JP2002348936A - 温水洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストレーナのメンテナンスを行うように使用
者に促す温水洗浄装置を提供する。 【課題を解決するための手段】 【解決手段】 人体の局部を洗浄するノズル７への洗浄
水の流入経路に、ストレーナ３及びストレーナ３の目詰
まりを検知する目詰まり検知部２、を備え、また前記目
詰まり検知部２により目詰まりを認識して報知する報知
部２１を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は人体の局部を洗浄す
る機能を備えた温水洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、人体の局部を洗浄する局部洗
浄機構と、便器を洗浄する便器洗浄機構が一体となった
洗浄装置がある。この洗浄装置に接続されている水道配
管には、局部洗浄用のノズルのゴミ詰まりを防ぐため
に、ストレーナが設けられている。そしてこのストレー
ナによって微少なゴミが除去された水道水が、前記局部
洗浄機構及び便器洗浄機構へ分岐され供給される。前記
局部洗浄機構へ供給される水は、該分岐部を通った後ヒ
ータによって温められる温水タンクに貯蔵された後、局
部洗浄用ノズルへ送り込まれる。一方便器洗浄機構へ供
給される水は、同分岐部を通った後便器のリム部へ送り
込まれ、該リム部より便器のボウル面へ送り込まれる。

【０００３】このものにあっては、ストレーナにゴミが
付着していないときは、便器洗浄機構に供給される水が
多く、図７（ａ）に示すように便器のボウル面全体に渡
って洗浄するが、ストレーナに多量のゴミが付着する
と、前記便器洗浄機構に供給される水が少なくなり、図
７（ｂ）に示すように便器のボウル面の一部が十分な洗
浄効果が得られなくなることが考えられる。この為に定
期的に、ストレーナのゴミの除去のためのメンテナンス
を行う必要があるが、このメンテナンスの行う時期は、
使用者の意志に依存するものであって、場合によって
は、ストレーナに多量のゴミが付着していることを、洗
浄水による十分な洗浄効果が得られないことによって知
ることになる。そこで、定期的に前記ストレーナのメン
テナンスを行うことを使用者に促す必要性がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解消するためのものであって、ストレーナのメンテナ
ンスを行うように使用者に促す温水洗浄装置を提供する
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の温水洗浄
装置にあっては、人体の局部を洗浄するノズルへの洗浄
水の流入経路に、ストレーナ及びストレーナの目詰まり
を検知する目詰まり検知部、を備え、また前記目詰まり
検知部による目詰まりの検知に基づいて報知する報知部
を備えたことを特徴とする。

【０００６】このものにあっては、洗浄水の流入経路に
存する前記目詰まり検知部によって前記ストレーナの目
詰まりを検知し、前記報知部が該目詰まりの検知に基づ
いて報知する。したがって前記ストレーナのメンテナン
スを確実に使用者に促すことができる。

【０００７】請求項２にあっては、請求項１記載の温水
洗浄装置において、前記目詰まり検知部は前記ストレー
ナの直後に存することを特徴とする。

【０００８】このものにあっては、前記ストレーナの目
詰まりを敏感に前記目詰まり検知部が検知することがで
きる。したがって、より確実に前記ストレーナのメンテ
ナンスを使用者に促すことができる。

【０００９】請求項３にあっては、請求項１又は２に記
載の温水洗浄装置において、前記目詰まり検知部を通過
した洗浄水は分岐され、一方は前記ノズルへ、他方は便
器洗浄のために便器本体へ、夫々送り込まれることを特
徴とする。

【００１０】このものにあっては、前記ストレーナのメ
ンテナンスが確実におこなわれるので、便器本体へ洗浄
水が略確実に送り込まれ、便器を洗浄することができ
る。したがって便器洗浄の性能は、ゴミ詰まりによって
低下することはない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。

【００１２】まず便器本体１であるが、便器本体１は陶
器製或は合成樹脂製で、その上端周縁に略全周にわたり
中空リム部１ａが一体に形成されている。この中空リム
部１ａの下面には周方向に多数の吐水孔１ｂが併設され
ており、該吐水孔１ｂから吐出される洗浄水によって便
器本体１のボウル面１ｃが洗浄される。便器本体１の後
部片側の上面には略矩形状の開口部１ｄが形成されてお
り、この開口部１ｄは上記中空リム部１ａと連通するも
のである。そしてこの開口部１ｄには、開口部１ｄから
中空リム部１ａ内に挿入される形状であり中空リム部１
ａ内へ洗浄水を誘導するゴム製の誘導管３０が設けられ
ている。

【００１３】誘導管３０の上端外側にはシール材として
材質がゴム製のフランジ部３４が設けられている。この
フランジ部３４は便器本体１の開口部１ｄを覆い、さら
には後述する温水洗浄便座５の基板３３に設けられた突
条３２全体が接する大きさの形状を成して、該便器本体
１の上端に載設されている。また誘導管３０の上端内周
には材質がゴム製の薄肉の襞３５が周設されている。そ
して誘導管３０は中空リム部１ａ内方へ向くように略Ｌ
字状に屈曲した形状をなしている。なお襞３５は、後述
する温水洗浄便座５に付属する洗浄水流出管３１が誘導
管３０に差し込まれた際に、洗浄水流出管３１と誘導管
３０との隙間を塞ぐシール片としての役割をするもので
ある。

【００１４】次に便器本体１後部上面に載設される温水
洗浄便座５であるが、温水洗浄便座５は、基板３３上
に、便器本体１内に突出動作されて温水を人体の局部へ
向け噴出する二本のノズル７と、ノズル７へ温水を供給
する温水タンク８と、温水タンク８へ給水する給水管９
と、が積載され、ケース４１にて覆われて成るものであ
る。そして基板３３の一部には温水洗浄便座５内部から
水を流出する洗浄水流出管３１が、該温水洗浄便座５の
内部と連通した管形状で突設している。また基板３３に
おいては、上記洗浄水流出管３１近傍に、上記洗浄水流
出管３１の周囲を囲み、且つ上記便器本体１の開口部１
ｄよりも大きい形状の突条３２が設けられている。

【００１５】温水洗浄便座５の内部では、上記給水管９
から分岐部４０にて給水ホース４が分岐配管され、給水
ホース４の先端部分は上記洗浄水流出管３１にホースバ
ンド３６にて接続されている（以後、給水管９における
分岐部４０と温水タンク８とをつなげているホース６を
温水タンク給水ホース６と称す）。

【００１６】また給水管９は給水源である上水道管１３
に接続されるようになっており、該給水管９には水道水
が給水されるようになっている。

【００１７】ここで分岐部４０から下流側における、温
水タンク給水ホース６及び給水ホース４には、電磁弁１
０，１１が夫々接続されている。（以後、温水タンク給
水ホース６に接続されている電磁弁１０を第一電磁弁１
０、給水ホース４に接続されている電磁弁１１を第二電
磁弁１１と称す）。

【００１８】給水管９から分岐部４０を通り、温水タン
ク給水ホース６を通って温水タンク８に給水された水道
水は、ヒータ８ａで所定の温度に加熱保温され、温水タ
ンク８に貯まっている温水がノズル７へと供給される。
このノズル７から噴出される上記温水により、人体の肛
門等の局部を心地よくきれいに洗浄することができる。

【００１９】また温水洗浄便座５には便座１４及び便蓋
１５が設けられており、この便座１４及び便蓋１５は共
に温水洗浄便座５に設けられている枢支部１６により回
動自在に取付られている。

【００２０】温水洗浄便座５が便器本体１の後部上面に
載設された状態について説明する。便器本体１の開口部
１ｄから中空リム部１ａ内へ挿入された誘導管３０は、
フランジ部３４により開口部１ｄ上面に係止されてお
り、温水洗浄便座５の洗浄水流出管３１が誘導管３０に
差し込まれ、誘導管３０に設けられた襞３５が上記洗浄
水流出管３１の周囲全体を隙間無く密着している。そし
て温水洗浄便座５の基板３３の突条３２全体が、上記誘
導管３０のフランジ部３４に載り、便器本体１の上面に
開口する開口部１ｄの上面周縁に向かって圧接すること
により、フランジ部３４が便器本体１の開口部１ｄ上面
周縁と密着した状態となる。この状態により、温水洗浄
便座５の分岐部４０から給水ホース４を通った洗浄水
は、洗浄水流出管３１及び誘導管３０を通り中空リム部
１ａ内へ流れ込み、便器本体１のボウル面１ｃを洗浄す
る。

【００２１】また、給水管９における上水道管１３との
接続部には、ストレーナ３が設けられており、このスト
レーナ３の下流側の近傍には、ストレーナ３の目詰まり
を検知する目詰まり検知部２が設けられている。この目
詰まり検知部２は、例えば、ストレーナ３の目詰まり等
に起因する流水状態の変化を検知するようなものが用い
られるものであって、具体的には動水圧を検知する圧力
センサーや、あるいは流量を検知する流量センサーであ
る。

【００２２】また、温水洗浄便座５内には制御基板２０
が設けられており、該制御基板２０にはコントローラ２
３からの入力信号により、ノズル７と給水ホース４へ洗
浄水を夫々送り込む為の第一電磁弁１０及び第二電磁弁
１１の開閉、及び温水タンク８のヒータ８ａの通電、を
制御する制御部２２と、目詰まり検知部２からの信号に
基づいて、該温水洗浄便座５の使用者に報知する報知部
２１と、を備えている。そして目詰まり検知部２の信号
が制御部２２に入力されると、該制御部２２は該信号値
に基づいて判断し、異常を検知したときに報知部２１を
作動させ、使用者に知らせるようになっている。

【００２３】目詰まり検知部２が圧力センサーの場合に
ついて述べる。第一電磁弁１０及び第二電磁弁１１が共
に閉じているときの水圧はＰ₀［Ｐａ］、第一電磁弁１
０が開いているときの水圧はＰ₁［Ｐａ］、第二電磁弁
１１が開いているときの水圧はＰ₂［Ｐａ］、である。
そしてストレーナ３が目詰まりしてメンテナンスを必要
とする状態における、第一電磁弁１０が開いているとき
の水圧をＰ₁₀［Ｐａ］、第二電磁弁１１が開いていると
きの水圧をＰ₂₀［Ｐａ］とする。この水圧Ｐ₁₀［Ｐａ］
及びＰ₂₀［Ｐａ］の値を制御部２２に入力設定してお
く。なおノズル７の方が給水ホース４よりも、給水の抵
抗が高い為、第一電磁弁１０が開いているときの水圧の
方が、第二電磁弁１１が開いているときの水圧よりも高
い状態である。したがってＰ₁［Ｐａ］の方がＰ₂［Ｐ
ａ］よりも高い値であり、またＰ₁₀［Ｐａ］の方がＰ₂₀
［Ｐａ］よりも高い値に設定される。

【００２４】コントローラ２３によって、第一電磁弁１
０を開ける信号が制御部２２に入ると、制御部２２は圧
力センサーの信号（水圧Ｐ₁［Ｐａ］）の検知をし始
め、コントローラ２３から制御部２２へ第一電磁弁１０
を閉める信号が送られると、即ち停止信号が送られる
と、制御部２２は圧力センサーの信号の検知を停止す
る。そして第一電磁弁１０が開いているときに、水圧Ｐ
₁［Ｐａ］がＰ₁₀［Ｐａ］以上を検知すると、制御部２
２は報知部２１に信号を送り、報知部２１を作動させ、
使用者にストレーナ３の目詰まりを知らせる。

【００２５】同様に第二電磁弁１１を開ける信号が制御
部２２に入ると、制御部２２は圧力センサーの信号（水
圧Ｐ₂［Ｐａ］）の検知をし始め、コントローラ２３か
ら制御部２２へ第二電磁弁１１を閉める信号が送られる
と、即ち停止信号が送られると、制御部２２は圧力セン
サーの信号の検知を停止する。そして第二電磁弁１１が
開いているときに、水圧Ｐ₂［Ｐａ］がＰ₂₀［Ｐａ］以
上を検知すると、制御部２２は報知部２１に信号を送
り、報知部２１を作動させ、使用者にストレーナ３の目
詰まりを知らせる。

【００２６】この目詰まり検知部２が流量センサーの場
合について述べる。第一電磁弁１０及び第二電磁弁１１
が共に閉じているときの流量は０［Ｌ／ｍｉｎ］、第一
電磁弁１０が開いているときの流量はＱ₁［Ｌ／ｍｉ
ｎ］、第二電磁弁１１が開いているときの流量はＱ
₂［Ｌ／ｍｉｎ］、である。そしてストレーナ３が目詰
まりしてメンテナンスを必要とする状態における、第一
電磁弁１０が開いているときの流量をＱ₁₀［Ｌ／ｍｉ
ｎ］、第二電磁弁１１が開いているときの流量をＱ
₂₀［Ｌ／ｍｉｎ］とする。この流量Ｑ₁₀［Ｌ／ｍｉｎ］
及びＱ₂₀［Ｌ／ｍｉｎ］の値を制御部２２に入力設定し
ておく。なおノズル７の方が給水ホース４よりも、給水
の抵抗が高い為、第一電磁弁１０が開いているときの流
量の方が、第二電磁弁１１が開いているときの流量より
も小さい状態である。したがってＱ₁［Ｌ／ｍｉｎ］の
方がＱ₂［Ｌ／ｍｉｎ］よりも小さい値であり、またＱ
₁₀［Ｌ／ｍｉｎ］の方がＱ₂₀［Ｌ／ｍｉｎ］よりも小さ
い値に設定される。

【００２７】コントローラ２３によって、第一電磁弁１
０を開ける信号が制御部２２に入ると、制御部２２は流
量センサーの信号（流量Ｑ₁［Ｌ／ｍｉｎ］）の検知を
し始め、コントローラ２３から制御部２２へ第一電磁弁
１０を閉める信号が送られると、即ち停止信号が送られ
ると、制御部２２は流量センサーの信号の検知を停止す
る。そして第一電磁弁１０が開いているときに、流量Ｑ
₁［Ｌ／ｍｉｎ］がＱ_{1 0}［Ｌ／ｍｉｎ］以下を検知する
と、制御部２２は報知部２１に信号を送り、報知部２１
を作動させ、使用者にストレーナ３の目詰まりを知らせ
る。

【００２８】同様に第二電磁弁１１を開ける信号が制御
部２２に入ると、制御部２２は流量センサーの信号（Ｑ
₂［Ｌ／ｍｉｎ］）の検知をし始め、コントローラ２３
から制御部２２へ第二電磁弁１１を閉める信号が送られ
ると、即ち停止信号が送られると、制御部２２は流量セ
ンサーの信号の検知を停止する。そして第二電磁弁１１
が開いているときに、流量Ｑ₂［Ｌ／ｍｉｎ］がＱ
₂₀［Ｌ／ｍｉｎ］以下を検知すると、制御部２２は報知
部２１に信号を送り、報知部２１を作動させ、使用者に
ストレーナ３の目詰まりを知らせる。

【００２９】このストレーナ３の目詰まりを使用者に知
らせることにより、ストレーナ３の目詰まりを略確実に
メンテナンスされる。

【００３０】なお目詰まり検知部２とストレーナ３との
距離であるが、目詰まり検知部２がストレーナ３から離
れると、給水管９等の圧力損失等により、正常時と目詰
まり時における、圧力の差若しくは流量の差が小さくな
り、ストレーナ３の目詰まりの検知が鈍くなる恐れがあ
る。したがってストレーナ３の下流側の略直後に目詰ま
り検知部２が存するのが望ましい。

【００３１】また、上述ではストレーナ３及び目詰まり
検知部２が、給水管９の分岐部４０よりも上流側に設け
られている。そのためストレーナ３によりゴミが除去さ
れた洗浄水は、温水タンク給水ホース６及び給水ホース
４へ分岐され、温水タンク８を介してノズル７から流出
すると共に、便器本体１のボウル面１ｃを洗浄する。従
って、ノズル７の目詰まりが防止されると共に、便器洗
浄性能も低下しない。

【００３２】なお、ノズル７の目詰まり防止の為なら
ば、ストレーナ３及び目詰まり検知部２は、分岐部４０
とノズル７との間に設けられているものであっても良
い。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の温水洗浄
装置にあっては、使用者にストレーナの目詰まりを報知
するので、ストレーナのメンテナンスを略確実におこな
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る温水洗浄装置を示す透
視平面図である。

【図２】同上の温水洗浄装置の制御ブロック図である。

【図３】同上の温水洗浄装置の目詰まり検知部における
検知状態を表す説明図であり、（ａ）は目詰まり検知部
が圧力センサーの場合、（ｂ）は目詰まり検知部が流量
センサーの場合である。

【図４】同上の温水洗浄装置を示す一部切欠側面図であ
る。

【図５】同上の温水洗浄装置の要部を示す断面図であ
る。

【図６】同上の温水洗浄装置において上水道管と給水管
との接続部を示す分解斜視図である

【図７】従来の温水洗浄装置における便器洗浄状態を示
す平面図であり、（ａ）はストレーナが正常な状態、
（ｂ）はストレーナにゴミが付着した状態を示す。

【符号の説明】

１ 便器本体 ２ 目詰まり検知部 ３ ストレーナ ７ ノズル

フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞人 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中村 隆宏 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 佐藤 靖史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Ｆターム(参考） 2D038 JA05 KA22

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体の局部を洗浄するノズルへの洗浄水
   の流入経路に、ストレーナ及びストレーナの目詰まりを
   検知する目詰まり検知部、を備え、また前記目詰まり検
   知部による目詰まりの検知に基づいて報知する報知部を
   備えたことを特徴とする温水洗浄装置。
2. 【請求項２】 前記目詰まり検知部は前記ストレーナの
   直後に存することを特徴とする請求項１記載の温水洗浄
   装置。
3. 【請求項３】 前記目詰まり検知部を通過した洗浄水は
   分岐され、一方は前記ノズルへ、他方は便器洗浄のため
   に便器本体へ、夫々送り込まれることを特徴とする請求
   項１又は２に記載の温水洗浄装置。