JP2002345402A - 熱安定性の向上した濃縮乳及びその製造方法 - Google Patents

熱安定性の向上した濃縮乳及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、良質な風味やまろやかな舌触りを
有する熱安定性の高い全脂濃縮乳を得ることを課題とす
る。 【解決手段】 原料乳を濃縮処理する前と濃縮後に均質
化処理を行うことで解決することができることを見出し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱処理に安定な濃縮
乳に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から製造されている濃縮乳は、生乳
あるいは脱脂乳や無水脂肪乳等の乳製品を原料として濃
縮処理又は加水希釈した後、殺菌あるいは滅菌のために
低温長時間殺菌(LTLT法)、高温短時間殺菌(HT
ST法)又は超高温殺菌(UHT法)などの加熱処理を
行った後に缶や紙容器等に充填することにより製造され
ている。
【0003】一般に未濃縮乳は殺菌や滅菌のための加熱
処理に比較的安定であるのに対して濃縮乳は加工中にし
ばしば凝固することがあるため、商業的な見地から極め
て重要な問題点として把握されているところである。従
って、濃縮乳の熱安定性はその品質に大きな影響を与え
る性質であり、解決すべき重要な課題の一つとなってい
る。
【0004】乳業界では濃縮乳の凝固すなわち熱安定性
を改善するために20世紀初頭から経験的に濃縮前に予
熱(プレヒート)処理を行ったり、クエン酸塩やリン酸
塩等を添加することが行われていた。最近では凝固防止
等乳の安定化のための技術開発が加速しカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコ
ールエステル等の乳蛋白質安定剤を使用する技術が開示
されている(特公昭45―36143号公報、特公昭5
9―41709号公報、特開昭60―12930号公
報、特公平1―16130号公報、特公平7―7961
5号公報等)。
【0005】これらの安定化剤の作用機作としては、p
H約4.6の等電点以下ではプラスに荷電している乳中
のカゼイン粒子が、マイナスに荷電しているアルギン酸
プロピレングリコ−ルエステル等の安定剤の電気的影響
で、カゼイン粒子は全体としてマイナスに荷電すること
となり、電気的な反発により、分離、沈降、凝集するこ
となく安定な状態となることが考えられる。しかし、安
定化剤等の乳への添加は技術的には有効な手段と位置づ
けられるものであるが、昨今の天然志向の飲食品を求め
る趨勢からすれば添加物の使用を極力排した乳製品が望
まれているところである。
【0006】こうした実情によりまた経験的にも生乳又
は脱脂乳を原料とする濃縮乳又は還元濃縮乳の製造は5
0〜60℃での予熱処理(プレヒーティング)を効率的
に利用することで行われてきた。濃縮前の予熱はその結
果できる濃縮乳の熱安定性を著しく向上させることが古
くから知られている(Webb.B.H. J. Dairy Sci. 15.345
-366 (1932))からである。
【0007】次に必要に応じていわゆる荒煮を行い乳中
のホエイタンパク質を熱変性させ、その後真空蒸留又は
限外濾過等により乳を濃縮後均質化処理(ホモゲナイ
ズ)により粘性の高くなった乳を構成する乳粒子を微小
化し、そして殺菌し容器に充填するか容器に充填後殺菌
する方法がとられている。
【0008】濃縮乳の熱安定性に寄与する要素としては
安定化剤等の添加物以外に、従来から 1) 乳中のホエイタンパク質濃度と乳のpH 2) 乳のミネラル含量 3) 予熱処理の有無 4) 均質化処理 等が主たるものとして示されてきた。
【0009】1)については、ホエイタンパク質を含ま
ないカゼインミセル分散液の熱安定性はpHが増加する
に従って増加するという知見からホエイタンパク質が熱
安定性のpH依存性に主要な影響を及ぼすことが示され
た。 またほとんどの乳はpH6.7でシャープな安定
性を示し、pH6.9で不安定でありそれ以上で再び安
定性がよくなることが知られている。濃縮乳はpH6.
2〜7.2で熱安定性が減少する。
【0010】2)については、乳の塩基(リン酸塩)や
酸(カルシウム、マグネシウム)のイオン平衡がくずれ
ると熱安定性が減少すること、特にカルシウムとリン酸
塩が濃縮乳の熱安定性に寄与していることが知られてい
る。 3)については熱安定性に対する予熱の真の効果は最良
の安定性を示すpHの移動によるものであるとする説が
ある。
【0011】4)については、未濃縮の脱脂乳の均質化
はその熱安定性にほとんど影響はないが、未濃縮の全乳
の安定性は通常均質化により減少すること(Sweetsur,
A.W.M J. Dairy Res. 50. 291-300. (1983))が知ら
れており、通常の乳では、均質化は予熱及び濃縮前に行
なうと濃縮全脂クリーム、あるいは濃縮還元乳の熱安定
性を減少させ、予熱前に乳を濃縮しその後に均質化する
ことあるいは予熱前に濃縮と均質化の両方を行なうこと
も、還元濃縮乳の熱安定性を減少させることが知られて
いる(Newstead, D.F. J. Dairy Res. 46. 387-391. (1
979))。
【0012】このように牛乳の均質化は多くの出版物お
よび論文に記載されている。ドイツ、Duesseld
orf,VDI−Verlag 1987年発行、H.
Eibel著、「種々の段階の脂肪含有量をもつ乳脂製
品の高圧均質化に関する研究」と題するFortsch
r.−Ber,VDI series 3 No.136
記載の論文は、この分野における従来法の広範な総説と
なっている。
【0013】これら均質化処理は良質な濃縮乳を製造す
る上では不可欠な処理方法といえる。すなわち均質化処
理を行わないと予熱処理や濃縮処理の結果乳粒子が再凝
集してしまうために濃縮乳を口中に含んだ時に味わえる
良質な風味やまろやかな舌触りを損ねてしまい著しく品
質の低下したものとなり商業的には満足いかないものと
なる。しかし、一方で均質化処理は濃縮乳の熱安定性を
低下させてしまう可能性が高いために長期保存中に、脂
肪浮上によるクリームラインの形成および蛋白質や脂肪
の凝集による凝集物の発生が見られる等の問題を生じて
しまうことから良質で熱安定性の高い濃縮乳を目的とす
る場合は技術的に背反性を有してしまうことになる。こ
のように濃縮乳を均質化処理すると熱安定性が低下し良
質な風味やまろやかな舌触りを有する熱安定性の高い全
脂濃縮乳が得られないという問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良質な風味
やまろやかな舌触りを有する熱安定性の高い全脂濃縮乳
を得ることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの点に着目
し種々な検討を行った結果、驚くべきことに原料乳を濃
縮処理する前と後に均質化処理を行うことでこの問題点
を解決するに至り、そして熱安定性の高い良質な濃縮乳
を得る上でホエイタンパク質濃度の臨界的意義を見出し
更にその製造方法を確立することで本発明に到達した。
【0016】すなわち本発明は、(1) 濃縮処理前及び
濃縮処理後で均質化処理された乳の、420nmにおけ
る透過率が少なくとも93%以上である濃縮乳、(2)
濃縮処理前の均質化処理は予熱処理中に行うことを特
徴とする(1)記載の濃縮乳、(3) (1)又は(2)に記載
の濃縮乳を含有することを特徴とする乳入り飲料、(4)
濃縮乳の製造において、濃縮処理前及び濃縮処理後で
均質化処理することを特徴とする、乳の420nmにお
ける透過率が少なくとも93%以上である濃縮乳の製造
方法、(5) 濃縮処理前の均質化処理は予熱処理中に行
うことを特徴とする(4)記載の濃縮乳の製造方法に関す
るものである。
【0017】まず、濃縮乳に関する発明において均質化
処理とは、未濃縮の原料乳である生乳等を、真空蒸留等
による濃縮処理の前と濃縮後に少なくともそれぞれ1回
以上均質機(ホモゲナイザー)により処理されたものを
いう。また、濃縮処理前の均質化処理は原料乳を予熱処
理や荒煮処理を行う前、中、後で少なくとも1回以上行
えば良い。濃縮後の均質化処理は容器に充填する前のい
ずれの工程で行っても良い。
【0018】次に、濃縮乳の420nmにおける透過率
とは、ホエイタンパク指数測定法(日本医学会編、乳製
品試験法注解)に準拠して、製造工程で所定の加熱処理
を施した濃縮乳の前処理液における波長420nmにお
ける透過率をいい、透過率が少なくとも93%以上とは
加熱を受けた濃縮乳前処理液の透過率が93%以上であ
ることをいう。これは未変性ホエイタンパクの量を相対
的に示すものである。従って、本発明の構成は、濃縮の
前及び濃縮の後で均質化処理すること及びホエイタンパ
ク指数測定法に準拠した透過率の測定において少なくと
も93%以上の透過率を有する濃縮乳である。
【0019】本発明に係る濃縮乳は従来から知られてい
る濃縮乳に比べて良質な風味と口中でのまろやかな舌触
りを有する点で優れた性質をもつ。更に長期保存中に、
脂肪浮上によるクリームラインの形成や蛋白質や脂肪の
凝集による凝集物の発生は生ずることがなくかなりの熱
安定性、すなわち透過率93%以上を有するものであ
る。
【0020】それゆえに、この濃縮乳は数ある用途の一
つとして乳入り飲料の乳成分としての使用が挙げられ
る。たとえば、缶入りミルクコーヒーやミルク入り紅
茶、ココア、スープ等は、殺菌時の熱負荷による製造直
後の乳の沈殿、加温状態で長期に自動販売機中で保存さ
れ、その過程で乳の沈殿を生じる等の問題があったが、
本発明に係る濃縮乳を使用することで乳成分に起因する
凝集・沈殿等の問題は解消される。すなわち、本発明に
係る濃縮乳を使用して製造された乳入り飲料も本発明の
範疇である。
【0021】次に、濃縮乳の製造方法に関する発明にお
いて、濃縮乳の製造とは、従前から知られ又は実施され
ている濃縮乳の製造方法をいう。たとえば原料乳として
生乳を使用する場合は、貯乳、予熱処理、荒煮処理、真
空蒸留法により濃縮、必要に応じて均質化処理を行い殺
菌、保持、冷却、充填等の製造方法をいい、原料乳とし
て脱脂粉乳や無水脂肪乳等を使用する場合は適宜濃縮度
合いを考慮した加水を行い、必要に応じて均質化処理を
行い殺菌、保持、冷却、充填等の製造方法をいう。
【0022】次に、原料乳を濃縮の前及び後で均質化処
理するとは、未濃縮の原料乳である生乳又は脱脂粉乳や
無水脂肪乳等の加水液を真空蒸留等による濃縮処理の前
のいずれかの工程及び濃縮処理後の少なくともそれぞれ
1回以上均質機(ホモゲナイザー)により処理すること
をいう。
【0023】濃縮処理前の均質化処理は原料乳を予熱処
理や荒煮処理を行う前、中、後で少なくと1回以上行っ
てもよいが、貯乳から予熱処理の工程の際に行うのが好
ましく、より好ましくは予熱処理中に行うのが良い。濃
縮後の均質化処理は容器に充填する前のいずれの工程で
行っても良いが操作の点から濃縮後直に行うのが好まし
い。
【0024】このように濃縮処理前及び濃縮処理後で均
質化処理することを特徴とする濃縮乳の製造方法で製造
された濃縮乳は前記記載のごとくホエイタンパク指数測
定法に準拠した透過率の測定において少なくとも93%
以上の透過率を有する濃縮乳である。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。本発明でいう濃縮乳とは全固形分(TS)23%〜
40%、脂肪7〜12%、無脂固形乳(SFN)16〜
28%を有する乳をいう。また、原料乳とは搾乳後の生
乳、脱脂粉乳や無水脂肪乳等の加工乳をいい、既に濃縮
された乳又は粉乳を使用する場合は最終的に得られる濃
縮乳より希釈された状態の乳を用いる。
【0026】次に均質化処理とは、未濃縮の原料乳であ
る生乳等を真空蒸留等による濃縮処理の前と濃縮後に少
なくともそれぞれ1回以上均質機(ホモゲナイザー)に
より処理することをいい、2段式均質機、1段2連式、
アセプティク式等現在市販されているものであるならい
ずれのものも使用可能である。また、均質バルブの性能
の良し悪しで均質化処理に要する時間、スペース、労力
が大きく左右されるが各種市販品ともに牛乳の流れを絞
り高圧で破砕する構造になっているから技術的には問題
はない。
【0027】この処理で乳脂肪球の粒子径は1μm以下
に調製される。尚、この処理でカゼインミセル粒子径の
減少はほとんど生ぜず0.01〜0.5μmであるが粒
子径の小さくなった脂肪球にカゼインミセル或いはサブ
ミセルが疎水的に表面に吸着すると考えられる。
【0028】従って、乳中のカゼインミセル或いはサブ
ミセルの疎水性表面がそのままでは不安定で加熱等の作
用で凝集・不溶化し不安定化するところ、濃縮の前後に
均質化処理することで脂肪球の疎水性界面に吸着或いは
取り込まれることで吸着・凝集化が激減し加熱等に安定
化すると考えられる。
【0029】濃縮処理前に行う均質化処理は原料乳を予
熱処理や荒煮処理を行う前、中、後で少なくと1回以上
行うが、濃縮乳製造の作業性・効率性の観点から貯乳か
ら予熱処理の工程の際に行うのが良い。予熱処理は通常
40℃〜70℃で行われ、予熱による乳の熱安定化と均
質化処理による粒子径の微小化による更なる安定化が奏
される。
【0030】次に乳の濃縮は減圧下( 50 〜 200
Torr)で蒸留することで行い得る。濃縮後の均質化処理
は容器に充填する前のいずれの工程で行っても良いが作
業効率の点から濃縮直後から殺菌処理前の間に行うのが
好ましい。濃縮により再凝集した粒子を微小化するため
である。このように本発明は濃縮処理前及び濃縮処理後
で均質化処理することを特徴とするものである。
【0031】均質化処理回数は濃縮前及び後で少なくと
も1回行えばよいが、2回又は3回と回数を重ねるほど効
果的である。特に濃縮後の均質化においてそれは顕著に
見出せる。圧力条件は100kgf/cm2〜200kgf/cm2
好ましい。温度は40〜70℃が好ましく、60℃付近が
より好ましい。2段式均質機の場合圧力条件が100kgf
/cm2〜200kgf/cm2なら1段で十分であり、もし脂肪の
クランピングを解消する必要がある場合は2段目処理す
る必要がある。この際圧力条件は1段目の半分以下が好
ましい。次に、420nmにおける透過率が少なくとも
93%以上である濃縮乳とは、ホエイタンパク指数測定
法(日本医学会編、乳製品試験法注解)に準拠して波長
420nmにおける透過率が少なくとも93%以上であ
る濃縮乳をいう。
【0032】従って、濃縮処理前及び濃縮処理後で均質
化処理され、且、少なくとも93%以上の透過率を有す
る本発明の濃縮乳は、良質な風味と口中でのまろやかな
舌触りをもち、長期保存中に脂肪浮上によるクリームラ
インの形成や蛋白質や脂肪の凝集による凝集物の発生は
生ずることがない、という性質を有するから透過率が9
3%を下回るものは本発明に係る濃縮乳の性質を具備し
ない。以下実施例により更に詳細に説明するが本発明は
これらに限定されるものではない。
【0033】[実施例1]実施例で使用する濃縮乳を、
以下の表1に示す工程及び条件で製造した。すなわち、
原料乳をプレートヒーターで60℃まで予熱した後、高
圧ホモゲナイザーで100kg/cm2の圧力で均質化する
(濃縮前ホモゲナイズ)。次に加熱処理して未変性ホエイ
タンパクの熱変性を行う。二重〜三重連続濃縮缶で減圧
条件(160Torr)で所定の濃度まで濃縮する。その後に
高圧ホモゲナイザーで100kg/cm2の圧力で均質化する
(濃縮後ホモゲナイズ)。殺菌、冷却、充填して目的の濃
縮乳を得た。表1には、濃縮前、後の均質化及び熱変性
の各段階における処理の組み合わせによる試験区(計8
区)及び各区濃縮乳の420nm透過率の値を示した。な
お、420nm透過率は熱変性の加熱温度及び加熱時間に
よって調整する。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例2]実施例1で作製した各濃縮乳
について直接に加熱試験を行い、沈殿及び浮遊状況を観
察して熱安定性を評価した。試験方法は下記の通りであ
る。 試験方法 (オイルバス120℃で濃縮乳を加熱) 各試験区サンプルを蒸留水で2倍(w/w)に希釈 ガラスチューブ(外径9mm、内径7mm)に2mlずつ分
注、溶封 オイルバスで120℃加熱(10、20、30、60分) 冷却
【0036】判定方法 沈殿、浮遊の状態を観察し熱安定性を評価する。表2に
加熱後チューブの沈殿状況を観察した結果を示す。記号
は、−;凝集物なし、±;若干凝集物あり、+;凝集物
あり である。その結果、4,7,8区は60分でも沈
殿は見られず、均一な状態である。
【0037】
【表2】
【0038】次に、遠心分離した結果の沈降物を測定
し、その結果を表3に示す。手順は次の通りである。 蒸留水で20倍(w/w)に希釈 10mlをガラス遠心チューブに分注 3000rpm×5min遠心分離 沈殿物の量を読み取り、%換算して表記(10ml
あたりの体積%) その結果、3,5、6、7、8区が沈降物が少ないこと
がわかる。
【0039】
【表3】
【0040】油浮きについて、遠心分離後の液表面の油
浮き状況を観察し、その結果を表4に示す。記号は、
−;油浮きなし、±;若干油浮きあり、+;油浮きあり
である。その結果、4,5、6,7,8区が油浮きが
少ないことが分かる。
【0041】
【表4】
【0042】沈殿外観、沈降物及び油浮きの評価全体と
して、7,8試験区の熱安定性が向上している様子が確
認された。すなわち、420nm透過率が93%以上であ
ること、また均質化処理を濃縮前後で行っていることが
効果として挙げられる。
【0043】[実施例3]実施例1で作製した各濃縮乳
のうち、実施例1で熱安定性の向上が確認された試験区
(3〜8区)を使用して、表5のコーヒー処方での熱安定
性試験を行い、沈殿発生の有無及び香味を評価した。ま
た、対照として実施例1で示す前後の均質化及び熱変性
を全く施さない(未処理)濃縮乳についても同様に試験を
行った。
【0044】
【表5】
【0045】コーヒーの試作方法は、以下の通りであ
る。 コーヒー豆を粉砕し、定法により抽出する。 抽出液、砂糖、重曹、濃縮乳、香料の順に調合す
る。 60℃に予熱の後、均質化(150kg/cm2)す
る。 缶に充填後、レトルト殺菌(120℃以上の設定温度に
達温後所定のF0値まで) *F値:121.1℃で、一定濃度の微生物を死滅さ
せるのに要する時間(耐熱パラメーターが10℃)
【0046】コーヒーの判定方法は、試作後すぐに開缶
し、沈殿発生の有無、香味を評価した。判定結果は表6
に示す通りであり、試験区7及び8が、沈殿の発生もな
く、香味も良好であることがわかる。
【0047】
【表6】
【0048】〔総合評価〕実施例2の濃縮乳の熱安定性
試験、実施例3のコーヒー処方での熱安定性試験・香味
評価から、試験区7,8(濃縮前後に均質化処理、420nm
透過率93%以上)が好ましいことが判明した。
【0049】
【発明の効果】本発明により、熱に安定で良質な風味を
有する濃縮乳を提供することが可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃縮処理前及び濃縮処理後で均質化処理
    された乳の、420nmにおける透過率が少なくとも9
    3%以上である濃縮乳。
  2. 【請求項2】 濃縮処理前の均質化処理は予熱処理中に
    行うことを特徴とする請求項1記載の濃縮乳。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の濃縮乳を含有す
    ることを特徴とする乳入り飲料。
  4. 【請求項4】 濃縮乳の製造において、濃縮処理前及び
    濃縮処理後で均質化処理することを特徴とする、乳の4
    20nmにおける透過率が少なくとも93%以上である
    濃縮乳の製造方法。
  5. 【請求項5】 濃縮処理前の均質化処理は予熱処理中に
    行うことを特徴とする請求項4記載の濃縮乳の製造方
    法。
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