JP2002345925A - 医療用の積層ゴム製品およびその製造方法 - Google Patents

医療用の積層ゴム製品およびその製造方法

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JP2002345925A JP2001158523A JP2001158523A JP2002345925A JP 2002345925 A JP2002345925 A JP 2002345925A JP 2001158523 A JP2001158523 A JP 2001158523A JP 2001158523 A JP2001158523 A JP 2001158523A JP 2002345925 A JP2002345925 A JP 2002345925A
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雅仁 牧浦
Hiroshi Kodaira
博志 小平
Eiji Yao
英治 八尾
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム層とその上にラミネートされる高分子フ
ィルムとの接着強度を高める。 【解決手段】 ゴム層と高分子フィルムの間にとエポキ
シ化スチレン−共役ジエンブロック共重合体、カルボキ
シル化スチレン−共役ジエンブロック共重合体、ヒドロ
キシル化スチレン−共役ジエンブロック共重合体、エポ
キシ化水素添加スチレン−共役ジエンブロック共重合
体、カルボキシル化水素添加スチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体およびヒドロキシル化水素添加スチレン−
共役ジエンブロック共重合体の少なくとも1種の材料よ
りなる接着層を介在させて加硫成形時に、前記高分子フ
ィルムをゴム層にラミネートする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用の積層ゴム製
品およびその製造方法に関し、特に注射器の外筒内で薬
液を密封する滑栓および中栓等の栓体さらにバイアル用
ゴム栓、さらには輸液用のゴム栓、およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に注射器の基本構造は、図1に示さ
れる如く、注射器1の外筒2の内側に吸子3を嵌装し、
吸子3を外方に引くことによって薬液4は注射針5を介
して外筒内空間に注入される。そして吸子3の先端部に
は滑栓6(従来は6a、6b、6cが一体のゴムで構成
されていた)がその係合部で螺合係止されている。ここ
で外筒2および吸子3にはガラスの擦りあわせ、ポリエ
チレン、ポリプロピレンあるいはポリカーボネート等が
使用されている。そして前記滑栓6にはゴム等をフッ素
系樹脂の薄膜でコーティングしたもの、あるいはポリエ
チレン、ポリプロピレンでラミネートしたものが提案さ
れている。
【0003】前記注射器に設ける滑栓6は外筒2との密
封性と摺動性、さらに衛生性、耐薬品性が重要な要求特
性となる。栓体、中栓等に前述のゴム等をフッ素系樹脂
のフィルムでラミネートしたものは耐薬品性が優れてい
るが樹脂価格が高価な上、ゴムとフッ素系樹脂との密着
性に劣る。そのためフッ素樹脂フィルムに特殊な表面処
理たとえば、真空スパッタエッチングあるいはナトリウ
ム錯塩等の表面処理を施す必要があり、製造コストが高
くなる問題点があった。
【0004】さらに図2に示される如く、バイアル用の
容器10に装着されるゴム栓11はは、容器10の内側
に薬液と接触しても不活性な高分子フィルム11aによ
ってラミネートされている。しかしゴム栓の形状が複雑
であることから成形時に、ゴム層と高分子フィルムのラ
ミネート界面が局部的に大きな伸張を受け、応力集中に
より部分的な接着不良が生ずる。
【0005】また、図3に示される輸液用栓体12に用
いられるゴム栓13は、隣接する支持体14との接着性
と容器内の薬液に汚染されないように薬液に不活性な高
分子フィルム13aがラミネートされている。係るゴム
栓13においても高分子フィルムとゴム層の接着性改善
が大きな課題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するもので、注射器外筒との摺動性、密封性に優
れ、ゴムと高分子フィルムとの接着一体化に優れた滑
栓、バイアル用ゴム栓、輸液用栓体に用いるゴム栓およ
びその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は高分子フィルム
と未加硫ゴム層の間に、反応性基含有スチレン−共役ジ
エンブロック共重合体(以下反応性ブロック共重合体と
いう)を主成分とする接着層を介在させ、加硫成形時
に、前記高分子フィルムをゴム層にラミネートしてなる
医療用の積層ゴム製品である。そして前記反応性基含有
スチレン−共役ジエンブロック共重合体は、たとえばエ
ポキシ化スチレン−共役ジエンブロック共重合体、カル
ボキシル化スチレン−共役ジエンブロック共重合体また
はヒドロキシ化スチレン−共役ジエンブロック共重合
体、エポキシ化水素添加スチレン−共役ジエンブロック
共重合体、カルボキシル化水素添加スチレン−共役ジエ
ンブロック共重合体およびヒドロキシ化水素添加スチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体である。また前記高分
子フィルムは熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー
のフィルムである。
【0008】本発明では前記高分子フィルムは、好まし
くは紫外線、コロナ放電、グロー放電またはアーク放電
で処理されている。さらに前記接着層はゴム成分を10
〜90重量部と、エポキシ化スチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体、カルボキシル化スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体またはヒドロキシ化スチレン−共役ジエ
ンブロック共重合体、エポキシ化水素添加スチレン−共
役ジエンブロック共重合体、カルボキシル化水素添加ス
チレン−共役ジエンブロック共重合体およびヒドロキシ
化水素添加スチレン−共役ジエンブロック共重合体の少
なくとも1種の反応性基含有スチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体を10〜90重量部を混合して100重量
部として用いることができる。
【0009】さらに他の発明は高分子フィルムを、反応
性基含有スチレン−共役ジエンブロック共重合体を主成
分とする接着層を介して未加硫ゴム層に積層し、プレス
にて加硫成形と同時に高分子フィルムをゴム層にラミネ
ートして、しかる後に所定形状に打ち抜いてなる医療用
の積層ゴム製品の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の医療用の積層ゴム製品に
用いられる接着層は、反応性基含有スチレン−共役ジエ
ンブロック共重合体(反応性ブロック共重合体)を主成
分とする。ここで反応性基含有スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体は、たとえばエポキシ化スチレン−共役
ジエンブロック共重合体、カルボキシル化スチレン−共
役ジエンブロック共重合体またはヒドロキシ化スチレン
−共役ジエンブロック共重合体、エポキシ化水素添加ス
チレン−共役ジエンブロック共重合体、カルボキシル化
水素添加スチレン−共役ジエンブロック共重合体および
ヒドロキシ化水素添加スチレン−共役ジエンブロック共
重合体である。そしてこれらの単独または2種以上の混
合物が使用される。ただし、エポキシ化された反応性ブ
ロック共重合体と、カルボキシル化された反応性ブロッ
ク共重合体の混合物においては、両者の官能基が反応し
て高分子フィルムとの接着性を低下させるため、必ずし
も望ましくない場合もある。
【0011】前記反応性ブロック共重合体を構成する共
役ジエンとしては、たとえばブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等の中から1種または2種以上が選択でき、中
でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好
ましい。
【0012】具体的な反応性ブロック共重合体の分子鎖
基本骨格としては、たとえばスチレン−イソプレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS構
造)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS構造)、そのブタジエンの二重結合部分を水
素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブ
ロック共重合体(SEBS構造)、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)、そのイ
ソプレン二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレ
ン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS
構造)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−
スチレンブロック共重合体(SEEPS構造)およびそ
れらを変成したもの等が挙げられる。
【0013】なお前記SIBS構造、SBS構造、SE
BS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造
におけるスチレンの含量は反応性ブロック共重合体中5
〜70質量%、特に15〜60質量%の範囲が好まし
い。5質量%より少ないと高分子フィルムとの密着性が
悪くなり、一方70質量%より多いと材料の柔軟性が低
下し、注射器の滑栓として使用した場合、注射器での薬
液密封機能が低下し、またバイアル用ゴム栓として使用
した場合においても容器の密封効果が低下する。
【0014】本発明では、上記SIBS構造、SBS構
造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEE
PS構造の骨格を有する反応性ブロック共重合体の分子
鎖の一部に、エポキシ基、カルボキシル基、または水酸
基を含有している。たとえばエポキシ化されたポリブタ
ジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(ESBS構造)とは、基本構造を
式(1)に示す如く両末端にポリスチレンを持つ反応性
ブロック共重合体で、その中間部分がエポキシ基を含有
するポリブタジエンである。さらに式(1)においてポ
リブタジエン部分の二重結合の一部または全部に水素添
加したものであってもよい。また、エポキシ化されたポ
リイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体(ESIS構造)とは、両末
端にポリスチレンを持つ反応性ブロック共重合体で、そ
の中間部分がエポキシ基を含有するポリイソプレンであ
り、そのポリイソプレン部分の二重結合の一部または全
部に水素添加したものであってもよい。
【0015】
【化1】
【0016】式(1)において、m,n,oはいずれ
も、1〜10,000の範囲の整数であり、m,n,o
は相互に同じであっても異なってもよい。
【0017】なお、カルボキシル基または水酸基は、反
応性ブロック共重合体の分子鎖末端および/または分子
鎖内側に有する。
【0018】SBS構造、SIS構造等の反応性ブロッ
ク共重合体のエポキシ基、カルボキシル基または水酸基
含有量は、0.05〜10モル%、特に0.2〜5モル
%であることが好ましい。上記エポキシ基等の官能基が
0.05モル%よりも少ないと、フッ素樹脂等の高分子
フィルムとの親和性が低下し、密着性および接着力が充
分改善できない。一方10モル%を超えるとゴム成分と
の混合分散が悪化し、均質な物性のゴム栓が得られな
い。
【0019】エポキシ基を分子鎖に含有するスチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ESBS構
造)として、たとえばダイセル化学工業(株)からエポ
フレンドA1010、ESBS A1010、ESBS
A1020などの商品が市販されている。
【0020】またエポキシ基を分子鎖に含有するポリブ
タジエンブロックの一部に、水素添加したスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体として、ダイセル
化学工業(株)からESBS AT018、ESBS
AT019などの商品が市販されている。
【0021】また分子鎖末端に水酸基が付加したスチレ
ン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体
(SEPS構造)として、たとえば(株)クラレからH
G−252の商品が市販されている。
【0022】さらに分子鎖にカルボキシル基が付加した
水素添加のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体(SEBS構造)として、たとえばシェルジャパ
ン社からクレイトンG FG1901Xの商品が市販さ
れている。
【0023】次に本発明において接着層は前記反応性基
含有スチレン−共役ジエンブロック共重合体単独として
用いるほか、これにゴム成分を混合して用いることもで
きる。ここでゴム成分としてイソプレンゴム、ブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ブタジ
エンゴム、アクリルニトリルゴム、クロロプレンゴム等
が単独または2種以上混合して用いられる。
【0024】そして接着層におけるゴム成分と反応性基
含有スチレンー共役ジエンブロック共重合体の混合割合
は、前記ゴム成分を10〜90重量部と、反応性基含有
スチレン−共役ジエンブロック共重合体を10〜90重
量部混合して100重量部とする。ゴム成分が10重量
部未満の場合、隣接するゴム層との密着性が必ずしも充
分でなく、一方90重量部以上になると、隣接する高分
子フィルムとの接着性が低下する。
【0025】そして接着層は厚さ10〜500μm、好
ましくは50〜200μmのものが用いられる。10μ
m未満ではゴム層と高分子フィルムの接着力が充分でな
く、500μmを超えると接着性能の均一な積層ゴム製
品が得られにくい。
【0026】次に本発明のゴム層に使用されるゴム成分
はイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エ
チレン−プロピレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリ
ルゴム、クロロプレンゴム等が単独または2種以上混合
して用いられる。そして前記ゴム層には加硫剤、加硫促
進剤、クレー、シリカ、金属酸化物、カーボンブラック
等の無機充填剤、オイル等を適宜配合したゴム組成物が
使用される。ゴム層は通常1mm〜8mmの範囲のもの
が使用される。
【0027】次に本発明の高分子フィルムは熱可塑性樹
脂、たとえばフッ素系樹脂、たとえばポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エ
チレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTTE)、クロロトリフルオロエチレン
・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニルデンフ
ルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(P
VF)等、ポリオレフィン系樹脂、たとえばポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アイオノマー、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ポ
リエステル等が使用できる。
【0028】本発明において高分子フィルムは、さらに
熱可塑性エラストマー、たとえばポリスチレン系エラス
トマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系
エラストマー、オレフィン系エラストマー等が使用でき
る。そして該高分子フィルムは、これらの樹脂またはエ
ラストマーを単独で、または2種以上を混合して用いる
ことができるが、耐薬品性の観点からはフッ素系樹脂お
よびポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、高分子フ
ィルムの厚さは1mm以下、特に10〜200μmの範
囲が好ましい。
【0029】本発明では高分子フィルムは、表面処理し
ないものも使用できるが、通常の技術に基づきコロナ放
電、グロー放電、アーク放電または紫外線で高分子フィ
ルム表面の処理を行なうこともできる。そして高分子フ
ィルムは、薬液に接触する面のみにラミネートするもの
のほか、ゴム栓全体にラミネートすることもできる。
【0030】本発明において医療用の積層ゴム製品の製
造はたとえば次の工程で行なう。 (1)コロナ放電等で表面処理された1mm以下の高分
子フィルムを製造する。 (2)厚さが1〜8mmの未加硫のゴム層を押し出し成
形する。 (3)前記高分子フィルムは接着層を介して前記未加硫
のゴム層に積層される。 (4)成形加硫条件、たとえば温度150℃〜180℃
で圧力30〜150kg/cm2、5〜30分間の条件
で、真空プレスで成形と同時に加硫し、高分子フィルム
でラミネートされた積層ゴム層を製造する。 (5)成形されたラミネート積層ゴムは所定形状に打ち
抜いて医療用の積層ゴム製品を製造する。
【0031】積層ゴム製品は注射器用の滑栓として用い
る場合、図1に示される如く滑栓6が吸子3の先端に係
合され、外筒2と密着するように嵌装される。
【0032】ここで滑栓6は高分子フィルム6bが接着
層6cを介してゴム層6aにラミネートされており、該
高分子フィルム6bは薬液4と接する側にラミネートさ
れている。
【0033】また、積層ゴム製品はバイヤル用ゴム栓と
して用いる場合、図2で示される如く、ゴム栓11にラ
ミネートされた高分子フィルム11aは容器10の内側
になるように配置される。
【0034】さらに輸液用の栓体として用いる場合、図
3に示される如くゴム栓13にラミネートされた高分子
フィルム13aは、該高分子フィルムが輸液容器の内側
になるように支持体14に装着し栓体12を構成する。
ゴム栓13を支持体14に嵌め合わせる際、ゴム栓13
を外側支持体14aと組み合わせ、その後に内側支持体
14bをインサート成形する。
【0035】
【実施例】1.医療用の積層ゴム製品の製造 積層ゴム製品として図1に示す注射器用滑栓、図2に示
すバイアル用ゴム栓を製造した。 (1)ゴム層のゴム配合および高分子フィルム材料 実施例および比較例に用いたゴム層の基本配合を表1に
示す。ゴム層のゴム組成物としてはイソプレンゴム系配
合とブチルゴム系配合の2種類を用いた。また高分子フ
ィルムに用いた材料を表2に示す。各積層ゴムの仕様を
表3〜表6に示す。 (2)接着層材料 接着層に使用した反応性基含有スチレンー共役ジエンブ
ロック共重合体は次の3種類を用いた。 材料A:エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(エポキシ化SBS構造)を用いた。
【0036】スチレン含量:40質量% オキシラン酸素濃度:1.6質量% 商品名:エポフレンドA1010(ダイセル化学工業
(株)) 材料B:カルボキシル化水素添加スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(カルボキシル化SEBS
構造)を用いた。
【0037】スチレン含量:28質量% マレイン酸含量:1.8質量% 商品名:クレイトンG FG1901X(シェルジャパ
ン(株)) 材料C:上記材料Aと、表1のブチルゴム系でバイアル
用のゴム栓のゴム配合B(未加硫)を50/50の重量
比で混合したものを用いた。 (3)積層ゴム製品の製造 積層ゴム製品は次の方法で製造した。 (a)厚さ50μmの高分子フィルムを製造した。これ
をコロナ放電、特殊コロナ放電、スパッタエッチング等
で表面処理した。 (b)厚さ4mmの未加硫のゴム層を押し出し成形す
る。 (c)前記高分子フィルムを前記材料A、材料Bおよび
材料Cよりなる接着層を介して、前記未加硫のゴム層に
積層した。 (d)成形加硫条件、温度175℃で、圧力60kg/
cm2、8分間の条件で、真空プレスで成形と同時に加
硫し、高分子フィルムでラミネートされた積層ゴム層を
製造した。 (e)成形されたラミネート積層ゴムは所定形状に打ち
抜いて医療用の積層ゴム製品を製造した。
【0038】なお上記ゴム栓組成物の混合は、加圧ニー
ダで160℃で混練した。 2.物性評価 (1) 接着強度 高分子フィルムでラミネートした加硫積層体ゴム層から
幅10mmの試験片を作製し、23℃の温度で180°
ピーリング試験(引張スピード100mm/分)で接着
力を測定した。
【0039】(2) 良品率評価 図1、図2に類似した注射器用の滑栓(直径13mm、
高さ15mm)およびバイアル用ゴム栓(直径19m
m、高さ11mm)を24個取り金型にセットして、真
空プレス成形にて成形加硫シートを作製する。このシー
トから打抜きプレスにより全面を高分子フィルムでラミ
ネートした滑栓およびバイアル用ゴム栓を24個作製し
た。同一材料につき加硫成形を10回行ない、合計24
0個のラミネート滑栓を製作し、高分子フィルムの均質
なラミネート状況、接着不良による浮き、剥がれ等を目
視検査にて行なった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】表3はブチル系のバイアル用ゴム栓および
滑栓の実施例であるが、本発明の実施例1〜10は接着
層に反応性基含有スチレンー共役ジエンブロック共重合
体を使用しているので、高分子フィルムおよびゴム層と
の接着強度に優れている。尚、接着強度は高分子フィル
ムの種類およびその表面処理の方法で影響をうける。こ
れらの条件が同じ表3の実施例1〜6と表4の比較例1
〜6を、表3の実施例9、10と表4の比較例7、8を
対応させれば、本発明の実施例は比較例よりいずれも優
れていることが判る。
【0047】表5はイソプレン系のバイアル用ゴム栓の
実施例であるが、本発明の実施例11〜14は接着層に
反応性基含有スチレンー共役ジエンブロック共重合体を
使用しているので、対応する比較例9〜12に比べて接
着強度に優れていることが判る。たとえば、実施例11
と比較例9、実施例12と比較例10、実施例13と比
較例11、実施例14と比較例12を比較すると実施例
はいずれも優れていることがわかる。
【0048】表6は実施例と比較例の良品率の評価結果
を示す。尚、良品率は高分子フィルムの種類、およびそ
の表面処理の方法さらにゴム層の配合によって影響す
る。本発明の実施例は対応する比較例よりも不良品が大
幅に減少し生産性が改善されていることがわかる。
【0049】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【0050】
【発明の効果】上述の如く、本発明の医薬用の積層ゴム
製品はゴム層と高分子フィルムの間に配置される接着層
に反応性基含有スチレンー共役ジエンブロック共重合体
を主成分とする材料を用いたため、医療用の積層ゴム製
品として基本特性を低下させることなくラミネートされ
る高分子フィルムとゴム層の密着性および接着性が改善
でき、製品の使用時に高分子フィルムの剥離の危険性が
軽減する。さらにバイアル用ゴム栓などのように加硫成
形時に局所的な引伸される製品においては、その局所部
分での接着力低下がなく不良品が大幅に減少し生産性が
改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 注射器用滑栓を装着した状態の注射器の断面
概略図である。
【図2】 バイアル用ゴム栓を容器に装着した状態の断
面概略図である。
【図3】 輸液用ゴム栓の用いられる栓体の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 注射器、2 外筒、3 吸子、4 薬液、6 滑
栓、6a ゴム層 6b 高分子フィルム、6c 接着層、10 バイアル
容器、11、13 ゴム栓、12 輸液用栓体、11
a、13a 高分子フィルム、14 支持体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 9:06 B29K 101:12 21:00 B29L 9:00 101:12 A61J 1/00 315A B29L 9:00 A61M 5/14 425B (72)発明者 小平 博志 大阪府守口市藤田町3−23−2−205 (72)発明者 八尾 英治 大阪府泉大津市池浦町1−2−19 オーツ タイヤ株式会社池浦寮302号 Fターム(参考) 3E084 AA02 AA12 AB05 BA02 CA01 CC03 CC08 DA01 DB13 DC03 DC08 FA09 FC01 GA08 GB12 LE11 4C066 HH13 NN01 4F100 AK01A AK73B AL02B AL05B AL06B AL09A AN00C BA03 BA07 BA10A BA10C CB00B EH17 EJ17 EJ30 EJ52A EJ54A EJ55A GB66 JB16A JL11 YY00B 4F211 AA46 AD05 AD08 AG03 AH63 TA09 TC01 TH02 TH24 TJ09 TN51 TN58 TN84 TQ08 TW23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルムと未加硫ゴム層の間に、
    反応性基含有スチレン−共役ジエンブロック共重合体を
    主成分とする接着層を介在させ、加硫成形時に、前記高
    分子フィルムをゴム層にラミネートしてなる医療用の積
    層ゴム製品。
  2. 【請求項2】 反応性基含有スチレン−共役ジエンブロ
    ック共重合体が、エポキシ化スチレン−共役ジエンブロ
    ック共重合体、カルボキシル化スチレン−共役ジエンブ
    ロック共重合体またはヒドロキシ化スチレン−共役ジエ
    ンブロック共重合体、エポキシ化水素添加スチレン−共
    役ジエンブロック共重合体、カルボキシル化水素添加ス
    チレン−共役ジエンブロック共重合体およびヒドロキシ
    化水素添加スチレン−共役ジエンブロック共重合体であ
    る請求項1記載の医療用の積層ゴム製品。
  3. 【請求項3】 高分子フィルムは熱可塑性樹脂または熱
    可塑性エラストマーのフィルムである請求項1記載の医
    療用の積層ゴム製品。
  4. 【請求項4】 高分子フィルムは紫外線、コロナ放電、
    グロー放電またはアーク放電で処理されている請求項1
    記載の医療用の積層ゴム製品。
  5. 【請求項5】 接着層は未加硫ゴム成分を10〜90重
    量部と、エポキシ化スチレン−共役ジエンブロック共重
    合体、カルボキシル化スチレン−共役ジエンブロック共
    重合体またはヒドロキシ化スチレン−共役ジエンブロッ
    ク共重合体、エポキシ化水素添加スチレン−共役ジエン
    ブロック共重合体、カルボキシル化水素添加スチレン−
    共役ジエンブロック共重合体およびヒドロキシ化水素添
    加スチレン−共役ジエンブロック共重合体の少なくとも
    1種の反応性基含有スチレン−共役ジエンブロック共重
    合体を10〜90重量部を混合して100重量部とした
    医療用の積層ゴム製品。
  6. 【請求項6】 高分子フィルムを、反応性基含有スチレ
    ン−共役ジエンブロック共重合体を主成分とする接着層
    を介して未加硫ゴム層に積層し、プレスにて加硫成形と
    同時に高分子フィルムをゴム層にラミネートして、しか
    る後に所定形状に打ち抜いてなる医療用の積層ゴム製品
    の製造方法。
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