JP2002347641A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002347641A
JP2002347641A JP2001153152A JP2001153152A JP2002347641A JP 2002347641 A JP2002347641 A JP 2002347641A JP 2001153152 A JP2001153152 A JP 2001153152A JP 2001153152 A JP2001153152 A JP 2001153152A JP 2002347641 A JP2002347641 A JP 2002347641A
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steering
neutral position
motor
rotation angle
electric power
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JP2001153152A
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Hiroyuki Kondo
啓之 近藤
Hideki Touzu
秀起 東頭
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 舵取機構の各部のギャップの影響による中立
位置の経時的な狂いを解消する。 【解決手段】 操舵トルクTが不感帯トルクΔT内にあ
り、車速Vが零である条件下において、操舵補助用のモ
ータ4の連続駆動により舵取機構を両側の動作端間にて
移動させ、一方の動作端におけるモータ4の回転角検出
値a、他方の動作端におけるモータ4の回転角検出値
b、及び両動作端間の回転数dを取込み、これらを用い
て両動作端の中点としての中立位置hを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータの回転力を
舵取機構に加えて操舵補助する構成とした電動パワース
テアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】舵取り操作のために舵輪(ステアリング
ホイール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づい
て操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を舵
取機構に加えて操舵を補助する構成とした電動パワース
テアリング装置は、操舵補助力の発生源として油圧アク
チュエータを用いる油圧パワーステアリング装置と比較
して、車速の高低,操舵の頻度等、走行状態に応じた補
助力特性の制御が容易であるという利点を有しており、
近年、その適用範囲が拡大する傾向にある。
【0003】操舵補助用のモータは、前記操舵トルクの
検出結果の大小に応じて駆動電流を増減する電流制御に
より駆動されており、車速の高低、操舵の頻度等の走行
状態に応じた補正は、夫々の検出結果に基づいて定めた
補正電流を前記駆動電流に付加することにより実現され
ている。また前記モータの制御は、操舵トルクの検出値
が所定の不感帯トルク内にある間には行わず、例えば、
高速での直進走行中における舵輪の「遊び」操作に応じ
て操舵補助がなされ、車両のふらつきが発生することを
防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような、電動パワ
ーステアリング装置の難点は、舵取機構の周辺への配設
が可能なサイズ(小サイズ)と、十分な大きさの補助力
の発生(大出力)とを併せて実現し得る操舵補助用のモ
ータが得難いところにあり、この難点を解消するため従
来から、前記モータの出力端に遊星歯車減速機等の減速
手段を備え、該減速手段により前記モータの回転を減速
(増力)して舵取機構に伝えるようにしている。
【0005】ところが、以上の如き減速手段を配した場
合、操舵補助用のモータの慣性が増幅されて舵取機構に
加わるため、例えば、適宜の操舵状態から直進状態への
復帰のために舵輪から手を離したとき、路面からの作用
力による舵取機構の中立位置(操向用の車輪が正しく直
進方向に向いた位置)への復帰が、前記慣性の作用によ
り遅れ、操舵感の悪化を招くという問題がある。
【0006】この問題を解消するため従来から、操舵補
助用のモータの慣性を逐次算出し、この慣性を相殺する
ために必要な慣性補償電流を求め、操舵トルクが不感帯
トルク内にあり、舵取機構の動作位置が中立位置から外
れているとき、前記慣性補償電流により操舵補助用のモ
ータを駆動し、中立復帰を補助する戻し制御が行われて
いる。
【0007】このような戻し制御を実施するためには、
舵取機構の動作位置が中立位置にあるか否かを判定する
必要があり、従来においては、舵取機構の適宜位置に中
立位置検出のための中立センサを配し、該中立センサが
出力が予め設定された所定値となったとき中立位置にあ
るとする中立判定が行われている。
【0008】しかしながら、前記中立センサが配設され
る舵取機構の各部には、種々の機械的なギャップが存在
しており、このギャップは、操舵の繰り返しにより変化
することがあり、このようなギャップ変化が生じた場
合、前述した中立判定の結果に基づく戻し制御により実
現される中立位置に経時的な誤差が生じ、直進性の悪化
を招来する虞れがあった。
【0009】また前記中立センサは、中立位置の検出の
ためにのみ用いられる専用のセンサであり、このような
センサの配置、及び初期調整のための装置コストの増大
を招くという問題があった。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、舵取機構各部のギャップの経時的な変化に伴う
中立位置の誤差を解消し、長期に亘って高精度の戻し制
御を行わせ得ると共に、このための専用のセンサを必要
としない電動パワーステアリング装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
電動パワーステアリング装置は、車両の舵取機構に操舵
補助力を加えるモータと、該モータの回転角度を検出す
るモータ回転角検出手段とを備え、該モータ回転角検出
手段の検出角度を参照しつつ前記モータを、舵輪に加わ
る操舵トルクの検出結果に基づいて駆動制御する電動パ
ワーステアリング装置において、前記モータの連続駆動
により、前記舵取機構を一側の動作端まで動作させ、次
いで他側の動作端まで反転動作させる制御手段と、前記
反転動作の開始及び終了時点における前記モータ回転角
検出手段の検出角度を用い、前記舵取機構の中立位置を
算出する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】本発明においては、例えば、イグニッショ
ンキーのオン操作時に操舵補助用のモータを連続駆動
し、舵取機構を一側の動作端から他側の動作端にまで動
作させて、夫々の動作端における前記モータの回転角検
出手段の検出角度を読み取り、これらの結果を用いてそ
の時点における舵取機構の中点位置を算出し、以降の戻
し制御に使用する。
【0013】また本発明の第2発明に係る電動パワース
テアリング装置は、前記車両が走行中であるとき、又は
前記操舵トルクの検出結果が所定値以上であるとき、第
1発明における制御手段の動作を禁じる構成としてある
ことを特徴とする。
【0014】この発明においては、車両が走行している
間、又は不感帯トルクを超える操舵トルクが検出されて
いる間には、中点位置を算出するための舵取機構の連続
動作を禁じ、この動作に伴う危険な舵取りがなされるこ
とを防止する。
【0015】また本発明の第3発明に係る電動パワース
テアリング装置は、第1又は第2発明の制御手段の動作
開始を指示する操作手段を備えることを特徴とする。
【0016】この発明においては、中点位置を算出する
ための舵取機構の連続動作を、例えば、運転席に配した
操作スイッチ等の操作手段が操作されたことを条件とし
て開始させ、運転者の望まない時期に中点位置の算出動
作がなされないようにする。運転者は、日々の運転によ
り直進性の悪化を体感したとき前記操作手段を操作すれ
ばよい。
【0017】更に本発明の第4発明に係る電動パワース
テアリング装置は、第1〜第3発明の制御手段が動作中
であることを表示する表示手段を備えることを特徴とす
る。
【0018】この発明においては、中点位置を算出する
ための舵取機構の連続動作中に、動作中であることを、
ランプの点灯、文字メッセージの表示、ブザーの鳴動等
の適宜の表示手段により表示し、運転者に無為な不安を
抱かせないようにする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動
パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図であ
り、本図に示す如く、舵取り操作用の舵輪(ステアリン
グホイール)1と、舵取り動作を行う舵取機構2とを連
結する操舵軸10の中途に、前記舵輪1に加わる操舵トル
クを検出するトルクセンサ3と操舵補助用のモータ4と
を配し、本発明に係る電動パワーステアリング装置が構
成されている。
【0020】前記舵輪1は、図示しない車室の内部に着
座した運転者に対向するように、前記操舵軸10の上端に
同軸的に嵌着固定されており、該操舵軸10は、運転者に
よる舵輪1の回転操作に応じて軸回りに回転するように
なしてある。
【0021】前記舵取機構2は、前記操舵軸10の下端に
一体形成されたピニオン20と、これに噛合するラック軸
21とを備えるラックピニオン式の舵取機構として構成さ
れている。ラック軸21は、図示しない車両の前部に、左
右方向への摺動自在に延設してあり、該ラック軸21の左
右両端は、各別のタイロッド22,22を介して操向用の車
輪(一般的には前輪)23,23に連結されている。
【0022】この構成により、舵輪1の操作に応じた操
舵軸10の回転が、これの下端のピニオン20に噛合するラ
ック軸21の摺動に変換され、この摺動が、左右両端のタ
イロッド22,22を介して操向用の車輪23,23に伝えら
れ、これらの車輪23,23の向きが舵輪1の操作方向に変
更されて操舵が行われる。
【0023】このような操舵を補助するモータ4は、前
記操舵軸10の中途部に、該操舵軸10と軸心を交叉させて
配設され、その出力端に固着されたウォーム40が、前記
操舵軸10の中途部に嵌着固定されたウォームホイール41
に噛合させてある。この構成により前記モータ4の回転
は、ウォーム40及びウォームホイール41による減速を経
て操舵軸10に伝達され、該操舵軸10の下端に設けたピニ
オン20に回転力が付与され、この回転に応じて前述の如
く行われる舵取りが補助される。
【0024】なお操舵補助用のモータ4は、例えば、ラ
ック軸21の中途部にこれと平行をなして配し、その回転
を、ボールねじ、ラック・ピニオン等の運動変換機構を
介してラック軸21に伝え、該ラック軸21に摺動力を付与
する構成とする等、図1に示す位置に限らず、操舵軸10
を含む舵取機構2周辺の適宜位置に配設することが可能
である。
【0025】以上の如き舵取り動作中に前記舵輪1に加
わる操舵トルクを検出するトルクセンサ3は、前記モー
タ4の配設位置よりも舵輪1側の操舵軸10の中途部をト
ーションバーを介して同軸上に連結された上部軸と下部
軸とに分割し、これら両軸間に、前記操舵トルクの作用
によるトーションバーの捩れを伴って相対角変位を生ぜ
しめ、該相対角変位を媒介として前記操舵トルクを検出
する公知の構成を有している。
【0026】このようなトルクセンサ3により検出され
る操舵トルクは、操舵補助用のモータ4を制御するアシ
スト制御部5に与えられている。CPU、ROM及びR
AMを備えるアシスト制御部5には、更に、前記モータ
4の回転角度を検出する回転角センサ30の検出結果と、
本発明に係る電動パワーステアリング装置が備えられた
車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ31の検出
結果とが与えられている。またアシスト制御部5の出力
は、前述の如く配された操舵補助用のモータ4に与えら
れている。
【0027】アシスト制御部5のROMには、種々の車
速下において操舵トルクとアシスト電流との関係を示す
テーブルが記憶させてあり、アシスト制御部5は、車速
センサ31の検出結果に基づいて対応するテーブルを読み
出し、このテーブル上にトルクセンサ3による検出トル
クを適用して、予め設定された不感帯トルクを超える検
出トルクに対してアシスト電流を求め、求められたアシ
スト電流により操舵補助用のモータ4を駆動せしめるア
シスト制御動作を行う。
【0028】この間、前記回転角センサ30により検出さ
れるモータ4の回転角度は、該モータ4内部の回転磁界
の形成タイミングを知るべく用いられている。回転角セ
ンサ30としては、耐久性に優れ、取り扱いが容易なレゾ
ルバが用いられており、該レゾルバの出力は、公知の処
理により1回転当り所定数のディジタル信号に変換され
てアシスト制御部5に与えられている。
【0029】またアシスト制御部5においては、以上の
如きアシスト制御動作に加えて、舵取機構2の中立復帰
を補助するための戻し制御動作が行われている。この戻
し制御動作は、前記回転角センサ30の検出結果の差分演
算により操舵補助用のモータ4の回転角加速度を求め、
この結果を用いて前記モータ4の慣性を逐次算出し、こ
の慣性を相殺するために必要な慣性補償電流を求めて、
トルクセンサ3により検出される操舵トルクが前記不感
帯トルク内にあり、舵取機構2の動作位置が中立位置
(操向用の車輪23,23が直進方向に向いた位置)から外
れているとき、前記慣性補償電流により操舵補助用のモ
ータ4を駆動し、前記中立位置への復帰を補助すべく行
われている。
【0030】以上の如き戻し制御においては、舵取機構
2の動作位置が中立位置にあるか否かの判定(以下中立
判定という)が必要である。本発明に係る電動パワース
テアリング装置においては、この中立判定もまた、前記
回転角センサ30の検出結果を用いて行われており、更に
中立判定に用いる舵取機構2の中立位置を、以下に示す
手順によりアシスト制御部5において適宜算出し、この
結果に基づいて更新することにより、舵取機構2の各部
のギャップの変化に伴う中立位置の経時的な狂いを解消
し、長期に亘って高精度の戻し制御を行わせ得るように
してある。
【0031】図2は、中立位置の算出及び更新手順を示
すフローチャートである。アシスト制御部5は、図示し
ないエンジン起動のためのイグニッションキーのオン操
作に応じて動作を開始し、この開始直後に、前記トルク
センサ3による検出トルクTの絶対値が予め設定された
不感帯トルクΔT以下であるか否かを判定し(ステップ
1)、次いで車速センサ31による検出車速Vが零である
か否かを判定する(ステップ2)。
【0032】以上の判定の結果、|T|>ΔT又はV≠
0であると判定された場合、即ち、舵輪1の操作がなさ
れている又は車両が走行中であると判定された場合に
は、ステップ3以降の中立位置の算出及び更新を行うこ
となくステップ12に進み、前述した戻し制御を含むアシ
スト制御動作を実行する。
【0033】これに対し、ステップ1において|T|≦
ΔTであり、ステップ2においてV=0であると夫々判
定された場合、即ち、舵輪1に有為な操舵トルクが加え
られておらず、しかも車両が走行していないと判定され
た場合、アシスト制御部5は、操舵補助用のモータ4を
正転駆動し(ステップ3)、該モータ4の回転力により
舵取機構2を同側の動作端に至るまで動作させ(ステッ
プ4)、動作端への到達確認後、そのときの回転角セン
サ30の検出値aを取り込む(ステップ5)。以上の動作
において、舵取機構2の動作端への到達は、モータ4の
回転が停止することにより確認することができる。
【0034】次いでアシスト制御部5は、回転角センサ
30からの入力を監視しつつ操舵補助用のモータ4を逆転
駆動し(ステップ6)、舵取機構2を他側の動作端に至
るまで反転動作させ(ステップ7)、動作端への到達確
認後、そのときの回転角センサ30の検出値bと到達まで
の間の回転数dとを取込む(ステップ8)。
【0035】その後、アシスト制御部5は、両側の動作
端において得られた検出値a及びbと、反転動作の間の
回転数dと、回転角センサ30として用いられているレゾ
ルバ1回転当りの信号数c(既知数)とを用い、両動作
端間の中点として与えられる中立位置hを算出する(ス
テップ9)。
【0036】図3は、中立位置h、より詳しくは、回転
角センサ30として用いられているレゾルバの中立位置に
おける検出値(レゾルバ値)の算出方法の説明図であ
り、舵取機構2の動作ストロークと前記各値a〜dとの
関係を示している。
【0037】図の右端における回転角センサ30の検出値
a、即ち、レゾルバの出力値は、左端へ向かうに従って
増大し、一旦0値に戻った後再度増大して、総計の信号
数が前記cとなった時点において最初の検出値aに戻
る。その後、同じ検出値aが複数回出現し、左端におい
て検出値bが得られることとなり、この間の回転数d
は、最初の検出値aの出現回数として与えられる。
【0038】このとき、左又は右端から中立位置までの
レゾルバ信号のカウント数eは、右端での検出値aと左
端での検出値bとの大小関係に応じて、夫々下式により
算出される。
【0039】b≧aである場合、図3(a)に示す如
く、右端から左端までの間の総カウント数は、最後に検
出値aが得られるまでの回転数dに1回転当りのカウン
ト数cを乗じた結果にbからaを減じた差を加えた値と
して与えられるから、中立位置までのカウント数eは、
下式により求められる。
【0040】e=(cd+b−a)/2 …(1)
【0041】b<aである場合、図3(b)に示す如
く、右端から左端までの間の総カウント数は、最後に検
出値aが得られるまでの回転数dに更に1回転を加えた
回転数(d+1)に1回転当りのカウント数cを乗じ、
この結果から、aからbを減じた差を減じた値として与
えられるから、中立位置までのカウント数eは、下式に
より求められる。
【0042】 e={c(d+1)−(a−b)}/2 …(2)
【0043】従って、中立位置までのレゾルバ回転数g
は、
【0044】 g=(e/c)−mod f(e/c,p) …(3)
【0045】となる。この式中、mod f(e/c,p)
は、商e/cの小数部分を示している。このとき、中立
位置h、即ち、中立位置でのレゾルバ値は、下式により
与えられる。
【0046】h=b−f mod(e,c) …(4)
【0047】この式中、f mod(e,c)は、商e/c
の余りを示している。
【0048】ステップ9における中立位置hの算出は、
前記(1)〜(4)式を用いて行われる。次いでアシス
ト制御部5は、算出された中立位置hと中立位置の記憶
値Hとを比較し、両者の差が所定の誤差ΔHの範囲内に
あるか否かを調べ(ステップ10)、誤差範囲内にある場
合、中立位置の記憶値Hを算出された中立位置hに更新
し(ステップ11)、また誤差範囲外にある場合、現状に
おける中立位置の記憶値Hをそのまま維持してステップ
12に進み、戻し制御を含むアシスト制御動作を実行す
る。
【0049】前記戻し制御は、逐次取り込まれる回転角
センサ30の検出値を中立位置Hと比較する中立判定を行
い、中立位置から外れていると判定されたとき、中立位
置への復帰を補助すべく、前述の如く算出される慣性補
償電流により操舵補助用のモータ4を駆動して行われ
る。このとき、中立判定に使用される中立位置Hが前述
した手順により逐次更新されるから、舵取機構2の各部
に存在する機械的なギャップの経時的な変化に伴う中立
位置の狂いの影響を受けることなく、長期に亘って高精
度の戻し制御を行わせることができる。
【0050】中立位置Hの更新前におけるステップ10の
判定は、前述の如く算出される中立位置hの正否を調べ
るために行われる。中立位置の変化は、前述の如く、機
械的なギャップの経時的な変化に起因するものであり、
算出された中立位置hと現状の中立位置Hとが大きく異
なる場合、即ち、|H−h|>ΔHである場合、算出結
果に誤りがあると判定し、中立位置Hの更新を行わせな
いようにしている。
【0051】ステップ1及びステップ2の判定は、イグ
ニッションキーのオン操作後、直ちに運転が開始された
とき、ステップ3〜ステップ11における中立位置の算
出,更新動作を行わせないために必要である。中立位置
の算出,更新動作においては、前述の如く、操舵補助用
のモータ4の駆動により舵取機構2が強制動作せしめら
れるが、ステップ1及びステップ2の判定により、この
ような強制動作が運転開始後に行われる虞れがなくな
る。なおこのような判定は、中立位置の算出,更新動作
中においても適宜のタイミングにて行わせ、舵輪1の操
作又は走行の開始が検出された場合に中立位置の算出,
更新動作を停止するのが望ましい。
【0052】図4は、本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の他の実施の形態の概略構成を示す模式図であ
る。本図に示す電動パワーステアリング装置において
は、前述した動作をなすアシスト制御部5の入力側に、
中立位置の算出,更新動作を行わせるべく操作される操
作手段(更新スイッチ6)が備えられ、同じくアシスト
制御部5の出力側に、中立位置の算出,更新動作中であ
ることを表示する表示部7が備えられている。その他の
構成は、図1に示す電動パワーステアリング装置と同様
であり、対応する構成部材に同一の参照符号を付して説
明を省略する。
【0053】前記更新スイッチ6は、運転者による操作
が可能なように、運転席の前面のダッシュパネルに配置
されている。また前記表示部7は、表示のために点灯さ
れる表示ランプ、メッセージ表示が可能な表示パネル、
表示のために鳴動されるブザー等、適宜の手段により構
成することができ、運転者による視認又は聴取が可能な
ように、前記更新スイッチ6と同様、運転席の前面のダ
ッシュパネルに配設されている。
【0054】図5は、図4に示す電動パワーステアリン
グ装置において行われる中立位置の算出及び更新手順を
示すフローチャートである。このフローチャートに従う
動作は、イグニッションキーのオン操作に応じたアシス
ト制御部5の動作開始後、適宜のタイミングでの割り込
み動作として行われ、アシスト制御部5は、まず、前記
更新スイッチ6のオンオフ状態を調べる(ステップ2
0)。この結果、更新スイッチ6がオフ状態にあると判
定された場合、以降の動作を行うことなく割り込み動作
を終了し、前述した戻し制御を含むアシスト制御動作を
継続する。
【0055】一方、更新スイッチ6がオン操作されてい
ると判定された場合、前記トルクセンサ3による検出ト
ルクTの絶対値が予め設定された不感帯トルクΔT以下
であるか否かを判定し(ステップ21)、また、車速セン
サ31による検出車速Vが零であるか否かを判定する(ス
テップ22)。
【0056】これらの判定の結果、|T|>ΔT、又は
V≠0であると判定された場合、即ち、舵輪1の操作が
なされている、又は車両が走行中であると判定された場
合には、以降の動作を行うことなく割り込み動作を終了
し、前述した戻し制御を含むアシスト制御動作を行う。
【0057】またステップ21,22において、|T|≦Δ
Tであり、しかもV=0であると判定された場合、即
ち、舵輪1に有為な操舵トルクが加えられておらず、し
かも車両が走行していないと判定された場合、アシスト
制御部5は、出力側の表示部7に動作指令を発し、該表
示部7に中立位置の更新動作が行われることを表示させ
(ステップ23)、その後ステップ24に進み、中立位置の
算出,更新動作を行う。ここで行われる算出,更新動作
は、図2のフローチャートにおけるステップ3〜ステッ
プ11と同等の動作であり、現状における中立位置の算
出、及びこの算出結果による中立位置Hの更新が行われ
る。
【0058】このような算出,更新動作を行った後.ア
シスト制御部5は、出力側の表示部7に解除指令を発
し、該表示部7の表示を解除せしめ(ステップ25)、割
り込み動作を終了して、前述した戻し制御を含むアシス
ト制御動作を行う。
【0059】この実施の形態においては、ステップ20の
判定により、更新スイッチ6のオン操作を条件として中
立位置の算出,更新動作が行われる。前述の如く中立位
置の算出,更新動作は、操舵補助用のモータ4の駆動に
よる舵取機構2の強制動作を伴うものであり、運転者の
意志によりなされる更新スイッチ6のオン操作を条件と
することにより、不意な舵取機構2の動作により運転者
に不安を抱かせる虞れを解消することができる。
【0060】また更新スイッチ6がオン操作された場合
であっても、ステップ21,22の判定がなされるから、通
常の走行中に更新スイッチ6が誤って操作されたとして
も、舵取機構2の強制動作を含む中立位置の算出,更新
動作が行われる虞れがなく、不意の動作による事故の発
生を防止することができる。
【0061】更に、中立位置の算出,更新動作が行われ
る場合、前記表示部7に動作中であることの表示がなさ
れるから、運転者に不安を抱かせる虞れがなく、また算
出,更新動作の終了前に運転操作が開始される虞れを回
避することができる。
【0062】なお以上の実施の形態においては、舵取機
構2の強制動作を含む中立位置の算出,更新動作を、イ
グニッションキーのオン操作直後、又は運転者による更
新スイッチ6の操作時に行わせ、更にこの動作を、操舵
トルク及び車速の検出時に禁じて運転操作に支障を来さ
ないようにしているが、何らかの原因による誤動作の発
生を完全に排除することはできない。
【0063】従って、完全な安全性を確保するために
は、前記更新スイッチ6等のモード切換え手段を運転者
による操作不能な位置に配し、車検時、定期点検時等、
1〜数か月に1回程度の頻度にて行われるメインテナン
ス作業時に、前記切換え手段をサービスマンが操作する
ことにより、中立位置の算出,更新動作を行わせる構成
とするのが望ましい。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
る電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用
のモータの連続駆動により舵取機構を一側の動作端から
他側の動作端まで動作させ、この動作の開始及び終了時
における前記モータの回転角度の検出結果を用いて舵取
機構の中立位置を算出する構成としたから、舵取機構の
各部のギャップの経時的な変化に伴う中立位置の狂いを
解消し、この中立位置を用いて行われる戻し制御を長期
に亘って高精度に行わせることが可能となり、また前記
中立位置の算出及び更新が、操舵補助用のモータの制御
に必要な回転角検出手段の検出値を使用して行われるか
ら、専用のセンサが不要であり、構成の簡素化を図るこ
とができる。
【0065】また第2発明に係る電動パワーステアリン
グ装置においては、車両が走行している間、又は不感帯
トルクを超える操舵トルクが検出されている場合、舵取
機構の連続動作を伴う中立位置の算出動作を禁じる構成
としたから、この動作に伴う危険な舵取りがなされる虞
れがなく、安全な走行が可能となる。
【0066】また第3発明に係る電動パワーステアリン
グ装置においては、操作手段の操作を条件として中立位
置の算出動作を開始する構成としたから、前記算出動作
に伴う舵取機構の連続動作が不意に生じることがなく、
運転者に無為な不安を抱かせる虞れがない。
【0067】更に第4発明に係る電動パワーステアリン
グ装置においては、中立位置の算出動作中であることを
表示する表示手段を備えたから、前記算出動作の実行中
であることを運転者に報知し、無為な不安を抱かせる虞
れを回避することができ、また前記算出動作の実行中
に、不用意な走行開始がなされる虞れを回避することが
できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の概
略構成を示す模式図である。
【図2】中立位置の算出及び更新手順を示すフローチャ
ートである。
【図3】中立位置の算出方法の説明図である。
【図4】本発明に係る電動パワーステアリング装置の他
の実施の形態の概略構成を示す模式図である。
【図5】図4の実施の形態における中立位置の算出及び
更新手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】 1 舵輪 2 舵取機構 3 トルクセンサ 4 モータ 5 アシスト制御部 6 更新スイッチ 7 表示部 30 回転角センサ 31 車速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC22 DA15 DA23 EC30 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 CA24 CA31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の舵取機構に操舵補助力を加えるモ
    ータと、該モータの回転角度を検出するモータ回転角検
    出手段とを備え、該モータ回転角検出手段の検出角度を
    参照しつつ前記モータを、舵輪に加わる操舵トルクの検
    出結果に基づいて駆動制御する電動パワーステアリング
    装置において、 前記モータの連続駆動により、前記舵取機構を一側の動
    作端まで動作させ、次いで他側の動作端まで反転動作さ
    せる制御手段と、 前記反転動作の開始及び終了時点における前記モータ回
    転角検出手段の検出角度を用い、前記舵取機構の中立位
    置を算出する手段とを備えることを特徴とする電動パワ
    ーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記車両が走行中であるとき、又は前記
    操舵トルクの検出結果が所定値以上であるとき、前記制
    御手段の動作を禁じる構成としてある請求項1記載の電
    動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段の動作開始を指示する操作
    手段を備える請求項1又は請求項2記載の電動パワース
    テアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が動作中であることを表示
    する表示手段を備える請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の電動パワーステアリング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230275A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
JP2014201157A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置

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JP2007230275A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
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