基体側界面の表面粗さにつ
いて説明する。感光層の基体側界面の断面曲線の水平方
向をtμmとしたとき、表面粗さx(t)μmは不規則
変動量であるが、どのような不規則変動も種々の周波数
の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成して得られ
る。つまり、これはFourier変換により、表現で
きる:
【数10】 kは波数(μm−1;μmの長さ当たりの波の数)。F
ourier成分X(k)は、不規則変動量x(t)に
含まれる、波数k(すなわち波長で言うとλ=1/kμ
m)の波の振幅を表している。|X(k)|は、波数
kの成分波のエネルギーを表している。
【0012】次に波数kとその成分波のエネルギー|X
(k)|の分布関係(スペクトル)の考察を行う。次
式で表されるS(k)は、
【数11】 単位区間1μm当たりの断面曲線の波数kの成分波の平
均エネルギーであり、このS(k)をパワースペクトル
と定義する。
【0013】しかしながら、実際は断面曲線の高さx
(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳ではなく、測定
は断面曲線内の一部分 −T/2≦t≦T/2 でなさ
れる。このため、T→∞の極限をとるのではなく、波長
1/kに対して巨視的物理量としての平均が意味を持つ
程度に十分大きいTをとり、
【数12】 を計算すれば、実質的には、T→∞の極限を有するもの
と一致する。
【0014】Fourier変換も、離散的なFour
ier変換を用いるために以下のような変更がなされ
る。
【数13】 (ここで、n、mは整数。ただし、Nは、表面粗さのサ
ンプリング点数で、N=2 の形で表される整数の必
要がある。Δtμmは、断面曲線の高さの測定点(サン
プリング)間隔であり、T/Δt=N の関係があ
る。)
【0015】断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎ
ると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくな
ったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測
定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必
要がある。本発明の感光体において、Δtは0.01〜
50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μ
m、より好ましくは0.10〜30.00μmである。
サンプリング数Nが無限大であれば、Δtは小さいほど
正確に断面曲線を再現できるため好ましい。しかし、Δ
tが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての
波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大き
さにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり
計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さく
することになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δ
tが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係す
る多くの波を抽出することができなくなり、好ましくな
い。サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ大き
いほどよいが、実用的には、2048以上、好ましくは
4096以上、より好ましくは8192以上であれば誤
差を小さくできる。
【0016】本発明者は、本発明の感光体における感光
層の基体側界面のサンプリング点数N及びΔtの各組み
合わせについて、それぞれパワースペクトルを求め検討
した結果、本発明の実施例に用いられているサンプリン
グ間隔Δt=0.31μmのとき、N=4096では、
パワースペクトルは十分に収束していることを確認し
た。
【0017】具体的な離散的なFourier変換での
パワースペクトル導出には、まず以下の計算を行う。
【数14】 この計算結果を用いて得られるパワースペクトルから、
感光層の基体側界面を構成する全ての波の総和、すなわ
ち感光層の基体側界面全体のパワーと関係するI(S)
を、以下のように算出した。
【0018】測定範囲における感光層の基体側界面の断
面曲線全体のパワーは、パワースペクトルの総和
【数15】 で表すことができる。しかし、この値は、測定範囲のみ
の断面曲線のパワーであるため、測定条件が変化してし
まうと値は変化してしまう。下式で示す、パワースペク
トルの各成分の総和を測定点数Nで規格化したI(S)
は、断面曲線全体のパワーを表す普遍的な値として用い
ることができる。
【数16】 このI(S)もΔt=0.31μmのときに、N=40
96ならば、数%誤差内に収束することが確認された。
【0019】別の見方をすれば、断面曲線の測定値のサ
ンプリング間隔(実空間)はΔtμm、パワースペクト
ルのサンプリング間隔(逆空間)はΔk=1/(N・Δ
t)μm−1となるが、これは、断面曲線の高さx
(t)の定義域がT=N・Δtの区間であることによ
る。これは、逆空間でのΔk=1/(N・Δt)間隔の
サンプル値のFourierスペクトルにより、原信号
x(t)が再現することを意味しており、ここで再現で
きる断面曲線の変動周期は、(Shannonのサンプ
リング定理によると)、2Δt程度である。現在考察し
ている現象に関しては、この程度以上の変動周期の表面
粗さが関与しており、Δt=0.31μmのサンプリン
グ間隔で十分であるが、現象によってはさらに細かい周
期の変動を考察対象とする必要がある。この時は、それ
に応じて、サンプリング間隔を短くすればよい。
【0020】感光体の少なくとも一方の端部から10〜
80mmにおける感光層の基体側界面の断面曲線のI
(S)が感光体の中心部に比べて大きいということは、
感光層の膜厚変動が大きい、あるいは書込み光の入射角
が大きくなる感光体の端部付近での感光層の基体側界面
全体の変動が大きいことを意味し、発生する濃淡縞の間
隔を十分狭くすることができるため、感光体端部付近の
スジ状濃淡縞を防止することができる。一方、感光層の
膜厚変動が小さく、書込み光の入射角の小さい感光体の
中央付近では、感光体の製造環境等からくる最小限の感
光層の膜厚変動に対応できるだけの感光層の基体側界面
全体の変動を有していればよく、過度に感光層の基体側
界面全体の変動を大きくすることは、微細なスジ等の異
常画像の発生を促し、好ましくない。
【0021】本発明の感光体中央部における感光層の基
体側界面の断面曲線のI(S)が感光体の中心部に比べ
て大きい領域は感光体の端部から10〜80mm、好ま
しくは、20〜80mmである。感光体の端部から10
mm以下の領域では、画像形成を行わないことが多いた
め、特別基体側界面の断面曲線のI(S)を制御する必
要はなく、端部から80mm以上の領域では感光層の膜
厚変動が小さく、感光体の中央部と感光層の膜厚変動が
ほぼ同じであるため感光層の基体側界面の断面曲線のI
(S)を中央部より大きくする必要はない。本発明の感
光体の中央部の基体側界面の断面曲線のI(S)よりも
大きい、端部から10〜80mmの領域は、左右両端に
存在していてもよく、書込み光の入射角が大きい場合の
異常画像防止の点で好ましい。しかし、感光層の膜厚変
動の大きい側のみであっても効果は大変高く、書込み光
の入射角がそれほど大きくない場合には、むしろ感光層
の膜厚変動が大きい側のみである方がよい。
【0022】本発明の感光体では、端部から80mm以
内の画像領域の感光層の膜厚が、15mm以上、好まし
くは20mm以上の範囲に亘って、単調に、0.2μm
/cm以上、好ましくは0.3μm/cm以上の傾斜を
もって、変化している領域での基体側界面の断面曲線の
I(S)を中央部より大きくすることが濃淡縞画像のな
い画像形成を行うために必要である。感光層の膜厚変動
が、上記のように大きな領域では、書込み光の多重反射
による濃淡縞が多数発生しやすいため、感光体の基体側
界面の断面曲線のI(S)を大きくして、感光体の基体
側界面の断面曲線の変動を大きくする必要がある。
【0023】本発明における断面曲線の測定方法として
は、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的
方法等、再現性がよく、測定精度の高く、簡便な方法で
あればどのような方法であってもよいが、光学的方法、
物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも測定面が十
分な硬度を有している場合には、物理的方法で触芯式に
よる測定方法が、再現性、測定精度の点で最も好まし
い。測定面の硬度が十分でない場合には、光学的方法、
例えばレーザー光を用いた形状測定顕微鏡等を用いるこ
とも好ましい方法である。
【0024】本発明の感光体における端部から10〜8
0mmの感光層の基体側界面の断面曲線のI(S)の測
定及び製造に際して管理する位置は、その範囲内であれ
ばどの場所であっても、また、複数の箇所であっても問
題はないが、紙等の被写体の大きさが210mm〜30
0mm長の感光体ドラムが、A3までの場合は300m
m〜400mm長の感光体ドラムが使用されることが多
いため、感光体の端部より50mmの位置で行うことが
好ましい。
【0025】本発明の感光体の少なくとも一方の端部か
ら10〜80mmにおける感光層の基体側界面の断面曲
線のI(S)は、感光体中央部における感光層の基体側
界面の断面曲線のI(S)の10%以上大きい、すなわ
ち1.1倍以上であることが好ましく、より好ましくは
1.2倍以上、さらに好ましくは1.2〜2倍である。
感光体の少なくとも一方の端部から10〜80mmにお
ける感光層の基体側界面の断面曲線のI(S)が感光体
中央部における感光層の基体側界面の断面曲線のI
(S)に比べて1.1倍未満であると、帯状の濃淡縞が
発生しやすく、好ましくない。
【0026】本発明の感光体の感光体中央部における感
光層の基体側界面の断面曲線のI(S)は6.0×10
−3以上、好ましくは8.0×10−3以上、さらに好
ましくは10.0×10−3以上、より好ましくは1
2.0×10−3以上である。感光体中央部における感
光層の基体側界面の断面曲線のI(S)が6.0×10
−3未満では、感光層の基体側界面全体の波の強さが弱
いため、感光体の感光層の膜厚変動に伴う濃淡縞が目立
ってしまい、濃淡縞画像として問題となりやすい。感光
体中央部における感光層の基体側界面の断面曲線のI
(S)は、濃淡縞画像の抑制のみの目的では大きいほど
よいが、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突
起のような波が多数存在することになるため、短絡によ
る放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやす
くなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすい。
そのため、画像形成装置にもよるが、上限値としては1
00.0×10−3以下、好ましくは80.0×10
−3以下、より好ましくは60.0×10−3以下であ
る。
【0027】本発明の感光体の少なくとも一方の端部か
ら10〜80mmにおける感光層の基体側界面の断面曲
線のI(S)を、感光体中央部における感光層の基体側
界面の断面曲線のI(S)よりも10%以上大きくする
方法としては、この範囲の基体の表面状態を変えるた
め、端部から10〜80mmの領域での基体の作製条件
等を他の部分と変更したり、物理的、化学的、電気化学
的等の方法による基体表面の荒らし方を変更することに
より実施できる。また、本発明の感光体が下引層を有し
ている場合、前述の基体表面状態の制御の他、少なくと
も一方の端部から10〜80mmの領域での下引層の組
成、膜厚、乾燥温度等の作製条件を変えたり、下引層形
成後、この領域での下引層表面を物理的、化学的、電気
化学的等の方法により荒らすことにより実施できる。
【0028】本発明の感光体においては、基体側界面の
断面曲線のI(S)を急激に変化させると、画像濃度に
段差が生じやすく好ましくないため、基体側界面の断面
曲線のI(S)を徐々に傾斜させて変化させ、境界を明
確に設けないことが好ましい。
【0029】本発明の感光体は、基体上に少なくとも電
荷発生物質及び電荷輸送物質を含有した感光層を設けた
構成が好ましく、さらに、必要により下引層、保護層を
設けることもできる。本発明の感光体は、電荷発生層と
電荷輸送層を別々に積層した積層型、電荷発生物質と電
荷輸送物質が混合されている単層型、いずれの感光体に
おいても優れた性能を示す。本発明における感光層の基
体側の断面曲線は、感光層の形成によって感光層より基
体側の層あるいは基体が溶解、変形等が起こらない限
り、感光層が積層される層あるいは基体の断面曲線を代
用できる。すなわち、感光体が下引層を有する場合に
は、下引層表面の断面曲線を代用することができ、感光
体が下引層を有していない場合には、基体表面の断面曲
線を代用することができる。
【0030】さらに、本発明の感光体の感光層の基体側
の断面曲線のパワースペクトルの総和I(S)を制御す
るためには、基体表面の断面曲線を制御することが極め
て有効である。これは、感光体が下引層を有していない
場合は当然であるが、下引層を有している場合であって
も、基体に下引層を積層した後で感光層が積層されるた
め、下引層が極端に厚いものでない限り、基体表面の凹
凸の多くは下引層表面にも強く反映されているためであ
り、下引層の組成や積層方法等を制御するよりも基体表
面の断面曲線を制御する方が容易で、かつ効果が極めて
高いことによる。
【0031】すなわち、本発明の第二の態様によれば、
基体上に少なくとも下引層及び感光層を設けた感光体に
おいて、感光体の少なくとも一方の端部から10〜80
mmにおける基体の断面曲線の変動が感光体中央部の基
体の断面曲線の変動に比べて大きいことを特徴とする感
光体が提供される。
【0032】好ましい基体表面の断面曲線は、感光層の
基体側の断面曲線と同じように測定される基体表面の断
面曲線のI(S)で表現できる。すなわち、本発明の感
光体の少なくとも一方の端部から10〜80mmにおけ
る基体の断面曲線のI(S)は、感光体中央部における
基体の断面曲線のI(S)より10%以上大きい、すな
わち1.1倍以上であることが好ましく、好ましくは
1.2倍以上、さらに好ましくは1.2〜5.0倍であ
る。感光体の少なくとも一方の端部から10〜80mm
における基体の断面曲線のI(S)が感光体中央部にお
ける基体の断面曲線のI(S)に比べて10%未満であ
ると、帯状の濃淡縞が発生しやすく、好ましくない。
【0033】本発明の感光体の感光体中央部における基
体の断面曲線のI(S)の値は12.0×10−3
上、好ましくは14.0×10−3以上、より好ましく
は16.0×10−3以上である。基体表面の断面曲線
のI(S)の値が12.0×10−3未満では濃淡縞の
間隔が広くなる部分が存在しやすく、濃淡縞画像として
問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、
基体表面の断面曲線のI(S)の値は大きいほどよい
が、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突起の
ような波が多数存在することになるため、短絡による放
電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやすくな
り、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、
画像形成装置にもよるが、上限値としては150.0×
10−3以下、125.0×10−3以下、100.0
×10−3以下である。
【0034】本発明の感光体の基体としては、体積抵抗
1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましく、
例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、銅、金、
銀、白金、パラジウムなどの金属あるいはこれら金属を
主成分とするニクロム等の合金をドラム状あるいはベル
ト状に形成したものや、上記の金属、合金及び酸化錫、
酸化インジウム等のカルコゲン化合物をプラスチックフ
ィルム、紙等に真空蒸着、スパッタ、無電解メッキ等に
よって付着させたベルトを例示することができる。
【0035】本発明の基体表面は、感光層との接着性を
向上させるために下引層を積層し、下引層は陽極酸化皮
膜形成、切削、ブラスト等により表面加工を施されてい
ることが好ましい。また前述のように、スジ状画像、濃
淡縞の異常画像を抑制するために基体表面を制御する。
そのためには、基体の組成、作製条件等を制御したり、
物理的、化学的、電気化学的等の方法により表面処理、
いわば荒らすことが好ましい。中でも切削、ブラスト等
の物理的加工方法が荒らす効果が高く好ましい。
【0036】本発明の感光体の下引層としては樹脂、あ
るいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性
基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化
金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とす
るものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入
防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ま
しい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可
塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッ
ド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、
これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示すること
ができる。このような下引層は、樹脂、あるいは白色顔
料と樹脂を主成分としたものを適当な溶剤、例えば、テ
トラヒドロフラン、ジクロロメタン、2−ブタノン、ト
ルエンなどに分散して塗布することにより設けることが
できる。
【0037】本発明の感光体に用いる電荷発生剤として
は、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリス
アゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ビリリウ
ム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリ
レン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾー
ル系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔
料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、
セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の
無機材料を使用することができる。電荷発生剤はこれら
の一種あるいは多種を用いることができ、結着樹脂を用
いて感光層を形成する。
【0038】本発明の感光体に用いる電荷輸送材料とし
ては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カ
ルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘
導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒド
ラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化
合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル
化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合
物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェ
ニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノ
スチルベン誘導体及びトリフェニルメタン誘導体等の一
種あるいは多種を混合して使用することができる。
【0039】上記感光層を形成するのに使用する結着樹
脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂
等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例
えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポ
リエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱
可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド
樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬
化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアント
ラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の
結着樹脂あるいは多種と結着樹脂の混合を挙げることが
できるが、特に、これらのものに限定されるものではな
い。
【0040】感光層の形成は、乾式法、湿式法いずれの
方法も可能であるが、経済性の面から、浸漬塗工法、ス
プレー法、ロールコート法、ビードコート法、ノズルコ
ート法、スピナーコート法、リングコート法、ダイコー
ト法等の湿式法が好ましく、中でも浸漬塗工法が感光層
の平滑性、経済性の面で好ましい。
【0041】湿式法による感光層形成時に用いる溶媒と
しては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、
シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等の
一種あるいは多種の混合物があげられる。
【0042】このうち、電荷輸送層を作製する場合に
は、電荷輸送層の均一性、感光体の電気的特性の安定性
の面から、従来ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒が用
いられてきた。しかし、人々の環境への関心から、ハロ
ゲン系溶媒の使用量を削減する要求が高くなってきたた
め、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ン等の非ハロゲン系溶剤を溶剤全体の25重量%以上、
好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%
以上とすることが好ましい。しかし、これらの非ハロゲ
ン系溶媒は、沸点が50℃以上であるため、常温での蒸
発速度が遅く、特に浸漬塗工法による電荷輸送層の形成
では、塗工開始側の膜厚変動がジクロロメタン単独を溶
媒に用いた場合よりも大きい。しかし、本発明の感光体
によれば、濃淡縞画像問題は解決することができる。
【0043】本発明の感光体における感光層中には、レ
ベリング剤、酸化防止剤を添加してもよい。レベリング
剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖
にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオ
リゴマーが使用できる。酸化防止剤としては、ヒンダー
ドフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒ
ンダードアミン系化合物、ピリジン誘導体、ピペリジン
誘導体、モルホリン誘導体等を例示することができる。
【0044】本発明の感光体の感光層の厚みは、感光体
の用いられる画像形成装置の求める静電特性、解像度に
応じて適宜選定され、例えば5〜50μm程度が適当で
あるが、高解像度が求められる15μm以下、好ましく
は14μm以下の場合に効果が高い。感光層の厚みが1
5μm以下の感光体は、高解像度の画像形成が可能であ
る反面、感光体固有の情報も書込み画像に重畳して画像
形成しやすいため、従来の感光体では濃淡縞、スジ状画
像、による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発
明の感光体ではほとんど起きることはない。
【0045】本発明の感光体は、複写機、プリンター、
FAX等の画像形成装置に用いることにより極めて高画
質の画像形成が可能となる。
【0046】本発明の画像形成装置は書込み光が、非干
渉光、可干渉光いずれにおいても高画質の画像形成が可
能であるが、特に高度の画像処理、画像形成が容易な可
干渉光を用いた場合においてもスジ状画像、濃淡縞の異
常画像を発生させることがないため、高解像度、高精細
な画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0047】書込み光の波長は特に制限はないが、70
0nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましく
は400〜600nmである。本発明の画像形成装置
は、高解像の書込み画像を実現することができる短波長
の書込み光に対してもスジ状画像、濃淡縞の異常画像を
発生させることなく、高解像度、高精細な画像品質の優
れた画像形成が可能となる。
【0048】本発明の画像形成装置の書込み画像の階調
再現方法としては、特に制限はないが、多値方式による
階調再現方法においては、画素の濃度が多段階に設定さ
れるため、自然な画像を形成できる反面、従来の感光体
を用いた画像形成装置では濃淡縞が目立ちやすく、特に
パルス幅変調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワ
ー変調を組み合わせた場合、その傾向が極めて高かっ
た。しかし、本発明の感光体を用いた画像形成装置で
は、多値方式による階調再現方法であっても、濃淡縞が
発生することはない。
【0049】本発明の画像形成装置の書込み画像の解像
度は、制限されるものではないが、600dpi以上、
特に1000dpi以上の高解像度のときにおいても優
れた画像品質の優れた画像形成が可能である。このよう
な高解像度の書込み画像では、感光体固有の情報も書込
み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感
光体を用いた画像形成装置ではスジ状画像、濃淡縞によ
る異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光
体を用いた画像形成装置ではほとんど起きることはな
い。
【0050】次に、図面を用いて本発明の感光体を用い
た電子写真装置の一例を説明する。図2において、感光
体1には本発明の感光体を用いる。感光体1はドラム状
の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状
のものであっても良い。帯電チャージャ3、転写前チャ
ージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、
クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコ
ロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージ
ャ)、帯電ローラ等が用いられ、公知の手段がすべて使
用可能である。これらの帯電器は感光体に接触していて
も、非接触であってもよい。また、帯電器において直流
成分に交流成分を重畳することも可能である。
【0051】転写手段には、一般に上記の帯電器が使用
できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チ
ャージャを併用したものが効果的である。
【0052】また、画像露光部5、除電ランプ2等の光
源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。
【0053】光源等は、図2に示される工程の他に光照
射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、
あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体
に光を照射するために用いられる。
【0054】さて、現像ユニット6により感光体1上に
現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が
転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナー
も生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およ
びブレード15により、感光体より除去される。クリー
ニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることも
あり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファ
ーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0055】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像
が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒
子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、
また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0056】一方、光照射工程は、像露光、クリーニン
グ前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露
光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程
を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
【0057】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示す
ものが挙げられる。感光体16には、本発明の感光体を
用いる。感光体16はドラム状の形状を示しているが、
シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明を具
体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定
されない。
【0059】実施例1 本実施例では、基体として切削加工したアルミドラムを
用い、この基体上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を
形成して本発明の感光体を製造した。その後、この感光
体を用いて得られた画像の評価を行った。
【0060】アルミドラムの表面を先端が2Rのダイヤ
モンドバイトにより切削して、基体として直径90m
m、長さ352mm、厚さ2mmのアルミドラムを作製
した。アルミドラムの切削において、端部から0〜80
mmの範囲はダイヤモンドバイトの送りを5.5mm/
sとし、80〜100mmの範囲はバイトの送りを5.
5mm/sから5.0mm/sへ連続的に変化させた。
このアルミドラムについて、端部から50mmの位置及
び中央部における断面曲線を表面粗さ計サーフコム14
00Aにて測定した。各この断面曲線を用いて、Δt=
0.31μmで、N=4096個をサンプリングした。
得られたデータ群について離散的なFourier変換
を行い、パワースペクトルを作成し、I(S)を計算し
たところ、それぞれ端部から50mmでは24.7×1
−3、中央部では17.7×10 −3であった。
【0061】次に、アクリル樹脂(アクリディックA−
460−60(大日本インキ化学工業製))15重量
部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−6
0(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエ
チルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末
(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボ
ールミルで200時間分散し、下引層塗布液を作製し
た。
【0062】端部から50mmのアルミドラム表面の断
面曲線のI(S)が24.7×10 −3の側を上方にし
て、アルミドラムを下引層塗布液に浸漬した後、これを
引き上げ、130℃で20分間乾燥して約2.0μm厚
さの下引層を設けた。端部から50mm及び中央部にお
ける下引層の断面曲線をアルミドラムの断面曲線の場合
と同様に測定し、パワースペクトルを求めたところ、I
(S)はそれぞれ端部から50mmでは14.2×10
−3、中央部では11.5×10−3であった。
【0063】次にブチラール樹脂(エスレックBLS
(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150
重量部に溶解し、これに下記構造式のトリスアゾ顔料1
0重量部を加えてボールミルで48時間分散した。更に
シクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分散を行
った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌し
ながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた
電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミドラム
を、下引層塗布したときと同じ方向で浸漬した後、これ
を引き上げ、120℃、20分間乾燥を行い約0.2μ
mの電荷発生層を形成した。
【0064】さらに下記構造式の電荷輸送材料6重量
部、
【化1】 ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300(帝人
化成製))10重量部、シリコンオイル(KF−50
(信越化学工業製))0.002重量部を90重量部の
テトラヒドロフランに溶解した。こうして得られた電荷
輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミ
ドラムを下引層を塗工した方向と同じように浸漬し、引
き上げ、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い
電荷発生層上に厚さ約20μmの電荷輸送層を形成し
た。作製した感光体の感光層の膜厚分布は図1に示すよ
うに、感光体の上端部に約0.3μm/cmの膜厚傾斜
を40mm程度有していた。
【0065】上述のようにして得られた感光体を、書込
み光の波長が780nm、書込み画像の解像度が600
dpi、パルス幅変調とパワー変調を組み合わせること
により256階調の書込みが可能なimagio co
lor2800(リコー製)に搭載した。そして、全面
均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な
画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。
また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高
品質の画像が得られた。
【0066】実施例2 本実施例では、実施例1と同様にして本発明の感光体を
製造した。次いで、この感光体を用いて、imagio
color2800を改造して、書込み画像の解像度
を1200dpiとする以外は実施例1と同様にして画
像形成装置を作製した。この画像形成装置を用いて全面
均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な
画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。
また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高
品質の画像が得られた。
【0067】実施例3 本実施例では、実施例1と同様にアルミドラムを150
本切削し、150本目に切削したアルミドラムを用いた
以外は実施例1と同様に感光体を作製した。この感光体
の端部から50mm及び中央部における下引層の断面曲
線を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。こ
の断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個
をサンプリングした。得られたデータ群について、離散
的なFourier変換を行い、パワースペクトルを作
成し、I(S)を計算したところ、それぞれ端部から5
0mmでは6.9×10−3、中央部では5.2×10
であった。
【0068】上記のように作製した感光体を実施例1の
画像形成装置に搭載して全面均一の白黒ハーフトーン画
像を出力したところ、画像端に木目状の濃淡縞がうっす
らと認められたが、実使用上問題のない程度であった。
【0069】比較例1 本比較例では、実施例2において、ダイヤモンドバイト
の送りを5.5mm/sと一定にしてアルミドラムを作
製した。この感光体の端部から50mm及び中央部にお
けるアルミドラムの断面曲線を表面粗さ計サーフコム1
400Aにて測定した。この断面曲線からΔt=0.3
1μmで、N=4096個をサンプリングした。得られ
たデータ群について、離散的なFourier変換を行
い、パワースペクトルを作成し、I(S)を計算したと
ころ、それぞれ端部から50mmでは22.8×10
−3、中央部では22.9×10−3であった。
【0070】次に、実施例1と同様に、アルミドラムの
上に下引層を積層した。端部から50mm及び中央部に
おける下引層の断面曲線をアルミドラムの断面曲線の場
合と同様に測定し、パワースペクトルを求めたところ、
それぞれ端部から50mmでは13.7×10−3、中
央部では14.3×10−3であった。
【0071】上記の下引層を有するアルミドラムを用い
て、実施例1と同様にして感光体を製造した。作製した
感光体を実施例2の画像形成装置に搭載し、全面均一の
白黒ハーフトーン画像を出力したところ感光体の上端部
から100mm以上の場所に相当する画像の約30%の
部分に、幅約0.2mm、長さ約3mmの微細な白スジ
が、認められた。
【0072】実施例4 本実施例では、基体として下記のように切削加工したア
ルミドラムを用い、この基体上に下引層、電荷発生層、
電荷輸送層を形成して本発明の感光体を製造した。その
後、この感光体を用いて得られた画像の評価を行った。
【0073】直径90mm、長さ352mm、厚さ2m
mのアルミドラム表面をホーニング加工による粗面化を
行った。粗面化では、アルミドラムの端部から0〜80
mmの範囲の加工時間を他の部分に比べて20%長くし
た。粗面化終了後、端部から50mm及び中央部におけ
るアルミドラムの断面曲線を表面粗さ計サーフコム14
00Aにて測定した。この断面曲線からΔt=0.31
μmで、N=4096個をサンプリングした。得られた
データ群について、離散的なFourier変換を行
い、パワースペクトルを作成し、I(S)を計算したと
ころ、それぞれ端部から50mmでは19.2×10
−3、中央部では17.1×10−3であった。
【0074】アクリル樹脂(アクリディックA−460
−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラ
ミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日
本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケト
ン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−
1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミル
で120時間分散し、下引層塗布液を作製した。次い
で、粗面化の加工時間の長い側を上方にして、アルミド
ラムを下引層塗布液に浸漬した後、アルミドラムを引き
上げ、130℃で20分間乾燥して約3.5μm厚さの
下引層を設けた。
【0075】端部から50mm及び中央部における下引
層の断面曲線をアルミドラムの断面曲線の場合と同様に
測定し、I(S)を求めたところ、それぞれ端部から5
0mmでは12.9×10−3、中央部では10.4×
10−3であった。
【0076】次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL
(UCC製))2重量部を、メチルエチルケトン200
重量部に溶解し、これに下記構造式のビスアゾ顔料10
重量部を加えてボールミルで40時間分散した。
【化2】 さらにシクロヘキサノン200重量部を加え、10時間
分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるよう
に攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして
得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアル
ミニウムドラムを下引層形成と同じ方向で浸漬塗工し、
120℃で20分間、下引層と同様に乾燥を行い、約
0.2μm厚さの電荷発生層を形成した。
【0077】その後、下記構造式の電荷輸送材料1重量
部、
【化3】 ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコ
ンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.02重
量部を10重量部のテトラヒドロフランに溶解した。こ
うして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生
層を形成したアルミニウムドラムをこれらの層形成と同
じ方向で浸漬塗工し、120℃で20分間、下引層と同
様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約14μmの電荷
輸送層を形成し、本発明の感光体を得た。
【0078】上述のようにして得られた感光体を用い、
imagio color2800を改造して、書込み
光の波長を504nm、書込み画像の解像度を1200
dpiとした画像形成装置に搭載し、全面均一の白黒ハ
ーフトーン画像を出力したところ均一な画像が得られ、
濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの
風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得
られた。
【0079】実施例5 基体として、アルミドラムの表面を先端が平坦なダイヤ
モンドバイトにより切削して、直径90mm、長さ35
2mm、厚さ2mmのアルミドラムを作製した。このア
ルミドラムを回転させながら、実施例4で用いた下引層
溶液をアルミドラム表面に5回塗布した。下引層溶液を
塗布する1回目には、端部から0〜80mmの範囲の
み、下引層溶液の吐出量とスプレーガンの移動速度を速
くした。2回目以降の塗工は下引層溶液の吐出量とスプ
レーガンの移動速度は一定とした。塗工後、このアルミ
ドラムを130℃で20分間乾燥して約2.0μm厚さ
の下引層を設けた。
【0080】端部から50mm及び中央部における下引
層の断面曲線のI(S)を実施例1と同様に求めたとこ
ろ、それぞれ端部から50mmでは10.6×1
−3、中央部では9.2×10−3であった。
【0081】上記の下引層を有するアルミドラムを用い
て、実施例1と同様にして感光体を作製した。作製した
感光体を実施例5の画像形成装置に搭載し、全面均一の
白黒ハーフトーン画像を出力したところ均一な画像が得
られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カ
ラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画
像が得られた。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、感光体端部近くに発生
する帯状濃淡縞、及び微細なスジの異常画像のない高品
質の画像形成が可能で、量産性に優れる、かつ生産時に
環境の汚染が少ない感光体を提供することができる。ま
た、このような感光体を用いることにより、帯状濃淡
縞、及び微細なスジの異常画像のない高品質の画像形成
が可能な画像形成装置又は電子写真装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で製造した感光体の感光層の膜厚を
示すグラフである。
【図2】 本発明の実施の形態の一例である電子写真装
置の概略断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例である電子写真用
プロセスカートリッジの概略断面図である。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、感光体の少なくとも一方の端部から10〜
    80mmの範囲における感光層の基体側界面の変動が、
    感光体の中央部における感光層の基体側界面の変動より
    も大きいことを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】 上記少なくとも一方の端部から10〜8
    0mmの範囲における感光層の基体側界面の断面曲線を
    水平方向にΔtμmの間隔でN個サンプリングし、得ら
    れた断面曲線の高さx(t)μmのデータ群を下式にし
    たがって離散的なFourier変換し、 【数1】 (ここで、n、mは整数。N=2、pは整数。) 該離散的なFourier変換の結果を用いて下式によ
    り導出したパワースペクトル 【数2】 から、下式により計算したI(S) 【数3】 が、感光体の中央部における感光層の基体側界面の断面
    曲線のI(S)よりも10%以上大きいことを特徴とす
    る請求項1に記載の感光体。
  3. 【請求項3】 上記少なくとも一方の端部から80mm
    以内の画像形成域の感光層の膜厚が、15mm以上の範
    囲にわたって単調に0.2μm/cm以上の傾斜をもっ
    て変化していることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の感光体。
  4. 【請求項4】 感光体の中央部における感光層の基体側
    界面の断面曲線のI(S)が6.0×10−3以上であ
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の感光体。
  5. 【請求項5】 上記Δtが0.01〜50.00μmで
    あり、上記Nが2048以上であることを特徴とする請
    求項2〜4のいずれか一項に記載の感光体。
  6. 【請求項6】 基体上に少なくとも下引層及び感光層を
    設けた感光体において、感光体の少なくとも一方の端部
    から10〜80mmにおける基体の断面曲線の変動が感
    光体中央部の基体の断面曲線の変動に比べて大きいこと
    を特徴とする感光体。
  7. 【請求項7】 上記少なくとも一方の端部から10〜8
    0mmの範囲における基体の断面曲線を水平方向にΔt
    μmの間隔でN個サンプリングし、得られた断面曲線の
    高さx(t)μmのデータ群を下式にしたがって離散的
    なFourier変換し、 【数4】 (ここで、n、mは整数。N=2、pは整数。) 該離散的なFourier変換の結果を用いて下式によ
    り導出したパワースペクトル 【数5】 から、下式により計算したI(S) 【数6】 が、感光体の中央部における基体の断面曲線のI(S)
    よりも10%以上大きいことを特徴とする請求項6に記
    載の感光体。
  8. 【請求項8】 上記少なくとも一方の端部から80mm
    以内の画像形成域の感光層の膜厚が、15mm以上の範
    囲にわたって単調に0.2μm/cm以上の傾斜をもっ
    て変化していることを特徴とする請求項7に記載の感光
    体。
  9. 【請求項9】 上記感光体の中央部における基体の断面
    曲線のI(S)が12.0×10−3以上であることを
    特徴とする請求項7又は8に記載の感光体。
  10. 【請求項10】 上記Δtが0.01〜50.00μm
    であり、上記Nが2048以上であることを特徴とする
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の感光体。
  11. 【請求項11】 上記感光層が湿式法により作製された
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の感光体。
  12. 【請求項12】 上記感光層が、基体上に電荷発生層及
    び電荷輸送層を順次積層してなる積層型の感光層であっ
    て、該電荷輸送層が浸漬塗工法により作製され、該電荷
    輸送層の塗工開始側の感光体端部から10〜80mmの
    範囲における電荷発生層の基体側界面の断面曲線のI
    (S)が感光体の中央部の感光層の基体側界面の断面曲
    線のI(S)よりも10%以上大きいことを特徴とする
    請求項11に記載の感光体。
  13. 【請求項13】 上記感光層が、基体上に電荷発生層及
    び電荷輸送層を順次積層してなる積層型の感光層であっ
    て、該電荷輸送層が浸漬塗工法により作製され、該電荷
    輸送層の塗工開始側の感光体端部から10〜80mmの
    範囲における基体の断面曲線のI(S)が感光体の中央
    部の基体の断面曲線のI(S)よりも10%以上大きい
    ことを特徴とする請求項11に記載の感光体。
  14. 【請求項14】 上記電荷輸送層を積層する際の溶液の
    全溶剤の25重量%以上に、沸点50℃以上の溶液を用
    いたことを特徴とする請求項12又は13に記載の感光
    体。
  15. 【請求項15】 上記感光層の膜厚が15μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記
    載の感光体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の感光体を用い、書込み光に可干渉光を用いることを特
    徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】 上記書込み光の波長が700nm以下
    であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装
    置。
  18. 【請求項18】 多値方式による階調再現方法により書
    込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求項
    16又は17に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 書込み画像の解像度が600dpi以
    上であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写が繰り返し行われる電子写真方法
    において、該電子写真感光体が請求項1〜15のいずれ
    か一項に記載の感光体であることを特徴とする電子写真
    方法。
  21. 【請求項21】 上記電子写真方法が、上記画像露光の
    際にはLDあるいはLEDによって感光体上に静電潜像
    の書込みが行われる、デジタル方式の電子写真方法であ
    ることを特徴とする請求項20に記載の電子写真方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項1
    〜15のいずれか一項に記載の感光体であることを特徴
    とする電子写真装置。
  23. 【請求項23】 上記電子写真装置が、画像露光手段に
    LDあるいはLEDを使用することによって感光体上に
    静電潜像の書込みが行われる、デジタル方式の電子写真
    装置であることを特徴とする請求項22に記載の電子写
    真装置。
  24. 【請求項24】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該
    電子写真感光体が請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の感光体であることを特徴とする電子写真装置用プロセ
    スカートリッジ。
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JP2010224050A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体用基体、電子写真感光体用基体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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