JP2002346647A - 薄肉ステンレス鋼円筒のしごき加工方法及び電子写真装置用定着部材 - Google Patents
薄肉ステンレス鋼円筒のしごき加工方法及び電子写真装置用定着部材Info
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Abstract
の方法を提供する。 【解決手段】 円筒状のステンレス鋼をしごき加工して
円筒部の肉厚が0.1mm以下の超薄肉材に成形加工す
る方法であって、しごき加工をするためのダイスのダイ
ス角度を5.0〜9.5°の範囲とし、仕上げしごき加
工率を10〜30%の範囲で成形加工する。
Description
ス鋼をしごき加工して、円筒部の肉厚が0.1mm以下
の薄肉材を製造するためのしごき加工方法に関するもの
である。また、しごき加工によって製造された複写機の
定着ロールなどの電子写真装置定着部材に関するもので
ある。
器は、薄板素材を深絞り加工してカップ状素材に成形し
た後、しごき加工と呼ぶ円筒部の肉厚を減少する加工の
組み合わせ(DI加工)により、円筒状に仕上げられて
いる。アルミ缶では缶厚みの薄肉化による軽量化が試み
られており、約100μmまでの薄肉缶が製造されてい
る。一方、オーステナイトステンレス鋼では通常、薄肉
管を製造する方法として、引抜加工が適用されている
が、加工硬化が大きく、工具との焼付き性が良くないの
で、肉厚で0.2mmが限界とされている。
缶のようにDI加工して製造する試みは、これまでほと
んどなされていない。数少ない試みとして、特開平5−
57361号公報には、オーステナイト系ステンレス鋼
製素材の円筒部のしごき法が開示されている。上記公報
では、「1回目あるは2回目のしごきによる円筒部の板
厚減少率を35%〜45%として行うことを特徴とする
オーステナイト系ステンレス鋼製素材の円筒部のしごき
法」が開示されている。
7361号公報に開示の方法では、Journal of the JST
P vol.39,No448(1998-5)に示されるように、円筒部の肉
厚が0.3mmまでが限界である。また、同方法では、
径寸法ばらつきが20μm程度であるので、肉厚0.1
mm以下の超薄肉円筒では寸法変動の割合が大きいの
で、寸法精度を要求される部材の製造方法としては適当
でない。つまり、特開平5−57361号公報に開示さ
れた試みでは、肉厚0.1mm以下の超薄肉円筒を寸法
精度良く、加工できない。さらに径寸法変動が20μm
程度と非常に大きいため、しごき加工時に径寸法変動の
大きい部分で応力集中が起こり、その部分で切断あるい
は、割れが発生してしまう。
均一変形によるものであり、特開平5−57361号提
案の板厚減少率35%〜45%の加工を行うと、0.1
mm以下の超薄肉円筒の場合、かえって肉厚変動(偏
肉)が大きくなり、寸法精度が悪くなってしまう。偏肉
の原因は、しごき加工時に円筒の周方向に発生する面内
異方性に由来する変形の不均一である。面内異方性は加
工中にステンレス鋼内部に加工集合組織が形成されるこ
とにより、45°ピッチで加工量の不均一が発生する現
象である。
厚が薄くなり、それから45°ずれた位置では相対的に
肉厚が薄くなる。さらに、変形の不均一は、真円度にも
影響を及ぼし、塑性ひずみが開放された状態(焼なまし
熱処理後)では八角形に近い形状になってしまう。特に
肉厚0.05mm以下の超薄肉円筒を加工する場合、3
5%を越える強加工では、材料の強度よりもダイスとの
摩擦力の方が大きくなるため、円筒底部で破断が起こ
る。
m以下の超薄肉円筒を得るための方法を提供することを
目的とする。
を重ねた結果、次の加工法により寸法精度の高い超薄肉
材を得られることを見出した。すなわち、本発明は、円
筒状のステンレス鋼をしごき加工して円筒部の肉厚が
0.1mm以下の超薄肉材に成形加工する方法であっ
て、しごき加工をするためのダイスのダイス角度を5.
0〜9.5°の範囲とし、仕上げしごき加工率を10〜
30%の範囲で成形加工することを特徴とする。
を得るためにはダイス角度としごき加工率の範囲が重要
な要因であることを見出し、実験を行った結果、上記条
件を得た。つまり、ダイス角度が9.5°よりも大きく
なると、薄肉円筒に過大なせん断力が作用し、破断して
しまう。一方、ダイス角度が小さくなると、円筒胴部の
ダイスへの押し付け力が大きくなり、薄肉円筒の破断防
止には有利になるが、ダイス角度が5.0°未満では薄
肉円筒のダイス接触面積が大きすぎるので、焼付きが発
生する。また、ポンチ表面に垂直な力が過剰に働き、ポ
ンチと円筒の分離が難しくなる。さらにダイスの円周方
向への弾性膨張が発生し、肉厚制御が困難となる。
肉厚が0.1mm以下の場合、ダイスとポンチの隙間が
小さいことから、ステンレス鋼円筒の最終加工率が30
%を越えると、ステンレス鋼の加工硬化の影響により、
ダイスとポンチに円周方向の応力が過大に発生し、直径
変形を及ぼすこと、さらにステンレス鋼の加工集合組織
の発達により、不均一変形が起こりやすくなるため、加
工率の上限は30%が適切である。また、円筒の肉厚が
0.05mmで直径が60mmの場合、加工率が30%
を越えると、成形時の最大荷重が円筒の破断加重を越え
てしまうので、加工中に円筒が破断してしまう。
くなる。さらに、0.05mm程度の超薄肉管を製造す
る場合は非常に多段加工となり、生産性の面でも不利に
なる。そして、肉厚が0.1mm以下のステンレス鋼円
筒をしごき加工で成形加工する場合、40℃における粘
度が150〜600mm2/secの潤滑剤を用いるのが好ま
しい。粘度が150mm2/secより小さいと摩擦力が小さ
くなるので、変形荷重(=パンチ荷重と摩擦力の差)が
低減できるため、薄肉円筒の成形には有利になるが、ダ
イスとステンレス鋼円筒の間の境界潤滑膜が破れて焼付
きが発生し、円筒の切断が起こりやすくなる。逆に粘度
が600mm2/secを越えると、薄肉であるため、円筒へ
の潤滑剤の押込みが大きく表面の肌荒れが著しくなり、
連続しごき加工が困難になる。
ス鋼円筒をしごき加工で成形加工する場合、加工速度を
10〜1000mm/secの範囲で行うのが好ましい。加工
速度が100mm/secを越えると円筒表面への潤滑剤の供
給が不十分となり、焼付きが発生しやすくなる。一方、
加工速度が10mm/sec未満では、加工時のダイスおよび
ポンチの振動の影響により、変形が不均一となり、円筒
の軸方向の肉厚が不均一となる。なお、上記製造条件を
組み合わせることにより、さらに寸法精度が改善され
る。
肉厚が0.1mm以下のステンレス鋼円筒を電子写真装
置用定着部材の基材として用いるのが好ましい。しごき
加工によって得られた厚さ0.1mm以下のシームレス
ステンレス鋼管は、熱効率、強度、安定性において、電
子写真装置用定着部材の基材として最適である。つま
り、電子写真装置の定着装置では、記録紙上の未定着ト
ナーを圧力と加熱により融着し、紙上に定着している
が、定着用部材を薄肉化すると、加熱に要する昇温時間
を短くし、予備加熱などを無くすことによる省エネルギ
ー対応が可能だからである。
施形態及び実施例を説明する。図1は、本発明の加工方
法を実施するためのしごき加工装置1を示している。こ
のしごき加工装置1は、基台2にダイス固定盤3が設け
られており、ダイス固定盤3にはダイス5が装着されて
いる(図1の斜線部分)。また、しごき加工装置1は、
前記ダイス5のダイス孔5aに挿入されるマンドレル
(ポンチ)6を備えており、ダイス5とポンチ6のすき
まを素材(ステンレス鋼)の板厚より小さく設定して成
形するように構成されている。
イス5の内面には、しごき成形部7が設けられている。
本発明の加工方法は、前記しごき加工装置1によって実
施される。肉厚0.1mm以下の薄肉で肉厚変動が少な
く、表面が平滑な円筒状ステンレス鋼の最適製造条件を
検討するため行った試験を以下に実施例として示す。
板を用いて、3回の深絞りと4回のしごき加工により、
0.05mmの超薄肉円筒の製造を試みた。まず、SU
Sステンレス鋼板(焼鈍材)を直径145mmの円盤に
打抜いた。一回当たりの深絞り比が1.3となるように
して、2段の深絞り加工により、直径60mm、長さ7
0mmの円筒に加工した(深絞り時のエッジ部に発生し
た耳は切断した。) 次に、前記しごき加工装置1を用いて、第1段のしごき
加工により、平均肉厚0.12mm、肉厚変動±0.0
2mmの円筒を得た。この時の加工率は60%、ダイス
角は9°、潤滑剤の粘度は200mm2/sec、加工速度は
50mm/secである。
用いて、種々の条件で製造試験を行い、肉厚0.1mm
以下の薄肉で肉厚変動が少なく、表面が平滑な円筒状オ
ーステナイト系ステンレス鋼の最適製造条件を検討し
た。表1に、しごき加工ダイスの角度(絞り角)a(図
2参照)、加工率、潤滑剤の粘度、加工速度(ポンチの
移動速度)をパラメータとして、しごき加工後の肉厚変
動および表面粗さとの関係を示す。なお、ダイス角度a
は、図2に示すように、円筒ステンレス鋼のダイスへの
挿入方向に対するしごき成形部7の傾斜角度である。
0、4.0、5.0、6.0、7.0、9.5、11.
0、13.0°、加工率は5、10、15、20、2
5、30、35、40、45、55%、潤滑剤の粘度
(40℃)は100、180、200、300、50
0、700mm2/sec、加工速度は5、15、100、2
00、800、1500mm/secとした。加工後の製品品
質として、全周、全長(300mm)にわたる肉厚変
動、管軸方向の表面粗さ、破断、亀裂および焼付きの有
無を測定した。
めに、加工率(25%)、潤滑剤粘度(200mm2/se
c)、加工速度(100mm/sec)を一定にして、表のN
O.1〜8の条件でしごき加工試験を行った。なお、表
1のNo.1〜8のうち、No.1、2、7及び8は比
較例であり、No.3〜6は実施例である。ダイス角度
3.0°(No.1)及び4.0°(No.2)では肉
厚変動が大きく、表面粗さも比較的大きく、表面に焼付
きが発生していた。ダイス角度が5.0°、6.0°、
7.0°、9.5°(No.3〜6)ではいずれも肉厚
変動は5μm以下で表面粗さも0.30μm未満の値と
なっていた。一方、ダイス角度が11.0°(No.
7)、13.0°(No.8)では加工時に底部で破断
し、円筒の製造はできなかった。
係を示しており、ここでは、ダイス角度として、表1に
示す角度の他、2°、9°、10°も測定されている。
図3は、表2の結果をグラフにしたものであり、ダイス
角度が5°未満では肉厚変動が大きいのに対して、ダイ
ス角度5°付近を境界として肉厚変動が低く安定してい
ることがわかる。なお、ダイス角度10°以上では破断
が生じた。次に加工率の影響を調べた。なお、表1のN
o.9〜16のうち、No.9、14,15,16及び
17は比較例であり、No.10〜13は実施例であ
る。
い値となったが、表面粗さは0.40μmと高い値とな
った。表面粗さは加工率が高くなるほど、低くなる傾向
が認められた。一方、加工率が35%以上(No.14
〜16)になると円筒底部で破断が起こり、製造できな
かった。次に潤滑剤の粘度の影響を調べた。なお、表1
のNo.18〜22のうち、No.18及び22は比較
例であり、No.19〜21は実施例である。潤滑剤粘
度(mm2/sec)が100(No.18)では円筒胴部前
面に焼付きが発生していた。粘度が180、300,5
00(No.19〜21)では焼付きは発生しなかった
が、700(No.22)になるとオイルピットにより
表面粗さが0.50μmを越える高い値となった。
1のNo.23〜27のうち、No23及び27は比較
例であり、No.24〜26は実施例である。加工速度
が5mm/sec(No.23)の低速では、肉厚変動が11
μmと高い値になった。加工速度が1500mm/sec(N
o.27)の高速では、円筒底部が破断し、製造はでき
なかった。以上の実施例によれば、肉厚変動が5μm以
下となる。また、しごき加工により表面粗さが0.40
μm未満の鏡面が得られる。したがって、しごき加工後
の機械による仕上げ等は必ずしも必要とされない。この
結果、優れた肉厚0.1mm以下の超薄肉円筒が得られ
る。そして、しごき加工により得られた円筒は、円筒と
して精度の良い基材となり、この基材により形成された
電子写真装置用定着部材は、安定性、耐久性、定着性に
優れたものとなる。
0%、粘度:200mm2/secの潤滑剤を用いて、200m
m/secの加工速度で、肉厚0.05mmの超薄肉円筒を
製造することができた。この場合、得られた円筒の胴部
の肉厚変動は5μm以下であり、極めて寸法精度に優れ
ていた。さらに円筒の内外表面粗度はRaで0.18μ
mの超平滑な表面状態であることも明らかになった。し
ごき加工により得られたオーステナイト系ステンレス超
薄肉円筒は、その端部を切断することにより、複写機
(電子写真装置)の定着ロール(定着部材)、あるいは
短尺に切断することにより、駆動力伝達用のステンレス
ベルトへの応用ができる。
薄肉化、寸法精度の改善方法としても適用が可能であ
る。しごき加工により得られた厚さ0.1mm以下のシ
ームレス薄肉ステンレス円筒は、ベルト、チューブ、ス
リーブ状の電子写真装置用定着部材の基材として使用す
ることができる。定着部材の基材として使用すると、上
記円筒は熱効率、耐久性、安定性に優れていることか
ら、電子写真装置用定着装置のセットアップタイムの短
縮、高速機種での安定定着性能が可能となる。また、上
記円筒をベルト状に使用することにより、装置の小型化
も可能となる。
で加熱と加圧を行うニップ部に記録紙を通過させること
で、定着を行うものである。定着部材を製作するには、
前記しごき可能により作成された厚さ0.1mm以下の
シームレスステンレス鋼管を基材とし、基材の表面に離
型層を設ける。この離型層は、耐熱離型層であり、基材
の表面に適宜のプライマーを介して設けられている。離
型層としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、パー
フルオロアルコキシ樹脂、シリコンゴム、フッソゴムと
いった非粘着性、耐熱性を有する高分子化合物を使用で
きる。また、離型層としては、単層構造でもよいが、シ
リコンゴム層或いはフッソゴムからなる下層と、ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂或いはパーフルオロアルコキ
シ樹脂からなる表面層とからなる複層構造としてもよ
い。
より定着する電子写真装置用定着装置は、本発明の定着
部材を一対のローラの片方のみ或いは両方に使用するこ
とで構成できる。また、定着部材をベルト状としてその
一部で相対するローラでニップ部を形成し、定着装置を
コンパクトにすることも可能である。図4は、定着部材
の加熱回転試験機を示している。次に、この回転試験機
による定着部材の加熱回転試験の結果を説明する。 「実施例」0.3mm厚のステンレス鋼板をプレス加工
により、口径100mmφ、深さ200mmの円筒状に
成型し、その後、その外面を50mmφに絞り角9°の
ダイスを用いて均一にしごき加工して外径50mmφ、
長さ400mm、厚さ50μmのシームレスステンレス
円筒を作成した。
ストにより表面粗度Ra=2〜3μmに粗面化した。こ
の表面に静電塗装によりPFA樹脂(MP−10)を塗
装し、360°で焼成することでフッソ樹脂離型層を2
0μmの厚さに被膜して定着部材を構成した。これによ
り得られた定着部材を図4の加熱ローラとして用い、加
圧ローラ(加圧部材)と組み合わせ回転試験機にセット
して加熱回転試験を行った。その結果が表3の実施例
(ステンレスしごきチューブ)である。 「比較例1」押出し成型により作成したポリイミドチュ
ーブ、外径50mmφ、長さ40mm、厚さ50μmの
外表面にPFA樹脂(MP−10)を静電塗装により2
0μの厚さで塗装し、860℃で焼成してポリイミドチ
ューブによる定着部材を得た。この定着部材を加熱ロー
ラとして、実施例と同一の回転試験機で加熱回転試験を
行った。その結果が、表3の比較例1(ポリイミドチュ
ーブ)である。 「比較例2」外径50mmφ、長さ450mmの棒状の
ステンレス金型をニッケルメッキ槽にて3H通電し、5
0μmの厚さにNiメッキ層を設けた。このメッキ皮膜
を円筒状のまま金型から抜き、両端部分を仕上げて長さ
40mmの円筒に仕上げた。
FA収縮チューブを被覆し、加熱により均一に収縮させ
ることでPFA厚さ25μmのNiチューブによる定着
部材を得た。この定着部材を加熱ローラとして、実施例
と同一の回転試験機で加熱回転試験を行った。その結果
が、表3の比較例2(Niチューブ)である。 「比較例3」外径50mmφ、長さ450mmのステン
レス金型に内径50mmφ、長さ150mm、厚さ0.
2のステンレスシームレス鋼管を均一に挿入し、金型セ
ンターを軸として旋盤に取り付け、1000rpmのス
ピードで回転させた。回転させた状態でステンレス鋼管
外面に、超硬合金で作成したベアリング状の押し付けロ
ーラを押し当てて長さ方向に均一なスピードで連続的に
移動させることで鋼管を薄肉化し、シームレスステンレ
スチューブを作成した。金型から抜き、両端の仕上げを
行う事で、肉厚50μm、内径50mmφ、長さ400
mmのシームレスステンレスチューブを得た。
たのち、静電塗装によりPFA樹脂を20μmに被覆
し、360℃で焼成することで定着部材を得た。この定
着部材を加熱ローラとして、実施例と同一の回転試験機
で加熱回転試験を行った。その結果が、表3の比較例3
(スピニングチューブ)である。
ず、図4に示すように、加熱回転試験機は、軸心が互い
に平行に配置されて互いに接する加圧ローラ10と加熱
ローラ11とを有している。加圧ローラ10は、アルミ
芯金12の外周面にシリコンゴム13を被覆して構成さ
れている。加熱ローラ11は、内部に加熱装置として面
状ヒータ15を備えるとともに、温度検出装置としてサ
ーミスタ16を備えている。また、ヒータ15は押えバ
ネ17によって、サーミスタ16は押え板バネ18によ
って加熱ローラの内周面に押さえ付けられている。
の方法で作成したチューブが使用される。加熱ローラ1
1を加熱する面状ヒータ15は400Wであり、加熱ロ
ーラ内周面に接触しているサーミスタ16によって19
0℃に設定制御した。また、加熱ローラ11と加圧ロー
ラ11との間で10kg/cm2の加圧力が働くようヒータ押
し付け用バネを設定した。この状態で加圧ローラ11を
200rpmで回転させ、加熱ローラ10もこの加圧ロ
ーラ回転に連動し回転する構造である。この装置で加熱
ローラを連続回転させ、下記に示す評価基準でそれぞれ
の比較を行ったものである。
割れ、等異常が発生するまでの時間を確認した。 ◎:400H以上、○:300〜400H、△:200
〜300H 耐熱性:100Hの回転試験を行ったチューブについ
て、初期引張強度との変化を確認した。 ◎:変化なし、 ○:10〜20%低下、 △:20%
以上低下 昇温性:室温25℃の状態から、チューブ表面を190
℃まで昇温させるために要した時間を測定した。
△:5〜7秒 表3の結果より、実施例のステンレスしごきチューブが
定着部材として優れていることが確認された。
で、肉厚変動及び表面粗さRaが小さいステンレス超薄
肉円筒の製造が可能となる。このステンレス超薄肉円筒
は、電子写真装置用定着部材の基材として適している。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 円筒状のステンレス鋼をしごき加工して
円筒部の肉厚が0.1mm以下の超薄肉材に成形加工す
る方法であって、 しごき加工をするためのダイスのダイス角度を5.0〜
9.5°の範囲とし、仕上げしごき加工率を10〜30
%の範囲で成形加工することを特徴とする薄肉ステンレ
ス鋼円筒のしごき加工法。 - 【請求項2】 40℃における粘度が150〜600mm
2/secの潤滑剤を用いて前記しごき加工を行うことを特
徴とする請求項1記載の薄肉ステンレス鋼円筒のしごき
加工法。 - 【請求項3】 加工速度を10〜1000mm/secの範囲
で前記しごき加工を行うことを特徴とする請求項1又は
2記載の薄肉ステンレス鋼円筒のしごき加工法。 - 【請求項4】 40℃における粘度が150〜600mm
2/secの潤滑剤を用いるとともに、加工速度を10〜1
000mm/secの範囲で前記しごき加工を行うことを特徴
とする請求項1記載の薄肉ステンレス鋼円筒のしごき加
工法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のしごき
加工法によって製造された肉厚が0.1mm以下のステ
ンレス鋼円筒を基材として用いたことを特徴とする電子
写真装置用定着部材。
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