JP2002346923A - 加工装置 - Google Patents

加工装置

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JP2002346923A
JP2002346923A JP2001160821A JP2001160821A JP2002346923A JP 2002346923 A JP2002346923 A JP 2002346923A JP 2001160821 A JP2001160821 A JP 2001160821A JP 2001160821 A JP2001160821 A JP 2001160821A JP 2002346923 A JP2002346923 A JP 2002346923A
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thickness
working
static pressure
center
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Pending
Application number
JP2001160821A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Tsukahara
真一郎 塚原
Kazutaka Hara
一敬 原
Akira Isobe
章 磯部
Yoshiyuki Tomita
良幸 冨田
Akio Iwase
昭雄 岩瀬
Kozo Abe
耕三 阿部
Morie Suzuki
盛江 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工中のワークの形状を計測しつつワークを
所望の形状に加工する加工装置を、提供する。 【解決手段】 変位センサ50c,50e,50mによ
り、ワークWの中心近傍の中心厚さTc,縁辺近傍の縁
辺厚さTe,及び中心と縁辺との間の中間厚さTmを、
計測する。これら中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中
間厚さTmに基づき、ワークWに対する砥石11(,2
1)の相対的な姿勢を特徴づける傾斜角θ及びその位相
αが取得される。制御部5は、中心厚さTc,縁辺厚さ
Te,及び中間厚さTmを監視しつつ、傾斜角θ及びそ
の位相αを調節することにより、ワークWを所望の形状
に研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハや
ガラスディスク等の円板状のワークを加工する加工装置
に、関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、円板状の薄型ワークを加工す
るための加工装置として、両頭研削盤が知られている。
この両頭研削盤は、研削作用面同士を同軸かつ平行に対
向させた一対のカップ形砥石,及び,これら各砥石を同
軸に高速回転させる主軸機構を備えている。また、この
両頭研削盤は、ワークを回転させた状態で保持するとと
もに当該ワークを両砥石間に挿入するワークホルダを備
えている。
【0003】そして、この両頭研削盤は、そのワークホ
ルダによりワークを両砥石間に挿入させた状態におい
て、これら両砥石を夫々高速回転させた状態で相近接さ
せることにより、当該ワークの両面における全領域を研
削する。
【0004】なお、ワークは、その厚さ及び形状が所定
の仕様通りに加工されなければならない。このため、従
来は、オペレータが研削終了後のワークの形状を計測
(インライン計測)し、このワークが仕様を満たしてい
るかどうか確認していた。そして、ワークが仕様を満た
していない場合には、オペレータは、当該ワークを再研
削又は廃棄するとともに、それ以後に研削されるワーク
が仕様を満たすように、両頭研削盤の設定を調整してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術によると、研削済みのワークの形状に基づき、両頭
研削盤が試行錯誤的に調整されるので、オペレータは、
ワークの形状を厳密に管理することが難しかった。ま
た、研削の結果、仕様を満たしていないワークは、再研
削されるか廃棄されるので、ワークの加工に時間を必要
としたり、ワークの歩留まりを向上させることが難しか
った。
【0006】そこで、加工中のワークの形状を計測しつ
つワークを所望の形状に加工する加工装置を提供するこ
とを、本発明の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による加工装置
は、上記課題を解決するために、以下のような構成を採
用した。
【0008】即ち、円板状のワークを所定の円板状領域
内で回転させつつ保持するワークホルダと、前記ワーク
を加工する作用面を有する一対の作用部と、前記両作用
部の位置及び姿勢を変化させることにより、これら両作
用部の作用面を前記ワークの表裏面に対して夫々接触さ
せて、このワークを加工させる加工駆動部と、前記円板
状領域の所定の計測位置における前記ワークの表裏両面
同士の間隔を計測する計測部と、前記計測部から前記ワ
ークの表裏両面同士の間隔を取得するとともに、この間
隔が所望の値になるように、前記加工駆動部を制御して
前記両作用部の位置及び姿勢を調節する制御部とを、備
えたことを特徴とする。
【0009】このように構成されると、制御部は、計測
部により計測されたワークの表裏面同士の間隔、即ち、
厚さを監視しつつ、両作用部の位置及び姿勢を調節する
ことにより、このワークを所望の形状に加工することが
できる。
【0010】さらに、計測位置が、前記円板状領域の表
裏面における中心近傍,縁辺近傍,及び中心と縁辺との
間に夫々設けられていると、これら各計測位置に夫々対
応して中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さTm
が取得される。そして、制御部は、これら中心厚さT
c,縁辺厚さTe,及び中間厚さTmに基づき、ワーク
の形状を認識するとともに、両作用部の位置及び姿勢を
調節することにより、このワークを所望の形状に加工す
ることができる。
【0011】なお、前記計測部は、前記計測位置に対応
させて配置された変位センサの対を備えていてもよい。
また、変位センサは、ワークに接触する接触子を備えた
接触式変位センサであってもよく、レーザーフォーカス
変位計や渦電流式変位センサ等の非接触式変位センサで
あってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。
【0013】<全体構成>図1は、両頭研削盤を示す概
略構成図である。まず、この図1を参照して、両頭研削
盤の全体構成について説明する。この両頭研削盤は、加
工装置に相当し、第1のスピンドル装置1及び第2のス
ピンドル装置2,並びに,本実施形態によるワークホル
ダ31を有するワーク保持装置3を、備えている。
【0014】第1のスピンドル装置1は、カップ形砥石
11,及びこの砥石11を高速回転させる主軸部12を
有している。このカップ型砥石11は、その先端面がリ
ング状の平坦面に形成されており、この平坦面が作用面
になっている。なお、この砥石11が作用部に相当す
る。また、スピンドル装置1の砥石11以外の部分が加
工駆動部に相当する。そして、砥石11は、その中心軸
を図1のZ方向へ向けて主軸部12に対して固定されて
いる。この主軸部12の構成については、後において詳
述する。
【0015】そして、スピンドル装置1は、ベッド4に
設けられたリニアガイド41により、主軸部12の回転
軸方向(スラスト方向:図1のZ方向)へスライド移動
可能に案内されている。さらに、スピンドル装置1は、
スライド機構13を備えている。このスライド機構13
は、スピンドル装置1を、その主軸部12の回転軸方向
へスライド移動させるアクチュエータである。このスラ
イド機構13として、例えば、図1に示されるように、
液圧シリンダ機構が利用されてもよい。
【0016】この図1に示されたスライド機構13は、
シリンダ131,このシリンダ131内に嵌合したピス
トン132,及び,このピストン132に対して固定さ
れたピストンロッド133を、備えている。
【0017】シリンダ131は、スピンドル装置1のハ
ウジング内に略円柱状にくり貫かれたのと同等に形成さ
れた収容室14内に、設けられている。具体的には、こ
のシリンダ131の一端(図1の左端)が、収容室14
内における図1の左側の壁面に対して固定されている。
なお、当該側壁には、貫通穴が開けられている。そし
て、ピストンロッド133は、この貫通穴に対して嵌合
して、その一端を図1の左方へ突出させている。このピ
ストンロッド133の突出した端部は、ベース4から突
出した固定部42に対して固定されている。
【0018】そして、スピンドル装置1は、そのスライ
ド機構13が液圧により駆動されると、図1のZ方向へ
移動する。すると、スピンドル装置1の主軸部12及び
砥石11は、高速回転した状態で、図1のZ方向へ移動
することになる。
【0019】第2のスピンドル装置2は、第1のスピン
ドル装置1と同様の構成になっている。即ち、このスピ
ンドル装置2は、砥石21,主軸部22,及びスライド
機構23を、備えている。
【0020】これら両スピンドル装置1,2は、その砥
石11,21を同軸に相対向させた状態で、夫々ベッド
4上に配置されており、図1の左右方向に移動する。こ
れら各スピンドル装置1,2が夫々移動すると、主軸部
12,22も移動することになる。このため、これら主
軸部12,22に砥石11,21が夫々固定された状態
において、これら両砥石11,21の間隔は、自在に調
整される。
【0021】ワーク保持装置3は、ワークWを回転させ
た状態で保持するワークホルダ31,及び,このワーク
ホルダ31を各スピンドル装置1,2間に配置するホル
ダ支持機構32を、有する。なお、ワーク保持装置3の
構成については、後において詳述する。
【0022】<スピンドル装置の構成>図2は、両頭研
削盤の制御系のうちのスピンドル装置1の制御に関する
部分を示す図である。なお、スピンドル装置2も、スピ
ンドル装置1と同様に制御される。
【0023】この図2に示されるように、スピンドル装
置1は、そのスライド機構13を駆動する駆動供給部1
5,及び,リニアセンサ16を、備えている。なお、こ
れらスライド機構13及び駆動供給部15が、進退駆動
機構に相当する。駆動供給部15は、スライド機構13
のシリンダ131に流体を供給することにより、このス
ライド機構13を動作させて、スピンドル装置1を図1
のZ方向へスライド移動させる。リニアセンサ16は、
スピンドル装置1の図1の左右方向における位置を、検
出する。このリニアセンサ16は、リニアエンコーダや
レーザ干渉計により構成されていてもよい。
【0024】これら駆動供給部15及びリニアセンサ1
6は、両頭研削盤の制御部5と夫々接続されている。そ
して、制御部5は、リニアセンサ16からの出力を監視
することによりスピンドル装置1の位置を認識するとと
もに、駆動供給部15を制御することによりスピンドル
装置1を図1のZ方向における任意の位置へスライド移
動させることができる。
【0025】次に、このスピンドル装置1の主軸部12
の構成について説明する。なお、この主軸部12が回転
機構に相当する。図3は、主軸部12の構成を模式的に
示す縦断面図である。この主軸部12は、固定軸121
及び外輪122を、備えている。固定軸121は、円柱
状の小径部分,及び,この小径部分よりも大径かつ扁平
な円柱状の大径部分を、同軸かつ一体に有している。こ
の固定軸121は、スピンドル装置1の図示せぬハウジ
ングに対して固定されている。
【0026】外輪122は、固定軸121と略相似かつ
この固定軸121よりも大きな外形を有している。ま
た、この外輪122には、その内部に、外輪122より
も僅かに大きなスペースが、開けられている。そして、
この外輪122は、そのスペース内に、固定軸121を
略同軸に遊嵌させている。なお、固定軸122には、図
4を参照して後述するように、複数の静圧パッド123
(a,b)〜127(a,b)が、夫々固定されてい
る。そして、外輪122は、これら静圧パッド123
(a,b)〜127(a,b)から噴出した流体による
流体静圧膜を介して、固定軸121に高速回転可能に軸
支持される。
【0027】この外輪122の図3における右側の端部
に、カップ型砥石11が、同軸に固定されている。な
お、図2に示されるように、主軸部12は、制御部5と
接続された主軸モータ128を、備えている。この主軸
モータ128は、流体静圧により支持された外輪122
を、高速回転させる。この外輪122が高速回転する
と、この外輪122に固定された砥石11もその中心軸
を中心として高速回転する。なお、砥石11の作用面
は、所定の加工円内において回転することになる。そし
て、砥石11は、その加工円の直径が、研削対象である
ワークの半径以上になるように、予め選択されている。
但し、本実施形態に示された例では、加工円の半径とワ
ークの半径とが略一致している。
【0028】図4は、主軸部12の固定軸121周辺を
示す斜視図である。図5は、主軸部12のラジアル方向
の制御を示す説明図であり、図6は、主軸部12のスラ
スト方向の制御を示す説明図である。以下、これら図4
乃至図6を併せて参照し、主軸部12についてさらに説
明する。図4に示されるように、この主軸部12は、二
対のラジアル静圧パッド123a,123b;124
a,124b,及び,三対のスラスト静圧パッド125
a,125b;126a,126b;127a,127
bを、備えている。
【0029】これら各ラジアル静圧パッド123a,1
23b,124a,124bは、夫々、固定軸121に
おける小径部分の外周に等間隔で、配置されている。な
お、両ラジアル静圧パッド123a,123bは、固定
軸121の中心軸に関して互いに対称である。同様に、
両ラジアル静圧パッド124a,124bは、固定軸1
21の中心軸に関して互いに対称である。一方のラジア
ル静圧パッド123a,123bの対は、第1ラジアル
静圧パッドの対に相当し、他方のラジアル静圧パッド1
24a,124bの対は、第2ラジアル静圧パッドの対
に相当する。
【0030】また、各スラスト静圧パッド125a,1
26a,127aは、固定軸121における大径部の一
方の面(図3及び図4における左側)に、夫々固定され
ており、各スラスト静圧パッド125b,126b,1
27bは、固定軸121における大径部の他方の面(図
3及び図4における右側)に、夫々固定されている。な
お、各スラスト静圧パッド125a,126a,127
aは、各スラスト静圧パッド125b,126b,12
7bに対して夫々対向させて、配置されている。
【0031】さらに、図2に示されるように、主軸部1
2は、制御部5に夫々接続された2つのラジアル用サー
ボバルブ123V,124V,及び,3つのスラスト用
サーボバルブ125V,126V,127Vを有する。
図5に示されるように、第1のラジアル用サーボバルブ
123Vは、一対のポートを有し、一方のポートをラジ
アル静圧パッド123aに連通させるとともに、他方の
ポートをラジアル静圧パッド123bに連通させてい
る。そして、このサーボバルブ123Vは、その一方の
ポートに対して水等の流体を所望の圧力で供給するとと
もに、その他方のポートに対して水等の流体を所望の圧
力で供給する。
【0032】第2のラジアル用サーボバルブ124V
は、一対のポートを有し、一方のポートをラジアル静圧
パッド124aに連通させるとともに、他方のポートを
ラジアル静圧パッド124bに連通させている。そし
て、このサーボバルブ124Vは、その一方のポートに
対して水等の流体を所望の圧力で供給するとともに、そ
の他方のポートに対して水等の流体を所望の圧力で供給
する。
【0033】そして、制御部5は、サーボバルブ123
Vを制御することにより、各静圧パッド123a,12
3bに対して供給される流体の圧力を個別に調節する。
すると、外輪122は、水平面内における所定の第1ラ
ジアル方向に変位することになる。同様に、制御部5
は、サーボバルブ124Vを制御することにより、各静
圧パッド124a,124bに対して供給される流体の
圧力を個別に調節する。すると、外輪122は、前記第
1ラジアル方向及び固定軸121の中心軸に対して夫々
垂直な第2ラジアル方向へ変位することになる。
【0034】即ち、制御部5は、主軸モータ128によ
り外輪122を高速回転させた状態で、各サーボバルブ
123V,124Vを夫々制御して、この外輪122
を、固定軸121に接触させない範囲内で、ラジアル方
向へ任意に変位させることができる。
【0035】図6に示されるように、第1のスラスト用
サーボバルブ125Vは、一対のポートを有し、一方の
ポートをスラスト静圧パッド125aに連通させるとと
もに、他方のポートをスラスト静圧パッド125bに連
通させている。そして、このサーボバルブ125Vは、
その一方のポートに対して水等の流体を所望の圧力で供
給し、その他方のポートに対して水等の流体を所望の圧
力で供給する。
【0036】第2のスラスト用サーボバルブ126V
は、一対のポートを有し、一方のポートをスラスト静圧
パッド126aに連通させるとともに、他方のポートを
スラスト静圧パッド126bに連通させている。そし
て、このサーボバルブ126Vは、その一方のポートに
対して水等の流体を所望の圧力で供給し、その他方のポ
ートに対して水等の流体を所望の圧力で供給する。
【0037】第3のスラスト用サーボバルブ127V
は、一対のポートを有し、一方のポートをスラスト静圧
パッド127aに連通させるとともに、他方のポートを
スラスト静圧パッド127bに連通させている。そし
て、このサーボバルブ127Vは、その一方のポートに
対して水等の流体を所望の圧力で供給し、その他方のポ
ートに対して水等の流体を所望の圧力で供給する。
【0038】そして、制御部5は、サーボバルブ125
Vを制御することにより、各静圧パッド125a,12
5bに対して供給される流体の圧力を個別に調節する。
同様に、制御部5は、サーボバルブ126Vを制御する
ことにより、各静圧パッド126a,126bに対して
供給される流体の圧力を個別に調節する。さらに、制御
部5は、サーボバルブ127Vを制御することにより、
各静圧パッド127a,127bに対して供給される流
体の圧力を個別に調節する。
【0039】このように調節されると、外輪122は、
スラスト方向へ変位することになる。即ち、制御部5
は、主軸モータ128により外輪122を高速回転させ
た状態で、各サーボバルブ125V,126V,127
Vを制御して、この外輪122を、固定軸121に接触
させない範囲内で、スラスト方向へ任意に変位させるこ
とができる。さらに、制御部5は、各サーボバルブ12
5V,126V,127Vを個別に制御して、外輪12
2を、両静圧パッド125a,125bの位置,両静圧
パッド126a,126bの位置,及び,両静圧パッド
127a,127bの位置において個別に変位させるこ
とにより、当該外輪122の姿勢を変化させることがで
きる。
【0040】このように、制御部5は、各サーボバルブ
123V〜127Vを夫々制御することにより、外輪1
22の位置及び姿勢を調節させる。なお、これら各サー
ボバルブ123V〜127Vは、流体供給機構に相当す
る。
【0041】図7は、いわゆる対向パッド静圧軸受の原
理説明図である。この図7には、静圧パッド123a,
123bの対,及び,受圧対としての外輪122が模式
的に示されている。なお、実際の外輪122は、固定軸
121の外側において回転するが、この図7では、図示
の都合上、当該外輪122が、両静圧パッド123a,
123b間に介在した状態で、示されている。また、そ
の他の静圧パッド124(a,b)〜127(a,b)
の対も、この静圧パッド123(a,b)の対と同様の
原理により制御される。
【0042】サーボバルブ123Vは、その一方のポー
トに対して、流体を供給圧力Psで供給する。このサー
ボバルブ123Vの一方のポートに供給された流体は、
管路を通じて一方の静圧パッド123aへ供給される。
なお、この静圧パッド123aへの入力絞り係数をkc
とする。そして、供給圧力Psを変化させる場合の操作
量をΔPsとし、入力絞り係数kcを変化させる場合の
操作量をΔkcとする。また、静圧パッド123aのリ
セス内圧力をPrとし、この静圧パッド123aの隙間
絞り係数をkpとする。
【0043】同様に、サーボバルブ123Vは、その他
方のポートに対して、流体を供給圧力圧力Ps’で供給
する。このサーボバルブ123Vの他方のポートに供給
された流体は、管路を通じて他方の静圧パッド123b
へ供給される。なお、この静圧パッド123bへの入力
絞り係数をkc’とする。そして、この静圧パッド12
3bのリセス内圧力をPr’とする。
【0044】さらに、静圧パッド123a(,123
b)における総面積をAとし、当該静圧パッド123a
(,123b)における受圧有効面積をApとする。そ
して、時間をtとし、一方の静圧パッド123aにおけ
る流体の流入量の変化分をΔQiとし、流体の流出量の
変化分をΔQoとし、静圧パッド123aと外輪122
との隙間をhとすると、両者の関係は、以下の式(1)
で表される。
【0045】 A・(dh/dt)=ΔQi−ΔQo …(1) ここで、ΔQi及びΔQoは、 ΔQi=Δ[kc・(Ps−Pr)]=(Ps0−Pr0)・Δkc+kc0・(ΔPs−ΔPr) …(2a) ΔQo=Δ(kp・h3・Pr)=3・kp・h02・Pr0・Δh+kp・h03・ΔPr …(2b) である。
【0046】また、他方の静圧パッド123bにおける
流体の流入量の変化分をΔQi’とし、流体の流出量の
変化分をΔQo’とし、静圧パッド123bと外輪12
2との隙間をh’とすると、 Δh=−Δh’ …(3) である。
【0047】さらに、外輪122の動作を考慮すると、 Ap(ΔPr−ΔPr’)=M・s2・Δh …(4) が成り立つ。但し、Mは、受圧体である外輪122の質
量であり、sは、ラプラス変換における像関数の定義域
である。
【0048】式(1),(2a)及び(2b)より、 Gh’(s)・Δh=Gps’(s)・ΔPs−ΔPr+Gkc’(s)・Δkc…(5a) Gh’(s)・Δh’=Gps’(s)・ΔPs’−ΔPr’+Gkc’(s)・Δkc’ …(5b) ここで、 Gh’=(3・kp・h02・Pr0+A・s)/(kc+kp+h03) Gps’=kc0/(kc0+kp・h03) Gkc’=(Ps0−Pr0)/(kc0+kp・h03) である。
【0049】式(5a)及び(5b)を、式(3)に代
入すると、 ΔPr+ΔPr’ =Gps’(s)・(ΔPs+ΔPs’)+Gkc’(s)・(Δkc+Δkc’)…(6) が得られる。
【0050】式(4)及び(6)より、 ΔPr = Gps’(s)・(ΔPs+ΔPs’)/2 +Gkc’(s)・(Δkc+Δkc’)/2 +M・s・Δh/(2・Ap) …(7) 式(5)に代入して、 Gh(s)・Δh =Gps(s)・(ΔPs−ΔPs’)+Gkc’(s)・(Δkc+Δkc’)…(8) ここで、 Gh=M・s2+{2・A・Ap/(kc0+kp・h03)}・s +(6・Ap・kp・h02・Pr0)/(kc0+kp・h03) Gps=Ap・kc0/(kc0+kp・h03) Gkc=Ap・(Ps0−Pr0)/(kc0+kp・h03) である。
【0051】上記のように、相対向する一対の静圧パッ
ド123a,123bにおいて、一方の供給圧力Ps,
他方の供給圧力Ps’,供給絞りkc,及び,供給絞り
kc’から選択される少なくとも1つが変化することに
より、隙間hは、自在に調節される。即ち、制御部5
は、サーボバルブ123Vを制御して、供給圧力Ps,
Ps’,又は,供給絞りkc,kc’を変化させること
により、外輪122を、一方の静圧パッド123aに対
して、自在に近接あるいは離反させることができる。
【0052】さらに、制御部5は、このサーボバルブ1
23Vとともに、他のサーボバルブ124V〜127V
を制御して、外輪122の位置及び姿勢を、この外輪1
22が固定軸121に当接しない範囲内で、自在に調節
することができる。なお、外輪122の位置及び姿勢
は、これらサーボバルブ123V〜127Vの状態に応
じて一意的に決定されるので、制御部5は、オープンル
ープによる制御に基づき、外輪122の位置及び姿勢を
正確に調節することができる。
【0053】但し、制御部5は、測定に基づいて取得し
た外輪122の位置及び姿勢を各サーボバルブ123V
〜127Vに対する指令へフィードバックさせることに
より、隙間hの変化に応じた剛性の低下を抑制するとと
もに、指令に対する動作を高速化させることができる。
なお、外輪122の位置及び姿勢ではなく、リセス内圧
力Prが測定されてもよい。
【0054】本実施形態の主軸装置12は、図2に示さ
れるように、外輪122の位置及び姿勢を取得するため
のXセンサ123S,Yセンサ124S,及び,3つの
Zセンサ125S,126S,127Sを、備えてい
る。これら各センサ123S〜127Sは、例えば、静
電容量型センサから構成されていてもよい。
【0055】Xセンサ123Sは、各静圧パッド123
a,123bによる外輪122の動作方向(図3のX方
向)における位置を、測定する。Yセンサ124Sは、
各静圧パッド124a,124bによる外輪122の動
作方向(図3のY方向)における位置を測定する。そし
て、制御部5は、これらXセンサ123S及びYセンサ
124Sからの出力信号に基づき、外輪122のX方向
及びY方向における位置を夫々取得することができる。
【0056】Zセンサ125Sは、各静圧パッド125
a,125bによる外輪122の動作方向における位置
を測定する。Zセンサ126Sは、各静圧パッド126
a,126bによる外輪122の動作方向における位置
を測定する。Zセンサ127Sは、各静圧パッド127
a,127bによる外輪122の動作方向における位置
を測定する。これら各Zセンサ125S〜127Sは、
いずれも、外輪122の図3のZ方向における位置を測
定しているが、その測定値は、外輪122の姿勢によっ
ても変化する。このため、制御部5は、これら各Zセン
サ125S〜127Sからの出力信号に基づき、外輪1
22のZ方向における位置,及びこの外輪122の姿勢
を取得することができる。
【0057】なお、これら各センサ123S〜127S
により得られる外輪122の位置及び姿勢は、固定軸1
21を基準とした位置及び姿勢である。なお、スライド
機構13は、固定軸121の図1及び図3のZ方向にお
ける位置のみを変化させるが、その姿勢を変化させるこ
とがない。従って、制御部5は、リニアセンサ16から
の出力信号に基づいて固定軸121の位置を取得し、各
センサ123S〜127Sからの出力信号に基づいて固
定軸121を基準とした外輪122の位置及び姿勢を取
得することにより、この外輪122の位置及び姿勢を取
得することができる。そして、制御部5は、取得した外
輪122の位置及び姿勢を利用したフィードバック制御
により、この外輪122を、高剛性かつ高応答で所望の
位置及び姿勢に調節することができる。
【0058】<ワーク保持装置の構成>次に、図8を参
照して、ワーク保持装置3の構成について説明する。こ
のワーク保持装置3は、ワークWを保持するワークホル
ダ31,及び,このワークホルダ31を支持するホルダ
支持機構32を、備えている。なお、ホルダ支持機構3
2は、図示せぬガイドに案内されて移動することによ
り、ワークホルダ31を図1及び図8におけるX方向へ
移動させる。
【0059】以下、ワークホルダ31の構成について、
詳述する。このワークホルダ31は、フレーム311,
及び,一対の支持パッド312(,312’)を、有す
る。
【0060】フレーム311は、ワークWの外周におけ
る所定の領域に対して対向した状態で当該ワークWを収
容可能な切欠が形成された略平板状の部材である。な
お、このフレーム311は、その切欠の中央周辺の反対
側の部分が図8の左方へ突出しており、この突出した部
分において、ホルダ支持機構32に対して取り付けられ
ている。また、このフレーム311には、その切欠内に
ワークWが格納された状態において該ワークWの縁辺に
当接する一対の駆動ローラ313,314が、取り付け
られている。
【0061】さらに、このフレーム311の一端には、
第1のワーク支持機構H1が取り付けられている。第1
のワーク支持機構H1は、リンク部材H11,従動ロー
ラH12,及びエアシリンダH13を、有する。リンク
部材H11は、略三角形板状の外形を有し、その1つの
頂点(第1の頂点)近傍に従動ローラH12が、軸支持
されている。このリンク部材H11は、第1の頂点以外
の一対の頂点のうちの1つの頂点(第2の頂点)近傍に
おいて、フレーム311に軸支持されている。そして、
このリンク部材H11は、図8のX−Y平面内において
回転変位可能であり、従動ローラH12は、その回転軸
を図8のZ方向へ向けて、従動的に回転可能である。
【0062】このリンク部材H11における3つの頂点
のうちの上記第1及び第2の頂点以外の頂点(第3の頂
点)近傍には、エアシリンダH13が連結されている。
そして、エアシリンダH13は、当該リンク部材H11
を回転変位させる。このリンク部材H11が回転変位す
ることにより、従動ローラH12は、フレーム311内
に格納されたワークWの端面に回転可能に当接した保持
位置,又は,ワークWから離反した開放位置のいずれか
をとることになる。
【0063】同様に、第2のワーク支持機構H2は、リ
ンク部材H21,従動ローラH22,及びエアシリンダ
H23を有し、フレーム311の他端に取り付けられて
いる。そして、従動ローラH22は、フレーム311内
に格納されたワークWの端面に回転可能に当接した保持
位置,又は,ワークWから離反した開放位置のいずれか
をとることになる。なお、これら両従動ローラH12,
H22が夫々開放位置に設定された状態で、ワークWは
ワークホルダ31に対して挿抜される。そして、これら
両従動ローラH12,H22が夫々保持位置に設定され
た状態で、ワークWは、ワークホルダ31内に保持され
る。
【0064】また、図8では、ワークホルダ31に保持
されたワークWの端部が、砥石11の中心軸に近接した
位置をとっている。即ち、この図8には示されていない
が、ワークWは、両砥石11,21間に挿入されてい
る。この状態におけるワーク保持装置3の位置が研削位
置と称される。
【0065】一方、ワーク保持装置3は、研削位置から
図8の左方(X方向における矢印と反対の向き)へ移動
して、所定の退避位置で停止することができる。このワ
ーク移動機構3が退避位置をとった状態で、ワークホル
ダ31に保持されたワークWは、両砥石11,21から
退避している。このワーク保持装置3が退避位置をと
り、各エアシリンダH13,H23が、夫々、リンク部
材H11,H21を介して従動ローラH12,H22を
開放位置へ移動させた状態において、ワークWは、ワー
クホルダ31に対して挿抜される。
【0066】各支持パッド312(,312’)は、略
平板状に夫々形成されるとともに、フレーム311の切
欠内にワークWが収容された状態において、該ワークW
の表裏各面におけるフレーム311に近接した側の略半
円状の領域に対して対向可能な形状を有する。
【0067】さらに、各支持パッド312(,31
2’)は、外方へ突出するように形成された突出部分を
夫々3つずつ有し、これら各突出部分においてフレーム
311に、夫々取り付けられている。なお、各支持パッ
ド312,312’は、フレーム311内に格納された
ワークWの中心部分に干渉しないように、その先端が緩
い弧状に切り欠かかれた形状を有する。また、各支持パ
ッド312(,312’)は、その相対向する面に夫々
形成された複数のポケットを有する。各ポケットは、浅
く平坦に形成された溝であり、その中央部分には加圧さ
れた水等の流体を噴出させるための図示せぬ噴出孔が開
口している。
【0068】そして、フレーム311の切欠内にワーク
Wが保持された状態において、各支持パッド312(,
312’)は、夫々、このワークWに対して僅かな間隙
をあけて対向する。この状態において、各ポケットには
噴出孔を通じて流体が供給される。すると、この流体
は、各ポケット内に満たされるとともに、各支持パッド
312(,312’)とワークWとの隙間を通じて流れ
てゆく。即ち、ワークWは、両支持パッド312(,3
12’)間において、流体静圧により支持されることに
なる。
【0069】なお、ワーク保持装置3が研削位置をとっ
た場合に、そのワークホルダ31により保持されたワー
クWの図8における右側の端部は、第3のワーク支持機
構H3により、回転可能に支持される。このワーク支持
機構H3は、一対の従動ローラH31,H32,及び支
持部材H33を備えている。
【0070】これら両従動ローラH31,H32は、そ
の回転軸を互いに平行に図8のZ方向へ向けて従動的に
回転可能に、支持部材H33により軸支持されている。
この支持部材H33は、図示せぬ取付部材を介してベー
ス4に対して固定されている。但し、この支持部材H3
3は、ベース4に対して固定されるのではなく、両スピ
ンドル装置1,2のいずれかに対して固定されていても
よい。
【0071】さらに、ワーク保持装置3は、図示せぬモ
ータを備えており、ベルト又はギアを介して、両駆動ロ
ーラ313,314を夫々同方向に回転させる。また、
ワーク保持装置3は、ワークWの回転速度を計測する回
転検出器315を、備えている。この回転検出器315
は、ワークWの縁辺に当接して回転する検出用のローラ
及びエンコーダを、備えている。そして、回転検出器3
15のローラは、一方の駆動ローラ313に近接した位
置において、ワークWに当接するように、配置されてい
る。
【0072】そして、ワーク保持装置3が研削位置に配
置され、両従動ローラH12、H22が保持位置に設定
された状態において、ワークWは、両ローラ313,3
14により駆動されて回転する。なお、各従動ローラH
12,H22,H31,H32は、ワークWにより駆動
されて従動的に回転しながら、このワークWを支持す
る。また、ワークWは、両支持パッド312,312’
間に流体静圧により支持されている。従って、このワー
クWは、両砥石11,21間の所定の位置において、自
転する。即ち、ワークWは、所定の円板状領域内にて回
転する。なお、両支持パッド312,312’,両駆動
ローラ313,314,及び各従動ローラH12,H2
2,H31,H32が、回転保持部に相当する。そし
て、回転検出器315は、そのローラをワークWの縁辺
に当接させて回転させることにより、このワークWの回
転速度を検出する。
【0073】さらに、このワークホルダ31は、ワーク
Wの断面形状を計測する計測部としての3対の変位セン
サ50e,50e’;50m,50m’;50c,50
c’を、備えている。これら各変位センサ50e,50
e’;50m,50m’;50c,50c’は、フレー
ム311に対して固定された一対のセンサ取付部材31
6,316’に対して、取り付けられている。これらセ
ンサ取付部材316,316’は、少なくとも線膨張係
数が5×10-6m/℃以下の低熱膨張材料製であること
が望ましい。
【0074】図9は、図8における9−9線に沿った断
面図である。センサ取付部材316は、矩形板状の基礎
部分とこの基礎部分から並行するように伸びた張出部分
とが一体に連結された概略形状を有している。
【0075】図8に示されるように、センサ取付部材3
16の基礎部分は、フレーム311における駆動ローラ
314近傍に、固定されている。なお、このセンサ取付
部材316の張出部分は、ワークWの縁辺から中心へ向
けて、支持パッド312に対して所定の間隔を開けて、
張り出している。
【0076】そして、センサ取付部材316には、3つ
の変位センサ50e,50m,50cが取り付けられて
いる。変位センサ50eは、ワークWの縁辺近傍の位置
(計測位置)に配置されている。変位センサ50cは、
ワークWの中心近傍の位置(計測位置)に配置されてい
る。変位センサ50mは、これら両変位センサ50e,
50c間の位置(計測位置)に配置されている。なお、
変位センサ50mと変位センサ50eとの距離,及び,
変位センサ50mと変位センサ50cとの距離は、互い
に等しい。また、両変位センサ50e,50cは、支持
パッド312から退避した位置に配置されている。一
方、変位センサ50mは、支持パッド312に形成され
た貫通穴312a内に、配置されている。
【0077】同様に、他方のセンサ取付部材316’
は、上記センサ取付部材316と同様に構成されてお
り、このセンサ取付部材316と、ワークWが回転する
平面に関して対称となるように、フレーム311に対し
て固定されている。さらに、センサ取付部材316’に
は、3つの変位センサ50e’,50m’,50c’
が、ワークWが回転する平面に関して各変位センサ50
e,50m,50cと夫々対称となるように、取り付け
られている。
【0078】図10は、変位センサを示す模式図であ
る。この図10は、両変位センサ50c,50c’を、
図9における矢印10の方向に見た図になっている。こ
の図10の(A)に示されるように、変位センサ50c
は、長尺状の本体部分51,及び,この本体部分51の
先端に取り付けられた接触子52を、備えている。
【0079】本体部分51は、その長手方向をワークW
に対して垂直に向けて、センサ取付部材316に固定さ
れている。接触子52は、先端が滑らかに突出した回転
対称な形状を有し、その軸を、本体部分51の長手方向
に一致させている。そして、この接触子52は、その軸
方向にのみ変位可能に本体部分51により案内されてい
るとともに、図示せぬスプリングにより、その軸方向に
おける先端の向きへ付勢されている。さらに、この変位
センサ50cは、その接触子52の基端側から本体部分
51の先端近傍の領域を保護するためのベローズ53
を、備えている。
【0080】また、センサ取付部材316には、この変
位センサ50cに隣接させて配置されたシリンダ機構L
1が、固定されている。このシリンダ機構L1は、例え
ば、エアシリンダから構成され、進退可能なロッドを有
している。このシリンダ機構L1は、そのロッドの進退
方向を、変位センサ50cの本体部分51の長手方向に
対して平行に向けて、センサ取付部材316に固定され
ている。なお、図10の(A)には、シリンダ機構L1
がそのロッドを突出させた状態が示されており、図10
の(B)には、シリンダ機構L1がそのロッドを没入さ
せた状態が示されている。
【0081】さらに、このシリンダ機構L1のロッドの
先端には、引戻し部材L2が固定されている。この引戻
し部材は、長尺な角柱状の部分,この角柱状の部分の先
端から図10の左方へ矩形状に突出した部分,及び,こ
の突出した部分からさらに図10の左方へ突出した引戻
し板L21を、一体に有している。
【0082】この引戻し板L21は、矩形板状の外形を
有するとともに、小孔が開けられている。そして、この
引戻し板L21の小孔に、変位センサ50cの接触子5
2が、嵌合している。なお、この引戻し板L21の小孔
は、接触子52の軸方向における基端側へ広がったテー
パー状に開けられている。そして、接触子52は、引戻
し板L21の小孔に嵌合してその先端をこの引戻し板L
21から突出させている。
【0083】他方の変位センサ50c’は、上記変位セ
ンサ50cと同様に構成されており、この変位センサ5
0cとワークWが回転する所定の平面に関して対称に、
センサ取付部材316’に固定されている。また、この
変位センサ50c’に対応させて、シリンダ機構L1及
び引戻し部材L2が、同様に設けられている。
【0084】図10の(A)に示されるように、両変位
センサ50c,50c’の接触子52は、夫々、両引戻
し板L21から突出して、ワークWに接触している。こ
の状態において、両接触子52,52は、夫々、両引戻
し板L21,L21に遊嵌しているものの、これら両引
戻し板L21,L21に接触してはいない。
【0085】仮に、両接触子52,52間にワークWが
介在していなければ、これら両接触子52,52は、互
いに接触する。この状態においても、両接触子52,5
2は、夫々、両引戻し板L21,L21に接触しない。
なお、図10の(A)に示された状態において、両引戻
し板L21,L21は、互いに所定の間隔を開けて対向
しており、ワークWに接触することはない。この図10
の(A)に示された両変位センサ50c,50c’の状
態を、計測状態と称する。
【0086】そして、両シリンダ機構L1,L1が、そ
のロッドを没入させると、両引戻し板L21,L21
は、夫々、両接触子52,52に当接してこれら両接触
子52,52をその基端側へ引戻しつつ、互いに離反す
る。この状態が、図10の(B)に示されている。この
図10の(B)に示された両変位センサ50c,50
c’の状態を、待機状態と称する。
【0087】なお、両変位センサ50e,50e’及び
両変位センサ50c,50c’は、夫々、両変位センサ
50c,50c’と同様に構成されている。
【0088】図11は、両頭研削盤の制御系のうちの変
位センサ50及びシリンダ機構L1の制御に関する部分
を示す図である。この図11に示されるように、両頭研
削盤の制御部5は、各変位センサ50(50e,50
e’;50m,50m’;50c,50c’)と夫々接
続されており、その出力信号に基づいて各接触子52の
位置を取得することができる。さらに、制御部5は、各
シリンダ機構L1を夫々制御して、各変位センサ50
を、計測状態又は待機状態に設定することができる。
【0089】なお、ワークホルダ31がワークWを保持
していない状態において、制御部5は、各変位センサ5
0を計測状態に設定することにより、相対向した接触子
52,52同士を接触させ、この状態における変位セン
サ50からの出力信号に基づき、いわゆる0点調節を行
う。具体的には、制御部5は、両変位センサ50c,5
0c’の接触子52同士が接触した状態において、これ
ら両変位センサ50c,50c’からの出力信号を夫々
取得し、当該出力信号の値を基準値(0点)として認識
する。
【0090】その後、ワークホルダ31がワークWを保
持した状態において、制御部5は、各変位センサ50を
計測状態に設定することにより、両変位センサ50c,
50c’の接触子52を、夫々、ワークWに当接させ
る。そして、制御部5は、この状態における両変位セン
サ50c,50c’からの出力信号を取得して基準値と
比較することにより、両接触子52,52同士が接触し
た位置から、これら両接触子がどれだけ変位したかを正
確に認識することができる。さらに、制御部5は、両接
触子52,52の変位同士を加算することにより、これ
ら両接触子52の位置におけるワークWの表裏面の間隔
(ワークWの厚さ)を取得することができる。
【0091】そして、制御部5は、両変位センサ50
c,50c’からの出力信号に基づいて、ワークWの中
心近傍における厚さ(中心厚さTc)を取得し、両変位
センサ50e,50e’からの出力信号に基づいて、ワ
ークWの縁辺近傍における厚さ(縁辺厚さTe)を取得
し、両変位センサ50m,50m’からの出力信号に基
づいて、ワークWの中心と縁辺との中間の位置における
厚さ(中間厚さTm)を取得することができる。
【0092】<ワーク形状と砥石の姿勢との関係>上記
のように取得された中心厚さ,縁辺厚さ,及び中間厚さ
(Tc,Te,Tm)に基づき、制御部5は、図17を
参照して後述するように、ワークWの形状を推定するこ
とができる。このワークWの形状は、両砥石11,12
のワークWの表裏面に対する相対的な姿勢により、決定
される。
【0093】以下、砥石11の姿勢とワークWの形状に
つき、図12乃至図16を参照して説明する。図12に
示されるように、砥石11の回転軸がワークWの回転軸
と平行であると、ワークWは、平坦な円板状に研削され
る。即ち、ワークWの回転軸と垂直な当該ワークWの仮
想中心面を想定すると、この仮想中心面と砥石11の作
用面のなす傾斜角θがθ=0°のとき、ワークWは、平
坦な円板状に研削される。なお、この傾斜角θは、ワー
クWの回転軸と砥石11の回転軸とのなす角に等しい。
この図12に示された砥石11の状態が、基準状態に相
当する。そして、この基準状態にある砥石11の回転軸
とワークWの回転軸とを含む平面(ZX平面)が、基準
平面に相当する。
【0094】一方、図13に示されるように、傾斜角θ
がθ=θ1になるときには、ワークWは、平坦な円板状
には研削されない。なお、θ1は、0より大きい微小な
角である。このワークWの形状は、傾斜角θと、その位
相αにより決定される。なお、図13乃至図16では、
傾斜角θはいずれもθ=θ1であるが、その位相αが互
いに異なっている。
【0095】この傾斜角θの位相αは、傾斜角θが掃引
する面とZX平面とのなす角により、決定される。図1
3に示されるように、ワークWの回転軸が図13のZ方
向と平行である場合に、砥石11の回転軸がZX平面と
平行であるとともに、砥石11の図13における左方の
縁辺がその他の部分よりもワークWに近接しているとき
の傾斜角θの位相αがα=0である。
【0096】図14には、位相αがα=30°、即ち、
傾斜角θが掃引する面とZX平面とのなす角である位相
αはα=30°、の状態が示されている。
【0097】図15には、位相αがα=120°、即
ち、傾斜角θが掃引する面とZX平面とのなす角である
位相αはα=120°、の状態が示されている。
【0098】図16には、位相αがα=180°、即
ち、傾斜角θが掃引する面とZX平面とのなす角である
位相αはα=180°、の状態が示されている。
【0099】そして、この傾斜角θ及びその位相αによ
り、ワークWの形状は、式(9) Δt=rW・sin〔α−sin-1{rW/(2・RG)}〕 …(9) に基づいて決定される。なお、式(9)において、Δt
は、ワークWの表面(裏面)における中心からの距離r
Wを変数としたワークWの仮想中心面とワークの表面
(裏面)との間隔である。また、RGは、砥石11の半
径である。そして、ワークWの厚さTは、ワークWの仮
想中心面と表面との間隔(Δt),及び,ワークWの仮
想中心面と裏面との間隔(Δt)の和である。この
(9)式により、傾斜角θ及びその位相αに応じたワー
クWの形状が、決定される。
【0100】以下、より具体的に、位相αとワークWの
形状について説明する。図17は、傾斜角θがθ=θ1
(>0)である場合のその位相αに対応したワークWの
縦断面形状を示す模式図である。
【0101】図17の(A)は、図13のように位相α
がα=0である場合におけるワークWの形状を示してい
る。この場合には、ワークWの中心厚さTc,縁辺厚さ
Te,及び中間厚さTmの関係は、Tc<Tm<Te
(第1の条件に相当)である。
【0102】図17の(B)は、図14のように位相α
がα=30°である場合におけるワークWの形状を示し
ている。この場合には、ワークWの中心厚さTc,縁辺
厚さTe,及び中間厚さTmの関係は、Tc>Tmかつ
Te>Tm(第2の条件に相当)である。
【0103】図17の(C)は、図15のように位相α
がα=120°である場合におけるワークWの形状を示
している。この場合には、ワークWの中心厚さTc,縁
辺厚さTe,及び中間厚さTmの関係は、Tc>Tm>
TeかつTc−Tm≒Tm−Te(第3の条件に相当)
である。
【0104】図17の(D)は、図16のように位相α
がα=180°である場合におけるワークWの形状を示
している。この場合には、ワークWの中心厚さTc,縁
辺厚さTe,及び中間厚さTmの関係は、Tc>Tm>
TeかつTc−Te≒Tm−Te(第4の条件に相当)
である。
【0105】なお、位相αがα=90°のときには、ワ
ークWの形状は、上記図17の(A)〜(D)のいずれ
にも該当しない。
【0106】上記のように、砥石11の姿勢とワークW
の形状との関係がわかっているので、制御部5は、各変
位センサ50c,50c’;50e,50e’;50
m,50m’により取得されたワークWの中心厚さT
c,縁辺厚さTe,及び中間厚さTmに基づき、傾斜角
θ及びその位相αにより特徴づけられる砥石11,21
の姿勢を認識することができる。
【0107】まず、Tc=Te=Tmであれば、ワーク
Wは平坦に研削されていると推定される。即ち、傾斜角
θは、θ=0と推定される。一方、それ以外の場合に
は、傾斜角θはθ≠0であると推定される。この傾斜角
がθ≠0である場合には、制御部5は、位相α及び傾斜
角θを以下の手順で推定する。
【0108】まず、制御部5は、ワークWの中心厚さT
c,縁辺厚さTe,及び中間厚さTmの関係を調べる。
そして、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さT
mの関係が、Tc<Tm<Teである場合には、図13
及び図17の(A)に示されるように、位相αはα=0
と判別される。この場合には、傾斜角θは、以下の式
(10) θ=2・(Te−Tc)/(RG・sin(π/3)) …(10) に基づいて算出される。
【0109】また、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び
中間厚さTmの関係が、Tc>TmかつTe>Tmであ
る場合には、図14及び図17の(B)に示されるよう
に、位相αはα=30°と判別される。この場合には、
傾斜角θは、以下の式(11) θ=2・(Te+Tc−2・Tm)/(2・RG・(1−cos(π/12)) ) …(11) に基づいて算出される。
【0110】また、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び
中間厚さTmの関係が、Tc>Tm>TeかつTc−T
m≒Tm−Teである場合には、図15及び図17の
(C)に示されるように、位相αはα=120°と判別
される。この場合には、傾斜角θは、以下の式(12) θ=(Tc−Te)/(2・RG・sin(π/12)) …(12) に基づいて算出される。
【0111】また、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び
中間厚さTmの関係が、Tc>Tm>TeかつTc−T
e≒Tm−Teである場合には、図16及び図17の
(D)に示されるように、位相αはα=180°と判別
される。この場合には、傾斜角θは、以下の式(13) θ=2・(Te−Tc)/(RG・sin(π/3)) …(13) に基づいて算出される。
【0112】なお、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び
中間厚さTmの関係が、Tc=Te=Tmでもなく、図
17の(A)〜(D)のどの状態にも該当しない(第1
乃至第4の条件を満たさない)場合には、位相角αはα
=90°と判別される。この場合には、傾斜角θは、以
下の式(14) θ=(Te−Tc)/(2・RG・sin(π/12)・cos(π/6)) …(14) に基づいて算出される。
【0113】そして、制御部5は、上記のように推定し
た傾斜角θ及びその位相αに基づいて、各砥石11,2
1のワークWに対する相対的な位置及び姿勢を認識する
とともに、このワークWを所望の形状に研削する。
【0114】具体的には、制御部5は、ワークWを平坦
な円板状に研削するのであれば、各サーボバルブ123
V,124V,125V,126V,127Vを制御し
て、両砥石11,21の傾斜角θをθ=0に調節する。
すると、ワークWは、平坦な円板状に研削される。
【0115】なお、この両頭研削盤による研削工程以後
の工程との関係から、ワークWが平坦以外の所定の形状
に研削されることが好ましい場合がある。このような場
合には、制御部5は、各サーボバルブ123V,124
V,125V,126V,127Vを制御して、両砥石
11,21の傾斜角θ及びその位相αを調節することに
より、ワークWを所望の形状に研削することができる。
即ち、このワークWは、例えば、図17の(A)乃至
(D)から選択される所望の形状に加工される。
【0116】<研削加工の手順>以下、両頭研削盤がワ
ークWを所望の形状に研削する処理について、説明す
る。まず、オペレータは、両砥石11,21砥石のドレ
ッシング等の調整を行った後、制御部5に対して、各変
位センサ50の0点調節を指示する。なお、ワーク保持
装置3は退避位置に設定されており、ワーク保持装置3
のワークホルダ31にはワークWが保持されていない。
この0点調節の指示を受けると、制御部5は、各変位セ
ンサ50を計測状態に設定する。すると、各変位センサ
50の対応する接触子52同士は、互いに接触する。そ
して、制御部5は、この状態における各変位センサ50
からの出力信号に基づき、これら各変位センサ50の0
点調節を実行する。この0点調節後、各変位センサ50
は、待機状態に設定される。
【0117】その後、制御部5は、研削前の状態のワー
クWを図示せぬロボットによりワークホルダ31に保持
させ、ワーク保持装置3を研削位置へ移動させる。同時
に、制御部5は、主軸モータ128を回転させることに
より、両砥石11,21を高速回転させる。なお、この
時点では、両砥石11,21の姿勢の調整はなされな
い。
【0118】そのうえで、制御部5は、図18のフロー
チャートに従って、研削処理を進める。この図18のフ
ローチャート開始後最初のS1では、制御部5は、リニ
アセンサ16からの出力を監視しつつ駆動供給部15を
制御して、両スピンドル装置1,2同士を、所定の切り
込み速度で近接させてゆく。そして、制御部5は、両ス
ピンドル装置1,2同士が、予め定められた間隔に達し
たところで、処理をS2へ進める。なお、この間隔は、
ワークWの表裏面の全域に対して両砥石11,21が夫
々当接する(いわゆる全面当たりとなる)程度の間隔と
して定められている。また、以下のS2乃至S7におい
て、両スピンドル装置1,2同士は、近接しつづける。
但し、制御部5は、切り込み速度を一定としてもよく、
変化させてもよい。
【0119】S2では、制御部5は、研削を続けつつ、
各変位センサ50を計測状態に設定する。すると、各変
位センサ50の接触子52は、ワークWに当接し、制御
部5は、このワークWの中心厚さTc,縁辺厚さTe,
及び中間厚さTmを取得する。なお、制御部5は、ワー
クWが数回転する間、各変位センサ50からの出力信号
を取得し続け、取得した出力信号の平均値を厚さの値
(Tc,Te,Tm)として決定する。そして、制御部
5は、これら中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚
さTmが決定した直後に、各変位センサ50を待機状態
に設定する。
【0120】次のS3では、制御部5は、ワークWが所
望の状態になっているかどうか、判別する。即ち、制御
部5は、S2で取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,
及び中間厚さTmが、夫々、予め定められた目標値と一
致しているかどうか、判別する。なお、目標値は、中心
厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さTmの夫々に対
応させて、個別に定められている。そして、制御部5
は、ワークWが所望の状態になっていれば処理をS7へ
進め、それ以外の場合には、処理をS4へ進める。
【0121】S4では、制御部5は、S2で取得した中
心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さTmに基づい
て、砥石11,21の姿勢を取得する。即ち、制御部5
は、砥石11,21のワークWに対する相対的な姿勢を
特徴づける傾斜角θ及びその位相αを、上述の如く算出
する。
【0122】次のS5では、制御部5は、S4で取得し
た傾斜角θ及びその位相αに基づき、ワークWが所望の
形状となるように、両砥石11,21の姿勢を夫々調節
する。即ち、制御部5は、Xセンサ123S,Yセンサ
124S,各Zセンサ125S,126S,127Sか
らの出力を監視しつつ、各サーボバルブ123V,12
4V,125V,126V,127Vを夫々制御して、
傾斜角θ及びその位相αが所望の値となるように、両砥
石11,21の姿勢を夫々調節する。
【0123】次のS6では、制御部5は、両砥石11,
21の姿勢をS5で調節した状態に保つとともに、所定
の時間、研削を続行する。そして、制御部5は、所定の
時間が経過した後、処理をS2へ戻す。
【0124】S7では、上記S3においてワークWが所
望の状態に研削されたと判別されたので、制御部5は、
最終研削を実行して処理を終了する。即ち、制御部5
は、少なくともワークWが1回転する間、研削を続け、
処理を終了する。なお、ワークWの表裏面に変位センサ
50の接触子52による接触痕が残っていたとしても、
この最終研削によって当該接触痕は消えてしまう。即
ち、ワークWの表面は、滑らかな状態に仕上がる。
【0125】このように、制御部5は、各変位センサ5
0による計測(インプロセス計測)に基づいてワークW
の形状を監視しつつ、両砥石11,21の姿勢を調節し
て、ワークWを所望の形状に研削することができる。な
お、制御部5は、ワークWの形状を監視しているので、
このワークWが所望の形状に近づくまでは、切り込み速
度を速くして、所望の形状に近づいた段階で、切り込み
速度を遅くすることも可能になる。すると、ワークWの
歩留まりが高く保たれるとともに、研削に要する時間が
短縮される。
【0126】以後、同様に、未加工のワークWが研削さ
れてゆく。なお、各変位センサ50の0点調節は、毎回
なされてもよく、研削が所定回数実行された後になされ
てもよい。
【0127】<変形例>上記実施形態における変位セン
サ50は、接触子52を有する接触式変位センサである
が、この変位センサ50は、非接触式変位センサであっ
てもよい。即ち、この非接触式変位センサは、ワークW
に接触することなくこのワークWの回転軸と平行な方向
における変位の成分を計測する変位取得器を備えた非接
触式変位センサであってもよい。例えば、この非接触式
変位センサは、レーザーフォーカス変位計であってもよ
く、渦電流式変位センサであってもよい。このように、
非接触式センサが用いられれば、図18のフローチャー
トにおける最終研削(S7)の処理が不要となる。
【0128】以下、より具体的に、レーザフォーカス変
位計を有するセンサユニットについて、説明する。図1
9は、このセンサユニット60を備えたワークホルダ3
1’を示す構成図である。このワークホルダ31’は、
図8に示された上記実施形態のワークホルダ31の構成
において、本変形例のセンサユニット60を備えた点を
特徴としている。なお、本変形例のワークホルダ31’
は、上述の接触式の変位センサ50を有していない。こ
のため、本変形例のワークホルダ31’の支持パッド3
18(,318’)には、変位センサ50のための貫通
穴が開けられていない。
【0129】図20は、図19におけるのJ−J線に沿
った断面図である。この図20に示されるように、セン
サユニット60は、レーザフォーカス変位計(以下、変
位計と略記)61を備えている。この変位計61は、図
示せぬレーザ光源及び対物レンズを備え、その対物レン
ズを光軸方向へ高速で振動させることにより、レーザビ
ームのビーム軸方向における所定領域を掃引する非接触
式センサである。
【0130】さらに、このセンサユニット60は、フレ
ーム311に対して固定されたガイド部材62,モータ
63,及びボールネジ64を、備えている。これらガイ
ド部材62,モータ63,及びボールネジ64は、セン
サスライド機構に相当する。なお、図19に示されるよ
うに、ワークWが回転する円板状領域における中心から
縁辺に沿って、所定の計測線分Fが仮想的に設定されて
いる。そして、ガイド部材62は、変位計61を、計測
線分Fに沿って移動可能に案内している。
【0131】図20に示されるように、モータ63は、
ガイド部材62に対して固定されており、その出力軸に
は、ボールネジ64のオネジが取り付けられている。こ
のボールネジ64のメネジは、変位計61に対して固定
されている。
【0132】なお、上記センサユニット60は、ワーク
Wの表面に対応させて設けられている。そして、ワーク
Wの裏面に対応させて、上記センサユニット60と同様
に構成されたセンサユニット60’が、設けられてい
る。図20に示されるように、センサユニット60’
は、ワークWが回転する平面に関して上記センサユニッ
ト60と対称に配置されている。
【0133】これら両センサユニット60,60’は、
制御部5に対して夫々接続されている。そして、制御部
5は、両モータ63,63を夫々駆動して両ボールネジ
64,64のオネジを回転させることにより、両変位計
61,61を計測線分Fに沿って同期して移動させる。
これら両変位計61は、ワークWに接触することなく、
このワークWの表裏面の位置を夫々取得して、当該位置
を示す信号を制御部5へ送信する。そして、制御部5
は、計測線分Fに沿ったワークWの表裏面の位置に基づ
き、この計測線分Fに沿ったワークWの表裏面同士の間
隔を、取得する。即ち、計測線分Fに沿ったワークWの
厚さがスキャン計測される。
【0134】なお、ワークWは、回転対称に研削される
ので、上記のようにワークの中心から縁辺に亘る計測線
分Fに沿ってスキャン計測がなされると、ワークWの断
面形状が略完全に取得される。そして、制御部5は、ス
キャン計測により取得された形状に基づき、両スピンド
ル装置1,2を制御して、ワークWを所望の形状に加工
する。
【0135】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の加工装
置は、ワークを加工しつつその形状を計測するととも
に、このワークを所望の形状に加工することができる。
従って、ワークの仕上がりの形状が厳密に管理され、ワ
ークの歩留まりも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の両頭研削盤を示す概略
構成図
【図2】 スピンドル装置に関する制御系を示す図
【図3】 主軸部の構成を模式的に示す縦断面図
【図4】 主軸部の固定軸周辺を示す斜視図
【図5】 主軸部のラジアル方向の制御を示す説明図
【図6】 主軸部のスラスト方向の制御を示す説明図
【図7】 対向パッド静圧軸受の原理説明図
【図8】 ワーク保持装置の構成図
【図9】 図8における9−9線に沿った断面図
【図10】 変位センサを示す模式図
【図11】 変位センサ及びシリンダ機構に関する制御
系を示す図
【図12】 砥石の姿勢を示す説明図
【図13】 砥石の姿勢を示す説明図
【図14】 砥石の姿勢を示す説明図
【図15】 砥石の姿勢を示す説明図
【図16】 砥石の姿勢を示す説明図
【図17】 ワークの形状を示す説明図
【図18】 本発明の一実施形態の研削処理を示すフロ
ーチャート
【図19】 変形例のワークホルダを示す構成図
【図20】 図19におけるJ−J線に沿った断面図
【符号の説明】
1,2 スピンドル装置 11,21 カップ型砥石 12 主軸部 121 固定軸 122 外輪 123(a,b),124(a,b) ラジアル静圧パ
ッド 125(a,b)〜127(a,b) スラスト静圧パ
ッド 123V〜127V サーボバルブ 128 主軸モータ 3 ワーク保持装置 31 ワークホルダ 312 支持パッド 313,314 駆動ローラ 50 変位センサ 52 接触子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 621 H01L 21/304 621A (72)発明者 原 一敬 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 (72)発明者 磯部 章 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 (72)発明者 冨田 良幸 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 (72)発明者 岩瀬 昭雄 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重機 械工業株式会社新居浜製造所内 (72)発明者 阿部 耕三 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内 (72)発明者 鈴木 盛江 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内 Fターム(参考) 3C029 BB02 3C034 AA08 BB75 BB92 CA05 CA12 CB01 3C043 BC06 CC04 DD05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板状のワークを所定の円板状領域内で回
    転させつつ保持するワークホルダと、 前記ワークを加工する作用面を有する一対の作用部と、 前記両作用部の位置及び姿勢を変化させることにより、
    これら両作用部の作用面を前記ワークの表裏面に対して
    夫々接触させて、このワークを加工させる加工駆動部
    と、 前記円板状領域の所定の計測位置における前記ワークの
    表裏両面同士の間隔を計測する計測部と、 前記計測部から前記ワークの表裏両面同士の間隔を取得
    するとともに、この間隔が所望の値になるように、前記
    加工駆動部を制御して前記両作用部の位置及び姿勢を調
    節する制御部とを備えたことを特徴とする加工装置。
  2. 【請求項2】前記計測部は、前記円板状領域の表裏面に
    おける中心近傍の計測位置,縁辺近傍の計測位置,及び
    中心と縁辺との間の計測位置における前記ワークの表裏
    面同士の間隔を、中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中
    間厚さTmとして夫々取得し、 前記制御部は、前記計測部からこれら中心厚さTc,縁
    辺厚さTe,及び中間厚さTmを取得することにより、
    前記ワークの形状を取得するとともに、その形状が所望
    の形状になるように、前記加工駆動部を制御して前記両
    作用部の位置及び姿勢を調節することを特徴とする請求
    項1記載の加工装置。
  3. 【請求項3】前記作用部の作用面は、当該作用部が回転
    した場合に、前記ワークの表裏面の半径以上の直径を有
    する所定の加工円内で回転可能な形状を有し、 前記加工駆動部は、前記作用部を保持するとともに、そ
    の作用面が前記加工円内で回転するように当該作用部を
    回転させる回転機構を有し、 前記制御部は、前記作用部の加工円が前記円板状領域の
    表裏面に接するとともに、この加工円の縁辺近傍が前記
    円板状領域の表裏面における中心に接した状態を当該作
    用部の基準状態とし、この基準状態における前記作用部
    の回転軸とワークの回転軸とを含む平面を基準平面とし
    た場合に、前記計測部から取得した中心厚さTc,縁辺
    厚さTe,及び中間厚さTmに基づいて、前記作用部の
    加工円と前記ワークの円板状領域における表裏面とのな
    す傾斜角θ,及び,該傾斜角θが仮想的に掃引する平面
    と前記基準平面とのなす角である位相αを取得し、前記
    加工駆動部を制御して前記傾斜角θ及び位相αが夫々所
    望の状態となるように前記加工部の姿勢を調節すること
    を特徴とする請求項2記載の加工装置。
  4. 【請求項4】前記制御部は、取得した中心厚さTc,縁
    辺厚さTe,及び中間厚さTmがTc=Te=Tmであ
    る場合に、前記傾斜角θをθ=0°として取得すること
    を特徴とする請求項3記載の加工装置。
  5. 【請求項5】前記作用部の作用面は、リング状の形状を
    有し、 前記制御部は、取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,
    及び中間厚さTmが第1の条件であるTc<Tm<Te
    を満たす場合に、前記位相αを、α=0°として取得す
    るとともに、前記傾斜角θを、前記加工円の半径をRG
    として、式θ=2・(Te−Tc)/(RG・sin
    (π/3))に基づいて算出し、 取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さT
    mが第2の条件であるTc>TmかつTe>Tmを満た
    す場合に、前記位相αを、α=30°として取得すると
    ともに、前記傾斜角θを、式 θ=2・(Te+Tc−2・Tm)/(2・RG・(1
    −cos(π/12))) に基づいて算出し、 取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さT
    mが第3の条件であるTc>Tm>TeかつTc−Tm
    ≒Tm−Teを満たす場合に、前記位相αを、α=12
    0°として取得するとともに、前記傾斜角θを、式 θ=(Tc−Te)/(2・RG・sin(π/1
    2)) に基づいて算出し、 取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さT
    mが第4の条件であるTc>Tm>TeかつTc−Te
    ≒Tm−Teを満たす場合に、前記位相αを、α=18
    0°として取得するとともに、前記傾斜角θを、式 θ=2・(Te−Tc)/(RG・sin(π/3)) に基づいて算出し、 取得した中心厚さTc,縁辺厚さTe,及び中間厚さT
    mが、Tc=Te=Tmではなく、かつ、上記第1乃至
    第4の条件のいずれをも満たさない場合に、前記位相α
    をα=90°として取得するとともに、前記傾斜角θ
    を、式θ=(Te−Tc)/(2・RG・sin(π/
    12)・cos(π/6))に基づいて算出することを
    特徴とする請求項3又は4記載の加工装置。
  6. 【請求項6】前記計測部は、前記ワークの表裏両面に夫
    々対応させて配置されるとともに前記ワークに接触する
    ことなくこのワークの回転軸と平行な方向における変位
    の成分を計測する一対の非接触式変位センサを有し、 前記非接触式変位センサを、前記円板状領域内における
    所定の計測線分に沿って移動させるセンサスライド機構
    をさらに備え、 前記制御部は、前記センサスライド機構を制御して、前
    記非接触式変位センサを前記計測線分に沿って移動させ
    つつ、前記非接触式変位センサが計測した変位の成分に
    基づいて前記計測線分に沿った前記ワークの表裏面同士
    の間隔を取得するとともに、取得した前記ワークの表裏
    面同士の間隔に基づいて前記加工駆動部を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の加工装置。
  7. 【請求項7】前記加工駆動部は、前記作用部を所定のス
    ラスト方向へ移動させることにより進退させる進退駆動
    機構と、 前記作用部を、前記スラスト方向と直交する平面内の所
    定の第1ラジアル方向における互いに反対の向きへ流体
    静圧により付勢して変位させる第1ラジアル静圧パッド
    の対と、 前記作用部を、前記スラスト方向と直交する平面内にて
    前記第1ラジアル方向と直交する第2ラジアル方向にお
    ける互いに反対の向きへ流体静圧により付勢して変位さ
    せる第2ラジアル静圧パッドの対と、 前記作用部が回転する領域における3箇所に夫々対応さ
    せて設けられ、前記スラスト方向における互いに反対の
    向きへ当該作用部を流体静圧により付勢して変位させる
    3対のスラスト静圧パッドの対と、 前記各ラジアル静圧パッド及び各スラスト静圧パッドに
    対して夫々所望の圧力で流体を供給する流体供給機構と
    をさらに備え、 前記制御部は、前記進退駆動機構を制御して前記作用部
    を進退させ、前記流体供給機構を制御して、前記作用部
    を前記第1及び第2ラジアル方向へ夫々変位させるとと
    もに、前記作用部を前記各スラスト静圧パッドの対の位
    置にて夫々前記スラスト方向へ変位させることを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載の加工装置。
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