JP2002350773A - 結像素子アレイおよび光書込ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

結像素子アレイおよび光書込ユニットおよび画像形成装置

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JP2002350773A JP2001155481A JP2001155481A JP2002350773A JP 2002350773 A JP2002350773 A JP 2002350773A JP 2001155481 A JP2001155481 A JP 2001155481A JP 2001155481 A JP2001155481 A JP 2001155481A JP 2002350773 A JP2002350773 A JP 2002350773A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結像素子アレイにおける、隣接レンズ部間を透
過して発生するゴースト光を有効に低減する。 【解決手段】結像光束を入射させる第1レンズ面10A
−1と、結像光束を射出させる第2レンズ面10B−1
とからなるレンズ部と、第1レンズ面から入射した結像
光束を第2レンズ面に向けて反射させるルーフプリズム
部10C−1とを有する結像素子単位を複数単位、第1
および第2レンズ面とルーフプリズム部がそれぞれ同方
向に1列に配列するように一体的に配列してなり、隣接
するレンズ部間を通過する光の強度を減衰させる光減衰
手段11を各レンズ部間に有し、光減衰手段による光の
減衰率:αを、α<0.25としたことを特徴とする結
像素子アレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、結像素子アレ
イ、この結像素子アレイを用いる光書込ユニット、およ
びこの光書込ユニットを用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、デジタル複写機、プリンタ、デジ
タルファクシミリといった画像形成装置の小型化に伴
い、光書込みを行うための光書込ユニットに対する小型
化の要請が強い。小型に実現できる光書込ユニットとし
て「LEDアレイや有機ELアレイ等の発光素子アレイ
から射出された光束を、結像素子アレイによって感光媒
体上に結像させて光スポットを形成」する固体書込方式
のものがある。
【0003】固体書込方式は、発光源から感光媒体に至
る結像光束の光路長を非常に短くできるので、光書込ユ
ニットをコンパクトに構成でき、画像形成装置のコンパ
クト化を図り易い。
【0004】結像素子アレイは基本的に「正立像を結像
する小さな結像素子を、発光素子アレイにおける発光素
子の配列方向に対応させて配列一体化したもの」であ
り、ロッドレンズアレイを始めとして種々のものが知ら
れている。
【0005】結像素子アレイの1種として、従来、図1
に示す如きものが知られている。図1(a)は、結像素
子アレイ1の部分斜視図である。結像素子アレイ1は全
体が三角柱状で、その1つの柱面に「結像光束を入射さ
せる第1レンズ面1A−1、1A−2、1A−3、・
・」が形成され、別の柱面に「結像光束を射出させる第
2レンズ面1B−1、1B−2、1B−3、・・」が形
成されている。
【0006】第1レンズ面の個々と、第2レンズ面の個
々とは互いに対応し、これら互いに対応し合う第1レン
ズ面と第2レンズ面とが「レンズ部」を構成する。
【0007】第1レンズ面、第2レンズ面の「配列方
向」は、三角柱の柱芯方向である。結像素子アレイの残
る1つの柱面には、ルーフプリズム部1C−1、1C−
2、1C−3、・・が形成されている。ルーフプリズム
部1C−1等は、図示の如く「平面状のプリズム面を2
面、互いに直交的に組合」せ、組合せられたプリズム面
の「稜線」を前記柱芯方向に直交させて形成され、柱芯
方向(図示の配列方向)に配列している。
【0008】n=1、2、3・・として、第1レンズ面
1A−nと第2レンズ面1B−n及びルーフプリズム部
1C−nは「結像素子単位(1単位の結像素子)」を構
成する。個々の結像素子単位において、結像光束は第1
レンズ面1A−nから入射し、ルーフプリズム部1C−
nにより反射され、第2レンズ面1B−nから射出し
て、第1レンズ面1A−nと第2レンズ面1B−nの合
成のレンズ作用により結像する。
【0009】従って、結像素子アレイ1は、結像素子単
位を複数単位、第1および第2レンズ面とルーフプリズ
ム部がそれぞれ同方向(図の配列方向)に1列に配列す
るように一体的に配列したものである。
【0010】図1(b)は、結像素子単位を配列方向か
ら見た状態を示している。図示のように、第1レンズ面
1A−nの配列形成された柱面と、第2面レンズ面1B
−nが配列形成された柱面とは互いに直交し、ルーフプ
リズム部1C−nの稜線は、第1、第2レンズ面の形成
された柱面に対して45度の角度で傾いている。
【0011】全ての第1レンズ面の光軸は図1(b)に
おいて同一位置に重なり合い、全ての第2レンズ面の光
軸も同図において同一位置に重なり合う。そして、第1
レンズ面の光軸と、これに対応する第2レンズ面の光軸
とは、対応するルーフプリズム部の稜線の上で直交す
る。
【0012】図2には、図1に即して説明した結像素子
アレイ1を「仮想的に切断」して、レンズ部が配列した
部分1Lとルーフプリズム部が配列した部分1Pとに分
けて示したものである。
【0013】図1に示した従来の結像素子アレイでは、
第1レンズ面が形成された柱面において、第1レンズ面
以外の部分に入射した光は、結像素子アレイ内を進み
「不要な光」として結像素子アレイから放出されるが、
場合によっては像面に到達して「正規の結像光束による
像」を劣化させる原因となることがある。
【0014】このような問題を避けるには、図3に示す
ように「アパーチャ」を設け、レンズ面以外の部分から
の光の出入りを防止するのが有効である。図3(a)に
示すアパーチャAP1は「黒色の樹脂や金属板等による
アパーチャ」で、結像素子アレイ1とは別体に設けられ
る。図3(b)に示すアパーチャAP2は「結像素子ア
レイ表面に直接、黒色インク等を印刷あるいは塗布」し
て設けられる。アパーチャAP1、AP2は、レンズ面
の配列に応じてアレイ状に設けられる。
【0015】図4は、結像素子アレイによる結像光線
(像を結像する光線)の光路を説明するための図であ
る。実際の光路は3次元的で、図示すると複雑になるの
で、便宜上「2次元的な図」として描いている。
【0016】即ち、図4において、結像素子(A)、
(B)、(C)とあるのは、上に説明した「結像素子単
位」の個々を示している。「レンズ面」とあるのは、個
々の結像素子単位において、第1レンズ面と第2レンズ
面を仮想的に重ね合せたものを示している。このように
描くと、個々の結像素子による結像における物点と像点
が一致することになる。
【0017】即ち、実際には、前述のように、第1レン
ズ面から入射した結像光線はルーフプリズム部により反
射され、第2レンズ面から射出して結像するが、この状
態が図4においては「物点からレンズ面に入射した結像
光束がルーフプリズム部により反射され、再度レンズ面
を通って結像素子アレイから射出し、物点に合致した像
点に結像する」ように描かれている。
【0018】図4に示すように、物点から放出された光
は、結像素子(A)のレンズ面(第1レンズ面)に入射
し、結像素子(A)のルーフプリズム部(の2つのプリ
ズム面)で全反射した後、レンズ面(第2レンズ面)か
ら射出して、配列方向において物点と同位置にある像点
に到達する。このとき、光は常に結像素子(A)内を進
む。
【0019】結像素子(B)のレンズ面に入射した光も
常に結像素子(B)内を進み、レンズ面から射出して像
点(物点と同位置)に到達する。結像素子(C)のレン
ズ面に入射した光も、常に結像素子(C)内を進み、レ
ンズ面から射出して像点(物点と同位置)に到達する。
結像素子(A)に関して結像素子(B)、(C)と反対
側にある各結像素子においても同様である。
【0020】このように「配列方向において物点と同位
置にある像点」に到達するような場合、配列方向におい
て正立等倍系であるという。図4に示す状態では、ある
1つの物点から放射された光は、複数の結像素子を介し
て「1つの像点を合成して形成」する。このように、物
点に対して正立等倍系で結像する光を「メイン光」を呼
ぶ。即ち、図4はメイン光の結像の様子を示しているの
である。
【0021】図5および図6は、物点から放射される光
の一部が、像点に結像せずに「不要な光」となって像面
に到達する場合の光路を、図4に倣って説明図的に示し
ている。図5において、物点から出て結像素子(A)の
レンズ面に入射した光は、対応するルーフプリズム部で
全反射し、対応するレンズ面から射出して像点に到達す
る(メイン光)。しかし、結像素子(B)のレンズ面
(第1レンズ面)に入射した光は、結像素子(B)、
(C)間を通り、結像素子(C)のルーフプリズム部で
全反射され、結像素子(C)のレンズ面(第2レンズ
面)から射出し、物点とは異なる位置:Q1に達する。
即ち、この光は、像点に結像しない「不要な光」であ
る。
【0022】配列方向において像点に関して位置:Q1
と対称的な位置:Q2にも不要な光が到達する。即ち、
この例では、第1レンズ面側の隣り合うレンズ部間を透
過する光が「不要な光」となっている。
【0023】図6において、物点から出て結像素子
(A)のレンズ面に入射した光は、対応するルーフプリ
ズム部で全反射し、対応するレンズ面から射出して像点
に到達する(メイン光)。一方、結像素子(C)のレン
ズ面(第1レンズ面)に入射した光は、対応するルーフ
プリズム部で全反射し、結像素子(C)、(B)間を通
り、結像素子(B)のレンズ面(第2レンズ面)を介し
て、物点と異なる位置:Q4「不要な光」として到達す
る。
【0024】配列方向において像点に関して位置:Q4
と対称的な位置:Q3にも不要な光が到達する。即ち、
この例では、第2レンズ面側の隣り合うレンズ部の間を
通る光が「不要な光」となっている。
【0025】図5、図6に示す位置:Q1とQ3、Q2
とQ4が、互いにある程度近いと、これらの位置に「不
要な光が集光」する(メイン光のように結像している訳
ではなく、ある領域内に集中している)。このように
「不要な光がある程度集光して光スポットを形成する」
場合、このような不要な光を「ゴースト光」と呼ぶ。こ
れに対し、像面上で相互に集光せずに、像面上に略均一
に分布するような不要な光を「フレア光」と呼ぶ。
【0026】上述の如く、図1に示した如き結像素子ア
レイでは一般に「メイン光の像点から配列方向に離れた
位置に集光するゴースト光」が発生しやすい。ゴースト
光の集光する位置は、結像素子の配列ピッチ:Pや、結
像素子単位の形状に依存する。
【0027】特公平5−053245号公報は、第1レ
ンズ面側に切欠き溝を形成し、フレア光を低減させる方
法を提案している。しかし、不要な光が像面に到達する
光路には、上記の如く、隣接レンズ部間を「第1レンズ
面側で通過する光路(図5の場合)」だけでなく「第2
レンズ面側で通過する光路(図6の場合)」もあるた
め、「第1レンズ面側の切欠き溝」は不要な光の低減上
十分とは言いがたい。
【0028】また「切欠き溝」を形成すると、切り欠き
溝に起因して「新たな不要な光の光路」ができる。即
ち、図4に倣って描く図7においては、結像素子(B)
と(C)の「第1レンズ面側の隣り合うレンズ部間」
に、切欠き溝SLが形成されている。結像素子アレイの
材質は樹脂が一般的で、1.5前後の屈折率を有する。
切欠き溝SLの部分は空気部で屈折率:1である。
【0029】物点から放射され、結像素子(B)の第1
レンズ面から入射し、切欠き溝SLの壁面に入射する光
の入射角は「かなりの大きさ」になる。このような入射
光はその入射角が「屈折率:1.5前後の材質と屈折
率:1の材質(ここでは空気)で決まる臨界角」よりも
大きく、従って切り欠き溝SLの壁面で全反射される。
【0030】このように切り欠き溝SLの壁面で全反射
した光は、図7に破線で示すように、結像素子(B)の
ルーフプリズム部で全反射した後、結像素子(B)のレ
ンズ面から射出して、実線の光路(切欠き溝を設けない
場合)の到達位置:Q(図5におけるQ1)とは異なる
位置:Q’に到達する。
【0031】即ち、この場合の「不要な光」は、切り欠
き溝SLが形成されたことにより、不要な光の到達位置
が、位置:Qから位置:Q’に置換わったに過ぎない。
また、切欠き溝SLでの不要な光の反射は全反射(反射
率100%)であるため、位置:Qに到達する場合も位
置:Q’に到達する場合も「到達する不要な光のエネル
ギ」は略等しい。
【0032】次ぎに、光書込みによる画像形成で形成さ
れる画像への「ゴースト光」の影響を説明する。図1に
即して説明した結像素子アレイを発光素子アレイと組み
合わせて光書込ユニットを構成し、光導電性の感光体の
露光を行い、トナー画像として画像出力したところ「ゴ
ースト光によるものと見られる像」が発生した。
【0033】以下の説明において用いる「ゴースト率」
を、ゴースト光の積分光量の、メイン光の積分光量に対
する比として定義する。図8(a)に、結像素子アレイ
1による「像面上における光量分布のプロファイル」の
1例を示す。図のように、メイン光のプロファイル(メ
イン光の光量分布の形状)に対し、配列方向に離れた位
置にゴースト光のプロファイル(集光したゴースト光の
光量分布の形状)が発生している。
【0034】ゴースト光の集光位置が複数個所発生する
場合もあるので、これらを区別するため、ゴースト光の
集光する位置に番号:m(m=±1、±2、・・・)を付
け、m番目の位置に集光するゴースト光を「m番目のゴ
ースト光」と呼ぶ。
【0035】メイン光の積分光量(メイン光を形成する
全光量)をIo、m番目のゴースト光の積分光量(ゴー
スト光を形成する全光量)をImとすると、m番目のゴ
ースト光のゴースト率:Gmは、以下の如くに定義され
る。 Gm=Im/Io 、m=±1、±2、・・・ 即ち、ゴースト率:Gmは「無次元量」である。
【0036】例えば、発光素子への注入電流を増加させ
ると、発光素子の発光量が大きくなるが、発光量が大き
くなるとメイン光の積分光量:Ioが増大し、それに比
例してゴースト光の積分光量:Imも増大する。このよ
うに、ゴースト光の積分光量:Im自体は発光素子の発
光量に依存するが、上記ゴースト率:Gmは、発光光量
に依存しない。
【0037】また、画像形成の際、感光媒体を露光する
エネルギ量(露光エネルギ)は「メイン光の積分光量と
露光時間との積」であり、ゴースト率が分かっていれ
ば、露光エネルギが与えられると、ゴースト光の露光エ
ネルギもゴースト率により一義的に算出できるので、ゴ
ースト光の積分光量自体を扱うよりも、ゴースト率の方
が取り扱い易い。
【0038】ゴースト率は「結像素子アレイの形態」に
依存する。画像形成装置における画像出力を高速化する
観点から、光学系はメイン光の積分光量が大きくなるよ
うに「明るい」ことが望ましい。また、高画質実現のた
めには、感光媒体上にメイン光が形成するビームスポッ
トは小径であることが望ましい。
【0039】このような観点から結像素子アレイの形態
を検討した。以下に2例を示す。結像素子アレイの形態
上のパラメータとしては、以下のものを用いる(図9参
照)。
【0040】P:結像素子単位の配列ピッチ Apx:第1、第2レンズ面の、配列方向のレンズ開口
径 Apy:第1、第2レンズ面の、配列直交方向のレンズ
開口径 L0:物体面から第1レンズ面までの距離 L1:第1レンズ面からルーフプリズム部の稜線までの
距離 L2:ルーフプリズム部の稜線から第2レンズ面までの
距離 L3:第2レンズ面から像面までの距離 R1:第1レンズ面の曲率半径 R2:第2レンズ面の曲率半径 N:結像素子アレイの材質の使用波長における屈折率 各レンズ面は球面形状としているが、共軸非球面形状や
トロイダル面形状(非球面を含む)、自由曲面形状等、
任意の面形状とすることもできる。
【0041】例 1 上記各パラメータを以下のように設定した。 P=0.8mm Apx=0.6mm Apy=0.8mm L0=L3=10mm L1=L2=1.5mm R1=4.967mm R2=−4.967mm N=1.49 この例の結像素子アレイに対し「発光部サイズが20μ
m四方のLED」を物点として想定し、発光パターンが
ランバート分布である完全拡散光源としたときのゴース
ト率を光学シミュレーションにより求めた。物点位置は
図9(b)に示すように、第1レンズ面の光軸上に設定
した。
【0042】シミュレーションの結果、±1番目のゴー
スト光が、メイン光の像位置に対して「配列方向に±
0.9mm離れた位置」の近傍に発生し、そのゴースト
率は、G+1≒G−1=26%であった。
【0043】例 2 上記各パラメータを以下のように設定した。 P=0.8mm Apx=0.6mm Apy=0.8mm L0=L3=6mm L1=L2=1.4mm R1=2.983mm R2=−2.983mm N=1.49 この例の結像素子アレイに対し「発光部サイズが20μ
m四方のLED」を物点として想定し、発光パターンが
ランバート分布である完全拡散光源としたときのゴース
ト率を光学シミュレーションにより求めた。物点位置は
図9(b)に示すように第1レンズ面の光軸上に設定し
た。
【0044】シミュレーションの結果、±1番目のゴー
スト光が、メイン光の像位置に対して「配列方向に±
0.9mm離れた位置」の近傍に発生し、そのゴースト
率は、G+1≒G−1=19%であった。
【0045】これらの例から、従来の結像素子アレイ1
におけるゴースト率は、略20〜25%程度であること
が分かる。
【0046】これら2例の結像素子アレイをそれぞれ、
600dpiのLEDアレイと組み合わせて光書込ユニ
ットを構成し、光導電性の感光体に縦線パターン(配列
方向と直交する方向に長い直線パターン)を画像形成し
たところ、図8(b)に示すような出力画像が得られ
た。
【0047】図8(b)において、符号80は「メイン
光によって画像形成された縦線パターン」であり、この
縦線80の両側に、ゴースト光により形成されたと見ら
れる薄い縦線81、82が見られた。縦線パターン80
と薄い縦線81、82との間隔は約0.9mmで、メイ
ン光とゴースト光の間隔に対応している。
【0048】このように、従来の結像素子アレイは、こ
れを発光素子アレイと組み合わせて画像形成する場合、
ゴースト光が影響して、出力画像の像質を劣化させると
いう問題を有している。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、画像形成
装置の出力画像の像質劣化を防止するべく、結像素子ア
レイにおける「隣接レンズ部間を通過して発生するゴー
スト光」を有効に低減することを課題とする。
【0050】
【課題を解決するための手段】この発明の結像素子アレ
イは「結像光束を入射させる第1レンズ面と、結像光束
を射出させる第2レンズ面とからなるレンズ部と、第1
レンズ面から入射した結像光束を第2レンズ面に向けて
反射させるルーフプリズム部とを有する結像素子単位を
複数単位、第1および第2レンズ面とルーフプリズム部
がそれぞれ同方向に1列に配列するように一体的に配列
して」なり、以下の点を特徴とする。
【0051】即ち、結像素子アレイは「隣接するレンズ
部間を通過する光の強度を減衰させる光減衰手段」を各
レンズ部間に有する。
【0052】この光減衰手段による光の減衰率:αは、 α<0.25 (1) に設定される(請求項1)。
【0053】この請求項1記載の結像素子アレイは、光
減衰手段を「結像素子単位の配列方向に幅:Wを持つ光
減衰部材」とし、結像素子アレイの材質の屈折率をN、
内部吸収率をkとし、光減衰部材の材質の屈折率を
N’、内部吸収率をk’とするとき、これらW、N、
N’、k、k’が条件: N’≧N (2) (k'-k)>0.43/W (3) を満足するようにすることができる(請求項2)。
【0054】請求項2記載の結像素子アレイの場合、結
像素子アレイと光減衰部材との屈折率差:(N’−N)
の、屈折率:Nに対する比:ΔN=(N’−N)/Nを 0≦ΔN≦0.05 (4) とすることが好ましい(請求項3)。
【0055】なお、結像素子アレイの材料としては、ポ
リカーボネートやPMMA等の、光学素子用樹脂として
知られる適宜のものを用いることができ、光減衰部材と
しても各種インキ等の種々の材料を用いる事ができる
が、たとえば、光減衰部材の材料の1例として、結像素
子アレイと同一の材料中に、カーボンブラックを混入し
て内部吸収率:k’を高めたものを挙げることができ
る。
【0056】請求項1記載の結像素子アレイの光減衰手
段として「隣接レンズ部間に空隙部を設け、この空隙部
に光減衰部材を充填」することができ(請求項4)、こ
の場合、光減衰部材に光散乱機能を持たせることができ
る(請求項5)。
【0057】請求項1記載の結像素子アレイの光減衰手
段に「光散乱部材」を設けることもでき(請求項6)、
その場合「隣接レンズ部間に空隙部を設け、その空隙部
に光散乱部材を充填」することができる(請求項7)。
この請求項7記載の結像素子アレイにおいては「光散乱
部材中に光減衰部材を設ける」ことができる(請求項
8)。
【0058】請求項4または7記載の結像素子アレイの
ように、隣接レンズ部間に空隙部を設ける場合「空隙部
に空気領域を設ける」こともできる(請求項9)。請求
項1記載の結像素子アレイは「隣接するルーフプリズム
部の谷部を底上げして平坦な面とする」こともできる
(請求項10)。
【0059】この発明の光書込ユニットは「複数の微小
な発光部をアレイ配列してなる発光部アレイと、結像素
子アレイとを有する光書込ユニット」であって、結像素
子アレイとして上記請求項1〜10の任意の1に記載の
ものを用いたことを特徴とする(請求項11)。
【0060】「発光部アレイ」としては、例えば、LE
Dが1方向に等間隔で一列に並んだLEDアレイ(1イ
ンチ当り300個のLEDが並んだ300dpiのLE
Dアレイや、600dpiのLEDアレイが良く知られ
ている)や、有機EL素子を用いたELアレイ等の発光
素子アレイを用いることができ、微小な光源部を、1列
もしくは複数列に配列することができる。また、別の形
態の発光部アレイとして「ハロゲン光源と、その前方に
各画素毎に開閉制御できるシャッタアレイを配置した光
シャッタアレイ」を用いることもできる。
【0061】この発明の画像形成装置は「感光媒体に光
書込ユニットにより画像書込みを行って画像形成する画
像形成装置」であり、光書込ユニットとして請求項11
記載のものを用いたことを特徴とする(請求項12)。
感光媒体としては、銀塩フィルムや「光書込みにより発
色する発色印画紙」や「光導電性の感光体等」を用いる
ことができる。
【0062】請求項13記載の結像素子アレイは、結像
光束を入射させる第1レンズ面と、結像光束を射出させ
る第2レンズ面とからなるレンズ部と、第1レンズ面か
ら入射した結像光束を上記第2レンズ面に向けて反射さ
せるルーフプリズム部とを有する結像素子単位を複数単
位、第1および第2レンズ面とルーフプリズム部がそれ
ぞれ同方向に1列に配列するように一体的に配列し、第
1レンズ面および/または第2レンズ面の配列している
面と、ルーフプリズム部が配列している面とが形成する
コーナー部に、機械的強度を確保するためのリブを、結
像素子単位の配列方向に形成してなる。リブは、勿論、
各結像素子単位と一体的に形成される。
【0063】そして、隣接するレンズ部間を通過する光
の強度を減衰させる光減衰手段を各レンズ部間に有し、
光減衰手段による光の減衰率:αは、 α<0.25 (1) を満足する。
【0064】請求項14記載の結像素子アレイは、結像
光束を入射させる第1レンズ面と、結像光束を射出させ
る第2レンズ面とからなるレンズ部と、第1レンズ面か
ら入射した結像光束を第2レンズ面に向けて反射させる
ルーフプリズム部とを有する結像素子単位を複数単位、
第1および第2レンズ面とルーフプリズム部がそれぞれ
同方向に1列に配列するように一体的に配列し、第1レ
ンズ面および/または第2レンズ面の配列している面
の、レンズ面以外の部分に、光減衰処理および/または
光散乱処理を施してなる。
【0065】そして、隣接するレンズ部間を通過する光
の強度を減衰させる光減衰手段を各レンズ部間に有し、
光減衰手段による光の減衰率:αは、 α<0.25 (1) を満足する。
【0066】この請求項14記載の結像素子アレイにお
いて、第1レンズ面および/または第2レンズ面の配列
している面と、ルーフプリズム部が配列している面とが
形成するコーナー部に、機械的強度を確保するためのリ
ブを、結像素子単位の配列方向に形成することができる
(請求項15)。
【0067】請求項13、15記載の結像素子アレイ
は、機械的な強度を確保するリブが形成されているの
で、機械的強度に優れる。また、請求項14、15記載
の結像素子アレイは、第1レンズ面の形成された面のレ
ンズ面外から結像素子アレイに入射する光が結像に影響
するのを有効に軽減もしくは防止することができる。
【0068】これら請求項13〜15の任意の1に記載
の結像素子アレイにおいても、光減衰手段として、結像
素子単位の配列方向に幅:Wを持つ光減衰部材を用い、
結像素子アレイの材質の屈折率をN、内部吸収率をkと
し、上記光減衰部材の材質の屈折率をN’、内部吸収率
をk’とするとき、これらW、N、N’、k、k’が条
件: N’≧N (2) (k'-k)>0.43/W (3) を満足することが好ましい。
【0069】この場合、結像素子アレイと光減衰部材と
の屈折率差:(N’−N)の、屈折率:Nに対する比:
ΔN=(N’−N)/Nが、条件: 0≦ΔN≦0.05 (4) を満足することが好ましい。
【0070】さらに、請求項13〜15の任意の1に記
載の結像素子アレイの光減衰手段は「隣接レンズ部間に
空隙部を設け、この空隙部に光減衰部材を充填した」も
のとすることができ、この場合、光減衰部材に光散乱機
能を持たせることもできる。
【0071】請求項13記載の結像素子アレイにおい
て、光減衰手段に光散乱部材を設けることができ、この
場合、隣接レンズ部間に空隙部を設け、その空隙部に光
散乱部材を充填することも、光散乱部材中に光減衰部材
を設けることもできる。
【0072】また、上記「空隙部」には空気領域を設け
ることができる。
【0073】また、請求項13〜15記載の結像素子ア
レイにおいても、請求項10記載の結像素子アレイと同
様「隣接するルーフプリズム部の谷部を底上げして、平
坦な面とする」ことができる。
【0074】勿論、複数の微小な発光部をアレイ配列し
てなる発光部アレイと、結像素子アレイとを有する光書
込ユニットにおいて、結像素子アレイとして、請求項1
3〜15の任意の1に記載のものを用いて光書込ユニッ
トを構成することができ、このような光書込ユニットを
用いて、感光媒体に画像書込みを行って画像形成する画
像形成装置を構成することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】上述のように、図1に示す如き従
来の結像素子アレイを用いた場合、ゴースト率は20〜
25%であり、このようなゴースト率を持つ結像素子ア
レイを用いて画像形成を行った場合、ゴースト光に起因
する縦線が現れて、出力画像の像質を劣化させる。
【0076】発明者らは、画像形成におけるゴースト率
の「種々の画像への影響」を実験的に調べた結果「画像
への影響のないゴースト率のレベル」が、ゴースト率:
5〜6%程度であることを確認した。この程度のゴース
ト率であると、形成された画像に「目視で確認できるよ
うなゴースト光によるパターン」は発生しない。
【0077】なお「画像への影響のないゴースト率のレ
ベル」は、画像形成装置の構成や画像形成のプロセス条
件の設定により変化するため、上記ゴースト率のレベル
を1つの確定した値として特定することはできない。
【0078】この発明の目指すところは「画像に影響の
ないレベルにまでゴースト率を低減させる」ことにあ
る。理想から言えば、ゴースト率は0であるのが良い
が、実際にゴースト率:0%を達成することは技術的に
困難であるし、低コストに抑える意味でもゴースト率を
過剰に低くすることは望ましくなく、従来の結像素子ア
レイにおいて20〜25%程度で発生していたゴースト
率を、5〜6%程度にまで低減できれば実用上は十分で
ある。
【0079】前述の如く「ゴースト光は、隣接するレン
ズ部間を通過する光によって発生」するので、このよう
な光を減衰させることが、ゴースト率の低下に有効であ
ると考えられる。そして、このような「隣接レンズ部間
を通過する光」を減衰させても、メイン光の積分光量は
影響されない。
【0080】「画像への影響のないゴースト率」のレベ
ル:5〜6%程度は、従来の結像素子アレイでのゴース
ト率:20〜25%に対して、略1/4(25%)であ
る。従って、隣接レンズ部間を通過する光を、従来の結
像素子アレイの場合の0.25以下に減衰させれば、ゴ
ースト光が画像に影響しない結像素子アレイを実現する
ことができる(請求項1)。
【0081】図10は、結像素子アレイの実施の1形態
を説明するための図である。図10(a)に示すよう
に、結像素子アレイ10は全体が三角柱状で、その1つ
の柱面に「結像光束を入射させる第1レンズ面10A−
1、10A−2、10A−3、・・」が形成され、別の
柱面に「結像光束を射出させる第2レンズ面10B−
1、10B−2、10B−3、・・」が形成されてい
る。第1レンズ面の個々と、第2レンズ面の個々とは互
いに対応し、これら互いに対応し合う第1レンズ面と第
2レンズ面とが「レンズ部」を構成する。
【0082】第1レンズ面、第2レンズ面の配列方向は
三角柱の柱芯方向(図示の「配列方向」)である。結像
素子アレイの残る1つの柱面には、ルーフプリズム部1
0C−1、10C−2、10C−3、・・が形成されて
いる。ルーフプリズム部10C−1等はその「稜線」を
柱芯方向に直交させて形成され、柱芯方向に配列してい
る。
【0083】n=1、2、3、…として、第1レンズ面
10A−nと第2レンズ面10B−n及びルーフプリズ
ム部10C−nは「結像素子単位」を構成する。個々の
結像素子単位において、結像光束は第1レンズ面10A
−nから入射し、ルーフプリズム部10C−nにより反
射され、第2レンズ面10B−nから射出する。そし
て、第1レンズ面10A−nと第2レンズ面10B−n
の合成のレンズ作用により結像する。
【0084】従って、結像素子アレイ10は、結像素子
単位を複数単位、第1および第2レンズ面とルーフプリ
ズム部がそれぞれ同方向(柱芯方向)に1列に配列する
ように一体的に配列したものである。
【0085】結像素子アレイ10は、隣接するレンズ部
間に、配列方向に幅:Wを持つ光減衰部材11を有して
いる。この例では、結像素子アレイ10における結像素
子単位の配列ピッチ:Pは、配列方向におけるレンズ面
のレンズ開口径:Apxと幅:Wの和、即ち「P=Ap
x+W」である。
【0086】結像素子アレイ10の材質の屈折率:N、
光学濃度:k、光減衰部材11の屈折率:N’、光学濃
度:k’は次ぎの条件を満たす(請求項2)。
【0087】N’≧N (2) (k’-k)>0.43/W (3) 図10(b)は、幅:Wを有する光減衰部材11を、結
像素子アレイの材質で挟んだ状態を示している。この状
況は、結像素子アレイ10において、光減衰部材11が
隣接するレンズ部間に設けられた状態を模式的に表して
いる。
【0088】光減衰部材11の果たすべき役割は、隣接
するレンズ部間を通過する光(矢印で示す)の光強度を
減衰させることである。光減衰部材11による光強度の
減衰は、光減衰部材11を透過する間に生じるものであ
るから、光減衰部材11は、隣接レンズ部間を通過しよ
うとする光を「入射側への反射をなるべく小さく抑えて
屈折により光減衰部材11内部へ引き込み、且つ、光減
衰部材11内で減衰」させなければならない。
【0089】即ち、光減衰部材11は、 結像素子材質から光減衰部材へ屈折(透過)させ 光減衰部材内部を進む光路長で光を減衰させる ものでなければならない。
【0090】条件、即ち、屈折率:Nの材質から屈折
率:N’の材質へ必ず屈折するための条件は、 N’≧N である。
【0091】条件について説明する。 光学濃度:k[mm-1]の材質中を、光が光路長:T[m
m]だけ進む場合を考えると、上記材質への入射エネル
ギ:Ein、射出エネルギ:Eoutは以下の関係を満た
す。
【0092】Eout/Ein=10−kT 従って、結像素子アレイ10の材質(光学濃度:k)中
を光路長:Tだけ進んだ後のエネルギ:E、光減衰部材
11(光学濃度:k’)中を光路長:T’だけ進んだ後
のエネルギ:E’は、入射エネルギ:E0に対して以下
の関係を満足することになる。
【0093】E/E0=10−kT E’/E0=10−k’T’ 光減衰部材11を設けることによる、光の減衰率:α
は、 α=E’/E と定義されるから、上の関係を用いると、以下のように
書くことができる。
【0094】α=10−k’T’/10−kT が成り立つ。
【0095】図10(b)に示すように、結像素子アレ
イの材質から光減衰部材11への入射角をθとすると、
屈折角:θ’は sinθ’=Nsinθ/N’ である。従って、幅:Wの光減衰部材11中の光路長:
T’は次式で表せる。
【0096】T’=W/cosθ’ 一方、光減衰部材11がなければ、幅:Wを通過すると
きの光路長:Tは、 T=W/cosθ となるが、屈折率:NとN’の差が大きくないときに
は、θ’≒θと近似でき、T’≒Tとなる。従って、減
衰率;αとして以下の式を得ることができる。
【0097】α=10−T’(k’−k) 上述したように、減衰率:α<0.25であることが必
要であるので、 0.25>10−T’(k’−k) が成り立てば良く、この式の両辺の常用対数を取ると、 log0.25>−T’(k’−k) となるから、結局、 (k’−k)>−(log0.25)/T’ が成り立つ必要がある。
【0098】また、隣接レンズ部間を通過してゴースト
光となる光線は、上記入射角:θが「かなり大き」く、
屈折角:θ’>45°となるから、 T’>√2・W が成り立つ。従って、条件(2)とともに条件: (k’−k)>−{(log0.25)/√2}/W≒0.43/W (3) を満たすことにより、隣接レンズ部間を通過する光がゴ
ースト光として作用するのを効果的に低減できる。
【0099】スネルの法則に基づく光線追跡では、N’
≧Nであれば、その境界面で屈折が生じる。しかし、光
をエネルギして見ると、異なる屈折率を持つ境界面で
は、その屈折率に応じて透過率と反射率が定まる(フレ
ネルの式)。従って「レンズ部から光減衰部材11へ入
射する光」も、一部は光減衰部材との境界面で反射する
ので、この反射成分をできるだけ抑えることが望まし
い。
【0100】フレネルの式では、光の偏光成分(P偏
光、S偏光)によって透過率及び反射率が決まるが、周
知の如く、光がランダム偏光である場合には、その透過
率:TR、反射率:RFは、P偏光による透過率:T
p、反射率:Rp、S偏光による透過率:Ts、反射
率:Rsの平均値である。即ち、 TR=(Tp+Ts)/2 RF=(Rp+Rs)/2 光源としてLEDアレイを用いる場合、LEDから放射
される光は略ランダム偏光とみなすことができる。発光
部からの光をランダム偏光とし、結像素子アレイ10の
材質の屈折率:N=1.49としたときの「光減衰部材
11の材質の屈折率:N’に応じた反射率:RFの入射
角依存性」を図11に示す。図11から分かるように
「ある入射角に対して、できるだけ反射成分を抑える」
ためには、N’とNの差分を小さくすることが望まし
い。
【0101】前述の如く、隣接レンズ部間を通過する光
線において、入射角:θはかなり大きいが、θ=70〜
80度程度でも、N’≦1.05Nであれば反射率:R
Fを10%以下に抑えられる。
【0102】即ち、ΔN=(N’−N)/Nとすると
き、ΔNの範囲は、 0≦ΔN≦0.05 (4) であることが望ましく、この条件を満足することにより
光減衰部材11による反射成分を有効に抑えることがで
きる(請求項3)。
【0103】光減衰部材11を設ける加工方法の1つと
して、隣接するレンズ部間に空隙部を設けることができ
る(請求項4)。
【0104】図12、図13は、結像素子アレイにおけ
るレンズ部の配列部分10Lのみを、図2に倣って示し
ている。図12は、第1レンズ面と第2レンズ面の有効
径近傍まで空隙部SPが形成されている例である。図1
3は「レンズ部いっぱい」に空隙部SPを形成した例で
ある。
【0105】このように形成された空隙部SPの個々に
「光減衰部材」を充填すればよい。その際、レンズ部と
空隙部の境界面に光減衰部材を密着させて、結像素子ア
レイの材質(屈折率:N)と光減衰部材用の材質(屈折
率:N’)との境界面を形成する。
【0106】なお、ルーフプリズム部には空隙部を設け
ない。先に説明したように、ゴースト光は隣接レンズ部
間を通過する光により発生するから、ルーフプリズム部
間に設ける必要がないからである。空隙部SPは、結像
素子アレイを一体的に成形した後に、ダイシング等の機
械加工によって追加工が可能である。この場合、追加工
後に光減衰部材を充填できる。
【0107】光減衰部材には「光散乱機能」を持たせる
ことができる(請求項5)。図14(b)に示すのは、
光減衰部材11Aを、屈折率:N’をもった減衰部材1
1A1と11A2と、これらに挟まれる光散乱部材11
A3とで構成することにより、光散乱機能を持たせた例
である(請求項6〜8)。
【0108】図14(b)の例では、減衰部材11A
1、11A2と光散乱部材11A3とを分離している
が、光散乱物質を混入分散させた材料で「光散乱機能を
持つ光減衰部材」を構成することもできる。「光散乱部
材」は光を散乱させる機能を持ち、射出光の方向に分布
(例えば、均一分布やランバート分布)を持たせること
ができる。従って、屈折や反射により射出光がある一方
向に向かうのではなく、広がりを持つためその集光を妨
げることができる。
【0109】光減衰部材に光散乱機能を持たせることに
より、ゴースト光として集光する効果を弱めることがで
きるため、ゴースト光の影響を小さくできる。散乱され
た光は減衰部材に戻り、さらに減衰する。
【0110】図14(a)に示すのは、空隙部に設けら
れる光減衰部材11Bを、減衰部材11B1と11B2
と、これらの間に形成される空気領域11B3とで構成
した例である(請求項9)。
【0111】空気領域11B3は、例えば以下のように
形成する。細管を空隙SP中に挿入し、細管を通して減
衰部材を充填する。細管を空隙中に挿入するのは、空隙
部の奥のほうにも十分に減衰部材を充填するためであ
る。そして、細管の周囲も含めて、空隙部に減衰部材を
十分に充填する。その後、光減衰部材が固化し始めた頃
合いを見て細管を引き抜く。すると、その後に空気領域
ができる。
【0112】別の方法として、減衰材料を塗布した細板
を空隙中に挿入し、空隙部の内壁に接することにより、
内壁部に減衰部材11B1、11B2を塗布形成し、細
板の可動範囲として空気領域11B3を形成する方法が
考えられる。
【0113】このように空気領域11B3ができても、
減衰部材11B1、11B2用の材質(例えば屈折率:
1.5)と空気(屈折率:1)との屈折率差は大きいた
め臨界角は42度程度となり、減衰部材11B1、11
B2から空気領域11B3へ入射する光の殆どは全反射
して再度減衰部材中に戻って減衰する。従って、空気領
域11B3の厚みが減衰部材11B中の光路長に比べて
小さければ、光減衰部材の減衰効果を損なうことなく散
乱の効果を生せる。
【0114】光減衰手段に「光散乱部材」設けることが
できるが(請求項6)、光散乱部材を設ける1形態とし
て、図15(a)に示すように「結像素子アレイにおけ
る隣接するレンズ部間に形成された空隙部に光散乱部材
12を設け、光減衰手段として」もよい。
【0115】図15(b)は、隣接レンズ部の材質で挟
まれた光散乱部材12の状態を図10(b)に倣って描
いたものである。光散乱部材12中で光は散乱し、その
光路は複数に分かれるので、光散乱部材12中に入射し
た光のエネルギは、散乱した各々の光に分割される。
【0116】散乱した光の進む方向は光散乱部材12の
散乱特性に依存するが、隣接するレンズ部間を通過する
方向への散乱光を減らすことができる。
【0117】光散乱部材を設ける加工方法の1つとし
て、先に、図12、図13に即して説明したように隣接
レンズ部間に空隙部SPを設けることができる。このよ
うに形成された空隙部SPに光散乱部材を充填すればよ
い(請求項7)。その際、レンズ部と空隙部の境界面に
光散乱部材を密着させ、結像素子材質と光散乱部材用材
質との境界面を形成する。
【0118】空隙部は結像素子アレイを一体的に成形し
た後に、ダイシング等の機械加工によって追加工が可能
である。この場合、追加工後に光散乱部材を充填でき
る。
【0119】光減衰手段の構成として、隣接レンズ部間
に形成した空隙部に「光散乱部材中に光減衰部材を設け
た構成」とすることができる(請求項8)。
【0120】図16(b)は、図10(b)に倣って描
かれたものであるが、結像素子アレイにおける隣接レン
ズ部間に設けられた空隙部に、光を散乱する散乱部材1
2A1と12A2とで「光減衰部材としての光吸収部材
12A3」を挟持した光散乱部材12Aを設けた例であ
る。この例では「散乱部材12A1、12A2と光減衰
部材(光吸収部材)12A3とが分離」しているが、光
散乱部材中に光減衰物質を混入してもよい。
【0121】光減衰部材12A3は光エネルギを減衰す
るので、散乱部材12A1、12A2で散乱された各々
の光はエネルギ的に分割されて減衰し、さらに光吸収部
材12A3により、その光路長に応じ、効果的にエネル
ギを減衰できる。
【0122】図16(a)も、図10(b)に倣って描
かれたものであるが、結像素子アレイにおける隣接レン
ズ部間に設けられた空隙部に、光を散乱する散乱部材1
2Bと12B2と、これらの間に挟まれた空気領域12
B3とにより構成される光散乱部材12Bを設けた例で
ある(請求項9)。
【0123】空気領域12B3を設ける方法は、先に、
図14(b)に即して空気領域11B3の形成について
説明した方法と全く同様でよい。
【0124】空気領域12B3を設けても、散乱部材1
2B1、12B2の材質と空気との屈折率差が大きいの
で、散乱部材から空気領域へ入射する光の多くは全反射
して再度光散乱部材に戻って散乱を繰り返し、減衰され
る。
【0125】図17に、請求項10記載の結像素子アレ
イの実施の1形態を示す。先に説明した結像素子アレイ
10においては、ルーフプリズム部10C―1、10C
―2、・・の隣接部分は「谷状」に形成され、谷底部は
「稜線」をなしている。これに対し、図17に示す結像
素子アレイ100においては、(a)に示す如く「隣接
するルーフプリズム部の谷部」を底上げして平坦な面1
5としている。
【0126】平坦な面15は、図17(b)に示すよう
に「配列方向(図面に直交する方向、前述の柱芯方
向)」から見ると、2つの平面部15A、15Bからな
り、これら平面部15A,15Bは、ルーフプリズム1
0C−1の稜線方向において、互いにテーパをなしてい
る。
【0127】図18は、ルーフプリズム部の谷部に「底
上げによる平坦な面(図17の平面部15)」を設けた
ときの光路の図を、図6に倣って描いている。物点から
出て、結像素子(C)のレンズ面(第1レンズ面)に入
射した光は、図の如くルーフプリズムの一方のプリズム
面で反射されるが、このルーフプリズム部と隣接ルーフ
プリズム部との谷部が底上げされているため、他方のプ
リズム面で反射することなく、結像素子アレイ中を進む
(図中の破線)のでゴースト光として像面に集光するこ
とがない。
【0128】このように隣接するルーフプリズム部の谷
部を底上げすることにより、ゴースト光をさらに低減す
ることが可能である。
【0129】また、底上げにより形成される平坦な面
は、図17(b)に示す平面部15A、15Bのように
テーパを付けることにより、これら平面部15A、15
Bで反射する光を像面に到達しにくくすることができ
る。
【0130】図19に光書込ユニットの実施の1形態を
示す。図はユニットの構造を示し、ユニットを「配列方
向から見た状態」である。結像素子アレイ10(図17
に示した結像素子アレイ100を用いることもできる)
は、保持部材20に保持され、保持具21によってフレ
ーム22に押圧固定されている。
【0131】発光部アレイとして用いられる「周知の発
光素子アレイ」であるLEDアレイ24は、結像素子ア
レイ10に対して位置決めされてフレーム22に固定さ
れ、LEDアレイ24の各発光素子(LED素子)から
放出された光は、像面(実体的には感光媒体の感光面)
に光スポットを形成する。従って、光書込みを行うこと
ができる。
【0132】即ち、図19に示す光書込ユニットは、複
数の微小な発光部をアレイ配列してなる発光部アレイ2
4と、結像素子アレイ10とを有する光書込ユニットに
おいて、結像素子アレイとして、請求項1〜10の任意
の1に記載のものを用い得るもの(請求項11)であ
る。
【0133】なお、LEDアレイでは一般的に、1チッ
プ上に数10〜数100個のLEDが配列され、基板上
には数10のLEDアレイチップが配列される。例え
ば、600dpiでA4サイズを印字するためには、1
チップ上に128個のLEDが配列され、基板上には4
0チップのLEDアレイチップが配列され、全部で12
8×40=5120個のLEDが配列されることにな
る。
【0134】図20は「画像形成装置」の実施の1形態
を示している。感光媒体である光導電性の感光体30を
時計回りに回転させ、帯電ユニット32により均一に帯
電し、光書込ユニット33からの光スポットを感光面に
照射することにより潜像を形成し、形成された潜像を現
像ユニット34により現像してトナー画像として可視化
する。得られたトナー画像を(矢印方向へ搬送される)
記録紙S上に転写ユニット35で転写し、定着ユニット
37で定着する。
【0135】トナー画像転写後の感光体30は、クリー
ナユニット36によりクリーニングされ、除電ユニット
31により除電される。光書込ユニット33として、図
19に示したような光書込ユニット(請求項11)を用
いることができる。
【0136】図21は、画像形成装置の実施の別形態を
示している。この形態の画像形成装置は「タンデム型」
と呼ばれるもので、高速なカラー画像形成に有利であ
る。装置の下部には給紙カセット41が設けられ、これ
から給紙される記録紙Sを搬送する搬送ベルト42が設
けられている。搬送ベルト42上に、イエロー用の感光
体3Y、マゼンタ用の感光体3M、シアン用の感光体3
C、及びブラック用の感光体3Kが、上流側(図の右
方)から順に等間隔に配設されている。これら感光体3
Y、3M、3C、3Kの周囲には、電子写真プロセスに
従うプロセス手段が順に配設されている。
【0137】即ち、感光体3Y(3M、3C、3K)の
回りに、帯電ユニット4Y(4M、4C、4K)、光書
込ユニット5Y(5M、5C、5K)、現像ユニット6
Y(6M、6C、6K)、転写ユニット7Y(7M、7
C、7K)等が時計回りに順次に配設されている。
【0138】搬送ベルト42の周囲には、感光体3Kよ
りも下流側に除電ユニット49、クリーナユニット50
等を設けられている。除電ユニット49の搬送方向下流
側には定着ユニット51が設けられ、さらにその下流側
に排紙ローラ52が設けられている。
【0139】例えば「複数色モード」が選択された場
合、感光体3Y、3M、3C、3Kに対して、対応する
色の画像信号に応じて、各々の光書込ユニット5Y、5
M、5C、5Kによる光書込みが行われ、各感光体上に
静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々「対応
する色のトナー」で可視化されてトナー画像となる。
【0140】記録紙Sは、給紙されて搬送ベルト42上
に静電的に吸着されて搬送され、各転写ユニットの位置
で互いに異なる色のトナー画像を順次転写される。各色
のトナー画像は転写紙S上で重ね合わせられ、カラー画
像を構成する。転写紙Sは、転写されたトナー画像を転
写ユニット51により定着され、排紙ローラ52により
装置外へ排出される。
【0141】「単色モード」が選択された場合、選択さ
れた色:I(Y、M、C、Kの何れか1つ、もしくは1
以上で合成される)に関連する感光体とプロセス手段の
みが動作状態とされ、他は非動作状態とされる。
【0142】そして、動作状態の感光体とプロセス手段
とにより、上述の電子写真プロセスが実行され、選択さ
れた色:Iのトナー画像が記録紙S上に画像形成され
る。図21の画像形成装置の光書込ユニット5Y、5
M、5C、5Kとして、図19に示した如き、この発明
による光書込みユニット(請求項11)を用いることが
できる。
【0143】即ち、図20、図21に実施の形態を示し
た画像形成装置は、感光媒体30、3Y等に光書込ユニ
ット33、5Y等により画像書込みを行って画像形成す
る画像形成装置において、光書込ユニットとして請求項
11記載のものを用いたものである(請求項12)。
【0144】図22に示す結像素子アレイ10Dは、請
求項13記載の結像素子アレイの実施の1形態である。
繁雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものにつ
いては、図10におけると同一の符号を付した。結像素
子アレイ10Dは、結像光束を入射させる第1レンズ面
10A−nと、結像光束を射出させる第2レンズ面10
B−nとからなるレンズ部と、第1レンズ面10A−n
から入射した結像光束を第2レンズ面10B−nに向け
て反射させるルーフプリズム部10C−nとを有する結
像素子単位を、n=1、2、3、・・として複数単位、
第1および第2レンズ面とルーフプリズム部がそれぞれ
同方向(図面に直交する方向)に1列に配列するように
一体的に配列し、第1レンズ面10A−nおよび第2レ
ンズ面10B−nの配列している面と、ルーフプリズム
部10C−nが配列している面とが形成するコーナー部
に、機械的強度を確保するためのリブ10L−1、10
L−2を、結像素子単位の配列方向に形成してなり、隣
接するレンズ部間を通過する光の強度を減衰させる光減
衰手段を各レンズ部間に有し、光減衰手段による光の減
衰率:αは、条件: α<0.25 (1) を満足する。
【0145】図23の結像素子アレイ10Eも、請求項
13記載の結像素子アレイの実施の1形態である。この
図においても、繁雑を避けるため、混同の虞がないと思
われるものについては、図10におけると同一の符号を
付した。結像素子アレイ10Eは、結像光束を入射させ
る第1レンズ面10A−nと、結像光束を射出させる第
2レンズ面10B−nとからなるレンズ部と、第1レン
ズ面10A−nから入射した結像光束を第2レンズ面1
0B−nに向けて反射させるルーフプリズム部10C−
nとを有する結像素子単位を、n=1、2、3、・・と
して複数単位、第1および第2レンズ面とルーフプリズ
ム部がそれぞれ同方向(図面に直交する方向)に1列に
配列するように一体的に配列し、第1レンズ面10A−
nおよび第2レンズ面10B−nの配列している面と、
ルーフプリズム部10C−nが配列している面とが形成
するコーナー部に、機械的強度を確保するためのリブ1
0L−3、10L−4を、結像素子単位の配列方向に形
成してなり、隣接するレンズ部間を通過する光の強度を
減衰させる光減衰手段を各レンズ部間に有し、光減衰手
段による光の減衰率:αは、条件: α<0.25 (1) を満足する。
【0146】これら、結像素子アレイ10D、10Eに
おける上記リブ10L−1、10L−2、10L−3、
10L−4は、図22、図23の図面に直交する方向
へ、結像素子アレイの結像素子単位の配列方向にわたっ
て一体に形成され、結像素子アレイ10D、10Eの機
械的強度(物理的強度)を確保する。
【0147】リブ10L−1、10L−2のうちの一
方、リブ10L―3、10L―4のうちの一方は、省略
しても良い。
【0148】結像素子アレイ10D、10Eにおける
「光減衰手段」は、請求項1〜10の任意の1に記載の
結像素子アレイのものと同様でよく、具体的には、図1
0、図14、図15、図16に示す例に即して説明した
ものを適宜利用できる。
【0149】「不要な光」には上記ゴースト光の他にフ
レア光があることを先に説明した。このようなフレア光
の影響を軽減あるいは防止するには、図3に示したよう
な「レンズ面以外の部分からの光の出入りを防止するア
パーチャ」が有効である。アパーチャとして、図3
(b)には「結像素子アレイ表面に直接、黒色インク等
を印刷あるいは塗布」して設けるもの(アパーチャAP
2)を示したが、このアパーチャAP2に代えて、第1
レンズ面および/または第2レンズ面の配列している面
の、レンズ面以外の部分に、光減衰処理(インク等の光
吸収物質の塗布あるいは印刷、貼付等)および/または
光散乱処理(面粗し処理、拡散微粒子を含む材質の塗布
・印刷・貼付等)を施しても良い。なお、アパーチャA
P2は、光減衰処理の1種である。
【0150】このような、光減衰処理および/または光
拡散処理を施した結像素子アレイは、結像光束を入射さ
せる第1レンズ面と、結像光束を射出させる第2レンズ
面とからなるレンズ部と、第1レンズ面から入射した結
像光束を上記第2レンズ面に向けて反射させるルーフプ
リズム部とを有する結像素子単位を複数単位、第1およ
び第2レンズ面とルーフプリズム部がそれぞれ同方向に
1列に配列するように一体的に配列し、第1レンズ面お
よび/または第2レンズ面の配列している面の、レンズ
面以外の部分に、光減衰処理および/または光散乱処理
を施してなり、隣接するレンズ部間を通過する光の強度
を減衰させる光減衰手段を各レンズ部間に有し、上記光
減衰手段による光の減衰率:αを、 α<0.25 (1) としたもの(請求項14)である。
【0151】図24は、請求項15記載の結像素子アレ
イの、実施の1形態を示している。結像素子アレイ10
D1は、図22に示した結像素子アレイ10Dにおい
て、第1レンズ面10A−nの配列している面と、この
面に続くリブ10L−1の片側面に、光減衰処理(イン
ク等の光吸収物質の塗布あるいは印刷、貼付等)および
/または光散乱処理(面粗し処理、拡散微粒子を含む材
質の塗布・印刷・貼付等)を施し(符号10Pで示す部
分が処理された部分を示す)て、第1レンズ面側から結
像素子アレイ10D1に入射してフレア光となる光を、
有効に減衰させることにより、フレア光の影響を有効に
軽減もしくは防止している。
【0152】図25には、請求項15記載の結像素子ア
レイの、実施の別形態を2例示している。図25(a)
の結像素子アレイ10E1は、図23に示した結像素子
アレイ10Eにおいて、第1レンズ面10A−nの配列
している面と、この面に続くリブ10L−3の片側面
に、光減衰処理(インク等の光吸収物質の塗布あるいは
印刷、貼付等)および/または光散乱処理(面粗し処
理、拡散微粒子を含む材質の塗布・印刷・貼付等)を施
し(符号10P1で示す部分が処理された部分を示す)
て、第1レンズ面側から結像素子アレイ10E1に入射
してフレア光となる光を、有効に減衰させることによ
り、フレア光の影響を有効に軽減もしくは防止してい
る。
【0153】図25(b)の結像素子アレイ10E2
は、図23に示した結像素子アレイ10Eにおいて、第
1レンズ面10A−nの配列している面と、第2レンズ
面10B−nの配列している面、ルーフプリズム部10
C−nの配列している面の、これらレンズ面、ルーフプ
リズム部を除く部分に、光減衰処理(インク等の光吸収
物質の塗布あるいは印刷、貼付等)および/または光散
乱処理(面粗し処理、拡散微粒子を含む材質の塗布・印
刷・貼付等)を施し(符号10P1、10P2、10P
3、10P4で示す部分が処理された部分を示す)て、
第1レンズ面側から結像素子アレイ10E1に入射して
フレア光となる光、第2レンズ面から射出してフレア光
となる光を共に有効に減衰させることにより、フレア光
の影響を有効に軽減もしくは防止している。
【0154】なお、図24、25(a)の実施の形態に
おいても、第2レンズ面の配列された面(およびこれに
続くリブの面)に光減衰処理および/または光散乱処理
を施すことができるし、あるいは、これらの実施の形態
において、第1、第2レンズ面、ルーフプリズム部を除
く全ての部分に、図25(b)の如く、光減衰処理およ
び/または光散乱処理を施すことができることは言うま
でもない。
【0155】図22〜25に示す、各結像素子アレイ1
0D、10E、10D1、10E1、10E2を用い
て、図19に示した如き光書込ユニットを構成できるこ
とは言うまでもなく、またこのような光書込ユニットを
用いて、図20あるいは図21に示すごとき画像形成装
置を構成できることも明らかである。
【0156】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な結像素子アレイおよび光書込ユニットおよび画
像形成装置を実現できる。この発明の結像素子アレイ
は、画像形成上問題となるゴースト光を、実質的に問題
とならないレベルまで低減させることができる。従っ
て、この結像素子アレイを用いる光書込ユニットではゴ
ースト光の影響を実質的に除去して光書込みを行うこと
ができ、この光書込ユニットを用いる画像形成装置で
は、ゴースト像による像質劣化のない良質な画像を形成
できる。
【0157】また、請求項13、15記載の結像素子ア
レイは機械強度に優れ、請求項14、15記載の結像素
子アレイはフレア光の影響の軽減効果に優れている。
【0158】なお、図22〜図25に示した場合のよう
に、リブを設けることや、光減衰処理および/または光
散乱処理を施すことは「各結像素子単位のレンズ部間に
光減衰手段を設けない場合」にも、機械強度を確保し、
フレア光の影響を軽減・除去する上で有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から知られた結像素子アレイを説明するた
めの図である。
【図2】図1の結像素子アレイの、レンズ部の配列部
と、ルーフプリズム部の配列部とを仮想的に分離して描
いた図である。
【図3】結像素子アレイに遮光用のアパーチャを設ける
ことを説明する図である。
【図4】結像素子アレイによる結像を説明するための図
である。
【図5】結像素子アレイの結像における不要な光を説明
するための図である。
【図6】結像素子アレイの結像における不要な光を説明
するための図である。
【図7】結像素子アレイに設けた切欠き溝に起因して発
生する不要な光を説明するための図である。
【図8】ゴースト光とその画像への影響を説明するため
の図である。
【図9】結像素子アレイのパラメータを説明するための
図である。
【図10】この発明の結像素子アレイの実施の1形態を
説明するための図である。
【図11】請求項3記載の発明を説明するための図であ
る。
【図12】請求項4記載の発明を説明するための図であ
る。
【図13】請求項4記載の発明を説明するための図であ
る。
【図14】光減衰部材を説明するための図である。
【図15】光散乱部材を説明するための図である。
【図16】光散乱部材を説明するための図である。
【図17】請求項10記載の発明を説明するための図で
ある。
【図18】請求項10記載の発明を説明するための図で
ある。
【図19】光書込ユニットの実施の1形態を説明するた
めの図である。
【図20】画像形成装置の実施の1形態を説明するため
の図である。
【図21】画像形成装置の実施の別形態を説明するため
の図である。
【図22】請求項13記載の結像素子アレイの実施の1
形態を説明するための図である。
【図23】請求項13記載の結像素子アレイの実施の別
形態を説明するための図である。
【図24】請求項15記載の結像素子アレイの実施の1
形態を説明するための図である。
【図25】請求項15記載の結像素子アレイの実施の別
形態を説明するための図である。
【符号の説明】
10 結像素子アレイ 10A―1、10A―2、・・ 第1レンズ面 10B−1、10B−2、・・ 第2レンズ面 10C−1、10C−2、・・ ルーフプリズム部 11 光減衰部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 17/08 G02B 17/08 A H04N 1/036 H04N 1/036 A // B41J 2/44 B41J 3/21 L 2/45 2/455 Fターム(参考) 2C162 FA04 FA16 FA17 FA44 FA50 2H042 AA05 AA11 AA13 AA29 CA02 CA14 CA17 2H087 KA08 KA18 LA01 RA41 TA01 TA04 5C051 AA02 CA03 DB28 DC05 DC07

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結像光束を入射させる第1レンズ面と、結
    像光束を射出させる第2レンズ面とからなるレンズ部
    と、上記第1レンズ面から入射した結像光束を上記第2
    レンズ面に向けて反射させるルーフプリズム部とを有す
    る結像素子単位を複数単位、上記第1および第2レンズ
    面とルーフプリズム部がそれぞれ同方向に1列に配列す
    るように一体的に配列してなり、 隣接するレンズ部間を通過する光の強度を減衰させる光
    減衰手段を各レンズ部間に有し、上記光減衰手段による
    光の減衰率:αを、 α<0.25 (1) としたことを特徴とする結像素子アレイ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の結像素子アレイにおいて、 光減衰手段が、結像素子単位の配列方向に幅:Wを持つ
    光減衰部材であり、 結像素子アレイの材質の屈折率をN、内部吸収率をkと
    し、 上記光減衰部材の材質の屈折率をN’、内部吸収率を
    k’とするとき、これらW、N、N’、k、k’が条
    件: N’≧N (2) (k'-k)>0.43/W (3) を満足することを特徴とする結像素子アレイ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の結像素子アレイにおいて、 結像素子アレイと光減衰部材との屈折率差:(N’−
    N)の、屈折率:Nに対する比:ΔN=(N’−N)/
    Nが、条件: 0≦ΔN≦0.05 (4) を満足することを特徴とする結像素子アレイ。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の結像素子
    アレイにおいて、 光減衰手段として、隣接レンズ部間に空隙部を設け、こ
    の空隙部に光減衰部材を充填したことを特徴とする結像
    素子アレイ。
  5. 【請求項5】請求項4記載の結像素子アレイにおいて、 光減衰部材に光散乱機能を持たせたことを特徴とする結
    像素子アレイ。
  6. 【請求項6】請求項1記載の結像素子アレイにおいて、 光減衰手段に光散乱部材を設けることを特徴とする結像
    素子アレイ。
  7. 【請求項7】請求項6記載の結像素子アレイにおいて、 隣接レンズ部間に空隙部を設け、その空隙部に光散乱部
    材を充填したことを特徴とする結像素子アレイ。
  8. 【請求項8】請求項7記載の結像素子アレイにおいて、 光散乱部材中に光減衰部材を設けたことを特徴とする結
    像素子アレイ。
  9. 【請求項9】請求項4または7記載の結像素子アレイに
    おいて、 空隙部に空気領域を設けたことを特徴とする結像素子ア
    レイ。
  10. 【請求項10】請求項1記載の結像素子アレイにおい
    て、 隣接するルーフプリズム部の谷部を底上げして平坦な面
    としたことを特徴とする結像素子アレイ。
  11. 【請求項11】複数の微小な発光部をアレイ配列してな
    る発光部アレイと、結像素子アレイとを有する光書込ユ
    ニットにおいて、 結像素子アレイとして、請求項1〜10の任意の1に記
    載のものを用いたことを特徴とする光書込ユニット。
  12. 【請求項12】感光媒体に光書込ユニットにより画像書
    込みを行って画像形成する画像形成装置において、 光書込ユニットとして請求項11記載のものを用いたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】結像光束を入射させる第1レンズ面と、
    結像光束を射出させる第2レンズ面とからなるレンズ部
    と、上記第1レンズ面から入射した結像光束を上記第2
    レンズ面に向けて反射させるルーフプリズム部とを有す
    る結像素子単位を複数単位、上記第1および第2レンズ
    面とルーフプリズム部がそれぞれ同方向に1列に配列す
    るように一体的に配列し、 上記第1レンズ面および/または第2レンズ面の配列し
    ている面と、ルーフプリズム部が配列している面とが形
    成するコーナー部に、機械的強度を確保するためのリブ
    を、上記結像素子単位の配列方向に形成してなり、 隣接するレンズ部間を通過する光の強度を減衰させる光
    減衰手段を各レンズ部間に有し、上記光減衰手段による
    光の減衰率:αを、 α<0.25 (1) としたことを特徴とする結像素子アレイ。
  14. 【請求項14】結像光束を入射させる第1レンズ面と、
    結像光束を射出させる第2レンズ面とからなるレンズ部
    と、上記第1レンズ面から入射した結像光束を上記第2
    レンズ面に向けて反射させるルーフプリズム部とを有す
    る結像素子単位を複数単位、上記第1および第2レンズ
    面とルーフプリズム部がそれぞれ同方向に1列に配列す
    るように一体的に配列し、 第1レンズ面および/または第2レンズ面の配列してい
    る面の、レンズ面以外の部分に、光減衰処理および/ま
    たは光散乱処理を施してなり、隣接するレンズ部間を通
    過する光の強度を減衰させる光減衰手段を各レンズ部間
    に有し、上記光減衰手段による光の減衰率:αを、 α<0.25 (1) としたことを特徴とする結像素子アレイ。
  15. 【請求項15】請求項14記載の結像素子アレイにおい
    て、 第1レンズ面および/または第2レンズ面の配列してい
    る面と、ルーフプリズム部が配列している面とが形成す
    るコーナー部に、機械的強度を確保するためのリブを、
    上記結像素子単位の配列方向に形成してなることを特徴
    とする結像素子アレイ。
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