JP2002350273A - タイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験装置 - Google Patents

タイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験装置

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JP2002350273A JP2001153329A JP2001153329A JP2002350273A JP 2002350273 A JP2002350273 A JP 2002350273A JP 2001153329 A JP2001153329 A JP 2001153329A JP 2001153329 A JP2001153329 A JP 2001153329A JP 2002350273 A JP2002350273 A JP 2002350273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転するタイヤの動釣合を正確に測定可能
な、動釣合およびユニフォーミティ試験装置を提供する
ことである。 【解決手段】 スピンドルが剛体支持されたスピンドル
ハウジング内で回転自在に支持され、前記スピンドルハ
ウジング表面に当接して設置された圧電素子によって、
前記加振力が計測され、動釣合試験時は、前記タイヤ及
びスピンドルは、前記スピンドルの回転軸に垂直な所定
方向に前記タイヤを第1の押圧荷重で押圧しながら回転
する回転ドラムによって、第1の回転数で駆動され、ユ
ニフォーミティ試験時は、前記タイヤ及びスピンドル
は、前記スピンドルの回転軸に垂直な所定方向に前記タ
イヤを第2の押圧荷重で押圧しながら回転する回転ドラ
ムによって、第2の回転数で駆動され、前記第1の押圧
荷重は前記第2の押圧荷重よりも小さくなるよう構成す
ることにより、上記問題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの動釣合及
びユニフォーミティ試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転しているタイヤが発生す
る力のばらつきを測定するユニフォーミティ試験と、タ
イヤの偏心状態を測定する動釣合試験が知られている。
ユニフォーミティ試験は、タイヤの外周面に回転ドラム
を押し当てた状態でタイヤを回転させ、タイヤの径方向
とスラスト方向の負荷変動を測定するよう構成されてい
る。また、動釣合試験は、タイヤを回転させた時の振動
状態の変化などからタイヤの偏心を検出するものであ
る。
【0003】このユニフォーミティ試験や動釣合試験を
行う試験装置としては、たとえば特開平11−1832
98号記載のタイヤのユニフォーミティ及び動釣合複合
試験装置がある。上記公報記載の試験装置は、スピンド
ルハウジング内で玉軸受を介して回転可能に支持されて
いるスピンドルにタイヤを取り付けて所定の回転数で回
転させる。
【0004】このような試験装置においては、タイヤが
取り付けられたスピンドルをベルト−プーリ機構によっ
て駆動して動釣合試験を実施する。また、スピンドルを
一定の回転数で回転させるために、このベルト−プーリ
機構には、例えば布ベルトのような伸縮しにくいベルト
を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなベルトは、ベルトとプーリとの摩擦によって生じる
振動がほとんど減衰することなくスピンドルに伝達さ
れ、前記荷重センサによる計測結果にノイズ成分が付与
されるため、動釣合試験によって得られるタイヤの偏心
状態の測定結果に誤差が含まれるという問題があった。
【発明の目的】上述した事情に鑑み、本発明は回転する
タイヤの動釣合を正確に測定可能な動釣合及びユニフォ
ーミティ試験装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試
験装置は、前記スピンドルが剛体支持されたスピンドル
ハウジング内で回転自在に支持されており、前記スピン
ドルハウジング表面に当接して設置された圧電素子によ
って、前記加振力が計測され、動釣合試験時は、前記タ
イヤ及びスピンドルは、前記スピンドルの回転軸に垂直
な所定方向に前記タイヤを第1の押圧荷重で押圧しなが
ら回転する回転ドラムによって、第1の回転数で駆動さ
れ、ユニフォーミティ試験時は、前記タイヤ及びスピン
ドルは、前記スピンドルの回転軸に垂直な所定方向に前
記タイヤを第2の押圧荷重で押圧しながら回転する回転
ドラムによって、第2の回転数で駆動され、前記圧電素
子は、任意の方向に作用する力を直交3成分力として計
測可能な3成分圧電素子であり、前記第1の押圧荷重は
前記第2の押圧荷重よりも小さく、前記第2の回転数は
60〜3300rpmである。
【0007】従って、タイヤ及びスピンドルを回転駆動
する際に伝達系に生ずる振動はタイヤのゴムによって吸
収されるため、荷重センサである圧電素子による測定結
果は伝達系に生ずる振動によるノイズがほとんど付与さ
れない。
【0008】また、このような構成とすることにより、
ユニフォーミティ試験時にタイヤに加わる負荷とと動釣
合試験時にタイヤに発生する加振力とをスピンドル側に
設置された圧電素子にて計測することが可能となり、試
験装置の構成を簡素なものとすることができる。
【0009】また、前記圧電素子は、任意の方向に作用
する力を直交3成分力として計測可能な3成分圧電素子
であるため、ユニフォーミティ試験時はRFV、LF
V、TFVを同時に測定可能である。
【0010】また、圧電素子が、前記加振力の前記所定
方向と前記スピンドルの回転軸とに垂直な成分を計測可
能となるため、回転ドラムがタイヤを押圧する方向と垂
直な方向に働く加振力を測定することによりタイヤを回
転させた時の振動状態が計測される。従って、回転ドラ
ムがタイヤを押圧することによって生じる誤差成分を除
去することが可能である。
【0011】なお、前記第1の押圧荷重は、前記回転ド
ラムと前記タイヤとの間に働く摩擦力が、前記回転ドラ
ムが前記タイヤに対して空回りしない程度に働いていれ
ばよい。すなわち前記第1の押圧荷重は20〜100k
gf(請求項2)であることが好ましく、さらに40〜
60kgfであることが望ましい(請求項3)。
【0012】また、前記回転ドラムが100〜2000
kgfで前記タイヤを押圧しながらタイヤを回転駆動
し、タイヤに加わる負荷変動を計測することによってユ
ニフォーミティ試験を実施する構成としてもよい(請求
項4)。
【0013】また、好ましくは前記第2の回転数は75
0〜1400rpmである(請求項5)。
【0014】前記第1の回転数と前記第2の回転数が等
しい構成とすることにより、動釣合試験を実施後すぐに
(スピンドルの回転数を変えることなく)ユニフォーミ
ティ試験を実施可能となるため、短い測定時間で動釣合
試験とユニフォーミティ試験とを実施することができ
る。
【0015】また、前記回転ドラムは、前記タイヤに対
して離間可能であり、前記タイヤの動釣合試験装置は、
前記スピンドルに当接/離間可能なスピンドル駆動装置
を有し、前記スピンドル駆動装置は、前記スピンドル駆
動装置が前記スピンドルに当接しているときに前記スピ
ンドルを回転/停止可能であり、前記スピンドル駆動装
置は、前記回転ドラムが前記タイヤに対して離間してい
るときは、前記スピンドルに当接する構成としてもよい
(請求項15)。
【0016】すなわち、スピンドルにタイヤを取り付け
る及び/またはスピンドルからタイヤを取り外す時に、
停止している伝動ベルトとスピンドルのプーリとの摩擦
力によってスピンドルが固定されるので、不具合無くス
ピンドルにタイヤを取り付ける及び/またはスピンドル
からタイヤを取り外すことができる。また、スピンドル
駆動装置は、スピンドルを回転させることができる。す
なわち、スピンドル自身の偏芯により、動釣合試験の計
測結果に含まれる誤差成分を除去するための較正試験
を、このスピンドル駆動装置によってスピンドルを回転
させることによりあらかじめ実施することが可能であ
る。
【0017】さらに、請求項1に記載の動釣合試験装置
を用いて、前記スピンドルに前記タイヤを取り付けるタ
イヤ取り付けステップと、前記回転ドラムによって前記
タイヤを第3の押圧荷重で押圧する第1のタイヤ押圧ス
テップと、前記回転ドラムを回転駆動する回転ドラム回
転ステップと、前記タイヤの回転数が前記第1の回転数
になるまで前記回転ドラムを加速する第1の回転ドラム
変速ステップと、前記タイヤの回転数が前記第1の回転
数に到達した後、前記回転ドラムによる前記タイヤへの
押圧荷重を前記第1の押圧荷重に変更する第2のタイヤ
押圧ステップと、前記タイヤに生じる加振力を測定する
第1の測定ステップと、前記回転ドラムによる前記タイ
ヤへの押圧荷重を第2の押圧荷重に変更する第3のタイ
ヤ押圧ステップと、前記タイヤの回転数を第2の回転数
に変更する第2の回転ドラム変速ステップと、前記タイ
ヤに加わる負荷変動を計測する第2の測定ステップと、
を有するタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験方法
を実施してもよい(請求項16)。
【0018】このような構成とすると、タイヤに生じる
加振力の測定を開始するまでの間、タイヤが回転ドラム
に押圧されながら回転することにより確実にタイヤの回
転軸がスピンドルの回転軸と一致する。従って、より正
確な動釣合試験が可能となる。
【0019】ここで、より確実にタイヤの回転軸がスピ
ンドルの回転軸と一致させるために、好ましくは前記第
3の押圧荷重が前記第1の押圧荷重の1〜10倍であり
(請求項17)。さらに、より確実にタイヤの回転軸が
スピンドルの回転軸と一致しかつ迅速に動釣合試験を開
始できるようにするため、好ましくは前記第3の押圧荷
重が前記第1の押圧荷重の2〜4倍である(請求項1
8)。
【0020】さらに、上記の動釣合及びユニフォーミテ
ィ試験方法が、前記第2の測定ステップの実行後、前記
タイヤの回転数を第3の回転数に変更する第3の回転ド
ラム変速ステップと、前記タイヤに加わる負荷変動をさ
らに計測する第3の測定ステップと、をさらに有する構
成とすることにより、動釣合試験と複数種類の回転数で
回転するタイヤのユニフォーミティ試験とを連続して実
施することができる(請求項19)。
【0021】なお、好ましくは前記第3の回転数は60
rpmであり、従って動釣合及びユニフォーミティ試験
方法によって高速ユニフォーミティ試験とJASO C
607規格によるユニフォーミティ試験が連続して実施
される(請求項20)。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態のユ
ニフォーミティ及び動釣合複合試験装置1(以下、複合
試験装置1とする)の基本構成を示す側面図である。な
お、以下の説明では、図1に示すように「上」と「下」
を定義するが、複合試験装置1の構成は上下逆であって
も良く、あるいは横置きであっても良い。
【0023】複合試験装置1の装置フレームは、ベース
50と、ベース50から鉛直上方に延びる支柱52と、
支柱52に支えられた天板54とから成っている。ベー
ス50には、ホイールつきのタイヤCを保持して回転さ
せるスピンドル120が取り付けられている。
【0024】複合試験装置1は、タイヤCのホイールを
チャックすることによってタイヤCを保持するよう構成
されている。まず、このタイヤCを支持するための構成
について説明する。
【0025】図2は、一般的なホイール付きタイヤCの
断面図(a)と正面図(b)である。ホイールWは、タ
イヤを取り付けるリム部Rと、車軸のハブなどに取り付
けられるディスク部Dにより構成されている。ディスク
部Dの中心にはハブ穴Hが形成されている。又、このハ
ブ穴の周囲には、複数個(ここでは4個)のボルト穴B
が形成されている。
【0026】図3は、ホイール付きタイヤCを保持する
場合のスピンドル120の側断面図である。スピンドル
120は、中空部120aとブラケット部120bから
なる。また、スピンドル120のブラケット部120b
の上端は水平方向に突出してフランジ部120eを成
す。スピンドル120はスピンドルハウジング110に
よって(複列円筒ころ軸受112a及び112b、及び
組合せアンギュラ玉軸受113を介して)回転可能に支
持されている。ここで、複列円筒ころ軸受112a及び
112bはラジアル方向よりスピンドル軸を支持し、ま
た組合せアンギュラ玉軸受113はラジアル方向とスラ
スト方向の双方よりスピンドル軸を支持する。
【0027】スピンドル120のフランジ部120eに
は引き込みシリンダユニット600が図示しないボルト
によって固定されている。引き込みシリンダユニット6
00の上端部には、ホイール付きタイヤCのホイールW
のディスク部Dに当接する当接面603が設けられてい
る。
【0028】また、当接面603の中央部にはトップア
ダプタ500の挿入シャフト503が摺動可能に装着さ
れるシャフト係合孔604が穿孔されている。さらに、
当接面603のシャフト係合孔604周縁部は所定高さ
上方に突出して円環形状の突出部605を成す。突出部
605の外径はホイール付きタイヤCのホイールWのハ
ブ穴Hと略同一であるので、ハブ穴Hに突出部605が
嵌入されるようホイール付きタイヤCを当接面603上
に設置することにより、ホイール付きタイヤCはスピン
ドル120と同軸になるよう位置ぎめされる。
【0029】引き込みシリンダユニット600の上方に
は、ホイールWを当接面603に押しつけるトップアダ
プタ500が設けられている。トップアダプタ500
は、ホイールのボルト穴Bの内部のブシュに係合する複
数の(ここでは4本)ピン501と、これら複数のピン
を突設した円板502からなっている。さらに、円板5
02の中心部からは、引き込みシリンダユニット600
の内部に軸方向に挿入される挿入シャフト503が下方
に延びている。図3では、トップアダプタ500の挿入
シャフト503は引き込みシリンダユニット600の内
部に挿入されている。
【0030】さらに、インサーターユニット200によ
ってトップアダプタ500を昇降させるため、円板50
2の上方には円柱形状の取付部材510が形成されてい
てる。取付部材510の先端には、インサーターユニッ
ト200のチャック爪210に外側から係合される係合
フランジ部520が設けられている。
【0031】また、図3に示すように、挿入シャフト5
03を引き込みシリンダユニット600の内部に引き込
むため、引き込みシリンダユニット600の内部の気室
620には軸方向に摺動可能な円盤状のピストン610
が設けられている。さらに、ピストン610がスピンド
ルの軸方向に摺動できるよう、ピストン610の中心部
からは引き込みシリンダユニット600の内部に軸方向
に挿入されるガイドシャフト613が下方に延びてい
る。ガイドシャフト613が引き込みシリンダユニット
600の下面に穿孔されたガイドシャフト係合孔606
に摺動可能に係合することにより、ピストン610はス
ピンドル120の中心軸に対して常に略垂直に保たれ
る。なお、ガイドシャフト613の先端はガイドシャフ
ト係合孔606を通過してスピンドル120のブラケッ
ト部120bに挿置される。
【0032】また、ピストン610をスピンドル120
の中心軸方向に移動させるため、ガイドシャフト613
およびピストン610には、スピンドル120のブラケ
ット部120bから気室620のピストン610より上
側の部分621に空気を供給するエア経路614が形成
されている。
【0033】同様に、ピストン610をスピンドル12
0の中心軸方向に移動させるため、シリンダユニット6
00の下面には、スピンドル120のエア経路135か
ら気室620のピストン610より下側の部分622に
空気を供給するエア経路615が形成されている。
【0034】ここで、スピンドル120は、その中空部
120aの下端に設けられたロータリージョイント14
5から空気を気室620に送り込むよう構成されてい
る。そのため、スピンドル120の中空部120aに
は、この中空部120aを上下に貫通するエアパイプ1
15が設けられている。エアパイプ115の上端部はフ
ランジ116によりエアパイプ115に固定され、下端
部はロータリージョイント145に連結されている。
【0035】ロータリージョイント145には、エアパ
イプ115に空気を送り込むためのエアホース132が
連結されている。エアホース132からロータリージョ
イント145を経由して送り込まれた空気は、エアパイ
プ115を上方に抜け、ブラケット部120b内に形成
されたエア通路138にさらに抜け、切換弁131に到
達する。切換弁131はエア通路138に抜けた空気を
ブラケット部120bかスピンドル120のエア経路1
35のどちらに送るかを切り替えるものである。
【0036】従って、切換弁131を操作してエア通路
138に抜けた空気をブラケット部120bに送ること
により、気室620のピストン610より上側の部分6
21の内圧が上がり、ピストン610は降下する。一方
切換弁131を操作してエア通路138に抜けた空気を
スピンドル120のエア経路135に送ることにより、
気室620のピストン610より下側の部分622の内
圧が上がり、ピストン610は上昇する。
【0037】ピストン610の上面には挿入シャフト連
結部630が形成されている。挿入シャフト連結部63
0と上述の挿入シャフト503とはいわゆるコレットチ
ャックによりチャックされるよう構成されている。即
ち、挿入シャフト連結部630には、挿入シャフト50
3を挿入するための挿入孔631が形成されており、挿
入シャフト503の外周と挿入孔631の間の壁632
には、ボール633を保持する保持溝634が形成され
ている。保持溝634は、ボール633を脱落不能に且
つ壁厚方向に移動可能に保持するよう構成されている。
又、壁632の厚みはボール633の外径よりも小さい
ため、ボール633は挿入孔631の内部に突出する
か、連結部630の外周よりも外側に突出するかのいず
れかの状態にある。
【0038】連結部630の外周は引き込みシリンダユ
ニット600の連結部係合内周壁641に囲まれてい
る。連結部係合内周壁641には、周方向に延びる溝
(他よりも内径の大きな部分)642が形成されてい
る。連結部630に保持されたボール633が溝642
と同じ高さにある時には、ボール633は連結部630
の外周よりも外側に突出する余地がある。この状態で、
挿入シャフト503を連結部630の挿入孔631に
(ボール633に邪魔されずに)挿入することができ
る。
【0039】挿入シャフト503を連結部630の挿入
孔631に挿入した後、気室620のピストン610よ
り上側の部分621にエアを送り、ピストン610ごと
連結部630を下方に移動させると、(連結部630よ
りも外側に突出できなくなった)ボール633が挿入孔
631の内側に突出し、挿入シャフト503の先端部に
形成された係合溝503aに係合する。これにより、図
2のように挿入シャフト503は、引き込みシリンダユ
ニット600内で確実にチャックされる。又、この時、
トップアダプタ500のピン501はホイールWのボル
ト穴Bに係合しており、ホイール付きタイヤCを引き込
みシリンダユニット600の当接面603に対して押圧
している。
【0040】一方、この状態から気室620のピストン
610より下側の部分622にエアを送り、図4のよう
にピストン610ごと連結部630を上方に移動させる
と、(連結部630よりも外側に突出できなくなった)
ボール633と係合溝503aの係合が解除される。従
って、トップアダプタ500のピン501によるホイー
ル付きタイヤCの引き込みシリンダユニット600の当
接面603に対する押圧状態が解除される。
【0041】複列円筒ころ軸受112aをスピンドル1
20に嵌入する方法を図5を用いて説明する。スピンド
ル120のブラケット部120bには方形断面のカラー
121aが嵌入されている。ここでカラー121aの上
面はブラケット部120bの上端に形成されたフランジ
部の下面に当接する。
【0042】ここで、ブラケット部120bの、複列円
筒ころ軸受112aと係合する部分の外周は上方に向か
って太くなるテーパ面120dを形成している。また、
複列円筒ころ軸受112aの内周は、テーパ面120d
と同一勾配の、上方に向かって太くなるテーパ状に形成
されている。また、テーパ面120dの上端部の径は複
列円筒ころ軸受112aの内周の径よりもわずかに大き
い。
【0043】さらに、複列円筒ころ軸受112aと組合
せアンギュラ玉軸受113との間には方形断面のカラー
121bが嵌入されている。ここでカラー121bの上
面は複列円筒ころ軸受112aの下端に当接する。同様
に、カラー121bの下面は組合せアンギュラ玉軸受1
13の上端に当接する。さらに、ブラケット部120b
には方形断面のカラー121cが嵌入されている。ここ
で、カラー121cの上面は組合せアンギュラ玉軸受1
13の下端に当接する。
【0044】さらに、ブラケット部120bにはおねじ
部120cが螺設されている。なお、おねじ部120c
はカラー121a、複列円筒ころ軸受112a、カラー
121b、組合せアンギュラ玉軸受113およびカラー
121cをブラケット部120bに嵌入したときのカラ
ー121cの下面より下方に螺接されている。
【0045】ここで、カラー121a、複列円筒ころ軸
受112a、カラー121b、組合せアンギュラ玉軸受
113およびカラー121cをブラケット部120bに
順次嵌入する。なお、このとき複列円筒ころ軸受112
aはブラケット部120bに嵌入される。
【0046】次いで、おねじ部120cと螺接可能なめ
ねじ部が内周に形成された付勢ナット114aをおねじ
部120cに螺着し、さらに所定のトルクで締め付ける
ことにより、複列円筒ころ軸受112aは上方に押し込
まれる。次いで、付勢ナット114aのゆるみを防止す
るため、おねじ部120cにゆるみ止めナット114b
を螺着し、ゆるみ止めナット114bの上面を付勢ナッ
ト114aの下面に対して付勢させる。
【0047】前述のようにテーパ面120dの上端部の
径は複列円筒ころ軸受112aの内周の径よりもわずか
に大きいので、この結果、テーパ面120dと複列円筒
ころ軸受112aの内周は密着する。よって、スピンド
ル120と複列円筒ころ軸受112aの内輪が完全に一
体化されるのでスピンドル120と複列円筒ころ軸受1
12aとの間のガタツキが防止される。さらに、組合せ
アンギュラ玉軸受113の内輪と鋼球、および鋼球と外
輪とのクリアランスが最小限に抑えられるため、組合せ
アンギュラ玉軸受113の内輪と鋼球、および鋼球と外
輪との間のガタツキが防止される。
【0048】なお、複列円筒ころ軸受112bをスピン
ドル120に嵌入する方法は複列円筒ころ軸受112a
をスピンドル120に嵌入する方法と同様である。ここ
で、複列円筒ころ軸受112bにかかるラジアル方向の
荷重は複列円筒ころ軸受112aにかかるラジアル方向
の荷重と比べて小さいので、付勢ナットが直接複列円筒
ころ軸受112bを付勢するようにすればよく、ゆるみ
止めナットは使用しない。すなわち、複列円筒ころ軸受
112bをスピンドル120の中空部120aに嵌入し
た後、中空部120aの外周に螺接されたおねじ部に付
勢ナット114cを螺着する。
【0049】スピンドルハウジング110は、角柱形状
の部材であり、その中央部スラスト方向に複列円筒ころ
軸受112a及び112b、及び組合せアンギュラ玉軸
受113を装着可能な貫通孔が穿孔されている。また、
複合試験装置1の装置フレームから延出する図示しない
支持軸によって、スピンドルハウジング110はベース
50に剛体支持されている。
【0050】タイヤCおよびスピンドル120を回転さ
せるには、スピンドル120の側方に設けられた回転ド
ラム30を用いる。回転ドラム30は、タイヤCに対し
て近接/離間する方向に延びるレール31の上をスライ
ド可能な可動ハウジング32に搭載され、図示しないモ
ータにより駆動されるラックピニオン機構35(ピニオ
ン36・ラック38)によってタイヤCに対して近接/
離間方向に移動する。また、回転ドラム30は図示しな
いモータによって任意の回転数で回転可能である。
【0051】また、スピンドル120の下端には、回転
ドラム30がタイヤCに当接していない時にスピンドル
120を回転または停止させるため、プーリ140が取
り付けられている。また、ベース50からシリンダ14
3が水平に延出している。ここでシリンダ143の基端
側はベース50に固定され、また自由端側には駆動モー
タ142が固定されている。さらに、スピンドル駆動モ
ータ142の回転軸には駆動プーリ144がスピンドル
120のプーリ140と同じ高さに取り付けられてい
る。シリンダ143は図示しない駆動装置によって水平
方向に伸縮可能であり、従って駆動プーリ144はスピ
ンドルに向かって水平に進退可能である。すなわち、駆
動プーリ144はスピンドル120のプーリ140に対
して離接自在である。また、駆動モータ142は駆動プ
ーリ144が自然に回転するのを防止する、ブレーキ手
段を備えている。
【0052】本発明の実施の形態においては、ユニフォ
ーミティ試験における上記負荷の変動および動釣合試験
における上記加振力はスピンドルハウジング110の一
側面の4箇所に設置された3軸圧電素子185によって
計測される。
【0053】圧電素子185は、例えばKISTLER
社製水晶式圧電式力センサ9067のような円筒形状の
センサであり、任意の方向に印加された荷重を直交3成
分力として検出し、電気信号に変換する。なお、圧電素
子185の測定範囲はその円筒軸方向(すなわち、ユニ
フォーミティ試験時に回転ドラムがタイヤを押圧する方
向)成分がおよそ0〜20000kgf、他の2成分が
およそ−2000〜2000kgfである。また、スピ
ンドル120が受ける荷重を正確に計測するため、図3
に示されるように、圧電素子185はスピンドルハウジ
ング110と一体化されている。
【0054】すなわち、圧電素子185をスピンドルハ
ウジング110と一体化させるために、圧電素子固定プ
レート102とスピンドルハウジング110の一側面と
の間に圧電素子185は挟持されている。圧電素子固定
プレート102の圧電素子185が当接している箇所に
は、圧電素子固定プレート102の板厚方向に圧電素子
185の穴部と略同径の貫通孔102aが穿孔されてい
る。同様に、スピンドルハウジング110の圧電素子1
85が当接している箇所には、圧電素子185が取り付
けられるスピンドルハウジング110の一側面の板厚方
向に圧電素子185の穴部と略同径の貫通孔110aが
穿孔されている。なお、スピンドルハウジング110の
貫通孔110aの内周にはめねじが螺刻されている。
【0055】また、スピンドルハウジング110の貫通
孔110aのめねじと螺接可能なするおねじが全側面に
わたって螺刻された円柱形上のバー186が、圧電素子
固定プレート102の貫通孔102aおよび圧電素子1
85に挿通されている。さらにバー186はスピンドル
ハウジング110の貫通孔110aに螺嵌されている。
なお、バー186の先端部は複列円筒ころ軸受112a
または112bと当接している。
【0056】ここで、バー186の圧電素子固定プレー
ト102より突出している部分(図3中左側)はナット
187が螺着されている。ナット187は所定のトルク
で締め上げられており、その結果ナット187は約50
00kgfの軸力で圧電素子固定プレート102を押圧
する。従って、圧電素子185は、圧電素子固定プレー
ト102とスピンドルハウジング110の一側面との間
に約5000kgfの力で挟持され、圧電素子固定プレ
ート102及びスピンドルハウジング110と一体化す
る。
【0057】トップアダプタ500を上下に駆動して、
トップアダプタ500の挿入シャフト503を引き込み
シリンダユニット600の挿入孔631に挿入する(あ
るいは引き抜く)インサーターユニット200は、図1
に示す天板54のさらに上方に配置された昇降ハウジン
グ60に取り付けられている。昇降ハウジング60は、
4組の鉛直方向に延びるリニアガイド61によって上下
動可能に支持されている。また、昇降ハウジング60は
サーボモータ66によって駆動されるボールねじ65
と、昇降ハウジング60外面に設けられたボールねじ6
5に螺合するねじ孔が穿孔されたアーム部67によって
上下に駆動される。
【0058】図6は、インサーターユニット200の構
造を示す側面図である。インサーターユニット200
は、略円筒形状のユニット本体240を有している。ユ
ニット本体240は、略円筒形状のユニット本体240
とスピンドル120とが同軸に(中心軸が一直線上に並
ぶように)なるように昇降ハウジング60に取り付けら
れている。
【0059】ユニット本体240の下部にはトップアダ
プタ500の係合フランジ部520に外側から係合する
3本(図6中では2本のみ記載)のチャック爪210が
設けられている。チャック爪210は図示しないバネ部
材によってユニット本体240のラジアル方向外側に向
けて付勢されている。
【0060】また、チャック爪210はエア圧によりユ
ニット本体240のラジアル方向に駆動される。すなわ
ち、ユニット本体240内に備えられた図示しないエア
供給口にエアを供給すると、このエアはチャック爪21
0をユニット本体240のラジアル方向内側に向けて付
勢する。従ってユニット本体240にエアを供給するこ
とにより、チャック爪210がユニット本体240のラ
ジアル方向内側に移動し、トップアダプタ500の係合
フランジ部520をチャックする。一方この状態からユ
ニット本体240よりエアを抜くと、バネ部材の付勢力
によってチャック爪210はユニット本体240のラジ
アル方向外側に移動し、チャックが解除される。
【0061】以上のように構成された複合試験装置1に
よるタイヤTの保持は以下のようにして行われる。まず
インサーターユニット200のユニット本体240にエ
アを供給してチャック爪210でトップアダプタ500
をチャックし、ボールねじ65を駆動して昇降ハウジン
グ60を上昇させてトップアダプタ500を引き込みシ
リンダユニット600から引き抜く。次いで、引き込み
シリンダユニット600にタイヤCをセットした後、ボ
ールねじ65を再び駆動してトップアダプタ500をシ
リンダユニット600に挿着する。次いで、インサータ
ーユニット200のユニット本体240からエアを抜い
てチャック爪210によるチャックを解除し、トップア
ダプタ500がスピンドル120に伴って回転できるよ
うにする。
【0062】次に、図7のタイムチャートを参照して、
複合試験装置1を用いた動釣合試験とユニフォーミティ
試験について説明する。本発明の実施の形態において
は、1つのタイヤについて、動釣合試験、高速ユニフォ
ーミティ試験、JASO C607規格によるユニフォ
ーミティ試験を連続して実施する。なお、図7は横軸に
経過時間、縦軸にタイヤCの回転数をとったタイムチャ
ートである。なお、以下の一連の試験は複合試験装置1
の図示しないコンピュータによって実行されるプログラ
ムによって制御される。
【0063】まず最初に、シリンダ143を駆動して駆
動プーリ144をスピンドル120のプーリ140に当
接させ、さらに駆動モータ142のブレーキ手段によ
り、スピンドル120が自然に回転するのを防止する。
次いで、インサータユニット200を用いてタイヤCを
保持する。
【0064】次いで、ラックピニオン機構35によって
この回転ドラム30をタイヤCに当接させる。次いでに
回転ドラム30をタイヤCに150kgfの力で押し付
ける(図7:S101(0sec))。次いで、この状
態で回転ドラム30を回転させ(従って回転ドラム30
に当接しているタイヤCも回転ドラム30に伴って回転
する)、タイヤCの回転数が1000rpmになるまで
回転ドラム30を加速する(図7:S102(0〜2s
ec))。次いで、回転ドラム30がタイヤCを押し付
ける押圧荷重を50kgfにする(図7:S103(2
〜3sec))。
【0065】本発明の実施の形態においては、回転ドラ
ム30の回転の開始からタイヤCの回転数が1000r
pmになるまでに要する時間は2秒である。また、タイ
ヤCの回転数が1000rpmになった後、回転ドラム
30がタイヤCを押し付ける押圧荷重が50kgfにな
るまでに要する時間は1秒である。従って、タイヤCの
加振力の測定開始までにタイヤCは水平方向に50〜1
50kfgの荷重を受けながら30回以上回転する。そ
の結果、タイヤCは下方に押し込まれ、タイヤCの回転
軸とスピンドル120の回転軸とが一致するようにな
る。
【0066】次いで、スピンドル120の回転中に圧電
素子185にかかる負荷の変動を検出する(図7:S1
04(3〜6sec))。圧電素子185は直交3成分
を計測可能であるが、動釣合を計算する際に必要なのは
任意の水平方向にかかる成分である。本発明の実施の形
態においては、回転ドラム30からタイヤCに加わる荷
重の影響を除去するために、圧電素子185の円筒軸方
向に垂直な方向に印加される負荷変動を検出している。
検出された負荷変動に基づいて動釣合を計算する方法は
公知であるため、説明は省略する。
【0067】次いで、回転ドラム30がタイヤCを押し
付ける押圧荷重を500kgfとして、高速ユニフォー
ミティ試験を行う(図7:S105(6〜11se
c))。高速ユニフォーミティ試験時のタイヤCの回転
数は動釣合試験時のタイヤCの回転数と同一である。そ
して、圧電素子185によりタイヤCが受ける負荷変動
を検出する。検出された負荷変動に基づいてユニフォー
ミティを計算する方法は公知であるため、説明は省略す
る。
【0068】次いで、JASO C607規格によるユ
ニフォーミティ試験を実施する。すなわち回転ドラム3
0を減速し、タイヤCを60rpmで回転させる(図
7:S106(11〜14sec))。そして、圧電素
子185によりタイヤCが受ける負荷変動を検出する
(図7:S107(14〜17sec))。検出された
負荷変動に基づいてユニフォーミティを計算する方法は
公知であるため、説明は省略する。
【0069】次いで、タイヤCおよび回転ドラム30の
回転を一端停止し、さらに反転させてタイヤCを60r
pmで回転させる(図7:S108(17〜18se
c))。次いで、慣らし運転を行う(図7:S109
(18〜20sec))。次いで、圧電素子185によ
りタイヤCが受ける負荷変動を検出し(図7:S110
(20〜23sec))、検出された負荷変動に基づい
てユニフォーミティを計算する。次いで、タイヤCおよ
び回転ドラム30を減速し(図7:S111(23〜2
4sec))、回転を停止する(図7:S112(24
sec))。
【0070】複合試験装置1は、JASO C607規
格によるユニフォーミティの計算結果および高速ユニフ
ォーミティの計算結果に基づいてタイヤTのどの部分を
どれだけ削るかを算出し、図示しない切削装置によって
タイヤTの切削を行う。同様に、複合試験装置1は、動
釣合の計算結果に基づいてタイヤTのどの部分にバラン
スウエイトを載せるべきかを算出し、図示しないマーキ
ング装置によって、当該箇所にマーキングを施す。
【0071】なお、本発明の実施の形態においては、1
つのタイヤについて、動釣合試験、高速ユニフォーミテ
ィ試験、JASO C607規格によるユニフォーミテ
ィ試験を連続して実施しているが、本発明はこれに限定
されるものではない。例えば、図7のS5の工程を省略
し、動釣合試験終了後ただちにJASO C607規格
によるユニフォーミティ試験が行われる構成としてもよ
い。
【0072】図8は、1つのタイヤについて、動釣合試
験と高速ユニフォーミティ試験を連続して実施する時
の、横軸に経過時間、縦軸にタイヤCの回転数をとった
タイムチャートである。なお、以下の一連の試験は複合
試験装置1の図示しないコンピュータによって実行され
るプログラムによって制御される。
【0073】まず最初に、シリンダ143を駆動して駆
動プーリ144をスピンドル120のプーリ140に当
接させ、さらに駆動モータ142のブレーキ手段によ
り、スピンドル120が自然に回転するのを防止する。
次いで、インサータユニット200を用いてタイヤCを
保持する。
【0074】次いで、ラックピニオン機構35によって
この回転ドラム30をタイヤCに当接させる。次いでに
回転ドラム30をタイヤCに150kgfの力で押し付
ける(図8:S201(0sec))。次いで、この状
態で回転ドラム30を回転させ(従って回転ドラム30
に当接しているタイヤCも回転ドラム30に伴って回転
する)、タイヤCの回転数が1000rpmになるまで
回転ドラム30を加速する(図8:S202(0〜2s
ec))。次いで、回転ドラム30がタイヤCを押し付
ける押圧荷重を50kgfにする(図8:S203(2
〜3sec))。
【0075】次いで、スピンドル120の回転中に圧電
素子185にかかる負荷の変動を検出する(図8:S2
04(3〜6sec))。圧電素子185は直交3成分
を計測可能であるが、動釣合を計算する際に必要なのは
任意の水平方向にかかる成分である。本発明の実施の形
態においては、回転ドラム30からタイヤCに加わる荷
重の影響を除去するために、圧電素子185の円筒軸方
向に垂直な方向に印加される負荷変動を検出している。
検出された負荷変動に基づいて動釣合を計算する方法は
公知であるため、説明は省略する。
【0076】次いで、回転ドラム30がタイヤCを押し
付ける押圧荷重を500kgfとして、高速ユニフォー
ミティ試験を行う(図8:S205(6〜11se
c))。高速ユニフォーミティ試験時のタイヤCの回転
数は動釣合試験時のタイヤCの回転数と同一である。そ
して、圧電素子185によりタイヤCが受ける負荷変動
を検出する。検出された負荷変動に基づいてユニフォー
ミティを計算する方法は公知であるため、説明は省略す
る。
【0077】次いで、タイヤCおよび回転ドラム30を
減速し(図8:S206(11〜13sec))、回転
を停止する(図8:S207(13sec))。
【0078】複合試験装置1は、高速ユニフォーミティ
の計算結果に基づいてタイヤTのどの部分をどれだけ削
るかを算出し、図示しない切削装置によってタイヤTの
切削を行う。同様に、複合試験装置1は、動釣合の計算
結果に基づいてタイヤTのどの部分にバランスウエイト
を載せるべきかを算出し、図示しないマーキング装置に
よって、当該箇所にマーキングを施す。
【0079】なお、この実施形態の複合測定装置1は上
記のようなホイール付きタイヤのみにとどまらず、ホイ
ール装着前のタイヤに対してもユニフォーミティと動釣
合の両方を測定することができる。ホイール装着前のタ
イヤに対して試験を行う場合は、トップアダプタの代わ
りに上部リムが固定されたロックシャフトを、また引き
込みシリンダユニット600の代わりに下部リムが上端
に固定された中空シャフトを用いる。すなわち、上部リ
ムと下部リムとがタイヤを挟持する。また、上部リムと
下部リムとがタイヤを挟持した後にエア経路135を介
してタイヤに空気をインフレートすることができる。
【0080】
【発明の効果】以上のように、本発明の動釣合およびユ
ニフォーミティ試験装置によれば、回転するタイヤの動
釣合を正確に測定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による、タイヤの動釣合試
験とユニフォーミティ試験とを実施可能な複合試験装置
の側面図である。
【図2】一般的なホイール付きタイヤの断面図と正面図
である。
【図3】本発明の実施の形態におけるスピンドルの側断
面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるスピンドルの側断
面図である。
【図5】本発明の実施の形態のスピンドルおよびロック
シャフトの、ロック部材周辺における一部切断した斜視
図である。
【図6】本発明の実施の形態のインサーターユニットの
構造を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態の複合試験装置を用いて動
釣合試験、高速ユニフォーミティ試験およびJASO
C607規格によるユニフォーミティ試験を行うとき
の、タイヤの回転数を示したタイムチャートである。
【図8】本発明の実施の形態の複合試験装置を用いて動
釣合試験および高速ユニフォーミティ試験を行うとき
の、タイヤの回転数を示したタイムチャートである。
【符号の説明】
1 複合試験装置 30 回転ドラム 50 ベース 60 昇降ハウジング 65 ボールねじ 66 サーボモータ 67 アーム部 102 圧電素子固定プレート 110 スピンドルハウジング 112a 複列円筒ころ軸受 112b 複列円筒ころ軸受 113 組合せアンギュラ玉軸受 114 カラー 120 スピンドル 120b ブラケット部 120c おねじ部 120d テーパ面 140 プーリ 142 スピンドル駆動モータ 143 シリンダ 185 圧電素子 187 ナット 200 インサータユニット 240 ユニット本体 210 チャック爪 500 トップアダプタ 501 ピン 503 挿入シャフト 520 係合フランジ部 600 引き込みシリンダユニット 604 シャフト係合孔 610 ピストン 613 ガイドシャフト 614 エア経路 620 気室 630 挿入シャフト連結部 631 挿入孔 633 ボール 634 保持溝

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能なスピンドルを回転させて、前
    記スピンドルに取り付けられたタイヤの動釣合試験及び
    ユニフォーミティ試験を行うよう構成されたタイヤの動
    釣合及びユニフォーミティ試験装置であって、 前記スピンドルは剛体支持されたスピンドルハウジング
    内で回転自在に支持されており、 前記スピンドルハウジング表面に当接して設置された圧
    電素子によって、前記加振力が計測され、 動釣合試験時は、前記タイヤ及びスピンドルは、前記ス
    ピンドルの回転軸に垂直な所定方向に前記タイヤを第1
    の押圧荷重で押圧しながら回転する回転ドラムによっ
    て、第1の回転数で駆動され、 ユニフォーミティ試験時は、前記タイヤ及びスピンドル
    は、前記スピンドルの回転軸に垂直な所定方向に前記タ
    イヤを第2の押圧荷重で押圧しながら回転する回転ドラ
    ムによって、第2の回転数で駆動され、 前記圧電素子は、任意の方向に作用する力を直交3成分
    力として計測可能な3成分圧電素子であり、 前記第1の押圧荷重は前記第2の押圧荷重よりも小さ
    く、 前記第2の回転数は60〜3300rpmであることを
    特徴とする、タイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の押圧荷重が20〜100kg
    fであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤの
    動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の押圧荷重が40〜60kgf
    であることを特徴とする、請求項2に記載のタイヤの動
    釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の押圧荷重が100〜2000
    kgfであることを特徴とする、請求項1から請求項3
    のいずれかに記載のタイヤの動釣合およびユニフォーミ
    ティ試験方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の回転数は750〜1400r
    pmであることを特徴とする、請求項1から請求項4の
    いずれかにに記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミテ
    ィ試験装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の回転数と前記第2の回転数が
    等しいことを特徴とする、請求項1から請求項5のいず
    れかに記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験
    装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電素子は、前記スピンドルハウジ
    ングと、剛体支持された圧電素子固定部材との間に挟持
    されていることを特徴とする、請求項1から請求項6の
    いずれかに記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ
    試験装置。
  8. 【請求項8】 前記スピンドルハウジングが、そのスラ
    スト方向に前記スピンドルが挿通支持される穴部が形成
    された多角形柱状に形成され、 前記圧電素子固定部材が平板状に形成され、 前記圧電素子固定部材と前記スピンドルハウジングの一
    側面が平行であることを特徴とする、請求項7に記載の
    タイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  9. 【請求項9】 前記多角形柱状が四角形柱状であること
    を特徴とする、請求項8に記載のタイヤの動釣合及びユ
    ニフォーミティ試験装置。
  10. 【請求項10】 前記圧電素子固定部材が前記スピンド
    ルハウジングの一側面にねじ止めされていることを特徴
    とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のタイ
    ヤの動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  11. 【請求項11】 前記圧電素子が筒状に形成され、前記
    圧電素子固定部材と前記スピンドルハウジングとを固定
    するねじが前記圧電素子の筒内に挿通されることを特徴
    とする、請求項10に記載のタイヤの動釣合及びユニフ
    ォーミティ試験装置。
  12. 【請求項12】 前記圧電素子が前記前記スピンドルハ
    ウジング及び前記圧電素子固定部材から圧縮荷重を受け
    ることを特徴とする、請求項7から請求項11に記載の
    タイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  13. 【請求項13】 前記圧縮荷重の方向が、前記圧電素子
    が測定する直交3成分のうちの1成分と同一方向であ
    り、 前記圧縮荷重が、前記圧電素子が測定する前記1成分の
    測定可能荷重の30%〜70%であることを特徴とす
    る、請求項12に記載のタイヤの動釣合及びユニフォー
    ミティ試験装置。
  14. 【請求項14】 前記圧縮荷重が、前記圧電素子が測定
    する前記1成分の測定可能荷重の45%〜55%である
    ことを特徴とする、請求項13に記載のタイヤの動釣合
    及びユニフォーミティ試験装置。
  15. 【請求項15】 前記回転ドラムは、前記タイヤに対し
    て離間可能であり、 前記タイヤの動釣合試験装置は、前記スピンドルに当接
    /離間可能なスピンドル駆動装置を有し、 前記スピンドル駆動装置は、前記スピンドル駆動装置が
    前記スピンドルに当接しているときに前記スピンドルを
    回転/停止可能であり、 前記スピンドル駆動装置は、前記回転ドラムが前記タイ
    ヤに対して離間しているときは、前記スピンドルに当接
    することを特徴とする、請求項1から請求項14のいず
    れかに記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験
    装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15のいずれかに
    記載の動釣合試験装置を用いたタイヤの動釣合及びユニ
    フォーミティ試験方法であって、 前記スピンドルに前記タイヤを取り付けるタイヤ取り付
    けステップと、 前記回転ドラムによって前記タイヤを第3の押圧荷重で
    押圧する第1のタイヤ押圧ステップと、 前記回転ドラムを回転駆動する回転ドラム回転ステップ
    と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数になるまで前記
    回転ドラムを加速する第1の回転ドラム変速ステップ
    と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数に到達した後、
    前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を前記第
    1の押圧荷重に変更する第2のタイヤ押圧ステップと、 前記タイヤに生じる加振力を測定する第1の測定ステッ
    プと、 前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を第2の
    押圧荷重に変更する第3のタイヤ押圧ステップと、 前記タイヤの回転数を第2の回転数に変更する第2の回
    転ドラム変速ステップと、 前記タイヤに加わる負荷変動を計測する第2の測定ステ
    ップと、を有することを特徴とする、タイヤの動釣合お
    よびユニフォーミティ試験方法。
  17. 【請求項17】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の1〜10倍であることを特徴とする、請求項16
    に記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験方
    法。
  18. 【請求項18】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の2〜4倍であることを特徴とする、請求項17に
    記載のタイヤの動釣合及びユニフォーミティ試験方法。
  19. 【請求項19】 前記第2の測定ステップの実行後、 前記タイヤの回転数を第3の回転数に変更する第3の回
    転ドラム変速ステップと、 前記タイヤに加わる負荷変動をさらに計測する第3の測
    定ステップと、をさらに有することを特徴とする、請求
    項16から請求項18のいずれかに記載のタイヤの動釣
    合及びユニフォーミティ試験方法。
  20. 【請求項20】 前記第3の回転数が60rpmである
    ことを特徴とする、請求項19に記載のタイヤの動釣合
    及びユニフォーミティ試験方法。
  21. 【請求項21】 請求項1から請求項15のいずれかに
    記載の動釣合及びユニフォーミティ試験装置を制御する
    コンピュータが読み取り可能な、タイヤの動釣合及びユ
    ニフォーミティ試験を実施するためのプログラムが記録
    された記録媒体であって、前記プログラムが、 前記スピンドルに前記タイヤを取り付けるタイヤ取り付
    けステップと、 前記回転ドラムによって前記タイヤを第3の押圧荷重で
    押圧する第1のタイヤ押圧ステップと、 前記回転ドラムを回転駆動する回転ドラム回転ステップ
    と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数になるまで前記
    回転ドラムを加速する第1の回転ドラム変速ステップ
    と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数に到達した後、
    前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を前記第
    1の押圧荷重に変更する第2のタイヤ押圧ステップと、 前記タイヤに生じる加振力を測定する第1の測定ステッ
    プと、 前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を第2の
    押圧荷重に変更する第3のタイヤ押圧ステップと、 前記タイヤの回転数を第2の回転数に変更する第2の回
    転ドラム変速ステップと、 前記タイヤに加わる負荷変動を計測する第2の測定ステ
    ップと、を有することを特徴とする記録媒体。
  22. 【請求項22】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の1〜10倍であることを特徴とする、請求項21
    に記載の記録媒体。
  23. 【請求項23】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の2〜4倍であることを特徴とする、請求項22に
    記載の記録媒体。
  24. 【請求項24】 前記プログラムが、 前記第2の測定ステップの実行後、 前記タイヤの回転数を第3の回転数に変更する第3の回
    転ドラム変速ステップと、 前記タイヤに加わる負荷変動をさらに計測する第3の測
    定ステップと、をさらに有することを特徴とする、請求
    項21から請求項23のいずれかに記載の記録媒体。
  25. 【請求項25】 前記第3の回転数が60rpmである
    ことを特徴とする、請求項24に記載の記録媒体。
  26. 【請求項26】 前記スピンドルに前記タイヤを取り付
    けるタイヤ取り付け手段と、 前記回転ドラムによって前記タイヤを第3の押圧荷重で
    押圧する第1のタイヤ押圧手段と、 前記回転ドラムを回転駆動する回転ドラム回転手段と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数になるまで前記
    回転ドラムを加速する第1の回転ドラム変速手段と、 前記タイヤの回転数が前記第1の回転数に到達した後、
    前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を前記第
    1の押圧荷重に変更する第2のタイヤ押圧手段と、 前記タイヤに生じる加振力を測定する第1の測定手段
    と、 前記回転ドラムによる前記タイヤへの押圧荷重を第2の
    押圧荷重に変更する第3のタイヤ押圧手段と、 前記タイヤの回転数を第2の回転数に変更する第2の回
    転ドラム変速手段と、 前記タイヤに加わる負荷変動を計測する第2の測定手段
    と、を有することを特徴とする請求項1から請求項15
    のいずれかに記載の動釣合及びユニフォーミティ試験装
    置。
  27. 【請求項27】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の1〜10倍であることを特徴とする、請求項26
    に記載の動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  28. 【請求項28】 前記第3の押圧荷重が前記第1の押圧
    荷重の2〜4倍であることを特徴とする、請求項27に
    記載の動釣合及びユニフォーミティ試験装置。
  29. 【請求項29】 前記第2の測定手段によって前記タイ
    ヤに加わる負荷変動が計測された後、前記タイヤの回転
    数を第3の回転数に変更する第3の回転ドラム変速手段
    と、 前記タイヤに加わる負荷変動をさらに計測する第3の測
    定手段と、をさらに有することを特徴とする、請求項2
    6から請求項28のいずれかに記載の動釣合及びユニフ
    ォーミティ試験装置。
  30. 【請求項30】 前記第3の回転数が60rpmである
    ことを特徴とする、請求項29に記載の動釣合及びユニ
    フォーミティ試験装置。
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