JP2002345290A - モータ駆動装置 - Google Patents

モータ駆動装置

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JP2002345290A
JP2002345290A JP2001144395A JP2001144395A JP2002345290A JP 2002345290 A JP2002345290 A JP 2002345290A JP 2001144395 A JP2001144395 A JP 2001144395A JP 2001144395 A JP2001144395 A JP 2001144395A JP 2002345290 A JP2002345290 A JP 2002345290A
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光幸 木内
Hisashi Hagiwara
久 萩原
Norimasa Kondo
典正 近藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータ回路によりモータを駆動するモー
タ駆動装置において、制動運転時にインバータ回路出力
電圧を進角制御することによりインバータ回路直流電圧
上昇を抑える。 【解決手段】 交流電源1に接続された整流回路3の直
流電力をインバータ回路4により交流電力に変換してモ
ータ5を駆動し、モータ5のロータ位置を検出するロー
タ位置検出手段5aと制御手段12によりインバータ回
路4を制御してモータ5を正弦波駆動する。制動時に制
御手段12によりモータ5の誘起電圧位相よりもインバ
ータ回路出力電圧位相を90度近傍の位相に進角させて
トルクを下げた後、さらにモータ印加電圧位相を180
度近傍に進めて制動トルクを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ回路に
よりモータを駆動するモータ駆動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、直流ブラシレスモータをインバー
タ装置により駆動して制動時の時間短縮と制動装置の信
頼性を向上するものが提案されている。
【0003】従来、この種の制動装置は、特開2001
−46777号公報に示すように構成していた。すなわ
ち、ホールICよりなるロータ位置検知手段の出力信号
より正弦波状の3相交流電圧波形をインバータ回路によ
り発生させて脱水槽を直接駆動する直流ブラシレスモー
タを駆動するようにし、脱水運転の制動時には、直流電
圧可変電源によりインバータ回路の直流電源電圧を下
げ、誘起電圧位相の逆位相の電圧ベクトルを発生させて
制動運転させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、モータ誘起電圧によるインバータ回路の
直流電源への電圧回生が発生するので、インバータ回路
の直流電源電圧を下げる必要があるため、可変直流電源
回路が必要となり、高価となる欠点があり、さらに、制
動運転時のモータ電流が増加してモータあるいはインバ
ータ装置のパワー半導体が温度上昇する欠点があった。
【0005】本発明は上記従来課題を解決するもので、
制動時にインバータ出力電圧位相をモータ誘起電圧位相
よりも進めてほぼ180度進角させた電圧を加えること
により、発電エネルギーをモータ抵抗により消費させ、
モータ誘起電圧による回生電圧の増加を防ぎ、さらにモ
ータ電流を減らした効率の高い制動運転を行うことを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、交流電源に接続された整流回路の直流電力
をインバータ回路により交流電力に変換してモータを駆
動し、モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手
段と制御手段によりインバータ回路を制御してモータを
正弦波駆動し、制動時に制御手段によりモータの誘起電
圧位相よりもインバータ回路出力電圧位相を90度近傍
の位相に進角させてトルクを下げた後、さらにモータ印
加電圧位相を180度近傍に進めて制動トルクを発生さ
せるようにしたものである。
【0007】これにより、高速回転時のモータ制動運転
による発電エネルギーはモータの抵抗分により消費さ
れ、インバータ回路の直流電圧を上昇させずに制動動作
をさせることができ、さらにモータ誘起電圧と逆位相の
電圧を印加するので制動時のモータ電流を減らすことが
でき、制動時のモータとパワー半導体の温度上昇が低く
なり、信頼性の高い制動運転が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、交流電源と、前記交流電源に接続された整流回路
と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するイン
バータ回路と、前記インバータ回路により駆動されるモ
ータと、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置
検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段と
を備え、前記制御手段は、前記モータの誘起電圧位相よ
りも前記インバータ回路出力電圧位相を90度近傍の位
相に進角させてトルクを下げた後、さらに電圧位相を1
80度近傍に進めて制動トルクを発生させるようにした
ものであり、モータの誘起電圧を直流電源側に回生させ
ることなく、少ない電流でモータに制動トルクを発生さ
せることができ、モータとパワー半導体の温度上昇、お
よびパワー半導体の電圧上昇を防ぐことができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、モータ高速回転時に
おいてモータ誘起電圧の約半分程度のインバータ回路出
力電圧となるように初期電圧を設定して制動するように
したものであり、高速回転時には、主として誘起電圧に
より制動トルクを発生させることによりインバータ回路
の電流を減らすことができ、高効率の制動が可能とな
り、モータとインバータ回路のパワー半導体の温度上昇
を抑制できる。
【0010】請求項3に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、モータ低速回転時に
おいてモータ誘起電圧よりも大きいインバータ回路出力
電圧となるようにして制動するようにしたものであり、
低速回転時には、主としてインバータ回路電圧によりモ
ータ電流を流して制動トルクを発生させるようにするの
で、低速回転時の制動トルクの低下を防止できる。
【0011】請求項4に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、インバータ回路出力
電圧位相を、初期位相から連続的に180度近傍まで進
角させて位相を保持するようにしたものであり、モータ
回転中に瞬時に位相を変えた場合のインバータ回路の過
度電圧上昇とモータ異常音を防止することができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、モータ電流に対応し
た電流を検知してインバータ回路出力電圧を制御するよ
うにしたものであり、回転数低下によるモータ電流とイ
ンバータ回路電流の増加を防ぐことができ、モータとイ
ンバータ回路のパワー半導体の温度上昇を抑制できる。
【0013】請求項6に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、回転数に応じてイン
バータ回路出力電圧を制御しモータ電流を制御するよう
にしたものであり、回転数低下によるモータ電流とイン
バータ回路電流の増加を防ぐことができ、モータとイン
バータ回路のパワー半導体の温度上昇を抑制できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の洗濯機への実施例について、
図面を参照しながら説明する。
【0015】(実施例1)図1に示すように、交流電源
1は、ラインフィルター2を介して整流回路3に交流電
力を加え、整流回路3により直流電力に変換する。整流
回路3は倍電圧整流回路を構成し、交流電源1が正電圧
のとき、全波整流ダイオード30によりコンデンサ31
aを充電し、交流電源1が負電圧のとき、コンデンサ3
1bを充電し、直列接続されたコンデンサ31a、31
bの両端には倍電圧直流電圧が発生し、インバータ回路
4に倍電圧直流電圧を加える。
【0016】インバータ回路4は、6個のパワースイッ
チング半導体と逆並列ダイオードよりなる3相フルブリ
ッジインバータ回路により構成し、通常、絶縁ゲートパ
ワートランジスタ(IGBT)と逆並列ダイオードおよ
びその駆動回路と保護回路を内蔵したインテリジェント
パワーモジュール(以下、IPMという)で構成してい
る。インバータ回路4の出力端子にモータ5を接続し、
撹拌翼(図示せず)または洗濯兼脱水槽(図示せず)を
駆動する。
【0017】モータ5は直流ブラシレスモータにより構
成し、回転子を構成する永久磁石と固定子との相対位置
(回転子位置)をロータ位置検出手段5aにより検出す
る。ロータ位置検出手段5aは、通常、3個のホールI
Cにより構成している。インバータ回路4の負電圧端子
と整流回路3の負電圧端子間に電流検出手段6、いわゆ
るシャント抵抗を接続している。
【0018】ラインフィルター2の出力交流電圧端子間
には、給水弁7、排水弁8、クラッチ9を接続し、スイ
ッチング手段10により制御する。給水弁7は水道水を
洗濯兼脱水槽に給水するもので、電磁弁により構成し、
排水弁8は洗濯兼脱水槽内の水の排水を制御する。クラ
ッチ9は、モータ5の回転駆動軸を撹拌翼に結合するか
洗濯兼脱水槽に結合するかを制御する。スイッチング手
段10は、双方向性サイリスタなどのソリッドステート
リレー、またはメカニカルリレーで構成している。
【0019】制御回路11は、インバータ回路4および
スイッチング手段10を制御するもので、マイクロコン
ピュータより構成した制御手段12と、制御手段12の
出力信号によりインバータ回路4のIPMを制御してモ
ータ5の回転駆動を制御するインバータ駆動回路13
と、スイッチング手段10を制御するスイッチング手段
駆動回路14と、電流検出手段6の出力信号によりイン
バータ回路4の電流を検知し制御手段12にモータ電流
に応じた信号を加える電流検知回路15とで構成してい
る。電流検知回路15の出力信号は制御手段12のA/
D変換回路に加え、マイクロコンピュータはA/D変換
されたモータ電流に対応した信号によりインバータ回路
4の出力電流を制御する。
【0020】制御手段12は、キャリヤ信号発生回路と
比較回路とを有しインバータ回路4のIPMを制御する
PWM制御手段12aと、インバータ回路4の出力電圧
を所望の波形に出力する波形記憶手段12bと、ロータ
位置検出手段5aの出力信号とキャリヤ信号発生回路の
出力信号より電気角を演算する電気角制御手段12c
と、キャリヤ信号発生回路の出力信号に同期して電気角
制御手段12cより波形記憶手段12bの信号を呼び出
しPWM制御手段12aに信号を出力する出力レベル変
換回路12dと、電流検知回路15により検知したモー
タ電流に対応した電流信号と、ロータ位置検出手段5a
により検出した回転数信号によりインバータ回路4の出
力電流とモータ印加電圧位相を制御する電流制御手段1
2eと、制動時にモータ電流あるいはモータ印加電圧位
相を制御する制動設定手段12fとで構成している。
【0021】この制御手段12は、図2に示すように構
成しており、PWM制御手段12aは、キャリヤ信号発
生回路120aにより鋸歯状波を発生させ、比較回路1
21aの入力端子に信号vcを加え、比較回路121a
の他方の入力端子に電圧設定手段122aの信号vuを
加える。キャリヤ信号発生回路120aの周期は、キャ
リヤ周波数を15.6kHzに設定すると64μsとな
り、時間に比例して信号レベルが変化する鋸歯状波を発
生させる。鋸歯状波の方が三角波よりもPWM分解能が
高く優れている。また、鋸歯状波の場合にはキャリヤ周
波数のN次高調波が三角波に比べて増加する欠点がある
が、キャリヤ周波数を超音波周波数に設定すれば、キャ
リヤ周波数のN次高調波は騒音への影響がなくなるの
で、この問題はなくなる。
【0022】比較回路121aはマイクロコンピュータ
内のディジタルコンパレータで、ダブルバッファより構
成される電圧設定手段122aのデータと鋸歯状波のキ
ャリヤ信号と比較してPWM波形を生成する。図2に示
すPWM制御手段12aは3相出力の1相分で、3相出
力の場合には同様の回路を3個有する。ただし、キャリ
ヤ信号発生回路120aは1つで共用化できる。
【0023】波形記憶手段12bは、電気角に対応した
所望の電圧信号(正弦波データ)を記憶したもので、2
56(8ビット)から512(9ビット)個の数値デー
タの配列である。電圧振幅に相当する数値データは9ビ
ットデータで、通常は−256から+256まで電気角
に対応した正弦波データを記憶している。この数値デー
タは、いわゆる正規化データであり、データの持ち方は
特に決まってはいないので、できるだけプログラムの実
行速度が早くなる数値配列が望ましい。
【0024】電気角検知手段12cは、ロータ位置検出
手段5aの出力信号を検知し回転周期を検出する回転周
期検知手段120cと、基準となるロータ位置検出手段
5aの出力信号H1からの位相角φを設定する位相設定
手段121cと、回転周期検知手段120cより検知し
た電気角60度に相当する期間内にキャリヤ信号発生回
路120aの出力パルス数kをカウントし、キャリヤ信
号1周期の電気角Δθを演算してロータ位置に対応する
電気角を演算する電気角演算手段122cと、電気角演
算手段122cより演算したロータ電気角と位相設定手
段121cより印加電圧電気角を設定する電気角設定手
段123cより構成される。
【0025】出力レベル変換回路12dは、波形記憶手
段12bより電気角に対応した振幅信号Aを呼び出す呼
び出し手段120dと、呼び出し手段120dの出力信
号Aに変調度Gを演算してPWM制御手段12aに出力
する電圧演算手段121dとで構成している。通常、波
形記憶手段12bのデータは、インバータ回路4の最大
出力レベルに対応した数値なので、電圧演算手段121
dの演算はインバータ出力電圧レベルを減らす演算とな
り、変調度Gは1よりも小さな数値となる。通常、正弦
波PWM制御における変調度Gはパーセンテイジ(%)
で呼ばれる。
【0026】位相角φと変調度Gは電流制御手段12e
より出力され、電流制御手段12eは、電流検知回路1
5の出力信号をA/D変換するA/D変換回路120e
と、A/D変換回路120eの出力信号と電流設定手段
121eの出力信号を比較する電流比較回路122e
と、比較した誤差信号に応じて変調度を制御する変調度
度制御手段123eと、変調度制御手段123eの出力
信号により変調度G、あるいは位相φを制御する位相・
電流制御手段124eより構成される。
【0027】さらに、ロータ位置検出手段5aの基準信
号H1を検知して回転数を検知する回転数検知手段12
5eと回転数信号により変調度を変更する変調度変更手
段126eを設け、変調度変更手段126eの出力信号
を変調度制御手段123eに加えて回転数に応じて変調
度を制御できるようにする。
【0028】制動設定手段12fは、制動時にインバー
タ回路出力電圧とその位相を設定制御するもので、制動
指令によりインバータ回路出力電圧位相をモータ誘起電
圧位相より進角90度から進角180度まで進め、モー
タ誘起電圧の逆位相を加えて逆トルク、すなわち、制動
トルクを発生させるものである。
【0029】上記構成において電気角に対応した各部波
形関係は、図3および図4に示すようになる。
【0030】図3は、制動前のモータ回転駆動時の各部
波形関係を示すもので、図3において、Ecはモータ誘
起電圧波形で、ロータ位置検出手段5aのロータ位置信
号H1、H2、H3は、電気角60度ごとに信号が変化
し、基準信号H1がローからハイに変化したタイミング
を0度とすると、モータ誘起電圧Ecは電気角30度遅
れた位相となる。ロータ位置信号H1、H2、H3の変化
に同期してロータ位置信号H1、H2、H3の状態データ
を読み込み、状態データより60度ごとのロータ電気角
を検出できる。
【0031】信号vcはキャリヤ信号発生回路120a
の鋸歯状波の出力信号で、0から512まで変化するタ
イマカウンタのタイマ値である。タイマ値が512にな
ると、タイマカウンタがオーバーフローして0に戻り、
キャリヤ割り込み信号cを発生させる。
【0032】信号vuは、比較回路121aの一方の入
力信号で、基本的には出力レベル変換回路12dの出力
信号と同じであり、この場合は、位相角φは0度で変調
度Gは100%の場合を示す。この信号vuは波形記憶
手段12bに記憶した正弦波データの振幅信号A(−2
56〜+256)に変調度Gを掛けて256を足したも
ので、vu=A×G+256より計算される。256を
中心値として0から512まで正弦波状に変化する。
【0033】信号uは信号vuとキャリヤ信号発生回路
120aの出力データvcと大小比較したPWM波形を
示す。この信号uによりインバータ駆動回路13を介し
てインバータ回路4を駆動し、モータ5に電圧を印加す
ることにより、ほぼ正弦波状の電流でモータ5を駆動す
ることができ、モータ5から発生する騒音、振動を低減
することができる。
【0034】この信号uはU相の上アームトランジスタ
の駆動信号で、下アームトランジスタの駆動信号は信号
uの反転信号となる。実際にトランジスタに加える信号
は、さらにターンオフタイムを考慮したデッドタイム制
御が加わり、上下アームトランジスタの同時導通を禁止
する期間を設けている。
【0035】これにより、キャリヤ信号に同期して演算
によりロータ位置電気角を検出し、波形記憶手段12b
に記憶した正弦波データを読み出すことができるので、
キャリヤ信号の周波数を高くしてロータ位置検出分解性
能を高くすることができ、ほぼ正弦波状のモータ電流を
流すことができ、モータ5の回転数制御性能を向上する
ことができ、モータ騒音を減らすことができる。
【0036】図4は、制動運転時の各部波形関係を示
し、インバータ出力電圧位相を誘起電圧位相からほぼ1
80度進ませた波形を示す。ここで、U相モータ誘起電
圧波形Ecに対し、インバータ出力電圧Vu位相は逆位
相となる。U相電流Iu波形は、誘起電圧波形Ecに対
して120度進角した波形となる。
【0037】このときの制御位相角φはほぼ進角150
度で、変調度Gは40%の波形で、比較回路121aの
一方の入力信号vuは正弦波データA×0.4となり、
−102から+102の間で正弦波状に変化する。モー
タ誘起電圧位相から制御位相角φを60度近く進める
と、インバータ回路出力電圧位相はほぼ90度進角し、
モータトルクは減少する。通常のモータ駆動において
は、モータ誘起電圧位相から制御位相角φを進めると、
いわゆる弱め界磁制御となり、モータ電流が増加しトル
クが増加するが、急速に制御位相φを90度に進めると
モータ電流は増加せずにトルクはほとんど零となる。
【0038】モータ出力Pは、一般的に誘起電圧をE
c、モータ相電流をI、誘起電圧Ecと相電流の位相を
αとすると、P=Ec×I×cosαとなり、電気角α
を90度にするとモータ出力Pとモータトルクは零とな
る。
【0039】さらに、位相φを150度まで進角させる
と、モータ誘起電圧位相からモータ印加電圧位相はほぼ
180度進角となり、位相αは120度となり、cos
α=−0.5となり、負のパワー、すなわち、発電ブレ
ーキとなる。
【0040】つぎに、図5は、制動運転でのブレーキ制
御プログラムのフローチャートで、図5を参照しながら
ブレーキ行程での動作を説明する。
【0041】図5のステップ200よりブレーキ制御を
開始し、ステップ201にてキャリヤ信号割込cの有無
を判断し、キャリヤ信号割込cが発生するとステップ2
02に進んでキャリヤ信号割込サブルーチンを実行す
る。キャリヤ信号割り込みの優先度は異常割り込みを除
き、最も高い優先度とする。
【0042】キャリヤ信号割り込みサブルーチンの詳細
については、図7により説明するが、簡単に説明する
と、キャリヤ信号をカウントすることによりロータ位置
電気角を検出し、電気角に応じて波形記憶手段12bよ
り正弦波データを呼び出し、PWM制御データを設定す
るものである。このサブルーチンの実行とリターンに
は、数μsecから10数μsec以内に処理する必要
がある。
【0043】つぎに、ステップ203に進み、インバー
タ回路4を構成するIGBTの駆動制御を行う。PWM
制御回路12aの電圧設定手段122aはダブルバッフ
ァ構造となっており、PWM値が変更されてから実際に
出力される信号は、つぎのキャリヤ信号のタイミングと
なる。
【0044】ステップ204は、ロータ位置信号の変化
を検出するもので、ロータ位置信号H1、H2、H3のエ
ッジ信号を検出して割り込み信号が発生したかどうかを
検出し、割り込み信号が発生するとステップ205に進
み、位置信号割り込みサブルーチンを実行する。位置信
号割り込みの優先度は、キャリヤ信号割り込みのつぎに
設定する。
【0045】位置信号割り込みサブルーチン205の詳
細については、図6により説明するが、簡単に説明する
と、ロータ回転周期と回転数の検出、0度、60度、1
20度等の60度ごとの電気角の設定、キャリヤ信号1
周期の電気角の演算等の処理を実行する。
【0046】この位置信号割り込みサブルーチン205
も、キャリヤ信号割り込みサブルーチンと同様に高速処
理が必要であり、数μsecから10数μsec以内に
処理する必要がある。なぜなら、2つの割り込みが同時
に重なっても、キャリヤ信号1周期(64μs)の50
%の時間内に処理しないと、メインルーチンの実行が不
可能となり、プログラムの実行に支障をきたす場合が生
じる。
【0047】つぎに、ステップ206にてロータ位置基
準信号H1からの進角位相φをΔφインクリメントす
る。通常、脱水運転では初期位相φ0は0度に設定され
ており、誘起電圧Ecからの位相は30度進角してい
る。また、Δφは5度あるいは10度程度でよい。Δφ
を大きくして位相を急速に変化させるとインバータ直流
電圧が過度的に上昇し、急激な電流変化によりモータに
騒音が発生するのでできるだけ小さく設定する。しか
し、小さくし過ぎると、逆に位相を90度以上まで進角
させる時間が長くなり、途中で電流が増加してモータト
ルクが増加するので、0.5から1秒程度で変化させる
ことが望ましい。
【0048】つぎに、ステップ207に進んで位相φが
60度進角したかどうか判定する。位相φが60度では
誘起電圧に対して90度進角するのでモータトルクはほ
ぼ0となり、このとき、ステップ208に進んで回転数
Nに応じて変調度Gを制御し、インバータ出力電圧をモ
ータ誘起電圧に応じた値に設定する。例えば、図9に示
すような回転数Nと変調度の関係を示すテーブルをマイ
クロコンピュータのROM内に記憶させてルックアップ
テーブルにより変調度Gを設定する。ステップ208の
処理は、一回でよいので処理が済めばフラグを立てて次
回は実行しないようにする。
【0049】脱水高速回転から制動運転する場合、誘起
電圧のほぼ半分程度のモータ電圧が各相に印加されるよ
うに設定するもので、変調度は、例えば50%程度に設
定する。これらの値は予め実験値より求めたものをルッ
クアップテーブルに記憶させる。変調度を小さくすると
電圧回生によりインバータ回路直流電圧が上昇するの
で、誘起電圧の半分程度に設定すると電圧回生がなくて
制動トルクも大きくなり有利である。
【0050】脱水低速回転から制動運転する場合には、
電圧回生はほとんどないのでインバータ回路印加電圧
は、モータ誘起電圧よりも高くできるが、後ほど詳細に
述べるように、モータ電流が増加するので変調度Gは数
10%に設定するとよい。
【0051】つぎに、ステップ209に進んで位相φが
150度まで進んだかどうか判定し、誘起電圧から18
0度進角したと判断すると、ステップ210に進んで位
相φを150度に固定し誘起電圧位相から180度進角
した電圧位相を保持する。このときも、位相変化が早い
と電圧回生が発生する場合があるので、進角90度から
進角180度への制御時間も1秒程度に設定するとよ
い。
【0052】つぎに、ステップ211に進んでモータ電
流に対応した電流Iを検出し、つぎに、ステップ212
に進んで電流Iの大小判定を行う。電流Iが設定電流I
sよりも大きければステップ213に進んで変調度Gを
ΔGだけ小さくする。逆に電流Iが設定電流Isよりも
小さければステップ214に進んで変調度GをΔGだけ
大きくする。つぎに、ステップ215に進んで回転数N
が零になったかどうか判定し、回転が停止した場合には
ステップ216に進んでIGBTをオフしてブレーキ制
御プログラムは終了し、回転が停止しない場合には最初
に戻る。
【0053】つぎに、ロータ位置検出手段5aの出力信
号、すなわちロータ位置信号H1、H2、H3のエッジを
検出したときの位置信号割り込み動作を図6を参照しな
がら説明する。
【0054】ステップ300より、エッジ信号により外
部割り込みが生じ位置信号割り込みサブルーチンを開始
し、ステップ301にてロータ位置信号H1、H2、H3
の状態データを入力し、ロータ位置を検出する。ステッ
プ302で、ロータ位置信号よりロータ電気角θcを設
定する。U相が電気角0度とすれば、V相は120度、
W相は240度に設定される。
【0055】つぎに、ステップ303に進んでキャリヤ
信号発生回路120aのキャリヤ割り込み信号cのパル
ス数のカウント値kをキャリヤカウンタメモリkcに記
憶し、ステップ304に進んでカウント値kをクリヤし
てステップ305に進み、キャリヤ信号発生回路120
aの出力信号1周期の電気角Δθを演算する。位置信号
割り込み周期は電気角60度に相当するので、Δθ=6
0/kcで表される。360度を8ビット(256)の
分解能とすれば、Δθ=42/kcと表現する。通常、
分解能を上げるほど制御性能が向上するので、360程
度にする。
【0056】ここで、キャリヤ信号発生回路120aの
1周期あたりの電気角を演算することにより、回転周期
が変化しても電気角を演算して検知することができ、ロ
ータ位置検出精度を向上でき、モータ5にロータの電気
角に応じた所望の電圧波形を印加することができる。
【0057】キャリヤ信号の周波数は15kHz以上の
超音波周波数に設定するので、カウント値kcは脱水運
転時のモータ回転数においても最低10以上の分解能を
確保でき、1電気角では60以上の分解能を確保でき
る。マイクロコンピュータの命令実行速度に余裕があれ
ば、キャリヤ周波数を15.6kHzに設定し8極モー
タを900r/minで駆動した場合、245の分解能
を確保でき、脱水回転においてもほぼ正弦波の電圧波形
で駆動できる。
【0058】つぎに、ステップ306に進んで基準電気
角の0度かどうか、すなわち、ロータ位置信号H1がロ
ーからハイに変化したかどうか判定し、Yならばステッ
プ307に進んで周期測定タイマカウンタTの測定値を
周期測定メモリToに記憶し、ステップ308に進んで
タイマカウンタTをクリヤする。その後、ステップ30
9に進んで周期Toよりロータ回転数Nを求める。
【0059】周期測定のタイマカウンタは、測定精度を
向上させるためにクロック周波数を1〜10μsと高く
し、マイクロコンピュータの基準クロックを分周した信
号をハードタイマーでカウントする。
【0060】つぎに、ステップ310に進んで周期To
を測定するタイマカウンタのカウントを開始させ、ステ
ップ311に進んでサブルーチンをリターンする。
【0061】つぎに、キャリヤ信号割り込み動作につい
て図7を参照しながら説明する。図7は、キャリヤ信号
割り込みサブルーチンのフローチャートであり、キャリ
ヤ信号に同期してロータ位置に対応した電気角を求め、
波形記憶手段12bの信号を読み出してPWM出力する
ものである。キャリヤ信号発生回路120aのタイマカ
ウンタがオーバーフローすると割り込み信号が発生し、
ステップ400より始まるキャリヤ信号割り込みサブル
ーチンを実行する。
【0062】ステップ401でキャリヤカウンタのカウ
ント値kをインクリメントし、つぎに、ステップ402
に進んでインバータ回路出力電気角θを演算する。
【0063】電気角θは、キャリヤ信号1周期の電気角
Δθとキャリヤカウンタのカウント値kの積に位相φと
位置信号割り込みサブルーチンで検出した電気角θcの
和より求める。Δθ×k+θcの演算値はロータ位置電
気角を意味し、位相φは、モータへの印加電圧位相を示
す。電気角θは、U、V、W各相とも求める。
【0064】つぎに、ステップ403に進んで波形記憶
手段12bより電気角θに対応した波形データを呼び出
す。正弦波データならば、呼び出したデータはsinθ
となる。ただし、振幅データは−256〜+256の値
である。電気角最大値は360度なので、θが360度
以上になると0に戻ってデータを読み出す。
【0065】つぎに、ステップ404に進んで位置信号
割り込みサブルーチンで求めた変調度Gより信号vuを
演算し、ステップ405に進んでPWM制御回路12a
に信号を加える比較回路121aの出力設定バッファ、
すなわち出力設定手段122にデータを転送し、ステッ
プ406に進んでサブルーチンリターンする。V相、W
相もステップ402からステップ405までU相と同様
の処理を行う。
【0066】キャリヤ信号割り込みサブルーチン内の処
理はキャリヤ信号1周期内に処理を終わる必要がある。
キャリヤ周波数が15.6kHzならば遅くとも30μ
s以内に処理を終える必要があり、処理が30μs以内
に処理が終わらないプログラムステップの場合にはプロ
グラムを分割し、キャリヤ割り込み1回目でU相、2回
目でV相、3回目でW相の処理を行うようにしてもよ
い。
【0067】図8は、制動運転時のインバータ回路出力
電圧(モータ印加電圧)Va、モータ誘起電圧Ec、モ
ータ電流Iのモータ中性点から見た1相分のベクトル図
を示す。正弦波の場合には、インバータ出力電圧Va
は、モータコイル抵抗RとインダクタンスLの電圧降下
とモータ誘起電圧Ecの和に等しいので、Va=Ec+
I×(R+jωL)で表される。ここでωは2πfで、
インバータ出力周波数fは、f=p×N÷120で表さ
れる。ここで、pは極数、Nは回転数[r/min]で
ある。
【0068】ブレーキ初期の位相φは60度進角、変調
度Gは高速回転数の場合50%に設定するので、図8
(a)のベクトル図となる。モータ誘起電圧Ecの位相
は、ロータ位置信号H1の基準位相よりも30度遅れて
いるので、モータ印加電圧Vaの位相は誘起電圧Ecか
らほぼ90度進角となる。この図に示すように、モータ
電流Iの位相は誘起電圧位相よりもほぼ90度進んでい
るので、モータ出力はほとんど零に近くモータトルクは
ほとんど発生しない。
【0069】図8(b)は、モータ回転数が高速回転時
におけるベクトル図であり、インバータ回路出力電圧V
aの位相を90度よりもさらに進めて、誘起電圧Ecの
位相よりも180度進めたベクトル図を示している。こ
のとき、回転数が高く周波数fが高いので、モータイン
ダクタンス分の電圧降下(I×jωL)が大きく、抵抗
分の電圧降下は小さい。
【0070】モータ出力Pは、誘起電圧Ecとモータ電
流Iの積にcosαを掛けた値に比例し、電流位相αは
約120度進角しているので、負のモータ出力、すなわ
ち発電エネルギーが発生する。この発電エネルギーはモ
ータコイル抵抗で消費し、インバータ直流電源側に回生
しない。このベクトル図より、モータコイルによる消費
電力(I×I×R)は、モータ発電エネルギー(Ec×
I×cosα)とインバータ回路側からの供給エネルギ
ー(Va×I×cos(180−α))の和となるので
発電エネルギーは抵抗で消費されることがわかる。
【0071】なお、高速回転時の誘起電圧Ecはモータ
印加電圧Vaよりもかなり高く、このときには、インバ
ータ出力電圧Vaはモータ誘起電圧Ecの半分程度に設
定してモータ電流を減らしても十分な制動トルクが発生
する。
【0072】図8(c)は、モータ回転数が低速回転時
におけるベクトル図であり、回転数が低下すると、モー
タ誘起電圧Ecは低下してコイルインダクタンス分によ
る電圧降下(I×jωL)も低下するので相対的に抵抗
分の電圧降下が増加するので、電流位相αはさらに進ん
で180度に近づく。
【0073】また、コイルのインピーダンス(R+jω
L)は低下するのでモータ電流Iが増加し、モータの制
動トルク(負のトルク)はそれほど低下しない特徴があ
る。ただし、回転数がさらに低下するとリアクタンス分
が減少して電流が増加するので、図5のフローチャート
に示したように、電流値に応じて変調度Gを制御する。
【0074】図8(a)とは逆に初期位相を遅角60
度、あるいは遅角90度に設定すると回生エネルギーに
よりインバータ回路直流電圧が上昇する。遅角方向から
位相を180度ずらすと、図8に示すような電流ベクト
ルとならないので、発電エネルギーがインバータ側に帰
って直流電圧が上昇するので、整流回路のコンデンサや
パワー半導体の耐圧を高くする必要がある。
【0075】(実施例2)図1に示す制御手段12は、
回転数に応じてインバータ回路出力電圧を制御しモータ
電流を制御するようにしている。他の構成は上記実施例
1と同じである。
【0076】上記構成において図10を参照しながらブ
レーキ行程での動作を説明する。なお、図10のフロー
チャートは、上記実施例1の図5に示すブレーキ制御サ
ブルーチンに変更を加えたものであり、追加変更部分の
み説明する。
【0077】ステップ500よりブレーキ制御プログラ
ムが開始し、ステップ201からステップ210までの
処理は図5と同じである。ステップ210にて位相φを
150度に固定してからステップ208’に進み、ステ
ップ208’にて回転数Nに応じて変調度Gを設定す
る。
【0078】回転数Nと変調度Gの関係は図9に示すよ
うに、回転数Nが低下すると変調度Gも低下させ、モー
タ電流値がほぼ一定、あるいは、IGBTの定格電流を
越えない値となる回転数Nと変調度Gの関係を実験的に
求めて、マイクロコンピュータのメモリに記憶させ、ル
ックアップテーブルにより変調度Gを制御する。このよ
うなルックアップテーブル方式は、プログラムが簡単で
信頼性が向上する特徴がある。
【0079】ステップ208’以外のステップは図5と
同じなので説明は省略する。
【0080】以上述べたような、回転数Nと変調度Gの
関係式、あるいは、ルックアップテーブル方式以外に、
上記実施例1で述べたような電流フィードバック方式と
ルックアップテーブル方式の組み合わせも考えられる。
すなわち、通常の制御は回転数Nと変調度Gのルックア
ップテーブルで制御して、モータ電流が設定値より増加
した場合のみ変調度Gを下げる方式でもよい。
【0081】以上述べた如く本発明の特徴は、制動開始
時にインバータ回路出力電圧位相をモータ誘起電圧位相
からほぼ90度位相進めてから180度位相に進めるこ
とにより、モータ発電エネルギーをモータコイル抵抗に
消費させるので、インバータ回路直流電圧上昇を防ぐこ
とができ、インバータ回路部品の電圧を下げることがで
き、信頼性を向上させ、特別な部品を必要としないので
安価な制動装置を実現できる。
【0082】しかも、高速回転時には誘起電圧のほぼ半
分の電圧を加えることにより少ないモータ電流で制動ト
ルクを発生させ、低速回転時にはインバータ出力電圧を
低下させることによりモータ電流の上昇を防ぐことがで
きるので、モータの発熱を減らして制動トルクを大きく
することができる。
【0083】また、本発明は洗濯機の脱水制動に限ら
ず、掃除機や食器洗い機の洗浄ポンプ、あるいは、サー
ボモータ等に応用できることは明らかである。
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、交流電源と、前記交流電源に接続された
整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換
するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動
されるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロ
ータ位置検出手段と、前記インバータ回路を制御する制
御手段とを備え、前記制御手段は、前記モータの誘起電
圧位相よりも前記インバータ回路出力電圧位相を90度
近傍の位相に進角させてトルクを下げた後、さらに電圧
位相を180度近傍に進めて制動トルクを発生させるよ
うにしたから、モータの誘起電圧を直流電源側に回生さ
せることなく、少ない電流でモータに制動トルクを発生
させることができ、モータとパワー半導体の温度上昇、
およびパワー半導体の電圧上昇を防ぐことができる。
【0085】また、請求項2に記載の発明によれば、制
御手段は、モータ高速回転時においてモータ誘起電圧の
約半分程度のインバータ回路出力電圧となるように初期
電圧を設定して制動するようにしたから、高速回転時に
は、主として誘起電圧により制動トルクを発生させるこ
とによりインバータ回路の電流を減らすことができ、高
効率の制動が可能となり、モータとインバータ回路のパ
ワー半導体の温度上昇を抑制できる。
【0086】また、請求項3に記載の発明によれば、制
御手段は、モータ低速回転時においてモータ誘起電圧よ
りも大きいインバータ回路出力電圧となるようにして制
動するようにしたから、低速回転時には、主としてイン
バータ回路電圧によりモータ電流を流して制動トルクを
発生させるようにするので、低速回転時の制動トルクの
低下を防止できる。
【0087】また、請求項4に記載の発明によれば、制
御手段は、インバータ回路出力電圧位相を、初期位相か
ら連続的に180度近傍まで進角させて位相を保持する
ようにしたから、モータ回転中に瞬時に位相を変えた場
合のインバータ回路の過度電圧上昇とモータ異常音を防
止することができる。
【0088】また、請求項5に記載の発明によれば、制
御手段は、モータ電流に対応した電流を検知してインバ
ータ回路出力電圧を制御するようにしたから、回転数低
下によるモータ電流とインバータ回路電流の増加を防ぐ
ことができ、モータとインバータ回路のパワー半導体の
温度上昇を抑制できる。
【0089】また、請求項6に記載の発明によれば、制
御手段は、回転数に応じてインバータ回路出力電圧を制
御しモータ電流を制御するようにしたから、回転数低下
によるモータ電流とインバータ回路電流の増加を防ぐこ
とができ、モータとインバータ回路のパワー半導体の温
度上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のモータ駆動装置のブロ
ック図
【図2】同モータ駆動装置の制御手段のブロック図
【図3】同モータ駆動装置の通常駆動時のタイムチャー
【図4】同モータ駆動装置の制動時のタイムチャート
【図5】同モータ駆動装置のブレーキ制御プログラムの
フローチャート
【図6】同モータ駆動装置の位置信号割り込みサブルー
チンのフローチャート
【図7】同モータ駆動装置のキャリヤ信号割り込みサブ
ルーチンのフローチャート
【図8】(a)同モータ駆動装置の制動運転時のベクト
ル図 (b)同モータ駆動装置の高速回転時のベクトル図 (c)同モータ駆動装置の低速回転時のベクトル図
【図9】同洗濯機の制動運転時のモータ回転数と正弦波
PWM制御変調度の関係図
【図10】本発明の第2の実施例のモータ駆動装置のブ
レーキ制御プログラムのフローチャート
【符号の説明】 1 交流電源 3 整流回路 4 インバータ回路 5 モータ 5a ロータ位置検出手段 12 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 典正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H530 AA02 BB06 CC06 CD01 CD21 CD32 DD03 EE06 5H560 AA10 BB04 BB12 DA02 DC12 EB01 EC10 HB01 HB05 SS07 TT01 TT02 TT07 TT11 UA06 XA02 XA06 XA12 XB10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と、前記交流電源に接続された
    整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動
    されるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロ
    ータ位置検出手段と、前記インバータ回路を制御する制
    御手段とを備え、前記制御手段は、前記モータの誘起電
    圧位相よりも前記インバータ回路出力電圧位相を90度
    近傍に進角させてトルクを下げた後、さらに電圧位相を
    180度近傍に進めて制動トルクを発生させるようにし
    たモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 制御手段は、モータ高速回転時において
    モータ誘起電圧の約半分程度のインバータ回路出力電圧
    となるように初期電圧を設定して制動するようにした請
    求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、モータ低速回転時において
    モータ誘起電圧よりも大きいインバータ回路出力電圧と
    なるようにして制動するようにした請求項1記載のモー
    タ駆動装置。
  4. 【請求項4】 制御手段は、インバータ回路出力電圧位
    相を、初期位相から連続的に180度近傍まで進角させ
    て位相を保持するようにした請求項1記載のモータ駆動
    装置。
  5. 【請求項5】 制御手段は、モータ電流に対応した電流
    を検知してインバータ回路出力電圧を制御するようにし
    た請求項1記載のモータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 制御手段は、回転数に応じてインバータ
    回路出力電圧を制御しモータ電流を制御するようにした
    請求項1記載のモータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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