JP2002348450A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2002348450A
JP2002348450A JP2001155160A JP2001155160A JP2002348450A JP 2002348450 A JP2002348450 A JP 2002348450A JP 2001155160 A JP2001155160 A JP 2001155160A JP 2001155160 A JP2001155160 A JP 2001155160A JP 2002348450 A JP2002348450 A JP 2002348450A
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aromatic polyester
wholly aromatic
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JP2001155160A
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Toyoaki Ishiwatari
豊明 石渡
Hiroshi Sakurai
博志 櫻井
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性および色調が良好で、黄色味が少な
い、非晶性全芳香族ポリエステル樹脂組成物を得る。 【解決手段】 全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポ
リエステルカーボネートと、それに対して0.01〜3
0ppmの青み着色剤を含有してなり、2mm厚の成形
板のYI値(イエローインデックス)が−5以上5以下
である樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、透明性、色調が良好であり、かつ耐
熱安定性に優れた非晶性全芳香族ポリエステルまたは全
芳香族ポリエステルカーボネートから成る樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性が高く機械的強度の優れた
エンジニアリングプラスチックに対する要求性能が高ま
っている。非晶性エンジニアリングプラスチックの一つ
に芳香族ジカルボン酸と芳香族ジヒドロキシ化合物に由
来する全芳香族ポリエステルがある。例えば、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと称す)、
芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸とイソフタル酸
よりなる非晶性全芳香族ポリエステルが知られている。
【0003】非晶性全芳香族ポリエステルはその優れた
性能により多くの用途での適用が望まれているが、非晶
性全芳香族ポリエステルは樹脂自体淡黄色であり、色調
改良が望まれている。このような色調改善方法として、
特開昭53−121046号公報に赤、青、紫など鮮や
かな色調に着色し、商品に高級感を付与するという方法
が開示されている。しかしながら、このような方法は、
樹脂そのものが、着色されている為、光学分野など、無
色透明を要求される分野において、使用することは困難
である。即ち、無色透明を要求される分野においては、
依然として更なる透明性と色調の改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、透明性、色調、耐熱性、機械特性に優れた非晶性樹
脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、全芳香族ポリ
エステルまたは全芳香族ポリエステルカーボネートと、
該全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステルカ
ーボネートに対し、0.01〜30ppmの青味着色剤
とからなり2mm厚成形板のYI値が−5以上5以下で
あることを特徴とする樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る樹脂組成物お
よびその製造方法について詳細に説明する。本発明は全
芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステルカーボ
ネートと、該全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリ
エステルカーボネートに対し、0.01〜30ppmの
青味着色剤とからなり2mm厚成形板のYI値(イエロ
ーインデックス)が−5以上5以下であることを特徴と
する樹脂組成物であり、好ましくはYI値は−3以上3
以下である。
【0007】本発明に使用される全芳香族ポリエステル
は、実質的に線状のポリマーであって、下記構成単位
(I)
【0008】
【化3】
【0009】[上記式中A1は置換または未置換の芳香族
基であり、A2及びA3は各々独立に置換又は未置換のベ
ンゼン環基である。またXは下式群(II)
【0010】
【化4】
【0011】から選ばれる基を表わす。ここでR1
2、R3およびR4は、各々独立に水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜6のシク
ロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭
素数7〜12のアラルキル基から選ばれる。qは4〜1
0の整数を示す。ただし複数個のR3およびR4は同一で
あっても異なっていても良い。]からなるポリマーであ
る。ここで、上記式中(I)中のA1は置換または未置換
の芳香族基であり、具体的にはp−フェニレン基、m−
フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基、ジフェ
ニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルイ
ンダン基等の炭素数6〜20の芳香族基をあげることが
出来る。また該芳香族基は、水素の一部または全部がメ
チル基等の炭素数1〜3のアルキル基やフッ素、塩素、
臭素等のハロゲン原子等で置換されてもよい。また、該
芳香族基は単独で用いても、複数を同時に用いてもよ
い。なかでも良好な非晶性ポリマーを得る上で、特に、
p−フェニレン基とm−フェニレン基を同時に用いるこ
とが好ましい。
【0012】また、A2及びA3は各々独立の置換又は未
置換の芳香族基であり、p−フェニレン基またはm−フ
ェニレン基が好ましい。該置換又は未置換の芳香族基
は、水素の一部または全部が、メチル基等の炭素数1〜
3のアルキル基や、塩素、フッ素等のハロゲン原子等の
置換を有していてもよい。これらの中で好ましいのは未
置換のp−フェニレン基である。
【0013】またXは上式群(II)から選ばれる基を表
わす。ここでR1、R2、R3およびR4は、各々独立に水
素原子、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル
基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5
または6のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基
等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基等の炭素
数7〜12のアラルキル基から選ばれる。qは4〜10
の整数を示す。ただし複数個のR3およびR4は同一であ
っても異なっていても良い。
【0014】また、全芳香族ポリエステルカーボネート
は、上記構成単位(I)および下記構成単位(III)
【0015】
【化5】
【0016】からなるポリマーである。ここで、上記式
(III)中のA2、A3、およびXは、上記式(I)中のA
2、A3、およびXと同じである。
【0017】構成単位(I)100モルに対する構成単
位(III)の含有量は好ましくは90モル以下である。
90モルより高いと得られたポリマーの耐熱性が低下し
好ましくない。好ましくは80モル以下、さらに好まし
くは60モル以下の範囲である。本発明に用いられるポ
リマーとしては、得られる樹脂組成物の色調の観点か
ら、全芳香族ポリエステルカーボネートが特に好まし
い。
【0018】本発明に用いられる全芳香族ポリエステル
または全芳香族ポリエステルカーボネートの2mm厚成
型板のYI値が20以下で無ければならない。該YI値
が20以上の場合、得られる樹脂組成物の明度が悪くな
り、透明性が劣る。該YI値の下限は特に限定するもの
ではないが、実質上1である。これ以上低いと青味着色
剤の添加効果が少ない。好ましくは、2以上18以下で
ある。
【0019】該全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポ
リエステルカーボネートの製造方法は特に限定されるも
のではなく、従来公知のいずれの方法を用いても良い。
例えば、(i)ホスゲン及びジカルボン酸ジクロライド
を塩化メチレン等の有機溶媒中に溶解し、芳香族ジヒド
ロキシ化合物のアルカリ水溶液と接触させる界面重合
法、(ii)エステル交換法により芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステル及び芳香族ジカルボン酸ジエステ
ル類を溶融状態で重合する溶融重合法、(iii)エステ
ル交換法により芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テル及び芳香族ジカルボン酸を溶融状態で重合する溶融
重合法、(iv)エステル交換法により芳香族ジヒドロキ
シ化合物誘導体と炭酸ジエステル及び芳香族ジカルボン
酸を溶融状態で重合する溶融重合法などが挙げられる。
この中でも、重合工程において、青み着色剤が添加可能
である溶融重合方法を用いることが好ましい。更には、
ポリマーの色相の観点から(iii)エステル交換法によ
り芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル及び芳香
族ジカルボン酸を溶融状態で重合する溶融重合法を用い
ることが最も好ましい。
【0020】最も好ましい製造方法とは、更に具体的に
は、芳香族ジカルボン酸(a)、芳香族ジヒドロキシ化
合物(b)及びジアリールカーボネート(c)との溶融
重合生成物である。芳香族ジカルボン酸(a)として
は、下記式(IV) HOOC−A1−COOH (IV) で表わされる芳香族ジカルボン酸(a)が使用される。
ここで上記式(IV)中のA 1は上記式(I)における定義と
同じである。具体的には芳香族ジカルボン酸(a)は、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、メチルテレフタル
酸、メチルイソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレ
ン−1,4−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、ジフェニルインダンジカルボン酸などを
挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は単
独で用いても良く、複数を同時に用いてもよい。特に、
テレフタル酸とイソフタル酸を同時に用いることが好ま
しい。その場合、テレフタル酸とイソフタル酸の割合
は、モル%で10/90〜90/10が好ましい。芳香
族ジヒドロキシ化合物(b)としては、下記式(V) HO−A2−X−A3−OH (V) で表わされるものである。ここで、上記式(V)中のA
2、A3、Xは上記式(I)における定義と同じである。
このような芳香族ジヒドロキシ化合物(b)としては、
ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン等を挙げることができる。これらのうち
ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパンが好ましい。また、これら芳香族ジヒドロキシ
化合物は、単独でまたは複数を一緒に用いてもよい。ジ
アリールカーボネート(c)としては、下記式(VI)
【0021】
【化6】
【0022】[上記式(VI)中の2つのR8は、それぞ
れ、互いに同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、カルボキシル基、エステル基、あるいは炭
素数1〜6のアルキル基をあらわす。] で表される化合物である。上記式中のR8は具体的には
水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;水酸
基;カルボキシル基;メチルエステル基、エチルエステ
ル基等の炭素数1〜6のエステル基;メチル基、エチル
基、プロピル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基等で
置換されていてもよい。このようなジアリールカーボネ
ート(c)としては、例えば、ジフェニルカーボネー
ト、ジ−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェ
ニルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート等が挙げられるが、これら
のうちでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。こ
れらのジアリールカーボネートは単独で用いても、複数
を同時に用いてもよい。
【0023】上記化合物(a)、(b)、(c)から全
芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステルカーボ
ネートを製造する場合、下記式(1)、(2) 0.1≦A/B≦1.1 (1) 0.95≦C/(A+B)≦1.05 (2) が同時に成立するようなモル割合で使用するのが好まし
い。ここで、上記式(1)、(2)中、Aは芳香族ジカ
ルボン酸(a)、Bは芳香族ジヒドロキシ化合物
(b)、Cはジアリールカーボネート(c)の使用する
各モル数である。上記式(1)が下記式(1)−a 0.95≦A/B≦1.1 (1)−a である時、得られるポリマーは高々5%以下でしか構成
単位(III)を含まず、実質的に全芳香族ポリエステル
である。また、上記式(1)が下記式(1)−b 0.1≦A/B<0.95 (1)−b である時、実質的に得られるポリマーは、全芳香族ポリ
エステルカーボネートである。さらに、本発明に使用さ
れる全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステル
カーボネートを製造する場合、上記化合物(a)、
(b)、(c)と共に、物性を損なわない範囲で、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン
二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪
(環)族ジカルボン酸およびそのエステル成形性誘導
体;エチレングリコール、トリメチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールなど脂肪(環)族ジオール及びそのエステル形
成性誘導体;ハイドロキノン、4,4‘−ジヒドロキシ
ビフェニル等の上記式(V)以外の芳香族ジヒドロキシ
化合物及びそのエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ
安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−
2−ナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸及びそのエス
テル形成性誘導体などを1種または2種以上共重合して
も構わない。
【0024】また、触媒としては、本発明者らの1部が
特開平7−133345号公報において提案した特定の
ピリジン化合物を用いることが好ましい。例えば、4−
ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジ
ン、4−ピリジノピリジン、4−ピペリジノピリジン、
4−ピロリノピリジン、2−メチル−4−ジメチルアミ
ノピリジン等を挙げることができるが、これらに限定さ
れない。これらの化合物は単独で用いても良く、また、
2種以上を組み合わせても良い。これら特定のピリジン
化合物触媒の使用量は特に制限は無いが、芳香族ジヒド
ロキシ化合物(b)に対して0.001〜10モル%の
量とすることが好ましい。特に好ましくは0.005〜
1モル%の量である。また触媒として上記ピリジン化合
物と共に従来公知のエステル交換触媒を用いても良い。
これらのエステル交換触媒としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、スズ、アンチモン、亜鉛、コ
バルト、ニッケル、ゲルマニウム等の単体、酸化物、水
酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩等の無機酸塩類、有機酸
塩類、錯塩等が挙げられる。これら従来公知のエステル
交換触媒の使用量は特に制限は無いが、芳香族ジヒドロ
キシ化合物(b)に対して0.001〜1.0モル%の
量とすることが好ましい。より好ましくは、0.005
〜0.1モル%である。本発明に使用される全芳香族ポ
リエステルまたは全芳香族ポリエステルカーボネートを
溶融重合する際の重合温度は260〜400℃とするこ
とが好ましい。ここで、重合温度とは重合後期あるいは
その終了時における温度を意味する。重合温度が260
℃よりも低いとポリマーの溶融粘度が高くなり、重合速
度が充分に上がらないため、高重合度のポリマーを得る
ことができず、また400℃よりも高いとポリマーの劣
化等が生じ易くなり好ましくない。好ましくは、280
〜380℃である。本発明に使用される全芳香族ポリエ
ステルまたは全芳香族ポリエステルカーボネートを溶融
重合する際、重合反応の初期は比較的低温とし、これを
徐々に昇温して最終的に上記重合温度にすることが好ま
しい。この際の重合反応の初期反応温度は好ましくは1
60〜320℃である。この最終的な重合温度が高いと
得られる全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエス
テルカーボネートの2mm厚成形板のYI値が大きくな
るので、可能な限り低いほうが好ましい。この重合反応
は常圧下、または減圧下で実施される。また、常圧下実
施する際には窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行い、減圧下実施する際には窒素、アルゴ
ン、炭酸ガスなどの不活性ガスで置換した後、減圧下に
して実施することが好ましい。重合反応時間は特に制限
は無いが、だいたい1〜20時間程度である。
【0025】本発明に用いられる青味着色剤とは、多芳
香族環系染料又は顔料であるアントラキノン系、フタロ
シアニン系、トリアゾール系などの青色の有機染料及び
/又は顔料である。耐熱性の観点から、好ましくはアン
トラキノン系及び/又はフタロシアニン系有機染料/顔
料が用いられる。中でもアントラキノン系染料及びフタ
ロシアニン系染料が耐熱性などの観点から好ましい。こ
れらの該青み着色剤の具体例としては、 一般名、Solvent Violet 13 [CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標
名、バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、
三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工
業製「スミプラストバイオレットB」] 一般名;Solvent Violet 31 [CA.No68210;商標名、三菱化学(株)製「ダイ
アレジンバイオレットD」] 一般名;Solvent Violet 33 [CA.No60725;商標名、三菱化学(株)「ダイア
レジンブルーJ」] 一般名;Solvent Blue 94 [CA.No61500;商標名、三菱化学(株)製「ダイ
アレジンブルーN」] 一般名;Solvent Violet 36 [CA.No68210;商標名、バイエル社製「マクロ
レックスバイオレット3R」] 一般名;Solvent Blue 97 [商標名、バイエル社「マクロレックスブルーRR」] 一般名;Solvent Blue 45 [CA.No61110;商標名、サンド社製「テトラゾ
ールブルーRLS」] その他チバスペシャリティーケミカルズ社のマクロレッ
クスバイオレットやトリアゾールブルーRLS、大日精
化工業製のシアニンブルー4933GN−EPなどがあ
げられる。上記リスト中CA.Noとはケミカルアブス
トラクトにおける番号を示す。これらのうち、下記式
(A)―1
【0026】
【化7】
【0027】で表される化合物すなわちSolvent
Violet 13、及び下記式(A)−2
【0028】
【化8】
【0029】で表わされる化合物すなわちシアニンブル
ー4933GN−EPが特に好ましい。
【0030】該青味着色剤の使用量は全芳香族ポリエス
テルまたは全芳香族ポリエステルカーボネートに対し
0.01〜30ppmである。0.01ppm以下では
色調の改善効果が少なく、30ppm以上では青色に着
色されてしまい、かつ透明性が損なわれる。好ましくは
0.01〜20ppmであり、より好ましくは0.01
ppm以上10ppm未満である。また、これら青味着
色剤を1種または2種以上併用して用いることができ
る。
【0031】さらに本発明においては目的となる透明
性、色調に影響を及ぼさない範囲内で他の樹脂や添加剤
を加えても良い。他の樹脂とは具体的にはポリカーボネ
ート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、水素化
ポリスチレン、ポリスルホン、上述の説明に含まれてい
ない全芳香族ポリエスエル若しくは全芳香族ポリカーボ
ネート等が挙げられる。他の添加剤としては具体的には
酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑
剤、有機充填剤等が挙げられる。
【0032】本発明の樹脂組成物を製造する為の方法に
特に制限は無く、通常の方法が満足に使用できる。その
なかでも、一般に溶剤に溶解し混合する方法や溶融混合
法が好ましい。また、溶融混合する際、直接青味着色剤
を添加する方法に限らず、高濃度に青味着色剤を含む樹
脂組成物(いわゆるマスターポリマー)を少量添加する
方法を用いても良い。溶融混合する際に用いられる装置
としては、公知のタンブラー、V型ブレンダー、スーパ
ーミキサー、ナウターミキサー、押し出し機、バンバリ
ーミキサー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げら
れる。更には、ポリマー重合途中に青味着色剤を添加
し、溶融混合することも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のような本発明の方法によれば、耐
熱性、さらに著しく色調に優れた樹脂組成物を得ること
ができる。また、これらの樹脂組成物は、液晶ディスプ
レイ、タッチパネル等ディスプレイ関連フィルム、プリ
ズムシートといったシート材用途、自動車のライト用レ
ンズなど各種の無色透明性を要求される光学的用途に好
適に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳述するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。なお、例中の「部」は特に断らない限り
「重量部」を意味する。また、還元粘度は、フェノール
/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比
60/40)中、1.2g/100mlの濃度で、温度
35℃においてウベローデ粘度計で測定した値であり、
ポリマーのガラス転移温度はDSC(TA Instr
uments製2920型)を用い、10℃/minの
昇温速度にて測定した値である。また、ポリマー2mm
厚成形板のYI値(イエローインデックス)はSHIM
ADZU製のUV−2400PCを用い測定した。ま
た、ポリマー2mm厚成形板の全光線透過率(TT)は
日本電色工業製のヘイズメーターNDH−2000を用
いて測定した。ポリマーの色調及び透明性の判定として
はYI値が−5以上5以下かつTTが70以上を合格と
した。
【0035】[全芳香族ポリエステルカーボネート1
(PEC1)の合成例]テレフタル酸58.15部、イ
ソフタル酸24.92部、ビスフェノールA125.5
6部、ジフェニルカーボネート224.93部、ジメチ
ルアミノピリジン0.061部を攪拌装置及び窒素導入
口を備えた真空留出系を有する反応容器に入れ、200
℃、40.0kPa(300mmHg)で反応を開始し
た。即ちこの時、数式(1)のA/Bの値は0.91で
あり、数式(2)の(A+B)/Cの値は1.0であっ
た。1時間後、220℃に昇温して、昇温を確認した
後、26.7kPa(200mmHg)とした。反応開
始から3時間後、原料が均一に溶解していることを確認
した。
【0036】その後さらに昇温、減圧し、反応開始から
5時間後、系内の最終重合温度を320℃、40Pa
(0.3mmHg)とした。同条件にて1時間重合を行
い、非晶性のポリエステルを得た。
【0037】得られたポリマー(PEC1)は還元粘度
0.72dL/gであり、シリンダー温度340℃、金
型温度100℃にて射出成形して得られた2mm厚成形
板のYI値は10であった。
【0038】[全芳香族ポリエステルカーボネート2
(PEC2)の合成例]テレフタル酸58.15部、イ
ソフタル酸24.92部、ビスフェノールA125.5
6部、ジフェニルカーボネート224.93部、ジメチ
ルアミノピリジン0.061部を攪拌装置及び窒素導入
口を備えた真空留出系を有する反応容器に入れ、200
℃、40.0kPa(300mmHg)で反応を開始し
た。即ちこの時、数式(1)のA/Bの値は0.91で
あり、数式(2)の(A+B)/Cの値は1.0であっ
た。1時間後、220℃に昇温して、昇温を確認した
後、26.7kPa(200mmHg)とした。反応開
始から3時間後、原料が均一に溶解していることを確認
した。
【0039】その後さらに昇温、減圧し、反応開始から
5時間後、系内の最終到達温度を350℃、40Pa
(0.3mmHg)とした。同条件にて0.5時間重合
を行い、非晶性のポリエステルを得た。
【0040】得られたポリマー(PEC2)は還元粘度
0.74dL/gであり、シリンダー温度340℃、金
型温度100℃にて射出成形して得られた2mm板のY
I値は29であった。
【0041】[全芳香族ポリエステル1(PAR1)の
合成例]テレフタル酸58.15部、イソフタル酸2
4.92部、ビスフェノールA114.14部、ジフェ
ニルカーボネート214.22部、ジメチルアミノピリ
ジン0.061部を攪拌装置及び窒素導入口を備えた真
空留出系を有する反応容器に入れ、200℃、40.0
kPa(300mmHg)で反応を開始した。即ちこの
時、数式(1)のA/Bの値は1.0であり、数式
(2)の(A+B)/Cの値は1.0であった。1時間
後、220℃に昇温して、昇温を確認した後、26.7
kPa(200mmHg)とした。反応開始から3時間
後、原料が均一に溶解していることを確認した。
【0042】その後さらに昇温、減圧し、反応開始から
5時間後、系内の最終到達温度を320℃、40Pa
(0.3mmHg)とした。同条件にて1時間重合を行
い、非晶性のポリエステルを得た。
【0043】得られたポリマー(PAR1)は還元粘度
0.69dL/gであり、シリンダー温度340℃、金
型温度100℃にて射出成形して得られた2mm板のY
I値は13であった。
【0044】[実施例1〜7及び比較例1〜4]上記ポ
リマーPEC1、PEC2、PAR1に対し、Solv
ent violet 13又はシアニンブルー493
3GN−EPを表1の成分で添加し、シリンダー温度3
40℃、金型温度100℃で射出成形し、2mm厚の成
形板を得た。これらの組成とその成形板のYI値及び全
光線透過率を測定した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 俊一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J002 CF161 CG041 EE056 EN066 EU026 FD096

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全芳香族ポリエステルまたは全芳香族ポ
    リエステルカーボネートと、該全芳香族ポリエステルま
    たは全芳香族ポリエステルカーボネートに対し、0.0
    1〜30ppmの青味着色剤とからなり2mm厚成形板
    のYI値が−5以上5以下であることを特徴とする樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 該該全芳香族ポリエステルまたは全芳香
    族ポリエステルカーボネートの2mm厚成形板のYI値
    が20以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 該青味着色剤がアントラキノン系、フタ
    ロシアニン系青味着色剤であることを特徴とする請求項
    1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 該青味着色剤が下記式(A)―1 【化1】 で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 該青味着色剤が下記式(A)−2 【化2】 で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 該青味着色剤が該全芳香族ポリエステル
    または全芳香族ポリエステルカーボネートに対し、0.
    01ppm以上10ppm未満であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 樹脂成分が溶融重合による得られる全芳
    香族ポリエステルまたは全芳香族ポリエステルカーボネ
    ートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 樹脂成分が芳香族ジカルボン酸、芳香族
    ジヒドロキシ化合物、及びジアリールカーボネートを原
    料とし、溶融重合により得られる全芳香族ポリエステル
    または全芳香族ポリエステルカーボネートであることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 樹脂成分が全芳香族ポリエステルカーボ
    ネートであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 還元粘度が0.5dL/g以上である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    該樹脂組成物。
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