JP2002346778A - レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置 - Google Patents

レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置

Info

Publication number
JP2002346778A
JP2002346778A JP2001162157A JP2001162157A JP2002346778A JP 2002346778 A JP2002346778 A JP 2002346778A JP 2001162157 A JP2001162157 A JP 2001162157A JP 2001162157 A JP2001162157 A JP 2001162157A JP 2002346778 A JP2002346778 A JP 2002346778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
jig
side wall
processing head
panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001162157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3555593B2 (ja
Inventor
Hideo Kayama
秀生 嘉山
Hiroshi Tarui
大志 樽井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001162157A priority Critical patent/JP3555593B2/ja
Publication of JP2002346778A publication Critical patent/JP2002346778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3555593B2 publication Critical patent/JP3555593B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溝幅を減少できティーチングも容易なレーザ
溶接における照射位置決め方法および装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方は側壁部S2となったパ
ネル接合部W1へのレーザ溶接における照射位置決め装
置において、パネル接合部W1にレーザ光を照射する加
工ヘッド2先端に固定され、照射されるレーザ光10に
先行してパネル接合部W1に当接してパネル接合部W1
の隙間を矯正する隙間矯正治具1を、加工ヘッド2と共
に加工進行方向に平行な軸7回りに回動可能且つ中立方
向に復帰付勢して支持する支持手段4、5を介してロボ
ット6で保持し、ロボット6により、隙間矯正治具1の
先端1Aをパネル接合部W1に押圧力をもって当接させ
且つ先端1A側方を前記側壁部S2の上端縁S3に接触
させ、加工ヘッド2および隙間矯正治具1を軸7回りに
回動させた状態で加工進行方向に移動させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重ね合せたパネル
接合部同士をレーザ溶接する際の照射位置決め方法およ
び照射位置決め装置に関し、特に、パネル接合部の少な
くとも片側のパネルが側壁部を介して隆起して形成され
たワークに好適なレーザ溶接における照射位置決め方法
および照射位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、重ね合せたパネル接合部同士
をレーザ溶接する際には、溶接対象のパネル接合部間の
隙間が大きいと、溶接部分にブロ一ホールが発生して強
度が低下する可能性があるため、隙間矯正治具でパネル
接合部を上側から押さえ付けて、この隙間を小さく矯正
した状態で溶接するようにしている。
【0003】前記隙間矯正治具は、例えば、図8に示す
ように、基端部1Bが加工ヘッド2に固定され、先端部
1Aが図示しない集光レンズによりレーザ光10が焦点
を結ぶ位置に先行するよう配置され、加工ヘッド2のア
クチュエータ8によるワークW側への接近移動により先
端部1Aは、レーザ溶接される部位に先行してパネル接
合部W1同士を接触させるよう押さえ付け、その矯正状
態でレーザ溶接している。
【0004】ところで、自動車の外表面部分を構成する
パネル接合部W1においては、図9に示すように、パネ
ル接合部W1を外表面部分から溝状に陥没させて表面に
露出させない接合法が外観を向上させるために採用され
ている。
【0005】そして、前記溝の底部に配置されるパネル
接合部W1に対して、隙間矯正治具1によりパネル接合
部W1間の隙間を矯正しつつレーザ溶接する場合には、
一般的に、隙間矯正治具1と溝の側壁Sとが干渉しない
ように溝幅の寸法が設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、溝幅は、隙間矯正治具と干渉しないように設
定されるために、隙間矯正治具の幅寸法に、パネルの形
状精度による寸法のバラツキを吸収する寸法と、隙間矯
正治具を位置決めするロボットのロケート位置精度によ
る位置のバラツキを吸収する寸法を夫々加算して決定す
る必要があり、溝幅を小さくできず、外観品質を向上で
きないものであった。
【0007】一例として、図9に示す自動車の車体ルー
フ部周縁の接合部の断面図により説明すると、例えば、
隙間矯正治具1の幅寸法がAmm、車体の寸法バラツキ
およびロボットの位置決めバラツキがトータルで±Bm
mである場合には、隙間矯正治具1は溝内で左右にBm
mずつ点線図示のごとく位置が振れるため、干渉しない
ようにするためには溝幅を(A+2B)mm必要とする
こととなる。
【0008】また、上記溝幅は隙間矯正治具と溝の側壁
とが干渉しない最小寸法であることから、隙間矯正治具
の移動軌跡をロボットにティーチングする場合において
も、溝の側壁と隙間矯正治具との干渉状態が生じないよ
うに慎重に行う必要があり、ティーチング工数が多大と
なっていた。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、溝幅を減少できティーチングも容易なレー
ザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、レーザ溶
接における照射位置決め方法に係り、パネルの一部がパ
ネル接合部として重ねられ、少なくとも一方のパネルは
前記パネル接合部に連なる側壁部を介して前記パネル接
合部から隆起されているパネル接合部へのレーザ溶接に
おける照射位置決め方法であって、パネル接合部にレー
ザ光を照射する加工ヘッドおよび加工ヘッドに設けられ
レーザ光に先行してパネル接合部に当接してその間の隙
間を矯正する隙間矯正治具を、加工進行方向に平行な軸
回りに回動可能であり且つ中立方向に復帰付勢して支持
する支持手段を介して位置決め手段により位置調整およ
び移動させるよう構成し、前記位置決め手段によって、
パネル接合部に押圧力をもって当接させた前記隙間矯正
治具の先端側方を前記側壁部の上端縁に接触させること
で、支持手段を介して加工ヘッドおよび隙間矯正治具を
軸回りに回動させ、上記回動状態で加工ヘッドからレー
ザ光を照射しつつ、加工ヘッドおよび隙間矯正治具を加
工進行方向に移動させるようにしたことを特徴とする。
【0011】第2の発明は、第1の発明において、前記
位置決め手段は、パネル接合部に押圧力をもって先端が
当接した隙間矯正治具を側壁部がある横方向に移動させ
て、隙間矯正治具の先端側面を側壁部に当接させ、次い
で、隙間矯正治具を前記横方向と同一方向に更に所定距
離移動させて隙間矯正治具の側方を前記側壁部の上端縁
に接触させることで、支持手段を介して加工ヘッドおよ
び隙間矯正治具を軸回りに回動させることを特徴とす
る。
【0012】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記位置決め手段は、その移動軌跡を側壁部に対
する接線もしくは接線に平行な線を連結して構成したこ
とを特徴とする。
【0013】第4の発明は、レーザ溶接における照射位
置決め装置に係り、パネルの一部がパネル接合部として
重ねられ、少なくとも一方のパネルは前記パネル接合部
に連なる側壁部を介して前記パネル接合部から隆起され
ているパネル接合部へのレーザ溶接における照射位置決
め装置であって、パネル接合部にレーザ光を照射する加
工ヘッドと、前記加工ヘッド先端に固定され、加工ヘッ
ドから照射されるレーザ光に先行してパネル接合部に押
圧力をもって当接してパネル接合部の隙間を矯正しつつ
加工ヘッドの照射位置を調整する隙間矯正治具と、加工
ヘッドを加工進行方向に平行な軸回りに回動可能であり
且つ中立方向に復帰付勢して支持する支持手段と、前記
支持手段を介して加工ヘッドおよび隙間矯正治具の位置
を調整しつつ進行方向に移動させる位置決め手段とから
構成し、前記位置決め手段は、パネル接合部に押圧力を
もって当接した隙間矯正治具の先端の側方を前記側壁部
の上端縁に接触させ、前記支持手段により加工ヘッドお
よび隙間矯正治具を軸回りに回動させた状態で加工進行
方向に移動させるものであることを特徴とする。
【0014】第5の発明は、第4の発明において、前記
位置決め手段は、パネル接合部に押圧力をもって先端が
当接した隙間矯正治具を側壁部がある横方向に移動させ
て、隙間矯正治具の先端側面を側壁部に当接させ、次い
で、隙間矯正治具を前記横方向と同一方向に更に所定距
離移動させて隙間矯正治具の側方を前記側壁部の上端縁
に接触させることで、支持手段を介して加工ヘッドおよ
び隙間矯正治具を軸回りに回動させ、上記回動状態で加
工ヘッドからレーザ光を照射しつつ、加工ヘッドおよび
隙間矯正治具を加工進行方向に移動させるよう教示され
ることを特徴とする。
【0015】第6の発明は、第4または第5の発明にお
いて、前記位置決め手段は、その移動軌跡を側壁部に対
する接線もしくは接線に平行な線を連結して構成したこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】したがって、第1および第4の発明で
は、隙間矯正治具および加工ヘッドを加工進行方向に平
行な軸回りに回動可能であり且つ中立方向に復帰付勢し
て支持する支持手段を介して加工ヘッドおよび隙間矯正
治具の位置を調整しつつ進行方向に移動させる位置決め
手段を備え、位置決め手段により、パネル接合部に押圧
力をもって当接された隙間矯正治具の先端側方を前記側
壁部の上端縁に接触させ、前記支持手段により加工ヘッ
ドおよび隙間矯正治具を軸回りに回動させた状態で加工
進行方向に移動させるものであるため、隙間矯正治具先
端およびレーザ照射点は、側壁を基準として一定距離範
囲内に位置させることができる。
【0017】このため、車体の形状精度やロボットの位
置決め精度によって側壁の位置と隙間矯正治具の位置と
にズレが生じたとしても、それにより生ずる隙間矯正治
具先端およびレーザ照射点の移動は無視できる程度に小
さいものとでき、パネル接合部が底部に配置される溝で
あっても幅を狭くしたルーフ溝にも適用可能できる。
【0018】第2または第5の発明では、第1または第
4の発明の効果に加えて、位置決め手段により、パネル
接合部に押圧力をもって先端が当接された加工ヘッドと
一体の隙間矯正治具を側壁部がある横方向に移動され、
先端側面が側壁部に当接され、次いで、更に所定距離移
動されてその側方が側壁部の上端縁に接触されること
で、加工ヘッドおよび隙間矯正治具は支持手段の軸回り
に回動されるため、ワーク形状を基準に照射位置決めで
きる。
【0019】第3または第6の発明では、第1、2およ
び第4、5の発明の効果に加えて、位置決め手段の移動
軌跡を側壁部に対する接線もしくは接線に平行な線を連
結して構成したため、曲線部のティーチングが容易とな
り、ティーチング工数が大幅に小さくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明を適用可能なレーザ溶接に
おける照射位置決め装置の一例を示し、隙間矯正治具1
と、隙間矯正治具1を固定保持しワークWにレーザを照
射する加工ヘッド2と、加工ヘッド2をワークWに対し
接近離脱方向に駆動可能なヘッド移動軸3を介して保持
する支持手段としての第1基板4と、第1基板4を前記
ヘッド移動軸3に直交する軸7回りに弾性的に保持し位
置決め手段としてのロボットアーム6先端に結合された
第2基板5とから構成されている。
【0022】前記隙間矯正治具1は、その先端部1Aが
ワークWのパネル接合部W1を外方から前記ヘッド移動
軸3により所定の接触圧で押圧し、パネル接合部W1間
に存在する隙間はパネルを撓ませて減少させる。
【0023】前記隙間矯正治具1の先端部1Aの位置
は、加工ヘッド2からのレーザビーム10の進行方向
(図1中の矢印11方向)前方のパネル接合部W1に接
触しており、パネル接合部W1の隙間が矯正された状態
で後続するレーザビーム10によりパネル接合部W1が
溶接される。
【0024】前記加工ヘッド2は、前記隙間矯正治具1
の基端部1Bを一体に固定して備え、光ファイバ12を
介して図示しないレーザ発振器から発せられたレーザ光
を導入し、図示しない集光レンズを介して点線図示のご
とくワークWのパネル接合部W1を焦点としてレーザビ
ーム10を照射してパネル接合部W1同士を融接させ
る。
【0025】前記照射位置は、先行する隙間矯正治具1
で隙間矯正されたパネル接合部W1を追いかけて照射す
るよう設定される。
【0026】前記加工ヘッド2、および、隙間矯正治具
1は一体となって、ヘッド移動軸3によりワークWへの
接近離脱方向に移動され、位置決めされる。
【0027】前記ヘッド移動軸3に直交する軸7回りに
弾性的に結合される支持手段としての第1、2基板4、
5は、図2、3に示すごとく、スペーサ15を介して対
向する面4A、5A同士が対面し、四隅には対向した位
置において、第2基板5に丸穴5Bが、また、第1基板
4には長穴4Bが夫々形成されている。
【0028】前記丸穴5B、および、長穴4Bには、カ
ラー16を嵌合したボルト17が挿入され、ボルト17
先端にナット18を締結することで、カラー16は前記
長穴4B内でボルト17の頭部17Aと第2基板5の対
向する面5Aとの間で軸力をもって締結される。
【0029】上記締結により、ボルト17の頭部17A
は夫々第2基板5に対して位置決めされ、長穴4Bの外
側の縁に係合して第1基板4の第2基板5からの離反を
阻止し、結果として第1基板4は第2基板5に対して、
その対向面4A、5Aが互に傾斜しないように規制さ
れ、両者は平行に維持される。
【0030】また、第1基板4の四隅の長穴4Bは、カ
ラー16に対して左右方向に隙間を備えて係合している
ため、第1基板4が第2基板5に対して面直角方向の軸
7周りの回転が許容される。
【0031】前記第1、2基板4、5間には、ブチルゴ
ム等からなる弾性体19が配置され、弾性体19の第
1、2基板4、5への接触面は、接着、若しくは、図示
しないが、弾性体の両面に接着した端板がピン等の機械
的手段により、夫々固定される。
【0032】前記弾性体19は、前記第1、2基板4、
5の面直角方向の軸7周りの回転移動に伴ない弾性変形
量が増加することから、第1基板4の回転変位に対向し
て作用し、第1基板4を中立方向に引き戻すよう機能す
る。
【0033】前記第1基板4の回転変位は、第1基板4
上に搭載しているヘッド移動軸3、加工ヘッド2、およ
び、隙間矯正治具1を共に回転変位させる。
【0034】従って、位置決め手段としてのロボットア
ーム6により加工ヘッド2をワークWのパネル接合部W
1に位置決めし、その隙間矯正治具1をヘッド移動軸3
によりパネル接合部W1に所定の押圧力で接触させる際
には、各カラー16を長穴4B内で短径方向に移動させ
る荷重であるため、これらのヘッド移動軸3、加工ヘッ
ド2、および、隙間矯正治具1は傾斜することはない。
【0035】しかし、隙間矯正治具1から回転方向の荷
重を受ける際には、前記カラー16は長穴4B内で長径
方向に移動させる荷重であるため、弾性体19を変形さ
せ、これらのヘッド移動軸3、加工ヘッド2、および、
隙間矯正治具1はその荷重に応じた復元反力を生じつつ
回転変位、即ち、傾斜する。
【0036】なお、前記回転方向の荷重は、隙間矯正治
具1の先端1A側面を固定してロボットアーム6により
第2基板5を横方向に移動させる際にも、カラー16が
長穴4Bの長径方向に荷重を受け、アーム6の移動量に
応じて弾性体16を変形させ、これらのヘッド移動軸
3、加工ヘッド2、および、隙間矯正治具1をその変位
に応じた復元反力を生じつつ回転変位、即ち、傾斜す
る。
【0037】図4は、レーザ溶接されるパネル接合部W
1を構成するパネル構成の一例を示すものであり、図示
されたパネル構成はボデーサイドアセンブリBSとルー
フパネルRPとの結合部位である。
【0038】図4において、ボデーサイドアセンブリB
Sは、ルーフレールサイドインナパネルRIとレインフ
ォースルーフレールサイドパネルRSとのフランジ結合
によりルーフサイドの骨格を形成し、この骨格にボディ
サイドアウタパネルBOを結合することで構成されてい
る。
【0039】前記ボディサイドアウタパネルBOの図中
上方には、水平部P1と水平部P1に連なる側壁部S1
が形成され、水平部P1上に、端部が側壁部S2と水平
部P2に形成されたルーフパネルRPの水平部P2が載
置され、水平部P1、P2同士がパネル接合部としてレ
ーザ溶接される部位となる。
【0040】次に、上記構成のレーザ溶接における照射
位置決め装置の位置決め作動について、図5に基づき説
明する。
【0041】図5はルーフパネルRP、および、ボディ
サイドアウタパネルBOの夫々の側壁部S1、S2、お
よび夫々の水平部P1、P2で形成されたルーフ溝の断
面図を示し、水平部P1、P2同士がパネル接合部W1
を形成する。
【0042】先ず、図5(A)に示すごとく、ロボット
6により位置決めされヘッド移動軸3により矢印20方
向に押出して隙間矯正治具1の先端1Aをルーフ溝内に
挿入し、その先端1Aをルーフ溝の底部の水平部P1、
P2同士のパネル接合部W1に図5(B)のごとく当接
させる。
【0043】この挿入作動における隙間矯正治具1の先
端1Aの位置はルーフ溝内で溝の中央に挿入する必要は
なく、挿入できれば横方向にずれていても差し支えな
い。
【0044】次いで、図5(B)に示すごとく、矢印2
1方向に所定の押圧力を付与する。この押圧により、水
平部P1、P2同士で形成するパネル接合部W1の隙間
が矯正される。押圧力の大きさは、加工ヘッド2をワー
クWに向けて駆動するヘッド移動軸3の駆動モータの駆
動電流値により検出することができる。
【0045】次いで、ロボットハンド6により軸7をル
ーフ溝と交差する方向(矢印22参照)に移動させる。
この移動中において、図5(C)のごとく、隙間矯正治
具1の側面を一方の側壁部であるルーフパネルRPの側
壁部S2に当接させる。この当接は、ロボットハンド6
に設けた駆動モータの駆動抵抗により上昇する駆動電流
の立ち上がりで検出することができる。
【0046】続いて、図5(C)に示すように、さらに
当接を増加させるよう矢印23方向に軸7を所定量Xだ
け移動させ、図5(D)の状態となる。隙間矯正治具1
の先端1AはルーフパネルRPの側壁部S2に当接して
いることから、前記移動は、第1基板4を第2基板5の
面直角方向の軸7周りに回転させるよう作用し、両基板
4、5間に配置された弾性体19を弾性変形させつつ回
転する。
【0047】この回転は、隙間調整治具1、および、加
工ヘッド2を傾斜させ、図5(D)に示すようにルーフ
パネルRPの側壁部S2の上端縁S3を転がり部分とし
てパネル接合部W1に接触している先端部1Aは図中右
側に移動し、第1、2基板4、5は加工ヘッド2を含め
て図中左側に移動する。
【0048】即ち、加工ヘッド2から照射されるレーザ
光10も同様に傾斜するが、傾斜することによるレーザ
光10の焦点のズレ量は、ルーフ溝の側壁部S2の上端
縁S3の高さに対して側壁部S2の上端縁S3と第1基
板4との間の距離が極めて大きい(例えば、50〜10
0倍)ため、無視できる程度に小さくできる。
【0049】例えば、側壁部S2の上端縁S3の高さを
7〜10mmとすれば、第1基板4とレーザ照射点との
間隔を側壁部S2の高さの50〜100倍の長さに設定
すれば、第1基板4を4mm〜10mm横方向に移動さ
せた場合でも、レーザ照射点の移動距離は0.1mm未
満〜0.2mm程度と極めて小さい値のズレとなる。
【0050】この状態で、ロボット6により隙間矯正治
具1、および、加工ヘッド2をルーフ溝に沿って移動さ
せることで、ルーフ溝の底部の水平部P1、P2同士の
レーザ溶接を行う。
【0051】従って、ルーフ溝の形状にバラツキがあ
り、また、ロボット6の位置決め精度にバラツキがあっ
たとしても、そのバラツキに追従して隙間矯正治具1、
および、加工ヘッド2が微小に傾くが、ルーフ溝の底部
の水平部P1、P2同士を位置ずれすることなくレーザ
溶接することができる。
【0052】しかも、隙間矯正治具1は、常時ルーフ溝
の側壁部と2の上端縁と3に接触し、追従するものであ
るため、ルーフ溝の溝幅を隙間矯正治具1の微小な傾斜
を許容する幅まで狭めることが可能である。
【0053】また、ルーフ溝が水平方向から見てカーブ
を描いて配置されている場合には、図6に示すように、
第1基板4の軸7がルーフ溝の一方の側壁部S2から、
設定した距離(例えば、10mm)以上離れないよう
に、ロボット6の教示点T1〜4を複数箇所設定し、教
示点間は教示点を直線で結んだ移動軌跡となるよう実線
のごとくティーチングすればよい。
【0054】この場合、隙間矯正治具1は、各教示点で
はルーフ溝の一方の側壁部S2にゼロタッチ(接触圧を
生じることなく単に接触している状態)し、移動軌跡と
ルーフ溝の一方の側壁部S2とが乖離している点では乖
離量に応じてルーフ溝の一方の側壁S2の上端縁S3に
微小な傾きをもって接触する。
【0055】なお、側壁部S2が上記のごとく凸なる曲
線に対しては、曲線の接線に平行な線同士を接続してロ
ボット6の移動軌跡を形成すればよいが、図示しない
が、側壁部が凹なる曲線を持つ場合には、側壁部の凹な
る曲線の接線同士を接続してロボットの移動軌跡を形成
することとなる。
【0056】図7は、支持手段としての第1、2基板
4、5の締結構造の変形例を示したもので、図2、3の
例では四隅に長穴4Bとカラー16を配してボルト17
で締結する構造であったが、この変形例においては、3
点の締結部位で締結したものである。
【0057】即ち、前記3点の締結部位の上部の一点2
5は水平、垂直方向に移動しないタイトな構造であり、
下部の二点26は前者の一点25を中心とした円周方向
に配置した長穴27とカラー28とで締結するようにし
たものである。
【0058】なお、29は第1、2基板4、5間に配置
したスペーサであり、30は第1、2基板4、5に両端
が固定された弾性体である。
【0059】この例においては、タイトな締結部位を中
心に第1基板4が回転可能となっているため、回動範囲
をより微小に設定することができる。
【0060】なお、隙間矯正治具1、および、ヘッド移
動軸3を含めて加工ヘッド2を回動可能とする構造は、
上記した構造に限られず、図示しないが、ヘッド移動軸
の基部をロボットハンド部に回動可能に軸支し、基部の
両回動位置にストッパを配置し、ストッパと基部との間
に基部の回動を制限する弾性材を配置したものであって
もよい。
【0061】以上説明した、本実施の態様においては、
以下に説明する効果を奏しうる。
【0062】即ち、隙間矯正治具1および加工ヘッド2
を加工進行方向に平行な軸7回りに回動可能であり且つ
中立方向に復帰付勢して支持する支持手段としての第
1、2基板4、5を介して加工ヘッド2および隙間矯正
治具1の位置を調整しつつ進行方向に移動させる位置決
め手段としてのロボット6を備え、ロボット6、若しく
は、ヘッド移動軸3により隙間矯正治具1の先端1Aを
パネル接合部W1に押圧力をもって当接させ且つロボッ
ト6により隙間矯正治具1の側方を前記側壁部S2の上
端縁S3に接触させ、前記第1、2基板4、5により加
工ヘッド2および隙間矯正治具1を軸7回りに回動させ
た状態でロボット6により加工ヘッド2、および、隙間
矯正治具1を加工進行方向に移動させるものであるた
め、隙間矯正治具1先端1Aおよびレーザ照射点は、側
壁S2を基準として一定距離範囲内に位置するようにで
きる。
【0063】このため、車体の形状精度やロボットの位
置決め精度によって側壁S2の位置と隙間矯正治具1の
位置とにズレが生じたとしても、それにより生ずる隙間
矯正治具1先端1Aおよびレーザ照射点の移動は無視で
きる程度に小さいものとでき、パネル接合部W1が底部
に配置される溝であっても幅を狭くした溝にも適用可能
できる。
【0064】また、加工ヘッド2と一体の隙間矯正治具
1は、その先端1Aがパネル接合部W1に押圧力をもっ
て当接され、次いで、側壁部S2がある横方向に移動さ
れ、先端1Aの側面が側壁部S2に当接され、次いで、
更に所定距離移動されてその側面が側壁部S2の上端縁
S3に接触されることで、加工ヘッド2および隙間矯正
治具1は第1、2基板4、5の軸7回りに回動されるた
め、ワーク形状を基準に照射位置決めできる。
【0065】しかも、位置決め手段の移動軌跡を側壁部
S2が画く曲線に対する接線もしくは接線に平行な線を
連結して構成したため、曲線部であってもティーチング
が容易となり、ティーチング工数が大幅に小さくでき
る。
【0066】なお、上記実施形態において、パネル接合
部W1の両側に側壁S1、S2が形成された溝形状のワ
ークWに対するレーザ溶接における照射位置決め方法お
よび装置について説明したが、図示はしないが、片側の
みに側壁が形成されたパネル接合部に対しても、同様に
照射位置決めできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すレーザ溶接における
照射位置決め装置の概略側面図。
【図2】同じく第1、2基板の取付け構造を示す分解斜
視図であり、(A)は第1基板側の斜視図、(B)は第
2基板側の斜視図。
【図3】同じく第1、2基板の取付け状態を示す正面図
(A)、および、側面図(B)。
【図4】レーザ溶接されるパネル接合部を構成するパネ
ル構造の一例を示す断面図。
【図5】照射位置決め装置の位置決め作動を(A)〜
(D)により順に示す作動図。
【図6】ロボットのティーチングの例を示す説明図。
【図7】第1、2基板の締結構造の変形例を示す正面
図。
【図8】従来例を示す側面図。
【図9】従来技術における隙間矯正治具とワークとの関
係を説明する説明図。
【符号の説明】
W ワーク W1 パネル接合部 P1、P2 水平部 S1、S2 側壁部 S3 上端縁 1 隙間矯正治具 2 加工ヘッド 3 ヘッド移動軸 4 第1基板(支持手段) 4B、27 長穴 5 第2基板(支持手段) 6 ロボット(位置決め手段) 7 軸 10 レーザビーム 15 スペーサ 16、28 カラー 17 ボルト 18 ナット 19 弾性体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネルの一部がパネル接合部として重ね
    られ、少なくとも一方のパネルは前記パネル接合部に連
    なる側壁部を介して前記パネル接合部から隆起されてい
    るパネル接合部へのレーザ溶接における照射位置決め方
    法であって、 パネル接合部にレーザ光を照射する加工ヘッドおよび加
    工ヘッドに設けられレーザ光に先行してパネル接合部に
    当接してその間の隙間を矯正する隙間矯正治具を、加工
    進行方向に平行な軸回りに回動可能であり且つ中立方向
    に復帰付勢して支持する支持手段を介して位置決め手段
    により位置調整および移動させるよう構成し、 前記位置決め手段によって、パネル接合部に押圧力をも
    って当接させた前記隙間矯正治具の先端側方を前記側壁
    部の上端縁に接触させることで、支持手段を介して加工
    ヘッドおよび隙間矯正治具を軸回りに回動させ、 上記回動状態で加工ヘッドからレーザ光を照射しつつ、
    加工ヘッドおよび隙間矯正治具を加工進行方向に移動さ
    せるようにしたことを特徴とするレーザ溶接における照
    射位置決め方法。
  2. 【請求項2】 前記位置決め手段は、パネル接合部に押
    圧力をもって先端が当接した隙間矯正治具を側壁部があ
    る横方向に移動させて、隙間矯正治具の先端側面を側壁
    部に当接させ、 次いで、隙間矯正治具を前記横方向と同一方向に更に所
    定距離移動させて隙間矯正治具の側方を前記側壁部の上
    端縁に接触させることで、支持手段を介して加工ヘッド
    および隙間矯正治具を軸回りに回動させることを特徴と
    する請求項1に記載のレーザ溶接における照射位置決め
    方法。
  3. 【請求項3】 前記位置決め手段は、その移動軌跡を側
    壁部に対する接線もしくは接線に平行な線を連結して構
    成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のレーザ溶接における照射位置決め方法。
  4. 【請求項4】 パネルの一部がパネル接合部として重ね
    られ、少なくとも一方のパネルは前記パネル接合部に連
    なる側壁部を介して前記パネル接合部から隆起されてい
    るパネル接合部へのレーザ溶接における照射位置決め装
    置であって、 パネル接合部にレーザ光を照射する加工ヘッドと、 前記加工ヘッド先端に固定され、加工ヘッドから照射さ
    れるレーザ光に先行してパネル接合部に押圧力をもって
    当接してパネル接合部の隙間を矯正しつつ加工ヘッドの
    照射位置を調整する隙間矯正治具と、 加工ヘッドを加工進行方向に平行な軸回りに回動可能で
    あり且つ中立方向に復帰付勢して支持する支持手段と、 前記支持手段を介して加工ヘッドおよび隙間矯正治具の
    位置を調整しつつ進行方向に移動させる位置決め手段と
    から構成し、 前記位置決め手段は、パネル接合部に押圧力をもって当
    接した隙間矯正治具の先端の側方を前記側壁部の上端縁
    に接触させ、前記支持手段により加工ヘッドおよび隙間
    矯正治具を軸回りに回動させた状態で加工進行方向に移
    動させるものであることを特徴とするレーザ溶接におけ
    る照射位置決め装置。
  5. 【請求項5】 前記位置決め手段は、パネル接合部に押
    圧力をもって先端が当接した隙間矯正治具を側壁部があ
    る横方向に移動させて、隙間矯正治具の先端側面を側壁
    部に当接させ、 次いで、隙間矯正治具を前記横方向と同一方向に更に所
    定距離移動させて隙間矯正治具の側方を前記側壁部の上
    端縁に接触させることで、支持手段を介して加工ヘッド
    および隙間矯正治具を軸回りに回動させ、 上記回動状態で加工ヘッドからレーザ光を照射しつつ、
    加工ヘッドおよび隙間矯正治具を加工進行方向に移動さ
    せるよう教示されることを特徴とする請求項4に記載の
    レーザ溶接における照射位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記位置決め手段は、その移動軌跡を側
    壁部に対する接線もしくは接線に平行な線を連結して構
    成したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載
    のレーザ溶接における照射位置決め装置。
JP2001162157A 2001-05-30 2001-05-30 レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置 Expired - Fee Related JP3555593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162157A JP3555593B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162157A JP3555593B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002346778A true JP2002346778A (ja) 2002-12-04
JP3555593B2 JP3555593B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=19005326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001162157A Expired - Fee Related JP3555593B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3555593B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108772650A (zh) * 2018-06-28 2018-11-09 苏州巨智能装备有限公司 电芯模组侧面板焊接精确定位装置、焊接机器人及其焊接方法
JP7412709B2 (ja) 2020-06-09 2024-01-15 シヤチハタ株式会社 レーザ加工機用の焦点位置決め治具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108772650A (zh) * 2018-06-28 2018-11-09 苏州巨智能装备有限公司 电芯模组侧面板焊接精确定位装置、焊接机器人及其焊接方法
JP7412709B2 (ja) 2020-06-09 2024-01-15 シヤチハタ株式会社 レーザ加工機用の焦点位置決め治具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3555593B2 (ja) 2004-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10005156B2 (en) Laser welding apparatus and laser welding method
US20140360650A1 (en) Friction Stir Processing Tool Having Non-Circumferential Shoulder and Friction Stir Processing Method Performable Therewith
US20120116586A1 (en) Teaching apparatus of robot and teaching method of robot
JP3383832B2 (ja) レーザ照射装置
JP2003290951A (ja) 溶接構造物、溶接方法および溶接装置
JP2007118033A (ja) レーザ溶接方法とレーザ溶接装置
JP2008238209A (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
JP3555593B2 (ja) レーザ溶接における照射位置決め方法および照射位置決め装置
JP3596329B2 (ja) レーザ溶接装置およびレーザ溶接方法
JPH0890266A (ja) 高密度エネルギービームを用いた溶接方法およびその装置
JP3333497B2 (ja) 摩擦溶接方法及び摩擦溶接装置
JP2006346741A (ja) レーザ溶接方法
JP3109261B2 (ja) レーザ溶接ユニット
JP4026466B2 (ja) レーザ溶接装置およびレーザ溶接方法
JP4378635B2 (ja) 重ねレーザ溶接方法
JP6964819B2 (ja) 溶接用治具装置、部品の製造方法
JP3861344B2 (ja) ブランク材の突き合わせ位置決め装置
JP5428543B2 (ja) レーザー溶接方法
JPH1015688A (ja) ブランク材の突き合わせ位置決め装置及びブランク材の突き合わせ位置決め方法
JP3488946B2 (ja) ブランク材の突き合わせ位置決め装置
JP2008213005A (ja) レーザ溶接方法
JP5151508B2 (ja) 光学ミラー装置、および光学ミラーの固定方法
JP4038680B2 (ja) 継手構造及びへり継手の溶接方法
JP4316027B2 (ja) 部品の位置決め方法及びその装置
JP2002361488A (ja) ブランク材のギャップ矯正装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040420

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040503

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees