JP2002346938A - ガラス面研磨用の研磨具 - Google Patents

ガラス面研磨用の研磨具

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JP2002346938A
JP2002346938A JP2001160486A JP2001160486A JP2002346938A JP 2002346938 A JP2002346938 A JP 2002346938A JP 2001160486 A JP2001160486 A JP 2001160486A JP 2001160486 A JP2001160486 A JP 2001160486A JP 2002346938 A JP2002346938 A JP 2002346938A
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Kimihiko Konno
公彦 金野
Masahito Ikegaya
昌仁 池ケ谷
Yasumori Maeda
康守 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学部品・光学製品に用いられるガラスの表
面や端面を精密に研磨するのに適した研磨具を提供す
る。 【解決手段】 支持体2上に、研磨材3とこれを固定す
るバインダ4とを含んでなる研磨層5を設けたガラス面
研磨用の研磨具1において、研磨材3の構成要素とし
て、平均粒径が0.02〜0.5μmのシリカ粒子31と、
平均粒径が0.01〜0.3μmで水に対して難溶性または
不溶性を有するイオン化合物32とを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス面の精密研
磨に用いる研磨具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばレンズ、液晶ディスプレーやプラ
ズマディスプレー、光ファイバなどにおいては、これら
を構成している光学部品の表面あるいは端面の状態が、
その光学特性ひいては製品価値に大きな影響を及ぼすた
め、これらの表面は、できるだけキズの無い平滑な状態
に仕上げる必要がある。このため、例えば、支持体上に
研磨材をバインダで固定した研磨層を設けてなる研磨具
を用いて、被研磨物の表面を精密に研磨することが行わ
れる。このような場合に用いられる研磨材は、被研磨物
の硬さや研磨量、表面の粗さなどを考慮して決定され
る。
【0003】従来、研磨材としては、例えばアルミナ、
シリカ、酸化クロム、酸化鉄(べんがら)、ジルコニ
ア、セリアなどが用いられている。このうち、アルミナ
(モース硬度9)、酸化クロム(モース硬度8)などは
比較的硬度が高いことから、研磨力が高く研磨効率に優
れる反面、被研磨物の表面にスクラッチと呼ばれる微細
なキズが付きやすい。そのため、中心線平均表面粗さR
aなどの値の小さい、言い換えればキズの無い平滑度の
高い仕上げ面を得るのは難しい。一方、これらに比べて
柔らかいシリカ(モース硬度5〜7)、酸化鉄(モース
硬度6)を使用した場合には、良好な仕上げ面が得られ
る反面、研磨力が弱いために研磨効率が悪くなる。
【0004】また、いずれの研磨材を使用するにして
も、研磨材の粒径は研磨力や仕上げ面に影響する。すな
わち、比較的大きな粒径の研磨材を使用した場合には、
大きな研磨力が得られる反面、表面を精密に仕上げるこ
とが難しい。逆に比較的小さな粒径の研磨材を使用した
場合には、研磨力は弱いが、精密研磨は行いやすくな
る。
【0005】これらの点を考慮して、従来においては、
例えば下記〜に記載されているように、用いる研磨
材等を工夫した各種の研磨具が提案されている。
【0006】 特開2000−237962号公報:
シリコンウェーハ端面等を研磨するのに用いる鏡面加工
用研磨具が記載されている。この研磨具では、0.5μm
以下のサイズの1次粒子を、バインダ樹脂を含まないよ
うに2次凝集させてなる平均粒径1〜30μmの範囲の
造粒粒子を研磨材として使用することにより、スクラッ
チの発生頻度の増大を回避しながら研磨効率の向上を図
っている。
【0007】 特開平9−248771号公報:光フ
ァイバおよびこれとは材質(硬度)の異なる被覆部から
なる光ファイバフェルールの端面を研磨する研磨テープ
が記載されている。この研磨テープでは、研磨材粒子と
して、平均粒径5〜30mμ(5〜30nm)のシリカ
粒子を使用するとともに、これらの粒子と結合剤(バイ
ンダ)とを含有してなる研磨層の表面の中心線平均粗さ
Raを0.005〜0.2μmに設定している。これによれ
ば、石英等のガラス材料からなる光ファイバと、これよ
りも硬いジルコニア等のセラミックスからなる被覆部と
で構成される光ファイバフェルールの端面を、これに傷
を付けることなく精度良く研磨することができ、しかも
光ファイバの端面部分と、これよりも硬い材質からなる
被覆部の端面部分との間に段差を生じさせることなく研
磨することが可能とされている。
【0008】 特開平4−250979号公報:磁気
ヘッドの研磨に使用される研磨テープが記載されてい
る。この研磨テープでは、平均粒子直径0.07〜0.40
μm、モース硬度5〜7の第1の粒状研磨材と、平均粒
子直径0.20〜0.60μm、モース硬度8.5以上の第2
の粒状研磨材と、平均粒子直径0.5〜3.0μmのダイヤ
モンド微粒子とからなる研磨材を使用し、これによって
磁気ヘッドを高精度に、しかも効率良く研磨できるよう
にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学部
品あるいは光学製品として用いられているガラスのモー
ス硬度は通常4.5〜6.5であり、このようなガラスの表
面や端面を精密に研磨するに当たって上記〜に記載
されているような比較的硬い研磨材を用いると、以下に
述べるような問題を生じる可能性がある。
【0010】の研磨テープの場合:モース硬度8.5以
上の第2の粒状研磨材や、ダイヤモンド(モース硬度1
0)の微粒子を含んだ研磨材が使用されているが、この
ような硬い研磨材を用いてガラスの表面等を研磨する
と、スクラッチが生じるおそれがある。
【0011】の研磨テープの場合:ガラス材料である
光ファイバの端面とともに光ファイバよりも硬いジルコ
ニア等のセラミックスからなる被覆部(フェルール)の
端面を同時に研磨して、両者の間に段差が生じないよう
にする目的で、平均粒径5〜30mμのシリカ粒子(モ
ース硬度6〜7)を使用しているが、このようなジルコ
ニアをも研磨しうるシリカ粒子のみによって構成された
研磨材でガラス表面を研磨した場合、やはり被研磨面に
スクラッチが生じる可能性が否定できないだけでなく、
期待したほど表面粗さを小さくすることができない。
【0012】の研磨具の場合:ガラスより硬いシリコ
ンウェーハの端面等を研磨することが考慮されており、
このためシリカ、ダイヤモンド、シリコンカーバイド
(モース硬度9)等の比較的硬い研磨材を用いうるとさ
れているが、このような硬い研磨材を用いてガラス面を
研磨すると、スクラッチの発生という上記と同様の問題
を生じる可能性が高い。
【0013】このように上記〜に記載された研磨具
は、被研磨物がガラス材料でないか、またはガラス材料
以外の材料も被研磨対象としたものであるため、ガラス
表面や端面のみを精密に研磨するのに適した研磨材とは
言えない。
【0014】本発明の目的は、光学部品・光学製品に用
いられるガラスの表面や端面を精密に研磨するのに適し
た研磨具を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、図1に例示したように、支持体2上に、
研磨材3とこれを固定するバインダ4とを含んでなる研
磨層5を設けたガラス面研磨用の研磨具1において、前
記研磨材3の構成要素として、平均粒径が0.02〜0.5
μmのシリカ粒子31と、平均粒径が0.01〜0.3μm
で水に対して難溶性または不溶性を有するイオン化合物
32とを用いたことを特徴とする。
【0016】本発明において、シリカ粒子を用いたの
は、シリカ粒子のモース硬度がガラスのそれに比べて若
干大きく、これによってガラス面を効率良く研磨できる
からである。ただし、このシリカ粒子の平均粒径が0.0
2μm未満だと研磨効率が悪く、0.5μmを超えるとシ
リカ粒子の硬度がガラスよりも高いために被研磨面にス
クラッチが発生する確率が高くなることから、シリカ粒
子の平均粒径は上記の範囲とする必要がある。より好ま
しくは0.03〜0.3μmである。
【0017】また、上記のシリカ粒子のみでは、ガラス
表面に存在する微細な凹凸を十分に除去することは難し
い。そこで、この種の微細な凹凸を除去するために、本
発明ではシリカ粒子に比べて相対的に細かくモース硬度
の小さいイオン化合物を使用する。この場合のイオン化
合物は、水に対して難溶性または不溶性を有している必
要がある。これは、ガラス表面を傷つけることなく清浄
に研磨するには、ガラス表面になじみやすく、また潤滑
作用を有する液体、水などを使用することが好ましく、
研磨材はこれに不溶であることが要求されるからであ
る。ただし、このイオン化合物の平均粒径が0.01μm
未満だと研磨の際にシリカ粒子による微細な凹凸の除去
効果がなく、0.3μmを超えるとイオン化合物が新たな
微細な凹凸を発生させてしまう。イオン化合物の平均粒
径は、シリカ粒子の平均粒径よりも小さいことが好まし
い。
【0018】イオン化合物として、アルカリ土類金属と
硫酸イオンとの化合物、および/またはアルカリ土類金
属と炭酸イオンとの化合物を用いる。具体例を挙げる
と、硫酸バリウム(モース硬度3.5)、炭酸カルシウム
(モース硬度3〜3.5)、炭酸マグネシウム(モース硬
度3.5〜4)、硫酸カルシウム(モース硬度3〜3.
5)、およびこれらの混合物などである。いずれのイオ
ン化合物を用いるにしても、そのモース硬度は1〜5の
範囲にある必要がある。イオン化合物のモース硬度が1
よりも小さいと、必要とする研磨力が得られず、5より
も大きいと、スクラッチを生じることなくガラス面の微
細な凹凸を除去することが難しくなるからである。
【0019】研磨層中に含まれているシリカ粒子とイオ
ン化合物との重量比(シリカ粒子の重量/イオン化合物
の重量)は1/9〜9/1である。シリカ粒子の量を多
くすすると大きな研磨力が得られて研磨効率が上がる反
面、ガラス面に存在する微細な凹凸を除去しにくくな
る。逆に、イオン化合物の量を多くするとガラス面に存
在する微細な凹凸を除去できて表面粗さを小さくできる
が、研磨力が弱いために研磨効率は低下する。表面の粗
さよりも研磨効率を重視する場合はシリカ粒子の比率を
大きくし、逆の場合はシリカ粒子の比率を小さくする
(イオン化合物の比率を大きくする)。両者の好ましい
比率は、被研磨物に要求されている表面粗さの程度に応
じて決定される。ただし、上記の範囲を外れると、ガラ
スに比べて硬いシリカ粒子と柔らかいイオン化合物とを
併用した意味が無くなるので、両者の比率は少なくとも
上記の範囲とする必要がある。
【0020】シリカ粒子とイオン化合物とを合わせた含
有量は、研磨層の全成分の合計量に対して重量比で30
〜90%であり、より好ましくは65〜85%である。
この比率が30%未満だと研磨効率がいちじるしく低下
し、90%を超えると、それだけバインダ量が少なくな
って研磨材に対する結合力が弱まるために、研磨材粒子
が必要以上に剥がれ落ちやすくなり、さらには支持体上
に研磨材を含んだ研磨層を形成すること自体が難しくな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施するに当たっ
て採用しうる形態を具体的に説明する。
【0022】<バインダ>バインダについては、例えば
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系共
重合体、セルロース系樹脂など、従来公知のものを使用
することができる。具体的には、東洋紡社製バイロン6
00,300,530などのポリエステル系樹脂、日本
ポリウレタン工業社製ニッポランN2301,N230
4などのポリウレタン樹脂、ユニオンカーバイド社製V
AGH,VMCH,VYHHなどの塩化ビニル系樹脂を
単独で又は複数混合して用いることができる。また、ポ
リイソシアネート系架橋剤を混合してもよい。
【0023】<研磨層>研磨層の厚みは1〜15μmが
良い。この厚みが1μm未満では、支持体との密着性が
劣り、研磨層の欠け落ちが発生しやすくなり、被研磨表
面の傷つきの原因となる。一方、15μmより厚いと研
磨層内でクラックが生じて、部分的な欠け落ちが発生
し、被研磨物の傷つきの原因となる。より好ましい厚み
としては、3〜10μmである。
【0024】<支持体>支持体については、従来公知の
ものを用いることができ、例えばPET(ポリエチレン
テレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレー
ト)などのポリエステル系フィルム、セルロース系フィ
ルム、アラミドなどのポリアミド、あるいはポリイミド
系フィルムを用いることができる。フィルムの厚みは、
5〜180μmが好ましく、20〜75μmがより好ま
しい。
【0025】<研磨具の作製方法>本発明の研磨具は、
研磨材、イオン化合物、バインダに溶剤を加えて混合・
分散処理を行い塗料化し、これを支持体に塗布すること
で作製できる。分散処理は、ボールミル、サンドグライ
ンダミルなどで行うことができ、また塗布は、グラビア
塗布、リバース塗布、スピンコートなどで行うことがで
きる。その後、乾燥工程を経てスリット、打ち抜きなど
の加工を行うことで、テープ状あるいはディスク状など
の所望形態の研磨具として得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、これは本発明の効果を具体的に説明するためのも
のであって、これによって本発明が限定されるものでは
ない。なお、以下でいう「部」は、特に断らないかぎり
「重量部」を意味する。
【0027】 <実施例1> ・研磨材 シリカ(アドマテックス製;アドマファインSO−E1) 60部 硫酸バリウム(堺化学製;バリファインBF−1L) 20部 ・バインダ 塩化ビニル系樹脂(ユニオンカーバイド製;VAGH) 10部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン製;ニッポランN2301) 6部 ・溶剤 メチルエチルケトン 60部 シクロヘキサノン 60部 トルエン 60部
【0028】上記組成を有する混合物をボールミルに入
れ、72時間分散処理を行い、ポリイソシアネート架橋
剤(日本ポリウレタン社製;コロネートL)を固形分換
算で4部添加して混合した後、取り出した。得られた混
合物をフィルターでろ過後、グラビア塗布し、乾燥させ
た。乾燥塗膜厚は5μmとし、支持体には厚み75μm
のポリエステルフィルムを使用した。得られた原反から
試験サンプル(50mm×70mm)を切り出した。
【0029】<実施例2>実施例1におけるシリカの添
加量を16部とし、硫酸バリウムの添加量を64部とし
たこと以外は、実施例1と同様にして試験サンプルを作
製した。
【0030】<実施例3>実施例1におけるシリカの添
加量を25部とし、硫酸バリウムの添加量を5部にした
こと以外は、実施例1と同様にして試験サンプルを作製
した。
【0031】<実施例4>実施例1における硫酸バリウ
ムを炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製;ミクローン2
00に変更し、その添加量を20部としたこと以外は、
実施例1と同様にして試験サンプルを作製した。
【0032】<実施例4>実施例1における硫酸バリウ
ムを炭酸カルシウム(米庄石灰工業社製;ミクローン2
00に変更し、その添加量を20部としたこと以外は、
実施例1と同様にして試験サンプルを作製した。
【0033】<実施例5>実施例1におけるシリカ(ア
ドマテックス社製;アドマファインSO−E1)60部
をシリカ(フソー科学社製;クォートロンSP0.3B)
50部に変更し、硫酸バリウム(堺化学社製;バリファ
インBF−1L)20部を硫酸バリウム(堺化学社製;
バリファインBF1)50部に変更したこと以外は、実
施例1と同様にして試験サンプルを作製した。
【0034】<実施例6>実施例1におけるシリカをコ
ロイダルシリカ溶液(日産化学社製スノーテックスME
K−ST)60部(固形分換算)とし、硫酸バリウムを
硫酸バリウム(堺化学社製バリファインBF40)20
部に変更した。メチルエチルケトンおよびトルエンは添
加しなかった。他は実施例1と同様にして試験サンプル
を得た。
【0035】<比較例1>実施例1におけるシリカの添
加量を80部とし、硫酸バリウムを使用しなかったこと
以外は、実施例1と同様にして試験サンプルを作製し
た。
【0036】<比較例2>実施例1におけるシリカをコ
ロイダルシリカ溶液(日産化学社製スノーテックスME
K−ST)80部(固形分換算)とした。硫酸バリウ
ム、メチルエチルケトンおよびトルエンは添加しなかっ
た。他は実施例1と同様にして試験サンプルを得た。
【0037】<評価>切り出した試料(試験サンプル)
を厚み10mmのガラス板にはり付けたうえで、新東科学
社製表面性測定機(HEIDON−14DR)にセット
し、試料の上に水2ミリリットルをたらした。摺動スピ
ード3000mm/分、摺動スケール20mm、荷重20g
の条件で、直径6.25mmのソーダガラス球を試料に対し
て100往復摺動させた後、ソーダガラス球についた磨
耗痕を観察し、磨耗面に存在するスクラッチの有無を調
べ、スクラッチが有る場合はその本数を記録した。ま
た、磨耗痕の表面性を、非接触表面粗度計(ZYGO社
製New View 5000)を用いて評価した。測
定は、磨耗痕内の任意の場所5点について行い、球面補
正を行ってRa、P−Vの平均値を求めた。これらの結
果を表1に示す。表1中の「Ra」は中心線平均粗さを
意味し、「P−V」はピーク・トゥー・バレイ、すなわ
ち表面上の最も高い山頂から最も低い谷底までの高さ寸
法を意味する。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、比較例1の試験サンプルを用い
たものは、ソーダガラス球の表面(試験サンプルに対す
る摺動面、つまり被研磨面)に20本ものスクラッチが
生じたのに対し、実施例1〜5の試験サンプルを用いた
ものは、いずれもソーダガラス球の表面にスクラッチを
生じなかったことがわかる。また、表面性の指標である
RaやP−Vについても、実施例1〜5の研磨具を用い
たものは、いずれも比較例の試験サンプルを用いたもの
比べて、良い結果が得られたことが確認できる。中でも
実施例1および2の試験サンプルを用いたものは、研磨
後の表面性が特に良好である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の研磨具によれ
ば、研磨材の構成要素として、モース硬度がガラスに比
べて若干大きい平均粒径0.02〜0.5μmのシリカ粒子
と、モース硬度がガラスに比べて小さい平均粒径0.01
〜0.3μmの難溶性または不溶性のイオン化合物を用い
たので、被研磨物であるガラスの表面や端面を効率良く
研磨するとができ、しかもスクラッチを生じることなく
平滑度の高い状態に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明研磨具の断面構造の一例を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
1 研磨具 2 支持体 3 研磨材 4 バインダ 5 研磨層 31 シリカ粒子 32 イオン化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 康守 大阪府茨木市丑寅1丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 3C063 AB07 BB01 BB07 BC03 BD01 BD04 BG08 EE02 FF09 FF23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、研磨材とこれを固定するバ
    インダとを含んでなる研磨層を設けたガラス面研磨用の
    研磨具であって、前記研磨材の構成要素として、平均粒
    径が0.02〜0.5μmのシリカ粒子と、平均粒径が0.0
    1〜0.3μmで水に対して難溶性または不溶性を有する
    イオン化合物とが用いられていることを特徴とするガラ
    ス面研磨用の研磨具。
  2. 【請求項2】 イオン化合物は、アルカリ土類金属と硫
    酸イオンとの化合物、もしくはアルカリ土類金属と炭酸
    イオンとの化合物、またはこれらの化合物の混合体であ
    り、モース硬度が1〜5の範囲にある請求項1記載のガ
    ラス面研磨用の研磨具。
  3. 【請求項3】 研磨層中に含まれているシリカ粒子とイ
    オン化合物との重量比(シリカ粒子の重量/イオン化合
    物の重量)は、1/9〜9/1である請求項1または2
    記載のガラス面研磨用の研磨具。
  4. 【請求項4】 研磨層中のシリカ粒子とイオン化合物と
    の合計含有量は、研磨層の全成分の合計量に対して重量
    比で30〜90%である請求項1ないし3のいずれかに
    記載のガラス面研磨用の研磨具。
JP2001160486A 2001-05-29 2001-05-29 ガラス面研磨用の研磨具 Withdrawn JP2002346938A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008260815A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Admatechs Co Ltd 研磨材用砥粒及び研磨材
JP2010202794A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
CN114555293A (zh) * 2019-12-17 2022-05-27 奥林巴斯株式会社 光学玻璃用研磨工具,光学玻璃用研磨工具的制造方法及光学玻璃的研磨方法

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